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課題・解決手段

特異的オリゴヌクレオチド配列は、皮下投与されると、特に、粘膜に(例えば、鼻腔内に、内に、または直腸内に)投与されると、インビボでは動物試験において、またインビトロでは健常対象およびCLL罹患している患者の血液から収集されたヒトPBMCにおいて確認されたように、様々なヒトのがんの形態に対して顕著な効果を有する。これらの化合物はまた、放射線療法ホルモン療法外科的介入化学療法免疫療法光線力学的療法レーザー療法、温熱療法凍結療法血管新生抑制剤、またはこれらの任意の組合せから選択されるがん療法と併用されることが好ましく、患者への抗体の投与を含む免疫学的治療と併用されることが最も好ましい。

概要

背景

がん治療は、標的手法(targeted approach)の段階に入った。そのような手法の1つは、免疫系を使用して悪性細胞を認識し、排除することである。合成CpGオリゴヌクレオチド(CpG DNA)は、組織化された強力な腫瘍特異的免疫応答刺激する能力を有する作用物質の比較的新しいクラスである(Krieg,A M.、1996およびKrieg,A Mら、1999)。

最近の研究によって、CpGDNA配列について少なくとも3つのクラスが存在し、それぞれが異なる物理的特性生物学的作用を有することが明らかにされている。がんのいくつかの動物モデルにおける予備研究により、CpG DNAには、がんの免疫療法において多くの用途があり得ることが示唆されている。CpG DNAには、先天性免疫活性化させること、抗体依存性細胞傷害性を増強すること、および特異的防御免疫反応を誘発する強力なワクチンアジュバントとして作用することによって腫瘍の退行誘導する能力がある。初期臨床試験ではCpG DNAをヒトに安全に投与できることが示され、これらの作用物質ががんの免疫療法においてどのように役割を果たし得るかを理解するための研究が進められいる(Wooldridge,J Eら、2003)。

先の特許(米国特許第6,498,147号)には、アンチセンスオリゴヌクレオチドが示されており、インビトロでの腫瘍細胞アンチセンス阻害、ならびに同系C57B1/6マウスにおけるインビボでの腫瘍増殖のアンチセンス阻害を示す動物実験が開示されている。これらのマウスは、40mg/gのセンスオリゴデオキシヌクレオチドおよびアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチド腹腔内注射によって治療された。組織学分析は、局所的な腫瘍壊死、それに続いて広範囲に及ぶ分節状壊死を示した。

B細胞性慢性リンパ性白血病(B−CLL)は、西欧諸国において最も一般的な白血病である。B−CLLは白血球および骨髄のがんであり、血液細胞、特に、Bリンパ球の無制限増幅および/または細胞死アポトーシス)の低減を特徴とし、成人の白血病の最も一般的な形態である。その罹患率は、70以上でおよそ10万人に50人である。白血病は、通常、数年、さらには数十年の長引く自然経過をたどるが、最終的に、複数の細胞が連続して遺伝子欠損を獲得すると急速に進行する。欠損B−CLL細胞とその環境の相互関係が変化した結果である可能性が高い、異常に長い寿命が原因となり、モノクローナルB−CLL細胞が絶えず蓄積する点で、B−CLLは多くの他の悪性腫瘍と異なる。サイトカインが、細胞恒常性および細胞間でのダイアログ(cell−cell dialogue)における必須要素であり、この環境において決定的に重要であると提起されている(Caligaris−Cappioら、1999およびRozmanら、1995)。

B−CLLについての共通の最初の形質転換事象は明らかにされていない。染色体転座は、遺伝子再構成プロセスの間に主に起こると考えられており、他のリンパ性悪性疾患においても共通しているが、B−CLLにおいては稀である。核型異常は、この疾患の経過の間に頻度回数が増える傾向にある。転座が見られる場合、これらは、融合遺伝子の形成または腫瘍遺伝子過剰発現よりもむしろ遺伝子欠失を生じる傾向がある。B−CLLにおいて最も一般的な遺伝的異常は、13q欠失(症例のうちの50%)、13q4欠失(緩慢な経過と関係がある)、12トリソミー(12q13−15、p53を抑制するMDM腫瘍タンパク質の過剰発現を伴う、症例のうちの25%)、11g22−q23欠失(ATMの欠失、症例のうちの10%)、および17p欠失(p53の欠失)(これはアポトーシスに対する耐性を引き起こし、多くの場合、がんは難治性となる)である(Gaidanら、1991およびDohnerら、1999)。

B−CLL細胞は、他の状況で活性化状態を示す、CD23(IgEについての低親和性受容体)、CD25(IL−2Rα鎖)、およびCD27(共刺激分子)などの表面分子発現する。いくつかのタンパク質の発現と会合は、アポトーシスのプロセスを厳密に調節する。これらのタンパク質の相対的平衡により、細胞の寿命が制御される。このシステム関与している遺伝子としては、BCL−2ファミリー腫瘍壊死因子受容体、ならびに、Mycおよびp53などの遺伝子が挙げられる(Osorioら、1999)。これらの遺伝子によって促進される死経路は全て、カスパーゼプロテアーゼファミリーによって提示される、共通する「破壊カスケードを有するとみられる。B−CLL細胞は、BCL−2ファミリーの抗アポトーシスメンバー(bad−2、bcl−n、bax)の産物を一貫して高レベル発現するが、Bcl−2機能の阻害剤であるBcl−6は著しく減少する。Bcl−2の過剰発現に関与している機構は、現在のところ明らかになっていない。B−CLLの白血球細胞は、Fasについては陰性であるか、または弱陽性である。これらは一般的に、刺激によって誘導されたFasの発現の後でもなお、抗Fas抗体を介した死に対して依然耐性がある。珍しい高感度の場合、細胞死は、まだ特性化されていない機構によるBcl−2の発現と無関係に起こる。Bcl−2の過剰発現およびFas経路は、B−CLLの病態生理学と関係がある機構であるが、必ずしも重要な原因となる事象ではないとみられる。サイトカインを含む媒介因子は、最初の病因因子をアポトーシスの最終経路と関連付けていると思われる。

ほとんどのB−CLL細胞は細胞周期G0期にあり、正常なリンパ球の増殖を誘導する、コンカナバリン−A、ホルボールエステル、または受容体の架橋などの従来の方法によって増殖期に入るように誘導することはできない。ごく一部の細胞だけが、明らかにはなっていない促進シグナル応答してクローン集団を大きくするようである。増殖を促進するサイトカインは、インビボでこの刺激を提供し得る(Dancescoら、1992)。

B−CLL細胞は、正常なB細胞プール消費して蓄積する。一方、T細胞の総数は、通常は増加する。骨髄T−リンパ球は、関節リウマチおよびサルコイドーシスなどの自己免疫疾患において見られるように、大部分がCD4+細胞である。末梢血において、Th2優勢サイトカインの表現形が頻繁に存在する。TCRレパートリーの異常も報告されている。複数の報告が、T−リンパ球および間質細胞が、B−CLL細胞の寿命を持続させることができる環境をサポートすることにおいて重要な役割を果たし得ることを示す。悪性細胞およびそれらのT細胞環境はいずれも、表面分子およびそれらの受容体のバニティー(vanity):CD5とそのリガンドCD72、CD27、およびCD70を発現する。これらの研究結果は、細胞の自己保存を直接生じるかまたは間接的に生じ得る(サイトカイン)相互作用の様々な可能性を開く。そのような非常に長い生存時間は、順に、遺伝子突然変異および遺伝的不安定性が蓄積する可能性を増大させ、これは、細胞周期チェックポイントの異常調節および細胞傷害性療法に対する耐性によって疾患の進行に有利なように働く(Kleinら、2000)。

B−CLL細胞とその環境の共生的相互作用は、ほぼ確実にサイトカインの分泌によって媒介され、接着分子によって調節される。B−CLLへのサイトカイン関与の研究は、この白血病における増殖および寿命の延長の媒介因子としての様々なサイトカインをサポートするかまたは反証するデータの実質的な部分を生じた。サイトカインの産生の研究により、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−7、TNF−β、およびTNF−αについての逆転写ポリメラーゼ連鎖反応シグナルが明らかにされている(Pistoiaら、1997)。これらの研究結果は、IL−4、IL−3、およびIL−6について負の結果を示した他の研究と相矛盾している(Tangyeら、1999)。対照的に、正常なB−リンパ球では、TGF−βならびにIL1Oの分泌が示されている。これらの細胞について、構成的である他のサイトカインの産生は報告されていない。

がんの免疫療法は、1世紀以上にわたり研究されてきたが、この10年間でようやく、様々な抗体ベースの産物が様々な形態のがん患者の管理に導入されたにすぎない。現在、これは臨床研究が最も盛んな領域の1つであり、8種類の治療薬がすでに腫瘍学において承認されている。腫瘍関連マーカーに対する抗体は、数十年にわたり、免疫組織学およびインビトロでの免疫測定法において医療法の一部とされており、現在、がんの検出および治療のための重要な生物学的作用物質としての理解が広まりつつある(Stromeら、2007)。分子工学は、そのような抗体ベースの治療薬の可能性を証明し、それにより、頻繁に投与することができる様々な構築物、およびヒト化抗体またはヒト抗体が得られる。

CD20は、一部の患者のB細胞が極めて低レベルでCD20抗原を発現しているCLL患者において、B細胞の表面上で様々に発現される。CD20(ヒトBリンパ球制限分化抗原(human B−lymphocyte restricted differentiation antigen))は、プレBリンパ球および成熟Bリンパ球上に存在するおよそ35kDの分子量を有する、疎水性膜貫通タンパク質である。この抗原はまた、非ホジキンリンパ腫(NHL)においてはB細胞のうちの90%を上回る細胞上でも発現されるが、造血幹細胞、プロB細胞、正常な血漿細胞、または他の正常な組織上では見られない。CD20は、細胞周期の開始および分化のための活性化プロセスの初期の工程(単数または複数)を調節し、おそらくカルシウムイオンチャネルとして機能する。CD20は、細胞表面から脱落することはなく、抗体を結合してもインターナライズしない。遊離のCD20抗原は、循環中に見られない(Pescovitz、2006)。

