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技術 移植可能な薬物送達デバイス並びに男性の尿生殖器及び周囲組織を治療する方法

出願人 マサチューセッツインスチテュートオブテクノロジーチルドレンズメディカルセンターコーポレーション
発明者 トビアス,イレーヌ,ソフィーチマ,マイケル,ジェー.ディミトラコフ,ジョーダンリー,ヘジン
出願日 2009年8月10日 (10年1ヶ月経過) 出願番号 2011-523069
公開日 2011年12月22日 (7年9ヶ月経過) 公開番号 2011-530390
状態 特許登録済
技術分野 医療用材料 媒体導出入付与装置 注入、注射、留置装置 医薬品製剤
主要キーワード 周囲範囲 構成要素成分 弾性デバイス 矩形モジュール コイル状管 円柱状コア 内側構造 内側導管
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2011年12月22日)のものです。
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図面 (19)

課題

長期間にわたる抗生物質持続的な治療としての複数の前立腺内の注射に取って代わる局所薬物送達デバイス及び方法を提供する必要が存在する。

解決手段

治療の必要のある患者精嚢前立腺射精管、又は精管に薬物を局所的制御送達するための方法が提供される。一実施形態では、この方法は、患者の精嚢、前立腺、射精管、又は精管内に吸収性薬物送達デバイス移植する工程を含む。薬物送達デバイスは、少なくとも1つの薬物を含有する少なくとも1つの薬物リザーバを収容する弾性デバイス本体を含むことができる。好適な実施形態では、この方法は、精嚢、前立腺、射精管、又は精管に一般に直接に、制御された様式でデバイスから薬物を放出する工程をさらに含む。

概要

背景

多くの薬物の有効性は、これらが投与される方法に直接関係する。薬物送達の様々な全身的方法には、経口、静脈内、筋肉内、及び経皮が含まれる。これらの全身的方法は、望ましくない副作用を生じる恐れがあり、生理的プロセスによって薬物が代謝される場合があり、所望の部位に到達する薬物の量を最終的に低減する。したがって、局所的などの、より標的化された様式で薬物を送達することによって、全身的薬物送達に関連する問題の多くに対処するため、様々なデバイス及び方法が提案されている。

前立腺炎は、前立腺炎症状態である。一般に、前立腺炎は、慢性骨盤痛、尿機能不全頻度切迫感又は弱い流勢、並びに排尿の際の疼痛の形態で)、及び性機能障害を含むことが多い症状を呈する有痛性障害である。この状態は、すべての男性の10%に蔓延していると推定され、男性集団の半分においてその生涯のある時点で症候性となると考えられている。前立腺炎は、急性細菌性前立腺炎として知られる前立腺の急性感染症として、又はより一般に、慢性前立腺炎として知られる再発性状態として起こり得る。

慢性前立腺炎は、前立腺液又は尿からの原因となると疑われる病原体の単離に基づいて細菌性(CBP)又は非細菌性(ACP)であると特徴づけられる。細菌は、慢性前立腺炎症例の著しい割合、例えば、そのような症例の5〜15%などの原因になると考えられている。現在の推奨は、慢性前立腺炎(CBP及びACPの両方)を呈するすべての患者は、最初に抗生物質で2週間治療されるべきであり、症状が改善する場合、継続した治療を受けるべきであると規定している。前立腺及び近傍の精嚢は、著しいpH勾配を呈するので、抗生物質の選択は極めて重要となり得る。したがって、選択される抗生物質は、様々なpH(例えば、7.2〜8.0)にわたって十分な化学的定性を有する一方で、前立腺への有効な浸透も示すべきである。双性イオンフルオロキノロン、例えば、シプロフロキサシンCIP)及びレボフロキサシンなどは、有効な細菌根絶及び費用対効果の両方において、トリメトプリン(trimethoprin)−スルファメトキサゾール(TMP-SMZ)などの慢性前立腺炎のためのより古い薬物治療を凌いでいる。臨床試験において、1日2回、28日にわたって500mgの用量のCIPを投与すると、63〜76%の細菌学的治癒率を生じた一方で、TMP−SMZ又はTMP単独に対するほとんどの試験は、30〜50%の間の有効率を生じ、90日などの療法のより長い継続時間を必要とした。したがって、治癒率の改善についてかなりの余地が依然として存在する。

全身的抗生物質投与の失敗率が比較的高いために、一部の者は、前立腺に抗生物質を直接注射することを提唱している。経口抗生物質の失敗は、付随する局所的な自己免疫疾患プロセス及び薬物浸透に抵抗する前立腺内細菌性生物膜の存在の可能性によるものであると主に考えられており、局所的な抗生物質投与についての治療上の議論をもたらしている。Guerciniら(Arch Ital Urol Androl 77:87-92(2005))も、自己免疫疾患プロセスの効果に対抗するために、抗生物質とのカクテル溶液中に注入された免疫抑制ステロイドであるベタメタゾンを追加同時投与することで、療法の改善の増強を実証した。その試験において、先の12カ月中に経口抗生物質の失敗の繰り返しを経験していた慢性前立腺炎患者は、抗生物質及びベタメタゾンの前立腺浸潤を受けた。この試験において、試験参加者の68%は、実質上治癒し、参加者の13%は、応答をまったく示さなかった。局所的な前立腺への抗生物質注射は、臨床試験において妥当効力を示しているが、ほとんどの泌尿器科医の中で、使用するのに評判がよい療法又は一般に普及した療法と未だなっていない。

精嚢は、精管膨大部の外側のアウトパウチング(outpouching)を形成するコイル状管の対であり、これは、精巣精巣上体を前立腺につなぐ。精嚢及び膨大部は、前立腺に流れ込む射精管を形成する。精嚢の感染症及び炎症(精嚢炎)は、米国において珍しく、これは、全身的抗生物質で通常治療される。精嚢に由来する癌はまれであるが、近傍の前立腺、膀胱、又は直腸からの腫瘍の二次侵襲は、より一般的である。二次的な精嚢合併症を伴う前立腺癌に対する1つの認定された近接照射療法治療は、放射性103Pd種の移植を含む。

概要

長期間にわたる抗生物質の持続的な治療としての複数の前立腺内の注射に取って代わる、局所的薬物送達デバイス及び方法を提供する必要が存在する。 治療の必要のある患者の精嚢、前立腺、射精管、又は精管に薬物を局所的制御送達するための方法が提供される。一実施形態では、この方法は、患者の精嚢、前立腺、射精管、又は精管内に吸収性薬物送達デバイスを移植する工程を含む。薬物送達デバイスは、少なくとも1つの薬物を含有する少なくとも1つの薬物リザーバを収容する弾性デバイス本体を含むことができる。好適な実施形態では、この方法は、精嚢、前立腺、射精管、又は精管に一般に直接に、制御された様式でデバイスから薬物を放出する工程をさらに含む。

目的

したがって、長期間にわたる抗生物質の持続的な治療としての複数の前立腺内の注射に取って代わる、局所的薬物送達デバイス及び方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

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請求項1

患者精嚢射精管前立腺、又は精管中に配置し、これらの中で保持するための医療用デバイスであって、少なくとも1つの長い側壁、及びその中に画定される少なくとも1つのペイロードリザーバを有する吸収性弾性デバイス本体と;前記ペイロードリザーバ内に貯蔵される薬物又は他のペイロードとを備え、前記デバイス本体は、インビボで前記ペイロードの制御放出をもたらし、前記移植可能な医療用デバイスは、前記医療用デバイスを、尿道カテーテル又は経直腸注入によって前記患者の精嚢、射精管、前立腺、又は精管に配置し、これらの中で保持するのに適した寸法とされており、弾性を有するデバイス。

請求項2

前記吸収性弾性デバイス本体が、エラストマーポリマーを含む、請求項1に記載のデバイス。

請求項3

前記エラストマーポリマーが疎水性エラストマーポリエステルである、請求項2に記載のデバイス。

請求項4

前記疎水性エラストマーポリエステルがポリグリセロールセバシン酸)である、請求項3に記載のデバイス。

請求項5

前記エラストマーポリマーが、ポリ(カプロラクトン)、ポリアンヒドリドアミノアルコール系ポリ(エステルアミド)、又はポリ(オクタンジオールシトレート)を含む、請求項2に記載のデバイス。

請求項6

前記デバイス本体が、浸透圧拡散表面侵食、又はこれらの組合せによってインビボで前記ペイロードの制御放出をもたらす、請求項1に記載のデバイス。

請求項7

前記デバイス本体が1つ又は複数の開口部を備える、請求項1に記載のデバイス。

請求項8

前記側壁が、水に対して選択的に浸透性であり、前記ペイロードに対して不浸透性である、請求項7に記載のデバイス。

請求項9

インビボでの前記デバイスからの前記ペイロードの放出が、浸透圧的推進される、請求項8に記載のデバイス。

請求項10

前記デバイス本体が、約0.6mmと約3mmの間の外径、約1cmと約7cmの間の長さ、約100μmと約600μmの間の側壁の厚み、又はこれらの組合せを有する、請求項7に記載のデバイス。

請求項11

インビボでの前記デバイスからの前記ペイロードの放出が、前記デバイス本体中の1つ又は複数の開口部、前記デバイス本体の前記側壁、又はこれらの組合せを通じた拡散によって生じる、請求項7に記載のデバイス。

請求項12

前記1つ又は複数の開口部のうちの少なくとも1つを有するレジスター中に分解性膜をさらに含み、インビボでの前記膜の分解は、インビボでの前記デバイス本体の分解より急速に起こる、請求項7に記載のデバイス。

請求項13

インビボでの前記デバイスからの前記ペイロードの放出が、前記デバイス本体の表面侵食によって生じ、前記デバイス本体は、少なくとも1つの薬物を有するマトリックス材料を含む、請求項1に記載のデバイス。

請求項14

前記薬物が、抗生物質免疫抑制剤抗炎症剤化学療法剤局所麻酔薬、又はこれらの組合せを含む、請求項1に記載のデバイス。

請求項15

前記デバイス本体が、前記側壁及び少なくとも1つの仕切りによって画定される2つ以上の別個のペイロードリザーバを備える、請求項1に記載のデバイス。

請求項16

前記ペイロードリザーバ内の前記薬物が、固体フォーム又は半固体フォームである、請求項1から15のいずれか一項に記載のデバイス。

請求項17

14〜18ゲージの経直腸針、又は16〜18フレンチの尿道カテーテルに適合するようなサイズ及び形状とされている、請求項1から15のいずれか一項に記載のデバイス。

請求項18

インビボで配置中、又は配置後に実質的に変化しないままでいる外形を有する、請求項1から15のいずれか一項に記載のデバイス。

請求項19

少なくとも1つの薬物を含有する少なくとも1つの薬物リザーバを収容する薬物送達デバイスのための弾性デバイス本体の製造における吸収性エラストマーの使用であって、前記薬物送達デバイスは、患者の精嚢、前立腺、射精管、又は精管内に移植され、前記薬物送達デバイス、次いで前記薬物は、制御された様式で前記デバイスから前記精嚢、前記前立腺、前記射精管、又は前記精管に放出される使用。

