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技術 熱電変換モジュールおよびその製造方法

出願人 富士通株式会社
発明者 肥田勝春山中一典
出願日 2010年8月9日 (9年6ヶ月経過) 出願番号 2010-179014
公開日 2012年2月23日 (8年0ヶ月経過) 公開番号 2012-038980
状態 特許登録済
技術分野 熱電素子 特殊な電動機、発電機
主要キーワード 熱量移動 通過用孔 電気的絶縁性基板 電気的絶縁基板 電熱変換 三角部分 矩形ループ 熱反射率
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特許:約8,000万件, クラウドファンディング:約100万年件, 科研費・グラントデータ:約500万件, 発明者・研究者情報:約600万人

この項目の情報は公開日時点(2012年2月23日)のものです。
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図面 (5)

課題

熱電変換素子を通らない、高温側から低温側への熱の移動を抑制できる、熱電変換モジュールを提供する。

解決手段

一対の電気的絶縁性基板1、11間に複数の熱電変換素子3を挟持し、一対の電気的絶縁性基板の対向面上の接続配線2,12によって、複数の熱電変換素子を接続し、一対の電気的絶縁性基板間で、複数の熱電変換素子間の領域をポーラス絶縁層5,14で充填した、熱電変換モジュール。

概要

背景

近年、廃棄されている熱エネルギ電気エネルギに変換する熱電変換装置が関心を集めている。熱電変換材料で形成した熱電変換素子中の電荷担体電子または正孔)は温度に依存する熱エネルギを有する。材料中に温度差を形成すると、高温側の電荷担体の熱エネルギは低温側の電荷担体の熱エネルギよりも高く、高温側から低温側に電荷担体が拡散し、電荷起電力)を発生する現象を示す。1つの熱電変換素子においては、両端に電荷の不足と過剰が生じることになる。

型熱電変換素子とn型熱電変換素子を並列に配置し、1端で接続し、両端間に温度差を形成すると、接続端では正電荷負電荷が相殺し、他端に逆極性の電荷(起電力)が生じることになる。このような、p型熱電素子とn型熱電素子が温度差方向と並列に配置され、直列に接続された構造が、π型(熱電変換)構造と呼ばれ、広く用いられている。多数のπ型構造をさらにp型熱電素子とn型熱電素子が直列に接続されるように直列接続していくと、両端に生じる電位差は増大していく。発生する起電力は、直列接続された素子数と温度差に依存する。

熱電変換モジュールは、セラミック等の電気的絶縁基板を用い、p型とn型の熱電変換素子を温度差方向と並列に配置し、熱電変換素子の上下の接続配線によって複数の熱電変換素子を電気的に直列に接続し、直列接続の終端からリード線を引き出したものが一般的である。例えば、1対の電気的絶縁基板上に接続配線を形成し、複数の熱電変換素子を1対の絶縁基板間に保持し、直列に接続する。

電気的絶縁基板上にマトリックス状に熱電変換素子を配置し、高温部と低温部の間に設置すると、高温部と低温部の間には熱電変換素子と共に熱電変換素子間の空隙も配置される。熱は、高温部から低温部へ、伝導輻射対流によって伝達される。熱電変換素子は固体で形成されるので、主として伝導によって熱を伝達する。熱電変換素子周囲の空隙は、通常空気で構成されるので、伝導、輻射、対流によって熱を伝達する性質を有する。一般的に、気体である空気の熱伝導率は、固体である熱電変換素子の熱伝導率より低い。輻射、対流による熱の移動が熱の移動の主要素となる。熱電変換素子間の領域における輻射、対流によって高温側から低温側に伝達される熱は、熱電変換には寄与しない。高効率の熱電変換を実現する為には、熱電変換素子を経由しない熱の移動を抑制することが望まれる。

