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技術 結合材の混入率推定方法

出願人 大成建設株式会社
発明者 赤塚真依子大脇英司藤原靖
出願日 2010年9月7日 (10年3ヶ月経過) 出願番号 2010-199630
公開日 2012年3月22日 (8年9ヶ月経過) 公開番号 2012-058001
状態 特許登録済
技術分野 特有な方法による材料の調査、分析
主要キーワード pHメータ 各容器毎 推定作業 簡易式 pH測定 相関点 近似線 土懸濁液
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2012年3月22日)のものです。
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図面 (15)

課題

結合材混入率を迅速に推定することができる結合材の混入率の推定方法を提供する。

解決手段

混入率推定工程では、現場発生土または現地盤から測定試料採取し(ステップS1)、測定試料のpHを測定する(ステップS2)。測定試料のpH値がpH基準値以下であるか否かを判断し(ステップS3)。pH値がpH基準値以下である場合には、予め作成したpH検量線から結合材の混入率を推定する(ステップS4)。また、測定試料のpH値がpH基準値を超える場合には、測定試料のCa濃度を測定し(ステップS5)、測定試料のCa濃度と、予め作成したCa濃度検量線とから結合材の混入率を推定する(ステップS6)。

概要

背景

従来より、トンネル工事等の建設工事現場では、コンクリート等の結合材現場発生土の一部に混入する場合が多い。例えばトンネル工事においては、鏡面にコンクリートを吹き付けたときにリバウンドが発生し、コンクリートが現場発生土の一部に混入する。したがって、現場発生土に混入している結合材の混入率推定することは、現場発生土の利用方法処理方法を検討する際の重要な判断材料となる。

また、止水工事のような現地盤の改良を目的とする建設工事現場では、セメントミルク等の地盤改良材(結合材)を現地盤に添加して現地盤の固化を行っている。したがって、現地盤に添加した結合材の混入率(添加率)を推定することは、予め設定した配合で固化が行われているかを検討する際の重要な判断材料となる。このような結合材の混入率の推定方法としては、セメント協会法F18(非特許文献1参照)、ASTM法等が用いられている。

概要

結合材の混入率を迅速に推定することができる結合材の混入率の推定方法を提供する。混入率推定工程では、現場発生土または現地盤から測定試料採取し(ステップS1)、測定試料のpHを測定する(ステップS2)。測定試料のpH値がpH基準値以下であるか否かを判断し(ステップS3)。pH値がpH基準値以下である場合には、予め作成したpH検量線から結合材の混入率を推定する(ステップS4)。また、測定試料のpH値がpH基準値を超える場合には、測定試料のCa濃度を測定し(ステップS5)、測定試料のCa濃度と、予め作成したCa濃度検量線とから結合材の混入率を推定する(ステップS6)。

目的

本件発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、結合材の混入率を迅速に推定することができる結合材の混入率の推定方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

建設工事現場現場発生土または現地盤から結合材が未混入土壌試料採取し、この土壌試料に前記結合材を混合率を変えて混合して所定数標準試料を製造する標準試料製造工程と、各標準試料pH値または前記結合材の成分濃度値の少なくとも一方を測定する標準試料分析工程と、前記現場発生土または前記現地盤から前記結合材が混入されている測定試料を採取し、そのpH値または前記結合材の成分濃度値の少なくとも一方を測定して、前記各標準試料の前記pH値または前記成分濃度値の少なくとも一方と前記結合材の各混合率とに基づいて前記現場発生土または前記現地盤の前記結合材の混入率推定する混入率推定工程とを備えることを特徴とする結合材の混入率推定方法

請求項2

請求項1に記載の結合材の混入率推定方法において、前記標準試料分析工程では、前記各標準試料の前記pH値と前記結合材の混合率との相関曲線を作成して、この相関曲線の始端から直線的に上昇している範囲にプロットされている複数の相関点から近似線を作成し、この近似線をpH検量線とするpH検量線作成工程または、前記各標準試料の前記成分濃度値と前記結合材の混合率との相関図を作成して、この相関図にプロットされている複数の相関点が直線的に上昇している範囲で近似線を作成し、この近似線を成分濃度検量線とする成分濃度検量線作成工程の少なくとも一方を備え、前記混入率推定工程では、前記pH検量線または前記成分濃度検量線の少なくとも一方を用いて前記結合材の混入率を推定することを特徴とする結合材の混入率推定方法。

請求項3

請求項2に記載の結合材の混入率推定方法において、前記標準試料分析工程では、前記pH検量線と前記成分濃度検量線の両方を作成して、前記pH検量線の適用可能な範囲でpH基準値を設定し、前記混入率推定工程では前記測定試料のpH値を測定し、そのpH値が前記pH基準値以下の場合には、そのpH値と前記pH検量線とから前記結合材の混入率を推定し、前記pH基準値を超える場合には、前記測定試料の前記結合材の成分濃度値を測定して前記成分濃度検量線から前記結合材の混入率を推定することを特徴とする結合材の混入率推定方法。