請求項20

前記吸収性薬物送達デバイスを移植する工程が、尿道内にカテーテルを配置する工程、その後前記カテーテルを通して前記薬物送達デバイスを膀胱顕微鏡で配置する工程を含む、請求項19に記載の方法。

請求項21

前記吸収性薬物送達デバイスを移植する工程が経直腸注入を含む、請求項19に記載の方法。

請求項22

前記薬物送達デバイスを移植する工程が、経直腸的超音波検査によって前記薬物送達デバイスを画像化及び位置決めする工程をさらに含む、請求項19に記載の方法。

請求項23

前記患者が、慢性前立腺炎精嚢炎前立腺切除術合併症、又は前立腺、膀胱、もしくは直腸を伴う癌を呈する、請求項19に記載の方法。

請求項24

前記デバイス本体がエラストマーポリ(グリセロール−セバシン酸)を含む、請求項19に記載の方法。

請求項25

インビボでの前記薬物の放出が、放出される前記薬物の少なくとも一部について浸透圧的に推進される、請求項19から24のいずれか一項に記載の方法。

請求項26

前記薬物が実質的にすべて放出された後、前記デバイス本体が表面侵食によって分解して生体適合性モノマーになる、請求項19から24のいずれか一項に記載の方法。

請求項27

前記製造が、生体適合性吸収性エラストマーを形成するためのプレポリマーを提供する工程と、前記プレポリマーを押し出し、又は成形して、第1の端部、対向する第2の端部、前記第1の端部と第2の端部の間の少なくとも1つの側壁、及び前記少なくとも1つの側壁によって画定される中空孔部を備える長い形状を有するデバイス本体にする工程と、前記プレポリマーを重合することによって、架橋エラストマーポリマーを生成する工程と、前記中空孔部に薬物製剤装填する工程と、中に前記薬物製剤を閉じこめる位置で前記中空孔部を封鎖することによって移植可能な薬物送達デバイスを形成する工程とを含む、請求項19に記載の方法。

請求項28

生体吸収性エラストマー製であり、少なくとも1つの開口部を有する収納容器と、前記収納容器に入れられた薬物と、を備える浸透圧ポンプデバイスであって、前記少なくとも1つの開口部を通じて、浸透圧によって推進されて、インビボで前記薬物を分配するように構成されているデバイス。

請求項29

前記生体吸収性エラストマーがポリ(グリセロール−セバシン酸)を含む、請求項28に記載の浸透圧ポンプデバイス。

請求項30

前記薬物が固体フォーム又は半固体フォームである、請求項28又は29に記載の浸透圧ポンプデバイス。

技術分野

0001

本発明は一般に、医療用デバイスの分野におけるものであり、より特定すれば、組織部位に薬物を局所的に制御放出するための移植可能薬物送達デバイスに関する。

背景技術

0002

多くの薬物の有効性は、これらが投与される方法に直接関係する。薬物送達の様々な全身的方法には、経口、静脈内、筋肉内、及び経皮が含まれる。これらの全身的方法は、望ましくない副作用を生じる恐れがあり、生理的プロセスによって薬物が代謝される場合があり、所望の部位に到達する薬物の量を最終的に低減する。したがって、局所的などの、より標的化された様式で薬物を送達することによって、全身的薬物送達に関連する問題の多くに対処するため、様々なデバイス及び方法が提案されている。

0003

前立腺炎は、前立腺炎症状態である。一般に、前立腺炎は、慢性骨盤痛、尿機能不全頻度切迫感又は弱い流勢、並びに排尿の際の疼痛の形態で)、及び性機能障害を含むことが多い症状を呈する有痛性障害である。この状態は、すべての男性の10%に蔓延していると推定され、男性集団の半分においてその生涯のある時点で症候性となると考えられている。前立腺炎は、急性細菌性前立腺炎として知られる前立腺の急性感染症として、又はより一般に、慢性前立腺炎として知られる再発性状態として起こり得る。

0004

慢性前立腺炎は、前立腺液又は尿からの原因となると疑われる病原体の単離に基づいて細菌性(CBP)又は非細菌性(ACP)であると特徴づけられる。細菌は、慢性前立腺炎症例の著しい割合、例えば、そのような症例の5〜15%などの原因になると考えられている。現在の推奨は、慢性前立腺炎(CBP及びACPの両方)を呈するすべての患者は、最初に抗生物質で2週間治療されるべきであり、症状が改善する場合、継続した治療を受けるべきであると規定している。前立腺及び近傍の精嚢は、著しいpH勾配を呈するので、抗生物質の選択は極めて重要となり得る。したがって、選択される抗生物質は、様々なpH(例えば、7.2〜8.0)にわたって十分な化学的定性を有する一方で、前立腺への有効な浸透も示すべきである。双性イオンフルオロキノロン、例えば、シプロフロキサシンCIP)及びレボフロキサシンなどは、有効な細菌根絶及び費用対効果の両方において、トリメトプリン(trimethoprin)−スルファメトキサゾール(TMP-SMZ)などの慢性前立腺炎のためのより古い薬物治療を凌いでいる。臨床試験において、1日2回、28日にわたって500mgの用量のCIPを投与すると、63〜76%の細菌学的治癒率を生じた一方で、TMP−SMZ又はTMP単独に対するほとんどの試験は、30〜50%の間の有効率を生じ、90日などの療法のより長い継続時間を必要とした。したがって、治癒率の改善についてかなりの余地が依然として存在する。

0005

全身的抗生物質投与の失敗率が比較的高いために、一部の者は、前立腺に抗生物質を直接注射することを提唱している。経口抗生物質の失敗は、付随する局所的な自己免疫疾患プロセス及び薬物浸透に抵抗する前立腺内細菌性生物膜の存在の可能性によるものであると主に考えられており、局所的な抗生物質投与についての治療上の議論をもたらしている。Guerciniら(Arch Ital Urol Androl 77:87-92(2005))も、自己免疫疾患プロセスの効果に対抗するために、抗生物質とのカクテル溶液中に注入された免疫抑制ステロイドであるベタメタゾンを追加同時投与することで、療法の改善の増強を実証した。その試験において、先の12カ月中に経口抗生物質の失敗の繰り返しを経験していた慢性前立腺炎患者は、抗生物質及びベタメタゾンの前立腺浸潤を受けた。この試験において、試験参加者の68%は、実質上治癒し、参加者の13%は、応答をまったく示さなかった。局所的な前立腺への抗生物質注射は、臨床試験において妥当効力を示しているが、ほとんどの泌尿器科医の中で、使用するのに評判がよい療法又は一般に普及した療法と未だなっていない。

0006

精嚢は、精管膨大部の外側のアウトパウチング(outpouching)を形成するコイル状管の対であり、これは、精巣精巣上体を前立腺につなぐ。精嚢及び膨大部は、前立腺に流れ込む射精管を形成する。精嚢の感染症及び炎症(精嚢炎)は、米国において珍しく、これは、全身的抗生物質で通常治療される。精嚢に由来する癌はまれであるが、近傍の前立腺、膀胱、又は直腸からの腫瘍の二次侵襲は、より一般的である。二次的な精嚢合併症を伴う前立腺癌に対する1つの認定された近接照射療法治療は、放射性103Pd種の移植を含む。

発明が解決しようとする課題

0007

したがって、長期間にわたる抗生物質の持続的な治療としての複数の前立腺内の注射に取って代わる、局所的薬物送達デバイス及び方法を提供する必要が存在する。さらに、特に、1つ又は複数の薬物を局所送達するのに最小限に侵襲性の様式で、精嚢、膨大部、前立腺、及び/又は周囲組織を伴う精嚢炎、癌、又は他の疾患及び状態を治療するための選択肢を提供することが望ましいであろう。

0008

厳格又は複雑な投薬計画を伴うことなく、1つ又は複数の泌尿器組織部位に、長期間にわたって治療有効量の薬物を投与することができる治療を提供することがさらに望ましいであろう。さらに、患者の尿生殖器部位、例えば、精嚢、精管、射精管、又は前立腺などに送達し、この部位内に保持するのに適した制御された薬物デバイスの必要性がある。特に、薬物を貯蔵及び放出するのに機能的であり、最小限に侵襲的な配置及び保持のために適当に弾性であり、薬物放出完了後に外植を必要としない構築物の材料の必要性がある。

課題を解決するための手段

0009

一態様では、治療の必要のある患者の精嚢、前立腺、射精管、又は精管に薬物を局所制御送達するための方法が提供される。一実施形態では、この方法は、患者の精嚢、前立腺、射精管、又は精管内に吸収性薬物送達デバイスを移植する工程を含む。薬物送達デバイスは、少なくとも1つの薬物を含有する少なくとも1つの薬物リザーバを収容する弾性デバイス本体を含むことができる。好適な実施形態では、この方法は、精嚢、前立腺、射精管、又は精管に一般に直接に、制御された様式でデバイスから薬物を放出する(すなわち、薬物が放出されるのを可能にする)工程をさらに含む。

0010

一実施形態では、吸収性薬物送達デバイスを移植する工程は、尿道内にカテーテルを配置し、その後このカテーテルを通して薬物送達デバイスを膀胱鏡で配置することを含む。別の実施形態では、吸収性薬物送達デバイスを移植する工程は、経直腸注入を含む。様々な実施形態では、薬物送達デバイスを移植する工程は、経直腸的超音波検査による薬物送達デバイスの画像化及び位置決めをさらに含む。

0011

本明細書に記載されるデバイス及び方法の様々な適用において、患者は、慢性前立腺炎、精嚢炎、前立腺切除術後合併症、又は前立腺、膀胱、もしくは直腸を伴う癌を呈する場合がある。

0012

ある特定の実施形態では、デバイス本体は、エラストマーポリグリセロールセバシン酸)を含む。様々な実施形態では、インビボでの薬物の放出は、放出される薬物ペイロードの少なくとも大部分について、浸透圧的推進される。特定の実施形態では、デバイス本体は、デバイス本体から実質的にすべての薬物を放出した後に、表面侵食によって分解して生体適合性モノマーになる。

0013

一実施形態では、治療を必要とする患者の尿生殖器組織部位に薬物を局所送達するための方法が提供され、この方法は、患者の尿生殖器部位で、組織管腔内に吸収性薬物送達デバイスを移植する工程を含む。代替の実施形態では、吸収性薬物送達デバイスの移植は、患者の非管腔尿生殖器組織部位内である。薬物送達デバイスは、少なくとも1つの薬物を含有する少なくとも1つの薬物リザーバを収容する弾性デバイス本体を含むことができる。移植工程は、中空針の孔部又はカニューレを通す、デバイスの挿入を含むことができる。この方法は、制御された様式でデバイスから尿生殖器部位への薬物の放出を可能にする工程も含む。

