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技術 良好な光透過率を有し、干渉縞の認知を制限する帯電防止層を備える光学物品およびその製造方法

出願人 エシロールアンテルナシオナル(コンパニージェネラルドプティック)
発明者 クペギーフヤードマチューウィプフエロディ
出願日 2009年8月4日 (11年3ヶ月経過) 出願番号 2011-521621
公開日 2011年12月15日 (8年11ヶ月経過) 公開番号 2011-530095
状態 特許登録済
技術分野 光学要素の表面処理 ナノ構造物
主要キーワード 中空容積 酸化コロイド ナノクーロン 充填ポリマー材料 磨耗防止性 摩擦電気効果 可視光線範囲 コロイド状材料
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題・解決手段

本発明は有機または無機ガラス基材と、ポリマー材料の層と、帯電防止特性を有し基材の主面とポリマー材料の層とに直接接触する中間層とを含む光学物品を提供する。中間層は1種以上の導電性コロイド金属酸化物コロイド状粒子と、屈折率が1.55以下の1種以上のコロイド状無機酸化物のコロイド状粒子と、随意的に用いられる結合剤との混合物を含有する。それらの割合は導電性コロイド状金属酸化物粒子の重量が、中間層中に存在するコロイド状粒子の総重量の50〜97%に相当する。中間層は原始的多孔質の層であり、その多孔はポリマー材料の層の材料または、基材が有機ガラスで作成されている場合は基材の材料のいずれかによって充填されており、中間層はその原始的な多孔が充填された後には、波長550nmにおいて1/4波長層またはほぼ1/4波長層を構成する。

概要

背景

耐衝撃性耐摩耗性反射防止性などの有利な特性を物品に付与するために、一般的に、眼科用レンズのような合成樹脂または無機ガラスから作製される透明基材の主面の上に1または2以上のポリマーコーティングが形成される。

このように一般に基材の少なくも1面は耐摩耗性層で直接コートされるか、あるいは、その上に耐摩耗性層を塗布することができる一般にはレンズの耐衝撃性向上を目的とするプライマー層でコートされる。プライマー層は上述のような耐摩耗性層を基材の表面に接着させる際の付着性を向上させる。最後に、更に耐摩耗性層の上に反射防止コーティングなどの他のコーティング被覆させる場合もある。

近年では耐摩耗性コーティングおよびプライマー層を形成するためにワニスが用いられる。すなわち金属酸化物および/または酸化ケイ素層のような本質的に無機的性質を有する層ではなく、主に有機的材料を導く組成物が用いられる。

一般に、基材と耐摩耗性層またはプライマー層は、異なる屈折率を有し、相互間の差が大きい場合も多く、その結果、基材と耐摩耗性層またはプライマー層との界面において屈折率差による干渉縞現象発現する。

問題となるこの干渉縞現象は、基材の屈折率とそれに接触するコーティングの屈折率を合致させることによって解決することができるが、それは比較的煩雑である。

本出願人による特許文献1に、この問題を解決するために基材とポリマー層との間に、コロイド状無機酸化物粒子主体とする、多孔が、少なくとも部分的に、おおむね全体的に、またはほとんど全体的に、ポリマー層の材料によってまたは、基材が実質的にポリマーである場合は、基材の材料によって、充填されている、原始的多孔質の1/4波長層を挿入することが提案されている。このような構造によって干渉縞の強度を効果的に低減する。

更に本質的に絶縁材料から製造された光学物品は、特に乾燥条件下でその表面を布や合成発泡材料またはポリエステル片で摩擦して清浄する際、その表面に静電荷蓄積しやすいことがよく知られている(摩擦電気)。表面に存在する静電荷は、近く(数センチメートル)の非常に軽い物、一般的には埃等の小さなサイズの粒子を吸引して付着させることができる静電界を生成する。これは静電荷が物品に残っている限り継続する。

このような粒子吸引を低減または防止するためには、静電界の強度を低下させる必要がある。すなわち物品の表面に存在する静電荷の数を減らす必要がある。これは例えば「電荷キャリア」の中に高移動度誘導する材料から生成された層を導入することなどにより電荷移動性にして、それらを急速に分散さることによって得られる。最も高い移動度を誘導する材料は導電材料である。

技術水準では、機能コーティングの積層中の、その表面に1以上の導電性層、すなわち「帯電防止層」を組込むことによって、光学物品が帯電防止特性を取得しうることが明らかになっている。そのような帯電防止層は、機能コーティングの積層の外側層や中間層(内側層)を構成してもよく、あるいは光学物品の基材に直接被覆してもよい。そのような層を積層内に備えることにより、たとえ帯電防止コーティングが2つの非帯電防止コーティングまたは基材間にはさまれていても物品に帯電防止特性を付与する。

明細書中、「帯電防止」という用語が用いられる場合は、実質的な静電荷を保持および/または発生させる特性として定義される。一般に物品はその表面の1つを適切な拭布を用いて摩擦した後に、埃または小さな粒子を吸引したり、付着させたりしない場合に、許容可能な帯電防止特性を有すると考えられる。そのような物品は蓄積した静電荷を迅速に分散させるのに対し、帯電物品は常に電荷が残っていて摩擦されるとまわりの埃を吸引してしまう。

布または他の適切な方法を用いて摩擦して帯電を発生させ、その結果生成された静電荷をガラスが(コロナ放電などを介して)分散させる力を、その電荷の分散に要した時間を計測することによって数値化できる。それによると帯電防止ガラスの放電時間は約100ミリ秒であり、一方静電ガラスのそれは約数十秒であり、数分の場合もある。

本出願においては、放電時間が数百msより小さく、一般には<200msであると、その光学物品は帯電防止性であると考えられ、それは荷電された電荷の量にかかわらない(一般的には試験の場合、電荷は20〜50ナノクーロンの間で変化し、それは概ね摩擦による摩擦電気効果を介して実際に得られる量に対応する)。

公知の帯電防止コーティングは、1種以上の帯電防止剤を含有する。帯電防止剤は一般にスズをドープした酸化インジウム(ITO)、アンチモンをドープした酸化スズバナジウム五酸化物などの随意的にドープされた(半)導体金属酸化物、または共役構造導電性ポリマーである。

特許文献2には、本質的に無機的な反射防止積層を備える光学物品、特に眼科用レンズが記載されている。それは本質的に無機質で、透明の、スズ−酸化インジウム(ITO)、または酸化スズを主体として真空下で被覆される帯電防止層を含むものである。この概念は、反射防止コーティングの無い帯電防止光学物品の作製を許容しないので、比較的煩雑である。

より有利なこととしては、帯電防止層が反射防止積層から独立している光学物品が提供されることであろう。

多くの特許出願(特許文献3、特許文献4など)には、物品の基材に直接被覆され、導電性ポリマーを主体とし、反射防止コーティングからは独立した、帯電防止層を備える物品が記載されている。

特許文献5には、直径50〜60nmの導電性粒子凝集した0.8〜2μmの大きさの二次粒子(例えば、ITO粒子)を含有する30nm〜1μmの厚みの帯電防止層と、樹脂と、その後の磨耗防止硬層とを、この順に上に被覆した光学物品が記載されている。導電性粒子の粒径を適切に制御することによって、帯電防止層と基材との間に存在する屈折率差から生じる干渉縞の形成を防止することが可能になる。従って1/4波長の中間層を用いることによって基材と磨耗防止コーティングとの間の干渉縞の問題を解決することはこの文献では目的としていない。

概要

本発明は有機または無機ガラス基材と、ポリマー材料の層と、帯電防止特性を有し基材の主面とポリマー材料の層とに直接接触する中間層とを含む光学物品を提供する。中間層は1種以上の導電性コロイド状金属酸化物のコロイド状粒子と、屈折率が1.55以下の1種以上のコロイド状無機酸化物のコロイド状粒子と、随意的に用いられる結合剤との混合物を含有する。それらの割合は導電性コロイド状金属酸化物粒子の重量が、中間層中に存在するコロイド状粒子の総重量の50〜97%に相当する。中間層は原始的に多孔質の層であり、その多孔はポリマー材料の層の材料または、基材が有機ガラスで作成されている場合は基材の材料のいずれかによって充填されており、中間層はその原始的な多孔が充填された後には、波長550nmにおいて1/4波長層またはほぼ1/4波長層を構成する。

