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技術 信号制御装置及び信号制御方法

出願人 三菱電機株式会社
発明者 今尾勝崇
出願日 2010年9月27日 (10年11ヶ月経過) 出願番号 2010-215660
公開日 2012年4月5日 (9年5ヶ月経過) 公開番号 2012-070341
状態 特許登録済
技術分野 有線伝送方式及び無線の等化,エコーの低減 無線伝送方式一般(ダイバーシチ方式等) 無線伝送方式一般(ダイバーシチ方式等)
主要キーワード 拘束動作 包絡線値 加工信号 合成誤差 追従能力 所定時間区間 等化制御信号 維持状態
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図面 (14)

課題

受信信号から希望信号を可能な限り正確に得るための信号制御装置及び信号制御方法を提供する。

解決手段

信号制御装置6は、N系統適応等化手段と、信号合成手段4と、誤差信号解析手段5とを備え、誤差信号解析手段5は、N系統の等化誤差信号を参照して得られるN系統の第1評価指標及び合成等化誤差信号を参照して得られる第2評価指標の少なくとも一方を安定判別閾値と比較し、N系統の等化制御信号及び合成制御信号を生成し、安定判別閾値は、信号合成手段を拘束動作状態から通常動作状態移行させる等化制御信号及び合成制御信号を生成するために使用される第1判定閾値と、信号合成手段を通常動作状態から拘束動作状態に移行させるN系統の等化制御信号及び合成制御信号を生成するために使用される第2判定閾値とを含み、第1判定閾値は第2判定閾値以下の値である。

概要

背景

一般に、移動受信環境では、電波干渉によるマルチパスフェージングや移動に伴う伝送路環境の激しい変動により、受信信号(例えば、音声信号)の品質劣化しやすいという問題がある。従って、受信信号の希望電力対非希望電力比(DUR:Desire power to Un−desire power Ratio)を向上させる新しい移動受信技術が要求されている。

マルチパスフェージングの影響を軽減する技術の1つとして、ダイバシティ合成技術がある。ダイバシティ合成技術では、複数本アンテナで受信した信号の振幅及び位相適応的に制御して信号合成を行う。ダイバシティ合成技術は、マルチパスによる受信信号の歪みや受信機重畳される雑音の影響を低減するために、非常に有効かつ簡便な技術であり、原理上は遅延波遅延時間がいくらであっても、一定の受信性能向上効果が得られる。

ダイバシティ技術の適用による遅延波の抑圧効果は、受信アンテナの本数に大きく依存し、その効果をより高く引き出すためには、アンテナの本数を多くしなければならない。ところが、受信性能の向上に伴って演算規模及びコストが増大するため、アンテナの本数はあまり増やすことができないのが現状である。一方、遅延波が多数重畳されている信号を少ない本数のアンテナで受信した場合、遅延波の到来方向によっては最適なウエイトが得られなくなる虞がある。

一方、マルチパスに起因して発生する受信信号の歪みを適応的に補正して受信信号を最適化する適応等化手段を用いた信号合成技術も、広く実用化されている。適応等化手段は、タップ付き遅延線モデルとして表現できるマルチパス伝送路信号歪みを、FIR(Finite Impulse Response)型やIIR(Infinite Impulse Response)型フィルタを用いて補償するため、遅延波の到来方向によらず、複数の遅延波に対して最適なウエイトを与えることができる。従って、適応等化手段を用いた信号合成技術は、ダイバシティ合成技術に比べて、より「きめ細かな」信号合成を行うことができる。

また、適応等化手段は、主に、遅延タップ数に相当する数の乗算器と、タップ係数更新を行うタップ係数制御アルゴリズムとによって構成されており、タップ係数制御アルゴリズムを適当に選択することで、適応等化手段のフィルタ性能、すなわち、信号歪みの抑圧効果を、向上させることができる特長がある。

従って、適応等化手段のフィルタ性能の特長をダイバシティ合成技術に統合する方式(以下「適応等化ダイバシティ統合方式」と呼ぶ。)を採用することによって、収束精度をより高く維持する提案がある(例えば、特許文献1及び2参照)。

特許文献1には、適応等化手段で抑圧することができなかった長遅延波成分をダイバシティ合成により効率よく抑圧することが開示されている。

また、特許文献2には、等化後及び合成後の受信信号の振幅偏差時間遅延を検出し、これらの値に応じて受信信号の振幅偏差の制御を適応的に行うことで、信号合成、すなわち、ダイバシティ受信方式の動作の安定状態が維持され、高い受信品質が得られることが示されている。

しかしながら、受信信号品質優劣を決定する際には、受信電力受信電界の大きさを参照するだけでは不十分な場合がある。例えば、遅延波が存在するマルチパス環境下では、受信信号の電力が大きな場合であっても、希望波信号電力が遅延波の信号電力と拮抗しているような劣悪な受信環境が存在する。また、移動受信環境下では、ドップラー周波数シフトに起因して受信信号の位相が受信電力に依存することなく時々刻々と変化するため、受信電力が比較的大きな場合であっても、信号誤りが多発する場合がある。

概要

受信信号から希望信号を可能な限り正確に得るための信号制御装置及び信号制御方法を提供する。信号制御装置6は、N系統の適応等化手段と、信号合成手段4と、誤差信号解析手段5とを備え、誤差信号解析手段5は、N系統の等化誤差信号を参照して得られるN系統の第1評価指標及び合成等化誤差信号を参照して得られる第2評価指標の少なくとも一方を安定判別閾値と比較し、N系統の等化制御信号及び合成制御信号を生成し、安定判別閾値は、信号合成手段を拘束動作状態から通常動作状態移行させる等化制御信号及び合成制御信号を生成するために使用される第1判定閾値と、信号合成手段を通常動作状態から拘束動作状態に移行させるN系統の等化制御信号及び合成制御信号を生成するために使用される第2判定閾値とを含み、第1判定閾値は第2判定閾値以下の値である。

目的

本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、受信信号から希望信号を可能な限り正確に得るための信号制御装置及び信号制御方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

入力されたN(Nは正の整数系統の信号から、N系統の等化出力信号及びN系統の等化誤差信号を計算するN系統の適応等化手段と、N系統の前記等化出力信号の合成信号及び合成等化誤差信号を計算する信号合成手段と、N系統の前記等化誤差信号及び前記合成等化誤差信号を参照し、N系統の前記適応等化手段の動作を制御するN系統の等化制御信号及び前記信号合成手段を制御する合成制御信号を生成する誤差信号解析手段とを備え、前記誤差信号解析手段は、N系統の前記等化誤差信号を参照して得られるN系統の第1評価指標及び前記合成等化誤差信号を参照して得られる第2評価指標の少なくとも一方を安定判別閾値と比較し、該比較の結果に基づいてN系統の前記等化制御信号及び前記合成制御信号を生成し、前記安定判別閾値は、前記信号合成手段を拘束動作状態から通常動作状態移行させるN系統の前記等化制御信号及び前記合成制御信号を生成するために使用される第1判定閾値と、前記信号合成手段を前記通常動作状態から前記拘束動作状態に移行させるN系統の前記等化制御信号及び前記合成制御信号を生成するために使用される第2判定閾値とを含み、前記第1判定閾値は、前記第2判定閾値以下の値であることを特徴とする信号制御装置

請求項2

前記誤差信号解析手段は、第1時刻におけるN系統の前記等化誤差信号と第2時刻におけるN系統の前記等化誤差信号を、各々加算又は減算することによって得られたN系統以下の等化誤差解析信号を、N系統以下の前記第1評価指標とし、第3時刻における前記合成等化誤差信号と第4時刻における前記合成等化誤差信号を、各々加算又は減算することによって得られた合成等化誤差解析信号を、前記第2評価指標とすることを特徴とする請求項1に記載の信号制御装置。

請求項3

前記誤差信号解析手段は、第1時刻から第2時刻までのN系統の前記等化誤差信号の平均値を、N系統以下の前記第1評価指標とし、第3時刻から第4時刻までの前記合成等化誤差信号の平均値を、前記第2評価指標とすることを特徴とする請求項1に記載の信号制御装置。

