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技術 電子写真感光体の製造方法

出願人 キヤノン株式会社上野キヤノンマテリアル株式会社
発明者 島田明森井忠
出願日 2010年8月4日 (9年0ヶ月経過) 出願番号 2010-175273
公開日 2012年2月23日 (7年5ヶ月経過) 公開番号 2012-037604
状態 未査定
技術分野 電子写真における感光体
主要キーワード 立体形 拭取り部材 稼動範囲 搬送パレット カゼイン樹脂 ゼラチン樹脂 粘着性シート エンドレスベルト形状
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2012年2月23日)のものです。
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図面 (15)

課題

電子写真感光体の製造方法において、表面に塗布液が塗布された被塗布体から落下する液による製造ライン汚染・弊害を防止する、メンテナンスの簡便な製造方法を提供する。

解決手段

被塗布体から落下する液を受けるための液受け部材を被塗布体と非接触、かつ、被塗布体の真下に位置させたまま被塗布体と共に移動させる。

概要

背景

電子写真感光体は、支持体および該支持体上に形成された感光層を有するものが一般的である。また、支持体と感光層との間には導電層や中間層(下引き層)などが設けられる場合があり、また、感光層上には保護層などが設けられる場合もある。

このような電子写真感光体を製造するにあたり、支持体上に感光層などの層を形成する方法としては、たとえば、浸漬塗布法ロールコーター法スプレー法静電塗装法が挙げられる。このうち浸漬塗布法は、被塗布体が、円筒状やシームレスベルト状などの立体形状を有する場合に有利な方法である。さらに、浸漬塗布法は、1つの塗布装置(浸漬塗布装置)で複数の被塗布体に対して同時に塗布が可能であるため、大量生産に広く使用されている。

図1に、従来の製造装置の例を示す。円筒状の被塗布体1は、その上端把持手段2に把持され、これらを搬送手段3が搬送する。把持手段2は搬送手段3に付設されたアーム4に取り付けられており、アーム4が垂直方向上昇下降することにより把持手段2を垂直方向に上昇下降させる機構になっている。図1の製造装置において、被塗布体1は、搬送手段3に付設された把持手段2によって把持されたまま塗布装置5における塗布槽(不図示)中の塗布液に浸漬され、次いで引上げられることにより、表面に湿潤した塗膜が形成される。次に被塗布体1は、把持手段2に把持されたまま、下端部の余剰塗膜を除去する剥離装置6へ搬送される。この時に、湿潤した塗膜から塗布液が落下して、搬送経路の下部に塗布液が付着して汚染される。付着した塗布液は、自然乾燥した後に一部が剥離し空気中に浮遊して塗布液に混入したり、湿潤した塗膜に付着したりして、ブツと呼ばれる塗工欠陥の原因になる怖れがある。特に塗布槽近傍に付着した塗布液は、自然乾燥後に塗布液に再混入する可能性が高く、好ましくない。

また、電子写真感光体の製造においては、近年特に多数の塗布槽を用いて、多数の被塗布体への同時塗布が行われているため、塗布液による汚染量が増加する傾向にある。

被塗布体からの塗料落下を防ぐために、塗布後の剥離を効果的に行う方法が従来考えられてきた。塗布後の被塗布体下端部に拭取り部材を接触させる方法(例えば、特許文献1参照)、さらに、溶剤含浸した摺擦部材を被塗布体の下端部と相対的に回転摺擦させる方法(例えば、特許文献2参照)が開示されている。これらの方法では、剥離後の塗料落下汚染については防止可能であるが、塗布装置から剥離装置にかけたエリアにおける塗料落下汚染を防ぐことは出来ない。

これに対応するため、例えば、塗布液の落下がおさまるまで被塗布体を塗布槽の真上に停止させて、落下する塗布液をそのまま塗布槽に戻す方法が従来とられてきた。しかし、この方法では、被塗布体が塗布槽の上で停止している間、次の塗布が開始できず、製造時間上のロスが大きい。更に、一度被塗布体に塗布された塗布液は溶媒気化し、固形分及び粘度が増加する。時間の経過した塗布液を多量に塗布槽に戻すと、塗布槽内の塗布液の組成が不均一になるため好ましくない。

別の対策として、塗布液が落下するエリアにカバーを設け、定期的に交換する方法があげられる。しかし、電子写真感光体の製造においては、複数の被覆層を形成するために複数の塗布工程を繰り返し行うのが一般的であるため、上述したカバーは複数のエリアにわたって広範に設ける必要があり、さらに、塗工槽近傍のカバーの交換においては、カバーに付着した汚染物が剥離浮遊し塗布液に混入しないような注意が必要となり、交換作業負荷が大きい。