0014

別の態様では、移植可能な薬物送達デバイスを作製するための方法が提供される。この方法は、生体適合性吸収性エラストマーを形成するためのプレポリマーを提供する工程と;プレポリマーを押し出し、又は成形して、第1の端部、対向する第2の端部、この第1の端部及び第2の端部の間の少なくとも1つの側壁、並びにこの少なくとも1つの側壁によって画定される中空孔部(hollow bore)を備える長い形状を有するデバイス本体にする工程と;プレポリマーを重合することによって、架橋エラストマーポリマーを生成する工程と;中空孔部に薬物製剤装填する工程と;中に薬物製剤を閉じこめる位置で中空孔部を封鎖することによって移植可能な薬物送達デバイスを形成する工程であって、このデバイスは、この薬物送達デバイスを、尿道カテーテル留置又は経直腸注入によって患者の尿生殖器部位に配置し、この部位内で保持するのに適した寸法とされており、弾性を有する工程とを含む。

0015

別の態様では、少なくとも1つの長い側壁、及びその中に画定される少なくとも1つのペイロードリザーバ(payload reservoir)を有する吸収性弾性デバイス本体を含む移植可能な医療用デバイスが提供される。デバイス本体は、ペイロードリザーバ内に貯蔵することができるペイロードのインビボ制御放出をもたらす。移植可能な医療用デバイスは、患者の尿生殖器部位に尿道カテーテル又は経直腸注入によって医療用デバイスを配置し、この部位内で保持するのに適した寸法とされており、弾性を有する。ある特定の実施形態では、デバイスは、患者の精嚢、射精管、前立腺、又は精管に配置し、これらの中で保持するのに適した寸法とされており、弾性を有する。

0016

様々な実施形態では、吸収性弾性デバイス本体は、エラストマーポリマーを含む。いくつかの実施形態では、エラストマーポリマーは、ポリ(グリセロール−セバシン酸)などの疎水性エラストマーポリエステルである。いくつかの実施形態では、エラストマーポリマーとして、ポリ(カプロラクトン)、ポリアンヒドリドアミノアルコール系ポリ(エステルアミド)、又はポリ(オクタンジオールシトレート)が挙げられる。

0017

様々な実施形態では、デバイスは、デバイス本体又はその一部の浸透圧ポンプ作用、拡散、表面侵食、又はこれらの機構組合せによってインビボでペイロードを制御放出することができる。

0018

デバイス本体は、1つ又は複数の開口部を含むことができる。いくつかのそのような実施形態では、側壁は、水に対して選択的に浸透性であり、ペイロードに対して本質的に不浸透性である。さらなるそのような実施形態では、インビボでのデバイスからのペイロードの放出は、浸透圧的に推進される。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の開口部のそれぞれの直径は、約20μmと約300μmの間である。さらなるそのような実施形態では、デバイスは、1つ又は複数の開口部の少なくとも1つを有するレジスター(register)内に分解性膜を含む。例えば、開口部を通じたリザーバからのペイロードの放出は、インビボで膜が分解するまで遅延される。インビボでの膜の分解は、一般的な実施形態では、デバイス本体がインビボで分解する前に起こる。

0019

一実施形態では、インビボでのデバイスからのペイロードの放出は、デバイス本体内の1つ又は複数の開口部、デバイス本体の側壁、又はこれらの組合せを通じた拡散によって起こる。別の実施形態では、インビボでのデバイスからのペイロードの放出は、デバイス本体の表面侵食によって起こる。一例では、そのような侵食され得るデバイスは、少なくとも1つの薬物を有する侵食され得るマトリックス材料を含み、この薬物は、マトリックス材料中に分散していることができる。

0020

好適な実施形態では、ペイロードは少なくとも1つの薬物を含む。様々な実施形態では、薬物として、抗生物質、免疫抑制剤抗炎症剤化学療法剤局所麻酔薬、又はこれらの組合せが挙げられる。好適な実施形態では、ペイロードリザーバ内の薬物は、固体フォーム、又は半固体フォームである。

0021

ある特定の実施形態では、デバイスは、14〜18ゲージの経直腸針に適合するサイズ及び形状をしている。別のある特定の実施形態では、デバイスは、16〜18フレンチの尿道カテーテルに適合するサイズ及び形状をしている。別の実施形態では、デバイスは、カテーテルを通過するように構成されており、スタイレットによって、カテーテルを通じて動かすことができる。

0022

ある特定の実施形態では、デバイス本体は、外径が約0.6mmと約3mmの間である。一実施形態では、デバイス本体は、長さが約1cmと約7cmの間である。一実施形態では、側壁は、厚さが約100μmと約600μmの間である。

0023

一実施形態では、デバイス本体は、2つ以上の別個のペイロードリザーバを含む。これらは、側壁及び少なくとも1つの仕切りによって画定することができる。

0024

一実施形態では、少なくとも1つの長い側壁、その中に画定される少なくとも1つの薬物リザーバ、及び薬物リザーバ内の少なくとも1つの薬物製剤を有する吸収性弾性デバイス本体を含む移植可能な薬物送達デバイスが提供される。デバイス本体は、表面侵食によってインビボで分解する疎水性エラストマーポリエステルを含むことができる。デバイス本体は、インビボで薬物の制御放出をもたらすことが好ましい。好適な実施形態では、移植可能な薬物送達デバイスは、患者の精嚢、前立腺、射精管、又は精管に尿道カテーテルあるいは経直腸注入によって薬物送達デバイスを配置し、これらの中で保持するのに適した寸法とされており、弾性を有する。一実施形態では、疎水性エラストマーポリエステルは、ポリ(グリセロール−セバシン酸)を含み、又はポリ(グリセロール−セバシン酸)からなる。好適な実施形態では、デバイス本体は、少なくとも1つの開口部を含み、浸透圧によってインビボで薬物を制御放出する。

0025

浸透圧ポンプデバイスは、収納容器及びこの収納容器内に入れられた薬物を含むことができる。収納容器は、生体吸収性エラストマー製とすることができ、少なくとも1つの開口部を有することができる。ポンプデバイスは、少なくとも1つの開口部を通じて、浸透圧によって推進され、インビボで薬物を分配するように構成することができる。特定の実施形態では、生体吸収性エラストマーは、ポリ(グリセロール−セバシン酸)を含む。好適な実施形態では、浸透圧ポンプデバイスは、患者の精嚢、前立腺、射精管、又は精管に配置し、これらの中で保持するのに適した寸法とされており、弾性を有する。

図面の簡単な説明

0026

男性尿生殖器系の側断面図である。
男性尿生殖器系の一部の正面部分断面図である。
薬物送達デバイスの一実施形態の概略断面図である。
浸透圧ポンプとして機能する薬物送達デバイスの別の実施形態の概略断面図である。
尿生殖器部位に薬物を送達する方法の一実施形態を例示するブロック図である。
尿道カテーテル留置によって薬物送達デバイスを移植する方法を例示する、男性尿生殖器系の一連の側断面図である。
尿道カテーテル留置によって薬物送達デバイスを移植する方法を例示する、男性尿生殖器系の一連の側断面図である。
尿道カテーテル留置によって薬物送達デバイスを移植する方法を例示する、男性尿生殖器系の一連の側断面図である。
経直腸注入によって薬物送達デバイスを移植する方法を例示する、男性尿生殖器系の一連の側断面図である。
経直腸注入によって薬物送達デバイスを移植する方法を例示する、男性尿生殖器系の一連の側断面図である。
経直腸注入によって薬物送達デバイスを移植する方法を例示する、男性尿生殖器系の一連の側断面図である。
薬物送達デバイスを作製する方法の一実施形態を例示するブロック図である。
インビトロで試験したプロトタイプの薬物送達デバイスの概略透視図である。
100μmのオリフィスを有するPGモジュールを用いて実施したインビトロ実験についての、実験的な薬物放出プロファイルを実証するグラフである。
様々なサイズのオリフィスについての、表にした(tabulated)薬物放出結果のグラフである。
モジュールの厚さの変化に対して補正した、図11に示した様々なサイズのオリフィスについての表にした薬物放出結果のグラフである。
ウサギにおいてインビボで行った実験で使用した非吸収性デバイスを例示する図である。
ウサギにおいてインビボで行った実験についての、経時的なリドカイン血漿濃度を例示するグラフである。

0027

男性の尿生殖器系、例えば、精嚢、前立腺、精管、又は射精管などの1つ又は複数の部位に薬物を送達するためのデバイス及び方法を開発した。一実施形態では、デバイスは、男性の尿生殖器系の一部に完全に移植されることによって、長い時間、例えば、約2日〜約4週間の時間にわたって、移植部位及び周囲組織で薬物送達をもたらす。例えば、デバイスは、医療用デバイスを、尿道カテーテル留置又は経直腸注入によって患者の尿生殖器部位、例えば、精嚢、射精管、又は膨大部などに配置し、この部位内で保持するのに適した寸法とすることができ、弾性を有することができる。デバイスは、1つ又は複数の薬物を放出することができる。例えば、デバイスは、浸透圧などによって、インビボで薬物を制御放出することができる。

0028

図1は、男性の尿生殖器系100の側断面図であり、図2は、男性の尿生殖器系100の正面部分断面図である。示したように、系100は一般に、前立腺102、精嚢104、精管106、射精管108、尿道110、膀胱112、及び精巣114を含む。前立腺102は、膀胱112の真下で尿道110を包囲する。精嚢104は、内側の導管又は管腔、及び管腔を包囲する外側のを含む一対のコイル状管状腺である。図2に示すように、嚢は、杯細胞を有する円柱上皮によって裏打ちされている。腺は、平滑筋薄層内に入っており、緩い外膜によってコイル形状で維持されている。精嚢104は、精管106の膨大部116の外側アウトパウチングを形成する。精管106は、精巣114の精巣上体を射精管108につなぐ蛇行状導管である。図1に示したように、精嚢104、及び精管106の膨大部116は、膀胱112の後方に位置し、Denonvilliers筋膜によって直腸から分離されている。図2に示したように、成人男性では、各精嚢104は、通常、長さが約5〜10cm、直径が約3〜5cmであり、平均容積は約13mLである一方で、精嚢104、精管106、及び射精管108を通る内側の導管又は管腔は、直径が約1〜6mmとなり得る。例えば、膨大部116を通る内側導管は、直径が約2〜6mmとなり得、精管106を通る内側導管は、直径が約3〜5mmとなり得、射精管108を通る内側導管は、直径が約2mm以下である場合がある。

