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技術 レーザー彫刻用樹脂組成物、レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版、レリーフ印刷版の製版方法及びレリーフ印刷版

出願人 富士フイルム株式会社
発明者 吉田健太
出願日 2011年6月28日 (8年7ヶ月経過) 出願番号 2011-143480
公開日 2012年2月16日 (8年0ヶ月経過) 公開番号 2012-030587
状態 未査定
技術分野 印刷版及びその材料
主要キーワード 部材表 残りカス 押し込み変形 水素化窒素 ポリビニル基 四級ホスホニウム塩化合物 彫刻形状 付着度合い
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2012年2月16日)のものです。
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課題

解決手段

(成分A)少なくとも2つのメルカプト基を有する化合物、(成分B)少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する化合物、(成分C)バインダーポリマー、及び(成分D)加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物を含有することを特徴とするレーザー彫刻用樹脂組成物、このレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を備えることを特徴とするレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版

概要

背景

従来、天然ゴム合成ゴム熱可塑性エラストマー等を使用した疎水性レーザー彫刻印刷版が用いられている(特許文献1)。レーザー彫刻により発生する彫刻カスリンス性を向上させる技術としては、レリーフ形成層多孔質無機微粒子を含有させ、該粒子液状カス吸着させ、除去性を向上させる技術が提案されている(特許文献2)。また、バインダーポリマー及び多官能チオール化合物を含有する表面がべとつかないレーザー彫刻可能な感光性樹脂組成物が提案されている(特許文献3)。レーザー彫刻可能な感光性樹脂組成物中に、有機ケイ素化合物を含有させることで彫刻後のカス残率が減り(カスが付きにくくなり)、有機溶剤含浸させた布で彫刻カスを拭き取りやすくなることが示されている(特許文献4)。

概要

硬度耐刷性及び水性インキ転移性に優れるレリーフ印刷版を得ることができ、印刷版原版のレーザー彫刻時に発生する彫刻カスのリンス性に優れるレーザー彫刻用樹脂組成物レリーフ印刷版原版を提供すること。(成分A)少なくとも2つのメルカプト基を有する化合物、(成分B)少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する化合物、(成分C)バインダーポリマー、及び(成分D)加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物を含有することを特徴とするレーザー彫刻用樹脂組成物、このレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を備えることを特徴とするレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版。なし

目的

本発明が解決しようとする課題は、硬度、耐刷性及びインキ着肉性に優れるレリーフ印刷版を得ることができ、印刷版原版のレーザー彫刻時に発生する彫刻カスのリンス性に優れるレーザー彫刻用樹脂組成物、レリーフ印刷版原版、それを用いたレリーフ印刷版の製版方法、並びに、レリーフ印刷版を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

(成分A)少なくとも2つのメルカプト基を有する化合物、(成分B)少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する化合物、(成分C)バインダーポリマー、並びに、(成分D)加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物を含有することを特徴とするレーザー彫刻用樹脂組成物

請求項2

成分Aが、式(a)で表される化合物である、請求項1に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。式中、R1及びR2は、各々独立に水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、mは0〜2の整数であり、nは0又は1であり、yは2以上の整数を表し、X1はy価の有機残基である。

請求項3

成分Cが、アクリル樹脂及びポリビニルブチラールよりなる群から選ばれた少なくとも1種である、請求項1又は2に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。

請求項4

成分Cが、ポリビニルブチラールである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。

請求項5

成分Dが、加水分解性シリル基を2つ以上有する化合物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。

請求項6

成分Dが、加水分解性シリル基を有する化合物であり、前記加水分解性シリル基が、アルコキシ基又はハロゲン原子の少なくとも1つがSi原子直接結合している基である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。

請求項7

前記加水分解性シリル基がアルコキシ基が少なくとも1つ直接Si原子結合している基である、請求項6に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。

請求項8

さらに(成分E)架橋促進剤を含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。

請求項9

成分Eが、ラジカル発生剤、酸及び塩基よりなる群から選ばれた1種以上である、請求項8に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。

請求項10

成分Eが、ラジカル発生剤である、請求項9に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。

請求項11

さらに(成分F)700〜1,300nmの波長の光を吸収可能な光熱変換剤を含有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。

請求項12

支持体上に、請求項1〜11のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を備えることを特徴とするレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版

請求項13

前記レリーフ形成層が光及び/又は熱により架橋された架橋レリーフ形成層である、請求項12に記載のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版。

請求項14

前記架橋レリーフ形成層が熱により架橋された、請求項13に記載のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版。

請求項15

請求項13又は14に記載のレリーフ印刷版原版における架橋レリーフ形成層を、レーザー彫刻してレリーフ層を形成する工程、を含むことを特徴とするレリーフ印刷版製版方法

請求項16

請求項15に記載の製版方法により製造された、レリーフ層を有するレリーフ印刷版。

請求項17

前記レリーフ層の厚みが、0.05mm以上10mm以下である、請求項16に記載のレリーフ印刷版。

請求項18

前記レリーフ層のショアA硬度が、50°以上90°以下である、請求項16又は17に記載のレリーフ印刷版。

技術分野

背景技術

0002

従来、天然ゴム合成ゴム熱可塑性エラストマー等を使用した疎水性レーザー彫刻印刷版が用いられている(特許文献1)。レーザー彫刻により発生する彫刻カスリンス性を向上させる技術としては、レリーフ形成層多孔質無機微粒子を含有させ、該粒子液状カス吸着させ、除去性を向上させる技術が提案されている(特許文献2)。また、バインダーポリマー及び多官能チオール化合物を含有する表面がべとつかないレーザー彫刻可能な感光性樹脂組成物が提案されている(特許文献3)。レーザー彫刻可能な感光性樹脂組成物中に、有機ケイ素化合物を含有させることで彫刻後のカス残率が減り(カスが付きにくくなり)、有機溶剤含浸させた布で彫刻カスを拭き取りやすくなることが示されている(特許文献4)。

先行技術

0003

特開平11−338139号公報
特開2004−174758号公報
特開2009−262370号公報
国際公開第2005/070691号パンフレット

発明が解決しようとする課題

0004

特許文献2に記載された方法では、粒子を含有しているため彫刻形状エッジ形状)が良くないという問題点があり、画質低下を引き起こす。また、特許文献3に記載された方法ではリンス性に問題があり、特許文献4に記載された方法では、有機溶剤を使用して粘着性カスを除去しており、環境適性に優れた水系で粘着性カスを除去することは困難である。

0005

本発明が解決しようとする課題は、硬度耐刷性及びインキ着肉性に優れるレリーフ印刷版を得ることができ、印刷版原版のレーザー彫刻時に発生する彫刻カスのリンス性に優れるレーザー彫刻用樹脂組成物、レリーフ印刷版原版、それを用いたレリーフ印刷版の製版方法、並びに、レリーフ印刷版を提供することである。

課題を解決するための手段

0006

上記の課題は、以下の手段(1)、(12)、(15)及び(16)により解決された。好ましい態様である(2)〜(11)、(13)、(14)、(17)及び(18)とともに列記する。
(1)(成分A)少なくとも2つのメルカプト基を有する化合物、(成分B)少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する化合物、(成分C)バインダーポリマー、並びに、(成分D)加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物を含有することを特徴とするレーザー彫刻用樹脂組成物、
(2)成分Aが、式(a)で表される化合物である、(1)に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、

0007

式中、R1及びR2は、各々独立に水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、mは0〜2の整数であり、nは0又は1であり、yは2以上の整数を表し、X1はy価の有機残基である。
(3)成分Cが、アクリル樹脂及びポリビニルブチラールよりなる群から選ばれた少なくとも1種である、(1)又は(2)に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
(4)成分Cが、ポリビニルブチラールである、(1)〜(3)のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
(5)成分Dが、加水分解性シリル基を2つ以上有する化合物である、(1)〜(4)のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
(6)成分Dが、加水分解性シリル基を有する化合物であり、前記加水分解性シリル基が、アルコキシ基又はハロゲン原子の少なくとも1つがSi原子直接結合している基である、(1)〜(5)のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
(7)前記加水分解性シリル基が、アルコキシ基が少なくとも1つ直接Si原子に結合している基である、(6)に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
(8)さらに(成分E)架橋促進剤を含有する、(1)〜(7)のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
(9)成分Eが、ラジカル発生剤、酸及び塩基よりなる群から選ばれた1種以上である、(8)に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
(10)成分Eが、ラジカル発生剤である、(9)に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
(11)さらに(成分F)700〜1,300nmの波長の光を吸収可能な光熱変換剤を含有する、(1)〜(10)のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
(12)支持体上に、(1)〜(11)のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を備えることを特徴とするレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版、
(13)前記レリーフ形成層が光及び/又は熱により架橋された架橋レリーフ層である、(12)に記載のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版、
(14)前記架橋レリーフ形成層が熱により架橋された、(13)に記載のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版、
(15)(13)又は(14)に記載のレリーフ印刷版原版における架橋レリーフ形成層を、レーザー彫刻してレリーフ層を形成する工程、を含むことを特徴とするレリーフ印刷版の製版方法、
(16)(15)に記載の製版方法により製造された、レリーフ層を有するレリーフ印刷版、
(17)前記レリーフ層の厚みが、0.05mm以上10mm以下である、(16)に記載のレリーフ印刷版、
(18)前記レリーフ層のショアA硬度が、50°以上90°以下である、(16)又は(17)に記載のレリーフ印刷版。

発明の効果

0008

本発明によれば、硬度、耐刷性及びインキ着肉性に優れるレリーフ印刷版を得ることができ、印刷版原版のレーザー彫刻時に発生する彫刻カスのリンス性に優れるレーザー彫刻用樹脂組成物、レリーフ印刷版原版、それを用いたレリーフ印刷版の製版方法、並びに、レリーフ印刷版を提供することができた。

0009

以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、(成分A)少なくとも2つのメルカプト基を有する化合物、(成分B)少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する化合物、(成分C)バインダーポリマー、並びに、(成分D)加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物を含有することを特徴とする。
以下、これらの成分A〜Dについて説明する。

0010

〔(成分A)1分子中に少なくとも2つのメルカプト基を含有する化合物〕
本発明に使用する成分Aは、多官能チオール化合物であればよく、特に限定されないが、メルカプト基を含有する基としては、下記式(a)で表されるメルカプト基含有基であることが好ましい。
以下、成分Aを「多官能チオール化合物」とも称する。

0011

式中、R1及びR2は、各々独立に水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、mは0〜2の整数であり、nは0又は1であり、yは2以上の整数を表し、X1はy価の有機残基である。
R1は、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基であり、R2は水素原子であることが好ましい。

0012

本発明に使用する多官能チオール化合物は、式(a)で表されるように、メルカプト基含有基が有機残基X1にどのような形で結合していてもよいが、下記の式(b)で表されるように、メルカプト含有基がカルボン酸エステル残基を介して有機残基に結合していることが好ましい。

0013

式中、R1及びR2は、各々独立に水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、mは0〜2の整数であり、nは0又は1であり、yは2以上の整数を表し、X2はy価の有機残基である。
R1は、水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基であり、R2は水素原子であることが好ましい。

0014

式(b)において、nは0であることが好ましく、mは0又は1であることが好ましく、1であることがより好ましい。
すなわち、メルカプト基は、第1級又は第2級のメルカプト基であることが好ましく、第1級のメルカプト基がより好ましい。さらに、多官能チオール化合物がメルカプト基含有基を2個有する(y=2)よりも、3個以上有する(yが3以上の整数である。)ことがより好ましい。なお、一分子中に存在する複数のメルカプト基含有基は、全て同じであっても互いに異なっていてもよい。

