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技術 二酸化炭素の排出量予測装置及びプログラム

出願人 大成建設株式会社
発明者 竹尾健一
出願日 2010年7月28日 (9年11ヶ月経過) 出願番号 2010-169263
公開日 2012年2月16日 (8年4ヶ月経過) 公開番号 2012-032861
状態 特許登録済
技術分野 特定用途計算機
主要キーワード 長短両方 工事段階 運搬距離 削減情報 削減対策 事前予測 総電力消費量 概要レベル
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2012年2月16日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (16)

課題

建築工事において、より正確に二酸化炭素の排出量を事前予測すること。

解決手段

建築工事の概要を示す予め定めた複数の項目に対する情報の入力を受け付ける受付手段と、杭工事、山留工事土工事躯体工事及び仮設工事各工事毎に定められ、燃料消費量及び電力消費量と前記項目との関係を規定した演算式と、前記受付手段が受け付けた前記情報と、に基づいて、前記各工事毎の燃料消費量及び電力消費量を算出し、算出した燃料消費量及び電力消費量から二酸化炭素の排出量を算出する排出量算出手段と、前記排出量算出手段の算出結果を出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする二酸化炭素の排出量予測装置を提供する。

概要

背景

地球温暖化対策として二酸化炭素の排出抑制が社会的ニーズとして高まっている。二酸化炭素排出量の削減策の選択や、或いは、顧客に対する排出抑制アピールのため、建設業の分野においても、二酸化炭素の排出量を算定する手法が提案されている(特許文献1及び2)。

建築施工の場合、これに起因する二酸化炭素の排出量としてカウントされるのは、建築現場で発生する二酸化炭素の排出量と、建築現場から処分場等への残土工事廃棄物等の運搬に関わる二酸化炭素の排出量とされている。前者の場合は、建築現場における電機設備消費電力重機燃料等が二酸化炭素の発生源となり、後者の場合は運搬車両の燃料が二酸化炭素の発生源となる。

建築施工の場合の二酸化炭素の排出量の算出について、現在実際に行われている算出手法は、一定期間(1〜2ヶ月)に渡って消費燃料や消費電力の稼動実績サンプルを収集し、その収集結果に基づき全体の排出量を算出するものである。

概要

建築工事において、より正確に二酸化炭素の排出量を事前予測すること。建築工事の概要を示す予め定めた複数の項目に対する情報の入力を受け付ける受付手段と、杭工事、山留工事土工事躯体工事及び仮設工事各工事毎に定められ、燃料消費量及び電力消費量と前記項目との関係を規定した演算式と、前記受付手段が受け付けた前記情報と、に基づいて、前記各工事毎の燃料消費量及び電力消費量を算出し、算出した燃料消費量及び電力消費量から二酸化炭素の排出量を算出する排出量算出手段と、前記排出量算出手段の算出結果を出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする二酸化炭素の排出量予測装置を提供する。

目的

本発明の目的は、建築工事において、より正確に二酸化炭素の排出量を事前予測することにある

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

建築工事概要を示す予め定めた複数の項目に対する情報の入力を受け付ける受付手段と、杭工事、山留工事土工事躯体工事及び仮設工事各工事毎に定められ、燃料消費量及び電力消費量と前記項目との関係を規定した演算式と、前記受付手段が受け付けた前記情報と、に基づいて、前記各工事毎の燃料消費量及び電力消費量を算出し、算出した燃料消費量及び電力消費量から二酸化炭素の排出量を算出する排出量算出手段と、前記排出量算出手段の算出結果を出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする二酸化炭素の排出量予測装置

請求項2

前記複数の項目は、建物の構造、建物の用途、建物の地上・地下階数建築面積延床面積工期、根切深さ、及び、建築現場から排出物処分場までの距離、を少なくとも含むことを特徴とする請求項1に記載の二酸化炭素の排出量予測装置。

請求項3

前記各工事毎に、工事に必要な重機の種類と、該重機の1単位当たり作業量及び燃費と、を含む重機情報を記録したデータベースを備え、前記排出量算出手段は前記演算式と、前記受付手段が受け付けた前記情報と、前記重機情報と、に基づいて燃料消費量を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の二酸化炭素の排出量予測装置。

請求項4

予め定めた複数の排出量削減対策の選択を受け付ける選択受付手段と、前記選択受付手段が選択を受け付けた前記排出量削減対策に対応づけられた削減情報に基づいて、二酸化炭素排出量削減量を算出する削減量算出手段と、を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の二酸化炭素の排出量予測装置。

