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技術 ミキシング装置

出願人 三菱重工業株式会社
発明者 佐口哲央三宅修平谷明洋
出願日 2010年8月20日 (10年3ヶ月経過) 出願番号 2010-185588
公開日 2012年3月1日 (8年8ヶ月経過) 公開番号 2012-042398
状態 特許登録済
技術分野 原子力プラント
主要キーワード 比例制御回路 バイアス圧力 作動設定値 スプレイ水 負荷急減 積分制御回路 検出圧力値 原子炉冷却材ポンプ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (3)

課題

ミキシング時において、加圧器内部圧力目標圧力に安定的に維持することができるミキシング装置を提供する。

解決手段

加圧器の内部圧力を上げる後備ヒータ41と、加圧器の内部圧力を下げスプレイ弁と、加圧器内の圧力を検出する圧力センサと、圧力センサによって検出された検出圧力値に基づいて、目標圧力となるように、スプレイ弁をフィードバック制御する圧力制御部44と、を備え、圧力制御部44は、後備ヒータ41による冷却材の加熱時に、フィードバック制御を実行して制御差分圧力値を出力するPID制御部51と、制御差分圧力値に対し、スプレイ弁の作動側へバイアスを設定するバイアス設定部53と、を有し、スプレイ弁は、バイアス設定後の制御差分圧力値に基づいて作動する。

概要

背景

従来、このようなミキシング装置を制御するものとして、ミキシング自動制御監視装置と、ホウ素濃度測定手段と、加圧器ヒータと、を備えた原子炉補給水自動ミキシング制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この原子炉補給水自動ミキシング制御装置は、原子炉への補給水の供給が完了すると、自動で加圧器ヒータを投入する。そして、加圧器ヒータの投入後、原子炉補給水自動ミキシング制御装置は、ホウ素濃度測定手段によりホウ素濃度が均一であると判定すると、ミキシング自動制御監視装置が加圧器ヒータを切ることで、ミキシングが終了する。

概要

ミキシング時において、加圧器の内部圧力目標圧力に安定的に維持することができるミキシング装置を提供する。加圧器の内部圧力を上げる後備ヒータ41と、加圧器の内部圧力を下げスプレイ弁と、加圧器内の圧力を検出する圧力センサと、圧力センサによって検出された検出圧力値に基づいて、目標圧力となるように、スプレイ弁をフィードバック制御する圧力制御部44と、を備え、圧力制御部44は、後備ヒータ41による冷却材の加熱時に、フィードバック制御を実行して制御差分圧力値を出力するPID制御部51と、制御差分圧力値に対し、スプレイ弁の作動側へバイアスを設定するバイアス設定部53と、を有し、スプレイ弁は、バイアス設定後の制御差分圧力値に基づいて作動する。

目的

本発明は、加圧器内の冷却材の加熱時において、加圧器の内部圧力を目標圧力に安定的に維持することができるミキシング装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

原子力施設に設けられた加圧器内部圧力を、予め設定された目標圧力に維持しつつ、前記加圧器内の冷却材循環させるミキシング装置において、前記加圧器内に設けられ、前記冷却材を加熱して、前記加圧器の内部圧力を上げる加熱手段と、前記加圧器内に設けられ、前記冷却材を冷却して、前記加圧器の内部圧力を下げる冷却手段と、前記加圧器内の圧力を検出する圧力検出手段と、前記圧力検出手段によって検出された検出入力値に基づいて、前記目標圧力となるように、前記冷却手段をフィードバック制御する圧力制御手段と、を備え、前記圧力制御手段は、前記加熱手段による前記冷却材の加熱時に、検出された前記検出入力値に対し、フィードバック制御を実行して制御出力値として前記冷却手段へ向けて出力するフィードバック制御手段と、前記制御出力値に対し、前記冷却手段の作動側へバイアスを設定するバイアス設定手段と、を有し、前記冷却手段は、バイアス設定後の前記制御出力値に基づいて作動することを特徴とするミキシング装置。