一方、電子写真感光体の製造は、ホコリ、塵等のパーティクル忌避するためクリーンルーム内で行われるのが一般的である。また、これに加え、一度落下したパーティクルを付着させることにより再浮遊を防止する対策として、製造ラインの至る箇所に粘着性シートを敷く場合がある。この場合、粘着性シートの上に上述したような塗布液の落下が起こると、粘着性シートの粘着性が失われパーティクルの再浮遊防止の効果が期待できなくなる。

概要

電子写真感光体の製造方法において、表面に塗布液が塗布された被塗布体から落下する液による製造ラインの汚染・弊害を防止する、メンテナンスの簡便な製造方法を提供する。被塗布体から落下する液を受けるための液受け部材を被塗布体と非接触、かつ、被塗布体の真下に位置させたまま被塗布体と共に移動させる。-1

目的

本発明の目的は、電子写真感光体の製造方法において、表面に塗布液が塗布された被塗布体から落下する液による製造ラインの汚染・弊害を防止する、メンテナンスの簡便な製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

円筒形状の被塗布体の表面に被覆層形成用塗布液塗布工程を有する電子写真感光体の製造方法において、表面に塗布液が塗布された被塗布体から落下する液を受けるための液受け部材を被塗布体と接触させず、かつ、被塗布体の真下に位置させたまま被塗布体と共に移動させることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。

請求項2

前記塗布工程が浸漬塗布であり、前記被塗布体を塗布液に浸漬するために下降させる際に、前記液受け部材が、下降する被塗布体に接触しないように、被塗布体の真下から真下以外の位置に移動させる第一の工程、被塗布体が上昇して塗布液から脱した後に、表面に塗布液が塗布された被塗布体から落下する塗布液を受けるために、液受け部材を、被塗布体の真下以外の位置から被塗布体の真下に移動させる第二の工程、を含むことを特徴とする請求項1記載の製造方法。

請求項3

前記液受け部材の液を受ける部分に不織布が敷かれていることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、電子写真感光体の製造方法に関する。

背景技術

0002

電子写真感光体は、支持体および該支持体上に形成された感光層を有するものが一般的である。また、支持体と感光層との間には導電層や中間層(下引き層)などが設けられる場合があり、また、感光層上には保護層などが設けられる場合もある。

0003

このような電子写真感光体を製造するにあたり、支持体上に感光層などの層を形成する方法としては、たとえば、浸漬塗布法ロールコーター法スプレー法静電塗装法が挙げられる。このうち浸漬塗布法は、被塗布体が、円筒状やシームレスベルト状などの立体形状を有する場合に有利な方法である。さらに、浸漬塗布法は、1つの塗布装置(浸漬塗布装置)で複数の被塗布体に対して同時に塗布が可能であるため、大量生産に広く使用されている。

0004

図1に、従来の製造装置の例を示す。円筒状の被塗布体1は、その上端把持手段2に把持され、これらを搬送手段3が搬送する。把持手段2は搬送手段3に付設されたアーム4に取り付けられており、アーム4が垂直方向上昇下降することにより把持手段2を垂直方向に上昇下降させる機構になっている。図1の製造装置において、被塗布体1は、搬送手段3に付設された把持手段2によって把持されたまま塗布装置5における塗布槽(不図示)中の塗布液に浸漬され、次いで引上げられることにより、表面に湿潤した塗膜が形成される。次に被塗布体1は、把持手段2に把持されたまま、下端部の余剰塗膜を除去する剥離装置6へ搬送される。この時に、湿潤した塗膜から塗布液が落下して、搬送経路の下部に塗布液が付着して汚染される。付着した塗布液は、自然乾燥した後に一部が剥離し空気中に浮遊して塗布液に混入したり、湿潤した塗膜に付着したりして、ブツと呼ばれる塗工欠陥の原因になる怖れがある。特に塗布槽近傍に付着した塗布液は、自然乾燥後に塗布液に再混入する可能性が高く、好ましくない。

0005

また、電子写真感光体の製造においては、近年特に多数の塗布槽を用いて、多数の被塗布体への同時塗布が行われているため、塗布液による汚染量が増加する傾向にある。

0006

被塗布体からの塗料落下を防ぐために、塗布後の剥離を効果的に行う方法が従来考えられてきた。塗布後の被塗布体下端部に拭取り部材を接触させる方法(例えば、特許文献1参照)、さらに、溶剤含浸した摺擦部材を被塗布体の下端部と相対的に回転摺擦させる方法(例えば、特許文献2参照)が開示されている。これらの方法では、剥離後の塗料落下汚染については防止可能であるが、塗布装置から剥離装置にかけたエリアにおける塗料落下汚染を防ぐことは出来ない。

