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技術 制御放出性の耳の構造体調節および生来の免疫システム調節化合物および耳の障害の処置のための方法

出願人 オトノミ―,インク.ザリージェンツオブザユニバーシティオブカリフォルニア
発明者 リッチャージェイボルラスベネディクトトラメルアンドリューエム.デュロンセルジオジー.ピゥファブリスデラマリールイスエー.イェキアンレベルカールスカイフマイケルクリストファーハリスジェフリーピー.
出願日 2009年7月20日 (11年5ヶ月経過) 出願番号 2011-520121
公開日 2011年11月24日 (9年0ヶ月経過) 公開番号 2011-528716
状態 特許登録済
技術分野 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 医薬品製剤 ナノ構造物 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 非環式または炭素環式化合物含有医薬 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード 移動特徴 ずれ率 静的平衡 弛緩部 スポンジ状物質 水泳選手 ピストン様 不混和液体
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2011年11月24日)のものです。
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図面 (6)

課題・解決手段

本明細書には、障害苦しむ個体に局所的に投与された耳の構造体調節組成物で耳の障害を処置するための、組成物および方法が記載され、これらの組成物は、標的とする耳の構造体上へ、または標的とする耳の構造体への灌流を介して直接適用されることが記載される。

概要

背景

脊椎動物は、頭部の対向する側面に対称的に位置する一対のを有している。耳には、音を検出する感覚器官としての役割だけではなく、平衡および体の位置を保つ器官としての役割もある。耳は、3つの部分に一般的に分けられる。すなわち、外耳中耳(auris mediaまたはmiddle ear)、内耳(auris internaまたはinner ear)に分けられる。

概要

本明細書には、耳の障害苦しむ個体に局所的に投与された耳の構造体調節組成物で耳の障害を処置するための、組成物および方法が記載され、これらの組成物は、標的とする耳の構造体上へ、または標的とする耳の構造体への灌流を介して直接適用されることが記載される。

目的

さらに別の実施形態において、耳に許容可能な増粘剤は、約1000と約1,000,000のセンチポアズの間の粘性を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
3件

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請求項1

実質的に低い分解生成物を有する治療上有効な量の構造体変性剤を含む、医薬組成物またはデバイスであって、前記医薬組成物またはデバイスは、(i)約0.1重量%から約10重量%の耳の構造体変性剤、または、薬学的に許容可能なそれらのプロドラッグもしくは塩、(ii)約14重量%と約21重量%の間の、一般式E106P70E106のポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリブロックコポリマー、(iii)約5.5と約8.0の間のpHになるように緩衝化された、適切な量の滅菌水、(iv)多粒子の耳の構造体変性剤、(v)約19℃から約42℃のゲル化温度、(vi)組成物グラム当たり微生物剤コロニー形成単位(cfu)が約50未満、(vii)被験体の体重1kg当たりのエンドトキシン単位(EU)が約5未満、(viii)耳の構造体変性剤に関する約30時間の平均溶解時間、および、(ix)約100,000cPから約500,000cPまでの見掛け粘度、から選択される2以上の特徴をさらに含むことを特徴とする医薬組成物またはデバイス。

請求項2

前記医薬組成物またはデバイスが、(i)約0.1重量%から約10重量%の耳の構造体変性剤、または、薬学的に許容可能なそれらのプロドラッグもしくは塩、(ii)約14重量%と約21重量%の間の、一般式E106P70E106のポリオキシエチレン‐ポリオキシプロピレントリブロックコポリマー、(iii)多粒子の耳の構造体変性剤、(iv)約19℃から約42℃のゲル化温度、を含むことを特徴とする請求項1に記載の医薬組成物またはデバイス。

請求項3

前記医薬組成物またはデバイスは、200から400mOsm/Lの間の実際のモル浸透圧濃度を与えることを特徴とする請求項1に記載の医薬組成物またはデバイス。

請求項4

前記耳の構造体変性剤が少なくとも3日間にわたって放出されることを特徴とする請求項1に記載の医薬組成物またはデバイス。

請求項5

前記医薬組成物またはデバイスが、耳に許容可能な熱可逆性ゲルであることを特徴とする請求項1に記載の医薬組成物またはデバイス。

請求項6

染料をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の医薬組成物またはデバイス。

請求項7

前記耳の構造体変性剤は、アルコールアルカノール精油脂肪酸グリコールラウロカプラムピロリドンスルホキシド界面活性剤酵素、または、それらの組み合わせであり、前記酵素は、プロテアーゼグリコシダーゼアクチナーゼ、カセイナーゼ、コンドロイチナーゼコラゲナーゼ、ダーマタナーゼ、エラスターゼゼラチナーゼヘパラナーゼヒアルロニダーゼケラチナーゼリパーゼメタロプロテインナーゼ(例えば、マトリックス・メタロプロテインナーゼ)、スタフィロキナーゼストレプトキナーゼキモトリプシンエンドペプチダーゼV8、トリプシンサーモリシンペプシンプラスミン、または、それらの組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載の医薬組成物またはデバイス。

請求項8

前記耳の構造体変性剤が多粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載の医薬組成物またはデバイス。

請求項9

前記耳の構造体変性剤が、基本的に微粒子化した粒子の形態であることを特徴とする請求項1に記載の医薬組成物またはデバイス。

請求項10

前記組成物またはデバイスのpHが約6.0から約7.0の間であることを特徴とする請求項1に記載の医薬組成物またはデバイス。

請求項11

前記耳の疾患または疾病が、外耳炎中耳炎乳様突起炎感音性難聴耳毒性内リンパ水腫迷路炎メニエール病メニエール症候群微小血管圧迫症候群、前庭ニューロン炎音響外傷老人性難聴コレステリン腫耳硬化症シャイベ症候群、Mondini−Michelle症候群、ワールデンブルグ症候群、Michel症候群、アレキサンダース耳変形、隔離症ジャーベルランゲニールセン(Jervell−LangeNielson)症候群、レフサム症候群、アッシャー症候群、または、それらの組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載の医薬組成物またはデバイス。

請求項12

実質的に低分解生成物を有する治療上有効な量の耳の構造体変性剤を含む中耳内の組成物またはデバイスを、それらを必要とする個体に投与する工程を含む、余分な耳の構造体によって特徴付けられる耳の疾患または症状を処置するための方法であって、前記医薬組成物またはデバイスは、(i)約0.1重量%から約10重量%の耳の構造体変性剤、または、薬学的に許容可能なそれらのプロドラッグもしくは塩、(ii)約14重量%と約21重量%の間の、一般式E106P70E106のポリオキシエチレン‐ポリオキシプロピレントリブロックコポリマー、(iii)約5.5と約8.0の間のpHになるように緩衝化された、適切な量の滅菌水、(iv)多粒子の耳の構造体変性剤、(v)約19℃から約42℃のゲル化温度、(vi)組成物1グラム当たりの微生物剤のコロニー形成単位(cfu)が約50未満、(vii)被験体の体重1kg当たりのエンドトキシン単位(EU)が約5未満、(viii)耳の構造体変性剤に関する約30時間の平均溶解時間、および、(ix)約100,000cPから約500,000cPまでの見掛け粘度、から選択される2以上の特徴を含むことを特徴とする方法。

請求項13

前記耳の構造体変性剤が、少なくとも3日間にわたって放出されることを特徴とする請求項12に記載の方法。

請求項14

前記耳の構造体変性剤が、基本的に微粒子化した粒子の形態であることを特徴とする請求項12に記載の方法。

請求項15

前記耳の構造体変性剤が、骨を変性することを特徴とする請求項12に記載の方法。

請求項16

前記耳の構造体変性剤が、ニューロンを変性することを特徴とする請求項12に記載の方法。

請求項17

前記耳の構造体変性剤が、膜を変性することを特徴とする請求項12に記載の方法。

請求項18

前記耳の構造体変性剤が、液プーリーを変性することを特徴とする請求項12に記載の方法。

請求項19

前記耳の構造体変性剤が、内リンパまたは外リンパを変性することを特徴とする請求項12に記載の方法。

技術分野

0001

本出願は、2008年7月21日出願の米国仮特許出願第61/082,450号、2008年8月22日出願の米国仮特許出願第61/091,205号、2004年9月4日出願の米国仮特許出願第61/094,384号、2008年9月29日出願の米国仮特許出願第61/101,112号、2008年10月27日出願の米国仮特許出願第61/108,845号、2008年12月22日出願の米国仮特許出願61/140,033号、2009年3月2日出願の米国仮特許出願第61/156,771号、そして2008年8月22日出願の米国仮特許出願第61/091,200号の利益を主張するものであり、これら全ては、その全体において本明細書の参照によって組み入れられる。

背景技術

0002

脊椎動物は、頭部の対向する側面に対称的に位置する一対のを有している。耳には、音を検出する感覚器官としての役割だけではなく、平衡および体の位置を保つ器官としての役割もある。耳は、3つの部分に一般的に分けられる。すなわち、外耳中耳(auris mediaまたはmiddle ear)、内耳(auris internaまたはinner ear)に分けられる。

課題を解決するための手段

0003

本明細書には、特定の実施形態において、耳の少なくとも1つの構造体または領域に対し、耳の構造体調節剤または生来免疫システム調節剤制御放出するための組成物、組成物、製造方法、治療方法、使用、キット、および送達デバイスが記載される。本明細書には、特定の実施形態において、耳に耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤を送達するための制御放出組成物が開示される。いくつかの実施形態において、耳の標的部分は、中耳(auris mediaまたはmiddle ear)である。いくつかの実施形態において、耳の標的部分は、内耳(inner earまたはauris interna)である。他の実施形態において、耳の標的部分は、中耳と内耳の両方である。いくつかの実施形態において、制御放出組成物は、耳の標的とする構造体に、耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤を送達するために、短時間型または即効型の放出成分をさらに含んでいる。すべての組成物は、耳に許容可能な賦形剤を含む。

0004

本明細書には、また、特定の実施形態において、耳の障害処置するための組成物およびデバイスが開示され、前記組成物およびデバイスは、耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤を含む。さらに、本明細書には、特定の実施形態において、耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤を含む制御放出組成物を、それらを必要とする個体へ投与することによって耳の障害を処置するための方法が開示される。いくつかの実施形態において、耳の障害は、外耳炎中耳炎乳様突起炎感音性難聴耳毒性内リンパ水腫迷路炎メニエール病メニエール症候群微小血管圧迫症候群、前庭ニューロン炎音響外傷老人性難聴コレステリン腫耳硬化症、Scheibe症候群、Mondini Michelle症候群、ワールデンブルグ症候群、Michel症候群、アレキサンダース耳変形(Alexander's ear deformity)、隔離症ジャーベルランゲニールセン症候群、レフサム症候群、アッシャー症候群またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、耳の障害は、外耳炎、中耳炎、乳様突起炎、AIED、Ramsay Hunt's、再潅流傷害骨化性迷路炎またはそれらの組み合わせである。

0005

本明細書に記載されている耳用組成物と治療方法は、従来技術に記載された組成物と治療方法の以前に認識されていなかった制限を解消するさまざまな利点を有している。

0006

減菌
内耳の環境は、隔離された環境である。内リンパと外リンパは、静的な液体であり、循環器系に常に接しているものではない。血液‐迷路障壁(BLB)は、血液‐内リンパ‐障壁と、血液‐外リンパ‐障壁を含んでおり、迷路空間(即ち、前庭と蝸牛との空間)内の特異化した上皮細胞間細胞間隙から成る。BLBの存在は、内耳の隔離された微小環境への、活性薬剤(例えば、耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤)の送達を制限する。耳の有毛細胞は、内リンパ液又は外リンパ液に浸かっており、蝸牛におけるカリウムイオン再循環は、有毛細胞機能に重要なものである。内耳が感染したとき、(例えば、微生物感染に応じて)白血球及び/又は免疫グロブリンの内リンパ及び/又は外リンパへの流入があり、内耳流体イオン組成物は、白血球及び/又は免疫グロブリンの流入によって乱される。特定の例において、内耳流体のイオン組成物内の変化は、結果として、難聴と、平衡感覚損失、及び/又は、聴覚構成物の骨化を生じてしまう。特定の例において、微量の発熱物質及び/又は微生物が、感染を引き起こし、そして、内耳の隔離された微小環境内に、関連する物理的変化を引き起こす。

0007

内耳の感染に対する感受性に起因して、耳用組成物は、これまでの先行技術で認識されてこなかった無菌レベルを必要とする。本明細書では、厳格無菌要求によって無菌化され、中耳及び/又は内耳へ投与するのに適している耳用組成物が提供される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の耳に適合する組成物は、実質、発熱物質及び/又は微生物を含まない。

0008

内耳環境との適合性
本明細書には、外リンパ及び/又は内リンパに適合可能で、蝸牛電位に何の変化も生じさせないイオン平衡を有する耳用組成物が記載される。特定の実施形態において、現在の組成物のモル浸透圧濃度(容積モル浸透圧濃度(osmolarity)/重量モル浸透圧濃度(osmolality))は、例えば、適切な塩濃度(例えば、ナトリウム塩の濃度)の使用、または組成物を内リンパ/又は外リンパ適合性にする(つまり、内リンパ及び/又は外リンパと等張の)浸透圧剤の使用によって調節される。いくつかの例において、外リンパ適合性及び/又は内リンパ適合性の本明細書に記載の組成物は、内耳の環境に最小の妨害しか引き起こさず、投与時に被験体(例えば人間)に最小の不快感(例えば、眩暈)しか引き起こさない。更に、組成物は、生物分解性及び/又は非分解性の、及び/又は、さもなければ、内耳環境に無毒ポリマーを備えている。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の組成物は、防腐剤を含んでおらず、聴覚構造体内に最少の不快感(例えば、pH又はモル浸透圧濃度の変化、炎症)しか与えない。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の組成物は、耳構造体に対して非刺激性の、及び/又は、無毒な抗酸化剤を含む。

0009

投薬頻度
耳用組成物に対する治療現行基準は、数日にわたる(例えば、2週間に至るまで)液滴又は注射(例えば、鼓室内への注射)の複数回投与を必要とし、1日当たり、複数回注射を受け入れスケジュールを含んでいる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の耳用組成物は、制御放出組成物であり、現行基準の治療と比べてより少ない投与頻度で投与される。特定の例において、耳用組成物が、鼓室内への注射を介して投与された時、投与頻度の減少は、中耳および/または内耳の疾患、障害、疾病のための処置を受ける個体への複数回にわたる鼓室内注射によって引き起こされる不快感を和らげる。特定の例において、鼓室内への注射の、投与頻度の減少は、鼓膜への永久的な損傷(例えば、穿孔)のリスクを低減するものである。本明細書に記載の組成物は、一定の、持続性の、伸長された、遅延した、又は、パルス性の放出速度の、活性薬剤を内耳環境へ与え、それ故、耳の障害の処置において薬剤曝す方法を何ら変えなくてすむようにする。

0010

治療指数
本明細書に記載の耳用組成物は、外耳道へと、又は、耳の前庭内に、投与される。いくつかの実施形態において、前庭器および蝸牛器へのアクセスは、中耳を介して(例えば、正円窓膜卵円窓/アブミ骨底板、輪状靭帯、および耳嚢/側頭骨を介して)なされる。本明細書に記載の組成物の耳への投与は、活性薬剤の全身投与付随する毒性(例えば、肝毒性心臓毒性胃腸副作用腎毒性)を回避する。いくつかの例において、耳における局在化された投与は、活性薬剤が全身蓄積されていない場合に、活性薬剤が、(例えば内耳の)標的に達することを可能にする。いくつかの例において、耳への局所的な投与によって、さもなければ、容量制限の全身毒性を有することもある活性薬剤の治療指標がより高くなる。

0011

耳管の中へのドレナージの防止
いくつかの例において、液状の組成物の欠点は、耳管へ滴り落ち、内耳から組成物が急速に排除されるというその特徴である。特定の実施形態において、本明細書には、体温ゲル化し、長期間、標的とする耳表面(例えば、正円窓)に接触し続けるポリマーを備える耳用組成物が提供される。いくつかの実施形態において、組成物は、耳の粘膜表面に付着することを可能にする、粘膜接着剤を更に含む。いくつかの例において、本明細書に記載の耳用組成物は、耳管を介する活性薬剤のドレナージ又は漏れに起因して治療効果減衰することを回避する。

0012

特定の実施形態の記載
本明細書には、特定の実施形態において、耳の疾患を処置するための、有効な量の耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤、制御放出性の耳に許容可能な賦形剤および耳に許容可能なビヒクルを含む制御放出組成物及びデバイスが記載される。1つの態様において、制御放出性の耳に許容可能な賦形剤は、耳に許容可能なポリマー、耳に許容可能な増粘剤、耳に許容可能なゲル、耳に許容可能なペイント、耳に許容可能なフォーム、耳に許容可能なマイクロスフィアまたは微小粒子、耳に許容可能なヒドロゲル、耳に許容可能なインサイツ形成海綿状物質(in situ forming spongy material)、耳に許容可能な化学線硬化性ゲル(actinic radiation curable gel)、耳に許容可能なリポソーム、耳に許容可能なナノカプセルまたはナノスフィア、耳に容可能な熱可逆性ゲルまたはそれらの組み合わせから選択される。さらなる実施形態において、耳に許容可能な増粘剤は、セルロースセルロースエーテルアルギン酸塩ポリビニルピロリドンゴムセルロース酸ポリマーまたはそれらの組み合わせである。さらに別の実施形態において、耳に許容可能な増粘剤は、約1000と約1,000,000のセンチポアズの間の粘性を提供するのに十分な量で存在する。さらなる別の態様において、耳に許容可能な増粘剤は、約50,000と約1,000,000センチポアズの間の粘性を提供するのに十分な量で存在する。

