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技術 紫外線硬化樹脂の状態推定装置、状態推定方法およびプログラム

出願人 日本板硝子株式会社
発明者 福澤隆
出願日 2010年9月24日 (10年3ヶ月経過) 出願番号 2010-213732
公開日 2012年4月5日 (8年9ヶ月経過) 公開番号 2012-068142
状態 特許登録済
技術分野 蛍光または発光による材料の調査,分析
主要キーワード 円柱状ロッド 硬化用紫外線 空間光伝送 検出ノイズ リニアセンサー 検出信号強度 硬化済み グレーディング
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2012年4月5日)のものです。
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図面 (14)

課題

紫外線硬化樹脂の状態を精度よく推定する。

解決手段

紫外線硬化樹脂の状態推定装置10は、紫外線硬化樹脂52に励起光照射するプローブ18と、紫外線硬化樹脂52から発生した蛍光受光して、該蛍光の分光分布を検出する分光器16と、紫外線照射前の紫外線硬化樹脂52に励起光を照射したときに検出される照射前分光分布の形状と、紫外線照射後の紫外線硬化樹脂52に励起光を照射したときに検出される照射後分光分布の形状とを比較することで、紫外線硬化樹脂52の状態を推定するコンピュータ50とを備える。

概要

背景

従来より、光学機器電子機器組立工程において、紫外線硬化樹脂接着剤として用いられている。紫外線硬化樹脂の硬化度の測定は、目視による測定が困難であるため、通常破壊検査により行われる。生産ラインで紫外線硬化樹脂を使用する場合、硬化度の管理は硬化用紫外線照度照射時間を管理することで間接的に行い、抜き取り破壊テストを行う方法が取られる。

近年では、非破壊検査方法として、紫外線硬化樹脂に紫外線を照射した際に発生する蛍光の強度の時間的変化に基づいて、紫外線硬化樹脂の状態、すなわち硬化度を推定する方法が知られている(例えば特許文献1参照)。

概要

紫外線硬化樹脂の状態を精度よく推定する。紫外線硬化樹脂の状態推定装置10は、紫外線硬化樹脂52に励起光を照射するプローブ18と、紫外線硬化樹脂52から発生した蛍光を受光して、該蛍光の分光分布を検出する分光器16と、紫外線照射前の紫外線硬化樹脂52に励起光を照射したときに検出される照射前分光分布の形状と、紫外線照射後の紫外線硬化樹脂52に励起光を照射したときに検出される照射後分光分布の形状とを比較することで、紫外線硬化樹脂52の状態を推定するコンピュータ50とを備える。

目的

本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、紫外線硬化樹脂の状態を精度よく推定することのできる技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

紫外線硬化樹脂励起光照射する照射部と、前記紫外線硬化樹脂から発生した蛍光受光して、該蛍光の波長特性を検出する検出部と、前記蛍光の波長特性に基づいて、前記紫外線硬化樹脂の状態を推定する推定部と、を備えることを特徴とする紫外線硬化樹脂の状態推定装置

請求項2

前記検出部は、前記蛍光の分光分布を検出し、前記推定部は、検出された前記分光分布の形状に基づいて、前記紫外線硬化樹脂の状態を推定することを特徴とする請求項1に記載の紫外線硬化樹脂の状態推定装置。

請求項3

前記推定部は、紫外線照射前の前記紫外線硬化樹脂に励起光を照射したときに検出される照射前分光分布の形状と、紫外線照射後の前記紫外線硬化樹脂に励起光を照射したときに検出される照射後分光分布の形状とを比較することで、前記紫外線硬化樹脂の状態を推定することを特徴とする請求項2に記載の紫外線硬化樹脂の状態推定装置。

請求項4

前記推定部は、正規化した照射前分光分布および照射後分光分布の形状を比較することで、前記紫外線硬化樹脂の状態を推定することを特徴とする請求項3に記載の紫外線硬化樹脂の状態推定装置。

請求項5

前記推定部は、前記照射後分光分布が前記照射前分光分布と異なる形状になっている場合、前記紫外線硬化樹脂が所定の硬化度に達したと推定することを特徴とする請求項3または4に記載の紫外線硬化樹脂の状態推定装置。

請求項6

前記推定部は、紫外線照射後の前記紫外線硬化樹脂に励起光を照射したときに検出される照射後分光分布が所定の形状になっている場合、前記紫外線硬化樹脂が所定の硬化度に達したと推定することを特徴とする請求項2に記載の紫外線硬化樹脂の状態推定装置。

請求項7

前記検出部は、前記蛍光の第1波長における第1強度と、前記蛍光の第2波長における第2強度とを検出し、前記推定部は、前記第1強度に対する第2強度の強度比に基づいて、前記紫外線硬化樹脂の状態を推定することを特徴とする請求項1に記載の紫外線硬化樹脂の状態推定装置。

請求項8

前記推定部は、紫外線照射前の前記紫外線硬化樹脂に励起光を照射したときに得られる照射前強度比と、紫外線照射後の前記紫外線硬化樹脂に励起光を照射したときに得られる照射後強度比とを比較することで、前記紫外線硬化樹脂の状態を推定することを特徴とする請求項7に記載の紫外線硬化樹脂の状態推定装置。

請求項9

前記推定部は、前記照射後強度比が前記照射前強度比と異なる値になっている場合、前記紫外線硬化樹脂が所定の硬化度に達したと推定することを特徴とする請求項8に記載の紫外線硬化樹脂の状態推定装置。