請求項2

前記冷却手段は、入力される前記制御出力値が、予め設定された作動設定値以上となった場合に作動するようになっており、前記バイアス設定手段は、前記制御出力値に、予め設定されたバイアス設定値加算することでバイアスを設定しており、バイアス設定後の前記制御出力値が、前記作動設定値以上となるように前記バイアス設定値を設定することを特徴とする請求項1に記載のミキシング装置。

請求項3

前記バイアス設定値は、変更可能であることを特徴とする請求項2に記載のミキシング装置。

請求項4

前記加熱手段は、前記バイアス設定手段によるバイアス設定と同時に、自動で冷却材を加熱することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のミキシング装置。

請求項5

前記フィードバック制御手段は、PID制御を実行しており、前記圧力制御手段は、前記加熱手段による前記冷却材の加熱時に、前記PID制御内の微分制御ブロックする微分制御ブロック手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のミキシング装置。

技術分野

0001

本発明は、原子力施設に設けられた加圧器内部圧力を、予め設定された目標圧力に維持しつつ、加圧器内の冷却材循環させるミキシング装置に関するものである。

背景技術

0002

従来、このようなミキシング装置を制御するものとして、ミキシング自動制御監視装置と、ホウ素濃度測定手段と、加圧器ヒータと、を備えた原子炉補給水自動ミキシング制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この原子炉補給水自動ミキシング制御装置は、原子炉への補給水の供給が完了すると、自動で加圧器ヒータを投入する。そして、加圧器ヒータの投入後、原子炉補給水自動ミキシング制御装置は、ホウ素濃度測定手段によりホウ素濃度が均一であると判定すると、ミキシング自動制御監視装置が加圧器ヒータを切ることで、ミキシングが終了する。

先行技術

0003

特開昭60−78395号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、加圧器ヒータを投入すると、加圧器内の冷却材が加熱されることにより、加圧器の内部圧力は上がる。このため、ミキシング装置では、加圧器の内部圧力を目標圧力に下げるべく、加圧器内に設けられたスプレイ弁からスプレイ水散布して、冷却材を冷やしている。これにより、スプレイ水の散布量を調整することで、加圧器の内部圧力を目標圧力に維持することができる。つまり、ミキシング装置では、加圧器ヒータが投入された後、加圧器の内部圧力が、スプレイ弁が作動する作動圧力まで上昇することで、スプレイ弁が開弁する。しかしながら、このような従来のミキシング装置では、加圧器ヒータの投入後にスプレイ弁が開弁することとなる。このため、加圧器の内部圧力は、加圧器ヒータの投入後からスプレイ弁が開弁するまでの間、加圧器ヒータの加熱による冷却材の温度上昇により、過渡的に上昇する。よって、従来のミキシング装置では、加圧器ヒータの投入直後において、加圧器の内部圧力を目標圧力に好適に維持することが困難であった。

0005

そこで、本発明は、加圧器内の冷却材の加熱時において、加圧器の内部圧力を目標圧力に安定的に維持することができるミキシング装置を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明のミキシング装置は、原子力施設に設けられた加圧器の内部圧力を、予め設定された目標圧力に維持しつつ、加圧器内の冷却材を循環させるミキシング装置において、加圧器内に設けられ、冷却材を加熱して、加圧器の内部圧力を上げる加熱手段と、加圧器内に設けられ、冷却材を冷却して、加圧器の内部圧力を下げる冷却手段と、加圧器内の圧力を検出する圧力検出手段と、圧力検出手段によって検出された検出入力値に基づいて、目標圧力となるように、冷却手段をフィードバック制御する圧力制御手段と、を備え、圧力制御手段は、加熱手段による冷却材の加熱時に、検出された検出入力値に対し、フィードバック制御を実行して制御出力値として冷却手段へ向けて出力するフィードバック制御手段と、制御出力値に対し、冷却手段の作動側へバイアスを設定するバイアス設定手段と、を有し、冷却手段は、バイアス設定後の制御出力値に基づいて作動することを特徴とする。

