図面 (/)

技術 基準波長を用いた成分濃度の測定方法

出願人 天津先陽科技発展有限公司
発明者 徐可欣陳文亮
出願日 2009年6月3日 (10年8ヶ月経過) 出願番号 2011-511960
公開日 2011年7月28日 (8年6ヶ月経過) 公開番号 2011-522264
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 変化関係 特徴スペクトル 方性因子 曲線特性 被測定サンプル 吸光係数α 補正グループ 変動パラメータ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2011年7月28日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (11)

課題・解決手段

基準波長を用いて成分濃度を測定するための方法は、被測定成分濃度の変化に対して光の強度がインセンシティブである波長被測定成分の基準波長として確定するステップと、基準波長及びその他の測定波長におけるスペクトルを同時に測定して取得するステップと、基準波長におけるスペクトルを内部基準とし、その他の測定波長におけるスペクトルに対してデータ処理を行うことによって、被測定成分の特異性情報を含む特徴スペクトルを求めるステップと、特徴スペクトルと被測定成分濃度との数学補正モデルを作るステップと、数学補正モデルに基づいて被測定成分の濃度を取得するステップと、を含む。

概要

背景

近赤外スペクトル法とは、主に近赤外吸収スペクトル及び化学的な計量法に基づいて、人体の成分(人体の血糖濃度等を含む)の測定を行うことに用いられる方法である。近赤外領域においては、体液軟組織(soft tissue)が比較的透明なので、近赤外光透過率が高い。また、化学的な計量法が進歩し、それが近赤外スペクトルの検出技術へ応用されるに伴い、近赤外スペクトル法を用いる定量解析感度、精度及び信頼性は大きく向上されることになった。近赤外スペクトル法は、人体の成分を損傷させずに検出する技術において最も将来性のある技術であると注目されている。成功した先行例の一つとして、近赤外スペクトル法を用いて、人体を損傷させることなく血液内酸素飽和度の検出に成功したことが挙げられる。

近赤外スペクトル(波長範囲が780nm〜2500nm)は、主に、C−H、O−H、N−H等の化学結合(chemical bond)を含む化合物が、中赤外領域での基本周波数振動ダブル周波数吸収及び複合周波数吸収によって得られたものである。Hの化学結合を含む有機物及びそれと結合する無機物等のサンプルは、その成分の含有量が変更されると、サンプルの近赤外スペクトルの特徴も変化することになる。スペクトル変化の特徴に基づいて、被測定成分濃度変化分析することができる。しかしながら、図1に示すように、人体の血液及び組織液においては、各種成分の近赤外スペクトルのオーバーラップが顕著に起こる。また、スペクトルを測定する過程に、設備機器におけるドリフトの影響、温度の変化及びバックグラウンド干渉などの要因による影響を受ける。そのため、単一の波長データを用いて補正曲線を作成する場合は、大きな誤差が生じ、高い測定精度を得ることは困難である。

一般的に、近赤外スペクトル法は、多変量解析技術と結びつけて物質の成分に対する定量測定を行うことに用いられている。具体的な方法として、図2に示すように、先ず、測定しようとする成分、即ち測定対象成分の濃度が段階的に変化する一連補正グループのサンプルを設け、各サンプルに対応する近赤外スペクトルを測定し;次に、多変量解析技術を用いて、サンプルのスペクトルマトリックス及び濃度マトリックスに対して回帰分析を行い、補正モデルを作ると共に補正モデルの回帰係数を求め;次に、未知の濃度である測定対象サンプルに対して、その近赤外スペクトルを測定し、補正モデルに基づいてスペクトルマトリックスを分解し、そして、補正モデルの回帰係数を用いて逆計算を行って測定対象成分の濃度を得る方法である。なお、部分最小二乗法PLS:Partial Least Square)は、現在、近赤外スペクトル解析において最も多く使用されかつ最も効果のある多変量モデル作成法である。

概要

基準波長を用いて成分濃度を測定するための方法は、被測定成分濃度の変化に対して光の強度がインセンシティブである波長を被測定成分の基準波長として確定するステップと、基準波長及びその他の測定波長におけるスペクトルを同時に測定して取得するステップと、基準波長におけるスペクトルを内部基準とし、その他の測定波長におけるスペクトルに対してデータ処理を行うことによって、被測定成分の特異性情報を含む特徴スペクトルを求めるステップと、特徴スペクトルと被測定成分濃度との数学補正モデルを作るステップと、数学補正モデルに基づいて被測定成分の濃度を取得するステップと、を含む。

目的

本発明は、実験に基づいて有効的に基準波長を取得する方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
- 件
牽制数
- 件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