請求項5

建築工事における二酸化炭素の排出量を予測するために、コンピュータを、建築工事の概要を示す予め定めた複数の項目に対する情報の入力を受け付ける受付手段、杭工事、山留工事、土工事、躯体工事及び仮設工事の各工事毎に定められ、燃料消費量及び電力消費量と前記項目との関係を規定した演算式と、前記受付手段が受け付けた前記情報と、に基づいて、前記各工事毎の燃料消費量及び電力消費量を算出し、算出した燃料消費量及び電力消費量から二酸化炭素発生量を算出する排出量算出手段、前記排出量算出手段の算出結果を出力する出力手段、として機能させるプログラム

技術分野

0001

本発明は建築工事における二酸化炭素の排出量を予測する技術に関する。

背景技術

0002

地球温暖化対策として二酸化炭素の排出抑制が社会的ニーズとして高まっている。二酸化炭素排出量の削減策の選択や、或いは、顧客に対する排出抑制アピールのため、建設業の分野においても、二酸化炭素の排出量を算定する手法が提案されている(特許文献1及び2)。

0003

建築施工の場合、これに起因する二酸化炭素の排出量としてカウントされるのは、建築現場で発生する二酸化炭素の排出量と、建築現場から処分場等への残土工事廃棄物等の運搬に関わる二酸化炭素の排出量とされている。前者の場合は、建築現場における電機設備消費電力重機燃料等が二酸化炭素の発生源となり、後者の場合は運搬車両の燃料が二酸化炭素の発生源となる。

0004

建築施工の場合の二酸化炭素の排出量の算出について、現在実際に行われている算出手法は、一定期間(1〜2ヶ月)に渡って消費燃料や消費電力の稼動実績サンプルを収集し、その収集結果に基づき全体の排出量を算出するものである。

先行技術

0005

特開2007−18061号公報
特開2008−293443号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかし、建築工事ではその各工事段階において、使用される重機の種類や台数等が大きく異なる場合が多い。このため、稼動実績のサンプル収集を一定期間に限ると、その収集期間がどの工事段階であるかによって、全体の排出量の算出結果が大きく異なってしまい、正確性が低い。また、稼動実績に基づく算出手法では工事が開始されないと二酸化炭素の排出量を算定できない。

0007

本発明の目的は、建築工事において、より正確に二酸化炭素の排出量を事前予測することにある。

課題を解決するための手段

0008

本発明によれば、建築工事の概要を示す予め定めた複数の項目に対する情報の入力を受け付ける受付手段と、杭工事、山留工事土工事躯体工事及び仮設工事各工事毎に定められ、燃料消費量及び電力消費量と前記項目との関係を規定した演算式と、前記受付手段が受け付けた前記情報と、に基づいて、前記各工事毎の燃料消費量及び電力消費量を算出し、算出した燃料消費量及び電力消費量から二酸化炭素の排出量を算出する排出量算出手段と、前記排出量算出手段の算出結果を出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする二酸化炭素の排出量予測装置が提供される。

発明の効果

0009

本発明によれば、建築工事において、より正確に二酸化炭素の排出量を事前予測することができる。

図面の簡単な説明

0010

(A)は本発明の一実施形態に係る二酸化炭素の排出量予測装置Aのブロック図、(B)はCPU1が実行する処理のフローチャート
入力画面の表示例を示す図。
二酸化炭素排出量の算出結果の表示例を示す図。
(A)は備考タンを操作した場合に表示される情報の表示例を示す図、(B)は詳細表示ボタンを操作した場合に表示される情報の表示例を示す図。
(A)は削減対策の選択画面の表示例を示す図、(B)は削減結果の表示例を示す図。
(A)は詳細表示ボタンを操作した場合に表示される情報の表示例を示す図、(B)は二酸化炭素排出量の基本式を示す図。
杭工事における演算式の説明図。
杭工事における演算式の説明図。
山留工事における演算式の説明図。
山留工事における演算式の説明図。
土工事における演算式の説明図。
躯体工事における演算式の説明図。
躯体工事における演算式の説明図。
仮設工事における演算式の説明図。
仮設工事における演算式の説明図。