請求項10

前記推定部は、紫外線照射後の前記紫外線硬化樹脂に励起光を照射したときに得られる照射後強度比が所定の強度比になっている場合、前記紫外線硬化樹脂が所定の硬化度に達したと推定することを特徴とする請求項7に記載の紫外線硬化樹脂の状態推定装置。

請求項11

紫外線硬化樹脂に励起光を照射する照射ステップと、前記紫外線硬化樹脂から発生した蛍光を受光して、該蛍光の波長特性を検出する検出ステップと、前記蛍光の波長特性に基づいて、前記紫外線硬化樹脂の状態を推定する推定ステップと、を備えることを特徴とする紫外線硬化樹脂の状態推定方法

請求項12

前記検出ステップは、前記蛍光の分光分布を検出するステップを含み、前記推定ステップは、検出された前記分光分布の形状に基づいて、前記紫外線硬化樹脂の状態を推定するステップを含むことを特徴とする請求項11に記載の紫外線硬化樹脂の状態推定方法。

請求項13

前記推定ステップは、紫外線照射前の前記紫外線硬化樹脂に励起光を照射したときに検出される照射前分光分布の形状と、紫外線照射後の前記紫外線硬化樹脂に励起光を照射したときに検出される照射後分光分布の形状とを比較することで、前記紫外線硬化樹脂の状態を推定するステップを含むことを特徴とする請求項12に記載の紫外線硬化樹脂の状態推定方法。

請求項14

前記推定ステップは、正規化した照射前分光分布および照射後分光分布の形状を比較することで、前記紫外線硬化樹脂の状態を推定するステップを含むことを特徴とする請求項13に記載の紫外線硬化樹脂の状態推定方法。

請求項15

前記推定ステップは、前記照射後分光分布が前記照射前分光分布と異なる形状になっている場合、前記紫外線硬化樹脂が所定の硬化度に達したと推定するステップを有することを特徴とする請求項13または14に記載の紫外線硬化樹脂の状態推定方法。

請求項16

前記推定ステップは、紫外線照射後の前記紫外線硬化樹脂に励起光を照射したときに検出される照射後分光分布が所定の形状になっている場合、前記紫外線硬化樹脂が所定の硬化度に達したと推定するステップを有することを特徴とする請求項12に記載の紫外線硬化樹脂の状態推定方法。

請求項17

前記検出ステップは、前記蛍光の第1波長における第1強度と、前記蛍光の第2波長における第2強度とを検出するステップを含み、前記推定ステップは、前記第1強度に対する第2強度の強度比に基づいて、前記紫外線硬化樹脂の状態を推定するステップを含むことを特徴とする請求項11に記載の紫外線硬化樹脂の状態推定方法。

請求項18

前記推定ステップは、紫外線照射前の前記紫外線硬化樹脂に励起光を照射したときに得られる照射前強度比と、紫外線照射後の前記紫外線硬化樹脂に励起光を照射したときに得られる照射後強度比とを比較することで、前記紫外線硬化樹脂の状態を推定するステップを含むことを特徴とする請求項17に記載の紫外線硬化樹脂の状態推定方法。

請求項19

前記推定ステップは、前記照射後強度比が前記照射前強度比と異なる値になっている場合、前記紫外線硬化樹脂が所定の硬化度に達したと推定するステップを含むことを特徴とする請求項18に記載の紫外線硬化樹脂の状態推定方法。

請求項20

前記推定ステップは、紫外線照射後の前記紫外線硬化樹脂に励起光を照射したときに得られる照射後強度比が所定の強度比になっている場合、前記紫外線硬化樹脂が所定の硬化度に達したと推定するステップを含むことを特徴とする請求項17に記載の紫外線硬化樹脂の状態推定方法。

請求項21

コンピュータに、紫外線硬化樹脂の状態を推定させるためのプログラムであって、励起光が照射された紫外線硬化樹脂から発生した蛍光の波長特性を受信する受信機能と、前記蛍光の波長特性に基づいて、前記紫外線硬化樹脂の状態を推定する推定機能と、を実現させるためのプログラム。

請求項22

前記受信機能は、前記蛍光の分光分布を受信し、前記推定機能は、該分光分布の形状に基づいて、前記紫外線硬化樹脂の状態を推定することを特徴とする請求項21に記載のプログラム。

請求項23

前記推定機能は、紫外線照射前の前記紫外線硬化樹脂に励起光を照射したときに検出される照射前分光分布の形状と、紫外線照射後の前記紫外線硬化樹脂に励起光を照射したときに検出される照射後分光分布の形状とを比較することで、前記紫外線硬化樹脂の状態を推定することを特徴とする請求項22に記載のプログラム。

請求項24

前記推定機能は、正規化した照射前分光分布および照射後分光分布の形状を比較することで、前記紫外線硬化樹脂の状態を推定することを特徴とする請求項23に記載のプログラム。

請求項25

前記推定機能は、前記照射後分光分布が前記照射前分光分布と異なる形状になっている場合、前記紫外線硬化樹脂が所定の硬化度に達したと推定することを特徴とする請求項23または24に記載のプログラム。

請求項26

前記推定機能は、紫外線照射後の前記紫外線硬化樹脂に励起光を照射したときに検出される照射後分光分布が所定の形状になっている場合、前記紫外線硬化樹脂が所定の硬化度に達したと推定することを特徴とする請求項22に記載のプログラム。

請求項27

前記受信機能は、前記蛍光の第1波長における第1強度と、前記蛍光の前記第1波長と異なる第2波長における第2強度とを受信し、前記推定機能は、前記第1強度に対する第2強度の強度比に基づいて、前記紫外線硬化樹脂の状態を推定することを特徴とする請求項21に記載のプログラム。

