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技術 接着系アンカーの接着剤漏れ抑制具、接着剤漏れ抑制構造、並びにその施工方法

出願人 岡部株式会社
発明者 角屋治克村山聡吉田光博新開景子
出願日 2010年8月19日 (9年3ヶ月経過) 出願番号 2010-184399
公開日 2012年3月1日 (7年8ヶ月経過) 公開番号 2012-041753
状態 特許登録済
技術分野 建築構造の接合一般
主要キーワード 入口附近 錐体面 本体長手方向 作用圧力 スリーブ管 施工工具 ネジボルト 合成樹脂フィルム製
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2012年3月1日)のものです。
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図面 (6)

課題

アンカーの削孔への挿入作業中に、接着剤が削孔外部へ漏れ出すことを抑制して、削孔全長にわたって、特に削孔の開口周縁部における接着剤の密実充填を確保することが可能であって、定着長を的確に確保し得ると共に、アンカーが傾いて定着されることを防止することが可能な接着系アンカー接着剤漏れ抑制具接着剤漏れ抑制構造、並びにその施工方法

解決手段

削孔2から接着剤Aが外部へ漏れ出すことを抑制する接着系アンカーの接着剤漏れ抑制具5であって、弾性を有する素材リング体に形成され、アンカー4の外周にその弾性で摺動自在に装着するために、内径寸法d2がアンカーの外径寸法d3よりも小さく形成されると共に、削孔の開口周縁部2aに係合されてコンクリート躯体1の表面1aに残置するために、外径寸法d4が削孔の内径寸法d1よりも大きく形成される。

概要

背景

接着系アンカー施工する際には、コンクリート躯体に予め所定の深さの削孔を開け、削孔内部に、接着剤封入したガラス製や紙製等の破砕可能なカプセルが収容され、先端を鋭利に形成したロッド状のアンカーを、ハンマードリル等の施工工具を用いて、削孔内へ向かって回転打撃してカプセルを破砕しながら強制的に埋め込み、接着剤の硬化でアンカーをコンクリート躯体に定着させるようにしている。この工法は、耐震壁を取り付ける耐震改修工事の他、設備配管等を取り付ける工事などにも多く採用されている。施工は、下向き・横向き・上向きの3方向に対し、可能である。

接着系アンカーの施工については、特許文献1及び2が知られている。特許文献1の「コンクリートアンカ」では、棒状のアンカ本体の挿入孔差込まれる先端部に、Oリングなどのリング・パッキングがアンカ本体長手方向可動に嵌装されている。アンカ本体を挿入孔に差込んだときリング・パッキングも一緒に差込まれ、またアンカ本体と挿入孔との隙間をリング・パッキングが塞いだ状態となり、アンカ本体のねじなどの凹凸によるリング・パッキングとの隙間および孔壁とリング・パッキングとの隙間はきわめて小さいので主剤硬化剤またはこれらの混合物が挿入孔から流出するのを最少にとどめるのである。また、リング・パッキングは長手方向可動にアンカ本体に嵌装されているので、アンカ本体が孔底へ向って進むとき充満した混合物により押戻されて入口附近にとどまり、このためリング・パッキングがアンカ本体と一体に進み混合物を圧縮して前進不能となり或いは隙間から混合物を噴出させるという不都合がなく、従来のコンクリート用アンカを上向きの挿入孔に用いる場合と同様の手段でしかも大きな力を要することなく差込んで固定できるものである。

特許文献2の「アンカ施工方法およびそのための耐熱部材」では、母材に形成された挿入孔にアンカ部材を挿入して合成樹脂硬化作用により固定する際に、母材の表面に突出しているアンカ部材の外周面と挿入孔の孔縁との隙間に露出している合成樹脂を耐熱部材を用いて被覆密封するようにしていて、耐熱部材は、耐熱材よりなるとともに上部が母材に形成されるアンカ部材の挿入孔よりも大径に形成されており、且つ中央にはアンカ部材の挿入孔が上下に貫通、形成されている。耐熱部材は、施工の際にアンカ部材の挿通孔嵌入するだけで、作業が簡単であり、さらに挿通孔内充填されている合成樹脂の母材表面に露出している部分を被覆密封するようになっている。

