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技術 生体組織補填材とその製造方法

出願人 オリンパステルモバイオマテリアル株式会社
発明者 本島怜高見公彰井上晃小松希
出願日 2010年9月27日 (9年9ヶ月経過) 出願番号 2010-216022
公開日 2012年4月12日 (8年2ヶ月経過) 公開番号 2012-070783
状態 特許登録済
技術分野 医療用材料
主要キーワード 混練ステップ 圧縮強度試験機 mL投入 リン酸ナトリウムカルシウム 各生体組織 焼結ステップ 混合物粉末 成形ステップ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2012年4月12日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題

初期強度を変化させることなく、生体内における吸収特性を制御する。

解決手段

カルシウム供給物質と、ナトリウム供給物質と、リン酸供給物質とをメカノケミカル法により混練してリン酸ナトリウムカルシウム粉末を含む混合物を得る混練ステップS1と、該混練ステップS1において得られた混合物を焼結する焼結ステップS5とを含む生体組織補填材の製造方法を提供する。混合物内におけるリン酸ナトリウムカルシウム含有量を調節することにより、初期強度を低下させることなく、吸収性を向上した生体組織補填材を簡易に製造することができる。

概要

背景

従来、生体内補填されることにより、吸収される生体内吸収性生体組織補填材として、種々のリン酸カルシウムセラミックスが開発されている。特に、β−リン酸三カルシウム(β−TCP)多孔体は、優れた骨伝導能を有し、骨組織直接結合する上、骨組織中で経時的に吸収され、自家骨置換されるという性能を有している(例えば、特許文献1参照。)。

概要

初期強度を変化させることなく、生体内における吸収特性を制御する。カルシウム供給物質と、ナトリウム供給物質と、リン酸供給物質とをメカノケミカル法により混練してリン酸ナトリウムカルシウム粉末を含む混合物を得る混練ステップS1と、該混練ステップS1において得られた混合物を焼結する焼結ステップS5とを含む生体組織補填材の製造方法を提供する。混合物内におけるリン酸ナトリウムカルシウム含有量を調節することにより、初期強度を低下させることなく、吸収性を向上した生体組織補填材を簡易に製造することができる。

目的

本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、初期強度を変化させることなく、生体内における吸収特性を制御することができる生体組織補填材とその製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

請求項2

カルシウム供給物質と、ナトリウム供給物質と、リン酸供給物質とをメカノケミカル法により混練してリン酸ナトリウムカルシウム粉末を含む混合物を得る混練ステップと、該混練ステップにおいて得られた混合物を焼結する焼結ステップとを含む生体組織補填材の製造方法。

請求項3

前記混練ステップと前記焼結ステップとの間に、前記混練ステップにおいて得られた混合物に純水および起泡剤を加えて混合し、スラリーを生成する混合ステップと、該混合ステップにおいて生成されたスラリーを型に流し込んで成形する成形ステップとをさらに含む請求項2に記載の生体組織補填材の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、生体組織補填材とその製造方法に関するものである。

背景技術

0002

従来、生体内補填されることにより、吸収される生体内吸収性の生体組織補填材として、種々のリン酸カルシウムセラミックスが開発されている。特に、β−リン酸三カルシウム(β−TCP)多孔体は、優れた骨伝導能を有し、骨組織直接結合する上、骨組織中で経時的に吸収され、自家骨置換されるという性能を有している(例えば、特許文献1参照。)。

先行技術

0003

特表2005−519883号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、従来のβ−TCP多孔体からなる生体組織補填材では、生体内における吸収特性を制御しようとする場合、実質的には気孔率を異ならせる他なく、気孔率を異ならせると、生体組織補填材の初期強度が変化してしまうという不都合がある。すなわち、生体組織補填材の吸収特性は使用部位やホスト年齢等によって選択されることが好ましいが、従来のβ−TCPからなる生体組織補填材では、吸収特性を変化させると初期強度が変化し、補填時の取扱性が変化したり、置換される生体組織の強度が変化したりする不都合がある。特に、吸収特性を早める場合には気孔率を高くしなければならず、初期強度が極端に低下してしまい、補填時の取扱が困難になる。