0029

一態様では、患者の尿生殖器部位に配置し、この部位内で保持するのに適した寸法とされており、弾性を有する移植可能な医療用デバイスが提供される。一実施形態では、デバイスは、(i)少なくとも1つの長い側壁、及びその中に画定される少なくとも1つのペイロードリザーバを有する吸収性弾性デバイス本体;並びに(ii)ペイロードリザーバに貯蔵されたペイロードを含む。一実施形態では、デバイス本体の側壁は、水に対して選択的に浸透性であり、ペイロードに対して不浸透性である。特定の実施形態では、移植可能な医療用デバイスは、患者の前立腺、精嚢、射精管、又は精管に配置し、これらの中で保持するのに適した寸法とされており、弾性を有する。一実施形態では、デバイスは、14ゲージ針に適合するサイズ及び形状をしている。別の実施形態では、デバイスは、尿道カテーテルなどのカテーテル、カニューレ、又は膀胱鏡などを通過するように構成される。例えば、デバイスは、スタイレットによって、カテーテル又はカニューレを通じて動かすことができる場合がある。一例では、デバイス本体は、少なくとも16Frのフォーリーカテーテルを通過するように構成される。1つの場合では、デバイスは、カテーテルを通過するために、折り畳まれた形状とすることができる。

0030

別の態様では、生体吸収性エラストマー及び少なくとも1つの開口部で構成される収納容器、並びにこの収納容器に入れられた薬物を有する浸透圧ポンプデバイスが提供される。生体吸収性エラストマーは、ポリ(グリセロール−セバシン酸)(「PGS」)とするか、これを含むことができる。一実施形態では、浸透圧ポンプデバイスは、患者の精嚢、射精管、精管、又は膨大部に配置し、これらの中で保持するのに適した寸法とされており、弾性を有する。

0031

一実施形態では、デバイス本体は、長い中空管の形態である。一例では、デバイス本体は、外径が約0.6mmと約3mmの間、例えば、約1mmと約1.5mmの間などであり、長さが約1cmと約7cmの間、例えば、約1cmと約1.5cmの間などである。この例又は他の例では、デバイス本体の側壁は、約100μmと約600μmの間、例えば、約400μmと約600μmの間の厚さを有することができる。

0032

一実施形態では、デバイス本体は、管などの長い形状である。これは、実質的に円柱状である外側の輪郭を有することができ、両端はともに丸められており、ともに平らであり、又はこれらの形状及び他の形状の組合せである。デバイス本体は、配置部位でその保持を促進するために、より複雑な輪郭を有することもできる。例えば、デバイス本体の形状は、軸方向に先細りした部分を含むことができる。例えば、デバイスは、弾丸魚雷、又は従来の坐剤形状を有することができる。デバイス本体は、環形状又は輪状形状とすることもできる。デバイスは、尿生殖器部位、例えば、精嚢、射精管、又は膨大部などに移植されたとき、精液及びその成分の通路に著しい抵抗力を付加するべきではない。

0033

デバイス本体は、小さく、弾性であることが好ましい。そのような構成により、投与デバイス、例えば、尿道膀胱鏡のカテーテル又は経直腸針などにデバイス本体を挿入することが可能になる。デバイスの弾性により、移植部位、例えば、精嚢、射精管、又は精管(例えば、膨大部)の内側構造にデバイス本体を一致させることも可能になる。したがって、移植部位での組織への刺激を低減することができる。

0034

一実施形態では、デバイス本体は、一緒に接続された、2つ以上の長いセグメントで構成される。例えば、セグメントは、可動性つなぎ鎖によって軸方向に位置を合わせて連結することができる。

0035

様々な好適な実施形態では、吸収性弾性デバイス本体は、エラストマーポリマー、すなわち、エラストマーで形成され、又はこれを含む。一実施形態では、エラストマーポリマーは、疎水性エラストマーポリエステルを含む。

0036

好適な実施形態では、ポリマーは、グリセロールと二酸との生体適合性縮合ポリマー、例えば、参照により本明細書に組み込まれている、Wangらの米国特許出願公開第2003/0118692号に記載されているものなどである。好適な一実施形態では、エラストマーのポリマーは、ポリ(グリセロール−セバシン酸)を含む。これは、本明細書に記載されるデバイス本体を形成するための、物理的、化学的、及び機械的特性の組合せを有利に有し、この特性には、1)アルコール及び酸モノマーへのエステル結合加水分解を介した分解;2)ポリマー主鎖におけるものと同一の架橋結合;3)無毒性モノマー、すなわち、架橋能力をもたらすための三官能性を有するもの、及び水素結合を介して追加の機械的安定性をもたらすためのヒドロキシル基を有するものが含まれる。グリセロールは、その三官能性、ヒドロキシル基、及び生体適合性とともに、インビボで脂質を合成するための一次構成要素として機能する。酸モノマーとしてのセバシン酸は、望ましい鎖長(すなわち、重合の間に環化しないほど十分長く、グリセロールと良好に混合するのに十分短い)を有し、脂肪酸鎖ω酸化における天然代謝中間体として機能し、インビボで安全であることが示されている。グリセロール及びセバシン酸の両方を含む製品は、医療用途で使用するために、FDAによって認可されている。

0037

代替の実施形態では、生体吸収性エラストマーポリマーは、ポリ(カプロラクトン)(PC)誘導体、ポリ(アンヒドリド)、アミノアルコール系ポリ(エステルアミド)(PEA)、又はポリ(オクタン−ジオールシトレート)(POC)を含むことができるが、ポリマーの合成は、所望の生分解特性及び弾性特性を実現するために調整しなければならない場合がある。

0038

様々な実施形態では、デバイス本体は、デバイス本体内の1つ又は複数の開口部を通じた分配、側壁を通じた拡散、デバイス本体のすべてもしくは一部の表面侵食、又はこれらの組合せによって、インビボでペイロードを制御放出する。

0039

いくつかの実施形態では、デバイス本体は、放出オリフィスとして機能する1つ又は複数の開口部を含む。開口部は、デバイス本体の一端部、もしくはデバイス本体の側壁、又はこれらの組合せにあることができる。デバイス本体の外側表面を通る、2つ以上の別個の開口部を、選択された位置に備えることができる。開口部は、例えば、精密機械加工、機械的穿孔レーザー穴あけによって、又は成形によって形成することができる。開口部は、サイズを微小規模とすることができ、これは、ペイロードリザーバから薬物を有効に浸透圧で放出するのに必要となる場合がある。開口部は、収納容器の内側に形成されたペイロードリザーバと連通している長い収納容器の1つ又は複数の開放端とすることもできる。デバイスのサイズは、放出動態に影響し、又は放出動態を決定する場合がある。一実施形態では、1つ又は複数の開口部の直径は、約20μmと約300μmの間である。特定の一実施形態では、1つ又は複数の開口部の直径は、約80μmと約170μmの間である。さらなる一実施形態では、1つ又は複数の開口部の直径は、約100μmと約150μmの間である。任意選択の一実施形態では、開口部は、デバイスが患者に移植された後の時間まで、最初は密封されている。例えば、デバイス本体は、1つ又は複数の開口部のうちの少なくとも1つを有するレジスター中に分解性膜を含むことができ、膜は、デバイス本体より速い速度でインビボで分解し、かつ/又はデバイス本体が、破壊されるまで十分に分解し得る前に、膜は破壊されるまで十分にインビボで分解する。

0040

好適な実施形態では、インビボでのデバイスからのペイロードの放出は、浸透圧的に推進される。例えば、薬物の大部分、例えば、薬物の約60%〜約95%などは、浸透圧の原動力によって制御された様式で放出される。有利なことに、この放出機構は、男性の尿生殖器路内に薬物を送達するのに特に適している。この適性の理由は、浸透圧がpHの変化に依存しない一定の原動力であるために、浸透圧機構は、男性の尿生殖器路などの著しいpH勾配を伴う生理的な系において一定速度での放出をもたらすためである。別の実施形態では、薬物の大部分は、拡散などの別の放出機構と組み合わせて浸透圧機構によって放出することができる。例えば、浸透圧は、初期送達期間の間に薬物放出を推進することができる一方で、拡散は、その後の薬物放出を増強又は支配することができる。そのような一実施形態では、薬物の約30%は、初期の送達期間の間に浸透圧により放出され、一方、薬物の残りは、その後、浸透圧及び拡散により放出される。別の実施形態では、インビボでのデバイスからのペイロードの放出が、拡散によって、」主に又は完全に起こる。いくつかの実施形態では、支配的な放出モードは、インビボ移植の後に経時的に、例えば、薬物リザーバの薬物が枯渇するにつれて、デバイス本体が崩壊するにつれて、又はこれらの組合せで変化し得る。

0041

ペイロードリザーバ又は薬物リザーバは、デバイス本体の壁の内側表面によって画定される、デバイス本体の内側内の中空空間であってもよい。例えば、リザーバは、長い環形状デバイス中の中心孔部とすることができる。いくつかの場合では、デバイスは、2つ以上の別個のペイロードリザーバを含むことができる。例えば、1つのデバイス本体内の、分離されなければ連続的な孔部は、環の軸に垂直な1つ又は複数の仕切りによって、別個のコンパートメントに分離することができる。別の例では、デバイス本体は、複数の管腔を有することができる。これらは、例えば、押し出しプロセスによって作製されて、隣り合って配置することができる。

0042

好適な実施形態では、デバイス本体内のペイロードは、1つ又は複数の薬物を含む。薬物は、化学物質又は生物製剤とすることができる。あるいは、ペイロードは、薬物以外の物質、例えば、診断剤又はプラセボなどを送達することができる。2つ以上の薬物を、1つのリザーバ内に一緒に貯蔵することができる。あるいは、2つ以上の薬物を、1つのデバイス内の2つ以上の別個のリザーバ内に貯蔵することができる。

0043

いくつかの好適な実施形態では、1つ又は複数の薬物は、慢性前立腺炎、精嚢炎、前立腺切除術後合併症、癌、例えば、前立腺、膀胱、直腸、もしくは精嚢を含めた周囲範囲の癌などの治療に有用である。一実施形態では、薬物は、フルオロキノロンなどの抗生物質を含む。好適な実施形態では、フルオロキノロンは、シプロフロキサシン又はレボフロキサシンを含む。いくつかの他の実施形態では、薬物は、免疫抑制剤、抗炎症剤、化学療法剤、局所麻酔薬、α−遮断薬、又はこれらの組合せを含む。他の薬物もデバイスに含めることができる。薬物は、実質的に純粋な形態とするか、又は当技術分野で公知である1つ又は複数の医薬として許容可能な賦形剤とともに製剤化してもよい。

0044

薬物製剤は、濃縮形態又は純粋な形態、例えば、固体、半固体、又はゲルなどとし、その結果、特定の治療指標に必要とされる、長期間にわたる放出に十分な薬物を、可能な限り小さい体積内に入れることができる。固体フォームは、圧縮粉末であってもよい。薬物は、凍結乾燥形態とすることができる。他の実施形態では、薬物は、純粋な液体、懸濁液、エマルジョン、又は溶液の形態とすることができる。

0045

一実施形態では、薬物は、塩酸塩又は他の医薬として許容可能な塩の形態である。例えば、シプロフロキサシンの塩酸塩形態は、単純形態より著しく高い水溶性を有し、これにより、塩形態が、浸透圧ポンプデバイス用浸透圧剤としてより適当になる。一実施形態では、薬物又は他のペイロード物質は、37℃で約30mg/mLと約300mg/mLの間の水溶性を有する。