請求項4

請求項2に記載の結合材の混入率推定方法において、前記標準試料分析工程では、前記pH検量線と前記成分濃度検量線の両方を作成して、前記成分濃度検量線の適用可能な範囲で成分濃度基準値を設定し、前記混入率推定工程では前記測定試料の前記結合材の成分濃度値を測定し、その成分濃度値が前記成分濃度基準値を超える場合には、その成分濃度値と前記成分濃度検量線とから前記結合材の混入率を推定し、前記成分濃度基準値以下の場合には前記測定試料のpH値を測定して前記pH検量線から前記結合材の混入率を推定することを特徴とする結合材の混入率推定方法。

請求項5

請求項3に記載の結合材の混入率推定方法において、前記標準試料分析工程では、前記各標準試料で少なくとも前記pH値に対応する実際の混合率と前記pH検量線で算出される推定混合率との比を算出し、その比が適用可能な範囲にある実際の混合率を前記pH検量線の式に代入して前記pH基準値を設定することを特徴とする結合材の混入率推定方法。

請求項6

請求項4に記載の結合材の混入率推定方法において、前記標準試料分析工程では、前記各標準試料で少なくとも前記成分濃度値に対応する実際の混合率と前記成分濃度検量線で算出される推定混合率との比を算出し、その比が適用可能な範囲にある実際の混合率を前記成分濃度検量線の式に代入して前記成分濃度基準値を設定することを特徴とする結合材の混入率推定方法。

請求項7

請求項5または請求項6に記載の結合材の混入率推定方法において、前記標準試料分析工程では、前記各標準試料の前記pH値に対応する実際の混合率と前記pH検量線で算出される推定混合率との比、前記成分濃度値に対応する実際の混合率と前記成分濃度検量線で算出される推定混合率との比をそれぞれ算出し、それらの比が適用可能な範囲にある実際の混合率を参照して、基準値を設定する方の測定値の検量線の式に代入するための実際の混合率を設定することを特徴とする結合材の混入率推定方法。

技術分野

0001

本件発明は、トンネル工事地盤改良工事等の建設工事現場において、現場発生土の一部に混入したコンクリート等の結合材、または、現地盤に添加したセメント等の結合材の混入率推定する方法に関する。

背景技術

0002

従来より、トンネル工事等の建設工事現場では、コンクリート等の結合材が現場発生土の一部に混入する場合が多い。例えばトンネル工事においては、鏡面にコンクリートを吹き付けたときにリバウンドが発生し、コンクリートが現場発生土の一部に混入する。したがって、現場発生土に混入している結合材の混入率を推定することは、現場発生土の利用方法処理方法を検討する際の重要な判断材料となる。

0003

また、止水工事のような現地盤の改良を目的とする建設工事現場では、セメントミルク等の地盤改良材(結合材)を現地盤に添加して現地盤の固化を行っている。したがって、現地盤に添加した結合材の混入率(添加率)を推定することは、予め設定した配合で固化が行われているかを検討する際の重要な判断材料となる。このような結合材の混入率の推定方法としては、セメント協会法F18(非特許文献1参照)、ASTM法等が用いられている。

先行技術

0004

硬化コンクリート配合推定に関する共同試験報告」コンクリート専門委員会報告F18、社団法人セメント協会、1967年9月

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、上記で例示したような混入率の推定方法の多くは、実験室で行う大規模なものであり、化学的専門知識が必要な分析方法が多く、乾燥などの前処理等、複数の工程があり時間もかかる。そのため、現場発生土の利用方法や処理方法を検討するまでに時間がかかる。そこで、結合材の混入率を迅速に推定することが検討されている。

0006

本件発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、結合材の混入率を迅速に推定することができる結合材の混入率の推定方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

前記課題を解決するために本件発明の結合材の混入率推定方法は、
建設工事現場の現場発生土または現地盤から結合材が未混入の土壌試料採取し、この土壌試料に前記結合材を混合率を変えて混合して所定数標準試料を製造する標準試料製造工程と、
各標準試料pH値または前記結合材の成分濃度値の少なくとも一方を測定する標準試料分析工程と、
前記現場発生土または前記現地盤から前記結合材が混入されている測定試料を採取し、そのpH値または前記結合材の成分濃度値の少なくとも一方を測定して、前記各標準試料の前記pH値または前記成分濃度値の少なくとも一方と前記結合材の各混合率とに基づいて前記現場発生土または前記現地盤の前記結合材の混入率を推定する混入率推定工程と
を備えることを特徴としている。

0008

ここで、標準試料分析工程では、各標準試料のpH値と結合材の混合率との相関曲線を作成して、この相関曲線の始端から直線的に上昇している範囲にプロットされている複数の相関点から近似線を作成し、この近似線をpH検量線とするpH検量線作成工程または、各標準試料の成分濃度値と結合材の混合率との相関図を作成して、この相関図にプロットされている複数の相関点が直線的に上昇している範囲で近似線を作成し、この近似線を成分濃度検量線とする成分濃度検量線作成工程の少なくとも一方を備えるようにしても良い。