抗CD20抗体であるリツキシマブは、ヒトCD20に対する、遺伝子操作されたキメラマウスヒトモノクローナル抗体であり(Genentech、Inc.、South San Francisco、California、U.S.による、Rituxan(登録商標)またはMabThera(登録商標))、これは、再発性の、または難治性の、悪性度の低い、または濾胞性の、CD20陽性B細胞非ホジキンリンパ腫およびB−CLLを有する患者の治療に使用される。リツキシマブは、CD20抗原を介してこれが結合するB細胞への攻撃およびB細胞の死滅に対して体の自然防御動員することによって作用する。作用機序についてのインビトロで研究により、リツキシマブがヒト補体に結合し、補体依存性細胞傷害性(CDC)によってリンパB細胞株を溶解させることが明らかにされている(Reffら、1994)。さらに、リツキシマブは、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害ADCC)についてのアッセイにおいて相当な活性を有する。インビボでの前臨床試験では、おそらく、補体および細胞を介したプロセスによって、リツキシマブが、カニクイザル(cynomolgus monkeys)の末梢血、リンパ節、および骨髄からB細胞を枯渇させることが示されている(Reffら、1994)。リツキシマブはCLL患者において成功例があるが、CLL患者の分析は、B−CLL細胞の表面上でのCD20の密度が、極めて低いレベルでCD20抗原を発現する一部の患者のB細胞の場合にやはり様々であることを示す。さらに、リンパ腫を治療するために、リツキシマブがPF−3512676(以前は、CpG7909、TLR9活性化オリゴヌクレオチド)と組み合わせて投与された最近の臨床試験で、望ましい結果を示すことはできていない(Leonardら、2007)。

リツキシマブに加えて、B細胞悪性疾患についての典型的な治療は、放射線療法および化学療法剤の投与である。CLLの場合、従来の外部放射線療法が、悪性細胞を破壊するために使用される。しかし、この治療において、副作用制限要因である。血液学的悪性疾患に広く使用されている別の治療は化学療法である。併用化学療法は、部分寛解または完全緩解に達した成功例がいくつかある。残念なことに、化学療法によって得られたこれらの寛解は長続きしない場合が多い。

逆に、CD23の発現は、B−CLLにおいて一貫して高レベルで存在することが明らかにされている。CD23白血球分化抗原は、いくつかの造血系の細胞上で発現される45kDのII型膜貫通糖タンパク質であり、これは、IgEについての低親和性受容体(FcyRII)として機能する(Pathanら、2008)。これは、C型レクチンファミリーの1つのメンバーであり、細胞外レクチン結合ドメイン膜貫通領域との間にα−へリックスコイルドコイルスターク(α−helical coiled−coil stalk)を含む。このスターク構造は、そのリガンド(例えば、IgG)を結合する際の、膜に結合したCD23の三量体へのオリゴマー化に寄与していると考えられる。タンパク質分解されると、膜に結合されたCD23は、いくつかの可溶性CD23(sCD23)分子量種(37kD、29kD、および16kD)を生じる。IgEの産生の調節に関与していることに加えて、CD23はまた、胚中心B細胞の生存を促進するとも推測されている。CD23の発現は、正常な活性化された濾胞性B細胞中でもB−CLL細胞中でも高度にアップレギュレーションされる。

ルミリキシマブ(Lumiliximab)は、モノクローナルキメラ抗CD23抗体(Biogen Idecによる、現在臨床試験中である)であり、これは、マカクザル可変領域とヒトの定常領域(IgG1、κ)とを持ち、もともとは活性化されたヒトの血液B細胞によるIgEの産生を阻害するために開発されたものである。これは、現在、B−CLL患者において使用するための第III相試験中である。インビトロでの研究により、ルミリキシマブが、ミトコンドリアの死経路を介してB−CLL細胞中でのカスパーゼ依存性アポトーシスを誘導することが示されている(Pathanら、2008)。したがって、これは、リツキシマブとは異なる機序を介して腫瘍細胞のアポトーシスを誘導するとみられる。

いくつかの他の抗体が、がんの治療について最近になって承認された。アレムツズマブ(Alemtuzumab)(Campath(登録商標)またはMabCampath(登録商標)、Ilex Pharmaceuticalsによる抗CD52)(Keatingら、2002)は、2001年に、難治性CLLの治療について承認された。ベバシズマブ(Bevacizumab)(Avastin(登録商標)、Genentech、Inc.、South San Francisco、CA)は、結腸がん、小細胞肺がん、および乳がんの治療に使用される血管内皮増殖因子VEGF)に対するヒト化IgG1 mAbである。トラスツズマブ(Trastuzumab)(RocheによるHerceptin(登録商標))は、HER−2標的を過剰発現する転移性乳がん腫瘍に有効なヒト化IgG1 mAbである(Stromeら、2007)。

オファツムマブ(Ofatumumab)(HuMax−CD20、GlaxoSmithKline)およびヴェルツズマブ(Veltuzumab)(Immunomedics)も、がん(例えば、CLL)の治療について提案されている。

抗体薬物(antibody drug)をより有効にするために、腫瘍細胞の表面上にある特異的抗原標的のアップレギュレーションが役に立つ可能性がある。そのような効果を得るための1つの方法は、免疫調節オリゴヌクレオチドで細胞を刺激することであり得る。免疫刺激効果は、非メチル化CpGモチーフを含む合成のDNAベースのオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)の使用によって得ることができる。そのようなCpG ODNは、B細胞の増殖、サイトカインおよび免疫グロブリンの分泌、ナチュラルキラー(NK)細胞溶解活性、ならびにIFN−γの分泌を誘導するヒト白血球およびマウス白血球に対する高い免疫刺激効果を有する。CpG ODNはまた、樹状細胞(DC)および他の抗原提示細胞を活性化させ、それにより、共刺激分子の発現、および分泌型サイトカイン、特に、Th1様T細胞応答の発生を促進することにおいて重要であるTh1様サイトカインの発現を導く(Kriegら、1995)。CpG−ODNによる受容体密度の増大は、細胞に対するオリゴヌクレオチドの直接の効果に媒介され得るか、または、サイトカインの誘導に媒介され得る。抗原密度の増大、または標的受容体を発現する細胞の集団の増大により、抗体は、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性(ADCC)または補体依存性細胞傷害性(CDC)のいずれかを増強させることによって、腫瘍細胞をより効率よく死滅させることができる。

CpGモチーフだけがオリゴヌクレオチドの効力についての責任を担うわけではないとの指摘がある。このモチーフが所望される機能に必要がないとの指摘もさらに存在する。

概要

特異的オリゴヌクレオチド配列は、皮下投与されると、特に、粘膜に(例えば、鼻腔内に、内に、または直腸内に)投与されると、インビボでは動物試験において、またインビトロでは健常対象およびCLLに罹患している患者の血液から収集されたヒトPBMCにおいて確認されたように、様々なヒトのがんの形態に対して顕著な効果を有する。これらの化合物はまた、放射線療法、ホルモン療法外科的介入、化学療法、免疫療法、光線力学的療法レーザー療法、温熱療法凍結療法血管新生抑制剤、またはこれらの任意の組合せから選択されるがん療法と併用されることが好ましく、患者への抗体の投与を含む免疫学的治療と併用されることが最も好ましい。

目的

そのような手法の1つは、免疫系を使用して悪性細胞を認識し、排除することである

効果

実績

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請求項1

列番号1〜3および5〜7のいずれか1つに記載の単離されたオリゴヌクレオチド配列

請求項2

少なくとも1つのヌクレオチドリン酸骨格修飾を有する、請求項1に記載の単離されたオリゴヌクレオチド配列。

請求項3

がん治療するための医薬品を製造するための、配列番号1〜3および5〜7のいずれか1つに記載の単離されたオリゴヌクレオチド配列の使用。

請求項4

アポトーシス誘導するための医薬品を製造するための、配列番号1〜7に記載の単離されたオリゴヌクレオチド配列の使用。

請求項5

CD20、CD23、CD69、およびCD80から選択される細胞表面抗原発現アップレギュレーションするための医薬品を製造するための、配列番号1〜7に記載の単離されたオリゴヌクレオチド配列の使用。

請求項6

CD20を誘導するための医薬品を製造するための、配列番号1、配列番号4、または配列番号6に記載の単離されたオリゴヌクレオチド配列の使用。

請求項7

前記医薬品が、細胞表面マーカーCD20、CD23、CD69、およびCD80の少なくとも1つの発現をアップレギュレーションするために有効な用量で、粘膜局所投与されるか、または皮下投与される、請求項3、5、および6のいずれか1項に記載の使用。

請求項8

前記用量が、約0.01mg/kg体重〜約50mg/kg体重、より好ましくは、0.05mg/kg体重〜約5mg/kg体重、最も好ましくは0.1mg/kg体重〜約1mg/kg体重の間である、請求項3から7のいずれか1項に記載の使用。

請求項9

前記オリゴヌクレオチド抗腫瘍治療投与前投与される、請求項3から7のいずれか1項に記載の使用。

請求項10

前記抗腫瘍治療が、放射線療法ホルモン療法腫瘍外科切除化学療法免疫療法もしくは免疫調節療法光線力学的療法レーザー療法、温熱療法凍結療法血管新生抑制剤、またはこれらの任意の組合せから選択される、請求項9に記載の使用。

請求項11

前記抗腫瘍治療が免疫療法または免疫調節療法であり、患者への抗体の投与を含む、請求項9に記載の使用。

請求項12

前記少なくとも1つのオリゴヌクレオチドがリン酸骨格修飾を有する、請求項3から11のいずれか1項に記載の使用。

請求項13

配列番号1〜3および5〜7のいずれか1つに記載の単離されたオリゴヌクレオチド配列が、それが必要な患者に投与される、がんの治療方法

請求項14

前記オリゴヌクレオチドが、それが必要な患者の粘膜に局所投与される、請求項13に記載の方法。

請求項15

前記オリゴヌクレオチドが、それが必要な患者に皮下投与される、請求項13に記載の方法。

請求項16

配列番号1〜7から選択されるオリゴヌクレオチド配列が、細胞表面マーカーCD20、CD23、CD69、およびCD80の少なくとも1つの発現を誘発するために有効な用量で投与される、がんの治療方法。

請求項17

前記少なくとも1つのオリゴヌクレオチドがリン酸骨格修飾を有する、請求項13から16のいずれか1項に記載の方法。

請求項18

前記オリゴヌクレオチドが、約0.01mg/kg体重〜約50mg/kg体重、より好ましくは0.05mg/kg体重〜約5mg/kg体重、最も好ましくは0.1mg/kg体重〜約1mg/kg体重の間の用量で投与される、請求項13から17のいずれか1項に記載の方法。

請求項19

前記オリゴヌクレオチドが、抗腫瘍治療の前に、または抗腫瘍治療と本質的に同時に投与される、請求項13から17のいずれか1項に記載の方法。

請求項20

前記抗腫瘍治療が、放射線療法、ホルモン療法、腫瘍の外科的切除、化学療法、免疫療法もしくは免疫調節療法、光線力学的療法、レーザー療法、温熱療法、凍結療法、血管新生抑制剤、またはこれらの任意の組合せから選択される、請求項19に記載の方法。