0007

これに対応するため、例えば、塗布液の落下がおさまるまで被塗布体を塗布槽の真上に停止させて、落下する塗布液をそのまま塗布槽に戻す方法が従来とられてきた。しかし、この方法では、被塗布体が塗布槽の上で停止している間、次の塗布が開始できず、製造時間上のロスが大きい。更に、一度被塗布体に塗布された塗布液は溶媒気化し、固形分及び粘度が増加する。時間の経過した塗布液を多量に塗布槽に戻すと、塗布槽内の塗布液の組成が不均一になるため好ましくない。

0008

別の対策として、塗布液が落下するエリアにカバーを設け、定期的に交換する方法があげられる。しかし、電子写真感光体の製造においては、複数の被覆層を形成するために複数の塗布工程を繰り返し行うのが一般的であるため、上述したカバーは複数のエリアにわたって広範に設ける必要があり、さらに、塗工槽近傍のカバーの交換においては、カバーに付着した汚染物が剥離浮遊し塗布液に混入しないような注意が必要となり、交換作業負荷が大きい。

0009

一方、電子写真感光体の製造は、ホコリ、塵等のパーティクル忌避するためクリーンルーム内で行われるのが一般的である。また、これに加え、一度落下したパーティクルを付着させることにより再浮遊を防止する対策として、製造ラインの至る箇所に粘着性シートを敷く場合がある。この場合、粘着性シートの上に上述したような塗布液の落下が起こると、粘着性シートの粘着性が失われパーティクルの再浮遊防止の効果が期待できなくなる。

先行技術

0010

特許第3774247号公報
特開2003−131404号公報

発明が解決しようとする課題

0011

本発明の目的は、電子写真感光体の製造方法において、表面に塗布液が塗布された被塗布体から落下する液による製造ラインの汚染・弊害を防止する、メンテナンスの簡便な製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

本発明は、円筒形状の被塗布体の表面に被覆層形成用の塗布液の塗布工程を有する電子写真感光体の製造方法において、表面に塗布液が塗布された被塗布体から落下する液を受けるための液受け部材を被塗布体と接触させず、かつ、被塗布体の真下に位置させたまま被塗布体と共に移動させることを特徴とする電子写真感光体の製造方法である。

発明の効果

0013

本発明によれば、塗布液を塗布した被塗布体から落下する塗布液による製造ライン汚染がなく、かつ、メンテナンスの簡便な製造方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0014

従来の電子写真感光体製造装置の例を示す図である。
(a)、(b)、(c)は、本発明の製造方法に使用した装置の第一の例を示す図である。
(d)、(e)、(f)は本発明の製造方法に使用した装置の第一の例を示す図である。
(g)、(h)、(i)は本発明の製造方法に使用した装置の第一の例を示す図である。
(j)、(k)は本発明の製造方法に使用した装置の第一の例を示す図である。
(a)、(b)は、本発明の製造方法に使用した装置の第二の例を示す図である。
(c)、(d)は本発明の製造方法に使用した装置の第二の例を示す図である。
(e)、(f)は本発明の製造方法に使用した装置の第二の例を示す図である。
(g)、(h)は本発明の製造方法に使用した装置の第二の例を示す図である。
(i)、(j)は本発明の製造方法に使用した装置の第二の例を示す図である。
(k)、(l)は本発明の製造方法に使用した装置の第二の例を示す図である。
(m)、(n)は本発明の製造方法に使用した装置の第二の例を示す図である。
本発明の製造方法で製造された電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真感光体の概略構成の一例を示す図である。
本発明の電子写真感光体の製造方法に使用した液受け部材の形状の一例を示す図である。

0015

本発明の製造方法に用いる装置の一例を図2-1から2−4の(a)から(k)に示す。

0016

図2-1の(a)は、被塗布体1の上端を把持する把持手段2、被塗布体1から落下する塗布液を受けるための液受け部材7、及び、両者を水平方向(図2-1の(a)における左右方向)に搬送する搬送手段3の構成を示す。液受け部材7はスライド軸8に取り付けられており、水平方向に移動することが可能な機構になっている。液受け部材7は、液体を受けた後に外部に流下させないよう、図5に示すように、ある程度の容量の液体を保持可能な容器形状が好ましい。

0017

次に本装置を用いた製造方法について説明する。まず、図2-1の(b)〜(c)に示すように、把持手段2が搬送パレット9−1に載置された9本の被塗布体1(縦3列横3列に配列)の真上に位置するように搬送手段3が移動した後、搬送手段3が下降し、被塗布体1の上端を把持して上昇する。この時、液受け部材7は、下降上昇動作を行う把持手段2及び被塗布体1に接触しないように、両者の稼動範囲から外れた位置で待機している。
次に、把持された被塗布体1が塗布装置5における塗布槽の真上に位置するよう搬送手段3が移動する(図2-2の(d))。被覆層形成用の塗布装置5には不図示の9個の塗布槽が付設されており、各塗布槽には各々塗布液が充填されている。

