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課題・解決手段
請求項1
流体吸収性コアを製造するための方法であって、(i)繊維状材料と、1000μm未満の粒径、200〜600μmの中間粒径、20質量%未満の水分含量、少なくとも0.84の平均球形度および少なくとも10%の浮遊粒子分(FPF)を有する10〜95質量%の流体吸収性ポリマー粒子とを混合すること、および(ii)得られた混合物を圧縮することを含み、圧縮(ii)を、コア(C)が、D<β×0.14g/cm3+0.18g/cm3[式中、Dは、コア(C)の密度であり、βは、コア(C)における流体吸収性ポリマー粒子の質量分率である]の密度を有するように実施する前記方法。
請求項2
(A)上部液体透過層と、(B)下部液体不透過層と、(C)繊維状材料、ならびに1000μm未満の粒径、200〜600μmの中間粒径、20質量%未満の水分含量、少なくとも0.84の平均球形度および少なくとも10%の浮遊粒子分(FPF)を有する10〜80質量%の流体吸収性ポリマー粒子とを含む、前記層(A)と前記層(B)の間の流体吸収性コアとを含む流体吸収性物品であって、コア(C)は、D<β×0.14g/cm3+0.18g/cm3[式中、Dは、コア(C)の密度であり、βは、コア(C)における流体吸収性ポリマー粒子の質量分率である]の密度を有する、前記流体吸収性物品。
請求項3
流体吸収性ポリマー粒子は、少なくとも8質量%の水分を有する請求項1または2のいずれか1項に記載の流体吸収性物品。
請求項4
請求項5
前記流体吸収性コアが、少なくとも9gの流体吸収性ポリマー粒子を含む、請求項2から4までのいずれか1項に記載の流体吸収性物品。
請求項6
少なくとも90質量%の前記流体吸収性ポリマー粒子が100〜800μmの直径を有する、請求項2から5までのいずれか1項に記載の流体吸収性物品。
請求項7
請求項8
前記繊維状材料が親水性である、請求項2から7までのいずれか1項に記載の流体吸収性物品。
請求項9
請求項10
請求項11
前記コア(C)の上面面積が、少なくとも200cm2である、請求項2から10までのいずれか1項に記載の流体吸収性物品。
請求項12
繊維状材料は合成繊維状材料である、請求項2から11までのいずれか1項に記載の流体吸収性物品。
目次
技術分野
0001
本発明は、流体吸収性コアを製造するための方法であって、繊維状材料と、低水分含量および低い見掛け密度を有する流体吸収性ポリマー粒子とを混合すること、および得られた混合物を特定の条件下で圧縮することを含む方法に関する。
0002
流体吸収性ポリマーの製造は、論文"Modern Superabsorbent Polymer Technology",F.L.Buchholz and A.T.Graham,Wiley−VCH,1998、71〜103頁に記載されている。
0003
流体吸収性物品は、また、論文"Modern Superabsorbent Polymer Technology"、252〜258頁に記載されている。
0004
モノマー溶液液滴の重合による球状流体吸収性ポリマー粒子の製造は、例えば、EP0348180A1、WO96/40427A1、US5,269,980、DE10314466A1、DE10340253A1、DE10 2004024437A1、DE102005002412A1、DE102006001596A1、WO2008/009580A1、WO 2008/009598A1、WO2008/009599A1およびWO2008/009612A1、ならびに先行するPCT出願PCT/EP2008/051336およびPCT/EP2008/051353に記載されている。
0005
液滴を囲む気相におけるモノマー溶液液滴の重合(「滴下重合」)により、高い平均球形度(mSPHT)の丸形流体吸収性ポリマー粒子が提供される。平均球形度は、ポリマー粒子の丸みの尺度であり、例えば、Camsizer(登録商標)画像分析システム(Retsch Technology GmbH;Haan;ドイツ)で測定することができる。滴下重合によって得られる流体吸収性ポリマー粒子は、典型的には、中空球体である。
0006
本発明の目的は、特性が向上した流体吸収性物品、すなわち49.2g/cm2の荷重下吸収度を有し(AUHL)、流体吸収性コア内のその移動が小さい流体吸収性ポリマー粒子と、耐久性流体吸収性コアとを含む流体吸収性物品を提供することであった。
0007
該目的は、
流体吸収性コアを製造するための方法であって、
(i)繊維状材料と、1000μm未満の粒径、200〜600μmの中間粒径、20質量%未満の水分含量、少なくとも0.84の平均球形度および少なくとも10%の浮遊粒子分(FPF)を有する10〜95質量%の流体吸収性ポリマー粒子とを混合すること、および
(ii)得られた混合物を圧縮することを含み、
圧縮(ii)を、コア(C)が、
D<β×0.14g/cm3+0.18g/cm3
[式中、
Dは、コア(C)の密度であり、
βは、コア(C)における流体吸収性ポリマー粒子の質量分率である]の密度を有するように実施する方法によって達成される。
0008
高浮遊粒子分(FPF)を有する流体吸収性ポリマー粒子は、感圧性であり、圧縮ii)中に劣化する。一方、圧縮ii)は、毛管効果(毛管力および流速)が最適化された耐久性流体吸収性コアを得るために必要である。
0009
荒い縁を有する粗粒子は目立ち、消費者に拒絶されるため、超薄型流体吸収性物品は、荒い縁を有する粗粒子を含まない流体吸収性ポリマー粒子を必要とする。製造時に磨砕が必要であるため、ゲル重合によって製造された流体吸収性ポリマー粒子は、そのような荒い縁を有する。したがって、逆懸濁重合によって製造された丸形流体吸収性ポリマー粒子が好適である。
0010
逆懸濁重合によって製造された流体吸収性ポリマー粒子は、低浮遊粒子分(FPF)または高い見掛け密度を有する。低浮遊粒子分(FPF)と粒子の丸みを組み合わせると、流体吸収性ポリマー粒子が流体吸収性コア内で移動する傾向が強くなる。
0011
滴下重合によって製造された流体吸収性粒子は、中空球体であり、丸みと高浮遊粒子分(FPF)を兼ね備える。
0012
別の本発明の目的は、
(A)上部液体透過層と、
(B)下部液体不透過層と、
(C)繊維状材料、ならびに1000μm未満の粒径、200〜600μmの中間粒径、20質量%未満の水分含量、少なくとも0.84の平均球形度および少なくとも10%の浮遊粒子分(FPF)を有する10〜95質量%の流体吸収性ポリマー粒子とを含む、前記層(A)と前記層(B)の間の流体吸収性物品であって、コア(C)は、
D<β×0.14g/cm3+0.18g/cm3
[式中、
Dは、コア(C)の密度であり、
βは、コア(C)における流体吸収性ポリマー粒子の質量分率である]の密度を有する、流体吸収性物品によって達成される。
0013
流体吸収性コア(C)は、繊維状材料と、好ましくは20〜80質量%、より好ましくは25〜70質量%、最も好ましくは30〜60質量%の流体吸収性ポリマー粒子とを含む。
0014
本発明の流体吸収性物品に使用可能な流体吸収性ポリマー粒子は、好ましくは19質量%未満、より好ましくは18質量%未満、最も好ましくは17質量%未満の水分含量を有する。
0015
発明の流体吸収性物品に使用可能な流体吸収性ポリマー粒子は、好ましくは少なくとも0.86、より好ましくは少なくとも0.88、および最も好ましくは少なくとも0.9の平均球形度を有する。球形度(SPHT)は、
[式中、
Aは、断面積であり、
Uは、ポリマー粒子の断面円周である]で定義される。平均球形度は、容積平均球形度である。
0016
平均球形度は、例えば、Camsizer(登録商標)画像解析システム(Retsch Technology GmbH;Haan;ドイツ)で測定することができる。
0017
測定に際して、製造物は漏斗を介して導入され、計量チャネルを備えた落下シャフトに運ばれる。粒子は光壁に沿って落下する間に、カメラによって選択的に記録される。記録された画像は、選択されたパラメータに従ってソフトウェアにより評価される。
0018
丸みを特徴づけるため、プログラムにおいて球形度として指定されたパラメータが採用される。報告されるパラメータは、平均容積加重球形度であり、粒子の容積は、等価直径xcminを用いて測定される。等価直径xcminを測定するため、合計32個の異なる空間方向に対する最長の弦直径が、それぞれの場合において測定される。等価直径xcminは、これらの32個の弦直径のうち最短である。粒子を記録するため、所謂CCDズームカメラ(CAM−Z)が使用される。計量チャネルを制御するため、カメラの検出窓における0.5%表面被覆率(透過率)が予め定義される。
0020
通例の溶液重合(ゲル重合)によって製造された流体吸収性ポリマー粒子を乾燥後に粉砕および分級して、不規則なポリマー粒子を得る。これらのポリマー粒子の平均球形度は、約0.72〜約0.78である。
0021
本発明の流体吸収性物品に使用可能な流体吸収性ポリマー粒子は、好ましくは少なくとも12%、より好ましくは少なくとも13%、最も好ましくは少なくとも14%の浮遊粒子分(FPF)を有する。
0022
発明の流体吸収性物品に使用可能な流体吸収性ポリマー粒子は、好ましくは少なくとも8質量%、より好ましくは少なくとも10質量%、最も好ましくは少なくとも12質量%の水分含量を有する。
0023
本発明の流体吸収性物品に使用可能な流体吸収性ポリマー粒子は、疎水性溶媒の含有量が好ましくは0.005質量%未満、より好ましくは0.002質量%未満、最も好ましくは0.001質量%未満である。疎水性溶媒の含有量を、例えばヘッドスペース法を用いてガスクロマトグラフィーによって測定することができる。
0024
逆懸濁重合によって得られた流体吸収性ポリマー粒子は、反応媒体として使用される典型的には約0.01質量%の疎水性溶媒をさらに含む。
0025
発明の流体吸収性物品に使用可能な流体吸収性ポリマー粒子は、分散剤含有量が、典型的には1質量%未満、好ましくは0.5質量%未満、より好ましくは0.1質量%未満、および最も好ましくは0.05質量%未満である。
0026
逆懸濁重合によって得られた流体吸収性ポリマー粒子は、懸濁を安定させるために使用される典型的には少なくとも1質量%の分散剤、すなわちエチルセルロースをさらに含む。
0027
流体吸収性コア(C)は、好ましくは少なくとも9g、より好ましくは少なくとも10g、最も好ましくは少なくとも12gの流体吸収性ポリマー粒子を含む。
0028
本発明による流体吸収性物品に使用可能な流体吸収性ポリマー粒子は、遠心分離保持能(CRC)が、典型的には少なくとも10g/g、好ましくは少なくとも15g/g、好ましくは少なくとも20g/g、より好ましくは少なくとも25g/g、最も好ましくは少なくとも30g/gである。流体吸収性ポリマー粒子の遠心分離保持能(CRC)は、典型的には50g/g未満である。
0029
本発明による流体吸収性物品に使用可能な流体吸収性ポリマー粒子は、食塩水流れ誘導性(SFC)が、典型的には少なくとも5×10-7cm3s/g、好ましくは少なくとも15×10-7cm3s/g、好ましくは少なくとも35×10-7cm3s/g、より好ましくは少なくとも120×10-7cm3s/g、最も好ましくは少なくとも200×10-7cm3s/gである。流体吸収性ポリマー粒子の食塩水流れ誘導性(SFC)は、典型的には、500×10-7cm3s/g未満である。
0030
本発明の好適な実施形態において、流体吸収性コアは、32〜60g/gの遠心分離保持能(CRC)を有する10〜50質量%の流体吸収性ポリマー粒子を含む。
0031
本発明の他の好適な実施形態において、流体吸収性コアは、35〜100×10-7cm3s/gの食塩水流れ誘導性(SFC)を有する40〜80質量%の流体吸収性ポリマー粒子を含む。
0032
本発明の他の好適な実施形態において、流体吸収性コアは、50〜150×10-7cm3s/gの食塩水流れ誘導性(SFC)を有する55〜95質量%の流体吸収性ポリマー粒子を含む。
0033
発明の詳細な説明
A.定義
本明細書に使用されるように、「流体吸収性組成物」という用語は、体液の取得、輸送、分配および貯蔵を含む流体吸収性物品の流体処理に主として関与する流体吸収性物品の成分を指す。
0034
本明細書に使用されているように、「流体吸収性コア」という用語は、繊維状材料および流体吸収性ポリマー粒子を含む流体吸収性組成物を指す。流体吸収性コアは、体液の取得、輸送、分配および貯蔵を含む流体吸収性物品の流体処理に主として関与する。
0035
本明細書に使用されているように、「層」という用語は、その一次的な次元が長さおよび幅に沿う流体吸収性組成物を指す。「層」という用語は、流体吸収性組成物の単一の層またはシートに必ずしも限定されないと理解されるべきである。したがって、層は、異なる材料のいくつかのシートまたはウェブの積層体、複合体、組合せを含みうる。
0036
本明細書に使用されるように、「x次元」という用語は長さを指し、「y次元」という用語は、流体吸収性組成物、層、コアまたは物品の幅を指す。一般に、「x−y次元」という用語は、流体吸収性組成物、層、コアまたは物品の高さまたは厚みに直交する平面を指す。
0037
本明細書に使用されているように、「z次元」という用語は、流体吸収性組成物、層、コアまたは物品の長さおよび幅に直交する次元を指す。一般に、「z次元」という用語は、流体吸収性組成物の高さを指す。
0039
本明細書に使用されているように、「基本質量」という用語は、1平方メートル当たりの流体吸収性コアの質量を指し、それは、流体吸収性物品のシャーシを含む。基本質量は、流体吸収性コアの個別の領域で測定される:前方総平均は、コアの中心の5.5cm前方からコアの前方遠端の流体吸収性コアの基本質量であり;侵襲域は、コアの中心の5.5cm前方および0.5cm後方の流体吸収性コアの基本質量であり;後方総平均は、コアの中心の0.5cm後方からコアの後方遠端の流体吸収性コアの基本質量である。