0009

その場合には混入率推定工程においてpH検量線または成分濃度検量線の少なくとも一方を用いて結合材の混入率を推定する。

0010

また、標準試料分析工程においてpH検量線と成分濃度検量線の両方を作成してpH検量線の適用可能な範囲でpH基準値を設定しても良い。その場合に、混入率推定工程では測定試料のpH値を測定して、そのpH値がpH基準値以下の場合には、そのpH値とpH検量線とから結合材の混入率を推定する。pH値がpH基準値を超えている場合には、測定試料の結合材の成分濃度を測定して成分濃度検量線から結合材の混入率を推定する。

0011

また、成分濃度検量線の適用可能な範囲で成分濃度基準値を設定しても良い。その場合に、混入率推定工程では測定試料の結合材の成分濃度値を測定して、その成分濃度値が成分濃度基準値を超えている場合には、その成分濃度値と成分濃度検量線とから結合材の混入率を推定する。成分濃度値が成分濃度基準値以下の場合には測定試料のpH値を測定してpH検量線から結合材の混入率を推定しても良い。

0012

また、各標準試料のpH値に対応する実際の混合率とpH検量線で算出される推定混合率との比を算出し、その比が適用可能な範囲にある実際の混合率をpH検量線の式に代入してpH基準値を設定しても良い。

0013

また、各標準試料の成分濃度値に対応する実際の混合率と成分濃度検量線で算出される推定混合率との比を算出し、その比が適用可能な範囲にある実際の混合率を成分濃度検量線の式に代入して成分濃度基準値を設定しても良い。

0014

また、各標準試料のpH値に対応する実際の混合率とpH検量線で算出される推定混合率との比、成分濃度値に対応する実際の混合率と成分濃度検量線で算出される推定混合率との比をそれぞれ算出し、それらの比が適用可能な範囲にある実際の混合率を参照して、基準値を設定する方の測定値の検量線の式に代入するための実際の混合率を設定しても良い。

発明の効果

0015

本件発明の結合材の混入率推定方法では、予め測定した標準試料のpH値や結合材の成分濃度値を用いて結合材の混入率を推定した。したがって、結合材の混入率の推定作業現場で行うことが可能になる。よって、本件発明の結合材の混入率推定方法は、結合材の混入率を迅速に推定できる。また、その結果、現場発生土の利用方法や処理方法の検討にかかる時間や、地盤改良土品質管理にかかる時間を短縮することが可能になる。

図面の簡単な説明

0016

本件発明の一実施の形態を示す結合材の混入率推定方法の工程図である。
標準試料製造工程の処理手順を示すフローチャートである。
標準試料pH測定工程の処理手順を示すフローチャートである。
pH検量線作成工程の処理手順を示すフローチャートである。
標準試料Ca濃度測定工程の処理手順を示すフローチャートである。
Ca濃度検量線作成工程の処理手順を示すフローチャートである。
混入率推定工程の処理手順を示すフローチャートである。
標準試料のpHと結合材の混合率との相関図である。
標準試料のCa濃度と結合材の混合率との相関図である。
標準試料のpH値に基づく実際の混合率とpH検量線から得られる推定混合率との相関図である。
標準試料のCa濃度値に基づく実際の混合率とCa濃度検量線から得られる推定混合率との相関図である。
図11図12相関関係が高い領域を組み合わせた相関図である。
各標準試料の実際の混合率に対して、各標準試料のpH値に対応する実際の混合率と推定混合率との比、Ca濃度値に対応する実際の混合率と推定混合率との比の関係を示す図である。
標準試料Ca濃度測定工程において塩酸添加後にpH調整の場合とpH未調整の場合のCa濃度の比較を示す図である。

0017

以下、本件発明の実施の形態を図にしたがって説明する。

0018

図1は、本件発明の一実施の形態を示す結合材の混入率推定方法の工程図である。本実施の形態では、コンクリート等のCaを含む結合材の混入率推定方法について説明する。本実施の形態の混入率推定方法を簡単に説明すると、現場発生土を処理する際にpH値を測定し、そのpH値に応じて、予め作成したpH検量線とCa濃度検量線を用いて結合材の混入率を推定する。

0019

具体的には、下記の(1)〜(6)の工程を行う。このうち(2)〜(5)の工程は、本件発明の標準試料分析工程である。以下に各工程について説明する。
(1)標準試料製造工程
(2)標準試料pH測定工程
(3)pH検量線作成工程
(4)標準試料Ca濃度測定工程
(5)Ca濃度検量線作成工程
(6)混入率推定工程

0020

(1)標準試料製造工程
この工程では、土壌試料と結合材とを混合して標準試料を製造する。図2のフローチャートを用いて処理手順を説明する。

0021

(土壌試料採取)
まず最初に、建設工事現場の現場発生土または現地盤から結合材が未混入の土壌試料を採取する。本実施の形態の場合、結合材が未混入の土壌試料とは、コンクリート等、石灰セメント分等が混入されていない土壌試料である。

0022

粒度調整
採取した土壌試料の粒度を調整する。調整場所は分析施設や現場等、特に限定されない。土壌試料の粒度は5mm以下が好ましい。その理由は、少ないサンプル量で均一な測定を行うため、以降に続く工程で所定の時間での溶解をなるべく一定にするため等である。粒度の調整方法としては、ふるいわけが挙げられる。具体的には、土壌試料を粉砕せずにふるいを用いて5mm以下のものを選別する。その他には、土壌試料の全量を5mm以下に粉砕して使用しても良い。