請求項4

前記誤差信号解析手段は、第1時刻から第2時刻までのN系統の前記等化誤差信号の平均値と第3時刻から第4時刻までのN系統の前記等化誤差信号の平均値とを、各々加算又は減算することによって得られたN系統以下の等化誤差解析信号を、N系統以下の前記第1評価指標とし、第5時刻から第6時刻までの前記合成等化誤差信号の平均値と第7時刻から第8時刻までの前記合成等化誤差信号の平均値とを、各々加算又は減算することによって得られた合成等化誤差解析信号を、前記第2評価指標とすることを特徴とする請求項1に記載の信号制御装置。

請求項5

前記誤差信号解析手段は、N系統以下の前記第1評価指標の全てが第1所定時間区間において前記第1判定閾値以下となった場合に、前記信号合成手段を拘束動作状態から通常動作状態へ移行させるN系統の前記等化制御信号及び前記合成制御信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の信号制御装置。

請求項6

前記誤差信号解析手段は、N系統以下の前記第1評価指標の全てが第2所定時間区間において前記第2判定閾値以上となり、かつ、前記第2評価指標が前記第2所定時間区間において前記第2判定閾値以上となった場合に、前記信号合成手段を通常動作状態から拘束動作状態へ移行させるN系統の前記等化制御信号及び前記合成制御信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の信号制御装置。

請求項7

前記等化制御信号は、N系統の前記適応等化手段の一部又は全部の係数更新一時停止又は再開させる信号であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の信号制御装置。

請求項8

前記等化制御信号は、N系統の前記適応等化手段の一部又は全部の係数更新動作初期状態に戻すことができる信号であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の信号制御装置。

請求項9

前記合成制御信号は、前記信号合成手段の係数更新を一時停止又は再開させる信号であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の信号制御装置。

請求項10

前記合成制御信号は、前記信号合成手段の係数更新動作を初期状態に戻す信号であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の信号制御装置。

請求項11

N(Nは正の整数)系統の適応等化手段と信号合成手段と誤差信号解析手段とを有する装置により実行される信号制御方法であって、N系統の前記適応等化手段が、入力されたN系統の信号から、N系統の等化出力信号及びN系統の等化誤差信号を計算するステップと、前記信号合成手段が、N系統の前記等化出力信号の合成信号及び合成等化誤差信号を計算するステップと、前記誤差信号解析手段が、N系統の前記等化誤差信号及び前記合成等化誤差信号を参照し、N系統の前記適応等化手段の動作を制御するN系統の等化制御信号及び前記信号合成手段を制御する合成制御信号を生成するステップとを有し、N系統の前記等化制御信号及び前記合成制御信号を生成する前記ステップにおいて、前記誤差信号解析手段は、N系統の前記等化誤差信号を参照して得られるN系統の第1評価指標及び前記合成等化誤差信号を参照して得られる第2評価指標の少なくとも一方を安定判別閾値と比較し、該比較の結果に基づいてN系統の前記等化制御信号及び前記合成制御信号を生成し、前記安定判別閾値は、前記信号合成手段を拘束動作状態から通常動作状態へ移行させるN系統の前記等化制御信号及び前記合成制御信号を生成するために使用される第1判定閾値と、前記信号合成手段を前記通常動作状態から前記拘束動作状態に移行させるN系統の前記等化制御信号及び前記合成制御信号を生成するために使用される第2判定閾値とを含み、前記第1判定閾値は、前記第2判定閾値以下の値であることを特徴とする信号制御方法。

請求項12

N系統の前記等化制御信号及び前記合成制御信号を生成する前記ステップにおいて、第1時刻におけるN系統の前記等化誤差信号と第2時刻におけるN系統の前記等化誤差信号を、各々加算又は減算することによって得られたN系統以下の等化誤差解析信号を、N系統以下の前記第1評価指標とし、第3時刻における前記合成等化誤差信号と第4時刻における前記合成等化誤差信号を、各々加算又は減算することによって得られた合成等化誤差解析信号を、前記第2評価指標とすることを特徴とする請求項11に記載の信号制御方法。

請求項13

N系統の前記等化制御信号及び前記合成制御信号を生成する前記ステップにおいて、第1時刻から第2時刻までのN系統の前記等化誤差信号の平均値を、N系統以下の前記第1評価指標とし、第3時刻から第4時刻までの前記合成等化誤差信号の平均値を、前記第2評価指標とすることを特徴とする請求項11に記載の信号制御方法。

請求項14

N系統の前記等化制御信号及び前記合成制御信号を生成する前記ステップにおいて、第1時刻から第2時刻までのN系統の前記等化誤差信号の平均値と第3時刻から第4時刻までのN系統の前記等化誤差信号の平均値とを、各々加算又は減算することによって得られたN系統以下の等化誤差解析信号を、N系統以下の前記第1評価指標とし、第5時刻から第6時刻までの前記合成等化誤差信号の平均値と第7時刻から第8時刻までの前記合成等化誤差信号の平均値とを、各々加算又は減算することによって得られた合成等化誤差解析信号を、前記第2評価指標とすることを特徴とする請求項11に記載の信号制御方法。

請求項15

N系統の前記等化制御信号及び前記合成制御信号を生成する前記ステップにおいて、前記誤差信号解析手段は、N系統以下の前記第1評価指標の全てが第1所定時間区間において前記第1判定閾値以下となった場合に、前記信号合成手段を拘束動作状態から通常動作状態へ移行させるN系統の前記等化制御信号及び前記合成制御信号を生成することを特徴とする請求項11に記載の信号制御方法。

請求項16

N系統の前記等化制御信号及び前記合成制御信号を生成する前記ステップにおいて、前記誤差信号解析手段は、N系統以下の前記第1評価指標の全てが第2所定時間区間において前記第2判定閾値以上となり、かつ、前記第2評価指標が前記第2所定時間区間において前記第2判定閾値以上となった場合に、前記信号合成手段を通常動作状態から拘束動作状態へ移行させるN系統の前記等化制御信号及び前記合成制御信号を生成することを特徴とする請求項11に記載の信号制御方法。

請求項17

前記等化制御信号は、N系統の前記適応等化手段の一部又は全部の係数更新を一時停止又は再開させる信号であることを特徴とする請求項11乃至16のいずれか1項に記載の信号制御方法。

請求項18

前記等化制御信号は、N系統の前記適応等化手段の一部又は全部の係数更新動作を初期状態に戻すことができる信号であることを特徴とする請求項11乃至16のいずれか1項に記載の信号制御方法。

請求項19

前記合成制御信号は、前記信号合成手段の係数更新を一時停止又は再開させる信号であることを特徴とする請求項11乃至16のいずれか1項に記載の信号制御方法。

請求項20

前記合成制御信号は、前記信号合成手段の係数更新動作を初期状態に戻す信号であることを特徴とする請求項11乃至16のいずれか1項に記載の信号制御方法。

技術分野

0001

本発明は、受信信号から希望信号を得るための信号制御装置及び信号制御方法に関する。

背景技術

0002

一般に、移動受信環境では、電波干渉によるマルチパスフェージングや移動に伴う伝送路環境の激しい変動により、受信信号(例えば、音声信号)の品質劣化しやすいという問題がある。従って、受信信号の希望電力対非希望電力比(DUR:Desire power to Un−desire power Ratio)を向上させる新しい移動受信技術が要求されている。

0003

マルチパスフェージングの影響を軽減する技術の1つとして、ダイバシティ合成技術がある。ダイバシティ合成技術では、複数本アンテナで受信した信号の振幅及び位相適応的に制御して信号合成を行う。ダイバシティ合成技術は、マルチパスによる受信信号の歪みや受信機重畳される雑音の影響を低減するために、非常に有効かつ簡便な技術であり、原理上は遅延波遅延時間がいくらであっても、一定の受信性能向上効果が得られる。

0004

ダイバシティ技術の適用による遅延波の抑圧効果は、受信アンテナの本数に大きく依存し、その効果をより高く引き出すためには、アンテナの本数を多くしなければならない。ところが、受信性能の向上に伴って演算規模及びコストが増大するため、アンテナの本数はあまり増やすことができないのが現状である。一方、遅延波が多数重畳されている信号を少ない本数のアンテナで受信した場合、遅延波の到来方向によっては最適なウエイトが得られなくなる虞がある。

0005

一方、マルチパスに起因して発生する受信信号の歪みを適応的に補正して受信信号を最適化する適応等化手段を用いた信号合成技術も、広く実用化されている。適応等化手段は、タップ付き遅延線モデルとして表現できるマルチパス伝送路信号歪みを、FIR(Finite Impulse Response)型やIIR(Infinite Impulse Response)型フィルタを用いて補償するため、遅延波の到来方向によらず、複数の遅延波に対して最適なウエイトを与えることができる。従って、適応等化手段を用いた信号合成技術は、ダイバシティ合成技術に比べて、より「きめ細かな」信号合成を行うことができる。