0040
本明細書に使用されているように、「密度」という用語は、1容積当たりの流体吸収性コアの質量を指し、それは、流体吸収性物品のシャーシを含む。密度は、流体吸収性コアの個別の領域で測定される:前方総平均は、コアの中心の5.5cm前方からコアの前方遠端の流体吸収性コアの密度であり;侵襲域は、コアの中心の5.5cm前方および0.5cm後方の流体吸収性コアの密度であり;後方総平均は、コアの中心の0.5cm後方からコアの後方遠端の流体吸収性コアの密度である。
0041
さらに、「上部」という用語は、流体吸収性物品の着用者により近い流体吸収性組成物を指すことが理解されるべきである。一般に、トップシートは、流体吸収性物品の着用者に最も近い組成物であり、以後「上部液体透過層」と記載する。対照的に、「下部」という用語は、流体吸収性物品の着用者から離れた流体吸収性組成物を指す。一般に、バックシートは、流体吸収性物品の着用者から最も離れた組成物であり、以後「下部液体不透過層」と記載する。
0045
本明細書に使用されているように、「親水性」という用語は、繊維上に付着した水によるこれらの繊維の濡れ性を指す。「親水性」という用語は、体液の接触角および表面張力によって定義される。1964年米国化学学会出版物"Contact angle,wettability and adhesion"におけるRobert F.Gouldの定義によると、繊維は、液体と繊維、特に繊維表面との接触角が90°未満であるとき、または液体が同一表面上で自然に広がる傾向にあるときに、親水性であるとされる。
0046
対照的に、「疎水性」という用語は、90°超の接触角を示し、繊維の表面に液体が自然に広がらない繊維を指す。
0047
本明細書に使用されているように、「部分」または「域」という用語は、流体吸収性組成物の一定の領域を指す。
0048
本明細書に使用されているように、「物品」という用語は、身体から排出された流体を取得および貯蔵可能な任意の三次元固体材料を指す。本発明による好適な物品は、使い捨て流体吸収性おりものシート、生理用ナプキン、生理用品、失禁用挿入物/パッド、おむつ、トレーニングパンツ、ブレストパッドおよび陰唇内挿入物/パッド等使用者の身体と接触して着用されるように設計された使い捨て流体吸収性物品である。
0050
B.流体吸収性ポリマー粒子
流体吸収性ポリマー粒子は、好ましくは、
a)少なくとも部分的に中和されていてよい少なくとも1つのエチレン性不飽和酸基含有モノマーと、
b)少なくとも1つの架橋剤と、
c)少なくとも1つの開始剤と、
d)場合により、a)に記載のモノマーと重合可能な1つ以上のエチレン性不飽和モノマーと、
e)1つ以上の水溶性ポリマーと、
f)水とを、
液滴を囲む気相に含むモノマー溶液の液滴を重合することによって製造され、液滴における重合は、均一相で行われる。
0051
流体吸収性ポリマー粒子は、典型的には水に不溶である。
0052
モノマーa)は、好ましくは水溶性である、すなわち、23℃における水に対する溶解度は、典型的には、水100g当たり少なくとも1g、好ましくは水100g当たり少なくとも5g、より好ましくは水100g当たり少なくとも25g、最も好ましくは水100g当たり少なくとも35gである。
0053
好適なモノマーa)は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸およびイタコン酸等エチレン性不飽和カルボン酸である。特に好適なモノマーは、アクリル酸およびメタクリル酸である。アクリル酸が特に好ましい。
0055
不純物は、重合に強い影響を及ぼす。特に精製モノマーa)が好ましい。有用な精製方法は、WO2002/055469A1、WO2003/078378A1およびWO2004/035514A1に開示されている。好適なモノマーa)は、WO2004/035514A1による、99.8460質量%のアクリル酸、0.0950質量%の酢酸、0.0332質量%の水、0.0203質量%のプロピオン酸、0.0001質量%のフルフラル、0.0001質量%の無水マレイン酸、0.0003質量%のジアクリル酸および0.0050質量%のヒドロキノンモノメチルエーテルを有する精製アクリル酸である。
0056
モノマーa)の全量に対するアクリル酸および/またはその塩の含有量は、好ましくは少なくとも50モル%、より好ましくは少なくとも90モル%、最も好ましくは少なくとも95モル%である。
0057
モノマーa)の酸基は、典型的には好ましくは、25〜85モル%程度、優先的には50〜80モル%程度、より好ましくは60〜75モル%程度、部分的に中和され、そのために通例の中和剤、好ましくはアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属炭酸塩またはアルカリ金属炭酸水素塩、およびそれらの混合物を使用することができる。アルカリ金属塩の代わりにアンモニアを使用することもできる。ナトリウムおよびカリウムが、アルカリ金属として特に好適であるが、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウム、およびそれらの混合物が極めて好ましい。典型的には、中和は、中和剤を水溶液として、溶融物として、または好ましくは固体として混合することにより達成される。例えば、含水量が有意に50質量%を下回る水酸化ナトリウムは、23℃超の融点を有する蝋状材料として存在しうる。この場合、片状材料または高温の融解物として計量添加が可能である。
0059
モノマー溶液は、好ましくは、それぞれの場合において、アクリル酸塩がアクリル酸として計数されるアクリル酸に基づき、250質量ppm以下、より好ましくは130質量ppm以下、最も好ましくは70質量ppm以下、好ましくは10質量ppm以上、より好ましくは30質量ppm以上、特に約50質量ppmのヒドロキノンモノエーテルを含む。例えば、適切なヒドロキノンモノエーテル含有量を有するアクリル酸を使用してモノマー溶液を製造することができる。
0061
好適な架橋剤b)は、架橋に好適な少なくとも2つの基を有する化合物である。当該基は、例えば、遊離ラジカルメカニズムによってポリマー鎖に重合可能なエチレン性不飽和基、およびモノマーa)の酸基と共有結合を形成することができる官能基である。加えて、モノマーa)の少なくとも2つの酸基と配位結合を形成することができる多価金属イオンも好適な架橋剤b)である。
0062
架橋剤b)は、好ましくは、遊離ラジカルメカニズムによってポリマーネットワークに重合可能な少なくとも2つの遊離ラジカル重合性基を有する化合物である。好適な架橋剤b)は、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、メタクリル酸アリル、トリアクリル酸トリメチロールプロパン、トリアリルアミン、EP0530438A1に記載されている塩化テトラアリルアンモニウムテトラアリルオキシエタン、EP0547847A1、EP0559476A1、EP0632068A1、WO93/21237A1、WO2003/104299A1、WO2003/104300A1、WO2003/104301A1およびDE10331450A1に記載されているジおよびトリアクリレート、DE10331456A1およびDE10355401A1に記載されているアクリレート基の他、さらなるエチレン性不飽和基を含む混合アクリレート、あるいは例えばDE19543368、DE−A−19646484A1、WO90/15830A1およびWO2002/32962A2に記載されている架橋剤混合物である。
0063
好適な架橋剤b)は、特に、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、テトラアリルオキシエタン、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、15−tuplyエトキシ化トリメチロールプロパン、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリアクリル酸トリメチロールプロパンおよびトリアリルアミンである。
0064
極めて好適な架橋剤b)は、例えばWO2003/104301A1に記載されているように、ジまたはトリアクリレートを得るためにアクリル酸またはメタクリル酸でエステル化されたポリエトキシ化および/またはポリプロポキシ化グリセロールである。3〜10−tuplyエトキシ化グリセロールのジおよび/またはトリアクリレートが特に有利である。1〜5−tuplyエトキシ化および/またはプロポキシ化グリセロールのジまたはトリアクリレートが極めて好ましい。3〜5−tuplyエトキシ化および/またはプロポキシ化グリセロールのトリアクリレート、特に3−tuplyエトキシ化グリセロールのトリアクリレートが最も好適である。
0065
架橋剤b)の量は、それぞれの場合においてモノマーa)に基づき、好ましくは0.05〜1.5質量%、より好ましくは0.1〜1質量%、最も好ましくは0.3〜0.6質量%である。架橋剤b)の量を増加させると、遠心分離保持能(CRC)が低下し、21.0g/cm2(AUL)の圧力下での吸収量が最大になる。
0066
使用される開始剤c)は、重合条件下で遊離ラジカルに分解するあらゆる化合物、例えば、過酸化物、ヒドロペルオキシド、過酸化水素、過硫酸塩、アゾ化合物および酸化還元開始剤である。水溶性開始剤を使用するのが好ましい。場合によっては、様々な開始剤の混合物、例えば、過酸化水素とペルオキソ二硫酸ナトリウムまたはカリウムとの混合物を使用することが有利である。過酸化水素とペルオキソ二硫酸ナトリウムとの混合物を任意の割合で使用することができる。
0067
特に好適な開始剤c)は、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩および2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩などのアゾ開始剤、ならびに2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノンおよび1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンなどの光開始剤、過硫酸ナトリウム/ヒドロキシメチルスルフィン酸、ペルオキシ二硫酸アンモニウム/ヒドロキシメチルスルフィン酸、過酸化水素/ヒドロキシメチルスルフィン酸、過硫酸ナトリウム/アスコルビン酸、ペルオキソ二硫酸アンモニウム/アスコルビン酸および過酸化水素/アスコルビン酸などの酸化還元開始剤、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンなどの光開始剤、ならびにそれらの混合物である。
0068
開始剤は、通例の量、例えば、モノマーa)に基づき、0.001〜5質量%、好ましくは0.01〜2質量%の量で使用される。
0069
モノマーa)と共重合可能なエチレン性不飽和モノマーの例は、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノプロピルおよびメタクリル酸ジエチルアミノプロピルである。
0070
有用な水溶性ポリマーd)として、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、デンプン誘導体、メチルセルロースまたはヒドロキシエチルセルロースなどの変性セルロース、ゼラチン、ポリグリコールまたはポリアクリル酸、好ましくはデンプン、デンプン誘導体および変性セルロースが挙げられる。
0071
最適な作用のため、好適な重合抑制剤は、溶存酸素を必要とする。したがって、重合の前に、不活性化、すなわち不活性ガス、好ましくは窒素を流すことによってモノマー溶液から溶存酸素を除去することができる。モノマー溶液の酸素含有量は、好ましくは、重合前に1質量ppm未満、より好ましくは0.5質量ppm未満まで減じられる。
0072
モノマー溶液の固体含有量は、好ましくは少なくとも35質量%、好ましくは少なくとも38質量%、より好ましくは少なくとも40質量%、最も好ましくは少なくとも42質量%である。固体含有量は、重合後に不揮発性であるすべての成分の合計である。
0073
重合抑制剤を例えば活性化炭素による吸収で除去することもできる。
0075
滴下装置プレートは、少なくとも1つの穴を有し、液体が上からその穴に流入するプレートである。滴下装置プレートまたは液体を振動させて、滴下装置プレートの下面の各穴に理想的には単分散性液滴の鎖を生成することができる。好適な実施形態において、滴下装置プレートは撹拌されない。
0076
穴の数および大きさは、所望の能力および液滴サイズに応じて選択される。液滴の直径は、典型的には、穴の直径の1.9倍である。ここで重要なことは、滴下される液体があまり急速に穴を通過せず、穴の圧力降下がそれほど大きくないことである。あるいは、液体が滴下せず、むしろ液体噴流が、高い運動エネルギーにより分散(噴霧)される。穴毎のスループットおよび穴径に基づくレイノルズ数は、好ましくは2000未満、優先的には1000未満、より好ましくは500未満、および最も好ましくは250未満である。
0077
滴下装置プレートは、典型的には少なくとも1個の穴、好ましくは少なくとも10個、より好ましくは少なくとも50個、および典型的には10000個以下の穴、好ましくは5000個以下、より好ましくは1000個以下の穴を有し、それらの穴は、典型的には、滴下装置プレート上に、好ましくは所謂三角形の頂点のように、すなわち3個の穴が、それぞれの場合において、正三角形の角を形成するよう均一に分布される。穴の直径は、所望の液滴サイズに合わせて調整される。
0080
