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技術 硬化性材料の製造方法、硬化性材料および光学部材

出願人 AGC株式会社
発明者 石戸総野本英男笹倉英史
出願日 2010年6月16日 (10年5ヶ月経過) 出願番号 2010-136931
公開日 2012年1月5日 (8年10ヶ月経過) 公開番号 2012-002978
状態 未査定
技術分野 重合方法(一般) エポキシ樹脂 グラフト、ブロック重合体 光学要素・レンズ
主要キーワード 総比表面積 酸化アルミニウム含量 酸化アルミニウム含有量 酸化アルミニウム量 無機ナノコンポジット 表面修飾微粒子 レーザーパワーメータ 原料投入量
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課題

無機微粒子、特に屈折率波長依存性の小さい無機微粒子を分散状態で含有する、高屈折率でありかつ透光性を有する硬化性材料を、簡便で生産効率よく所望の光学特性(屈折率等)が得られるように製造する方法を提供する。

解決手段

等電点が7.0以上の無機微粒子が水系媒体に分散されpHが無機微粒子の等電点より低く調整された分散液と、水系媒体と相分離し得る有機溶媒にpKaが該分散液のpHより低くカルボキシル基を除く炭素数が6以上の飽和カルボン酸を溶解した溶液を混合し、該飽和カルボン酸で表面修飾された無機微粒子を含むエマルジョンを得る工程、エマルジョンを水系媒体相表面修飾無機微粒子を含む有機溶媒相に分離する工程、表面修飾無機微粒子を含む有機溶媒相から有機溶媒を除去する工程、表面修飾無機微粒子と、硬化性成分とを混合する工程を含む硬化性材料を製造する方法。

概要

背景

有機高分子中にナノサイズの無機微粒子を均一に分散させた有機無機複合材料有機無機ハイブリッド材料有機無機ナノコンポジット材料とも呼ばれる。)は、光学特性透過率屈折率ヘイズ等)、機械的特性に優れることから最近注目されている。

ここで、光学部材レンズアレイ回折格子フォトニック結晶等)の用途では光硬化性樹脂が広く用いられているが、この光硬化性樹脂の光学特性を改善する、特に、屈折率を高めることを目的として、上記有機無機複合材料の技術を適用して、光硬化性樹脂中に光硬化性樹脂よりも屈折率が高い無機微粒子を均一に分散させる技術が検討されている。

例えば、光硬化性樹脂に無機微粒子を分散させる場合、無機微粒子の凝集性を制御する、あるいは無機微粒子の吸湿性を改善するために、無機微粒子の表面をシランカップリング剤や各種有機物で処理することが行われている。

しかしながら、光学部材に用いられる有機無機複合材料において無機微粒子は光透過性を確保するために粒子径はできるだけ小さくしながら、所望の屈折率を得るために一定量を配合する必要性があることから、上記無機微粒子の表面処理を必要とする表面積が大きくなり、多量の表面処理剤の添加が必要であった。しかし、シランカップリング剤の副生成物としてのシリコンオイルや有機物として用いられる脂肪酸等は屈折率を低下させ、樹脂耐熱性を損なうという問題があった。

そこで、特許文献1には、硬化性樹脂に配合する無機微粒子の表面修飾アダマンチル基を有する化合物を用いて行うことにより、無機微粒子の吸湿性や硬化性樹脂中での分散性を改善することで、透光性を十分確保しながら屈折率の低下が抑えられた、上記問題を解決した有機無機複合材料の技術が記載されている。しかし、特許文献1によれば、この有機無機複合材料の製造については一般的な方法、すなわち、無機微粒子が通常提供される水系ゾルの形態をオルガノゾルの形態に変換する処理を行った後、無機微粒子の表面をアダマンチル基を有する化合物で表面修飾する方法が取られている。つまり、無機微粒子の表面をアダマンチル基を有する化合物で表面修飾するためには、該無機微粒子のオルガノゾルの製造が必須であった。

しかしながら、上記無機微粒子の水系ゾルをオルガノゾルに変換する処理は煩雑な処理であるとともに、この処理工程を経ることにより、得られる有機無機複合材料においては、原料投入量から設計通りの光学特性を有するものとすることが困難であった。そこで、このような透光性を十分確保しながら屈折率の低下を抑えた有機無機複合材料、特に、屈折率の波長依存性の小さい無機微粒子を用いた有機無機複合材料の製造において、より簡便で生産効率よく所望の光学特性(屈折率等)を有する有機無機複合材料が得られる製造方法が求められていた。

概要

無機微粒子、特に屈折率の波長依存性の小さい無機微粒子を分散状態で含有する、高屈折率でありかつ透光性を有する硬化性材料を、簡便で生産効率よく所望の光学特性(屈折率等)が得られるように製造する方法を提供する。等電点が7.0以上の無機微粒子が水系媒体に分散されpHが無機微粒子の等電点より低く調整された分散液と、水系媒体と相分離し得る有機溶媒にpKaが該分散液のpHより低くカルボキシル基を除く炭素数が6以上の飽和カルボン酸を溶解した溶液を混合し、該飽和カルボン酸で表面修飾された無機微粒子を含むエマルジョンを得る工程、エマルジョンを水系媒体相表面修飾無機微粒子を含む有機溶媒相に分離する工程、表面修飾無機微粒子を含む有機溶媒相から有機溶媒を除去する工程、表面修飾無機微粒子と、硬化性成分とを混合する工程を含む硬化性材料を製造する方法。なし

目的

本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、無機微粒子、特に屈折率の波長依存性の小さい無機微粒子を分散状態で含有する、高屈折率でありかつ透光性を有する硬化性材料を、簡便で生産効率よく所望の光学特性(屈折率等)が得られるように製造する方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

下記工程(1)〜(4)を有する硬化性材料の製造方法。(1)等電点が7.0以上の無機微粒子(a)が水系媒体に分散された分散液であって、当該分散液のpHが前記無機微粒子(a)の等電点より低く調整された分散液と、前記水系媒体と相分離し得る有機溶媒に、pKaが前記分散液のpHより低く、カルボキシル基を除く炭素数が6以上の飽和カルボン酸(b)を溶解した溶液を混合し、前記飽和カルボン酸(b)で表面修飾された無機微粒子(c)を含有するエマルジョンを得る工程、(2)前記エマルジョンを水系媒体相と前記表面修飾無機微粒子(c)を含有する有機溶媒相に分離する工程、(3)前記表面修飾無機微粒子(c)を含有する有機溶媒相から前記有機溶媒を除去する工程、(4)前記表面修飾無機微粒子(c)と、硬化性成分(d)とを混合する工程。

請求項2

前記分散液全量に対する前記無機微粒子(a)の含有量が0.01〜10質量%である請求項1記載の製造方法。

請求項3

前記飽和カルボン酸溶液全量に対する前記飽和カルボン酸(b)の含有量が0.01〜5質量%である請求項1または2記載の製造方法。

請求項4

前記飽和カルボン酸(b)が、脂環式飽和カルボン酸である請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。

請求項5

前記有機溶媒が、ブタノールペンタノールヘキサノールヘプタノールおよびオクタノールから選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。

請求項6

前記硬化性材料における、飽和カルボン酸(b)/無機微粒子(a)で示される前記無機微粒子(a)と前記飽和カルボン酸(b)の質量比が、0.05〜0.5である請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。

