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技術 変更影響予測方法及び変更影響予測装置

出願人 日立GEニュークリア・エナジー株式会社
発明者 山根憲一郎高田将年山形和明渡辺範人
出願日 2010年6月30日 (10年0ヶ月経過) 出願番号 2010-148464
公開日 2012年1月19日 (8年5ヶ月経過) 公開番号 2012-014308
状態 特許登録済
技術分野 CAD 特定用途計算機
主要キーワード 追加工数 各統計値 リピート性 変更部品 進捗段階 変更単位 サブパーツ 建設構造物
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2012年1月19日)のものです。
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図面 (19)

課題

変更種別は同一であっても変更パラメータが異なることが多々あるため、元の変更内容を考慮することによって影響範囲を精度良く絞り込むことができるパターンを生成することにある。

解決手段

過去の変更実績に関する履歴情報である変更実績データベースと、前記変更実績データベースを構成する変数より選択することによって変更種別を決定する手段と、前記変更種別にしたがって前記変更実績データベースの変更履歴を前記変更種別で分類する手段と、個々の変更(発生側変更)に関する変更IDと、該変更が影響を及ぼした他の変更ID(影響側変更)とを用いて、発生側の変更種別と影響側の変更種別の組み合わせを変更パターンとして生成する手段とを備える。

概要

背景

近年、製造業を取り巻く環境が厳しさを増す中で、売れる製品を迅速に開発して市場投入するだけでなく、環境など各種規制に対応した製造者アカウンタビリティへの備えや、販売後のサービスを含めた業務全体での収益確保が重要となっている。そのためには、製品の企画・開発から、製造,販売,保守廃棄に至る全段階での製品情報を管理することで、製品のライフサイクル全体における収益の最大化,安全・安心の実現等が重要となる。この情報管理においては、製品を構成する様々なもの(機能仕様部品仕様,設計,図書調達,製造工程,テスト仕様など)をデータ化し、かつ各データの関連性を管理することが重要である。例えば、一つの部品設計内容を変更した場合に、関連性に関する情報を基にその変更が及ぼす影響範囲(影響が及ぶ別の部品の仕様,図書,工程等)を検索し、各影響範囲の正確なインパクト工数増減コスト増減等)をプロジェクト管理者が迅速に把握することは、プロジェクト管理において極めて重要である。なぜなら、前記インパクトに応じて前記設計変更の実施要否の意思決定に重大な影響を及ぼす可能性があるからである。このように、プロジェクト管理者にとっては、製品に関わる情報の変更による影響を予測する変更影響予測は、設計に限らず全ての段階で重要となっている。

前記プロジェクト管理における変更影響予測に関する従来の技術としては、データの接続確度を用いて、データが変更された時に、それに影響する各データの変更影響確率を算出するものが挙げられる(特許文献1)。また、ソフト部品変更支援方法において、第1の変更種別パラメータを適用して波及的変更操作に適用するか判定し、波及的変更操作である第2の変更種別とパラメータを導出するものも挙げられる(特許文献2)。

概要

変更種別は同一であっても変更パラメータが異なることが多々あるため、元の変更内容を考慮することによって影響範囲を精度良く絞り込むことができるパターンを生成することにある。過去の変更実績に関する履歴情報である変更実績データベースと、前記変更実績データベースを構成する変数より選択することによって変更種別を決定する手段と、前記変更種別にしたがって前記変更実績データベースの変更履歴を前記変更種別で分類する手段と、個々の変更(発生側変更)に関する変更IDと、該変更が影響を及ぼした他の変更ID(影響側変更)とを用いて、発生側の変更種別と影響側の変更種別の組み合わせを変更パターンとして生成する手段とを備える。

目的

したがって、元の変更内容を考慮することによって、影響範囲を精度よく絞り込むことが課題である

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

変更に関する過去の履歴情報である変更実績データベースを有する変更影響予測装置による変更影響予測方法であって、前記変更実績データベースは、変更を識別するための変更ID,変更内容,当該変更が影響を及ぼした他の変更IDを変更情報変数として含み、前記変更影響予測装置は、前記変更実績データベースを構成する変更情報の変数より一以上の変数の選択を受付けることによって変更種別を決定する変更種別決定ステップと、前記変更種別にしたがって前記変更実績データベースの変更履歴を前記変更種別で分類する分類ステップと、変更の発生側の変更IDと、該変更が影響を及ぼした影響側の変更IDとを用いて、発生側の変更種別と影響側の変更種別の組み合わせを変更パターンとして生成する変更パターン生成ステップとを備えたことを特徴とする変更影響予測方法。

請求項2

前記変更実績データベースは、変更に要した追加工数追加コスト,当該変更が行われた時点における対象部品進捗段階に関するフェーズ情報を変数としてさらに含み、前記変更種別決定ステップにおいて、前記フェーズ情報を変更インパクト算出用分類条件としてさらに入力を受付け、前記分類ステップにおいて、前記変更種別と前記フェーズ情報にしたがって変更に要した追加工数,追加コスト,発生頻度各統計値を変更インパクトとして算出し変更統計データベースに格納することを特徴とする前記請求項1に記載の変更影響予測方法。

請求項3

前記変更種別決定ステップは、複数のパラメータのうち、一以上の任意数のパラメータからなるパラメータセットを作成し、各パラメータセットについて前記変更実績データベースの追加工数および追加コストに関して統計的なばらつきを評価し、前記ばらつきのもっとも少ないパラメータセットを選択することによって変更種別を決定することを特徴とする前記請求項2に記載の変更影響予測方法。

請求項4

前記変更影響予測装置は、発生側の変更情報を入力する変更情報入力ステップと、前記変更種別決定ステップにおいて決定された変更情報と変更種別との対応関係を用いて前記入力された変更情報の変更種別を特定するステップと、前記変更パターンにおける発生側変更種別が前記特定された変更種別に該当する変更パターンを検索,抽出し,該抽出された変更パターンにおける影響側変更種別を抽出し、前記発生側変更種別と前記影響側変更種別を基に、前記変更統計データベースを検索することによって前記変更のインパクトを算出する影響予測ステップをさらに備えたことを特徴とする前記請求項2または3に記載の変更影響予測方法。

請求項5

前記変更影響予測装置は、個々の部品または図書の関連性を表す関連性ネットワークデータベースを有し、前記影響予測ステップにおいて、前記関連性ネットワークデータベースより前記発生側変更と関連する部品を候補として抽出し、前記影響側変更種別が表す部品種別と変更内容が前記候補と合致するものを抽出することによって、影響範囲を決定することを特徴とする前記請求項4に記載の変更影響予測方法。

