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技術 半導体レーザモジュール及びその制御方法

出願人 古河電気工業株式会社
発明者 屋冨祖良貴黒部立郎向原智一池永賀彦
出願日 2011年6月23日 (9年4ヶ月経過) 出願番号 2011-139339
公開日 2012年2月16日 (8年8ヶ月経過) 公開番号 2012-033895
状態 特許登録済
技術分野 半導体レーザ
主要キーワード 温度調整量 ロックポイント Lバンド BGO 情報通信量 透過特性曲線 dBa キャプチャーレンジ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

1つのエタロンフィルタを用いてレーザ光波長周波数間隔を複数の異なる周波数間隔に制御すること。

解決手段

エタロンフィルタ7の透過特性周波数的周期は、レーザ光源2から出射されるレーザ光の波長の目標周波数間隔よりも大きく、制御装置15は、レーザ光源2から出射されるレーザ光の波長の目標周波数間隔に応じてエタロンフィルタ7の温度を制御することによってエタロンフィルタ7の透過特性を波長方向にシフトさせる。これにより、1つのエタロンフィルタを用いてレーザ光の波長の周波数間隔を複数の異なる周波数間隔に制御することができる。

概要

背景

1本の光ファイバ波長が異なる複数の光信号多重化して同時に伝送する波長分割多重(Wavelength Division Multiplexing:WDM通信分野では、情報通信量の増加に伴い、より狭い波長間隔で光信号を多重化することが求められている。より狭い波長間隔で光信号を多重化するためには、半導体レーザ素子から出射されるレーザ光の波長を精度高く制御する必要がある。このため、半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を選択的に透過するエタロンフィルタを備える半導体レーザモジュールが提案されている(特許文献1,2参照)。

この半導体レーザモジュールは、半導体レーザ素子から出射されたレーザ光の一部をエタロンフィルタ側に分岐し、エタロンフィルタを透過した分岐光の強度に基づいて半導体レーザ素子の温度を制御することによって、半導体レーザ素子から出射されるレーザ光の波長を制御する。エタロンフィルタは、レーザ光の波長に対して光の周波数的周期的な透過特性を有するので、エタロンフィルタを透過した分岐光の強度が等しくなるように半導体レーザ素子の温度を制御することによって、周期的な周波数間隔にレーザ光を制御することができる。

概要

1つのエタロンフィルタを用いてレーザ光の波長の周波数間隔を複数の異なる周波数間隔に制御すること。エタロンフィルタ7の透過特性の周波数的な周期は、レーザ光源2から出射されるレーザ光の波長の目標周波数間隔よりも大きく、制御装置15は、レーザ光源2から出射されるレーザ光の波長の目標周波数間隔に応じてエタロンフィルタ7の温度を制御することによってエタロンフィルタ7の透過特性を波長方向にシフトさせる。これにより、1つのエタロンフィルタを用いてレーザ光の波長の周波数間隔を複数の異なる周波数間隔に制御することができる。

目的

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、1つのエタロンフィルタを用いてレーザ光の波長の周波数間隔を複数の異なる周波数間隔に制御可能な半導体レーザモジュール及びその制御方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

レーザ光出射するレーザ光源と、光の波長に対して周波数的周期的な透過特性を有し、透過特性に応じた強度で前記レーザ光源から出射されたレーザ光を透過するエタロンフィルタと、前記エタロンフィルタを透過したレーザ光の強度に基づいて前記レーザ光源から出射されるレーザ光の波長を制御する制御装置と、を備え、前記エタロンフィルタの透過特性の周波数的な周期は、前記レーザ光源から出射されるレーザ光の波長の目標周波数間隔よりも大きく、前記制御装置は、前記目標周波数間隔に応じて前記エタロンフィルタの温度を制御することによって前記エタロンフィルタの透過特性を波長方向にシフトさせることを特徴とする半導体レーザモジュール

請求項2

前記エタロンフィルタは、ビスマスゲルマニウムオキサイドにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザモジュール。