請求項7

請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法で得られた硬化性材料。

請求項8

硬化物とした際の、波長589nmの光の屈折率が1.55以上かつアッベ数ν(589)が38以上である請求項7記載の硬化性材料。

請求項9

請求項7または8に記載の硬化性材料を硬化してなる光学部材

請求項10

基材の表面に、請求項7または8に記載の硬化性材料を硬化してなる硬化膜を有する光学部材。

技術分野

0001

本発明は、硬化性材料の製造方法、該製造方法で得られる硬化性材料、および該硬化性材料を用いて得られる光学部材に関する。

背景技術

0002

有機高分子中にナノサイズの無機微粒子を均一に分散させた有機無機複合材料有機無機ハイブリッド材料有機無機ナノコンポジット材料とも呼ばれる。)は、光学特性透過率屈折率ヘイズ等)、機械的特性に優れることから最近注目されている。

0003

ここで、光学部材(レンズアレイ回折格子フォトニック結晶等)の用途では光硬化性樹脂が広く用いられているが、この光硬化性樹脂の光学特性を改善する、特に、屈折率を高めることを目的として、上記有機無機複合材料の技術を適用して、光硬化性樹脂中に光硬化性樹脂よりも屈折率が高い無機微粒子を均一に分散させる技術が検討されている。

0004

例えば、光硬化性樹脂に無機微粒子を分散させる場合、無機微粒子の凝集性を制御する、あるいは無機微粒子の吸湿性を改善するために、無機微粒子の表面をシランカップリング剤や各種有機物で処理することが行われている。

0005

しかしながら、光学部材に用いられる有機無機複合材料において無機微粒子は光透過性を確保するために粒子径はできるだけ小さくしながら、所望の屈折率を得るために一定量を配合する必要性があることから、上記無機微粒子の表面処理を必要とする表面積が大きくなり、多量の表面処理剤の添加が必要であった。しかし、シランカップリング剤の副生成物としてのシリコンオイルや有機物として用いられる脂肪酸等は屈折率を低下させ、樹脂耐熱性を損なうという問題があった。

0006

そこで、特許文献1には、硬化性樹脂に配合する無機微粒子の表面修飾アダマンチル基を有する化合物を用いて行うことにより、無機微粒子の吸湿性や硬化性樹脂中での分散性を改善することで、透光性を十分確保しながら屈折率の低下が抑えられた、上記問題を解決した有機無機複合材料の技術が記載されている。しかし、特許文献1によれば、この有機無機複合材料の製造については一般的な方法、すなわち、無機微粒子が通常提供される水系ゾルの形態をオルガノゾルの形態に変換する処理を行った後、無機微粒子の表面をアダマンチル基を有する化合物で表面修飾する方法が取られている。つまり、無機微粒子の表面をアダマンチル基を有する化合物で表面修飾するためには、該無機微粒子のオルガノゾルの製造が必須であった。

0007

しかしながら、上記無機微粒子の水系ゾルをオルガノゾルに変換する処理は煩雑な処理であるとともに、この処理工程を経ることにより、得られる有機無機複合材料においては、原料投入量から設計通りの光学特性を有するものとすることが困難であった。そこで、このような透光性を十分確保しながら屈折率の低下を抑えた有機無機複合材料、特に、屈折率の波長依存性の小さい無機微粒子を用いた有機無機複合材料の製造において、より簡便で生産効率よく所望の光学特性(屈折率等)を有する有機無機複合材料が得られる製造方法が求められていた。

先行技術

0008

国際公開第2008/015999号パンフレット

発明が解決しようとする課題

0009

本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、無機微粒子、特に屈折率の波長依存性の小さい無機微粒子を分散状態で含有する、高屈折率でありかつ透光性を有する硬化性材料を、簡便で生産効率よく所望の光学特性(屈折率等)が得られるように製造する方法を提供することを目的とする。

0010

また、本発明は、無機微粒子、特に屈折率の波長依存性の小さい無機微粒子を分散状態で含有する、高屈折率でありかつ透光性を有する硬化性材料およびこれを用いて得られる光学部材を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明の硬化性材料の製造方法は、下記工程(1)〜(4)を有する。
(1)等電点が7.0以上の無機微粒子(a)が水系媒体に分散された分散液であって、当該分散液のpHが前記無機微粒子(a)の等電点より低く調整された分散液と、前記水系媒体と相分離し得る有機溶媒に、pKaが前記分散液のpHより低く、カルボキシル基を除く炭素数が6以上の飽和カルボン酸(b)を溶解した溶液を混合し、前記飽和カルボン酸(b)で表面修飾された無機微粒子(c)を含有するエマルジョンを得る工程、
(2)前記エマルジョンを水系媒体相と前記表面修飾無機微粒子(c)を含有する有機溶媒相に分離する工程、
(3)前記表面修飾無機微粒子(c)を含有する有機溶媒相から前記有機溶媒を除去する工程、
(4)前記表面修飾無機微粒子(c)と、硬化性成分(d)とを混合する工程。

0012

本発明の硬化性材料の製造方法においては、前記分散液全量に対する前記無機微粒子(a)の含有量が0.01〜10質量%であることが好ましい。また、前記飽和カルボン酸溶液全量に対する前記飽和カルボン酸(b)の含有量が0.01〜5質量%であることが好ましい。

0013

本発明の硬化性材料の製造方法においては、前記飽和カルボン酸(b)が、脂環式飽和カルボン酸であることが好ましく、前記有機溶媒が、ブタノールペンタノールヘキサノールヘプタノールおよびオクタノールから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。なお、これらの有機溶媒は直鎖構造であっても、分岐構造であってもよい。

0014

本発明の硬化性材料の製造方法においては、前記硬化性材料における、飽和カルボン酸(b)/無機微粒子(a)で示される前記無機微粒子(a)と前記飽和カルボン酸(b)の質量比が、0.05〜0.5であることが好ましい。

0015

本発明は、また、上記本発明の製造方法で得られた硬化性材料を提供する。

0016

本発明の硬化性材料においては、硬化物とした際の、波長589nmの光に対する屈折率が1.55以上かつ屈折率の波長分散を表すアッベ数ν(589)が38以上であることが好ましい。

0017

本発明は、さらに、上記本発明の硬化性材料を硬化してなる光学部材、および、基材の表面に上記本発明の硬化性材料を硬化してなる硬化膜を有する光学部材を提供する。当該光学部材を用いた素子としては回折格子、レンズアレイ、フォトニック結晶が好ましい。

発明の効果

0018

本発明によれば、無機微粒子、特に屈折率の波長依存性の小さい無機微粒子を分散状態で含有する、高屈折率でありかつ透光性を有する硬化性材料を、簡便で生産効率よく所望の光学特性(屈折率等)が得られるように製造できる。

0019

また、本発明によれば、無機微粒子、特に屈折率の波長依存性の小さい無機微粒子を分散状態で含有する、高屈折率でありかつ透光性を有する硬化性材料およびこれを用いて得られる光学部材を提供することができる。

0020

以下、本発明の実施の形態を説明する。
なお、本明細書において、特に説明のない場合、%は、質量%を表す。飽和カルボン酸は、飽和炭化水素化合物水素原子の一部がカルボキシル基で置換された化合物をいう。(メタアクリロイルは、アクリロイルとメタクリロイルの両者を意味する総称として使用する。(メタ)アクリレートは、アクリレートとメタクリレートの両者を意味する総称として使用する。