概要

アンカーの削孔への挿入作業中に、接着剤が削孔外部へ漏れ出すことを抑制して、削孔全長にわたって、特に削孔の開口周縁部における接着剤の密実な充填を確保することが可能であって、定着長を的確に確保し得ると共に、アンカーが傾いて定着されることを防止することが可能な接着系アンカーの接着剤漏れ抑制具接着剤漏れ抑制構造、並びにその施工方法削孔2から接着剤Aが外部へ漏れ出すことを抑制する接着系アンカーの接着剤漏れ抑制具5であって、弾性を有する素材リング体に形成され、アンカー4の外周にその弾性で摺動自在に装着するために、内径寸法d2がアンカーの外径寸法d3よりも小さく形成されると共に、削孔の開口周縁部2aに係合されてコンクリート躯体1の表面1aに残置するために、外径寸法d4が削孔の内径寸法d1よりも大きく形成される。

目的

本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、アンカーの削孔への挿入作業中に、接着剤が削孔外部へ漏れ出すことを抑制して、削孔全長にわたって、特に削孔の開口周縁部における接着剤の密実な充填を確保することが可能であって、定着長を的確に確保し得ると共に、アンカーが傾いて定着されることを防止することが可能な接着系アンカーの接着剤漏れ抑制具、接着剤漏れ抑制構造、並びにその施工方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

コンクリート躯体に形成した削孔内に収容した接着剤封入カプセルを、該削孔内へ挿入するアンカー破砕することにより、当該削孔内に充満する接着剤で該アンカーを該コンクリート躯体に定着するときに、該削孔から接着剤が外部へ漏れ出すことを抑制する接着系アンカー接着剤漏れ抑制具であって、弾性を有する素材リング体に形成され、上記アンカーの外周にその弾性で摺動自在に装着するために、内径寸法が該アンカーの外径寸法よりも小さく形成されると共に、上記削孔の開口周縁部に係合されて上記コンクリート躯体の表面に残置するために、外径寸法が該削孔の内径寸法よりも大きく形成されることを特徴とする接着系アンカーの接着剤漏れ抑制具。

請求項2

前記リング体の断面が、角部を有する四角形状であることを特徴とする請求項1に記載の接着系アンカーの接着剤漏れ抑制具。

請求項3

前記リング体がOリングであることを特徴とする請求項1に記載の接着系アンカーの接着剤漏れ抑制具。

請求項4

前記リング体の外径寸法は、前記削孔の内径寸法よりも大きな当該削孔の開口周縁部の内径寸法よりも小さいことを特徴とする請求項1〜3いずれかの項に記載の接着系アンカーの接着剤漏れ抑制具。

請求項5

請求項1〜4いずれかの項に記載の接着系アンカーの接着剤漏れ抑制具と、前記コンクリート躯体に形成され、内部に収容される前記接着剤封入カプセルの破砕により接着剤が充満される前記削孔と、該削孔内へ挿入され、上記接着剤封入カプセルを破砕することにより当該削孔内に充満する接着剤で上記コンクリート躯体に定着されるアンカーとを備え、上記削孔の開口周縁部とこれに面する上記アンカーの外周との間の隙間が、上記接着剤漏れ抑制具で封鎖されることを特徴とする接着系アンカーの接着剤漏れ抑制構造

請求項6

請求項1〜4いずれかの項に記載の接着系アンカーの接着剤漏れ抑制具を用い、前記コンクリート躯体に前記削孔を形成し、該削孔内部へ前記接着剤封入カプセルを収容し、上記接着剤漏れ抑制具を前記アンカーに装着し、次いで、該アンカーを上記削孔に挿入して、該接着剤漏れ抑制具で該削孔の開口周縁部とこれに面する該アンカーの外周との隙間を封鎖するために、当該接着剤漏れ抑制具を該削孔の開口周縁部に係合し、次いで、上記接着剤漏れ抑制具を上記コンクリート躯体の表面に残置しつつ、上記アンカーを、該接着剤漏れ抑制具に対し摺動自在に摺動して、上記接着剤封入カプセルの破砕で接着剤を上記削孔内へ充満させつつ、当該削孔内へ挿入していき、最後に、上記隙間を封鎖した状態で接着剤を硬化させて上記アンカーを上記コンクリート躯体に定着させることを特徴とする接着系アンカーの施工方法