0007

この構成によれば、加熱手段による冷却材の加熱時に、冷却手段に入力される制御出力値に対して、冷却手段の作動側にバイアスを設定することができる。このため、加熱手段により冷却材が加熱されると、冷却手段は、従来に比して、早く作動することができる。これにより、冷却材を従来よりも早く冷やすことができるため、加熱手段による加熱後の加圧器の内部圧力の過渡的な上昇は、従来に比して小さくなる。よって、圧力制御手段は、加圧器内の冷却材の加熱時において、加圧器の内部圧力を安定的に制御することができ、加圧器の内部圧力を目標圧力に好適に維持することができる。

0008

この場合、冷却手段は、入力される制御出力値が、予め設定された作動設定値以上となった場合に作動するようになっており、バイアス設定手段は、制御出力値に、予め設定されたバイアス設定値加算することでバイアスを設定しており、バイアス設定後の制御出力値が、作動設定値以上となるようにバイアス設定値を設定することが、好ましい。

0009

この構成によれば、加熱手段による冷却材の加熱時に、冷却手段を直ぐに作動させることができる。これにより、冷却材を直ぐに冷やすことができるため、加圧器の内部圧力の上昇を抑制することができる。よって、圧力制御手段は、加圧器内の冷却材の加熱時において、加圧器の内部圧力を安定的に制御することができ、加圧器の内部圧力を目標圧力に好適に維持することができる。

0010

この場合、バイアス設定値は、変更可能であることが、好ましい。

0011

この構成によれば、冷却手段に設定された作動設定値が変化しても、この変化に応じてバイアス設定値を適宜変更することができるため、冷却手段を直ぐに作動させることができる。

0012

この場合、加熱手段は、バイアス設定手段によるバイアス設定と同時に、自動で冷却材を加熱することが、好ましい。

0013

この構成によれば、バイアス設定と同時に、加熱手段を自動で作動させることができるため、オペレータによる手動操作の省略化を図ることができる。

0014

この場合、フィードバック制御手段は、PID制御を実行しており、圧力制御手段は、加熱手段による冷却材の加熱時に、PID制御内の微分制御ブロックする微分制御ブロック手段をさらに備えることが、好ましい。

0015

この構成によれば、冷却材の加熱時において、加圧器の内部圧力の上昇に対する微分効果を除去することができる。これにより、冷却材の加熱時における加圧器内の圧力変化の拡大を抑制することができ、安定的な制御を行うことが可能となる。

図面の簡単な説明

0016

図1は、本発明に係るミキシング装置を備えた原子力施設を模式的に表した概略構成図である。
図2は、圧力制御部の回路に関する説明図である。

0017

以下、添付した図面を参照して、本発明に係るミキシング装置について説明する。なお、以下の実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。

0018

図1は、本発明に係るミキシング装置を備えた原子力施設を模式的に表した概略構成図である。本発明に係るミキシング装置40は、原子炉5を有する原子力施設1の加圧器8に設けられており、原子炉5としては、例えば、加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)が用いられている。この加圧水型の原子炉5を用いた原子力施設1は、原子炉5を含む原子炉冷却系3と、原子炉冷却系3と熱交換するタービン系4とで構成されており、原子炉冷却系3には、原子炉冷却材流通し、タービン系4には、二次冷却材が流通している。

0019

原子炉冷却系3は、原子炉5と、コールドレグ6aおよびホットレグ6bを介して原子炉5に接続された蒸気発生器7とを有している。また、ホットレグ6bには、加圧器8が介設され、コールドレグ6aには、原子炉冷却材ポンプ9が介設されている。そして、原子炉5、コールドレグ6a、ホットレグ6b、蒸気発生器7、加圧器8および原子炉冷却材ポンプ9は、原子炉格納容器10に収容されている。

0020

原子炉5は、上記したように加圧水型原子炉であり、その内部は原子炉冷却材で満たされている。そして、原子炉5内には、多数の燃料集合体15が収容されると共に、燃料集合体15の核分裂を制御する多数の制御棒16が、各燃料集合体15に対し、抜差し可能に設けられている。