0021

<硬化性材料の製造方法>
本発明の硬化性材料の製造方法は、下記工程(1)〜(4)を有する。
(1)等電点が7.0以上の無機微粒子(a)が水系媒体に分散された分散液であって、当該分散液のpHが前記無機微粒子(a)の等電点より低く調整された分散液と、前記水系媒体と相分離し得る有機溶媒に、pKaが前記分散液のpHより低く、カルボキシル基を除く炭素数が6以上の飽和カルボン酸(b)を溶解した溶液を混合し、前記飽和カルボン酸(b)で表面修飾された無機微粒子(c)を含有するエマルジョンを得る工程、
(2)前記エマルジョンを水系媒体相と前記表面修飾無機微粒子(c)を含有する有機溶媒相に分離する工程、
(3)前記表面修飾無機微粒子(c)を含有する有機溶媒相から前記有機溶媒を除去する工程、
(4)前記表面修飾無機微粒子(c)と、硬化性成分(d)とを混合する工程。

0022

本発明の硬化性材料の製造方法は、上記の通り、無機微粒子の水系ゾルをオルガノゾルに変換する処理を行うことなく、水系ゾルの状態で無機微粒子の表面修飾を行い、これを硬化性成分と混合することを特徴とする。これは、工程(1)において、用いる無機微粒子の等電点、該無機微粒子が分散している水系分散液における無機微粒子の等電点とpHの関係、該無機微粒子分散液のpHと無機微粒子を表面修飾する飽和カルボン酸のpKaの関係を上記のように調整することにより実行可能となる。
本発明においては、これにより、硬化した際に得られる硬化物として、原料投入量から設計通りの光学特性、例えば、屈折率を有する硬化性材料を、簡便で効率よく、製造することできる。

0023

工程(1):
工程(1)は、上記無機微粒子(a)の分散液と、上記飽和カルボン酸(b)を溶解した溶液を混合し、表面修飾無機微粒子(c)を含有するエマルジョンを得る工程である。

0024

(無機微粒子(a))
本発明の製造方法が対象とする無機微粒子(a)は、等電点が7.0以上の無機微粒子である。無機微粒子としては金属酸化物が好ましく、等電点が7.0以上の金属酸化物として、具体的には、酸化ジルコニウム(等電点7.0)、酸化アルミニウム(等電点10.0)、酸化イットリウム(等電点8.0)等が挙げられる。

0025

本発明においては、屈折率に波長依存性が小さい酸化ジルコニウムおよび酸化アルミニウムが無機微粒子(a)として好ましく用いられる。

0026

無機微粒子(a)の平均凝集粒子径は、2nm〜100nmが好ましく、4nm〜60nmがより好ましい。平均凝集粒子径が100nm以下であれば、可視光領域における硬化物の透明性を維持できる。平均凝集粒子径が2nm以上であれば、微粒子総比表面積肥大に伴う、飽和カルボン酸(b)の必要量の増大が避けられる。

0027

無機微粒子(a)の平均凝集粒子径は、分散液の状態にて動的散乱法で測定される。
なお、本発明に用いる無機微粒子が金属酸化物の微粒子である場合、金属酸化物の微粒子の一部または全部が水酸化物となっているものを本発明に用いてもよい。

0028

無機微粒子(a)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよく、2種以上から構成される複合金属酸化物の微粒子であってもよい。

0029

(無機微粒子(a)の分散液)
本発明の製造方法における工程(1)において、上記等電点が7.0以上の無機微粒子(a)は、水系媒体に分散された分散液であって、当該分散液のpHが該無機微粒子(a)の等電点より低く調整された分散液として用いられる。

0030

水系媒体としては、水を主体とした媒体であって、必要に応じてメタノールエタノールプロパノール等の低級アルコールが1〜20質量%程度配合された水系媒体が挙げられる。

0031

分散液のpHは、分散質となる無機微粒子(a)の等電点より低く調整されていれば、特に制限はされないが、上記表面修飾をより十分に行うために、無機微粒子(a)の等電点より0.3以上低いことが好ましく、0.7以上低いことがより好ましい。また、分散液のpHの下限については、後述の飽和カルボン酸(b)との関係において適宜選択される。

0032

分散液のpH調整は、従来公知の方法により、適宜選択されたpH調整剤、例えば、アンモニア水酸化ナトリウム水酸化カリウム緩衝液等を分散液に添加することで行うことができる。また、イオン交換樹脂による処理を行ってもよい。

0033

本発明に用いる上記分散液において、無機微粒子(a)の含有量は分散液全量に対して0.01〜10質量%となる割合であることが好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。無機微粒子(a)の含有量が0.01質量%未満では、表面修飾無機微粒子(c)の上記水系分散液から有機溶媒相への抽出が十分に行えないおそれがある。無機微粒子(a)の含有量が10質量%を超えると、上記水系分散液から表面修飾無機微粒子(c)を有機溶媒相に抽出する際にかかる機械的ストレスにより、表面修飾が十分に行えず、分散液中で無機微粒子(a)が凝集を起こすおそれがある。

0034

無機微粒子(a)の水系媒体分散液は、通常、市販されているものを使用することができる。市販品を用いる場合には、pHおよび無機微粒子(a)含有量を上記本発明の製造方法に適する範囲に適宜調整して用いればよい。

0035

(飽和カルボン酸(b))
本発明に用いる飽和カルボン酸(b)は、pKaが上記分散液のpHより低く、カルボキシル基を除く炭素数が6以上の飽和カルボン酸(b)である。飽和カルボン酸(b)は、上記等電点が7.0以上の無機微粒子(a)の表面修飾を行う表面修飾剤としての機能を有する。

0036

上記飽和カルボン酸(b)は、上記分散液のpHより低いpKaを有するものであれば、特に制限はされないが、無機微粒子(a)の表面修飾を円滑に進行させる観点から、上記分散液のpHより0.3以上低いpKaを有するものが好ましく、0.7以上低いpKaを有するものが特に好ましい。
なお、本発明における飽和カルボン酸(b)のpKaは、20℃における値である。

0037

ここで、上記飽和カルボン酸(b)のpKaと上記分散液のpHおよび無機微粒子(a)の等電点の関係、すなわち、[無機微粒子(a)の等電点>分散液のpH>飽和カルボン酸(b)のpK]の関係から、飽和カルボン酸(b)のpKaと無機微粒子(a)の等電点を比較した場合には、飽和カルボン酸(b)のpKaの方が無機微粒子(a)の等電点より低い関係になる。

0038

本発明に用いる無機微粒子(a)と飽和カルボン酸(b)の組合せを選択する場合に、無機微粒子(a)の等電点と飽和カルボン酸(b)のpKaを上記分散液のpHに仲介された上記関係から考えると、カルボキシル基を十分に解離させ、表面修飾を円滑に進行させるためには、飽和カルボン酸(b)としては、該pKaが上記無機微粒子(a)の等電点より1以上低い(離れている)ものが好ましく、2以上低い(離れている)ものがより好ましい。