0046

一特定の実施形態では、患者の精嚢、射精管、又は精管(例えば、膨大部)に尿道カテーテル又は経直腸注入によって配置し、これらの中で保持するのに適した寸法とされており、弾性を有する移植可能な薬物送達デバイスが提供され、このデバイスは、(i)少なくとも1つの薬物リザーバを収容し、例えば、約1週間と6週間の崩壊半減期を伴って表面侵食によってインビボで分解する疎水性エラストマーポリエステルからなる、長い、吸収性弾性デバイス本体;及び(ii)薬物リザーバ内の少なくとも1つの薬物製剤を含み、デバイスは、精嚢、射精管、又は精管内に薬物を制御放出する。デバイス本体は、少なくとも1つの開口部を含むことができ、水浸透性であり、薬物に対して選択的に浸透性である側壁を有することができ、その結果デバイスは、少なくとも1つの開口部から供給される薬物を浸透圧的に制御放出する。好適な実施形態では、疎水性エラストマーポリエステルは、ポリ(グリセロール−セバシン酸)を含むか、ポリ(グリセロール−セバシン酸)から本質的になる。

0047

例えば、図3は、薬物送達デバイス300の実施形態例の断面図である。示したように、薬物送達デバイス300は、リザーバ304又は内側のコアを画定するデバイス本体302又は収納容器を含む。デバイス本体302は、長時間にわたって移植部位に放出するために、コア又はリザーバ304内に薬物306又は他のペイロードを保持又は維持するように構成されている。薬物306又はペイロードは、デバイス本体の側壁内の1つ又は複数の開口部308又は放出オリフィスを通じて放出することができる。さらに、デバイス本体302の両端から薬物306が漏れるのを妨げるために、1つ又は複数のプラグ310又は栓が備えられている。

0048

デバイス本体302及びリザーバ304は、任意の適当な形状又は構成を有することができる。例えば、例示したデバイス本体302及びリザーバ304はともに、形状が実質的に円柱状である。特に、デバイス本体302は、一般に円柱状の外側表面及び内側表面を画定する一般に管状の側壁を含む。側壁の内側表面は、リザーバ304又はコアの境界を画定し、これは、薬物306又はペイロードを装填するために実質的に中空又は空である。開口部308又は放出オリフィスは、存在する場合、側壁を通して形成することができ、外側表面から内側表面に延在する。開口部308は、デバイス本体302の開放端部によっても画定することができる。デバイス本体302は、1つ又は複数のプラグ310又は栓によって、開放端部に沿って閉じることもできる。プラグ、又は栓310は、コア304内のいずれの薬物306も、端部から漏れることを防止することができる。プラグ310又は栓は、様々な構成を有することができる。例えば、プラグ310又は栓は、コア304の断面に実質的に広がる小物体、例えば、球体ディスク、又はボールなどとすることができる。プラグ310を形成するのに使用することができる材料例として、以下に記載されるタイプの生体吸収性ポリマー、又はステンレス鋼などの他の材料が挙げられる。好適な実施形態では、プラグ310は、コア304の断面積より、断面積がわずかに大きくてもよい。そのような実施形態では、デバイス本体302は、プラグ310を摩擦ではめることによってこれらを適所に維持することができる。いくつかの実施形態では、プラグ310又は栓は、コア304の長さに沿って配置することによって、コアを複数の別個のリザーバ304に分割することもでき、これらのリザーバには、同じ又は異なる薬物306を装填することができる。そのような実施形態では、複数の別個の開口部308は、少なくとも1つの開口部が、リザーバ304のそれぞれに付随するように、デバイス本体302の長さに沿って位置することができる。いくつかの実施形態では、開口部308は、プラグ310の1つ又は複数を通して形成することもできることに留意すべきである。例示した実施形態は、使用することができる形状及び構成の単に一例であり、その理由は、当業者は、様々な他の構成を想定することができるためである。

0049

一実施形態では、デバイス本体302は、付随する保持フィーチャをまったく有さない。この場合、デバイス本体302は、精嚢、前立腺、精管、又は射精管などの部位の周囲組織と摩擦的かみ合いを通じて、インビボで配置部位で保持される。例えば、デバイス本体302は、インビボで、配置部位の組織内に少なくとも部分的に埋め込むことができる。別の例として、デバイス本体302は、インビボで、配置部位の管腔内に少なくとも部分的に移植することができ、デバイス本体302の外側表面の少なくとも一部は、摩擦を作り出すために、管腔の内表面の少なくとも一部で接触させ、又はかみ合わせることができる。そのような場合では、デバイス本体302の少なくとも一部は、管腔の通常の断面積又は形状を超える、又はこれらと異なる断面積又は形状を有することができ、摩擦の生成を促進する。移植部位内の組織は、拡張することによって、カテーテル又は注入を介したデバイスの挿入を可能にし、移植されると、組織は緩和又は復帰することによって、管腔内でデバイス302を適所に維持することができる。

0050

他の実施形態では、デバイス本体302は、インビボで、配置部位内で保持されるように構成することができる。例えば、デバイス本体302は、1つ又は複数の保持フィーチャを有することができる。実施形態では、デバイス本体302は、弾性保持フレームを任意選択により有することができ、これは、尿生殖器部位内でデバイスを保持する。保持フレームは、フープコイルバネ、2次元らせん状、3次元らせん状形状を含めた、保持のためのいくつかの形状を有することができる。他の実施形態では、デバイス本体302自体が、これらの形状の1つ又は複数を有することができる。デバイス本体302は、別個の保持力のあるフィーチャを付随することもできる。例えば、デバイス本体302は、柔軟で延長可能な突起を有する線形形状ウイング又はレッグなどのアンカー様構造、又は形状もしくは構成を変化させることによって、挿入のためのより低レベルの輪郭形状、及び移植された後のより高度な輪郭形状をとる構造とすることができる。これらの保持力のあるフィーチャは、他の管腔組織部位、例えば、精嚢、射精管、もしくは膨大部など、又は非管腔組織部位内に配置することが意図されているデバイスについては、含めることができるが、一般に省かれる。すなわち、デバイスの外形は、インビボで配置中、又は配置後に実質的に変化しないままである。

0051

デバイス本体302を形成するのに使用される材料は、デバイス本体302が、以下、すなわち、弾性、生体適合性、吸収性、適切に機械的及び構造的に安定、並びに少なくとも部分的に浸透性のうちの1つ又は複数であるように選択することができる。弾性であるデバイス本体302は、カテーテル又は針の孔部を通して患者に挿入し、著しい刺激又は不快感を伴うことなく患者内で保持するのに適することができる。そのようなデバイス本体302は、薬物送達に強く影響を与える不適当収率又は失敗に遭遇することなく、移植の間及び移植後に伸長及び変形することができる。弾性は、エラストマーポリマー(すなわち、エラストマー)からデバイス本体を形成することによって実現することができる。生体適合性であるデバイス本体302は、移植の継続時間に全体にわたって患者によって許容され得る。適当な機械的強度及び構造上の完全性のデバイス本体302は、療法の継続時間全体にわたって、信頼性のある、一貫した薬物放出を促進することができる。吸収性であるデバイス本体302は、時とともに自然に分解し、又は侵食されることができ、除去又は抜き取りの必要性を排除する。いくつかの実施形態では、デバイス本体302は、体内に移植されると分解し始め、又は侵食され始めることができ、それでもデバイス本体302の構成は、デバイス本体302が、療法の継続時間にわたって適当な機械的強度及び完全性を保つようにすることができる。そのような構成は、意図される移植部位及び療法の継続時間を考慮して、デバイス本体302の材料及び寸法を選択することによって得ることができる。本開示の目的では、用語「療法の継続時間」は、薬物306が、デバイス300から放たれる時間を示し、一方、用語「移植の継続時間」は、デバイス300が、完全に侵食される前に体内に移植されている時間を示す。移植の継続時間は、療法の継続時間を超える場合があり、その結果、デバイス300が不適当な程度の侵食を経験する前に、薬物が、デバイス300から実質的に完全に放出される。

0052

少なくとも部分的に浸透性であるデバイス本体302は、コア又はリザーバ304内に浸透圧を生成するのに適することができ、デバイス300が浸透圧ポンプとして動作することを可能にする。好適な実施形態では、デバイス本体302は、水又は他の流体の存在に応答して溶解、分解、又は膨張することなく、水又は他の流体に対して浸透性であり、これは、デバイスが故障することなく、少なくとも、意図され、制御された薬物送達機能性が完了する前に故障することなく、長時間にわたって薬物306を放出するための、デバイス300の移植を促進することができる。

0053

デバイス本体302が少なくとも部分的に浸透性である一実施形態では、デバイス300は、浸透圧ポンプとして動作する。特に、デバイス本体302は、水又は他の体液に対して選択的に浸透性となり得、その結果そのような流体は、デバイス本体302を通ってリザーバ304に浸透することができる。リザーバ304内に入ると、流体は、その中に収容されている薬物306又はペイロードを可溶化することができる。この流体は、コア又はリザーバ304内に浸透圧を作り出すことによって、任意の開口部308などを通じて、デバイス本体302から薬物306又はペイロードを動かすことができる。好適な実施形態では、デバイス本体302は、水に対して適切に浸透性である一方で、リザーバ304内の薬物306に対して実質的に、又は無視できるほど不浸透性である。そのような実施形態では、デバイス300は、療法の継続時間の少なくとも相当な部分にわたって、薬物306の制御された、実質的に一定の放出を促進するのに適することができる。そのようなデバイス本体302は、半透性、又は「選択透過性」とすることができる。

0054

デバイス本体302が浸透圧ポンプとして動作する好適な実施形態では、薬物306は、開口部308を通じて放出される。デバイス300が拡散を介して動作するものなどの他の実施形態では、開口部308も薬物306の放出を可能にすることができる。開口部308のサイズ、形状、及び位置は、薬物306についての放出プロファイルを少なくとも部分的に決定することができる。したがって、いくつかの実施形態では、開口部308のサイズ、形状、及び位置は、デバイス本体302を形成するのに使用される材料、デバイス本体302の形状及び寸法、薬物306の特性、移植部位、並びに療法の意図される継続時間とともに、所望の放出プロファイルを実現するように選択することができる。いくつかの実施形態では、デバイス300は、1つ又は複数の分解性膜をさらに含む。分解性膜は、最初に、1つ又は複数の開口部308のうちの少なくとも1つと位置を合わせることができる。移植されると、分解性膜は、デバイス本体302より急速に分解することによって、薬物306の放出を可能にすることができる。