請求項3

前記エタロンフィルタは、水晶により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザモジュール。

請求項4

前記レーザ光源は、分布帰還型半導体レーザ素子であることを特徴とする請求項1〜3のうち、いずれか1項に記載の半導体レーザモジュール。

請求項5

前記レーザ光源は、分布反射型半導体レーザ素子であることを特徴とする請求項1〜3のうち、いずれか1項に記載の半導体レーザモジュール。

請求項6

前記レーザ光源は、複数の単一縦モード半導体レーザ素子と、当該複数の単一縦モード半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を増幅する半導体光増幅器と、前記複数の単一縦モード半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を前記半導体光増幅器に導く合波器とを集積することによって形成された、アレイ型半導体レーザ素子であることを特徴とする請求項1〜3のうち、いずれか1項に記載の半導体レーザモジュール。

請求項7

レーザ光を出射するレーザ光源と、光の波長に対して周波数的に周期的な透過特性を有し、透過特性に応じた強度で前記レーザ光源から出射されたレーザ光を透過するエタロンフィルタとを備える半導体レーザモジュールの制御方法であって、前記レーザ光源から出射されるレーザ光の波長の目標周波数間隔に応じて、前記目標周波数間隔よりも大きい周波数的な周期の透過特性を有する前記エタロンフィルタの温度を制御することによって、前記エタロンフィルタの透過特性を波長方向にシフトさせるステップと、前記エタロンフィルタを透過したレーザ光の強度に基づいて前記レーザ光源から出射されるレーザ光の波長を制御するステップと、を含むことを特徴とする半導体レーザモジュールの制御方法。

技術分野

0001

本発明は、半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を選択的に透過するエタロンフィルタを備える半導体レーザモジュール及びその制御方法に関するものである。

背景技術

0002

1本の光ファイバ波長が異なる複数の光信号多重化して同時に伝送する波長分割多重(Wavelength Division Multiplexing:WDM通信分野では、情報通信量の増加に伴い、より狭い波長間隔で光信号を多重化することが求められている。より狭い波長間隔で光信号を多重化するためには、半導体レーザ素子から出射されるレーザ光の波長を精度高く制御する必要がある。このため、半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を選択的に透過するエタロンフィルタを備える半導体レーザモジュールが提案されている(特許文献1,2参照)。

0003

この半導体レーザモジュールは、半導体レーザ素子から出射されたレーザ光の一部をエタロンフィルタ側に分岐し、エタロンフィルタを透過した分岐光の強度に基づいて半導体レーザ素子の温度を制御することによって、半導体レーザ素子から出射されるレーザ光の波長を制御する。エタロンフィルタは、レーザ光の波長に対して光の周波数的周期的な透過特性を有するので、エタロンフィルタを透過した分岐光の強度が等しくなるように半導体レーザ素子の温度を制御することによって、周期的な周波数間隔にレーザ光を制御することができる。

先行技術

0004

特開2007−142110号公報
特開2003−110190号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、従来の半導体レーザモジュールでは、エタロンフィルタの透過特性の周期に対応する周波数間隔以外の周波数間隔でレーザ光の波長の周波数間隔を制御することは非常に困難である。このため、従来の半導体レーザモジュールによれば、1つのエタロンフィルタを用いて25GHzや33.3GHzといった異なる周波数間隔でレーザ光の波長の周波数間隔を制御することは非常に困難である。なお、このような問題を解決するために、透過特性の周期が異なるエタロンフィルタを備えるモジュールを複数搭載する方法が考えられる。しかしながら、このような方法によれば、用意すべきエタロンフィルタの品種が増加することによって低コスト化を実現することが困難になると共に、半導体レーザモジュールの小型化が困難になる。このため、1つのエタロンフィルタを用いてレーザ光の波長の周波数間隔を複数の異なる周波数間隔に制御可能な半導体レーザモジュールの提供が期待されている。

0006

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、1つのエタロンフィルタを用いてレーザ光の波長の周波数間隔を複数の異なる周波数間隔に制御可能な半導体レーザモジュール及びその制御方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る半導体レーザモジュールは、レーザ光を出射するレーザ光源と、光の波長に対して周波数的に周期的な透過特性を有し、透過特性に応じた強度で前記レーザ光源から出射されたレーザ光を透過するエタロンフィルタと、前記エタロンフィルタを透過したレーザ光の強度に基づいて前記レーザ光源から出射されるレーザ光の波長を制御する制御装置とを備え、前記エタロンフィルタの透過特性の周波数的な周期は、前記レーザ光源から出射されるレーザ光の波長の目標周波数間隔よりも大きく、前記制御装置は、前記目標周波数間隔に応じて前記エタロンフィルタの温度を制御することによって前記エタロンフィルタの透過特性を波長方向にシフトさせる。