0023

(結合材混合)
まず最初に、ビーカ等の容器を所定数用意する。次に、各容器に土壌試料を同量ずつ入れ、さらに結合材を入れて土壌試料と混合して標準試料を製造する。結合材の混合割合各容器毎に変える。

0024

(2)標準試料pH測定工程
この工程では、標準試料製造工程で製造した標準試料のpHを測定する。なお、pHの測定は、地盤工学会基準の土懸濁液のpH試験方法JGS0211−2000)を使用することが好ましい。図3のフローチャートを用いて処理手順を説明する。

0025

蒸留水添加)
まず最初に、各標準試料をそれぞれビーカー等の容器に入れて蒸留水を添加する。

0026

攪拌静置
各容器内の標準試料と蒸留水とをよく攪拌し、そのまま所定時間静置する。

0027

(pH測定)
所定時間静置後に、各試験管上澄み液のpHをpHメータで測定する。この測定で得られたpH値が標準試料のpH値となる。

0028

(3)pH検量線作成工程
この工程では、標準試料pH測定工程で得られた各標準試料のpH値を用いてpH−混合率相関曲線を作成し、このpH−混合率相関曲線からpH検量線を作成し、さらに、このpH検量線からpH基準値を設定する。図4のフローチャートを用いて処理手順を説明する。

0029

(pH−混合率相関曲線作成)
まず最初にpH−混合率相関曲線を作成する。このpH−混合率相関曲線は、各標準試料のpH値と結合材の混合率との関係を示すものである。具体的には、例えば図8に示すように、各標準試料のpH値を縦軸に、それに対応する各結合材の混合率を横軸にプロットしてpH−混合率相関曲線aを作成する。

0030

(pH検量線作成)
次に、pH−混合率相関曲線aからpH検量線bを作成する。具体的には、図8のpH−混合率相関曲線aの始端(開始部分)から直線的に上昇している範囲にプロットされている複数の相関点Pa(結合材の混合率に対するpH値)から最小二乗法等を用いて近似線を作成し、この近似線をpH検量線bとする。このpH検量線bは、結合材の混入率の推定に用いられる。

0031

(pH基準値設定
次に、pH検量線bからpH基準値cを設定する。このpH基準値cは、結合材の混入率の推定作業を行うときの指標となり、pH検量線bにおいて適用可能な範囲(精度が保てる範囲)で任意に設定することが好ましい。例えば、図8においてpH検量線bとpH−混合率相関曲線aとの間隔が小さい範囲でpH基準値cを設定しても良い。

0032

また、pH基準値cをpHメータの測定精度を超えるような高い領域で設定することは、そのpH基準値cを用いてpH検量線bから算出される結合材の推定混合率と実際の混合率との差が非常に大きくなるため、好ましくない。

0033

(4)標準試料Ca濃度測定工程
この工程では、標準試料製造工程で製造した標準試料のCa濃度を測定する。図5のフローチャートを用いて処理手順を説明する。

0034

(塩酸添加)
まず最初に、各標準試料をそれぞれ試験管に入れて塩酸を同量ずつ添加する。塩酸の添加量は、標準試料10gに対して30mlが好ましい。なお、標準試料と塩酸の比率(固液比)を上記のように固定すれば、双方の分量を変えても良い。

0035

塩酸の濃度は1N 〜5Nが好ましい。塩酸の濃度が1Nよりも小さいと標準試料からCaが抽出されないおそれがあり、5Nよりも多いと廃液処理の安全性を考慮する必要がある。

0036

また、抽出液は塩酸に限定されることはなく、入手しやすく扱いやすいもの、例えば、硫酸硝酸等でも良い。また、Ca濃度の測定値に差が得られるのであればアルカリや蒸留水でも使用することは可能である。

0037

振とう
各試験管の標準試料と塩酸とをよく攪拌した後に、振とう機で振とうする。これにより、塩酸中にCaが抽出される。

0038

遠心分離
振とう後に各試験管を遠心分離機にかけ、Caが含まれている塩酸と、それ以外とを分離する。

0039

希釈
遠心分離後に各試験管内の上澄み液を蒸留水で希釈して希釈液を生成する。各試験管の希釈率は、Ca濃度測定器測定範囲に合わせて均一に設定する。

0040

(Ca濃度測定)
希釈液のCa濃度を、Ca濃度測定器を用いて測定する。この測定で得られた希釈液のCa濃度値が標準試料のCa濃度値となる。なお、Ca濃度測定器としては可搬型項目水質計等、目的成分現地測定可能なものを使用することにより測定時間を短縮することができる。

0041

(5)Ca濃度検量線作成工程
この工程では、標準試料Ca濃度測定工程で得られた各標準試料のCa濃度値を用いてCa濃度−混合率相関図を作成し、この相関図からCa濃度検量線を作成する。図6のフローチャートを用いて処理手順を説明する。

0042

(Ca濃度−混合率相関図作成)
まず最初に、Ca濃度−混合率相関図を作成する。このCa濃度−混合率相関図は、各標準試料のCa濃度値と結合材の混合率との関係を示すものである。具体的には、例えば図9に示すように、各標準試料のCa濃度を縦軸に、それに対応する各結合材の混合率を横軸にプロットしてCa濃度−混合率相関図を作成する。