0015

式(a)又は式(b)において、R1又はR2で表されるアルキル基は、炭素原子数が1〜5であることがより好ましく、1〜3であることがさらに好ましく、メチル基であることが特に好ましい。

0016

本発明に使用する多官能チオール化合物中の有機残基(母核)X1又はX2は、脂肪族基芳香族基若しくは複素環基、並びにこれらを組み合わせた基が例示でき、いずれも置換基を有していてもよい。また、脂肪族基、芳香族基又は複素環基は、単結合で結合されても、−O−、−S−、−CO−、−NH−、−SO 2 −、及び−SO−並びにこれらの組み合わせよりなる群から選ばれた二価連結基を介して結合されてもよい。
以下に、上記の有機残基(母核)の化学構造について、詳述する。

0017

脂肪族基の炭素原子数は、1乃至60であることが好ましく、1乃至30であることがより好ましく、1乃至20であることがさらに好ましく、1乃至10であることが最も好ましい。脂肪族基は、二重結合又は三重結合を有していてもよい。脂肪族基は、環状構造又は分岐を有していてもよい。
芳香族基は、べンゼン環又はナフタレン環からなることが好ましく、ベンゼン環からなることがさらに好ましい。

0018

複素環基は、3員乃至10員の複素環を有することが好ましく、4員乃至8員の複素環を有することがさらに好ましく、5員又は6員の複素環を有することが最も好ましい。複素環の複素原子は、窒素原子酸素原子又は硫黄原子であることが好ましい。複素環には、脂肪族環芳香族環又は他の複素環が縮合又はスピロ結合していてもよい。複素環の例には、ピロリジン環ピペリジン環ピペラジン環、モルホリン環テトラヒドロフラン環テトラヒドロピラン環テトラヒドロチオフェン環、ジオキサン環、オキサゾール環、チアゾール環ピリジン環ピラジン環トリアジン環フラン環チオフェン環及びイソシアヌル環が含まれる。それらの中でもイソシアヌル環が最も好ましい。
脂肪族基、芳香族基及び複素環基の置換基の例には、ヒドロキシ基、ハロゲン原子(例、塩素原子)、シアノ基アミノ基、置換アミノ基、複素環基、アシル基及びアシルオキシ基が含まれる。置換アミノ基の置換基は、アルキル基又はアリール基であることが好ましい。芳香族基及び複素環基は、アルキル基を置換基として有していてもよい。
ただし、上記の置換基として、メルカプト基又はこれを含有する基は含まない。

0019

以下に多官能チオール化合物の母核であるX1又はX2の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、母核にメルカプト含有基〔一般式(b)のようにカルボン酸エステルを介したメルカプト含有基も含む〕が結合する位置は*により示す。

0020

0021

成分Aの有機残基は、付加重合又は重縮合により得られる構造単位を含むことができ、例えば、オリゴビニル基又はポリビニル基が例示できる。成分Aは、分子量が10,000以下の低分子であることが好ましい。後に詳しく説明する。

0022

本発明に用いられる多官能チオール化合物の具体例を以下に挙げるが、これらに限定されない。

0023

1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,9−ノナンジチオール、2,3−ジメルカプト1−プロパノールジチオエリスリトール、2,3−ジメルカプトサクシン酸、1,2−ベンゼンジチオール、1,2−ベンゼンジメタンチオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジメタンチオール、1,4−ベンゼンジメタンチオール、3,4−ジメルカプトトルエン、4−クロロ−1,3−ベンゼンジチオール、2,4,6−トリメチル−1,3−ベンゼンジメタンチオール、4,4’−チオジフェノール、2−ヘキシルアミノ−4,6−ジメルカプト−1,3,5−トリアジン、2−ジエチルアミノ−4,6−ジメルカプト−1,3,5−トリアジン、2−シクロヘキシルアミノ−4,6−ジメルカプト−1,3,5−トリアジン、2−ジ−n−ブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−1,3,5−トリアジン、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2,2’−(エチレンジチオ)ジエタンチオール、2,2−ビス(2−ヒドロキシ−3−メルカプトプロポキシフェニルプロパン)等の2個のメルカプト基を有する化合物、1,2,6−ヘキサントリオールトリチオグリコレート、1,3,5−トリチオシアヌル酸トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリスチグリコレート等の3個のメルカプト基を有する化合物、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート等の4個以上のメルカプト基を有する化合物が挙げられる。これらの多官能チオール化合物には、市販のものとして、エチレングリコールビスチオプロピオネートトリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート(いずれも淀化学(株)製)等がある。

0024

上記の例示化合物の他に、特開2009−262370号公報の段落0033〜0035に記載された化合物もまた、本発明に使用できる。
これらの化合物には、1,2−ベンゼンジメタンチオール、o−,m−あるいはp−キシレンジチオール、エチレングリコールビスチオプロピオネート、ブタンジオールビスチオプロピオネート、ヘキサンジオールビスチオグリコレート、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、2−(ジメチルアミノ)−1,3−プロパンビスチオール、1,3−ジメルカプト−2−プロパノール、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、2,5−ジアミノ−1,4−ベンゼンジチオール、等の2官能チオール化合物、1,3,5−トリス(3−メルカブブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリヒドロキシエチルトリイソシアヌール酸トリスチオプロピオネート、トリスー[(エチル−3−メルカプトプロピオニロキシ)−エチル]イソシアヌレート等の3個以上の重合性官能基を有し、3官能チオール化合物、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキスー3−メルカプトプロピオネート等の4官能チオール化合物等が挙げられる。
これらの多官能チオール化合物(b)には、市販のものとして、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン(カレンMTBD1)(商標)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)(カレンズMT PE1)(商標)、1,3,5−トリス(3−メルカブトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(カレンズMTNR1)(商標)(いずれも昭和電工(株)製)や、トリメチロールプロパントリスー3−メルカプトプロピオネート(TMMP)(商標)、ペンタエリスリトールテトラキスー3−メルカプトプロピオネート(PEMP)(商標)、ジペンタエリスリトールヘキサキスー3−メルカプトプロピオネート(DPMP)(商標)、トリスー[(エチルー3−メルカプトプロピオニロキシ)−エチル]イソシアヌレート(TEMPIC)(商標)(いずれも堺化学工業(株)製)等がある。

0025

上記の多官能チオール化合物のうち、一分子中のメルカプト基の個数が多いものが少量の添加で感度改良効果が高いことから、一分子中に3個以上のメルカプト基を有する多官能チオール化合物が好ましい。
また、カルボン酸エステル結合を有する多官能チオール化合物が好ましい。エステル結合を有する多官能チオール化合物としては、チオグリコール酸又は3−メルカプトプロピオン酸多価アルコールとのエステルが好ましい。

0026

好ましい具体的な化合物としては、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)(A−2)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(A−8)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンを挙げることができる。
上記の2つの化合物を含め、好ましい具体例を化学構造式で以下に示した。いくつかの化合物は、実施例でも使用した。

0027

0028

本発明に使用する成分A(多官能チオール化合物)の分子量は特に限定されるものではないが、100〜10,000が好ましく、200〜5,000がより好ましく、200〜1,000が特に好ましい。上記の分子量範囲であると、揮発性臭気溶解性、又は相溶性に優れる。

0029

本発明の樹脂組成物中の多官能チオール化合物の含有量は、樹脂組成物の全不揮発分の0.1〜20重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜15重量%である。また、これらの多官能チオール化合物は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。

0030

〔(成分B)少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する化合物〕
以下、成分Bを「多官能エチレン性不飽和化合物」とも称する。
多官能エチレン性不飽和化合物としては、末端エチレン性不飽和基を2個〜20個有する化合物が好ましい。このような化合物群は当産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に制限無く用いることができる。これらは、例えば、モノマープレポリマー、即ち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの共重合体、並びにそれらの混合物などの化学的形態をもつ。
多官能エチレン性不飽和化合物におけるエチレン不飽和基由来する化合物の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸メタクリル酸イタコン酸クロトン酸イソクロトン酸マレイン酸など)や、そのエステル類アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基や、アミノ基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル、アミド類と多官能イソシアネート類エポキシ類との付加反応物、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアナト基や、エポキシ基、等の親電子性置換基を有する、不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能又は多官能のアルコール類アミン類との付加反応物、ハロゲン基や、トシルオキシ基、等の脱離性置換基を有する、不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、ビニル化合物アリル化合物、不飽和ホスホン酸スチレン等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。

0031

上記の多官能エチレン性不飽和化合物に含まれるエチレン性不飽和基は、反応性の観点でアクリレートメタクリレート、ビニル化合物、アリル化合物の各残基が好ましい。また、耐刷性の観点からは多官能エチレン性不飽和化合物はエチレン性不飽和基を3個以上有することがより好ましい。

0032

脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレートトリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートトリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピルエーテルトリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等が挙げられる。

0033

メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレートトリエチレングリコールジメタクリレートネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシフェニルジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等が挙げられる。

0034

イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等が挙げられる。

0035

クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラクロトネート等が挙げられる。

0036

イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等が挙げられる。

0037

マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等が挙げられる。

0038

その他のエステルの例として、例えば、特公昭46−27926号、特公昭51−47334号、特開昭57−196231号各公報記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号、特開昭59−5241号、特開平2−226149号各公報記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。

0039

上記エステルモノマーは混合物としても使用することができる。

0040

また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等が挙げられる。

0041

その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報記載のシクロキシレン構造を有すものを挙げることができる。

0042

また、イソシアネート水酸基付加反応を用いて製造されるウレタン付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(i)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。

0043

CH2=C(R)COOCH2CH(R’)OH (i)
(ただし、R及びR’は、それぞれ、H又はCH3を示す。)

0044

また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号各公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号各公報記載のエチレンオキサイド骨格を有するウレタン化合物類も好適である。

0045

さらに、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号各公報に記載される、分子内にアミノ構造を有する付加重合性化合物類を用いることによって、短時間で硬化組成物を得ることができる。

0046

その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号各公報記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号公報記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。さらに、日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。

0047

ビニル化合物としては、ブタンジオール−1,4−ジビニルエーテルエチレングリコールジビニルエーテル、1,2−プロパンジオールジビニルエーテル、1,3−プロパンジオールジビニルエーテル、1,3−ブタンジオールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、トリメチロールエタントリビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ソルビトールテトラビニルエーテル、ソルビトールペンタビニルエーテル、エチレングリコールジエチレンビニルエーテル、エチレングリコールジプロピレンビニルエーテル、トリメチロールプロパントリエチレンビニルエーテル、トリメチロールプロパンジエチレンビニルエーテル、ペンタエリスリトールジエチレンビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリエチレンビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラエチレンビニルエーテル、1,1,1−トリス〔4−(2−ビニロキシエトキシ)フェニル〕エタン、ビスフェノールAジビニロキシエチルエーテルアジピン酸ジビニル等が挙げられる。

0048

アリル化合物としては、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、1,4−シクロヘキサンジアリルエーテル、1,4−ジエチルシクロヘキシルジアリルエーテル、1,8−オクタンジアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、トリメチロールエタントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタアリルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサアリルエーテル、フタル酸ジアリルテレフタル酸ジアリルイソフタル酸ジアリルイソシアヌル酸トリアリル、リン酸トリアリル等が挙げられる。