特開2001−119076号は、Bi−Te系のn型の熱電変換素子とSb−Te系のp型の熱電変換素子とを交互に配列すると共に電気的に接続することでπ型配置として、これら熱電変換素子を直列接続して熱電変換モジュールを構成し、熱電変換素子間をエポキシ樹脂等の絶縁性樹脂で埋めて、絶縁性樹脂によって全熱変換素子を固定することを記載する。熱電変換素子の周囲を絶縁性樹脂で補強することで、熱応力による熱電変換素子のクラック発生を防止する、各熱電変換素子の側面をポリイミド樹脂被覆すると、絶縁性樹脂による熱電変換素子の固定力を高くすることができると記載する。

熱電素子間電気的絶縁樹脂で埋めることは、対流による熱移動が防止されることを意味し、空気に代わってエポキシ樹脂等の電気的絶縁性樹脂が存在することは、伝導による熱移動の増加を意味するであろう。特開2001−119076号は、熱移動の効率化については言及しない。

特開2005−79347号は、熱電変換モジュール内部を、輻射、対流により熱電変換素子を通過しない熱量を低減させるために、熱損失防止構造に形成すると記載し、熱損失防止構造として、モジュール内部の露出表面に形成された銀、白金、金、銅等の熱反射率の高い材料の被膜や、高温部と低温部の間の空間を仕切り、ステンレス鋼Niメッキした鉄、アルミ等で形成され、熱電変換素子が貫通する輻射防止板を設けることを記載する。熱反射率の高い被膜により輻射熱、対流が生じるのを大幅に低減でき、輻射防止板により輻射や対流による熱量移動を低減させると記載する。電気的導電性被膜による熱起電力短絡を如何に防止するか、導電性輻射防止板による熱電素子間の電気的短絡を如何に防止するかについては何も記載しない。また、空間を上下方向で分割すると、分割された各空間内で対流は生じると思料されるが、対流は生じないかのごとく記載する。

概要

熱電変換素子を通らない、高温側から低温側への熱の移動を抑制できる、熱電変換モジュールを提供する。一対の電気的絶縁性基板1、11間に複数の熱電変換素子3を挟持し、一対の電気的絶縁性基板の対向面上の接続配線2,12によって、複数の熱電変換素子を接続し、一対の電気的絶縁性基板間で、複数の熱電変換素子間の領域をポーラス絶縁層5,14で充填した、熱電変換モジュール。−1

目的

特開2001−119076号公報
特開2005−79347号






熱電変換素子間の領域で、高温側から低温側に伝達される熱を抑制できる熱電変換モジュールを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
5件

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請求項1

一対の電気的絶縁性基板と、前記一対の電気的絶縁性基板間に挟持された複数の熱電変換素子と、前記一対の電気的絶縁性基板の対向面上に形成され、前記複数の熱電変換素子を接続する接続配線と、前記一対の電気的絶縁性基板間で、前記複数の熱電変換素子間の領域を充填するポーラス絶縁層と、を有する熱電変換モジュール

請求項2

前記ポーラス絶縁層の高さ方向中間部に配置され、前記熱電変換素子からは電気的に絶縁された反射金属層をさらに有する請求項1記載の熱電変換モジュール。

請求項3

前記反射金属層が、隣接する前記熱電変換素子間で中央から両側に向かって傾斜する表面を有する請求項2記載の熱電変換モジュール。

請求項4

前記反射金属層が、隣接する前記熱電変換素子間で一方から他方に向かって傾斜する表面を有する請求項2記載の熱電変換モジュール。

請求項5

接続配線を形成した一方の電気的絶縁性基板上に複数の熱電変換素子の底面を接続し、接続配線を形成した他方の電気的絶縁性基板を前記複数の熱電変換素子の頂面に接続し、前記一対の電気的絶縁性基板間で、前記複数の熱電変換素子間の領域にポーラス絶縁層を射出成形する、熱電変換モジュールの製造方法。

請求項6

前記複数の熱電変換素子の頂面に前記他方の電気的絶縁性基板を接続する前に、前記複数の熱電変換素子を通過させる貫通孔を形成し、前記貫通孔から離隔した領域表面に反射金属層を形成した絶縁層を、前記熱電変換素子の高さの中間位置に配置する、請求項5記載の熱電変換モジュールの製造方法。