0021

制御棒16により核分裂反応を制御しながら燃料集合体15を核分裂させると、この核分裂により熱エネルギーが発生する。発生した熱エネルギーは原子炉冷却材を加熱し、加熱された原子炉冷却材は、ホットレグ6bを介して蒸気発生器7へ送られる。一方、コールドレグ6aを介して各蒸気発生器7から送られてきた原子炉冷却材は、原子炉5内に流入して、原子炉5内を冷却する。

0022

ホットレグ6bに介設された加圧器8は、高温となった原子炉冷却材を加圧することにより、原子炉冷却材の沸騰を抑制している。また、蒸気発生器7は、高温高圧となった原子炉冷却材を、二次冷却材と熱交換させることにより、二次冷却材を蒸発させて蒸気を発生させ、且つ、高温高圧となった原子炉冷却材を冷却している。各原子炉冷却材ポンプ9は、原子炉冷却系3において原子炉冷却材を循環させており、原子炉冷却材を各蒸気発生器7からコールドレグ6aを介して原子炉5へ送り込むと共に、原子炉冷却材を原子炉5からホットレグ6bを介して各蒸気発生器7へ送り込んでいる。

0023

ここで、原子力施設1の原子炉冷却系3における一連の動作について説明する。原子炉5内の核分裂反応により発生した熱エネルギーにより、原子炉冷却材が加熱されると、加熱された原子炉冷却材は、各原子炉冷却材ポンプ9によりホットレグ6bを介して各蒸気発生器7に送られる。ホットレグ6bを通過する高温の原子炉冷却材は、加圧器8により加圧されることで沸騰が抑制され、高温高圧となった状態で、各蒸気発生器7に流入する。各蒸気発生器7に流入した高温高圧の原子炉冷却材は、二次冷却材と熱交換を行うことにより冷却され、冷却された原子炉冷却材は、各原子炉冷却材ポンプ9によりコールドレグ6aを介して原子炉5に送られる。そして、冷却された原子炉冷却材が原子炉5に流入することで、原子炉5が冷却される。つまり、原子炉冷却材は、原子炉5と蒸気発生器7との間を循環している。なお、原子炉冷却材は、冷却材および中性子減速材として用いられるホウ素が溶解した軽水である。

0024

タービン系4は、蒸気管21を介して各蒸気発生器7に接続されたタービン22と、タービン22に接続された復水器23と、復水器23と各蒸気発生器7とを接続する給水管26に介設された給水ポンプ24と、を有している。そして、上記のタービン22には、発電機25が接続されている。

0025

ここで、原子力施設1のタービン系4における一連の動作について説明する。蒸気管21を介して各蒸気発生器7から蒸気がタービン22に流入すると、タービン22は回転を行う。タービン22が回転すると、タービン22に接続された発電機25は、発電を行う。この後、タービン22から流出した蒸気は復水器23に流入する。復水器23は、その内部に冷却管27が配設されており、冷却管27の一方には冷却水(例えば、海水)を供給するための取水管28が接続され、冷却管27の他方には冷却水を排水するための排水管29が接続されている。そして、復水器23は、タービン22から流入した蒸気を冷却管27により冷却することで、蒸気を液体に戻している。液体となった二次冷却材は、給水ポンプ24により給水管26を介して各蒸気発生器7に送られる。各蒸気発生器7に送られた二次冷却材は、各蒸気発生器7において原子炉冷却材と熱交換を行うことにより再び蒸気となる。

0026

上記のように構成された原子力施設1には、図示しない注水設備が設けられており、注水設備は、ホウ素が溶解した原子炉冷却材を、原子炉冷却系3に注水可能に構成されている。このとき、原子炉冷却系3に流通する原子炉冷却材のホウ素濃度と、原子炉冷却系3に注水された原子炉冷却材のホウ素濃度とは異なる。このため、加圧器8には、ホウ素濃度を均一化するためのミキシング装置40が設けられている。以下、図1を参照して、ミキシング装置40について説明する。