0049

本発明の樹脂組成物及びレリーフ印刷版原版に用いることができる成分Bの好ましい具体例を以下に例示するが、これらに限定されるものではない。

0050

0051

本発明の樹脂組成物において、成分A中のメルカプト基官能数(y)と、成分B中のエチレン性不飽和基の数の合計は、好ましくは5以上であり、より好ましくは6以上であり、特に好ましくは6〜10である。この範囲内であると、適度の架橋が得られるので、機械的強度に優れるレリーフ形成層を与える樹脂組成物となる。
成分Bの多官能エチレン性不飽和化合物は、レリーフ形成層を与える樹脂組成物中の全エチレン性不飽和化合物に対して、90重量%以上使用することが好ましく、95重量%以上使用することがより好ましい。すなわち単官能エチレン性不飽和化合物は、レリーフ形成層を与える樹脂組成物中の全エチレン性不飽和化合物に対して、10重量%未満のみ使用することが好ましく、5重量%未満しか使用しないことがより好ましく、全く使用しないことが特に好ましい。
成分Bの含有量は、樹脂組成物の全不揮発分中、5〜20重量%であることが好ましく、7〜15重量%であることがより好ましい。
本発明に係るレーザー彫刻用樹脂組成物又はレリーフ印刷版の製版方法では、成分Aと成分Bとは、エン−チオール反応により架橋する。そのためエチレン性不飽和結合チオール基とが等モル近くの比率となるように成分Aと成分Bとを配合することが適切である。成分A/成分Bの好ましいモル比率は、約1/30〜2/1であることが好ましく、1/10〜1/1であることがより好ましい。

0052

〔(成分C)バインダーポリマー〕
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、(成分C)バインダーポリマーを含有する。
バインダーポリマーは、レーザー彫刻用樹脂組成物に含有される高分子成分であり、一般的な高分子化合物を適宜選択し、1種を単独使用するか、又は、2種以上を併用することができる。特に、レーザー彫刻用樹脂組成物を印刷版原版に用いる際は、レーザー彫刻性インキ受与性、彫刻カス分散性などの種々の性能を考慮して選択することが好ましい。
バインダーポリマーとしては、ポリスチレン樹脂ポリエステル樹脂ポリアミド樹脂ポリスルホン樹脂ポリエーテルスルホン樹脂ポリイミド樹脂ヒドロキシエチレン単位を含む親水性ポリマー、アクリル樹脂、アセタール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂ゴム、熱可塑性エラストマーなどから選択して用いることができる。
例えば、レーザー彫刻感度の観点からは、露光あるいは加熱により熱分解する部分構造を含むポリマーが好ましい。このようなポリマーは、特開2008−163081号公報の段落0038に記載されているものが好ましく挙げられる。また、例えば、柔軟で可撓性を有する膜形成が目的とされる場合には、軟質樹脂や熱可塑性エラストマーが選択される。特開2008−163081号公報の段落0039〜0040に詳述されている。さらに、レーザー彫刻用樹脂組成物を、レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版におけるレリーフ形成層に適用する場合であれば、レリーフ形成層用組成物の調製の容易性、得られたレリーフ印刷版における油性インクに対する耐性向上の観点から、親水性又は親アルコール性ポリマーを使用することが好ましい。親水性ポリマーとしては、特開2008−163081号公報の段落0041に詳述されているものを使用することができる。

0053

加えて、加熱や露光により硬化させ、強度を向上させる目的に使用する場合には、分子内にエチレン性不飽和結合をもつポリマーが好ましく用いられる。
このようなポリマーとして、主鎖にエチレン性不飽和結合を含むポリマーとしては、例えば、SB(ポリスチレンポリブタジエン)、SBS(ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン)、SIS(ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン)、SEBS(ポリスチレン−ポリエチレンポリブチレン−ポリスチレン)等が挙げられる。
側鎖にエチレン性不飽和結合をもつポリマーとしては、後記のバインダーポリマーの骨格に、アリル基アクリロイル基メタクリロイル基スチリル基ビニルエーテル基のようなエチレン性不飽和結合を側鎖に導入することにより得られる。バインダーポリマー側鎖にエチレン性不飽和結合を導入する方法は、(1)重合性基保護基を結合させてなる重合性基前駆体を有する構造単位をポリマーに共重合させ、保護基を脱離させて重合性基とする方法、(2)水酸基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基などの反応性基を複数有する高分子化合物を作製し、これらの反応性基と反応する基及びエチレン性不飽和結合を有する化合物を高分子反応により導入する方法など、公知方法をとることができる。これらの方法によれば、高分子化合物中へのエチレン性不飽和基の導入量を制御することができる。

0054

(成分C)バインダーポリマーは、以下に詳述する(成分D)加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物中の加水分解性シリル基及び/又はシラノール基と反応して架橋構造を形成し得る官能基(以下、適宜、「反応性官能基」と称する。)を有するバインダーポリマーであることが好ましい。
成分Cに含まれる反応性官能基としては、成分D中の加水分解性シリル基及び/又はシラノール基と反応して−Si−O−結合を形成可能な基であれば特に限定されず、ヒドロキシル基、シラノール基、加水分解性シリル基が好ましい。

0055

この反応性官能基は、ポリマー分子中のいずれかに存在すればよいが、鎖状ポリマーの側鎖に存在することが好ましい。このようなポリマーとしては、ビニル共重合体ポリビニルアルコールポリビニルアセタールなどのビニルモノマーの共重合体及びその誘導体)やアクリル樹脂(ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどのアクリル系モノマーの共重合体及びその誘導体)が好ましく例示できる。

0056

バインダーポリマーに反応性官能基を導入する方法は特に限定されず、反応性官能基を有する単量体を付加(共)重合又は重縮合する方法、反応性官能基に誘導可能な基を有するポリマーを合成した後、このポリマーを高分子反応により反応性官能基に誘導する方法が含まれる。
成分Cのポリマーとしては、特に、(C−1)ヒドロキシル基を有するバインダーポリマーが好ましく用いられる。以下に説明する。

0057

(C−1)ヒドロキシル基を有するバインダーポリマー
以下、本発明の樹脂組成物における成分Cのバンインダーポリマーとしては、(C−1)ヒドロキシル基を有するバインダーポリマー(以下、適宜、「成分C−1」又は「特定ポリマー」とも称する。)が好ましい。この特定ポリマーは、水不溶であって、且つ、炭素数1〜4のアルコールに可溶であることが好ましい。

0058

成分C−1として、水性インキ適性とUVインキ適性を両立しつつ、かつ彫刻感度が高く皮膜性も良好であるレリーフ形成層を与えるレーザー彫刻用樹脂組成物には、ポリビニルアセタール及びその誘導体、側鎖にヒドロキシル基を有するアクリル樹脂、及び、側鎖にヒドロキシル基を有するエポキシ樹脂等が好ましく挙げられる。

0059

成分C−1は、ガラス転移温度(Tg)が20℃以上であることが好ましい。任意成分である(成分F)700nm〜1,300nmの波長の光を吸収可能な光熱変換剤(以下、適宜、「成分F」又は「光熱変換剤」とも称する。)と組み合わせた場合に、バインダーポリマーのガラス転移温度(Tg)を20℃以上とすることにより、彫刻感度が向上する。このようなガラス転移温度を有するバインダーポリマーを以下、「非エラストマー」と称する。バインダーポリマーのガラス転移温度の上限には制限はないが、200℃以下であることが取り扱い性の観点から好ましく、25℃以上120℃以下であることがより好ましい。

0060

ガラス転移温度が室温(20℃)以上のポリマーを用いる場合、特定ポリマーは常温ではガラス状態をとるが、このためゴム状態をとる場合に比較して、熱的な分子運動はかなり抑制された状態にある。レーザー彫刻においては、レーザー照射時に、赤外線レーザーが付与する熱に加え、所望により併用される(成分F)光熱変換剤の機能により発生した熱が、周囲に存在する特定ポリマーに伝達され、これが熱分解、消散して、結果的に彫刻されて凹部が形成されると推定される。
特定ポリマーを用いた場合、特定ポリマーの熱的な分子運動が抑制された状態の中に光熱変換剤が存在すると特定ポリマーへの熱伝達と熱分解が効果的に起こるものと考えられ、このような効果によって彫刻感度がさらに増大したものと推定される。

0061

本発明において好ましく用いられる非エラストマーであるポリマーの具体例を以下に挙げる。

0062

(1)ポリビニルアセタール及びその誘導体
ポリビニルアセタールは、ポリビニルアルコール(ポリ酢酸ビニル鹸化して得られる)を環状アセタール化することにより得られる化合物である。また、ポリビニルアセタール誘導体は、前記ポリビニルアセタールを変性したり、他の共重合成分を加えたものである。
ポリビニルアセタール誘導体中のアセタール含量(原料酢酸ビニルモノマー総モル数を100%とし、アセタール化されるビニルアルコール単位モル%)は、30%〜90%が好ましく、50%〜85%がより好ましく、55%〜78%が特に好ましい。
ポリビニルアセタール誘導体中のビニルアルコール単位としては、原料の酢酸ビニルモノマーの総モル数に対して、10モル%〜70モル%が好ましく、15モル%〜50モル%がより好ましく、22モル%〜45モル%が特に好ましい。
また、ポリビニルアセタールは、その他の成分として、酢酸ビニル単位を有していてもよく、その含量としては0.01〜20モル%が好ましく、0.1〜10モル%がさらに好ましい。ポリビニルアセタール誘導体は、さらに、その他の共重合単位を有していてもよい。
ポリビニルアセタールとしては、ポリビニルブチラール、ポリビニルプロピラール、ポリビニルエチラール、ポリビニルメチラールなどが挙げられる。中でもポリビニルブチラール誘導体(PVB)が好ましい。
ポリビニルブチラールは、通常、ポリビニルアルコールをブチラール化して得られるポリマーである。また、ポリビニルブチラール誘導体を用いてもよい。
ポリビニルブチラール誘導体の例として、水酸基の少なくとも一部をカルボキシル基等の酸基に変性した酸変性PVB、水酸基の一部を(メタ)アクリロイル基に変性した変性PVB、水酸基の少なくとも一部をアミノ基に変性した変性PVB、水酸基の少なくとも一部にエチレングリコールやプロピレングリコール及びこれらの複量体を導入した変性PVB等が挙げられる。
ポリビニルアセタールの分子量としては、彫刻感度と皮膜性のバランスを保つ観点で、重量平均分子量として5,000〜800,000であることが好ましく、より好ましくは8,000〜500,000である。さらに、彫刻カスのリンス性向上の観点からは、50,000〜300,000であることが特に好ましい。

0063

以下、ポリビニルアセタールの特に好ましい例として、ポリビニルブチラール(PVB)及びその誘導体を挙げて説明するが、これに限定されない。
ポリビニルブチラールの構造は、以下に示す通りであり、これらの構造単位を含んで構成される。

0064

上記式中、l、m及びnは上記式中のそれぞれの繰返し単位のポリビニルブチラール中における含有量(モル%)を表し、l+m+n=100の関係を満たす。ポリビニルブチラール及びその誘導体中のブチラール含量(上記式中におけるlの値)は、30〜90モル%が好ましく、40〜85モル%がより好ましく、45〜78モル%が特に好ましい。
彫刻感度と皮膜性とのバランスの観点から、ポリビニルブチラール及びその誘導体の重量平均分子量は、5,000〜800,000が好ましく、8,000〜500,000がより好ましく、彫刻カスのリンス性向上の観点からは、50,000〜300,000が特に好ましい。