技術分野

0001

本発明はp型とn型の熱電変換素子電気的に接続して構成した熱電変換モジュールおよびその製造方法に関する。

背景技術

0002

近年、廃棄されている熱エネルギ電気エネルギに変換する熱電変換装置が関心を集めている。熱電変換材料で形成した熱電変換素子中の電荷担体電子または正孔)は温度に依存する熱エネルギを有する。材料中に温度差を形成すると、高温側の電荷担体の熱エネルギは低温側の電荷担体の熱エネルギよりも高く、高温側から低温側に電荷担体が拡散し、電荷起電力)を発生する現象を示す。1つの熱電変換素子においては、両端に電荷の不足と過剰が生じることになる。

0003

型熱電変換素子とn型熱電変換素子を並列に配置し、1端で接続し、両端間に温度差を形成すると、接続端では正電荷負電荷が相殺し、他端に逆極性の電荷(起電力)が生じることになる。このような、p型熱電素子とn型熱電素子が温度差方向と並列に配置され、直列に接続された構造が、π型(熱電変換)構造と呼ばれ、広く用いられている。多数のπ型構造をさらにp型熱電素子とn型熱電素子が直列に接続されるように直列接続していくと、両端に生じる電位差は増大していく。発生する起電力は、直列接続された素子数と温度差に依存する。

0004

熱電変換モジュールは、セラミック等の電気的絶縁基板を用い、p型とn型の熱電変換素子を温度差方向と並列に配置し、熱電変換素子の上下の接続配線によって複数の熱電変換素子を電気的に直列に接続し、直列接続の終端からリード線を引き出したものが一般的である。例えば、1対の電気的絶縁基板上に接続配線を形成し、複数の熱電変換素子を1対の絶縁基板間に保持し、直列に接続する。

0005

電気的絶縁基板上にマトリックス状に熱電変換素子を配置し、高温部と低温部の間に設置すると、高温部と低温部の間には熱電変換素子と共に熱電変換素子間の空隙も配置される。熱は、高温部から低温部へ、伝導輻射対流によって伝達される。熱電変換素子は固体で形成されるので、主として伝導によって熱を伝達する。熱電変換素子周囲の空隙は、通常空気で構成されるので、伝導、輻射、対流によって熱を伝達する性質を有する。一般的に、気体である空気の熱伝導率は、固体である熱電変換素子の熱伝導率より低い。輻射、対流による熱の移動が熱の移動の主要素となる。熱電変換素子間の領域における輻射、対流によって高温側から低温側に伝達される熱は、熱電変換には寄与しない。高効率の熱電変換を実現する為には、熱電変換素子を経由しない熱の移動を抑制することが望まれる。

0006

特開2001−119076号は、Bi−Te系のn型の熱電変換素子とSb−Te系のp型の熱電変換素子とを交互に配列すると共に電気的に接続することでπ型配置として、これら熱電変換素子を直列接続して熱電変換モジュールを構成し、熱電変換素子間をエポキシ樹脂等の絶縁性樹脂で埋めて、絶縁性樹脂によって全熱変換素子を固定することを記載する。熱電変換素子の周囲を絶縁性樹脂で補強することで、熱応力による熱電変換素子のクラック発生を防止する、各熱電変換素子の側面をポリイミド樹脂被覆すると、絶縁性樹脂による熱電変換素子の固定力を高くすることができると記載する。

0007

熱電素子間電気的絶縁樹脂で埋めることは、対流による熱移動が防止されることを意味し、空気に代わってエポキシ樹脂等の電気的絶縁性樹脂が存在することは、伝導による熱移動の増加を意味するであろう。特開2001−119076号は、熱移動の効率化については言及しない。