0039

本発明に用いるpKaが上記分散液のpHより低く、かつカルボキシル基を除く炭素数が6以上の飽和カルボン酸(b)としては、上記条件を満たす限り脂肪族飽和カルボン酸であっても脂環式飽和カルボン酸であってもよい。また、飽和脂肪族カルボン酸飽和炭化水素基は、直鎖であっても分岐鎖を有する構造であってもよい。

0040

上記本発明に用いる、カルボキシル基を除く炭素数が6以上の飽和カルボン酸(b)は、水に不溶であるが、炭素数が5以下のカルボン酸を用いると、表面修飾無機微粒子(c)の水系分散液から有機溶媒相への抽出が十分に行えない。また、炭素数の上限については、得られる硬化性材料の粘度の観点から、50が好ましく、20がより好ましい。

0041

本発明に用いる上記条件を満足する脂肪族飽和カルボン酸として、具体的には、炭素数6以上の直鎖または分岐鎖を有する飽和炭化水素化合物の水素原子の少なくとも1個がカルボキシル基で置換されたカルボン酸、例えば、1−ヘプタン酸(pKa:4.7)、1−オクタン酸(pKa:4.8)、パルミチン酸(pKa:4.6)、ステアリン酸(pKa:4.7)等が挙げられる。

0042

脂環式飽和カルボン酸として、具体的には、炭素数6個以上の脂環式飽和炭化水素、例えば、アルキル基置換されていてもよいシクロヘキサンシクロヘプタンアダマンタン等の脂環式炭化水素化合物の水素原子の少なくとも1個がカルボキシル基で置換されたカルボン酸、例えば、1−アダマンタンカルボン酸(pKa:4.8)、シクロヘキサンカルボン酸(pKa:4.9)、イソボルナンカルボン酸(pKa:4.8)、ジアダマンタンカルボン酸(pKa:4.9)等が挙げられる。

0043

上記飽和カルボン酸(b)としては、上記本発明の条件を満たすものであればカルボキシル基を複数有する多価カルボン酸使用可能であるが、本発明において好ましくは、カルボキシル基の数が1個のモノカルボン酸が用いられる。

0044

なお、本発明に用いる上記飽和カルボン酸(b)としては、高い屈折率を有することから脂環式飽和カルボン酸が好ましく、脂環式飽和カルボン酸のうちでもアダマンタン環を有するカルボン酸が特に好ましい。また、これら飽和カルボン酸(b)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。

0045

なお、本発明の製造方法においては、上記飽和カルボン酸(b)により表面修飾された上記無機微粒子(a)が、最終的に硬化性成分(d)等の硬化性材料構成成分中に分散されて硬化性材料が得られるが、この分散性をより高めるために、上記飽和カルボン酸(b)と硬化性成分(d)とがより親和性が高い材料の組合せとなるように、可能な範囲で材料設計することが好ましい。

0046

(飽和カルボン酸(b)の溶液)
本発明の製造方法における工程(1)において、pKaが上記分散液のpHより低く、カルボキシル基を除く炭素数が6以上の飽和カルボン酸(b)は、上記水系媒体と相分離し得る有機溶媒に溶解された溶液として用いられる。

0047

本発明に用いる有機溶媒としては、上記飽和カルボン酸(b)を溶解し、かつ上記無機微粒子(a)を分散する水系媒体と相分離し得る有機溶媒であれば特に制限なく用いることが可能である。このような有機溶媒としては極性の高い有機溶媒、具体的には、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール等が挙げられる。これらは、直鎖構造であっても分岐構造であってもよい。これら有機溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。

0048

本発明に用いる上記溶液において、上記飽和カルボン酸(b)の含有量は溶液全量に対して0.01〜5質量%となる割合であることが好ましく、0.1〜3質量%がより好ましい。上記飽和カルボン酸(b)の含有量が0.01質量%未満では、無機微粒子(a)の上記飽和カルボン酸(b)による表面修飾が十分に行えないおそれがある。上記飽和カルボン酸(b)の含有量が5質量%を超えると、工程(2)における相分離が困難になるおそれがある。

0049

本発明における工程(1)では、上記無機微粒子(a)の分散液(以下、分散液(A)という)と上記飽和カルボン酸(b)の溶液(以下、溶液(B)という。)を混合してエマルジョンを作製する。この際、無機微粒子(a)の表面を上記飽和カルボン酸(b)で修飾した表面修飾無機微粒子(c)が得られる。

0050

工程(1)における分散液(A)と溶液(B)の混合割合としては、飽和カルボン酸(b)/無機微粒子(a)で示される無機微粒子(a)と飽和カルボン酸(b)の質量比で、0.05〜0.5の範囲となる混合割合が好ましく、0.1〜0.3がより好ましい。この割合が0.05より小さいと、無機微粒子(a)の飽和カルボン酸(b)による表面修飾が十分に行えず、表面修飾しきれなかった無機微粒子(a)が凝集するおそれがある。また、この割合が0.5より大きいと、過剰の飽和カルボン酸(b)の界面活性作用により、溶液(B)と分散液(A)とが乳化するおそれがあり、これにより以下の工程(2)における相分離が困難になることがある。

0051

工程(1)において分散液(A)と溶液(B)を混合する方法は、両者が十分に混合してエマルジョンが形成される方法であれば特に制限されない。例えば、マグネティックスターラーによる撹拌遊星ボールミルによる撹拌等の混合方法が挙げられる。
分散液(A)と溶液(B)との混合は室温で実施することができ、加熱や加圧等の特別の操作を必要としない。さらに、両者を混合するのに要する時間は、1分〜数分間程度と短い。よって、本発明の製造方法を用いることにより、極めて簡便に表面修飾無機微粒子(c)を得ることができる。

0052

工程(2):
工程(2)は、上記工程(1)で得られたエマルジョンを水系媒体相と表面修飾無機微粒子(c)を含有する有機溶媒相に分離する工程である。
上記工程(1)において溶液(B)の作製に用いた有機溶媒は、分散液(A)が含有する水系媒体と相分離可能な有機溶媒であるため、上記エマルジョンは一定時間放置することで水系媒体相と表面修飾無機微粒子(c)を含有する有機溶媒相に相分離する。

0053

このようにして相分離した二相から、デカンテーション分液ロート等の従来公知の方法により、水系媒体相を取り除く、または有機溶媒相を取り出すことにより、有機溶媒相として、表面修飾無機微粒子(c)の有機溶媒による抽出液(以下、抽出液(C)という)を得る。なお、実施例で詳細に述べるように、有機溶媒相を分離した後の水系媒体相を加熱乾燥し、乾燥重量を測定すると、その値はゼロとなる。このことから、分散液(A)に含まれていた無機微粒子(a)は、実質的に全てが表面修飾無機微粒子(c)に変換され、有機溶媒相へ移動していると考えられる。

0054

工程(3):
工程(3)は、上記表面修飾無機微粒子(c)を含有する有機溶媒相から有機溶媒を除去する工程である。
具体的には、上記工程(2)で分離した抽出液(C)(表面修飾無機微粒子(c)を含む有機溶媒相)から、有機溶媒を除去して表面修飾無機微粒子(c)を分離する工程である。ここで、本発明の製造方法において、工程(3)は、通常、後述の工程(4)の前に行われるが、必要に応じて工程(3)の有機溶媒を除去する工程を工程(4)の後に行うことも可能である。

