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技術 空調システム、該システムに用いられる空調ポンプの空回り判定システム

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 弓田修坂上祐一杉下雅一
出願日 2010年7月12日 (10年5ヶ月経過) 出願番号 2010-157511
公開日 2012年2月2日 (8年11ヶ月経過) 公開番号 2012-020589
状態 特許登録済
技術分野 車両用空気調和
主要キーワード 測定温度差 エア抜き動作 空気加熱ヒータ 制御用信号線 接続地点 入口側流路 出口側流路 仕切り弁
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

空調回路に配置された空調ポンプにおける空回りの発生を低減させる技術を提供することを第1の目的とする。

解決手段

空調システムは、冷却ポンプを有する冷却回路と、空調ポンプを有する空調回路と、冷却回路と空調回路との間で冷媒流通する連結状態と、冷却回路と空調回路との間で冷媒が流通しない非連結状態と、を切り替え可能な切替部と、当該空調システムを制御する制御部とを備える。制御部は、空調ポンプに空回りが発生したと判定した場合、又は、空回りが発生し得る所定の条件が満たされる場合は、連結状態において、空調ポンプを駆動させつつ、燃料電池発電状態にかかわらず冷却ポンプを所定値以上の回転数で駆動させる。

概要

背景

従来、燃料電池を搭載した車両において、燃料電池の廃熱車室内温度調節熱源に利用する技術が知られている。例えば、燃料電池が途中に配置された第1温水回路(「冷却回路」ともいう。)を流れる冷却水ヒータコアが配置された第2温水回路(「空調回路」ともいう。)に供給し、ヒータコアにより温度調節された空気を車室内に送風する技術が知られている(例えば、特許文献1)。

概要

空調回路に配置された空調ポンプにおける空回りの発生を低減させる技術を提供することを第1の目的とする。空調システムは、冷却ポンプを有する冷却回路と、空調ポンプを有する空調回路と、冷却回路と空調回路との間で冷媒流通する連結状態と、冷却回路と空調回路との間で冷媒が流通しない非連結状態と、を切り替え可能な切替部と、当該空調システムを制御する制御部とを備える。制御部は、空調ポンプに空回りが発生したと判定した場合、又は、空回りが発生し得る所定の条件が満たされる場合は、連結状態において、空調ポンプを駆動させつつ、燃料電池の発電状態にかかわらず冷却ポンプを所定値以上の回転数で駆動させる。

目的

本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、空調回路に配置された空調ポンプにおける空回りの発生を低減させる技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

空調システムであって、冷媒循環させるための冷却ポンプを有する冷却回路であって、燃料電池を冷却するための冷却回路と、冷媒を循環させるための空調ポンプを有する空調回路であって、室内に送風する空気の温度調節に利用される熱源が配置された空調回路と、前記冷却回路と前記空調回路との間で冷媒が流通する連結状態と、前記冷却回路と前記空調回路との間で冷媒が流通しない非連結状態と、を切り替え可能な切替部と、当該空調システムを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記空調ポンプに空回りが発生したと判定した場合、又は、空回りが発生し得る所定の条件が満たされる場合は、前記連結状態において、前記空調ポンプを駆動させつつ、前記燃料電池の発電状態にかかわらず前記冷却ポンプを所定値以上の回転数で駆動させる、空調システム。

請求項2

請求項1に記載の空調システムであって、前記所定の条件は、前記制御部が前記室内に空気を送風する空調要求受け付けて前記空調ポンプの駆動を開始させることを一部の条件として含む、空調システム。

請求項3

請求項1に記載の空調システムであって、前記所定の条件は、前記制御部が前記非連結状態から前記連結状態に切り替えることを一部の条件として含む、空調システム。

請求項4

請求項1に記載の空調システムであって、前記熱源を通過する前の前記冷媒である前段冷媒の温度を測定するための第1の温度センサと、前記熱源を通過した後の前記冷媒である後段冷媒の温度を測定するための第2の温度センサと、を備え、前記制御部は、前記第1と第2の温度センサの測定値に基づいて、前記前段冷媒と前記後段冷媒の温度差である測定温度差を算出し、前記熱源の熱量と、前記空調ポンプの回転数とに基づいて、前記前段冷媒と前記後段冷媒の温度差である推定温度差を算出し、前記測定温度差と前記推定温度差とに基づいて、前記空調ポンプに空回りが発生しているかどうかを判定する、空調システム。

請求項5

空調回路に配置され、冷媒を前記空調回路に循環させるための空調ポンプの空回り判定システムであって、室内に送風する空気の温度調節に利用される熱源であって、前記空調回路に配置された熱源と、前記熱源を通過する前の前記冷媒である前段冷媒の温度を測定するための第1の温度センサと、前記熱源を通過した後の前記冷媒である後段冷媒の温度を測定するための第2の温度センサと、当該空回り判定システムを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1と第2の温度センサの測定値に基づいて、前記前段冷媒と前記後段冷媒の温度差である測定温度差を算出し、前記熱源の熱量と、前記空調ポンプの回転数とに基づいて、前記前段冷媒と前記後段冷媒の温度差である推定温度差を算出し、前記測定温度差と前記推定温度差とに基づいて、前記空調ポンプに空回りが発生しているかどうかを判定する、空回り判定システム。

請求項6

請求項5に記載の空回り判定システムであって、前記制御部は、前記測定温度差と前記推定温度差との差が所定の閾値より大きい場合は、前記空調ポンプに空回りが発生していると判定し、前記測定温度差と前記推定温度差との差が所定の閾値以下の場合は、前記空調ポンプに空回りが発生していないと判定する、空回り判定システム。

請求項7

請求項5に記載の空回り判定システムであって、前記制御部は、前記空調ポンプの回転数を変化させ、前記変化前の前記測定温度差と、前記変化後の前記測定温度差との差である測定変化値を算出し、前記変化前の前記推定温度差と、前記変化後の前記推定温度差との差である推定変化値を算出し、前記測定変化値と前記推定変化値との差が所定の閾値より大きい場合は、前記空調ポンプに空回りが発生していると判定し、前記測定変化値と前記推定変化値との差が所定の閾値以下の場合は、前記空調ポンプに空回りが発生していないと判定する、空回り判定システム。