回転による液滴生成の場合、液体は、回転ディスクのオリフィスを流れる。遠心力が液体に作用し、一定のサイズの液滴が引き離される。回転滴下のための好適な装置が、例えば、DE4308842A1に記載されている。
0082
マイクロバルブダイを使用する場合、一定の液体容積を有する液滴が直接生成される。
0083
生成された液滴は、好ましくは少なくとも200μm、より好ましくは少なくとも250μm、最も好ましくは少なくとも300μmの平均直径を有し、液滴直径は、光散乱法によって測定可能であり、容積平均直径を指す。
0084
該方法によって得られる流体吸収性ポリマー粒子の平均直径は、好ましくは少なくとも200μm、より好ましくは250〜600μm、特に300〜500μmであり、粒径は、光散乱法によって測定可能であり、容積平均直径を指す。ポリマー粒子の90%が、好ましくは100〜800μm、より好ましくは150〜700μm、最も好ましくは200〜600μmの直径を有する。
0085
重合反応器にガスを流す。キャリアガスを、モノマー溶液の自由落下液滴に対して並流または向流で、好ましくは並流で、すなわち底部から上方へと反応チャンバに流すことができる。1回通過した後、好ましくは、キャリアガスを少なくとも部分的に、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも75%の程度でサイクルガスとして反応チャンバにリサイクルする。典型的には、各通過後にキャリアガスの一部、好ましくは10%以下、より好ましくは3%以下、最も好ましくは1%以下を排出する。
0086
ガス速度は、好ましくは、重合反応器における流れが方向づけられるように、例えば、全体的な流れ方向に対向する対流が存在しないように調整され、例えば、0.01〜5m/s、好ましくは0.02〜4m/s、より好ましくは0.05〜3m/s、最も好ましくは0.1〜2m/sである。
0088
ガス入口温度、すなわちガスが反応チャンバに入る温度は、好ましくは160〜250℃、より好ましくは180〜230℃、最も好ましくは190〜220℃である。
0089
有利には、ガス入口温度は、ガス出口温度、すなわちガスが反応チャンバから出る温度が、100〜180℃、より好ましくは110〜160℃、最も好ましくは120〜140℃になるように制御される。
0091
反応オフガス、すなわち反応チャンバから出るガスを、例えば熱交換器で冷却することができる。これによって、水および非変換モノマーa)が凝縮する。次いで、反応オフガスを少なくとも部分的に再加熱し、サイクルガスとして反応器にリサイクルすることができる。反応オフガスの一部を排出し、新鮮なガスで置換することができ、その場合、反応オフガスに存在する水および非変換モノマーa)を除去し、リサイクルすることができる。
0094
滴下重合によって製造される流体吸収性ポリマー粒子の含水量は、好ましくは少なくとも10質量%、より好ましくは少なくとも12質量%、最も好ましくは少なくとも14質量%である。含水量を重合温度および滞留時間によって調整することができる。
0095
本発明の好適な実施形態において、滴下重合によって得られる流体吸収性ポリマー粒子における残留モノマーは、気流の存在下における流動状態での熱後処理によって除去される。残留モノマーを、比較的高い温度および比較的長い滞留時間でより良好に除去することができる。ここで重要なことは、流体吸収性ポリマー粒子があまり乾燥されていないことである。過度に乾燥した粒子の場合、残留モノマーがわずかしか減少しない。含水量が多すぎると、流体吸収性ポリマー粒子の固化傾向が強まる。流体吸収性ポリマー粒子が熱後処理中に急激に乾燥されないように、流入するガスは、水蒸気を既に含むものとする。
0096
続いて、特性のさらなる向上のためポリマー粒子を後架橋することができる。
0097
後架橋剤は、ポリマー粒子のカルボキシレート基と少なくとも2つの共有結合を形成することができる基を含む化合物である。好適な化合物は、例えば、多官能性アミン、多官能性アミドアミン、EP0083022A2、EP0543303A1およびEP0937736A2に記載されている多官能性エポキシド、DE3314019A1、DE3523617A1およびEP0450922A2に記載されている二または多官能性アルコール、あるいはDE10204938A1およびUS6,239,230に記載されているβ−ヒドロキシアルキルアミドである。
0098
加えて、好適な後架橋剤として、DE4020780C1には環式カーボネートが記載され、DE19807502A1には2−オキサゾリドン、および2−ヒドロキシエチル−2−オキサゾリドンなどのその誘導体が記載され、DE19807992C1にはビスおよびポリ−2−オキサゾリジノンが記載され、DE19854573A1には2−オキソテトラヒドロ−1,3−オキサジンおよびその誘導体が記載され、DE19854574A1にはN−アシル−2−オキサゾリドン、DE10204937A1には環式尿素が記載され、DE10334584A1には二環式アミドアセタールが記載され、EP1199327A2にはオキセタンおよび環式尿素が記載され、WO2003/31482A1にはモルホリン−2,3−ジオンおよびその誘導体が記載されている。
0099
特に好適な後架橋剤は、炭酸エチレン、プロピレングリコールと1,4−ブタンジオールの混合物、エチレングリコールジグリシジルエーテル、およびポリアミドとエピクロロヒドリンの反応生成物である。
0100
極めて好適な後架橋剤は、2−ヒドロキシエチル−2−オキサゾリドン、2−オキサゾリドンおよび1,3−プロパンジオールである。
0101
加えて、DE3713601A1に記載されているように、さらなる重合性エチレン性不飽和基を含む後架橋剤を使用することもできる。
0102
後架橋剤の量は、それぞれの場合においてポリマーに基づき、好ましくは0.001〜2質量%、より好ましくは0.02〜1質量%、最も好ましくは0.05〜0.2質量%である。
0103
本発明の好適な実施形態において、後架橋の前、最中または後に、後架橋に加えて多価陽イオンが粒子表面に塗布される。
0104
本発明による方法に使用可能な多価陽イオンは、例えば、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、鉄およびストロンチウムの陽イオンなどの二価陽イオン、アルミニウム、鉄、クロミウム、希土類およびマグネシウムの陽イオンなどの三価陽イオン、チタンおよびジルコニウムの陽イオンなどの四価陽イオンである。考えられる対イオンは、塩化物、臭化物、硫酸塩、硫酸水素塩、炭酸塩、炭酸水素塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、硫酸二水素塩、ならびに酢酸塩および乳酸塩などのカルボン酸塩である。硫酸アルミニウムが好適である。金属塩の他、多価陽イオンとしてポリアミンおよび/またはポリマーアミンを使用することもできる。
0105
使用される多価陽イオンの量は、例えば、それぞれの場合においてポリマーに基づき、0.001〜1.5質量%、好ましくは0.005〜1質量%、より好ましくは0.02〜0.8質量%である。
0106
架橋は、典型的には、後架橋剤をヒドロゲルまたは乾燥ポリマー粒子に噴霧するようにして実施される。噴霧後、後架橋剤が塗布されたポリマー粒子が熱乾燥され、後架橋反応が、乾燥の前または最中に起こり得る。
0107
後架橋剤の溶液の噴霧は、好ましくは、スクリューミキサー、ディスクミキサー、プラウシェアミキサーおよびパドルミキサーなどの移動混合手段を備えたミキサーにて実施される。プラウシェアミキサーおよびパドルミキサーなどの水平ミキサーが特に好ましく、垂直ミキサーが極めて好ましい。好適なミキサーは、例えば、Loedigeミキサー、Bepexミキサー、Nautaミキサー、ProcessalミキサーおよびSchugiミキサーである。後架橋剤溶液を流動床に噴霧することもできる。
0108
後架橋剤は、典型的には、水溶液として使用される。非水性溶媒の添加により、後架橋剤のポリマー粒子への浸透深さを調整することができる。
0109
熱乾燥は、好ましくは、接触乾燥器、より好ましくはパドル乾燥器、最も好ましくはディスク乾燥器で実施される。好適な乾燥器は、例えば、Bepex乾燥器およびNara乾燥器である。さらに、流動床乾燥器を使用することもできる。
0110
ジャケットの加熱、または加温空気の吹きつけにより、乾燥をミキサー自体の中で実施することができる。下流乾燥器、例えば、シェルフ乾燥器、回転管オーブンまたは加熱スクリューも同様に好適である。流動床乾燥器において混合および乾燥を行うのが特に有利である。
0111
好適な乾燥温度は、100〜250℃、好ましくは120〜220℃、より好ましくは130〜210℃、最も好ましくは150〜200℃である。反応ミキサーまたは乾燥器におけるこの温度での好適な滞留時間は、好ましくは、少なくとも10分、より好ましくは少なくとも20分、最も好ましくは少なくとも30分、典型的には最長で60分である。
0112
特性をさらに向上させるため、後架橋ポリマー粒子を塗布、または続いて加湿することができる。取得挙動および食塩水流れ誘導性(SFC)を向上させるための好適な被覆剤は、例えば、水溶性金属塩、有機ポリマー、陽イオンポリマーおよび二価または多価金属陽イオンなどの無機不活性物質である。粉塵結合のための好適な被覆剤は、例えば、ポリオールである。ポリマー粒子の望ましくない固化傾向に対する好適な被覆剤は、例えば、Aerosil(登録商標)200などのヒュームドシリカ、およびSpan(登録商標)20などの界面活性剤である。
0113
C.流体吸収性物品
流体吸収性物品は、
(A)上部液体透過層
(B)下部液体不透過層
(C)5〜90質量%の繊維状材料および10〜95質量%の流体吸収性ポリマー粒子;
好ましくは20〜80質量%の繊維状材料および20〜80質量%の流体吸収性ポリマー粒子;
より好ましくは30〜75質量%の繊維状材料および25〜70質量%の流体吸収性ポリマー粒子;
最も好ましくは40〜70質量%の繊維状材料および30〜60質量%の流体吸収性ポリマー粒子を含む(A)(B)間の流体吸収性コア;
(D)80〜100質量%の繊維状材料および0〜20質量%の流体吸収性ポリマー粒子;
好ましくは85〜99.9質量%の繊維状材料および0.01〜15質量%の流体吸収性ポリマー粒子;
より好ましくは90〜99.5質量%の繊維状材料および0.5〜10質量%の流体吸収性ポリマー粒子;
最も好ましくは95〜99質量%の繊維状材料および1〜5質量%の流体吸収性ポリマー粒子を含む(A)(C)間の任意の取得−分配層;
(E)(C)の真上および/または真下に配置された任意の組織層;および
(F)他の任意の成分
を含む。
0114
流体吸収性物品は、例えば、成人用失禁パッドおよび失禁ブリーフまたは乳児用おむつを指すものと理解される。好適な流体吸収性物品は、基板、層、シートおよび/または流体吸収性コアのための繊維状ウェブまたはマトリックスを形成するための繊維状材料および場合により流体吸収性ポリマー粒子を含む流体吸収性組成物を含む。
0115
好適な流体吸収性物品は、それらの個々の要素が、好ましくは、上部液体透過層についての乾燥性、下部液体不透過層についての濡れを伴わない水蒸気透過性など一定の機能パラメータを示さなければならないいくつかの層、早い吸収速度を示し、最高量の体液を保持することができる軟質水蒸気透過性の薄い流体吸収性コア、ならびに排出体液の輸送および分配層として作用する上部層とコアの間の取得−分配層で構成される。これらの個々の要素は、得られた流体吸収性物品が、一方では、柔軟性、水蒸気通気性、乾燥性、着用快適性および保護、そして他方では液体保持に関して、リウェットおよび濡れの防止などの全体的な基準を満たすように組み合わされる。これらの層の具体的な組合せは、高度な保護レベルならびに高度な快適性を消費者に届ける流体吸収性物品を提供する。
0116
液体透過層(A)
液体透過層(A)は、肌と直に接触する層である。したがって、液体透過層は、好ましくは、消費者の肌に馴染みやすく、柔らかい感触で、刺激がない。したがって、一般に、「液体透過」という用語は、液体、すなわち尿、月経液および/または膣液などの体液が容易にその肉厚を透過することを可能にするものと理解される。液体透過層の主な機能は、着用者から体液を取得し、流体吸収性コアへ輸送することである。典型的には、液体透過層は、不織布材料、フィルムまたはその組合せなど当該技術分野で既知の任意の材料から形成される。好適な液体透過層(A)は、通例の合成もしくは半合成繊維、またはポリエステル、ポリオレフィン、レイヨンまたは天然繊維の二成分繊維もしくはフィルム、あるいはそれらの組合せからなる。不織布材料の場合、繊維は、一般には、ポリアクリレートなどの結合剤によって結合されることになる。したがって、また、液体透過層は、1または2方向に伸縮させる弾性特性を示す弾性組成物を含むことができる。
0117
好適な合成繊維は、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル酸、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸エチルビニル、不溶性または可溶性ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタンおよびポリスチレン等から製造される。
0120
好適な木材パルプ繊維はクラフト法および硫酸塩法などの化学的方法、ならびに砕木、リファイナーメカニカル、サーモメカニカル、ケミメカニカルおよびケミサーモメカニカルパルプ法などの機械的方法によって得られる。さらに、リサイクル木材パルプ繊維、漂白、非漂白、無塩素漂白ECF)または完全無塩素漂白(TCF)木材パルプ繊維を使用することができる。
0122