0013

いくつかの実施形態において、本明細書に開示の組成物は、それらが標的とする耳の構造体に確実に適合するpHとなるように処方される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の組成物は、標的とする耳の構造体のホメオスタシスが維持されることを保証する、実際のモル浸透圧濃度(重量モル浸透圧濃度および/または容積モル浸透圧濃度)になるように処方される。外リンパに適したモル浸透圧濃度(容積モル浸透圧濃度/重量モル浸透圧濃度)は、本明細書に記載の医薬組成物を投与している間、標的とする耳の構造体のホメオスタシスを維持する、実際のモル浸透圧濃度(容積モル浸透圧濃度/重量モル浸透圧濃度)である。

0014

例えば、外リンパのモル浸透圧濃度は、約270〜300mOsm/Lであり、本明細書に記載の組成物は、実際のモル浸透圧濃度が約150〜約1000mOsm/Lになるように任意に処方される。特定の実施形態において、本明細書に記載した組成物は、標的作用部位(例えば、内耳および/または外リンパおよび/または内リンパ)で、約150〜約500mOsm/L以内の実際のモル浸透圧濃度を与える。特定の実施形態において、本明細書に記載した組成物は、標的作用部位(例えば、内耳および/または外リンパおよび/または内リンパ)で、約200〜約400mOsm/L以内の実際のモル浸透圧濃度を与える。特定の実施形態において、本明細書に記載の組成物は、標的作用部位(例えば、内耳および/または外リンパおよび/または内リンパ)で、約250〜約320mOsm/L以内の実際のモル浸透圧濃度を与える。特定の実施形態において、本明細書に記載の組成物は、標的作用部位(例えば、内耳および/または外リンパおよび/または内リンパ)で、約150〜約500mOsm/L、約200〜約400mOsm/L、または約250〜約320mOsm/Lの範囲内の外リンパに適したモル浸透圧濃度を与える。特定の実施形態において、本明細書に記載の組成物は、標的作用部位(例えば、内耳および/または外リンパおよび/または内リンパ)で、約150〜約500mOsm/kg、約200〜約400mOsm/kg、または約250〜約320mOsm/kgの範囲内の外リンパに適したモル浸透圧濃度を与える。同様に、外リンパのpHは、約7.2〜7.4であり、本組成物のpHが、(例えば、緩衝液を使用して)外リンパに適したpHである約5.5〜約9.0、約6.0〜約8.0、または約7.0〜約7.6になるように処方される。特定の実施形態において、組成物のpHは、約6.0〜約7.6の範囲内である。特定の例において、内リンパのpHは、約7.2〜7.9であり、本組成物のpHが、(例えば、緩衝液を使用して)約5.5〜約9.0の範囲内、約6.5〜約8.0の範囲内、または約7.0〜約7.6の範囲内になるように処方される。

0015

いくつかの態様において、制御放出性の耳に許容可能な賦形剤は、生分解性であり、および/または生体から排出される(例えば、分解し、および/または尿、糞便によって、または他の排泄経路によって排泄される)。別の態様において、制御放出組成物は、耳に許容可能な粘膜接着剤、耳に許容可能な浸透促進剤または耳に許容可能な生体付着剤をさらに含む。

0016

1つの態様において、制御放出組成物は、薬物送達デバイスを用いて送達され、この薬物送達デバイスは、針およびシリンジポンプマイクロインジェクションデバイス、インサイツ形成海綿状物質、またはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、制御放出組成物の耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤は、放出が制限されているか、または全身への放出は行われず、全身に投与されると毒性があり、pK特徴が悪く、またはこれらを組み合わせた性質を有する。

0017

いくつかの実施形態において、耳の構造体調節剤は、耳の構造体促進剤(例えば、耳の構造体の分子成分)である。いくつかの実施形態において、耳の構造体促進剤は、アクチンアグリカンコンドロイチンコラーゲンデコリンデルマタン硫酸エラスチンフィブリノーゲンフィブロネクチンフィンブリン神経膠線維酸性タンパク質ヘパラン硫酸ヒアルロン酸ケラチンラミニンネスチン、NF‐L、NFM、NF‐H、NF66、ペリフェリン、α‐チューブリン、β‐チューブリン、ビリンビメンチンウィルリン(whirlin)またはそれらの組み合わせである。

0018

いくつかの実施形態において、耳の構造体調節剤は耳の構造体変性剤である。いくつかの実施形態において、耳の構造体変性剤は骨を変性する。いくつかの実施形態において、耳の構造体変性剤は軟骨を変性する。いくつかの実施形態において、耳の構造体変性剤はニューロンを変性する。いくつかの実施形態において、耳の構造体変性剤は膜(例えば鼓膜)を変性する。いくつかの実施形態において、耳の構造体変性剤は内リンパを変性する。いくつかの実施形態において、耳の構造体変性剤は外リンパを変性する。いくつかの実施形態において、耳の構造体変性剤は液プーリー(すなわち)を変性する。

0019

いくつかの実施形態において、耳の構造体調節剤は耳の構造体変性剤である。いくつかの実施形態において、耳の構造体変性剤は、アルコールアルカノール精油脂肪酸グリコールラウロカプラム(laurocapram)、ピロリドンスルフォキシド界面活性剤酵素またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、酵素は、プロテアーゼグリコシダーゼ、プロテアーゼ、グリコシダーゼ、アクチナーゼ、カゼイナーゼコンドロイチナーゼコラゲナーゼ、ダーマタナーゼ、エラスターゼゼラチナーゼヘパラナーゼヒアルロニダーゼケラチナーゼリパーゼメタロプロテイナーゼ(例えばマトリックスメタロプロテアーゼ)、スタフィロキナーゼストレプトキナーゼキモトリプシンエンドペプチダーゼV8、トリプシンサーモリシンペプシンプラスミンまたはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、耳の構造体調節剤は骨再構築モジュレーターである。いくつかの実施形態において、骨再構築のモジュレーターは、骨芽細胞または破骨細胞モジュレーターであり、以下を含むがこれらに限定されない;ホルモンビスホスホネート;マトリックスメタロプロテアーゼインヒビターアデニリルシクラーゼ(AC)モジュレーター;プロテアーゼインヒビター酒石酸抵抗性ホスファターゼ(TRACP)のモジュレーター;エストロゲン受容体モジュレーター;PPARγモジュレーター;HMG‐CoA還元酵素インヒビター;スタチン炭酸脱水酵素阻害薬;核κBリガンド受容器活性化因子(RANKL)のモジュレーター;COX−2インヒビター;タンパク質プレニル化のインヒビター;5‐リポキシゲナーゼインヒビター;TNFのインヒビター;ロイコトリエンのインヒビター;サイトカインモジュレーター;TSG‐6のインヒビター、TGFβのモジュレーター;一酸化窒素(nitiric oxide)シンターゼインヒビター;アセチルシステインアロマターゼのモジュレーター;およびWO/2008/027880(これは参照によって本明細書に組み入れられる)に開示されるようなストロンチウムベース化合物

0020

いくつかの実施形態において、耳の構造体調節剤は耳の構造促進剤である。いくつかの実施形態において、耳の構造促進剤は骨を再構築または補う。いくつかの実施形態において、耳の構造促進剤は軟骨を再構築または補う。いくつかの実施形態において、耳の構造促進剤は膜(例えば鼓膜)を再構築または補う。いくつかの実施形態において、耳の構造促進剤は内リンパを再構築または補う。いくつかの実施形態において、耳の構造促進剤は外リンパを再構築または補う。

0021

いくつかの実施形態において、耳の構造体調節剤は耳の構造促進剤である。いくつかの実施形態において、耳の構造促進剤は、アクチン、アグリカン、コンドロイチン、コラーゲン、デコリン、デルマタン硫酸、エラスチン、フィブリノゲン、フィブロネクチン、フィンブリン、グリア細胞繊維性酸性タンパク質、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ケラチン、ラミニン、ネスチン、NF‐L、NFM、NF‐H、NF66、ペリフェリン、α‐チューブリン、β‐チューブリン、ビリン、ビメンチン、ウィルリン(whirlin)またはそれらの組み合わせである。

0022

いくつかの実施形態において、生来の免疫システム調節剤は、補体カスケード調節剤アナフィラトキシンモジュレーター剤である。いくつかの実施形態において、生来の免疫システム調節剤は補体カスケードアンタゴニスト及び/又は、アナフィラトキシンアンタゴニストである。いくつかの実施形態において、生来の免疫システム調節剤は補体カスケードアゴニスト及び/又はアナフィラトキシンアゴニストである。

0023

いくつかの実施形態において、生来の免疫システム調節剤は、CHIPS、PMX53、PMX205である、PMX273、PMX201、PMX218、C089、L‐156,602、C5aRAM、C5aRAD、PR226‐MAPPL37‐MAP、SB‐290157、GR‐2II、AGIIa、AGIIb‐1、AR‐2IIa、AR‐2IIb、AR‐2IIc、AR‐2IId、CVF、CVF、ヒト化CVF、rC3、HC3‐1496、HC3‐1496‐2、HC3‐1496‐3、HC3‐1496‐4、HC3‐1496/1617、HC3‐1496‐8、HC3‐1496‐9、HC3‐1496‐10、HC3‐1496‐11、HC3‐1496‐12、HC3‐1496‐13、HC3‐1496‐14、HC3‐1496‐15、HC3‐1496‐16、HC3‐1496‐17、補体成分1インヒビター、硫酸デキストラン、補体成分1q受容体、C1qインヒビター、デコリン、CSPG、CBP2、1型補体受容体、sCR1、APT070、TP10、TP20、sCR1[desLHR‐A]、sCR1‐SLex、Crry、Crry‐Igフカン、BS8、コンプレスタチン、Ecb、Efb、コンプスタチンロスマリン酸、CRIT、CRIT‐H17、グリシレチン酸抗補体成分の5(C5)モノクローナル抗体、パキセリズマブ、抗C5マウス一本鎖抗体、K76、TKIXc、K76 COOH、SCIN、SCIN‐B、SCIN‐C、CD55、sCD55、CD59、sCD59、CD59/CD55融合タンパク質、CD55/MCP融合タンパク質、BCX‐1470、FUT‐175、I型因子(factorI)、MCP、sMCP、ヘパリン、LU51198、クラステリンビトロネクチン、抗プロパージン抗体、SB290157(N2‐((2,2‐ジフェニルエトキシ)アセチル)アルギニン抗MIF抗体メトホルミン、ISO‐1、2‐[(4−ヒドロキシベンジリデン)アミノ]‐3(1H‐インドール‐3‐イル)プロピオン酸メチルエステル、NAPQI、AVP‐28225またはそれらの組み合わせである。

0024

本明細書にはまた、特定の実施形態において、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または15日毎に;少なくとも週に一度2週ごとに一度、3週ごとに一度、4週ごとに一度、5週ごとに一度または6週ごとに一度;あるいは少なくとも月に一度、2か月ごとに一度、3か月ごとに一度、4か月ごとに一度、5か月ごとに一度、6か月ごとに一度、7か月ごとに一度、8か月ごとに一度、9か月ごとに一度、10か月ごとに一度、11か月ごとに一度または12か月ごとに一度、本明細書に開示の組成物を投与する工程を含む耳の障害を処置する方法が開示される。特定の実施形態において、本明細書に記載の制御放出組成物は、該制御放出組成物の次の投薬の間、内耳に対して耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤の持続投薬を提供する。すなわち、ほんの一例を挙げると、新しい投薬の耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤の制御放出組成物を、鼓室内注射によって、10日毎に正円窓膜に投与すると、その後この制御放出組成物は、その10日間の間、有効な量の耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤を内耳に(例えば、正円窓膜を介して)提供する。

0025

1つの態様において、組成物は、組成物が蝸牛窓稜、正円窓膜、または鼓室と接触するように投与される。1つの態様において、組成物は、鼓室内注射によって投与される。

0026

本明細書には、治療上有効な量の耳の構造体調節剤を提供するように処方された、耳の疾患または疾病の処置に使用するための医薬組成物またはデバイスが提供され、この医薬組成物またはデバイスは、耳の構造体調節剤の実質的に低い分解産物を含み、この医薬組成物またはデバイスは、以下から選択される2つ以上の特徴をさらに含む:
(i)約0.1重量%から約10重量%の耳の構造体調節剤、または薬学的に許容可能なそれらのプロドラッグもしくは塩;
(ii)約14重量%と約21重量%の間の、一般式E106P70E106のポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリブロックコポリマー
(iii)約5.5と約8.0の間のpHになるように緩衝化された、適切な量の滅菌水
(iv)多粒子の耳の構造体調節剤;
(v)約19℃から約42℃のゲル化温度
(vi)組成物1グラム当たり微生物剤コロニー形成単位(cfu)が約50未満;および
(vii)被験体の体重1kg当たりのエンドトキシン単位(EU)が約5未満;
(viii)耳の構造体調節剤に対する約30時間の平均の溶解時間;および
(ix)約100,000cPから約500,000cPまでの見掛け粘度

0027

いくつかの実施形態において、医薬組成物は、前述の特徴を少なくとも3つ備える。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、前述の特徴を少なくとも4つ備える。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、前述の特徴を少なくとも5つ備える。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、前述の特徴を少なくとも6つ備える。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、前述の特徴を少なくとも7つ備える。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、前述の特徴の全てを備える。

0028

いくつかの実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物またはデバイスは、以下を含む:
(i)約0.1重量%から約10重量%の耳の構造体調節剤、または薬学的に許容可能なそれらのプロドラッグもしくは塩;
(ii)約14重量%と約21重量%の間の、一般式E106P70E106のポリオキシエチレン‐ポリオキシプロピレントリブロックコポリマー;および
(iii)多粒子の耳の構造体調節剤。

0029

いくつかの実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物またはデバイスは、以下を含む:
(i)約0.1重量%から約10重量%の耳の構造体調節剤、または薬学的に許容可能なそれらのプロドラッグもしくは塩;
(ii)約14重量%と約21重量%の間の、一般式E106P70E106のポリオキシエチレン‐ポリオキシプロピレントリブロックコポリマー;
(iii)多粒子の耳の構造体調節剤;および
(iv)約19℃から約42℃のゲル化温度。

0030

本明細書には、治療上有効な量の耳の構造体の分子成分を提供するように処方された、耳の疾患または疾病の処置に使用するための医薬組成物またはデバイスが提供されており、この医薬組成物またはデバイスは、耳の構造体促進剤の実質的に低い分解産物を含み、この医薬組成物またはデバイスは、以下から選択される2つ以上の特徴をさらに含む。
(i)約0.1重量%から約10重量%の耳の構造体促進剤、または薬学的に許容可能なそれらのプロドラッグもしくは塩;
(ii)約14重量%と約21重量%の間の、一般式E106P70E106のポリオキシエチレン‐ポリオキシプロピレントリブロックコポリマー;
(iii)約5.5と約8.0の間のpHになるように緩衝化された、適切な量の滅菌水;
(iv)耳の構造体の多重微粒子の分子成分;
(v)約19℃から約42℃のゲル化温度;
(vi)組成物1グラム当たりの微生物剤のコロニー形成単位(cfu)が約50未満;
(vii)被験体の体重1kg当たりのエンドトキシン単位(EU)が約5未満;
(viii)耳の構造体促進剤に対する約30時間の平均の溶解時間;および
(ix)約100,000cPから約500,000cPまでの見掛け粘度。

0031

いくつかの実施形態において、医薬組成物は、前述の特徴を少なくとも3つ備える。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、前述の特徴を少なくとも4つ備える。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、前述の特徴を少なくとも5つ備える。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、前述の特徴を少なくとも6つ備える。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、前述の特徴を少なくとも7つ備える。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、前述の特徴の全てを備える。

0032

いくつかの実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物またはデバイスは、以下を含む;
(i)約0.1重量%から約10重量%の耳の構造体促進剤、または薬学的に許容可能なそれらのプロドラッグもしくは塩;
(ii)約14重量%と約21重量%の間の、一般式E106P70E106のポリオキシエチレン‐ポリオキシプロピレントリブロックコポリマー;および
(iii)耳の構造体の多粒子の分子成分。

0033

いくつかの実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物またはデバイスは、以下を含む:
(i)約0.1重量%から約10重量%の耳の構造体促進剤、または薬学的に許容可能なそれらのプロドラッグもしくは塩;
(ii)約14重量%と約21重量%の間の、一般式E106P70E106のポリオキシエチレン‐ポリオキシプロピレントリブロックコポリマー;
(iii)耳の構造体の多粒子の分子成分;および
(iv)約19℃から約42℃のゲル化温度。