請求項8

請求項5に記載の空回り判定システムであって、前記制御部は、前記熱源の熱量を変化させ、前記変化前の前記測定温度差と、前記変化後の前記測定温度差との差である測定変化値を算出し、前記変化前の前記推定温度差と、前記変化後の前記推定温度差との差である推定変化値を算出し、前記測定変化値と前記推定変化値との差が所定値より大きい場合は、前記空調ポンプに空回りが発生していると判定し、前記測定変化値と前記推定変化値との差が所定の閾値以下の場合は、前記空調ポンプに空回りが発生していないと判定する、空回り判定システム。

請求項9

請求項5乃至請求項8のいずれか1項に記載の空回り判定システムであって、前記熱源が、前記空調回路を流れる冷媒を加熱する加熱機器を有している場合は、前記制御部は、前記空調ポンプに空回りが発生していると判定した場合に、前記加熱機器による冷媒の加熱を停止させる、空回り判定システム。

請求項10

請求項5乃至請求項9のいずれか1項に記載の空回り判定システムを備えた空調システムであって、冷媒を循環させるための冷却ポンプを有する冷却回路であって、燃料電池を冷却するための冷却回路と、前記冷却回路と前記空調回路との間で冷媒が流通する連結状態と、前記冷却回路と前記空調回路との間で冷媒が流通しない非連結状態と、を切り替え可能な切替部と、空調システムを制御する空調制御部と、を備え、前記空回り判定システムが前記空調ポンプに空回りが発生したと判定した場合は、前記空調制御部は、連結状態において、前記燃料電池の発電状態にかかわらず前記冷却ポンプを所定値以上の回転数で駆動させる、空調システム。

技術分野

0001

本発明は、空調システム、該システムに用いられる空調ポンプ空回り判定システムに関する。

背景技術

0002

従来、燃料電池を搭載した車両において、燃料電池の廃熱車室内温度調節熱源に利用する技術が知られている。例えば、燃料電池が途中に配置された第1温水回路(「冷却回路」ともいう。)を流れる冷却水ヒータコアが配置された第2温水回路(「空調回路」ともいう。)に供給し、ヒータコアにより温度調節された空気を車室内に送風する技術が知られている(例えば、特許文献1)。

先行技術

0003

特開2005−263200号公報
特開2002−127734号公報
特開2008−184996号公報
特開2008−057340号公報

発明が解決しようとする課題

0004

一般に、空調回路に配置された空調ポンプは、冷却回路に配置された冷却ポンプに比べ、ポンプの容量が小さい。このため、空調回路や冷却回路のエア(気泡)が空調ポンプに混入した場合、空調ポンプに空回りが発生する場合があった。また、空調ポンプで一旦空回りが発生すると、空調ポンプの容量では混入したエアを抜くことが困難な場合があった。さらには、空回りが発生しても、発生自体を判定することが困難な場合があった。

0005

従って、本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、空調回路に配置された空調ポンプにおける空回りの発生を低減させる技術を提供することを第1の目的とする。また、空調ポンプに空回りが発生した場合でも容易に該空回りを解消させる技術を提供することを第2の目的とする。さらには、空調ポンプに空回りが発生したかどうかを容易に判定できる技術を提供することを第3の目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明は、上記の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することができる。

0007

[適用例1]空調システムであって、冷媒循環させるための冷却ポンプを有する冷却回路であって、燃料電池を冷却するための冷却回路と、冷媒を循環させるための空調ポンプを有する空調回路であって、室内に送風する空気の温度調節に利用される熱源が配置された空調回路と、前記冷却回路と前記空調回路との間で冷媒が流通する連結状態と、前記冷却回路と前記空調回路との間で冷媒が流通しない非連結状態と、を切り替え可能な切替部と、当該空調システムを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記空調ポンプに空回りが発生したと判定した場合、又は、空回りが発生し得る所定の条件が満たされる場合は、前記連結状態において、前記空調ポンプを駆動させつつ、前記燃料電池の発電状態にかかわらず前記冷却ポンプを所定値以上の回転数で駆動させる、空調システム。

0008

適用例1の空調システムによれば、冷却ポンプを用いて冷却回路から空調回路へ送液することで、空調ポンプに混入したエア(気泡)を抜くことができる。これにより、空調ポンプの空回りの発生を低減することができる。また、空調ポンプに空回りが発生した場合でも、容易に空回りを解消することができる。

0009

[適用例2]適用例1に記載の空調システムであって、前記所定の条件は、前記制御部が前記室内に空気を送風する空調要求受け付けて前記空調ポンプの駆動を開始させることを一部の条件として含む、空調システム。
空調要求により空調ポンプの駆動を開始させる場合、空調回路中に滞留していたエアが空調ポンプに混入し、空回りが発生する可能性がある。適用例2の空調システムによれば、空調ポンプの駆動を開始させた後の空調ポンプの空回りの発生を低減することができる。

0010

[適用例3]適用例1に記載の空調システムであって、前記所定の条件は、前記制御部が前記非連結状態から前記連結状態に切り替えることを一部の条件として含む、空調システム。
非連結状態から連結状態に切り替えると、冷却回路中のエアが空調回路に侵入し、空調ポンプにエアが混入し、空回りが発生する可能性がある。適用例3の空調システムによれば、非連結状態から連結状態に切り替える場合における空調ポンプの空回りの発生を低減することができる。

0011

[適用例4]適用例1に記載の空調システムであって、前記熱源を通過する前の前記冷媒である前段冷媒の温度を測定するための第1の温度センサと、前記熱源を通過した後の前記冷媒である後段冷媒の温度を測定するための第2の温度センサと、を備え、
前記制御部は、前記第1と第2の温度センサの測定値に基づいて、前記前段冷媒と前記後段冷媒の温度差である測定温度差を算出し、前記熱源の熱量と、前記空調ポンプの回転数とに基づいて、前記前段冷媒と前記後段冷媒の温度差である推定温度差を算出し、前記測定温度差と前記推定温度差とに基づいて、前記空調ポンプに空回りが発生しているかどうかを判定する、空調システム。
適用例4の空調システムによれば、測定温度差と推定温度差に基づいて空調回路中を冷媒が流れているかどうかを検知することができる。これにより、空調回路中を冷媒が流れていない場合は、空調ポンプに空回りが発生したと容易に判定することができる。