請求項6

前記変更影響予測装置は、発生側変更種別に対応して抽出される影響側変更種別を新たな発生側変更種別として影響側変更種別を抽出することを繰り返すことによって、入力された変更情報からの連鎖的変更の内容を含む変更影響ツリー情報を作成するステップをさらに備えたことを特徴とする前記請求項1〜5のいずれかに記載の変更影響予測方法。

請求項7

前記変更ツリー情報は、発生側変更と影響側変更に関わる部品または図書をノード,該ノード間の関係をリンクとしてそれぞれ定義され、前記変更影響予測装置は、入力された変更情報からの連鎖的変更の内容を用いてノードとリンクからなるツリーで表示し、前記変更のインパクトの大きさまたは発生率に応じて前記ノードまたはリンクの表示形態を区別して表示装置に出力する表示制御ステップをさらに備えたことを特徴とする前記請求項6に記載の変更影響予測方法。

請求項8

変更に関する過去の履歴情報である変更実績データベースを有し、前記変更実績データベースは、変更を識別するための変更ID,変更内容,当該変更が影響を及ぼした他の変更IDを変更情報の変数として含み、前記変更実績データベースを構成する変更情報の変数より一以上の変数の選択を受付けることによって変更種別を決定する変更種別決定手段と、前記変更種別にしたがって前記変更実績データベースの変更履歴を前記変更種別で分類する分類手段と、変更の発生側の変更IDと、該変更が影響を及ぼした影響側の変更IDとを用いて、発生側の変更種別と影響側の変更種別の組み合わせを変更パターンとして生成する変更パターン生成手段とを備えたことを特徴とする変更影響予測装置。

請求項9

前記変更実績データベースは、変更に要した追加工数,追加コスト,当該変更が行われた時点における対象部品の進捗段階に関するフェーズ情報を変数としてさらに含み、前記変更種別決定手段において、前記フェーズ情報を変更インパクト算出用分類条件としてさらに入力を受付け、前記分類手段において、前記変更種別と前記フェーズ情報にしたがって変更に要した追加工数,追加コスト,発生頻度の各統計値を変更インパクトとして算出し変更統計データベースに格納することを特徴とする前記請求項8に記載の変更影響予測装置。

請求項10

前記変更種別決定手段は、複数のパラメータのうち、一以上の任意数のパラメータからなるパラメータセットを作成し、各パラメータセットについて前記変更実績データベースの追加工数および追加コストに関して統計的なばらつきを評価し、前記ばらつきのもっとも少ないパラメータセットを選択することによって変更種別を決定することを特徴とする前記請求項9に記載の変更影響予測装置。

請求項11

発生側の変更情報を入力する変更情報入力手段と、前記変更種別決定手段において決定された変更情報と変更種別との対応関係を用いて前記入力された変更情報の変更種別を特定する手段と、前記変更パターンにおける発生側変更種別が前記特定された変更種別に該当する変更パターンを検索,抽出し、該抽出された変更パターンにおける影響側変更種別を抽出し、前記発生側変更種別と前記影響側変更種別を基に、前記変更統計データベースを検索することによって前記変更のインパクトを算出する影響予測手段をさらに備えたことを特徴とする前記請求項9または10に記載の変更影響予測装置。

請求項12

個々の部品または図書の関連性を表す関連性ネットワークデータベースを有し、前記影響予測手段において、前記関連性ネットワークデータベースより前記発生側変更と関連する部品を候補として抽出し、前記影響側変更種別が表す部品種別と変更内容が前記候補と合致するものを抽出することによって、影響範囲を決定することを特徴とする前記請求項11に記載の変更影響予測装置。

請求項13

発生側変更種別に対応して抽出される影響側変更種別を新たな発生側変更種別として影響側変更種別を抽出することを繰り返すことによって、入力された変更情報からの連鎖的変更の内容を含む変更影響ツリー情報を作成する手段をさらに備えたことを特徴とする前記請求項8〜12のいずれかに記載の変更影響予測装置。

請求項14

前記変更ツリー情報は、発生側変更と影響側変更に関わる部品または図書をノード,該ノード間の関係をリンクとしてそれぞれ定義され、入力された変更情報からの連鎖的変更の内容を用いてノードとリンクからなるツリーで表示し、前記変更のインパクトの大きさまたは発生率に応じて前記ノードまたはリンクの表示形態を区別して表示装置に出力する表示制御手段をさらに備えたことを特徴とする前記請求項13に記載の変更影響予測装置。

請求項15

発生側変更と影響側変更に関わる部品または図書をノード,該ノード間の関係をリンクとしてそれぞれ定義されたデータベースを有し、発生側変更と影響側変更に関わる部品または図書と対応付けて前記変更のインパクトの大きさまたは発生率を記録したデータベースを有し、前記ノードと前記リンクからなるツリーで表示し、前記変更のインパクトの大きさまたは発生率に応じて前記ノードまたはリンクの表示形態を区別して表示装置に出力する表示制御ステップを備えたことを特徴とする変更影響支援装置表示方法

請求項16

前記表示制御ステップは、前記ツリーの上流からの追加工数又は追加コストのインパクトと発生率を用いて、ツリー末端までのインパクトの期待値を算出して、ツリーの末端のノードに対応させて表示することを特徴とする請求項15に記載の変更影響支援装置の表示方法。

技術分野

0001

本発明は、データの変更管理に関わり、特にデータ変更に伴って変更が発生する別のデータの範囲とそのインパクト事前予測する技術に関する。

背景技術

0002

近年、製造業を取り巻く環境が厳しさを増す中で、売れる製品を迅速に開発して市場投入するだけでなく、環境など各種規制に対応した製造者アカウンタビリティへの備えや、販売後のサービスを含めた業務全体での収益確保が重要となっている。そのためには、製品の企画・開発から、製造,販売,保守廃棄に至る全段階での製品情報を管理することで、製品のライフサイクル全体における収益の最大化,安全・安心の実現等が重要となる。この情報管理においては、製品を構成する様々なもの(機能仕様部品仕様,設計,図書調達,製造工程,テスト仕様など)をデータ化し、かつ各データの関連性を管理することが重要である。例えば、一つの部品設計内容を変更した場合に、関連性に関する情報を基にその変更が及ぼす影響範囲(影響が及ぶ別の部品の仕様,図書,工程等)を検索し、各影響範囲の正確なインパクト(工数増減コスト増減等)をプロジェクト管理者が迅速に把握することは、プロジェクト管理において極めて重要である。なぜなら、前記インパクトに応じて前記設計変更の実施要否の意思決定に重大な影響を及ぼす可能性があるからである。このように、プロジェクト管理者にとっては、製品に関わる情報の変更による影響を予測する変更影響予測は、設計に限らず全ての段階で重要となっている。

