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技術 脳機能の低下に起因する症状あるいは疾患の予防又は改善作用を有する組成物

出願人 サントリーホールディングス株式会社
発明者 秋元健吾河島洋小野佳子岡市廣成岡市洋子
出願日 2011年10月19日 (8年4ヶ月経過) 出願番号 2011-230136
公開日 2012年2月23日 (7年11ヶ月経過) 公開番号 2012-036214
状態 特許登録済
技術分野 非アルコール性飲料 食品の着色及び栄養改善 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 動物,微生物物質含有医薬 化合物または医薬の治療活性 非環式または炭素環式化合物含有医薬
主要キーワード 標本標準偏差 母平均 即時記憶 次近似曲線 高圧噴霧 視覚入力 認知処理 痴呆性老人
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

脳機能の低下に起因する症状あるいは疾患の予防又は改善作用を有する組成物を提供すること。

解決手段

組成物にアラキドン酸および/又はアラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物、特にアラキドン酸のアルコールエステル、構成脂肪酸の一部もしくは全部がアラキドン酸であるトリグリセリドリン脂質又は糖脂質を有効成分として含有させる。

概要

背景

近年、医療の進歩に伴って急激な高齢化社会に向かっている。それに伴って老人性痴呆者数も増加している。「平成12年度版厚生白書」並びに「痴呆性老人対策検討報告書」によれば、2000年度痴呆老人は150〜160万人であり、65以上の痴呆患者は14人に1人に達している。そして、2030年には10人に1人と着実患者数が増加すると予想されている。老人性痴呆は、進行すると知的機能感情障害が起こり、日常生活社会生活に支障をきたす。老人性痴呆患者の原因別では、脳血管性痴呆アルツハイマー型痴呆、それらの混合型に別れ、これら脳疾患治療に有効な薬剤脳循環・代謝改善薬抗痴呆薬)の研究・開発が進められているが、残念ながら、有効な治療薬がないのが現状である。

人は歳を重ねるにつれて、脳梗塞がある程度発症するが、痴呆の発症は例えば頭を使うことによって予防することが可能である。このことから、治療のみならず予防を目指した薬剤の開発も十分、可能と考えられる。しかしながら、乳幼児から老人まで手軽に飲用でき、かつ安全であり、脳機能の低下を抑制し、脳機能の低下に起因する症状あるいは疾患を予防し、さらに改善効果を有する薬剤は、これまでのところほとんど開発されていない。

従来から、研究されている脳機能を改善する方法は、脳細胞に栄養を効率良く吸収させて、細胞の働きを活性化する脳エネルギーの代謝を改善する方法(例えば脳内グルコースの上昇など)、脳血行を良くして脳細胞に必要な栄養や酸素を十分に供給しようとする脳循環を改善する方法(例えば、脳血流の増加)、さらに、神経伝達物質を介してシナプス間隙で行われる神経伝達を活性化させる方法(神経伝達物質の前駆体の供給(例えば、コリンアセチルCoA補給など)、放出された神経伝達物の変換の阻害(例えば、アセチルコリンエステラーゼ阻害など)、神経伝達物質放出の増加(例えば、アセチルコリングルタミン酸の放出増加など)、神経伝達物質受容体の活性化など)、また、神経細胞膜の保護(例えば、抗酸化、膜成分の補給、動脈硬化の予防など)などが検討されている。

このように過去の研究において、脳機能の低下に起因する症状あるいは疾患を予防し、さらに改善効果を有する成分が見いだされているが、現状ではその効果は疑わしく、医薬品においても有効な薬剤が見いだされていない。しかも、食品への適用を考えた場合、天然物由来の成分に限定されるという困難さを有していた。

脳は脂質の塊のような組織であって、例えば、白質においては1/3が、灰白質においては1/4がリン脂質で占められている。脳細胞の各種細胞膜を構成しているリン脂質中高度不飽和脂肪酸は、アラキドン酸ドコサヘキサエン酸が主である。しかし、これらアラキドン酸とドコサヘキサエン酸は動物体内ではde novo合成できず、直接的あるいは間接的(アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸の前駆体となるリノール酸、α-リノレン酸)に食事から摂取する必要がある。

そこで、ドコサヘキサエン酸の学習記憶能力の向上、老人性痴呆症の予防、回復が注目されている。しかし、脳のリン脂質の主要な脂肪酸はドコサヘキサエン酸だけでなく、アラキドン酸も同程度の含有率を占める重要な脂肪酸である。Sonderdegrらは海馬リン脂質中に占めるアラキドン酸の割合が正常な人の12.4質量%に対して、アルツハイマー患者は8.1質量%に有意に減少することを明らかにしている(Lipids26, 421-425 (1991))。このようにアラキドン酸が脳の機能維持に重要な役割をはたす可能性を示唆するものの、アラキドン酸の十分な供給源がなかったことから、具体的な実証がなされていなかった。

脳の機能維持にアラキドン酸を利用する発明がいくつか示されている。特開平6-256179号公報記載の「学習能向上剤」は、1,2-ジアシル-sn-グリセロール誘導体を有効成分とする発明であって、2位に結合する種々の高度不飽和脂肪酸が羅列されており、その中のひとつとしてアラキドン酸が示されている。しかし、実施例において具体的に示されているのはドコサヘキサエン酸が結合した1,2-ジアシル-sn-グリセロール誘導体のみであって、アラキドン酸は単に羅列されているに過ぎず、その効果は全く実証されていない。

特開平10-101568号公報記載の「脳機能改善及び栄養組成物」においては、新規脳機能改善剤及びそれを含有する栄養組成物を提供する手段としてガングリオシドとアラキドン酸の組み合わせが示されている。しかしながら、自然老化ラットでの実験試験例として示しているものの、試験月齢はわずか13ヶ月齢であって、人間で33歳に相当(ラットの1日は人間では1ヶ月に相当する)する年齢にしか達しておらず、老化モデルの試験とはいえない。また、脳リン脂質中に占めるアラキドン酸の割合あるいはアラキドン酸の量は、この月齢では一般に変化を示さず、また、加齢に起因する脳機能の低下は認められない月齢であることから、アラキドン酸の効果は起こりえないと考えるのが一般的である。実際に試験例ではアラキドン酸単独の効果は評価されておらず、ガングリオシドの効果をアラキドン酸が高めることを示しているに過ぎない。

特開平6-279311号公報記載の「プロテインキナーゼCアイソザイム活性化剤」においては、細胞内情報伝達で重要な役割を果たすプロテインキナーゼCを活性化し、それに伴う効果として老人性痴呆症治療薬を示している。しかし、活性成分は高度不飽和脂肪酸を構成脂肪酸とするホスファチジルセリン誘導体であり、その高度不飽和脂肪酸のひとつがアラキドン酸である。しかし、実施例において、アラキドン酸の効果はリノール酸、α-リノレン酸が結合したホスファチジルセリン誘導体と活性に大差なく、アラキドン酸を構成脂肪酸とするホスファチジルセリン誘導体の優位性がなく、アラキドン酸の効果は実証されていない。

また、評価は単なる酵素活性の測定によるものであって、脳機能の低下に起因する症状あるいは疾患の予防又は改善効果は何ら明らかにされていない。このように、脳の機能維持にアラキドン酸を利用する発明がいくつか示されているものの、アラキドン酸およびアラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物が十分な供給量で存在しなかったことから、動物実験などで真の効果を明らかにすることができず、脂肪酸のひとつとしてアラキドン酸を単に記載したに過ぎず、実態は真なる発明とはいえないものであった。

脳の器質的病変に伴う病的な記憶障害で、短期および長期の記憶障害は痴呆の中核をなす症状である。しかし、記憶障害を別の言葉で言い表した物忘れは老年者にもっとも多く認められる訴えのひとつであり、生理的な加齢に伴って、人の学習・記憶力が低下することは各種の研究で指摘されている(Katzman, R. and Terry, R., The Neurology of Aging, F.A. Davis, Philadelphia, pp.15-50)。

記憶をそれが形成される時間的経過から見ると、感覚記憶(sensory memory)、1次記憶(primary memory)および2次記憶(secondary memory)に分類される。1次記憶は即時記憶(immediate memory)、2次記憶は長期記憶(long-term memory)と呼ばれることもある。短期記憶(short-term memory)は1次記憶をさす場合と2次記憶にもまたがった学習能力をさす場合がある。感覚記憶は50ミリ秒程度持続する視覚入力があると形成されるが、きわめて不安定でわずか250〜500ミリ秒に内に消失してしまう。1次記憶は情報が認知処理される間常に意識されながら保持され、作業記憶(working memory)としての役割を有する。

1次記憶として処理を受けた情報は2次記憶へと転送され長期間保持された後、再び1次記憶を経て回想される。1次記憶の容量はわずかで、繰り返し想起し直されない限り20〜30秒で消失する。2次記憶は1次記憶で処理された情報の転送(transfer)と統合強化(consolidation)、その半永久的な貯蔵(storage)、さらにそれの再生(retrieval)の各段階よりなる。この2次記憶が加齢に伴っていちじるしく障害される。この2次記憶の低下は主として記憶の貯蔵までの段階の障害によるもので、若いから貯蔵されていた記憶の再生能力に関して、ほとんど衰えは認められない。ただし、痴呆患者はこの記憶をも常に侵される。