0034

本明細書には、治療上有効な量の耳の構造体変性剤を提供するように処方された、耳の疾患または疾病の処置に使用するための医薬組成物またはデバイスが提供されており、この医薬組成物またはデバイスは、耳の構造体変性剤の実質的に低い分解産物を含み、この医薬組成物またはデバイスは、以下から選択される2つ以上の特徴をさらに含む:
(i)約0.1重量%から約10重量%の耳の構造体変性剤、または薬学的に許容可能なそれらのプロドラッグもしくは塩;
(ii)約14重量%と約21重量%の間の、一般式E106P70E106のポリオキシエチレン‐ポリオキシプロピレントリブロックコポリマー;
(iii)約5.5と約8.0の間のpHになるように緩衝化された、適切な量の滅菌水;
(iv)多粒子の耳の構造体変性剤;
(v)約19℃から約42℃のゲル化温度;
(vi)組成物1グラム当たりの微生物剤のコロニー形成単位(cfu)が約50未満;
(vii)被験体の体重1kg当たりのエンドトキシン単位(EU)が約5未満;
(viii)耳の構造体変性剤に対する約30時間の平均の溶解時間;および
(ix)約100,000cPから約500,000cPまでの見掛け粘度。

0035

いくつかの実施形態において、医薬組成物は、前述の特徴を少なくとも3つ備える。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、前述の特徴を少なくとも4つ備える。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、前述の特徴を少なくとも5つ備える。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、前述の特徴を少なくとも6つ備える。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、前述の特徴を少なくとも7つ備える。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、前述の特徴の全てを備える。

0036

いくつかの実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物またはデバイスは、以下を含む:
(i)約0.1重量%から約10重量%の耳の構造体変性剤、または薬学的に許容可能なそれらのプロドラッグもしくは塩;
(ii)約14重量%と約21重量%の間の、一般式E106P70E106のポリオキシエチレン‐ポリオキシプロピレントリブロックコポリマー;および
(iii)多粒子の耳の構造体変性剤。

0037

いくつかの実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物またはデバイスは、以下を含む:
(i)約0.1重量%から約10重量%の耳の構造体変性剤、または薬学的に許容可能なそれらのプロドラッグもしくは塩;
(ii)約14重量%と約21重量%の間の、一般式E106P70E106のポリオキシエチレン‐ポリオキシプロピレントリブロックコポリマー;
(iii)多粒子の耳の構造体変性剤;および
(iv)約19℃から約42℃のゲル化温度。

0038

本明細書には、治療上有効な量の生来の免疫システム調節剤を提供するように処方された、耳の疾患または疾病の処置に使用するための医薬組成物またはデバイスが記載されており、この医薬組成物またはデバイスは、生来の免疫システム調節剤の実質的に低い分解産物を含み、この医薬組成物またはデバイスは、以下から選択される2つ以上の特徴をさらに含む:
(i)約0.1重量%から約10重量%の生来の免疫システム調節剤、または薬学的に許容可能なそれらのプロドラッグもしくは塩;
(ii)約14重量%と約21重量%の間の、一般式E106P70E106のポリオキシエチレン‐ポリオキシプロピレントリブロックコポリマー;
(iii)約5.5と約8.0の間のpHになるように緩衝化された、適切な量の滅菌水;
(iv)多粒子の生来の免疫システム調節剤;
(v)約19℃から約42℃のゲル化温度;
(vi)組成物1グラム当たりの微生物剤のコロニー形成単位(cfu)が約50未満;
(vii)被験体の体重1kg当たりのエンドトキシン単位(EU)が約5未満;
(viii)生来の免疫システム調節剤に対する約30時間の平均の溶解時間;および
(ix)約100,000cPから約500,000cPまでの見掛け粘度。

0039

いくつかの実施形態において、医薬組成物は、前述の特徴を少なくとも3つ備える。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、前述の特徴を少なくとも4つ備える。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、前述の特徴を少なくとも5つ備える。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、前述の特徴を少なくとも6つ備える。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、前述の特徴を少なくとも7つ備える。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、前述の特徴の全てを備える。

0040

いくつかの実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物またはデバイスは、以下を含む:
(i)約0.1重量%から約10重量%の生来の免疫システム調節剤、または薬学的に許容可能なそれらのプロドラッグもしくは塩;
(ii)約14重量%と約21重量%の間の、一般式E106P70E106のポリオキシエチレン‐ポリオキシプロピレントリブロックコポリマー;および
(iii)多粒子の生来の免疫システム調節剤。

0041

いくつかの実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物またはデバイスは、以下を含む:
(i)約0.1重量%から約10重量%の生来の免疫システム調節剤、または薬学的に許容可能なそれらのプロドラッグもしくは塩;
(ii)約14重量%と約21重量%の間の、一般式E106P70E106のポリオキシエチレン‐ポリオキシプロピレントリブロックコポリマー;
(iii)多粒子の生来の免疫システム調節剤;および
(iv)約19℃から約42℃のゲル化温度。

0042

本明細書には、実質的に低い分解産物を有する治療上有効な量の耳の構造体変性剤を含む中耳内の組成物またはデバイスを、それらを必要とする個体に投与する工程を含む、過剰な耳の構造体によって特徴付けられる耳の疾患または疾病を処置する方法が提供され、
組成物又はデバイスは、以下から選択される2以上の特徴を含む:
(i)約0.1重量%から約10重量%の耳の構造体変性剤、または薬学的に許容可能なそれらのプロドラッグもしくは塩;
(ii)約14重量%と約21重量%の間の、一般式E106P70E106のポリオキシエチレン‐ポリオキシプロピレントリブロックコポリマー;
(iii)約5.5と約8.0の間のpHになるように緩衝化された、適切な量の滅菌水;
(iv)多粒子の耳の構造体変性剤アポトーシス剤
(v)約19℃から約42℃のゲル化温度;
(vi) 組成物1グラム当たりの微生物剤のコロニー形成単位(cfu)が約50未満、および
(vii)被験体の体重1kg当たりのエンドトキシン単位(EU)が約5未満;
(viii)耳の構造体変性剤に対する約30時間の平均溶解時間;および
(ix)約100,000cPから約500,000cPまでの見掛け粘度。

0043

いくつかの実施形態において、医薬組成物は、前述の特徴を少なくとも3つ備える。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、前述の特徴を少なくとも4つ備える。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、前述の特徴を少なくとも5つ備える。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、前述の特徴を少なくとも6つ備える。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、前述の特徴を少なくとも7つ備える。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、前述の特徴の全てを備える。

0044

いくつかの実施形態において、耳の構造体変性剤は、少なくとも3日かけて組成物から放出される。いくつかの実施形態において、耳の構造体変性剤は、本質的に、微粒子化された粒子の形態である。いくつかの実施形態において、耳の構造体変性剤は骨を変性する。いくつかの実施形態において、耳の構造体変性剤はニューロンを変性する。いくつかの実施形態において、耳の構造体変性剤は膜を変性する。いくつかの実施形態において、耳の構造体変性剤は液プーリー(liquor puris)を変性する。いくつかの実施形態において、耳の構造体変性剤は内リンパまたは外リンパを変性する。

0045

いくかの実施形態において、上記の医薬組成物またはデバイスは、約150と約500mOsm/Lの間の実際のモル浸透圧濃度を与える。いくつかの実施形態において、上記の医薬組成物またはデバイスは、約200と400mOsm/Lの間の実際のモル浸透圧濃度を与える。いくつかの実施形態において、上記の医薬組成物またはデバイスは、約250と320mOsm/Lの間の実際のモル浸透圧濃度を与える。

0046

いくつかの実施形態において、耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤は、少なくとも3日間、上記の医薬組成物またはデバイスから放出される。いくつかの実施形態において、耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤は、少なくとも5日間、上記の医薬組成物またはデバイスから放出される。いくつかの実施形態において、耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤は、少なくとも10日間、上記の医薬組成物またはデバイスから放出される。いくつかの実施形態において、耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤は、少なくとも14日間、上記の医薬組成物またはデバイスから放出される。いくつかの実施形態において、耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤は、少なくとも1ヶ月、上記の医薬組成物またはデバイスから放出される。

0047

いくつかの実施形態において、上記の医薬組成物またはデバイスは、耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤を、中性分子遊離酸遊離塩基、塩またはプロドラッグとして含む。いくつかの実施形態において、上記の医薬組成物またはデバイスは、耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤を、中性分子、遊離酸、遊離塩基、塩またはプロドラッグ、またはこれらの組み合わせとして含む。

0048

いくつかの実施形態において、上記の医薬組成物またはデバイスは、耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤を、多粒子として含む。いくつかの実施形態において、上記の医薬組成物またはデバイスは、耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤を、微粉化された粒子の形態で含む。いくつかの実施形態において、上記の医薬組成物またはデバイスは、耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤を、微粉化された粉末として含む。

0049

いくつかの実施形態において、上記の医薬組成物またはデバイスは、組成物の重量で約10%の、一般式E106P70E106のポリオキシエチレン‐ポリオキシプロピレントリブロックコポリマーを含む。いくつかの実施形態において、上記の医薬組成物またはデバイスは、組成物の重量で約15%の、一般式E106P70E106のポリオキシエチレン‐ポリオキシプロピレントリブロックコポリマーを含む。いくつかの実施形態において、上記の医薬組成物またはデバイスは、組成物の重量で約20%の、一般式E106P70E106のポリオキシエチレン‐ポリオキシプロピレントリブロックコポリマーを含む。いくつかの実施形態において、上記の医薬組成物またはデバイスは、組成物の重量で約25%の、一般式E106P70E106のポリオキシエチレン‐ポリオキシプロピレントリブロックコポリマーを含む。

0050

いくつかの実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物またはデバイスは、組成物の重量で約1%の耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤、または薬学的に許容可能なそれらのプロドラッグ若しくは塩を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物またはデバイスは、組成物の重量で約2%の耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤、または薬学的に許容可能なそれらのプロドラッグ若しくは塩を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物またはデバイスは、組成物の重量で約3%の耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤、または薬学的に許容可能なそれらのプロドラッグ若しくは塩を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物またはデバイスは、組成物の重量で約4%の耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤、または薬学的に許容可能なそれらのプロドラッグ若しくは塩を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物またはデバイスは、組成物の重量で約5%の、耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤、または薬学的に許容可能なそれらのプロドラッグ若しくは塩を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物またはデバイスは、組成物の重量で約10%の耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤、または薬学的に許容可能なそれらのプロドラッグ若しくは塩を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物またはデバイスは、組成物の重量で約15%の耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤、または薬学的に許容可能なそれらのプロドラッグ若しくは塩を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物またはデバイスは、組成物の重量で約20%の耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤、または薬学的に許容可能なそれらのプロドラッグ若しくは塩を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物またはデバイスは、組成物の重量で約25%の耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤、または薬学的に許容可能なそれらのプロドラッグ若しくは塩を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物またはデバイスは、組成物の重量で約30%の耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤、または薬学的に許容可能なそれらのプロドラッグ若しくは塩を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物またはデバイスは、組成物の重量で約40%の耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤、または薬学的に許容可能なそれらのプロドラッグ若しくは塩を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物またはデバイスは、組成物の重量で約50%の耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤、または薬学的に許容可能なそれらのプロドラッグ若しくは塩を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物またはデバイスは、組成物の重量で約60%の耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤、または薬学的に許容可能なそれらのプロドラッグ若しくは塩を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物またはデバイスは、組成物の重量で約70%の耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤、または薬学的に許容可能なそれらのプロドラッグ若しくは塩を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物またはデバイスは、組成物の重量で約80%の耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤、または薬学的に許容可能なそれらのプロドラッグ若しくは塩を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物またはデバイスは、組成物の重量で約90%の耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤、または薬学的に許容可能なそれらのプロドラッグ若しくは塩を含む。

0051

いくつかの実施形態において、上記の医薬組成物またはデバイスは、約5.5と約8.0の間のpHを有する。いくつかの実施形態において、上記の医薬組成物またはデバイスは、約6.0と約8.0の間のpHを有する。いくつかの実施形態において、上記の医薬組成物またはデバイスは、約6.0と約7.6の間のpHを有する。

0052

いくつかの実施形態において、上記の医薬組成物またはデバイスは、組成物1g当たりのコロニー形成単位(cfu)が100未満の微生物剤を含有する。いくつかの実施形態において、上記の医薬組成物またはデバイスは、組成物1g当たり、コロニー形成単位(cfu)が50未満の微生物剤を含有する。いくつかの実施形態において、上記の医薬組成物またはデバイスは、組成物1g当たり、コロニー形成単位(cfu)が10未満の微生物剤を含有する。

0053

いくつかの実施形態において、上記の医薬組成物またはデバイスは、被験体の体重1kg当たり、5未満のエンドトキシン単位(EU)を含む。いくつかの実施形態において、上記の医薬組成物またはデバイスは、被験体の体重1kg当たり、4未満のエンドトキシン単位(EU)を含む。

0054

いくつかの実施形態において、上記の医薬組成物またはデバイスは、約19℃と約42℃の間のゲル化温度を与える。いくつかの実施形態において、上記の医薬組成物またはデバイスは、約19℃と約37℃の間のゲル化温度を与える。いくつかの実施形態において、上記の医薬組成物またはデバイスは、約19℃と約30℃の間のゲル化温度を与える。

0055

いくつかの実施形態において、医薬組成物またはデバイスは、耳に許容可能な熱可逆性ゲルである。いくつかの実施形態において、ポリオキシエチレン‐ポリオキシプロピレントリブロックコポリマーは、生分解性であり、および/または生体から排出される(例えば、このコポリマーは、生分解プロセス、例えば、尿、糞尿などでの排泄によって、体内から排泄される)。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物またはデバイスは、粘膜接着剤をさらに含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物またはデバイスは、浸透促進剤をさらに含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物またはデバイスは、増粘剤をさらに含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物またはデバイスは、染料をさらに含む。

0056

いくつかの実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物またはデバイスは、針およびシリンジ、ポンプ、マイクロインジェクションデバイス、ウィック、インサイツ形成海綿状物質、またはこれらの組み合わせから選択される薬物送達デバイスをさらに含む。

0057

いくつかの実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物またはデバイスは、耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤、または薬学的に許容可能なそれらの塩が、全身への放出を制限されているか、または全身への放出は行われず、全身毒性があり、pK特徴が悪いか、またはこれらを組み合わせた性質を有することを特徴とする医薬組成物またはデバイスである。本明細書に記載の医薬組成物またはデバイスのいくつかの実施形態において、耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤は、中性分子、遊離塩基、遊離酸、塩、プロドラッグ、またはこれらの組み合わせの形態である。本明細書に記載の医薬組成物またはデバイスのいくつかの実施形態において、耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤は、ホスフェートプロドラッグまたはエステルプロドラッグの形態で投与される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物またはデバイスは、耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤、または薬学的に許容可能なそれらの塩、プロドラッグ、またはこれらの組み合わせを、即時放出剤として含む。

0058

いくつかの実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物またはデバイスは、さらなる治療薬剤をさらに含む。いくつかの実施形態において、さらなる治療薬剤は、酸性化剤麻酔薬鎮痛剤抗生物質制吐剤抗真菌剤抗微生物剤抗精神病薬(特にフェノチアジンクラスのもの)、防腐剤、抗ウイルス剤収れん薬化学療法剤、コラーゲン、コルチコステロイド利尿薬角質溶解薬一酸化窒素合成酵素インヒビター、それらの組み合わせである。

0059

いくつかの実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物またはデバイスは、医薬組成物またはデバイスのpHが約6.0と約7.6の間にあることを特徴とする、医薬組成物またはデバイスである。

0060

本明細書に記載の医薬組成物またはデバイスのいくつかの実施形態において、一般式E106P70E106のポリオキシエチレン‐ポリオキシプロピレントリブロックコポリマーの、増粘剤に対する比率は、約40:1から約5:1である。いくつかの実施形態において、増粘剤は、カルボキシメチルセルロースヒドロキシプロピルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースである。

0061

いくつかの実施形態において、耳の疾患または疾病は、内リンパ水腫、加速度病、迷路炎、デバルクマン、メニエール病、メニエール症候群、ラムゼイハント症候群(帯状疱疹の感染)、再発性眩暈症耳鳴回転性眩暈、微小血管圧迫症候群、卵形嚢機能障害、前庭ニューロン炎、良性発作性頭位眩暈症またはそれらの組み合わせである。

0062

また、本明細書には、治療上有効な量の耳の構造体調節剤を含む中耳内の組成物またはデバイスを、それらを必要とする個体に投与する工程を含む耳の疾患または疾病を処置する方法が提供され、この組成物またはデバイスは、耳の構造体変性剤の実質的に低分解産物を含み、この組成物またはデバイスは、以下から選択される2つ以上の特徴をさらに含む:
(i)約0.1重量%から約10重量%の耳の構造体調節剤、または薬学的に許容可能なそれらのプロドラッグもしくは塩;
(ii)約14重量%と約21重量%の間の、一般式E106P70E106のポリオキシエチレン‐ポリオキシプロピレントリブロックコポリマー;
(iii)約5.5と約8.0の間のpHになるように緩衝化された、適切な量の滅菌水;
(iv)多粒子の耳の構造体調節剤;
(v)約19℃から約42℃のゲル化温度;
(vi)組成物1グラム当たりの微生物剤のコロニー形成単位(cfu)が約50未満、および
(vii)被験体の体重1kg当たりのエンドトキシン単位(EU)が約5未満。