流体吸収性組成物の成分としての繊維材料は、親水性繊維、疎水性繊維、または親水性繊維と疎水性繊維の組合せであってよい。親水性の定義は、上記章の「定義」のセクションに示されている。流体吸収性組成物内の親水性/疎水性比、ならびにそれに応じた親水性繊維および疎水性繊維の量は、流体処理特性、ならびに得られた流体吸収性組成物の流体吸収性ポリマー粒子の量によって選択される。かくして、流体吸収性組成物が流体吸収性物品の着用者に隣接する場合、好ましくは疎水性不織布材料から形成された疎水性繊維の使用、すなわち上部液体透過層に部分的にまたは完全に代わって使用することが好適である。疎水性繊維は、また、そこで流体不透過遮断物として作用する下部通気性流体不透過層の材料であり得る。
0123
親水性繊維の例は、セルロース繊維、変性セルロース繊維、レイヨン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル繊維、および親水性ナイロン等である。親水性繊維は、例えば界面活性剤処理またはシリカ処理によって親水性化された疎水性繊維からも得られる。したがって、親水性熱可塑性繊維は、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミドまたはポリスチレン等から界面活性剤処理またはシリカ処理によって誘導される。
0124
上部層の強度および保全性を向上させるため、繊維は、一般に、層内の繊維同士の架橋として作用する結合部分を示す。
0125
ウェブにおける繊維を強化するための技術は、機械的結合、熱的結合および化学的結合である。機械的結合方法では、繊維を例えば水噴流(スパンレース)によって機械的に絡み合わせ、ウェブに保全性を与える。熱的結合は、低融点ポリマーの存在下で温度を上昇させる手段によって実施される。熱的結合法の例は、スパンボンディング、通気結合および樹脂結合である。
0126
保全性を向上させる好適な手段は、熱的結合、スパンボンディング、樹脂結合、通気結合および/またはスパンレースである。
0127
熱的結合の場合は、熱可塑性材料が繊維に加えられる。熱処理されると、この熱可塑性材料の少なくとも一部が、毛管効果によってもたらされた繊維の交差部に移動する。これらの交差部は、冷却後に固化して部分を結合させ、繊維状マトリックスの保全性を向上させる。さらに、化学的に剛化されたセルロース繊維の場合、熱可塑性材料の溶融および移動は、得られた繊維層の孔径を増大させながら、その密度および基本質量を維持する効果を有する。濡れても、層の構造および保全性は安定したままである。つまり、熱可塑性材料を加えると、排出体液の流体浸透性が向上し、取得特性が向上する。
0128
好適な熱可塑性材料としては、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエステル、コポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸エチルビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル酸、ポリアミド、コポリアミド、ポリスチレン、ポリウレタン、ならびに記載のポリマーのいずれかのコポリマーが挙げられる。
0129
好適な熱可塑性繊維を、一成分繊維である単一のポリマーから製造することができる。代替的に、それらを、1つ超のポリマー、例えば二成分または多成分繊維から製造することができる。「二成分繊維」という用語は、シェルと異なる繊維材料から構成されるコア繊維を含む熱可塑性繊維を指す。典型的には、両繊維材料は、異なる融点を有し、一般的にはシースの方が低い温度で溶融する。二成分繊維は、シースが、二成分繊維の断面部を通じて均一な厚さを有するか、不均一な厚さを有するかに応じて同心性または偏心性であり得る。より薄い繊維厚さにおいてより高度な圧縮強度を示す偏心二成分繊維が有利である。さらなる二成分繊維は、「非けん縮」(非屈曲)または「けん縮」(屈曲)の特徴を示し、さらなる二成分繊維は、異なる潤滑性の側面を示しうる。
0130
二成分繊維の例として、以下のポリマーの組合せが挙げられる:ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリ酢酸エチルビニル/ポリプロピレン、ポリエチレン/ポリエステル、ポリプロピレン/ポリエステル、コポリエステル/ポリエステル。
0131
好適な熱可塑性材料は、層の繊維に損傷を与えるより低い温度の;通常、流体吸収性物品が貯蔵される温度よりは低くない融点を有する。好ましくは、融点は、約75℃〜175℃である。熱可塑性繊維の典型的な長さは、約0.4〜6cm、好ましくは約0.5〜1cmである。熱可塑性繊維の直径は、デニール(g/9000m)またはデシテックス(g/10000m)で定義される。典型的な熱可塑性繊維は、約1.2〜20、好ましくは約1.4〜10のデシテックスを有する。
0132
流体吸収性組成物の保全性を向上させるさらなる手段は、スパンボンディング技術である。スパンボンディングによる繊維層製造の本質は、ポリマー粒子の連続フィラメントへの直接紡糸、およびそれに続く繊維層の製造に基づく。
0133
スパンボンド布は、押出スパン繊維を均一かつ無作為に移動ベルト上に堆積させた後、繊維を熱的に結合させることによって製造される。繊維は、ウェブ積層過程で空気噴流により分離される。繊維ボンドは、加熱ロールまたは高温ニードルを押しつけて、ポリマーを部分的に溶融させ、繊維同士を融合させる。分子配向が融点を高めるため、高度に延伸されていない繊維を熱的結合繊維として使用することができる。ポリエチレンまたはランダムエチレン/プロピレンコポリマーが、低融点結合部として使用される。
0134
スパンボンディングの他、樹脂結合の技術も熱的結合分野に属する。結合部を生成するためのこの技術を使用して、例えばエポキシ、ポリウレタンおよびアクリルベースの特定の接着剤を繊維材料に添加し、得られたマトリックスを熱処理する。こうして、ウェブは樹脂と結合され、および/または熱可塑性樹脂が繊維材料内に分散される。
0135
さらなる熱的結合技術として、通気結合は、高温空気を繊維布の表面に塗布することを含む。高温空気は、繊維布の真上で循環するが、繊維布に浸透しない。結合部は、結合剤を添加することによって生成される。通気熱的結合に使用される好適な結合剤としては、結晶性結合剤繊維、二成分結合剤繊維および粉末が挙げられる。結晶性結合剤繊維または粉末を使用する場合、結合剤は、全体的に溶融し、不織布の断面全体を通じて溶融液滴を形成する。冷却すると、これらの点で結合が生じる。シース/コア結合剤繊維の場合、シースは結合剤であり、コアは担体繊維である。通気オーブンを使用して製造された製造物は、嵩高く、目が粗く、柔軟で、強く、延伸性、通気性および吸収性を有する傾向がある。通気結合後、すぐに低温カレンダリングを行うと、高温ロールカレンダー製造物と、圧縮せずに通気結合された製造物との間に肉厚が生じる。低温カレンダリングの後でも、この製造物は、エリア結合高温カレンダー材料より柔らかく、柔軟で、延伸性が高い。
0136
スパンレーシング(「水流交絡処理」)は、ウェブの保全性を向上させるさらなる方法である。緩い繊維の形成ウェブ(通常、空気積層または湿式積層)を最初に圧縮し、予め濡らしてエアポケットを除去する。スパンレーシングの技術は、繊維が互いに絡着するように、多列の微細な高速水噴流を使用して、ウェブを多孔性ベルト、または移動有孔もしくはパターン化スクリーンに打ちつける。一般に、第1の噴射器から最後の噴射器にかけて水圧が上昇する。150バール程度の圧力で、水噴流をウェブ上に誘導する。この圧力は、たいていの不織布繊維に対して十分であるが、特殊化された用途ではより高い圧力が使用される。
0137
スパンレース法は、繊維を絡み合わせることによって布の完全性を確保するため、水噴流を採用する不織布製造システムである。軟性、ドレープ性、順応性および比較的高強度は、スパンレース不織布の主要な特徴である。
0138
最新の研究において、得られた液体透過層のいくつかの構造特徴に有益性が見いだされている。例えば、層の厚さは、非常に重要であり、そのx−y次元とともに、層の取得−分布挙動に影響を与える。さらにある種の統合された輪郭構造が存在する場合は、層の三次元構造に応じて取得−分布挙動を誘導することができる。したがって、液体透過層の機能における三次元ポリエチレンが好適である。
0139
したがって、好適な液体透過層(A)は、熱的結合、スパンボンディング、樹脂結合または通気結合によって上記繊維から形成された不織布層である。さらなる好適な液体透過層は、三次元ポリエチレン層およびスパンレースである。
0140
好ましくは、三次元ポリエチレン層およびスパンレースは、12〜22gsmの基本質量を示す。
0141
典型的には、液体透過層(A)は、流体吸収性構造体に部分的または全体的に広がり、すべての好適なサイドフラップ、サイドラッピング要素、翼および耳の一部に入り込み、および/またはそれを形成することができる。
0142
液体不透過層(B)
液体不透過層(B)は、流体吸収性コアによって吸収、保持された滲出物が、例えば、ベッドシーツ、パンツ、パジャマおよび肌着と接触する物品を濡らすのを防止する。したがって、液体不透過層(B)は、織布もしくは不織布材料、ポリエチレンもしくはポリプロピレンの熱可塑性フィルムなどのポリマーフィルム、またはフィルム被覆不織布材料などの複合材料を含むことができる。
0143
好適な液体不透過層は、不織布、プラスチックおよび/またはプラスチックと不織布の積層体を含む。プラスチックおよび/またはプラスチックと不織布の積層体は、いずれも適宜通気性であってよい、すなわち、液体不透過層(B)は、蒸気を流体吸収性材料から逃がすことができる。したがって、液体不透過層は、一定の水蒸気透過率と同時に、不透過度を有さなければならない。これらの特徴を兼ね備えるため、好適な液体不透過層は、少なくとも2つの層、例えば、指定の基本質量および孔径を有する繊維不織布からなる積層体、ならびに指定の厚さを有し、場合により孔構造を有する第2の層として例えばポリビニルアルコールの連続三次元フィルムを含む。当該積層体は、遮断物として作用し、液体輸送または濡れを示さない。したがって、好適な液体不透過層は、繊維不織布である多孔性ウェブの少なくとも第1の通気性層、例えば、メルトブローン不織布層、または合成繊維から製造されたスパンボンド不織布層の複合ウェブ、ならびに液体不透過ポリマーフィルム、例えば、好ましくはフィルムの平面に垂直でなく、フィルムの平面に対して90°未満の角度で配置される毛管として作用する孔を場合により有するプラスチックからなる弾性三次元ウェブの少なくとも第2の層を含む。
0144
好適な液体不透過層は、蒸気に対して浸透性である。好ましくは、液体不透過層は、少なくとも約100gsm/24時間、好ましくは少なくとも約250gsm/24時間、および最も好ましくは少なくとも約500gsm/24時間の水蒸気透過率(WVTR)を示す蒸気浸透性材料から構成される。
0145
好ましくは、液体不透過層(B)は、疎水性材料、例えば、合成繊維、またはプラスチック、例えばポリエチレンを含む液体不透過ポリマーフィルムを含む不織布である。液体不透過層の厚さは、好ましくは15〜30μmである。
0146
さらに、液体不透過層(B)は、好ましくは、12〜15gsmの密度を有する不織布および約10〜20μmの厚さを有するポリエチレン層を含む不織布とプラスチックの積層体で構成される。
0147
典型的に液体不透過層(B)は、流体吸収性構造体に部分的または全体的に広がり、すべての好適なサイドフラップ、サイドラッピング要素、翼および耳の一部に入り込み、および/またはそれを形成することができる。
0148
流体吸収性コア(C)
流体吸収性コア(C)は、上部液体透過層(A)と下部液体不透過層(B)の間に配置される。水蒸気浸透性、柔軟性および厚さが満たされるのであれば、好適な流体吸収性コア(C)を当該技術分野で既知の流体吸収性コアシステムのいずれかから選択することができる。好適な流体吸収性コアは、その主たる機能が排出体液の取得、輸送、分配、吸収、貯蔵および保持である任意の流体吸収性組成物を指す。
0149
流体吸収性コア(C)の上面面積は、好ましくは少なくとも200cm2、より好ましくは少なくとも2550cm2、最も好ましくは少なくとも300cm2である。上面面積は、上部液体透過層に直面するコアの部分である。
0151
1.任意のコアカバー
流体吸収性コアの保全性を向上させるため、コアにカバーを設ける。このカバーは、流体吸収性コアの頂部および/または底部に存在してよい。さらに、このカバーは、流体吸収性コアを1枚の材料シートとともに含むため、ラップとして機能することができる。ラッピングは、完全ラップ、部分ラップまたはC−ラップであってよい。
0152
コアカバーの材料は、ウェブ、衣服、織物、フィルム、薄織物、および2つ以上の基板またはウェブの積層体を含む任意の既知の種類の基板を含みうる。コアカバー材料は、セルロース、木綿、亜麻、リネン、麻、羊毛、絹、毛皮、毛髪および天然鉱物繊維などの天然繊維を含みうる。コアカバー材料は、レイヨンおよびリヨセル(セルロース由来)、多糖(デンプン)、ポリオレフィン繊維(ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリアミド、ポリエステル、ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、ポリウレタンおよびそれらの組合せも含みうる。好ましくは、コアカバーは、合成繊維または薄織物を含む。
0153
繊維は、一成分または多成分であってよい。多成分繊維は、ホモポリマー、コポリマーまたはそれらのブレンドを含みうる。
0154
2.流体貯蔵層
流体吸収性コアに含まれる流体吸収性組成物は、繊維材料および流体吸収性ポリマー粒子を含む。
0155
本発明に有用な繊維は、天然繊維および合成繊維を含む。好適な変性または非変性天然繊維の例は、上記「液体透過層(A)」の章に示されている。それらの中では、木材パルプ繊維が好適である。