電気生理的解析としてアラキドン酸の効果がひとつ明らかとなっている。脳海馬に高頻度刺激を与えるとシナプス興奮し、その後のシナプス応答が高く持続する現象が知られている。これを海馬LTP(長期増強)と言って、シナプス可塑性のもととなっている現象で、脳機能評価のひとつの指標となっている。BM McGahonらは、22ヶ月齢の老齢ラット対照飼料あるいはアラキドン酸配合飼料(10mg/ラット/日)で8週間飼育してラット海馬のLTPを測定している(Neurobiol Aging 20, 643 (1999))。4ヶ月齢の若齢ラットと比較して老齢ラットの海馬LTPは明らかに低下し、アラキドン酸投与により若齢ラットのレベルまで回復することを示している。

しかし、海馬LTPの増強は、記憶のメカニズムから言うと、1次記憶の活性化を示すものであって、記憶の固定に必要な1次記憶から2次記憶への移行の活性化ではない。したがって、記憶の固定は行動薬理試験で明らかにしない限り、効果を実証することはできない。このようにアラキドン酸の効果を電気生理的な指標で評価した例が示されているものの、本発明の脳機能の低下に起因する症状あるいは疾患の予防又は改善にアラキドン酸及び/又はアラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物が有効かどうかは明らかにされていない。

したがって、脳機能の低下に起因する症状あるいは疾患を予防し、さらに改善効果を示し、医薬品、さらには食品への適用に優れたより安全な化合物の開発が強く望まれている。

概要

脳機能の低下に起因する症状あるいは疾患の予防又は改善作用を有する組成物を提供すること。組成物にアラキドン酸および/又はアラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物、特にアラキドン酸のアルコールエステル、構成脂肪酸の一部もしくは全部がアラキドン酸であるトリグリセリド、リン脂質又は糖脂質を有効成分として含有させる。

目的

特開平10-101568号公報記載の「脳機能改善及び栄養組成物」においては、新規な脳機能改善剤及びそれを含有する栄養組成物を提供する

効果

実績

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請求項1

アラキドン酸及び/又はアラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物を含んで成る、脳機能の低下に起因する症状あるいは疾患の予防又は改善作用を有する組成物

請求項2

アラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物が、アラキドン酸のアルコールエステル又は構成脂肪酸の一部もしくは全部がアラキドン酸である、トリグリセリドリン脂質もしくは糖脂質である請求項1に記載の組成物。

請求項3

構成脂肪酸の一部又は全部がアラキドン酸であるトリグリセリドが、1,3-位に中鎖脂肪酸が、2-位にアラキドン酸が結合したトリグリセリドである請求項2に記載の組成物。

請求項4

中鎖脂肪酸が、炭素数6〜12個を有する脂肪酸から選ばれたものである請求項3に記載の組成物。

請求項5

構成脂肪酸の一部又は全部がアラキドン酸であるトリグリセリドを含有するトリグリセリドを含んで成る、脳機能の低下に起因する症状あるいは疾患の予防又は改善作用を有する組成物。

請求項6

構成脂肪酸の一部又は全部がアラキドン酸であるトリグリセリドを含有するトリグリセリドの、アラキドン酸の割合が、トリグリセリドを構成する全脂肪酸に対して10質量%以上であることを特徴とする、請求項5に記載の組成物。

請求項7

構成脂肪酸の一部又は全部がアラキドン酸であるトリグリセリドを含有するトリグリセリドが、モルティエレラ(Mortierella)属に属する微生物から抽出したものである請求項5又は6に記載の組成物。

請求項8

構成脂肪酸の一部又は全部がアラキドン酸であるトリグリセリドを含有するトリグリセリドが、エイコサペンタエン酸をほとんど含まないトリグリセリドである請求項5〜7のいずれかに記載の組成物。

請求項9

1,3-位に中鎖脂肪酸が、2-位にアラキドン酸が結合したトリグリセリドを5モル%以上含有するトリグリセリドを含んで成る、脳機能の低下に起因する症状あるいは疾患の予防又は改善作用を有する組成物。

請求項10

中鎖脂肪酸が、炭素数6〜12個を有する脂肪酸から選ばれたものである請求項9に記載の組成物。

請求項11

脳機能の低下に起因する症状が記憶・学習能力の低下である、請求項1〜10のいずれかに記載の組成物。

請求項12

脳機能の低下に起因する症状が認知能力の低下である、請求項1〜10のいずれかに記載の組成物。

請求項13

脳機能の低下に起因する症状が感情障害又は知的障害である、請求項1〜10のいずれかに記載の組成物。

請求項14

脳機能の低下に起因する疾患がうつ病又は痴呆である、請求項1〜10のいずれかに記載の組成物。

請求項15

痴呆がアルツハイマー型痴呆又は脳血管性痴呆である、請求項14に記載の組成物。

請求項16

組成物が、食品組成物又は医薬組成物である請求項1〜15のいずれかに記載の組成物。

請求項17

成人日当たりの摂取量がアラキドン酸量換算して0.001〜20gとなるように、アラキドン酸及び/又はアラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物を含んで成る食品組成物。

請求項18

アラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物が、アラキドン酸のアルコールエステル又は構成脂肪酸の一部もしくは全部がアラキドン酸である、トリグリセリド、リン脂質もしくは糖脂質である請求項17に記載の食品組成物。

請求項19

構成脂肪酸の一部又は全部がアラキドン酸であるトリグリセリドが、1,3-位に中鎖脂肪酸が、2-位にアラキドン酸が結合したトリグリセリドである請求項18に記載の食品組成物。

請求項20

中鎖脂肪酸が、炭素数6〜12個を有する脂肪酸から選ばれたものである請求項19に記載の食品組成物。

請求項21

組成物が1,3-位に中鎖脂肪酸が、2-位にアラキドン酸が結合したトリグリセリドを0.001質量%以上含有することを特徴とする食品組成物。

請求項22

中鎖脂肪酸が、炭素数6〜12個を有する脂肪酸から選ばれたものであることを特徴とする請求項21に記載の食品組成物。

請求項23

食品組成物が、機能性食品栄養補助食品特定保健用食品又は老人食品であることを特徴とする請求項16〜22のいずれかに記載の組成物。

請求項24

さらにドコサヘキサエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸を構成脂肪酸とする化合物を含んで成る、請求項1〜23のいずれかに記載の組成物。

請求項25

ドコサヘキサエン酸を構成脂肪酸とする化合物が、ドコサヘキサエン酸のアルコールエステル又は構成脂肪酸の一部もしくは全部がドコサヘキサエン酸である、トリグリセリド、リン脂質もしくは糖脂質である請求項24に記載の組成物。

請求項26

上記アラキドン酸とドコサヘキサエン酸の組み合わせにおいて、アラキドン酸/ドコサヘキサエン酸比(質量)が0.1〜15の範囲にあることを特徴とする請求項24又は25に記載の組成物。

請求項27

さらに、組成物中のアラキドン酸に対して、組成物中のエイコサペンタエン酸が、5分の1を超えない量であることを特徴とする請求項1〜26のいずれかに記載の組成物。

請求項28

脳機能の低下に起因する症状あるいは疾患の予防又は改善作用を有する食品組成物の製造法であって、アラキドン酸及び/又はアラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物を単独で、あるいはアラキドン酸を実質的に含有しない、あるいは含有していても僅かな量である飲食品原料とともに配合することを特徴とする食品組成物の製造方法。

請求項29

アラキドン酸及び/又はアラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物を含んで成る脳機能の低下に起因する症状あるいは疾患の予防又は改善作用を有する食品組成物の販売方法であって、該食品組成物及び/又は該食品組成物中の成分が脳機能の低下に起因する症状あるいは疾患の予防又は改善作用を有することを表示した包装用容器及び/又は販売促進用ツールを用いて販売することを特徴とする脳機能の低下に起因する症状あるいは疾患の予防又は改善作用を有する食品組成物の販売方法。

請求項30

アラキドン酸及び/又はアラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物を含んで成る食品組成物であって、該食品組成物及び/又は該食品組成物中の成分が脳機能の低下に起因する症状あるいは疾患の予防又は改善作用を有することを、該食品組成物の包装用容器及び/又は販売促進用ツールに表示して販売することを特徴とする脳機能の低下に起因する症状あるいは疾患の予防又は改善作用を有する食品組成物。

技術分野

0001

本発明は、アラキドン酸及び/又はアラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物を有効成分とする、脳機能の低下に起因する症状あるいは疾患の予防又は改善作用を有する組成物及びその製造方法に関するものである。より詳細には、アラキドン酸、アラキドン酸のアルコールエステル並びに構成脂肪酸の一部又は全部がアラキドン酸であるトリグリセリドリン脂質及び糖脂質の群から選ばれた少なくとも1種を有効成分とする記憶・学習能力の低下、認知能力の低下、感情障害(たとえば、うつ病)、知的障害(たとえば、痴呆、具体的にアルツハイマー型痴呆脳血管性痴呆)の予防又は改善剤、さらには予防又は改善作用を有する組成物及びその製造方法に関するものである。