目的

このように一般に基材の少なくも1面は耐摩耗性層で直接コートされるか、あるいは、その上に耐摩耗性層を塗布することができる一般にはレンズの耐衝撃性向上を目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

有機または無機ガラス基材およびポリマー材料の層を備える光学物品であって、前記基材の主面に直接接触する、帯電防止特性を有する中間層とポリマー材料の層とを備え、前記中間層は1種以上の導電性コロイド金属酸化物コロイド状粒子と、屈折率が1.55以下のコロイド状粒子と、随意的に用いられる結合剤との混合物を含み、その割合は、前記導電性コロイド状金属酸化物粒子の質量が前記中間層中に存在するコロイド状粒子の総質量の50〜97%に相当するようになされ、前記中間層は原始的多孔質の層であり、その気孔は、ポリマー材料の前記層の材料、または基材が有機ガラスで生成されている場合は前記基材の材料で充填され、前記中間層が、その原始的な多孔が充填された後に、次式によって得られる特性を満足することを特徴とする光学物品:式中、nは前記中間層の屈折率、nsubstrateは前記基材の屈折率、npolymerは前記中間層に直接接触する前記ポリマー材料の層の屈折率、eは前記中間層の厚みであり、λは550nmに設定される。

請求項2

前記導電性コロイド状金属酸化物粒子の質量が、前記中間層中に存在するコロイド状粒子の総質量の50〜95%、より好ましくは、60〜95%、更により好ましくは60〜90%に相当する請求項1に記載の光学物品。

請求項3

次の式を満足する中間層を含む、請求項1または2に記載の光学物品:

請求項4

次の式を満足する中間層を含む、請求項1、2または3に記載の光学物品:

請求項5

多孔度が20容量%未満、好ましくは10容量%未満、より好ましくは5容量%未満の中間層を含む、請求項1から4のいずれかに記載の光学物品。

請求項6

厚みが60〜130nm、好ましくは75〜110nm、より好ましくは80〜100nmの範囲の中間層を含む、請求項1から5のいずれかに記載の光学物品。

請求項7

前記コロイド状粒子の粒径は10〜80nm、好ましくは30〜80nm、より好ましくは30〜60nmの範囲で変化する、請求項1から6のいずれかに記載の光学物品。

請求項8

前記導電性コロイド状金属酸化物は、スズをドープした酸化インジウムアンチモンをドープした酸化スズ、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、バナジウム五酸化物アルミをドープした酸化亜鉛、酸化セリウム亜鉛アンチモネート、インジウムアンチモネートおよび酸化アンチモンから選択される、請求項1から7のいずれかに記載の光学物品。

請求項9

屈折率が1.55以下のコロイド状粒子は、屈折率が1.55以下のコロイド状鉱物酸化物を1種以上含む、請求項1から8のいずれかに記載の光学物品。

請求項10

屈折率が1.55以下の前記コロイド状無機酸化物は、シリカアルミナでドープしたシリカ、および多孔質または中空無機酸化物から選択される、請求項1から9のいずれかに記載の光学物品。

請求項11

屈折率が1.55以下の前記コロイド状無機酸化物は、屈折率が1.15〜1.40の範囲の多孔質または中空の無機酸化物である、請求項10に記載の光学物品。

請求項12

可視域光透過係数(Tv)が85%より上、より好ましくは90%より上、更に好ましくは91%より上である、請求項1から11のいずれかに記載の光学物品。

請求項13

前記中間層に直接接触する前記ポリマー材料の層は、接着および/または耐衝撃性プライマーコーティングの層、耐衝撃性および/または耐引掻性コーティングの層、反射防止コーティングの層および接着剤組成物の層から選択される、請求項1から12のいずれかに記載の光学物品。

請求項14

前記中間層の多孔が接着および/または耐衝撃性プライマーコーティングの層のポリマー材料で充填される請求項1から12のいずれかに記載の光学物品。

請求項15

前記基材は眼科用レンズである、請求項1から14のいずれかに記載の光学物品。

請求項16

前記基材と前記ポリマー材料の層との屈折率差は0.01以上、好ましくは0.02以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.1以上である、請求項1から15のいずれかに記載の光学物品。

請求項17

以下の工程を含む、請求項1に記載の光学物品の製造方法:a)中間層組成物の層を有機または無機ガラス基材の1以上の主表面上に、またはポリマー材料の層の上に被覆する工程であって、前記組成物は1種以上の導電性コロイド状金属酸化物のコロイド状粒子と、屈折率が1.55以下のコロイド状粒子と、随意的に用いられる結合剤との混合物を含有する、工程;b)前記中間層組成物を乾燥させ原始的に多孔質の中間層を形成する工程;c)この多孔質の中間層の上に、ポリマー材料の層または有機ガラス基材のいずれかを形成させる工程であって、それによって前記中間層の前記原始的な多孔が、前記ポリマー層の材料、または基材が有機ガラスで作成されている場合は、前記基材の材料のいずれかによって充填され、その前記原始的な多孔が充填された後、前記中間層が請求項1に記載の式(1)および(2)を満足する工程;d)前記基材の主表面および前記ポリマー材料の層に直接接触する、帯電防止特性を有する中間層を含む光学物品を回収する工程であって、導電性コロイド状金属酸化物粒子の質量は、前記中間層中に存在するコロイド状粒子の総質量の50〜97%に相当する、工程。

請求項18

工程b)において得た前記層の多孔度が20容量%以上、好ましくは30容量%以上である、請求項17に記載の方法。

請求項19

工程a)の間に、前記中間層組成物層が有機または無機ガラス基材の1以上の主面の上に被覆され、そして工程c)の間にポリマー材料の層が前記多孔質の中間層の上にディップコートまたはスピンコートによって形成される、請求項17または18のいずれかに記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、特に高屈折率(1.5以上、好ましくは1.55以上)の合成樹脂または無機ガラスから作製される基材と、1以上のポリマーコーティングと、基材と該ポリマーコーティングとの間に挿入され、基材と該ポリマーコーティングとの屈折率差から生じる干渉縞認知を制限する特性を付加的に有する帯電防止コーティングとを含む光学物品、例えば眼科用レンズに関する。

背景技術

0002

耐衝撃性耐摩耗性反射防止性などの有利な特性を物品に付与するために、一般的に、眼科用レンズのような合成樹脂または無機ガラスから作製される透明基材の主面の上に1または2以上のポリマーコーティングが形成される。

0003

このように一般に基材の少なくも1面は耐摩耗性層で直接コートされるか、あるいは、その上に耐摩耗性層を塗布することができる一般にはレンズの耐衝撃性向上を目的とするプライマー層でコートされる。プライマー層は上述のような耐摩耗性層を基材の表面に接着させる際の付着性を向上させる。最後に、更に耐摩耗性層の上に反射防止コーティングなどの他のコーティング被覆させる場合もある。

0004

近年では耐摩耗性コーティングおよびプライマー層を形成するためにワニスが用いられる。すなわち金属酸化物および/または酸化ケイ素層のような本質的に無機的性質を有する層ではなく、主に有機的材料を導く組成物が用いられる。

0005

一般に、基材と耐摩耗性層またはプライマー層は、異なる屈折率を有し、相互間の差が大きい場合も多く、その結果、基材と耐摩耗性層またはプライマー層との界面において屈折率差による干渉縞現象発現する。

0006

問題となるこの干渉縞現象は、基材の屈折率とそれに接触するコーティングの屈折率を合致させることによって解決することができるが、それは比較的煩雑である。

0007

本出願人による特許文献1に、この問題を解決するために基材とポリマー層との間に、コロイド状無機酸化物粒子主体とする、多孔が、少なくとも部分的に、おおむね全体的に、またはほとんど全体的に、ポリマー層の材料によってまたは、基材が実質的にポリマーである場合は、基材の材料によって、充填されている、原始的多孔質の1/4波長層を挿入することが提案されている。このような構造によって干渉縞の強度を効果的に低減する。