0018

次に、被塗布体1は下降し(図2-2の(e))、塗布槽に浸漬された後引上げられることにより、表面に塗布液が塗布される。

0019

被塗布体1が引上げられたら、液受け部材7は被塗布体の真下の位置にスライド移動し、被塗布体1から落下する塗布液を受ける(図2-2の(f))。ここで被塗布体の真下とは、液受け部材7が9本全ての被塗布体1から落下する液をもれなく受けられる位置を指す。

0020

次に被塗布体1が剥離装置6の真上に位置するよう、搬送手段3が移動するが、その際、液受け部材7は被塗布体1の真下に位置したまま被塗布体1と共に搬送される(図2-3の(g))。

0021

次いで、液受け部材7は被塗布体1の真下以外の位置、すなわち被塗布体1が下降しても接触しない位置へスライド移動した後、被塗布体1は下降し(図2-3の(h))、剥離装置6において下端部の余剰塗膜が除去される。

0022

余剰塗膜の除去方法としては、塗膜を溶解し得る溶媒を被塗布体の下部に供給しつつゴムブレードブラシ等により摺擦する方法、溶媒に被塗布体の下部を浸漬する方法、などが挙げられる。余剰塗膜の除去が終了した被塗布体1は剥離装置から引上げられたら、液受け部材7が被塗布体1の真下にスライド移動し、被塗布体1から落下する溶媒を受ける(図2-3の(i))。

0023

次に、被塗布体1が搬送パレット9−2の真上に位置するよう搬送手段3が移動するが、この時、液受け部材7は被塗布体1の真下に位置したまま被塗布体1と共に搬送される(図2-4の(j))。

0024

次に液受け部材7は、被塗布体1が下降しても接触しない位置にスライド移動した後、被塗布体1は下降し、搬送パレット9−2に載置された後、把持手段2による把持が解除され、把持手段2は上昇する(図2-4の(k))。そして搬送パレット9−2に載置された被塗布体1は、不図示の乾燥炉に搬送される。

0025

本発明において、液受け部材が被塗布体の真下に位置し、被塗布体から落下する液を受けている際に、被塗布体を液受け部材に対して相対的に下降させて、被塗布体の下端部を液受け部材に接触させることにより、被塗布体に存在する余剰の液を液受け部材に移行させてもよい。また、液受け部材の液を受ける部分には、不織布を敷いてもよい。不織布上に液を落下させることにより、液の跳ね返りによる飛散を防止でき、更に、液は不織布内部に浸透するため、乾燥後に剥離し浮遊して塗工欠陥の原因となるリスクを抑えられる。不織布の交換は、搬送手段を塗布槽から充分離れ、かつ、作業スペースを充分確保できる位置に移動させたうえで行えるため、作業は簡便となる。

0026

本発明において適用される塗布方法としては、塗布液を用いるものであれば特に制限はないが、上述したような多数の被塗布体に対する浸漬塗布においては、落下する液量が多い点、塗布槽内の塗布液が露出している点から弊害を発生するリスクが高く、本発明の効果は最も大きい。

0027

次に本発明の製造方法を用いる装置の第二の例を挙げる。
図3-1の(a)は、把持手段、液受け部材、搬送手段の構成を示すものである。第一の例である図2-1の(a)との違いは、1個の搬送手段3に2個の把持手段2−1、2−2が2個のアーム4−1、4−2を介して付設されている点、各把持手段が各アームから着脱可能な点、塗布装置5及び剥離装置6の各々において被塗布体を把持した把持手段を載置して塗布及び下端部余剰塗膜除去を施すための載置手段が各々付設されている点である。この構成をとることで、例えば被覆層形成用の塗布装置5においては、被塗布体1−1を把持した把持手段2−1が塗布装置5における載置手段に載置された状態で、被塗布体1−1が塗布されている間、アーム4−1は把持手段2−1を離脱していることになる。そのために、搬送手段3は塗布装置の上で停止している必要がなく、その間に別の被塗布体の搬送を行うことが可能となり、搬送手段3を増やすことなく生産効率を向上することができる。

0028

次に図3-1から3−7の(b)から(n)の構成の装置を用いた製造方法について説明する。

0029

図3-1の(b)は連続的に感光体を製造している最中の状態を表わす図であり、塗布装置5及び剥離装置6においては、各々被塗布体を把持した把持手段(不図示)が各々の載置手段(不図示)に載置され、被塗布体の塗布、及び、下端部余剰塗膜の除去が行われている。

0030

図3-1の(b)において、把持手段2−1が下降し、次いで図3-2の(c)に示すように搬送パレット9−1に載置された9本の被塗布体1−1の上端を把持して上昇する。この時、液受け部材7は、把持手段2−1及び被塗布体1−1に接触しないように、両者の稼動範囲から外れた位置(アーム4−2の真下)で待機する。