0006

また、適応等化手段は、主に、遅延タップ数に相当する数の乗算器と、タップ係数更新を行うタップ係数制御アルゴリズムとによって構成されており、タップ係数制御アルゴリズムを適当に選択することで、適応等化手段のフィルタ性能、すなわち、信号歪みの抑圧効果を、向上させることができる特長がある。

0007

従って、適応等化手段のフィルタ性能の特長をダイバシティ合成技術に統合する方式(以下「適応等化ダイバシティ統合方式」と呼ぶ。)を採用することによって、収束精度をより高く維持する提案がある(例えば、特許文献1及び2参照)。

0008

特許文献1には、適応等化手段で抑圧することができなかった長遅延波成分をダイバシティ合成により効率よく抑圧することが開示されている。

0009

また、特許文献2には、等化後及び合成後の受信信号の振幅偏差時間遅延を検出し、これらの値に応じて受信信号の振幅偏差の制御を適応的に行うことで、信号合成、すなわち、ダイバシティ受信方式の動作の安定状態が維持され、高い受信品質が得られることが示されている。

0010

しかしながら、受信信号品質優劣を決定する際には、受信電力受信電界の大きさを参照するだけでは不十分な場合がある。例えば、遅延波が存在するマルチパス環境下では、受信信号の電力が大きな場合であっても、希望波信号電力が遅延波の信号電力と拮抗しているような劣悪な受信環境が存在する。また、移動受信環境下では、ドップラー周波数シフトに起因して受信信号の位相が受信電力に依存することなく時々刻々と変化するため、受信電力が比較的大きな場合であっても、信号誤りが多発する場合がある。

先行技術

0011

特許第4463689号公報(段落0010、図1
特開2000−209139号公報(段落0049、図1

発明が解決しようとする課題

0012

ところで、一般的な適応等化手段は、タップ係数を逐次制御することで受信機に到来する複数の遅延波の位相偏差を補正した上で受信信号を合成し、初期状態から収束状態へと移行する。本出願では、適応等化手段が初期状態から収束状態へ移行する過程を「収束過程」と呼ぶ。

0013

また、移動受信環境では受信信号の包絡線や位相が時々刻々と変化するため、適応等化手段は、タップ係数を逐次更新することで、受信信号の変動に追従しようとする。本出願では、適応等化手段がタップ係数を逐次更新することで、受信信号の変動に追従しようとする過程を「追従過程」と呼ぶ。

0014

2つの適応等化手段を用いる適応等化ダイバシティ統合方式では、2つの適応等化手段が収束過程の状態である場合は、これらの適応等化手段の出力が不安定となるのが普通である。従って、収束過程の状態である場合にダイバシティを常時動作させると、ダイバシティ合成部で用いる信号合成アルゴリズムが正しく動作しなくなる場合が発生し、受信性能の向上効果が得られなくなる虞がある。

0015

また、2つの適応等化手段が追従過程の状態である場合に、伝送路環境の悪化などに起因してタップ係数の更新が正確に行われなくなってしまう場合があり得る。このとき、2つの適応等化手段の出力を用いて信号合成を行うダイバシティ合成部の安定性保証されなくなり、やはり受信性能の向上効果が得られなくなる虞がある。従って、収束過程の状態の場合だけでなく、追従過程の状態の場合であっても、2つの適応等化手段又はダイバシティ合成部の動作を適応的かつ相補的に制御する必要があると言える。

0016

そこで、本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、受信信号から希望信号を可能な限り正確に得るための信号制御装置及び信号制御方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0017

本発明の一態様に係る信号制御装置は、入力されたN(Nは正の整数系統の信号から、N系統の等化出力信号及びN系統の等化誤差信号を計算するN系統の適応等化手段と、N系統の前記等化出力信号の合成信号及び合成等化誤差信号を計算する信号合成手段と、N系統の前記等化誤差信号及び前記合成等化誤差信号を参照し、N系統の前記適応等化手段の動作を制御するN系統の等化制御信号及び前記信号合成手段を制御する合成制御信号を生成する誤差信号解析手段とを備え、前記誤差信号解析手段は、N系統の前記等化誤差信号を参照して得られるN系統の第1評価指標及び前記合成等化誤差信号を参照して得られる第2評価指標の少なくとも一方を安定判別閾値と比較し、該比較の結果に基づいてN系統の前記等化制御信号及び前記合成制御信号を生成し、前記安定判別閾値は、前記信号合成手段を拘束動作状態から通常動作状態へ移行させるN系統の前記等化制御信号及び前記合成制御信号を生成するために使用される第1判定閾値と、前記信号合成手段を前記通常動作状態から前記拘束動作状態に移行させるN系統の前記等化制御信号及び前記合成制御信号を生成するために使用される第2判定閾値とを含み、前記第1判定閾値は、前記第2判定閾値以下の値であることを特徴としている。

0018

本発明の一態様に係る信号制御方法は、N(Nは正の整数)系統の適応等化手段と信号合成手段と誤差信号解析手段とを有する装置により実行される信号制御方法であって、N系統の前記適応等化手段が、入力されたN系統の信号から、N系統の等化出力信号及びN系統の等化誤差信号を計算するステップと、前記信号合成手段が、N系統の前記等化出力信号の合成信号及び合成等化誤差信号を計算するステップと、前記誤差信号解析手段が、N系統の前記等化誤差信号及び前記合成等化誤差信号を参照し、N系統の前記適応等化手段の動作を制御するN系統の等化制御信号及び前記信号合成手段を制御する合成制御信号を生成するステップとを有し、N系統の前記等化制御信号及び前記合成制御信号を生成する前記ステップにおいて、前記誤差信号解析手段は、N系統の前記等化誤差信号を参照して得られるN系統の第1評価指標及び前記合成等化誤差信号を参照して得られる第2評価指標の少なくとも一方を安定判別閾値と比較し、該比較の結果に基づいてN系統の前記等化制御信号及び前記合成制御信号を生成し、前記安定判別閾値は、前記信号合成手段を拘束動作状態から通常動作状態へ移行させるN系統の前記等化制御信号及び前記合成制御信号を生成するために使用される第1判定閾値と、前記信号合成手段を前記通常動作状態から前記拘束動作状態に移行させるN系統の前記等化制御信号及び前記合成制御信号を生成するために使用される第2判定閾値とを含み、前記第1判定閾値は、前記第2判定閾値以下の値であることを特徴としている。

発明の効果

0019

本発明の一態様に係る信号制御装置及び信号制御方法によれば、受信信号から希望信号を可能な限り正確に得ることができるという効果がある。

図面の簡単な説明

0020

実施の形態1乃至4に係る信号制御方法を実施することができる、N系統の信号を受信する受信装置の構成を概略的に示す機能ブロック図である。
実施の形態1乃至4に係る信号制御方法を実施することができる、2系統の信号を受信する受信装置の構成を概略的に示す機能ブロック図である。
実施の形態1に係る信号制御方法を実施することができる信号制御装置における内部信号の変化の一例を示す波形図である。
実施の形態1に係る信号制御方法を実施することができる信号制御装置を構成する誤差信号解析手段の構成の一例を概略的に示す機能ブロック図である。
図4の誤差信号解析手段を構成する第1比較手段の構成の一例を概略的に示す機能ブロック図である。
図4の誤差信号解析手段を構成する第2比較手段の構成の一例を概略的に示す機能ブロック図である。
図4の誤差信号解析手段を構成する第1判定手段の構成の一例を概略的に示す機能ブロック図である。
図4の誤差信号解析手段を構成する切換手段によって切り替えられる状態を示す状態遷移図である。
図4の誤差信号解析手段を構成する切換手段を用いたときの内部信号の変化の一例を示す図である。
実施の形態2乃至4に係る信号制御方法を実施することができる信号制御装置を構成する誤差信号解析手段の構成の一例を概略的に示す機能ブロック図である。
実施の形態2に係る信号制御方法を実施することができる、図10誤差加工手段の構成の一例を概略的に示す機能ブロック図である。
実施の形態3に係る信号制御方法を実施することができる、図10の誤差加工手段の構成の一例を概略的に示す機能ブロック図である。
実施の形態4に係る信号制御方法を実施することができる、図10の誤差加工手段の構成の一例を概略的に示す機能ブロック図である。