背景技術

0002

近年、医療の進歩に伴って急激な高齢化社会に向かっている。それに伴って老人性痴呆者数も増加している。「平成12年度版厚生白書」並びに「痴呆性老人対策検討報告書」によれば、2000年度の痴呆老人は150〜160万人であり、65以上の痴呆患者は14人に1人に達している。そして、2030年には10人に1人と着実患者数が増加すると予想されている。老人性痴呆は、進行すると知的機能感情障害が起こり、日常生活社会生活に支障をきたす。老人性痴呆患者の原因別では、脳血管性痴呆、アルツハイマー型痴呆、それらの混合型に別れ、これら脳疾患治療に有効な薬剤脳循環・代謝改善薬抗痴呆薬)の研究・開発が進められているが、残念ながら、有効な治療薬がないのが現状である。

0003

人は歳を重ねるにつれて、脳梗塞がある程度発症するが、痴呆の発症は例えば頭を使うことによって予防することが可能である。このことから、治療のみならず予防を目指した薬剤の開発も十分、可能と考えられる。しかしながら、乳幼児から老人まで手軽に飲用でき、かつ安全であり、脳機能の低下を抑制し、脳機能の低下に起因する症状あるいは疾患を予防し、さらに改善効果を有する薬剤は、これまでのところほとんど開発されていない。

0004

従来から、研究されている脳機能を改善する方法は、脳細胞に栄養を効率良く吸収させて、細胞の働きを活性化する脳エネルギーの代謝を改善する方法(例えば脳内グルコースの上昇など)、脳血行を良くして脳細胞に必要な栄養や酸素を十分に供給しようとする脳循環を改善する方法(例えば、脳血流の増加)、さらに、神経伝達物質を介してシナプス間隙で行われる神経伝達を活性化させる方法(神経伝達物質の前駆体の供給(例えば、コリンアセチルCoA補給など)、放出された神経伝達物の変換の阻害(例えば、アセチルコリンエステラーゼ阻害など)、神経伝達物質放出の増加(例えば、アセチルコリングルタミン酸の放出増加など)、神経伝達物質受容体の活性化など)、また、神経細胞膜の保護(例えば、抗酸化、膜成分の補給、動脈硬化の予防など)などが検討されている。

0005

このように過去の研究において、脳機能の低下に起因する症状あるいは疾患を予防し、さらに改善効果を有する成分が見いだされているが、現状ではその効果は疑わしく、医薬品においても有効な薬剤が見いだされていない。しかも、食品への適用を考えた場合、天然物由来の成分に限定されるという困難さを有していた。

0006

脳は脂質の塊のような組織であって、例えば、白質においては1/3が、灰白質においては1/4がリン脂質で占められている。脳細胞の各種細胞膜を構成しているリン脂質中高度不飽和脂肪酸は、アラキドン酸とドコサヘキサエン酸が主である。しかし、これらアラキドン酸とドコサヘキサエン酸は動物体内ではde novo合成できず、直接的あるいは間接的(アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸の前駆体となるリノール酸、α-リノレン酸)に食事から摂取する必要がある。

0007

そこで、ドコサヘキサエン酸の学習記憶能力の向上、老人性痴呆症の予防、回復が注目されている。しかし、脳のリン脂質の主要な脂肪酸はドコサヘキサエン酸だけでなく、アラキドン酸も同程度の含有率を占める重要な脂肪酸である。Sonderdegrらは海馬リン脂質中に占めるアラキドン酸の割合が正常な人の12.4質量%に対して、アルツハイマー患者は8.1質量%に有意に減少することを明らかにしている(Lipids26, 421-425 (1991))。このようにアラキドン酸が脳の機能維持に重要な役割をはたす可能性を示唆するものの、アラキドン酸の十分な供給源がなかったことから、具体的な実証がなされていなかった。

0008

脳の機能維持にアラキドン酸を利用する発明がいくつか示されている。特開平6-256179号公報記載の「学習能向上剤」は、1,2-ジアシル-sn-グリセロール誘導体を有効成分とする発明であって、2位に結合する種々の高度不飽和脂肪酸が羅列されており、その中のひとつとしてアラキドン酸が示されている。しかし、実施例において具体的に示されているのはドコサヘキサエン酸が結合した1,2-ジアシル-sn-グリセロール誘導体のみであって、アラキドン酸は単に羅列されているに過ぎず、その効果は全く実証されていない。

0009

特開平10-101568号公報記載の「脳機能改善及び栄養組成物」においては、新規脳機能改善剤及びそれを含有する栄養組成物を提供する手段としてガングリオシドとアラキドン酸の組み合わせが示されている。しかしながら、自然老化ラットでの実験試験例として示しているものの、試験月齢はわずか13ヶ月齢であって、人間で33歳に相当(ラットの1日は人間では1ヶ月に相当する)する年齢にしか達しておらず、老化モデルの試験とはいえない。また、脳リン脂質中に占めるアラキドン酸の割合あるいはアラキドン酸の量は、この月齢では一般に変化を示さず、また、加齢に起因する脳機能の低下は認められない月齢であることから、アラキドン酸の効果は起こりえないと考えるのが一般的である。実際に試験例ではアラキドン酸単独の効果は評価されておらず、ガングリオシドの効果をアラキドン酸が高めることを示しているに過ぎない。

0010

特開平6-279311号公報記載の「プロテインキナーゼCアイソザイム活性化剤」においては、細胞内情報伝達で重要な役割を果たすプロテインキナーゼCを活性化し、それに伴う効果として老人性痴呆症治療薬を示している。しかし、活性成分は高度不飽和脂肪酸を構成脂肪酸とするホスファチジルセリン誘導体であり、その高度不飽和脂肪酸のひとつがアラキドン酸である。しかし、実施例において、アラキドン酸の効果はリノール酸、α-リノレン酸が結合したホスファチジルセリン誘導体と活性に大差なく、アラキドン酸を構成脂肪酸とするホスファチジルセリン誘導体の優位性がなく、アラキドン酸の効果は実証されていない。

0011

また、評価は単なる酵素活性の測定によるものであって、脳機能の低下に起因する症状あるいは疾患の予防又は改善効果は何ら明らかにされていない。このように、脳の機能維持にアラキドン酸を利用する発明がいくつか示されているものの、アラキドン酸およびアラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物が十分な供給量で存在しなかったことから、動物実験などで真の効果を明らかにすることができず、脂肪酸のひとつとしてアラキドン酸を単に記載したに過ぎず、実態は真なる発明とはいえないものであった。

0012

脳の器質的病変に伴う病的な記憶障害で、短期および長期の記憶障害は痴呆の中核をなす症状である。しかし、記憶障害を別の言葉で言い表した物忘れは老年者にもっとも多く認められる訴えのひとつであり、生理的な加齢に伴って、人の学習・記憶力が低下することは各種の研究で指摘されている(Katzman, R. and Terry, R., The Neurology of Aging, F.A. Davis, Philadelphia, pp.15-50)。

0013

記憶をそれが形成される時間的経過から見ると、感覚記憶(sensory memory)、1次記憶(primary memory)および2次記憶(secondary memory)に分類される。1次記憶は即時記憶(immediate memory)、2次記憶は長期記憶(long-term memory)と呼ばれることもある。短期記憶(short-term memory)は1次記憶をさす場合と2次記憶にもまたがった学習能力をさす場合がある。感覚記憶は50ミリ秒程度持続する視覚入力があると形成されるが、きわめて不安定でわずか250〜500ミリ秒に内に消失してしまう。1次記憶は情報が認知処理される間常に意識されながら保持され、作業記憶(working memory)としての役割を有する。

0014

1次記憶として処理を受けた情報は2次記憶へと転送され長期間保持された後、再び1次記憶を経て回想される。1次記憶の容量はわずかで、繰り返し想起し直されない限り20〜30秒で消失する。2次記憶は1次記憶で処理された情報の転送(transfer)と統合強化(consolidation)、その半永久的な貯蔵(storage)、さらにそれの再生(retrieval)の各段階よりなる。この2次記憶が加齢に伴っていちじるしく障害される。この2次記憶の低下は主として記憶の貯蔵までの段階の障害によるもので、若いから貯蔵されていた記憶の再生能力に関して、ほとんど衰えは認められない。ただし、痴呆患者はこの記憶をも常に侵される。

0015

電気生理的解析としてアラキドン酸の効果がひとつ明らかとなっている。脳海馬に高頻度刺激を与えるとシナプス興奮し、その後のシナプス応答が高く持続する現象が知られている。これを海馬LTP(長期増強)と言って、シナプス可塑性のもととなっている現象で、脳機能評価のひとつの指標となっている。BM McGahonらは、22ヶ月齢の老齢ラット対照飼料あるいはアラキドン酸配合飼料(10mg/ラット/日)で8週間飼育してラット海馬のLTPを測定している(Neurobiol Aging 20, 643 (1999))。4ヶ月齢の若齢ラットと比較して老齢ラットの海馬LTPは明らかに低下し、アラキドン酸投与により若齢ラットのレベルまで回復することを示している。

0016

しかし、海馬LTPの増強は、記憶のメカニズムから言うと、1次記憶の活性化を示すものであって、記憶の固定に必要な1次記憶から2次記憶への移行の活性化ではない。したがって、記憶の固定は行動薬理試験で明らかにしない限り、効果を実証することはできない。このようにアラキドン酸の効果を電気生理的な指標で評価した例が示されているものの、本発明の脳機能の低下に起因する症状あるいは疾患の予防又は改善にアラキドン酸及び/又はアラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物が有効かどうかは明らかにされていない。