0055

デバイス本体302を形成するのに使用することができる材料の1つのタイプは、エラストマーポリマー、例えば、ポリ(カプロラクトン)、ポリアンヒドリド、アミノアルコール系ポリ(エステルアミド)、又はポリ(オクタン−ジオールシトレート)などである。デバイス本体302用の他の適当な材料として、ポリオルトエステルなどの表面侵食によって分解する疎水性ポリマー、又は生体適合性材料及び吸収性材料、例えば、ポリアクチド、ポリグリコリド、及びこれらのコポリマーPLA、PGA及びPLGA)などが挙げられる。さらに他の材料、又はこれらの材料と他の材料の組合せも、デバイス本体302に使用することができる。

0056

特に適当な一材料は、ポリ(グリセロール−セバシン酸)(「PGS」)などの、表面侵食によって分解する疎水性エラストマーポリエステルである。PGSは一般に、弾性、生体適合性、吸収性、適切に機械的及び構造的に安定、選択的に浸透性、並びに疎水性である。特に、PGSは、表面侵食によってインビボで分解して生体適合性のモノマーになることができ、それでもPGSは、著しい侵食を経験した後でさえも機械的強度及び完全性を保つことができる。例えば、ラットにインビボで移植されたPGSは、その元の機械的な強度の約75%を保持しながら、約3週間の半減期を有することが示された。PGSから形成される場合、デバイス本体302は、デバイス本体が、相当な機械的機能障害又は破損の時点まで侵食される前に、療法の継続時間が終了するように構成することができる。さらに、PGSから形成されたデバイス本体302は、移植された後、体内で著しい膨張を経験せず、著しい線維被膜の形成を誘発しない場合がある。

0057

デバイス本体302がインビボで侵食され、分解する実施形態では、一般に、回収用にデバイス本体302を構成する必要がない。例えば、デバイス本体302は、回収機能、例えば、デバイス本体302の捕捉を促進するリング、バネ、コイル、又はピグテールなどを欠いていてもよい。また、デバイス本体302の形状を選択するとき、回収は重要な要因ではない場合があり、又は完全に無視することができる。例えば、比較的直線的で、実質的に円柱状であるデバイス本体302は、回収機能を欠いていてもよく、それでも精嚢、精管、射精管、又は前立腺などの部位に移植するのに適することができる。

0058

デバイス300は、ヒト男性の尿生殖器部位中に移植するための、サイズ、形状、及び構成とすることができる。この目的では、用語「尿生殖器部位」は、前立腺、精嚢、精管、射精管、尿道、膀胱、及び精巣の任意の部分を含めた尿生殖器系内の任意の部位を意味することが意図される。好適な実施形態では、デバイス300は、尿生殖器系の管腔又は導管、例えば、精嚢、精管、射精管、又は尿道のうちの1つの管腔又は導管などの中に移植するためのサイズ、形状、構成とされる。デバイス300は、尿生殖器系の非管腔組織部位内に直接、例えば、前立腺、又は精嚢組織内に直接埋め込むためのサイズ、形状、及び構成とすることもできる。その弾性的性質のために、そのような実施形態におけるデバイス本体302は、移植部位の形状に適合するように変形することができ、精液又はその構成要素成分などの、移植部位を通る体液の通路の余地があるようにすることができる。デバイス300の弾性的性質はまた、針又はカニューレによる移植のために、いくつかの実施形態では、デバイス本体302の折り畳みを可能にすることができる。移植されると、デバイス300は、移植後、折り畳まれていない位置に自然に戻ることができる。

0059

いくつかの実施形態では、デバイス300は、中空針の孔部又はカニューレを通して患者に移植するためのサイズ、形状、構成とされる。例えば、デバイスが尿生殖器部位に移植される実施形態では、デバイス300は、図6を参照して以下にさらに詳細に説明されるように尿道カテーテル留置によって、又は図7を参照して以下にさらに詳細に説明されるように経直腸注入によって移植することができる。成人男性患者のための一般的な尿道カテーテルは、約16フレンチ〜約18フレンチの範囲であり、これは、約5.3mm〜約6.0mmの外形に対応し、一方、成人男性患者のための一般的な経直腸針は、約14ゲージ〜約18ゲージの範囲であり、これは、約1.07mm〜約1.6mmの内径に対応する。したがって、デバイスは、尿道カテーテルによって挿入するために約4mm未満、又は経直腸針によって挿入するために約1.5mm未満の外側寸法を有することができる。

0060

デバイス300の長さは、移植部位のサイズ及び形状、並びに送達される薬物306の量に部分的に基づいて選択することができる。例えば、より長いデバイス300は、より大きいリザーバ304を有することができ、これは、より大きいペイロードを移植し、より長い持続的期間にわたって、薬物のより大きい用量及び/又は適切な投与量を放出することを可能にすることができる。

0061

一例のデバイス300は、約0.6mmと約3mmの間、例えば、約0.6mmと約1.6mmの間などの外径、及び約1cmと約7cmの間、例えば、約1cmと約1.5cmの間などの長さを有することができる。そのようなデバイス300は、カテーテル又は針、例えば、尿道カテーテル又は経直腸針などを通して挿入するのに適することができる。そのようなデバイスは、成人男性患者の尿生殖器部位、例えば、精嚢、精管、又は射精管のうちの1つを通る管腔又は導管などの中への移植に適することもできる。これらの実施形態及び他の実施形態では、デバイス本体302の側壁は、約100μmと約600μmの間、例えば、少なくとも約200μmと約300μmの間などの厚さを有することができ、開口部308は、約20μmと約300μmの間、例えば、約80μmと170μmの間などの、又はより特定すれば、約100μmと約150μmの間などの直径を有することができる。側壁及び開口部のそのような寸法決定は、以下にさらに記載されるように、浸透圧推進力によるコア304からの薬物306のゼロ次放出を促進することができる。

0062

デバイス300は、側壁を通じて、側壁から、オリフィス308を通じて、又はこれらの組合せで薬物306を放出するように構成することができる。デバイス300は、浸透圧、拡散、表面侵食、又はこれらの組合せによって薬物306を放出するように構成することができる。

0063

デバイス300が、拡散によってインビボで薬物を放出するように構成される実施形態では、拡散は、1つ又は複数の開口部308を通じて、デバイス本体302の側壁を通じて、又はこれらの組合せで起こり得る。薬物306の拡散は、リザーバ304内と移植部位などの周囲環境内の薬物306間の濃度差によって推進され得る。

0064

デバイス300が、表面侵食によってインビボで薬物を放出するように構成される実施形態では、デバイス本体302は、1つ又は複数のマトリックス材料を含むことができる。一例では、1つ又は複数のマトリックス材料は、1つ又は複数の合成ポリマーを含むことができる。別の例では、1つ又は複数のマトリックス材料は、生分解性生体内分解性、又は水溶性のマトリックス材料を含むことができる。薬物306は、マトリックス材料内に分布させることができ、マトリックス材料は、インビボで分解又は溶解することによって、制御可能に薬物を放出することができる。そのような実施形態では、デバイス300は、コア又はリザーバ304を有していても、有していなくてもよい。他のそのような実施形態では、デバイス300は、コア又はリザーバ304を含むことができ、この場合では、ボーラス用量の薬物を、デバイス本体302が分解した後に放出することができる。

0065

デバイス300が、浸透圧によってインビボで薬物306を放出するように構成される実施形態では、薬物306は、1つ又は複数の開口部308を通じて放出することができる。一例を図4に示す。デバイス400がインビボで移植されると、水又は他の体液412は、側壁などを通じて、デバイス本体402を通じて浸透することができる。水又は流体412は、コア内で薬物406を溶解することができ、薬物406の溶液を形成する。コア内の静水圧は上昇することができ、これは、オリフィス408を通じて溶液を排出することができる。

0066

図3に戻ると、実施形態では、デバイス300は、浸透圧による相対的なゼロ次放出のために構成することができる。例えば、デバイス300は、療法の継続時間の少なくとも一部について実質的にゼロ次放出速度を採用するように構成することができる。好適な一実施形態では、薬物装填量の大部分は、ゼロ次速度で放出される。用語「ゼロ次放出速度」は、薬物306が比較的一定の速度で放出されることを示す。ゼロ次放出速度を実現するために、開口部308のサイズ及び数、並びにデバイス本体302の側壁の厚さは、デバイス設計の他のパラメータとともに選択され得る。例えば、各開口部308は、開口部308が、開口部308を通じたバルクの拡散を低減又は排除するのに十分小さく、なおかつ、コア304内の静水圧を緩和するのに十分大きいようなサイズであり、さもなければ、デバイス300に静水学的変形を起こさせ得るサイズとすることができる。そのような一実施形態では、開口部308の1つ又は複数の直径は、約20μmと約300μmの間とすることができ、デバイス本体302の側壁の厚さは、約100μmと約600μmの間とすることができ、その結果側壁は、コア304内の内部性水圧に耐えるのに十分厚い。

0067

そのようなデバイス300は、患者の尿生殖器部位に1つ又は複数の薬物を放出するための浸透圧ポンプとして動作させるのに適することができる。浸透圧送達機構は、pHの変化は浸透圧に強く影響し得ないので、pH勾配を伴う生理学的系、例えば、胃腸管又は尿生殖器系などにおいてゼロ次放出速度を可能にすることができる。したがって、相対的に一定の原動力は、pH勾配の存在下でさえ、薬物を排出することができる。

0068

放出速度はまた、薬物306の溶解度、配合賦形剤、及びコア304内の薬物の密度多孔度)に少なくとも部分的に依存し得る。例えば、放出は、相対的にゼロ次速度で最初に生じることができ、その時間の間、デバイス304は、浸透圧によって実質的に動作し、引き続いて放出は、例えば、浸透圧と拡散の組合せによって生じ得る。溶解度がより低い薬物は、ゼロ次放出速度で放出される割合がより高くなり得るが、より低い浸透圧のためによりゆっくり放出することができる。より高い溶解度を有する薬物は、より速い速度で放出することができるが、より小さい割合の薬物ペイロードが、ゼロ次放出速度で放出され得る。ある特定の実施形態では、薬物306の水中での溶解度は、37℃で約30mg/mLと約300mg/mLの間である。例えば、シプロフロキサシン−HCl(CIP-HCl)は、溶解度が約0.03g/mLであり、一実施形態では、薬物の約97%について、浸透圧によって推進されるゼロ次放出を示す。別の例では、リドカイン−HCl(LIDO-HCl)は、溶解度が約0.68g/mLであり、一実施形態では、薬物の約32%について、浸透圧によって推進されるゼロ次放出を示す。しかし、CIP−HClは溶解度がより低いため、CIP−HClについてのゼロ次放出速度は、LIDO−HCLについてのゼロ次放出速度より低い場合がある。

0069

別の態様では、本明細書に記載される移植可能な医療用デバイスのうちの1つを、その必要のある患者に配置することによって、患者の尿生殖器組織部位にペイロードを送達するための方法が提供される。用語「患者」は、成人男性のヒトなどのヒト、又は他の哺乳動物を含むことができる。移植可能な医療用デバイスは、尿生殖器系内の天然の管腔内に移植することができ、あるいはこのデバイスは、管腔部位にない尿生殖器組織、例えば、前立腺に直接移植することができる。