実施例

0021

以下、本発明の実施の形態として、信号制御方法、この方法を実施することができる信号制御装置、及びこの信号制御装置を含む受信装置を説明する。

0022

〔1〕実施の形態1.
〔1−1〕実施の形態1の構成.
〔1−1−1〕受信装置100
図1は、実施の形態1に係る信号制御方法を実施することができる、N系統(Nは正の整数)の信号を受信する受信装置の構成を概略的に示す機能ブロック図である。図1に示されるように、N系統の信号を受信する受信装置は、第1アンテナ〜第Nアンテナを有するアンテナ部1と、第1検波手段〜第N検波手段を有する検波部2と、第1適応等化手段〜第N適応等化手段を有する適応等化部3と、信号合成手段4と、誤差信号解析手段5とを備えている。また、適応等化部3、信号合成手段4、及び誤差信号解析手段5は、実施の形態1に係る信号制御方法を実施する信号制御装置6を構成する。

0023

適応等化部3の第1適応等化手段〜第N適応等化手段は、入力されたN系統の信号から、N系統の等化出力信号及びN系統の等化誤差信号を計算して出力する。信号合成手段4は、N系統の等化出力信号の合成信号及び合成等化誤差信号を計算して出力する。誤差信号解析手段5は、N系統の等化誤差信号及び合成等化誤差信号を参照し、第1適応等化手段〜第N適応等化手段の動作を制御するN系統の等化制御信号及び信号合成手段4を制御する合成制御信号を生成して出力する。誤差信号解析手段5は、N系統の等化誤差信号及び合成等化誤差信号を参照して、N系統の等化制御信号及び合成制御信号を生成して出力する。

0024

図2は、図1において、N=2とした場合の受信装置10の構成を概略的に示す機能ブロック図である。また、図3は、図2の受信装置10における内部信号の変化の一例を示す波形図である。なお、図3において、横軸は時間を示し、縦軸信号レベルを示す。実施の形態1に係る信号制御方法は、N系統のアンテナ、N系統の検波手段、及びN系統の適応等化手段を有する信号制御装置6に適用可能であるが、以下の説明では、説明を簡素化するために、N=2の場合、すなわち、2系統のアンテナ、2系統の検波手段、及び2系統の適応等化手段を有する信号制御装置16における信号制御方法を説明する。

0025

図2に示されるように、2系統の信号を受信する受信装置10は、第1アンテナ11−1及び第2アンテナ11−2を有するアンテナ部11と、第1検波手段12−1及び第2検波手段12−2を有する検波部12と、第1適応等化手段13−1及び第2適応等化手段13−2を有する適応等化部13と、信号合成手段(ダイバシティ合成部)14と、誤差信号解析手段15とを備えている。また、適応等化部13、信号合成手段14、及び誤差信号解析手段15は、実施の形態1に係る信号制御方法を実施する信号制御装置16を構成する。

0026

図2に示される受信装置10によって実行される信号制御方法では、適応等化部13及び信号合成手段14において計算される等化誤差信号と合成等化誤差信号を参照し、それらの解析結果に応じて適応等化部13及び信号合成手段14の動作の停止、選択、初期化等を適応的に行うことができるため、系全体の安定性を維持しつつ信頼性の高い希望信号が得られる。

0027

図2において、第1アンテナ11−1で受信された信号X1(t)及び第2アンテナ11−2で受信された信号X2(t)は、それぞれ第1検波手段12−1及び第2検波手段12−2において検波される。ここで、tは任意の時間である。また、実施の形態1では、第1検波手段12−1の検波出力D1(t)及び第2検波手段12−2の検波出力D2(t)は、時間Tの間隔でサンプリングされたデータであるものとする。

0028

図2において、第1適応等化手段13−1では、検波出力D1(t)及びこれを所定時間遅延させた信号を入力として適応等化処理が施され、第1等化出力信号M1(t)を出力する。検波出力D1(t)及び第1等化出力信号M1(t)の一例を図3に示す。適応等化処理には、例えば、タップ付き遅延線モデルで表現されるFIR(Finite Impulse Response)型やIIR(Infinite Impulse Response)型フィルタを用いることができ、学習アルゴリズムによる最適ウエイトの逐次更新を用いること等により適応等化処理を実現することができる。

0029

また、第1適応等化手段13−1では、第1等化出力信号M1(t)と理想信号との差異を第1評価指標の1つである第1等化誤差信号E1(t)として出力することができる。例えば、第1適応等化手段13−1で用いる学習アルゴリズムが定包絡線規範(CMA:Constant Modulus Algorithm)である場合、所定包絡線値と第1等化出力信号M1(t)の包絡線値の差分を第1等化誤差信号E1(t)とすることができる。

0030

さらに、第1適応等化手段13−1は、誤差信号解析手段15の出力のうち第1等化制御信号C1(t)を入力として持つことができる。第1等化制御信号C1(t)により、第1適応等化手段13−1の動作が制御される、その詳細については後述する。

0031

図2における第2適応等化手段13−2は、第1適応等化手段13−1と同じ構成とすることができる。第2適応等化手段13−2は、検波出力D2(t)が入力され、第2等化出力信号M2(t)を出力し、第1評価指標の1つである第2等化誤差信号E2(t)を出力し、第2等化制御信号C2(t)が入力される。検波出力D2(t)及び第2等化出力信号M2(t)の一例を図3に示す。

0032

図2において、信号合成手段14は、第1等化出力信号M1(t)及び第2等化出力信号M2(t)を入力として有し、これらの振幅及び位相を適応信号処理により逐次制御して信号を合成し、合成信号Y(t)を出力する。信号合成手段14では、第1アンテナ11−1側及び第2アンテナ11−2側の両入力に対して最適な合成比が逐次計算され、出力が最適化される。合成信号Y(t)の一例を図3に示す。

0033

また、信号合成手段14は、合成信号Y(t)と理想信号との差異を第2評価指標である合成等化誤差信号E3(t)として出力することができる。例えば、信号合成手段14で用いる学習アルゴリズムがCMAである場合、所定包絡線値と合成信号Y(t)の包絡線値の差分を合成等化誤差信号E3(t)とすることができる。

0034

さらに、信号合成手段14は、誤差信号解析手段15の出力のうち合成制御信号C3(t)を入力として持つことができる。合成制御信号C3(t)により、信号合成手段14の動作が制御されるが、その詳細については後述する。

0035

図2において、誤差信号解析手段15は、第1等化誤差信号E1(t)、第2等化誤差信号E2(t)、及び合成等化誤差信号E3(t)を入力として有し、これらの入力を参照して誤差信号を解析することで、第1適応等化手段13−1の停止、選択、初期化等の動作を適応的に制御する第1等化制御信号C1(t)、第2適応等化手段13−2の停止、選択、初期化等の動作を適応的に制御する第2等化制御信号C2(t)、及び信号合成手段14の停止、選択、初期化等の動作を適応的に制御する合成制御信号C3(t)を生成して出力することができる。

0036

〔1−1−2〕誤差信号解析手段15
図4は、図2の受信装置10を構成する誤差信号解析手段15の構成の一例を概略的に示す機能ブロック図である。図4に示されるように、誤差信号解析手段15は、第1比較手段151−1及び第2比較手段151−2と、第1判定閾値H1の記憶部152−1及び第2判定閾値H2の記憶部152−2と、第1判定手段153−1及び第2判定手段153−2と、切換手段154とを有している。第1判定閾値H1及び第2判定閾値H2は、信号合成手段14が、通常動作状態にあるか、拘束動作状態にあるかを判定するために用いられ、「安定判別閾値」と総称される。通常動作状態は、後述する図8及び図9における状態〈s2〉における信号合成手段COMB=ONの動作状態であり、拘束動作状態は、後述する図8及び図9における状態〈s1〉における信号合成手段COMB=OFFの動作状態である。誤差信号解析手段15では、第1等化誤差信号E1(t)と第2等化誤差信号E2(t)が第1比較手段151−1に入力されると同時に、第1等化誤差信号E1(t)と第2等化誤差信号E2(t)と合成等化誤差信号E3(t)が第2比較手段151−2に入力される。なお、以下の説明において、「E1(t)」、「E2(t)」、及び「E3(t)」のそれぞれは、第1等化誤差信号E1(t)の値、第2等化誤差信号E2(t)の値、及び合成等化誤差信号E3(t)の値を示す記号としても用いる。