実施例

0011

<装置の構成>
図1(A)は本発明の一実施形態に係る二酸化炭素の排出量予測装置Aのブロック図である。本発明の予測装置は同図に示される構成を有するコンピュータシステムで実現でき、汎用可能コンピュータシステムで実現可能である。予測装置Aは、後述するプログラムを実行するCPU1と、CPU1が実行するデータやプログラムを記憶するROM2と、CPU1が処理するデータやプログラムを一時的に記憶するRAM3と、OS(オペレーションシステム)や後述するプログラム等のプログラム、及び、ユーザが入力した情報、排出量の算出に使用するデータのデータベース(DB)、表示画面用のデータ等が格納される記憶装置4と、を備える。記憶装置4は例えばハードディスクである。

0012

入力装置5はキーボードマウス等の入力手段であり、ユーザからの指示内容が入力される。ディスプレイ6はCPU1の処理結果等を表示する表示手段である。本実施形態の場合、二酸化炭素の排出量の算出結果等はディスプレイ6により出力するが、このような表示出力以外に、プリンタによる記録出力や、他のコンピュータへの送信出力等、他の出力形態としてもよい。

0013

なお、本実施形態では予測装置Aがスタンドアローンで利用される場合を想定するが、予測装置Aは、ネットワークインターフェースに代表される通信I/F(インターフェース)7を備えることにより、ネットワークシステム上で、入力装置5に代わってクライアントコンピュータから入力等される内容に基づき二酸化炭素の排出量を算出するサーバとしても利用可能である。

0014

予測処理
図1(B)はCPU1が実行する処理のフローチャートを示す。この処理は、建築工事における二酸化炭素の排出量を予測する処理である。S1では、予測対象とする建築工事に関する情報についてユーザからの入力を受け付ける処理を行う。本実施形態の場合、ディスプレイ6に入力画面を表示し、入力装置5からの直接入力又は選択入力を受け付ける。

0015

図2は入力画面の表示例を示す図である。入力画面には建築工事の概要を示す予め定めた複数の項目をユーザに入力させる構成となっている。入力項目10は、予測対象とする建築工事を特定する名称を入力する。二酸化炭素の排出量を算出する上で必要とされる入力項目は、基本情報11、運搬距離の情報12、杭工事の情報13、山留工事の情報14、躯体工事の情報15がある。

0016

基本情報11には、建物の構造の種類、建物用途地上階地下階建築面積延床面積工期、根切深さ、PC化率がある。建物の構造と建物用途とは、事前に定めた種類のうちのいずれかを選択する構成となっている。本実施形態の場合、建物の構造の種類としては、RC造、S造及びSRC造の3種類を想定している。建物用途としては、学校、工場事務所集合住宅宿泊施設商業施設倉庫病院福祉施設及びその他の10種類を想定している。

0017

運搬距離の情報12は、工事現場から、工事により発生する汚泥、残土、廃棄物(汚泥を除く)といった各排出物を処分する各処分場までの距離である。杭工事の情報13には、種類、杭長がある。杭種類は本実施形態の場合、既製杭現場打ち杭とのいずれかを選択する構成となっている。山留工事の情報14には、山留壁の種類、桟橋の有無及び切梁の有無が含まれる。山留壁の種類は、本実施形態の場合、SMW、親杭横矢板及びシートパイルの3種類を想定している。切梁が「有」の場合は、更に、井形長短両方向か、短辺方向のみかのいずれかを選択するように構成されている。躯体工事の情報15には、主揚重機(地下)、主揚重機(地上)の種類の選択が含まれる。本実施形態の場合、吊り上げ能力別に設定したクローラクレーンラフタークレーンタワークレーンのいずれかを選択する構成を想定している。

0018

本実施形態の場合、二酸化炭素の排出量を算出する上で必要となる情報は以上である。建築概要レベルの情報の入力で足り、詳細が未確定の段階や高度な専門知識を有していなくても、二酸化炭素の排出量を算出することができる。なお、上記の情報のうち、建物の構造の種類、建物用途、地上階、地下階、建築面積、延床面積、工期及び根切深さ以外の上方は、デフォルトの情報を用意しておき、ユーザが変更する場合には変更可能としておいてもよい。そうすることで、ユーザが入力する情報は、建物の構造の種類、建物用途、地上階、地下階、建築面積、延床面積、工期及び根切深さに限られるので、更にユーザの利便性を高めることができる。