技術分野

0001

本発明は、アンカーの削孔への挿入作業中に、接着剤が削孔外部へ漏れ出すことを抑制して、削孔全長にわたって、特に削孔の開口周縁部における接着剤の密実充填を確保することが可能であって、定着長を的確に確保し得ると共に、アンカーが傾いて定着されることを防止することが可能な接着系アンカー接着剤漏れ抑制具接着剤漏れ抑制構造、並びにその施工方法に関する。

背景技術

0002

接着系アンカーを施工する際には、コンクリート躯体に予め所定の深さの削孔を開け、削孔内部に、接着剤を封入したガラス製や紙製等の破砕可能なカプセルが収容され、先端を鋭利に形成したロッド状のアンカーを、ハンマードリル等の施工工具を用いて、削孔内へ向かって回転打撃してカプセルを破砕しながら強制的に埋め込み、接着剤の硬化でアンカーをコンクリート躯体に定着させるようにしている。この工法は、耐震壁を取り付ける耐震改修工事の他、設備配管等を取り付ける工事などにも多く採用されている。施工は、下向き・横向き・上向きの3方向に対し、可能である。

0003

接着系アンカーの施工については、特許文献1及び2が知られている。特許文献1の「コンクリートアンカ」では、棒状のアンカ本体の挿入孔差込まれる先端部に、Oリングなどのリング・パッキングがアンカ本体長手方向可動に嵌装されている。アンカ本体を挿入孔に差込んだときリング・パッキングも一緒に差込まれ、またアンカ本体と挿入孔との隙間をリング・パッキングが塞いだ状態となり、アンカ本体のねじなどの凹凸によるリング・パッキングとの隙間および孔壁とリング・パッキングとの隙間はきわめて小さいので主剤硬化剤またはこれらの混合物が挿入孔から流出するのを最少にとどめるのである。また、リング・パッキングは長手方向可動にアンカ本体に嵌装されているので、アンカ本体が孔底へ向って進むとき充満した混合物により押戻されて入口附近にとどまり、このためリング・パッキングがアンカ本体と一体に進み混合物を圧縮して前進不能となり或いは隙間から混合物を噴出させるという不都合がなく、従来のコンクリート用アンカを上向きの挿入孔に用いる場合と同様の手段でしかも大きな力を要することなく差込んで固定できるものである。

0004

特許文献2の「アンカ施工方法およびそのための耐熱部材」では、母材に形成された挿入孔にアンカ部材を挿入して合成樹脂硬化作用により固定する際に、母材の表面に突出しているアンカ部材の外周面と挿入孔の孔縁との隙間に露出している合成樹脂を耐熱部材を用いて被覆密封するようにしていて、耐熱部材は、耐熱材よりなるとともに上部が母材に形成されるアンカ部材の挿入孔よりも大径に形成されており、且つ中央にはアンカ部材の挿入孔が上下に貫通、形成されている。耐熱部材は、施工の際にアンカ部材の挿通孔嵌入するだけで、作業が簡単であり、さらに挿通孔内に充填されている合成樹脂の母材表面に露出している部分を被覆密封するようになっている。

先行技術

0005

実開昭62−187104号公報
特開昭62−233351号公報

発明が解決しようとする課題

0006

特許文献1では、リング・パッキングの外径が、挿入孔の内径と同等、もしくは若干大きい程度であるため、施工する際、リング・パッキングがアンカ本体と共に、挿入孔内入り込んでしまう。

0007

リング・パッキングが入り込んでしまうと、完全に漏れが防止され、混合物等や空気が挿入孔内に止まってしまうため、アンカ本体が挿入孔の孔底まで到達することができずに高止まりしてしまうなど、施工不良を生じるおそれがある。

0008

また、リング・パッキングが挿入孔内に入り込んでしまうと、混合物等を挿入孔全長にわたって均質に充満させることができず、特に挿入孔の入口附近への混合物等の充填を確保することができないために、的確な定着長を確保することができず、定着長不足耐力低下が生じるという不具合が発生してしまう。