0008

本発明に係る半導体レーザモジュールは、上記発明において、前記エタロンフィルタは、ビスマスゲルマニウムオキサイドにより形成されている。

0009

本発明に係る半導体レーザモジュールは、上記発明において、前記エタロンフィルタは、水晶により形成されている。

0010

本発明に係る半導体レーザモジュールは、上記発明において、前記レーザ光源は、分布帰還型半導体レーザ素子である。

0011

本発明に係る半導体レーザモジュールは、上記発明において、前記レーザ光源は、分布反射型半導体レーザ素子である。

0012

本発明に係る半導体レーザモジュールは、上記発明において、前記レーザ光源は、複数の単一縦モード半導体レーザ素子と、当該複数の単一縦モード半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を増幅する半導体光増幅器と、前記複数の単一縦モード半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を前記半導体光増幅器に導く合波器とを集積することによって形成された、アレイ型半導体レーザ素子である。

0013

上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る半導体レーザモジュールの制御方法は、レーザ光を出射するレーザ光源と、光の波長に対して周波数的に周期的な透過特性を有し、透過特性に応じた強度で前記レーザ光源から出射されたレーザ光を透過するエタロンフィルタとを備える半導体レーザモジュールの制御方法であって、前記レーザ光源から出射されるレーザ光の波長の目標周波数間隔に応じて、前記目標周波数間隔よりも大きい周波数的な周期の透過特性を有する前記エタロンフィルタの温度を制御することによって、前記エタロンフィルタの透過特性を波長方向にシフトさせるステップと、前記エタロンフィルタを透過したレーザ光の強度に基づいて前記レーザ光源から出射されるレーザ光の波長を制御するステップと、を含む。

発明の効果

0014

本発明に係る半導体レーザモジュール及びその制御方法によれば、レーザ光源から出射されるレーザ光の波長の目標周波数間隔に応じて、目標周波数間隔よりも大きい周波数的な周期の透過特性を有するエタロンフィルタの温度を制御することによって、エタロンフィルタの透過特性を波長方向にシフトさせるので、1つのエタロンフィルタを用いてレーザ光の波長の周波数間隔を複数の異なる周波数間隔に制御することができる。

図面の簡単な説明

0015

図1は、本発明の一実施形態である半導体レーザモジュールの構成を上方から見た断面模式図である。
図2は、図1に示すレーザ光源を示す模式図である。
図3は、エタロンフィルタの透過特性の変化を示す模式図である。
図4は、波長ロック制御の流れを説明するための模式図である。
図5は、波長ロック制御の実験結果を示す図である。

実施例

0016

以下、図面を参照して、本発明の一実施形態である半導体レーザモジュールの構成及びその制御方法について説明する。

0017

〔半導体レーザモジュールの全体構成〕
始めに、図1及び図2を参照して、本発明の一実施形態である半導体レーザモジュールの全体構成について説明する。

0018

図1は、本発明の一実施形態である半導体レーザモジュールの構成を上方から見た断面模式図である。図2は、図1に示すレーザ光源の構成を示す模式図である。なお、以下では、水平面内であってレーザ光の出射方向(光軸方向)をX軸方向、水平面内であってX軸方向に対して垂直な方向をY軸方向、XY平面(水平面)の法線方向(鉛直方向)をZ軸方向と定義する。

0019

図1に示すように、本発明の一実施形態である半導体レーザモジュール1は、レーザ光源2、コリメートレンズ3、基板4、ビームスプリッタ5、パワーモニタフォトダイオード6、エタロンフィルタ7、波長モニタ用フォトダイオード8、ベースプレート9、ペルチェ素子10、光アイソレータ11、及び集光レンズ12を備え、これらの要素は筐体13内に収容されている。