0019

これらの各入力項目に情報を入力した後、計算ボタン16をユーザが選択すると、図1(b)のS2へ進み、二酸化炭素の排出量を算出する。計算の詳細は後述する。計算が終了すると、図1(b)のS3へ進み、算出結果をディスプレイ6に表示する。図3は二酸化炭素排出量の算出結果の表示例を示す図である。

0020

本実施形態の場合、算出結果表示欄20には、工事の種類(杭工事、土工事、山留工事、躯体工事、仮設工事)毎の二酸化炭素排出量と、合計(工事全体)の二酸化炭素排出量と、エネルギー毎(燃料と電力)の二酸化炭素排出量と、が含まれる。工事の種類毎に二酸化炭素排出量が表示されるので、どの工事で二酸化炭素排出量が多いか等を検討することができる。また、算出結果表示欄20には、工事の種類毎に備考ボタン21が設けられており、備考ボタン21を操作すると、その工事の二酸化炭素排出量の算出に関わるデータが表示される。

0021

図4(A)は杭工事の備考ボタン21を操作した場合に表示される情報の表示例を示す図である。同図の例では、入力情報である杭の種類の選択結果、杭長の入力結果図2の情報13)と、二酸化炭素排出量の算出過程で導かれた汚泥の量と、杭本数とが表示されている。このような情報が表示されることで、どのような条件が想定されて二酸化炭素排出量が算出されたのかを検討することができる。

0022

図3戻り、同図の表示例には詳細表示ボタン23、削減対策ボタン24、入力画面へ戻るためのボタン25、終了ボタン26が設けられている。ボタン25を操作すると、図1(b)に示すようにS1の処理へ戻り、図2の入力画面が表示されて入力内容修正等が可能となる。終了ボタン26が操作されると、図1(b)に示すように一単位の処理を終了する。その際、今回の算出結果等の情報は記憶装置4に保存するようにすることができる。

0023

詳細表示ボタン23を選択すると二酸化炭素排出量の算出にあたって対象とした工事細目や重機の情報が表示される。図4(B)は詳細表示ボタン23を操作した場合に表示される情報の表示例を示す図である。同図の例では、工事細目と、工事に使用する重機の種類と、その燃料又は電力消費量と、二酸化炭素排出量と、が表示される構成となっている。このような情報の表示により、どの工事細目で、或いは、どの重機で二酸化炭素排出量が多いかを検討することができる。

0024

図3に戻り、削減対策ボタン24を操作すると、二酸化炭素排出量を削減するための対策に関わる処理が実行される。まず、図1(b)に示すように、S5では予め定めた複数の排出量削減対策の選択を受け付ける選択受付処理を行う。図5(b)は選択画面の表示例を示す図である。

0025

同図の例では削減対策の内容と、これを採用するか否かのチェックボックスとが表示されている。ユーザは想定される削減対策のチェックボックスをチェックし、ボタン30を操作する。すると、二酸化炭素排出量の削減量が算出され(図1(b)のS6)、算出結果がディスプレイ6に表示される(図1(b)のS7)。図5(B)は削減結果の表示例を示す図である。同図の例では、削減対策後の二酸化炭素排出量と、エネルギ別(燃料、電力)の内訳と、削減量及び削減率が表示される。この表示により、削減対策選択の効果をユーザは確認できる。終了ボタン31を操作すると一単位の処理を終了する。その際、今回の算出結果等の情報は記憶装置4に保存するようにすることができる。終了ボタン32を操作すると、削減内容の詳細が表示される。

0026

図6(A)は詳細表示ボタンを操作した場合に表示される情報の表示例を示す図である。同図の例では、ユーザが選択した削減対策の内容毎に、その採用による二酸化炭素排出量の削減量と削減率とが表示されている。このような情報を参照することで、ユーザはどの削減対策が効果的かを検討できる。

0027

<二酸化炭素排出量の計算>
本実施形態では、杭工事、山留工事、土工事、躯体工事及び仮設工事の各工事毎に二酸化炭素排出量を計算する。工事全体のうちの一部を対象として全ての二酸化炭素排出量を予測する方式よりも、工事ごとの二酸化炭素排出量の相違が反映されてその正確性を向上できる。また、図2を参照して説明したとおり、計算に使用する入力情報は、稼動実績のサンプルではなく、建築概要レベルの情報であるから、工事前の事前予測を可能とする。