0008

特開2005−79347号は、熱電変換モジュール内部を、輻射、対流により熱電変換素子を通過しない熱量を低減させるために、熱損失防止構造に形成すると記載し、熱損失防止構造として、モジュール内部の露出表面に形成された銀、白金、金、銅等の熱反射率の高い材料の被膜や、高温部と低温部の間の空間を仕切り、ステンレス鋼Niメッキした鉄、アルミ等で形成され、熱電変換素子が貫通する輻射防止板を設けることを記載する。熱反射率の高い被膜により輻射熱、対流が生じるのを大幅に低減でき、輻射防止板により輻射や対流による熱量移動を低減させると記載する。電気的導電性被膜による熱起電力短絡を如何に防止するか、導電性輻射防止板による熱電素子間の電気的短絡を如何に防止するかについては何も記載しない。また、空間を上下方向で分割すると、分割された各空間内で対流は生じると思料されるが、対流は生じないかのごとく記載する。

先行技術

0009

特開2001−119076号公報
特開2005−79347号

発明が解決しようとする課題

0010

熱電変換素子間の領域で、高温側から低温側に伝達される熱を抑制できる熱電変換モジュールを提供する。

課題を解決するための手段

0011

1観点によれば、
一対の電気的絶縁性基板と、
前記一対の電気的絶縁性基板間に挟持された複数の熱電変換素子と、
前記一対の電気的絶縁性基板の対向面上に形成され、前記複数の熱電変換素子を接続する接続配線と、
前記一対の電気的絶縁性基板間で、前記複数の熱電変換素子間の領域を充填するポーラス絶縁層と、
を有する熱電変換モジュール
が提供される。

0012

他の観点によれば、
接続配線を形成した一方の電気的絶縁性基板上に複数の熱電変換素子の底面を接続し、
接続配線を形成した他方の電気的絶縁性基板を前記複数の熱電変換素子の頂面に接続し、
前記一対の電気的絶縁性基板間で、前記複数の熱電変換素子間の領域にポーラス絶縁層を射出成形する、
熱電変換モジュールの製造方法
が提供される。

発明の効果

0013

熱損失を低減できる。

図面の簡単な説明

0014

と、
図1A〜1Jは、実施例1による熱電変換モジュールを示す概略断面図、およびその製造方法の主要工程を示す概略斜視図である。
図2A〜2Dは、実施例1の変形例による熱電変換モジュールを示す斜視図、および断面図である。
図3A,3Bは、実施例2による熱電変換モジュールの要部を示す平面図および断面図、図3C,3Dは、実施例2の変形例による熱電変換モジュールの要部を示す平面図および断面図である。

実施例

0015

図1Aは、実施例1による熱電変換モジュールを示す概略断面図である。一対の電気的絶縁性基板1,11の間に複数のp型熱電素子3p、n型熱電素子3n(まとめて熱電素子3と呼ぶことがある)が挟持され、熱電素子3間の空隙をポーラス絶縁層5,14が埋め込んだ構成を有する。電気的絶縁性基板1,11上には接続配線(局所配線)2,12が形成され、銀ペーストを介して熱電変換素子3を直列に接続している。ポーラス絶縁層5,14は、ポーラス絶縁層5を中間に配置し、その上下両側にポーラス絶縁層14が配置された構成である。ポーラス絶縁層5の上面には反射金属層7が形成されている。反射金属層7は熱電変換素子3から20μm〜200μm、例えば100μm離れて配置され、間にポーラス絶縁層14が入り込んで電気的絶縁状態を形成している。

0016

電気的絶縁性基板1,11は、例えばアルミナセラミックスで形成される。アルミナセラミックスは、1000℃以上の高温にも耐える。アルミナ換えてAlNを用いることもできる。200℃程度以下の使用温度ならガラスエポキシ基板ガラス基板等も使用できる。電気的絶縁性基板は、全体が電気的絶縁性でなくてもよい。例えば絶縁層を表面に形成した銅等の金属基板を電気的敵絶縁性基板として用いることもできる。銅は一般的な電気的絶縁体より熱容量が大きい。熱容量の大きな基板を用いることにより、熱浴の機能を持たせ、温度差を維持しやすいようにすることもできる。