0012

[適用例5]空調回路に配置され、冷媒を前記空調回路に循環させるための空調ポンプの空回り判定システムであって、室内に送風する空気の温度調節に利用される熱源であって、前記空調回路に配置された熱源と、前記熱源を通過する前の前記冷媒である前段冷媒の温度を測定するための第1の温度センサと、前記熱源を通過した後の前記冷媒である後段冷媒の温度を測定するための第2の温度センサと、当該空回り判定システムを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記第1と第2の温度センサの測定値に基づいて、前記前段冷媒と前記後段冷媒の温度差である測定温度差を算出し、前記熱源の熱量と、前記空調ポンプの回転数とに基づいて、前記前段冷媒と前記後段冷媒の温度差である推定温度差を算出し、前記測定温度差と前記推定温度差とに基づいて、前記空調ポンプに空回りが発生しているかどうかを判定する、空回り判定システム。

0013

適用例5の空回り判定システムによれば、測定温度差と推定温度差に基づいて空調回路中を冷媒が流れているかどうかを検知することができる。これにより、空調回路中を冷媒が流れていない場合は、空調ポンプに空回りが発生したと容易に判定することができる。

0014

[適用例6]適用例5に記載の空回り判定システムであって、前記制御部は、前記測定温度差と前記推定温度差との差が所定の閾値より大きい場合は、前記空調ポンプに空回りが発生していると判定し、前記測定温度差と前記推定温度差との差が所定の閾値以下の場合は、前記空調ポンプに空回りが発生していないと判定する、空回り判定システム。
空調ポンプの回転数に応じた流量が空調回路に流れている場合は、測定温度差と推定温度差との差は殆ど生じない。よって、適用例6の空回り判定システムによれば、所定の閾値よりも測定温度差と推定温度差との差が大きい場合は、空調回路中に冷媒が流れていないため空調ポンプに空回りが発生していると判定することができる。

0015

[適用例7]適用例5に記載の空回り判定システムであって、前記制御部は、前記空調ポンプの回転数を変化させ、前記変化前の前記測定温度差と、前記変化後の前記測定温度差との差である測定変化値を算出し、前記変化前の前記推定温度差と、前記変化後の前記推定温度差との差である推定変化値を算出し、前記測定変化値と前記推定変化値との差が所定の閾値より大きい場合は、前記空調ポンプに空回りが発生していると判定し、前記測定変化値と前記推定変化値との差が所定の閾値以下の場合は、前記空調ポンプに空回りが発生していないと判定する、空回り判定システム。
適用例7の空回り判定システムによれば、空調ポンプの回転数の変化前後の測定温度差の差である測定変化値と、変化前後の推定温度差の差である推定変化値とを比較することで、温度センサの計測誤差による空回り判定誤判定を低減することができる。

0016

[適用例8]適用例5に記載の空回り判定システムであって、前記制御部は、前記熱源の熱量を変化させ、前記変化前の前記測定温度差と、前記変化後の前記測定温度差との差である測定変化値を算出し、前記変化前の前記推定温度差と、前記変化後の前記推定温度差との差である推定変化値を算出し、前記測定変化値と前記推定変化値との差が所定値より大きい場合は、前記空調ポンプに空回りが発生していると判定し、前記測定変化値と前記推定変化値との差が所定の閾値以下の場合は、前記空調ポンプに空回りが発生していないと判定する、空回り判定システム。
適用例8の空回り判定システムによれば、熱源の熱量の変化前後の測定温度差の差である測定変化値と、変化前後の推定温度差の差である推定変化値とを比較することで、温度センサの計測誤差による空回り判定の誤判定を低減することができる。

0017

[適用例9]適用例5乃至適用例8のいずれか1つに記載の空回り判定システムであって、前記熱源が、前記空調回路を流れる冷媒を加熱する加熱機器を有している場合は、前記制御部は、前記空調ポンプに空回りが発生していると判定した場合に、前記加熱機器による冷媒の加熱を停止させる、空回り判定システム。
適用例9の空回り判定システムによれば、空調回路中の冷媒を過度に加熱することを防止することができる。これにより、冷媒の蒸発を防止し、空調回路中でのエアの発生を抑制することができる。

0018

[適用例10]適用例5乃至適用例9のいずれか1つに記載の空回り判定システムを備えた空調システムであって、冷媒を循環させるための冷却ポンプを有する冷却回路であって、燃料電池を冷却するための冷却回路と、前記冷却回路と前記空調回路との間で冷媒が流通する連結状態と、前記冷却回路と前記空調回路との間で冷媒が流通しない非連結状態と、を切り替え可能な切替部と、空調システムを制御する空調制御部と、を備え、前記空回り判定システムが前記空調ポンプに空回りが発生したと判定した場合は、前記空調制御部は、連結状態において、前記燃料電池の発電状態にかかわらず前記冷却ポンプを所定値以上の回転数で駆動させる、空調システム。
適用例10の空回り判定システムによれば、冷却ポンプを用いて空調回路に送液することで空調ポンプに混入したエアを抜くことができる。これにより、空調ポンプの空回りを解消することができる。

0019

なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、上述した空調システムとしての構成のほか、上述したいずれかの空調システムを備えた移動体又は家屋、空調システムの制御方法等の態様で実現することができる。

図面の簡単な説明

0020

本発明の実施例としての空調システム1の構成を示す図である。
空調駆動開始時の空調システム1の動作を示すフローチャートである。
初期エア抜き動作を説明するためのフローチャートである。
空調駆動中の空調システム1の動作を示すフローチャートである。
第1態様の空回り判定のフローチャートである。
第2態様の空回り判定のフローチャートである。
テップS190,S192について説明するための図である。
連結開始時の空調システム1の動作を示すフローチャートである。
第2変形例の空回り判定のフローチャートである。

実施例

0021

次に、本発明の実施の形態を以下の順序で説明する。
A.実施例:
B.変形例:

0022

A.実施例:
A−1:システムの構成:
図1は、本発明の実施例としての空調システム1の構成を示す図である。本実施例の空調システム1は、燃料電池スタック100(単に「FC100」ともいう。)と、燃料電池スタック100を冷却するための冷却水が循環する冷却回路10と、車室内40の空調に利用される冷却水が循環する空調回路20と、第1と第2の連通流路216,218と、バルブV3と、空調システム1の運転を制御するECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)30とを主に備える。冷却回路10を構成する配管は、空調回路20を構成する配管よりも内径が大きい。本実施例の場合、冷却回路10を構成する配管の内径はΦ30mm、空調回路20を構成する配管の内径はΦ17mmとしている。