0003

前記プロジェクト管理における変更影響予測に関する従来の技術としては、データの接続確度を用いて、データが変更された時に、それに影響する各データの変更影響確率を算出するものが挙げられる(特許文献1)。また、ソフト部品変更支援方法において、第1の変更種別パラメータを適用して波及的変更操作に適用するか判定し、波及的変更操作である第2の変更種別とパラメータを導出するものも挙げられる(特許文献2)。

先行技術

0004

特開2008−90784号公報
特開2000−39998号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、上記の技術においては次の課題がある。

0006

特許文献1においては、設計変更時の影響を確率的に表現するため、接続次数に従って影響を漸減させながら関係する可能性のある全ての情報への影響確率を算出するが、実際の変更場面においては変更内容により影響の有無が確定的になることが多いため実際に影響する情報の特定が困難になる場合がある。したがって、元の変更内容を考慮することによって、影響範囲を精度よく絞り込むことが課題である。

0007

特許文献2においては、変更したい第1の変更種別と変更パラメータ変更対象物と変更内容)の組み合わせが過去に存在しなければ、波及的変更操作の導出を行えない。例えば、ある変更種別に関して、ある変更パラメータとの組み合わせの実績があっても、別の変更パラメータとの組み合わせがなければ、そのような変更要求に対しては対応できない。特に、複雑な構成の製品や受注生産品など必ずしも情報のリピート性再利用性が高くない製品の情報に関する変更影響予測を行う場合には、変更種別は同一であっても変更パラメータが異なることが多々あるため、過去の変更実績が存在しない場合においても精度よく変更の影響を予測することが課題である。

0008

本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、変更種別は同一であっても変更パラメータが異なることが多々あるため、元の変更内容を考慮することによって影響範囲を精度良く絞り込むことができるパターンを生成することにある。

課題を解決するための手段

0009

上記課題を解決すべく本発明の変更影響予測方法は、変更に関する過去の履歴情報である変更実績データベースを有する変更影響予測装置による変更影響予測方法であって、前記変更実績データベースは、変更を識別するための変更ID,変更内容,当該変更が影響を及ぼした他の変更IDを変更情報変数として含み、前記変更影響予測装置は、前記変更実績データベースを構成する変更情報の変数より一以上の変数の選択を受付けることによって変更種別を決定する変更種別決定ステップと、前記変更種別にしたがって前記変更実績データベースの変更履歴を前記変更種別で分類する分類ステップと、変更の発生側の変更IDと、該変更が影響を及ぼした影響側の変更IDとを用いて、発生側の変更種別と影響側の変更種別の組み合わせを変更パターンとして生成する変更パターン生成ステップとを備えた。

発明の効果

0010

本発明によれば、変更種別は同一であっても変更パラメータが異なることが多々あるため、元の変更内容を考慮することによって影響範囲を精度良く絞り込むことができるパターンを生成することができる。

図面の簡単な説明

0011

本発明の一実施形態にかかる変更影響予測装置の構成図である。
変更実績DB11の一例である。
部品種別,部位の一例である。
変更内容の一例である。
変更種別決定処理の内容を説明するフローチャートである。
変更統計DBの一例である。
変更パターンDBの一例である。
変更情報を入力するためのGUIの一例である。
部品DBの一例である。
影響予測部における処理の内容を説明するフローチャートである。
関連性ネットワークDBのノードテーブルフォーマットの一例である。
関連性ネットワークDBのリンクテーブルフォーマットの一例である。
関連性ネットワークDBの図書テーブルフォーマットの一例である。
関連性ネットワークDBの部品テーブルフォーマットの一例である。
関連性ネットワークDBの模式図の一例である。
変更影響リストの一例である。
変更影響予測結果集計/表示の一例である。
次元CADシステムを用いた変更影響予測結果の一例である。

実施例

0012

以下に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。

0013

図1は本発明の一実施形態にかかる変更影響予測装置の構成図である。この変更影響予測装置は、変更実績処理部10および変更影響予測部14から構成される。前記変更実績処理部10において、過去の変更実績DB11の情報を用いて変更種別を決定し、該変更種別ごとの変更インパクト追加工数追加コスト)を含む変更統計DB12と変更パターンDB13を作成する。前記変更影響予測部14において、新たな変更事案が発生した場合にその内容を入力すると、前記変更統計DB12および変更パターンDB13とデータ間の関連性が定義された関連性ネットワークDB15および部品に関する情報が格納された部品DB17とを用いて、前記入力された変更に対する影響範囲(影響を受けるデータ)と前記インパクトを予測値として算出し、CRT,LCD,PDP等の表示装置16に出力する。

0014

以下では、本実施例をより具体的に説明するため、対象製品としてプラント設計情報を例にして説明するが、必ずしもそれに限定すべきものではなく、ビル橋梁等の建設構造物のほか、機械製品電気製品などのハードウェア、またソフトウェアなど様々な製品に関する情報に適用しても差し支えない。

0015

次に、前記変更影響予測装置を構成する各部の機能について説明する。

0016

変更実績処理部10は、変更種別決定部100および変更実績データ処理部101から構成され、変更実績DB11の情報を用いて変更種別を決定し、該変更種別ごとの変更インパクト(追加工数,追加コスト)を含む変更統計DB12と変更パターンDB13を作成するところである。