0063

また、本明細書には、治療上有効な量の耳の構造体変性剤を含む中耳内の組成物またはデバイスを、それらを必要とする個体に投与する工程を含む、耳の疾患または疾病を処置する方法が提供され、この組成物またはデバイスは、耳の構造体変性剤の実質的に低分解産物を含み、この組成物またはデバイスは、以下から選択される2つ以上の特徴をさらに含む:
(i)約0.1重量%から約10重量%の耳の構造体変性剤、または薬学的に許容可能なそれらのプロドラッグもしくは塩;
(ii)約14重量%と約21重量%の間の、一般式E106P70E106のポリオキシエチレン‐ポリオキシプロピレントリブロックコポリマー;
(iii)約5.5と約8.0の間のpHになるように緩衝化された、適切な量の滅菌水;
(iv)多粒子の耳の構造体変性剤;
(v)約19℃から約42℃のゲル化温度;
(vi)組成物1グラム当たりの微生物剤のコロニー形成単位(cfu)が約50未満、および
(vii)被験体の体重1kg当たりのエンドトキシン単位(EU)が約5未満。

0064

また、本明細書には、治療上有効な量の耳の構造体促進剤を含む中耳内の組成物またはデバイスを、それらを必要とする個体に投与する工程を含む、耳の疾患または疾病を処置する方法が提供され、この組成物またはデバイスは、耳の構造体変性剤の実質的に低分解産物を含み、この組成物またはデバイスは、以下から選択される2つ以上の特徴をさらに含む:
(i)約0.1重量%から約10重量%の耳の構造体促進剤、または薬学的に許容可能なそれらのプロドラッグもしくは塩;
(ii)約14重量%と約21重量%の間の、一般式E106P70E106のポリオキシエチレン‐ポリオキシプロピレントリブロックコポリマー;
(iii)約5.5と約8.0の間のpHになるように緩衝化された、適切な量の滅菌水;
(iv)耳の構造体の多粒子分子成分;
(v)約19℃から約42℃のゲル化温度;
(vi)組成物1グラム当たりの微生物剤のコロニー形成単位(cfu)が約50未満、および
(vii)被験体の体重1kg当たりのエンドトキシン単位(EU)が約5未満。

0065

また、本明細書には、治療上有効な量の生来の免疫システム調節剤を含む中耳内の組成物またはデバイスを、それらを必要とする個体に投与する工程を含む、耳の疾患または疾病を処置する方法が提供され、この組成物またはデバイスは、生来の免疫システム調節剤の実質的に低分解産物を含み、この組成物またはデバイスは、以下から選択される2つ以上の特徴をさらに含む:
(i)約0.1重量%から約10重量%の生来の免疫システム調節剤、または薬学的に許容可能なそれらのプロドラッグもしくは塩;
(ii)約14重量%と約21重量%の間の、一般式E106P70E106のポリオキシエチレン‐ポリオキシプロピレントリブロックコポリマー;
(iii)約5.5と約8.0の間のpHになるように緩衝化された、適切な量の滅菌水;
(iv)多粒子の生来の免疫システム調節剤;
(v)約19℃から約42℃のゲル化温度;
(vi)組成物1グラム当たりの微生物剤のコロニー形成単位(cfu)が約50未満、および
(vii)被験体の体重1kg当たりのエンドトキシン単位(EU)が約5未満。

0066

本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態において、耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤は、少なくとも3日間、組成物またはデバイスから放出される。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態において、耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤は、少なくとも4日間、組成物またはデバイスから放出される。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態において、耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤は、少なくとも5日間、組成物またはデバイスから放出される。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態において、耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤は、少なくとも6日間、組成物またはデバイスから放出される。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態において、耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤は、少なくとも7日間、組成物またはデバイスから放出される。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態において、耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤は、少なくとも8日間、組成物またはデバイスから放出される。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態において、耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤は、少なくとも9日間、組成物またはデバイスから放出される。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態において、耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤は、少なくとも10日の間、組成物またはデバイスから放出される。上記の方法のいくつかの実施形態において、耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤は、基本的に微粉化された粒子の形態である。

0067

本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態において、上記の組成物は、正円窓を介して投与される。本明細書に記載されている方法のいくつかの実施形態において、耳の疾患または疾病は、外耳炎、中耳炎、乳様突起炎、感音性難聴、耳毒性、内リンパ水腫、迷路炎、メニエール病、メニエール症候群、微小血管の圧迫症候群、前庭ニューロン炎、音響外傷、老人性難聴、コレステリン腫、耳硬化症、シャイベ症候群、Mondini‐Michelle症候群、ワールデンブルグ症候群、Michel症候群、アレキサンダース耳変形、隔離症、ジャーベル‐ランゲニールセン(Jervell‐Lange Nielson)症候群、レフサム症候群、アッシャー症候群またはそれらの組み合わせである。

図面の簡単な説明

0068

図1は、非持続性放出と持続性放出の組成物の比較を示す。
図2は、Blanose精製CMC水溶液の粘度に対する濃度の影響を示す。
図3は、Methocelの水溶液の粘度に対する濃度の影響を示す。
図4は、耳の解剖学図解を提供する。
図5は、4つの組成物からの活性剤の調整可能な放出を図示する。

実施例

0069

本明細書には、耳の構造体における過剰または欠失によって特徴付けられた耳の疾患、障害または疾病を処置する (例えば、それらの影響を改善し、または弱める) ための制御放出性の耳の構造体調節組成物が提供される。いくつかの実施形態において、制御放出性の耳の構造体調節組成物は、耳の構造体における過剰によって特徴付けられた耳の疾患、障害または疾病を処置する (例えば、それらの影響を改善し、または弱める)。いくつかの実施形態において、制御放出性の耳の構造体調節組成物は、耳の構造体における欠失によって特徴付けられた耳の疾患、障害または疾病を処置する (例えば、それらの影響を改善し、または弱める)。いくつかの実施形態において、耳の疾患、障害または疾病は、外耳炎、中耳炎、乳様突起炎、感音性難聴、耳毒性、内リンパ水腫、迷路炎、メニエール病、メニエール症候群、微小血管の圧迫症候群、前庭ニューロン炎、音響外傷、老人性難聴、コレステリン腫、耳硬化症、シャイベ症候群、Mondini‐Michelle症候群、ワールデンブルグ症候群、Michel症候群、アレキサンダース耳変形、隔離症、ジャーベル‐ランゲニールセン(Jervell‐Lange Nielson)症候群、レフサム症候群、アッシャー症候群またはそれらの組み合わせである。

0070

さらに本明細書には、生来の免疫システムの機能障害によって特徴付けられた耳の疾患、障害または疾病を処置する (例えば、影響を改善し、または弱める)ための組成物を調節する制御放出補体調節組成物が提供される。いくつかの実施形態において、制御放出補体調節組成物およびデバイスは、生来の免疫システムの過剰活性によって特徴付けられた耳の疾患、障害または疾病を処置する(例えば、影響を改善し、または弱める)。いくつかの実施形態において、耳の疾患、障害または疾病は、外耳炎、中耳炎、乳様突起炎、AIED、ラムゼイハント(Ramsay hunt’s)、再潅流障害内耳炎骨化性またはそれらの組み合わせである。

0071

いくつかの実施形態において、耳の構造体調節剤は耳の構造体変性剤である。いくつかの実施形態において、さらなる構造体調節剤は、耳の構造体促進剤である。

0072

いくつかの実施形態において、生来の免疫システム調節剤は、補体カスケード調節剤および/またはアナフィラトキシンモジュレーターである。いくつかの実施形態において、生来の免疫システム調節剤は、補体カスケードアンタゴニスト及び/又はアナフィラトキシンアンタゴニストである。いくつかの実施形態において、生来の免疫システム調節剤は、補体カスケードアゴニスト及び/又はアナフィラトキシンアゴニストである。

0073

少数処置薬が耳の障害の処置に利用可能である;しかしながら、経口経路静脈内の経路または筋肉内の経路経由の全身性の経路が、これらの処置薬を送達するために現在使用される。いくつかの例において、全身薬物投与は、血清内では高血中濃度で、標的とする中耳および内耳の器官構造体では低濃度であるという、薬物濃度における潜在的な不均等を作り出す。結果として、十分に治療上有効な量を内耳に送達するために、かなり大量の薬物が、この不均等さを克服するに必要となる。加えて、薬物の全身投与は、標的部位に十分に局所送達させるのに必要な血清濃度が高い結果、全身毒性および有害な副作用の可能性が増す場合もある。全身毒性は、また、肝臓破壊および処置薬剤の処理の結果生じ、投与された治療薬によって得られる任意の利益を事実上打ち消してしまう毒性代謝物を形成する場合もある。

0074

全身送達の毒性および付随する副作用を克服するために、本明細書には、標的とする耳の構造体に処置薬剤を局所送達するための方法および組成物およびデバイスが開示される。例えば、前庭器および蝸牛器へのアクセスは、正円窓膜、卵円窓/アブミ骨底板、輪状靱帯を含む中耳を通って、耳嚢/側頭骨を通ってなされるであろう。

0075

処置薬剤の中耳鼓室内注射は、鼓膜の裏側に処置薬剤を注射し、中耳及び/又は内耳へと到達させる技術である。この技術はいくつかの問題を示す。例えば、正円窓膜、すなわち内耳への薬物吸収の部位へのアクセスは問題が多い。

0076

さらに、中耳内への注射は、外リンパおよび内リンパのモル浸透圧濃度およびpHの変更、内耳構造体に直接又は間接的に損傷を与える病原体内毒素の導入、等の現在利用可能な処置レジメンでは対処できない、いくつかの認識されていない問題を作り出す。当該技術分野ではこれらの問題を認識していない1つの理由は、認められた中耳内の組成物が1つも存在していない、ということである。内耳は、独特な組成物の問題を呈する。故に、体の他の部分のために開発された組成物は、鼓室内の組成物に関連性をほとんどあるいは全く有していない。

0077

ヒトへの投与に適切な、耳用組成物に対する要件(例えば、無菌性レベル、pH、モル浸透圧濃度)に関する、従来技術における手引きは全く無い。複数の種にわたる、聴覚構造体の違いは、動物モデル内耳疾患が、臨床承認用に開発された、治療薬を試験するためのツールとしては、往々にして信頼できないということである。

0078

本明細書には、pH、モル浸透圧濃度、イオンバランス無菌性、エンドトキシン及び/又は発熱物質のレベルの厳しい基準を満たす耳用組成物が提供される。本明細書に記載の耳の組成物は、内耳の微小環境(例えば、外リンパ)に適合し、ヒトへの投与に適切である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の組成物は、染料を含み、中耳内の処置法前臨床、及び/又は臨床開発中に、侵襲的手法(例えば、外リンパの除去)の必要を未然に防ぐ投与組成物可視化を助ける。

0079

本明細書には、標的とする耳の構造体を局所的に処置するための制御放出性の耳の構造体調節組成物が提供され、それにより、耳の構造体調節組成物の全身投与の結果生じる副作用を避ける。局所的に適用される耳の構造体調節組成物およびデバイスは、標的とする耳の構造体と適合し、所望の標的とする耳の構造体(例えば、蝸牛領域、鼓室または外耳)に直接投与されるか、または、内耳領域(例えば、正円窓膜、蝸牛窓稜または卵円窓膜)に直接つながっている構造体に投与されるかのいずれかである。耳の構造体を特異的に標的とすることによって、全身的な処置の結果生じる有害な副作用が避けられる。さらに、臨床研究から、蝸牛の外リンパに薬物を長時間曝露することの利益、例えば、処置薬剤を何度も与える場合に、突発性難聴の臨床上の有効性を高めることが示された。従って、耳の障害を処置するために制御放出性の耳の構造体調節組成物を提供することによって、耳の障害を患う被験体に、一定の、可変の、および/または長期にわたる、耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤の供給源が与えられ、処置におけるばらつきが減るか、またはなくなる。従って、本明細書に開示される1つの実施形態は、耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤を連続的に放出するように、可変の速度かまたは一定の速度かで、少なくとも1つの耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤を、治療に有効な用量で放出させることが可能な組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本明細書に開示の耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤は、即時放出として投与される。他の実施形態において、耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤は、持続放出組成物として投与され、または継続的に、可変的に、もしくはパルス形式で、またはこれらの変形として放出される。さらに他の実施形態において、耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤の組成物は、即時放出性と持続性放出性の両方の組成物として投与され、連続的か、可変的かまたはパルス形式か、またはそれらの変形のいずれかで放出される。この放出は、任意に、環境的な条件または生理学的な条件、例えば、外部のイオン環境に依存する(例えば、Oros(登録商標)release system、Johnson & Johnsonを参照)。

0080

加えて、標的とする耳の構造体の局所的な処置は、pK特徴が悪く、吸収率が悪く、全身放出性が低く、および/または毒性の問題がある薬剤を含む、以前の望ましくない処置薬剤の使用も可能にする。耳の構造体調節組成物およびデバイスを局所的に標的化するため、また、生体の血液障壁が内耳に存在するため、以前には、毒性があるか、または有効ではないという特徴のある耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤で処置した結果生じる副作用の危険性が減るであろう。従って、耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤の副作用または効果の無さのために、耳の疾患の処置において、以前は医師拒否していた耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤を使用することも、本明細書の実施形態の範囲内にあると熟慮される。

0081

また、本明細書に開示した耳用構造体調節組成物およびデバイスと組み合わせた、耳に適合するさらなる薬剤を使用することも本明細書に開示した実施形態の範囲内に含まれる。使用された時、そのような剤は、外耳炎、中耳炎、乳様突起炎、感音性難聴、耳毒性、内リンパ水腫、迷路炎、メニエール病、メニエール症候群、微小血管の圧迫症候群、前庭ニューロン炎、音響外傷、老人性難聴、コレステリン腫、耳硬化症、シャイベの症候群、Mondini-Michelle症候群、ワールデンブルグ症候群、Michel症候群、アレキサンダース耳変形、隔離症、ジャーベル‐ランゲニールセン(Jervell-Lange Nielson)症候群、レフサム症候群、アッシャー症候群またはそれらの組み合わせの結果としての聴力または平衡感覚の喪失または機能障害を支援する。従って、外耳炎、中耳炎、乳様突起炎、感音性難聴、耳毒性、内リンパ水腫、迷路炎、メニエール病、メニエール症候群、微小血管の圧迫症候群、前庭ニューロン炎、音響外傷、老人性難聴、コレステリン腫、耳硬化症、シャイベの症候群、Mondini-Michelle症候群、ワールデンブルグ症候群、Michel症候群、アレキサンダース耳変形、隔離症、ジャーベル‐ランゲニールセン(Jervell-Lange Nielson)症候群、レフサム症候群、アッシャ症候、外耳炎、中耳炎、乳様突起炎、AIED、ラムゼイハント(Ramsay hunt’s)、再潅流障害、迷路炎、骨化性、あるいはそれらの組み合わせの影響を改善または弱めるさらなる薬剤もまた、耳の構造体調節剤または生来の免疫システムを調節剤と組み合わせて使用されることが予期される。いくつかの実施形態において、追加の薬剤は、酸性化剤、麻酔薬、鎮痛剤、抗生物質、制吐剤、抗真菌剤、抗微生物剤、抗精神病薬(特にフェノチアジンクラスの中のもの)、防腐剤、抗ウイルス剤、収れん薬、化学療法剤、コラーゲン、コルチコステロイド、利尿薬、角質溶解薬、一酸化窒素合成酵素インヒビター、あるいはそれらの組み合わせである。

0082

いくつかの実施形態において、本明細書に記載の耳に許容可能な制御放出性の耳の構造体調節組成物は、標的耳領域に投与され、そして経口用量の耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤がさらに投与される。いくつかの実施形態において、経口用量の耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤は、耳に許容可能な制御放出性の耳の構造体調節組成物の投与前に投与され、次いで、経口用量は、制御放出性の耳の構造体調節組成物が提供される期間にわたって、徐々に減らされる。代替的に、経口用量の耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤は、制御放出性の耳の構造体調節組成物の投与の間投与され、次いで、経口用量は、制御放出性の耳の構造体調節組成物が提供される期間にわたって、徐々に減らされる。代替的に、経口用量の耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤は、制御放出性の構造体体調節組成物の投与の後投与され、次いで、経口用量は、制御放出性の耳の構造体調節組成物が提供される期間にわたって、徐々に減らされる。

0083

加えて、本明細書に含まれる耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤の医薬組成物またはデバイスは、また、担体アジュバント(例えば、防腐剤、安定化剤湿潤剤または乳化剤)、溶解促進剤浸透圧を調節するための塩、および/または緩衝液も含む。このような担体、アジュバント、および他の賦形剤は、標的とする耳の構造体(複数)中の環境に適合するであろう。標的とする領域または区域での副作用を最小限にし、本明細書で想定される耳の障害を効果的に処置することを可能にするために、耳毒性をなくすか、または耳毒性が最小限の担体、アジュバントおよび賦形剤が特に熟慮される。