0017

したがって、脳機能の低下に起因する症状あるいは疾患を予防し、さらに改善効果を示し、医薬品、さらには食品への適用に優れたより安全な化合物の開発が強く望まれている。

発明が解決しようとする課題

0018

従って本発明は、アラキドン酸及び/又はアラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物を有効成分とする、脳機能の低下に起因する症状あるいは疾患の予防又は改善剤、並びに脳機能の低下に起因する症状あるいは疾患の予防又は改善作用を有する飲食品及びその製造方法を提供しようとするものである。より詳細には、アラキドン酸、アラキドン酸のアルコールエステル並びに構成脂肪酸の一部又は全部がアラキドン酸であるトリグリセリド、リン脂質及び糖脂質の群から選ばれた少なくとも1種を有効成分とする記憶・学習能力の低下、認知能力の低下、感情障害(たとえば、うつ病)、知的障害(たとえば、痴呆、具体的にアルツハイマー型痴呆、脳血管性痴呆)の予防又は改善剤、さらには予防又は改善作用を有する飲食品及びその製造方法を提供しようとするものである。

課題を解決するための手段

0019

本発明者等は、アラキドン酸の又はアラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物の脳機能の低下に起因する症状あるいは疾患に対する予防又は改善効果を明らかにする目的で鋭意研究した結果、驚くべきことに、20ヶ月齢を超える老齢ラットをモリス水迷路試験に供し、アラキドン酸又はアラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物の効果を行動薬理学的解析で明らかにした。

0020

さらに、本発明者等は、アラキドン酸を20質量%以上含有するトリグリセリドの微生物による工業生産成功し、本発明の効果試験に供することが可能となり、該トリグリセリドの効果を明らかにした。
さらに、本発明者等は、酵素法により1,3-位に中鎖脂肪酸が、2-位にアラキドン酸が結合したトリグリセリドを含む油脂を製造することに成功し、本発明の効果試験に供することが可能となり、該トリグリセリドの効果を明らかにした。

0021

従って本発明は、アラキドン酸及び/又はアラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物を有効成分とする、脳機能の低下に起因する症状あるいは疾患の予防又は改善剤、並びに脳機能の低下に起因する症状あるいは疾患の予防又は改善作用を有する飲食品及びその製造方法を提供する。より詳細には、アラキドン酸、アラキドン酸のアルコールエステル並びに構成脂肪酸の一部又は全部がアラキドン酸であるトリグリセリド、リン脂質及び糖脂質の群から選ばれた少なくとも1種を有効成分とする記憶・学習能力の低下、認知能力の低下、感情障害(たとえば、うつ病)、知的障害(たとえば、痴呆、具体的にアルツハイマー型痴呆、脳血管性痴呆)の予防又は改善剤、さらには予防又は改善作用を有する飲食品及びその製造方法を提供する。

図面の簡単な説明

0022

図1はモリス型水迷路試験に用いる装置の概略説明図を示す。
図2は学習の獲得(Hit%)を説明する。
図3はラットの試行回数に対する学習の獲得(Hit%)を示すグラフである。
図4は学習の獲得の度合いを計るためのプローブテストにおいて、ラットが泳いだ60秒間の軌跡を示す図である。

0023

図5は、学習の獲得の度合いを計るためのプローブテストの結果を示すグラフである。
図6は、学習のパラメータと脳海馬中のアラキドン酸量との相関を求めた結果を示すグラフである。

実施例

0024

本発明は、アラキドン酸及び/又はアラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物を有効成分とする、脳機能の低下に起因する症状あるいは疾患の予防又は改善剤、並びに脳機能の低下に起因する症状あるいは疾患の予防又は改善作用を有する飲食品及びその製造方法に関するものである。

0025

本発明の組成物は、脳機能の低下に起因する症状あるいは疾患の予防又は改善作用を有するので、例えば、記憶・学習能力の低下、認知能力の低下、感情障害(例えば、うつ病など)、知的障害(例えば、痴呆であり、具体的にはアルツハイマー型痴呆、脳血管性痴呆)の予防・改善(あるいは治療)などを目的とした飲食品、医薬品、医薬部外品などとして有用である。

0026

より具体的には、本発明の組成物は、加齢に伴う脳機能の低下に起因する症状あるいは疾患の予防又は改善作用を有するもので、記憶・学習能力の低下、認知能力の低下、感情障害(例えば、うつ病など)、知的障害(例えば、痴呆であり、具体的にはアルツハイマー型痴呆、脳血管性痴呆)の予防・改善(あるいは治療)などを目的とした飲食品、医薬品、医薬部外品、さらには、物忘れ予防、ボケ予防、記憶力の維持・向上、集中力の維持・向上、注意力の維持・向上、頭をすっきりさせること、頭が冴えわたること、若返りなどを目的とした飲食品、健康食品、機能性食品特定保健用食品、老人用食品などとして有用である。

0027

本発明の有効成分としては遊離のアラキドン酸の他に、アラキドン酸を構成脂肪酸とするすべての化合物も利用することができる。アラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物には、アラキドン酸塩、例えばカルシウム塩ナトリウム塩などを挙げることができる。また、アラキドン酸のアルコールエステル、例えばアラキドン酸メチルエステル、アラキドン酸エチルエステルなどを挙げることができる。また、構成脂肪酸の一部又は全部がアラキドン酸であるトリグリセリド、リン脂質、さらには糖脂質などを利用することができる。

0028

食品への適用を考えた場合、アラキドン酸はトリグリセリドやリン脂質の形態、特にトリグリセリドの形態にすることが望ましい。アラキドン酸を含有するトリグリセリド(構成脂肪酸の一部又は全部がアラキドン酸であるトリグリセリドを含有するトリグリセリドと同義)の天然界の給源はほとんど存在していなかったが、本発明者等によりアラキドン酸を含有するトリグリセリドを工業的に利用することが可能となり、20ヶ月齢を超える老齢ラットをモリス型水迷路試験に供することにより、本発明の有効成分の効果を行動薬理学的解析で初めて明らかにし、脳機能の低下に起因する症状あるいは疾患の予防又は改善効果を有することを明確にした。

0029

従って本発明においては、本発明の有効成分である構成脂肪酸の一部又は全部がアラキドン酸であるトリグリセリドを含有するトリグリセリド(アラキドン酸を含有するトリグリセリド)を使用することができる。アラキドン酸を含有するトリグリセリドとしては、トリグリセリドを構成する全脂肪酸のうちアラキドン酸の割合が20質量(W/W)%以上、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上である油脂(トリグリセリド)が食品に適用する場合には望ましい形態となる。したがって、本発明において、アラキドン酸を含有する油脂(トリグリセリド)を生産する能力を有する微生物を培養して得られたものであればすべて使用することができる。

0030

アラキドン酸を含有する油脂(トリグリセリド)の生産能を有する微生物としては、モルティエレラ(Mortierella)属、コニディボラス(Conidiobolus)属、フィチウム(Pythium)属、フィトフトラ(Phytophthora)属、ペニシリューム(Penicillium)属、クロドスポリューム(Cladosporium)属、ムコール(Mucor)属、フザリューム(Fusarium)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ロードトルラ(Rhodotorula)属、エントモフトラ(Entomophthora)属、エキノスポランジウム(Echinosporangium)属、サプロレグニア(Saprolegnia)属に属する微生物を挙げることができる。

0031

モルティエレラ(Mortierella)属モルティエレラ(Mortierella)亜属に属する微生物では、例えばモルティエレラ・エロガタ(Mortierella elongata)、モルティエレラ・エキシグア(Mortierella exigua)、モルティエレラ・フィグロフィラ(Mortierella hygrophila)、モルティエレラ・アルピナ(Mortierella alpina)等を挙げることができる。具体的にはモルティエレラ・エロンガタ(Mortierella elongata)IFO8570、モルティエレラ・エキシグア(Mortierella exigua)IFO8571、モルティエレラ・フィグロフィラ(Mortierella hygrophila)IFO5941、モルティエレラ・アルピナ(Mortierella alpina)IFO8568、ATCC16266、ATCC32221、ATCC42430、CBS219.35、CBS224.37、CBS250.53、CBS343.66、CBS527.72、CBS529.72、CBS608.70、CBS754.68等の菌株を挙げることができる。

0032

これらの菌株はいずれも、大阪市の財団法人醗酵研究所(IFO)、及び米国のアメリカン・タイプ・カルチャーコレクション(American Type Culture Collection,ATCC)及び、Centrralbureau voor Schimmelcultures(CBS)からなんら制限なく入手することができる。また本発明の研究グループ土壌から分離した菌株モルティエレラ・エロンガタSAM0219(微工研菌寄第8703号)(微工研条寄第1239号)を使用することもできる。

0033

本発明に使用される菌株を培養する為には、その菌株の胞子菌糸、又は予め培養して得られた前培養液を、液体培地又は固体培地接種し培養する。液体培地の場合に、炭素源としてはグルコース、フラクトースキシロースサッカロースマルトース可溶性デンプン糖蜜グリセロールマンニトール等の一般的に使用されているものが、いずれも使用できるが、これらに限られるものではない。