0055

上記表面修飾無機微粒子(c)を含有する有機溶媒相から有機溶媒を除去する方法としては、上記抽出液(C)を減圧留去等の従来公知の方法によって濃縮する、加熱等の従来公知の方法により乾燥して実質的に有機溶媒を含まない状態にする等が挙げられる。本発明の製造方法においては、工程(3)における有機溶媒の除去は、以下の理由から、実質的に上記有機溶媒を含まない状態にすることが好ましい。

0056

有機溶媒は、できるだけ残存していないほうが、表面修飾無機微粒子(c)の抽出液(C)を一時保管する際、または、工程(4)にて硬化性成分(d)を混合する際に、相分離や表面修飾無機微粒子(c)の凝集を抑制できる。なお、減圧留去の際に、メタノール、エタノール等のアルコールを少量添加すると上記水系媒体等に由来する水が共沸するため、さらに好ましい。

0057

工程(4):
工程(4)は、上記工程(3)で得られた表面修飾無機微粒子(c)と硬化性成分(d)、さらに必要に応じて重合開始剤(e)とを混合してこれらを含む硬化性材料を得る工程である。または、工程(3)を工程(4)の後で行う場合は、工程(2)で分離した抽出液(C)と硬化性成分(d)、さらに必要に応じて重合開始剤(e)とを混合した後、抽出液(C)由来の有機溶媒を除去する。

0058

このようにして得られる硬化性材料としては下記の材料であることが好ましく、光硬化性材料であることが特に好ましい。
(i)表面修飾無機微粒子(c)と硬化性成分(d)と光重合開始剤(e1)とを含み、当該材料に光を照射することによって光重合開始剤が開裂することをきっかけに硬化反応が進行する光硬化性材料、
(ii)表面修飾無機微粒子(c)と硬化性成分(d)と熱重合開始剤(e2)とを含み、当該材料を加熱することによって熱重合開始剤が開裂することをきっかけに硬化反応が進行する熱硬化性材料

0059

(硬化性成分(d))
本発明の硬化性材料に用いる硬化性成分(d)としては、重合反応により硬化して硬化物となるような成分であれば、特に制限なく使用可能である。例えば、ラジカル重合型の硬化性樹脂、カチオン重合型の硬化性樹脂、ラジカル重合型の硬化性化合物モノマー)が特に制限なく使用可能である。これらの中でも、表面修飾無機微粒子(c)との馴染みがよいことから、ラジカル重合型の硬化性化合物(モノマー)が好ましい。

0060

ラジカル重合型の硬化性樹脂としては、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、(メタ)アクリロイル基アリルオキシ基、アリル基ビニル基ビニルオキシ基等の炭素−炭素不飽和二重結合を有する基を有する樹脂が挙げられる。

0061

また、上記カチオン重合型の硬化性樹脂として、具体的には、エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂として、例えば、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートが挙げられる。

0062

上記本発明に用いるカチオン重合型硬化性樹脂としては、これらの1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。

0063

ラジカル重合型の硬化性化合物としては、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、(メタ)アクリロイル基、アリルオキシ基、アリル基、ビニル基、ビニルオキシ基等の炭素−炭素不飽和二重結合を有する基を有する化合物等が挙げられる。なお、炭素−炭素不飽和二重結合を有する基としては、(メタ)アクリロイルオキシ基が好ましい。

0064

これら化合物における炭素−炭素不飽和二重結合の数は特に制限されない。1つの炭素−炭素不飽和二重結合を有する化合物、複数の炭素−炭素不飽和二重結合を有する化合物、をそれぞれ単独で用いてもよく、両者を併用してもよい。得られる硬化性材料の屈折率や、硬化性材料の硬化物の耐久性等を考慮し、適宜選択されればよい。なお、複数の炭素−炭素不飽和二重結合を有する化合物においては、当該二重結合の数は2〜6が好ましい。

0065

硬化性化合物としては、脂肪族炭化水素脂環式炭化水素芳香族炭化水素、および橋かけ環炭化水素の水素原子の1または複数を、炭素−炭素不飽和二重結合を有する基で置換した化合物が好ましい。前記炭化水素は、アルキル基で置換されていてもよく、窒素原子酸素原子のようなヘテロ原子ケイ素原子で置換されていてもよく、水酸基アミノ基等の官能基で置換されていてもよく、不飽和結合遊離カルボキシル基を有していてもよい。また、脂肪族炭化水素は、直鎖構造であっても分岐構造であってもよい。これらの炭化水素の炭素数は、4〜50が好ましく、4〜20が特に好ましい。

0066

硬化性化合物は前記飽和カルボン酸(b)との親和性があることが好ましいことから、これらの炭化水素としては、前記飽和カルボン酸(b)からカルボキシル基を除外した構造との親和性があることが好ましい。よって、これらの炭化水素としては、脂肪族状炭化水素、脂環式炭化水素、および橋かけ環炭化水素が好ましく、脂環式炭化水素および橋かけ環炭化水素が特に好ましい。なお、脂環式炭化水素および橋かけ環炭化水素は、アルキル基で置換されていてもよい。具体的には、ネオペンタンヘプタンオクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、アダマンタン、イソボルナン等が挙げられる。

0067

また、硬化性化合物としては、前記炭化水素由来の構造が異なる化合物を組み合わせて使用してもよい。たとえば、アダマンタンの水素原子の1または複数を炭素−炭素二重結合を有する基で置換した化合物と、ネオペンタンの水素原子の1または複数を炭素−炭素二重結合を有する基で置換した化合物とを組み合わせて使用してもよい。

0068

硬化性化合物としては、シクロヘキサン環を有する(メタ)アクリレート、アダマンタン環を有する(メタ)アクリレート、1,1’−ビアダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート、テトラアダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート、ジアダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート(例えば、国際公開2007−069656パンフレット)等が挙げられる。
これらの化合物に含まれる(メタ)アクリロイルオキシ基の数は、1であってもよく、2以上であってもよい。

0069

さらに、硬化性化合物としては、飽和アルキル基の水素原子の一部または複数を(メタ)アクリロイルオキシ基で置換した化合物であってもよい。このような化合物としては、下記化合物等が挙げられる。

0070

エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセロール1,3−ジグセロレートジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールエトキシレートジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールプロポキシレートジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピオネートジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールプロポキシレートジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールグリセロレートジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールグリセロレートジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メチル−1,3−プロパンジオールジアクリレートトリメチロールプロパンベンゾエートジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアリル酸、トリメチロールプロパンエトキシレートメチルエーテルジ(メタ)アクリレート。

0071

また、前記化合物以外に、分子中にウレタン結合を有する化合物を併用することもできる。このような化合物を利用すると、硬化性材料から得られる硬化物に柔軟性を与えることができる。

0072

これらのなかでも、本発明においては、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等が好ましい。これらは入手容易であり、ガラス転移温度が十分に高い点から好ましく用いられる。

0073

また、上記本発明に用いる硬化性樹脂としては、アルキル基で置換されていてもよいアダマンタン環に結合する水素原子の一部が、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイル基、アリルオキシ基、アリル基、ビニル基、ビニルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基等で置換された化合物や、これら炭素−炭素不飽和二重結合を有する基を有する炭化水素化合物から誘導される1価の基で置換された化合物を含むことが好ましい。硬化性樹脂としてアダマンタン環を有する化合物を用いると、硬化性材料が硬化して得られる硬化物として屈折率の高いものが得られる。