0065

PVBの誘導体としては、市販品としても入手可能であり、その好ましい具体例としては、アルコール溶解性(特にエタノール)の観点で、積水化学工業(株)製の「エスレックB」シリーズ、「エスレックK(KS)」シリーズ、電気化学工業(株)製の「デンカブチラール」が好ましい。さらに好ましくは、アルコール溶解性(特にエタノール)の観点で積水化学工業(株)製の「エスレックB」シリーズと電気化学工業(株)製の「デンカブチラール」であり、特に好ましくは「エスレックB」シリーズでは、「BL−1」、「BL−1H」、「BL−2」、「BL−5」、「BL−S」、「BX−L」、「BM−S」、「BH−S」、デンカ製の「デンカブチラール」では「#3000−1」、「#3000−2」、「#3000−4」、「#4000−2」、「#6000−C」、「#6000−EP」、「#6000−CS」、「#6000−AS」である。
PVBを特定ポリマーとして用いてレリーフ形成層を製膜する際には、溶媒に溶かした溶液キャストし乾燥させる方法が、膜の表面の平滑性の観点で好ましい。

0066

(2)アクリル樹脂
特定ポリマーとして用いることができるアクリル樹脂としては、公知のアクリル単量体を用いて得るアクリル樹脂であって、分子内にヒドロキシル基を有するものであればよい。
ヒドロキシル基を有するアクリル樹脂の合成に用いられるアクリル単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類(メタ)アクリルアミド類であって分子内にヒドロキシル基を有するものが好ましい。この様な単量体の具体例としては例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び「メタアクリル」のいずれか一方、又は、その両方を含む語であり、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリル」及び「メタアクリル」のいずれか一方、又は、その両方を含む語である。

0067

また、アクリル樹脂としては、上記ヒドロキシル基を有するアクリル単量体以外のアクリル単量体を共重合成分として含むこともできる。このようなアクリル単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、アセトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールとプロピレングリコールとの共重合体のモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
さらに、ウレタン基ウレア基を有するアクリル単量体を含んで構成される変性アクリル樹脂も好ましく使用することができる。
これらの中でも、水性インキ耐性の観点で、ラウリル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート類、t−ブチルシクロヘキシルメタクリレートなど脂肪族環状構造を有する(メタ)アクリレート類が特に好ましい。

0068

(3)ノボラック樹脂
また、特定ポリマーとして、フェノール類アルデヒド類酸性条件下で縮合させた樹脂であるノボラック樹脂を用いることができる。
好ましいノボラック樹脂としては、例えばフェノールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、m−クレゾールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、p−クレゾールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、o−クレゾールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、オクチルフェノールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、m−/p−混合クレゾールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、フェノール/クレゾール(m−,p−,o−又はm−/p−,m−/o−,o−/p−混合のいずれでもよい)の混合物とホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂などが挙げられる。
これらのノボラック樹脂は、重量平均分子量が800〜200,000で、数平均分子量が400〜60,000のものが好ましい。
特定ポリマーとして、ヒドロキシル基を側鎖に有するエポキシ樹脂を用いることも可能である。好ましい具体例としては、ビスフェノールAとエピクロヒドリンの付加物原料モノマーとして重合して得られるエポキシ樹脂が好ましい。
これらのエポキシ樹脂は、重量平均分子量が800〜200,000で、数平均分子量が400〜60,000のものが好ましい。

0069

特定ポリマーの中でも、レリーフ形成層としたときのリンス性及び耐刷性の観点でポリビニルブチラール誘導体が特に好ましい。
本発明における特定ポリマーに含まれるヒドロキシル基の含有量は、前記いずれの態様のポリマーにおいても、0.1〜15mmol/gであることが好ましく、0.5〜7mmol/gであることがより好ましい。
樹脂組成物には、特定ポリマーを1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明に用いることができるバインダーポリマーの好ましい含有量は、塗膜形態保持性耐水性と彫刻感度をバランスよく満足する観点で、全不揮発分中、2〜95重量%であることが好ましく、より好ましくは5〜80重量%、特に好ましくは10〜60重量%である。

0070

レーザー彫刻用樹脂組成物には、上記特定ポリマーに加え、ヒドロキシル基を有しないポリマーなど特定ポリマーに包含されない公知のポリマーを単独使用又は上記の特定ポリマーと併用することができる。以下、このようなポリマーを一般ポリマーともいう。
一般ポリマーは、前記特定ポリマーとともに、レーザー彫刻用樹脂組成物に含有される主成分を構成するものであり、特定ポリマーに包含されない一般的な高分子化合物を適宜選択し、1種又は2種以上を使用することができる。特に、レリーフ形成版原版を印刷版原版に用いる際は、レーザー彫刻性、インキ受与性、彫刻カス分散性などの種々の性能を考慮してバインダーポリマーを選択することが必要である。

0071

一般ポリマーとしては、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレアポリアミドイミド樹脂ポリウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ヒドロキシエチレン単位を含む親水性ポリマー、アクリル樹脂、アセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ゴム、熱可塑性エラストマーなどから選択して用いることができる。

0072

例えば、レーザー彫刻感度の観点からは、露光あるいは加熱により熱分解する部分構造を含むポリマーが好ましい。このようなポリマーは、特開2008−163081号公報の段落0038に記載されているものが好ましく挙げられる。また、例えば、柔軟で可撓性を有する膜形成が目的とされる場合には、軟質樹脂や熱可塑性エラストマーが選択される。特開2008−163081号公報の段落0039〜0040に詳述されている。さらに、レリーフ形成層用組成物の調製の容易性、得られたレリーフ印刷版における油性インクに対する耐性向上の観点から、親水性又は親アルコール性ポリマーを使用することが好ましい。親水性ポリマーとしては、特開2008−163081号公報の段落0041に詳述されているものを使用することができる。

0073

〔(成分D)加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物〕
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物に用いられる(成分D)加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物における「加水分解性シリル基」とは、加水分解性を有するシリル基のことであり、加水分解性基としては、アルコキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子、アミド基アセトキシ基、アミノ基、イソプロペノキシ基等を挙げることができる。シリル基は加水分解してシラノール基となり、シラノール基は脱水縮合してシロキサン結合が生成する。このような加水分解性シリル基又はシラノール基は下記式(1)で表される部分構造を有するものが好ましい。

0074

0075

前記式(1)中、R1〜R3の少なくともいずれか1つは、アルコキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子、アミド基、アセトキシ基、アミノ基、及び、イソプロペノキシ基よりなる群から選択される加水分解性基、又は、ヒドロキシル基を表す。残りのR1〜R3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、又は、1価の有機置換基(例えば、アルキル基、アリール基、アルケニル基アルキニル基アラルキル基を挙げることができる。)を表す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、(イソ)プロピル基が好ましく、メチル基及びエチル基がより好ましい。アリール基としては、フェニル基が好ましい。
前記式(1)中、ケイ素原子に結合する加水分解性基としては、特にアルコキシ基、ハロゲン原子が好ましく、アルコキシ基がより好ましい。
アルコキシ基としては、リンス性と耐刷性の観点から、炭素数1〜30のアルコキシ基が好ましい。より好ましくは炭素数1〜15のアルコキシ基、さらに好ましくは炭素数1〜5、特に好ましくは炭素数1〜3のアルコキシ基、最も好ましくはメトキシ基又はエトキシ基である。
また、ハロゲン原子としては、F原子Cl原子、Br原子、I原子が挙げられ、合成のしやすさ及び安定性の観点で、好ましくはCl原子及びBr原子であり、より好ましくはCl原子である。

0076

本発明に使用する成分Dは、前記式(1)で表される基を1つ以上有する化合物であることが好ましく、2つ以上有する化合物であることがより好ましい。特に加水分解性シリル基を2つ以上有する化合物が好ましく用いられる。すなわち、分子内に加水分解性基が結合したケイ素原子を2つ以上有する化合物が好ましく用いられる。成分D中に含まれる加水分解性基が結合したケイ素原子の数は、2以上6以下が好ましく、2又は3が最も好ましい。
前記加水分解性基は1個のケイ素原子に1〜4個の範囲で結合することができ、式(1)中における加水分解性基の総個数は2又は3の範囲であることが好ましい。特に3つの加水分解性基がケイ素原子に結合していることが好ましい。加水分解性基がケイ素原子に2個以上結合するときは、それらは互いに同一であっても、異なっていてもよい。

0077

好ましい前記アルコキシ基として、具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、フェノキシ基ベンジルオキシ基などを挙げることができる。これらの各アルコキシ基を複数個組み合わせて用いてもよいし、異なるアルコキシ基を複数個組み合わせて用いてもよい。
アルコキシ基の結合したアルコキシシリル基としては、例えば、トリメトキシシリル基トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、トリフェノキシシリル基などのトリアルコキシシリル基ジメトキシメチルシリル基ジエトキシメチルシリル基などのジアルコキシモノアルキルシリル基メトキシジメチルシリル基、エトキシジメチルシリル基などのモノアルコキシジアルキルシリル基を挙げることができる。

0078

成分Dは、硫黄原子、エステル結合、ウレタン結合エーテル結合ウレア結合、又は、イミノ基を少なくとも有することが好ましい。
中でも、成分Dは、架橋性の観点から、硫黄原子を含有することが好ましく、また、彫刻カスの除去性(リンス性)の観点から、アルカリ水で分解しやすいエステル結合、ウレタン結合、又は、エーテル結合(特にオキシアルキレン基に含まれるエーテル結合)を含有することが好ましい。硫黄原子を含有する成分Aは、加硫処理時に、加硫剤加硫促進剤として機能し、(B)共役ジエン単量体単位を含有する重合体の反応(架橋)を促進する。その結果、印刷版として必要なゴム弾性発現させる。また、架橋レリーフ形成層及びレリーフ層の強度を向上させる。
また、本発明における成分Dは、エチレン性不飽和結合を有していない化合物であることが好ましい。

0079

本発明における成分Dは、複数の前記式(1)で表される基が二価の連結基を介して結合している化合物が挙げられ、このような二価の連結基としては、効果の観点からスルフィド基(−S−)、イミノ基(−N(R)−)、又は、ウレタン結合(−OCON(R)−又は−N(R)COO−)を有する連結基が好ましい。なお、Rは水素原子又は置換基を表す。Rにおける置換基としては、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、又は、アラルキル基が例示できる。
成分Dの合成方法としては、特に制限はなく、公知の方法により合成することができる。一例として、上記特定構造を有する連結基を含む成分Dの代表的な合成方法を以下に示す。

0080

<連結基としてスルフィド基を有する成分Dの合成法
連結基としてスルフィド基を有する成分D(以下、適宜、「スルフィド連結基含有成分D」と称する。)の合成法は特には限定されないが、具体的には、例えば、ハロゲン化炭化水素基を有する成分Dと硫化アルカリの反応、メルカプト基を有する成分Dとハロゲン化炭化水素の反応、メルカプト基を有する成分Dとハロゲン化炭化水素基を有する成分Dの反応、ハロゲン化炭化水素基を有する成分Dとメルカプタン類の反応、エチレン性不飽和二重結合を有する成分Dとメルカプタン類の反応、エチレン性不飽和二重結合を有する成分Dとメルカプト基を有する成分Dの反応、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物とメルカプト基を有する成分Dの反応、ケトン類とメルカプト基を有する成分Dの反応、ジアゾニウム塩とメルカプト基を有する成分Dの反応、メルカプト基を有する成分Dとオキシラン類との反応、メルカプト基を有する成分Dとオキシラン基を有する成分Dの反応、及び、メルカプタン類とオキシラン基を有する成分Dの反応、メルカプト基を有する成分Dとアジリジン類との反応等の合成方法が例示できる。