請求項21

前記抗腫瘍治療が免疫学的治療であり、患者への抗体の投与を含む、請求項19に記載の方法。

請求項22

前記オリゴヌクレオチド配列が、抗体の投与前に患者に投与される、請求項19に記載の方法。

技術分野

0001

本出願は、医薬の分野に関し、特に、単独で、または既存の療法および将来の療法と併用して、がん治療に使用される新規化合物および方法に関する。

背景技術

0002

がん治療は、標的手法(targeted approach)の段階に入った。そのような手法の1つは、免疫系を使用して悪性細胞を認識し、排除することである。合成CpGオリゴヌクレオチド(CpG DNA)は、組織化された強力な腫瘍特異的免疫応答刺激する能力を有する作用物質の比較的新しいクラスである(Krieg,A M.、1996およびKrieg,A Mら、1999)。

0003

最近の研究によって、CpGDNA配列について少なくとも3つのクラスが存在し、それぞれが異なる物理的特性生物学的作用を有することが明らかにされている。がんのいくつかの動物モデルにおける予備研究により、CpG DNAには、がんの免疫療法において多くの用途があり得ることが示唆されている。CpG DNAには、先天性免疫活性化させること、抗体依存性細胞傷害性を増強すること、および特異的防御免疫反応を誘発する強力なワクチンアジュバントとして作用することによって腫瘍の退行誘導する能力がある。初期臨床試験ではCpG DNAをヒトに安全に投与できることが示され、これらの作用物質ががんの免疫療法においてどのように役割を果たし得るかを理解するための研究が進められいる(Wooldridge,J Eら、2003)。

0004

先の特許(米国特許第6,498,147号)には、アンチセンスオリゴヌクレオチドが示されており、インビトロでの腫瘍細胞アンチセンス阻害、ならびに同系C57B1/6マウスにおけるインビボでの腫瘍増殖のアンチセンス阻害を示す動物実験が開示されている。これらのマウスは、40mg/gのセンスオリゴデオキシヌクレオチドおよびアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチド腹腔内注射によって治療された。組織学分析は、局所的な腫瘍壊死、それに続いて広範囲に及ぶ分節状壊死を示した。

0005

B細胞性慢性リンパ性白血病(B−CLL)は、西欧諸国において最も一般的な白血病である。B−CLLは白血球および骨髄のがんであり、血液細胞、特に、Bリンパ球の無制限増幅および/または細胞死アポトーシス)の低減を特徴とし、成人の白血病の最も一般的な形態である。その罹患率は、70以上でおよそ10万人に50人である。白血病は、通常、数年、さらには数十年の長引く自然経過をたどるが、最終的に、複数の細胞が連続して遺伝子欠損を獲得すると急速に進行する。欠損B−CLL細胞とその環境の相互関係が変化した結果である可能性が高い、異常に長い寿命が原因となり、モノクローナルB−CLL細胞が絶えず蓄積する点で、B−CLLは多くの他の悪性腫瘍と異なる。サイトカインが、細胞恒常性および細胞間でのダイアログ(cell−cell dialogue)における必須要素であり、この環境において決定的に重要であると提起されている(Caligaris−Cappioら、1999およびRozmanら、1995)。

0006

B−CLLについての共通の最初の形質転換事象は明らかにされていない。染色体転座は、遺伝子再構成プロセスの間に主に起こると考えられており、他のリンパ性悪性疾患においても共通しているが、B−CLLにおいては稀である。核型異常は、この疾患の経過の間に頻度回数が増える傾向にある。転座が見られる場合、これらは、融合遺伝子の形成または腫瘍遺伝子過剰発現よりもむしろ遺伝子欠失を生じる傾向がある。B−CLLにおいて最も一般的な遺伝的異常は、13q欠失(症例のうちの50%)、13q4欠失(緩慢な経過と関係がある)、12トリソミー(12q13−15、p53を抑制するMDM腫瘍タンパク質の過剰発現を伴う、症例のうちの25%)、11g22−q23欠失(ATMの欠失、症例のうちの10%)、および17p欠失(p53の欠失)(これはアポトーシスに対する耐性を引き起こし、多くの場合、がんは難治性となる)である(Gaidanら、1991およびDohnerら、1999)。

0007

B−CLL細胞は、他の状況で活性化状態を示す、CD23(IgEについての低親和性受容体)、CD25(IL−2Rα鎖)、およびCD27(共刺激分子)などの表面分子発現する。いくつかのタンパク質の発現と会合は、アポトーシスのプロセスを厳密に調節する。これらのタンパク質の相対的平衡により、細胞の寿命が制御される。このシステム関与している遺伝子としては、BCL−2ファミリー腫瘍壊死因子受容体、ならびに、Mycおよびp53などの遺伝子が挙げられる(Osorioら、1999)。これらの遺伝子によって促進される死経路は全て、カスパーゼプロテアーゼファミリーによって提示される、共通する「破壊カスケードを有するとみられる。B−CLL細胞は、BCL−2ファミリーの抗アポトーシスメンバー(bad−2、bcl−n、bax)の産物を一貫して高レベル発現するが、Bcl−2機能の阻害剤であるBcl−6は著しく減少する。Bcl−2の過剰発現に関与している機構は、現在のところ明らかになっていない。B−CLLの白血球細胞は、Fasについては陰性であるか、または弱陽性である。これらは一般的に、刺激によって誘導されたFasの発現の後でもなお、抗Fas抗体を介した死に対して依然耐性がある。珍しい高感度の場合、細胞死は、まだ特性化されていない機構によるBcl−2の発現と無関係に起こる。Bcl−2の過剰発現およびFas経路は、B−CLLの病態生理学と関係がある機構であるが、必ずしも重要な原因となる事象ではないとみられる。サイトカインを含む媒介因子は、最初の病因因子をアポトーシスの最終経路と関連付けていると思われる。

0008

ほとんどのB−CLL細胞は細胞周期G0期にあり、正常なリンパ球の増殖を誘導する、コンカナバリン−A、ホルボールエステル、または受容体の架橋などの従来の方法によって増殖期に入るように誘導することはできない。ごく一部の細胞だけが、明らかにはなっていない促進シグナル応答してクローン集団を大きくするようである。増殖を促進するサイトカインは、インビボでこの刺激を提供し得る(Dancescoら、1992)。

0009

B−CLL細胞は、正常なB細胞プール消費して蓄積する。一方、T細胞の総数は、通常は増加する。骨髄T−リンパ球は、関節リウマチおよびサルコイドーシスなどの自己免疫疾患において見られるように、大部分がCD4+細胞である。末梢血において、Th2優勢サイトカインの表現形が頻繁に存在する。TCRレパートリーの異常も報告されている。複数の報告が、T−リンパ球および間質細胞が、B−CLL細胞の寿命を持続させることができる環境をサポートすることにおいて重要な役割を果たし得ることを示す。悪性細胞およびそれらのT細胞環境はいずれも、表面分子およびそれらの受容体のバニティー(vanity):CD5とそのリガンドCD72、CD27、およびCD70を発現する。これらの研究結果は、細胞の自己保存を直接生じるかまたは間接的に生じ得る(サイトカイン)相互作用の様々な可能性を開く。そのような非常に長い生存時間は、順に、遺伝子突然変異および遺伝的不安定性が蓄積する可能性を増大させ、これは、細胞周期チェックポイントの異常調節および細胞傷害性療法に対する耐性によって疾患の進行に有利なように働く(Kleinら、2000)。

0010

B−CLL細胞とその環境の共生的相互作用は、ほぼ確実にサイトカインの分泌によって媒介され、接着分子によって調節される。B−CLLへのサイトカイン関与の研究は、この白血病における増殖および寿命の延長の媒介因子としての様々なサイトカインをサポートするかまたは反証するデータの実質的な部分を生じた。サイトカインの産生の研究により、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−7、TNF−β、およびTNF−αについての逆転写ポリメラーゼ連鎖反応シグナルが明らかにされている(Pistoiaら、1997)。これらの研究結果は、IL−4、IL−3、およびIL−6について負の結果を示した他の研究と相矛盾している(Tangyeら、1999)。対照的に、正常なB−リンパ球では、TGF−βならびにIL1Oの分泌が示されている。これらの細胞について、構成的である他のサイトカインの産生は報告されていない。

0011

がんの免疫療法は、1世紀以上にわたり研究されてきたが、この10年間でようやく、様々な抗体ベースの産物が様々な形態のがん患者の管理に導入されたにすぎない。現在、これは臨床研究が最も盛んな領域の1つであり、8種類の治療薬がすでに腫瘍学において承認されている。腫瘍関連マーカーに対する抗体は、数十年にわたり、免疫組織学およびインビトロでの免疫測定法において医療法の一部とされており、現在、がんの検出および治療のための重要な生物学的作用物質としての理解が広まりつつある(Stromeら、2007)。分子工学は、そのような抗体ベースの治療薬の可能性を証明し、それにより、頻繁に投与することができる様々な構築物、およびヒト化抗体またはヒト抗体が得られる。

0012

CD20は、一部の患者のB細胞が極めて低レベルでCD20抗原を発現しているCLL患者において、B細胞の表面上で様々に発現される。CD20(ヒトBリンパ球制限分化抗原(human B−lymphocyte restricted differentiation antigen))は、プレBリンパ球および成熟Bリンパ球上に存在するおよそ35kDの分子量を有する、疎水性膜貫通タンパク質である。この抗原はまた、非ホジキンリンパ腫(NHL)においてはB細胞のうちの90%を上回る細胞上でも発現されるが、造血幹細胞、プロB細胞、正常な血漿細胞、または他の正常な組織上では見られない。CD20は、細胞周期の開始および分化のための活性化プロセスの初期の工程(単数または複数)を調節し、おそらくカルシウムイオンチャネルとして機能する。CD20は、細胞表面から脱落することはなく、抗体を結合してもインターナライズしない。遊離のCD20抗原は、循環中に見られない(Pescovitz、2006)。