0043

(Ca濃度検量線作成)
次に、Ca濃度−混合率相関図からCa濃度検量線dを作成する。このCa濃度検量線dは、結合材の混入率の推定に用いられる。具体的には、図9のCa濃度−混合率相関図にプロットされている複数の相関点Pd(結合材の混合率に対するCa濃度値)が直線的に上昇している範囲で最小二乗法等を用いて近似線を作成し、この近似線をCa濃度検量線dとする。このように相関点のばらつきがない範囲を用いてCa濃度検量線dを作成することで、結合材の混入率の推定精度を高くすることができる。

0044

(6)混入率推定工程
この工程では、現場発生土または現地盤から採取した測定試料のpH値とpH基準値cとを比較し、現場発生土または現地盤に混入されている結合材の混入率を推定する。図7のフローチャートを用いて処理手順を説明する。

0045

(ステップS1)
現場発生土または現地盤から測定試料を採取する。この測定試料の採取範囲は、現場発生土または現地盤において結合材が混入されている範囲である。

0046

(ステップS2)
測定試料のpHを測定する。この測定手順は、標準試料pH測定工程で説明した手順と同様に行う。

0047

(ステップS3)
測定試料のpH値がpH基準値c以下であるか否かを判断する。

0048

(ステップS4)
測定試料のpH値がpH基準値c以下である場合には(ステップS3でYES)、予め作成したpH検量線bから結合材の混入率を推定する。具体的には、pH検量線bの式に測定試料のpH値を代入して結合材の推定混合率を算出し、この推定混合率を結合材の推定混入率とする。

0049

(ステップS5)
測定試料のpH値がpH基準値cを超える場合には(ステップSA3でNO)、測定試料のCa濃度を測定する。この測定手順は、標準試料Ca濃度測定工程で説明した手順と同様に行う。

0050

(ステップS6)
次に、ステップS5で得られた測定試料のCa濃度値と、予め作成したCa濃度検量線dとから結合材の混入率を推定する。具体的には、Ca濃度検量線dの式に測定試料のCa濃度値を代入して結合材の推定混合率を算出し、この推定混合率を結合材の推定混入率とする。

0051

このように、本実施の形態の混入率の推定方法は、予め算出した標準試料のCa濃度値(Ca系を含む結合材の成分濃度値)やpH値を用いるので現場で行うことが可能になる。よって、本実施の形態の結合材の混入率推定方法は、結合材の混入率を迅速に推定できる。また、その結果、現場発生土の利用方法や処理方法の検討にかかる時間や、地盤改良土の品質管理にかかる時間を短縮することが可能になる。

0052

また、測定試料のpHやCa濃度の測定の際にpHメータや簡易式のCa濃度測定器(可搬型多項目水質計等)を用いることにより、結合材の混入率の推定作業をより迅速に行うことができる。なお、この場合の作業時間は1時間程度である。したがって、例えば現場発生土の結合材の混入率の推定作業の場合には、掘削→現場発生土の運び出し→仮置き→搬出という一連作業工程の間に行うことが可能になるので、これらの作業効率が低下してしまうことがない。また、現場発生土を仮置きする場合には、仮置きしておく間に推定混入率がわかるので、現場発生土の品質管理、周辺の排水影響の評価等にも十分に利用することができる。

0053

また、pH検量線bや、Ca濃度検量線dを用いることにより結合材の混入率を容易に推定することが可能になる。よって、本実施の形態の結合材の混入率推定方法は、結合材の混入率をより迅速に推定できる。

0054

さらに、pH基準値cを設定してpH検量線bとCa濃度検量線dとを使い分けるようにしたので、結合材の混入率を正確に推定することが可能になる。よって、本実施の形態の結合材の混入率推定方法は、結合材の混入率を迅速に推定でき、且つ、混入率の推定精度を高めることができる。

0055

以上、本件発明にかかる実施の形態を例示したが、これらの実施の形態は本件発明の内容を限定するものではない。また、本件発明の請求項の範囲を逸脱しない範囲であれば、各種の変更等は可能である。

0056

例えば、図7のステップS2のところで測定試料のpH値とCa濃度値を測定しても良い。この場合には、ステップS3で測定試料のpH値がpH基準値cを超える場合には、測定試料のCa濃度値と、予め作成したCa濃度検量線dとから結合材の混入率を推定する。

0057

また、本実施の形態では、pH基準値cに基づいて結合材の混入率を推定したが、Ca濃度検量線dの適用可能範囲でCa濃度基準値g(図9参照)を設定し、このCa濃度基準値gに基づいて結合材の混入率を推定しても良い。

0058

具体的に説明すると、混入率推定工程で測定試料のCa濃度値を測定し、そのCa濃度値がCa濃度基準値gを超えている場合には、そのCa濃度値とCa濃度検量線dとから結合材の混入率を推定する。一方、Ca濃度値がCa濃度基準値g以下の場合には、測定試料のpHを測定してpH検量線bから結合材の混入率を推定する。