請求項28

前記推定機能は、紫外線照射前の前記紫外線硬化樹脂に励起光を照射したときに得られる照射前強度比と、紫外線照射後の前記紫外線硬化樹脂に励起光を照射したときに得られる照射後強度比とを比較することで、前記紫外線硬化樹脂の状態を推定することを特徴とする請求項27に記載のプログラム。

請求項29

前記推定機能は、前記照射後強度比が前記照射前強度比と異なる場合、前記紫外線硬化樹脂が所定の硬化度に達したと推定することを特徴とする請求項28に記載のプログラム。

請求項30

前記推定機能は、紫外線照射後の前記紫外線硬化樹脂に励起光を照射したときに得られる照射後強度比が所定の強度比になっている場合、前記紫外線硬化樹脂が所定の硬化度に達したと推定することを特徴とする請求項27に記載のプログラム。

技術分野

0001

本発明は、紫外線硬化樹脂の状態を推定するための装置、方法およびプログラムに関する。

背景技術

0002

従来より、光学機器電子機器組立工程において、紫外線硬化樹脂を接着剤として用いられている。紫外線硬化樹脂の硬化度の測定は、目視による測定が困難であるため、通常破壊検査により行われる。生産ラインで紫外線硬化樹脂を使用する場合、硬化度の管理は硬化用紫外線照度照射時間を管理することで間接的に行い、抜き取り破壊テストを行う方法が取られる。

0003

近年では、非破壊検査方法として、紫外線硬化樹脂に紫外線を照射した際に発生する蛍光の強度の時間的変化に基づいて、紫外線硬化樹脂の状態、すなわち硬化度を推定する方法が知られている(例えば特許文献1参照)。

先行技術

0004

特開2007−248244号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、紫外線硬化樹脂には硬化後時間が経過すると蛍光強度が変化するものが存在するため、上述の特許文献1に開示された方法の場合、紫外線照射直後でしか正確に紫外線硬化樹脂の状態を推定できない可能性がある。

0006

また、蛍光強度は紫外線硬化樹脂の塗布量によって変わるため、上述の特許文献1に開示された方法の場合、紫外線硬化樹脂の状態を精度よく推定できないおそれがある。

0007

本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、紫外線硬化樹脂の状態を精度よく推定することのできる技術を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

上記課題を解決するために、本発明のある態様の紫外線硬化樹脂の状態推定装置は、紫外線硬化樹脂に励起光を照射する照射部と、紫外線硬化樹脂から発生した蛍光を受光して、該蛍光の波長特性を検出する検出部と、蛍光の波長特性に基づいて、紫外線硬化樹脂の状態を推定する推定部とを備える。

0009

この態様によると、蛍光の波長特性に基づいて紫外線硬化樹脂の状態を推定することで、蛍光強度に基づく場合よりも精度よく紫外線硬化樹脂の状態を推定できる。ここでいう「蛍光の波長特性」とは、少なくとも2つ以上の波長における蛍光強度を意味する。

0010

検出部は、蛍光の分光分布を検出し、推定部は、検出された分光分布の形状に基づいて、紫外線硬化樹脂の状態を推定してもよい。分光分布(スペクトル分布)は、多数の波長における蛍光強度を表すものと考えることができる。

0011

推定部は、紫外線照射前の紫外線硬化樹脂に励起光を照射したときに検出される照射前分光分布と、紫外線照射後の紫外線硬化樹脂に励起光を照射したときに検出される照射後分光分布とを比較することで、紫外線硬化樹脂の状態を推定してもよい。

0012

推定部は、正規化した照射前分光分布および照射後分光分布の形状を比較することで、紫外線硬化樹脂の状態を推定してもよい。

0013

推定部は、照射後分光分布が照射前分光分布と異なる形状になっている場合、紫外線硬化樹脂が所定の硬化度に達したと推定してもよい。

0014

推定部は、紫外線照射後の紫外線硬化樹脂に励起光を照射したときに検出される照射後分光分布が所定の形状になっている場合、紫外線硬化樹脂が所定の硬化度に達したと推定してもよい。

0015

検出部は、蛍光の第1波長における第1強度と、蛍光の第2波長における第2強度とを検出し、推定部は、第1強度に対する第2強度の強度比に基づいて、紫外線硬化樹脂の状態を推定してもよい。

0016

推定部は、紫外線照射前の紫外線硬化樹脂に励起光を照射したときに得られる照射前強度比と、紫外線照射後の紫外線硬化樹脂に励起光を照射したときに得られる照射後強度比とを比較することで、紫外線硬化樹脂の状態を推定してもよい。

0017

推定部は、照射後強度比が照射前強度比と異なる値になっている場合、紫外線硬化樹脂が所定の硬化度に達したと推定してもよい。

0018

推定部は、紫外線照射後の紫外線硬化樹脂に励起光を照射したときに得られる照射後強度比が所定の強度比になっている場合、紫外線硬化樹脂が所定の硬化度に達したと推定してもよい。

0019

本発明の別の態様は、紫外線硬化樹脂の状態推定方法である。この方法は、紫外線硬化樹脂に励起光を照射する照射ステップと、紫外線硬化樹脂から発生した蛍光を受光して、該蛍光の波長特性を検出する検出ステップと、蛍光の波長特性に基づいて、紫外線硬化樹脂の状態を推定する推定ステップとを備える。

0020

本発明の別の態様は、コンピュータに、紫外線硬化樹脂の状態を推定させるためのプログラムである。このプログラムは、励起光が照射された紫外線硬化樹脂から発生した蛍光の波長特性を受信する受信機能と、蛍光の波長特性に基づいて、紫外線硬化樹脂の状態を推定する推定機能とを実現させるためのプログラムである。