0034

窒素源としてはペプトン酵母エキス麦芽エキス肉エキスカザミノ酸コーンスティープリカー大豆タンパク脱脂ダイズ綿実カス等の天然窒素源の他に、尿素等の有機窒素源、ならびに硝酸ナトリウム硝酸アンモニウム硫酸アンモニウム等の無機窒素源を用いることができる。この他必要に応じリン酸塩硫酸マグネシウム硫酸鉄硫酸銅等の無機塩及びビタミン等も微量栄養源として使用できる。これらの培地成分は微生物の生育を害しない濃度であれば特に制限はない。実用上一般に、炭素源は0.1〜40質量(W/V)%、好ましくは1〜25質量(W/V)%の濃度とするのが良い。初発の窒素源添加量は0.1〜10質量(W/V)%、好ましくは0.1〜6質量(W/V)%として、培養途中に窒素源を流加しても構わない。

0035

さらに、培地炭素源濃度を制御することでアラキドン酸を45質量%以上含有する油脂(トリグリセリド)を本発明の有効成分とすることもできる。培養は、培養2〜4日目までが菌体増殖期、培養2〜4日目以降が油脂蓄積期となる。初発の炭素源濃度は1〜8質量%、好ましくは1〜4質量%の濃度とし、菌体増殖期および油脂蓄積期の初期の間のみ炭素源を逐次添加し、逐次添加した炭素源の総和は2〜20質量%、好ましくは5〜15質量%とする。なお、菌体増殖期および油脂蓄積期初期の間での炭素源の逐次添加量は、初発の窒素源濃度に応じて添加し、培養7日目以降、好ましくは培養6日目以降、より好ましくは培養4日目以降の培地中の炭素源濃度を0となるようにすることで、アラキドン酸を45質量%以上含有する油脂(トリグリセリド)を得ることができ本発明の有効成分とすることができる。

0036

アラキドン酸生産菌の培養温度は使用する微生物によりことなるが、5〜40℃、好ましくは20〜30℃とし、また20〜30℃にて培養して菌体を増殖せしめた後5〜20℃にて培養を続けて不飽和脂肪酸を生産せしめることもできる。このような温度管理によっても、生成脂肪酸中の高度不飽和脂肪酸の割合を上昇せしめることができる。培地のpHは4〜10、好ましくは5〜9として通気攪拌培養振盪培養、又は静置培養を行う。培養は通常2〜30日間、好ましくは5〜20日間、より好ましくは5〜15日間行う。

0037

さらに、アラキドン酸を含有する油脂(トリグリセリド)中のアラキドン酸の割合を高める手だてとして、培地炭素源濃度を制御する以外に、アラキドン酸含有油脂選択的加水分解を行ってアラキドン酸高含有油脂を得ることもできる。この選択的加水分解に用いられるリパーゼはトリグリセリドの位置特異性はなく、加水分解活性二重結合の数に比例して低下するため、高度不飽和脂肪酸以外の脂肪酸のエステル結合加水分解される。そして、生じたPUFA部分グリセリド間でエステル交換反応が起こるなどして、高度不飽和脂肪酸が高められたトリグリセリドとなる(「Enhancement of Archidonic: Selective Hydrolysis of a Single-Cell Oil from Mortierella with Candida cylindracea Lipase」:J. Am. Oil Chem. Soc., 72, 1323-1327 (1998))。

0038

このように、アラキドン酸含有油脂に選択的加水分解を行って得たアラキドン酸を高含有する油脂(トリグリセリド)を本発明の有効成分とすることができる。本発明のアラキドン酸を含有する油脂(トリグリセリド)の全脂肪酸に対するアラキドン酸の割合は、他の脂肪酸の影響を排除する目的で高いほうが望ましいが、高い割合に限定しているわけでなく、実際には、食品に適用する場合にはアラキドン酸の絶対量が問題になる場合もあり、10質量%以上のアラキドン酸を含有する油脂(トリグリセリド)であっても実質的には使用することができる。

0039

さらに、本発明では構成脂肪酸の一部又は全部がアラキドン酸であるトリグリセリドとして、1,3-位に中鎖脂肪酸が、2-位にアラキドン酸が結合したトリグリセリドを使用することができる。また、1,3-位に中鎖脂肪酸が、2-位にアラキドン酸が結合したトリグリセリドを5モル%以上、好ましくは10モル%以上、さらに好ましくは20モル%以上、最も好ましくは30モル%以上含む油脂(トリグリセリド)を使用することができる。上記トリグリセリドの1,3-位に結合する中鎖脂肪酸は、炭素数6〜12個を有する脂肪酸から選ばれたものを利用できる。炭素数6〜12個を有する脂肪酸として、例えば、カプリル酸又はカプリン酸等を挙げられ、特に1,3−カプリロイル−2-アラキドノイル−グリセロール(以後「8A8」とも称す)が好ましい。

0040

これら、1,3-位に中鎖脂肪酸が、2-位にアラキドン酸が結合したトリグリセリドは、高齢者を対象とした場合には、最適な油脂(トリグリセリド)となる。一般に摂取された油脂(トリグリセリド)は、小腸の中に入ると膵リパーゼで加水分解されるが、この膵リパーゼが1,3-位特異的であり、トリグリセリドの1,3-位が切れて2分子遊離脂肪酸ができ、同時に1分子の2-モノアシルグリセロール(以後「2-MG」と称す)が生成する。この2-MGは非常に胆汁酸溶解性が高く吸収性が良いため、一般に2-位脂肪酸の方が、吸収性が良いと言われる。

0041

また、2-MGは胆汁酸に溶けると界面活性剤的な働きをして、遊離脂肪酸の吸収性を高める働きをする。次に遊離脂肪酸と2-MGはコレステロールやリン脂質等と一緒に胆汁酸複合ミセル生合成して小腸上皮細胞に取り込まれ、トリアシルグリセロールの再合成が起こり、最終的にはカイロミクロンとしてリンパに放出されていく。ところが、この膵リパーゼの脂肪酸特性は飽和脂肪酸に高く、アラキドン酸は切れにくい特徴を持っている。さらに問題なのは、膵リパーゼ活性が加齢に伴って低下することから、脳機能の低下に起因する症状および疾患になりやすい高齢者には、1,3-位に中鎖脂肪酸が、2-位にアラキドン酸が結合したトリグリセリドは最適な油脂(トリグリセリド)となる。

0042

1,3-位に中鎖脂肪酸が、2-位にアラキドン酸が結合したトリグリセリドの具体的な製造法のひとつとして、アラキドン酸を含有する油脂(トリグリセリド)及び中鎖脂肪酸の存在下で、トリグリセリドの1,3-位のエステル結合に特異的に作用するリパーゼを作用させることで製造することができる。

0043

原料となる油脂(トリグリセリド)はアラキドン酸を構成脂肪酸とするトリグリセリドであり、トリグリセリドを構成する全脂肪酸に対するアラキドン酸の割合が高い場合には、未反応油脂(原料トリグリセリド並びに1,3-位の脂肪酸のうち一方のみが中鎖脂肪酸となったトリグリセリド)の増加による反応収率の低下を防ぐため、通常の酵素反応温度20〜30℃より高い、30〜50℃、好ましくは40〜50℃とする。

0044

トリグリセリドの1,3-位のエステル結合に特異的に作用するリパーゼとして、例えば、リゾプス(Rhizopus)属、リゾムコール(Rhizomucor)属、アスペルグルス(Aspergillus)属などの微生物が産生するもの、ブタ膵臓リパーゼなどを挙げることができる。かかるリパーゼについは、市販のものを用いることができる。例えば、リゾプス・デレマー(Rhizopus delemar)のリパーゼ(田辺製薬(株)製、タリパーゼ)、リゾムコール・ミーハイ(Rhizomucor miehei)のリパーゼ(ノボノルディスク(株)製、リボザイムIM)、アセペルギルス・ニガー(Apergillus niger)のリパーゼ(天野製薬(株)製、リパーゼA)等が挙げられるが、これら酵素に限定しているわけではなく、1,3-位特異的リパーゼであればすべて使用することができる。

0045

上記リパーゼの使用形態は、反応効率を高める目的で反応温度を30℃以上、好ましくは40℃以上とするため、酵素の耐熱性を付加する目的で固定化担体固定化したリパーゼを使用することが望ましい。固定化担体として多孔質ハイポラス樹脂であって、約100オングストローム以上の孔径を有するイオン交換樹脂担体、例えばDowex MARATHON WBA(商標ダウケミカル)等が挙げられる。

0046

固定化担体1に対して、1,3-位特異的リパーゼの水溶液0.5〜20倍(質量)に懸濁し、懸濁液に対して2〜5倍量の冷アセトン(例えば-80℃)を攪拌しながら徐々に加えて沈殿を形成させる。この沈殿物減圧下で乾燥させて固定化酵素を調製することができる。さらに簡便な方法では、固定化担体1に対して、0.05〜0.4倍量の1,3-位特異的リパーゼを最小限の水に溶解し、撹拌しながら固定化担体を混ぜ合わせ、減圧下で乾燥させて固定化酵素を調製することができる。この操作により約90%のリパーゼが担体に固定化されるが、このままではエステル交換活性は全く示さず、水1〜10質量(w/v)%を加えた基質原料油脂と中鎖脂肪酸)中で、好ましくは水1〜3質量%を加えた基質中で前処理することで固定化酵素は最も効率よく活性化することができ製造に供することができる。

0047

酵素の種類によっては、本反応系に加える水分量は極めて重要で、水を含まない場合はエステル交換が進行しにくくなり、また、水分量が多い場合には加水分解が起こり、グリセリド回収率が低下する(加水分解が起こればジグリセリドモノグリセリドが生成される)。しかし、この場合、前処理により活性した固定化酵素を使用することで、本反応系に加える水分量は重要ではなくなり、全く水を含まない系でも効率よくエステル交換反応を起こすことができる。さらに酵素剤の種類を選択することで前処理を省略することも可能である。