0081

<連結基としてイミノ基を有する成分Dの合成法>
連結基としてイミノ基を有する成分D(以下、適宜、「イミノ連結基含有成分D」と称する。)の合成法は特には限定されないが、具体的には、例えば、アミノ基を有する成分Dとハロゲン化炭化水素の反応、アミノ基を有する成分Dとハロゲン化炭化水素基を有する成分Dの反応、ハロゲン化炭化水素基を有する成分ADアミン類の反応、アミノ基を有する成分Dとオキシラン類との反応、アミノ基を有する成分Dとオキシラン基を有する成分Dの反応、アミン類とオキシラン基を有する成分Dの反応、アミノ基を有する成分Dとアジリジン類との反応、エチレン性不飽和二重結合を有する成分Dとアミン類の反応、エチレン性不飽和二重結合を有する成分Dとアミノ基を有する成分Dの反応、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物とアミノ基を有する成分Dの反応、アセチレン性不飽和三重結合を有する化合物とアミノ基を有する成分Dの反応、イミン不飽和二重結合を有する成分Dと有機アルカリ金属化合物の反応、イミン性不飽和二重結合を有する成分Dと有機アルカリ土類金属化合物の反応、及び、カルボニル化合物とアミノ基を有する成分Dの反応等の合成方法が例示できる。

0082

<連結基としてウレタン結合(ウレイレン基)を有する成分Dの合成法>
連結基としてウレイレン基を有する成分D(以下、適宜、「ウレイレン連結基含有成分D」と称する。)の合成法は特には限定されないが、具体的には、例えば、アミノ基を有する成分Dとイソシアン酸エステル類の反応、アミノ基を有する成分Dとイソシアン酸エステルを有する成分Dの反応、及び、アミン類とイソシアン酸エステルを有する成分Dの反応等の合成方法が例示できる。

0083

成分Dとしては、下記式(A−1)又は式(A−2)で表される化合物であることが好ましい。

0084

(式(A−1)及び式(A−2)中、RBはエステル結合、アミド結合、ウレタン結合、
ウレア結合、又は、イミノ基を表し、L1はn価の連結基を表し、L2は二価の連結基を表し、Ls1はm価の連結基を表し、L3は二価の連結基を表し、n及びmはそれぞれ独立に
1以上の整数を表し、R1〜R3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、又は、一価の有機置換基を表す。ただし、R1〜R3の少なくともいずれか1つは、アルコキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子、アミド基、アセトキシ基、アミノ基、及び、イソプロペノキシ基よりなる群から選択される加水分解性基、又は、ヒドロキシル基を表す。)

0085

前記式(A−1)及び式(A−2)におけるR1〜R3は、前記式(1)におけるR1〜
R3と同義であり、好ましい範囲も同様である。
前記RBは、リンス性及び膜強度の観点から、エステル結合又はウレタン結合であるこ
とが好ましく、エステル結合であることがより好ましい。
前記L1〜L3における二価又はn価の連結基は、炭素原子、水素原子、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子よりなる群から選ばれた少なくとも1種の原子から構成された基であることが好ましく、炭素原子、水素原子、酸素原子及び硫黄原子よりなる群から選ばれた少なくとも1種の原子から構成された基であることがより好ましい。前記L1〜L3の炭素数は、2〜60であることが好ましく、2〜30であることがより好ましい。また、L3は、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、及び、イミノ基を含まないことが好ましい。
前記Ls1におけるm価の連結基は、硫黄原子と、炭素原子、水素原子、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子よりなる群から選ばれた少なくとも1種の原子とから構成された基であることが好ましく、アルキレン基、又は、アルキレン基、スルフィド基及びイミノ基を2以上組み合わせた基であることがより好ましい。前記Ls1の炭素数は、2〜60であることが好ましく、6〜30であることがより好ましい。
前記n及びmはそれぞれ独立に、1〜10の整数であることが好ましく、2〜10の整数であることがより好ましく、2〜6の整数であることがさらに好ましく、2であることが特に好ましい。
L1のn価の連結基及び/若しくはL2の二価の連結基、又は、L3の二価の連結基は、
彫刻カスの除去性(リンス性)の観点から、エーテル結合を有することが好ましく、オキシアルキレン基に含まれるエーテル結合を有することがより好まし好ましく、ポリオキシアルキレン基に含まれるエーテル結合を有することがさらに好ましい。
式(A−1)又は式(A−2)で表される化合物の中でも、式(A−1)において、L1のn価の連結基及び/又はL2の二価の連結基が硫黄原子を有する基であることが好ましい。

0086

本発明に適用し得る成分Dの具体例を以下に示す。例えば、ビニルトリクロロシランビニルトリメトキシシランビニルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシランジメトキシ−3−メルカプトプロピルメチルシラン、2−(2−アミノエチルチオエチル)ジエトキシメチルシラン、3−(2−アセトキシエチルチオプロピル)ジメトキシメチルシラン、2−(2−アミノエチルチオエチル)トリエトキシシラン、ジメトキシメチル−3−(3−フェノキシプロピルチオプロピル)シラン、ビス(トリエトキシシリルプロピルジスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、1,4−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、ビス(トリエトキシシリル)エタン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、1,8−ビス(トリエトキシシリル)オクタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)デカン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)アミン、ビス(トリメトキシシリルプロピルウレア、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラントリメチルシラノールジフェニルシランジオールトリフェニルシラノール等を挙げることができる。その他にも、以下に示す化合物が好ましいものとして挙げられるが、本発明はこれらの化合物に制限されるものではない。

0087

0088

0089

0090

0091

前記各式中、Rは以下の構造から選択される部分構造を表す。分子内に複数のR及びR1が存在する場合、これらは互いに同じでも異なっていてもよく、合成適性上は、同一で
あることが好ましい。

0092

0093

0094

前記各式中、Rは以下に示す部分構造を表す。R1は前記したものと同義である。分子
内に複数のR及びR1が存在する場合、これらは互いに同じでも異なっていてもよく、合
成適性上は、同一であることが好ましい。

0095

0096

成分Dは、適宜合成して得ることも可能であるが、市販品を用いることがコストの面から好ましい。成分Dとしては、例えば、信越化学工業(株)、東レ・ダウコーニング(株)、モメンティパフォーマンスマテリアルズ(株)、チッソ(株)等から市販されているシラン製品シランカップリング剤などの市販品がこれに相当する。本発明の樹脂組成物に、これら市販品を、目的に応じて適宜選択して使用してもよい。

0097

本発明における成分Dとして、加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物を1種用いて得られた部分加水分解縮合物、又は、2種以上用いて得られた部分共加水分解縮合物を用いることができる。以下、これらの化合物を「部分(共)加水分解縮合物」と称することがある。
部分(共)加水分解縮合物前駆体としてのシラン化合物の中でも、汎用性、コスト面、膜の相溶性の観点から、ケイ素上の置換基としてメチル基及びフェニル基から選択される置換基を有するシラン化合物であることが好ましい。具体的には、メチルトリメトキシシランメチルトリエトキシシランフェニルトリメトキシシランフェニルトリエトキシシランジメチルジメトキシシランジメチルジエトキシシランジフェニルジメトキシシランジフェニルジエトキシシランが好ましい前駆体として例示される。
この場合、部分(共)加水分解縮合物としては、上記したようなシラン化合物の2量体(シラン化合物2モルに水1モルを作用させてアルコール2モルを脱離させ、ジシロキサン単位としたもの)〜100量体、好ましくは2〜50量体、さらに好ましくは2〜30量体としたものが好適に使用できるし、2種以上のシラン化合物を原料とする部分共加水分解縮合物を使用することも可能である。

0098

なお、このような部分(共)加水分解縮合物は、シリコーンアルコキシオリゴマーとして市販されているものを使用してもよく(例えば、信越化学工業(株)などから市販されている。)、また、常法に基づき、加水分解性シラン化合物に対し当量未満の加水分解水を反応させた後に、アルコール、塩酸等の副生物を除去することによって製造したものを使用してもよい。製造に際しては、前駆体となる原料の加水分解性シラン化合物として、例えば、上記したようなアルコキシシラン類アシロキシシラン類を使用する場合は、塩酸、硫酸等の酸、水酸化ナトリウム水酸化カリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属水酸化物トリエチルアミン等のアルカリ性有機物質等を反応触媒として部分加水分解縮合すればよく、クロロシラン類から直接製造する場合には、副生する塩酸を触媒として水及びアルコールを反応させればよい。
(成分D)加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物を以下に例示する。なお、化学式中、Etはエチル基を表し、Meはメチル基を表す。

0099

0100

0101

0102

0103

0104

0105

本発明の樹脂組成物における成分Dは、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の樹脂組成物中に含まれる成分Dの含有量は、固形分換算で、0.1〜80重量%の範囲であることが好ましく、1〜40重量%の範囲であることがより好ましく、2〜30重量%の範囲であることが特に好ましい。

0106

〔(成分E)架橋促進剤〕
架橋促進剤としては、(成分E−1)酸、(成分E−2)塩基及び(成分E−3)重合開始剤、よりなる群から選ばれた1種以上であることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、成分Dの架橋構造形成を促進するため、アルコール交換反応触媒を含有することが好ましい。アルコール交換反応触媒は、シランカップリング反応において一般に用いられる反応触媒であれば、限定なく適用できる。以下、代表的なアルコール交換反応触媒である、酸又は塩基、及び、金属錯体触媒について順次説明する。
また、上記の酸としては、プロトン酸(塩酸、硫酸、リン酸など)、ルイス酸(AlCl3、ZnCl2など)、光酸発生剤が例示できる。
上記の塩基としては、無機塩基(NaOH、Na2CO3など)、金属アルコキシド(MeONa、t−BuOKなど)、アミン類が例示できる。
本発明の樹脂組成物は、成分Bの付加反応を促進するために、(成分E−3)重合開始剤を含有することが好ましい。
重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤が好ましく使用できる。
以下に詳しく説明する。

0107

(成分E−1)酸触媒又は(成分E−2)塩基性触媒
触媒としては、酸又は塩基性化合物をそのまま用いるか、又は水もしくは有機溶剤などの溶媒に溶解させた状態のもの(以下、それぞれ酸性触媒、塩基性触媒とも称する。)を用いる。溶媒に溶解させる際の濃度については特に限定はなく、用いる酸又は塩基性化合物の特性、触媒の所望の含有量などに応じて適宜選択すればよい。
酸性触媒としては、塩酸などのハロゲン化水素硝酸、硫酸、亜硫酸硫化水素過塩素酸過酸化水素炭酸蟻酸酢酸などのカルボン酸、そのRCOOHで表される構造式のRを他元素又は置換基によって置換した置換カルボン酸ベンゼンスルホン酸などのスルホン酸、リン酸、ヘテロポリ酸無機固体酸などが挙げられる。
塩基性触媒としては、アンモニア水などのアンモニア性塩基、アミン類、アルカリ金属水酸化物アルカリ金属アルコキシドアルカリ土類酸化物四級アンモニウム塩化合物四級ホスホニウム塩化合物などが挙げられる。