0013

抗CD20抗体であるリツキシマブは、ヒトCD20に対する、遺伝子操作されたキメラマウスヒトモノクローナル抗体であり(Genentech、Inc.、South San Francisco、California、U.S.による、Rituxan(登録商標)またはMabThera(登録商標))、これは、再発性の、または難治性の、悪性度の低い、または濾胞性の、CD20陽性B細胞非ホジキンリンパ腫およびB−CLLを有する患者の治療に使用される。リツキシマブは、CD20抗原を介してこれが結合するB細胞への攻撃およびB細胞の死滅に対して体の自然防御動員することによって作用する。作用機序についてのインビトロで研究により、リツキシマブがヒト補体に結合し、補体依存性細胞傷害性(CDC)によってリンパB細胞株を溶解させることが明らかにされている(Reffら、1994)。さらに、リツキシマブは、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害ADCC)についてのアッセイにおいて相当な活性を有する。インビボでの前臨床試験では、おそらく、補体および細胞を介したプロセスによって、リツキシマブが、カニクイザル(cynomolgus monkeys)の末梢血、リンパ節、および骨髄からB細胞を枯渇させることが示されている(Reffら、1994)。リツキシマブはCLL患者において成功例があるが、CLL患者の分析は、B−CLL細胞の表面上でのCD20の密度が、極めて低いレベルでCD20抗原を発現する一部の患者のB細胞の場合にやはり様々であることを示す。さらに、リンパ腫を治療するために、リツキシマブがPF−3512676(以前は、CpG7909、TLR9活性化オリゴヌクレオチド)と組み合わせて投与された最近の臨床試験で、望ましい結果を示すことはできていない(Leonardら、2007)。

0014

リツキシマブに加えて、B細胞悪性疾患についての典型的な治療は、放射線療法および化学療法剤の投与である。CLLの場合、従来の外部放射線療法が、悪性細胞を破壊するために使用される。しかし、この治療において、副作用制限要因である。血液学的悪性疾患に広く使用されている別の治療は化学療法である。併用化学療法は、部分寛解または完全緩解に達した成功例がいくつかある。残念なことに、化学療法によって得られたこれらの寛解は長続きしない場合が多い。

0015

逆に、CD23の発現は、B−CLLにおいて一貫して高レベルで存在することが明らかにされている。CD23白血球分化抗原は、いくつかの造血系の細胞上で発現される45kDのII型膜貫通糖タンパク質であり、これは、IgEについての低親和性受容体(FcyRII)として機能する(Pathanら、2008)。これは、C型レクチンファミリーの1つのメンバーであり、細胞外レクチン結合ドメイン膜貫通領域との間にα−へリックスコイルドコイルスターク(α−helical coiled−coil stalk)を含む。このスターク構造は、そのリガンド(例えば、IgG)を結合する際の、膜に結合したCD23の三量体へのオリゴマー化に寄与していると考えられる。タンパク質分解されると、膜に結合されたCD23は、いくつかの可溶性CD23(sCD23)分子量種(37kD、29kD、および16kD)を生じる。IgEの産生の調節に関与していることに加えて、CD23はまた、胚中心B細胞の生存を促進するとも推測されている。CD23の発現は、正常な活性化された濾胞性B細胞中でもB−CLL細胞中でも高度にアップレギュレーションされる。

0016

ルミリキシマブ(Lumiliximab)は、モノクローナルキメラ抗CD23抗体(Biogen Idecによる、現在臨床試験中である)であり、これは、マカクザル可変領域とヒトの定常領域(IgG1、κ)とを持ち、もともとは活性化されたヒトの血液B細胞によるIgEの産生を阻害するために開発されたものである。これは、現在、B−CLL患者において使用するための第III相試験中である。インビトロでの研究により、ルミリキシマブが、ミトコンドリアの死経路を介してB−CLL細胞中でのカスパーゼ依存性アポトーシスを誘導することが示されている(Pathanら、2008)。したがって、これは、リツキシマブとは異なる機序を介して腫瘍細胞のアポトーシスを誘導するとみられる。

0017

いくつかの他の抗体が、がんの治療について最近になって承認された。アレムツズマブ(Alemtuzumab)(Campath(登録商標)またはMabCampath(登録商標)、Ilex Pharmaceuticalsによる抗CD52)(Keatingら、2002)は、2001年に、難治性CLLの治療について承認された。ベバシズマブ(Bevacizumab)(Avastin(登録商標)、Genentech、Inc.、South San Francisco、CA)は、結腸がん、小細胞肺がん、および乳がんの治療に使用される血管内皮増殖因子VEGF)に対するヒト化IgG1 mAbである。トラスツズマブ(Trastuzumab)(RocheによるHerceptin(登録商標))は、HER−2標的を過剰発現する転移性乳がん腫瘍に有効なヒト化IgG1 mAbである(Stromeら、2007)。

0018

オファツムマブ(Ofatumumab)(HuMax−CD20、GlaxoSmithKline)およびヴェルツズマブ(Veltuzumab)(Immunomedics)も、がん(例えば、CLL)の治療について提案されている。

0019

抗体薬物(antibody drug)をより有効にするために、腫瘍細胞の表面上にある特異的抗原標的のアップレギュレーションが役に立つ可能性がある。そのような効果を得るための1つの方法は、免疫調節オリゴヌクレオチドで細胞を刺激することであり得る。免疫刺激効果は、非メチル化CpGモチーフを含む合成のDNAベースのオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)の使用によって得ることができる。そのようなCpG ODNは、B細胞の増殖、サイトカインおよび免疫グロブリンの分泌、ナチュラルキラー(NK)細胞溶解活性、ならびにIFN−γの分泌を誘導するヒト白血球およびマウス白血球に対する高い免疫刺激効果を有する。CpG ODNはまた、樹状細胞(DC)および他の抗原提示細胞を活性化させ、それにより、共刺激分子の発現、および分泌型サイトカイン、特に、Th1様T細胞応答の発生を促進することにおいて重要であるTh1様サイトカインの発現を導く(Kriegら、1995)。CpG−ODNによる受容体密度の増大は、細胞に対するオリゴヌクレオチドの直接の効果に媒介され得るか、または、サイトカインの誘導に媒介され得る。抗原密度の増大、または標的受容体を発現する細胞の集団の増大により、抗体は、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性(ADCC)または補体依存性細胞傷害性(CDC)のいずれかを増強させることによって、腫瘍細胞をより効率よく死滅させることができる。

0020

CpGモチーフだけがオリゴヌクレオチドの効力についての責任を担うわけではないとの指摘がある。このモチーフが所望される機能に必要がないとの指摘もさらに存在する。

発明が解決しようとする課題

0021

がんについてのオリゴヌクレオチドベースの治療的手法を開発することに相当の労力が費やされており、これまでに時折成功例が報告されてきたにもかかわらず、改善された効力を示し、最小限しか副作用を示さないかまたは副作用を示さない新規の化合物および投与の態様が依然必要とされている。

0022

抗体療法は、一般的にはコストが高く、とりわけ、効率に関して改良が必要である。

課題を解決するための手段

0023

本発明者らは驚くべきことに、インビボでは動物実験において、またインビトロではCLL患者および健常対象由来のPBMCを使用して確認されたように、特異的オリゴヌクレオチド配列は、皮下投与された場合に、または特に、粘膜に(例えば、経口で、に、鼻腔内に、直腸内に、もしくは内に)局所投与された場合に、様々なヒトのがんの形態に対して大きな効果を有することを見出した。

0024

さらに、単独で、または他の治療と併用して大きな治療効果を示す新規の配列が開発されており、インビボでは動物実験において、またインビトロではヒト材料で試験されている。これらのオリゴヌクレオチドは、アポトーシスを誘導するために、特に、細胞表面受容体の発現を増大させるために使用される。本発明のオリゴヌクレオチドは、がんを治療するための免疫学的手法と併用することができ、特に、特異的受容体に対して特異的であるモノクローナル抗体と併用することができる。本発明の複数の実施形態は、参照により本明細書中に組み込まれる添付の特許請求の範囲で定義される。