0009

さらに、挿入孔内に入り込んでしまったリング・パッキンの位置や変形形状不定であり、アンカ本体の打設方向によっては(例えば、横向きであると)、挿入孔内でアンカ本体が自重などの影響で傾いてしまい、アンカ本体が傾いてしまうと、引き抜き耐力が低下してしまう。

0010

特許文献2は、合成樹脂を充填した挿入孔にアンカ部材を挿入した後で、当該アンカ部材に耐熱部材を挿入し、この耐熱部材を後付けのキャップとして挿入孔に押し込んで当該挿入孔を封鎖するようにしている。

0011

特許文献2では、挿入孔へ耐熱部材を押し込んだ分だけ合成樹脂が挿入孔から漏れ出てしまって、漏れ防止に役立たないと共に、単に耐熱部材でキャップをするだけなので、挿入孔内の合成樹脂の充填状況は、特許文献1のように挿入孔内の混合物等をリング・パッキングで密実に封じ込めるのとは異なり、作用圧力が低い疎な充填状態であって、十分な耐力でアンカ本体を定着させることができなかった。

0012

本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、アンカーの削孔への挿入作業中に、接着剤が削孔外部へ漏れ出すことを抑制して、削孔全長にわたって、特に削孔の開口周縁部における接着剤の密実な充填を確保することが可能であって、定着長を的確に確保し得ると共に、アンカーが傾いて定着されることを防止することが可能な接着系アンカーの接着剤漏れ抑制具、接着剤漏れ抑制構造、並びにその施工方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0013

本発明にかかる接着系アンカーの接着剤漏れ抑制具は、コンクリート躯体に形成した削孔内に収容した接着剤封入カプセルを、該削孔内へ挿入するアンカーで破砕することにより、当該削孔内に充満する接着剤で該アンカーを該コンクリート躯体に定着するときに、該削孔から接着剤が外部へ漏れ出すことを抑制する接着系アンカーの接着剤漏れ抑制具であって、弾性を有する素材リング体に形成され、上記アンカーの外周にその弾性で摺動自在に装着するために、内径寸法が該アンカーの外径寸法よりも小さく形成されると共に、上記削孔の開口周縁部に係合されて上記コンクリート躯体の表面に残置するために、外径寸法が該削孔の内径寸法よりも大きく形成されることを特徴とする。

0014

前記リング体の断面が、角部を有する四角形状であることを特徴とする。

0015

前記リング体がOリングであることを特徴とする。

0016

前記リング体の外径寸法は、前記削孔の内径寸法よりも大きな当該削孔の開口周縁部の内径寸法よりも小さいことを特徴とする。

0017

本発明にかかる接着系アンカーの接着剤漏れ抑制構造は、上記接着系アンカーの接着剤漏れ抑制具と、前記コンクリート躯体に形成され、内部に収容される前記接着剤封入カプセルの破砕により接着剤が充満される前記削孔と、該削孔内へ挿入され、上記接着剤封入カプセルを破砕することにより当該削孔内に充満する接着剤で上記コンクリート躯体に定着されるアンカーとを備え、上記削孔の開口周縁部とこれに面する上記アンカーの外周との間の隙間が、上記接着剤漏れ抑制具で封鎖されることを特徴とする。

0018

本発明にかかる接着系アンカーの施工方法は、上記接着系アンカーの接着剤漏れ抑制具を用い、前記コンクリート躯体に前記削孔を形成し、該削孔内部へ前記接着剤封入カプセルを収容し、上記接着剤漏れ抑制具を前記アンカーに装着し、次いで、該アンカーを上記削孔に挿入して、該接着剤漏れ抑制具で該削孔の開口周縁部とこれに面する該アンカーの外周との隙間を封鎖するために、当該接着剤漏れ抑制具を該削孔の開口周縁部に係合し、次いで、上記接着剤漏れ抑制具を上記コンクリート躯体の表面に残置しつつ、上記アンカーを、該接着剤漏れ抑制具に対し摺動自在に摺動して、上記接着剤封入カプセルの破砕で接着剤を上記削孔内へ充満させつつ、当該削孔内へ挿入していき、最後に、上記隙間を封鎖した状態で接着剤を硬化させて上記アンカーを上記コンクリート躯体に定着させることを特徴とする。