0027

ミキシング装置40は、後備ヒータ41と、スプレイ弁42と、圧力センサ(圧力検出手段)43と、圧力制御部(圧力制御手段)44とを有しており、オペレータがミキシングスイッチ(図2参照)45を操作することで、ミキシング装置40が作動する。

0028

後備ヒータ41は、加熱手段として機能しており、加圧器8の内部に溜まった原子炉冷却材の水面の下方側に設けられている。後備ヒータ41は、加圧器8内に溜まった原子炉冷却材を加熱することで、加圧器8の内部圧力を上昇させる。スプレイ弁42は、冷却手段として機能しており、加圧器8の内部に溜まった原子炉冷却材の水面の上方側に設けられている。スプレイ弁42は、スプレイ水を加圧器8の内部に散布し、加圧器8内に溜まった蒸気を冷却することで、加圧器8の内部圧力を下降させる。また、スプレイ弁42は、圧力制御部44から出力される弁開度制御値に対応する開度となるように作動する。このスプレイ弁42には、スプレイ水を供給する供給流路48が接続されており、供給流路48は、その一端がスプレイ弁42に接続され、その他端がコールドレグ6aに接続されている。

0029

圧力センサ43は、加圧器8の内部に設けられており、加圧器8の内部圧力を検出している。そして、圧力センサ43は、検出した加圧器8の内部圧力を検出圧力値(検出入力値)として、圧力制御部44へ向けて出力している。圧力制御部44は、圧力センサ43から入力された検出圧力値に基づいて、加圧器8の内部圧力が目標圧力となるように、弁開度制御値をスプレイ弁42に向けて出力することで、スプレイ弁42の開度を制御している。この圧力制御部44は、通常モードと、ミキシングモードとで、異なった圧力制御を行っている。なお、圧力制御部44による圧力制御は、原子力施設1を操作する図示しない操作装置に設けられたミキシングスイッチ45を操作することにより、モード切換が行われる。

0030

ミキシングスイッチ45は、原子炉冷却材のミキシング(混合)を開始する作動側(ミキシングモード側)と、原子炉冷却材のミキシングを終了する非作動側(通常モード側)との間で切換可能に構成されている。オペレータがミキシングスイッチ45を作動側に切り換えると、圧力制御部44による通常モードの圧力制御から、ミキシングモードの圧力制御へ移行する。一方で、オペレータがミキシングスイッチ45を非作動側に切り換えると、圧力制御部44によるミキシングモードの圧力制御から、通常モードの圧力制御へ移行する。なお、詳細は後述するが、ミキシングスイッチ45を作動側へ切り換えることにより、上記の後備ヒータ41が自動的に投入され、原子炉冷却材を加熱する。

0031

ここで、図2を参照して、圧力制御部44の構成について、具体的に説明する。図2は、圧力制御部の回路に関する説明図である。圧力制御部44は、PID制御部(フィードバック制御手段)51と、信号変換部52と、バイアス設定部53と、信号ブロック部(微分制御ブロック手段)54と、モード切換部55とを有している。

0032

PID制御部51は、圧力センサ43から入力された検出信号に基づいてPID制御を行い、PID制御後の検出信号を制御信号として信号変換部52へ向けて出力している。具体的に、PID制御部51は、差分回路61と、比例制御回路62と、積分制御回路63と、微分制御回路64と、加算回路65とを有している。差分回路61は、圧力センサ43から入力された検出圧力値と、予め設定された目標圧力値との差分を算出している。比例制御回路62は、差分回路61から出力された差分圧力値比例動作させている。積分制御回路63は、比例制御回路62から出力された差分圧力値を積分動作させている。微分制御回路64は、比例制御回路62から出力された差分圧力値を微分動作させている。加算回路65は、比例制御回路62から出力された差分圧力値、積分制御回路63から出力された差分圧力値および微分制御回路64から出力された差分圧力値を足し合わせている。