0084

送達デバイスの中耳内の注入は、組成物またはデバイスを投与することができる前に取り扱われるべきいくつかのさらなる問題を生じさせる。例えば、耳毒性である多くの賦形剤がある。これらの賦形剤は、別の方法(例えば、局所的)による送達のために活性薬剤を調製する場合には使用することができるが、それらの耳毒性の作用に起因して耳に投与される組成物またはデバイスを調製する場合、それらの使用は限定され、少なくされ、または除去されるべきである。

0085

制限しない例として、耳への投与のための剤を調剤する場合、以下の一般に用いられている溶剤、アルコール、プロピレングリコールおよびシクロヘキサン、の使用は限定的か、少なくされるか、除去されるべきである。したがって、いくつかの実施形態において、本明細書に開示のデバイスは、アルコール、プロピレングリコールおよびシクロヘキサンを含まないか、または実質的にふくまない。いくつかの実施形態において、本明細書に開示のデバイスは、約50ppm未満の各々のアルコール、プロピレングリコールおよびシクロヘキサンを含む。いくつかの実施形態において、本明細書に開示のデバイスは、約25ppm未満の各々のアルコール、プロピレングリコールおよびシクロヘキサンを含む。いくつかの実施形態において、本明細書に開示のデバイスは、約20ppm未満の各々のアルコール、プロピレングリコールおよびシクロヘキサンを含む。いくつかの実施形態において、本明細書に開示のデバイスは、約10ppm未満の各々のアルコール、プロピレングリコールおよびシクロヘキサンを含む。いくつかの実施形態において、本明細書に開示のデバイスは、約5ppm未満の各々のアルコール、プロピレングリコールおよびシクロヘキサンを含む。いくつかの実施形態において、本明細書に開示のデバイスは、約1ppm未満の各々のアルコール、プロピレングリコールおよびシクロヘキサンを含む。

0086

さらに、制限しない例として、以下の一般に利用される保存剤塩化ベンゼトニウム塩化ベンザルコニウムおよびチオマーサルの使用は、耳への投与のための薬剤を調製する場合、制限され、少なくされ、または除去されるべきである。したがって、いくつかの実施形態において、本明細書に開示のデバイスは塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウムおよびチオマーサルを含まないか、または実質的に含まない。いくつかの実施形態において、本明細書に開示のデバイスは、約50ppm未満の各々の塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウムおよびチオマーサルを含む。いくつかの実施形態において、本明細書に開示のデバイスは、約25ppm未満の各々の塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウムおよびチオマーサルを含む。いくつかの実施形態において、本明細書に開示のデバイスは、約20ppm未満の各々の塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウムおよびチオマーサルを含む。いくつかの実施形態において、本明細書に開示のデバイスは、約10ppm未満の各々の塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウムおよびチオマーサルを含む。いくつかの実施形態において、本明細書に開示のデバイスは、約5ppm未満の各々の塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウムおよびチオマーサルを含む。いくつかの実施形態において、本明細書に開示のデバイスは、約1ppm未満の各々の塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウムおよびチオマーサルを含む。

0087

治療薬の調製の別の成分として使用される特定の防腐剤(または、調製物を投与するために使用されるデバイス)は、耳の調製物において制限され、少なくされ、または除去されるべきである。例えば、酢酸ヨウ素およびメルブロミンはすべて耳毒性であると知られている。さらに、一般に使用される防腐剤であるクロルヘキシデンは、それがわずかな濃度で(例えば0.05%)高い耳毒性を有するので、耳の調製物の任意の要素(その調製物を投与するために使用されるデバイスを含む)を消毒するために制限され、少なくされ、または除去されるべきである。したがって、いくつかの実施形態において、本明細書に開示のデバイスは酢酸、ヨウ素、メルブロミンおよびクロルヘキシデンを含まないか、または実質的に含まない。いくつかの実施形態において、本明細書に開示のデバイスは、約50ppm未満の各々の酢酸、ヨウ素、メルブロミンおよびクロルヘキシデンを含む。いくつかの実施形態において、本明細書に開示のデバイスは、約25ppm未満の各々の酢酸、ヨウ素、メルブロミンおよびクロルヘキシデンを含む。いくつかの実施形態において、本明細書に開示のデバイスは、約20ppm未満の各々の酢酸、ヨウ素、メルブロミンおよびクロルヘキシデンを含む。いくつかの実施形態において、本明細書に開示のデバイスは、約10ppm未満の各々の酢酸、ヨウ素、メルブロミンおよびクロルヘキシデンを含む。いくつかの実施形態において、本明細書に開示のデバイスは、約5ppm未満の各々の酢酸、ヨウ素、メルブロミンおよびクロルヘキシデンを含む。いくつかの実施形態において、本明細書に開示のデバイスは、約1ppm未満の各々の酢酸、ヨウ素、メルブロミンおよびクロルヘキシデンを含む。

0088

さらに、耳の調製物は、耳毒性であると知られている、特に低濃度のいくつかの潜在的に共通の汚染物質を要求する。他の剤形は、これらの化合物に起因し得る汚染を制限しようとする一方で、耳の調製物が要求する厳密な使用上の注意を必要としない。例えば、以下の汚染物質、ヒ素リード、水銀および錫は、耳の調製物に存在すべきでないか、またはほとんど存在すべきでない。したがって、いくつかの実施形態において、本明細書に開示のデバイスは、ヒ素、リード、水銀および錫を含まないか、または実質的に含まない。いくつかの実施形態において、本明細書に開示のデバイスは、約50ppm未満の各々のヒ素、リード、水銀および錫を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に開示のデバイスは、約25ppm未満の各々のヒ素、リード、水銀および錫を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に開示のデバイスは、約20ppm未満の各々のヒ素、リード、水銀および錫を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に開示のデバイス、は約10ppm未満の各々のヒ素、リード、水銀および錫を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に開示のデバイスは、約5ppm未満の各々のヒ素、リード、水銀および錫を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に開示のデバイスは、約1ppm未満の各々のヒ素、リード、水銀および錫を含む。

0089

耳毒性を防ぐために、本明細書に開示の耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤の医薬組成物またはデバイスは、任意に、標的とする耳の構造体の別個の領域を標的とし、この別個の領域は、鼓室、前庭骨および前庭膜の迷路、蝸牛骨および蝸牛膜の迷路、内耳の中に位置する他の解剖学的構造体または生理学的構造体を含むが、これらに限定されない。

0090

特定の定義
用語「耳に許容可能な」は、本明細書で使用されるように、組成物、組成物または成分に関し、処置される被験体の中耳(auris mediaまたはmiddle ear)および内耳(auris internaまたはinner ear)に対して何の持続的な有害な影響もないことを含む。「薬学的に耳に許容可能な」とは、本明細書で使用されるように、中耳(auris mediaまたはmiddle ear)および内耳(aurisinternaまたはinner ear)に関連して、化合物の生体活性または性質を無効化せず、中耳(auris mediaまたはmiddle ear)および内耳(auris internaまたはinner ear)に対する毒性が相対的に減らされるか、または減らされる担体または希釈剤のような物質を表し、この物質は望ましくない生物学的効果を生じないか、またはこの物質が含まれる組成物の任意の成分と有害に相互作用しないように、個体に投与される。

0091

本明細書で使用されるように、特定の化合物または医薬組成物を投与することによって、特定の耳の疾患、障害または疾病の症状を改善すること、または減らすことは、上記の化合物または組成物の投与に関連した、または上記の化合物または組成物の投与に関連して、重篤度の低下、発症の遅延、進行の遅延、または継続的であれ移行的であれ、持続時間の短縮、を表す。

0092

酸化防止剤」は、医薬的に耳に許容可能な酸化防止剤であり、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、アスコルビン酸ナトリウムアスコルビン酸重亜硫酸ナトリウムトコフェロールを含む。特定の実施形態において、酸化防止剤は、必要な場合、化学安定性を高める。酸化防止剤は、また本明細書に開示の耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤と組み合わせて使用される薬剤を含む、特定の治療薬剤の耳毒性の作用を中和するために使用される。

0093

「内耳(auris interna)」は、蝸牛および前庭の迷路、および蝸牛を中耳と接続する正円窓を含む、内耳(inner ear)を指す。

0094

「耳のバイオアベイラビリティ」または「内耳のバイオアベイラビリティ」または「中耳のバイオアベイラビリティ」または「外耳のバイオアベイラビリティ」は、試験される動物またはヒトの標的とする耳の構造体で利用可能な本明細書に開示された化合物の投与された用量の百分率を指す。

0095

「中耳(auris media)」は、鼓室、耳小骨、および中耳を内耳と接続する卵円窓を含む、中耳(middle ear)を指す。

0096

「外耳(auris externa)」は、耳介耳道、および外耳を中耳と接続する鼓膜を含む、外耳(outer ear)を指す。

0097

血漿濃度」は、被験体の血液の血漿成分における、本明細書で提供される化合物の濃度を指す。

0098

担体物質」は、耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤(複数)、標的とする耳の構造体(複数)、および耳に許容可能な医薬組成物の放出特性と適合する賦形剤である。このような担体物質は、例えば、バインダー懸濁剤崩壊剤充填剤、界面活性剤、可溶化剤、安定化剤、潤滑剤、湿潤剤、希釈剤などを含む。「薬学的に耳に適合する担体物質」は、アカシアゼラチンコロイド状二酸化ケイ素グリセロリン酸カルシウム乳酸カルシウムマルトデキストリングリセリンケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン(PVP)、コレステロールコレステロールエステルカゼイン塩ナトリウム大豆レシチンタウロコール酸ホスファチジルコリン塩化ナトリウム三リン酸カルシウムリン酸二カリウム、セルロースおよびセルロース接合体ショ糖ナトリウムステアロイル乳酸カラゲナンモノグリセリドジグリセリドアルファ化でんぷんなどを含むが、これらに限定されない。

0099

本明細書で使用されるように、用語「補体調節剤」は、補体系の成分の活性を高めるか、または阻害する薬剤を意味する。いくつかの実施形態において、補体調節剤は、補体系の成分の活性を高める。いくつかの実施形態において、補体調節剤は、補体系の成分の活性を、(部分的にまたは完全に)阻害する。

0100

用語「希釈剤」は、送達前に耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤を希釈するために使用され、標的とする耳の構造体に適合する化学化合物を指す。

0101

分散剤」および/または「粘度調節剤」は、液体媒体を通じて耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤の拡散性および均質性を制御する物質である。拡散促進剤/分散剤の例は、限定されないが以下を含む:親水性ポリマー電解液、Tween(登録商標)60または80、PEG、ポリビニルピロリドン(PVP; Plasdone(登録商標)として市販で知られている)、および例えば、ヒドロキシプロピル・セルロース(例えばHPC、HPC-SLおよびHPC-L)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えばHPMC K100、HPMC K4M、HPMC K15MおよびHPMC K100M)、カルボキシメチルセルロースナトリウムメチルセルロースヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート(HPMCAS)、非晶質のセルロースのような炭水化物ベースの分散剤、ケイ酸アルミニウムマグネシウムトリエタノールアミンポリビニルアルコール(PVA)、ビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー(S630)、エチレンオキシドおよびホルムアルデヒドを備えた 4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-フェノール)ポリマー(チロキサポールとして知られている)、ポロクサマー(例えば、Pluronic F127、Pluronics F68(登録商標)、F88(登録商標)、F108(登録商標)、これらは、エチレンオキシドとプロピレンオキシドブロックコポリマーである);およびポロキサミン(例えば、ポロキサミン908(登録商標)として知られているテトロン酸908、これは、プロピレンオキシドとエチレンオキシドをエチレンジアミンに連続的に追加したものに由来する四官能性ブロックコポリマーである (BASFCorporation, Parsippany, N.J.))、ポリビニルピロリドンK12、ポリビニルピロリドンK17、ポリビニルピロリドンK25またはポリビニルピロリドンK30、ポリビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー(S-630))、ポリエチレングリコール(例えば、そのポリエチレングリコールは、約300から約6000、または約3350から約5400、または約7000から約5400の分子量を有している)、ナトリウムカルボキシメチルセルロースポリソルベート‐80、アルギン酸ナトリウム、例えばトラガカントゴムアラビアゴムグアーガムキサンタンガムを含むキサンタンのようなゴム、砂糖、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースのようなセルロース化合物、ポリソルベート‐80、アルギン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポビドンカルボマー、ポリビニルアルコール(PVA)、アルギン酸塩、キトサンおよびそれらの組み合わせ。セルロースまたはトリエチルセルロースのような可塑剤も、分散剤として使用される。本明細書に開示の耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤のリポソーム分散または自己乳化性分散に有用な任意の分散剤は、ジミリストイルホスファチジルコリン、ホスファチジルコリン(c8〜c18)、ホスファチジルエタノールアミン(c8〜c18)、ホスファチジルグリセロール(c8〜c18)、または大豆由来天然のホスファチジルコリン、卵または大豆由来の天然のホスファチジルグリセロール、コレステロールおよびミリスチン酸イソプロピルである。

0102

「薬物吸収」または「吸収」は、耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤(複数)が、投与した局所的な部位から移動するプロセスを指し、ほんの一例として、内耳の正円窓膜から、バリア(以下に記載のように、正円窓膜)を通り、内耳(auris internaまたはinner ear)構造体へと移動するプロセスを指す。用語「同時投与」などは、本明細書に用いられるように、単一の患者への耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤の投与を包含することを意味し、同じ若しくは異なる投与経路、または同じ若しくは異なる時間に、耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤が投与される処置レジメンを含むことが意図されている。

0103

用語「有効な量」又は「処置に有効な量」は、本明細書で使用されるように、処置されている1以上の疾患又は疾病の症状を、ある程度まで緩和すると予想されるのに十分な量の投与されている耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤の量を指す。例えば、本明細書に開示の耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤を投与した結果は、メニエール病の徴候、症状または原因を減らし、および/または軽減する。例えば、治療用途で「有効な量」は、過度の有害な副作用を伴わずに、疾患症状を減らすか又は改善するのに要求される、本明細書に開示の組成物を含む耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤の組成物の量である。用語「治療上有効な量」は、例えば、予防に有効な量を含む。本明細書に開示の耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤の組成物の「有効な量」は、過度の有害な副作用を伴うことなく、所望の薬理学的効果又は治療の改善を達成するのに有効な量である。「有効な量」または「治療上有効な量」は、いくつかの実施形態において、投与される化合物の代謝、被験体の年齢、体重、全体的な状態、処置される疾病、処置される疾病の重篤度、主治医の判断がばらつくことによって、被験体ごとに変わることが理解される。また、薬物動態および薬理学を考慮して、持続放出型の投薬形式における「有効な量」が、即効型の投薬形式における「有効な量」とは異なり得ることも理解される。

0104

用語「高める(enhance)」または「高めること(enhancing)」は、耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤の望ましい効果の有効性または持続時間のいずれかを増やすか、または長くすること、または、治療薬剤を投与した結果生じる局所的な痛みのような、任意の有害な症状を減らすことを指す。従って、本明細書に開示の耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤の効果を高めることに関し、用語「高めること(enhancing)」は、本明細書に開示の耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤と組み合わせて使用される他の治療薬剤の効果を、有効性または持続時間のいずれかにおいて増やすか、または長くする能力を指す。「高めるのに有効な量」は、本明細書で使用されるように、所望な系で別の治療薬剤または耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤の効果を高めるのに十分な、耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤または他の治療薬剤の量を指す。患者に用いる場合、この用途にとって有効な量は、疾患、障害または疾病の重篤度および経過、以前の治療、患者の健康状態および薬物に対する応答、処置する医師の判断によって変わるであろう。

0105

用語「阻害すること(inhibiting)」は、症状、例えば、興奮毒性の進行、または処置を必要とする患者の症状が進むのを予防するか、遅らせるか、または逆行させることを指す。

0106

用語「生来の免疫システム調節剤」は、本明細書に使用されるように、生来の免疫システムの成分の活性を高めるか、または阻害する薬剤を意味する。いくつかの実施形態において、生来の免疫システム調節剤は、生来の免疫システムの成分の活性を高める。いくつかの実施形態において、生来の免疫システム調節剤は、生来の免疫システムの成分の活性を(部分的にまたは完全に)阻害する。

0107

平衡障害」は、不安定に感じ、動いているような感覚を有するような状態を引き起こす疾患、病気、又は、疾病を指す。この定義には、眩暈、回転性眩暈、不均衡失神性眩暈が、含まれている。平衡障害に分類される疾患は、デバルクマン症候群(mal de debarquement)、良性発作性頭位眩暈症、迷路炎を含むが、これに限定されない。