0020

レーザ光源2は、図2に示すように、半導体レーザアレイ21、導波路22、合波器23、導波路24、半導体光増幅器(Semiconductor Optical Amplifier:SOA)25、及び曲げ導波路26を備え、これらの要素を同一基板27上に集積することによって形成されたアレイ型半導体レーザ素子として構成されている。

0021

半導体レーザアレイ21は、それぞれ異なる波長のレーザ光を前端面から出射するストライプ形状の複数の単一縦モード半導体レーザ素子(以下、半導体レーザ素子と略記)211を備える。半導体レーザ素子211は、DFB(Distributed FeedBack)レーザ素子分布帰還型レーザ素子)であり、素子温度を調整することによってその発振波長を制御することができる。

0022

具体的には、各半導体レーザ素子211は、例えば3nm〜4nm程度の範囲内で発振波長を変化させることができ、各半導体レーザ素子211の発振波長が3nm〜4nm程度の間隔で並ぶように各半導体レーザ素子211の発振波長が設計されている。これにより、半導体レーザアレイ21は、駆動する半導体レーザ素子211を切り替えると共に素子温度を制御することによって、単体の半導体レーザ素子よりも広帯域な連続した波長帯域のレーザ光LBを出射することができる。

0023

なお、WDM通信用の波長帯域全体(例えば1.53μm〜1.56μmのCバンド又は1.57μm〜1.61μmのLバンド)をカバーするためには、それぞれ3nm〜4nmの範囲内で発振波長を変化させることが可能な10個以上の半導体レーザ素子211を集積することによって、30nm以上の波長帯域に亘って波長を変化させることができる。

0024

導波路22は、半導体レーザ素子211毎に設けられ、半導体レーザ素子211から出射されたレーザ光LBを合波器23に導く。合波器23は、例えば多モード干渉(Multi-Mode Interferometer:MMI)型合波器であり、導波路22によって導かれたレーザ光LBを導波路24に導く。導波路24は、合波器23によって導かれたレーザ光LBを半導体光増幅器25に導く。半導体光増幅器25は、導波路24によって導かれたレーザ光LBを増幅し、増幅されたレーザ光LBを曲げ導波路26に導く。

0025

曲げ導波路26は、出射端面に対し約7度の傾斜角度をもって、すなわちX軸方向に半導体光増幅器25によって導かれたレーザ光LBを出射する。なお、出射端面に対するレーザ光LBの傾斜角度は、6〜12度の範囲に調整することが望ましい。これにより、半導体レーザアレイ21側への反射戻り光を減少させることができる。

0026

図1に戻る。コリメートレンズ3は、レーザ光源2の出射端面近傍に配置されている。コリメートレンズ3は、レーザ光源2から出射されたレーザ光LBを平行光に変換し、平行光に変換されたレーザ光LBをビームスプリッタ5に導く。基板4は、XY平面に対して水平な設置面にレーザ光源2とコリメートレンズ3とを載置する。

0027

ビームスプリッタ5は、コリメートレンズ3によって導かれたレーザ光LBの一部を透過して光アイソレータ11に導くと共に、コリメートレンズ3によって導かれたレーザ光LBの他部をパワーモニタ用フォトダイオード6側とエタロンフィルタ7側とに分岐する。パワーモニタ用フォトダイオード6は、ビームスプリッタ5によって分岐されたレーザ光LBの強度を検出し、検出された強度に応じた電流値を制御装置15に入力する。

0028

エタロンフィルタ7は、レーザ光LBの波長に対して周期的な透過特性を有し、透過特性に応じた強度でレーザ光LBを選択的に透過して波長モニタ用フォトダイオード8に入力する。エタロンフィルタ7の構成の詳細については後述する。

0029

波長モニタ用フォトダイオード8は、エタロンフィルタ7から入力されたレーザ光LBの強度を検出し、検出された強度に応じた電流値を制御装置15に入力する。パワーモニタ用フォトダイオード6及び波長モニタ用フォトダイオード8によって検出されたレーザ光LBの強度は、制御装置15による波長ロック制御に用いられる。レーザ光の波長を目標波長に制御する波長ロック制御の詳細については後述する。