0023

図示は省略するが、空調システム1は、燃料ガスとしての水素を給排する水素給排系と、酸化剤ガスとしての空気を給排する空気給排系とを備える。水素給排系は、燃料電池スタック100のアノードに水素を供給すると共に、燃料電池スタック100から排出されるアノード排ガスをシステム1の外部へ排出する。空気給排系は、燃料電池スタック100のカソードに空気を供給すると共に、燃料電池スタック100から排出されるカソード排ガスをシステム1の外部へ排出する。

0024

燃料電池スタック100は、比較的小型で発電効率に優れる固体高分子型燃料電池であり、燃料ガスとしての純水素と、酸化剤ガスとしての空気に含まれる酸素が、各電極において電気化学反応を起こすことによって起電力を得るものである。燃料電池スタック100は、セパレータ(図示しない)を介在させて単セル(図示しない)を複数積層したスタック構造を成し、その積層数は、燃料電池スタック100に要求される出力に応じて任意に設定可能である。

0025

冷却回路10は、第1の冷却流路120と、第2の冷却流路126と、第3の冷却流路128とを備える。冷却回路10は、バルブV1の弁の開度を調整することで、第1の冷却流路120の出口側流路124から第2の冷却流路126へ流入する冷却水と、出口側流路124から第3の冷却流路128へ流入する冷却水との流量比を調整する。

0026

第1の冷却流路120は、燃料電池スタック100を途中に配置している。また、第1の冷却流路120は、燃料電池スタック100に流入する冷却水が流れる入口側流路122と、燃料電池スタック100から流出する冷却水が流れる出口側流路124とを有する。すなわち、冷却回路10は、燃料電池スタック100を通過する冷却水を循環させるための循環流路である。

0027

入口側流路122は、冷却回路10内に冷却水を循環させるためのウォーターポンプWP1(以下、「FCポンプWP1」ともいう。)と、温度センサ130とを配置している。FCポンプWP1の容量は、後述する空調回路20に配置されたウォーターポンプWP2の容量よりも大きい。本実施例の場合、FCポンプWP1は、最大流量150L/minの容量を有する。温度センサ130は、入口側流路122の部分のうち、燃料電池スタック100の冷却水入口近傍に配置されている。また、出口側流路124の部分のうち、燃料電池スタック100の冷却水出口近傍には温度センサ132が配置されている。温度センサ130は、主に、燃料電池スタック100の冷却水入口冷却水温度を測定するために用いられる。温度センサ132は、主に、燃料電池スタック100の冷却水出口の冷却水温度を測定するために用いられる。ここで、FCポンプWP1が課題を解決するための手段に記載の「冷却ポンプ」に相当する。

0028

第2の冷却流路126は、第1の冷却流路120の両端に接続されている。第2の冷却流路126は、冷却水を冷却するためのラジエータ110と、温度センサ134とを有する。ECU30は、温度センサ134の測定値に基づいて、ファン112の運転を制御することで第2の冷却流路126を流れる冷却水の温度を調節する。

0029

第3の冷却流路128は、出口側流路124を流れる冷却水を第2の冷却流路126を通過させることなく入口側流路122に流入させるためのバイパス流路である。

0030

空調回路20は、第1の空調用流路210と、第1の空調用流路210の両端に接続されている第2の空調用流路214とを有する。この第1の空調用流路210と第2の空調用流路214とにより冷却水の循環流路を形成することが可能となっている。

0031

第1の空調用流路210は、電気ヒータ202と、熱交換器としてのヒータコア200と、ウォーターポンプWP2(以下、「空調ポンプWP2」ともいう。)と、2つの温度センサ230,232とを配置している。また、第1の空調用流路210は、ヒータコア200に流入する冷却水が流れる入口側空調流路212と、ヒータコア200を流れた冷却水が流出する出口側空調流路213とを有する。空調ポンプWP2は、最大流量10L/minの容量を有する。温度センサ230は、ヒータコア200を通過する前の冷却水の温度(「ヒータコア入口水温」ともいう。)を測定する。また、温度センサ232は、ヒータコア200を通過した後の冷却水の温度(「ヒータコア出口水温」ともいう。)を測定する。ここで、電気ヒータ202とヒータコア200が課題を解決するための手段に記載の「熱源」に相当する。

0032

空調システム1は、2つの連通流路216、218により、冷却回路10中の冷却水が空調回路20に流入し、流入した冷却水が空調回路20を流れ、再び冷却回路10に流入することが可能となっている。すなわち、空調システム1は、冷却回路10と空調回路20との間で冷却水が流通する連結状態と、冷却回路10と空調回路20との間で冷却水が流通しない非連結状態とを有する。この2つの状態の切り替えは、第1の連通流路216と第1の空調用流路210と第2の空調用流路214との接続地点に設けられたバルブV3の弁の開閉を切り替えることで行われる。ここで、バルブV3が課題を解決するための手段に記載の「切替部」に相当する。

0033

ヒータコア200は、通風ダクト24内に設置されており、通風ダクト24の上流側に設置された送風機としてのブロア220から吹き出す空気を加熱する。具体的には、ヒータコア200内部を流れる冷却水と、ブロア220からヒータコア200に向かって吹き出された空気との間で熱交換を行う。熱交換された空気は、通風ダクト24から移動体の内部である車室内40に送られる。なお、通風ダクト24のヒータコア200よりも上流側には、ヒータコア200へ送風される空気の温度を測定する温度センサ(図示せず)が配置されている。

0034

ECU30は、ユーザにより設定された目標車室内温度、現在の車室内温度、現在の車室外温度等に応じて、空調ポンプWP2の回転数(「回転速度」ともいう。)及びブロア220の回転数(「回転速度」ともいう。)を制御することでヒータコア200の放熱量を調節する。すなわち、ECU30は、空調側の暖房要求に応じて空調システム1の運転を実行する。

0035

車室内40には温度設定器401が配置され、ユーザが温度設定器401に目標とする車室内温度を設定する。また、温度設定器401は、車室内40を暖房する暖房モードを有効にする暖房スイッチ(図示せず)が配置されており、ユーザにより暖房スイッチがONされると、ECU30が温度設定器401からの空調要求を受信し、空調回路20を用いた暖房運転を行う。また、温度設定器401を用いてユーザが設定した車室内温度は、ECU30に出力信号として送られ、暖房運転の際の各種アクチュエータの制御に利用される。