0008

更に本質的に絶縁材料から製造された光学物品は、特に乾燥条件下でその表面を布や合成発泡材料またはポリエステル片で摩擦して清浄する際、その表面に静電荷蓄積しやすいことがよく知られている(摩擦電気)。表面に存在する静電荷は、近く(数センチメートル)の非常に軽い物、一般的には埃等の小さなサイズの粒子を吸引して付着させることができる静電界を生成する。これは静電荷が物品に残っている限り継続する。

0009

このような粒子吸引を低減または防止するためには、静電界の強度を低下させる必要がある。すなわち物品の表面に存在する静電荷の数を減らす必要がある。これは例えば「電荷キャリア」の中に高移動度誘導する材料から生成された層を導入することなどにより電荷移動性にして、それらを急速に分散さることによって得られる。最も高い移動度を誘導する材料は導電材料である。

0010

技術水準では、機能コーティングの積層中の、その表面に1以上の導電性層、すなわち「帯電防止層」を組込むことによって、光学物品が帯電防止特性を取得しうることが明らかになっている。そのような帯電防止層は、機能コーティングの積層の外側層や中間層(内側層)を構成してもよく、あるいは光学物品の基材に直接被覆してもよい。そのような層を積層内に備えることにより、たとえ帯電防止コーティングが2つの非帯電防止コーティングまたは基材間にはさまれていても物品に帯電防止特性を付与する。

0011

明細書中、「帯電防止」という用語が用いられる場合は、実質的な静電荷を保持および/または発生させる特性として定義される。一般に物品はその表面の1つを適切な拭布を用いて摩擦した後に、埃または小さな粒子を吸引したり、付着させたりしない場合に、許容可能な帯電防止特性を有すると考えられる。そのような物品は蓄積した静電荷を迅速に分散させるのに対し、帯電物品は常に電荷が残っていて摩擦されるとまわりの埃を吸引してしまう。

0012

布または他の適切な方法を用いて摩擦して帯電を発生させ、その結果生成された静電荷をガラスが(コロナ放電などを介して)分散させる力を、その電荷の分散に要した時間を計測することによって数値化できる。それによると帯電防止ガラスの放電時間は約100ミリ秒であり、一方静電ガラスのそれは約数十秒であり、数分の場合もある。

0013

本出願においては、放電時間が数百msより小さく、一般には<200msであると、その光学物品は帯電防止性であると考えられ、それは荷電された電荷の量にかかわらない(一般的には試験の場合、電荷は20〜50ナノクーロンの間で変化し、それは概ね摩擦による摩擦電気効果を介して実際に得られる量に対応する)。

0014

公知の帯電防止コーティングは、1種以上の帯電防止剤を含有する。帯電防止剤は一般にスズをドープした酸化インジウム(ITO)、アンチモンをドープした酸化スズバナジウム五酸化物などの随意的にドープされた(半)導体金属酸化物、または共役構造導電性ポリマーである。

0015

特許文献2には、本質的に無機的な反射防止積層を備える光学物品、特に眼科用レンズが記載されている。それは本質的に無機質で、透明の、スズ−酸化インジウム(ITO)、または酸化スズを主体として真空下で被覆される帯電防止層を含むものである。この概念は、反射防止コーティングの無い帯電防止光学物品の作製を許容しないので、比較的煩雑である。

0016

より有利なこととしては、帯電防止層が反射防止積層から独立している光学物品が提供されることであろう。

0017

多くの特許出願(特許文献3、特許文献4など)には、物品の基材に直接被覆され、導電性ポリマーを主体とし、反射防止コーティングからは独立した、帯電防止層を備える物品が記載されている。

0018

特許文献5には、直径50〜60nmの導電性粒子凝集した0.8〜2μmの大きさの二次粒子(例えば、ITO粒子)を含有する30nm〜1μmの厚みの帯電防止層と、樹脂と、その後の磨耗防止硬層とを、この順に上に被覆した光学物品が記載されている。導電性粒子の粒径を適切に制御することによって、帯電防止層と基材との間に存在する屈折率差から生じる干渉縞の形成を防止することが可能になる。従って1/4波長の中間層を用いることによって基材と磨耗防止コーティングとの間の干渉縞の問題を解決することはこの文献では目的としていない。

先行技術

0019

国際公開第03/056366号パンフレット
米国特許第6,852,406号明細書
米国特許出願公開第2004/0209007号明細書
米国特許出願公開第2002/0114960号明細書
特開2006−095997号公報

発明が解決しようとする課題

0020

今まで、帯電防止特性を有し、同時に、両側に提供された材料の屈折率の関係において、かつ1/4波長層の形成を考慮し、特に帯電防止層の中に含まれる導電性コロイド低屈折率コロイドとの間の適切な比率を用いて、その屈折率を選択する中間層を用いることによって干渉縞を除去することができるコーティングは、いかなるものも記載されていない。

0021

したがって、本発明の1つの目的は、眼科用レンズのような光学物品であって、有機または無機ガラス基材と、例えばプライマー層または磨耗防止コーティングのような透明なポリマー材料の1以上の層とを備え、基材と前記ポリマー材料層との間の屈折率差から生じる干渉縞現象が実質的に減衰され、同時に帯電防止特性を有する光学物品を提供することである。

0022

基材と透明ポリマー材料層との間の屈折率差(550nmにおいて測定)が大きくなると、すなわち一般的には0.01以上、好ましくは0.02以上、より好ましくは0.05以上、更により好ましくは0.1以上のように大きくなると、対処する技術的問題がより難しくなる。

0023

帯電防止特性と、可視光線範囲内で良好な光透過率ベルとを有する光学物品を提供することも本発明の1つの目的である。

0024

その吸収特性により、一般的に透過率低下を誘導する帯電防止層を導入することによって、帯電防止1/4波長層を用いてそのような透過率損をカウンターバランスさせることは特に興味深いものである。

0025

時間的に安定で、特に光分解に耐えうる光学物品を提供することが本発明の更なる目的である。

0026

上述で定義したような光学物品を製造する方法であって、従来の製造方法に容易に統合でき、特に光学物品製造方法の中断となるような、真空コートまたは他の処理工程の実施をできるだけ避ける方法を提供することが本発明の更なる別の目的である。

課題を解決するための手段

0027

上述の目的は、有機または無機ガラス基材と、ポリマー材料層と、帯電防止特性を有し基材の主面とポリマー材料層とに直接接触する中間層とを備える光学物品、例えば眼科用レンズ、そしてより特定的には眼鏡レンズを用いて本発明に従い達成される。中間層は1種以上の導電性コロイド状金属酸化物のコロイド状粒子と、屈折率が1.55以下のコロイド状粒子と、随意的に用いられる結合材との混合物を含有し、その割合は導電性コロイド状金属酸化物粒子の質量が中間層中に存在するコロイド状粒子の総質量の50〜97%、好ましくは55〜95%、より好ましくは60〜95%、更により好ましくは60〜90%に相当するようになされ、該中間層は原始的に多孔質の層であり、その多孔はポリマー材料層の材料、または基材が有機ガラスで生成されている場合は基材の材料のいずれかによって充填され、それによって中間層は原始的な多孔が充填された後に、次式が提供する特性を満足する:






式中、nは中間層の屈折率、nsubstrateは基材の屈折率、npolymerは中間層に直接接触するポリマー材料層の屈折率、eは中間層の厚みであり、λは550nmに設定される。

0028

本出願では、特に他に明記しない限り、屈折率は温度25℃および波長550nmの時のものとして定義される。この波長は人間の目の最大感度に対応するため、干渉縞の除去が主として望まれる波長である。

0029

干渉縞の認知における最大減衰は、上記式(1)および(2)の算出に用いうるnとeの値に依存するが、550nmあるいは可視域内の別の波長において見出されうる。

0030

発明者等はnおよびeとして、式(1)および(2)で定義される値を用いることによって、干渉縞の認知が減衰することを見出した。

0031

また本発明は、以下の工程を含む、上述の光学物品の製造方法に関する:
a)中間層組成物の層を有機または無機ガラス基材の1以上の主表面、あるいはポリマー材料の層のいずれかの上に被覆する工程であって、該組成物は1種以上の1導電性コロイド状金属酸化物のコロイド状粒子と、屈折率が1.55以下のコロイド状粒子と、随意的に用いられる結合剤との混合物を含有する、工程;
b)中間層組成物を乾燥させて原始的に多孔質の中間層を形成する工程;
c)この多孔質中間層の上に、ポリマー材料の層、または有機ガラス基材のいずれかを形成させる工程であって、それによって中間層の原始的な多孔がポリマー層の材料、または基材が有機ガラスで作成されている場合は基材の材料のいずれかによって充填され、原始的な多孔が充填された後の中間層が上記の式(1)および(2)を満足する、工程;
d)基材の主表面とポリマー材料の層とに直接接触し、帯電防止特性を有し、導電性コロイド状金属酸化物粒子の質量が中間層中に存在するコロイド状粒子の総質量の50〜97%に相当する中間層を備える光学物品を回収する工程。