0108

用語「キット」及び「製品」は、同義語として用いられる。

0109

本明細書で用いられるように、用語「耳の介入処置」は、1以上の耳構造体に対する外部損傷か外傷を意味し、移植、耳の手術、注射、カニューレ挿入などを意味する。
移植は、内耳または中耳の医療デバイスを含み、その例は、蝸牛移植、聴力付与デバイス、聴力改善デバイス、短い電極ミクロ人工補綴またはピストン様人工補綴;針;幹細胞移植;薬物送達デバイス;任意の細胞ベースの治療などを含む。耳の手術は、中耳手術、内耳手術、鼓膜切開術(typanostomy)、鼓室階切開(cochleostomy)、迷路切開術(labyrinthotomy)、乳突削開術(mastoidectomy)、アブミ骨切除手術、アブミ骨摘除術(stapedotomy)、鼓室穿孔術、内リンパ球嚢切開術(sacculotomy)などを含む。注射は、中耳内の注射、蝸牛内の注射、正円窓膜を隔てた注射などを含む。カニューレ挿入は、中耳内、蝸牛内、内リンパ、外リンパ、前庭のカニューレ挿入などを含む。

0110

「耳の構造体調整剤」は、本明細書に使用されるように、耳の構造体促進剤または耳の構造体の分子の成分を変性する薬剤を意味する。

0111

「薬物動態」は、標的とする耳の構造体内にある所望の部位で、適切な薬物濃度の獲得および維持を決定する因子を指す。

0112

予防的な用途において、本明細書に記載の薬剤を含む組成物は、外耳炎、中耳炎、乳様突起炎、感音性難聴、耳毒性、内リンパ水腫、迷路炎、メニエール病、メニエール症候群、微小血管の圧迫症候群、前庭ニューロン炎、音響外傷、老人性難聴、コレステリン腫、耳硬化症、シャイベの症候群、Mondini-Michelle症候群、ワールデンブルグ症候群、Michel症候群、アレキサンダース耳変形、隔離症、Jervell-Lange Nielson症候群、レフサム症候群およびアッシャー症候群に関する、特定の疾患、障害又は疾病に敏感な患者に投与され、あるいは、さもなければ、それらのリスクがある患者に投与される。このような量は、「予防に有効な量または用量」と定義される。このような使用において、正確な量はまた、患者の健康状態、体重などにも左右される。本明細書で使用されるように、「医薬デバイス」は、耳に投与する際に、本明細書に記載の活性薬剤を持続放出するためのリザーバーを提供する、本明細書に記載の任意の組成物を含む。

0113

平均滞留時間(MRT)は、投与後に耳の構造体に活性薬剤の分子が存在する平均時間である。

0114

「プロドラッグ」は、インビボで親薬物に変換される耳の構造体調節剤または生来の免疫システム調節剤を指す。特定の実施形態において、プロドラッグは、1以上の工程またはプロセスによって、化合物の、生物学的、薬学的または治療的に活性な形態へと酵素によって代謝される。薬学的に活性な化合物は、プロドラッグを製造するために、インビボ投与すると活性化合物再生されるように、修飾される。1つの実施形態において、プロドラッグは、薬物の代謝安定性または移動特徴を変え、副作用または毒性を消し、または薬物の他の特徴または性質を変えるように設計される。本明細書に提供される化合物は、いくつかの実施形態において、適切なプロドラッグへと誘導体化される。

0115

「正円窓膜」は、蝸牛窓(fenestrae cochlea、circularwindowまたはfenestrae rotundaまたはround windowとしても知られる)を覆う、ヒトの膜である。ヒトでは、正円窓膜の厚みは、約70ミクロンである。

0116

「可溶化剤」は、例えば、トリアセチンクエン酸トリエチルオレイン酸エチルカプリル酸エチルラウリル硫酸ナトリウムカプリン酸ナトリウムショ糖エステルアルキルグルコシド、ナトリウムドクセート、ビタミンETPGS、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、N-ヒドロキシエチルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルシクロデキストリンエタノールn-ブタノールイソプロピルアルコール、コレステロール、胆汁塩、ポリエチレングリコール200〜600、グリコフロールトランスキトール、プロピレングリコール、およびジメチルイソソルビドなどのような、耳に許容可能な化合物を指す。

0117

「安定化剤」は、任意の酸化防止剤、緩衝液、酸、防腐剤などのような、標的とする耳の構造体の環境と適合する化合物を指す。安定化剤は、限定されないが、(1)賦形剤と、容器またはシリンジまたはガラス瓶を含む送達システムとの適合性を向上させる、(2)組成物の成分の安定性を向上させる、または(3)組成物の安定性を向上させる、いずれかの薬剤を含む。

0118

本明細書で使用されるように、用語「実質的に低分解の産物」は、活性薬剤の5重量%未満が、活性薬剤の分解生成物であることを意味する。更なる実施形態において、前記用語は、活性薬剤の3重量%未満が活性薬剤の分解産物であることを意味する。また更なる実施形態において、活性薬剤の2重量%未満が、活性薬剤の分解産物であることを意味する。更なる実施形態において、活性薬剤の1重量%未満が、活性薬剤の分解産物であることを意味する。

0119

本明細書で使用されるように、「過剰な耳の構造体」は、一例として、(例えばアブミ骨内での)過剰な骨成長、 (例えば、粘液、膿または滲出液の過度の分泌に起因する) 耳の構造体の閉塞、(例えば炎症に起因する)内耳での過剰な滲出、または本明細書に記載の耳の疾患又は疾病を引き起こし得る任意の耳の構造体における任意の他の異常を含む。

0120

本明細書で用いられるように、「基本的に微粉にされた粉末の形態で」は、ほんの一例として、活性薬剤の70重量%より多くが、活性薬剤の微粉にされた粒子状物質の形態であることを含む。更なる実施形態において、前記用語は、活性薬剤の80重量%より多くが、活性薬剤の微粉にされた粒子状物質の形態であることを意味する。また更なる実施形態において、活性薬剤の90重量%より多くが、活性薬剤の微粉にされた粒子状物質の形態であることを意味する。

0121

定常状態」は、本明細書で使用されるように、標的とする耳の構造体に投与される薬物の量が、1回の投薬間隔の間に排除される薬物の量と等しくなり、その結果、標的とする構造体内での薬物曝露濃度定常になるかまたは一定レベルになることである。

0122

本明細書で使用されるように、用語「被験体」は、動物、好ましくは、ヒトまたは非ヒトを含む哺乳動物を意味するために使用される。患者、被検者という用語は互換的に使用され得る。どちらの用語も、医療専門家(例えば、医者看護師医師助手看護助手ホスピスワーカー)の監督を要求するとは解釈されない。

0123

「界面活性剤」は、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ナトリウムドクセート、Tween(登録商標)60または80、トリアセチン、ビタミンETPGS、ソルビタンモノオレートポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリソルベート、ポロクサマー(polaxomer)、胆汁塩、グリセリルモノステアレート、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのコポリマー、例えば、プルロニック(登録商標)(BASF)などのような、耳に許容可能な化合物を指す。他のいくつかの界面活性剤としては、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリド及び例えばポリオキシエチレン(60)水素化ヒマシ油等の植物油、及び、例えば、オクトキシノール10、オクトキシノール40等のポリオキシエチレンアルキルエーテルアルキルフェニルエーテルが挙げられる。いくつかの実施形態において、界面活性剤は、物理的安定性を高めるために、または他の目的のために含まれる。

0124

用語「処置する(treat)」、「処置している(treating)」、又は「処置(treatment)」は、本明細書に用いられるように、予防的及び/又は処置的にのいずれかで、疾患又は疾病の症状を軽減、減少、又は改善すること、更なる症状を予防すること、症状の根底にある代謝の原因を改善または予防すること、疾患又は疾病を抑制すること、例えば疾患又は疾病の進行を停止すること、疾患又は疾病を緩和すること、疾患又は疾病を退行させること、疾患又は疾病により生じる状態を緩和すること、或いは疾患又は疾病を止めることを含む。

0125

本明細書に記載の方法と組成物の、他の目的、特徴、利点は、後述する詳細な説明から明らかになるだろう。しかしながら、発明の詳細な説明と特定の実例は、特定の実施形態を示すが、説明のためだけに与えられたものであることを理解されたい。

0126

耳の解剖学
図4に示すように、外耳は、この器官の外側部分であり、耳介(pinna、auricle)と、耳道(外耳道)と、鼓膜(tympanic menbrane、ear drumとしても知られている)の外側に面する部分から成る。頭部の側面に見える外耳の肉質部分である耳介は、音波を集め、音波を耳道に向かわせる。従って、外耳の機能は、一部には、音波を集め、鼓膜および中耳に向かわせることである。

0127

中耳は、空気で満たされた空洞であり、鼓室と呼ばれ、鼓膜の背後にある。鼓膜(tympanic membrane、ear drumとしても知られている)は、外耳を中耳から分ける薄い膜である。中耳は、側頭骨の中に位置しており、この空間の中に、ツチ骨キヌタ骨、アブミ骨の3つの耳骨(耳小骨)を含む。耳小骨は、小さな靱帯によってともに結合しており、鼓室の空間を横切って架橋を形成している。ツチ骨は、一端で鼓膜に結合しており、他端でキヌタ骨に結合しており、次いで、アブミ骨に結合している。アブミ骨は、卵円窓に結合しており、2つの卵円窓の1つは、鼓室内に位置している。輪状靱帯として知られる線維組織層は、アブミ骨を卵円窓に接続している。外耳からの音波は、まず、鼓膜を振動させる。この振動が、耳小骨および卵円窓を通って蝸牛に伝わり、内耳における液体にこの動きが伝わる。従って、耳小骨は、鼓膜と、流体に満たされた内耳の卵円窓の間を機械的に結合するように配置されており、この卵円膜では、さらなる処理のために、音が内耳に伝えられ、変換される。耳小骨、鼓膜または卵円窓が硬化硬直、または動きができなくなると、難聴、例えば、耳硬化症、またはアブミ骨の硬直を引き起こす。

0128

また、鼓室は、耳管を経て、咽喉にも繋がっている。耳管は、外気と中耳の空洞の間の圧力を等しくする能力を付与する。正円窓は、内耳の要素であるが、また鼓室内にも繋がっており、内耳の蝸牛に向かって開口している。正円窓は、卵円窓膜によって覆われ、それは外部層または粘膜層、中間層または線維層、および内膜の3層から成り、内膜は、蝸牛の流体と直接連絡する。従って、正円窓は、内側の膜を介して、内耳と直接繋がっている。

0129

卵円窓および正円窓での動きは、相互連絡されており、すなわち、アブミ骨の骨が、鼓膜から正円窓へとこの動きを伝えることで、内耳の流体に対して内側に動くと、正円窓(または、正円窓膜)が、対応するように押し出され、蝸牛の流体から離れる。正円窓のこの動きによって、蝸牛内の流体が動き、次いで、蝸牛の内側の有毛細胞が動き、聴覚信号が伝達される。正円窓膜における硬化、硬直は、蝸牛の流体が移動できなくなるため、難聴を引き起こす。近年の研究は、卵円窓を通る正常な伝導経路迂回させ、増幅された入力を蝸牛室に提供する、正円窓に医療用変換器を移植することに注目が集まっている。

0130

聴覚信号の変換は、内耳で行われる。流体で満たされた内耳(auris internaまたはinner ear)は、蝸牛器および前庭器の2つの主要な要素からなる。内耳は、部分的に、頭蓋骨の側頭骨にある入り組んだ一連の経路である骨迷路(osseous labyrinthまたはbony labyrinth)内に位置している。前庭の器官は、平衡感覚の器官であり、3つの半円状の管と、前庭とからなっている。この3つの半円状の管は、空間の3つの直交面に沿った頭部の動きを、流体の動きと、次いで、膨大部稜と呼ばれる半円状の管の感覚器官による信号処理とによって検出することができるように、互いに対して配列されている。膨大部稜は、有毛細胞と支持細胞とを備えており、クプラと呼ばれる半円型のゼラチン状の塊によって覆われている。有毛細胞の毛は、クプラに包埋されている。半円状の管は、動的平衡、回転または角運動平衡状態を検出する。

0131

頭部を迅速に回転させると、半円状の管は、頭部とともに動くが、膜状の半円状の管の中にある内リンパ液は、動かないままである傾向がある。内リンパ液は、クプラに逆らって押し出され、片側に傾く。クプラが傾くと、クプラが、膨大部稜の有毛細胞のいくつかの毛を曲げ、これが、知覚インパルス引き金となる。それぞれの半円状の管は、異なる面に位置しているため、それぞれの半円状の管に対応する膨大部稜は、頭部の同じ動きに対して異なる応答をする。これにより、インパルスの寄せ集めが作られ、これが、内耳神経前庭枝にある中枢神経系に伝わる。中枢神経系は、この情報を解釈し、平衡を維持するのに適切な反応を開始する。中枢神経系の中で重要なのは、小脳であり、平衡および均衡の感覚を媒介する。

0132

前庭は、内耳の中心部分であり、静的平衡または重力に対する頭部の位置を確認する、有毛細胞を有する機械受容器を備えている。静的平衡は、頭部が動いていないか、または直線状に動いているときに役割をはたす。前庭内の膜状迷路は、卵形嚢および球形嚢の2つの嚢状の構造体に分かれる。それぞれの構造体は、同様に、と呼ばれる小さな構造体を含み、これは、静的平衡の維持に関与している。嚢斑は、感覚有毛細胞からなり、感覚有毛細胞は、嚢斑を覆うゼラチン状の塊(クプラと似たもの)に包埋されている。耳石と呼ばれる炭酸カルシウムの粒は、ゼラチン状の層表面に埋め込まれている。

0133

頭部が直立位置にある場合、毛は、斑に沿ってまっすぐになっている。頭部が傾くと、ゼラチン状の塊および耳石が、これに対応して傾き、斑の有毛細胞のいくつかの毛が曲がる。この曲げ動作によって、中枢神経系に対して信号インパルスが開始され、これが、内耳神経の前庭枝を介して伝わり、平衡を維持するために、適切な筋肉に対し運動インパルスを順に中継する。

0134

蝸牛は、聴覚に関連する、内耳の部分である。蝸牛は、カタツムリに似た形状に巻かれている、先が細くなった管状の構造体である。蝸牛の内側は、3つの領域に分かれており、前庭膜および基底膜の位置によってさらに規定されている。前庭膜の上の位置は、前庭階であり、卵円窓から蝸牛頂部に延びており、カリウム濃度が低く、ナトリウム濃度が高い水溶液である外リンパ液を含有する。基底膜は、鼓室階の領域を規定しており、蝸牛頂部から正円窓に延びており、これも外リンパを含有している。基底膜は、数千の硬い繊維を含有しており、この繊維は、正円窓から蝸牛頂部に向かって、徐々に長くなっている。基底膜の線維は、音によって活性化されると、振動する。前庭階と鼓室階との間に蝸牛管があり、この蝸牛管は、蝸牛頂部で、閉じた嚢として終わる。蝸牛管は、内リンパ液を含有しており、この内リンパ液は、脳脊髄液と似ており、カリウムが多い。

0135

聴覚器官であるコルチ器官は、基底膜上にあり、蝸牛管の方へ上方に向かって延びている。コルチ器官は、有毛細胞を含有しており、この有毛細胞は、自由表面から延びる毛状突起を有しており、蓋膜と呼ばれるゼラチン状表面と接触している。有毛細胞には軸索が存在しないが、内耳神経の蝸牛枝を形成する感覚神経線維に囲まれている(脳神経VIII)。

0136

上記のように、楕円形の窓としても知られる卵円窓は、アブミ骨と連絡しており、鼓膜から振動する音波を中継する。卵円窓に伝わった振動は、外リンパおよび前庭階/鼓室階を経て、流体で満たされた蝸牛の内圧を高め、これによって、正円窓膜が応答して膨らむ。卵円窓の内側が加圧されること/正円窓が外側に膨らむことが協働することによって、蝸牛の内圧が変わることなく、蝸牛内の流体を動かすことができる。しかし、振動が、外リンパを介して前庭階内に伝わると、卵円膜内において対応する振幅が作られる。これらの対応する振幅は、蝸牛管の内リンパを介して伝わり、基底膜へと伝わる。基底膜が振幅するか、または上下に動くと、コルチ器官が、それに伴って動く。次いで、コルチ器官の有毛細胞受容体が、蓋膜に逆らって動き、蓋膜で機械的な変形が起こる。この機械的な変形によって、神経インパルスが開始され、これが、内耳神経を介して中枢神経系に伝わり、受け取られた音波は、続いて中枢神経系によって処理されるシグナルへと機械的に変換される。

0137

疾患
自己免疫性内耳疾患
自己免疫性内耳疾患(AIED)は、感音難聴の数少ない改善可能な原因の1つである。AIEDは、内耳の音声受信機能および前庭機能両側性障害を含むことが多い、成人および子供の両方に起こるまれな障害である。多くの場合に、AIEDは、全身の自己免疫症状がない状態で起こるが、患者の3分の1までが、炎症性腸疾患関節リウマチ(Murdin,L.ら(2007)、Hearing difficulties are common in patients with rheumatoid arthritis、Clin Rheumatol、27(5):637-640)、強直性脊椎炎全身性エリテマトーデス(SLE)、シェーグレン症候群、コーガン病、潰瘍性大腸炎ウェゲナー肉芽腫症硬皮症のような全身の自己免疫疾患も患っている。ベーチェット病多系統疾患も、一般的に、音声を受信する前庭に問題をかかえている。食物に関連するエネルギーが蝸牛および前庭の自己免疫の原因であるといういくつかの証拠が存在するが、この疾患の原因論の重要性については、現在では議論がまとまっていない。AIEDの分類スキームが開発されている(Harris及びKeithleyの文献「(2002)Autoimmune inner ear disease、Otorhinolaryngology Head and Neck Surgery.91、18-32」)。