0036

電気ヒータ202は、ヒータコア200で熱交換する冷却水の熱量が不足している場合に、ヒータコア200へ流入する冷却水を加温するために用いられる。例えば、空調システム1が非連結状態にある場合は、燃料電池スタック100の廃熱を利用できないため、暖房要求に応じてヒータコア200に流入する冷却水を加温する。

0037

温度センサ230は、ヒータコア200に流入する冷却水の温度を測定する。また、温度センサ232は、ヒータコア200を通過した冷却水の温度を測定する。2つの温度センサ230,232により測定された温度は、出力信号としてECU30に送信され、空調システム1の制御に利用される。

0038

ECU30は、CPU310と、メモリ320と、入出力ポート330とを主に備える。入出力ポート330は、各種アクチュエータや各種センサとECU30とを制御用信号線を介して接続している。ここで、各種アクチュエータとしては、例えば、ファン112、ウォーターポンプWP1,WP2、電気ヒータ202、ブロア220、バルブV1,V3がある。また、各種センサとしては、例えば、温度センサ130,132,134,230,232、温度設定器401がある。

0039

メモリ320には、CPU310により実行される各種プログラムが記録されている。CPU310は、メモリ320に記録されている各種プログラムを用いて、空調システム1の運転を制御する。例えばCPU310は、メモリ320に記録されている各種プログラムを用いて、FCポンプWP1と空調ポンプWP2の回転数、電気ヒータ202とヒータコア200の熱量(発熱量及び放熱量)、及び、バルブV3の開閉を制御する。また、CPU310は、ポンプWP1の空回りの発生を判定する。空回りの判定方法の詳細は後述する。

0040

A−2.空調駆動開始時の空調システムのフロー:
図2は、空調駆動開始時の空調システム1の動作を示すフローチャートである。空調システム1の起動中は、ECU30は、温度設定器401からの空調要求の有無を監視している。温度設定器401からの空調要求が無い場合は、空調要求の有無の監視を継続する。一方、温度設定器401の暖房スイッチがONされると、ECU30は温度設定器401から空調要求を受信し(ステップS12:YES)、CPU310が初期エア抜き動作を実行する(ステップS14)。初期エア抜き動作の実行後、空調回路20の各種アクチュエータを駆動させ車室内40に温風を送る(ステップS16)。

0041

図3は、初期エア抜き動作を説明するためのフローチャートである。初期エア抜き動作を実行する際には、空調システム1が連結状態であるかどうかをCPU310が判断する(ステップS140)。空調システム1が連結状態である場合(ステップS140:YES)には、CPU310は、空調ポンプWPを駆動させると共に、FCポンプWP1を所定回転数以上で所定時間駆動させる(ステップS142)。こうすることで、FCポンプWP1により空調回路20へ強制的に送液し、空調ポンプWP2のエア抜きを実行する。なお、FCポンプWP1によってより多くの冷却水を強制的に空調回路20に送液するために、出口側流路124(図1)であって第1の連通流路216が接続された地点よりも下流側に出口側流路124の流路抵抗可変できる抵抗可変機構を設けても良い。すなわち、ステップS142を実行する際には、抵抗可変機構を制御し出口側流路124の流路抵抗を高くすることで、冷却回路10から空調回路20により多くの冷却水を送液する。ここで、抵抗可変機構としては、例えば仕切り弁などのバルブを用いることができる。

0042

ステップS142についてさらに詳述する。燃料電池スタック100の通常発電時においては、FCポンプWP1は燃料電池スタック100の発熱量に応じて回転数が制御されている。しかしながら、ステップS142では、燃料電池スタック100の発電状態にかかわらず、FCポンプWP1は所定回転数以上で所定時間駆動する。例えば、燃料電池スタック100が発電していない場合や、燃料電池スタック100の発電量が小さく燃料電池スタック100の温度が低い(例えば50℃以下)場合であっても、ステップS142は実行される。ここで、ステップS142でFCポンプWP1を駆動させる所定時間は、FCポンプWP1を所定回転数以上で駆動させた後、該回転数によって送液される冷却水が空調ポンプWP2に到達するまでの時間以上を設定する。本実施例の場合、所定時間は10秒に設定している。

0043

ステップS142で駆動されるFCポンプWP1の所定回転数は、冷却回路10から空調回路20へ送液することで空調ポンプWP2に混入したエアを抜くことができる程度の流量を、空調ポンプWP2に送液できるように設定する。例えば、空調ポンプWP2の最大容量以上の流量を送液できる回転数以上でFCポンプWP1を駆動させる。好ましくは、空調ポンプWP2の最大容量の2倍以上の流量を送液する回転数以上でFCポンプWP1を駆動させる。こうすることで、出口側流路124から第1の空調用流路210により多くの冷却水が強制的に流入することから、より確実に空調ポンプWP2のエア抜きを行うことができる。なお、ステップS142において、空調ポンプWP2の回転数は特に限定されるものではないが、最大容量を送液できる回転数で駆動させることが好ましい。これにより、エア抜きをより確実に実行することができる。

0044

一方、空調システム1が非連結状態である場合(ステップS140:NO)には、CPU310はバルブV3(図1)の開閉を制御して空調システム1を非連結状態から連結状態に切り替える(ステップS144)。その後、ステップS142と同様、CPU310は、空調ポンプWPを駆動させると共に、FCポンプWP1を所定回転数以上で所定時間駆動させる(ステップS146)。ステップS146の実行後、CPU310は、バルブV3の開閉を制御して空調システム1を連結状態から非連結状態に切り替えて(ステップS148)、初期エア抜き動作を終了する。

0045

空調要求により空調ポンプWP2の駆動を開始させる場合、空調回路20中に滞留していたエアが空調ポンプに混入し、空回りが発生する場合がある。しかしながら上記フローでは、空調要求により空調ポンプWP2を駆動させる際には、初期エア抜き動作を実行する。よって、空調ポンプWP2の駆動を開始させた後の空調ポンプWP2の空回りの発生を低減することができる。また、空調システム1の冷却回路10に配置されたFCポンプWP1を用いることで、エア抜き動作を実行している為、エア抜きのための機器別途設ける必要がなく、空調システム1のコストを低減させつつ、エア抜き動作を容易に実行できる。