発明の効果

0021

本発明によれば、紫外線硬化樹脂の状態を精度よく推定できる技術を提供できる。

図面の簡単な説明

0022

本発明の第1実施形態に係る紫外線硬化樹脂の状態推定装置を示す図である。
分波器概略構造の一例を示す図である。
第1実施形態に係るコンピュータの機能ブロックを示す図である。
分光分布の一例を示す図である。
図4の分光分布を正規化した一例を示す図である。
分光分布の別の例を示す図である。
図6の分光分布を正規化した一例を示す図である。
分光分布の更に別の例を示す図である。
図8の分光分布を正規化した一例を示す図である。
第1実施形態に係る状態推定装置のフローチャートを示す図である。
本発明の第2実施形態に係る紫外線硬化樹脂の状態推定装置を示す図である。
第2実施形態に係るコンピュータの機能ブロックを示す図である。
第2実施形態に係る状態推定装置のフローチャートを示す図である。

実施例

0023

以下、本発明の実施形態に係る紫外線硬化樹脂の状態推定装置について説明する。

0024

図1は、本発明の第1実施形態に係る紫外線硬化樹脂の状態推定装置10を示す図である。状態推定装置10は、基板51上に塗布された紫外線硬化樹脂52の状態、すなわち紫外線硬化樹脂52の硬化度を検査する装置である。

0025

図1に示すように、状態推定装置10は、励起LED12と、分波器14と、分光器16と、プローブ18と、励起用LED12と分波器14とを接続する第1光ファイバ20と、分波器14とプローブ18とを接続する第2光ファイバ22と、分波器14と分光器16とを接続する第3光ファイバ24と、分光器16に接続されたコンピュータ50とを備える。

0026

励起用LED12は、検査対象物である紫外線硬化樹脂に照射するための励起光を出射するものであり、例えば、主波長λ1=370nmの光を発光するもの等を用いることができる。励起用LED12の後段に、例えば透過域352〜388nmのバンドパスフィルタが設けられてもよい。励起用LED12から出射された励起光は、第1光ファイバ20を通って分波器14に伝搬される。第1光ファイバ20としては、主波長λ1=370nmの励起光を低損失伝送することができるよう、石英ガラス製の光ファイバが好適に用いられる。

0027

分波器14に入射した励起光は、分波器14内において第2光ファイバ22へ導かれ、第2光ファイバ22を伝搬して第2光ファイバ22の先端に取り付けられたプローブ18から出射される。第2光ファイバ22としては、第1光ファイバ20と同様に、石英ガラス製の光ファイバが好適に用いられる。

0028

プローブ18は、第2光ファイバ22の先端部を保持するフェルール26と、第2光ファイバ22の先端部から出射された励起光を集光して所定の前側焦点に照射するとともに、該前側焦点において発生した光を集光して第2光ファイバ22へと導くレンズ28と、フェルール26とレンズ28とを固定する筒状の固定部材30とを備える。レンズ28としては、例えば、第2光ファイバ22の端面に等倍像が結像するよう設計されたロッドレンズを用いることができる。レンズ28は、複数のレンズにより構成されてもよい。レンズ28の前側焦点に紫外線硬化樹脂52が位置している場合、レンズ28から紫外線硬化樹脂52に励起光が照射されると、紫外線硬化樹脂52から蛍光が発生する。この蛍光は、レンズ28により集光され、レンズ28の後側焦点に配置された第2光ファイバ22の先端部に入射する。また、第2光ファイバ22には、励起光の反射光もレンズ28によって集光されて入射する。

0029

第2光ファイバ22に入射した蛍光および反射光は、第2光ファイバ22を伝搬して分波器14に入射する。この分波器14においては、蛍光が第3光ファイバ24に導かれる。第3光ファイバ24を伝搬した蛍光は、分光器16によって受光される。

0030

分光器16は、受光した蛍光の分光分布を測定する。分光分布とは、光の波長による強度の変化を連続的に表したものである。分光分布は、一般的に、横軸を波長とし、縦軸を各波長での強度としたグラフで表される。分光器16としては、グレーティングリニアセンサーを用いたものや、位置によって透過波長が変わるリニアバルブフィルタ(LVF)とPD又はAPDを用いたものであってもよい。この分光分布の情報は、コンピュータ50に送信される。コンピュータ50は、受信した分光分布に基づいて紫外線硬化樹脂の状態を推定する。この推定方法については後述する。

0031

図2は、分波器14の概略構造の一例を示す図である。分波器14は、分波フィルタ40と、分波フィルタ40を挟んで配置された第1レンズ41および第2レンズ42と、第1光ファイバ20および第2光ファイバ22を保持し、第1レンズ41側に配置された第1キャピラリ43と、第3光ファイバ24を保持し、第2レンズ42側に配置された第2キャピラリ44とが、筒状の保持部材45に保持された構造を有している。

0032

第1キャピラリ43および第2キャピラリ44としては、例えばホウ珪酸ガラス等からなるガラス製のものを用いることができる。

0033

第1レンズ41および第2レンズ42は、中心から外部に向かって屈折率が低下するように屈折率勾配が設けられた屈折率分布型円柱状ロッドレンズを用いることができる。屈折率分布型円柱状ロッドレンズを用いることにより、入射面と出射面の2端面が光軸方向に直角方向の平面となり、レンズの結合等の組立を容易にするできる。また、屈折率分布型円柱状ロッドレンズは円柱状であるため、保持部材45に容易に格納でき、光軸合わせを容易とすることができる。なお、第1レンズ41および第2レンズ42は、ドラムレンズを用いてもよい。ドラムレンズは、ボールレンズ中途を円柱状に研磨して型にしたものである。