該当するデータがありません

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

サンプル中の成分濃度を測定するための方法であって、1)被測定成分濃度の変化に対して光強度がインセンシティブである波長を、被測定成分基準波長確定するステップと、2)基準波長及びその他の測定波長におけるスペクトルを同時に測定して取得するステップと、3)基準波長におけるスペクトルを内部基準として、その他の測定波長におけるスペクトルに対してデータ処理を行うことによって、被測定成分の特異性情報を含む特徴スペクトルを求めるステップと、4)特徴スペクトルと被測定成分濃度との数学補正モデルを作るステップと、5)数学補正モデルに基づいて被測定成分の濃度を取得するステップと、を含むことを特徴とする方法。

請求項2

前記ステップ1)において、吸収係数及び散乱係数と、被測定成分の濃度との関係に基づいて、各波長における出射光強度が被測定成分濃度の変化に従って変化する関係を解析し、光強度の変化率がゼロである波長を被測定成分の基準波長として確定することを特徴とする請求項1に記載の方法。

請求項3

吸収サンプルに対して、散乱サンプルに対して、を用いて被測定成分の基準波長λrを確定する(ただし、αw、αgはそれぞれ水分子および被測定成分分子吸光係数を示し、kは被測定成分と水との間の置換係数を示し、gは散乱サンプルの異方性因子を示し、nsは散乱サンプルにおける散乱粒子屈折率を示し、nwは水の屈折率を示し、rは散乱粒子の半径を示し、ρsは単位体積のサンプル中の散乱粒子の個数(nm−3)を示す)ことを特徴とする請求項2に記載の方法。

請求項4

前記ステップ1)において、サンプル中の被測定成分の濃度を変更させ、変更後の濃度に対応するスペクトルを測定することによって、異なる濃度のサンプル間の差分スペクトルを求め、差分スペクトルの曲線がゼロの値に交差する箇所に対応する波長を、被測定成分の基準波長として確定することを特徴とする請求項1に記載の方法。

請求項5

ブドウ糖水溶液において、ブドウ糖の基準波長が1525nmであることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の方法。

請求項6

光強度が被測定成分の濃度の変化に対して最もセンシティブである波長を、最適な測定波長として選択することを特徴とする請求項1に記載の方法。

請求項7

前記ステップ3)において、純吸収サンプルに対して、被測定成分の濃度変化の情報を含む特異性情報は、であり、散乱サンプルに対して、被測定成分の濃度変化の情報を含む特異性情報は、であるように、被測定成分の特異性情報を取得する(ただし、Is(λ)、Ib(λ)はそれぞれ基準波長における被測定サンプルの出射光強度及びバックグラウンドサンプルの出射光強度を示し、Is(λ)、Ib(λ)はそれぞれその他の測定波長における被測定サンプルの出射光強度及びバックグラウンドサンプルの出射光強度を示し、I0(tb,λr)、I0(tb,λ)は、それぞれ、バックグラウンドサンプルを測定するときの、基準波長及びその他の測定波長における入射光強度を示し、KΔcはサンプル中の測定対象成分のΔcの濃度変化による光路長の変化のパーセント係数を示している)ことを特徴とする請求項1に記載の方法。

請求項8

ステップ3)を実行した後に、二つのサンプル間のスペクトル差信号を、温度変化による差信号と被測定成分の濃度変化による差信号との和で示し、そのうち、被測定成分の基準波長において被測定成分濃度による差信号がゼロであるステップと、基準波長における光強度の差信号に基づいて、サンプルを測定する時の温度変化を算出してサンプルの実際の測定温度を取得するステップと、その他の測定波長における光強度に対して温度の補正を行い、補正グループ温度に対応する測定スペクトルを取得するステップと、を実行することによって、サンプルのスペクトルに対して温度の補正を行うことを特徴とする請求項1に記載の方法。

請求項9

部分最小二乗法または純信号解析法を用いて数学補正モデルを作ることを特徴とする請求項1に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、近赤外スペクトルを用いた物質成分濃度測定方法に関するものである。

背景技術

0002

近赤外スペクトル法とは、主に近赤外吸収スペクトル及び化学的な計量法に基づいて、人体の成分(人体の血糖濃度等を含む)の測定を行うことに用いられる方法である。近赤外領域においては、体液軟組織(soft tissue)が比較的透明なので、近赤外光透過率が高い。また、化学的な計量法が進歩し、それが近赤外スペクトルの検出技術へ応用されるに伴い、近赤外スペクトル法を用いる定量解析感度、精度及び信頼性は大きく向上されることになった。近赤外スペクトル法は、人体の成分を損傷させずに検出する技術において最も将来性のある技術であると注目されている。成功した先行例の一つとして、近赤外スペクトル法を用いて、人体を損傷させることなく血液内酸素飽和度の検出に成功したことが挙げられる。