0037

〔1−1−3〕第1比較手段151−1
図5は、図4の誤差信号解析手段15を構成する第1比較手段151−1の構成の一例を概略的に示す機能ブロック図である。第1比較手段151−1は、第1等化誤差信号E1(t)及び第2等化誤差信号E2(t)を第1判定閾値H1と比較し、その比較結果を信号P1(t)として出力することができる。なお、以下の説明において、「P1(t)」は、信号P1(t)の値を示す記号としても用いる。

0038

図5によれば、第1比較手段151−1では、第1判定閾値H1と第1等化誤差信号E1(t)の差が減算手段20−1により計算され、符号判定手段21−1において減算手段20−1から出力された差の符号が判定される。また、第1比較手段151−1では、第1判定閾値H1と第2等化誤差信号E2(t)の差が減算手段20−2により計算され、符号判定手段21−2において減算手段20−1から出力された差の符号が判定される。第1比較手段151−1の符号判定手段21−1及び21−2の各々は、入力信号正数である場合に“1”を出力し、入力信号が負数である場合に“0”を出力する機能を有することが望ましい。

0039

また、図5によれば、符号判定手段の2つの出力の論理積を論理積(AND)回路22で計算し、その計算結果を信号P1(t)として出力することができる。このような構成をとることで、第1比較手段151−1では、第1等化誤差信号E1(t)の値と第2等化誤差信号E2(t)の値が共に第1判定閾値H1を下回った場合に限り、P1(t)=1を出力することができる。

0040

〔1−1−4〕第2比較手段151−2
図6は、図4の誤差信号解析手段15を構成する第2比較手段151−2の構成の一例を概略的に示す機能ブロック図である。第2比較手段151−2は、第1等化誤差信号E1(t)と第2等化誤差信号E2(t)と合成等化誤差信号E3(t)のそれぞれを第2判定閾値H2と比較し、その比較結果を信号P2(t)として出力することができる。なお、以下の説明において、「P2(t)」は、信号P2(t)の値を示す記号としても用いる。

0041

図6によれば、第2比較手段151−2では、第2判定閾値H2と第1等化誤差信号E1(t)の差が減算手段30−1により計算され、符号判定手段31−1において減算手段30−1から出力された差の符号が判定される。また、第2比較手段151−2では、第2判定閾値H2と第2等化誤差信号E2(t)の差が減算手段30−2により計算され、符号判定手段31−2において減算手段30−2から出力された差の符号が判定される。さらに、第2比較手段151−2では、第2判定閾値H2と合成等化誤差信号E3(t)の差が減算手段30−3により計算され、符号判定手段31−3において減算手段30−3から出力された差の符号が判定される。第2比較手段151−2の符号判定手段31−131−2,31−3の各々は、入力信号が正数である場合に“1”を出力し、負数である場合に“0”を出力する機能を有することが望ましい。

0042

また、図6によれば、符号判定手段の3つの出力の論理積を論理積(AND)回路32で計算し、その計算結果を信号P2(t)として出力することができる。このような構成をとることで、第2比較手段151−2では、第1等化誤差信号E1(t)の値と第2等化誤差信号E2(t)の値と合成等化誤差信号E3(t)の値が全て第2判定閾値H2を上回った場合に限り、P2(t)=1を出力することができる。

0043

〔1−1−5〕第1判定手段153−1及び第2判定手段153−2
図7は、図4の誤差信号解析手段15を構成する第1判定手段153−1の構成の一例を概略的に示す機能ブロック図である。誤差信号解析手段15は、多段に接続されたM個の遅延時間遅延手段(D)40と、入力P1(t)及びM個の遅延時間遅延手段(D)40の出力の論理積を計算する論理積(AND)回路41とを備えている。図4に示される誤差信号解析手段15では、第1比較手段の出力P1(t)が第1判定手段153−1に入力され、第1判定手段153−1は、時間経過に対する信号P1(t)の値の変化を監視した結果を信号J1(t)として出力する。また、誤差信号解析手段15では、第2比較手段の出力P2(t)が第2判定手段153−2に入力され、第2判定手段153−2は、時間経過に対する信号P2(t)の値の変化を監視した結果を信号J2(t)として出力する。なお、以下の説明において、「J1(t)」及び「J2(t)」は、信号J1(t)及び信号J2(t)の値を示す記号としても用いる。

0044

図7によれば、第1判定手段153−1は、入力P1(t)及びこれを単位時間毎に遅延させたM種類の信号の論理積を計算した結果を信号J1(t)として出力する。ただし、Mは、第1判定手段の判定動作を保護するための保護段数に相当する所定の整数である。また、入力を遅延させるための単位時間は、サンプリング間隔Tの整数倍であることが望ましい。第1判定手段153−1は、上述のような構成をとることで、信号P1(t)がM回連続して“1”であった場合に限り、J1(t)=1を出力することができる。

0045

第2判定手段153−2は、上述の第1判定手段153−1と同様の構成を有する。第2判定手段153−2の入力信号はP2(t)であり、出力信号はJ2(t)である。

0046

〔1−1−6〕切換手段154
〔1−1−6−1〕切換手段154による制御信号の更新処理概要
図8は、図4の誤差信号解析手段15を構成する切換手段154によって切り替えられる状態を示す状態遷移図である。誤差信号解析手段15における切換手段154では、第1等化誤差信号E1(t)、第2等化誤差信号E2(t)、及び合成等化誤差信号E3(t)の値と、第1判定手段の出力J1(t)及び第2判定手段の出力J2(t)の値を用いて、適応等化部13の第1適応等化手段13−1及び第2適応等化手段13−2、並びに、信号合成手段14の動作状態を管理し、これらの動作を制御するための制御信号を出力することができる。これらの制御信号は、第1適応等化手段13−1の動作を制御する第1等化制御信号C1(t)、第2適応等化手段13−2の動作を制御する第2等化制御信号C2(t)、及び信号合成手段14の動作を制御する合成制御信号C3(t)から構成される。

0047

図8によれば、切換手段154では、4種類の状態、すなわち、〈s0〉と〈s1〉と〈s2〉と〈s3〉の遷移状態を監視し、状態遷移が発生した場合に制御信号C1(t)〜C3(t)を適当な値に更新する。

0048

〔1−1−6−2〕切換手段154からの制御信号による状態遷移の具体例
図8及び以下の説明では、EQL1は第1適応等化手段、EQL2は第2適応等化手段、COMBは信号合成手段14を示すものとし、ONは通常動作状態、OFFは停止状態、すなわち、直前の動作状態の維持、INITは初期化又は初期値、FRZは現状維持の動作を示すものとする。動作開始時点における状態を〈s0〉とし、以下に状態遷移の様子を説明する。

0049

〔A〕状態〈s0〉
状態〈s0〉は、系が初期化された状態であり、状態〈s0〉では、第1適応等化手段EQL1、第2適応等化手段EQL2、及び信号合成手段COMBの全ての機能が初期化される。より具体的には、状態〈s0〉は、第1適応等化手段EQL1、第2適応等化手段EQL2、及び信号合成手段COMBにおける係数更新を全て停止し、第1適応等化手段EQL1、第2適応等化手段EQL2、及び信号合成手段COMBのそれぞれに係数の初期値(INIT)を代入した状態であることが望ましい。

0050

〔B〕状態〈s1〉
次に、状態〈s0〉となった系は、直ちに状態〈s1〉へと移行する。状態〈s1〉では、第1適応等化手段EQL1及び第2適応等化手段EQL2が通常動作状態(ON)であり、第1適応等化手段EQL1及び第2適応等化手段EQL2の係数は、2系統のアンテナ入力X1(t)及びX2(t)に応じて適応的に更新される。一方、状態〈s1〉では、信号合成手段COMBは停止状態、すなわち、直前の動作状態の維持状態(OFF)であるため、信号合成手段COMBは初期の係数が代入された状態が維持される。

0051

系が状態〈s1〉である間は、切換手段154は、第1判定手段(図4の符号153−1)の出力J1(t)を監視し続け、その値に応じて状態を維持させるか遷移させるかの判断を行う。より具体的には、切換手段154は、出力J1(t)の値に応じて以下のような動作を行う。