0028

<基本式>
図6(B)は二酸化炭素排出量の基本式を示す。二酸化炭素排出量は、工事で消費される燃料消費量と電力消費量とに排出係数乗算して算出する。工事における燃料消費は基本的に重機による燃料消費であり、本実施形態では軽油のみを想定する。電力消費は電動機械照明等である。

0029

本実施形態では、各工事毎に定められ、燃料消費量及び電力消費量と図2の入力項目との関係を規定した演算式と、図2の入力項目に入力された入力情報と、に基づいて、各工事毎の燃料消費量及び電力消費量を算出し、算出した燃料消費量及び電力消費量を図6(B)の基本式に代入して各工事毎の二酸化炭素の排出量を算出する。

0030

各工事毎の演算式は、理論上或いは経験的(過去の建築実績のデータ)に導かれた演算式である。本実施形態では、入力情報と記憶装置4に蓄積されたDBの情報とを演算式に代入して燃料消費量及び電力消費量を算出する。以下、各工事毎の演算式の詳細を説明する。

0031

<杭工事>
図7及び図8は杭工事における演算式の説明図である。本実施形態の場合、杭工事では電力消費は無いものと扱い、燃料消費による二酸化炭素排出量を演算する。燃料消費量は、図7(A)に示すように、工事用重機の総燃料消費量と、排出用車両の総燃料消費量と、を加算したものとなる。

0032

工事用重機の総燃料消費量は、個々の重機の燃料消費量の総計となる。個々の重機の燃料消費量は、図7(B)に示すように、施工数量単位作業量と単位燃費とを乗算した値となる。必要な重機とその重機の情報はDBから読み出す。図7(B)に示すように、DBには重機情報として、工事細目毎に、必要な重機の種類(リスト)と、各重機の一単位当たりの作業量情報及び燃費情報とが蓄積されている。これらの情報は、理論上、重機メーカの公表情報或いは経験的(過去の建築実績のデータ)に導かれる。重機情報をDB化しておくことで、その更新が容易となり最新のデータを反映させ易いという利点がある。

0033

図7(B)の例では、入力情報において、「既製杭」が選択されていた場合(図2の情報13)、バックホウ、クローラクレーン、発電機、アースオーガーの各燃料消費量が計算される。単位作業量は、重機毎の稼働率を工事細目単位の工事歩掛除算して得る。重機毎の稼働率は、1単位の工事歩掛の遂行にあたって実質的にその重機が稼動している割合を示す。

0034

図7(C)に示すように施工数量は、杭長および根切深さの和と杭本数とを乗算した値である。杭長および根切深さは入力情報から導かれ、杭本数は入力情報とDBから読み出したデータから導かれる。係数1及び2は、建物の構造の種類によって異なり、その入力情報により定まる。なお、地下の有無は地下階の入力情報から判断する。杭径は、杭種類により異なり、その入力情報により定まる。

0035

図8(A)は排出用車両の総燃料消費量の演算式を示す。杭工事では、現場打ち杭の場合は汚泥が発生するので、これを処分場へ排出する。総燃料消費量は、汚泥量を車両の積載量で除算し、車両の単位燃費で除算し、運搬距離を乗算することで算出する。汚泥の排出車両は10tダンプを想定し、その積載量及び燃費の情報はDBから読み出す。運搬距離は入力情報(図2の情報12)を代入する。汚泥量は図8(B)の演算式により算出する。施工数量については図7(C)に示したものと同様である。

0036

なお、以上の計算過程の情報は、それぞれ記憶装置4に記憶され、図4(A)や図4(B)の表示データを作成するため等に用いられる。他の工事の計算についても同様である。

0037

<山留工事>
図9及び図10は山留工事における演算式の説明図である。本実施形態の場合、山留工事でも電力消費は無いものと扱い、燃料消費による二酸化炭素排出量を演算する。燃料消費量は、やはり、工事用重機の総燃料消費量と、排出用車両の総燃料消費量と、を加算したものとなる。山留工事の場合、山留壁、桟橋、切梁に分けて計算する。桟橋、切梁については、これが入力情報において「無」となっている場合(図2の情報14)、燃料消費量は当然0となる。

0038

図9(A)は山留壁に関する個々の重機の燃料消費量の演算式を示し、杭工事の場合と同様、施工数量と単位作業量と単位燃費とを乗算した式である。図9(A)の例では、入力情報において、「SMW」が選択されていた場合(図2の情報14の山留壁)、SMW杭打機クローラークレーン、バックホウ、発電機の各燃料消費量が計算される。図9(B)は、各工事細目(SMW、親杭横矢板、シートパイル)の施工数量の演算式を示す。いずれも、入力情報から導き出される。