0003

近赤外スペクトル(波長範囲が780nm〜2500nm)は、主に、C−H、O−H、N−H等の化学結合(chemical bond)を含む化合物が、中赤外領域での基本周波数振動ダブル周波数吸収及び複合周波数吸収によって得られたものである。Hの化学結合を含む有機物及びそれと結合する無機物等のサンプルは、その成分の含有量が変更されると、サンプルの近赤外スペクトルの特徴も変化することになる。スペクトル変化の特徴に基づいて、被測定成分濃度変化分析することができる。しかしながら、図1に示すように、人体の血液及び組織液においては、各種成分の近赤外スペクトルのオーバーラップが顕著に起こる。また、スペクトルを測定する過程に、設備機器におけるドリフトの影響、温度の変化及びバックグラウンド干渉などの要因による影響を受ける。そのため、単一の波長データを用いて補正曲線を作成する場合は、大きな誤差が生じ、高い測定精度を得ることは困難である。

0004

一般的に、近赤外スペクトル法は、多変量解析技術と結びつけて物質の成分に対する定量測定を行うことに用いられている。具体的な方法として、図2に示すように、先ず、測定しようとする成分、即ち測定対象成分の濃度が段階的に変化する一連補正グループのサンプルを設け、各サンプルに対応する近赤外スペクトルを測定し;次に、多変量解析技術を用いて、サンプルのスペクトルマトリックス及び濃度マトリックスに対して回帰分析を行い、補正モデルを作ると共に補正モデルの回帰係数を求め;次に、未知の濃度である測定対象サンプルに対して、その近赤外スペクトルを測定し、補正モデルに基づいてスペクトルマトリックスを分解し、そして、補正モデルの回帰係数を用いて逆計算を行って測定対象成分の濃度を得る方法である。なお、部分最小二乗法PLS:Partial Least Square)は、現在、近赤外スペクトル解析において最も多く使用されかつ最も効果のある多変量モデル作成法である。

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、近赤外スペクトル法は、人体の成分を損傷せずに測定を行う技術によって実現できる最適な方法の一つであるが、その実現のための技術は非常に複雑である。ここで、人体を損傷させずに行う血糖濃度測定を例に挙げて説明する。先ず、組織自体の光学特性が非常に複雑であるので、近赤外光が体内動態変化する人体組織を透過する際に非線形的散乱が生じることになり、このため、血糖の信号を抽出することが非常に困難である。また、人の体内における血糖の含有量は低く、血糖濃度の変化によるスペクトル信号は非常に弱い。そして、ブドウ糖自体の吸収が、人体内におけるその他の成分の吸収と非常にオーバーラップする。人体内の水分、蛋白質脂肪などの物質による強い吸収、体温の変化及びその他の生理条件の変化による影響は、干渉の主な要因となっている。近赤外スペクトル法を用いて人体の血糖濃度を測定するために、オーバーラップが複雑に生じていたバックグラウンドから、微弱糖濃度の変化による特異性情報を抽出することが必要になる。また、情報の抽出過程で、人体の各種の生理的要因による制約及び影響を受けてしまう。

課題を解決するための手段

0006

本発明は、近赤外スペクトル測定の過程において、被測定成分以外のその他の要因による干渉を排除し、成分濃度の測定精度及び感度を向上させるため、基準波長を利用した濃度の測定を実現する方法を提案する。被測定成分の濃度が異なるという条件下で得られたサンプルの近赤外吸収スペクトルの特徴に基づいて、当該成分の基準波長を決定し、さらに、基準波長における信号変化の特徴に基づいて、基準波長法を用いて全帯域のスペクトル信号に対してデータ処理を行うことにより、被測定成分の特徴スペクトル信号を求める。そして、この特徴スペクトル信号のマトリックスと被測定成分の濃度マトリックスとの間の数学補正モデルをたてて、被測定成分の濃度を測定する。

図面の簡単な説明

0007

図1は、血液成分の近赤外吸収スペクトルを示す図である。
図2は、近赤外スペクトル法による定量解析の原理を示すブロック図である。
図3は、ブドウ糖と水との吸光係数比率を示す図である。
図4は、二成分サンプル実験におけるブドウ糖の基準波長特性を示す図である。
図5は、三成分サンプルの実験におけるブドウ糖の基準波長特性を示す図である。
図6は、四成分サンプルの実験におけるブドウ糖の基準波長特性を示す図である。
図7は、ブドウ糖水溶液の実験における基準波長の温度特性を示す図である。
図8は、異なる温度下でのブドウ糖水溶液の置換吸光係数の曲線を示す図である。
図9は、温度補正の前における、異なる温度でのブドウ糖水溶液の吸光度差の値の信号曲線(図において、Tgはブドウ糖水溶液の測定時のサンプル温度を示し、Twは純水バックグラウンドの測定時のサンプル温度である)を示す図である。
図10は、温度補正の後における、異なる温度でのブドウ糖の特徴的な信号曲線(図において、Tgはブドウ糖水溶液の測定時のサンプル温度を示し、Twは純水バックグラウンドの測定時のサンプル温度である)を示す図である。