0005

本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、初期強度を変化させることなく、生体内における吸収特性を制御することができる生体組織補填材とその製造方法を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0006

上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、カルシウム供給物質と、ナトリウム供給物質と、リン酸供給物質とをメカノケミカル法により混練し、得られたリン酸ナトリウムカルシウム粉末を含む混合物焼結することにより製造されるリン酸ナトリウムカルシウム多孔体を含む生体組織補填材を提供する。

0007

本発明によれば、含有するナトリウムによって、β−TCPより溶解性が高く、生体内において吸収され易いので、気孔率を増加させることなく、吸収特性を向上することができる。気孔率を増加させずに済むので、初期強度の低下を防止することができ、含有されるリン酸ナトリウムカルシウム比率を調節することにより、吸収特性を容易に調節することができる。すなわち、適用部位やホスト年齢等に応じて、用途に適した吸収特性を有する生体組織補填材を補填することにより、自家生体組織への置換を効率的に行うことができる。

0008

また、本発明は、カルシウム供給物質と、ナトリウム供給物質と、リン酸供給物質とをメカノケミカル法により混練してリン酸ナトリウムカルシウム粉末を含む混合物を得る混練ステップと、該混練ステップにおいて得られた混合物を焼結する焼結ステップとを含む生体組織補填材の製造方法を提供する。

0009

このようにすることで、含有するナトリウムによって、β−TCPより溶解性が高く、生体内において吸収され易い生体組織補填材を、その気孔率を増加させることなく、すなわち、初期強度の低下を防止しつつ製造することができる。これにより、適用部位やホスト年齢等に応じた吸収特性を選択することにより、自家生体組織への置換を効率的に行うことができる生体組織補填材を製造することができる。

0010

上記発明においては、前記混練ステップと前記焼結ステップとの間に、前記混練ステップにおいて得られた混合物に純水および起泡剤を加えて混合し、スラリーを生成する混合ステップと、該混合ステップにおいて生成されたスラリーを型に流し込んで成形する成形ステップとを含んでいてもよい。
このようにすることで、成形ステップにより、ブロック状の生体組織補填材を容易に製造することができる。

発明の効果

0011

本発明によれば、初期強度を変化させることなく、生体内における吸収特性を制御することができるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

0012

本発明の一実施形態に係る生体組織補填材の構造を示す顕微鏡写真である。
図1の生体組織補填材の製造方法を示すフローチャートである。
図2の生体組織補填材の製造方法により製造された生体組織補填材のX線結晶構造解析結果を示す図である。
図2の生体組織補填材の製造方法により製造された生体組織補填材の溶解性試験結果を示す図である。
図2の生体組織補填材の製造方法により製造された生体組織補填材の圧縮強度試験結果を示す図である。
図2の生体組織補填材の製造方法により製造された生体組織補填材の細胞生着性の検証結果を示す顕微鏡写真である。

0013

本発明の一実施形態に係る生体組織補填材とその製造方法について、以下に説明する。
本実施形態に係る生体組織補填材は、例えば、骨欠損部等に補填される骨補填材であって、リン酸ナトリウムカルシウム多孔体により構成されている。

0014

本実施形態に係る生体組織補填材の製造方法は、まず、カルシウム供給物質と、ナトリウム供給物質と、リン酸供給物質とを用意する。カルシウム供給物質としては、例えば、炭酸カルシウム(CaCO3)を挙げることができる。また、ナトリウム供給物質としては、例えば、リン酸ナトリウム水和物(NaH2PO4・2H2O)を挙げることができる。また、リン酸供給物質としては、例えば、リン酸カルシウム2水和物(CaHPO4・2H2O)を挙げることができる。

0015

次に、図2に示されるように、これらのカルシウム供給物質、ナトリウム供給物質、リン酸供給物質をメカノケミカル法により混練する(混練ステップS1)。これにより、β−TCP(Ca3(PO)4)およびリン酸ナトリウムカルシウム(CaNaPO4)を含むスラリー状の混合物が生成される。これを乾燥、粉砕焼成することで粉末状の混合物が得られる。