0025

本発明は、添付の図面を参照して、以下の説明、非限定的な実施例、および特許請求の範囲でさらに詳細に記載される。

図面の簡単な説明

0026

は、対照(PBS)と比較した、配列番号1および配列番号2の50μgの物質の皮下投与後の、誘導された皮下RMAリンパ腫を有するマウスについての、経時的な腫瘍容積(mm3)として測定した腫瘍増殖を示すグラフである。
は、配列番号4の50μgもしくは150μgの物質の皮下投与後、または50μgの物質の鼻腔内(i.n.)投与後の、誘導された皮下RMAリンパ腫を有するマウスについての、経時的な腫瘍容積(mm3)として測定した腫瘍増殖を示すグラフである。
配列番号1〜4に記載される化合物での72時間の処理後の、インビトロでのヒト結腸がん細胞株HCT116に対する増殖抑制効果を示す棒グラフである。ここでは、「−」は陰性対照を示す。細胞増殖は、Ki−67陽性細胞フローサイトメトリーによって測定した。棒は、未処理(M)の細胞と比較した処理した細胞の相対的な増殖±SEMを示す。
配列番号1〜4に記載される化合物での72時間の処理後の、インビトロでのヒト結腸がん細胞株HCT116におけるアポトーシスの誘導を示す棒グラフである。ここでは、「−」は陰性対照を示す。アポトーシスは、7−AAD陽性細胞のフローサイトメトリーによって測定した。
配列番号1、配列番号3、および配列番号4に記載される化合物での48時間の処理後の、インビトロでのヒトB細胞リンパ腫細胞株中のB細胞増殖マーカーCD20の表面発現を示す棒グラフからなる。CD20の表面発現はフローサイトメトリーによって測定した。「−」は陰性対照を示す。棒は、未処理(M)の細胞と比較した処理した細胞の相対平均蛍光強度MFI)を示す。
配列番号1、配列番号3、および配列番号4に記載される化合物での72時間の処理後の、インビトロでのヒトバーキットリンパ腫細胞株の細胞の生存を示すグラフである。ここでは、「−」は陰性対照を示す。細胞の生存は、トリパンブルー陽性細胞を除き、処理の開始後3日間、毎日細胞をカウントすることによって測定した。線は、未処理(M)の細胞と比較した処理した細胞の相対的な細胞の生存を示す。
フローサイトメトリーによって測定した、実験用化合物での48時間の処理によって、CLL患者由来のCD19陽性B細胞上でCD20(図3A)、CD23(図3B)、およびCD80(図3C)のアップレギュレーションがどのように誘導されるかを示すグラフである。全ての化合物(配列番号1〜8)は、1μM、10μM、および25μMの濃度で試験した。棒は、18個の試料におけるCD20の表面発現の平均MFI値±SEMを示す。「−」は陰性対照を示す。
フローサイトメトリーを使用してCD69陽性/CD56陽性細胞を染色することによって測定した、実験用化合物での48時間の処理によって、CLL患者由来のPBMC中のNK細胞の活性化がどのように誘導されるかを示すグラフである。これらの化合物は、配列番号1〜7に示される。「−」は陰性対照を示す。棒は、18個の試料における活性化されたNK細胞の平均割合(%)±SEMを示す。
実験用化合物での72時間の処理により、CLL患者由来のPBMSにおいてB細胞のアポトーシスが誘導されることを示すグラフである。全ての化合物(配列番号1〜6)は、1μM、10μM、および25μMの濃度で試験した。アポトーシスは、CD19陽性細胞の7−AADでの染色によって測定し、続いて、フローサイトメトリーによって分析した。棒は、10個の試料における誘導されたアポトーシスの平均割合(%)±SEMを示す。
未処理の細胞と比較した、上記化合物への30分、2時間、および6時間の暴露後に25μMの濃度の配列番号1で処理した健常PBMCにおけるサイトカインIL−6の産生の増大を示すグラフである。
未処理の細胞と比較した、上記化合物への30分、2時間、および6時間の暴露後に25μMの濃度の配列番号1で処理した健常BMCにおけるサイトカインIL−10の産生の増大を示すグラフである。
未処理の細胞と比較した、上記化合物への30分、2時間、および6時間の暴露後に25μMの濃度の配列番号1で処理した健常PBMCにおけるサイトカインIP−10の産生の増大を示すグラフである。
72時間継続して処理した細胞および未処理の細胞と比較した、上記化合物への2時間、6時間、および24時間の暴露後に0.1μM、1μM、10μM、および25μMの濃度の配列番号1で処理したCLL B細胞上でのCD20の表面発現のアップレギュレーションを示すグラフである。CD20の発現は、フローサイトメトリーによって分析し、棒は、4人の患者の試料によるCD20の表面発現の平均割合(%)±SEMを示す。
72時間継続して処理した細胞および未処理の細胞と比較した、上記化合物への2時間、6時間、および24時間の暴露後に0.1μM、1μM、10μM、および25μMの濃度の配列番号1で処理したCLL−PBMCにおけるNK細胞の活性化を示すグラフである。NK細胞の活性化は、CD69陽性CD56陽性細胞の割合(%)をFACSで測定することによって分析した。棒は、4人の患者の試料による平均割合(%)±SEMを示す。
ヒトCLL患者由来のB細胞に対するインビトロでのリツキシマブの増強効率を示すグラフである。CLL B細胞は、本発明の化合物:配列番号1(図5A)、配列番号3(図5B)、配列番号4(図5C)、配列番号7(図5D)、または配列番号8(図5E)で48時間前処理し、続いて、ADCCを介したアポトーシスの分析のためにリツキシマブで24時間処理した(図5A〜E)。棒は、アネキシンV(Annexin V)および7−AADでのCD19陽性細胞の二重染色によって測定した、CD19陽性CLL細胞のアポトーシスの平均割合(%)±SEMを示す。n=18。
CDCに媒介される細胞死を示すグラフである。CLL B細胞は、本発明の化合物:配列番号1(図5F)、配列番号3、配列番号4、配列番号7、または配列番号8(データは示さず)で48時間前処理し、続いて、CDCに媒介されるアポトーシスの分析のために4時間、30%ヒト血清を補充した培地中でリツキシマブで処理した(図5F)。棒は、アネキシンVおよび7−AADでのCD19陽性細胞の二重染色によって測定した、CD19陽性CLL細胞のアポトーシスの平均割合(%)±SEMを示す。n=18。
投与順序重要性を示すグラフである。ここでは、図5Aは、リツキシマブの投与前に配列番号1によってCD20の発現を増大させた場合のアポトーシスの平均割合(%)±SEMを示し、図5Gは、配列番号1の48時間前にリツキシマブを添加した場合の対応する結果を示す。n=10。
併用療法に対して弱く反応する試料に対する、併用療法に十分に反応するCLL試料におけるサイトカインの誘導を示すグラフである。細胞上清は、配列番号1〜6での処理の48時間後に収集し、続いて、IL−6(図6A)、IL−10(図6B)、IL−12(図6C)、IP−10(図6D)、およびTNF−α(図6E)の含有量についてサイトメトリビーズアレイ(cytometric bead array)(CBA)によって分析した。

0027

本発明が詳細に記載される前に、記載される特定の配列、または記載される方法の工程は変わり得るので、本発明は、そのような配列および方法に限定されないことが理解されるべきである。本明細書中で使用される専門用語は、特定の実施形態を記載する目的のためのものにすぎず、限定とは意図されないこともまた理解されるべきである。本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合は、単数形の「a」、「an」、および「the」にはまた、文脈上別のことが明記されていない限りは、複数の指示対象も含まれることにも留意されなければならない。したがって、例えば、「配列(a sequence)」への言及には、2つ以上のそのような配列が含まれるなどである。

0028

さらに、用語「約」は、適用できる場合は、所定の値の±2%の偏差を、好ましくは、その数値の±5%の偏差、最も好ましくは、±10%の偏差を示すために使用される。

0029

用語「がん」は、任意の悪性腫瘍性疾患、すなわち、異常であり、かつ抑制されない細胞分裂によって引き起こされる任意の悪性の増殖または腫瘍をいうように意味される。用語「がん」は、特に、本発明の記載に含まれる動物実験において説明されるように、充実性の限局性腫瘍と、限定ではないが、実施例で研究した白血病の1つの形態である慢性リンパ球性白血病(CLL)などの非充実性のがんの形態の両方を含むように意味される。

0030

用語「免疫調節」は、哺乳動物などの脊椎動物に投与されると、生物において免疫系を刺激するかもしくは免疫系を抑制するかのいずれか、またはその両方である免疫反応をいう。本明細書中で使用される場合は、用語「哺乳動物」には、ラット、マウス、ネコイヌウマ畜牛(cattle)、雌牛(cow)、ブタウサギ、ヒト以外の霊長類、およびヒトが含まれるが、これらに限定されない。

0031

用語「免疫調節応答」は、免疫調節オリゴヌクレオチドでチャレンジされた場合の免疫反応の変化を記載する。この変化は、多くの場合は、インターフェロンなどの特定のサイトカインの放出を通じて、ならびに、増殖などの他の生理学的パラメーターを通じて測定することができる。それと同時に、この反応は、問われている免疫調節オリゴヌクレオチドによって誘導されたサイトカインに依存して、免疫系を刺激するように、さらには免疫系を抑制するように作用するものであり得る。

0032

ヒト細胞株を使用してインビトロで行った実験は、本発明のオリゴヌクレオチドが増殖を低下させること、およびアポトーシスを誘導することの両方ができることを示す。加えて、インビボでの用量の減少(150μgから50μgに)は、皮下投与において反応を有意に改善した。驚くべきことに、粘膜への適用(本明細書中では、鼻腔内投与の形態で試験した)は、マウスモデルにおいて、同程度に有効な投与方法をもたらした。

0033

本発明者らはまた、本発明の化合物が、細胞表面マーカー(本明細書中では、細胞表面マーカーCD20、CD23、CD69、およびCD80によって説明される)の発現を誘発または増大させることができることも見出した。

0034

したがって、本発明者らは、本発明の一実施形態として、複数の化合物および複数の方法をがんの治療に利用できるようにする。ここでは、表1に示す本発明の化合物が、アポトーシスを増大させるため、および/または細胞表面マーカーCD20、CD23、CD69、およびCD80の1種類または複数の発現をアップレギュレーションするために単独で、または放射線療法、ホルモン療法、腫瘍の外科切除、化学療法、免疫療法もしくは免疫調節療法光線力学的療法レーザー療法、温熱療法凍結療法血管新生抑制剤(angiogenesis inhibitor)、もしくはこれらの任意の組合せから選択される抗腫瘍療法と併用してのいずれかで使用される。上記抗腫瘍治療が免疫療法または免疫調節療法であり、これが患者への抗体の投与を含むことが最も好ましい。

0035

現在利用できる抗体の例としては、リツキシマブ(Rituxan(登録商標)、MabThera(登録商標))、アレムツズマブ(Campath(登録商標)、MabCampath(登録商標))、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))、およびトラスツズマブ(Herceptin(登録商標))が挙げられるが、これらに限定されない。

0036

抗腫瘍療法と併用される場合は、本発明の化合物は、抗腫瘍療法の前に、好ましくは、この療法の少なくとも約12時間前、より好ましくは約24時間前、最も好ましくは約48時間前に投与されることが好ましい。免疫療法と併用される場合、特に、抗体の投与を含む療法と組み合わせる場合は、本発明の化合物は、好ましくは、患者への抗体の投与の前に、最も好ましくは、特異的抗体が標的とする細胞表面分子または細胞表面マーカーのアップレギュレーションを可能にするために、十分に前に投与される。

0037

本発明は、特異的ヌクレオチド、すなわち、配列番号1〜7のいずれか1つに記載される単離されたオリゴヌクレオチド配列を利用できるようにする。表1を参照のこと。

0038

0039

上記配列、配列番号1〜7は本発明者らによって設計され、配列番号4を除き、本発明者らが知る限りは、これまでには知られていない。配列番号4は、1993年に最初に公開された(Sokoloskiら、1993)。

0040

配列番号7は、CGの代わりにGCを含む、すなわち、CpGモチーフを持たない完全にホスホチオ化されたIDX0150(配列番号4)である。

0041

配列番号8は陰性対照としてのみ使用され、特許請求の範囲には含まれない。

0042

配列番号1〜7のいずれか1つに記載されるオリゴヌクレオチド配列は、リン酸骨格修飾を有している少なくとも1つのヌクレオチドを含み得る。上記リン酸骨格修飾は、ホスホロチオエート修飾またはホスホロジチオエート修飾であることが好ましい。

0043

本発明にはまた、がんを治療するための医薬品を製造するための、配列番号1〜3および5〜7のいずれか1つに記載される単離されたオリゴヌクレオチド配列の使用も含まれる。

0044

特に、アポトーシスの誘導および/または細胞表面マーカーの発現の増大によるがんを治療するための医薬品を製造するための、配列番号1〜7のいずれか1つに記載される単離されたオリゴヌクレオチド配列の使用。

0045

これに対応して、本発明にはまた、がんの治療において細胞表面マーカーのアップレギュレーションおよび/またはアポトーシスの誘導の少なくとも1つを達成するために有効な用量で皮下投与される医薬品を製造するための、配列番号1〜7のいずれか1つに記載される単離されたオリゴヌクレオチド配列の使用も含まれる。上記用量は、がん治療のために、好ましくは約0.01mg/kg〜約50mg/kgの間、より好ましくは0.05mg/kg〜約5mg/kg、最も好ましくは0.1mg/kg〜約1mg/kgの間である。

0046

特に、配列、配列番号1、配列番号4、および配列番号6は、CLLB細胞において示されるように、細胞表面マーカー、特に、CD20の有望なアップレギュレーターであることが示されている。