0052

《状態〈s1〉であってJ1=0である場合》
第1等化誤差信号E1(t)又は第2等化誤差信号E2(t)の両方がM回連続して第1判定閾値H1を下回るという条件を満たさないため、状態〈s1〉を維持し、第1適応等化手段EQL1及び第2適応等化手段EQL2を通常動作状態(ON)、信号合成手段COMBを停止状態(OFF)とする。

0053

《状態〈s1〉であってJ1=1である場合》
第1等化誤差信号E1(t)又は第2等化誤差信号E2(t)の両方がM回連続して第1判定閾値H1を下回るという条件を満たすため、状態〈s2〉に遷移する。

0054

〔C〕状態〈s2〉
状態〈s2〉では、第1適応等化手段EQL1、第2適応等化手段EQL2、及び信号合成手段COMBの全てが通常動作状態(ON)であり、第1適応等化手段EQL1及び第2適応等化手段EQL2では2系統のアンテナ入力X1(t)及びX2(t)に応じて適応的に係数が更新され、信号合成手段COMBでは第1等化出力信号M1(t)及び第2等化出力信号M2(t)に応じて適応的に係数が更新される。

0055

系が状態〈s2〉である間は、切換手段154は、第2判定手段(図4の符号153−2)の出力J2(t)を監視し続け、その値に応じて状態を維持させるか遷移させるかの判断を行う。より具体的には、切換手段154は、出力J2(t)の値に応じて以下のような動作を行う。

0056

《状態〈s2〉であってJ2=0である場合》
第1等化誤差信号E1(t)と第2等化誤差信号E2(t)と合成等化誤差信号E3(t)の全てがM回連続して第2判定閾値H2を上回るという条件を満たさないため、状態〈s2〉を維持し、第1適応等化手段EQL1と第2適応等化手段EQL2と信号合成手段COMBを全て通常動作状態(ON)とする。

0057

《状態〈s2〉であってJ2=1である場合》
第1等化誤差信号E1(t)と第2等化誤差信号E2(t)と合成等化誤差信号E3(t)の全てがM回連続して第2判定閾値H2を上回るという条件を満たすため、状態〈s0〉又は状態〈s3〉に遷移する。ただし、状態〈s0〉又は状態〈s3〉のいずれの状態に遷移するかは、第1等化誤差信号E1(t)と第2等化誤差信号E2(t)と合成等化誤差信号E3(t)の大小関係によって以下のように判断することができる。

0058

《状態〈s2〉であり、かつ、J2=1であり、かつ、E1(t)+E2(t)>E3(t)である場合》
受信信号の品質劣化等の要因により、第1適応等化手段EQL1及び第2適応等化手段EQL2の動作が不安定となりつつあるものの、信号合成手段14は比較的安定して動作している状態であると判断し、状態〈s3〉、すなわち、第1適応等化手段EQL1及び第2適応等化手段EQL2の動作を初期化(INIT)し、信号合成手段COMBの動作を一時的に停止して現状を維持する状態(FRZ)、へ遷移する。

0059

《状態〈s2〉であり、かつ、J2=1であり、かつ、E1(t)+E2(t)≦E3(t)である場合》
受信信号の品質劣化等の要因により第1適応等化手段EQL1及び第2適応等化手段EQL2の動作が不安定となりつつあり、それに応じて信号合成手段14の動作も著しく不安定になろうとしている状態であると判断し、状態〈s0〉、すなわち、第1適応等化手段EQL1と第2適応等化手段EQL2と信号合成手段COMBの全ての動作を初期化(INIT)した状態、へ遷移する。

0060

状態〈s2〉から状態〈s0〉又は状態〈s3〉に移行した系は、直ちに状態〈s1〉へと移行し、上述の遷移動作を繰り返すことで、第1適応等化手段EQL1、第2適応等化手段EQL2、及び信号合成手段COMBの動作を適応的に制御する。

0061

〔1−1−6−3〕切換手段154による制御信号の更新処理の具体例
図8における切換手段154は、上述したような状態遷移を実現するために必要な第1等化制御信号C1(t)、第2等化制御信号C2(t)、及び合成制御信号C3(t)を出力することができる。

0062

より具体的には、例えば、信号合成手段COMBにおいて次式(1)のような係数更新式に基づいて係数更新が行われている場合を考える。
W(t+Δt)=W(t)+μS(t) …式(1)
ここで、W(t)は時刻tにおける係数、Δtは係数更新周期、S(t)は係数更新のために算出された係数差分であり、μは係数更新の速度と精度を制御する所定値である。

0063

このとき、信号合成手段COMBに与える合成制御信号C3(t)は、例えば、次のように行われる。
《信号合成手段COMBを通常動作(ON)させる場合》
合成制御信号C3(t)は、通常動作を行うことを意味する制御信号であればよい。
《信号合成手段COMBを一時停止(FRZ)させる場合》
合成制御信号C3(t)は、式(1)において所定値μを“0”に置換して係数差分S(t)が係数更新に反映されないようにする制御信号であればよい。
《信号合成手段COMBを初期化(INIT)させる場合》
合成制御信号C3(t)は、式(1)において所定値μを“0”に置換して係数差分S(t)が係数更新に反映されないようにし、かつ、W(t)に係数の初期値を代入するための制御信号であればよい。

0064

第1等化制御信号C1(t)及び第2等化制御信号C2(t)も、上述と同じ考え方で表現することができる。

0065

〔1−2〕実施の形態1の動作.
図9は、図4の誤差信号解析手段15を構成する切換手段14を用いたときの内部信号の変化の一例を示す図である。図9には、第1等化誤差信号E1(t)、第2等化誤差信号E2(t)、及び合成等化誤差信号E3(t)の変化に対し、図8のような状態遷移図に基づいて状態管理を行った場合の第1適応等化手段EQL1、第2適応等化手段EQL2、及び信号合成手段COMBの動作状態の遷移例が示されている。

0066

図9の上部に示したグラフは、第1等化誤差信号E1(t)、第2等化誤差信号E2(t)、及び合成等化誤差信号E3(t)の時間変化例であり、横軸は経過時間t、縦軸は誤差ERRの大きさである。また、第1判定閾値は第2判定閾値より小さな値として図示している。さらに、図9では、説明を分かりやすくするために、J1又はJ2が“1”となる時刻をt=α、t=β、t=γ、t=δ、t=εと定義して図示している。

0067

図9の下部に示した図は、制御信号J1及びJ2の遷移、状態〈s0〉〜状態〈s3〉の遷移、第1適応等化手段EQL1及び第2適応等化手段EQL2の動作状態の遷移、信号合成手段COMBの動作状態の遷移を示している。以下に、時刻t=α、t=β、t=γ、t=δ、t=εにおける第1適応等化手段EQL1、第2適応等化手段EQL2、及び信号合成手段COMBの動作状態の遷移を具体的に説明する。

0068

《動作開始時点から時刻t=αまでの状態遷移》
まず、系の動作開始時点で第1適応等化手段EQL1、第2適応等化手段EQL2、及び信号合成手段COMBが初期化され(状態〈s0〉)、第1適応等化手段EQL1及び第2適応等化手段EQL2は直ちに通常動作(ON)を開始する(状態〈s1〉)。第1適応等化手段EQL1及び第2適応等化手段EQL2が安定して動作すれば、両者の誤差信号、すなわち、第1等化誤差信号E1(t)及び第2等化誤差信号E2(t)は減少傾向となり、やがて第1判定閾値を下回る。次に、第1等化誤差信号E1(t)及び第2等化誤差信号E2(t)が共に所定時間だけ第1判定閾値を下回った時点(t=α)で、J1=1となり、信号合成手段COMBが通常動作(ON)を開始する。

0069

このような制御を行うことで、第1適応等化手段EQL1及び第2適応等化手段EQL2の動作が十分に安定してから信号合成を開始することができ、系の安定性をより向上させることが可能となる。

0070

《時刻t=αから時刻t=βまでの状態遷移》
伝送路状態の変化等により系の安定性が劣化すると、第1等化誤差信号E1(t)及び第2等化誤差信号E2(t)が増加傾向に転じる。やがて、第1等化誤差信号E1(t)が第1判定閾値を上回りJ1=0となるが、J1の値が“1”から“0”に変化しても状態は遷移しないため、系は通常動作状態(ON)を維持することとなる。