0030

ベースプレート9は、XY平面に対して水平な設置面に基板4、ビームスプリッタ5、パワーモニタ用フォトダイオード6、エタロンフィルタ7、及び波長モニタ用フォトダイオード8を載置する。ペルチェ素子10は、XY平面に対して水平な設置面にベースプレート9を載置し、ベースプレート9を介してエタロンフィルタ7の温度を調整することによってエタロンフィルタ7の選択波長を制御する。光アイソレータ11は、光ファイバ14からの戻り光がレーザ光LBに再結合することを抑制する。集光レンズ12は、ビームスプリッタ5を透過したレーザ光LBを光ファイバ14に結合させて出力する。

0031

〔エタロンフィルタの構成〕
次に、エタロンフィルタ7の構成について説明する。

0032

エタロンフィルタ7は、例えば50GHzの周波数間隔でレーザ光LBの透過率が変化する透過特性を有する。また、エタロンフィルタ7は、一般的に用いられている石英(SiO2)によって形成されたエタロンフィルタの温度特性(10pm/deg.C程度)よりも大きい温度特性(pm/deg.C)を有する。このようなエタロンフィルタ7としては、水晶によって形成されたエタロンフィルタ(温度特性15pm/deg.C程度)や、ビスマスゲルマニウムオキサイド(Bi12GeO20:BGO)によって形成されたエタロンフィルタ(温度特性20pm/deg.C)を例示することができる。温度特性が大きなエタロンフィルタ7を用いることによって、エタロンフィルタ7の透過特性曲線は、温度に応じて波長方向にシフトするようになる。従って、例えば図3に示すように、エタロンフィルタ7の温度を制御することによって25GHzの周波数間隔で透過率が変化する透過特性曲線L1及び33.3GHzの周波数間隔で透過率が変化する透過特性曲線L2との間でエタロンフィルタ7の透過特性曲線を変化させることによって、1種類のエタロンフィルタ7によってレーザ光LBの波長の周波数間隔を異なる周波数間隔に制御することができる。

0033

なお、エタロンフィルタ7の温度特性を大きくしすぎると、エタロンフィルタ7の透過特性が温度変化に対して敏感になり、エタロンフィルタ7の透過特性にばらつきが生じやすくなる。一方、エタロンフィルタ7の温度特性が小さくしすぎると、エタロンフィルタ7の透過特性が温度に応じて変化しにくくなり、レーザ光LBの波長の周波数間隔を複数の異なる周波数間隔に制御することが困難になる。従って、エタロンフィルタ7の温度特性の下限値及び上限値は、これらの点とエタロンフィルタ7の透過特性の周波数間隔(例えば50Hzの周波数間隔等)及び制御する周波数間隔(例えば25GHzの周波数間隔と33.3GHzの周波数間隔等)とを考慮して適宜設定することが望ましい。

0034

〔波長ロック制御〕
次に、図3及び図4を参照して、このような構成を有する半導体レーザモジュールにおける波長ロック制御の流れについて説明する。

0035

波長ロック制御では、始めに、制御装置15が、ペルチェ素子10を制御することによって、エタロンフィルタ7の温度をレーザ光LBの波長の目標周波数間隔に応じた温度に制御する。具体的には、25GHzの周波数間隔にレーザ光の波長の周波数間隔を制御する場合、制御装置15は、エタロンフィルタ7の透過特性曲線が図3に示す透過特性曲線L1になるようにエタロンフィルタ7の温度を制御する。一方、33.3GHzの周波数間隔にレーザ光の波長の周波数間隔を制御する場合には、制御装置15は、エタロンフィルタ7の透過特性曲線が図3に示す透過特性曲線L2になるようにエタロンフィルタ7の温度を制御する。

0036

次に、制御装置15は、レーザ光源2と基板4との間に設けられた図示しないペルチェ素子を制御することによって、レーザ光源2から出射されるレーザ光LBの波長が図4に示すキャプチャーレンジCR(−),CR(+)内に入るようにレーザ光源2の温度を制御する。キャプチャーレンジCR(−),CR(+)とは、レーザ光の波長を目標波長λR1に制御する場合、目標波長λR1と同じ電流値PD1を示すロックポイントRP(目標波長λR1を示す波長弁別曲線L上の点)に隣接する波長弁別曲線L上の2点間波長範囲(波長λ1〜目標波長λR1の波長範囲及び目標波長λR1〜波長λ2の波長範囲)を意味する。なお、波長弁別曲線Lとは、波長モニタ用フォトダイオード8から出力される電流値(又は、パワーモニタ用フォトダイオード6から出力される電流値と波長モニタ用フォトダイオード8から出力される電流値との比)とレーザ光の波長との関係を示す曲線を意味する。