0017

熱電変換材料は、特に制限されないが、例えば、p型熱電変換素子3pはCa3Co4O9で形成され、n型熱電変換素子3nはCa0.9La0.1MnO3で形成される。n型熱電変換材料のLa組成は厳密に0.1である必要はなく、0.1付近の値であればよい。p型半導体熱電変換素子3pがCa3Co4O9を主成分とするセラミックスn型半導体熱電変換素子3nが、Ca0.9La0.1MnO3を主成分とするセラミックスである場合、熱電能力を示すゼーベック係数は0.2mV/℃〜0.3mV/℃となる。n型半導体熱電変換素子6の材料は、Ca0.9La0.1MnO3に限らず、R1−Mn(R1:アルカリ土類アルカリ金属)の酸化物である、ペロブスカイト型酸化物であればよいであろう。n型電熱変換材料として、ストロンチウム酸化物バリウム酸化物あるいはストロンチウム酸化物、バリウム酸化物、チタン酸化物複合酸化物主構成成分とするペロブスカイト型酸化物を用いることもできよう。これらをまとめて、R2−Ti(R2:アルカリ土類、アルカリ金属)の酸化物である、ペロブスカイト型酸化物と呼ぶ。p型半導体熱電変換素子5の材料は、Ca3Co4O9に限らず、R3−Co(R3:アルカリ土類、アルカリ金属)の酸化物である、ペロブスカイト型酸化物であればよいであろう。

0018

各熱電変換素子3の寸法は、特に限定されないが、例えば0.5mm〜3mm平方、高さ2mm〜20mm程度である。電気的絶縁性基板1,11上の接続配線2,12は、銅又はアルミニウムで形成される。クロム等の金属層を組み合わせることもできる。

0019

ポーラス絶縁層は、空孔ポア)の体積割合が40vol%以上、例えば約50vol%程度のエポキシ樹脂層アクリル樹脂等のポーラス有機樹脂で形成できる。ポーラスシリカ等を用いる可能性もある。反射金属層7は、銅、アルミニウム、銀等の光学的反射率の高い金属、例えば銅で形成される。

0020

熱電変換素子3間の空隙をポーラス絶縁層5,14で埋め込むことにより、気体の対流による熱移動が防止される。ポーラスエポキシ樹脂層は、ポア径5μm〜50μm程度の多数のポアを含み、各ポア内では原理的に気体の対流が可能であるが、ポアの径を小さく制限することにより、対流による熱の移動は制限される。

0021

樹脂材料熱輻射に対して透明であると、樹脂層を透過する輻射による熱の移動が可能である。反射金属層7は熱輻射を反射することにより、高温部・低温部間での輻射による熱の移動を制限する。反射金属層7は、熱電変換素子3とは電気的に絶縁された状態であり、熱起電力に対して悪影響は与えない。以下、図1Aに示す熱電変換モジュールの製造方法を概略的に説明する。

0022

図1Bに示すように、表面に接続配線2を形成した下側電気的絶縁性基板1を準備する。配線パターンは異なるが上側電気的絶縁性基板11も同様の構成を有する。接続配線2、12は、熱電変換素子間を電気的に接続するための配線パターンであり、厚さ0.5μm〜10μm程度の銅層である。銅層付きアルミナ基板の銅層をマスクを用いてエッチングしても、アルミナ基板の上にマスクを形成し、銅層をメッキ蒸着スパッタリング等で形成し、マスクを除去してその上の銅層をリフトオフしてもよい。また、銅の代わりに銀等を用いてもよく、形成方法印刷法で行うことも可能である。

0023

図1Cに示すように、銀ペースト等の導電性接着剤により、熱電変換素子3を接続配線2上に接続する。例えば、フリットガラスレスAgペーストを用いる。1つの局所配線2上に、1つのp型熱電変換素子3pと1つのn型熱電変換素子3nが接続される。後に接続される、上側電気的絶縁性基板11上の接続配線12が、これらの熱電変換素子対を直列に接続する。