0016

次に、生成された粉末状の混合物に起泡剤、分散剤および純水を混合する(混合ステップS2)ことにより、スラリーを生成する。混合ステップS2により生成されたスラリーを型に流し込んで成形し(成形ステップS3)、型に充填されたスラリーを自然乾燥させることにより成形体を得る(乾燥ステップS4)。

0017

その後、得られた成形体を焼結する(焼結ステップS5)。これにより、リン酸ナトリウムカルシウム多孔体を含む生体組織補填材が製造される。製造された本実施形態に係る生体組織補填材の結晶構造の顕微鏡写真を図1に示す。本実施形態に係る生体組織補填材もβ−TCPと同様の多孔質構造を有している。

0018

このようにして製造された本実施形態に係る生体組織補填材は、ナトリウムを含むので、β−TCPのようなリン酸カルシウムと比較して吸収性が高いという利点がある。すなわち、同等の気孔率を有する多孔体からなる純粋なβ−TCPと比較して、初期強度を同等に維持しながら、吸収性を向上することができる。その結果、生体組織補填材の補填時の取り扱い性を低下させることなく、短時間で吸収されて骨組織に置換させることができるという利点がある。

0019

さらに、本実施形態に係る生体組織補填材の製造方法によれば、β−TCPの製造方法と同様の方法によって簡易にリン酸ナトリウムカルシウム多孔体を含む生体組織補填材を製造することができるという利点がある。この場合に、ナトリウム供給物質の比率を調節することにより、吸収特性の異なる生体組織補填材を簡易に製造することができる。これにより、用途に合わせて、ナトリウム供給物質の比率を調節し、製造される生体組織補填材の吸収特性を制御することができるという利点がある。

0020

次に、本発明の一実施形態に係る生体組織補填材の実施例について、図面を参照して説明する。
本実施例においては、カルシウム供給物質、ナトリウム供給物質およびリン酸供給物質の配合比率を調節することにより、β−TCPとリン酸ナトリウムカルシウム(CSP)との比率の異なる複数の生体組織補填材を製造した。

0021

本実施例においては、以下の比率の生体組織補填材を製造した。
β−TCP:CSP=100: 0 … β−TCP
= 75:25 … CSP250
= 50:50 … CSP500
= 25:75 … CSP750
= 9:91 … CSP910

0022

これらの生体組織補填材は、カルシウム供給物質、ナトリウム供給物質およびリン酸供給物質をメカノケミカル法により混練することによりスラリーを得た。これを乾燥し、粉砕し、750℃で1時間焼成することで、平均粒径100μm以下のリン酸ナトリウムカルシウムを含む粉末状の混合物を生成し、起泡剤(セルナ)、分散剤(NP−10)および純水を混合してスラリーを生成し、型に流し込んで成形し、乾燥後、1100℃で1時間以上焼結することにより製造した。

0023

その結果、得られた各生体組織補填材のX線結晶構造解析結果を図3に示す。
図3によれば、リン酸ナトリウムカルシウムの比率が高くなればなるほど、β−TCPの結晶構造とは異なる結晶構造となっていくことがわかる。

0024

次に、このようにして得られた本実施形態に係る生体組織補填材の溶解性試験結果を図4に示す。
溶解性試験は、上記により得られたβ−TCP、CSP250、CSP500およびCSP750について行った。

0025

溶解性試験は、上記生体組織補填材をTris-HCl bufferに浸漬させ、溶出するCa、P、Naイオン濃度誘導結合プラズマ(ICP)測定することにより行った。
試験用サンプルは以下のようにして作成した。

0026

(試験用サンプル1hの作成)
まず、上記生体組織補填材を、それぞれ100mg量し、ファルコンチューブ(50mL)に投入後、Tris-HCl bufferを50mL投入した。
次いで、37℃、120spmで1時間インキュベートした。
その後遠心分離することにより得られた上清を10mL取り出し、ファルコンチューブ(15mL)に投入した室温で保管することにより、試験用サンプル1hを作成した。