0071

さらに系の安定性が劣化し、第1等化誤差信号E1(t)、第2等化誤差信号E2(t)、及び合成等化誤差信号E3(t)が全て第2判定閾値を上回る値となり、同状態が所定時間だけ継続した時点(時刻t=β)でJ2=1となる。このとき、第1適応等化手段EQL1及び第2適応等化手段EQL2は初期化(INIT)される。一方、合成等化誤差信号E3(t)は等化誤差信号の和、すなわち、E1(t)+E2(t)より小さい値であるため、信号合成手段COMBは即座に初期化する必要がなく一時停止状態(FRZ)となる。

0072

上記のように、実施の形態1に係る信号制御装置16は、第1適応等化手段EQL1及び第2適応等化手段EQL2の安定状態のみを監視するのではなく、第1適応等化手段EQL1及び第2適応等化手段EQL2と信号合成手段14との双方の安定状態を監視することで、信号合成による信号品質向上効果を可能な限り大きく引き出すことができる。

0073

《時刻t=βから時刻t=γまでの状態遷移》
初期化された第1適応等化手段EQL1及び第2適応等化手段EQL2は、再度通常動作状態(ON)となる。系が安定すれば両者の誤差信号、すなわち、第1等化誤差信号E1(t)及び第2等化誤差信号E2(t)は共に減少傾向となり、やがて第1判定閾値を下回る。第1等化誤差信号E1(t)及び第2等化誤差信号E2(t)が共に所定時間だけ第1判定閾値を下回った時点(t=γ)で再び信号合成手段14を一時停止状態(OFF)から通常動作状態(ON)とする。

0074

上記のように、実施の形態1に係る信号制御装置16は、第1適応等化手段EQL1及び第2適応等化手段EQL2の初期化と同時に信号合成手段14を初期化するのではなく、第1適応等化手段EQL1及び第2適応等化手段EQL2の初期化時に信号合成手段14を一時停止状態(FRZ)とすることで、系の準安定状態を維持することができるため、再び通常動作状態(ON)となったときの収束動作をより早くすることができる。

0075

《時刻t=γから時刻t=δまでの状態遷移》
再び伝送路状態の変化等により系の安定性が劣化すると、第1等化誤差信号E1(t)及び第2等化誤差信号E2(t)が増加傾向に転じる。やがて、第2等化誤差信号E2(t)が第1判定閾値を上回りJ1=0となるが、J1の値が“1”から“0”に変化しても状態は遷移しないため、系は通常動作状態を維持することとなる。

0076

さらに系の安定性が劣化し、第1等化誤差信号E1(t)、第2等化誤差信号E2(t)、合成等化誤差信号E3(t)が全て第2判定閾値を上回る値となり、同状態が所定時間だけ継続した時点(時刻t=δ)でJ2=1となる。このとき、第1適応等化手段EQL1及び第2適応等化手段EQL2は初期化される。また、合成等化誤差信号E3(t)は等化誤差信号の和、すなわち、E1(t)+E2(t)より大きな値であるため、系全体の安定性が著しく劣化しているものと判断し、信号合成手段COMBも初期化する。

0077

《時刻t=δから時刻t=εまでの状態遷移》
第1適応等化手段EQL1及び第2適応等化手段EQL2は初期化直後から通常動作状態(ON)となり、収束動作を再開する。また、t=δにおいて信号合成手段COMBが初期化(INIT)された直後にJ2=0となるため、信号合成手段COMBは第1適応等化手段EQL1及び第2適応等化手段EQL2の両方が安定するまでの間、初期状態を維持する。やがて、第1等化誤差信号E1(t)及び第2等化誤差信号E2(t)が共に所定時間だけ第1判定閾値を下回った時点(t=ε)で再び信号合成手段14を通常動作状態(ON)とする。

0078

上記のように、実施の形態1に係る信号制御装置16は、信号合成手段14と第1適応等化手段EQL1及び第2適応等化手段EQL2から得られる誤差信号の関係を監視することで、系の安定性をより正確に判断することができ、系の発散を未然に防止することが可能となる。

0079

〔1−3〕実施の形態1の効果.
以上に説明したように、実施の形態1に係る信号制御方法又は信号制御装置を用いることによって、適応等化部13及び信号合成手段14に対する停止、選択、初期化等の制御を適応的かつ相補的に行うことができるため、受信信号の振幅や位相が時々刻々と変化する環境下であっても、系全体の安定性を維持しつつ、信頼性の高い希望信号を得ることができる。

0080

また、実施の形態1に係る信号制御方法又は信号制御装置を用いることによって、適応等化部13を構成する全ての適応等化手段(第1適応等化手段EQL1及び第2適応等化手段EQL2)が十分安定してから信号合成手段14を動作させることができるため、受信信号の振幅や位相が時々刻々と変化する環境下であっても、信号合成手段14の動作の安定性を維持しつつ、信頼性の高い希望信号を得ることができる。

0081

さらに、実施の形態1に係る信号制御方法又は信号制御装置を用いることによって、適応等化部13を構成する全ての適応等化手段及び信号合成手段14の各々に対する安定状態の維持が見込めない場合に限り、系全体の動作を拘束状態とすることができるため、受信信号の振幅や位相が時々刻々と変化する環境下であっても、可能な限り信号合成を継続でき、結果的に、信頼性の高い希望信号を安定して得ることができる。

0082

さらにまた、実施の形態1では、説明を簡素化するためN=2、すなわち、2系統のアンテナ、2系統の検波手段、及び2系統の適応等化手段を有する信号制御装置における信号制御方法を説明したが、N=1の場合、又は、Nが3以上の値の場合であっても、信頼性の高い希望信号を得ることができる。

0083

また、実施の形態1では、第1適応等化手段13−1から出力される第1等化誤差信号E1(t)、第2適応等化手段13−2から出力される第2等化誤差信号E2(t)、及び信号合成手段14から出力される合成等化誤差信号E3(t)の生成方法としてCMAを例示したが、他の算出方法を用いてこれら信号を生成してもよい。

0084

例えば、所定周波数正弦波等で構成される既知信号を有する系であれば、当該既知信号を、受信信号から得られる所定の信号と比較し、その振幅差異を第1等化誤差信号E1(t)又は第2等化誤差信号E2(t)又は合成等化誤差信号E3(t)とすることができる。
また、同様の方法を用いて比較を行い、その位相偏差を、第1等化誤差信号E1(t)又は第2等化誤差信号E2(t)又は合成等化誤差信号E3(t)とすることができる。

0085

より一般的には、受信信号の全部又は一部を用いて算出される信号を他の信号と比較する方法であって、その比較結果の最適値があらかじめ定められているような信号であれば、第1等化誤差信号E1(t)又は第2等化誤差信号E2(t)又は合成等化誤差信号E3(t)として用いることができる。

0086

さらに、第1判定閾値は、高く設定するほど信号合成手段14の動作開始タイミングが早くなるため即応性が高くなるが、適応等化手段が十分に安定していない状態で信号合成手段14が動作を開始してしまう虞があるため安定性が劣化する。一方、第2判定閾値は、高く設定するほど信号合成手段14の時間動作率が向上するため追従性が高くなるが、信号合成手段14の追従能力を超える状態で動作を継続すると系が発散してしまう虞がある。従って、第1判定閾値及び第2判定閾値は、前者を後者以下の値とし、かつ、即応性と安定性がトレードオフとなることを考慮しつつ、適切に設定される必要がある。

0087

また、実施の形態1では第1検波手段12−1の検波出力D1(t)及び第2検波手段12−2の検波出力D2(t)が時間Tの間隔でサンプリングされたデータであるものとしたが、検波出力D1(t)及びD2(t)がサンプリングされたデータでない場合であっても同一の効果を得ることができる。

0088

〔2〕実施の形態2.
〔2−1〕実施の形態2の構成.
図10は、実施の形態2に係る信号制御方法を実施することができる信号制御装置を構成する誤差信号解析手段25の構成の一例を概略的に示す機能ブロック図である。図10において、図4に示した実施の形態1に係る信号制御方法を実施することができる信号制御装置を構成する誤差信号解析手段15と同様の構成要素には、同じ符号を付与することで重複する説明を省略する。