0033

従って、PID制御部51に検出圧力値が入力されると、PID制御部51は、差分回路61により目標圧力値との差分である差分圧力値が求められる。この後、差分圧力値は、比例制御回路62によって比例制御される。比例制御された差分圧力値は、積分制御回路63および微分制御回路64にそれぞれ入力される。積分制御回路63に入力された差分圧力値は積分制御されて加算回路65に入力され、微分制御回路64に入力された差分圧力値は微分制御されて加算回路65に入力される。そして、加算回路65は、比例制御回路62から出力された差分圧力値と、積分制御回路63から出力された差分圧力値と、微分制御回路64から出力された差分圧力値とを足し合わせ、制御差分圧力値として信号変換部52へ向けて出力する。

0034

信号変換部52は、入力された制御差分圧力値に基づいて、スプレイ弁42の作動信号となる弁開度制御値を、スプレイ42弁へ向けて出力する。具体的に、信号変換部52は、制御差分圧力値と弁開度制御値とを対応付け弁制御グラフGに基づいて、入力された制御差分圧力値に対応する弁開度制御値を導出している。弁制御グラフGは、その横軸が制御差分圧力値となっており、その縦軸が弁開度制御値となっている。弁制御グラフGを見るに、制御差分圧力値が0の場合、弁開度制御値は0となり、スプレイ弁42は閉弁する。また、制御差分圧力値が、予め設定された作動差分圧力値よりも大きくなった場合、弁開度制御値は0よりも大きくなり、スプレイ弁42は所定の開度となる。そして、制御差分圧力値がさらに大きくなった場合、弁開度制御値は上限値に達し、スプレイ弁42は全開となる。

0035

バイアス設定部53は、PID制御部51から信号変換部52へ入力される制御差分圧力値に対し、スプレイ弁42の作動側にバイアスを設定している。具体的に、バイアス設定部53は、制御差分圧力値に、バイアス圧力値(バイアス設定値)を加算している。このとき、バイアス圧力値は、バイアス設定後の制御差分圧力値が作動差分圧力値よりも大きくなるような値となっている。このため、制御差分圧力値に対し、バイアス設定部53によりバイアス圧力値が加算されると、バイアス設定後の制御差分圧力値は、作動差分圧力値よりも大きくなり、スプレイ弁42は開弁動作する。これにより、圧力制御部44は、バイアス設定を行うと同時に、スプレイ弁42による原子炉冷却材の冷却を行う。なお、バイアス圧力値は、その値をオペレータによって適宜変更することができる。

0036

信号ブロック部54は、PID制御部51の微分制御回路64から出力された差分圧力値の信号をブロックしている。信号ブロック部54は、後述するモード切換部55の第3NOT回路75が接続されており、第3NOT回路75から解除信号が入力されたら、微分制御回路64から出力された差分圧力値の信号をブロックしない。一方で、信号ブロック部54は、第3NOT回路75から解除信号が入力されなければ、微分制御回路64から出力された差分圧力値の信号をブロックする。

0037

モード切換部55は、ミキシングスイッチ45が切換操作されることにより、通常モードとミキシングモードとの間でモード切換される。ミキシングスイッチ45は、通常モードの信号を出力する通常信号出力部45aと、ミキシングモードの信号を出力するミキシング信号出力部45bとを有している。そして、ミキシングスイッチ45は、非作動側に切り換えられている場合、通常信号出力部45aから通常モードの信号を出力する一方で、ミキシング信号出力部45bからミキシングモードの信号を出力しない。一方で、ミキシングスイッチ45は、作動側に切り換えられている場合、通常信号出力部45aから通常モードの信号を出力しない一方で、ミキシング信号出力部45bからミキシングモードの信号を出力する。

0038

モード切換部55は、通常信号出力部45aに接続された第1NOT回路71と、ミキシング信号出力部45bに接続されたOR回路72と、負荷急減信号が入力される第2NOT回路74と、第1NOT回路71、第2NOT回路74およびOR回路72に接続されたAND回路73と、を有している。