0024

図1Dに示すように、エポキシ樹脂等のポーラス樹脂層5を準備する。

0025

図1Eに示すように、ポーラス樹脂層5の上にホトレジストパターン6を形成する。ホトレジストパターン6は、熱電変換素子3と反射金属層7との間に絶縁領域を残すためのパターンであり、熱電変換素子の断面形状を外側に所定距離、20μm〜200μm、例えば100μm張り出した平面形状を有する。後に、各パターン6の中央部は、矩形ないし円形の平面形状に打ち抜かれて、熱電変換素子用貫通孔を形成する。従って、各パターン6の周辺部は必須であるが、打ち抜かれる部分は、パターン6が有っても無くてもよい。

0026

図1Fに示すように、スパッタリング、真空蒸着等により、ポーラス樹脂層5の上に、厚さ80nm〜150nm程度の銅製反射金属層7を形成する。銅の変わりにアルミニウムや銀等を用いることもできる。ホトレジストパターン6を除去することにより、ホトレジストパターン6上の反射金属層7をリフトオフする。反射金属層7に開口部8が形成される。

0027

図1Gに示すように、開口8内に露出したポーラス樹脂層5に、熱電変換素子通過用の貫通孔9をプレス加工で打ち抜く。その後、樹脂材料の硬化処理を行ってもよい。なお、プレス加工による孔開けに換え、レーザ加工による孔開け等を行うこともできる。レーザ加工の場合は、熱電変換素子の平面形状を角のない円形等とすることが好ましい。

0028

図1Hに示すように、図1Cに示した熱電変換素子3を接続した下側電気的絶縁性基板1上方に貫通孔9を形成したポーラス樹脂層5を位置決めし、降下させて、貫通孔9に熱電変換素子3を通す。スペーサ13又は保持具により高さを固定する。

0029

図1Iに示すように、上側電気的絶縁性基板11の接続配線を銀ペースト等の導電性接着剤を介して、熱電変換素子の頂面に接続する。この段階では、上側絶縁運基板11と下側電気的絶縁性基板1の間に熱電変換素子が接続され、熱電変換素子の高さ方向の中間に反射金属層7を形成したポーラス樹脂層5が配置された状態である。各熱電変換素子3の側面とポーラス樹脂層5の間にはギャップが存在し、ポーラス樹脂層の上下には空隙が存在する。

0030

図1Jに示すように、図1Iに示す構造体インジェクションモールド装置の金型内に配置し、ポーラスエポキシ樹脂を注入する。注入されたポーラスエポキシ樹脂は、ポーラス樹脂層5の上下の空隙および各熱電変換素子3の側面とポーラス樹脂層5の間のギャップを埋める樹脂層14となる。必要に応じて、樹脂材料の硬化処理を行う。

0031

このようにして、図1Aに示す熱電変換モジュールを作成することができる。熱電変換素子間の空間がポーラス樹脂層5,14、反射金属層7で埋め込まれるため、対流は生じない。樹脂層はポーラスであり、樹脂の体積比率を低減すると共に、伝導による熱移動はポアを迂回するため、樹脂層の熱抵抗を高くすることができる。反射金属層7が輻射線を反射するので、高温部から低温部への輻射による熱の移動が防止される。

0032

図2A〜2Dは、実施例1の変形例を示す。

0033

図2Aは、図1Eに示すホトレジストパターンを内実の矩形パターンから中空矩形ループ状パターンに変更した場合を示す。上述のように、矩形の中央部は熱電変換素子を通過させるために打ち抜くので、反射金属層はなくてもあってもよい。ホトレジストパターンの幅が狭くなるので、リフトオフ工程が確実に、且つ短時間になる。本変形例では、矩形内部に反射金属層が形成されるが孔の打ち抜き加工により除去される。ホトレジストパターンにより、反射金属層が形成されない絶縁領域が孔の全周に亘り、所定幅、例えば20μm以上残るようにする。