0156
好適な合成繊維の例は、上記「液体透過層(A)」の章に示されている。繊維材料は、天然繊維または合成繊維またはそれらの組合せのみを含みうる。
0157
流体吸収性組成物の成分として、繊維材料は、親水性、疎水性であってよく、または親水性繊維と疎水性繊維の組合せであってよい。
0158
一般に、上層(A)下層(B)間に埋め込まれる流体吸収性コアに使用する場合、親水性繊維が好適である。これは、特に、排出体液を迅速に取得し、流体吸収性組成物または流体吸収性コアの他の領域に輸送および分配することが望まれる流体吸収性組成物に該当する。流体吸収性ポリマー粒子を含む流体吸収性組成物には親水性繊維の使用が特に好適である。
0159
親水性繊維の例は、上記「液体透過層(A)」の章に示されている。好ましくは、流体吸収性コアは、酢酸ビスコース、ポリエステルおよび/またはポリプロピレンから作られる。
0160
流体吸収性コアの繊維状材料を均一に混合し、均質または不均質の流体吸収性コアを生成することができる。代替的に、繊維状材料を濃縮、または場合により、流体吸収性ポリマー材料を含む個別の層で積層することができる。流体吸収性コアの好適な貯蔵層は、流体吸収性ポリマー材料を含む繊維状材料の均質混合物を含む。層状コアシステムを含む流体吸収性コアの好適な貯蔵層は、繊維状材料の均質混合物を含み、流体吸収性ポリマー材料を含むことによって、それらの層の各々を、当該技術分野で既知の手段によって任意の繊維状材料から構成することができる。挿入された流体吸収性材料、例えば流体吸収性ポリマー粒子の量および分布に応じて、所望の流体取得、分布および輸送が得られるよう、層の順序を導くことができる。好ましくは、流体吸収性ポリマー粒子を組み込むためのマトリックスとして作用する、繊維状材料の層または不均質混合物で構成された、流体吸収性コアの貯蔵層内の最高吸収率および保持率の不連続域が存在する。それらの不連続域は、全領域に広がる、または流体吸収性コアのいくつかの部分のみ形成することができる。
0161
好適な流体吸収性コアは、繊維状材料および流体吸収性材料を含む。体液または体滲出物を吸収および保持可能な任意の流体吸収性材料、例えば、セルロース詰め物、変性および非変性セルロース、架橋セルロース、積層体、複合材料、流体吸収性発泡体、上記「液体透過層(A)」の章に記載されている材料、流体吸収性ポリマー粒子およびそれらの組合せが好適である。
0162
典型的には、流体吸収性コアは、単一種類の流体吸収性ポリマー粒子を含みえ、または異なる種類の流体吸収性ポリマー材料由来の流体吸収性ポリマー粒子を含みうる。したがって、単一種類のポリマー材料からなる流体吸収性ポリマー粒子、または異なる種類のポリマー材料からなる流体吸収性ポリマー粒子の混合物、例えば、滴下重合から生じた流体吸収性ポリマー粒子のゲル重合から得られる規則的な流体吸収性ポリマー粒子の混合物を添加することができる。代替的に、逆懸濁重合から得られる流体吸収性ポリマー粒子を添加することができる。
0163
代替的に、異なる特徴プロファイルを示す流体吸収性ポリマー粒子を混合することができる。したがって、流体吸収性コアは、均一のpH値を有する流体吸収性ポリマー粒子を含みえ、または異なるpH値を有する流体吸収性ポリマー粒子、例えば、約4.0〜約7.0のpHを有する流体吸収性ポリマー粒子からなる2つ以上の成分の混合物を含みうる。好ましくは、加えられる混合物は、約4.0〜約7.0のpHを有する、ゲル重合または逆懸濁重合から得られた流体吸収性ポリマー粒子と、滴下重合から得られた流体吸収性ポリマー粒子との混合物に由来する。
0164
好適な流体吸収性コアは、また、流体吸収性粒子および/または流体吸収性ポリマー繊維あるいはそれらの混合物を添加することによって緩い繊維材料から製造される。流体吸収性ポリマー繊維は、単一種類の流体吸収性ポリマー繊維から形成され、異なるポリマー材料からなる流体吸収性ポリマー繊維を含みうる。繊維構造に容易に分配されて組み込まれ、流体吸収性ポリマー粒子よりも良好に所定位置にて維持されることから、流体吸収性ポリマー繊維を添加することが好適であり得る。したがって。互いの接触によって引き起こされるゲルブロッキングの傾向が軽減される。さらに、流体吸収性ポリマー繊維は、より軟質で、より柔軟性がある。
0165
流体吸収性コアの製造方法において、流体吸収性ポリマー粒子および/または流体吸収性繊維を、繊維状マトリックスなど構造形成化合物と一緒にする。したがって、流体吸収性コアを緩い繊維から形成する過程で流体吸収性ポリマー粒子および/または流体吸収性繊維を添加することができる。流体吸収性ポリマー粒子および/または流体吸収性繊維とマトリックスの繊維状材料とを同時に混合する、または1つの成分を2つ以上の他の成分の混合物に同時に添加する、もしくは連続的に添加することによって流体吸収性コアを形成することができる。
0166
好適な流体吸収性コアは、流体吸収性ポリマー粒子および/または流体吸収性繊維と、流体吸収性材料を組み込むための繊維状材料構成マトリックスとの混合物を含む。当該混合物を均質に形成することができる、すなわち、すべての成分を混ぜ合わせて均質の構造体を得る。流体吸収性材料の量は、流体吸収性コア全体を通じて均一であってもよく、流体吸収性材料の濃度に関してプロファイルドコアが得られるよう、例えば中央部と遠部とで異なっていてもよい。
0167
流体吸収性ポリマー材料を吸収性コアに塗布する技術は、当業者に既知であり、容積法、減量法または重量法であってよい。既知の技術は、振動システム、単一および多重オージェシステム、注入ロール、加重ベルト、流動床容積システムならびに重力散布および/または噴霧システムによる塗布を含む。さらなる挿入技術は、落下供給システム調和および相反空圧吹込み塗布、または流体吸収性ポリマー材料を塗布する真空印刷法である。
0168
好適な流体吸収性コアは、流体吸収性物品を製造する方法によって形成される層も含みうる。続いてz方向に異なる層を生成することによって層状構造を形成することができる。
0169
代替的に、コア構造を2つ以上の事前に形成した層から形成して、層状流体吸収性コアを得ることができる。それらの層は、約10〜95%の濃度を示す流体吸収性ポリマー材料の異なる濃度を有しうる。これらの均一の、または異なる層をそれらの隣接する平面で互いに固定することができる。代替的に、複数のチャンバを形成して、流体吸収性ポリマー材料を個別に組み込むように、それらの層を組み合わせることができる。
0170
好適な事前に形成した層は、例えば、空気積層、湿式積層、積層または複合構造として処理される。
0172
さらに、複合構造を担体層(例えばポリマーフィルム)から形成することができ、その上に流体吸収性ポリマー材料を固定する。固定は1つの面または両面で行うことができる。担体層は、体液に対して透過または不透過であってよい。
0173
代替的に、モノマー溶液を、層の形成後に、または担体層上に加え、そのコーティング溶液をUV誘発重合技術によって重合することができる。したがって、「in situ」重合は、流体吸収性ポリマーを塗布するためのさらなる方法である。
0174
したがって、好適な流体吸収性コアは、5〜90質量%の繊維状材料および10〜95質量%の流体吸収性ポリマー粒子を含み;好ましくは20〜80質量%の繊維状材料および20〜80質量%の流体吸収性ポリマー粒子を含み;より好ましくは30〜75質量%の繊維状材料および25〜70質量%の流体吸収性ポリマー粒子を含み、および最も好ましくは40〜70質量%の繊維状材料および30〜60質量%の流体吸収性ポリマー粒子を含む。
0175
流体吸収性コア内の流体吸収性ポリマー粒子および/または流体吸収性繊維の量は、3〜20g、好ましくは6〜14g、成人用おむつの場合、8〜12g、失禁用製品の場合、最大で約50gである。
0176
典型的には、流体吸収性物品は、他の任意の層に加えて、少なくとも1つの上部液体透過層(A)、少なくとも1つの下部液体不透過層(B)および層(A)層(B)間に少なくとも1つの流体吸収性コアを含む。体液吸収の制御を向上させ、および/または流体吸収性ポリマー粒子と繊維状マトリックスとの重量比百分率の柔軟性を高めるため、1つ以上のさらなる流体吸収性コアを加えることが有利であり得る。第2の流体吸収性コアを第1の流体吸収性コアに加えると、体液輸送および分配における可能性が高まる。さらに、より多量の排出体液を保持することができる。異なる流体吸収性ポリマー濃度および含有量を示すいくつかの層を組み合わせることができれば、いくつか流体吸収性コアが含まれていても、流体吸収性物品の厚さを最小限に抑えることができる。
0177
好適な流体吸収性コアを、排出体液を取得、輸送および保持するように設計された当該技術分野で既知の任意の材料から形成することができる。製造技術は、当業者に既知のものであってよい。好適な技術は、モノマー溶液を輸送繊維マトリックスに塗布することによる、in‐situ技術として既知の重合、または空気積層組成物の製造を含む。
0178
好適な流体吸収性物品は、典型的には流体吸収性物品に見られる他の層との任意の組合せで単一または多重コアシステムを含んでいる。好適な流体吸収性物品は、単一または二重コアシステムを含み;最も好ましくは、流体吸収性物品は、単一流体吸収性コアを含む。
0179
流体吸収性コアは、典型的には、均一のサイズまたはプロファイルを有する。好適な流体吸収性コアは、コアの形状および/または流体吸収性ポリマー粒子の含有量および/または流体吸収性ポリマー粒子の分布および/または層状流体吸収性コアが存在する場合における異なる層の寸法に関して、プロファイルド構造を有することもできる。
0180
吸収性コアは、いくつかの層、例えば、基板層、流体吸収性ポリマーの層および熱可塑性材料の層を組み合わせることによって良好な濡れ固定制を与えることが知られている。好適な吸収性コアは、薄織物または薄織物積層体も含みうる。薄織物または薄織物積層体を折り重ねることによって形成された単一または二重層薄織物積層体が当該技術分野で既知である。
0181
これらの層および重畳物は、好ましくは、例えば接着剤の添加、あるいは機械、熱もしくは超音波結合、またはそれらの組合せによってそれぞれ接合される。流体吸収性ポリマー粒子を、例えば、個別の流体吸収性ポリマー層を形成することによって、個々の層内またはそれらの間に含めることができる。
0182
したがって、層の数または大容積のコアの高さに応じて、得られる流体吸収性コアの厚さが決まる。したがって、流体吸収性コアは、1つの層として平坦(平坦部)であってよく、または三次元プロファイルを有しうる。
0183
一般に、上部液体透過層(A)および下部液体不透過層(B)を様々な種類の液体吸収性物品の要件に従って、かつ様々な着用者のサイズに対応するように成形およびサイズ設定することができる。したがって、上部液体透過層と下部液体不透過層との組合せは、当該技術分野で既知のすべての寸法または形状を有しうる。好適な組合せは、砂時計形、長方形、台形、t形もしくはダブルt形を有するか、または解剖学的次元を示す。
0184
流体吸収性コアは、典型的には当該技術分野で既知の流体吸収性物品に存在するさらなる添加剤を含みうる。例示的な添加剤は、流体吸収性コアを補強および安定化するための繊維である。好ましくは、流体吸収性コアを補強するためにポリエチレンが使用される。
0185
流体吸収性コアを補強するためのさらなる安定剤は、結合剤として作用する材料である。
0186
結合剤材料の種類、または流体吸収性コアの異なる領域に使用される結合剤の量を変化させると、プロファイルド安定化が得られる。例えば、異なる融点を示す異なる結合剤材料を流体吸収性コアの領域に使用することができ、例えば、より低い融点の材料をコアの中央部に、より高い融点のコアを遠部に使用する。好適な結合剤材料は、接着性または非接着性繊維、連続または不連続押出繊維、二成分ステープル繊維、非弾性繊維および噴霧液体結合剤、あるいはこれらの結合剤材料の任意の組合せであってよい。
0187
さらに、熱可塑性組成物は、通常、コア層の保全性を向上させるために添加される。熱可塑性組成物は、単一種類の熱可塑性ポリマーまたは熱可塑性ポリマーのブレンドを含みうる。代替的に、熱可塑性組成物は、粘着剤などの、少なくとも1つの熱可塑性ポリマーを粘着付与剤、可塑剤、または他の添加剤、例えば酸化防止剤等の熱可塑性希釈剤とともに含むホットメルト接着剤、を含みうる。熱可塑性組成物は、例えば、結晶性ポリプロピレンおよび非晶質ポリアルファオレフィンまたはスチレンブロックコポリマー、ならびに蝋の混合物を含む感圧ホットメルト接着剤をさらに含みうる。
0188
好適な熱可塑性ポリマーは、A−B−A三ブロックセグメント、A−B二ブロックセグメントおよび(A−B)nラジカルブロックコポリマーセグメントを含むスチレンブロックコポリマーである。文字Aは、非弾性ポリマーセグメント、例えばポリスチレンを表し、Bは、不飽和共役ジエンまたはそれらの(部分)水素化形を表す。好ましくは、Bは、イソプレン、ブタジエン、エチレン/ブチレン(水素化ブタジエン)、エチレン/プロピレン(水素化イソプレン)およびそれらの混合物を含む。
0189
他の好適な熱可塑性ポリマーは、非晶質ポリオレフィン、非晶質ポリアルファオレフィンおよびメタロセンポリオレフィンである。
0190
臭気抑制に関して、香料および/または臭気抑制添加剤が場合により添加される。好適な臭気抑制添加剤は、流体吸収性物品を運ぶ際に経時的に発生する臭気を低減する当該技術分野で既知のすべての物質である。したがって、好適な臭気抑制添加剤は、無機材料、例えば、ゼオライト、活性化炭素、ベントナイト、シリカ、エアロジル、珪藻土、クレー;キレート化物、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、シクロデキストリン、アミノポリ炭酸、エチレンジアミンテトラメチレンリン酸、アミノリン酸塩、多官能性アロマート、N,N’−二コハク酸である。