0032

ポリマー材料の層の基材の屈折率がわかると、上記式(1)および(2)により本発明の中間層の厚みおよび屈折率、eおよびn、それぞれの範囲を算出できる。

0033

上述のように、本発明の中間層の厚みおよび屈折率特性は、1/4波長層の最適理論値からは逸脱する場合がある。従って本出願においてはこれを、ほぼ1/4波長層と記載することにする。

0034

上記式(1)および(2)を満足すると、十分な干渉縞防止効果が得られる。好ましくは、中間層は、次の式を満足する:



更により好ましくは:

0035

実際には、その気孔がポリマー材料によって、または基材の材料によって充填された後に、中間層の厚みを測定するのは難しい場合がある。第1近似として、この厚みを、被覆したコロイド状粒子層を乾燥させた後の厚みに等しいと考えることができる。理由は、多孔質の層の充填材料拡散する結果、その厚みに大きな変化が生じないからである。

0036

好ましくは、中間層は次の式を満足する:



更により好ましくは:

0037

実際には、その多孔がポリマー材料によって、または基材の材料によって充填された後に、中間層の屈折率を測定するのは困難である場合がある。第1近似として、この屈折率を、気孔が全体的に充填材料によって充填されている中間層の理論的屈折率に等しいと考えることができる。この理論的屈折率の算出方法は、「実施例」に示されており、n3として記載されている。

0038

また本発明の中間層は、波長550nmにおいて1/4波長層を形成しうる。それは最も好ましい実施形態である。その場合、その屈折率nおよびその厚みeは、1/4波長層の理論的屈折率および厚みに等しい、すなわちそれらの値が次の関係式を満足する:



および



式中、λ、nsubstrateおよびnpolymerは、既に定義したとおりである。すなわち1/4波長層の屈折率nは周囲材料の屈折率の幾何平均に相当する。

0039

本発明によれば、基材と所定の屈折率のポリマー層との間に挿入される中間層の最適屈折率および最適厚みの決定は、両パラメータが基材とポリマー層の屈折率に依存するため自由選択ではない。それに対し層を形成するコロイドの性質については、より拘束を受けない。本発明の中間層すなわち1/4波長層の屈折率と厚み特性を有し、あるいは1/4波長層のそれらと同等の特性を有し、同時に十分な帯電防止特性を有する層は、導電性粒子コロイド(類)および低屈折率粒子コロイド(類)の性質や、それぞれの量を適切に選択することによって得られる。適切な配合を得る方法は当業者には完全に公知であり、多くの実験を実施する必要もない。

0040

今までに記載された無機帯電防止層は、導電性金属酸化物、例えばITO、を排他的に含み、結合剤を随意的に含むものだけであった。非導電性無機酸化物粒子を追加で含む帯電防止層は知られていなかった。

0041

また、当業者であれば、結合剤の存在とその性質、中間層の原始的な気孔に影響を与えるコロイド状粒子の直径、コロイド中間層の原始的な多孔を充填するポリマー層の材料または基材の材料のいずれかである充填材料の性質、などの利点を利用して中間層の屈折率を変更することができる。

0042

このように、導電性粒子と低屈折率粒子との所定の混合物から得られる1/4波長層またはほぼ1/4波長層の帯電防止特性が十分でないときは、当業者であれば低屈折率粒子に対する導電性粒子の量を増加し、導電性粒子の性質を変化させずに、低屈折率粒子をより低い屈折率の別の粒子に代えることにより、同様の厚みおよび屈折率を有する層を容易に調製することができる。

0043

本発明により許容される厚み範囲内、すなわち550nmにおける1/4波長層の理論的厚みに関する式(1)によって与えられる範囲内に留まりながら、中間層の厚みを増加して、その帯電防止特性を向上させることも一般に可能である。

0044

導電性粒子と低屈折率粒子との所定の混合物から得られる層の帯電防止特性が十分であり、しかしこの層が、本発明の範囲内としての、干渉縞現象を防止することができないような高い屈折率を有する場合、当業者であれば、低屈折率粒子をより低い屈折率の別の粒子に代えることによって、1/4波長層または、ほぼ1/4波長層を調製することができる。

0045

低屈折率粒子の性質を改質して中間層の屈折率を調整または制御する方がより都合がよいことは確かである。導電性粒子は一般に約1.9〜2という限定された範囲内の屈折率を有する。

0046

従って、いくつかのケースでは中空のコロイド状粒子を用いることが有利である。特に低屈折率のコロイド状無機酸化物で、コアシェル構造型で、粒子のコアには材料が入っていない(空気が入っている)中空のコロイド状粒子、あるいは例えば粒子の粒径に対して小さい孔径の気孔網組織を有する多孔質のコロイド状粒子などを用いて大きい範囲の屈折率を提供する。屈折率は一般に1.15〜1.45の範囲で変化しうる。これらの粒子の中空容積内または気孔内に含まれる空気は、その製造材料より屈折率が低いので、これらの粒子は、非中空または非多孔質の同様の粒子より屈折率が低い。これらについては後述する。

0047

中間層は有機または無機ガラス基材、好ましくは予備成形された眼科用レンズなどの有機ガラス基材の上に形成しうる。この場合、中間層の気孔の充填を確保するものは、ポリマー材料である。このような方法は、多孔質の中間層でコートされた基材の上に1または2以上のコーティングを転写または塗布することを意味する。

0048

また中間層は、主な成形面を好ましくは光学的に透明のポリマー材料層を形成する1以上のコーティングでコートした成形型の一部の上にも形成されうる。この実施態様では、基材は有機ガラス(すなわち、実質的にポリマー)で作製される。基材は重合可能液体組成物を、1つの表面上には多孔質中間層でコートされたポリマー材料の層を形成するコーティングが付与されている成形型内で、鋳込トランスファー成形を行い、その後重合が行われることによって、原位置形成される。次に基材材料によって中間層の多孔充填を確保する。

0049

ポリマー材料を用いてその原始的な気孔を充填することによる、本発明の中間層の調製のための様々な方法の更なる詳細は説明については、参考文献として本明細書に組み込まれる、国際公開第03/056366号パンフレットの記載および添付の第5〜7図を参照されたい。

0050

本発明の物品のために適切に用いられる基材は、無機または有機ガラス、好ましくは有機ガラス基材から製造された光学的に透明な基材であればいかなるものでもよい。

0051

そのような基材用の適切な可塑性材料としては、カーボネートホモおよびコポリマー、(メトアクリルチオ((メト)アクリル、PPG社から市販されている材料CR39(R)のようなジエチレングリコールビスアリルカーボネートウレタン、チオウレタン、エポキシドエピスルフィドおよびそれらの組合せが含まれる。

0052

基材用の好ましい材料は、ポリカーボネート(PC)、ポリウレタン(PU)、ポリチオウレタン、((メト)アクリルおよびチオ((メト)アクリルポリマーである。

0053

一般に、基材の屈折率は1.55〜1.80、好ましくは1.60〜1.75の範囲である。

0054

中間層組成物を、既に形成された基材の上に被覆することになる場合は、有機または無機ガラス、例えば眼科用レンズから作成されたの基材の表面を、5%の炭酸ナトリウム溶液に加熱下で、例えば50℃(3分間)で浸漬し、その後、水およびイソプロパノールで濯ぐという工程を介して事前処理を行ってもよい。

0055

本発明によれば、中間層は、屈折率が1.55以下の1種以上のコロイド状無機酸化物のコロイド状粒子と、1種以上の導電性コロイド状金属酸化物のコロイド状粒子と、随意的に用いられる結合剤とを含有する中間層組成物から得る。