0017

変更実績DB11は、当該製品を含む過去の同種製品に関して、変更単位の履歴情報が蓄積されたものである。

0018

ここで、図2に変更実績DB11の一例を示す。図示するように、過去の同種の製品に関して、設計変更等の変更事項が発生するとその事項ごとに内容が保存されている。その構成は、事項を識別するための変更ID,変更の名称,製品ID,部品ID,部位,変更内容,フェーズ,インパクト(追加工数,追加コスト)、および影響側変更IDなどの各パラメータを含んでおり、これらは変更情報の変数である。ここで、パラメータについて説明する。変更IDは変更を識別するための番号で、変更される部品単位に作成される。製品IDは、当該変更(部品)が含まれる製品(例えばプラントA)を識別するためのIDである。部品種別と部位は、図3に例示されるように、部品(図書を含む)の種類ごとに種別番号割り当てられ、さらに部品に属するサブパーツがある場合には部位(サブパーツの種類)が割り当てられる。部品IDは、各部品を識別されるための番号であり、前記部品種別ごとに番号が割り当てられる。変更内容は、図4に例示されるように、変更の内容ごとに番号が割り当てられる。フェーズは、変更発生時における当該対象部品進捗段階のことであり、インパクトとの関連性に応じて設定されるとよい。例えば、設計内容確定後であって部品調達(発注)前の段階であれば1、部品調達後の段階であれば2とすれば、後で統計処理する際に、特にコストインパクトとの相関性を高めることができる。インパクトについては、追加工数と追加コストの2種類があり、それぞれ当該変更IDに関してそれぞれ追加で発生した工数(人時)とコスト(k¥)である。追加工数および追加コストについては、当該変更によって元の予定よりも少なくなる(下がる)場合は負の値、変化のない場合は0、それ以外は正の値になる。前記インパクトは、工数,コストの絶対値であってもよいが、部品のサイズ等の違いが影響因子として含まれているため、部品IDごとに持っている物量(例えば重量など)で正規化したものであることが望ましい。以下では、インパクトは物量で正規化された(つまり単位物量あたりの)ものとして扱う。

0019

影響側変更IDは、当該変更によって発生した別の変更IDである。例えば、変更ID201の影響側変更IDが202および203であるのは、前記変更ID201の変更に伴って前記変更ID202および203の2つの変更が発生したことを意味している。別の言い方をすれば、変更ID201が変更を発生させた側(発生側)、変更ID202、および203が変更の影響を受けた側(影響側)である。また、変更ID207は、変更ID206に対する影響側であるとともに、変更ID208に対する発生側でもある。

0020

次に、変更実績処理部10を構成する各部の機能について説明する。

0021

変更種別決定部100は、前記変更実績DB11を基に変更統計DB12を作成するにあたり、その作成単位である変更種別を、前記変更実績DB11を構成する前記パラメータより一以上を選定することによって決定するところである。変更種別決定、すなわちパラメータ選定においては、変更管理者の経験に基づいて選択するようにしてもよいし、定量評価によって選定するようにしてもよい。

0022

ここで、定量評価によるパラメータ選定の一例について図5のフローチャートを用いて説明する。

0023

はじめに、変更実績DB11を読み込む(S50)。

0024

次に、前記変更実績DB11を構成するパラメータ(図2の例では、変更ID〜影響側変更ID)を抽出し、その中から任意のパラメータの組み合わせ(パラメータセット)を作成する(S51)。ただし、パラメータセットは、前述のように、変更統計DB12を作成するための作成単位となるべきものであるため、それと無関係のものを予め候補から除外したり、必ず含めたいものを指定するなどの制約条件をつけたりしてもよい。例えば、図2において、製品ID,部品種別,部位,変更内容,フェーズの5パラメータの一以上からなるパラメータセットは31通りになる。また、前記5パラメータのうち、例えば部品種別を必ず含めるような制約条件をつけると15通りになる。

0025

次に、あるパラメータセットiにしたがって前記変更実績DB11の各変更を集計し、インパクト(追加工数,追加コスト)に関して統計処理を行う(S52)。例えば、当該パラメータセットiが部品種別と変更内容の2パラメータから成る場合、該2パラメータの組み合わせ(変更種別と呼ぶ)jの単位に変更IDのインパクトを統計処理する。図2の例では、変更ID202,203,205において、部品種別が2(配管)かつ変更内容が2(ルート,寸法変更)と同一であるため、この変更種別jに関してこれら変更のインパクト(追加工数,追加コスト)を集計して統計処理する。統計処理の結果出力されるのは、平均値中央値,分散(標準偏差),度数等である。この統計処理は、当該変更種別における全ての組み合わせj(部品種別1かつ変更内容1,部品種別1かつ変更内容2,…)について行う。

0026

次に、S52で算出されたパラメータセットi,変更種別jごとの統計値を用いて、該パラメータセットiに関する評価値Eiを算出する(S53)。評価値Eiを算出するための評価式は、例えば次式のように、変更種別ごとのインパクトのばらつきに関するもので定義する。

0027

0028

ここで、Mij,Cijは、それぞれパラメータセットi,変更種別jに関する追加工数,追加コストであり、S(Mij),S(Cij)は、それぞれパラメータセットi,変更種別jに関する追加工数,追加コストの標準偏差である。αは工数をコストに換算するための係数次元は¥/時間)であり、例えば、当該プロジェクトチャージや自給を当てればよい。mは、変更種別jの数である。ただし、データの度数が所定数に満たない変更種別が一つでもある場合には、統計的に信頼性が低いため上記評価値Eiを算出しない(プログラム的にはとりうる最大の値を割り当てる)。

0029

次に、S51で作成された全てのパラメータセットについて評価値が算出されたかを判定し、YesならばS55の処理へ進み、NoならばS52へ戻って処理を続ける(S54)。

0030

最後に、各パラメータセットに関して算出された評価値のうち、最小であるもののパラメータセットiを、変更統計DB12を作成するための作成単位として決定する。もし、このステップでパラメータセットが一意に決定されなければ(複数のパラメータセットの評価値が最小値である場合など)、パラメータセットごとの評価値をユーザに提示すればよい。

0031

以上のようにすれば、変更種別決定部100において、適切なパラメータセットを決定することができる。

0032

変更実績データ処理部101は、前記変更種別決定部100で決定されたパラメータセットにしたがって、変更実績DB11のデータを処理するところである。データ処理については、変更統計DB12と変更パターンDB13を生成する各処理がある。次に、各処理について説明する。

0033

変更統計DB生成処理は、前記定量評価によるパラメータ選定のフローチャート(図2)におけるS52と同様の処理を行い、この結果を変更統計DB12に出力する。ここで、前記決定されたパラメータセットが、部品種別,部位,変更内容,フェーズの4パラメータから成る場合において、図2の変更実績DB11を元に生成される変更統計DB12の一例を図6に示す。変更種別は、前記4パラメータで識別するためのIDである。変更種別名は、各パラメータの名称を組み合わせたものである。インパクトは変更種別ごとの平均値または中央値である。ただし、前述したように、物量(例えば重量など)で一旦正規化したものに関する平均値または中央値であってもよい。