0191
好適な臭気抑制添加剤は、第四級アンモニウム、フェノール、アミドおよびニトロ化合物ならびにそれらの混合物などのさらなる抗菌剤;銀塩、亜鉛塩、塩化セチルピリジニウムおよび/またはトリクロサンなどの殺菌剤、ならびにHLB値が12未満の界面活性剤である。
0192
好適な臭気抑制添加剤は、無水マレイン酸、無水イタコン酸、ポリ無水マレイン酸もしくはポリ無水イタコン酸などの無水物基を有するさらなる化合物、マレイン酸とC2−C8オレフィンもしくはスチレンとのコポリマー、ポリ無水マレイン酸、または無水マレイン酸とイソブテン、ジ−イソブテンもしくはスチレンとのコポリマー、アスコルビン酸、安息香酸、クエン酸、サリチル酸もしくはソルビン酸などの酸基を有する化合物、および酸基を有するモノマーの流体可溶性ポリマー、C3−C5一不飽和カルボン酸のホモまたはコポリマーである。
0193
好適な臭気抑制添加剤は、カプロン酸アリル、シクロヘキサン酢酸アリル、シクロヘキサンプロピオン酸アリル、ヘプタン酸アリル、酢酸アミル、プロピオン酸アミル、アネトール、アニキシクアルデヒド、アニソール、ベンズアルデヒド、酢酸ベンジル、ベンジルアセトン、ベンジルアルコール、酪酸ベンジル、ギ酸ベンジル、カンフェン、カンファーゴム、ラエボ−カルベオール、ギ酸シンナミル、シス−ジャスモン、シトラル、シトロネロールおよびその誘導体、クミンアルコールおよびその誘導体、シクラルC、ジメチルベンジルカルビノールおよびその誘導体、ジメチルオクタノールおよびその誘導体、オイカリプトール、ゲラニル誘導体、酢酸ラバンデュリル、リグストラール、d−リモネン、リナロール、リナリル誘導体、メントンおよびその誘導体、ミルセンおよびその誘導体、ネラール、ネロール、p−クレゾール、p−シメン、オレンジテルペン、アルファ−ポネン、4−テルピネオール、チモール等の香料である。
0195
さらなる好適な臭気抑制添加剤は、Cu、Ag、Znなどの遷移金属;ウレアーゼ阻害剤などの酵素、デンプン、pH緩衝材料、キチン、緑茶植物抽出物、イオン交換樹脂、炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、硫酸塩またはそれらの混合物である。
0196
好適な臭気抑制添加剤は、緑茶植物抽出物、シリカ、ゼオライト、炭素、デンプン、キレート剤、pH緩衝材料、キチン、珪藻土、クレー、イオン交換樹脂、炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、硫酸塩、マスキング剤またはそれらの混合物である。臭気抑制添加剤の好適な濃度は、約0.5〜約300gsmである。
0197
最新の開発では、濡れ指示添加剤の添加が提案されている。流体吸収性物品における濡れの電気監視の他、ホットメルト接着剤を塗れ指示薬とともに含む濡れ指示添加剤が既知である。濡れ指示添加剤は、黄色から比較的暗い濃青色に色を変化させる。この色変化は、流体吸収性物品の液体不透過の外側材料を介して容易に認識可能である。既存の濡れ指示は、濡れると消失するバックシートにパターン付けされた水溶性インクを利用することによっても達成される。
0198
好適な濡れ指示添加剤は、モノオレイン酸ソルビタンとポリエトキシ化硬化ヒマシ油との混合物を含む。好ましくは、濡れ指示添加剤の量は、流体吸収性コアの質量に対して約1〜5質量%である。
0199
流体吸収性コアの基本質量は、600〜1200gsmである。流体吸収性コアの密度は、0.1〜0.25g/cm3である。流体吸収性コアの厚さは、1〜5mm、好ましくは1.5〜3mmの範囲であり、失禁用製品の場合、3〜15mmである。
0200
3.任意のダスティング層
吸収性コアに含めるための任意の成分は、隣接するダスティング層である。ダスティング層は、繊維層であり、吸収性コアの頂部および/または底部に配置され得る。典型的には、ダスティング層は、貯蔵層の下に位置する。この下部層は、流体吸収性コアの製造過程で、堆積した流体吸収性ポリマー粒子の担体として機能するため、ダスティング層と称される。流体吸収性ポリマー材料がマクロ構造、フィルムまたはフレークの形状であれば、ダスティング層を挿入する必要はない。滴下重合から得られる流体吸収性ポリマー粒子の場合、粒子は、縁のない滑らかな表面を有する。この場合も、流体吸収性コアにダスティング層を加える必要がない。一方、大きな利点として、ダスティング層は、吸上げ性能などいくつかのさらなる流体処理特性を与え、液体不透過層(B)のピンホールおよび/またはポックの発生を低減させることができる。
0201
好ましくは、ダスティング層は、フラフを含む繊維層である(セルロース繊維)。
0202
任意の取得−分配層(D)
任意の取得−分配層(D)は、上部層(A)と流体吸収性コア(C)の間に位置し、好ましくは、排出体液を効率的に取得して、それらを流体吸収性組成物の他の領域、または体液が固定および貯蔵される他の層に輸送および分配するよう構成される。したがって、上部層は、排出液を流体吸収性コアに分配するために取得−分配層(D)に輸送する。
0203
取得−分配層は、繊維状材料および場合により流体吸収性ポリマー粒子を含む。
0204
繊維状材料は、親水性、疎水性であってよく、または親水性繊維と疎水性繊維の組合せであってよい。それは天然繊維、合成繊維または両者の組合せから得られる。
0205
好適な取得−分配層は、セルロース繊維および/または変性セルロース繊維および/またはそれらの合成物もしくは組合せから形成される。したがって、好適な取得−分配層は、セルロース繊維、特に木材パルプフラフを含みうる。さらなる好適な親水性、疎水性繊維、ならびに変性または非変性天然繊維は、上記「液体透過層(A)」の章に示されている。
0206
特に流体取得および分布特性を与えるため、変性セルロース繊維の使用が好適である。変性セルロース繊維の例は、化学的に処理されたセルロース繊維、特に化学的に硬化されたセルロース繊維である。「化学的に硬化されたセルロース繊維」という用語は、繊維の剛性を向上させるための化学的手段によって硬化された繊維を指す。当該手段は、塗料および含浸物の形状の化学硬化剤の添加を含む。好適なポリマー硬化剤は以下を含みうる:窒素含有基を有する陽イオン性変性デンプン、ラテックス、湿潤強力樹脂、例えば、ポリアミド−エピクロロヒドリン樹脂、ポリアクリルアミド、尿素ホルムアルデヒドおよびメラミンホルムアルデヒド樹脂ならびにポリエチレンイミン樹脂。
0207
硬化は、例えば、ポリマー鎖の架橋によって化学構造を変化させることも含みうる。したがって、架橋剤を、繊維内架橋結合を化学的に形成させる繊維に塗布することができる。さらに、セルロース繊維を個別化された形で架橋結合し、硬化させることができる。好適な化学硬化剤は、典型的には、C2−C8ジアルデヒド、酸性官能基を有するC2−C8モノアルデヒド、および特にC2−C9ポリカルボン酸を含むモノマー架橋剤である。
0208
好ましくは、変性セルロース繊維は、化学的に処理されたセルロース繊維である。セルロース繊維をクエン酸で処理することで得られる波状繊維が特に好適である。好ましくは、セルロース繊維および変性セルロース繊維の基本質量は、50〜200gsmである。
0209
好適な取得−分配層は、合成繊維をさらに含む。合成繊維の既知の例は、上記「液体透過層(A)」の章に見られる。取得−分布層の機能における三次元ポリエチレンが好適である。
0210
さらに、セルロース繊維の場合のように、親水性合成繊維が好適である。親水性合成繊維を疎水性繊維の化学的変性によって得られる。好ましくは、親水化は、疎水性繊維の界面活性剤処理によって実施される。したがって、疎水性繊維の表面を非イオン性またはイオン性界面活性剤による処理によって、例えば、繊維に界面活性剤を噴霧する、または繊維を界面活性剤に浸漬させることによって親水性にすることができる。永久的親水性合成繊維がさらに好適である。
0211
取得−分配層の繊維材料を固定して、層の強度および保全性を向上させることができる。ウェブにおいて繊維を固化する技術は、機械的結合、熱的結合および化学的結合である。ウェブの保全性を向上させる異なる方法の詳細な説明は、上記「液体透過層(A)」に示されている。
0212
好適な取得−分配層は、繊維状材料および内部に分布した流体吸収性ポリマー粒子を含む。流体吸収性ポリマー粒子を、緩い繊維から層を形成する過程で添加することができる、あるいは代替的に、層の形成後にモノマー溶液を添加し、UV誘発重合技術によってコーティング溶液を重合することができる。したがって、「in situ」重合は、流体吸収性ポリマーを塗布するためのさらなる方法である。
0213
したがって、好適な取得−分配層は、80〜100質量%の繊維状材料および0〜20質量%の流体吸収性ポリマー粒子を含み;好ましくは85〜99.9質量%の繊維状材料および0.1〜15質量%の流体吸収性ポリマー粒子を含み;より好ましくは90〜99.5質量%の繊維状材料および0.5〜10質量%の流体吸収性ポリマー粒子を含み;および最も好ましくは95〜99質量%の繊維状材料および1〜5質量%の流体吸収性ポリマー粒子を含む。
0214
好適な取得−分配層は、流体吸収性ポリマー粒子の濃度に基づき、20〜200gsm、最も好適には40〜50gsmの基本質量を示す。
0215
任意の薄織物層(E)
任意の薄織物層は、(C)の真上および/または真下に配置される。
0216
薄織物層の材料は、ウェブ、衣服、織物およびフィルムを含む任意の種類の基板である。薄織物層は、セルロース、木綿、亜麻、リネン、麻、羊毛、絹、毛皮、毛髪および天然鉱物繊維など天然繊維を含みうる。薄織物層は、レイヨンおよびリヨセル(セルロース由来)、多糖(デンプン)、ポリオレフィン繊維(ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリアミド、ポリエステル、ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、ポリウレタンおよびそれらの組合せも含みうる。好ましくは、薄織物層は、セルロース繊維を含む。
0217
他の任意の成分(F)
1.レッグカフ
典型的なレッグカフは、その間に繊維および不織布材料が同時に形成される直接押出法によって、または後の時点で不織布材料に編み込むことができる事前に形成された繊維の積層方法によって形成することができる不織布材料を含む。直接押出法の例は、スパンボンディング、メルトブロー、溶媒紡糸、電気紡糸およびそれらの組合せを含む。積層方法の例は、湿式積層および乾燥積層(例えば空気積層、カーディング)法を含む。上記方法の組合せは、スパンボンド−メルトブロー−スパンボンド(sms)、スパンボンド−メルトブロー−メルトブロー−スパンボンド(smms)、スパンボンド−カーディング(sc)、スパンボンド−空気積層(sa)、メルトブロー−空気積層(ma)およびそれらの組合せを含む。直接押出を含む組合せを同じ時点または後の時点で組み合わせることができる。上記例において、1つ以上の個々の層を各方法によって製造することができる。したがって、「sms」は、三層不織布材料を指し、「smsms」または「ssmms」は、五層不織布材料を指す。通常、小文字(sms)は個々の層を指し、大文字(SMS)は、類似の隣接層の編集を指す。
0218
さらに、好適なレッグカフに弾性糸状体が設けられる。
0219
sms、smmsまたはsmsmsの層組合せを示す合成繊維のレッグカフが好適である。13〜17gsmの密度を有する不織布が好適である。好ましくは、レッグカフに2つの弾性糸状体が設けられる。
0220
2.弾性材料
弾性材料は、拘束性および適合性を向上させるために流体吸収性物品を着用者の身体、例えば、ウエストおよび脚のまわりにしっかり保持したり、柔軟に畳んだりして、使用される。レッグ弾性材料は、外層と内層または流体吸収性物品との間、あるいは外側カバーとボディサイドライナーとの間に配置される。好適な弾性材料は、熱可塑性ポリウレタン、エラストマー材料、ポリ(エーテル−アミド)ブロックコポリマー、熱可塑性ゴム、スチレン−ブタジエンコポリマー、シリコンゴム、天然ゴム、合成ゴム、スチレンイソプレンコポリマー、スチレンエチレンブチレンコポリマー、ナイロンコポリマー、セグメント化ポリウレタンおよび/またはエチレン−酢酸ビニルコポリマーを含むスパンデックス繊維のシート、リボンまたは糸状体を含む。弾性材料を、延伸させた後に基板に固定する、または延伸基板に固定することができる。あるいは、弾性材料を基板に固定し、次いで例えば熱を加えることにより弾性化または収縮させることができる。
0222
第1のウエスト領域の少なくとも一部を閉鎖システムによって第2のウエスト領域の一部に取りつけて、流体吸収性物品を所定の位置に保持し、流体吸収性物品の裾およびウエストを形成する。好ましくは、流体吸収性物品に再閉鎖可能な閉鎖システムが設けられる。
0223
閉鎖システムは、再シール可能であり、または永久的であり、当該用途に好適な任意の材料、例えば、プラスチック、弾性材料、フィルム、発泡体、不織布基板、織布基板、紙、薄織物、積層体および繊維強化プラスチック等、またはそれらの組合せを含む。好ましくは、閉鎖システムは、軟性材料を含み、着用者の皮膚を刺激することなく円滑および柔軟に作用する。
0224
閉鎖要素の一部は、接着テープであり、第1のウエスト領域の側縁に配置された、一対の側方に伸びるタブを含む。テープタブは、典型的には、前方体パネルに取りつけられ、第1のウエストバンドの各角から側方に伸びる。これらのテープタブは、典型的には薄い脱着可能なカバーシートによって使用前に保護される接着性の内向き面を含む。
0225
好適なテープタブは、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、エチレン酢酸ビニル、エチレンビニルアルコール、エチレン酢酸ビニルアクリレートまたはエチレンアクリル酸コポリマーなどの熱可塑性ポリマーで構成されていてよい。