0056

一定量の屈折率が1.55以下のコロイド状粒子を用いることが必要である。理由は屈折率が2に近い導電性金属酸化物粒子だけを含有し、気孔が材料で充填されている層の屈折率は、材料自体の屈折率よりも必ず高くなるからである。従ってそのような層を、1/4波長層または、ほぼ1/4波長層として用いることはできない。

0057

コロイド状粒子調製に必要な方法は公知である。本明細書中、「コロイド」という用語が用いられる場合は、その直径(または最大寸法)が1μm未満、好ましくは150nm未満、より好ましくは100nm未満で、水、アルコールケトンエステル、またはそれらの組合せのような分散媒体中に、好ましくはエタノール、イソプロパノールのようなアルコール中に分散されている微細粒子を意味する。好ましいコロイド状粒子の直径は10〜80nm、30〜80nm、および30〜60nmの範囲である。

0058

特に、コロイド状粒子好ましくはコロイド状無機酸化物の粒子は、例えば10〜15nmの小さいサイズの粒子および、例えば30〜80nmの大きいサイズの粒子の混合物で生成されうる。

0059

また、コロイド状粒子は、例えばMgF2、ZrF4、AlF3、チオライト(Na3[Al3F14])、およびクリオライト(Na3[AlF6])のような低屈折率のフッ化物でありうる。

0060

本明細書中、これ以降の記載では、コロイド状粒子、特に屈折率が1.55以下、好ましくは1.50以下のコロイド状無機酸化物の粒子は、一般にそれぞれ、低屈折率のコロイド状粒子、および「低屈折率の」コロイド状無機酸化物と記載することにする。それらの屈折率は、好ましくは1.15以上である。

0061

低屈折率の酸化コロイド状粒子は、上述のように中空または多孔質の、シリカ粒子アルミナでドープしたシリカ粒子、無機酸化物粒子、またはそれらの組合せでありうるがそれに限定されない。一般的にはこれらは非導電性粒子である。

0062

適切に用いられるコロイド状シリカの例としては、ストーバー(Stober)方式によって調製されたコロイド状シリカが挙げられる。ストーバー方式は、簡単でよく知られている方法であり、アンモニアによって触媒されたエタノール中でエチルテトラシリカSi(OC2H5)4を加水分解および縮合する工程を含む。この方法により、エタノール中で直接シリカを得ること、準単分散された粒子集団を得ること、制御可能な粒子の粒径および粒子表面(SiO−NH4+)を得ることが可能になる。また、シリカコロイド商品名LUDOX(R)としてデュポン・ド・ヌムール社から市販されている。

0063

中空または多孔質といわれる無機酸化物粒子、光学におけるその使用、およびその調製方法は、文献中に広く記載されている。特に、国際公開第06/095469号パンフレット、特開2001−233611号公報、国際公開第00/37359号パンフレット、特開2003−222703号公報に記載されている。また、そのような粒子は、例えば多孔質シリカゾルの形態で商品名THRULYA(R)として、触媒化成工業社(CCIC)から市販されている。

0064

これらの粒子は、特にケイ素原子の上に有機基グラフトすることによって、改質しうる、あるいは、いくつかの無機酸化物を主体とする複合粒子でありうる。

0065

本発明では、低屈折率のコロイド状無機酸化物の好ましい粒子は、中空または多孔質の粒子であり、屈折率が好ましくは1.15〜1.40の範囲、より好ましくは1.20〜1.40の範囲、そして直径が好ましくは20〜150nmの範囲、より好ましくは30〜100nmの範囲である。最も好ましいものはシリカの中空粒子である。

0066

本明細書中、導電性金属酸化物という用語が用いられる場合は、随意的にドープされた導電性、または半導電性の金属酸化物を意味する。導電性金属酸化物は、一般に約1.9〜2.0の高い屈折率を有する。

0067

導電性金属酸化物の例としては、スズをドープした酸化インジウム(ITO)、アンチモンをドープした酸化スズ(ATO)、アルミをドープした酸化亜鉛、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム(In2O3)、バナジウム五酸化物、酸化アンチモン酸化セリウム亜鉛アンチモネート、インジウムアンチモネートが挙げられるがそれに限定されない。最後の2つの化合物およびその調製方法は、米国特許第6,211,274号明細書に記載されている。

0068

最も好ましいものは、スズをドープした酸化インジウムおよび酸化スズである。1つの最も好ましい実施態様においては、中間層は1種の導電性金属酸化物、すなわちスズをドープした酸化インジウム(ITO)だけを含有する。

0069

中間層組成物は、他のカテゴリのコロイド状粒子、特に屈折率が1.55以上の非導電性粒子を含有しうる。但しそれらの存在は帯電防止特性および干渉縞防止効果の提供を妨害しないことを条件とする。そのような粒子の例としては、TiO2、ZrO2、Sb2O3、Al2O3、Y2O3、Ta2O5およびそれらの組合せが挙げられるがそれに限定されない。また、SiO2/TiO2、SiO2/ZrO2、SiO2/TiO2/ZrO2、またはTiO2/SiO2/ZrO2/SnO2のような複合材料も用いられうる。

0070

中間層組成物は好ましくは低屈折率の酸化物と導電性酸化物との二元混合物を含む。

0071

本発明によれば、導電性コロイド状金属酸化物粒子の質量は、好ましくは中間層中に存在するコロイド状酸化物のコロイド状粒子の総質量の50〜97%、好ましくは55〜95%、より好ましくは60〜95%、更により好ましくは60〜90%に相当する。また、これらの割合は、中間層組成物中においても満足することが好ましい。このような導電性粒子の量は、中間層のための十分な帯電防止特性、すなわち導電率閾値を満たす特性を確保することを意図している。

0072

中間層組成物は、随意的に1種以上の結合剤を、被覆および乾燥されたコロイド層の原始的な気孔を充填する前に、その多孔質の層が、その層に存在するコロイド状粒子の総(乾燥)質量に対して、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは10〜25質量%、更により好ましくは10〜20質量%を含有する量で、含有してもよい。

0073

結合剤は一般にその影響が最終中間層の光学特性に対して有害となることなく、基材の表面に対する酸化物粒子粘着性および接合性を向上させるようなポリマー材料である。結合剤は縮合重合付加重合または加水分解を介して随意的に架橋可能である熱可塑性または熱硬化性の材料から形成されうる。また各種カテゴリに由来する結合剤の混合物を用いることができる。

0074

適切に用いられる結合剤の例は、本出願人の出願に係る国際公開第08/015364号パンフレットに記載されている。それら全ての中でより特別に記載すべきものは、メタクリレートアクリレートエポキシ、およびビニールモノマーのような、モノマーから得た、ポリウレタン、エポキシ、メラミンポリオレフィンウレタンアクリレート、およびエポキシアクリレート型の樹脂、およびそれらの結合剤である。好ましい結合剤としては、有機性で、特にポリウレタンラテックスおよび((メト)アクリルラテックス、更に特にポリウレタン型ラテックスが含まれる。

0075

本発明の好ましい実施態様においては、中間コーティング組成物は結合剤を含まない。

0076

好ましくは、中間層組成物の固形分は、前記組成物の総質量の15%未満、より好ましくは10%未満、更により好ましくは5%未満に相当する。

0077

本発明の中間層の厚みは、一般的に50〜130nm、好ましくは60〜130nm、より好ましくは75〜110nm、更により好ましくは80〜100nmの範囲で変化する。その際当然のことながらこの厚みは式(1)の範囲と合致し、帯電防止特性の提供を可能にしなければならない。この厚みは、中間層の原始的な気孔の充填の後に得られるものであり、一般に充填前の厚みとほぼ同じである。

0078

一般に、中間層の厚みが増加すると、すなわち被覆された導電性粒子の量が増えるとその帯電防止特性は向上する。

0079

最適な干渉縞減衰のためには、中間層の厚みは、光学物品に用いられる材料を考慮して、1/4波長層の理論的厚みにできるだけ近づけるべきである。

0080

一般に、中間層の原始的な気孔は、結合剤が無い場合は中間層の総容量の20容量%以上、好ましくは30容量%以上、より好ましくは40容量%以上に相当する。この多孔度(充填前)は、中間層組成物の被覆および乾燥後に得られる多孔度に対応する。