0034

変更パターンDB生成処理は、変更実績DB2における変更IDと影響側変更IDのそれぞれが該当する変更種別の組み合わせを抽出することにより、発生側の変更種別と影響側の変更種別の組み合わせからなる変更パターンを生成し、この結果を変更パターンDB13に出力する。生成される変更パターンDB13の一例を図7に示す。ここで、変更パターン生成の処理について図2および図6の例を用いて説明する。変更ID201は、前記4パラメータ(部品種別,部位,変更内容,フェーズ)から変更種別1に該当する。したがって、発生側の変更種別は1となる。また、変更ID201の影響側変更IDである202と203は、ともに変更種別は3である。したがって、この時の影響側の変更種別は3である。以上の処理を変更実績DB11に含まれる全てのデータに対して適用して分類することで、発生側の変更種別と影響側の変更種別の組み合わせからなる変更パターンを生成することができる。そして、発生側の変更種別に対する影響側の変更種別の発生率を変更統計DB12に含まれる各頻度より求める。ただし、前記発生率を求める際の頻度にはフェーズを考慮しない。

0035

上述したように、変更に関する過去の履歴情報である変更実績データベースを有する変更影響予測装置による変更影響予測方法であって、前記変更実績データベースは、変更を識別するための変更ID,変更内容,当該変更が影響を及ぼした他の変更IDを変更情報の変数として含み、前記変更影響予測装置は、前記変更実績データベースを構成する変更情報の変数より一以上の変数の選択を受付けることによって変更種別を決定する変更種別決定ステップと、前記変更種別にしたがって前記変更実績データベースの変更履歴を前記変更種別で分類する分類ステップと、変更の発生側の変更IDと、該変更が影響を及ぼした影響側の変更IDとを用いて、発生側の変更種別と影響側の変更種別の組み合わせを変更パターンとして生成する変更パターン生成ステップとを備えた変更影響予測方法を行うことにより、変更種別は同一であっても変更パラメータが異なることが多々あるため、元の変更内容を考慮することによって影響範囲を精度良く絞り込むことができるパターンを生成することができる。

0036

また、変更影響予測装置として、変更に関する過去の履歴情報である変更実績データベースを有し、前記変更実績データベースは、変更を識別するための変更ID,変更内容,当該変更が影響を及ぼした他の変更IDを変更情報の変数として含み、前記変更実績データベースを構成する変更情報の変数より一以上の変数の選択を受付けることによって変更種別を決定する変更種別決定手段と、前記変更種別にしたがって前記変更実績データベースの変更履歴を前記変更種別で分類する分類手段と、変更の発生側の変更IDと、該変更が影響を及ぼした影響側の変更IDとを用いて、発生側の変更種別と影響側の変更種別の組み合わせを変更パターンとして生成する変更パターン生成手段とを備えた構成とすることで、変更種別は同一であっても変更パラメータが異なることが多々あるため、元の変更内容を考慮することによって影響範囲を精度良く絞り込むことができるパターンを生成することができる。

0037

また、前記変更実績データベースは、変更に要した追加工数,追加コスト,当該変更が行われた時点における対象部品の進捗段階に関するフェーズ情報を変数としてさらに含み、前記変更種別決定ステップにおいて、前記フェーズ情報を変更インパクト算出用分類条件としてさらに入力を受付け、前記分類ステップにおいて、前記変更種別と前記フェーズ情報にしたがって変更に要した追加工数,追加コスト,発生頻度各統計値を変更インパクトとして算出し変更統計データベースに格納する変更影響予測方法を行っても良い。これにより、製品、特に情報のリピート性,再利用性が高くない製品に関わる各種情報(データ)の変更管理において、変更インパクトを含む過去の変更実績に対して、前記変更インパクトの相関性を確保するようカテゴライズすることで変更実績データの変更影響予測への適用性を向上することができる。

0038

また、変更影響予測装置として、前記変更実績データベースは、変更に要した追加工数,追加コスト,当該変更が行われた時点における対象部品の進捗段階に関するフェーズ情報を変数としてさらに含み、前記変更種別決定手段において、前記フェーズ情報を変更インパクト算出用分類条件としてさらに入力を受付け、前記分類手段において、前記変更種別と前記フェーズ情報にしたがって変更に要した追加工数,追加コスト,発生頻度の各統計値を変更インパクトとして算出し変更統計データベースに格納することにより、製品、特に情報のリピート性,再利用性が高くない製品に関わる各種情報(データ)の変更管理において、変更インパクトを含む過去の変更実績に対して、前記変更インパクトの相関性を確保するようカテゴライズすることで変更実績データの変更影響予測への適用性を向上することができる。

0039

また、前記変更種別決定ステップは、複数のパラメータのうち、一以上の任意数のパラメータからなるパラメータセットを作成し、各パラメータセットについて前記変更実績データベースの追加工数および追加コストに関して統計的なばらつきを評価し、前記ばらつきのもっとも少ないパラメータセットを選択することによって変更種別を決定しても良い。これにより、変更によって発生する工数やコストなどの定量的なインパクトを算出して変更の妥当性を評価することができる。

0040

また、変更影響予測装置として、前記変更種別決定手段は、複数のパラメータのうち、一以上の任意数のパラメータからなるパラメータセットを作成し、各パラメータセットについて前記変更実績データベースの追加工数および追加コストに関して統計的なばらつきを評価し、前記ばらつきのもっとも少ないパラメータセットを選択することによって変更種別を決定することにより、変更によって発生する工数やコストなどの定量的なインパクトを算出して変更の妥当性を評価することができる。

0041

次に、変更影響予測部14について説明する。変更影響予測部14は、変更情報入力部140,影響予測部141、および予測結果出力部142から構成され、入力された変更情報を基に前記変更パターンDB13を検索することで変更パターンを決定し、また前記変更統計DB12とデータ間の関連性を含む関連性ネットワークDB15から前記入力された変更からの影響範囲とインパクトを予測し、該予測結果を表示装置16に出力するところである。