0059

なお、Ca濃度基準値gは、図9に示すようにCa濃度検量線dの始端で設定しても良いし、その他の範囲で任意に設定しても良い。

0060

また、pH基準値やCa濃度基準値は、各検量線b、dから直接設定する他に次に示す方法で設定しても良い。

0061

pH基準値の場合は以下のように方法を用いて設定する。
(1)各標準試料のpH値に対応する実際の混合率とpH検量線bで算出される推定混合率との比(相関係数)を算出する。
(2)算出した比の中で適用可能な範囲(精度が保たれる範囲)にある実際の混合率を任意に設定する。
(3)設定した実際の混合率をpH検量線bの式に代入してpH基準値を設定する。

0062

Ca濃度基準値の場合は以下のように方法を用いて設定する。
(1)各標準試料のCa濃度値に対応する実際の混合率とCa濃度検量線dで算出される推定混合率との比(相関係数)を算出する。
(2)算出した比の中で適用可能な範囲(精度が保たれる範囲)にある実際の混合率を任意に設定する。
(3)設定した実際の混合率をCa濃度検量線dの式に代入してCa濃度基準値を設定する。

0063

上記で挙げた方法は、推定混合率との誤差が少ない実際の混合率に基づいてpH基準値やCa濃度基準値を設定するので、結合材の混入率を正確に推定することができる。また、上記の2つの方法を一緒に行って、双方の適用可能な範囲の比にある実際の混合率を参照して、pH検量線bやCa濃度検量線dに代入する実際の混合率を設定しても良い。この場合には、各検量線b、dに最適な値(実際の混入率)を設定することが可能になるので、結合材の混入率をより正確に推定することができる。なお、実際の混合率と推定混合率との比の適用可能な範囲は0.90〜1.10または0.95〜1.05が好ましい。

0064

また、本実施の形態では、pH検量線bとCa濃度検量線dの両方を作成して結合材の混入率を推定したが、一方の検量線を作成して結合材の混入率を推定しても良い。

0065

例えば、pH検量線bを作成した場合には、測定試料のpH値を測定し、そのpH値をpH検量線bの式に代入して結合材の混入率を推定する。一方、Ca濃度検量線dを作成した場合には、測定試料のCa濃度値を測定し、そのCa濃度値をCa濃度検量線dの式に代入して結合材の混入率を推定する。

0066

その他には、pH検量線bやCa濃度検量線dを作成せずに各標準試料のpH値やCa濃度値のデータから結合材の混入率を推定しても良い。また、基準になる混合率を設定して、この設定になるように標準試料を製造し、そのpH値またはCa濃度値の少なくとも一方と、測定試料のpH値またはCa濃度値の少なくとも一方とから結合材の混入率を推定しても良い。

0067

また、標準試料分析工程では、結合材が混入されていない土壌試料を用意して、そのpH値やCa濃度値を測定しても良い。現場の土壌性状酸性アルカリ性であっても、結合材が混入されていない土壌試料のpH値やCa濃度値を測定しておくことにより、結合材の影響によるpH値やCa濃度値を正確に把握することが可能になり、結合材の混入率の推定精度を高めることができる。

0068

また、結合材が混入されていない土壌中のCa濃度値が大きい場合には、各標準試料の混合率を変えてもCa濃度値に変化が生じにくい。そこで、標準試料を分析するときに結合材でCa以外の成分の濃度値を測定して結合材の混入率を推定しても良い。Ca以外の成分としては、Mg、Mn、Fe、Al、NO、NO2、NO3、NH3等が挙げられる。

0069

また、本実施の形態では、Caを含む結合材の混入率を推定する方法を説明したが、Caを含まない結合材でも、結合材に含まれている成分で現場発生土や現地盤との差が見られる成分(Mg、Mn、Fe、Al、NO、NO2、NO3、NH3等)では、本実施の形態と同様の方法でCa以外の成分の濃度値を測定することにより同様の推定を行うことが可能である。

0070

次に、実施例を示して本件発明を具体的に説明する。なお、ここで説明する実施例は、単に例示であって、本件発明を限定するものではない。

0071

(1)標準試料製造工程(図2参照)
(土壌試料採取)
トンネル工事現場で土壌(地山)と結合材を採取した。地山の地質は上総層である。結合材は、トンネル工事現場で鏡面にコンクリートの吹き付けを行い、そのときにリバウンドしたコンクリートを採取したものを使用した。

0072

(粒度調整)
分析施設や現地等でふるいを用いて土壌試料の粒度を5mm以下に調整した。

0073

(コンクリート混合)
ビーカを所定数用意し、各ビーカに土壌試料を同量ずつ入れ、さらに結合材を入れて土壌試料と混合してこれを標準試料とした。コンクリートの混合割合は各ビーカ毎に変えた。具体的には、重量割合で2.5%、5%、7.5%、10%、20%、30%とした。また、コンクリートの混合割合が0%と100%のものも用意した。