0074

このような炭素−炭素不飽和二重結合とアダマンタン環を有する化合物として、具体的には、2−エチル−2−アダマンチルアクリレート等が挙げられる。

0075

上記本発明に用いるラジカル重合型の硬化性樹脂としては、これらの1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。

0076

なお、本発明の製造方法においては、上記説明した通り、この硬化性成分(d)と上記飽和カルボン酸(b)とは、相互により親和性が高い組合せとなるように、適宜選択されることが好ましい。つまり、本発明の製造法においては、光硬化性材料の材料設計の段階で、求められる光硬化性材料の特性を満足する範囲において、可能な限り上記2成分の親和性を考慮した材料設計を行うことが好ましい。

0077

(光重合開始剤(e1))
光重合開始剤(e1)としては、アセトフェノン開始剤ベンゾイン系開始剤、ベンゾフェノン系開始剤、チオキサントン系開始剤、α−アミノケトン系開始剤、α−ヒドロキシケトン系開始剤等のラジカル開始剤ヨードニウム塩に代表されるオニウム塩系カチオン開始剤が挙げられる。
(熱重合開始剤(e2))
熱重合開始剤(e2)としては、過酸化物アゾ化合物レドックス開始剤等のラジカル開始剤、硫酸リン酸、カルボン酸等のカチオン開始剤が挙げられる。

0078

重合開始剤(e)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合開始剤(e)の量は、硬化性成分(d)の合計量に対して、0.05〜5質量%であることが好ましい。

0079

(任意成分:添加剤
本発明の製造方法による硬化性材料は、必須成分である上記表面修飾無機微粒子(c)、硬化性成分(d)および任意に配合される上記重合開始剤(e)以外に、必要に応じて任意成分としてさらに各種添加剤を含んでいてもよい。

0080

添加剤としては、酸化防止剤光安定剤界面活性剤光増感剤、上記硬化性成分(d)以外の樹脂等が挙げられる。酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤イオウ系酸化防止剤、およびリン系酸化防止剤等が挙げられる。光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)等が挙げられる。

0081

界面活性剤としては、アニオン性含界面活性剤、カチオン性界面活性剤両性界面活性剤、またはノニオン性界面活性剤のいずれであってもよい。また、界面活性剤はフッ素原子を含む界面活性剤であってもよい。

0082

上記硬化性成分(d)以外の樹脂としては、硬化性の基を持たないアクリル系の重合体等が挙げられる。

0083

硬化性材料に配合する添加剤の総量は、硬化性材料(100質量%)中、10質量%以下であることが好ましい。硬化性材料に配合する添加剤の総量が10質量%以下であれば、本発明の効果を損なうことなく、添加剤を硬化性材料に均一に混合でき、均質な硬化性材料が得られる。

0084

硬化性材料の調製は、たとえば、表面修飾無機微粒子(c)に硬化性成分(d)を加え、よく撹拌し、ついで重合開始剤(e)を加え、よく撹拌することによって行われる。

0085

上記任意成分である添加剤を、光硬化性材料に添加する場合、そのタイミングは、工程(1)〜工程(4)、または工程(4)の後のいずれであってもよく、工程(4)の後が好ましい。

0086

工程(3)で得られる表面修飾無機微粒子(c)は、上記抽出液(C)を濃縮した状態、すなわち工程(1)で用いた有機溶媒を若干含んだ状態であってもよいが、その場合には、工程(4)において、減圧留去等の公知の方法によって、硬化性材料を実質的に上記有機溶媒を含まない状態にすることが上記理由により好ましい。

0087

硬化性材料に含まれる表面修飾無機微粒子(c)の質量は、無機微粒子(a)と飽和カルボン酸(b)との合計量と考えることができる。前記のように、無機微粒子(a)は、実質的にその全ての量が有機媒体中に移り、表面修飾微粒子(c)を構成する。また、飽和カルボン酸(b)は、もともと有機媒体中に含まれており、一連の工程において実質的にロスすることなく、表面修飾無機微粒子(c)を構成する。よって、硬化性材料に含まれる表面修飾無機微粒子(c)の質量は、無機微粒子(a)と飽和カルボン酸(b)との合計量と考えることができる。

0088

硬化性材料における硬化性成分(d)の割合は、表面修飾無機微粒子(c)、すなわち、無機微粒子(a)と飽和カルボン酸(b)の合計量、と硬化性成分(d)の合計量(100質量%)のうち、20〜65質量%が好ましく、30〜50質量%がより好ましい。この、硬化性成分(d)の割合が20質量%以上であれば、硬化性材料として、その硬化性を十分有することが可能である。硬化性成分(d)の割合が65質量%以下であれば、各原料を均一に混合しやすくなる。

0089

硬化性材料における無機微粒子(a)の割合は、無機微粒子(a)と飽和カルボン酸(b)、さらに硬化性成分(d)の合計量(100質量%)のうち、40〜80質量%が好ましく、45〜75質量%がより好ましい。無機微粒子(a)の割合が40質量%以上であれば、無機微粒子(a)との複合材料化による硬化性材料硬化物における物性改変の効果が現われる。無機微粒子(a)の割合が80質量%以下であれば、無機微粒子(a)が凝集することなく分散できる。

0090

硬化性材料における飽和カルボン酸(b)の割合は、無機微粒子(a)と飽和カルボン酸(b)、さらに硬化性成分(d)の合計量(100質量%)のうち、5〜40質量%であることが好ましく、10〜30質量%がより好ましい。飽和カルボン酸(b)の割合が5質量%以上であれば、無機微粒子(a)の表面を十分に修飾してこれを凝集することなく分散させることができる。飽和カルボン酸(b)の割合が40質量%以下であれば、工程(3)において容易に相分離を行うことができる。

0091

上記硬化性材料における、無機微粒子(a)と飽和カルボン酸(b)との含有量の関係を、飽和カルボン酸(b)/無機微粒子(a)で示される質量比で表すと、0.05〜0.5であることが好ましく、0.1〜0.3であることがより好ましい。

0092

以上説明した本発明の硬化性材料の製造方法にあっては、下記の理由から、透明性の高い高屈折率の硬化物を形成できる硬化性材料を簡便に製造できる。

0093

工程(1)にて無機微粒子(a)の表面を、適宜選択された硬化性成分(d)と親和性を有する飽和カルボン酸(b)で修飾して表面修飾無機微粒子(c)を得ているため、無機微粒子(a)以外の第3成分の存在を極力減らした状態で、硬化性成分(d)と親和性が高い飽和カルボン酸(b)を無機微粒子(a)の表面に簡便に導入できる。このようにして得られた表面修飾無機微粒子(c)は、硬化性成分(d)との親和性を持ち合わせているため、工程(4)にて得られる硬化性材料およびその硬化時において表面修飾無機微粒子(c)の分散性が保たれる。その結果、透明性の高い高屈折率の硬化物を形成できる。さらに、表面修飾無機微粒子(c)を得る操作は、無機微粒子(a)の分散液と飽和カルボン酸(b)の溶液とを、室温において短時間で混合するのみであり、極めて簡便な操作で硬化性材料を得ることができる。