0042

次に、変更影響予測部14を構成する各部の機能について説明する。

0043

変更情報入力部140は、ユーザが変更内容に関する情報を入力するところである。一例として、図8に示すGUI(Graphical User Interface)による入力を挙げる。ユーザは、PCなどのシステム上で動作するGUIを通じて、表示されたパラメータである図面符号80〜85の内容を入力することによって変更内容を入力する。部品種別80(部品ID)、および部位81については、図9に例示する部品DB17のパラメータをキーワード検索等によって検索して入力してもよい。また、変更内容82およびフェーズ83のように選択肢が予め定められたものの場合には、パラメータの入力エリア86,87をマウス等の入力デバイスで入力することによりプルダウンメニューで全ての選択肢を表示し、その中からユーザが選択することによって入力してもよい。追加工数84,追加コスト85は入力エリアに数値を入力する。全ての入力を終えた後、マウス等の入力デバイスで「決定」ボタンを押すことによって変更情報の入力が完了する。なお、「キャンセル」ボタンを押すと、このGUIにおいてすでに入力されている情報が消去される。

0044

影響予測部141は、前記変更情報入力部140で入力された変更内容に関する情報を基に、前記変更統計DB12,前記変更パターンDB13、および関連性ネットワークDB15を用いて前記変更の影響範囲およびインパクトを予測するところである。影響予測部141における具体的な処理内容について、図10のフローチャートを用いて説明する。

0045

はじめに、前記変更統計DB12,前記変更パターンDB13、および関連性ネットワークDB15よりデータを読み出すために、これらのDBに接続し、ユーザ名とパスワードの認証を経て接続を確立する(S60)。

0046

次に、変更情報入力部140で入力された変更情報より発生側変更種別を特定し、さらに発生側変更のインパクトを予測する(S61)。以下の説明では、変更種別の例として、部品種別,部位,変更内容,フェーズの4パラメータから成る場合に関して述べる。なお、図6に例示される変更統計DB12も、この変更種別パラメータに基づいている。変更情報入力部140で入力された変更情報が図8に例示された通りであった場合、図6の変更種別番号と各パラメータを照合することにより変更種別は1と特定できる。もし、変更種別が特定できない場合には変更種別を0(特定不可の意味)とする。次に、発生側変更のインパクトを予測する。図6より、発生側における単位物量あたりの追加工数,追加コストはそれぞれ4[人時/kg],50[k¥/kg]である。ここで、当該発生側の変更対象部品の部品種別,部品ID,部位(それぞれ1,1,1)をキーに前記部品DB17を検索することにより、タンクノズル1が変更対象であることがわかる。また、重量が20[kg]であることから、この重量を前記単位物量あたりの追加工数,追加コストに適用することにより、追加工数と追加コストの予測値を算出する。ここでは、単純化のため、前記予測値が単純に重量に比例するという予測モデルであるとし、この時の追加工数と追加コストの予測値は、それぞれ80[人時],1000[k¥]となる。なお、予測モデルについては、前記モデルに固定すべきものではなく、予測精度を高めるために、部品種別ごとに他のモデルに入れ替えても差し支えない。また、後述する関連性ネットワークDB15を参照することで、発生側の変更対象部品に対応するノードIDを特定し、インパクトとともに図16に例示する変更影響リストに登録する。さらに、該変更対象部品に関連する図書を抽出し、変更影響リストに当該変更部品とともに登録する(図書が抽出できなければ登録しない)。なお、図書のインパクト予測値は部品の予測値に含まれるため0とする。

0047

次に、変更パターンDB13を検索し、前記特定された発生側変更種別が前記変更パターンDB13における変更種別(発生側)に合致する変更パターンが存在するかを判定する(S62)。上記例では、特定された発生側変更種別は1であり、これを図7の変更パターンDBの変更種別(発生側)と比較することにより、変更パターンAと合致することがわかる。したがって、この場合の判定結果はYesであり、S63の処理へ進む。もしも、合致する変更パターンがなければ判定結果がNoとなりS68の処理へ進む。また、このステップにおいては発生側の処理のみであり、影響側の処理を行っていないため、変更による影響の段階数を表す変更影響次数は0であるものとする。

0048

S62での判定結果がYesの場合、前記変更影響次数を1加算する(それまでの変更影響次数が0の場合は1となる)。また、前記変更パターンDB13を参照し、前記変更パターンに対応する変更種別(影響側)を取得する(S63)。上述の例では変更パターンAであり、この場合の変更種別(影響側)は3であることがわかる。

0049

次に、影響側のノード,変更種別、およびインパクトを予測可能か判定する(S64)。

0050

ここでは、図11図15に例示する関連性ネットワークDB15を参照するため、はじめにこれらについて説明する。図11は、ネットワークを構成するノードを定義するためのテーブルフォーマットの一例であり、ノード種別として、部品,図書、などを区別する。そして、ノードの詳細属性は、Object_Type(ノード種別)およびObject_IDで指定された別のテーブル(図13図14)にリンクしている。図12は、ネットワークを構成するリンクを定義するためのテーブルフォーマットの一例であり、親ノード上流側ノード)と子ノード(下流側ノード)を定義することにより、リンクの方向を定義する。図13は、図書に関する情報を格納するためのテーブルフォーマットの一例であり、前記ノード種別が図書の場合に参照され、図示する属性が定義される。図14は、部品に関する情報を格納するためのテーブルフォーマットの一例であり、前記ノード種別が部品で合った場合に参照され、部品の詳細属性は、Object_Type(部品タイプ)およびObject_IDにしたがって前記部品DB17(図9)にリンクしている。ここで、関連性ネットワークDB15の一例として模式図を図15に示す。○や□はノードを示し、数字はノードIDである。また矢印はリンクおよび影響が及ぶ方向を示している。一つのノードが変更されると、該ノードから出る矢印が指し示すノードに対して影響が及ぶ可能性があることを意味する。図15においてノード1からノード6に対して2本のリンクがあるのは、部位が複数あるために両ノードをつなぐ経路が2本あることを意味する。

0051

S64に戻って説明を続ける。S63において変更種別(影響側)が3であることがわかったため、図6の変更統計DBを参照することにより、部品種別が2(配管)、変更内容が2(ルート,寸法変更)であることがわかる。ここで、図15の関連性ネットワークを用いて説明する。前記発生側の対象部品がノード1であるとする。この時に影響側の対象部品となる候補はノード2,3,4,6である(図書は部品でないため除外する)。前記候補ノードの部品タイプが前記求められた影響側の部品種別である配管に合致し、かつ発生側変更の部位に合致するものがあるかによって、前記予測が可能かを判定する。ここで、合致するものがなければ(No)S68の処理に進む。例えば、ノード2,6が条件を満たす場合にはYesとなりS65の処理へ進む。このように、変更の発生側と影響側の部品種別、部位が変更パターンと矛盾しないかをチェックすることによって、前記影響が及ぶ可能性があるノードを適切に絞り込む。