0046

A−3.空調駆動中の空調システムのフロー:
図4は、空調駆動中の空調システム1の動作を示すフローチャートである。図4を用いて、空調を駆動中の空調システム1の動作を説明する。すなわち、図4は、図2のステップS12〜S16が実行された後の、空調システム1の動作を説明するためのフローチャートである。

0047

空調の駆動後、CPU310は所定時間毎に空回り判定を実行し、空調ポンプWP2の回転数に応じた冷却水が空調回路20に流れているかどうかを判断する(ステップS18)。CPU310は、空調ポンプWP2の回転数に応じた流量が空調回路20に流れていることを検知した場合(ステップS18:YES)は、所定時間後に再度ステップS18を実行する。なお、空回り判定は、後述する複数の判定態様のいずれかを用いて実行される。

0048

一方、CPU310は、空調ポンプWP2の回転数に応じた流量が空調回路20に流れていないことを検知した場合(ステップS18:NO)は、電気ヒータ202による加熱動作を停止する(ステップS19)。これにより、空調回路20の冷却水が局所的に加熱され蒸発することを防止し、空調回路20のエアの発生を低減することができる。

0049

加熱動作の停止後に、CPU310はエア抜き動作を実行する(ステップS20)。なお、ステップS20で実行するエア抜き動作は、初期エア抜き動作(図3)と同様の工程が実行される。

0050

エア抜き動作の実行後に、CPU310は、空調要求に応じた電気ヒータ202による加熱動作を再開する(ステップS21)。次に、所定時間の間隔をあけずに(すなわち、ステップS21の直後に)、空回り判定を再度実行し、空調ポンプWP2の回転数に応じた流量が空調回路20に流れているかどうかを判断する(ステップS22)。これは、ステップS20におけるエア抜き動作の実行により、空調ポンプWP2が正常に機能したかどうかを確認するためである。なお、ステップS22で実行する空回り判定の内容は、ステップS18で実行する空回り判定と同様であり、詳細は後述する。

0051

ステップS22で再度、空回り判定を実行し、空調ポンプWP2の回転数に応じた流量が空調回路20に冷媒が流れていないことを検知した場合(ステップS22:NO)は、CPU310は、空調要求にかかわらず空調ポンプWP2の回転を停止し、空調の動作を停止する(ステップS24)。これは、エア噛みによる空回り以外の理由で空調ポンプWP2が正常に機能していないとCPU310が判断したためによる。

0052

一方、ステップS22で再度、空回り判定を実行し、空調ポンプWP2の回転数に応じた流量が空調回路20に冷媒が流れていることを検知した場合(ステップS22:YES)は、空調要求に応じた空調の動作を継続させる(ステップS26)。

0053

このように、空調システム1は、空回りが発生していると判定した場合は、冷却回路10のFCポンプWP1を利用することでエア抜き動作を実行している。これにより、エア抜きのための機器を別途設ける必要がなく、空調システム1のコストを低減させることができる。以下では、本実施例の空調システム1が実行する空回り判定の態様を説明する。

0054

A−3−1.第1態様の空回り判定の動作フロー
図5は、第1態様の空回り判定のフローチャートである。CPU310は、温度センサ230,232(図1)の測定値に基づき冷却水のヒータコア200の出入り口温度差△Ta1(以下「測定温度差△Ta1」ともいう。)を算出する(ステップS180)。また、CPU310は、ヒータコア200への送風温度及びヒータコア200への送風量に関するデータと、既知のヒータコア200の性能に関するデータに基づいてヒータコア200の放熱量を算出する。そして、算出した放熱量と空調ポンプWP2の回転数に基づいて、冷却水のヒータコア200の出入り口の温度差△Tb1を算出する(ステップS182)。この出入り口温度差△Tb1を、以下では「推定温度差△Tb1」ともいう。推定温度差△Tb1は具体的には以下の式(1)を用いて算出する。
Q=C×m×△Tb1 (1)
ここで、Qはヒータコアの放熱量(kW)、Cは空調回路20を流れる冷却水の比熱(kJ/g・℃)、mは空調ポンプWP2の回転数に基づき算出した空調回路20を流れる冷却水の流量(kg/s)である。なお、ステップS180とステップS182の順番はこれに限定されるものではなく、ステップS182を先に実行しても良い。

0055

測定温度差△Ta1及び推定温度差ΔTb1を算出した後、CPU310は推定温度差△Tb1と測定温度差△Ta1との差が、所定の閾値SVよりも大きいかどうかを判断する(ステップS184)。

0056

推定温度差△Tb1と測定温度差△Ta1との差が、所定の閾値SVよりも大きい場合(ステップS184:YES)は、所定流量(空調ポンプWP2の回転数に応じた流量)の冷却水が空調回路20に流れていないため、CPU310は、空調ポンプWP2に空回りが発生していると判定する(ステップS186)。

0057

一方、推定温度差△Tb1と測定温度差△Ta1との差が、所定の閾値SV以下の場合(ステップS184:NO)は、空調回路20に所定流量(空調ポンプWP2の回転数に応じた流量)の冷却水が流れているため、CPU310は、空調ポンプWP2に空回りが発生していないと判定する(ステップS186)。すなわち、空調回路20に空調ポンプWP2の回転数に応じた所定流量の冷却水が流れている場合は、推定温度差△Tb1と測定温度差ΔTa1との差は殆ど生じない。換言すれば、推定温度差△Tb1と測定温度差△Ta1との差が大きい場合は、空調ポンプWP2を回転させているにもかかわらず所定流量の冷却水が空調回路20中を流れていないことになる。これによりCPU310は、冷却水が流れていることを検知した場合は、空調ポンプWP2に空回りが発生していないと判定し、冷却水が流れていないことを検知した場合は、空調ポンプWP2に空回りが発生していると判定することができる。なお、空回り判定を精度良く行うために、所定の閾値SVは、10℃以下に設定することが好ましく、本態様の場合、所定の閾値SVは5℃に設定している。

0058

以上のように、空調動作中の空調システム1が実行する第1態様の空回り判定は、測定温度差△Ta1と推定温度差△Tb1に基づいて空調回路20に所定流量の冷却水が流れているかどうかを検知することで、空調ポンプWP2の空回りの発生を容易に判定することができる。