0034

分波フィルタ40は、励起光を反射し且つ蛍光を透過する波長選択性部材として機能する。一般的に、励起光の主波長λ1と蛍光の主波長λ2との間には、λ1<λ2という関係が成り立つため、分波フィルタ40のカットオフ波長λoffは、λ1より大きくλ2より小さいことが必要である。例えば、主波長λ1=370nmの場合、分波フィルタ40として、透過域420〜500nmのバンドパスフィルタを用いることができる。

0035

分波フィルタ40は、具体的には、屈折率の低いSiO2等から成る層と屈折率の高いTiO2,ZrO2,Ta2O5等から成る層が多層に積層された誘電体多層膜を用いることができる。分波フィルタ40の透過特性は、カットオフ波長λoffより短波長の光の透過率が−30dB以下(0.1%)であって、λoffより長波長の光の透過率が−3dB以上(97〜50%)であることが好ましい。

0036

上記のような分波フィルタ40を用いることにより、励起用LED12から出射された主波長がλ1である励起光は、分波フィルタ40に対する透過率が−30dB以下となるため、分波フィルタ40で反射して第2光ファイバ22に導光される。これにより、分波器14内を励起光が透過することを確実に防止することができ、蛍光の測定・検出ノイズベルを効果的に低下させることができる。

0037

一方、プローブ18および第2光ファイバ22を介して分波器14に導光される光は、上述したように、主波長λ1の励起光の反射光と、主波長λ2の蛍光である。これらの光のうち、反射光は、励起用LED12からの励起光と同様に分波フィルタ40で反射されるが、蛍光は、分波フィルタ40に対する透過率が−3dB以上となるため、分波フィルタ40を透過して第2レンズ42に入射し、第2レンズ42により第3光ファイバ24に導光される。これにより、分波器14内を透過する蛍光の検出信号強度を確保することができる。

0038

図3は、第1実施形態に係るコンピュータ50の機能ブロックを示す。図3に示すように、コンピュータ50は、受信部54と、正規化部56と、推定部58とを備える。なお、本明細書において示される各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。

0039

受信部54は、分光器16からの分光分布情報を受信する。正規化部56は、該分光分布を正規化する。推定部58は、正規化した分光分布の形状に基づいて紫外線硬化樹脂52の状態を推定する。

0040

より具体的には、推定部58は、紫外線照射前の紫外線硬化樹脂52に励起光を照射したときに検出される照射前分光分布と、紫外線照射後の紫外線硬化樹脂52に励起光を照射したときに検出される照射後分光分布とを比較する。そして、推定部58は、照射後分光分布が照射前分光分布と異なる形状になっている場合、紫外線硬化樹脂52が所定の硬化度に達したと推定する。照射前分光分布は、予めコンピュータ50のメモリに記憶しておいてもよい。

0041

以下、具体的な例に基づいて状態推定装置10について説明する。

0042

図4は、分光分布の一例を示す。図4は、紫外線硬化樹脂52として、協立化学産業社製のワールドロック8774(以下、試料1)を用いた場合に得られる分光分布を示している。図4において、横軸は波長(nm)、縦軸は蛍光強度(任意単位)である。図4において、曲線60は硬化用紫外線照射前、すなわち硬化前の分光分布、曲線61は硬化用紫外線を30秒間照射した後の分光分布、曲線62は硬化用紫外線を60秒間照射した後の分光分布、曲線63は硬化用紫外線を90秒間照射した後の分光分布、曲線64は硬化用紫外線を120秒間照射した後の分光分布、曲線65は硬化用紫外線を150秒間照射した後の分光分布、曲線66は硬化用紫外線を150秒間照射し、さらに15日間放置した後の分光分布を表す。なお、曲線61〜66の各条件において、試料1は所定の硬化度に達している。

0043

図4において、各曲線60〜66の積分値は、各条件における蛍光強度を表す。図4に示すように、紫外線照射中に関しては硬化によって蛍光強度が増加し、その後略一定になることが分かる(曲線61〜65)。しかしながら、硬化した試料1を放置した場合、蛍光強度は大幅に増加する(曲線66)。従って、蛍光強度のみに基づいて試料1の硬化度を測定しようとした場合、試料1に紫外線を照射してから時間が経過してしまうと、試料1が所定の硬化度に達したのか否かを判定することは困難である。また、蛍光強度は試料1の塗布量によっても変わるため、硬化度を蛍光強度のみに基づいて判定するのは容易ではない。

0044

図5は、図4の分光分布を正規化した一例を示す。図5は、図4の各曲線60〜66に対し、最大蛍光強度が100となるよう正規化を行ったものである。図5において、曲線70は硬化用紫外線照射前の正規化した分光分布、曲線71は硬化用紫外線を30秒間照射した後の正規化した分光分布、曲線72は硬化用紫外線を60秒間照射した後の正規化した分光分布、曲線73は硬化用紫外線を90秒間照射した後の正規化した分光分布、曲線74は硬化用紫外線を120秒間照射した後の正規化した分光分布、曲線75は硬化用紫外線を150秒間照射した後の正規化した分光分布、曲線76は硬化用紫外線を150秒間照射し、さらに15日間放置した後の正規化した分光分布を表す。