0048

このように、耐熱性を有する固定化酵素を使用し、酵素反応温度を上げることで、1,3-位特異的リパーゼの反応性の低いアラキドン酸を含有する油脂(トリグリセリド)においても、反応効率を低下させることなく、1,3-位に中鎖脂肪酸が、2-位にアラキドン酸が結合したトリグリセリドを効率的に製造することができる。

0049

脳機能の低下に起因する症状あるいは疾患の予防又は改善作用を有する飲食品の製造法であっては、アラキドン酸及び/又はアラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物を単独で、あるいはアラキドン酸を実質的に含有しない、あるいは含有していても僅かな飲食品原料とともに配合することができる。ここで、僅かな量とは、飲食品原料にアラキドン酸が含まれていたとしても、それを配合した食品組成物を人が摂取しても、後記する本発明の1日当たりのアラキドン酸の摂取量に達しない量を意味する。

0050

特に構成脂肪酸の一部又は全部がアラキドン酸であるトリグリセリドの場合には、油脂(トリグリセリド)の用途に関しては無限の可能性があり、食品、飲料、医薬品、医薬部外品の原料並びに添加物として使用することがでる。そして、その使用目的、使用量に関して何ら制限を受けるものではない。

0051

例えば、食品組成物としては、一般食品の他、機能性食品、特定保健用食品、栄養補助食品未熟児調製乳乳児用調製乳乳児用食品妊産婦食品又は老人用食品等を挙げることができる。油脂を含む食品例として、肉、、またはナッツ等の本来油脂を含む天然食品スープ等の調理時に油脂を加える食品、ドーナッツ等の熱媒体として油脂を用いる食品、バター等の油脂食品クッキー等の加工時に油脂を加える加工食品、あるいはハードビスケット等の加工仕上げ時に油脂を噴霧または塗布する食品等が挙げられる。さらに、油脂を含まない、農産食品醗酵食品畜産食品、水産食品、または飲料に添加することができる。さらに、機能性食品、医薬品、医薬部外品の形態であっても構わなく、例えば、経腸栄養剤粉末顆粒錠剤カプセルトローチ内服液、懸濁液、乳濁液シロップ等の加工形態であってもよい。

0052

また本発明の組成物は、本発明の有効成分以外に、一般に飲食品、医薬品または医薬部外品に用いられる各種担体や添加剤を含んでいてよい。特に本発明の有効成分の酸化劣化を防ぐ目的で抗酸化剤を含むことが望ましい。抗酸化剤として、例えば、トコフェロール類フラボン誘導体、フィロズルシン類、コウジ酸没食子酸誘導体カテキン類フキ酸、ゴシポールピラジン誘導体セサモール、グァヤコール、グァヤク脂、p-クマリン酸、ノールジヒドログァヤテチック酸、ステロール類テルペン類核酸塩基類カロチノイド類リグナン類などのような天然抗酸化剤およびアスコルビン酸パルミチン酸エステルアスコルビン酸ステアリン酸エステルブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、モノ−t−ブチルヒドロキノン(TBHQ)、4-ヒドロキシメチル-2,6-ジ−t−ブチルフェノール(HMBP)に代表されるような合成抗酸化剤を挙げることができる。

0053

トコフェロール類では、α−トコフェロールβ−トコフェロールγ−トコフェロール、δ−トコフェロール、ε−トコフェロール、ξ−トコフェロール、η−トコフェロールおよびトコフェロールエステル酢酸トコフェロール等)等を挙げることができる。さらに、カロチノイド類では例えば、β−カロチンカンタキサンチンアスタキサンチン等を挙げることができる。

0054

本発明の組成物は、本発明の有効成分以外に、担体として、各種キャリアー担体、イクステンダー剤、希釈剤増量剤分散剤賦形剤結合剤溶媒(例、水、エタノール植物油)、溶解補助剤緩衝剤溶解促進剤ゲル化剤懸濁化剤小麦粉米粉、でん粉、コーンスターチポリサッカライドミルクタンパク質コラーゲン米油レシチンなどが挙げられる。添加剤としては、例えば、ビタミン類甘味料有機酸着色剤香料、湿化防止剤ファイバー電解質、ミネラル栄養素、抗酸化剤、保存剤芳香剤湿潤剤、天然の食物抽出物野菜抽出物などを挙げることができるが、これらに限定しているわけではない。

0055

アラキドン酸およびアラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物の主薬効成分はアラキドン酸にある。アラキドン酸の1日当たりの食事からの摂取量は関東地区で0.14g、関西地区で0.19〜0.20gとの報告があり(脂質栄養学4, 73-82, 1995)、高齢者は油脂の摂取量が低下する点、膵リパーゼ活性が低下する点などから相当量、さらにはそれ以上のアラキドン酸を摂取する必要がある。したがって、本発明のアラキドン酸およびアラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物の成人(例えば、体重60kgとして)1日当たりの摂取量は、アラキドン酸量換算として、0.001g〜20g、好ましくは0.01g〜10g、より好ましくは0.05〜5g、最も好ましくは0.1g〜2gとする。

0056

本発明の有効成分を実際に飲食品に適用する場合には、食品に配合するアラキドン酸の絶対量も重要となる。ただし、飲食品に配合する絶対量も、配合する飲食品の摂取量によって変化することから、構成脂肪酸の一部又は全部がアラキドン酸であるトリグリセリドを含有するトリグリセリドを食品に配合する場合には、アラキドン酸として0.0003質量%以上、好ましくは0.003質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上となるように配合する。さらに、1,3-位に中鎖脂肪酸が、2-位にアラキドン酸が結合したトリグリセリドを含有するトリグリセリドを飲食品に配合する場合には、1,3-位に中鎖脂肪酸が、2-位にアラキドン酸が結合したトリグリセリドとして0.001質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上となるように配合する。

0057

本発明の組成物を医薬品として使用する場合、製剤技術分野において慣用の方法、例えば、日本薬局方に記載の方法あるいはそれに準じる方法に従って製造することができる。
本発明の組成物を医薬品として使用する場合、組成物中の有効成分の配合量は、本発明の目的が達成される限り特に限定されず、適宜適当な配合割合で使用が可能である。
本発明の組成物を医薬品として使用する場合、投与単位形態で投与するのが望ましく、特に、経口投与が好ましい。本発明の組成物の投与量は、年令、体重、症状、投与回数などにより異なるが、例えば、成人(約60kgとして)1日当たり本発明のアラキドン酸およびアラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物を、アラキドン酸量換算として、通常約0.001g〜20g、好ましくは約0.01g〜10g、より好ましくは約0.05〜5g、最も好ましくは約0.1g〜2gを1日1〜3回に分割して投与するのがよい。

0058

脳のリン脂質膜の主要な脂肪酸はアラキドン酸並びにドコサヘキサエン酸であり、バランスを考えた場合、本発明の組成物は、アラキドン酸にドコサヘキサエン酸を組み合わせることが望ましい。また、脳のリン脂質膜にはエイコサペンタエン酸の割合が非常に低いことから、本発明の組成物には、ほとんどエイコサペンタエン酸を含まないことが望ましい。また、エイコサペンタエン酸をほとんど含まず、しかもアラキドン酸とドコサヘキサエン酸を含有する組成物がより望ましい。そして、アラキドン酸とドコサヘキサエン酸の組み合わせにおいて、アラキドン酸/ドコサヘキサエン酸比(質量)が0.1〜15の範囲、好ましくは0.25〜10の範囲にあることが望ましい。また、アラキドン酸の5分の1(質量比)を超えない量のエイコサペンタエン酸を配合した飲食物が望ましい。

0059

次に、実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。しかし、本発明は、下記の実施例に限定されない。
なお飲食品、健康食品、機能性食品、特定保健用食品、老人用食品などの本発明の食品組成物には、該食品組成物及び/又は該食品組成物中の成分が、脳機能の低下に起因する症状あるいは疾患の予防又は改善作用、より具体的には加齢に伴う脳機能の低下に起因する症状あるいは疾患の予防又は改善作用、記憶・学習能力の低下、認知能力の低下、感情障害(例えば、うつ病など)、知的障害(例えば、痴呆であり、具体的にはアルツハイマー型痴呆、脳血管性痴呆)の予防・改善、物忘れ予防、ボケ予防、記憶力の維持・向上、集中力の維持・向上、注意力の維持・向上、頭をすっきりさせること、頭が冴えわたること、若返りなどの作用を有することを該食品組成物の包装用容器及び/又は該食品組成物の販売を促進するためのツール(例えばパンフレット等)に記載又は表示するなどして販売するものも含まれる。

0060

実施例1.アラキドン酸を含有するトリグリセリドの製造方法
アラキドン酸生産菌としてモルティエレラ・アルピナ(Mortierella alpina)CBS754.68を用いた。グルコース1.8%、脱脂大豆粉3.1%、大豆油0.1%、KH2PO4 0.3%、Na2SO4 0.1%、CaCl2・2H2O 0.05%及びMgCl2・6H2O 0.05%を含む培地6kLを、10kL培養槽に調製し、初発pHを6.0に調整した。前培養液30Lを接種し、温度26℃、通気量 360m3/時間、槽内圧200kPaの条件で8日間の通気撹拌培養を行った。なお、攪拌数溶存酸素濃度を10〜15ppmを維持するように調整した。