0089

実施の形態2に係る信号制御装置における誤差信号解析手段25は、第1比較手段151−1、第2比較手段151−2、及び切換手段154に入力される信号が、信号E1(t)、E2(t)、及びE3(t)から信号E1´(t)、E2´(t)、及びE3´(t)にそれぞれ置き換わっている点、及び、入力信号E1(t)、E2(t)、及びE3(t)を加工して第1等化誤差加工信号E1´(t)、第2等化誤差加工信号E2´(t)、及び合成誤差加工信号E3´(t)を生成し出力する誤差加工手段155が追加されている点が、上述の実施の形態1に係る誤差信号解析手段15と異なる。

0090

〔2−2〕実施の形態2の動作.
誤差加工手段155−1は、第1等化誤差信号E1(t)の入力に対して第1等化誤差加工信号E1´(t)を、誤差加工手段155−2は、第2等化誤差信号E2(t)の入力に対して第1等化誤差加工信号E2´(t)を、誤差加工手段155−3は、合成等化誤差信号E3(t)の入力に対して合成誤差加工信号E3´(t)をそれぞれ出力することができる。以下、誤差加工手段155−kへの入力を誤差信号Ek(t)、誤差加工手段155からの出力を誤差加工信号Ek´(t)として動作の説明を行う。ここで、k=1,2,3である。

0091

図11は、実施の形態2に係る信号制御装置における誤差信号解析手段15を構成する誤差加工手段155−kの構成の一例を概略的に示す機能ブロック図である。図11に示されるように、誤差加工手段155−kは、単位時間遅延手段(D)51−kと、減算手段50−kとを備えている。

0092

図11によれば、実施の形態2における誤差加工手段155−kでは、減算手段50−kにより、誤差信号Ek(t)と、これを単位時間遅延手段(D)51−kにより単位時間遅延させた信号との差を、誤差加工信号Ek´(t)として出力する。このような誤差加工手段155−kの出力Ek´(t)を用いて、第1比較手段151−1、第2比較手段151−2、及び切換手段154を動作させることで、受信信号レベルに依存しない誤差信号解析が可能となる。

0093

〔2−3〕実施の形態2の効果.
より具体的に説明すると、例えば、受信信号レベルが極めて低い場合、一般的に誤差信号Ek(t)は大きくなる傾向がある。このとき、誤差信号Ek(t)と第1判定閾値H1との比較及び誤差信号Ek(t)と第2判定閾値H2との比較を行うと、これらの閾値を下回るまでに長い時間を要することとなる。それゆえ、信号合成手段14の動作開始までに時間がかかり、受信性能に悪影響を及ぼす虞がある。

0094

一方、実施の形態2のような誤差加工手段155−kを用いれば、誤差信号Ek(t)の差分を第1判定閾値H1及び第2判定閾値H2とそれぞれ比較することで、受信信号レベルに依存しない誤差信号解析を行うことができるようになるため、安定した信号合成動作を行うことが可能となる効果がある。

0095

〔3〕実施の形態3.
〔3−1〕実施の形態3の構成.
図12は、実施の形態3に係る信号制御方法を実施することができる信号制御装置における誤差信号解析手段を構成する誤差加工手段156−kの構成の一例を概略的に示す機能ブロック図である。ただし、実施の形態3に係る信号制御装置における誤差信号解析手段は、実施の形態2において説明した図10の構成をとるものとする。図12に示されるように、誤差加工手段156−kは、加算手段60−kと、第1スイッチ(SW1)61−kと、第2スイッチ(SW2)62−kと、出力制御手段63—kと、単位時間遅延手段(D)64−kとを備えている。

0096

図12によれば、実施の形態3における誤差加工手段156−kでは、加算手段60−kが、誤差信号Ek(t)と、これを単位時間遅延手段(D)64−kで単位時間遅延させた信号を逐次加算し、出力制御手段63—kを用いて制御された第1スイッチ(SW1)61−k及び第2スイッチ(SW2)62−kの動作のタイミングに応じて、誤差加工信号Ek´(t)を出力する。

0097

〔3−2〕実施の形態3の動作.
図12における出力制御手段63−kは、所定の時間間隔で制御信号を出力する構成であることが望ましく、かつ、第1スイッチ(SW1)61−kは当該制御信号に呼応して遮断状態とし、第2スイッチ(SW2)62−kは当該制御信号に呼応して導通状態とする構成をとれば、実施の形態3における誤差加工手段156−kをブロック平均化回路とすることができる。このような誤差加工手段156−kの出力Ek´(t)を用いて、第1比較手段151−1、第2比較手段151−2、及び切換手段154を動作させることで、受信信号レベルの短周期変化に強い耐性を有する誤差信号解析が可能となる。

0098

〔3−3〕実施の形態3の効果.
より具体的に説明すると、例えば、高速移動等に伴い受信信号レベルが短周期で激しく変動するような場合、誤差信号Ek(t)もその変動に応じて大きく変化する傾向がある。このとき、誤差信号Ek(t)そのものを用いて誤差信号解析を行うと、適応等化手段13−1,13−2や信号合成手段14の動作状態が頻繁に変化することとなり、系の安定性や受信性能に悪影響を及ぼす虞がある。

0099

一方、実施の形態3のような誤差加工手段156−kを用いれば、誤差信号Ek(t)のブロック平均値を第1判定閾値H1及び第2判定閾値H2と比較することができ、誤差信号の短周期変動の影響をあらかじめ軽減した状態で誤差信号解析を行うことができるようになるため、安定した信号合成動作を行うことが可能となる効果がある。

0100

〔4〕実施の形態4.
〔4−1〕実施の形態4の構成.
図13は、実施の形態4に係る信号制御方法を実施することができる信号制御装置における誤差信号解析手段を構成する誤差加工手段157−kの構成の一例を概略的に示す機能ブロック図である。ただし、実施の形態4に係る信号制御装置における誤差信号解析手段は、実施の形態2において説明した図10の構成をとるものとする。図13に示されるように、誤差加工手段157−kは、多段に配置された単位時間遅延手段(D)70−kと、加算手段71−kとを備えている。

0101

〔4−2〕実施の形態4の動作.
図13によれば、実施の形態4における誤差加工手段157−kでは、誤差信号Ek(t)と、多段に配置された単位時間遅延手段(D)70−kによって誤差信号Ek(t)を単位時間遅延させた信号を所定時間蓄積して加算し、当該加算結果を誤差加工信号Ek´(t)として出力する。このような誤差加工手段157−kの出力Ek´(t)を用いて、第1比較手段151−1、第2比較手段151−2、及び切換手段154を動作させることで、受信信号レベルの短周期変化に強い耐性を有する誤差信号解析が可能となる。

0102

〔4−3〕実施の形態4の効果.
より具体的に説明すると、例えば、高速移動等に伴い受信信号レベルが短周期で激しく変動するような場合、誤差信号Ek(t)もその変動に応じて大きく変化する傾向がある。このとき、誤差信号Ek(t)そのものを用いて誤差信号解析を行うと、適応等化手段13−1,13−2や信号合成手段14の動作状態が頻繁に変化することとなり、系の安定性や受信性能に悪影響を及ぼす虞がある。

0103

一方、実施の形態4のような誤差加工手段157−kを用いれば、誤差信号Ek(t)の移動平均値を第1判定閾値H1及び第2判定閾値H2と比較することができ、誤差信号の短周期変動の影響をあらかじめ軽減した状態で誤差信号解析を行うことができるようになるため、安定した信号合成動作を行うことが可能となる効果がある。

0104

また、実施の形態4のような誤差加工手段157−kを用いれば、誤差信号Ek´(t)が単位時間毎に出力されるため、実施の形態3のような信号制御手段に比べ、より精度の高い誤差信号解析が可能となる効果がある。

0105

〔5〕変形例.
上述の実施の形態1乃至4の内容は、本発明の一態様に係る信号制御方法、信号制御装置、及び受信装置を例示したものであって、種々の変形が可能であり、本発明が適用可能な方法及び装置は、上述の例に限定されない。

0106

1,11アンテナ部、 11−1 第1アンテナ、 11−2 第2アンテナ、 2,12検波部、 12−1 第1検波手段、 12−2 第2検波手段、 3,13適応等化部、 13−1 第1適応等化手段、 13−2 第2適応等化手段、 4,14信号合成手段、 5,15,25誤差信号解析手段、 6,16信号制御装置、 151−1 第1比較手段、 151−2 第2比較手段、 152−1 第1判定閾値、 152−2 第2判定閾値、 153−1 第1判定手段、 153−2 第2判定手段、 154切換手段、 155−k,156−k,157−k誤差加工手段。

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