0059

A−3−2.第2態様の空回り判定の動作フロー:
図6は、第2態様の空回り判定のフローチャートである。CPU310は、空回り判定を行う場合、空調要求にかかわらず空調ポンプWP2の回転数を所定量変化させる(ステップS190)。次に、CPU310は、温度センサ230,232(図1)の測定値に基づき、回転数を変化させる前のヒータコア200の出入り口温度差△Tc1と、回転数を変化させた後のヒータコア200の出入り口温度差△Tc2との差ΔTc3(以下、「測定変化値△Tc3」ともいう。)を算出する(ステップS192)。以下にステップS190,S192の詳細について図7を用いて説明する。

0060

図7は、ステップS190,S192について説明するための図である。図7(a)は、空調ポンプWP2の回転数の時間変化を示す図であり、図7(b)は、ヒータコア200の出入り口温度の時間変化を示す図である。第2態様の空回り判定を行う場合、CPU310は、所定の時間t1において、空調ポンプWP2の回転数を回転数R2から、1/2の回転数である回転数R1へとステップ状に変化させる。また、CPU310は、温度センサ230,232の測定値に基づき、回転数変化前のヒータコア200の出入り口温度差△Tc1と、回転数を変化させた後、所定時間経過後の時間t2でのヒータコア200の出入り口温度差△Tc2との差(以下、「測定変化値」ともいう。)△Tc3を算出する。なお、時間t2以降は、空調要求に応じて空調ポンプWP2の回転数は制御される。

0061

図6に戻って第2態様の空回り判定の説明を更に行う。CPU310は、空調ポンプWP2の回転数とヒータコア200の放熱量に基づき、空調ポンプWP2の回転数の変化前における推定温度差△Td1と、変化後における推定温度差△Td2を算出する。そして、推定温度差△Td1と推定温度差△Td2との差(以下、「推定変化値」ともいう。)△Td3を算出する(ステップS194)。なお、ステップS192とステップS194の順番はこれに限定されるものではなく、ステップS194を先に実行しても良い。

0062

次に、CPU310は推定変化値△Td3と測定変化値△Tc3との差が、所定の閾値SVよりも大きいかどうかを判断する(ステップS196)。推定変化値△Td3と測定変化値Tc3との差が、所定の閾値SVよりも大きい場合(ステップS196:YES)は、空調回路20に所定流量の冷却水が流れていないため、CPU310は、空調ポンプWP2に空回りが発生していると判定する(ステップS198)。

0063

一方、推定変化値△Td3と測定変化値Tc3との差が、所定の閾値SV以下の場合(ステップS196:NO)は、空調回路20に所定流量の冷却水が流れているため、CPU310は、空調ポンプWP2に空回りが発生していないと判定する(ステップS200)。なお、所定の閾値SVは、第1態様の空回り判定と同様に10℃以下に設定することが好ましく、本態様の場合、所定の閾値SVは5℃に設定している。

0064

以上のように、空調動作中の空調システム1が実行する第2態様の空回り判定は、測定変化値△Tc3と推定変化値△Td3に基づいて空調回路20に所定流量の冷却水が流れているかどうかを検知するため、温度センサの計測誤差による空回り判定の誤判定を低減することができる。これにより、第1態様の空回り判定に比べ、精度よく空回り判定を行うことができる。また、空調ポンプWP2の回転数をステップ状に変化させることで、緩やかに回転数を変化させる場合に比べ、変化後の測定温度差△Tc2をより早くに取得できるため、空回り判定の動作をより短時間で実行することができる。

0065

A−4.連結開始時の空調システムのフロー:
図8は、連結開始時の空調システム1の動作を示すフローチャートである。このフローは、空調システム1が非連結状態おいて空調が駆動している場合の動作フローである。CPU310は、空調システム1を非連結状態から連結状態に切り替え可能かどうかを判断する。具体的には、温度センサ132(図1)により測定される燃料電池スタック100から流出する冷却水の温度(以下、「FC出口水温」ともいう。)が所定値以上の場合は切り替え可能と判断する。ここで、FC出口水温の所定値は、燃料電池スタック100から流出する冷却水を空調回路20の熱源として有効に利用できる最低温度以上(例えば50℃以上)の範囲で設定可能であり、ここでは、所定値を60℃に設定している。

0066

CPU310は、連結状態に切り替えできないと判断した場合(ステップS30:NO)は、繰り返しステップS30を実行する。一方、CPU310は、連結状態に切り替え可能と判断した場合(ステップS30:YES)は、燃料電池スタック100の発電状態にかかわらずFCポンプWP1を所定回転数以上で所定時間駆動させる(ステップS32)。こうすることで、FCポンプWP1により空調回路20へ強制的に送液し、空調ポンプWP2のエア抜きを行うことができる。なお、ステップS32で駆動されるFCポンプWP1の所定回転数や、所定回転数での駆動時間は、初期エア抜き動作のステップS142,S146(図3)と同様の内容である。また、ステップS32の実行中は、エア抜きをより確実に実行するために、空調ポンプWP2は最大容量の回転数で駆動させることが好ましい。

0067

ステップS32の後、CPU310は、バルブV3(図1)の弁の開閉を切り替えて、空調システム1を非連結状態から連結状態に切り替える(ステップS34)。

0068

空調システム1を非連結状態から連結状態に切り替えた場合、冷却回路10中のエアが空調ポンプWP2に混入し、空回りが発生する場合がある。しかしながら上記フローでは、非連結状態から連結状態に切り替える際には、FCポンプWP1を用いて空調ポンプWP2のエア抜きを実行している。よって、非連結状態から連結状態に切り替えた後の空調ポンプWP2の空回りの発生を低減させることができる。

0069

B.変形例:
なお、上記実施例における構成要素の中の、特許請求の範囲の独立項に記載した要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。また、本発明の上記実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。

0070

B−1.第1変形例:
実施例の第1態様の空回り判定(図5)では、ヒータコア200の前後の冷却水の温度を用いて空回り判定を実行していたが、これに限定されるものではなく空調回路20に配置される各種熱源の前後の冷却水温度を利用して第1態様の空回り判定を実行することができる。例えば、ヒータコア200に代えて電気ヒータ202の出入り口の測定温度差と推定温度差に基づいて空回り判定を実行しても良い。このようにしても、空調回路20に配置された電気ヒータ202を利用して空調ポンプWP2の空回りの発生を容易に判定することができる。