0061

さらに、グルコース濃度を4日目までは流加法によって培地中のグルコース濃度が1〜2.5%の範囲内となるように、それ以降は0.5〜1%を維持した(上記の%は、質量(w/v)%を意味する)。培養終了後、ろ過、乾燥によりアラキドン酸を含有するトリグリセリドを含有する菌体を回収し、得られた菌体からヘキサンで油脂を抽出し、食用油脂の精製工程(脱ガム脱酸脱臭、脱色)を経て、アラキドン酸含有トリグリセリド(アラキドン酸はトリグリセリドの任意な位置に結合)150kgを得た。

0062

得られた油脂(トリグリセリド)をメチルエステル化し、得られた脂肪酸メチルエステルガスクロマトグラフィー分析したところ、全脂肪酸に占めるアラキドン酸の割合は40.84質量%であった。なお、パルミチン酸ステアリン酸オレイン酸、リノール酸、γ-リノレン酸、ジホモ-γ-リノレン酸などが、それぞれ、11.63、7.45、7.73、9.14、2.23、3.27質量%であった。さらに、上記アラキドン酸含有油脂(トリグリセリド)をエチルエステル化し、アラキドン酸エチルエステルを40質量%含む脂肪酸エチルエステル合物から、定法の高速液体クロマトグラフィーによって、99質量%アラキドン酸エチルエステルを分離・精製した。

0063

実施例2.8A8を5モル%以上含有するトリグリセリドの製造
イオン交換樹脂担体(Dowex MARATHON WBA:ダウケミカル、商標)100gを、Rhizopus delemarリパーゼ12.5%水溶液(タリパーゼ粉末:田辺製薬(株))80mlに懸濁し、減圧下で乾燥させて固定化リパーゼを得た。

0064

次に、実施例1で得たアラキドン酸を40質量%含有するトリグリセリド(TGA40S)80g、カプリル酸160g、上記固定化リパーゼ12g、水4.8 mlを30℃で48時間、撹拌(130rpm)しながら反応させた。反応終了後反応液を取り除き、活性化された固定化リパーゼを得た。

0065

次に、固定化リパーゼ(Rhizopus delemarリパーゼ、担体:Dowex MARATHON WBA、商標)10gをジャケット付きガラスカラム(1.8 x 12.5cm、容量31.8ml)に充填し、実施例1で得たTGA40Sとカプリル酸を1:2に混合した混合油脂を一定の流速(4ml/h)でカラムに流し、連続反応を実施することで、反応油脂を400gを得た。なお、カラム温度は40〜41℃とした。得られた反応油脂から未反応のカプリル酸及び遊離の脂肪酸を分子蒸留により取り除き、8A8を含有する油脂(トリグリセリド)を得た。

0066

そして、ガスクロマトグラフィー及び高速液体クロマトグラフィーにより、得られた8A8含有油脂(トリグリセリド)中の8A8の割合を調べたところ、31.6モル%であった(なお、8P8、808、8L8、8G8、8D8の割合はそれぞれ0.6、7.9、15.1、5.2、4.8モル%であった。トリグリセリドの2-位に結合する脂肪酸P、O、L、G、Dはそれぞれパルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、γ-リノレン酸、ジホモ-γ-リノレン酸を表し、8P8は1,3-カプリロイル-2-パルミトイル−グリセロール、808は1,3-カプリロイル-2-オレオイル−グリセロール、8L8は1,3-カプリロイル-2-リノレオイル−グリセロール、8G8は1,3-カプリロイル-2-γ-リノレノイル−グリセロール、8D8は1,3-カプリロイル-2-ジホモ-γ-リノレノイル−グリセロールをいう)。なお、得られた8A8含有油脂(トリグリセリド)から定法の高速液体クロマトグラフィーによって、96モル% 8A8を分離・精製した。

0067

実施例3.モリス型水迷路試験によるTGA40Sの学習能評価
老齢ラットの実験群として、18ヶ月齢雄性Fischer系ラット16匹を対照飼料群(8匹:OC群)とTGA40S配合飼料群(8匹:OA群)の2群に分け、それぞれの群に、表1に示した対照飼料およびSUNTGA40S配合飼料を与えた。そして、若齢ラットのコントロール群(YC群)として、4ヶ月齢雄性Fischer系ラット8匹に表1に示した対照飼料を与えた(YC群)。なお、TGA40S配合飼料に使用したTGA40Sは実施例1で得たものを使用した。

0068

表1実験食
─────────────────────────────
対照飼料TGA40S配合飼料
(g) (g)
─────────────────────────────
カゼイン200 200
DL-メチオニン3 3
コーンスターチ150 150
シュクロース500 500
セルロースパウダー50 50
コーンオイル50 45
ミネラル類AIN-76 35 35
ビタミン類AIN-76 10 10
酒石酸コリン2 2
ビタミンE0.05 0.05
TGA40S 0 5
─────────────────────────────

0069

ラット1匹当たりの1日の摂量は約20gであるから、TGA40Sのラット1匹当たりの1日の摂取量は0.1gとなる。TGA40Sに結合する全脂肪酸の内、40質量%がアラキドン酸であることから、ラット1匹当たりの1日のアラキドン酸の摂取量は40mgとなる(グリセロール骨格部分の質量については、便宜上無視して計算)。この40mgは人の摂取量に換算すると133mg/60kg/日に相当する。

0070

飼育3ヶ月目(老齢ラットの場合は21ヶ月齢、若齢ラットの場合は7ヶ月齢)の前後でモリス型水迷路学習試験を実施した。モリス型水迷路試験は、水槽(直径120cm、高さ35cm)に墨汁で黒く濁った水を入れ(液面の高さ20cm)、ラットがかろうじて立てるくらいの大きさの逃避台(直径11.5cm、高さ19cm)を入れておき(逃避台は水面下にあり、水槽内で泳ぐラットには逃避台は見えない)、学習を行うラットを、この水槽の決められた位置より入れ(出発点)、逃避台まで泳がせる空間認識による学習試験で、記憶を司る脳海馬との関連が認められ、欧米で広く使われている。モリス型水迷路試験に用いる装置の概略説明図を図1に示す。

0071

回数をこなすとラットは逃避台の位置を学習していく。ラットの学習は次のようにして行った。すなわち、ラットをモリス型水迷路試験装置の出発点から放し、60秒間経っても、ラットが逃避台に到達できない場合には、ラットを逃避台の上に載せてやることにより、見えない逃避台の位置を学習させた。この学習を1日2回を限度に、2週間続けた。ラットを出発点から放して、出発点から逃避台に向かう±15℃の角度の範囲を遊泳した時間の、全遊泳時間に対する割合(Hit%、図2参照)を、学習の指標とした。若齢ラットに比較して、老齢ラットの学習の獲得率は明らかに低下するが、TAG40Sつまりアラキドン酸を与えることで、若齢ラットのレベルに近づき改善した(図3)。図3において、横軸は4試行、すなわち、2日分を1目盛りとして表した。

0072

次に、学習の獲得の度合いを計るため、プローブテストを、前記2週間の学習の翌日、すなわち、15日目に実施した。学習を獲得した後、逃避台を取り去ると、ラットは以前にその逃避台のあった場所を泳ぎまわる。このような逃避台の位置を記憶して、あった場所を泳ぎ回っている時間(水槽を4区画に分けて、逃避台のあった区画(1/4)にいた時間(秒)で評価)で、学習の獲得の度合いを評価することができる。YC群、OA群およびOC群のNo.1とNo.2のラットの遊泳の軌跡を示す(図4)。なお、ラットは個体により出発点を変更して学習させたため、図4における出発点(S)および逃避台のあった区画は、ラットの個体により異なる。また、図5において、target quadrantは、逃避台のあった区画(1/4)を表す。OC群のラットOC-1は明らかに迷走しており、逃避台のあった区画にいたのはわずか2.4秒であった。プローブテストの結果を表2にまとめた。

0073

0074

表2において、



であり、ここで、



は平均(各群の平均)、μは母平均(15秒)、Sは標本標準偏差、SDは平均±標準偏差、nはデータ数(各群のデータ数)を表し、Sは、



を表し、SDは、



を表す。

0075

表2をグラフで表すと(図5)、老齢ラットにTGA40Sを与えたOA群については、逃避台のあった区画の滞在時間(逃避台の場所を記憶して、あった場所を泳いでいる時間)は有意に長いことがわかる。チャンスレベルの15秒は、ラットを60秒間泳がせて滞在時間を測定しているので、偶然に滞在する可能性を示すものである。棒グラフはラットの逃避台のあった区画の平均滞在時間を示している。

0076

次に、モリス型水迷路試験に供したラットから、脳海馬を摘出し、Folch法にて全脂質を抽出した。そして、薄層クロマトグラフィーで脂質を分画し、リン脂質画分を掻き取って、エタノールとの共沸で水を除去した後、10%塩酸-メタノールで脂肪酸メチルエステルとして、ガスクロマトグラフィーで分析した。水迷路学習のパラメータ(「逃避台への到達時間(短いほど良い)」「逃避台に向って泳いでいる割合(Hit%、大きいほど良い)」)と脳海馬中のアラキドン酸量との相関を最小二乗法に基づく一次近似曲線で求めた結果(図6)、逃避台への到達時間では、海馬アラキドン酸量と負の相関(相関係数R=-0.38)が、遊泳軌跡のHit%とは正の相関(相関係数R=0.32)が認められた。図6において、縦軸海馬組織1g当たりのアラキドン酸のmgを表す。このように、TGA40Sを与えることで、学習能あるいは認知能力が改善することを初めて明らかにし、その効果はアラキドン酸によることが初めて証明された。