0039

図9(C)は、山留壁に関する排出用車両の総燃料消費量の演算式を示す。山留壁の工事では、SMWが選択された場合は排出汚泥が発生するので、これを処分場へ排出する。排出車両は10tダンプを想定している。図9(D)は排出汚泥の演算式である。

0040

図10(A)は桟橋に関する個々の重機の燃料消費量の演算式を示し、やはり、施工数量と単位作業量と単位燃費とを乗算した式である。桟橋の施工の場合、工事細目の桟橋(架)、桟橋(払)、桟橋下部(架)、桟橋下部(払)が全て行われることから、対応する全ての重機が燃料消費量算出の対象となる。図10(B)は桟橋に関する施工数量の演算式を示す。

0041

図10(C)は切梁に関する個々の重機の燃料消費量の演算式を示し、やはり、施工数量と単位作業量と単位燃費とを乗算した式である。切梁の施工の場合も、工事細目の切梁(架)、切梁(払)が全て行われることから、対応する全ての重機が燃料消費量算出の対象となる。図10(D)は切梁に関する施工数量の演算式を示し、入力情報が「井形長短両方向」の選択を示す場合(図2の情報14)は、井形切梁施工数量の演算式を、入力情報が「短辺方向のみ」の選択を示す場合は短辺切梁施工数量の演算式を、それぞれ用いる。いずれの場合も、入力情報から施工数量が算出される。

0042

なお、本実施形態の場合、桟橋、切梁については排出物が無しとし、いずれも排出用車両の燃料消費量は考慮していない。

0043

<土工事>
図11は土工事における演算式の説明図である。本実施形態の場合、土工事でも電力消費は無いものと扱い、燃料消費による二酸化炭素排出量を演算する。燃料消費量は、やはり、工事用重機の総燃料消費量と、排出用車両の総燃料消費量と、を加算したものとなる。

0044

図10(A)は土工事に関する個々の重機の燃料消費量の演算式を示し、やはり、施工数量と単位作業量と単位燃費とを乗算した式である。本実施形態の場合、一次掘削は必ず行うが、二次及び三次掘削は根切深さの入力情報に応じて行う。図10(B)は、一次乃至三次の各施工数量の演算式であり、施工数量は土の掘削量に等しい。いずれも入力情報から導き出される。

0045

図10(B)に示すように、本実施形態の場合、一次掘削の施工数量は、根切深さが3.5m以下である場合は建築面積と根切深さとを乗算した値とし、根切深さが3.5mを超える場合は建築面積に3.5を乗算した値とした。二次掘削の施工数量は、根切深さが3.5m以下である場合は0とし、根切深さが3.5mを超えて9.5m以下の場合は、根切深さから3.5mを引いた値に建築面積を乗算した値とし、根切深さが9.5mを超える場合は、建築面積に6を乗算した値とした。三次次掘削の施工数量は、根切深さが9.5m以下である場合は0とし、根切深さが9.5mを超える場合は根切深さから9.5mを引いた値に建設面積を乗算した値とした。

0046

図11(C)は、排出用車両の総燃料消費量の演算式を示す。土工事では、掘削した土が発生するので、これを処分場へ排出する。排出車両は10tダンプを想定している。図11(C)の式の「掘削量」に代入する値は一次乃至三次掘削の掘削量(上記の施工数量)の合計値に等しい。

0047

<躯体工事>
図12及び図13は躯体工事における演算式の説明図である。本実施形態の場合、躯体工事では燃料消費と電力消費とによる二酸化炭素排出量を演算する。燃料消費量は、工事用重機の総燃料消費量を対象とし、本実施形態の場合、躯体工事では排出物が無しとし、排出用車両の燃料消費量は考慮していない。

0048

図12(A)は躯体工事に関する個々の重機の燃料消費量、電力消費量の演算式を示し、やはり、施工数量と単位作業量と単位燃費とを乗算した式である。対象となる重機は、地下躯体コンクリート打設鉄骨建方鉄骨溶接、PC取付の全工事細目の必要重機である。