0108

アミン類としては、(a)ヒドラジン等の水素化窒素化合物;(b)脂肪族アミン脂環式アミン又は芳香族アミン;(c)縮合環を含む環状アミン;(d)アミノ酸類、アミド類、アルコールアミン類エーテルアミン類、イミド類又はラクタム類等の含酸素アミン;(e)S、Se等のヘテロ原子を有する含ヘテロ元素アミン;が挙げられる。

0109

前記(c)縮合環を含む環状アミンとは、少なくとも1つの窒素原子が縮合環を形成する環骨格に含まれる環状アミンであり、例えば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンが挙げられ、中でも、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンが好ましい。
前記(d)アミノ酸類、アミド類、アルコールアミン類、エーテルアミン類、イミド類又はラクタム類等の含酸素アミンとしては、フタルイミド、2,5−ピペラジンジオンマレイミドカプロラクタムピロリドンモルホリングリシンアラニンフェニルアラニンが挙げられる。

0110

(成分E−3)重合開始剤
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物をレリーフ形成層作製に用いる場合には、さらに(E−3)重合開始剤を含有することが好ましい。
重合開始剤は当業者間で公知のものを制限なく使用することができる。以下、好ましい重合開始剤であるラジカル重合開始剤について詳述する。

0111

本発明において、好ましいラジカル重合開始剤としては、(a)芳香族ケトン類、(b)オニウム塩化合物、(c)有機過酸化物、(d)チオ化合物、(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(f)ケトオキシムエステル化合物、(g)ボレート化合物、(h)アジニウム化合物、(i)メタロセン化合物、(j)活性エステル化合物、(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物、(l)アゾ系化合物等が挙げられる。

0112

上記の(a)芳香族ケトン類〜(l)アゾ系化合物については、特開2010−69763号公報の段落0198〜0249に記載されている化合物を好ましく用いることができる。

0113

本発明におけるラジカル重合開始剤の好ましい例としては、上述の(a)芳香族ケトン類、(b)オニウム塩化合物、(c)有機過酸化物、(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(i)メタロセン化合物、(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物、及び、(l)アゾ系化合物を挙げることができ、(c)有機過酸化物及び(l)アゾ系化合物がより好ましく使用できる。

0114

また、(c)有機過酸化物及び(l)アゾ系化合物としては、以下に示す化合物が例示できる。
(c)有機過酸化物
本発明に用い得るラジカル重合開始剤として好ましい(c)有機過酸化物としては、分子中に酸素酸素結合を1個以上有する有機化合物のほとんど全てが含まれるが、その例としては、メチルエチルケトンパーオキサイドシクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)ブタン、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイドクメンハイドロパーオキサイドジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイド、ターシャリーブチルクミルパーオキサイド、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエートジクミルパーオキサイド、ビス(ターシャリーブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリーブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−キサノイルパーオキサイド、過酸化こはく酸、過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、メタ−トルオイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ターシャリーブチルパーオキシアセテート、ターシャリーブチルパーオキシピバレート、ターシャリーブチルパーオキシネオデカノエート、ターシャリーブチルパーオキシオクタノエート、ターシャリーブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、ターシャリーブチルパーオキシラウレートターシャリーカーボネート、3,3’4,4’−テトラ−(ターシャリーブチルパーオキシカルボニルベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ−(ターシャリーアミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ−(ターシャリーヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ−(ターシャリーオクチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ−(クミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ−(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、カルボニルジ(ターシャリーブチルパーオキシ二水素フタレート)、カルボニルジ(ターシャリーヘキシルパーオキシ二水素二フタレート)等がある。

0115

これらの中でも、3,3’4,4’−テトラ−(ターシャリーブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ−(ターシャリーアミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ−(ターシャリーヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ−(ターシャリーオクチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、3,3’4,4’−テトラ−(クミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ−(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ジ−ターシャリーブチルジパーオキシイソフタレートなどが膜の架橋性と保存安定性の点で好ましく、より好ましくはターシャリーブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、ターシャリーブチルヒドロパーオキサイドである。
この有機過酸化物が本発明における重合開始剤として、膜(レリーフ形成層)の架橋性の観点から好ましく、さらに、予想外の効果として、彫刻感度向上の観点で特に好ましいことを見出した。

0116

(l)アゾ系化合物
本発明に用い得るラジカル重合開始剤として好ましい(l)アゾ系化合物としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスプロピオニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シア吉草酸)、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドオキシム)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等を挙げることができる。

0117

なお、本発明においては、前記(c)有機過酸化物が本発明における重合開始剤として、膜(レリーフ形成層)の架橋性の観点から好ましく、さらに、彫刻感度向上の観点で特に好ましい。

0118

レーザー彫刻用樹脂組成物中の架橋促進剤(又は重合開始剤)の含有量は、レリーフ形成層の全不揮発分に対し0.01〜10重量%が好ましく、0.1〜3重量%がより好ましい。重合開始剤の含有量を0.01重量%以上とすることで、これを添加した効果が得られ、架橋性レリーフ形成層の架橋が速やかに行われる。また、含有量を10重量%以下とすることで他成分が不足することがなく、レリーフ印刷版として使用するに足る耐刷性が得られるためである。

0119

〔(成分F)700〜1,300nmの波長の光を吸収可能な光熱変換剤〕
本発明に係る樹脂組成物又はレリーフ印刷版原版は、さらに、光熱変換剤を含有することが好ましい。即ち、本発明における光熱変換剤は、レーザーの光を吸収し発熱することで、レーザー彫刻時の硬化物の熱分解を促進すると考えられる。このため、彫刻に用いるレーザー波長の光を吸収する光熱変換剤を選択することが好ましい。

0120

本発明に係る印刷版原版を、700〜1,300nmの赤外線を発するレーザー(YAGレーザー半導体レーザーファイバーレーザー面発光レーザー等)を光源としてレーザー彫刻に用いる場合に、光熱変換剤としては、700〜1,300nmに極大吸収波長を有する化合物を用いることが好ましい。
本発明における光熱変換剤としては、種々の染料又は顔料が用いられる。

0121

光熱変換剤のうち、染料としては、市販の染料及び例えば「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、具体的には、700nm〜1,300nmに極大吸収波長を有するものが挙げられ、アゾ染料金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料アントラキノン染料フタロシアニン染料カルボニウム染料ジインモニウム化合物キノンイミン染料、メチン染料シアニン染料スクワリリウム色素ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。

0122

本発明において好ましく用いられる染料としては、ヘプタメチンシアニン色素等のシアニン系色素、ペンタメチンオキソノール色素等のオキソノール色素フタロシアニン系色素及び特開2010−069763号公報の段落0254〜0265及び段落0270〜0272に記載の染料を挙げることができる。

0123

本発明において使用される光熱変換剤のうち、顔料としては、市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。

0125

カーボンブラックは、組成物中における分散性などが安定である限り、ASTMによる分類のほか、用途(例えば、カラー用、ゴム用、乾電池用など)の如何に拘らずいずれも使用可能である。カーボンブラックには、例えば、ファーネスブラックサーマルブラックチャンネルブラックランプブラックアセチレンブラックなどが含まれる。なお、カーボンブラックなどの黒色着色剤は、分散を容易にするため、必要に応じて分散剤を用い、予めニトロセルロースバインダーなどに分散させたカラーチップカラーペーストとして使用することができ、このようなチップペーストは市販品として容易に入手できる。

0126

本発明においては、比較的低い比表面積及び比較的低いDBP吸収を有するカーボンブラックや比表面積の大きい微細化されたカーボンブラックまでを使用することも可能である。好適なカーボンブラックの例は、Printex(登録商標)U、Printex(登録商標)A、又はSpezialschwarz(登録商標)4(Degussa社製)を含む。

0127

本発明に用いることができるカーボンブラックとしては、光熱変換により発生した熱を周囲のポリマー等に効率よく伝えることで彫刻感度が向上するという観点で、比表面積が150m2/g以上及びDBP数が150ml/100g以上である、伝導性カーボンブラックが好ましい。

0128

この比表面積は、好ましくは250m2/g以上、特に好ましくは500m2/g以上である。DBP数は、好ましくは200m2/g以上、特に好ましくは250ml/100g以上である。上述したカーボンブラックは酸性の又は塩基性のカーボンブラックであってよい。カーボンブラックは、塩基性のカーボンブラックであることが好ましい。異なるバインダーの混合物も当然に、使用することができる。

0129

比表面積が150〜約1,500m2/gであり、かつ、DBP数が150〜約550ml/100gである伝導性カーボンブラックが、例えば、Ketjenblack(登録商標)EC300J、Ketjenblack(登録商標)EC600J(Akzo社製)、Prinrex(登録商標)XE(Degussa社製)又はBlack Pearls(登録商標)2000(Cabot社製)、ケッチェンブラックライオン(株)製)の名称で、商業的に入手可能である。

0130

光熱変換剤としてカーボンブラックを用いる場合には、UV光などを利用した光架橋ではなく、熱架橋の方が膜の硬化性の点で好ましく、前述の好ましい併用成分である重合開始剤である有機過酸化物と組み合わせて用いることで、彫刻感度が極めて高くなるのでより好ましい。
本発明の最も好ましい態様としては、前述の如く、(成分C)バインダーポリマー、さらには、併用バインダーポリマーとしてガラス転移温度が20℃以上のものを用い、架橋促進剤である有機過酸化物と(成分F)光熱変換剤であるカーボンブラックとを組み合わせて用いた態様を挙げることができる。

0131

レーザー彫刻用樹脂組成物中おける光熱変換剤の含有量は、その分子固有分子吸光係数の大きさにより大きく異なるが、該樹脂組成物の固形全重量の0.01重量%〜20重量%の範囲が好ましく、より好ましくは0.05重量%〜10重量%、特に好ましくは0.1重量%〜5重量%の範囲である。

0132

<その他の添加剤
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物には、ゴムの分野で通常用いられている各種添加剤を、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜配合することができる。例えば、充填剤可塑剤ワックスプロセス油金属酸化物オゾン分解防止剤老化防止剤熱重合防止剤着色剤等が挙げられ、これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
可塑剤、共増感剤又は着色を添加することもでき、その具体例は、特開2010−69763号公報の段落0276〜0303に記載されている。

0133

(レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版)
本発明のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版の第1の実施態様は、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を有する。
また、本発明のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版の第2の実施態様は、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を架橋した架橋レリーフ形成層を有する。
本発明において「レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版」とは、レーザー彫刻用樹脂組成物からなる架橋性を有するレリーフ形成層が、架橋される前の状態、及び、光又は熱により硬化された状態の両方又はいずれか一方のものをいう。
本発明において「レリーフ形成層」とは、架橋される前の状態の層をいい、すなわち、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなる層であり、必要に応じ、乾燥が行われていてもよい。
架橋レリーフ形成層を有する印刷版原版をレーザー彫刻することにより「レリーフ印刷版」が作製される。
また、本発明において「レリーフ層」とは、レリーフ印刷版におけるレーザーにより彫刻された層、すなわち、レーザー彫刻後の前記架橋レリーフ形成層をいう。

0134

本発明において「架橋レリーフ形成層」とは、前記レリーフ形成層を架橋した層をいう。前記の架橋は、光及び/又は熱により行うことができ、熱による架橋が好ましい。また、前記架橋は樹脂組成物が硬化される反応であれば特に限定されず、成分Bのエチレン性不飽和化合物同士の反応、成分Cのバインダーポリマーと成分Dのシリル基等含有化合物との反応、成分D同士の反応などによる架橋構造を含む概念であるが、成分A及び成分Bとの反応、成分B同士の反応、成分Cと成分Dの反応による架橋構造を形成することが好ましい。