0077

実施例4.モリス型水迷路試験による8A8の学習能評価
老齢ラットの実験群として、18ヶ月齢雄性Fischer系ラット20匹を対照飼料群(6匹:OC群)、TGA40S配合飼料群(6匹:OA群)と8A8配合飼料群(8匹:8A8群)の3群に分け、それぞれの群に、表3に示した対照飼料、TGA40S配合飼料及び8A8配合飼料を与えた。そして、若齢ラットの対照群(YC群)として、4ヶ月齢雄性Fischer系ラット8匹に表3に示した対照飼料を与えた。なお、8A8配合飼料に使用した8A8は実施例2で得た96モル% 8A8を使用した。

0078

表3実験食
────────────────────────────────────
対照飼料TGA40SS配合飼料8A8配合飼料
(g) (g) (g)
────────────────────────────────────
カゼイン200 200 200
DL-メチオニン3 3 3
コーンスターチ150 150 150
シュクロース500 500 500
セルロースパウダー50 50 50
コーンオイル50 45 45.8
ミネラル類AIN-76 35 35 35
ビタミン類AIN-76 10 10 10
重酒石酸コリン2 2 2
ビタミンE0.05 0.05 0.05
TGA40S 0 5 0
8A8 0 0 4.2
────────────────────────────────────

0079

ラット1匹の1日当たりの摂餌量は約20gであるから、TGA40Sのラット1匹当たりの1日の摂取量は0.1gとなる。TGA40Sに結合する全脂肪酸の内、40質量%がアラキドン酸であることから、ラット1匹当たりの1日のアラキドン酸の摂取量は40mgとなる(グリセロール骨格部分の質量は便宜上無視して計算)。TGA40Sの分子量は928.5(平均脂肪酸分子量から算出)で、8A8の分子量は628.7となることから、8A8配合飼料群もラット1匹当たりの1日のアラキドン酸の摂取量が40mgになるように、実験食を設計した。

0080

飼育3ヶ月目(老齢ラットの場合は21ヶ月齢、若齢ラットの場合は7ヶ月齢)の前後でモリス型水迷路学習試験を実施した。
プローブテストを実施した結果、逃避台の位置を記憶して、あった場所を泳ぎ回っている時間(水槽を4区画に分けて、逃避台のあった区画(1/4)にいた時間(秒)で評価)は、YC群、OC群、OA群および8A8群で、それぞれ28.59±5.44a、13.27±7.89b、22.02±5.35cおよび27.18±5.10acとなった(数値平均値±標準偏差、a、b、cは異った文字間有意差あり(P<0.05))。したがって、アラキドン酸を構成脂肪酸とするトリグリセリドを与えることにより、加齢に伴って低下した学習の獲得の度合いが、若齢ラットのレベルに向って、有意に改善された。そして、TGA40Sと8A8の比較では、8A8の方が学習の獲得の度合いが高い傾向を示した。OA群、8A8群いずれも、ラットのアラキドン酸摂取量は同じであることから、8A8の方が吸収されやすいことを示しており、加齢により活性が低下した膵リパーゼに有効であることを実証した。

0081

実施例5.モリス型水迷路試験による8A8を5%以上含むトリグリセリドの学習能評価
老齢ラットの実験群として、18ヶ月齢雄性Fischer系ラット20匹を対照飼料群(6匹:OC群)、8A8配合飼料群(6匹:8A8群)と8A8含有油脂配合飼料群(8匹:8A8(32モル%)群)の3群に分け、それぞれの群に、表4に示した対照飼料、8A8配合飼料及び8A8含有油脂配合飼料を与えた。そして、若齢ラットの対照群として、4ヶ月齢雄性Fischer系ラット8匹に表4に示した対照飼料を与えた(YC群)。なお、8A8配合飼料に使用した8A8は実施例2で得た96モル% 8A8を、8A8含有油脂配合飼料に使用した8A8含有油脂(トリグリセリド)は実施例2で得た8A8を31.6モル%含有する油脂(トリグリセリド)を使用した。

0082

表4実験食
────────────────────────────────────
対照飼料8A8配合飼料8A8含有油脂配合飼料
(g) (g) (g)
────────────────────────────────────
カゼイン200 200 200
DL-メチオニン3 3 3
コーンスターチ150 150 150
シュクロース500 500 500
セルロースパウダー50 50 50
コーンオイル50 45.8 45.8
ミネラル類AIN-76 35 35 35
ビタミン類AIN-76 10 10 10
重酒石酸コリン2 2 2
ビタミンE0.05 0.05 0.05
8A8 0 4.2 0
8A8含有油脂 0 0 4.2
────────────────────────────────────

0083

8A8配合飼料は実施例4と同一で、ラット1匹当たりの1日のアラキドン酸の摂取量は40mgとなる。8A8含有油脂(トリグリセリド)配合飼料の場合は、ラット1日当たりのアラキドン酸の摂取量は13.2mgとなる。
飼育3ヶ月目(老齢ラットの場合は21ヶ月齢、若齢ラットの場合は7ヶ月齢)の前後でモリス型水迷路学習試験を実施した。

0084

プローブテストを実施した結果、逃避台の位置を記憶して、あった場所を泳ぎ回っている時間(水槽を4区画に分けて、逃避台のあった区画(1/4)にいた時間(秒)で評価)は、YC群、OC群、8A8群および8A8(32%モル)群で、それぞれ27.91±5.93a、13.75±7.74b、27.00±4.65aおよび21.18±4.89cとなった(数値:平均値±標準偏差、a、b、cは異った文字間に有意差あり(P<0.05))。したがって、8A8を5モル%以上含有する油脂(トリグリセリド)を与えることにより、加齢に伴って低下した学習の獲得の度合いが、若齢ラットのレベルに向って、有意に改善された。しかし、8A8配合飼料群より、明らかに獲得の度合いは低値であり、8A8の濃度、さらにはアラキドン酸の濃度に依存することを実証した。

0085

実施例6.アラキドン酸を含有する油脂(トリグリセリド)配合カプセルの調製
ゼラチン100質量部及び食品添加物用グリセリン35質量部に水を加え50〜60℃で溶解し、粘度2000cpのゼラチン被膜を調製した。次に実施例1で得たアラキドン酸含有油脂(トリグリセリド)にビタミンE油0.05質量%を混合し、内容物1を調製した。実施例2で得た8A8を32モル%含有する油脂(トリグリセリド)にビタミンE油0.05質量%を配合し、内容物2を調製した。

0086

実施例1で得たアラキドン酸含有油脂(トリグリセリド)50質量%と魚油(ツナ油:全脂肪酸に占めるエイコサペンタエン酸およびドコサヘキサエン酸の割合は、それぞれ5.1質量%および26.5質量%)50質量%で混合し、ビタミンE油0.05質量%を混合して内容物3を調製した。実施例1で得たアラキドン酸含有油脂(トリグリセリド)80%と魚油(ツナ油:全脂肪酸に占めるエイコサペンタエン酸およびドコサヘキサエン酸の割合は、それぞれ5.1質量%および26.5質量%)20質量%で混合し、ビタミンE油0.05質量%を混合して内容物4を調製した。これら内容物1から4を用いて、常法によりカプセル成形及び乾燥を行い、1粒当たり180mgの内容物を含有するソフトカプセルを製造した。

0087

実施例7.脂肪輸液剤への使用
実施例2で得た8A8を32モル%含有する油脂(トリグリセリド)400g、精製卵黄レシチン48g、オレイン酸20g、グリセリン100g及び0.1N苛性ソーダ40mlを加え、ホモジナイザーで分散させたのち、注射用蒸留水を加えて4リットルとする。これを高圧噴霧乳化機にて乳化し、脂質乳液を調製した。該脂質乳液を200mlずつプラスチック製バッグ分注したのち、121℃、20分間、高圧蒸気滅菌処理して脂肪輸液剤とする。

0088

実施例8.ジュースへの使用
β-シクロデキストリン2gを20%エタノール水溶液20mlに添加し、ここにスターラーで撹拌しながら、実施例1で得たアラキドン酸含有トリグリセリド(ビタミンEを0.05質量%配合)100mgを加え、50℃で2時間インキュベートした。室温冷却(約1時間)後、さらに撹拌を続けながら4℃で10時間インキュベートした。生成した沈殿を、遠心分離により回収し、n-ヘキサン洗浄後、凍結乾燥を行い、アラキドン酸含有トリグリセリドを含有するシクロデキストリン包接化合物1.8gを得た。この粉末1gをジュース10Lに均一に混ぜ合わせ、アラキドン酸含有トリグリセリドを含有するジュースを調製した。

0089

発明の効果
本発明により、アラキドン酸またはアラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物を有効成分とする、脳機能の低下に起因する症状あるいは疾患の予防又は改善剤、並びに脳機能の低下に起因する症状あるいは疾患の予防又は改善作用を有する飲食品及びその製造方法を提供することができ、高齢化社会に向かう人類において特に有用である。

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