0074

(2)標準試料pH測定工程(図3参照)
この工程では、実施の形態で説明したように、地盤工学会基準の土懸濁液のpH試験方法(JGS0211−2000)に記載されている方法にしたがった。
(蒸留水添加・攪拌・静置)
まず最初に、各標準試料20gをそれぞれ試験管に入れ、蒸留水50mlを添加した。次に、各試験管の標準試料と蒸留水とをよく攪拌した後に、そのまま1時間静置した。
(pH測定)
1時間静置後に、各試験管の上澄み液のpHをpHメータを用いて測定し、このpH値を標準試料のpH値とした。

0075

(3)pH検量線作成工程(図4参照)
(pH−混合率相関曲線作成)
各標準試料のpH値を縦軸に、それに対応するコンクリートの混合率を横軸にプロットして、図8に示すようなpH−混合率相関曲線aを作成した。このpH−混合率相関曲線aの式は、y=1.2Ln(x)+6.2である。

0076

(pH検量線作成・pH基準値設定)
図8のpH−混合率相関曲線aの始端から直線的に上昇している範囲にプロットされている複数の相関点Paから最小二乗法を用いて近似線を作成し、この近似線をpH検量線bとした。このpH検量線bの式は、y=0.33x+6.5である。このpH検量線bにおいてpH値=9.5をpH基準値cに設定した。

0077

(4)標準試料Ca濃度測定工程(図5参照)
(塩酸添加・振とう・遠心分離)
まず最初に、遠心分離機用のプラスチック容器に各標準試料10gを入れ、1Nの塩酸30mlを添加した。次に各試験管の標準試料と塩酸とを10秒間攪拌した後に振とう機で振とうした(220rpm、30分間)。振とう後に各試験管を遠心分離機にかけた(3000G、10分間)。

0078

(希釈)
遠心分離後に各試験管の上澄み液を蒸留水で希釈して希釈液を生成した。なお、この工程で使用したCa濃度測定器は、可搬型の水質簡易分析器のひとつである多項目水質計ラムダ−9000(共立理化学研究所製)を使用した。このCa濃度測定器のCa測定範囲は0.5−15.0ml/gであるため、上澄み液はこの範囲内になるように均一に希釈した。

0079

(Ca濃度測定)
希釈液のCa濃度を、上記のCa濃度測定器を用いて測定した。この測定で得られた希釈液のCa濃度値が標準試料のCa濃度値となる。下記の表1に、各標準試料のコンクリートの混合率、Ca濃度値、pH値の関係を示す。

0080

0081

(5)Ca濃度検量線作成工程(図6参照)
(Ca濃度−混合率相関図作成)
各標準試料のCa濃度を縦軸に、それに対応するコンクリートの混合率を横軸にプロットして、図9に示すようなCa濃度−混合率相関図を作成した。

0082

(Ca濃度検量線作成)
図9のCa濃度−混合率相関図にプロットされている複数の相関点Pdが直線的に上昇している範囲で最小二乗法を用いて近似線を作成し、この近似線をCa濃度検量線dとした。このCa濃度検量線dの式は、y=0.0018x+0.16である。

0083

(6)混入率推定工程(図7参照)
(ステップS1)
現場発生土から測定試料A、Bを採取した。測定試料Aは、現場発生土からコンクリートを除去した状態のものである。測定試料Bは、リバウンドしたコンクリートが現場発生土に混入した状態のものである。

0084

(ステップS2)
測定試料A、BのpHを、標準試料pH測定工程で説明した手順にしたがって測定した。測定試料AのpH値は8.5、測定試料BのpH値は11.9であった。

0085

(ステップS3)
測定試料A、BのpH値がpH基準値c(9.5)以下であるか否かを判断する。

0086

(ステップS4)
測定試料AのpH値は8.5であるため、pH基準値c(9.5)以下である。したがって、pH検量線bの式(y=0.33x+6.5)に、y値=8.5を代入してコンクリートの推定混合率x=6.1%を算出し、この6.1%を推定混入率とした。

0087

(ステップS5)
測定試料BのpH値は11.9であるため、pH基準値c(9.5)以上である。したがって、まず測定試料BのCa濃度を、標準試料Ca濃度測定工程で説明した手順と同様に行う。測定試料BのCa濃度値は0.3344mol/Lであった。

0088

(ステップS6)
次に、Ca濃度検量線dの式(y=0.0018x+0.16)にy値=0.3344を代入してコンクリートの推定混合率x=97%を算出し、この97%を推定混入率とした。下記の表2に、測定試料A、BのpH値、Ca濃度値、pH推定混入率、Ca濃度推定混入率の関係を示す。なお、pH推定混入率はpH検量線bを用いて得られた推定混入率であり、Ca濃度推定混入率はCa濃度検量線dを用いて得られた推定混入率である。

0089

0090

図10に、標準試料のpH値に基づく実際の混合率と、pH検量線bから得られる推定混合率との相関図を示す。図10から、pH値に基づく推定混合率は、実際の混合率が2.5〜7.5%で非常に高い相関関係が得られる(相関係数0.99)。ここで、pH基準値cが9.5の推定混合率は、pH検量線bの式(y=0.33x+6.5)にy値=9.5を代入して得られ、9.1%である。これは7.5%に近い位置になる。したがって、pH基準値cが9.5以下の場合にはpH検量線bを使用することにより、コンクリートの推定混入率の精度を上げることができる。