0034

図2Bは、図1Cに示す熱電変換素子の接続に先立ち、下側電気的絶縁性基板1上方に、スペーサ13を介して、熱電変換素子通過用孔9を形成した、図1Gに示すポーラス樹脂層5を接着剤などにより接続する場合を示す。熱電素子接着に際して、ポーラス樹脂層5がガイドとして機能する。

0035

図2Cは、樹脂層にポアを含まない樹脂層15とし、その上下両面に反射金属層7,17を形成する場合を示す。2層の反射金属層7,17により、高温部からの輻射線をより確実に反射する。なお、ポーラス樹脂層の両面に反射金属層を形成することもできる。ポアを含まない樹脂層15の1面に反射金属層を形成することもできる。

0036

図2Dは、反射金属層7を省略し、上下の電気的絶縁性基板1,11間の、熱電変換素子間領域をポーラス樹脂層19で充填する構成を示す。ポアは、内部の気体と周囲の樹脂との間に光学界面を形成する。ポアの径を小さく、その数を多くすることにより、ポーラス樹脂層19は散乱体分布した電気的絶縁性媒体となり、高温部から低温部に向かう輻射線を散乱し、低温部に到達することを抑制する。また、ポアが熱伝導を抑制する。

0037

図3A、3Bは、実施例2による熱電変換モジュールの概略的な平面図、断面図である。熱電変換素子3を囲む樹脂層5の表面に上の勾配を形成する。格子状の樹脂層5は、その中央部が高く、熱電変換素子3に向かって降下する傾斜面を有する。図3Bに示すように樹脂層5の周辺を除いた領域に、反射金属層7が形成されている。上方より入射する輻射線は、反射金属層7で反射される。反射金属層7が熱電変換素子3に向かって倒れこむ傾きを有するので、全体として反射した輻射線は熱電変換素子3の上部を照射し、温度を上昇させる機能を果たす。温度差を維持し、さらに強調する可能性を持つ。熱電変換素子間の間隔が狭い場合、樹脂層5の表面に複雑な形状を転写することは容易でない場合もある。

0038

図3C,3Dは、勾配を有する表面形状を簡略化できる変形例を示す平面図、断面図である。熱電変換素子3x、3yがそれぞれ千鳥格子状に分布し、合わせて正方格子状の分布を形成する。隣接する熱電変換素子3x、3y間で、樹脂層5は熱電変換素子3xに向かって倒れこむ傾斜を有する。樹脂層5において、熱電変換素子3xを囲む4つの矩形部分、4つの三角部分が熱電変換素子3xに向かって倒れこむ傾斜を有する。従って上方より入射する輻射線は、反射金属層7で反射され、全体として熱電変換素子3xの上部を照射する。

0039

垂直入射し、反射した輻射線は、熱電変換素子3yにはほとんど入射しない。n型熱電変換素子とp型熱電変換素子を直列接続する場合、隣接する熱電変換素子は導電型が逆になる配置が一般的である。n型熱電変換材料と、p型熱電変換材料とは、一般的に熱電変換効率に差がある。本変形例の構成により、熱電変換効率が小さい方の熱電変換素子に反射輻射線を集中させ、バランスを改善することができる。

0040

以上、実施例および変形例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば平面形状が矩形の熱電変換素子を示したが、熱電変換素子の平面形状は円形等他の形状でもよい。熱電変換素子間の空間をポーラス樹脂で充填する場合を説明したが、ポーラス樹脂はエポキシアクリルに限らず、他の有機材料を用いることもできる。ポーラスシリカ等無機系のポーラス絶縁体を用いることもできる。反射金属層はCu,Al,Agなどの他、光学的反射率の高い金属で形成することができる。その他種々の変形、置換、改良、組み合わせ等が可能なことは、当業者に自明であろう。

0041

1、11電気的絶縁性基板、
2、12接続配線(局所配線)、
3熱電変換素子、
5,14ポーラス絶縁層、
フォトレジストマスク
7、17反射金属層、
8 (反射金属層の)開口、
9 (絶縁層5の)貫通孔、
13スペーサ、
15 絶縁層、
19 ポーラス絶縁層、

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