0227
好適な機械的閉鎖システムは、ランディングゾーンを含む。機械的閉鎖システムは、外側カバーに直接締結することができる。ランディングゾーンは、それにテープタブを係合させることが望ましい流体吸収性物品の部分として作用することができる。ランディングゾーンは、基礎材料および複数のテープタブを含みうる。テープタブをランディングゾーンの基礎材料に埋め込むことができる。基礎材料は、ループ材料を含みうる。ループ材料は、裏材料、および裏材料に取りつけられた不織布スパンボンドウェブの層を含みうる。
0228
したがって、好適なランディングゾーンをスパンボンディングによって製造することができる。スパンボンド不織布は、溶融熱可塑性材料を押し出すことによって形成された溶融紡糸繊維から製造される。二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、または機械的閉鎖システムの場合は刷毛塗り/閉鎖ループが好適である。
0229
さらに、好適な機械的閉鎖システムは、パンツまたはプルアップなどの、流体吸収性物品のための軟質ウエストバンドとして機能する弾性ユニットを含む。弾性ユニットによって、例えばトレーニングパンツのように、流体吸収性物品を着用者が引き下ろせるようになる。
0230
好適なパンツ形流体吸収性物体は、前部、後部、二股部、前部と後部を横方向に接続する側部、腰部、弾性ウエスト領域および防液性外層を有する。腰部は、使用者のウエストのまわりに配置される。使い捨てパンツ型流体吸収性物品(プルアップ)は、好適な柔軟性、伸縮性、漏れ防止特性および適合性を有するため、優れた快適性を着用者に与える。
0232
好適な閉鎖システムは、流体吸収性物品の締結デバイス内に弾性部を生成するためのエラストマーをさらに含みうる。エラストマーは、着用者のウエストおよび裾における流体吸収性物品の適合性を確保しつつ、十分な漏れ防止性能も維持する。
0234
好適な閉鎖システムは、流体吸収性物品を着用者の身体に柔軟に固定するとともに、着用者への適合性を向上させるためのウエストベルトおよびレッグベルトを含むベルトシステムをさらに含む。好適なウエストベルトは、2つの弾性ベルト、すなわち左側弾性ベルトおよび右側弾性ベルトを含む。左側弾性ベルトは、左側角縁の各々に対応する。右側弾性ベルトは、右側角縁の各々に対応する。左および右側ベルトは、吸収性衣服が平らに置かれると弾性的に伸長する。各ベルトは接続され、流体吸収性物品の前部と後部の間に伸びて、ウエストホールおよびレッグホールを形成する。
0235
好ましくは、ベルトシステムは、エラストマーで構成されているため、流体吸収性物品の適合性を確保し、十分な漏れ防止性能を維持する。
0236
D.流体吸収性物品の構成
本発明は、さらに、以上に挙げられた構成要素および層、フィルム、シート、薄織物または基板を接合して流体吸収性物品を提供することに関する。少なくとも2つ、好ましくはすべての層、フィルム、シート、薄織物または基板を接合する。
0237
好適な流体吸収性物品は、単一または多重流体吸収性コアシステムを含む。好ましくは、流体吸収性物品は、単一または二重流体吸収性コアシステムを含む。
0238
流体吸収性コアの好適な流体貯蔵層は、均質または不均質に分散された流体吸収性ポリマー粒子を含む繊維状材料の均質または不均質混合物を含む。流体吸収性コアの好適な流体貯蔵層は、繊維状材料の均質混合物を含み、流体吸収性ポリマー粒子を場合により含む層状流体吸収性コアシステムを含むことにより、層の各々を当該技術分野で既知の手段によって任意の繊維状材料から製造することができる。
0239
流体吸収性ポリマー粒子を固定するため、隣接する層を熱可塑性材料により固定することによって、全表面を通じて、または代替的に個々の接合部に接続部を構築する。後者の場合、流体吸収性粒子を担持するキャビティまたはポケットが構築される。接合部は、例えば、流体吸収性コアの縦軸と整列した、または多角形、例えば五角形もしくは六角形のパターンの規則または不規則パターンを有しうる。接合部は、それ自体が、直径約0.5mm〜2mmの長方形、円形または正方形であってよい。接合部を含む流体吸収性物品は、より良好な濡れ強度を示す。
0240
製造物シャーシおよびそれに含まれる構成要素の構造体が、当業者に既知のホットメルト接着剤を別々に塗布することによって作成および制御される。例として、Dispomelt 505B、Dispomelt Cool 1101、ならびにNational StarchまたはHenkel製の他の特定の機能接着剤が挙げられる。
0241
本発明を詳細に説明するために、以下の実施形態を作成する。
0242
続いて好適な流体吸収性物品を詳細に説明する。
0243
実施形態1
本発明の1つの好適な実施形態を以下の実施形態1に記載する。好適な流体吸収性物品は、
(A)スパンボンド層(スリーピースカバーストック)を含む上部液体透過層;
(B)通気性ポリエチレンフィルムおよびスパンボンド不織布の複合体を含む下部液体不透過層;
(C)全吸収性コア質量に基づき10〜50質量%の流体吸収性ポリマー粒子を含み、
1.全フラフ量の約50%を含む木材パルプ繊維(セルロース繊維)の親水性繊維状マトリックスの均質上部コアフラフ層;
2.流体吸収性ポリマー粒子を含む流体吸収性層であって;当該構造に好適な流体吸収性ポリマー粒子が約32〜60g/gの遠心分離保持能(CRC)を有する流体吸収性層;
3.全フラフ量の約50%を含み、ダスティング層として作用する木材パルプ繊維(セルロース繊維)の親水性繊維状マトリックスの均質下部コアフラフ層を含む多層流体貯蔵部を含む、(A)(B)間の単一流体吸収性コア;および
(D)基本質量が30〜80gsm、長方形の流体吸収性コアより小さな、サイズ約150〜約250cm2の、(A)(C)間の通気結合取得−分配層とを含む。
0244
製造物シャーシおよびそれに含まれる構成要素の構造体が、当業者に既知のホットメルト接着剤を別々に塗布することによって作成および制御される。例として、Dispomelt 505B、Dispomelt Cool 1101、ならびにNational StarchまたはHenkel製の他の特定の機能接着剤が挙げられる。
0245
ホットメルト接着剤を使用して、不織布シートに流体吸収性ポリマー粒子を固定することにより超薄型高荷重流体吸収性層を形成することができる。好ましくは、流体吸収性ポリマー粒子は、縦方向細長片または不連続スポットを形成する。流体吸収性ポリマー粒子の他のパターンも可能である。
0247
超薄型高荷重流体吸収性層の例が、本開示の一部を明示的に形成するEP1293187A1、US6,972,011、EP1447066A1、EP1447067A1、EP1609448A1、JP2004/313580、US2005/0137085、US2006/0004336、US2007/0135785、WO2008/155699A1、WO2008/155701A2、WO2008/155702A1、WO2008/155710A1、WO2008/155711A1、WO2004/071363A1、US2003/0181115、WO2005/097025、US2007/156108、US2008/0125735およびWO2008/155722A2に記載されている。
0248
実施形態1の構造例
流体吸収性コアは、各層が均一の長方形サイズを有する多層単一コアシステムからなる。(A)(B)間の層状流体吸収性コアは、親水性繊維(セルロース繊維、フラフパルプ繊維)の多層システムを含む。全フラフパルプ質量は20.45gであり、上部コア(1)と底部コア(3)とで均等に分割される。流体吸収性コアの密度は、前部総平均値が0.18g/cm3、侵襲域が0.17g/cm3、後部総平均値が0.15g/cm3である。流体吸収性コアの基本質量は、前部総平均値が802.75gsm、侵襲域が825.94gsm、後部総平均値が766.14gsmである。
0249
流体吸収性層(2)は、31.38質量%の分布流体吸収性ポリマー粒子を保持し、流体吸収性コア内の流体吸収性ポリマー粒子の量は、9.34gである。
0250
WO2008/009580A1、第1表、実施例2に記載の、滴下重合から得られる流体吸収性ポリマー粒子は、以下の特徴および吸収プロファイルを示す:
37.2g/gのCRC
10×10-7cm3s/gのSFC
28.1g/gのAUHL
32g/gのAUL
3.1質量%の抽出物
300ppmの残留モノマー
2.9質量%の水分含量
0.59g/gsのFSR
200〜600μmのPSD
固化防止度3
0251
流体吸収性ポリマー粒子を、13質量%の水分含量まで再吸湿させた。
0252
流体吸収性コアの寸法:長さ:37.5cm;幅:10.0cm。
0253
50gsmの基本質量を有する(A)(C)間の通気結合取得−分配層は、寸法20cm×10cmの長方形であり、流体吸収性コアより小さい。
0254
流体吸収性物品は、以下をさらに含む:
・平板ゴム弾性材料;スパンデックス型繊維の弾性材料:3レッグ弾性材料および1カフ弾性材料
・SMSの層組合せを示し、基本質量13〜17gsmおよび高さ4.6cmの合成繊維のレッグカフ
・寸法18.3cm×4.0cmのランディングゾーンおよび3.4cm×1.0cmのフレキシバンド閉鎖テープを有し;3.4cm×1.4cmのフック締結テープに取りつけられた機械的閉鎖システム
・寸法14.6cm×4.5cmの、製造物の後方に配置された弾性化ウエストバンドも含まれる。
0255
流体吸収性物品の寸法:長さ:49.6cm;前部幅:34.0cm;二股幅:24.0cm;後部幅34.3cm。
0256
実施形態2
本発明のさらに好適な実施形態を以下の実施形態2に記載する。好適な流体吸収性物品は、
(A)熱ボンド層(スリーピースカバーストック)を含む上部液体透過層;
(B)通気性ポリエチレンフィルムおよびスパンボンド不織布の複合体を含む下部液体不透過層;
(C)全吸収性コア質量に基づき40〜80質量%の流体吸収性ポリマー粒子を含み、
1.全フラフ量の約50%を含む木材パルプ繊維(セルロース繊維)の親水性繊維状マトリックスの均質上部コアフラフ層;
2.流体吸収性ポリマー粒子を含む流体吸収性層であって;当該構造に好適な流体吸収性ポリマー粒子が約35〜100×10-7cm3s/gの食塩水流れ誘導性(CFC)を有する流体吸収性層;
3.全フラフ量の約50%を含み、ダスティング層として作用する木材パルプ繊維(セルロース繊維)の親水性繊維状マトリックスの均質下部コアフラフ層を含む多層流体貯蔵部を含む(A)(B)間の単一流体吸収性コア;および
(D)基本質量が40〜80gsm;長方形の流体吸収性コアより小さな、サイズ約150〜約250cm2の、(A)(B)間の通気結合取得−分配層とを含む。
0257
製造物シャーシおよびそれに含まれる構成要素の構造体が、当業者に既知のホットメルト接着剤を別々に塗布することによって作成および制御される。例として、Dispomelt 505B、Dispomelt Cool 1101、ならびにNational StarchまたはHenkel製の他の特定の機能接着剤が挙げられる。
0258
ホットメルト接着剤を使用して、不織布シートに流体吸収性ポリマー粒子を固定することにより超薄型高荷重流体吸収性層を形成することができる。好ましくは、流体吸収性ポリマー粒子は、縦方向細長片または不連続スポットを形成する。流体吸収性ポリマー粒子の他のパターンも可能である。
0259
好適な実施形態において、超薄型高荷重流体吸収性層は、固定流体吸収性ポリマー粒子を含む少なくとも2つのシートを含む。
0260
超薄型高荷重流体吸収性層の例が、本開示の一部を明示的に形成するEP1293187A1、US6,972,011、EP1447066A1、EP1447067A1、EP1609448A1、JP2004/313580、US2005/0137085、US2006/0004336、US2007/0135785、WO2008/155699A1、WO2008/155701A2、WO2008/155702A1、WO2008/155710A1、WO2008/155711A1、WO2004/071363A1、US2003/0181115、WO2005/097025、US2007/156108、US2008/0125735およびWO2008/155722A2に記載されている。
0261
実施形態2の構造例
流体吸収性コアは、各層が均一の長方形サイズを有する多層単一コアシステムからなる。(A)(B)間の層状流体吸収性コアは、親水性繊維(セルロース繊維、フラフパルプ繊維)の多層システムを含む。全フラフパルプ質量は12gであり、上部コア(1)と底部コア(3)とで均等に分割される。流体吸収性コアの密度は、前部総平均値が0.19g/cm3、侵襲域が0.20g/cm3、後部総平均値が0.18g/cm3である。流体吸収性コアの基本質量は、前部総平均値が989gsm、侵襲域が1101gsm、後部総平均値が664gsmである。流体吸収性コアの厚さは、平均値4.5mmである。
0262
流体吸収性層(2)は、56.5質量%の分布流体吸収性ポリマー粒子を保持し、流体吸収性コア内の流体吸収性ポリマー粒子の量は、12gである。
0263
WO2008/009580A1、第1表、実施例5に記載の、滴下重合から得られる流体吸収性ポリマー粒子は、以下の特徴および吸収プロファイルを示す:
28.7g/gのCRC
51×10-7cm3s/gのSFC
24.5g/gのAUHL
30.3g/gのAUL
2.6質量%の抽出物
250ppmの残留モノマー
1.6質量%の水分含量
0.51g/gsのFSR
200〜600μmのPSD
固化防止度3
0264
流体吸収性ポリマー粒子を、13質量%の水分含量まで再吸湿させた。
0265
流体吸収性コアの寸法:長さ:38cm;幅:10cm。
0266
基本質量が50gsm;(A)(C)間の通気結合取得−分配層は、寸法24cm×8cmの長方形であり、流体吸収性コアより小さい。