0045

図5に示すように、硬化後の試料1の分光分布(曲線71〜76)は、硬化用紫外線の放射中、放置後に拘わらず、形状が略一定になっている。また、硬化前(曲線70)と硬化後(曲線71〜76)で形状が明確に異なる。従って、蛍光の分光分布の形状が紫外線照射前の分光分布の形状から変化したか否かを判定することで、試料1が硬化したか否かを精度よく判定できる。また、分光分布の形状に基づいて判定しているので、試料1の塗布量には影響されない。

0046

図6は、分光分布の別の例を示す。図6は、紫外線硬化樹脂52として、Electronic Materials社製のオプトキャスト3415(以下、試料2)を用いた場合に得られる分光分布を示す。図6において、曲線80は硬化用紫外線照射前の分光分布、曲線81は硬化用紫外線を30秒間照射した後の分光分布、曲線82は硬化用紫外線を60秒間照射した後の分光分布、曲線83は硬化用紫外線を90秒間照射した後の分光分布、曲線84は硬化用紫外線を120秒間照射した後の分光分布、曲線85は硬化用紫外線を150秒間照射した後の分光分布、曲線86は硬化用紫外線を150秒間照射し、さらに15日間放置した後の分光分布を表す。なお、曲線81〜86の各条件において、試料2は所定の硬化度に達している。

0047

図6においても、各曲線80〜86の積分値は、各条件における蛍光強度を表す。図6に示すように、試料2の場合、蛍光強度は照射と共に増え続けることが分かる(曲線81〜85)。また、硬化後試料2を放置した場合、蛍光強度は大幅に増加することが分かる(曲線86)。従って、蛍光強度のみに基づいて試料2の硬化度を測定しようとしても、硬化が完了したか否か判定することは難しい。また、蛍光強度は試料2の塗布量によっても変わるため、硬化度を蛍光強度のみに基づいて判定するのは容易ではない。

0048

図7は、図6の分光分布を正規化した一例を示す。図7は、図6の各曲線80〜86に対し、最大蛍光強度が100となるよう正規化を行ったものである。図7において、曲線90は硬化用紫外線照射前の正規化した分光分布、曲線91は硬化用紫外線を30秒間照射した後の正規化した分光分布、曲線92は硬化用紫外線を60秒間照射した後の正規化した分光分布、曲線93は硬化用紫外線を90秒間照射した後の正規化した分光分布、曲線94は硬化用紫外線を120秒間照射した後の正規化した分光分布、曲線95は硬化用紫外線を150秒間照射した後の正規化した分光分布、曲線96は硬化用紫外線を150秒間照射し、さらに15日間放置した後の正規化した分光分布を表す。

0049

図7に示すように、試料2においても、硬化後の分光分布(曲線91〜96)の形状は、硬化用紫外線の放射中、放置後に拘わらず、略一定となっている。また、硬化前(曲線90)と硬化後(曲線91〜96)で形状が明確に異なる。従って、蛍光の分光分布の形状が紫外線照射前の分光分布の形状から変化したか否かを判定することで、試料2が硬化したか否かを精度よく判定できる。また、分光分布の形状に基づいて判定しているので、試料2の塗布量には影響されない。

0050

図8は、分光分布の更に別の例を示す。図8は、紫外線硬化樹脂52として、ケミテック社製のケミシール426B(以下、試料3)を用いた場合に得られる分光分布を示す。図8において、曲線100は硬化用紫外線照射前の分光分布、曲線101は硬化用紫外線を30秒間照射した後の分光分布、曲線102は硬化用紫外線を60秒間照射した後の分光分布、曲線103は硬化用紫外線を90秒間照射した後の分光分布、曲線104は硬化用紫外線を120秒間照射した後の分光分布、曲線105は硬化用紫外線を150秒間照射した後の分光分布、曲線106は硬化用紫外線を150秒間照射し、さらに15日間放置した後の分光分布を表す。なお、曲線101〜106の各条件において、試料3は所定の硬化度に達している。

0051

図8においても、各曲線100〜106の積分値は、各条件における蛍光強度を表す。図8に示すように、試料3の場合、紫外線照射中に関しては硬化によって蛍光強度が増加し、その後完全ではないが略一定になることが分かる(曲線101〜105)。しかしながら、硬化した試料3を放置した場合、蛍光強度は大幅に増加する(曲線106)。従って、蛍光強度のみに基づいて試料3の硬化度を測定しようとした場合、試料3に紫外線を照射してから時間が経過してしまうと、試料3が所定の硬化度に達したのか否かを判定することは困難である。また、蛍光強度は試料3の塗布量によっても変わるため、硬化度を蛍光強度のみに基づいて判定するのは容易ではない。

0052

図9は、図8の分光分布を正規化した一例を示す。図9は、図8の各曲線100〜106に対し、最大蛍光強度が100となるよう正規化を行ったものである。図9において、曲線110は硬化用紫外線照射前の正規化した分光分布、曲線111は硬化用紫外線を30秒間照射した後の正規化した分光分布、曲線112は硬化用紫外線を60秒間照射した後の正規化した分光分布、曲線113は硬化用紫外線を90秒間照射した後の正規化した分光分布、曲線114は硬化用紫外線を120秒間照射した後の正規化した分光分布、曲線115は硬化用紫外線を150秒間照射した後の正規化した分光分布、曲線116は硬化用紫外線を150秒間照射し、さらに15日間放置した後の正規化した分光分布を表す。

0053

図9に示すように、硬化後の試料3の分光分布(曲線111〜116)は、硬化用紫外線の放射中、放置後に拘わらず、形状が略一定になっている。また、硬化前(曲線110)と硬化後(曲線111〜116)で形状が明確に異なる。従って、蛍光の分光分布の形状が紫外線照射前の分光分布の形状から変化したか否かを判定することで、試料3が硬化したか否かを精度よく判定できる。また、分光分布の形状に基づいて判定しているので、試料3の塗布量には影響されない。