0039

OR回路72は、その入力側に、ミキシング信号出力部45bと、上記のAND回路73の出力側とが接続されている。このため、OR回路72は、ミキシング信号出力部45bから信号が入力されると、AND回路73へ向けて信号を出力する。また、OR回路72は、ラッチ回路の一部を構成しており、AND回路73から出力された信号が入力されることで、AND回路73へ向けて信号を出力する。

0040

第1NOT回路71は、その入力側に、通常信号出力部45aが接続されている。このため、第1NOT回路71は、通常信号出力部45aから信号が入力されると、AND回路73ヘ向けて信号を出力せず、一方で、通常信号出力部45aから信号が入力されないと、AND回路73ヘ向けて信号を出力する。

0041

第2NOT回路74は、負荷急減信号が入力され、負荷急減信号は、タービン22に加わる負荷急減したときに出力される信号である。第2NOT回路74は、負荷急減信号が出力された場合、ミキシングモードをブロックする。

0042

AND回路73は、その入力側に、OR回路72、第1NOT回路71および第2NOT回路74が接続されている。このため、AND回路73は、OR回路72、第1NOT回路71および第2NOT回路74から信号が入力されると信号を出力する。一方で、AND回路73は、OR回路72、第1NOT回路71および第2NOT回路74のうち、いずれか1つの回路から信号が出力されなければ、信号を出力しない。

0043

また、モード切換部55は、AND回路73の出力側に、バイアス設定部53と、第3NOT回路75と、後備ヒータ41とが接続されている。このため、バイアス設定部53は、AND回路73から信号が入力されると、バイアスを設定する一方で、AND回路73から信号が入力されないと、バイアスを設定しない。また、後備ヒータ41は、AND回路73から信号が入力されると、自動的に作動開始する一方で、AND回路73から信号が入力されないと、自動的に作動開始しない。さらに、第3NOT回路75は、AND回路73から信号が入力されると、信号ブロック部54へ向けて解除信号を出力しない一方で、AND回路73から信号が入力されないと、信号ブロック部54へ向けて解除信号を出力する。

0044

続いて、ミキシングスイッチ45が切換操作されることにより、圧力制御部44による通常モードの圧力制御から、圧力制御部44によるミキシングモードの圧力制御へ切り換えられる一連の動作について説明する。ミキシングスイッチ45が非作動側へ切り換えられた場合、ミキシングスイッチ45の通常信号出力部45aは信号を出力し、ミキシング信号出力部45bは信号を出力しない。このため、AND回路73には、第1NOT回路71から信号が入力されず、OR回路72から信号が入力されない。これにより、AND回路73は信号を出力しないため、バイアス設定部53は、制御差分圧力値に対しバイアスを設定せず、後備ヒータ41は、作動開始せず、第3NOT回路75は、解除信号を出力する。

0045

よって、圧力制御部44は、通常モードの場合、圧力センサ43から検出圧力値が入力されると、差分回路61により差分圧力値が求められ、この後、差分圧力値は、比例制御回路62、積分制御回路63および微分制御回路64によって、比例効果、積分効果および微分効果が与えられる。そして、PID制御後の差分圧力値は、制御差分圧力値として加算回路65から信号変換部52へ向けて出力される。信号変換部52は、入力された制御差分圧力値と弁制御グラフGとから弁開度制御値を導出し、スプレイ弁42へ向けて弁開度制御値を出力する。そして、スプレイ弁42は、入力された弁開度制御値に応じた開度とする。これにより、圧力制御部44は、圧力センサ43の検出結果に基づいて、スプレイ弁42をフィードバック制御している。

0046

一方、ミキシングスイッチ45が非作動側から作動側へ切り換えられ、且つ、第2NOT回路74へ負荷急減信号が入力されない場合、ミキシングスイッチ45の通常信号出力部45aは信号を出力せず、ミキシング信号出力部45bは信号を出力し、第2NOT回路74は信号を出力する。このため、AND回路73には、第1NOT回路71から信号が入力され、OR回路72から信号が入力され、第2NOT回路74から信号が入力される。これにより、AND回路73は信号を出力するため、バイアス設定部53は、制御差分圧力値に対しバイアスを設定し、後備ヒータ41は、作動開始し、第3NOT回路75は、解除信号を出力しない。