発明の効果

0019

本発明にかかる接着系アンカーの接着剤漏れ抑制具、接着剤漏れ抑制構造、並びにその施工方法にあっては、アンカーの削孔への挿入作業中に、接着剤が削孔外部へ漏れ出すことを抑制して、削孔全長にわたって、特に削孔の開口周縁部における接着剤の密実な充填を確保することができ、定着長を的確に確保できると共に、アンカーが傾いて定着されることを防止することができる。

図面の簡単な説明

0020

本発明にかかる接着系アンカーの施工方法の好適な一実施形態の施工手順を示す工程図である。
本発明にかかる接着系アンカーの接着剤漏れ抑制具の好適な一実施形態を説明する説明図である。
図2に示した接着系アンカーの接着剤漏れ抑制具の変形例を示す側断面図である。
図1中、Y−Y線矢視図である。
本発明にかかる接着系アンカーの施工方法における削孔の開口周縁部の形態の他の例を示す説明図である。

実施例

0021

以下に、本発明にかかる接着系アンカーの接着剤漏れ抑制具、接着系アンカーの接着剤漏れ抑制構造、並びに接着系アンカーの施工方法の好適な実施形態を、添付図面を参照しつつ施工手順に従って詳細に説明する。図1(a)〜(d)には、接着系アンカーの施工方法の施工手順が順番に示されている。

0022

図1(a)に示すように、鉄筋コンクリートなどの各種コンクリート躯体1には、回転と打撃で孔を穿設するハンマードリルなどを用いて、おおよそ真っ直ぐな有底の削孔2が形成される。コンクリート躯体1の表面1aに開口される削孔2の開口周縁部2aは通常、削孔2の内径d1よりも口広で表面が凸凹した状態となっていることが多い。

0023

削孔2内部には、これに収容される接着剤封入カプセル3が挿入される。接着剤封入カプセル3は、封入した接着剤Aが流出して削孔2内に充満するように、破砕可能なガラス管合成樹脂フィルム製もしくは紙製などのスリーブ管で形成される。接着剤Aとしては、モルタル等の無機系材料からなるものであっても、合成樹脂等の有機系材料からなるものであってもよい。

0024

また、削孔2内へ挿入されるアンカー4は、回転と打撃によって削孔2内へ押し込むために、そしてまたこの回転と打撃によって削孔2内に充満する接着剤Aを強制的に撹拌するために、ハンマードリルに取り付けられる。

0025

アンカー4は金属製であって、削孔2の底からコンクリート躯体1の表面1aに位置する開口周縁部2aを介して、外部へ向かって突出する長さのロッド状に形成される。アンカー4の形態は、異形鉄筋や全ネジボルトなど、特に限定されるものではない。

0026

アンカー4の削孔挿入方向の先端部4aは、ハンマードリルの動作で接着剤封入カプセル3を破砕しかつ接着剤Aを削孔2内部で撹拌するために、鋭利であって接着剤Aの練り混ぜに適した各種形状で形成される。例えば、図示したようにアンカー4の先端部4aを一方向にカットした形態に限らず、二方向からカットした形態や、多角錐状の形態などであってもよい。

0027

アンカー4には、接着剤漏れ抑制具5が装着される。接着剤漏れ抑制具5は、熱可塑性エラストマー合成ゴム天然ゴム材などの弾性を有する素材で、ロッド状のアンカー4に差し入れられるリング体に形成される。接着剤漏れ抑制具5の内径寸法d2は、アンカー4の外周にその弾性で摺動自在に装着するために、当該アンカー4の外径寸法d3よりも小さく設定される(d2<d3)。アンカー4の外径寸法d3はもちろん、削孔2の内径寸法d1よりも小さく設定される(d2<d3<d1)。

0028

これにより、アンカー4とアンカー4の外周に差し込んで装着された接着剤漏れ抑制具5とは、互いに密着しつつ、両者の相対摺動が可能で、接着剤漏れ抑制具5に対し、アンカー4を削孔2内奥へ向かって進出させることができる。

0029

接着剤漏れ抑制具5の外径寸法d4は、削孔2の開口周縁部2aに係合させてコンクリート躯体1の表面1aに残置するために、施工時に圧縮作用を受けても少なくとも、削孔2の内径寸法d1よりも大きな外径寸法を維持し得るように設定される(d1<d4)。これにより、接着剤漏れ抑制具5は、コンクリート躯体1の表面1a位置で、削孔2の開口周縁部2aとこれに面するアンカー4の外周との間の隙間Cを封鎖するようになっている。