0081

本明細書中、「原始的な多孔」という用語が用いられる場合は、被覆および乾燥した中間層組成物の酸化コロイド状粒子を積層することにより本質的に生成される気孔を意味する。この原始的な多孔は、アクセス可能開気孔で、ポリマー材料または基材の材料によって独占的に充填されうるものである。従って、中間層組成物中に中空のコロイド状酸化物が用いられる場合、原始的な多孔は、ポリマー材料または基材の材料に到達不可能な、これら中空酸化物の気孔を含まない。

0082

中間層が結合剤を含む場合は、この層の原始的な多孔度は、結合剤によって占有される容積を考慮した残りの多孔度に相当するが、次層または基材の材料から生成された充填材料によって充填される前のものである。それは、中間層の総容量の、好ましくは20容量%以上、より好ましくは30容量%以上に相当することが好ましい。

0083

コロイド状中間層組成物は、好ましくは基材の上、または状況によってはポリマー材料の層の上に、ディップコートにより被覆される。またスピンコートによって被覆してもよい。一般には、その上に被覆が行われる支持体液体中間層組成物中に浸漬する。その際、被覆される厚みはゾルの固形分、粒子の粒径、およびディウエティング速度に依存する(ランダウ−レヴィッチ則(Landau−Levich law))。

0084

このように、コーティング組成物、粒子の粒径、基材およびポリマー性コーティングの屈折率がわかると、中間層の所望の厚みや期待の厚みを達成するために必要なディウエッティング速度を決定することができる。

0085

被覆した層が乾燥した後、多孔質のコロイド状酸化物層が予想した厚みで得られる。層の乾燥は、温度範囲20〜130℃、好ましくは20℃〜120℃、より好ましくは室温(20〜25℃)において実施しうる。

0086

好ましくは本発明において用いられるポリマー材料層は、20ミリジュール/m2と同等またはそれより高い、好ましくは25ミリジュール/m2と同等またはそれより高い、より好ましくは30ミリジュール/m2と同等またはそれより高い表面エネルギーを有する。

0087

表面力エネルギーは、次の文献に記載されているオーエンズウェンドの方法(Owens−Wendt method)に従って計算される:「Estimation of the surface force energy of polymers(ポリマーの表面力エネルギーの計算)」Owens D.K.、Wendt R.G.(1969)、J.APPL.POLYM.SCI.、13、1741〜1747。

0088

原則的には、ポリマー材料の記載は、中間層の多孔のための充填材料として用いられる実施態様の文脈にある。しかし基材の材料が充填材料として用いられる場合、次の記述も適用する。

0089

充填ポリマー材料を導く組成物は本質的に1種(または2以上)の非フッ素化化合物(類)を含有する。

0090

好ましくは充填ポリマー材料を導く組成物は、組成物の固形分を形成する化合物の総質量に対して、非フッ素化化合物を80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更により好ましくは95質量%以上、最も好ましくは100質量%含有する。本明細書中、固形分という用語が用いられる場合は、溶媒を100℃までの温度で真空下で蒸発させたときに残る固体材料を意味する。

0091

一般的には、充填ポリマー材料中のフッ素レベルは、5質量%未満であり、好ましく1質量%未満であり、より好ましくは0質量%である。

0092

充填した後の中間層の多孔度(容積)は20%、10%、5%、3%、のいずれよりも低いことが好ましく、0%であることが更により好ましい。既に定義した原始的な多孔に関し、充填後の多孔度は、随意的に用いられる中空酸化物コロイド状粒子の「閉気孔率」を考慮しない。従って、原始的な気孔が完全に充填された中間層は、本発明によれば、たとえ中空のコロイド状酸化物粒子を含有していたとしても多孔性がないことになる。

0093

本発明で用いられる充填材料は、モノマー、オリゴマー、ポリマー、またはそれらの組合せの形態でありうる。

0094

充填後、充填材料は基材表面に接触し(充填材料が基材の材料ではなく、プライマー層または磨耗防止層のような他の層である場合)、それによって中間層が基材に接着可能になる。

0095

中間層の原始的な多孔の充填を確保するポリマー材料層は、一般に、ディップコート、またはスピンコートによって形成され、好ましくはディップコートにより形成される。

0096

中間層に直接接触しているポリマー材料層は、好ましくは透明材料の層である。それは、機能材料、例えば接着プライマーコーティングおよび/または耐衝撃性プライマーコーティングの層、磨耗防止コーティングおよび/または耐引掻きコーティングの層または反射防止コーティングの層であってもよい。またそれは接着剤組成物層であってもよい。本発明によるポリマー材料の層は、好ましくはプライマー層である。

0097

このようなプライマー層は、光学分野、特に眼科光学で従来から用いられているものであればどのようなものでもよい。

0098

一般的にこれらのプライマー、特に耐衝撃性プライマーは((メト)アクリルポリマー、ポリウレタン、ポリエステルを主体とするコーティング、あるいはエポキシ/((メト)アクリレートコポリマーを主体とするコーティングである。

0099

(メト)アクリルポリマーを主体とする耐衝撃性コーティングは、米国特許第5,015,523号明細書および米国特許第5,619,288号明細書等に記載され、一方架橋した熱可塑性ポリウレタン樹脂を主体とするコーティングは特開昭63−141001号公報および特開昭63−87223号公報、欧州特許第040411号明細書および米国特許第5,316,791号明細書等に記載されている。

0100

特に、本発明の耐衝撃性プライマーは、例えば仏国特許出願公開第2.790.317号明細書に記載されているようなコア‐シェル型を含むポリ((メト)アクリルラテックス、ポリウレタンラテックス、あるいはポリエステルラテックスから生成されうる。

0101

特に好ましい耐衝撃性プライマーコーティング組成物としては、ゼネカ社が商品名A−639で販売しているアクリルラテックス、および商品名W−240およびW−234としてバクセンデン社から販売されているポリウレタンラテックスが挙げられる。

0102

ラテックスは、好ましくは粒子の粒径が≦50nm、より好ましくは≦20nmのものが選択される。

0103

一般に、硬化後の耐衝撃性プライマー層の厚みは、0.05〜20μm、好ましくは0.5〜10μm、より好ましくは0.6〜6μmの範囲である。最適な厚みは、一般に0.5〜2μmの範囲である。

0104

磨耗防止コーティングは光学分野、特に眼科用光学分野で従来から用いられている磨耗防止コーティングであればどのようなものでもよい。

0105

磨耗防止コーティングは、磨耗防止コーティングを含まない同等の物品に比較して、最終光学物品の耐摩耗性が改善されているコーティングであると定義される。

0106

好ましい磨耗防止コーティングは、1種またはそれ以上のアルコキシシラン(類)(好ましくは1種またはそれ以上のエポキシアルコキシシラン(類))またはそれらのヒドロリザートを含有する組成物、好ましくはコロイド状酸化物充填物のような無機コロイド状充填物を含有する組成物を硬化することを介して得られるものである。

0107

特定の態様によると、好ましい磨耗防止コーティングは、1種またはそれ以上のエポキシアルコキシシランまたはそれらのヒドロリザート、シリカおよび硬化触媒を含有する組成物の硬化を介して得られるものである。そのような組成物の例は、国際公開第94/10230号パンフレットおよび米国特許第4,211,823号明細書、米国特許第5,015,523号明細書、ならびに欧州特許第614957号明細書に開示されている。

0108

特に好ましい磨耗防止コーティング組成物は、例えばγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GLYMO)のようなエポキシアルコキシシラン、ジメチルジエトキシシランDMDES)のようなジアルキルジアルコキシシラン、コロイド状シリカおよび触媒量のアルミニウムアセチルアセトネートのような硬化触媒またはそのような成分のヒドロリザートを主要な成分として含有するものである。組成物の他の成分は本質的に従来からそのような組成物の賦形に用いられてきた溶媒および随意的に用いられる1または2以上の界面活性剤からなる。

0109

磨耗防止コーティングの接着性を改善するため、特にコートされる基材がインモールドキャスティング技術またはIMCを用いて作成されている場合は、磨耗防止コーティング組成物は随意的に有効量のカップリング剤を含有しうる。