0267
流体吸収性物品は、以下をさらに含む:
・平板ゴム弾性材料;スパンデックス型繊維の弾性材料:3レッグ弾性材料および1カフ弾性材料
・SMSの層組合せを示し、基本質量13〜17gsmおよび高さ4.6cmの合成繊維のレッグカフ
・寸法18.3cm×4.0cmのランディングゾーンおよび3.4cm×1.0cmのフレキシバンド閉鎖テープを有し;3.4cm×1.4cmのフック締結テープに取りつけられた機械的閉鎖システム
・寸法14.6cm×4.5cmの、製造物の後方に配置された弾性化ウエストバンドも含まれる。
0268
流体吸収性物品の寸法:長さ:49.6cm;前部幅:34.0cm;二股幅:24.0cm;後部幅:34.3cm。
0269
実施形態3
本発明の1つのさらに好適な実施形態を以下の実施形態3に記載する。好適な流体吸収性物品は、
(A)スパンボンドウェブ(スリーピースカバーストック)を含む上部液体透過層;
(B)通気性ポリエチレンフィルムおよびスパンボンド不織布の複合体を含む下部液体不透過層;
(C)木材パルプ繊維(セルロース繊維)と10〜50質量%の均一に分布した流体吸収性ポリマー粒子との混合物を流体吸収性コア(C)内に含む、(A)(B)間の単一流体吸収性コアであって;当該構造に好適な流体吸収性ポリマー粒子が約32〜60g/gの遠心分離保持能(CRC)を有し;該流体吸収性コアが、液体不透過層(B)に隣接し、上記流体吸収性コアの下に位置するダスティング層をさらに含み;ダスティング層が、フラフのみを含む繊維層(セルロース繊維)である単一流体吸収性コア;および
(D)基本質量が30〜80gsm;長方形の流体吸収性コアより小さな、サイズ約150〜約250cm2の、(A)(B)間の通気結合取得−分配層とを含む。
0270
製造物シャーシおよびそれに含まれる構成要素の構造体が、当業者に既知のホットメルト接着剤を別々に塗布することによって作成および制御される。例として、Dispomelt 505B、Dispomelt Cool 1101、ならびにNational StarchまたはHenkel製の他の特定の機能接着剤が挙げられる。
0271
ホットメルト接着剤を使用して、不織布シートに流体吸収性ポリマー粒子を固定することにより超薄型高荷重流体吸収性層を形成することができる。好ましくは、流体吸収性ポリマー粒子は、縦方向細長片または不連続スポットを形成する。流体吸収性ポリマー粒子の他のパターンも可能である。
0272
好適な実施形態において、超薄型高荷重流体吸収性層は、固定流体吸収性ポリマー粒子を含む少なくとも2つのシートを含む。
0273
超薄型高荷重流体吸収性層の例が、本開示の一部を明示的に形成するEP1293187A1、US6,972,011、EP1447066A1、EP1447067A1、EP1609448A1、JP2004/313580、US2005/0137085、US2006/0004336、US2007/0135785、WO2008/155699A1、WO2008/155701A2、WO2008/155702A1、WO2008/155710A1、WO2008/155711A1、WO2004/071363A1、US2003/0181115、WO2005/097025、US2007/156108、US2008/0125735およびWO 008/155722A2に記載されている。
0274
実施形態3の構造例
流体吸収性コアは、均一の長方形サイズを有する、流体吸収性コア(C)内に木材パルプ繊維(セルロース繊維)と37.11質量%の均一に分布した流体吸収性ポリマー粒子との混合物を含む、(A)(B)間の単一流体吸収性コアからなる。流体吸収性コア内の流体吸収性ポリマー粒子の量は、11.38gである。全フラフパルプ質量は19.25gである。流体吸収性コアの密度は、前部総平均値が0.22g/cm3、侵襲域が0.18g/cm3、後部総平均値が0.18g/cm3である。流体吸収性コアの基本質量は、前部総平均値が914.18gsm、侵襲域が925.47gsm、後部総平均値が886.32gsmである。
0275
WO2008/009580A1、第1表、実施例3に記載の、滴下重合から得られる流体吸収性ポリマー粒子は、以下の特徴および吸収プロファイルを示す:
34.8g/gのCRC
16×10-7cm3s/gのSFC
27.2g/gのAUHL
32.3g/gのAUL
3.0質量%の抽出物
320ppmの残留モノマー
1.1質量%の水分含量
0.58g/gsのFSR
200〜600μmのPSD
固化防止度3
0276
流体吸収性ポリマー粒子を、13質量%の水分含量まで再吸湿させた。
0277
流体吸収性コアの寸法:長さ:39.2cm;幅:10.0cm。
0278
流体吸収性コアの厚さは、平均値4.7mmである。
0279
基本質量が40gsmの、(A)(C)間の通気結合取得−分配層は、寸法24.4cm×8.6cmの長方形であり、流体吸収性コアより小さい。
0280
流体吸収性物品は、以下をさらに含む:
・平板ゴム弾性材料;スパンデックス型繊維の弾性材料:3レッグ弾性材料および1カフ弾性材料
・SMSの層組合せを示し、基本質量13〜17gsmおよび高さ3.0cmの合成繊維のレッグカフ
・寸法18.9cm×3.8cmのランディングゾーンおよび1.6cm×3.4cmのフレキシバンド閉鎖テープを有し;1.3cm×3.4cmのフック締結テープに取りつけられた機械的閉鎖システム
・寸法10.8cm×2.8cmの、製造物の後方に配置された弾性化ウエストバンドも含まれる。
0281
流体吸収性物品の寸法:長さ:47.8cm;前部幅:31.5cm;二股幅:20.6cm;後部幅:31.1cm。
0282
実施形態4
本発明の1つのさらに好適な実施形態を以下の実施形態4に記載する。好適な流体吸収性物品は、
(A)スパンボンドウェブ(スリーピースカバーストック)を含む上部液体透過層;
(B)通気性ポリエチレンフィルムおよびスパンボンド不織布の複合体を含む下部液体不透過層;
(C)木材パルプ繊維(セルロース繊維)と40〜80質量%の均一に分布した流体吸収性ポリマー粒子との混合物を流体吸収性コア(C)内に含む、(A)(B)間の単一流体吸収性コアであって;当該構造に好適な流体吸収性ポリマー粒子が約35〜100×10-7cm3s/gの食塩水流れ誘導性(SFC)を有する単一流体吸収性コア;および
(D)基本質量40〜80gsmの上部樹脂結合層を含む、(A)(B)間の2つの取得−分配層のシステムであって;上部取得−分配層が、サイズ約150〜約250cm2の長方形であり、下部取得−分配層が、基本質量40〜80gsmおよびサイズ約100〜約300cm2の(例えばBuckeye Technologies Inc.の)変性セルロース繊維を含み;両取得−分布層が流体吸収性コアより小さいシステムとを含む。
0283
製造物シャーシおよびそれに含まれる構成要素の構造体が、当業者に既知のホットメルト接着剤を別々に塗布することによって作成および制御される。例として、Dispomelt 505B、Dispomelt Cool 1101、ならびにNational StarchまたはHenkel製の他の特定の機能接着剤が挙げられる。
0284
ホットメルト接着剤を使用して、不織布シートに流体吸収性ポリマー粒子を固定することにより超薄型高荷重流体吸収性層を形成することができる。好ましくは、流体吸収性ポリマー粒子は、縦方向細長片または不連続スポットを形成する。流体吸収性ポリマー粒子の他のパターンも可能である。
0285
好適な実施形態において、超薄型高荷重流体吸収性層は、固定流体吸収性ポリマー粒子を含む少なくとも2つのシートを含む。
0286
超薄型高荷重流体吸収性層の例が、本開示の一部を明示的に形成するEP1293187A1、US6,972,011、EP1447066A1、EP1447067A1、EP1609448A1、JP2004/313580、US2005/0137085、US2006/0004336、US2007/0135785、WO2008/155699A1、WO2008/155701A2、WO2008/155702A1、WO2008/155710A1、WO2008/155711A1、WO2004/071363A1、US2003/0181115、WO2005/097025、US2007/156108、US2008/0125735およびWO2008/155722A2に記載されている。
0287
実施形態4の構造例
流体吸収性コアは、均一の長方形サイズを有する、流体吸収性コア(C)内に木材パルプ繊維(セルロース繊維)と67.12質量%の均一に分布した流体吸収性ポリマー粒子との混合物を含む、(A)(B)間の単一流体吸収性コアからなる。流体吸収性コアは、基本質量10gsmのスパンボンド材料でラップすることによって封入される。流体吸収性コア内の流体吸収性ポリマー粒子の量は、12.18gである。全フラフパルプ質量は5.95gである。流体吸収性コアの密度は、前部総平均値が0.19g/cm3、侵襲域が0.18g/cm3、後部総平均値が0.18g/cm3である。流体吸収性コアの基本質量は、前部総平均値が965.79gsm、侵襲域が913.38gsm、後部総平均値が658.85gsmである。
0288
WO2008/009580A1、実施例7に記載の、滴下重合から得られる流体吸収性ポリマー粒子は、以下の特徴および吸収プロファイルを示す:
20.9g/gのCRC
149×10-7cm3s/gのSFC
18.8g/gのAUHL
22.3g/gのAUL
1.6質量%の抽出物
330ppmの残留モノマー
16.6質量%の水分含量
0.28g/gsのFSR
200〜600μmのPSD
固化防止度3
0289
流体吸収性コアの寸法:長さ:40.0cm;幅:10.0cm。
0290
流体吸収性コアの厚さは、平均値4.4mmである。
0291
基本質量60gsmの、(A)(C)間の通気結合取得−分配層は、寸法24.0cm×7.5cmの長方形であり、流体吸収性コアより小さい。
0292
流体吸収性物品は、以下をさらに含む:
・平板ゴム弾性材料;スパンデックス型繊維の弾性材料:3レッグ弾性材料および2カフ弾性材料
・SMSの層組合せを示し、基本質量13〜17gsmおよび高さ3.3cmの合成繊維のレッグカフ
・3.5cm×1.5cmの感圧接着域および3.5cm×1.2cmの機械的フックからなる、19.8cm×5.0cmの寸法のランディングゾーンおよび3.5cm×2.7cmのフレキシバンド閉鎖テープを有する機械的閉鎖システム。
0294
流体吸収性物品の寸法:長さ:48.0cm;前部幅:32.3cm;二股幅:20.3cm;後部幅:31.0cm。
0295
実施形態5
本発明の1つのさらに好適な実施形態を以下の実施形態5に記載する。好適な流体吸収性物品は、
(A)スパンボンド層(スリーピースカバーストック)を含む上部液体透過層;
(B)通気性ポリエチレンフィルムおよびスパンボンド不織布の複合体を含む下部液体不透過層;
(C)一次コアとしての木材パルプ繊維(セルロース繊維)と流体吸収性ポリマー粒子との均質混合物、および層状二次流体吸収性コアを含む、(A)(B)間の二重流体吸収性コアであって;二重流体吸収性コア全体が、
1.一次吸収性コア質量に基づき10〜50質量%の流体吸収性ポリマー粒子を含む木材パルプ繊維(セルロース繊維)の親水性繊維状マトリックスの均質一次コアであって;該一次コアが全フラフ量の約30%を含み;、当該構造に好適な流体吸収性ポリマー粒子が、約32〜60g/gの遠心分離保持能(CRC)を有する均質一次コア;
2.全フラフ量の約35%を含む木材パルプ繊維(セルロース)の親水性繊維状マトリックスの二次コア上部フラフ層;
3.二次吸収性コア質量に基づき10〜50質量%の流体吸収性ポリマー粒子を含む流体吸収性層であって;当該構造に好適な流体吸収性ポリマー粒子が、約32〜60g/gの遠心分離保持能CRCを有する流体吸収性層;
4.ダスティング層として作用する木材パルプ繊維(セルロース繊維)の親水性繊維状マトリックスの二次コア下部フラフ層であって;下部コアが全フラフ量の約35%を含む二次コア下部フラフを含む二重流体吸収性コア;および
(D)基本質量30〜80gsmの、(A)(C)間の通気結合取得−分配層であって;長方形の一次流体吸収性コアより小さな、サイズ約150〜約250cm2の通気結合−分配層とを含む。
0296
製造物シャーシおよびそれに含まれる構成要素の構造体が、当業者に既知のホットメルト接着剤を別々に塗布することによって作成および制御される。例として、Dispomelt 505B、Dispomelt Cool 1101、ならびにNational StarchまたはHenkel製の他の特定の機能接着剤が挙げられる。
0297
ホットメルト接着剤を使用して、不織布シートに流体吸収性ポリマー粒子を固定することにより超薄型高荷重流体吸収性層を形成することができる。好ましくは、流体吸収性ポリマー粒子は、縦方向細長片または不連続スポットを形成する。流体吸収性ポリマー粒子の他のパターンも可能である。
0298
好適な実施形態において、超薄型高荷重流体吸収性層は、固定流体吸収性ポリマー粒子を含む少なくとも2つのシートを含む。
0299
超薄型高荷重流体吸収性層の例が、本開示の一部を明示的に形成するEP1293187A1、US6,972,011、EP1447066A1、EP1447067A1、EP1609448A1、JP2004/313580、US2005/0137085、US2006/0004336、US2007/0135785、WO2008/155699A1、WO2008/155701A2、WO2008/155702A1、WO2008/155710A1、WO2008/155711A1、WO2004/071363A1、US2003/0181115、WO2005/097025、US2007/156108、US2008/0125735およびWO2008/155722A2に記載されている。