0031

次に、アーム4−2が塗布装置5における塗布槽の真上に位置するように搬送手段3が移動すると共に、液受け部材7は被塗布体1−1の真下にスライド移動する(図3-2の(d))。

0032

そして、アーム4−2は下降し、浸漬塗布の終了した被塗布体1−2を把持した把持手段2−2を、塗布装置5に付設された不図示の載置手段から受取って上昇する(図3-3の(e))。

0033

次に、液受け部材7が被塗布体1−2の真下にスライド移動して、被塗布体1−2から落下する塗布液を受けた状態のまま、被塗布体1−1が塗布装置5の真上に位置するよう搬送手段3が移動する(図3-3の(f))。

0034

次に、被塗布体1−1を把持した把持手段2−1は下降し、塗布装置5に付設された不図示の載置手段に載置される。そしてアーム4−1は、把持手段2−1を離脱して上昇する(図3-4の(g))。

0035

塗布装置5において被塗布体1−1の塗布が行われている間に、アーム4−1が剥離装置6の真上に位置するよう、搬送手段3が移動する(図3-4の(h))。

0036

次にアーム4−1は、下端部余剰塗膜の除去が終了した被塗布体1−3を把持した把持手段2−3を剥離装置6における載置手段から受取り上昇する(図3-5の(i))。

0037

その後、液受け部材7は被塗布体1−3の真下にスライド移動して、被塗布体1−3から落下する溶媒を受ける(図3-5の(j))。

0038

次に、被塗布体1−2が剥離装置6の真上に位置するように搬送手段3が移動する(図3-6の(k))。そして、アーム4−2は把持手段2−2を下降させ、剥離装置6に付設された不図示の載置手段に載置して離脱した後、上昇する(図3-6の(l))。

0039

次に、被塗布体1−3が、搬送パレット9−2の真上に位置するよう搬送手段3が移動する(図3-7の(m))。

0040

そして把持手段2−3は下降し、搬送パレット9−2に被塗布体1−3を載置して離脱した後、上昇する(図3-7の(n))。次に把持手段2−3が搬送パレット9−1の真上に位置するよう搬送手段3が移動し、以降は上記の繰り返しを行うことで、感光体の連続生産が可能となる。

0041

上述したように、搬送手段が2個の把持手段を着脱可能に有する機構では、生産効率上のメリットがある。ただし、浸漬塗布の終了した被塗布体は、未塗布である他方の被塗布体が塗布装置に付設された載置手段に載置されるまでの間、塗布槽の近傍真上で塗布液を落下した状態で停止待機しなければならないが、本発明の製造方法によれば、液受け部材が真下にあるために、塗布槽近傍が汚染されることがない。本発明は、上記のような第二の例において、より効果の高い製造方法といえる。

0042

次に、本発明の塗布装置を用いた電子写真感光体の製造方法について説明する。

0043

電子写真感光体は、一般的に、支持体上に感光層を形成することによって製造される。感光層は、電荷輸送物質電荷発生物質を同一の層に含有する単層型感光層であってもよいし、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とに機能分離した積層型機能分離型)感光層であってもよい。電子写真特性の観点からは、感光層は、積層型感光層であることが好ましい。また、積層型感光層の中でも、支持体側から電荷発生層および電荷輸送層をこの順に積層してなるもの(順層型感光層)が好ましい。また、支持体と感光層との間には、後述の導電層や中間層を設けてもよいし、感光層上には、後述の保護層を設けてもよい。

0044

なお、上記「塗膜」とは、導電層であっても、中間層であっても、感光層(電荷発生層、電荷輸送層)であっても、保護層であってもよく、また、その他の層であってもよい。また、上記「被塗布体」とは、当該「塗膜」がその表面に形成されるものを意味する。たとえば、電子写真感光体が、支持体上に導電層、中間層、電荷発生層、電荷輸送層および保護層をこの順に形成してなる物である場合、当該「塗膜」が導電層であるときには「被塗布体」は支持体であり、当該「塗膜」が中間層であるときには「被塗布体」は支持体上に導電層を形成してなる物であり、当該「塗膜」が電荷発生層であるときには「被塗布体」は支持体上に導電層および中間層をこの順に形成してなる物であり、当該「塗膜」が電荷輸送層であるときには「被塗布体」は支持体上に導電層、中間層および電荷発生層をこの順に形成してなる物であり、当該「塗膜」が保護層であるときには「被塗布体」は支持体上に導電層、中間層、電荷発生層および電荷輸送層をこの順に形成してなる物である。