0030

接着剤漏れ抑制具5の外径寸法d4は、削孔2の開口周縁部2aの内径寸法d5が削孔2の内径寸法d1よりも大きい場合には、削孔2の内径寸法d1よりも大きく、かつ開口周縁部2aの内径寸法d5よりも小さく設定してもよい(d1<d4<d5)。これにより、接着剤漏れ抑制具5がコンクリート躯体1の表面1a上に突出する高さを低くすることができ、当該接着剤漏れ抑制具5を保護することができる。

0031

接着剤漏れ抑制具5であるリング体は、図2(a)及び図2(a)のX−X線矢視断面図である図2(b)に示すように、その断面は例えば、角部5aを有する四角形状に形成される。このような構成の接着剤漏れ抑制具5は、外側の角部5aで削孔2の開口周縁部2aに係止させることができ、また内側の角部5aでアンカー4に係止させることができて、接着剤漏れ抑制具5を確実に開口周縁部2aに係合させることができると共に、アンカー4との密着性を高めることができる。

0032

接着剤漏れ抑制具5の断面形状は、四角形状に限らず、三角形状等、他の多角形状でもよいと共に、図3に示すように、断面形状が円形の、いわゆるOリングであってもよい。

0033

アンカー4を削孔2内へ挿入する前において、アンカー4へ接着剤漏れ抑制具5を装着する位置は、アンカー4が接着剤封入カプセル3を破砕する前の段階で、接着剤漏れ抑制具5が削孔2の開口周縁部2aに圧接されるように設定される。

0034

これにより、アンカー4を削孔2に挿入することで、接着剤漏れ抑制具5を削孔2の開口周縁部2aに係合させて、接着剤封入カプセル3の破砕により接着剤Aが流出する前に、接着剤漏れ抑制具5によって削孔2の開口周縁部2aとこれに面するアンカー4の外周との隙間Cを封鎖して、接着系アンカーの接着剤漏れ抑制構造が構成される。

0035

図1(b)には、ハンマードリルに取り付けたアンカー4を、削孔2に挿入した初期の段階が示されている。アンカー4は、ハンマードリルの回転と打撃によって削孔2内に進入し、この進入によって接着剤封入カプセル3が破砕されて、接着剤Aが削孔2内に流出し始める。この際、図1(b)のY−Y線矢視図である図4に示すように、削孔2の開口周縁部2aとこれに面するアンカー4の外周位置との間の隙間Cは、接着剤漏れ抑制具5によって封鎖されている。

0036

具体的には、削孔2の開口周縁部2aの内径寸法d5>接着剤漏れ抑制具5の外径寸法d4(接着剤漏れ抑制具5の係合作用)>削孔2の内径寸法d1>アンカー4の外径寸法d3>接着剤漏れ抑制具5の内径寸法d2(接着剤漏れ抑制具5の弾性によるアンカー4への保持・密着作用)の関係が設定され、これら係合作用及び保持・密着作用で、接着剤漏れ抑制具5をコンクリート躯体1の表面1aに残置して削孔2内に入り込まないようにし、且つ削孔2内から外部へ接着剤Aが飛散したり、また漏れ出すことが適度に抑制される。

0037

図1(c)には、アンカー4を、削孔2の底へ向かって挿入する中間の段階が示されている。接着剤漏れ抑制具5をコンクリート躯体1の表面1aに残置しつつ、アンカー4を、接着剤漏れ抑制具5に対し摺動自在に摺動して、接着剤封入カプセル3の破砕で接着剤Aを削孔2内に充満させつつ、削孔2内へ挿入していく。

0038

アンカー4は、接着剤漏れ抑制具5の弾性によって、両者の密着作用が確保されつつ、接着剤漏れ抑制具5に対し摺動自在に摺動されて、削孔2の内奥へ挿入される。削孔2の開口周縁部2aがこれに係合した接着剤漏れ抑制具5によって封鎖されているので、ハンマードリルによるアンカー4の回転・打撃作用により、削孔2内で接着剤Aの撹拌が確実かつ十分に行われる。従って、接着剤Aは、削孔2の開口周縁部2a側へも送り込まれて密実に充填される。