0037

ここで、レーザ光源LBの波長の目標周波数間隔は例えば25GHzまたは33.3GHzである。一方、エタロンフィルタ7は、例えば50GHzの周期で透過率が変化する透過特性を有する。このように、エタロンフィルタ7の透過特性の周波数的な周期は、レーザ光源2から出射されるレーザ光LBの波長の目標周波数間隔よりも大きい。その結果、従来のようにエタロンフィルタの透過特性の周波数的な周期とレーザ光の波長の目標周波数間隔とを等しくする場合よりも、キャプチャーレンジCR(−),CR(+)を広くすることができる。

0038

次に、制御装置15は、レーザ光源2と基板4との間に設けられた図示しないペルチェ素子を制御することによって、レーザ光源2から出射されるレーザ光LBの波長が目標波長λR1になるようにレーザ光源2の温度を微調整する。以後、制御装置15は、波長モニタ用フォトダイオード8によって検出されたレーザ光LBの強度が所定の強度になるように(又は、パワーモニタ用フォトダイオード6によって検出されたレーザ光LBの強度と波長モニタ用フォトダイオード8によって検出されたレーザ光LBの強度との比がレーザ光LBの強度及び波長が所望の強度及び波長になるときの比になるように)、半導体光増幅器25の駆動電流を制御すると共に、レーザ光源2と基板4との間に設けられた図示しないペルチェ素子によってレーザ光源2の温度を制御する。これにより、レーザ光LBの強度及び波長を所望の強度及び波長に制御することができる。この半導体レーザモジュール1では、上述したようにキャプチャーレンジCR(−),CR(+)を広くしているので、レーザ光LBの波長をより安定して所望の波長に制御することができる。

0039

〔実験例〕
最後に、図5を参照して、50GHzの周波数間隔で透過特性が変化するBGOエタロンフィルタを用いて、レーザ光の波長の周波数間隔を25GHzの周波数間隔に制御した実験例について説明する。なお、本実験例では、191.3GHz〜196.1GHzの周波数帯域に193個のチャンネルを設定し、図5(a)に示すように偶数番号及び奇数番号のチャンネルにおいてBGOエタロンフィルタの温度をそれぞれ50℃及び40℃に調整した。この結果、図5(b)に示すように、外部温度が−5℃〜75℃の範囲内においては、レーザ光の出力誤差を0.4dBの範囲内に制御することができた。なお、図5(b)は、外部温度が−5℃及び70℃の時のレーザ光の出力誤差を示す図である。また、図5(c)に示すように、外部温度が−5℃〜75℃の範囲内においては、レーザ光の波長誤差は0.5GHzの範囲内に制御することができた。なお、図5(c)は、外部温度が−5℃及び70℃の時のレーザ光の波長誤差を示す図である。このことから、50GHzの周波数間隔で透過特性が変化するBGOエタロンフィルタの温度を制御することによって、レーザ光の波長の周波数間隔を異なる周波数間隔に精度よく制御できることが知見された。

0040

以上の説明から明らかなように、本発明の一実施形態である半導体レーザモジュールでは、制御装置15は、レーザ光源2から出射されるレーザ光の波長の目標周波数間隔に応じてエタロンフィルタ7の温度を制御することによってエタロンフィルタ7の透過特性を波長方向にシフトさせるので、1つのエタロンフィルタを用いてレーザ光の波長の周波数間隔を複数の異なる周波数間隔に制御することができる。

0041

一般に、エタロンフィルタ7の透過特性の周波数間隔をより狭くしようとすると、エタロンフィルタ7の大きさが大きくなり、この結果、エタロンフィルタ7内におけるレーザ光LBの光路長が長くなる。このため、エタロンフィルタ7の透過特性の周波数間隔をより狭くしようとすると、半導体レーザモジュールの小型化が困難になると共に、出力されるレーザ光LBの強度が低下する。また、エタロンフィルタ7の透過特性の周波数間隔が狭くなると、キャプチャーレンジが狭くなるために、レーザ光の波長が目標波長以外の波長にロックされてしまうことがある。