0110

一般にはそのようなカップリング剤はエポキシアルコキシシランおよび不飽和アルコキシシラン予備凝縮溶液であり、好ましくは終端二重エチレン結合を含む。これらの化合物は、本出願人による国際公開第03/056366号パンフレットに詳細に記載されている。一般には、磨耗防止コーティング組成物中に導入するカップリング剤の量は、組成物の総質量に対して、0.1〜15質量%、好ましくは1〜10質量%に相当する。

0111

硬化後の磨耗防止コーティングの厚みは、通常1〜15μm、好ましくは2〜6μmの範囲である。

0112

耐衝撃性プライマー組成物および磨耗防止コーティング組成物のようなポリマー材料組成物は、熱および/または照射によって硬化しうる。好ましくは熱硬化しうる。

0113

既に記載したように、最も明らかなこととして、この材料が充填材料として用いられる場合は、プライマー層または磨耗防止コーティングの材料は中間層の多孔に浸透し少なくとも部分的に充填する。

0114

本発明の光学物品は、随意的に、好ましくは磨耗防止コーティングの上に反射防止コーティングを含みうる。

0115

反射防止コーティングは、光学分野、特に眼科用光学分野で従来から用いられる反射防止コーティングであればいかなるものでもよい。

0116

例として、反射防止コーティングは、単層または多層膜の形態で、SiO、SiO2、Si3N4、TiO2、ZrO2、Al2O3、MgF2もしくはTa2O5またはそれらの混合物のような誘電材料から構成される。したがって、レンズと空気の界面において反射の発生を防止することが可能である。

0117

このような反射防止コーティングは、一般に真空コートを介して、特に随意的にビームアシストを行う真空蒸着を介して、イオンビームによる気化を介して、スパッタリングを介して、またはプラズマアシスト化学気相蒸着を介して適用される。

0118

また真空コートに加えて、高い(>1.55)または低い(=1.55)屈折率を有するシランヒドロリザートおよびコロイド状材料を含有する液体組成物を用い、湿式ゾルゲルルートを介して無機層を適用することも考えられる。シランを主体とするハイブリッド有機/無機マトリックスを含有し、中にコロイド状材料が分散されて各層の屈折率を調整するようなコーティングが、例えば、仏国特許第2858420号明細書に記載されている。このカテゴリの組成物は、本発明によるポリマー材料層を形成するために用いられ、特に、中間層の原始的な多孔のための充填材料として用いられうる。

0119

反射防止コーティングが1つの単層を含む場合、その光学的厚みは、好ましくは、λ/4(λは450〜650nmの範囲の波長)に等しくあるべきである。

0120

3層を含む多層膜の場合は、各光学的厚みに対応して、λ/4、λ/2、λ/4またはλ/4、λ/4、λ/4のいずれかの組合せを用いうる。更に、上述の3層の一部である任意の数層ではなく、それ以上の多層で形成された等価膜も用いることができる。

0121

本発明による方法の特定の実施態様を以下に説明する。

0122

中間層の原始的な多孔を充填するポリマー材料の層は、接着剤組成物層でありうる。本出願人による国際公開第03/056366号パンフレットにおいて、特にその出願の図6に詳細に説明されている実施態様を本発明に適応することができる。以下に概要だけ記載する。

0123

この実施態様では、コーティングまたコーティングの積層を、本発明の、随意的に結合剤を含み、乾燥した多孔質のコロイド状層をコートした予備成形または基材の上に転写することによって、帯電防止および干渉縞防止層を含む光学物品を得る。

0124

好ましくは可塑性の成形型(または支持)の表面に、単層または多層の積層を形成する。その際、例えば反射防止コーティング、磨耗防止および/または耐引掻性ハードコート層、およびプライマー層などの順に形成する。反射防止コーティング、磨耗防止および/または耐引掻性およびプライマーの各層は、少なくとも部分的に乾燥および/または硬化していることが好ましい。

0125

次に適量の接着材料を多孔質の中間層の上、あるいは上述の例ではプライマー層である多層積層の外側表面の上のいずれかに被覆する。しかし好ましくは多孔質の中間層の上に被覆し、その後、その多孔質の中間層を含む基材を、成形型に搭載した単層または多層のコーティング全体に対して押圧する。また接着組成物を成形型に搭載された中間層と積層の間に射出してもよい。

0126

接着組成物が硬化した後、成形型を取除いて本発明による光学物品を得る。

0127

この実施態様においては、中間層の原始的な気孔が接着組成物によって充填され、それによって中間層に直接接触するポリマー材料の層を形成する。この接着層は、単層または多層の積層を中間層に確実に接着させ、それによってそれ自体基材に接合する。

0128

好ましくは、接着組成物は、例えば紫外線照射を介して硬化する照射硬化可能な有機材料である。それは随意的に耐衝撃特性を有する。そのような材料の例は、米国特許第5,619,288号明細書に記載されている。

0129

このようにして形成された本発明の中間層は、特に接着組成物を形成する材料との屈折率差が大きい時に干渉縞の制限または除去を行う。

0130

本発明の別の実施態様では、中間層の原始的な気孔の充填は基材の材料によって確保する。本出願人による国際公開第03/056366号パンフレット、特にこの出願の図7に詳細に記載されている実施態様を本発明に適用することができる。以下では概要だけ示すが、好ましくはいわゆるインモールドコート型方法(IMC)を用いる。

0131

従来から眼科用レンズの製造に用いられているツーパート成形型の第1パートの適切な部分の上に、単層または多層の積層を形成する。その際、例えば防汚層、反射防止コーティング、磨耗防止および/または耐引掻性ハードコート層、およびプライマー層などの順に形成する。その後、多層の積層の外側表面の上に、すなわち、上述の例ではプライマー層の上に、好ましくはスピンコート、またはディップコートを介し、本発明によって必要とされる厚みと多孔度の値を有するコロイド状酸化物中間層を形成する。

0132

成形型のツーパートを接着シールを用いて組立て、液体モノマーの組成物を成形型キャビティの中に射出し、それを硬化させ基材を形成する。成形型を取り出した後に、本発明による光学物品を得る。

0133

好ましくは本発明の光学物品は、可視域において吸収を行わない、あるいは僅かしか行わない。すなわち本出願によると、その視感透過率(Tv係数)は85%より上、より好ましくは90%より上、更に好ましくは91%より上であることを意味する。実験セクションではこの透明度特性は、中間層中の導電性金属粒子の存在に関わらず、これらの粒子の適切な量と、適切な厚みを選択することによって得られることを示している。

0134

透過率Tvは、国際規格ISO13666(1998)において定義され、国際規格ISO8980−3に従って測定される。それは380〜780nmの波長範囲において定義される。

0135

以下の実施例は、本発明を更に詳細に説明するために示されたものであり、これに限定するものではない。

0136

1)方法
a)放電時間の評価
光学物品を−9000ボルトのコロナ放電に30ms間暴露した後に、室温(25℃)において、放電時間測定装置JCI155(ジョン・チャインツルメンテーション社製)を用いて、製造元仕様に従ってその光学物品の放電時間を測定した。
コロナ放電処理を行ったガラスの表面の荷電および放電を測定するこれらの実験中に、次の2つのパラメータを測定した:ガラス表面で測定した最大電圧、Umaxと表記、および最大電圧が1/e=36.7%に到達するまでに必要とした時間、これは放電時間に相当する。
この装置によって測定される値がガラス形状に依存するため、各種ガラス特性を比較するためには、使用するガラスのパワーは厳密に同じでなければならない。
本特許出願の文脈においては、ガラスはその放電時間が200ミリ秒未満である場合に帯電防止性であると定義する。

0137

b)干渉縞レベルの評価
干渉縞レベルの評価は目視で行う。
眼科用レンズのパワーは一般には−4.00である。
ウォルドマン照明を用い反射に関して眼科用レンズの観察を行った。
レンズは干渉縞が蛍光ランプに対して直角になるような向きに配置しなければならない。基準レンズとして同じレンズであるが本発明の干渉縞防止層を含まないレンズを用いることで比較が有効になる。(表4参照)