0052

S64でYesと判定された場合に、前記条件に合致した各ノード(部品)およびそれに関連する図書を前記変更影響リストに登録するとともに、各ノードに対してインパクトを予測し、予測結果を前記変更影響リストに登録する(S65)。上記例では、ノード2,6が条件に合致したため、各ノード(配管)の物量(部品DB17より取得)と単位物量あたりのインパクト(変更統計DB12より取得)より、S61のインパクト予測と同様に予測計算をする。なお、図書のインパクトについては、部品に含まれるため0とする。

0053

次に、変更パターンDB13を参照し、前記影響側の変更種別(上記例では3)を発生側変更種別とするものが存在するかを判定する(S66)。図7の変更パターンDBの例ではパターンFが該当するためYesと判定されS67の処理へ進む。存在しなければNoと判定され、S68の処理へ進む。

0054

S66でYesと判定された場合、前記変更影響次数が所定値を超えたかどうかを判定する(S67)。この処理は、変更による影響がむやみに波及することを防ぐ目的のものであり、前記所定値は、変更の経験から指定してもよいし、あるいは変更実績DB11の実績を解析することによって発生側変更による変更影響次数を求め、その最大値、あるいは95パーセンタイル値など過去の変更実績に基づいた数値を採用するようにしてもよい。Yesと判定された場合にはS68の処理に進む。Noと判定された場合にはS63の処理に戻って、S63〜S66の処理を繰り返すことにより、変更による影響の波及予測を行う。

0055

S67でNoと判定された場合に、全ての影響側変更種別の処理を終えたかを判定する(S68)。これは、変更の影響が複数ノードに及ぶ場合に対応するためのものである。Yesと判定された場合にはS69の処理へ進み、Noと判定された場合にはS63の処理に戻ってS63〜S66の処理を繰り返すことにより、変更による影響の波及予測を行う。

0056

S68でYesと判定された場合、前記変更影響リストを参照し変更影響予測結果を集計する(S69)。具体的には、前記変更影響リストに含まれるインパクト予測値(追加工数,追加コスト)をそれぞれ合計する。あるいは、図17に例示するように、ノード単位に変更影響ツリーの画像データを作成してもよい。このツリーの画像において、各ノードへのインパクト予測値90や各リンクへの発生率91(変更パターンDB13より取得される)を併記してもよい。また、前記インパクト予測値や前記発生率に応じて、ノードやリンクの表示形態を変更するようにしてもよい。ノードの表示形態の変更例としては、ノード番号を囲む図形の線の太さや線種実線破線等)を変更すること、ノード番号を囲む図形の大きさを変更すること、あるいはノード番号を囲む図形に対して着色する(ハッチングする)ことが挙げられる。リンクの表示形態の変更例としては、リンクを表す矢印の線の太さや線種を変更することが挙げられる。

0057

以上のようにすれば、変更情報入力部140で入力された変更に対する影響の範囲とインパクトを影響予測部141で予測することができる。また、ユーザが変更しようとする案を複数持っている場合に、それぞれを変更情報入力部140で入力することで、各変更案に対するインパクト予測値を求めることができ、該インパクト予測値を比較することによって、変更案の質的評価を行うことも可能である(インパクトが小さいほど質がよいとみなす)。

0058

予測結果出力部142は、前記影響予測部141で取得した情報および出力した情報を読み込んでテキストグラフィック等の形式で表示装置16に表示信号を送信するところである。これにより、例えば図16に例示する変更影響リストや図17に例示する変更影響ツリーのようなものを表示装置16で表示することができる。あるいは、図17のツリーの代わりに、図18に例示するように、3次元CADシステムを用いて、発生側の変更部品オブジェクト92と影響側の部品オブジェクト93を別の色で着色することで、ユーザに部品に関する具体的な影響範囲を提示することができる。

0059

以上のようにすれば、製品に関わる各種情報(データ)の変更管理において、変更実績データの変更影響予測への適用性を向上し、さらに変更による影響範囲とインパクトを高精度に予測することができる。

0060

上述したように、前記変更影響予測装置は、発生側の変更情報を入力する変更情報入力ステップと、前記変更種別決定ステップにおいて決定された変更情報の変更種別を用いて前記入力された変更情報の変更種別を特定するステップと、前記変更パターンにおける発生側変更種別が前記特定された変更種別に該当する変更パターンを検索,抽出し、該抽出された変更パターンにおける影響側変更種別を抽出し、前記発生側変更種別と前記影響側変更種別を基に、前記変更統計データベースを検索することによって前記変更のインパクトを算出する影響予測ステップをさらに備えても良い。これにより、変更による影響範囲とインパクトを高精度に予測することができるようになる。

0061

また、変更影響予測装置として、発生側の変更情報を入力する変更情報入力手段と、前記変更種別決定手段において決定された変更情報と変更種別との対応関係を用いて前記入力された変更情報の変更種別を特定する手段と、前記変更パターンにおける発生側変更種別が前記特定された変更種別に該当する変更パターンを検索,抽出し、該抽出された変更パターンにおける影響側変更種別を抽出し、前記発生側変更種別と前記影響側変更種別を基に、前記変更統計データベースを検索することによって前記変更のインパクトを算出する影響予測手段を備えたことにより、変更による影響範囲とインパクトを高精度に予測することができるようになる。

0062

上述したように、前記変更影響予測装置は、個々の部品または図書の関連性を表す関連性ネットワークデータベースを有し、前記影響予測ステップにおいて、前記関連性ネットワークデータベースより前記発生側変更と関連する部品を候補として抽出し、前記影響側変更種別が表す部品種別と変更内容が前記候補と合致するものを抽出することによって、影響範囲を決定しても良い。これにより、データ間の関連性を考慮して予測影響範囲の絞り込みを行うことによって、変更による影響範囲とインパクトを高精度に予測することができるようになる。

0063

また、変更影響予測装置として、個々の部品または図書の関連性を表す関連性ネットワークデータベースを有し、前記影響予測手段において、前記関連性ネットワークデータベースより前記発生側変更と関連する部品を候補として抽出し、前記影響側変更種別が表す部品種別と変更内容が前記候補と合致するものを抽出することによって、影響範囲を決定することにより、データ間の関連性を考慮して予測影響範囲の絞り込みを行うことによって、変更による影響範囲とインパクトを高精度に予測することができるようになる。