0042

しかしながら、本発明の一実施形態である半導体レーザモジュール1では、制御装置15が、エタロンフィルタ7の温度を制御することによってエタロンフィルタ7の透過特性の周波数間隔を制御する。従って、本発明の一実施形態である半導体レーザモジュールによれば、50GHzの周波数間隔で透過特性が変化するエタロンフィルタ等、透過特性の周波数間隔が比較的広いエタロンフィルタ7を用いてキャプチャーレンジを広くしながらも、このエタロンフィルタ7を、目標周波数間隔がより狭いレーザ光LBの波長制御に適用することができる。これにより、半導体レーザモジュールの大型化、レーザ光LBの強度低下、及びレーザ光の波長が目標波長以外の波長にロックされてしまうことを抑制できる。

0043

たとえば、レーザ光の波長の目標周波数間隔が25GHzのとき、透過特性の周波数間隔が50GHzのエタロンフィルタ7を用いた場合は、エタロンフィルタ7と同じ温度特性を有しながら透過特性の周波数間隔が25GHzのエタロンフィルタを用いた場合よりも、キャプチャーレンジを2倍広く取れる。このとき、必要なエタロンフィルタ7の制御温度は、レーザ光の波長の目標周波数間隔を50GHzとするときにエタロンフィルタ7を用いる場合の制御温度に対して±10℃ずらした値とすればよい。

0044

なお、上記実施の形態では、エタロンフィルタ7の透過特性の周期がたとえば50GHzであり、レーザ光LBの波長の目標周波数間隔が25GHzまたは33.3GHzであった。しかしながら、エタロンフィルタの透過特性の周波数的な周期は、レーザ光の波長の目標周波数間隔よりも大きければ、キャプチャーレンジを広くする効果を奏するので特に限定はされない。したがって、エタロンフィルタの透過特性の周期が50GHzの場合には、レーザ光の波長の目標周波数間隔はたとえば12.5GHzでもよい。また、エタロンフィルタの透過特性の周期が100GHzの場合には、レーザ光の波長の目標周波数間隔はたとえば25GHz、10GHzなどでもよい。特に、透過特性の周期が目標周波数間隔の1.5倍以上、または2倍以上であることが好ましい。

0045

また、エタロンフィルタの透過特性の周波数的な周期が広ければキャプチャーレンジを広くする効果は大きくなるが、周期が広い場合には透過特性を波長方向にシフトさせるのに必要な温度調整量が大きくなり、それだけ消費電力を要する。また、温度調整量が小さい方が半導体レーザモジュールの信頼性も高い。また、エタロンフィルタの温度特性が大きい場合は少ない消費電力で透過特性のシフトが可能となるが、この場合はエタロンフィルタの温度に依存した波長ドリフトが大きくなる。したがって、使用するエタロンフィルタとしては、レーザ光の波長の目標周波数間隔に応じた透過特性の周期、および温度特性を持つエタロンフィルタを適宜選択することが好ましい。

0046

以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述及び図面により本発明は限定されることはない。例えば、本実施形態では、レーザ光源2として、アレイ型半導体レーザ素子を用いたが、合波器23や半導体光増幅器25を備えない単体のDFBレーザ素子DBRレーザ素子(分布ブラッグ反射型半導体レーザ素子)による単一縦モード半導体レーザ素子であってもよい。このように、本実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。

0047

1半導体レーザモジュール
2レーザ光源
3コリメートレンズ
4基板
5ビームスプリッタ
6パワーモニタ用フォトダイオード
7エタロンフィルタ
8波長モニタ用フォトダイオード
9ベースプレート
10ペルチェ素子
11光アイソレータ
12集光レンズ
13筐体
14光ファイバ
21半導体レーザアレイ
22導波路
23合波器
24 導波路
25半導体光増幅器(Semiconductor Optical Amplifier:SOA)
26曲げ導波路
LB レーザ光

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