0045

本発明の製造装置は、「塗膜」が上記のどの層の場合であっても適用可能であり、複数の層に適用することも可能である。

0046

以下、積層型感光層を有する電子写真感光体を例に挙げてより詳細に述べる。

0047

支持体は、導電性を有しているもの(導電性支持体)であればよく、たとえば、アルミニウムアルミニウム合金、銅、亜鉛ステンレスバナジウムモリブデンクロムチタンニッケルインジウム、金、白金のような金属製(合金製)の支持体を用いることができる。また、これら金属(合金)を真空蒸着によって被膜形成した層を有する金属製支持体プラスチックポリエチレン樹脂ポリプロピレン樹脂ポリ塩化ビニル樹脂ポリエチレンテレフタレート樹脂アクリル樹脂)製支持体を用いることもできる。また、カーボンブラック酸化スズ粒子酸化チタン粒子銀粒子のような導電性粒子を適当な結着樹脂とともにプラスチックや紙に含浸した支持体や、導電性結着樹脂を有するプラスチック製の支持体を用いることもできる。

0048

また、支持体の形状としては、円筒形状、シームレスベルト形状(エンドレスベルト形状)が挙げられるが、円筒形状が好ましい。

0049

また、支持体の表面は、レーザー光などの散乱による干渉縞の防止などを目的として、切削処理粗面化処理アルマイト処理を施してもよい。

0050

支持体と感光層(電荷発生層、電荷輸送層)または後述の中間層との間には、レーザー光などの散乱による干渉縞の防止や、支持体の傷の被覆を目的とした導電層を設けてもよい。

0051

導電層は、カーボンブラック、金属粒子金属酸化物粒子のような導電性粒子を結着樹脂に分散させて形成することができる。

0052

導電層の膜厚は、1〜40μmであることが好ましく、特には2〜30μmであることがより好ましい。

0053

また、支持体または導電層と感光層(電荷発生層、電荷輸送層)との間には、バリア機能接着機能を有する中間層を設けてもよい。中間層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護などのために形成される。

0055

中間層の膜厚は0.05〜7μmであることが好ましく、特には0.1〜2μmであることがより好ましい。

0056

電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤とともに分散して得られる電荷発生層用塗布液を塗布し、これを、加熱および/または放射線照射などにより、乾燥および/または硬化させることによって形成することができる。分散方法としては、ホモジナイザー超音波分散機ボールミルサンドミルロールミル振動ミルアトライター、液衝突高速分散機を用いた方法が挙げられる。

0057

電荷発生物質としては、たとえば、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾのようなアゾ顔料や、金属フタロシアニン非金属フタロシアニンのようなフタロシアニン顔料や、インジゴチオインジゴのようなインジゴ顔料や、ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミドのようなペリレン顔料や、アンスラキノンピレンキノンのような多環キノン顔料や、スクワリリウム色素や、ピリリウム塩およびチアピリリウム塩や、トリフェニルメタン色素や、セレン、セレン−テルルアモルファスシリコンのような無機物質や、キナクリドン顔料や、アズレニウム塩顔料や、シアニン染料や、キサンテン色素や、キノンイミン色素や、スチリル色素や、硫化カドミウムや、酸化亜鉛が挙げられる。これら電荷発生物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。

0058

電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、たとえば、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、スチレンブタジエンコポリマー、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ベンザール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、メタクリル樹脂、ユリア樹脂、塩化ビニル酢酸ビニルコポリマー酢酸ビニル樹脂が挙げられる。特には、ブチラール樹脂が好ましい。これらは単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。

0059

電荷発生層中の結着樹脂の割合は、電荷発生層全質量に対して90質量%以下であることが好ましく、特には50質量%以下であることがより好ましい。

0060

電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤は、使用する結着樹脂や電荷発生物質の溶解性や分散安定性から選択されるが、有機溶剤としては、アルコールスルホキシドケトンエーテルエステル脂肪族ハロゲン化炭化水素芳香族化合物が挙げられる。

0061

電荷発生層の膜厚は0.001〜6μmであることが好ましく、特には0.01〜1μmであることがより好ましい。

0062

また、電荷発生層には、種々の増感剤酸化防止剤紫外線吸収剤可塑剤を必要に応じて添加することもできる。

0063

電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を溶剤に溶解させることによって得られる電荷輸送層用塗布液を塗布し、これを、加熱および/または放射線の照射などにより、乾燥および/または硬化させることによって形成することができる。

0064

電荷輸送物質としては、たとえば、トリアリールアミン化合物ヒドラゾン化合物スチリル化合物スチルベン化合物ピラゾリン化合物オキサゾール化合物チアゾール化合物トリアリールメタン化合物が挙げられる。これら電荷輸送物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。

0065

電荷輸送層中の電荷輸送物質の割合は、電荷輸送層全質量に対して20〜80質量%であることが好ましく、特には30〜70質量%であることがより好ましい。したがって、電荷輸送層用塗布液には、電荷輸送層形成後の電荷輸送物質の割合が上記範囲になるように電荷輸送物質を含有させることが好ましい。