0138

免疫システムは、通常、細菌やウイルス等の侵襲性病原体から内耳を保護する重要な役割を果たす。しかし、AIEDにおいて、免疫システムそれ自体は、繊細な内耳組織を傷つけ始める。内耳は、外来抗原への局在化された免疫反応を開始する能力を十分有している。外来抗原が内耳に入ると、内リンパ嚢内とその周りにいる、免疫担当細胞によって、まず処理される。一度外来抗原がこれらの免疫担当細胞によって処理されると、これらの細胞は、内耳の免疫反応を調節する種々のサイトカインを分泌する。このサイトカイン放出の1つの結果は、体循環から要求される、炎症細胞の流入を促すことである。これらの全身炎症細胞は、らせん状蝸牛静脈とその支流とを通る血管外漏出を介して蝸牛に入り、からだの他の部分で起きるのと同様に、抗原の取り込みと調節解除とに関与し始める。インターロイキン1(IL‐1)は、先天的(非特異性)免疫反応の調節において重要な役割を果たすものであり、かつ、ヘルパーT細胞とB‐細胞とを静止させる知られている活性因子である。一度IL‐1によって活性化された、ヘルパーT細胞は、IL‐2を生成する。IL‐2分泌は、ヘルパーの、細胞傷害性抑制因子のT細胞亜型への多能性T細胞の分化を結果として生じる。IL‐2は、また、Bリンパ球の活性化においてヘルパーT細胞を補助し、おそらく、前庭および蝸牛領域の免疫反応の免疫調節で中心的役割を果たす。IL‐2は、抗原負荷後6時間で早くも、内耳の外リンパ内にあり、抗原負荷から18時間にIL‐2のピークレベルとなる。その後、IL‐2の外リンパのレベルは消失し、それは、ポスト抗原負荷の120時間後には、外リンパ内にもはや存在しない。

0139

IL‐1βと腫瘍壊死因子‐α(TNF‐α)の両方は、免疫反応の開始および増幅に重要な役割を果たし得る。IL‐1βは、外科的外傷、又は、非特異性反応における音響外傷等の外傷の存在下でらせん靭帯線維細胞によって発現される。TNF‐αは、全身細胞の湿潤によって、又は、抗原の存在している内リンパ嚢に含まれる常在細胞によって、発現される。TNF‐αは、動物モデルにおける適応性のある(特定の)免疫反応の一部として放出される。抗原がマウスの内耳に注入される場合、IL‐1βとTNF‐αは、両方が発現し、そして活発な免疫反応が生じる。しかしながら、抗原が外傷の不在下で脳脊髄液を介して内耳に導入される場合、TNF‐αのみが発現し、細小の免疫反応が生じる。重要なことに、隔離されている蝸牛外傷は、また、最小の免疫反応をもたらす。これらの結果は、免疫反応の非特異的、及び特異的成分の双方が、最大の応答を得るように内耳内で協働することを示唆している。

0140

故に、蝸牛が傷つけられ、抗原が注入されると(又は自己免疫疾患の場合、患者は内耳抗原に対して向けられた免疫細胞を有しており)、非特異的、及び特異的免疫反応の双方が、同時に活性化され得る。このことによって、結果としてTNF‐αのみでなくIL‐1βも同時生産に生じ、内耳への実質的損傷につながる炎症の非常に増幅されたレベルを引き起こす。次に続く動物モデルの実験では、以下のことを確認する。即ち、免疫媒介性障害における重要な工程は、特異的な適応免疫反応が損傷を招くのに十分な炎症を引き起こすに、内耳が非特異的な自然免疫反応によって整えられていることを要求する。(Hashimoto等による論文"Audiol.Neurootol"、(2005年)、10、35‐43)。結果、特異的な免疫反応と特にTNF‐αの作用とを減少又はブロックする薬剤は、特異的、及び非特異的免疫反応が同時に活性化される際に見られる、過剰な免疫反応を防ぐ。

0141

そのようなものとして、いくつかの実施形態は、抗TNF剤の投与により自己免疫の耳疾患の処置を含んでいる。抗TNF薬物であるエタネルセプト(エンブレル(登録商標))は、自己免疫性内耳疾患の処置のための有望な剤として出現している。更に、抗TNF剤のインフリキシマブ(REMICADE(登録商標))とアダリムマブ(HUMIRA(登録商標))及びゴリムマゴは、また、自己免疫内耳障害の処置に有用なものである。AIEDでの個体の全身処置治験プロトコルは、週に2回の基準での注入として、抗TNF剤の注入を含む。さらなる実施形態は、TACEインヒビターIKKインヒビターカルシニューリンインヒビター、フラボン誘導体、toll様インヒビター(toll-like inhibitor)、インターロイキンインヒビターまたはその組み合わせから選ばれる免疫抑制剤の投与により、自己免疫の耳疾患の処置を含んでいる。

0142

自己免疫の耳の障害の処置は、他の実施形態において、免疫抑制剤を、ステロイド、化学療法剤、コラーゲン、ガンマグロブリン注入または他の免疫調整剤を含む別の医薬品と免疫抑制剤の組合わせを含む。ステロイドとしては、例えば、プレドニゾン、又はデカドロンが挙げられる。化学療法剤としては、例えば、シトキサンアザチオプリン(azathiaprine)、又はメトトレキサートが挙げられる。血漿交換手順は、任意に使用される。経口コラーゲン、ガンマグロブリン注入又は他の免疫調節薬物(例えばβインターフェロン、αインターフェロン、又は、コパクソン(copaxone))による処置は、また、任意に、抗TNF薬物と組み合わせて使用される。

0143

内リンパ水腫
内リンパ腫とは、内耳の内リンパ系内の水圧が増加を指す。内リンパと外リンパは、複数の神経を含む薄膜によって分離されている。圧力変化は、それらを収容している膜と神経とにストレスを与える。圧力が十分に大きいならば、破壊は膜に生じ得る。これは、結果として、脱分極の阻害および機能の一時的な損失につながり得る流体の混合を生じさせる。前庭神経発火の速度の変化は、しばしば、回転性眩暈を引き起こす。さらに、コルチ器官も影響され得る。基底膜と内外有毛細胞との歪みは、難聴及び/又は耳鳴の誘因となる。

0144

原因は、代謝性障害、ホルモンのアンバランス、自己免疫疾患、およびウイルス性細菌性又は菌類による感染症を含む。症状は、難聴、眩暈、耳鳴、及び耳閉塞感を含む。
眼振も、現れる。処置は、ベンゾジアゼピン利尿剤(水圧を下げるもの)、コルチコステロイド、及び/又は、抗菌性抗ウイルス性、又は、抗菌性薬剤を含む。

0145

反復性の眩暈症
反復性の眩暈症は、被験体が厳しい回転性眩暈の多数の発症を経験する疾病である。
回転性眩暈の発症は、数分または数時間続き得る。メニエール病と異なり、それは難聴を伴わない。いくつかの場合において、それは、メニエール病または良性発作性頭位眩暈症へ進行し得る。処置はメニエール病の処置に似ている。

0146

耳鳴
耳鳴は、外部刺激の不在下での音の認識として定義されている。耳鳴は、継続的に、又は、散発的に、一方又は両方の耳で生じ、ほとんどの場合、響き渡る音としてあらわされる。ほとんどの場合、他の疾患の診断症状として用いられる。2つのタイプ、他覚的および自覚的、の耳鳴がある。前者は、誰にでも聞こえる体内で作れらた音である。後者は、影響を受けた個体にのみ聞こえる。研究は、5000万以上の米国人がある種の耳鳴を経験していると、見積もっている。これらの5000万の内、約1200万のヒトが、激しい耳鳴を経験している。

0147

耳鳴のいくつかの処置がある。
リドカインは、静脈内注射(IV)によって投与され、約60%乃至80%の患者において耳鳴に関する騒音を減少又は除去する。ノルトリプチリンセルトラリンパロキセチン等の、選択的な神経伝達物質再取り込みインヒビターは、また、耳鳴に対する確認された効き目を有している。ベンゾジアゼピンは、また、耳鳴を処置するのに処方される。

0148

回転性眩暈
回転性眩暈は、身体が静止している間の回転または揺動の感じとして記される。2つのタイプの回転性眩暈がある。自覚的眩暈は、身体の運動の誤った感覚である。他覚的眩暈は、その人の周囲が動いている知覚である。それには、しばしば、吐き気嘔吐症状、およびバランスを維持する困難が付随する。

0149

任意の1つの理論によって結びつけられることが望まれない間は、回転性眩暈は内リンパの過剰蓄積によって引き起こされると仮定される。この体液平衡失調は、結果として、運動感覚につながる内耳の細胞上の圧上昇を生じさせる。回転性眩暈の最も一般的な原因は、良性発作性頭位眩暈症、またはBPPVである。また、それは、頭部損傷、または血圧の突然の変化によってもたらされる場合がある。それは、上半規管裂隙症候群とメニエール病を含むいくつかの疾患の診断の症候である。

0150

良性発作性頭位眩暈症
良性発作性頭位眩暈症は、卵形嚢から三半規管の一つ、多くは後半規管へと浮遊している炭酸カルシウム結晶(耳石)移動によって起こされる。頭部の移動は、耳石の移動をもたらし、これは異常な内リンパ変位とその結果生じる眩暈の感覚とをもたらす。眩暈発作は、普通、約1分の間続き、他の聴覚症状を伴って起きることは稀である。

0151

デバルクマン
デバルクマンは、例えばクルージング、自動車旅行飛行機搭乗の、持続した動作現象の後に通常生じる疾病である。それは、運動の持続的な感覚、バランスを維持する困難性、疲労および認識機能障害によって特徴づけられる。症状はまた、眩暈、頭痛聴覚過敏、及び/又は耳鳴を含み得る。症状は、しばしば、一か月以上継続する。処置は、ベンゾジアゼピン、利尿薬、ナトリウム・チャンネル遮断薬および三環系抗鬱薬を含む。

0152

外耳炎
水泳選手の耳と呼ばれる外耳炎(OE)は外耳の炎症及び/又は感染である。OEは、外耳内でのバクテリアによってしばしば引き起こされ、それは、外耳道の皮膚に損傷後の感染を引き起こす。OEを起こす最初の病原性微生物は、緑膿菌黄色ブドウ球菌とであるが、しかし、疾病は、グラム陽性菌グラム陰性菌の多くの他の株の存在に関連している。
OEはまた、鵞口瘡カンジダコウジカビを含む外耳内での真菌感染症によって時々引き起こされる。OEの症状は、耳痛腫れ耳漏を含む。疾病がかなり進行すると、OEは、腫れと漏出との結果として一時的な伝音性難聴を起こし得る。

0153

OEの治療は外耳道からいっそう悪化する病原体を除去し炎症を少なくすることを含んでいる。それは、抗炎症剤(例えばステロイド)と共に、抗菌剤(例えば抗菌性・殺菌性剤)の組み合わせを投与することにより通常遂行される。OEの処置のための典型的な抗菌物質は、アミノグリコシド抗生物質(例えばネオマイシンゲンタマイシンおよびトブラマイシン)、ポリミキシン(例えばポリミキシンB)、フルオロキノロン(例えばオフロキサシンシプロフロキサシン)、セファロスポリン(例えばセフロキシムセファクロル(ceflacor)、セフプロジル、ロラカルベフ、cefindir、セフィキシムセフポドキシムプロキセチル、cefibutenおよびセフトリアキソン)、ペニシリン(例えばアモキシシリン、アモキシシリン・クラブランおよびペニシリナーゼ耐性ペニシリン)およびそれらの組み合わせを含む。OEの処置のための典型的な殺菌性剤は、クロトリマゾール、チ メ ロ サ ー ル、M-トリル酢酸塩、トルナフテートイトラコナゾールおよびそれらの組み合わせを含む。酢酸は、また、単体で、そして、他の薬剤と組み合わせて、細菌性と真菌性との感染を処置するために、耳に投与される。OEの痛みが極端にひどく、結果として、正常な活動、例えば、睡眠に支障をきたす場合、局所鎮痛剤又は経口麻薬等の鎮痛剤が、根底にある炎症と感染とがひくまで投与される。

0154

中耳炎
急性中耳炎(AOM)、慢性中耳炎、滲出液を伴う中耳炎(OME)、滲出性中耳炎慢性滲出性中耳炎を、例として含む中耳炎(OM)は、鼓膜と内耳の間の領域に現れる疾病である。細菌感染は、OMの事例の大きな割合を占め、事例の40%以上が肺炎連鎖球菌感染に起因する。しかし、ウイルスが、他の微生物因子と同様、OM疾病を説明するものである。

0155

AOMは、多くの場合純粋にウイルス性であり、定型的である疾病である。ウイルス性AOMは、特に小児において、まさに短期間で細菌性中耳炎につながり得る。症状は、限定されないが、耳のうっ血、不快感、膿および圧力の不均衡を含む。OMEは、中耳空間内での蓄積によって特徴付けられた疾病である。それは、しばしば、変更されたエウスタキオ管機能によって作られた陰圧に起因する。流体の蓄積は、(例えば、鼓膜の振動する能力に干渉する場合)、時々伝音難聴につながる。疾病が持続すると、流体は粘度を増し、難聴の可能性を増加させ得る。

0156

OMは、ウイルス、細菌、又はその双方によって生じ得るものであるので、しばしば、その正確な原因を特定することが困難で、それ故、もっとも適切な処置を特定することが困難である。OMの処置オプションは、以下の抗生物質、ペニシリン(例えば、アモキシシリン、アモキシシリン‐クラブラン酸)、クラブラン酸(clavulanate acid)、トリメトプリムスルファメトキサゾール、セファロスポリン(例えば、セフロキシム、セファクロル(ceflacor)、セフプロジル、ロラカルベフ、Cefindir、セフィキシム、セフポドキシムプロキセチル、cefibuten、およびセフトリアキソン)、マクロライド、Azalides(例えば、エリスロマイシンクラリスロマイシン、およびアジスロマイシン)、スルフォンアミド、それらの組み合わせを含む。鼓膜切開法、鼓膜を介して患者の中耳へと鼓膜切開管を挿入し、液体を排出し、外耳と内耳との圧力平衡をとる手術を含む外科的処置も、利用することができる。ベンゾカインイブプロフェンアセトアミノフェンを含む解熱剤および鎮痛剤も、付随的な熱又は痛み作用を処置するのに処方される。

0157

乳様突起炎
乳様突起炎は、耳の後ろの側頭骨の部分にある、乳様突起の感染症である。乳様突起炎は、典型的に、処置されていない急性中耳炎によって引き起こされる。乳様突起炎(Madtoiditis)は、急性または慢性であり得る。症状は、耳痛、エリテマトーデス、耳漏だけでなく、乳様突起における痛み、腫れ、圧痛を含む。

0158

乳様突起炎は、典型的には、中耳から乳様突起空気胞へとかけて広がる細菌が原因で起こり、そこでは、炎症は、骨構造へ損傷を引き起こす。最も一般的な病原性微生物は、肺炎球菌化膿性連鎖球菌、黄色ブドウ球菌、グラム陰性桿菌である。故に、細菌に有効に抗することができる抗菌剤を含んでいる、本明細書に開示されている抗菌剤製剤は、急性乳様突起炎と慢性乳様突起炎とを含む、乳様突起炎の処置に役立つ。

0159

水疱鼓膜炎は、マイコプラズマ菌を含む、種々の細菌やウイルスによって起きる鼓膜の感染症である。該感染症は、鼓膜とそのあたりの外耳道の炎症を誘因し、鼓膜上に水泡形成を起こす。水疱性鼓膜炎の初期症状は、痛みであり、この痛みは、鎮痛剤投与によってやわらげられ得る。抗菌剤と抗ウイルス剤とを含んでいる、本明細書に開示されている抗菌剤製剤は、水疱性鼓膜炎の処置に役立つ。

0160

感音性難聴
感音難聴は、内耳の内耳神経(第VIII脳神経としても知られている)、又は、感覚細胞における、(先天性および後天性)異常から生じるタイプの難聴である。内耳の主な異常は、耳有毛細胞の異常である。

0161

蝸牛の形成不全染色体異常、および先天性真珠腫は、感音難聴を結果として生じ得る、先天性異常の例である。限定しない例として、炎症性疾患(例えば、化膿性内耳炎、鼓膜炎、流行性耳下腺炎麻疹、ウイルス性梅毒、および自己免疫障害)、メニエール病、耳毒性薬物(例えば、アミノグリコシドループ利尿薬、抗代謝物、サリチル塩、およびシスプラチン)に曝すこと、身体外傷、老人性難聴、および音響性外傷(90dBを超える音に長時間曝されることによる)は、後天性感音難聴を結果として生じ得る。

0162

感音難聴を結果として生じる異常が聴覚路内の異常である場合、その感音難聴は、中枢性難聴と呼ばれる。このままを結果として生じる異常が、聴覚路内の異常である場合、その感音難聴は、皮膚性難聴と呼ばれる。