0135

本発明のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版は、前記のような成分を含有するレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を有する。(架橋)レリーフ形成層は、支持体上に設けられることが好ましい。
レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版は、必要によりさらに、支持体と(架橋)レリーフ形成層との間に接着層を、また、(架橋)レリーフ形成層上にスリップコート層保護フィルムを有していてもよい。

0136

<レリーフ形成層>
レリーフ形成層は、前記本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなる層であり、熱架橋性の層であることが好ましい。

0137

レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版によるレリーフ印刷版の作製態様としては、レリーフ形成層を架橋させて架橋レリーフ形成層を有するレリーフ印刷版原版とした後、架橋レリーフ形成層(硬質のレリーフ形成層)をレーザー彫刻することによりレリーフ層を形成してレリーフ印刷版を作製する態様であることが好ましい。レリーフ形成層を架橋することにより、印刷時におけるレリーフ層の摩耗を防ぐことができ、また、レーザー彫刻後にシャープな形状のレリーフ層を有するレリーフ印刷版を得ることができる。

0138

レリーフ形成層は、レリーフ形成層用の前記の如き成分を有するレーザー彫刻用樹脂組成物を、シート状又はスリーブ状に成形することで形成することができる。レリーフ形成層は、通常、後述する支持体上に設けられるが、製版印刷用の装置に備えられたシリンダーなどの部材表面に直接形成したり、そこに配置して固定化したりすることもでき、必ずしも支持体を必要としない。
以下、主としてレリーフ形成層をシート状にした場合を例に挙げて説明する。

0139

<支持体>
レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版の支持体に使用する素材は特に限定されないが、寸法安定性の高いものが好ましく使用され、例えば、スチールステンレスアルミニウムなどの金属、ポリエステル(例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)、PBTポリブチレンテレフタレート)、PAN(ポリアクリロニトリル))やポリ塩化ビニルなどのプラスチック樹脂、スチレン−ブタジエンゴムなどの合成ゴム、ガラスファイバー補強されたプラスチック樹脂(エポキシ樹脂やフェノール樹脂など)が挙げられる。支持体としては、PETフィルムスチール基板が好ましく用いられる。支持体の形態は、レリーフ形成層がシート状であるかスリーブ状であるかによって決定される。

0140

<接着層>
レリーフ形成層を支持体上に形成する場合、両者の間には、層間の接着力強化する目的で接着層を設けてもよい。
接着層に使用し得る材料(接着剤)としては、例えば、I.Skeist編、「Handbook of Adhesives」、第2版(1977)に記載のものを用いることができる。

0141

<保護フィルム、スリップコート層>
レリーフ形成層表面又は架橋レリーフ形成層表面への傷や凹み防止の目的で、レリーフ形成層表面又は架橋レリーフ形成層表面に保護フィルムを設けてもよい。保護フィルムの厚さは、25〜500μmが好ましく、50〜200μmがより好ましい。保護フィルムは、例えば、PETのようなポリエステル系フィルム、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)のようなポリオレフィン系フィルムを用いることができる。またフィルムの表面はマット化されていてもよい。保護フィルムは、剥離可能であることが好ましい。

0142

保護フィルムが剥離不可能な場合や、逆にレリーフ形成層に接着しにくい場合には、両層間にスリップコート層を設けてもよい。スリップコート層に使用される材料は、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、部分鹸化ポリビニルアルコールヒドロキアキルセルロースアルキルセルロース、ポリアミド樹脂など、水に溶解又は分散可能で、粘着性の少ない樹脂を主成分とすることが好ましい。

0143

(レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版の製造方法)
レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版におけるレリーフ形成層の形成は、特に限定されるものではないが、例えば、レーザー彫刻用樹脂組成物を調製し、必要に応じて、このレーザー彫刻用塗布液組成物から溶剤を除去した後に、支持体上に溶融押し出しする方法が挙げられる。あるいは、レーザー彫刻用樹脂組成物を、支持体上に流延し、これをオーブン中で乾燥して樹脂組成物から溶剤を除去する方法でもよい。
中でも、本発明のレーザー彫刻用レリーフ印刷版の製版方法は、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を形成する層形成工程、並びに、前記レリーフ形成層を熱架橋し架橋レリーフ形成層を有するレリーフ印刷版原版を得る架橋工程、を含む製造方法であることが好ましい。

0144

その後、必要に応じてレリーフ形成層の上に保護フィルムをラミネートしてもよい。ラミネートは、加熱したカレンダーロールなどで保護フィルムとレリーフ形成層を圧着することや、表面に少量の溶媒を含浸させたレリーフ形成層に保護フィルムを密着させることによって行うことができる。
保護フィルムを用いる場合には、先ず保護フィルム上にレリーフ形成層を積層し、次いで支持体をラミネートする方法を採ってもよい。
接着層を設ける場合は、接着層を塗布した支持体を用いることで対応できる。スリップコート層を設ける場合は、スリップコート層を塗布した保護フィルムを用いることで対応できる。

0145

<層形成工程>
本発明のレーザー彫刻用レリーフ印刷版の製版方法は、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を形成する層形成工程を含むことが好ましい。
レリーフ形成層の形成方法としては、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物を調製し、必要に応じて、このレーザー彫刻用樹脂組成物から溶剤を除去した後に、支持体上に溶融押し出しする方法や、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物を調製し、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物を支持体上に流延し、これをオーブン中で乾燥して溶媒を除去する方法が好ましく例示できる。
レーザー彫刻用樹脂組成物は、例えば、成分A、成分B、成分C、及び、成分D、並びに、任意成分として、加硫促進剤、香料、光熱変換剤、可塑剤を適当な溶媒に溶解させ、次いで、重合性化合物及び重合開始剤を溶解させることによって製造できる。溶媒成分のほとんどは、レリーフ印刷版原版を製造する段階で除去する必要があるので、溶媒としては、揮発しやすい低分子アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノールイソプロパノール、プロピレングリコルモノメチルエーテル)等を用い、かつ温度を調整するなどして溶媒の全添加量をできるだけ少なく抑えることが好ましい。

0146

レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版における(架橋)レリーフ形成層の厚さは、架橋の前後において、0.05mm以上10mm以下が好ましく、0.05mm以上7mm以下がより好ましく、0.05mm以上3mm以下がさらに好ましい。

0147

<架橋工程>
本発明のレーザー彫刻用レリーフ印刷版の製版方法は、前記レリーフ形成層を熱架橋し架橋レリーフ形成層を有するレリーフ印刷版原版を得る架橋工程を含む製造方法であることが好ましい。
レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版を加熱することで、レリーフ形成層を架橋することができる(熱により架橋する工程)。熱により架橋を行うための加熱手段としては、印刷版原版を熱風オーブン遠赤外オーブン内で所定時間加熱する方法や、加熱したロールに所定時間接する方法が挙げられる。
レリーフ形成層を熱架橋することで、第1にレーザー彫刻後形成されるレリーフがシャープになり、第2にレーザー彫刻の際に発生する彫刻カスの粘着性が抑制されるという利点がある。
架橋レリーフ形成層やレリーフ層の加硫特性測定方法としては、特に制限はないが、例えば、公知のキュラスト試験が挙げられる。また、ゴム業界において典型的な材料特性である、引張強度(25℃)、破断伸び(25℃)、応力値(100%伸び)等の測定方法としては、JISに記載の測定方法を参照することができる。

0148

(レリーフ印刷版及びその製版方法)
本発明のレリーフ印刷版の製版方法は、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を形成する層形成工程、前記レリーフ形成層を熱で架橋し架橋レリーフ形成層を有するレリーフ印刷版原版を得る架橋工程、及び、前記架橋レリーフ形成層を有するレリーフ印刷版原版をレーザー彫刻する彫刻工程、を含むことが好ましい。
本発明のレリーフ印刷版は、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなる層を架橋及びレーザー彫刻して得られたレリーフ層を有するレリーフ印刷版であり、本発明のレリーフ印刷版の製版方法により製版されたレリーフ印刷版であることが好ましい。
本発明のレリーフ印刷版は、水性インキを印刷時に好適に使用することができる。
本発明のレリーフ印刷版の製版方法における層形成工程及び架橋工程は、前記レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版の製造方法における層形成工程及び架橋工程と同義であり、好ましい範囲も同様である。

0149

<彫刻工程>
本発明のレリーフ印刷版の製版方法は、前記架橋レリーフ形成層を有するレリーフ印刷版原版をレーザー彫刻する彫刻工程を含むことが好ましい。
彫刻工程は、前記架橋工程で架橋された架橋レリーフ形成層をレーザー彫刻してレリーフ層を形成する工程である。具体的には、架橋された架橋レリーフ形成層に対して、所望の画像に対応したレーザー光照射して彫刻を行うことによりレリーフ層を形成することが好ましい。また、所望の画像のデジタルデータを元にコンピューターレーザーヘッドを制御し、架橋レリーフ形成層に対して走査照射する工程が好ましく挙げられる。
この彫刻工程には、赤外線レーザーが好ましく用いられる。赤外線レーザーが照射されると、架橋レリーフ形成層中の分子が分子振動し、熱が発生する。赤外線レーザーとして炭酸ガスレーザーやYAGレーザーのような高出力のレーザーを用いると、レーザー照射部分に大量の熱が発生し、架橋レリーフ形成層中の分子は分子切断又はイオン化されて選択的な除去、すなわち、彫刻がなされる。レーザー彫刻の利点は、彫刻深さを任意に設定できるため、構造を3次元的に制御することができる点である。例えば、微細な網点を印刷する部分は、浅く又はショルダーをつけて彫刻することで、印圧でレリーフが転倒しないようにすることができ、細かい抜き文字を印刷する溝の部分は深く彫刻することで、溝にインキが埋まりにくくなり、抜き文字つぶれを抑制することが可能となる。
中でも、光熱変換剤の吸収波長に対応した赤外線レーザーで彫刻する場合には、より高感度で架橋レリーフ形成層の選択的な除去が可能となり、シャープな画像を有するレリーフ層が得られる。

0150

彫刻工程に用いられる赤外レーザーとしては、生産性、コスト等の面から、炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)又は半導体レーザーが好ましい。特に、ファイバー付き半導体
赤外線レーザー(FC−LD)が好ましく用いられる。一般に、半導体レーザーは、CO2レーザーに比べレーザー発振が高効率且つ安価で小型化が可能である。また、小型であ
るためアレイ化が容易である。さらに、ファイバーの処理によりビーム形状を制御できる。
半導体レーザーとしては、波長が700〜1,300nmのものが好ましく、800〜1,200nmのものがより好ましく、860〜1,200nmのものがさらに好ましく、900〜1,100nmのものが特に好ましい。

0151

また、ファイバー付き半導体レーザーは、さらに光ファイバーを取り付けることで効率よくレーザー光を出力できるため、本発明における彫刻工程には有効である。さらに、ファイバーの処理によりビーム形状を制御できる。例えば、ビームプロファイルトップハット形状とすることができ、安定に版面にエネルギーを与えることができる。半導体レーザーの詳細は、「レーザーハンドブック第2版」レーザー学会編、実用レーザー技術電子通信学会 等に記載されている。
また、本発明のレリーフ印刷版原版を用いたレリーフ印刷版の製版方法に好適に使用し得るファイバー付き半導体レーザーを備えた製版装置は、特開2009−172658号公報及び特開2009−214334号公報に詳細に記載され、これを本発明に係るレリーフ印刷版の製版に使用することができる。