0094

<硬化性材料>
本発明の硬化性材料は、本発明の製造方法で得られた組成物であり、表面修飾無機微粒子(c)と硬化性成分(d)とを含み、さらに必要に応じて重合開始剤(e)を含む。

0095

本発明の硬化性材料は、実質的に溶媒を含まないことが好ましい。硬化性材料が実質的に溶媒を含まなければ、特別な操作(例えば、光硬化性材料の場合、光の照射を除く高温に加熱して溶媒を除去する操作等)を行うことなく、硬化性材料の硬化を容易に行える。

0096

溶媒とは、表面修飾無機微粒子(c)、硬化性成分(d)、重合開始剤(e)の少なくともいずれかを溶解または分散させる能力を有する化合物である。

0097

実質的に溶媒を含まないとは、溶媒を全く含まない、または硬化性材料を調製する際に用いた溶媒を残存溶媒として含んでいてもよいことを意味する。ただし、残存溶媒は、極力除去されていることが好ましく、硬化性材料(100質量%)中、10質量%以下がより好ましい。

0098

本発明の硬化性材料は、硬化後の硬化物において、波長589nmの光の屈折率が1.55以上かつ屈折率の波長分散を表すアッベ数ν(589)が38以上であることが好ましい。さらに、波長589nmの光の屈折率が1.60以上かつ屈折率の波長分散を表すアッベ数ν(589)が38以上であることがより好ましい。
上記硬化後の硬化物の波長589nmにおける屈折率は、アッベ屈折率計を用い23℃にて測定する。

0099

この屈折率の波長依存性が小さい特性は、特に、屈折率の波長依存性の小さい無機微微粒子、具体的には、酸化ジルコニウムや酸化アルミニウムを用いた場合に、これを含有する硬化性材料に求められる特性であって、本発明の製造方法によれば、透光性を保ちながら、高屈折率でこのような屈折率の波長依存性の特性を併せもつ硬化性材料が生産性よく製造可能である。

0100

以上説明した本発明の硬化性材料にあっては、硬化性成分(d)との親和性を持ち合わせ、かつ無機微粒子(a)を修飾する化合物として高屈折率材料を使用することが可能な表面修飾無機微粒子(c)を含んでいるため、透明性の高い高屈折率の硬化物を形成できる。

0101

<光学部材>
本発明の光学部材は、本発明の硬化性材料を硬化してなるもの、または、基材の表面に、本発明の硬化性材料を硬化してなる硬化膜を有するものである。
光学部材としては、例えば、回折格子、レンズアレイ、フォトニック結晶等が挙げられる。本発明の光学部材を回折格子に用いれば、本発明の効果が非常によく発揮され好ましい。

0102

以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
例1〜4は実施例であり、例5、6は比較例である。

0103

(無機微粒子(a)の分散液)
酸化ジルコニウム(等電点:7.0)微粒子(a−1)の分散液:日産化学社製、商品名:ZR30AL、平均一次粒子径:約5nm、酸化ジルコニウム含有量:30.5質量%、分散媒:水
酸化アルミニウム(等電点:10.0)微粒子(a−2)の分散液:触媒化成社製、商品名;カタイドAS、平均一次粒子径:約10nm、酸化アルミニウム含有量:10.2質量%、分散媒:水
酸化チタン(等電点:5.0)微粒子(a−3)の分散液:石原産業社製、商品名STS-01、平均一次粒径:約7nm、酸化チタン含有量:30.5質量%、分散媒:水

0104

(飽和カルボン酸(b))
飽和カルボン酸(b−1):1−アダマンタンカルボン酸、分子量:180.2、pKa:4.8。
飽和カルボン酸(b−2):シクロヘキサンカルボン酸、分子量:128.2,pKa:4.9。

0105

(硬化性成分(d))
光硬化性成分(d−1):大阪有機化学工業社製、商品名:2−エチル−2−アダマンチルアクリレート。
光硬化性成分(d−2);新中村化学工業社製、商品名:ネオペンチルグリコールジメタクリレート

0106

(重合開始剤(e))
光重合開始剤(e−1):チバ・ガイギースペシャリティー社製、商品名:イルガキュア184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン)。

0107

〔例1〕光硬化性材料1の製造
以下の工程は、室温で実施した。
工程(1):バイヤ容器内容積50mL)内に、飽和カルボン酸(b−1)の60mgを投入し10mlの1−ブタノールに溶解させて、溶液B−1を得た。続いて、別のバイヤル容器(内容積50mL)に酸化ジルコニウム微粒子(a−1)の分散液1ml(酸化ジルコニウム量;400mg)を量し、蒸留水で20mlに希釈した。マグネティックスターラーで攪拌しながらpHが6になるまでアンモニア水滴下して、分散液A−1を得た。上記で得られた溶液B−1に、分散液A−1を穏やかに加えた後、1分間よく撹拌し、飽和カルボン酸(b−1)で修飾された酸化ジルコニウム微粒子(a−1)を含むエマルジョンを得た。

0108

工程(2):上記工程(1)で得られたエマルジョンを10分間静置した後、目視で、飽和カルボン酸(b−1)で被覆された酸化ジルコニウム微粒子(a−1)が、分散液A−1(水相)から溶液B−1(1−ブタノール相:有機溶媒相)に移相し、有機溶媒相が白濁したことを確認した。これを、デカンテーションにより分散液A−1(水相)と溶液B−1(1−ブタノール相:有機溶媒相)に分液した。このとき分散液A−1は透明な液体(水相)となっていた。この透明な液体(水相)を加熱乾燥し、乾燥重量を測定すると0であった。

0109

工程(3):上記工程(2)で得られた1−ブタノール相から、ロータリーエバポレーターを用いて1−ブタノールを留去し、飽和カルボン酸(b−1)で被覆された酸化ジルコニウム微粒子(a−1)の乾燥粉(460mg)を得た。

0110

工程(4):上記工程(3)で得られた乾燥粉460mgを160mgの光硬化性成分(d−1)に加え、激しく撹拌して、無色透明の粘ちょうな材料1を得た。これに、光重合開始剤(e−1)を最終的に得られる光硬化性材料全量に対して1質量%となるように加えて混合し光硬化性材料1を得た。光硬化性材料1における酸化ジルコニウム含量は65質量%であった。

0111

〔例2〕光硬化性材料2の製造
以下の工程は、室温で実施した。
工程(1):バイヤル容器(内容積50mL)内に、飽和カルボン酸(b−2)の43mgを投入し、10mlの1−ブタノールに溶解させて、溶液B−2を得た。続いて、別のバイヤル容器(内容積50mL)に酸化ジルコニウム微粒子(a−1)の分散液1ml(酸化ジルコニウム量;400mg)を秤量し、蒸留水で20mlに希釈した。マグネティックスターラーで撹拌しながらpHが6になるまでアンモニア水を滴下して、分散液A−2を得た。上記で得られた溶液B−2に、分散液A−2を穏やかに加えた後、1分間よく撹拌し、飽和カルボン酸(b−2)で修飾された酸化ジルコニウム微粒子(a−1)を含むエマルジョンを得た。