0070

ある特定の実施形態では、治療の必要がある患者の尿生殖器部位、例えば、患者の精嚢、射精管、又は精管(例えば、膨大部)などに薬物を局所的に送達するための方法500が提供される。図5は、方法500のブロック図である。方法500は、ブロック502において、患者の精嚢、射精管、又は精管(例えば、膨大部)内に吸収性薬物送達デバイスを移植する工程であって、この薬物送達デバイスは、少なくとも1つの薬物を含有する少なくとも1つの薬物リザーバを収容する弾性デバイス本体を備える工程と;ブロック504において、精嚢、射精管、又は膨大部に制御された様式でデバイスから薬物が放出されることを可能にする工程とを含む。

0071

一実施形態では、ブロック502における吸収性薬物送達デバイスを移植する工程は、尿道内にカテーテルを配置し、その後このカテーテルを通して薬物送達デバイスを膀胱鏡で配置することを含む。代替の実施形態では、ブロック502における吸収性薬物送達デバイスを移植する工程は、経直腸注入を含む。これらの場合のいずれにおいても、ブロック502における薬物送達デバイスを移植する工程は、例えば、当技術分野で公知の経直腸的超音波検査(「TRUS」)による、薬物送達デバイスの画像化及び位置決めをさらに含むことができる。

0072

図6は、男性尿生殖器系の一連の側断面図であり、尿道カテーテル留置によって薬物送達デバイスを移植する工程の実施形態を例示している。図6(a)に示すように、カテーテル602は、尿道604に配置される。カテーテル602は移植部位に延在し、移植部位は、尿生殖器系、例えば、前立腺、精嚢、射精管、又は精管などの中の部位とすることができる。尿道を通すカテーテル留置は、膀胱にアクセスするために一般に使用されるが、解剖学的構造の他の部分も、射精管を通じた精嚢及び膨大部への開口部が、尿道を介してアクセス可能であるように、この経路に沿ってアクセスすることができることが注目される。ある特定の実施形態では、カテーテル602は、16〜18フレンチユニットのフォーリーカテーテルである。図6(b)に示したように、薬物送達デバイス606は、カテーテル602を通して挿入され、スタイレット608を使用して移植部位に向けて動かされる。ある特定の実施形態では、デバイスの挿入は、膀胱鏡、TRUS、又はこれらの組合せを使用してガイドすることができる。図6(c)に示したように、カテーテル602は取り出され、移植部位及び周囲の領域ににインビボで薬物を制御放出する移植されたデバイス606を残す。そのような移植工程は、最小限に侵襲性とすることができ、局所麻酔薬を使用してなど、外来患者の設定で実施することができる。

0073

図7は、男性尿生殖器系の一連の側断面図であり、経直腸注入によって薬物送達デバイスを移植する工程の実施形態を例示する。図7(a)に示したように、直腸超音波プローブ702が直腸内に配置される。プローブ702は、直腸超音波プローブ702のガイド706に付随する経直腸針704が、直腸の前壁を通って移植部位にアクセスすることができるように配置される。移植部位は、尿生殖器系、例えば、前立腺、精嚢、射精管、又は精管などの中の任意の部位とすることができる。経直腸針は、直腸前壁を通って前立腺にアクセスするために一般に使用されるが、精嚢、膨大部、及び射精管は、前立腺付近の直腸に隣接して位置するので、尿生殖器系の他の部分もこの方法によってアクセスすることができることが注目される。経直腸針は、実施形態に応じて約18ゲージ〜約14ゲージの範囲内とすることができる。図7(b)に示したように、薬物送達デバイス708は、経直腸針704を使用して移植部位に注入することができる。一実施形態では、デバイス708の注入は、TRUSを使用してガイドされる。図7(c)に示したように、直腸超音波プローブ702及び付随するコンポーネントは取り出され、移植されたデバイス708を残して移植部位及び周囲の範囲にインビボで薬物を制御放出する。そのような移植工程は、最小限に侵襲性とすることができ、局所麻酔薬を使用してなど、外来患者の設定で実施することができる。

0074

図5に戻って参照すると、ブロック504における薬物の放出は、約2日〜約4週間の時間にわたって生じ得る。例えば、薬物は、いくつかの実施形態では、約2週間〜約3週間の期間にわたって放出することができる。

0075

好適な方法では、ブロック504において薬物の実質的にすべてが放出された後、デバイス本体は、表面侵食によって分解して生体適合性のモノマーになる。例えば、デバイスは、移植されると分解し始め、薬物が放出されている間に分解し得る。薬物が放出された後、デバイスは、機械的完全性を失う時点まで分解し続け得る。例えば、デバイスは、約2〜約8週間の時間にわたって分解し得る。薬物が約2〜約3週間の時間にわたって放出される実施形態では、デバイスは、約4〜約8週間の時間にわたって分解し得る。したがって、方法500は、インビボでデバイスを分解させる工程をさらに含むことができ、これにより、薬物が放出された後にデバイスを除去又は回収する必要性を回避することができる。この方法は、例えば、慢性前立腺炎、精嚢炎、前立腺切除術後合併症、又は前立腺、膀胱、もしくは直腸を伴う癌などを呈する患者に有用となり得る。

0076

別の態様では、移植可能な薬物送達デバイスを作製するための方法800が提供される。図8は、方法800の実施形態を例示するブロック図である。一実施形態では、方法900は、(i)生体適合性吸収性エラストマーを形成するためのプレポリマーを提供する工程(ブロック802)と、(ii)プレポリマーを押し出し、又は成形して、第1の端部と、対向する第2の端部と、この第1の端部及び第2の端部の間の少なくとも1つの側壁と、この少なくとも1つの側壁によって画定される中空孔部と、を備える長い形状を有するデバイス本体にする工程(ブロック804)と、(iii)プレポリマーを重合することによって、架橋エラストマーポリマーを生成する工程(ブロック806)と、(iv)中空孔部に薬物製剤を装填する工程(ブロック808)と、(v)中に薬物製剤を閉じこめる位置で中空孔部を封鎖する工程(ブロック810)と、を含む。得られる移植可能な薬物送達デバイスは、患者の尿生殖器部位に尿道カテーテル留置又は経直腸注入によって配置し、これらの中で保持するのに適した寸法とされており、弾性を有する。この方法は、デバイス本体の側壁中に1つ又は複数の開口部を形成する工程をさらに含むことができる。様々な実施形態では、開口部は、レーザーマイクロアブレーション穴あけ、成形、又は機械的穿孔によって形成することができる。一実施形態では、中空孔部を封鎖する工程は、少なくとも1つのプラグエレメントを第1の端部、対向する第2の端部、又は両端部に挿入する工程を含む。プラグエレメントは、デバイス本体と同じ材料で作製することができ、又はこれは、吸収性ポリマーなどの別の材料で作製することができる。

0077

一プロセスでは、デバイス本体は、真空及び/又は加熱の制御された条件下で、プレポリマーの鋳造及び架橋によって形成することができる。デバイス本体内にペイロードリザーバを形成するために、鋳造プロセスの間に鋳型内にワイヤを配置することができる。デバイス本体が硬化した後、デバイス本体を鋳型から取り出すことができ、デバイス本体からワイヤを取り出すことができる。それによって、中空のペイロードリザーバが形成される。いくつかの場合では、複数のデバイス本体を同時に成形することができる。複数の中空コアを形成するために複数のワイヤを使用してモジュールを鋳造することができ、モジュールを鋳型から外した後、モジュールを切断して複数のデバイス本体とすることができる。その後、例えば、レーザーマイクロアブレーションによってオリフィスを形成することができる。いくつかの場合では、複数のオリフィスを形成することができる。

0078

あるいは、大量プロセスを使用することによって、デバイスを作製することができる。例えば、デバイスの収納容器は、例えば、円柱状のワイヤ鋳型上に、又は輪状形状ダイスを使用して、押し出しによって作製することができる。ペイロードを装填する前又は後、及び押し出された本体を指定した長さに切断する前又は後に、押し出された本体のハイスループットレーザー穴あけを続けることができる。

0079

別の実施形態では、別のPGS鋳造法を使用することによって、デバイス本体を作ることができる。PGS鋳造法は、ある長さのシリコーン管などの弾性管状鋳型を使用することができる。融解ポリマーを、管状鋳型内部孔部に挿入することができ、融解ポリマーを通して、ピン又はワイヤを挿入することができる。ピン又はワイヤは、孔部の断面より大きい断面積の頭部を有することができる。ピン又はワイヤは、頭部が管状鋳型の内部に入るまで孔部を通して挿入することができる。次いで管状鋳型を頭部のまわりで引っ張ることによって、ピンを適切な位置に保つことができる。管状鋳型の反対側端部上で、ピン又はワイヤを受けるための穴を有する座金型コンポーネントを、ピン又はワイヤに沿って管状鋳型に向けてスライドさせることができる。管状鋳型を引っ張ることによって、座金型コンポーネントを覆うことができ、その結果、融解ポリマーが管の内側空間を満たす。追加のグリップを使用することによって、偶発的な滑り又は緩みを防止することができる。

0080

鋳造した後、管状鋳型をその長さに沿って切断することによって、管状鋳型からデバイス本体を取り出すことができる。デバイス本体の形状は、管状鋳型の内径、及びピン又はワイヤの直径によって決定することができる。次いでデバイス本体は、上述したように装填し、栓をすることができる。

0081

上述したデバイス及び方法は、以下の非限定的実施例を参照してさらに理解されるであろう。

0082

薬物送達デバイスの作製
インビトロで展開するためのプロトタイプPGSモジュールを構築し、慢性前立腺炎及び他のUTIのために一般に処方されるフルオロキノロンであるシプロフロキサシンを用いて薬物放出動態について試験した。プロトタイプモジュール900を図9に示す。プロトタイプモジュール900は、形状が矩形であり、直径300μmの薬物ロッド902を収容するための内部円柱状コアを有し、1つの100μmの放出オリフィス904を含んでいた。モジュールは、ワイヤを張り渡したアルミニウム鋳型内にPGSプレポリマーを融解させ、その後、加熱真空下で48時間重合反応させることによって形成した。PGS鋳造物は、鋳造物の頂部表面上の選択位置に、レーザーマイクロアブレーションプロセスによりオリフィスをあけた際に、鋳型内に残存しており、オリフィスは、埋め込まれた直径300μmの長手方向のワイヤまで突き抜けた。

0083

ワイヤを鋳型から側部より引き出し、PGS鋳造物を鋳型から取り出し、切断して10mm×1.5mm×1.5mmの寸法の矩形モジュールにし、それぞれは、モジュールの中央セクションに位置した1つの放出オリフィスを有していた。この1つの放出オリフィスは、レーザー加工によって作製した。