0066

電荷輸送層に用いられる結着樹脂としては、たとえば、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ブチラール樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、メタクリル樹脂、ユリア樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂が挙げられる。特には、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂が好ましい。これらは単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。

0067

電荷輸送層用塗布液に用いられる溶剤としては、たとえば、モノクロロベンゼンジオキサントルエンキシレン、N−メチルピロリドンジクロロメタンテトラヒドロフランメチラールが挙げられる。

0068

また、電荷輸送層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤を必要に応じて添加することもできる。

0069

感光層上には、これを保護することを目的とした保護層を設けてもよい。保護層は、上述した各種結着樹脂を溶剤に溶解させることによって得られる保護層用塗布液を塗布し、これを、加熱および/または放射線の照射などにより、乾燥および/または硬化させることによって形成することができる。

0070

また、電子写真感光体の表面層には、潤滑剤を含有させてもよい。潤滑剤としては、たとえば、ケイ素原子フッ素原子を含むポリマーモノマーおよびオリゴマーが挙げられる。具体的には、N−(n−プロピル)−N−(β−アクリロキシエチル)−パーフルオロオクチスルホン酸アミド、N−(n−プロピル)−(β−メタクリロキシエチル)−パーフルオロオクチルスルホン酸アミド、パーフルオロオクタンスルホン酸、パーフルオロカプリル酸、N−n−プロピル−n−パーフルオロオクタンスルホン酸アミドエタノール、3−(2−パーフルオロヘキシルエトキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン、N−n−プロピル−N−2,3−ジヒドロキシプロピルパーフルオロオクチルスルホンアミドなどが挙げられる。また、ポリテトラフルオロエチレンポリクロロトリフルオロエチレンポリフッ化ビニリデンポリジクロロジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体のようなフッ素原子含有樹脂粒子も挙げられる。これらは単独または混合して1種または2種以上用いることができる。また、潤滑剤の数平均分子量は、3000〜5000000であることが好ましく、特には10000〜3000000であることが好ましい。潤滑剤が粒子である場合、その平均粒径は0.01〜10μmであることが好ましく、特には0.05〜2.0μmであることが好ましい。

0071

また、電子写真感光体の表面層には、抵抗調整剤を含有させてもよい。抵抗調整剤としては、たとえば、SnO2、ITO(酸化インジウムスズ)、カーボンブラック、銀粒子が挙げられる。また、これらに疎水化処理を施したものを用いてもよい。抵抗調整剤を添加した場合の表面層の抵抗は109〜1014Ω・cmであることが好ましい。

0072

なお、保護層を設ける場合は、保護層が電子写真感光体の表面層である。また、保護層を設けない場合であって感光層が順層型感光層の場合は、電荷輸送層が電子写真感光体の表面層である。また、保護層を設けない場合であって逆層型感光層の場合は、電荷発生層が電子写真感光体の表面層である。

0073

図4に、本発明の製造方法で製造された電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。

0074

図4において、101は円筒状の電子写真感光体であり、軸102を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。

0075

回転駆動される電子写真感光体101の表面は、帯電手段(一次帯電手段:帯電ローラーなど)103により、正または負の所定電位に均一に帯電される。次いで、電子写真感光体101の表面は、スリット露光レーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される露光光画像露光光)104を受ける。こうして電子写真感光体101の表面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。

0076

電子写真感光体101の表面に形成された静電潜像は、現像手段105の現像剤に含まれるトナーにより現像されてトナー像となる。次いで、電子写真感光体101の表面に形成担持されているトナー像が、転写手段(転写ローラーなど)106からの転写バイアスによって、転写材(紙など)Pに順次転写されていく。なお、転写材Pは、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体101と転写手段106との間(当接部)に電子写真感光体101の回転と同期して取り出されて給送されてくる。

0077

トナー像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体101の表面から分離されて定着手段108へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物プリントコピー)として装置外プリントアウトされる。

0078

トナー像転写後の電子写真感光体101の表面は、クリーニング手段(クリーニングプレードなど)107によって転写残りの現像剤(トナー)の除去を受けて清浄面化される。さらに、電子写真感光体101の表面は、前露光手段(不図示)からの前露光光(不図示)により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、図4に示すように、帯電手段103が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。

0079

上述の電子写真感光体101、帯電手段103、現像手段105、転写手段106およびクリーニング手段107などの構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機レーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図4では、電子写真感光体101と、帯電手段103、現像手段105およびクリーニング手段107とを一体に支持してカートリッジ化して,電子写真装置本体のレールなどの案内手段110を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ109としている。

0080

以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。また、以下の実施例および比較例は、いずれも連続的に計1800本の電子写真感光体を作製した例である。