0112

工程(2):例1に示す工程(2)と同様の方法で飽和カルボン酸(b−2)で修飾された酸化ジルコニウム微粒子(a−1)を1−ブタノール相(有機溶媒相)へ移相させた。
工程(3):例1に示す工程(3)と同様の方法で飽和カルボン酸(b−2)で修飾された酸化ジルコニウム微粒子(a−1)の乾燥粉(443mg)を得た。

0113

工程(4):上記工程(3)で得られた乾燥粉443mgを173mgの光硬化性成分(d−1)に加え、激しく撹拌して、無色透明の粘ちょうな材料2を得た。これに、光重合開始剤(e−1)を最終的に得られる光硬化性材料全量に対して1質量%となるように加えて混合し光硬化性材料2を得た。光硬化性材料2における酸化ジルコニウム含量は65質量%であった。

0114

〔例3〕光硬化性材料3の製造
以下の工程は、室温で実施した。
工程(1):バイヤル容器(内容積50mL)内に、飽和カルボン酸(b−1)の60mgを投入し、10mlの1−ブタノールに溶解させて、溶液B−3を得た。続いて、別のバイヤル容器(内容積50mL)に酸化アルミニウム微粒子(a−2)の分散液4g(酸化アルミニウム量;400mg)を秤量し、蒸留水で20mlに希釈した。マグネティックスターラーで攪拌しながらpHが6になるまでアンモニア水を滴下して、分散液A−3を得た。上記で得られた溶液B−3に、分散液A−3を穏やかに加えた後、1分間よく撹拌し、飽和カルボン酸(b−1)で修飾された酸化アルミニウム微粒子(a−2)を含むエマルジョンを得た。

0115

工程(2):上記工程(1)で得られたエマルジョンを10分間静置した後、目視で、飽和カルボン酸(b−1)で修飾された酸化アルミニウム微粒子(a−2)が、分散液A−3(水相)から溶液B−3(1−ブタノール相:有機溶媒相)に移相し、有機溶媒相が白濁したことを確認した。これを、デカンテーションにより分散液A−3(水相)と溶液B−3(1−ブタノール相:有機溶媒相)に分液した。このとき分散液A−3は透明な液体(水相)となっていた。この透明な液体(水相)を加熱乾燥し、乾燥重量を測定すると0であった。

0116

工程(3):上記工程(2)で得られた1−ブタノール相から、ロータリーエバポレーターを用いて有機溶媒である1−ブタノールを留去し、飽和カルボン酸(b−1)で修飾された酸化アルミニウム微粒子(a−2)の乾燥粉(460mg)を得た。

0117

工程(4):上記工程(3)で得られた乾燥粉460mgを160mgの光硬化性成分ト(d−1)に加え、激しく撹拌して、無色透明の粘ちょうな材料3を得た。これに、光重合開始剤(e−1)を最終的に得られる光硬化性材料全量に対して1質量%となるように加えて混合し光硬化性材料3を得た。光硬化性材料3における酸化アルミニウム含量は65質量%であった。

0118

〔例4〕光硬化性材料4の製造
上記例1の工程(3)で得られた飽和カルボン酸(b−1)で修飾された酸化ジルコニウム微粒子(a−1)の乾燥粉460mgを160mgの光硬化性成分(d−2)に加え、激しく撹拌して、無色透明の粘ちょうな材料4を得た。これに、光重合開始剤(e−1)を最終的に得られる光硬化性材料全量に対して1質量%となるように加えて混合し光硬化性材料4を得た。光硬化性材料4における酸化ジルコニウム含量は65質量%であった。

0119

〔例5〕pH調整なしの製造例
工程(1):バイヤル容器(内容積50mL)内に、飽和カルボン酸(b−1)の60mgを投入し10mlの1−ブタノールに溶解させて、溶液B−5を得た。続いて、別のバイヤル容器(内容積50mL)に酸化ジルコニウム微粒子(a−1)の分散液1ml(酸化ジルコニウム量;400mg)を秤量し、蒸留水で20mlに希釈して、分散液A−5を得た(pH;3.0)。上記で得られた溶液B−5に、分散液A−5を穏やかに加えた後、よく撹拌してエマルジョンを得た。

0120

工程(2):上記工程(1)で得られたエマルジョンを10分間静置した後、目視で、観察したところ、酸化ジルコニウム微粒子(a−1)は分散液A−5(水相)に留まって分散液を形成しており、飽和カルボン酸(b−1)を含む溶液B−5(ブタノール相:有機溶媒相)に移相しなかった。このとき、溶液B−5は分散液A−5との混合前と同様に透明な溶液であった。

0121

〔例6〕本発明の範囲外の無機微粒子を用いた製造例
工程(1):バイヤル容器(内容積50mL)内に、飽和カルボン酸(b−1)の60mgを投入し10mlの1−ブタノールに溶解させて、溶液B−6を得た。続いて、別のバイヤル容器(内容積50mL)に酸化チタン微粒子(a−3)の分散液1ml(酸化チタン量;400mg)を秤量し、蒸留水で20mlに希釈した。マグネティックスターラーで撹拌しながらpHが6になるまでアンモニア水を滴下したところ、凝集してしまい、分散液A−6は得られず、その後の工程を行うことができなかった。

0122

<光学特性の測定>
上記例1〜4で得られた光硬化性材料1〜4の硬化物についての屈折率・アッベ数透光率を下記のように求めた。

0123

(屈折率・アッベ数)
上記で得られた光硬化性材料1の0.1gを、加熱下、2枚のガラス片の間に挟みこんだ。紫外線照射装置ハリソンライティング社製Toscure752)を用い、100mW/cm2の照度で3分間、40℃で紫外線を照射した。その後、2枚のガラス片の一方を剥離し、片側に光硬化性材料1の硬化膜(厚さ50μm)がついた試験片を得た。この試験片について、多波長アッベ屈折率測定装置(ATAGO社製、2T型)を用いて23℃にて波長589nmにおける屈折率とアッベ数を測定した。

0124

(透過率)
上記で得られた光硬化性材料1を、厚さ20μmのスペーサを挟んだ2枚のガラス片の間に充填し、上記と同様の方法で光硬化させた。これに、発振波長404nmのレーザー光を照射し、光路に対しサンプルの後ろ側にレーザーパワーメーター(Gentec社製。Laser Power MeterTPM−300)を設置し、パワー値を読み取った。サンプルの有無によるパワー値の比を透過率とした。
光硬化性材料2〜4についても同様にして、硬化膜の屈折率・アッベ数および透過率を測定した。

0125

例1〜6で光硬化性材料の製造に用いた原料組成と、例1〜例4で得られた光硬化性材料1〜4の硬化物の光学特性を表1に示す。

0126

実施例

0127

表1から、無機微粒子や脂環式カルボン酸、分散液のpHが本発明の製造方法に適合する例1〜例4においては、酸化ジルコニウムや酸化アルミニウムなどの無機微粒子を、透明性を維持したまま光硬化性材料に均一に分散させることができ、それにより、得られる硬化物においては、優れた光透過性と、高屈折率を有し、屈折率の波長依存性も小さいことがわかる。

0128

本発明によれば、無機微粒子、特に屈折率の波長依存性の小さい無機微粒子を分散状態で含有する、高屈折率でありかつ透光性を有する硬化性材料が得られる。このような硬化性材料は、光学部材、例えば、回折格子、レンズアレイ、フォトニック結晶等の形成材料として有用である。

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