0039

接着剤漏れ抑制具5と削孔2の開口周縁部2aとは、おおよそ点接触もしくは線接触係合状態であり、接着剤漏れ抑制具5は弾性を有するので、アンカー4の回転・打撃動作に伴って、適度に削孔2内の空気や接着剤Aが漏れ出し、アンカー4が削孔2の底に到達し得ない、高止まりなどの施工不良が生じることを防止することができる。

0040

さらに、接着剤漏れ抑制具5が適度にアンカー4を締め付けるため、これら接着剤漏れ抑制具5とアンカー4との間に程よい摩擦力が生じることと、接着剤漏れ抑制具5が削孔2から漏れ出てくる接着剤Aを軽く押さえつけながら、アンカー4で削孔2の開口周縁部2aの接着剤Aを練り混ぜできることとによって、施工時間をほぼ一定化して、接着剤Aの密実な充填を確保することができる。

0041

接着剤漏れ抑制具5は、点接触や線接触で開口周縁部2aやアンカー4の外周に接触するので、飛散しやすい粉体材料を含む無機系の接着剤Aなどであっても、その漏れや飛散を効果的に抑制することができる。

0042

図1(d)には、隙間Cを封鎖した状態で接着剤Aを硬化させてアンカー4をコンクリート躯体1に定着させた施工完了段階が示されている。アンカー4は、削孔2の開口周縁部2aから底にわたるおおよそ削孔2の全長にわたって定着長が確保されて、コンクリート躯体1に定着される。

0043

接着剤漏れ抑制具5は、施工時と同様に、削孔2の開口周縁部2aとこれに面するアンカー4の外周との間の隙間Cを封鎖して削孔2からの接着剤Aの漏れ出しを抑制すると共に、コンクリート躯体1の表面1aに現れる削孔2の開口周縁部2aでアンカー4を削孔2に対して保持するスペーサとして機能する。

0044

これによりアンカー4を削孔2の中心位置に保持できるため、アンカー4が自重で傾いてしまうなどの施工不良を防止できる。従って、下向き・横向き・上向きいずれの施工であっても、アンカー4をコンクリート躯体1に適切に定着して引き抜き耐力を向上することができる。

0045

以上説明した本実施形態にかかる接着系アンカーの接着剤漏れ抑制具、接着剤漏れ抑制構造、並びにその施工方法では、接着剤漏れ抑制具5を、弾性を有する素材でリング体に形成し、アンカー4の外周にその弾性で摺動自在に装着するために、内径寸法d2をアンカー4の外径寸法d3よりも小さく形成すると共に、削孔2の開口周縁部2aに係合されてコンクリート躯体1の表面1aに残置するために、外径寸法d4を削孔2の内径寸法d1よりも大きく形成したので、接着剤Aの飛散や漏れを抑制しつつ、当該接着剤Aを適切に撹拌して削孔2の開口周縁部2aまで削孔2のほぼ全長にわたって接着剤Aを密実に充填することができる。これにより、アンカー4のコンクリート躯体1への定着長を的確に確保することができて、アンカー定着部の耐力を向上することができる。

0046

図5には、削孔2の開口周縁部2aの変形例が示されていて、図5(a)に示すように、開口周縁部2aが、削孔2に向かって先細り錐体面状をなす、いわゆる「ザグリ」を形成した形態であっても、また、削孔2の内径寸法d1と同径で凹凸などの粗面を有しない真直な形態であっても、本発明を適用できることはもちろんである。

0047

1コンクリート躯体
1a コンクリート躯体の表面
2 削孔
2a 削孔の開口周縁部
3接着剤封入カプセル
4アンカー
5接着系アンカーの接着剤漏れ抑制具
5a 接着剤漏れ抑制具の角部
A 接着剤
C 削孔の開口周縁部とこれに面するアンカーの外周との間の隙間
d1 削孔の内径寸法
d2 接着剤漏れ抑制具の内径寸法
d3 アンカーの外径寸法
d4 接着剤漏れ抑制具の外径寸法
d5 削孔の開口周縁部の内径寸法

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