0084

鋳造及び切断したPGSモジュール900に、PGSモジュール900(すなわち、デバイス本体)の中空孔部に固体充填シプロフロキサシンロッド902を挿入することによって、薬物を装填した。次いで、ステンレス鋼ワイヤ906を用いて孔部に栓をすることによって、薬物902をPGSデバイス本体900内部に密閉した。

0085

薬物送達デバイスのインビトロ放出動態
放出動態をインビトロで測定するために、シプロフロキサシンを装填したプロトタイプPGSデバイスを、実施例1に記載したように作製し、ガラスバイアルの内部に取り付け、脱イオン水2mL中に浸漬した。周囲の媒質中のシプロフロキサシン−HCl(CIP)濃度の時点測定を、CIPのために開発した定量的なHPLC−UV検出法を使用して8〜10日の期間にわたっておよそ12時間毎に行った。

0086

図10は、100μmのオリフィスを有する2つのPGSモジュール及びオリフィスを有さない対照モジュールについての代表的なCIP放出実験の結果を例示する。各モジュールについてのペイロードはμgで示されている。ゼロ次制御放出動態の開始前誘導時間が観察され、その時間の間に水がデバイスに浸透し、薬物ペイロードの一部を溶解し始めた。100μmのオリフィスを有する2つのモジュールは、モジュールの一方が、他方のペイロードのほぼ3倍を含有していたにもかかわらず、誘導後ほぼ同じ速度でCIPを放出するのが観察された。示したように、より小さいペイロードを有する100μmのモジュールの放出プロファイルは、そのCIP含量が完全に溶解し、引き続いて枯渇した後、平らになり始めた。放出オリフィスを欠いた対照モジュールについての結果によって示されるように、PGS壁を通じたCIPの拡散は有意でなかった。

0087

様々なサイズの放出オリフィス、及び様々な質量の初期薬物ペイロードを有するいくつかのモジュールについて実験を繰り返した。図11及び12は、これらの実験の結果を例示する。各モジュールについて、オリフィスの直径は、μmで示され、初期薬物ペイロードは、μgで示されている。図11は、誘導期間後の薬物放出の開始に対応する初期時点から、総薬物ペイロードの90%の放出に対応する終了時点までの各モジュールについての実際の放出プロファイルを例示する。図12は、モジュールに沿った壁厚の変化について標準化又は補正した同じ放出プロファイルを例示する。詳細には、放出プロファイルに、対応するモジュールについて測定された平均のPGSの壁厚を乗じた。

0088

図11及び図12に示したように、100μm及び150μmのオリフィスを有するPGSモジュールは、浸透圧によるCIPのゼロ次放出を実証した。図11に示したように、これらのモジュールからの放出は、各モジュールから放出される薬物の質量のほとんどについて、時間に関して比較的直線的な関係を実証した。図12に示したように、これらのモジュールについての放出速度は、薬物ペイロードの最大90%までの放出の間の時間にわたっておよそ一定のままであった。次いで放出速度は、デバイスがそのペイロード放出の完了に近づくにつれて、図11におけるプロファイルが水平化することで分かるように、ペイロードが完全に溶解する際に減少した。いくつかのモジュールは、他のモジュールのペイロードの2〜3倍を有していたにもかかわらず、異なるモジュールについての放出速度はおよそ同じであったように、100μm及び150μmのオリフィスを有するモジュールについての放出速度は、放出される薬物の質量のほとんどについて、初期ペイロードに比較的依存しなかった。

0089

300μmのオリフィスを有するモジュールからの放出速度は、初期放出速度が、様々な薬物ペイロードを有するモジュールの中で変化したので、ペイロードに依存しているように思われた。300μmのオリフィスを有するモジュールのほとんどについての放出速度プロファイルの形状は、427μgのペイロードを有するモジュールは例外の可能性があるとして、薬物が浸透圧と拡散の放出機構の組合せにより放出されたことを示し、その理由は、これらの放出プロファイルが、100μm及び150μmのオリフィスを有するデバイスについての放出プロファイルより、直線性が有意に低いと思われるためである。図12に示したように、300μmのオリフィスを有するモジュールについての放出速度は、ペイロード放出の大部分の間の時間にわたって低下し、300μmのオリフィスを有するデバイスは、ペイロードに依存する拡散プロセスを起こさせることによって、ゼロ次放出動態のための浸透圧制御を可能にしないことを示した。

0090

図11は、150μmのオリフィスを有するモジュールは、100μmのオリフィスを有するモジュールよりわずかに速い速度でCIPを放出することも示す。半透膜の厚さ(h)は、式1における浸透圧ポンプ理論によって示されるように、薬物放出速度に対して直接的な反比例関係を有するように示される。

0091

(式中、A=壁の表面積、h=壁厚、k=機械的浸透性及び反射係数の積、π=飽和状態での浸透圧、及びC=薬物の溶解度)

0092

壁厚を各モジュールについて測定し、より速い放出速度を示した100μm及び150μmを有するモジュールの方がより薄いことを示した。図12は、各モジュールについての放出プロファイルに、その測定された壁厚の平均を乗じたので、図12はこのばらつきを説明する。150μmのオリフィスを有するモジュールは、100μmのオリフィスを有するモジュールと同等の速度でCIPを放出することが示された。70〜90μmの範囲のオリフィスを有するモジュールは、特に、70μmのオリフィスを有するモジュールの場合において、100μmのオリフィスを有するモジュールより遅い放出速度を実証した。

0093

したがって、70〜90μmの範囲のオリフィスサイズを有するモジュールについては、放出速度は、オリフィスサイズと無関係ではなく、浸透圧パラメータの排他的な制御下にもはやなかった、すなわち、オリフィスが小さすぎて、静水圧の緩和及び適切な浸透圧放出機能を可能にすることができなかった。100μmと150μmの範囲のオリフィスを有するモジュールについては、放出速度は、オリフィスのサイズから独立しており、浸透圧ポンプ薬物放出理論(式1)に従って、半透性ポリマーの壁の厚さ及び表面積、薬物コアの浸透圧、並びに薬物の溶解度によって制御された。300μmの範囲のオリフィスを有するモジュールについては、オリフィスは、大きすぎてバルクの拡散効果阻害することができず、放出の増大をもたらした。

0094

100〜150μmの範囲のオリフィスを有するデバイスからのCIPの平均測定放出速度は、インビトロの脱イオン水環境下で2.5±0.4μg/時間であった。この放出速度は、別個の薬物コンパートメントとともに複数のオリフィスを加えることによって増加させることができ、一方、放出継続時間は、デバイス療法の要求に必要な場合、デバイス長によってペイロードを増やすことによって延長することができるであろう。

0095

デバイスの寸法は、14ゲージ以上の針のコア内に長手方向に適合するように縮小し、又は16Frのカテーテル内に適合するように半分に折り畳むことができる。薬物コアの浸透圧は、塩化ナトリウムなどのより高い浸透圧活性作用剤と共配合することによって増大させることができ、したがってインビボ環境の予想される等張性又は高張性効果を克服する。

0096

ウサギの精嚢へのリドカインの送達
ウサギ(2.7kg、ニュージーランド白色、雄性)の精嚢内に移植した非吸収性シリコーンデバイスを用いてパイロットインビボ実験を行なった。使用した薬物はリドカインであり、総装填量は2mgであった。この実験は、デバイスが、男性の精嚢などの膀胱以外の位置に移植される場合の状況をシミュレートするために設計した。ウサギ実験用の非吸収性デバイスを図13に示し、経時的なリドカイン血漿濃度を図14に示す。

0097

薬物送達デバイス本体を形成する方法
鋳造法を使用することによって、約7.62cmの長さ、直径が約330μmの中空リザーバ、デバイスの第1の端部から約2.81cmに位置した第1のオリフィス、及びデバイスの第2の端部から約2.81cmに位置した第2のオリフィスを有するデバイス本体を作製した。オリフィスの直径は約100μmであった。そのようなデバイスは、鋼ワイヤを埋め込んだ鋳型中にPGSをキャストすることによって形成した。鋳型の長さは約7.62cmであった。いくつかの鋼ワイヤを、鋳型を通してその長さに沿って張り渡した。各ワイヤの直径は約330μmであった。PGSをキャストした後、デバイス本体中にオリフィスをレーザーであけた。PGSを鋳型から取り出し、切断して個々のデバイス本体にした。

0098

別の例では、いくつかのデバイス本体を形成するための鋳型を提供した。鋳型はアルミニウムの鋳型であり、PGSプレポリマーをその中に入れた。ペイロードリザーバを形成するために、ワイヤを鋳型中に挿入した。鋳型の長さは約150mmであり、ワイヤはステンレス鋼製であった。焼成した後、架橋されたPGSを鋳型から取り出し、切断して切片にし、さらに加工していくつかのデバイス本体を得た。密閉ボールを挿入することによって、各ペイロードリザーバの一端に栓をし、他方の端部はあけたままにすることによって放出オリフィスを形成した。

0099

薬物ロッド及び関連する薬物送達デバイスを作製する方法
薬物ロッドを作製し、薬物ロッドを送達デバイス本体、又は収納容器に付随させる方法を試験した。

0100

薬物ロッドは、固体粉末を使用してダイス内に鋳造した。ダイスは、シリコーンで形成されていることによって、詰められた薬物ロッドを追い出すのを促進し、滅菌した、透明な環境を維持した。直径が約300μmの穴を、ダイスを通して形成した。埋め込まれたワイヤを有するアルミニウム基部上にダイスを取り付け、これは、シリコーンダイスの穴を貫通した。埋め込まれたワイヤ(直径約340μm)は、約3mmの高さまでシリコーン鋳造物に貫入した。CIP粉末をシリコーンダイスの頂部に堆積させ、ワイヤゲージドリルチャック(wire gauge drill chuck)内に固定された銅ワイヤ(直径約300μm)を使用して、ダイスのコア中に詰め込んだ。圧縮されたCIPは、ダイスコアの直径を拡大し、詰め込み手順の間にデポーを形成した。ダイスを抜けると、薬物ロッドは、直径が約300μmであり、長さが約1mm〜約22mmであった。薬物ロッドは詰め込みワイヤの端部に付いたままであり、逆固定されたピンセットによって開いた状態にされたPGSモジュールのコア内に、薬物ロッドを配置することを可能にした。

0101

薬物ロッドを薬物送達デバイス内に配置した。具体的には、CIP薬物ロッドをPGSデバイス内に配置した。PGSデバイスの長さは約1cmであり、CIP薬物ロッドは、長さが約3〜5mmであり、幅が約400〜550μmであった。オリフィスの直径は約103μmであった。薬物を装填した収納容器は、鋼ワイヤプラグで密閉した。

実施例

0102

本明細書に引用された刊行物、及びこれらが引用される材料は、参照により具体的に組み込まれている。本明細書に記載される方法及びデバイスの改変及び変形は、前述の詳細な説明から当業者に明白となるであろう。そのような改変及び変形は、添付の特許請求の範囲内に入ることが意図されている。

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