0049

但し、クレーンについてはいずれかを選択する。地下躯体の施工に用いるクレーンは、入力情報の主揚重機(地下)(図2の情報15)で選択されたクレーン、とする。また、鉄骨建方、PC取付の施工に用いるクレーンは、入力情報の主揚重機(地上)(図2の情報15)で選択されたクレーン、とする。鉄骨溶接については、鉄骨溶接機の電力消費量を算出するが、燃料消費量の演算の場合と、演算式は同様になっている。

0050

図12(B)は地下躯体の施工数量の演算式を示し、施工数量は入力情報から導かれる。図13(A)はコンクリート打設の施工数量の演算式を示し、施工数量はDBから読み出した情報と入力情報とから導かれる。係数1は図7(D)の係数1と同じ情報である。図13(B)は鉄骨建方の施工数量の演算式を示し、施工数量はDBから読み出した情報と入力情報とから導かれる。係数2は図7(D)の係数2と同じ情報である。図13(C)は鉄骨溶接の施工数量の演算式を示し、施工数量は入力情報から導かれる。図13(D)はPC取付の施工数量の演算式を示し、施工数量はDBから読み出した情報と入力情報とから導かれる。係数1及び2は図7(D)の係数1及び2と同じ情報である。

0051

<仮設工事>
図14及び図15は仮設工事における演算式の説明図である。本実施形態の場合、仮設工事では燃料消費と電力消費とによる二酸化炭素排出量を演算する。燃料消費量は、工事用重機の総燃料消費量と、排出用車両の総燃料消費量と、を加算したものとなる。

0052

仮設工事は着工から竣工までの補助工事全般を指す。仕上工事のように燃料ないし電力の消費量が工事全体の消費量に比して極めて小さい工事も考慮する場合はこの仮設工事に含めて二酸化炭素排出量を演算することができる。本実施形態の場合は仕上工事の二酸化炭素排出量を仮設工事に含めて演算している。

0053

図14(A)は総電力消費量の演算式を示す。仮設工事の総電力消費量は、DBから読み出した情報と入力情報とから導かれる。係数aは建物の用途の入力情報に応じていずれかが、係数bは延床面積の入力情報に応じていずれかが、係数cは建物の構造の入力情報に応じていずれかが選択される。

0054

図14(B)は、図14(A)の演算式で算出する総電力消費量の内訳として想定しているものとその割合を示しており、一般動力、事務所空調、現場照明、事務所照明に区分けして、これらが占める割合を定めた定数と総電力消費量とを乗算して各電力消費量を求める。

0055

図15(A)は仮設工事に関する個々の重機の燃料消費量の演算式を示しており、本実施形態の場合、台数と単位作業量と単位燃費と工期と定数(0.3×25)とを乗算した式としている。基本的な考え方は他の工事の場合と同様であるが、仮設工事の場合、工期を通じて多目的で使用される重機(エレベータ(ELV)、フォークリスト、高所作業所)を考慮するため、演算式が若干ことなるものとなっている。なお、対象となる重機は、全工事細目の必要重機である。

0056

施工数量に代わる重機の台数は、図15(B)の演算式にしたがって算出され、少なくとも1以上とする。いずれも入力情報から導かれる。

0057

図15(C)は、排出用車両の総燃料消費量の演算式を示す。建築工事では資材梱包材や材料の端材残材が廃棄物として発生するので、これを処分場へ排出する。排出車両は4tダンプを想定している。図15(D)は廃棄物量の演算式を示す。廃棄物量は、DBから読み出した情報と入力情報とから導かれる。係数dは、建物の用途の入力情報に応じていずれかが選択される。

0058

<二酸化炭素排出量の削減量の計算>
図1(b)のS6で実行する削減量の算出は、各削減対策に、削減量算出のための削減情報を関連付けてDBに蓄積しておき、ユーザが選択した削減対策に対応づけられた削減情報に基づき、実行することができる。

0059

例えば、図5(A)の「エコドライブの実施」の削減対策については、特定の重機の二酸化炭素排出量を5%削減する内容の削減情報を定めておく。そして、ユーザにより、この削減対策が選択された場合には、その重機の二酸化炭素排出量の算出結果の値の5%を計算して削減量とする。

0060

また、例えば、図5(A)の「運搬距離の削減(廃棄物)」の削減対策については、ユーザにより、この削減対策が選択された場合には、削減された運搬距離をユーザーが入力し、その値を廃棄物の運搬距離に置き換え再演算し、その差を削減量とする。こうして削減量を計算することができる。

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