0071

B−2.第2変形例:
図9は、第2変形例の空回り判定のフローチャートである。実施例の第2態様の空回り判定(図6)と異なる点は、空調ポンプWPの回転数を変化させることに代えて電気ヒータ202の発熱量を変化させた点である。空調システム1の構成は実施例と同様の構成(図1)であるため、説明を省略する。

0072

CPU310は、空調要求にかかわらず電気ヒータ202の発熱量を所定量変化させる(ステップS190a)。例えば、発熱量を2倍にステップ状に変化させる。次に、CPU310は、温度センサ132,230(図1)の測定値に基づき、発熱量を変化させる前の電気ヒータ202の出入り口温度差△Te1と、発熱量を変化させた後の電気ヒータ202の出入り口温度差△Te2との差△Te3(以下、「測定変化値△Te3」ともいう)を算出する(ステップS192a)。なお、測定変化値△Te3を算出した後は、電気ヒータ202の発熱量は空調要求に応じて変化させる。

0073

また、CPU310は、空調ポンプWP2の回転数と電気ヒータ202の発熱量に基づき、空調ポンプWP2の回転数の変化前における推定温度差△Tf1と、変化後における推定温度差△Tf2を算出し、推定温度差△Tf1と推定温度差△Tf2との差(以下、「推定変化値」ともいう。)△Tf3を算出する(ステップS194a)。なお、ステップS192aとステップS194aの順番はこれに限定されるものではなく、ステップS194aを先に実行しても良い。

0074

次いで、CPU310は、推定変化値△Tf3と測定変化値△Te3との差が、所定の閾値SVよりも大きいかどうかを判断する(ステップS196a)。推定変化値△Tf3と測定変化値△Te3との差が、所定の閾値SVより大きい場合(ステップS196a:YES)は、第2態様の空回り判定(図6)と同様に、CPU310は空回りが発生していると判定する(ステップS198a)。一方で、推定変化値△Tf3と測定変化値△Te3との差が、所定の閾値SV以下の場合(ステップS196a:NO)は、第2態様の空回り判定(図6)と同様に、CPU310は空回りが発生していないと判定する(ステップS200a)。

0075

このように、熱源である電気ヒータ202の発熱量を変化させることで容易に空調ポンプWP2の空回りの発生を判定することができる。また、第2態様の空回り判定と同様に、温度センサの計測誤差による空回り判定の誤判定を低減することができる。

0076

B−3.第3変形例:
上記実施例の第2態様の空回り判定(図6)では、空調ポンプWP2の回転数を変化させて、ヒータコア200の出入り口温度の差である測定変化値△Tc3と推定変化値△Td3によって空回り判定を行っていたが、特にこれに限定されるものではない。例えば、空調回路20に配置された電気ヒータ202とヒータコア200のいずれか一つの熱量(放熱量又は発熱量)を所定量変化させ、電気ヒータ202の入口(前段)と、ヒータコア200の出口(後段)との推定変化値と測定変化値との差により空回り判定を行っても良い。すなわち、空調回路20に配置された熱源の一つの熱量(放熱量又は発熱量)を空調要求にかかわらず変化させ、熱源の前段に位置する冷却水と後段に位置する冷却水の測定変化値と推定変化値との差が所定の閾値SVよりも大きいかどうかを判定しても良い。このようにしても、第2態様の空回り判定と同様に、精度よく空回り判定を行うことができる。

0077

B−4.第4変形例:
上記実施例では、FCポンプWP1は最大流量150L/minの容量を有し、空調ポンプWP2は最大流量10L/minの容量を有していたが、特にこれに限定されるものではない。FCポンプWP1の最大流量が、空調ポンプWP2の最大流量以上である空調システム1に本発明のエア抜き動作は適用することができる。なお好ましくは、FCポンプWP2の最大流量が空調ポンプWP2の最大流量の2倍以上であることが好ましく、10倍以上であることがさらに好ましい。こうすることで、確実にFCポンプWP1を利用して空調ポンプWP2に混入したエアを抜くことができる。

0078

B−5.第5変形例:
上記実施例では、空調システム1が車両に搭載される場合を例に挙げて説明を行ったが、各種移動体に搭載された空調システム1に本発明を適用することができる。例えば、列車船舶航空機の各種移動体に本発明に係る空調システム1を適用できる。さらには、移動体に限らず、家屋の空調の熱源として燃料電池スタック100の廃熱を利用するシステムにも本発明の空調システム1を適用することができる。

0079

B−6.第6変形例:
上記実施例では、ECU30は燃料電池スタック100を有する冷却回路10と、車室内40に送風に利用される空調回路20の双方の制御に利用されていたが、冷却回路10を制御するためのECUと、空調回路20を制御するためのECUとをそれぞれ設けても良い。この場合、各ECU間で必要な情報(温度センサ132の測定値等)を通信する。

0080

B−7.第7変形例:
上記実施例では、暖房の熱源として燃料電池スタック100の廃熱と電気ヒータ202とヒータコア200とを利用可能であったが、暖房の熱源に利用可能な熱源は特にこれに限定されるものではない。例えば、通風ダクト24内にヒートポンプ空気加熱ヒータ等の熱交換器を設けても良い。

0081

B−8.第8変形例:
上記実施例では、冷媒として冷却水を用いたが、特にこれに限定されるものではなく各種液体を冷媒として用いることができる。例えば、冷媒として水にエチレングリコールなどを添加した不凍液を用いても良い。

0082

B−9.第9変形例:
上記実施例では、燃料電池スタック100として固体高分子型燃料電池を用いたが、リン酸型燃料電池溶融炭酸塩型燃料電池固体酸化物形燃料電池等、種々の燃料電池を用いることができる。

0083

1…空調システム
10…冷却回路
20…空調回路
24…通風ダクト
30…ECU
40…車室内
100…燃料電池スタック
110…ラジエータ
112…ファン
120…第1の冷却流路
122…入口側流路
124…出口側流路
126…第2の冷却流路
128…第3の冷却流路
130…温度センサ
132…温度センサ
134…温度センサ
200…ヒータコア
202…電気ヒータ
210…第1の空調用流路
212…入口側空調流路
213…出口側空調流路
214…第2の空調用流路
216…第1の連通流路
218…第2の連通流路
220…ブロア
230…温度センサ
232…温度センサ
310…CPU
320…メモリ
330…入出力ポート
401…温度設定器
V1…バルブ
V3…バルブ
WP1…FCポンプ
WP2…空調ポンプ

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