0163

中毒性難聴
中毒性難聴は、毒素によって引き起こされた難聴を指す。難聴は、耳の有毛細胞、蝸牛、及び/又は脳神経VIIへの傷害に起因し得る。多剤は耳毒性であると知られている。しばしば、耳毒性は用量依存性である。それは、薬を中止した場合、治らないかもしれないしまたは良くなるかもしれない。

0164

既知の耳毒性薬物は、限定されないが、以下含む;アミノグリコシドクラスの抗生物質(例えば、ゲンタマイシン、及びアミカシン)、マクロライドクラスの抗生物質のいくつかのメンバー(例えば、エリスロマイシン)、糖タンパク質クラスの抗生物質のいくつかのメンバー(例えば、バンコマイシン)、サリチル酸ニコチン、いくつかの化学療法剤(例えばアクチノマイシンブレオマイシン、シスプラチン、カルボプラチンおよびビンクリスチン)、及びループ利尿薬ファミリー薬物のいくつかのメンバー(例えばフロセミド)。

0165

シスプラチンおよびアミノグリコシドクラスの抗生物質は、活性酸素種(ROS)の生産を引き起こす。ROSは、DNA、ポリペプチド、及び/又は脂質の損傷によって細胞を直接損傷し得る。酸化防止剤は、それらが細胞を破損し得る前に、それらの形成を防ぐか、または遊離基を除去することによって、ROSによる損傷を防ぐ。シスプラチンおよびアミノグリコシドクラスの抗生物質の両方も、内耳の血管線条でメラニンを結合することによって耳を損傷すると考えられる。

0166

サリチル酸は、ポリペプチドプレスチン(prestin)の機能を阻害するので、耳毒性と分類される。プレスチン(prestin)は、外部の耳の有毛細胞の原形質膜を介して塩化物炭酸塩交換を制御することによって、外部の耳の有毛細胞運動性を媒介する。それは、外部の耳の有毛細胞でのみ見られ、内部の耳の有毛細胞では見られない。従って、本明細書には、これらに限定されないが、シスプラチン処置、アミノグリコシド抗生物質またはサリチル酸投与、または他の耳毒性薬剤を含む化学療法の耳毒性の影響を防ぎ、改善し、または減少させるための酸化防止剤を含む制御放出性の耳用組成物の使用が開示される。

0167

興奮毒性
興奮毒性は、グルタミン酸及び/又は同様の物質による、神経及び/又は耳の有毛細胞の死、又は、損傷を指す。

0168

グルタミン酸は、中枢神経系で最も大量にある興奮性の神経伝達物質である。シナプス前細胞は、刺激に対してグルタミン酸を放出する。グルタミン酸は、シナプスをこえて流れ、シナプス後細胞に位置する受容体に結合し、これらの神経細胞を活性化させる。グルタミン酸受容体は、NMDAAMPAおよびカイニン酸受容体を含んでいる。グルタミン酸輸送体は、シナプスから細胞外のグルタミン酸を除去する役目を課されている。特定の事象(例えば、乏血または脳卒中)は、グルタミン酸輸送体を損傷させる。これはシナプス内に蓄積する過剰なグルタミン酸を生じさせる。シナプス内の過剰なグルタミン酸は、グルタミン酸受容体の過剰な活性化を結果として生じる。

0169

AMPA受容体は、グルタミン酸とAMPAの双方の結合によって活性化される。AMPA受容体の特定のイソフォームの活性化は、ニューロンの原形質膜に位置しているイオンチャンネル開放という結果を生じる。チャンネルが開くと、Na+とCa2+イオンがニューロンへと流れ、K+イオンがニューロンの外へと流れる。

0170

NMDA受容体は、グルタミン酸とNMDAとの双方が結合することによって活性化される。NMDA受容体の活性化は、ニューロンの原形質膜に位置しているイオンチャンネルの開放を結果として生じる。しかし、これらのチャンネルはMg2+イオンによってブロックされる。AMPA受容体の活性化は、イオンチャンネルからシナプスへのMg2+イオンの排出という結果を生じる。イオンチャンネルが開き、イオンチャンネルがMg2+イオンを排出すると、Na+とCa2+イオンがニューロンへと流れ、K+イオンがニューロンの外へと流れる。

0171

興奮毒性は、NMDA受容体とAMPA受容体とが、過剰な量のリガンド、例えば、異常な量のグルタミン酸によって、過剰に活性化されたときに生じる。これらの受容体の過剰な活性化は、それらの制御下でイオンチャンネルの過剰な開放を起こす。このことは、異常に高いレベルのCa2+とNa+とがニューロンに入ることを可能にする。これらのレベルのCa2+とNa+とが神経細胞へと流れ込むことは、より頻繁に神経細胞を興奮させ、細胞内に急激に発達した遊離基と炎症性の化合物とを結果として生じる。遊離基は、結局、細胞内の貯蔵エネルギー使い果たし、ミトコンドリアを損傷する。更に、過剰レベルのCa2+とNa+イオンは、ホスホリパーゼエンドヌクレアーゼ、プロテアーゼを含むが、これに限定されない、過剰レベルの酵素を活性化する。これらの酵素の過剰な活性は、細胞骨格、原形質膜、ミトコンドリア、感覚神経のDNAに損傷を与えるという結果を生じる。

0172

ラムゼーハント症候群(帯状疱疹の感染)
ラムゼーハント症候群は、聴神経の帯状疱疹の感染によって引き起こされる。感染は、激しい耳痛、難聴、回転性眩暈と同様に、神経によって与えられた顔または首の皮膚上のみでなく、外耳上、外耳道内での水疱の原因となり得る。顔面筋はまた、顔面神経腫脹によって圧迫されると、麻痺し得る。難聴は、通常数日から数週まで続く回転性眩暈症状と共に、一時的かもしれないしまたは治らないかもしれない。

0173

ラムゼーハント症候群の処置は、アシクロビルを含む抗ウイルス剤の投与を含んでいる。他の抗ウイルス剤は、ファムシクロビルバラシクロビルを含む。抗ウイルス剤およびコルチコステロイド治療の組み合わせはまた、帯状疱疹の感染を改善するために使用され得る。鎮痛剤または麻薬もまた、疼痛を和らげるために投与され得、ジアゼパムまたは他の中枢神経系剤はまた、回転性眩暈を抑止するために投与され得る。カプサイチン、リドカインパッチおよび神経ブロックは任意に使用される。手術も、顔面神経麻痺を取り除くために圧縮した顔面神経上で行なわれ得る。

0174

迷路炎
迷路炎は、内耳の前庭系を包含している、耳の迷路の炎症である。原因は、細菌性、ウイルス性および真菌性感染を含む。また、それは頭部外傷またはアレルギーによって引き起こされ得る。迷路炎の症状は、バランス、眩暈、回転性眩暈、耳鳴および難聴を維持する困難を含んでいる。回復には、1〜6週間かかり得るが、しかしながら、慢性の症状は何年も存在し得る。

0175

迷路炎のいくつかの治療法がある。プロクラルペラジンは、制吐剤としてしばしば処方される。セロトニン再摂取インヒビターは、内耳内の新しい神経発達を刺激することが示された。さらに、原因が細菌感染である場合、抗生物質による処置がなされ、および、疾病がウイルス感染によって引き起こされる場合、コルチコイドと抗ウイルス剤による処置が推奨される。

0176

加速度病
乗り物酔いとして知られている加速度病は、視覚的に認識された運動と前庭系の移動の感覚との間の分離がある疾病である。眩暈、疲労および吐き気は加速度病の最も一般的な症状である。ジメンヒドリナートシンナリジンおよびメクリジンはすべて加速度病のための全身処置である。さらに、ベンゾジアゼピンと抗ヒスタミン剤は加速度病の処置において効能を実証した。

0177

メニエール病
メニエール病は、3〜24時間続くめまい、吐き気、嘔吐に突然襲われ、徐々におさまっていくことを特徴とする、特発性の疾病である。時間がたつにつれて、上述の疾患に、進行性の難聴、耳鳴、および耳の圧迫感を伴う。メニエール病の原因は、内耳液の産生量の増加または再吸収量の減少を含む、内耳液のホメオスタシスのバランスが崩れることと関係がある。

0178

内耳内の、バソプレシン(VP)媒介アクアポリン2(AQP2)系の研究は、内リンパ生成物を含んでいるVPの役割を示唆しており、これによって、前庭と蝸牛構造内の圧力は増加する。VPのレベルは、内リンパ水腫(メニエール病)の場合に上方制御されることがわかり、モルモット内でのVPの長期投与は内リンパ水腫を引き起こすことがわかった。鼓室階へのOPC-31260(V2-Rの競合アンタゴニスト)のインフュージョンを含んでいる、VPアンタゴニストによる処置は、メニエール病の症状の顕著な軽減を結果として生じた。他のVPのアンタゴニストはWAY-140288、CL-385004、トルバプタン、コニバプタン、SR 121463AおよびVPA 985を含む。(Sanghi等による論文、"Eur.Heart J."、(2005年)、26;538-543、Palm等による論文、"Nephrol. Dial Transplant"、(1999年)、14;2559-2562)。

0179

他の研究は、内リンパ生成物を規制(regulating)し、それ故、前庭/蝸牛器官内を加圧する、エストロゲン関連受容体β/NR3B2(ERR/Nr3b2)の役割を示唆している。マウスにおけるノックアウト研究は、内リンパ流体生成物を規制する際にNr3b2遺伝子のポリペプチド生成物の役割を実証する。Nr3b2発現は、内リンパ分泌線状辺緑細胞(strial marginal cell)と、蝸牛および前庭器官の前庭暗細胞に、それぞれに局在化されている。更に、Nr3b2遺伝子のコンディショナルノックアウトは、聴覚消失および内リンパ液体量の減少を結果として生じる。ERR/Nr3b2へのアンタゴニストによる処置は、内リンパ量の減少を助け、故に、内耳構造内の圧力を変える。

0180

他の処置は、再発の即時の症状および予防への対処を目指ざし得る。低ナトリウム食カフェイン、アルコールおよびタバコの回避が主張された。一時的に回転性眩暈攻撃を取り除く薬としては、抗ヒスタミン剤(メクリジンおよび他の抗ヒスタミン剤を含む)、および、ロラゼパムまたはジアゼパムを含むバルビツール酸及び/又はベンゾジアゼピンを含む中枢神経系剤が挙げられる。症状を和らげるのに役立ち得る薬物の他の例としては、スコポラミンを含む、ムスカリン性アンタゴニストが挙げられる。吐き気と嘔吐は、フェノチアジン剤ロクロベラジンを含む統合失調症治療薬を含有している座薬によって和げられる。

0181

症状を緩和するために使用されている外科的手技としては、眩暈症状を緩和するための、前庭機能および/または蝸牛機能の破壊が挙げられる。これらの手技は、内耳の液圧を下げることおよび/または内耳の平衡機能を破壊することのいずれかを目的とする。液圧を減らす内リンパシャント術は、前庭機能不全の症状を緩和するために、内耳に配置され得る。他の処置としては、鼓膜に注射されると、有毛細胞の感覚機能を破壊し、それにより、内耳の平衡機能を完全に失わせるゲンタマイシンの適用が挙げられる。前庭神経の切断が行われることもあり、これは、聴覚を保持しつつ、眩暈を制御し得る。

0182

メニエール症候群
メニエール病と似た症状を示すメニエール症候群は、二次的な苦痛として、別の疾患プロセス、例えば、梅毒感染による甲状腺疾患または内耳炎症、に帰する。したがって、メニエール症候群は、内分泌異常、電解質不均衡、自己免疫機能不全、医薬、感染(例えば、寄生虫感染)または脂質異状症を含む、内リンパの正常な産生または再吸収に干渉する種々のプロセスに対する二次的な影響である。メニエール症候群を患う患者の処置は、メニエール病と同様である。

0183

微小血管圧迫症候群
血管圧迫」または「神経血管圧迫」と呼ばれる微小血管圧迫症候群(MCS)は、回転性眩暈と耳鳴によって特徴付けられた障害である。それは、血管によって脳神経VIIの刺激作用よって引き起こされる。MCSを備えた被験体において見出される他の症状は、限定されないが、激しい動作の不耐性および「クイックスピン」のような神経痛を含む。MCSは、カルバマゼピン、TRILEPTAL(登録商標)およびバクロフェンによって処置される。また、それは外科的に処置され得る。

0184

前庭神経炎
前庭神経炎、または前庭の神経障害は、末梢性前庭系の急性の持続した機能障害である。
前庭ニューロン炎は、1つのまたは両方の前庭器からの求心性ニューロン入力の破壊によって引き起こされることが理論付けられる。この破壊の源は、前庭神経及び/又は迷路のウイルス感染および急性の局所的な虚血を含んでいる。

0185

前庭ニューロン炎を診断する場合の最も重要な発見は、自発性の、一方向性の、水平性眼振である。それには、しばしば、吐き気、嘔吐症状および回転性眩暈を伴う。しかしながら、それは一般に、難聴または他の聴覚症状を伴わない。

0186

前庭ニューロン炎のいくつかの治療法がある。ジメンヒドリナート、ジフェンヒドラミン、メクリジンおよびプロメタジンのようなH1-受容体アンタゴニストは、抗コリン作用によって前庭刺激を減少させ、迷路機能を低下させる。ジアゼパムとロラゼパムのようなベンゾジアゼピンも、GABAA受容体に対するそれらの効果により前庭の反応を阻害するために使用される。抗コリン薬、例えばスコポラミンも処方される。それらは前庭小脳路における伝導の抑止により機能する。最後に、コルチコステロイド(すなわちプレドニゾン)は、前庭神経および関連する器官の炎症を改善するために処方される。

0187

音響外傷
難聴は、高音量の音楽重機又は機械、飛行機、又は、声音のような、騒音に長期間曝露されることによって起きる。難聴は、内耳の有毛細胞受容体が破壊されることによって引き起こされる。この難聴は、しばしば、耳鳴を伴う。難聴に至る永久的な損傷がしばしば診断される。

0188

騒音誘発型難聴については、現時点で処置法が存在しないが、インスリン様成長因子1(IGF-1)を用いた処置を含む、いくつかの処置レジメンが実験的に開発されている。(Leeらによる文献「Otol.Neurotol.(2007)28;976-981」)。

0189

老人性難聴
老人性難聴または加齢性難聴は、通常の加齢の一部分として起こるとともに、内耳のコルチのらせん器にある受容体細胞が変性した結果起こる。また、他の原因は、内耳神経の多くの神経線維の減少、および蝸牛にある基底膜の柔軟性喪失によるものである場合もある。老人性難聴または過剰な騒音の結果として生じる永久的な聴力損傷については、現時点での手当ては知られていない。

0190

遺伝性障害
シャイベ、Mondini‐Michelle、ワールデンブルグ、Michel、アレキサンダー型耳変形、両眼隔離症、Jervell‐Lange Nielson、レフサム、およびアッシャー症候群を含む遺伝性疾患は、感音難聴の略20%の患者に見られる。先天性耳奇形は、膜迷路の、骨迷路の、または両方の成長の異常に起因し得る。重大な難聴および前庭機能異常に加えて、遺伝的不具もまた、再発する髄膜炎の進行、脳脊髄液(CSF)の漏出と同様に、外リンパのろう孔を含む他の機能障害に関係し得る。慢性感染の処置は、遺伝性疾患患者に必要なものであり得る。

0191

耳硬化症
骨再構築は、古い骨が骨格(骨吸収)から取り除かれ、新しい骨が加えられる(骨形成)、終生のプロセスである。これらのプロセスはまた、成長および以下の損傷の間に、骨の再調または置換を制御する。骨吸収と骨形成の調整での不均衡は、耳硬化症のような多くの骨疾患をもたらす。

0192

骨再構築は、破骨細胞による骨のエロージョンを含んでおり、その後、吸収部位を補充する骨芽細胞ができる。破骨細胞は骨に付着し、酸性化およびタンパク質分解性の消化によって骨を除去する。その後、トンネルが骨に形成され、トンネルは骨芽細胞と微小血管のための経路として機能する。類骨新鮮な層、セメント様物質、は、骨芽細胞によってトンネルに置かれ、これは結局新しい骨マトリックスになる。

0193

破骨細胞は、硬骨材料の溶解内での作用する様々な酵素を分泌する。例えば、酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ(TRACP)は骨を脱灰し、一方、カテプシンKは、骨基質タンパク質を消化する。骨の安定性の調節は、いくつかの因子によって制御される。これらの因子は3つの群に分けることができる;1)骨芽細胞の活性に影響を及ぼす因子、例えば、副甲状腺ホルモン(PTH)または1,25-ジヒドロキシビタミンD3,2)破骨細胞前駆物質または破骨細胞に影響を及ぼす因子、例えば、骨芽細胞は、破骨細胞分化で役割を果たすオステオプロテゲリン(OPG)およびRANKLを生産する;および3)バイポテンシャル効果を伴う因子(例えば、TGF‐βは、骨芽細胞または破骨細胞に作用することによりそれぞれ、破骨細胞分化を阻害するか、または促進することができる)。

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