0027

(試験用サンプル24hの生成)
試験用サンプル1hの作成においてファルコンチューブ(50mL)内に残ったTris-HCl bufferを捨て、新たなTris-HCl bufferを50mL投入した。
次いで、37℃、120spmで23時間インキュベートした。
その後遠心分離することにより得られた上清を10mL取り出し、ファルコンチューブ(15mL)に投入した室温で保管することにより、試験用サンプル24hを作成した。

0028

(試験用サンプル48hの生成)
試験用サンプル24hの作成においてファルコンチューブ(50mL)内に残ったTris-HCl bufferを捨て、新たなTris-HCl bufferを50mL投入した。
次いで、37℃、120spmで24時間インキュベートした。
その後遠心分離することにより得られた上清を10mL取り出し、ファルコンチューブ(15mL)に投入した室温で保管することにより、試験用サンプル48hを作成した。

0029

(試験用サンプル72hの生成)
試験用サンプル48hの作成においてファルコンチューブ(50mL)内に残ったTris-HCl bufferを捨て、新たなTris-HCl bufferを50mL投入した。
次いで、37℃、120spmで24時間インキュベートした。
その後遠心分離することにより得られた上清を10mL取り出し、ファルコンチューブ(15mL)に投入した室温で保管することにより、試験用サンプル72hを作成した。

0030

(ICP測定)
得られた試験用サンプル1h,24h,48h,72hをそれぞれ10倍希釈し、内部に溶出しているCaイオン、NaイオンおよびPイオンの濃度をICP測定により測定した。

0031

図4は、横軸を時間とし、縦軸を各イオン濃度の総量として示している。72時間経過後の総イオン濃度は、試験用サンプル1h、24h、48hおよび72hの総イオン濃度の総和である。
これによれば、溶解性はナトリウム含有量に依存しており、ナトリウム含有量が多いほど溶解性が高くなっていることがわかった。

0032

次に、本実施形態に係る生体組織補填材の強度試験結果を図5に示す。
強度試験も、β−TCP、CSP250、CSP500およびCSP750について行った。

0033

試験用サンプルは、混練ステップにおいて得られた各配合比率のβ−TCPとリン酸ナトリウムカルシウムとの混合物粉末を直径5mmの成形器圧縮成形し、1100℃で1時間以上焼結することにより、円柱状の試験用サンプルを得た。
これらの試験用サンプルを圧縮強度試験機にかけることにより、圧縮強度を測定した。

0034

図5に示されるように、ナトリウム含有量の増加とともに圧縮強度は低下しているが、20%以内に収まっており、初期強度を大きく低下させることなく、溶解性の高い生体組織補填材が得られていることがわかった。

0035

次に、本実施形態に係る生体組織補填材の細胞の生着性を検証した。
検証は、β−TCP、CSP250、CSP500、CSP750およびCSP910について行った。

0036

上記生体組織補填材の直径10mmのディスク型焼結体を作成し、24wellプレートに設置した。
次いで、細胞(MC3T3−E1)を1×104cells/diskの濃度で播種し、温度37℃、湿度100%、CO2濃度5%で24時間培養した。

0037

その後、各サンプルを取り出して、DAPI染色し、蛍光観察を行った結果を図6に示す。
これによれば、ナトリウムの含有量の異なる全ての生体組織補填材において、細胞が生着していることが検証された。

0038

すなわち、上記実施例によれば、β−TCPと同様の製造方法によって、圧縮強度を低下させることなく、また、細胞の生着性も低下させることなく、溶解性の異なる生体組織補填材を製造することができる。

実施例

0039

なお、本実施形態においては、生体組織補填材として骨補填材を例示したが、他の生体組織に補填される生体組織補填材に適用してもよい。
また、カルシウム供給物質、ナトリウム供給物質およびリン酸供給物質は、上記物質に限定されるものではない。
また、上記実施形態においては、気孔率を変更することなく溶解性を変化させる場合について説明したが、ナトリウムの含有量によって溶解性を変化させることに加えて、気孔率を変化させて溶解性を変化させることにしてもよい。

0040

S1混練ステップ
S2混合ステップ
S3成形ステップ
S4乾燥ステップ
S5 焼結ステップ

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