0054

図10は、第1実施形態に係る状態推定装置10のフローチャートを示す。状態推定装置10により紫外線硬化樹脂52の状態を推定する場合、まず、励起用LED12を点灯させ、励起光をプローブ18から紫外線硬化樹脂52に照射する(S10)。紫外線硬化樹脂52から発生した蛍光は、プローブ18に入射し、第2光ファイバ22、分波器14、第3光ファイバ24を介して分光器16に入射する。

0055

分光器16は、受光した蛍光の分光分布を検出する(S12)。検出した分光分布の情報はコンピュータ50に送られ、コンピュータ50の受信部54は、該情報を受信する(S14)。受信した分光分布情報は、正規化部56に送られる。

0056

正規化部56は、分光分布を正規化する処理を行う(S16)。正規化の方法は特に限定されないが、例えば、図5図7図9に示したように、最大蛍光強度が100となるよう正規化を行う。正規化した分光分布の情報は、推定部58に送られる。

0057

推定部58は、予め記憶しておいた正規化した照射前分光分布と、正規化部56から受信した分光分布(照射後分光分布)とを比較して、照射後分光分布の形状が照射前分光分布の形状から変化しているか否か判定する(S18)。

0058

照射後分光分布の形状が照射前分光分布の形状から変化し、異なる形状となっている場合(S18のY)、推定部58は、紫外線硬化樹脂52が所定の硬化度に達した、すなわち硬化したと推定する(S20)。一方、照射後分光分布の形状が照射前分光分布の形状から変化していない場合(S18のN)、推定部58は、紫外線硬化樹脂52が所定の硬化度に達していない、すなわち未硬化であると推定する(S22)。

0059

以上説明したように、本第1実施形態に係る状態推定装置10によれば、分光分布の形状に基づいて紫外線硬化樹脂52の状態を推定することにより、硬化後時間が経過した場合であっても、紫外線硬化樹脂52の硬化度を精度よく判定できる。また、状態推定装置10によれば、硬化度の測定精度は紫外線硬化樹脂52の塗布量に影響されない。なお、どの程度分光分布の形状が変化すれば硬化完了と判定できるかについては、用いる紫外線硬化樹脂52の種類等によって変わるので、実験などによって適宜基準を設定すればよい。

0060

上記第1実施形態では、コンピュータ50の推定部58が照射前分光分布と照射後分光分布の比較を行ったが、測定者がコンピュータ50のディスプレイに表示された照射前分光分布と照射後分光分布を比較して、両者の形状が一致しているか否かを判定してもよい。

0061

また、コンピュータ50の推定部58は、照射後分光分布が所定の形状になっている場合に、紫外線硬化樹脂が所定の硬化度に達したと推定してもよい。ここで、「所定の形状」は、予めデータとして与えておいてもよいし、試料測定前に硬化済みの試料の分光分布を測定し、該測定結果をコンピュータ50のメモリに記録して使用してもよい。この場合、硬化判定の精度を向上できる。

0062

上記第1実施形態では、形状の比較を容易とするため分光分布を正規化したが、正規化前の分光分布の形状に基づいて紫外線硬化樹脂52の状態を推定してもよい。

0063

分光器16において、グレーディングやLVFで効率良く分波するためには、ビーム径の小さい平行光を作り出す必要がある。その為には、光ファイバのような狭い領域に光を一旦閉じ込めると、ビーム径の小さい平行光を作り出しやすい。本実施形態においては、蛍光の光路として光ファイバを用いているため、上記の点において有利である。

0064

図11は、本発明の第2実施形態に係る紫外線硬化樹脂の状態推定装置210を示す。図11に示す状態推定装置210は、図1に示す状態推定装置10における分光器16に代えて、分波器212、第1フォトダイオード214および第2フォトダイオード216を設けたものである。なお、第2実施形態に係る状態推定装置210において、第1実施形態に係る状態推定装置10と同一または対応する構成要素については、同一の符号を用い、詳細な説明は適宜省略する。

0065

図11に示すように、分波器14は、第3光ファイバ24を介して分波器212に接続されている。分波器212は、第3光ファイバ24から入射する蛍光を第1波長と第2波長とに分波し、それぞれを第1フォトダイオード214と第2フォトダイオード216とに出力する。第1波長と第2波長は異なる波長である。例えば、上述の試料1を紫外線硬化樹脂52として用いた場合、分波器212は、入力された蛍光を、第1波長=485nmを中心波長とする波長480〜490nmの蛍光と、第2波長=445nmを中心波長とする波長440〜450nmの蛍光とに分波する。

0066

第1波長の蛍光が入力された第1フォトダイオード214は、第1波長の蛍光を電気信号に変換し、第1強度情報としてコンピュータ50に出力する。また、第2波長の蛍光が入力された第2フォトダイオード216は、第2波長の蛍光を電気信号に変換し、第2強度情報としてコンピュータ50に出力する。

0067

図12は、第2実施形態に係るコンピュータ50の機能ブロックを示す。図12に示すように、コンピュータ50は、受信部54と、強度比演算部57と、推定部58とを備える。

0068

受信部54は、第1フォトダイオード214および第2フォトダイオード216からの第1強度情報および第2強度情報を受信する。強度比演算部57は、第1強度に対する第2強度の強度比を演算する。推定部58は、強度比演算部57により演算された強度比に基づいて紫外線硬化樹脂52の状態を推定する。