0091

図11に、標準試料のCa濃度値に基づく実際の混合率と、Ca濃度検量線dから得られる推定混合率との相関図を示す。図11から、Ca濃度値に基づく推定混合率は、実際の混合率が10%以上の範囲で高い相関関係が得られる(相関係数0.99)。ここで、pH基準値cが9.5の場合の推定混合率は上記のように9.1%である。したがって、pH値がpH基準値c(9.5)を超えた場合にはCa濃度検量線dを使用することにより、コンクリートの推定混入率の精度を上げることができる。

0092

図12に、図10図11の相関関係が高い範囲を組み合わせた相関図を示す。図12から明確にわかるように、実際の混合率が低い範囲(2.5〜7.5%)では、pH検量線bから算出される推定混合率の方が相関関係が高く、それよりも高い範囲ではCa濃度検量線dから算出される推定混合率の方が相関関係が高い。したがって、実際の混合率が低い領域(2.5〜7.5%)では、pH検量線bからpH基準値を設定し、それよりも高い領域ではCa濃度検量線dからCa濃度基準値を設定することが好ましい。

0093

pH基準値とCa濃度基準値の設定方法について図13を用いて説明する。図13は、各標準試料の実際の混合率に対して、各標準試料のpH値に対応する実際の混合率とpH検量線bで算出される推定混合率との比、各標準試料のCa濃度値に対応する実際の混合率とCa濃度検量線dで算出される推定混合率との比の関係を示している。実際の混合率と推定混合率との比が1に近いほど、実際の混合率と推定混合率との相関関係が良い、つまり、誤差が少ないことになる。

0094

pH基準値の場合は、算出したpHの比の中で適用可能な範囲(精度が保たれる範囲)にある実際の混合率を任意に設定する。本実施例では、上記で説明したように2.5%〜7.5%が適用可能な範囲である。よって、この範囲の中から実際の混合率を設定する(例えば7.5%)。次に、この設定した実際の混合率(7.5%)を、pH検量線bの式(y=0.33x+6.5)に、x値=7.5を代入してy=9.0を算出し、この9.0をpH基準値に設定する。

0095

Ca濃度基準値の場合は、算出したCa濃度の比の中で適用可能な範囲(精度が保たれる範囲)にある実際の混合率を任意に設定する。本実施例では、上記で説明したように10%以上が適用可能な範囲である。よって、この範囲の中から実際の混合率を設定する(例えば10%)。次に、この設定した実際の混合率(10%)を、Ca濃度検量線dの式(y=0.0018x+0.16)に、x値=10を代入してy=0.18を算出し、この0.18をCa濃度基準値に設定する。

0096

これらの方法では、pH基準値やCa濃度基準値の設定に際して、推定混合率との誤差が少ない実際の混合率を用いるので、結合材の混入率を正確に推定できる。また、2つの方法を一緒に行って、双方の適用可能な範囲の比にある実際の混合率を参照して、pH検量線bやCa濃度検量線dに代入する実際の混合率を設定しても良い。また、これらの方法は、図12を用いて行っても良い。

0097

<参考例1>
図9に、標準試料Ca濃度測定工程で標準試料に添加する塩酸の濃度を5Nにした場合のCa濃度−混合率相関図とCa濃度検量線eを示す。また、図11に、標準試料のCa濃度値に基づく実際の混合率と、Ca濃度検量線eから得られる推定混合率との相関図を作成した。図11から、塩酸の濃度が5Nの場合でも、Ca濃度値に基づく推定混合率は、1Nの場合と同様に、実際の混合率が10%以上の範囲で高い相関関係が得られる(相関係数0.99)。

0098

このことから、5Nの塩酸を使用しても、上記の実施例と同様にコンクリートの推定混入率を算出できる。しかし、現場での作業性、推定作業後の測定試料の処理を考慮すると、塩酸の濃度はなるべく低い方が良い。したがって、1Nの塩酸を使用する方が好ましい。

0099

なお、塩酸は、標準試料に添加した後にpHが未調整のまま使用したので、Ca濃度は図13に示すように、pH調整した場合と比べて1Nの場合は1.1倍、5Nの場合は1.5倍の値を示した。しかし、標準試料Ca濃度測定工程と、混入率推定工程のCa濃度測定の双方で同濃度の塩酸を使用すれば混入率の推定は可能であるため、pH調整を行わなくても良く、簡便化を図ることができる。

実施例

0100

<参考例2>
図9に、標準試料Ca濃度測定工程で標準試料に添加する塩酸の濃度を0.1Nにした場合のCa濃度−混合率相関図と、Ca濃度検量線fを示す。この場合にはCa濃度にほとんど差がみられず、プロットが横ばいになっている。このことから、塩酸中にCaが抽出していないと考えられるので、本実施例では、0.1Nの塩酸を使用することは好ましくないことがわかる。

0101

以上説明したように本件発明の結合材の混入率推定方法は、結合材の混入率を迅速に推定できる。したがって、本件発明を、結合材の混入率の推定方法の技術分野で十分に利用することができる。

0102

a pH−混合率相関曲線
b pH検量線
c pH基準値
d Ca濃度検量線
e Ca濃度検量線
g Ca濃度基準値
Pa相関点
Pd 相関点

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