0152

本発明のレリーフ印刷版の製版方法では、彫刻工程に次いで、さらに、必要に応じて下記リンス工程、乾燥工程、及び/又は、後架橋工程を含んでもよい。
リンス工程:彫刻後のレリーフ層表面を、水又は水を主成分とする液体彫刻表面をリンスする工程。
乾燥工程:彫刻されたレリーフ層を乾燥する工程。
後架橋工程:彫刻後のレリーフ層にエネルギーを付与し、レリーフ層をさらに架橋する工程。
前記工程を経た後、彫刻表面に彫刻カスが付着しているため、水又は水を主成分とする液体で彫刻表面をリンスして、彫刻カスを洗い流すリンス工程を追加してもよい。リンスの手段として、水道水水洗する方法、高圧水スプレー噴射する方法、感光性樹脂凸版現像機として公知のバッチ式又は搬送式のブラシ式洗い出し機で、彫刻表面を主に水の存在下でブラシ擦りする方法などが挙げられ、彫刻カスのヌメリがとれない場合は、石鹸界面活性剤を添加したリンス液を用いてもよい。
彫刻表面をリンスするリンス工程を行った場合、彫刻されたレリーフ形成層を乾燥してリンス液を揮発させる乾燥工程を追加することが好ましい。
さらに、必要に応じてレリーフ形成層をさらに架橋させる後架橋工程を追加してもよい。追加の架橋工程である後架橋工程を行うことにより、彫刻によって形成されたレリーフをより強固にすることができる。

0153

本発明に用いることができるリンス液のpHは9以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましく、11以上であることがさらに好ましい。また、リンス液のpHは14以下であることが好ましく、13以下であることがより好ましく、12.5以下であることがさらに好ましい。上記範囲であると、取り扱いが容易である。
リンス液を上記のpH範囲とするために、適宜、酸及び/又は塩基を用いてpHを調整すればよく、使用する酸及び塩基は特に限定されない。
本発明に用いることができるリンス液は、主成分として水を含有することが好ましい。
また、リンス液は、水以外の溶媒として、アルコール類、アセトンテトラヒドロフラン等などの水混和性溶媒を含有していてもよい。

0154

リンス液は、界面活性剤を含有することが好ましい。
本発明に用いることができる界面活性剤としては、彫刻カスの除去性、及び、レリーフ印刷版への影響を少なくする観点から、カルボキシベタイン化合物、スルホベタイン化合物ホスホベタイン化合物アミンオキシド化合物、又は、ホスフィンオキシド化合物等のベタイン化合物両性界面活性剤)が好ましく挙げられる。

0155

また、界面活性剤としては、公知のアニオン界面活性剤カチオン界面活性剤ノニオン界面活性剤等も挙げられる。さらに、フッ素系、シリコーン系のノニオン界面活性剤も同様に使用することができる。
界面活性剤は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤の使用量は特に限定する必要はないが、リンス液の全重量に対し、0.01〜20重量%であることが好ましく、0.05〜10重量%であることがより好ましい。

0156

以上のようにして、支持体等の任意の基材表面にレリーフ層を有するレリーフ印刷版が得られる。
レリーフ印刷版が有するレリーフ層の厚さは、耐磨耗性インキ転移性のような種々の印刷適性を満たす観点からは、0.05mm以上10mm以下が好ましく、より好ましくは0.05mm以上7mm以下、特に好ましくは0.05mm以上3mm以下である。

0157

また、レリーフ印刷版が有するレリーフ層のショアA硬度は、50°以上90°以下であることが好ましい。レリーフ層のショアA硬度が50°以上であると、彫刻により形成された微細な網点が凸版印刷機の強い印圧を受けても倒れてつぶれることがなく、正常な印刷ができる。また、レリーフ層のショアA硬度が90°以下であると、印圧がキスタッチフレキソ印刷でもベタ部での印刷かすれを防止することができる。
なお、本明細書におけるショアA硬度は、測定対象の表面に圧子押針又はインデンタと呼ばれる)を押し込み変形させ、その変形量(押込み深さ)を測定して、数値化するデュロメータスプリング式ゴム硬度計)により測定した値である。

0158

本発明のレリーフ印刷版は、フレキソ印刷機による水性インキでの印刷に特に好適であるが、凸版印刷機による水性インキ、油性インキ及びUVインキ、いずれのインキを用いた場合でも、印刷が可能であり、また、フレキソ印刷機によるUVインキでの印刷も可能である。本発明のレリーフ印刷版は、リンス性に優れており彫刻カスの残存がなく、かつ、得られたレリーフ層が弾性に優れるため、水性インク転移性及び耐刷性に優れ、長期間にわたりレリーフ層の塑性変形や耐刷性低下の懸念がなく、印刷が実施できる。

0159

(実施例1)
1.レーザー彫刻用樹脂組成物の調製
撹拌羽根及び冷却管をつけた3つ口フラスコ中に、(成分C)バインダーポリマーとしてデンカブチラール#3000−2(ポリビニルブチラール、電気化学工業(株)製)40部、(成分F)光熱変換剤としてケッチェンブラックEC600JD(F−1)(ライオン(株)製)を0.75部、可塑剤としてRS−540((株)ADEKA製)20部、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート47部を入れ、撹拌しながら70℃で2時間加熱しポリマーを溶解させた。さらに(成分A)少なくとも2つのメルカプト基を有する化合物としてA−1(和光純薬工業(株)製、10.9部)、(成分B)エチレン性不飽和化合物としてB−4(東京化成工業(株)製、9.1部;モル比で成分Aと成分Bとが当モル)、(成分D)シラン化合物D−1(KBE−846、信越化学工業(株)製、2部)、(成分E)架橋促進剤としてパーブチルZ(日油(株)製)を1部と、DBU(和光純薬工業(株)製)1部と添加して30分間撹拌し、流動性のあるレリーフ形成層用のレーザー彫刻用樹脂組成物の溶液を得た。

0160

2.架橋されたレリーフ形成層の形成
PET基板上に所定厚のスペーサー(枠)を設置し、前記のようにして得られた樹脂組成物の溶液をスペーサー(枠)から流出しない程度に静かに流延し、70℃のオーブン中で3時間乾燥させて、およそ厚さ1mmのレリーフ形成層前駆体層を設けた。
次いで、レリーフ形成層前駆体層が形成された支持体を、100℃で3時間加熱してレリーフ形成層を熱架橋し、実施例1のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版を得た。
レリーフ印刷版原版が有するレリーフ形成層の膜厚及びショアA硬度を測定した。その結果を表1に示す。なお、レリーフ形成層のショアA硬度は、後述の測定方法により測定した。また、後述する各実施例及び比較例においても同様に、ショアA硬度等の測定を行った。

0161

(実施例2〜41、比較例1及び2)
実施例2〜41及び比較例1及び2において、成分A、成分B、成分C、成分D、成分E及び成分Fを表1に示したように組み合わせた以外は、実施例1と同様にして、レーザー彫刻用樹脂組成物を調製し、引き続いて、架橋されたレリーフ形成層を形成した。
なお、成分Aと成分Bは、それぞれの官能基であるメルカプト基及びエチレン性不飽和基のモル比が表1中に示したモル比になるように配合し、かつ、それらを合計した重量が20部となるようにした。成分C、成分D、成分E及び成分Fは、実施例1と同じ重量部となるようにした。
なお、成分Aとして使用した化合物は、前掲の例示化合物から選択した。
成分Bとして使用した化合物は、前掲の例示化合物B−1〜22から選択した。
成分Cとしては、以下の化合物を使用した。
#3000−2:デンカブチラール#3000−2
PMMAポリメタクリル酸メチル(Mw=50,000)
TR−2000 JSR(株)製スチレンブタジエンゴムSBR
成分Dとしては、以下の化合物を使用した。

0162

0163

成分Eとしては、以下の化合物を使用した。
E1:パーブチルZ(日油(株)製)
E2:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(和光純薬工業(株)製)
E3:リン酸(和光純薬工業(株)製)

0164

成分Fとしては、上述したように、以下の素材を使用した。
F1:ケッチェンブラックEC600JD(ライオン(株))

0165

3.レリーフ印刷版の評価
レリーフ印刷版の性能評価を以下の項目について行い、結果を表2に記載した。

0166

(3−1)インキ着肉性
得られた各レリーフ印刷版を印刷機(ITM−4型、(株)伊予機械製作所製)にセットし、インクとして、水性インキアクアSPZ16紅(東洋インキ製造(株))を希釈せずに用いて、印刷紙として、フルカラーフォームM 70(日本製紙(株)製、厚さ100μm)を用いて印刷を継続し、印刷開始から500m及び1,000mにおける印刷物上のベタ部のインキの付着度合い目視で比較した。
濃度ムラなく均一なものを○、ムラがあるものを×とした。

0167

(3−2)耐刷性の評価
得られたレリーフ印刷版を印刷機(ITM−4型、(株)伊予機械製作所製)にセットし、インクとして、水性インキアクアSPZ16紅(東洋インキ製造(株)製)を希釈せずに用いて、印刷紙として、フルカラーフォームM 70(日本製紙(株)製、厚さ100μm)を用いて印刷を継続し、ハイライト1〜10%を印刷物で確認した。印刷されない網点が生じたところを刷了とし、刷了時までに印刷した紙の長さ(m;メートル)を指標とした。数値が大きいほど耐刷性に優れると評価する。

0168

(3−3)リンス性の評価
リンス液は、水、水酸化ナトリウム10重量%水溶液、及び、下記ベタイン化合物(1−B)を混合し、pHが12、かつ、ベタイン化合物(1−B)の含有量がリンス液全体の1重量%になるように調製した。

0169

0170

前記方法にて彫刻した各版材上に作成した上記リンス液を版表面が均一に濡れるようにスポイト滴下(約100ml/m2)し、1分静置後、ハブラシ(ライオン(株)クリニカハブラシフラット)を用い、荷重200g重で版と並行に20回(30秒)こすった。その後、流水にて版面を洗浄、版面の水分を除去し、1時間ほど自然乾燥した。

0171

リンス済み版の表面を倍率100倍のマイクロスコープ((株)キーエンス製)で観察し、版上の取れ残りカスを評価した。カスがないものを◎、殆どないものを○、少し残存しているものを△、カスが除去できていないものを×とした。

0172

(3−4)彫刻深さ
各実施例及び比較例のレリーフ印刷版原版が有する架橋レリーフ形成層をレーザー彫刻して得られたレリーフ層の「彫刻深さ」を、以下のように測定した。ここで、「彫刻深さ」とは、レリーフ層の断面を観察した場合の、彫刻された位置(高さ)と彫刻されていない位置(高さ)との差をいう。本実施例における「彫刻深さ」は、レリーフ層の断面を、超深度カラーD形測定顕微鏡VK9510((株)キーエンス製)にて観察することにより測定した。彫刻深さが大きいことは、彫刻感度が高いことを意味する。結果は、彫刻に用いたレーザーの種類(炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)、ファイバー付き半導体レーザー(FC−LD))毎に表2にμmの単位により示す。

0173

(3−5)ショアA硬度
ショアA硬度は、測定対象の表面に圧子を押し込み変形させ、その変形量(押込み深さ)を測定して数値化するデュロメータ(スプリング式ゴム硬度計)により測定して、単位を°として示した。

0174

実施例

0175

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