0069

より具体的には、推定部58は、紫外線照射前の紫外線硬化樹脂52に励起光を照射したときに検出される照射前強度比と、紫外線照射後の紫外線硬化樹脂52に励起光を照射したときに検出される照射後強度比とを比較する。そして、推定部58は、照射後強度比が照射前強度比と異なる値になっている場合、紫外線硬化樹脂52が所定の硬化度に達したと推定する。照射前強度比は、予めコンピュータ50に記憶しておいてもよい。

0070

図13は、第2実施形態に係る状態推定装置210のフローチャートを示す。状態推定装置210により紫外線硬化樹脂52の状態を推定する場合、まず、励起用LED12を点灯させ、励起光をプローブ18から紫外線硬化樹脂52に照射する(S30)。紫外線硬化樹脂52から発生した蛍光は、プローブ18に入射し、第2光ファイバ22、分波器14、第3光ファイバ24を介して分波器212に入射する。

0071

分波器212は、受光した蛍光を第1波長と第2波長とに分波する(S32)。分波された第1波長の蛍光は、第1フォトダイオード214により受光され、第1強度が検出される。第2波長の蛍光は、第2フォトダイオード216により受光され、第2強度が検出される(S34)。第1強度および第2強度は、コンピュータ50の受信部54に受信される。

0072

続いて、強度比演算部57は、第1強度に対する第2強度の強度比を演算する(S36)。例えば、上述の試料1の場合、図4に示すように、硬化用紫外線を30秒間照射した後の第1波長=485nmにおける蛍光強度は1265であり、第2波長=445nmにおける蛍光強度は1133であるので、強度比は0.89になる。また、同じく試料1において、硬化用紫外線を150秒間照射した後放置した場合の第1波長=485nmにおける蛍光強度は2020であり、第2波長=445nmにおける蛍光強度は1776であるので、強度比は0.88になる。演算した強度比情報は、推定部58に送られる。

0073

推定部58は、予め記憶しておいた照射前強度比と、強度比演算部57から受信した強度比(照射後強度比)とを比較して、照射後強度比が照射前強度比から変化しているか否か判定する(S38)。例えば、試料1の場合、図4に示すように、硬化用紫外線照射前の第1波長=485nmにおける蛍光強度は118であり、第2波長=445nmにおける蛍光強度は87であるので、照射前強度比は0.74になる。

0074

照射後強度比が照射前強度比から変化し、異なる値となっている場合(S38のY)、推定部58は、紫外線硬化樹脂52が所定の硬化度に達したと推定する(S40)。例えば、試料1の場合、上述のように紫外線を30秒間照射後の強度比は0.89であり、照射前強度比=0.74と異なる値になっているので、所定の硬化度に達したと推定できる。また、紫外線を150秒間照射後、放置した場合の強度比は0.88であるので、この場合も照射前強度比=0.74と異なる値になっており、所定の硬化度に達したと推定できる。一方、照射後強度比が照射前強度比から変化していない場合(S38のN)、推定部58は、紫外線硬化樹脂52が所定の硬化度に達していない、すなわち未硬化であると推定する(S42)。

0075

以上説明したように、本第2実施形態に係る状態推定装置210は、2つの異なる波長における蛍光強度の強度比に基づいて紫外線硬化樹脂52の状態を推定する構成とした。硬化後時間が経過した場合であっても、強度比は硬化用紫外線放射中と殆ど変わらないので、紫外線硬化樹脂52の硬化度を精度よく判定できる。また、状態推定装置210によれば、硬化度の測定精度は紫外線硬化樹脂52の塗布量に影響されない。なお、どの程度強度比が異なれば硬化完了と判定できるかについては、用いる紫外線硬化樹脂52の種類等によって変わるので、実験などによって適宜基準を設定すればよい。

0076

上記第2実施形態では、コンピュータ50の推定部58が照射前強度比と照射後強度比の比較を行ったが、測定者が照射前強度比と照射後強度比の比較を行って、紫外線硬化樹脂52が所定の硬化度に達したか判定してもよい。

0077

また、コンピュータ50の推定部58は、照射後分光分布が所定の強度比になっている場合に、紫外線硬化樹脂が所定の硬化度に達したと推定してもよい。ここで、「所定の強度比」は、予めデータとして与えておいてもよいし、試料測定前に硬化済みの試料に関して強度比を測定し、該測定結果をコンピュータ50のメモリに記録して使用してもよい。この場合、硬化判定の精度を向上できる。

0078

以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。

0079

例えば、励起用LED12を100Hz〜10kHz程度の周波数で点滅させ、その周波数の成分の蛍光のみを検出するようにしてもよい。例えば、上記の第1実施形態において、分光器16にロックイン回路を設け、励起用LED12の点滅と同期を取って蛍光を検出する。若しくは、FFTで、その周波数の成分の信号強度を取得する。これにより、外乱光に影響されずに、より高感度な測定が可能となる。このような構成をとる場合、LVFを用いた分光器16を採用することが望ましい。

0080

また、上述の実施形態では、励起光や蛍光の伝送路として光ファイバを用いたが、光導波路など他の伝送路も利用可能である。さらに、励起光や蛍光を空間光伝送することも可能である。

0081

10、210状態推定装置、 12励起用LED、 14、212分波器、 16分光器、 18プローブ、 24 第3光ファイバ、 50コンピュータ、 52紫外線硬化樹脂、 54 受信部、 56正規化部、 57強度比演算部、 58推定部、 214 第1フォトダイオード、 216 第2フォトダイオード。

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