0047

上記医薬品は、皮下に、鼻腔内に、経口で、静脈内に、または粘膜に、例えば、経口で、粘膜に対して局所に、直腸内に、膣内に、吸入によってなどで投与することができる。

0048

本発明の好ましい実施形態には、上記で定義されたような使用が含まれる。ここでは、抗腫瘍治療は、上記オリゴヌクレオチドの投与の前に、後に、または本質的に同時に投与される。この抗腫瘍治療は、放射線療法、ホルモン療法、腫瘍の外科的切除、化学療法、免疫療法もしくは免疫調節療法、光線力学的療法、レーザー療法、温熱療法、凍結療法、血管新生抑制剤、またはこれらの任意の組合せから選択される。

0049

抗腫瘍治療は、好ましくは、患者への抗体の投与を含む療法などの、免疫療法または免疫調節療法である。抗体の投与などの免疫学的治療の場合、本発明の化合物は、抗体の投与の前に投与されることが好ましい。時間は、細胞表面マーカーの発現の所望されるアップレギュレーションが達成されるように選択され、好ましくは、抗体の投与の少なくとも約12時間前、より好ましくは約24時間前、最も好ましくは48時間前である。本発明の化合物の追加用量が、細胞表面マーカーのアップレギュレーションをブーストする(boost)ために、抗体の投与後に投与されなければならない場合があることも考えられる。

0050

配列番号1〜7のいずれか1つに記載されるオリゴヌクレオチド配列に、リン酸骨格修飾を有している少なくとも1つのヌクレオチドが含まれ得る、上記抗腫瘍治療の使用。上記リン酸骨格修飾は、ホスホロチオエート修飾またはホスホロジチオエート修飾であることが好ましい。

0051

結果として、本発明にはまた、配列番号1〜3および5〜7のいずれか1つに記載される単離されたオリゴヌクレオチド配列が、その必要がある患者に投与される、がんの治療方法も含まれる。

0052

上記で定義されたように、配列番号1〜3および5〜7のいずれか1つにおける少なくとも1つのヌクレオチドは、リン酸骨格修飾を含み得る。上記リン酸骨格修飾は、ホスホロチオエート修飾またはホスホロジチオエート修飾であることが好ましい。

0053

本発明の治療方法の一実施形態によれば、上記オリゴヌクレオチドは、粘膜に投与される、すなわち、それが必要な患者の粘膜に局所投与される。粘膜投与としては、経口投与、肺投与、直腸投与、膣内投与、および鼻腔内投与が挙げられる。好ましくは、上記オリゴヌクレオチドは、約0.01mg/kg体重〜約50mg/kg体重、より好ましくは0.05mg/kg体重〜約5mg/kg体重、最も好ましくは0.1mg/kg体重〜約1mg/kg体重の用量で投与される。

0054

別の実施形態によれば、上記オリゴヌクレオチドは、それが必要な患者に皮下投与される。好ましくは、上記オリゴヌクレオチドは、約0.01mg/kg〜約50mg/kg、より好ましくは0.05mg/kg〜約5mg/kg、最も好ましくは0.1mg/kg〜約1mg/kgの用量で投与される。

0055

本発明者らは、配列番号1、配列番号3、配列番号4、および配列番号7に記載されるオリゴヌクレオチドが、がんを治療するための他の手法と併用されると相乗効果を発揮することを、インビトロでヒトの材料において確認した。したがって、本発明の一実施形態によれば、上記オリゴヌクレオチドは、特に、上記抗腫瘍治療が抗体の投与を含む場合には、抗腫瘍治療の前に、または抗腫瘍治療と本質的に同時に投与され、抗腫瘍治療の前に投与されることが最も好ましい。

0056

上記で概説されたように、この抗腫瘍治療は、放射線療法、ホルモン療法、腫瘍の外科的切除、化学療法、免疫療法または免疫調節療法、光線力学的療法、レーザー療法、温熱療法、凍結療法、血管新生抑制剤、またはこれらの任意の組合せから選択される。

0057

上記抗腫瘍治療は、好ましくは、患者への抗体の投与を含む免疫療法である。抗体の例としては、現在使用されている抗体、ならびに評価段階にある抗体、例えば、リツキシマブ、オクレリズマブ(ocrelizumab)、アルツズマブ(altuzumab)、オファツムマブ(ofatumumab)、トシツモマブ(tositumomab)、イブリツモマブ(CD20に対する)、ルミリキシマブ(CD23)、アレムツズマブ(CD52)、ガリキシマブ(galiximab)(CD80)、エプラツジマブ(epratuzimab)(CD22)、およびダクリズマブ(daclizumab)(CD25)が挙げられる。

0058

がんの抗腫瘍治療の1つの実施形態では、配列番号1〜3および5〜7のいずれか1つに記載される単離されたオリゴヌクレオチド配列が、それが必要な患者に投与される。上記オリゴヌクレオチドは、それが必要な患者に対して、粘膜に、または皮下に局所投与される。

0059

がんの治療の別の実施形態においては、配列番号1〜7から選択されるオリゴヌクレオチド配列が、細胞表面マーカーCD20、CD23、CD69、およびCD80の少なくとも1つの発現を誘発させるための有効用量で投与される。上記少なくとも1つのオリゴヌクレオチドはリン酸骨格修飾を有し、約0.01mg/kg体重〜約50mg/kg体重、より好ましくは0.05mg/kg体重〜約5mg/kg体重、最も好ましくは0.1mg/kg体重〜約1mg/kg体重の用量で投与される。上記オリゴヌクレオチドは、抗腫瘍治療の前に、または抗腫瘍治療と本質的に同時に投与され得る。ここでは、抗腫瘍治療は、放射線療法、ホルモン療法、腫瘍の外科的切除、化学療法、免疫療法または免疫調節療法、光線力学的療法、レーザー療法、温熱療法、凍結療法、血管新生抑制剤、またはこれらの任意の組合せから選択される。上記抗腫瘍治療は免疫学的治療であり、これは、患者への抗体の投与の前の、または患者への抗体の投与と併用される、上記オリゴヌクレオチド配列の投与を含む。

0060

本発明の上記実施形態の任意の1つにおいては、上記オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの細胞表面分子または細胞表面マーカー、特に、CD20、CD23、CD69、およびCD80から選択される細胞表面マーカーの発現を誘発するか、または増大させるか、またはアップレギュレーションするために有効な用量で投与される。上記オリゴヌクレオチドはリン酸骨格修飾を有し得る。

0061

がんの治療のためには多数の手法があるという事実は当業者に周知である。がんのタイプ、その位置および進行状態、ならびに患者の症状に応じていくつかの療法が使用されることは、がんとの闘いに特徴的である。結果として、多くの場合に、いくつかの療法が連続して使用されるか、または併用される。外科的介入、放射線療法、および化学療法などの一部の療法が何十年にもわたり行われてきたが、他の療法が最近考えられており、多くはなおも実験的使用の段階にある。当然、新しい手法が絶えず開発されており、本発明のオリゴヌクレオチド、それらの使用および治療方法については、将来の治療との併用においても有用性が見出されるであろうと考えられる。本発明者らは、現在は、本発明のオリゴヌクレオチド、それらの使用、および治療方法が、以下のような抗腫瘍治療との併用において有用であると考えているが、それらに限定されることは望ましくない:放射線療法、ホルモン療法、外科的介入、化学療法、免疫療法もしくは免疫調節療法、光線力学的療法、レーザー療法、温熱療法、凍結療法、血管新生抑制剤、またはこれらの任意の組合せ。

0062

抗腫瘍治療は、患者への抗体の投与を含む免疫療法または免疫調節療法であることが好ましい。

0063

上記オリゴヌクレオチドは、治療有効用量で投与される。「治療有効用量」の定義は、疾患および治療の状況に応じて様々であり、「治療有効用量」は、単独で、または他の治療と併用して、患者の状態の測定できるほどの改善をもたらす用量である。

0064

一実施形態によれば、上記オリゴヌクレオチドは、約0.01mg/kg体重〜約50mg/kg体重の量で皮下投与される。好ましくは、上記オリゴヌクレオチドは、約0.05mg/kg体重〜5mg/kg体重の量で投与される。最も好ましくは、オリゴヌクレオチドは、約0.1mg/kg体重〜1mg/kg体重の量で投与される。

0065

上記オリゴヌクレオチドは、皮下に、静脈内に、または粘膜に(例えば、経口で、鼻腔内に、直腸内に、または膣内に)、単回投与で投与され得るか、または反復投与で投与され得る。

0066

本発明のヌクレオチドは、皮下投与されるか、または粘膜に局所投与され得る。用語「粘膜に局所に」には、経口投与、肺投与、直腸投与、膣内投与、および鼻腔内投与が含まれる。ヌクレオチドは、適切な水性緩衝液(例えば、リン酸緩衝化生食塩水(PBS)であるがこれに限定されない)などの、任意の適切な処方物において投与され得る。上記ヌクレオチドは、適切なゲルを形成するポリマー(例えば、キトサンなど)などの粘膜への接着を増大させるように設計された適切な処方物、脂溶性投与ビヒクル(lipophilic delivery vehicle)、リポソーム、またはミセルなどのヌクレオチドの細胞による取込みを促進する処方物、または適切なゲルを形成し、かつヌクレオチドの細胞による取込みを促進する処方物において投与されることが企図される。鼻腔投与に利用できる方法およびデバイスがいくつか存在する:局所作用または全身作用のいずれかを持つ、液体処方物粉末処方物、および噴霧処方物の単回投与または複数回投与。本発明は、鼻粘膜にヌクレオチドを投与するための特定の方法またはデバイスに限定されない。最初の動物実験により、ピペットによる単純な滴下により満足のいく効果がもたらされることが示されたが、ヒトでの使用については、信頼できる単回投与または複数回投与のためのデバイスが好ましい。

0067

好ましくは、上記医薬品の投与経路は、皮下投与、静脈内投与筋肉内投与、粘膜投与、および腹腔内投与から選択される。好ましくは、粘膜投与は、経口投与、胃内投与、鼻腔内投与、眼内投与、直腸投与、泌尿生殖器投与、および膣内投与から選択される。

0068

一実施形態によれば、上記オリゴヌクレオチドは、静脈注射または静脈内注入によって投与される。

0069

別の実施形態によれば、上記オリゴヌクレオチドは、それが必要な患者に皮下投与される。

0070

本発明者らはまた、配列番号1〜3および5〜7のいずれか1つに記載されるオリゴヌクレオチドを含む薬学的組成物を利用できるようにする。上記薬学的組成物は、生理食塩水、リポソーム、界面活性剤粘膜付着性化合物、酵素阻害剤胆汁酸塩吸収促進剤シクロデキストリン、またはこれらの任意の組合せから選択される、薬理学的に適合し、かつ生理学的に許容される賦形剤または担体をさらに含むことが好ましい。