0138

c)反射
国際規格ISO13666−98に定義され、国際規格ISO8980−4に従って測定する光学反射の測定値RmおよびRvは、−4.00レンズの凸面(1面だけ測定)において実施した。
帯電防止層の各膜厚に関して、3個のレンズ上で測定を実施した。各レンズについて、レンズの端から15mmにおいて2回測定した。結果は測定平均に相当する。

0139

2)使用材料
以下のコロイドを使用した:
a)CCIC社によって提供されたITOコロイド:ELCOM NE−1001IT(R)(20質量%)。ITO粒子の屈折率は1.95であり、密度は8.7である。
b)デュポン・ド・ヌムール社によって提供されたシリカコロイド:LUDOX(R) CL−P(40質量%)。シリカ粒子の屈折率は1.48であり、密度は2.4である。
c)CCIC社から提供された中空のSiO2コロイド:Thrulya−200W(20質量%)。この懸濁液は好ましくは使用前に5マイクロメートルにろ過する。中空のシリカ粒子の屈折率は1.35であり、密度は1.2である。

0140

3)中間層組成物の調製
以下の3種の中間層組成物を調製した:

0141

最初に、シリカコロイドまたは中空のシリカコロイドを、エタノール部に20分間結合させ、次にITOコロイドおよび残余のエタノールを加えた。次に混合物を更に20分撹拌した。その結果の組成物はろ過しないで冷蔵室保管した。各成分が同じ温度になったときに、それらを一緒に混合した。

0142

4)帯電防止および干渉縞防止ガラスの調製の一般的な手順
中間層組成物は調製した後に被覆することが好ましい。これらの調製物を保管する場合、相分離が起こる可能性がある。その場合は被覆する前に組成物を30分間撹拌して、再び均質にする必要がある。最良の被覆を得るためには湿度調整条件下で作業を行うことが推奨される。

0143

3種の中間層組成物を4.7cm/mnから最大28.5cm/mnまでの範囲の各速度でディップコートによって被覆した。同じ中間層組成物に関して被覆速度高速の場合は、より厚くてより多孔質の層を得た。本発明の解釈を限定することは望まないが、ディウエッティング速度が遅くなるとコロイドの積層がコンパクトになり、溶媒の蒸発前にコロイドが積層にかかる時間が長くなると、出願人は考える。

0144

熱硬化ポリチオウレタン基材(眼科用レンズ)の凸面および凹面をディップコートすることによって被覆を行った。この基材は、MITSUI company社から市販され、その屈折率は1.6(実施例3)または1.67(実施例1、2)であり、事前洗浄されている。1組の6個のレンズ(3枚の+4.00レンズおよび3枚の−4.00レンズ)で各被覆手順を実行した。

0145

レンズを次に周囲空気および室温条件下で4分間乾燥させた。次に被覆および乾燥させたコロイド層(多孔質の層)の厚みおよび屈折率を、RMS(反射測定ステム)によって測定した。測定した値を以下の表に示す。

0146

乾燥および冷却した後、コロイド層を、ポリエステル単位を含有するポリウレタンラテックス(Witcobond(R) 234,バクセンデンケミカルズ社製)を主体とする耐衝撃性プライマー層でディップコートした。この層を、75℃において15分間予備重合させ、屈折率1.50のコーティングを得る。コロイドを主体とする中間層には低膨張が起こる場合があるが、Witcobond(R) 234ラテックスの拡散のため、その厚みは大きく変化しなかったことが観察された。

0147

最後に、欧州特許第0614957号明細書の実施例3に開示された、GLYMOおよびDMDESヒドロリザート、コロイド状シリカおよびアルミニウムアセチルアセトネートを主体とする磨耗防止性および耐引掻性コーティングハードコート)(屈折率は1.50)をプライマーコーティングの上に、ディップコートにより被覆し、その後、75℃で15分間予備重合させた。最後に積層全体を100℃で、3時間の間重合させた。

0148

コートされた凸面の放電時間および最終光学物品の透過率を測定した。その結果を以下の表に示した。本発明に従って製造されたものではない物品は、淡色表示線で示してある。

0149

5)実施例1および2
中間層は、屈折率が1.67の基材と屈折率が1.50のプライマーコーティングとの間に形成する。1/4波長層の理論的特性は以下のとおりである:

0150

実施例1(中間層組成物1)の結果

0151

第1表〜第3表に示す乾燥コロイド層の原始的な多孔度pは、この多孔質の層の屈折率の値(n1、RMSを用いて測定した値)と、この層のバックボーン平均屈折率(n2、高密度すなわちアクセス可能な気孔がないと推定される材料に関して算出された値)とから次式(線形近似法)を用いて算出した:

0152

多孔質のコロイド層バックボーンの平均屈折率n2は次式を用いて算出する。SiO2/ITOの二元バックボーンに適用可能である:



式中、XmSiO2は多孔質の層の粒子の総質量に対するシリカ粒子の質量比率、XmITOは多孔質の層の粒子の総質量に対するITO粒子の質量比率(ここで、XmSiO2+XmITO=1)、ρSiO2はシリカ粒子の密度、ρITOはITO粒子の密度、nSiO2はシリカ粒子の屈折率、nITOはITO粒子の屈折率を表す。

0153

中間層の理論的屈折率n3は、耐衝撃性プライマー組成物の材料によって気孔が完全に充填されていると仮定した場合、この層の屈折率に対応する。それは次式(線形近似法)によって算出する:



式中、p(充填前の多孔度)およびn2は、既に記載したものと同じ意味を有し、nprimerはプライマー層の屈折率(1.5)である。
この計算では、中空または多孔質のコロイドの中には充填は行われない(コロイドの気孔は、充填材料に対してアクセス可能ではない)と仮定する。

0154

実施例2(中間層組成物2)の結果

0155

6)実施例3
中間層は屈折率が1.6の基材と、屈折率が1.50のプライマーコーティングとの間に形成する。1/4波長層の理論的特性は次のとおりである:

0156

実施例3(中間層組成物3)の結果

0157

7)比較実施例
基材とプライマーコーティングとの間に中間層を持たないこと以外は、実施例1〜3において調製されたものと同様のガラス特性の評価も行った。基材の屈折率に依存して、2組調製した(1.67:比較実施例1;1.6:比較実施例2)。

0158

比較実施例(中間層無し)の結果

0159

得られた結果についてのコメント
第1表〜第3表では、中間層を有し、同時に帯電防止特性(放電時間200ms未満)を有し、そして干渉縞の認識を有意に制限する特性を有する光学物品のいくつかの例を示す。

0160

本発明による中間層を含まない積層を用いた比較試験による比較により、この層の存在によって干渉縞の程度が有意に低減されることが明らかになる。

0161

第1表〜第3表では、無機物の干渉縞レベルを求める試験は太字で示されている。1/4波長層の理論的特性に最も近い厚みおよび屈折率特性を有する中間層を用いることで、干渉縞認知の低減に関しては最良の結果が得られることが論理的に明らかになる。

0162

得られた透過率の値は、体系的には91%より高く、そして平均では91.5%より高い。

0163

レンズの屈折率が1.6〜1.67の範囲で、コーティングの屈折率が1.50のレンズに関しては、本発明によるレンズの反射レベルRmは、最大で1面につき約0.6%低下する。これは、両面について反射レベルの約1.2%の改善(すなわち、低減)に相当し、1/4波長層を持たない同等のレンズに比べて、およそ1.2%の透過率利得が得られる。

0164

なお、SiO2/ITO混合物を用いる場合は、実施例3の体系(屈折率が1.6の基材/屈折率が1.5のプライマー)では、中間層で帯電防止性の1/4波長層またはほぼ1/4波長層を得ることができない。そのようなコロイド系を使用した結果得られる1/4波長またはほぼ1/4波長層は、中空のSiO2/ITOコロイド系を使用した結果得られる1/4波長またはほぼ1/4波長層に比べて、十分な帯電防止特性を提供しないことは確かである。

実施例

0165

最後に、試験を実施した結果から、所定の中間層組成物に関して中間層の厚みを2倍にし、同時に層の多孔度も2倍にすると、放電時間が1000分の1になることがわかる(第3表参照)。有効に被覆されるITO粒子の量が第3表の最初と最後の試験の間で約50%増加したことが計算によってわかる。

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