0064

上述したように、前記変更影響予測装置は、発生側変更種別に対応して抽出される影響側変更種別を新たな発生側変更種別として影響側変更種別を抽出することを繰り返すことによって、入力された変更情報からの連鎖的変更の内容を含む変更影響ツリー情報を作成するステップを備えても良い。これにより複数の変更案を視覚的に検討することができる。

0065

また、変更影響予測装置として、発生側変更種別に対応して抽出される影響側変更種別を新たな発生側変更種別として影響側変更種別を抽出することを繰り返すことによって、入力された変更情報からの連鎖的変更の内容を含む変更影響ツリー情報を作成する手段を備えたことにより、複数の変更案を視覚的に検討することができる。

0066

上述したように、前記変更ツリー情報は、発生側変更と影響側変更に関わる部品または図書をノード、該ノード間の関係をリンクとしてそれぞれ定義され、前記変更影響予測装置は、入力された変更情報からの連鎖的変更の内容を用いてノードとリンクからなるツリーで表示し、前記変更のインパクトの大きさまたは発生率に応じて前記ノードまたはリンクの表示形態を区別して表示装置に出力する表示制御ステップをさらに備えても良い。これにより、複数の変更案のインパクト予測値を比較することにより質的評価行うことができるようになり、正式に採用すべき変更案の絞り込みを有効に支援することができ、ひいては製品開発プロジェクト全体の業務において効率化を進めることができる。また、変更影響予測装置として、前記変更ツリー情報は、発生側変更と影響側変更に関わる部品または図書をノード、該ノード間の関係をリンクとしてそれぞれ定義され、入力された変更情報からの連鎖的変更の内容を用いてノードとリンクからなるツリーで表示し、前記変更のインパクトの大きさまたは発生率に応じて前記ノードまたはリンクの表示形態を区別して表示装置に出力する表示制御手段を備えたことにより、複数の変更案のインパクト予測値を比較することにより質的評価行うことができるようになり、正式に採用すべき変更案の絞り込みを有効に支援することができ、ひいては製品開発プロジェクト全体の業務において効率化を進めることができる。

0067

上述した例では、図17ツリー表示は、影響予測部141で図10の処理を行うことで作成することを記載したが、図16の変更影響リストのデータや、図6の変更統計データベースや、図7変更パターンデータベースのようなデータを作成済みとしてデータベースに有し、これを図17のツリー表示としても良い。つまり、発生側変更と影響側変更に関わる部品または図書をノード、該ノード間の関係をリンクとしてそれぞれ定義されたデータベースを有し、発生側変更と影響側変更に関わる部品または図書と対応付けて前記変更のインパクトの大きさまたは発生率を記録したデータベースを有し、前記ノードと前記リンクからなるツリーで表示し、前記変更のインパクトの大きさまたは発生率に応じて前記ノードまたはリンクの表示形態を区別して表示装置に出力する表示制御ステップを備えた変更影響支援装置表示方法としても良い。これにより、複数の変更案のインパクト予測値を比較することにより質的評価行うことができるようになり、正式に採用すべき変更案の絞り込みを有効に支援することができ、ひいては製品開発プロジェクト全体の業務において効率化を進めることができる。前記データベースは、追加工数又は追加コストのインパクトとノードを対応させ、頻度又は発生率とリンクを対応させて記録させても良い。

0068

また、上述した表示形態を区別した表示と共に、又は別として、ツリーの上流からの追加工数又は追加コストのインパクトと発生率を用いて、ツリー末端までのインパクトの期待値を算出して、ツリーの末端のノードに対応させて表示させることで、変更案の絞り込みを有効に支援することができる。また、ツリー末端までのインパクトの期待値ではなく、ツリーの途中のノードまでのインパクトの期待値を算出して、表示しても良い。また、期待値に対応させて上述したノードとリンクの表示形態を区別した表示としても良い。

0069

また、上記ツリーの表示を図18CADシステムの表示にも適用でき、発生側の変更部品オブジェクト92と影響側の部品オブジェクト93を別の色で着色したり、インパクトの期待値を算出して影響側の部品オブジェクトに対応させて期待値を表示させても良い。ユーザに部品に関する具体的な影響範囲と影響度を提示することができる。

0070

なお、上述した例では変更影響支援装置の処理方法として記載したが、各処理を行う処理部を有する変更影響支援装置としても同様の効果を得ることができる。

0071

なお、上記の各構成,機能,処理部,処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成,機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラム解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム,テーブル,ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスクSSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカードSDカード,DVD等の記録媒体に置くことができる。よって、各処理,各構成は処理ユニットプログラムモジュールとして各機能を実現可能である。

0072

また、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。

0073

また、制御線情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。

0074

以上のように、本発明にかかる変更影響予測方法及び変更影響予測装置は、製品、特に情報のリピート性,再利用性が高くない製品に関わる各種情報(データ)の変更管理において、変更インパクトを含む過去の変更実績に対して、前記変更インパクトの相関性を確保するようカテゴライズすることで変更実績データの変更影響予測への適用性を向上し、さらにデータ間の関連性を考慮して予測影響範囲の絞り込みを行うことによって、変更による影響範囲とインパクトを高精度に予測することができるようになる。また、複数の変更案のインパクト予測値を比較することにより質的評価行うことができるようになり、正式に採用すべき変更案の絞り込みを有効に支援することができ、ひいては製品開発プロジェクト全体の業務において効率化を進めることができるようになるという効果を有し、例えば、製品開発に関わる各種エンジニアリングDBやその管理システムとネットワークで接続されたPC,サーバモバイル情報端末などの各種コンピュータシステム、およびコンピュータシステム上で動作する製品データ管理ソフトウェアに対して、本発明を適用することができる。

0075

10変更実績処理部
11 変更実績DB
12 変更統計DB
13変更パターンDB
14 変更影響予測部
15関連性ネットワークDB
16表示装置
80部品種別
81 部位
82変更内容
83フェーズ
84追加工数
85追加コスト
86,87パラメータの入力エリア
90a,90b,90c 各ノードへのインパクト予測値
91a,91b 各リンクへの発生率
92 発生側の変更部品オブジェクト
93 影響側の部品オブジェクト
100変更種別決定部
101 変更実績データ処理部
140変更情報入力部
141 影響予測部
142 予測結果出力部

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