0071

本発明の別の実施形態によれば、上記オリゴヌクレオチドは、例えば、適切な緩衝液に懸濁させた上記オリゴヌクレオチドを含む水性浣腸剤の形態で、直腸への滴下によって結腸の粘膜に投与される。

0072

本発明の別の実施形態によれば、上記オリゴヌクレオチドは、適切な緩衝液に懸濁させた上記オリゴヌクレオチドを含むエアゾールの吸入によって、または適切な緩衝液に懸濁させた上記オリゴヌクレオチドをまた含む洗浄を行うことによって、肺または気道の粘膜に投与される。

0073

本発明のさらに別の実施形態によれば、上記オリゴヌクレオチドは、適切なビヒクルに懸濁した上記オリゴヌクレオチドを含む溶液、緩衝液、ゲル、軟膏ペーストなどの塗布によって、尿道、膣などの泌尿生殖路の粘膜に投与される。

0074

鼻粘膜への塗布による効果は全身的であることが示されているが、泌尿生殖路、気道、または小腸の粘膜などの他の部位への塗布が、これらの臓器またはその付近にある腫瘍の治療にはより適していると考えられる。

0075

本発明は、実験のセクションに示され、添付の図面で説明されるインビボでのデータおよびインビトロでのデータによってサポートされるように、がんの治療における有用性を見出す

0076

本発明の実施形態には多くの利点がある。今までのところは、本発明者らによって定義される用量でのオリゴヌクレオチドの投与は、顕著な副作用を誘発することはない。さらに、粘膜への投与は容易であり、早く、痛みがなく、驚くことに全身的な効果を生じる。腫瘍部位の状態に対する影響は、実験において見られる増殖の低下およびアポトーシスの誘導に関与する1つの要因であると考えられるが、これは唯一の要因ではない。この効果は、単独で、または既存の抗がん治療および将来の抗がん治療と併用して、がんとの闘うための有望な手法を提示すると考えられる。

0077

1.動物実験
RMAリンパ腫細胞の皮下増殖に対する効果を、同系C57BL/6(B6)マウスにおいて、オリゴヌクレオチドの投与後にインビボで調べた。この実験の目的は、皮下腫瘍の増殖の実験用マウスモデルにおいて様々なオリゴヌクレオチドの腫瘍増殖阻害効果を調べることであった。実験用の皮下腫瘍は、インビボでの、維持されたRMA腫瘍細胞のレシピエントB6マウスへの接種によって誘導することができることが知られている。

0078

1.1試験システム
腫瘍細胞のタイプと誘導
マウスでの皮下腫瘍の誘導は、インビボで増殖させたラウシャー・ウイルス(Raucher virus)に誘導されたリンパ腫細胞(RMA)の細胞懸濁液(103)の、動物の右脇腹への接種によって行った。

0079

被験物品の処方と調製
配列番号1、配列番号2、および配列番号4は、Index Pharmaceuticals AB、Stockholm、Swedenによって、「すぐに使用できる」濃度(2.5μg/μL〜1.25μg/μL)で供給され、届けられた。これらは、使用するまで4℃で維持した。

0080

1.2動物の材料と条件
種、株、および供給業者
使用したマウスは、MTC、Karolinska Institutet、Stockholm、Swedenで飼育施設(house breeding)から入手した同系交配のC57BL/6/Byマウスであった。

0081

1.3実験手順実験計画
実験手順
簡単に説明すると、この実験は、以下の操作を含んでいた:RMA腫瘍細胞をB6マウスにおいて腹水腫瘍として増殖させて、インビトロでの増殖に適応させた腫瘍細胞の供給源を提供した。回復後、少量のRMA腫瘍細胞(103個の細胞)を、レシピエントB6/Byマウスの右脇腹に接種した。

0082

腫瘍細胞の接種後、全てのマウスを、注射部位触診によって1週間に2回モニターした。いずれかのマウスにおいて腫瘍増殖の最初の兆候が見られた時点で、マウスを複数のグループに分け、3回の投与(100μl)を、3日間毎日試験物質の単回投与で投与した。試験物質は、動物の左脇腹に皮下投与した。マウスの1つのグループには、50μg(40μl)の配列番号4を鼻腔内に投与した。対照動物の1つのグループには、ビヒクルのみ(PBS)の100μlの注射を投与した。

0083

腫瘍の増殖速度の評価
マウスを継続してモニターし、個々のマウスを、手での触診によって追跡調査した。腫瘍が現れるとすぐに、皮下腫瘍の増殖を、キャリパーを使用して毎日測定し、がん容積(cancer mass volume)(mm3)として表した。

0084

最終手順
腫瘍を持つ動物を、その増殖している腫瘍の大きさが1500mm3に達した時点で屠殺した。腫瘍を生じていない動物全てを、最長2ヶ月間モニターし、その時点でマウスを屠殺した。

0085

1.4 結果
試験した個々の化合物は、最長10日の観察期間の間に、腫瘍の増殖に対して阻害効果を示した(図1Aおよび図1B)。配列番号1および配列番号2は、この実験の設定においては、腫瘍の増殖を低下させる同等の能力を示した(図1A)。

0086

配列番号4もまた、腫瘍の増殖を低下させた(図1B)。驚くべきことに、低用量(50μg対150μg)により、腫瘍増殖の著しい低下が生じた。同じように驚くべきことに、同じ用量(50μg)を鼻腔内に投与した場合にも、同等の大幅な腫瘍増殖の低下が生じた(図1Bを参照のこと)。

0087

2.ヒト細胞株を用いたインビトロでの実験
2種類の認められているヒト腫瘍モデル細胞株を使用した。この実験の目的は、様々なオリゴヌクレオチドについて、腫瘍細胞の増殖を阻害する能力と、腫瘍細胞のアポトーシスを誘導する能力を調べることであった。第2の目的は、ヒトのがんに対する効果の予測となる別の設定において、実験動物で得られた効果を実験することであった。CpGモチーフを含まない陰性対照を使用した。

0088

2.1ヒト結腸がん細胞株
ヒト結腸がん細胞株HCT116を、本発明のヌクレオチドである配列番号1〜4のそれぞれで、組織培養培地中で72時間処理した。細胞の増殖と細胞死を、当業者に公知の手順にしたがって、それぞれKi−67染色および7−アミノアクチノマイシン(7−AAD)染色を使用してFACS分析によって分析した。Ki−67は増殖している細胞によって発現され、アポトーシス細胞は、7−AADを使用して同定することができた。

0089

2.2 ヒトリンパ腫細胞株
ヒトバーキットリンパ腫細胞株Daudiを、本発明のヌクレオチドである配列番号1、配列番号3、および配列番号4のそれぞれで、組織培養培地中で24時間、48時間、および72時間刺激した。様々な表面発現マーカーの発現を、文献に記載されているようにFACS(BD Biosciences、San Jose、CA、USA)によって分析した(例えば、Gurselら、2002;Jahrsdorferら、2001;Jahrsdorferら、2005a;Jahrsdorferら、2005bを参照のこと)。

0090

2.3 結果
図2Aで見られるように、配列番号1〜4に記載される化合物は全て、HCT116腫瘍細胞の増殖を低下させることができた。特に、配列番号2〜4での72時間の処理によって、未処理の細胞と比較して腫瘍増殖の顕著な低下が達成された。

0091

図2Bは、HCT116腫瘍細胞のアポトーシスを誘導する同じ化合物の能力を示す。ここでは、上記化合物、特に、配列番号2〜4は、未処理の細胞と比較して、72時間の処理後に高い割合でアポトーシスを誘導した。配列番号1は、HCT116細胞株のアポトーシスを誘導することはなかった。

0092

図2Cに示すように、配列番号1は、48時間の処理の後に、Daudi腫瘍細胞株においてB細胞増殖マーカーCD20の細胞表面発現を強くアップレギュレーションした。配列番号3は、CD20の表面発現に対して中程度の効果があり、配列番号4はCD20の表面発現に対しては効果がなかった。

0093

図2Dは、配列番号1および配列番号3での72時間の処理は、Daudi細胞の細胞生存の顕著な低下を生じ、一方、配列番号4はDaudi細胞の細胞生存には効果がなかったことを示す。

0094

3.CLL血液から単離したPBMC中での細胞表面受容体の発現
3.1 材料および方法
ヘパリン化末梢血は、顕著な循環器疾患を有しているB細胞性慢性リンパ球性白血病(B−CLL)と診断された患者(n=20)から、インフォームドコンセント後に得た。全ての患者は、常用されている免疫表現形の基準、形態学的基準、および臨床的基準によって診断された。

0095

単核細胞画分を、Ficoll−Hypaque(Seromed、Berlin、Germany)勾配遠心分離によって単離した。これらの細胞を、すぐに、48ウェルプレート中の容量500μlの完全RPMI培地(10%FCS、1%PenStrep、2mM L−グルタミン、10mMHEPES、および1mMピルビン酸ナトリウムを含む)中で、2×106細胞/mlの濃度で37℃でインキュベーションし、1μM、10μM、および25μMの、7種類のオリゴヌクレオチド化合物のそれぞれで処理した。細胞の画分を、FACSによる表面抗原の発現の直接の分析のために、4種類の抗体の2つ混合物(CD19、CD20、CD23、CD80、およびCD3、CD25、CD56、CD69)それぞれで染色した。

0096

48時間のインキュベーションの後、200μlの細胞懸濁液を96ウェルプレート中でスピンダウンさせ、100μlの2%FCS(PBS中)中に再懸濁し、抗体混合物の2つのセット(上記)とともに4℃で30分間インキュベーションした。次に、細胞を、純粋なPBSで2回洗浄し、続いて表面抗原の発現分析のためにFACSArrayバイオアナライザーを使用してFACSによって分析した。0日目から3日後、細胞の残りをアポトーシス分析のために収集した。これらの細胞を、96ウェルプレート中でスピンダウンさせ、上記と同様に2%FCS中に再懸濁し、CD19とCD3の抗体混合物(BD Pharmingen)とともに、4℃で30分間インキュベーションした。これらの細胞をPBSで2回洗浄し、続いて、アネキシンVおよび7−AADで、それぞれ初期アポトーシスおよび後期アポトーシスの分析のために、室温で10分間染色した。これらの細胞を、上記のようにフローサイトメトリーによって分析した。

0097

3.2 結果
結果は、配列番号1、配列番号3、配列番号4、および配列番号6での48時間の処理により、CLL患者由来のB細胞上でのCD20のアップレギュレーションが誘導されたこと(図3A)、ならびにCLL患者由来のB細胞上でのCD80のアップレギュレーションが誘導されたこと(図3C)を示す。配列番号2、配列番号5、および配列番号7はCD20の発現をアップレギュレーションすることはなく(図3A)、配列番号2はCD80の発現を増強させることはなかった(図3C)。