0047

よって、圧力制御部44は、ミキシングモードの場合、圧力センサ43から検出圧力値が入力されると、差分回路61により差分圧力値が求められる。この後、差分圧力値には、比例制御回路62および積分制御回路63による比例効果および積分効果が与えられる。一方で、微分制御回路64は、信号ブロック部54によりブロックされるため、差分圧力値には、微分制御回路64による微分効果が与えられない。そして、PI制御後の差分圧力値は、制御差分圧力値として加算回路65から出力される。加算回路65から出力された制御差分圧力値は、バイアス設定部53により、バイアス圧力値が加算され、信号変換部52へ向けて出力される。信号変換部52は、入力された制御差分圧力値と弁制御グラフGとから弁開度制御値を導出し、スプレイ弁42へ向けて弁開度制御値を出力する。このとき、バイアス設定後の制御差分圧力値は、作動差分圧力値よりも大きくなっているため、スプレイ弁42は、ミキシングスイッチ45のミキシングモードへの切換操作とほぼ同時に作動する。これにより、圧力制御部44は、ミキシングスイッチ45によりミキシングモードへ切り換えられると、後備ヒータ41およびスプレイ弁42がほぼ同時に作動し、圧力センサ43の検出結果に基づいて、スプレイ弁42がフィードバック制御される。

0048

なお、ミキシングスイッチ45が非作動側から作動側へ切り換えられ、第2NOT回路74へ負荷急減信号が入力された場合、第2NOT回路74は、AND回路73へ信号を出力しない。このため、AND回路73には、第2NOT回路74から信号が入力されない。これにより、AND回路73は信号を出力しないため、ミキシングスイッチ45が作動側へ切り換えられても、圧力制御部44は、通常モードの圧力制御を行う。

0049

以上の構成によれば、後備ヒータ41による原子炉冷却材の加熱時に、制御差分圧力値に対してバイアスを設定することができるため、圧力制御部44は、ミキシングモードにおいて、スプレイ弁42を迅速に作動させることができる。これにより、圧力制御部44は、原子炉冷却材を早く冷やすことができるため、後備ヒータ41の加熱後の加圧器8の内部圧力の過渡的な上昇を抑制することができる。よって、圧力制御部44は、加圧器8内の冷却材の加熱時において、加圧器8の内部圧力を安定的に制御することができ、加圧器8の内部圧力を目標圧力に好適に維持することができる。

0050

また、バイアス設定値は適宜変更することができるため、使用するスプレイ弁42に応じて設定された作動差分圧力値が変化しても、スプレイ弁42を直ぐに作動させることができる。

0051

また、バイアス設定と同時に、後備ヒータ41を自動で作動させることができるため、オペレータによる手動操作の省略化を図ることができる。

実施例

0052

また、原子炉冷却材の加熱時において、加圧器8の内部圧力の上昇に対する微分効果を除去することができる。これにより、原子炉冷却材の加熱時における加圧器8内の圧力変化の拡大を抑制することができ、安定的な制御を行うことが可能となる。

0053

以上のように、本発明に係るミキシング装置は、加圧水型原子炉を有する原子力施設において有用であり、特に、原子炉冷却系に流通する原子炉冷却材のホウ素濃度を均一化する場合に適している。

0054

1原子力施設
3原子炉冷却系
4タービン系
5原子炉
6aコールドレグ
6bホットレグ
7蒸気発生器
8加圧器
9原子炉冷却材ポンプ
15燃料集合体
16制御棒
21蒸気管
22タービン
23復水器
24給水ポンプ
25発電機
26給水管
27冷却管
28取水管
29排水管
40ミキシング装置
41 後備ヒータ
42スプレイ弁
43圧力センサ
44圧力制御部
45ミキシングスイッチ
48供給流路
51PID制御部
52信号変換部
53バイアス設定部
54信号ブロック部
55 モード切換部

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