0081

(実施例1)
直径30mm、長さ254mmのアルミニウムシリンダーを支持体とした。
次に、酸化スズコート処理酸化チタン10部、酸化チタン10部、フェノール樹脂10部、シリコーンオイル0.001部、メタノール15部および1−メトキシ2−プロパノール15部をサンドミル装置で3時間分散処理して、導電層用塗布液を調製した。
次に、図3-1から3−7の(a)から(n)に示す構成を有する製造装置を用いて、この導電層用塗布液を支持体に浸漬塗布し、これを30分間140℃で乾燥・硬化させることによって、膜厚が15μmの導電層を形成した。

0082

次に、ポリアミド樹脂(商品名:M−4000、東レ(株)製)10部を、メタノール100部/ブチルアルコール90部の混合溶剤に溶解させることによって、8mPa・sの粘度を有する中間層用塗布液を調製した。
この中間層用塗布液を、導電層形成に使用した装置と同様の塗布装置を用いて導電層上に浸漬塗布し、これを10分間90℃で乾燥させることによって、膜厚が0.6μmの中間層を形成した。

0083

次に、CuKαのX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°および28.1°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)9部およびポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学(株)製)3部をシクロへキサノン100部/酢酸エチル100部の混合溶剤に溶解させることによって得られた混合液を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で3時間分散処理した。これに100部の酢酸エチルを加えて希釈した後、回収して、1mPa・sの粘度を有する電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を、導電層形成に使用した装置と同様の塗布装置を用いて中間層上に浸漬塗布し、これを15分間80℃で乾燥させることによって、膜厚が0.15μmの電荷発生層を形成した。

0084

次に、下記構造式で示されるスチリル化合物(電荷輸送物質)10部、



および、ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ−400、三菱ガス化学(株)製)10部を、モノクロロベンゼン70部/メチラール50部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。

0085

この電荷輸送層用塗布液を導電層形成に使用した装置と同様の塗布装置を用いて電荷発生層上に浸漬塗布し、これを60分間120℃で乾燥させることによって、電荷輸送層を形成した。以上の方法を連続して行い、4層の塗布層を有する、合計1800本の電子写真感光体を連続的に製造した。

0086

評価
このようにして作製した1800本の電子写真感光体について、塗工欠陥であるブツの有無を目視にて評価した。ブツ発生率は、感光体に複数のブツを有する場合、ブツ発生がある感光体1本としてカウントし、作製した1800本の電子写真感光体に対するブツを有する電子写真感光体の本数の割合をパーセントで示した。得られた結果を表1に示す。

0087

(比較例1)
図3-1から3−7における(a)から(n)における搬送手段から液受け部材を取り外した以外は全て実施例1と同様にして1800本の電子写真感光体を連続製造した。目視評価の結果を表1に示す。

0088

(実施例2)
ポリテトラフルオロエチレン樹脂微粉末乳化重合ファインパウダー、平均粒径0.27μm、分子量約300000)3部、ポリカーボネート樹脂(分子量80000)5.5部、モノクロロベンゼン120部、メチラール80部をサンドミルにて分散混合した。これに、下記構造式で示されるトリフェニルアミン2.5重量部を加え混合溶解して保護層用塗布液を得た。



次に実施例1と同じ方法で得られた電子写真感光体1800本の電荷輸送層上に、上記保護層用塗布液を塗布し、6μmの保護層を設けて実施例2の電子写真感光体とした。ここで、保護層を塗布する装置としては、図3-1から3−7の(a)から(n)において塗布装置を1度に1本づつ塗布するスプレー塗布装置とし、各把持手段は被塗布体を1本のみ把持する構成とし、更に剥離装置も1度に1本づつ処理する構成とした以外は、全て実施例1における導電層の塗布と同様の方法で、保護層を塗布した。目視評価の結果を表1に示す。

0089

(比較例2)
保護層の塗布において、液受け部材を取り外した以外は全て実施例2と同様の方法で保護層を塗布し、1800本の電子写真感光体を得た。目視評価の結果を表1に示す。

0090

(実施例3)
実施例1において、液受け部材の液受け部分全てに不織布を敷いた以外は、全て実施例1と同じ方法にて電子写真感光体を製造した。目視評価の結果を表1に示す。

0091

上より、本発明の塗布装置を用いた場合(実施例1〜3)は、ブツの少ない塗膜を得ることができたことがわかる。

実施例

0092

0093

1被塗布体
1−1 被塗布体
1−2 被塗布体
1−3 被塗布体
2把持手段
2−1 把持手段
2−2 把持手段
2−3 把持手段
3 搬送手段
4アーム
4−1 アーム
4−2 アーム
5塗布装置
6剥離装置
7液受け部材
9−1搬送パレット(供給側)
9−2 搬送パレット(排出側)

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