0098

CD23の発現は、全ての配列番号(1〜7)によってアップレギュレーションされたが、配列番号1、配列番号2、配列番号5、および配列番号6によってほぼ大部分がアップレギュレーションされ(図3B)、配列番号2、配列番号5、および配列番号6は、受容体を相当にアップレギュレーションした。

0099

CD56陽性細胞のCD69染色により測定したように、配列番号1〜7での48時間の処理によってNK細胞の活性化が誘導されることもまた示された(図3D)。

0100

結果はまた、配列番号1および配列番号4〜6が、72時間の処理の後に、CLL患者由来のPBMCにおいてB細胞のアポトーシスを誘導することも示す(図3E)。配列番号2および配列番号3は、BCLL細胞のアポトーシスを誘導することはなかった。

0101

4.パルス実験
4.1 実験の設計
サイトカインプロフィール表面マーカーの発現を、それぞれ、1人の健常なボランティア由来のPBMCおよび4人のCLL患者由来のPBMCを使用して、いわゆるパルス実験において決定した。サイトカインプロフィールは、インビトロでの48時間の培養後に決定し、細胞表面マーカーの染色を、72時間後にFACSによって行った。

0102

PBMCを、実施例3および実施例4に記載したように調製し、培養した。次に、PBMCを、30分間、2時間、または6時間の予め決定した時間、配列番号2に曝し、続いて洗浄した。洗浄は以下のように行った。プレートを1500rpmで5分間遠心分離した。上清を廃棄し、新しい培地を添加した。遠心分離を繰り返し行い、第2の上清を新しい培地に置き換えた。次に、PBMCを、所望される時点まで48時間(サイトカインプロフィール)または72時間(表面マーカーの染色)、さらに培養した。

0103

サイトカインプロフィールは、48時間のインビトロでの培養後に決定した。健常PBMCを、上記の時間、配列番号1に曝し、上清を、IL−6、IL−10、およびIP−10の含有量について分析した。サイトカイン濃度は、pg/mlとして示す。

0104

表面マーカーの染色は、72時間のインビトロでの培養後に行った。CLL−PBMCを、上記の時間、配列番号1で処理し、CD19、CD20、CD56、およびCD69の細胞表面発現をFACSによって分析した。

0105

4.2.結果
結果は、オリゴヌクレオチドをわずか30分後に洗浄することによって除去した場合にもなお、顕著な長期的効果があることを示し、このことは、鼻腔内投与、またはオリゴヌクレオチドが約30分よりも長い間留まることが期待されない他の粘膜への投与の実現可能性をサポートする。

0106

結果はまた、オリゴヌクレオチドを、2時間後、およびまた、より長い滞留時間が期待される直腸投与に相当する6時間後に洗浄することにより除去した場合にも、顕著な効果を示した。これらの結果を、サイトカイン分析については図4A、B、およびCに、表面マーカーの染色については図4Dおよび4Eに示す。

0107

この実験を、これらの結果を不死化ヒト細胞株を用いて行った実験よりもすぐれた精度を持つインビボでの設定に転換できるようにするヒトCLL−PBMCを使用して行ったことにも留意されたい。注目すべきは、罹患患者から得たPBMCには悪性B細胞が含まれ、実験用化合物の効果が治療に関係がある標的について直接見られることである。

0108

5.実験用化合物とリツキシマブの同時投与
5.1 材料および方法
ヘパリン化末梢血は、B細胞性慢性リンパ球性白血病(B−CLL)の患者から、インフォームドコンセント後に得た。全ての患者は、常用されている免疫表現形の基準、形態学的基準、および臨床的基準によって診断された。

0109

単核細胞画分を、Ficoll−Hypaque(Seromed、Berlin、Germany)勾配遠心分離によって単離した。これらの細胞を、すぐに、48ウェルプレート中の用量500μlの完全RPMI培地(10%FCS、1%PenStrep、2mM L−グルタミン、10mMHEPES、および1mMピルビン酸ナトリウムを含む)中で、2×106細胞/mlの濃度で37℃でインキュベーションした。

0110

これらの細胞を、1μM、10μM、または25μMの実験用化合物、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号7、または配列番号8とともにインキュベーションした。48時間後、細胞をPBSで2回洗浄し、完全培地中に再懸濁した。ADCCアッセイのために、CD20特異的モノクローナル抗体であるリツキシマブ(MabThera(登録商標)、Roche)を、架橋剤として使用した10μgのF(ab)2ヤギ抗ヒトIgGFcγ鎖特異的抗体(Jackson Inmunoresearch、West Grove、PA、USAから入手した)とともに、5μg/mlまたは10μg/mlの最終濃度になるように添加した。CDCアッセイについては、細胞を、30%のヒト血清(RPMI中)中でインキュベーションし、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号7、または配列番号8での48時間の前処理後に、リツキシマブで4時間処理し、その後、フローサイトメトリーによってアポトーシスについて分析した。一部の細胞は、0日目に48時間、リツキシマブで処理し、2日目に配列番号1を24時間かけて添加した(逆実験(reverse experiment))。

0111

0日目から3日後(ADCC)(または、CDCアッセイについては2日と4時間後)、細胞をアポトーシスの分析のために収集した。これらの細胞を、96ウェルプレート中でスピンダウンさせ、上記と同様に2%のFCS中に再懸濁し、CD19とCD3との抗体混合物(BD Pharmingen)とともに4℃で30分間インキュベーションした。これらの細胞をPBSで2回洗浄し、続いて、アネキシンVおよび7−AADで、それぞれ初期アポトーシスおよび後期アポトーシスの分析のために、室温で10分間染色した。これらの細胞を、上記のようにフローサイトメトリーによって分析した。

0112

5.2 結果
結果は、配列番号1とのプレインキュベーションにより、CLL患者由来のB細胞のリツキシマブを介したアポトーシスの効率が有意に増大したことを明らかに示す。背景に記載したように、リツキシマブがヒト補体に結合し、補体依存性細胞傷害性(CDC)によってリンパB細胞株を溶解させることが知られている。さらに、リツキシマブは、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性(ADCC)についてのアッセイにおいて有意な活性が示されている。これらの結果は、配列番号1とリツキシマブとの組合せにより、CLL B細胞のアポトーシスの割合の有意な増大を生じることを示す。10μMの配列番号1での前処理によっては、リツキシマブのみによって達成されたアポトーシスの割合よりもほぼ2倍高いアポトーシスの割合が誘導された(図5A)。配列番号3での前処理によっては、配列番号1での前処理と同程度に有効な、リツキシマブを介したアポトーシスの増強が生じた(図5B)。配列番号4または配列番号7を使用したCLL−PBMCの前処理は、有効というほどではなかった(図5CおよびD)が、配列番号8での細胞の前処理によっては、リツキシマブに誘導される細胞死には影響はなかった(図5E)。観察されたアポトーシスの増大は、ADCCアッセイにおいてのみ見られ(図5A)、CDCアッセイにおいては効果は観察されなかった(図5F、およびデータは示さず)。

0113

さらに、これらの実験は、投与順序が重要であることを示す。図5Aに示すように、配列番号1の事前投与によっては、B細胞のリツキシマブを介したアポトーシスが有意に増加したが、逆実験(すなわち、細胞を最初にリツキシマブで処理し、リツキシマブでの48時間の処理後に配列番号1を添加した)によっては、リツキシマブのみで処理した細胞と比較して、アポトーシスの増加は生じなかった。図5Gを参照のこと。

0114

6.実験用化合物とリツキシマブとで処理した細胞のサイトカイン分析
6.1 材料および方法
CLL血液から単離したPBMCを、1μM、10μM、および25μMの配列番号1〜6で処理した。48時間の処理後、上清を収集し、CBAによってサイトカイン含有量を分析した。分析は、様々なCLL試料間差異を調べるために行った。

0115

6.2 結果
結果は、実験用化合物とリツキシマブとでの併用療法に十分反応するCLL試料が、併用療法に十分には反応しない試料と比較して、多量のTh1様サイトカインを発現したことを示す。図6Aに見られるように、併用療法に十分に反応する試料は、反応しない細胞と比較して少量しかIL−6を産生しない。一方、反応性の細胞は、より多くのIL−10(図6B)、IL−12(図6C)、IP−10(図6D)、およびTNF−α(図6E)を産生した。G−CSFの発現には差異はなかった(データは示さず)。

0116

まとめると、本発明は、上記オリゴヌクレオチドが細胞表面受容体の調節を誘導し、それにより、慢性リンパ球性白血病を治療するために使用される抗体ベースの治療の効率の増大が導かれることを記載している。調べた化合物は、最初に、健常PBMCにおけるサイトカイン誘導のそれらのそれぞれのパターンに基づいて選択した。驚くべきことに、CLL細胞上で発現される表面抗原に対する効果を分析するために使用した場合には、本発明者らは、全ての化合物が全ての受容体をアップレギュレーションするわけではなく、むしろ、特定の化合物が特定の受容体をアップレギュレーションしたことを見出した。例えば、配列番号1は、細胞表面マーカーCD20およびCD80についての最も強力なアップレギュレーターであり、一方、配列番号6は、CD23についてのもっとの強力なアップレギュレーターであった。配列番号3は、NK細胞上のCD69の強いアップレギュレーションによって示されるように、NK細胞の最も強力な活性化因子であった。配列番号1とリツキシマブとでのCLL−PBMCの併用療法によっては、単独で使用したリツキシマブと比較して、リツキシマブを介したADCCの有意な増加が生じた。CD20をアップレギュレーションするそれらの様々な能力によって示されるように、様々な化合物が、リツキシマブに誘導されるADCCを増強させる様々な能力を有していた。しかし、驚くべきことに、補体システムを介した細胞死は増加しなかった。このことは、補体システムの活性化がADCCの活性化よりも患者にとって毒性がより強いとみなされる場合には、副作用の誘導について重要であり得る。まとめると、これらの結果は、特異的化合物を特異的抗体と併用できる場合には、本発明の化合物がCLLを治療するために設計されたモノクローナル抗体療法の効力を高めることを示す。

0117

特定の実施形態が本明細書中で詳細に開示してきたが、これは、例示の目的のために例として行われたにすぎず、以下の添付の特許請求の範囲に関する限定を意図するものではない。特に、様々な置換、変更、および改変が、特許請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲から逸脱することなく本発明に対して行われ得ることが、本発明者によって考えられる。

実施例

0118

(参考文献)
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