実施例

0008

(被測定成分の基準波長の取得)
本発明において、まず、基準波長の存在特性を取得して証明することと、異なる被測定成分に対する基準波長の値を取得することとを解決する必要がある。そして、これを基に、相関するデータの前処理モデル(Pretreatment Model)を作ることによって、濃度信号を有効的に抽出することが実現される。本発明は、理論推理により基準波長を証明する方法と、実験により基準波長を取得する方法とを提案した。

0009

理論推理によりその方法を導く際、被測定成分と水またはその他の溶剤との体積置換原理に基づいて、当該被測定成分の濃度変化がサンプル吸収係数及び散乱係数に与える影響を算出し、その後、スペクトルが成分濃度に従う変化関係を推理し又は擬似算出し、成分濃度の変化に従って光強度がゼロになった波長を、当該被測定成分の基準波長として定義する。本発明においては、ブドウ糖の測定を例として説明し、基準波長の存在を理論上から証明する。

0010

先ず、純吸収サンプルにおける基準波長の存在特性について解析する。ブドウ糖水溶液のサンプルについて、ブドウ糖が加えられた後、ブドウ糖分子の濃度が増大するにつれ、ブドウ糖の固有吸収は増大していく。他方、ブドウ糖分子は、一部の水分子と置換することによって、水分子の濃度が小さくなるにつれ、水の固有吸収が小さくなっていく。そのため、ブドウ糖水溶液のサンプル溶液における吸光度と、純水のバックグラウンド溶液における吸光度が、それぞれ、下記の式(1)と式(2)で示されることができる。すなわち、



ここで、Ab、Asは、それぞれ、純水のバックグラウンド溶液の吸光度とブドウ糖水溶液の吸光度を示し、Cwは、純水の質量濃度を示し、ΔCgは、サンプル中のブドウ糖の質量濃度変化を示し、ΔCwは、サンプル中のブドウ糖の濃度変化がΔCgであるに応じて水の質量濃度の変化を示す。また、αw及びαgは、それぞれ水分子とブドウ糖分子の吸光係数を示す。図1に、その波長特性を示す。

0011

サンプル及びバックグラウンドの吸光度に対して差分処理を行い、サンプルとバックグラウンドの測定条件が一致した場合、ブドウ糖の濃度変化による特徴信号AGは、下記の式(3)で示される。



ブドウ糖の基準波長において、サンプルの吸光度はブドウ糖の濃度の変化に従って変化せず、即ち、AG=0である。そのため、式(3)から、下記の式(4)が得られる。

0012

既知の研究成果によれば、温度が20℃である場合、純水のモル濃度はCw0=55.4Mである。そして、ブドウ糖濃度が1mM増加するにつれて、蒸留水分子のモル濃度は0.0111%減少する。従って、式(4)に基づいてさらに下記の式(5)が導き出される。



即ち、ブドウ糖分子と水分子の吸光係数の比率が0.6217である場合、対応する波長はブドウ糖測定の基準波長となる。図4から分かる通り、波長1525nmにおいて、ブドウ糖分子と水分子の吸光係数の比率が、およそ0.6217である。従って、ブドウ糖を測定する際、基準波長は波長1525nmである。

0013

また、人体組織等の複雑に散乱するサンプルについて、ブドウ糖の濃度変化は、サンプルの吸収係数(吸収係数は吸光係数と質量濃度との積である)及び散乱係数の変化を共に引き起こす。これら二つの総合的な作用により、出射光の強度が変化する。従って、基準波長は、吸収効果散乱効果とが相互に相殺した波長である。即ち、



我々が前期に行った研究によれば、以下の式が導き出された。



ここで、I(λ)、I0(λ)はそれぞれ出射光強度及び入射光強度を示し、μα、μsはそれぞれ散乱サンプルの吸収係数及び散乱係数を示し、gは散乱サンプルの異方性因子を示し、lはサンプル中における出射光の伝送経路長を示す。また、nsは散乱サンプルにおける散乱粒子屈折率を示し、nwは水の屈折率を示している。rは散乱粒子の半径を示し、ρsは単位体積あたりのサンプル中における散乱粒子の個数(nm−3)を示す。

0014

式(6)〜(10)によれば、散乱サンプル中において、基準波長λrの存在条件は、下記の式(11)で示される。

0015

上述した理論推理法において、サンプル中における各組成成分モル吸光係数及び各成分間の置換関係式を確実に知る必要がある。より複雑なサンプルに対して、本発明は、実験に基づいて有効的に基準波長を取得する方法を提供する。

0016

実験による確定法は具体的に以下のステップを含む。即ち、(1)被測定成分の濃度が異なる条件下でのサンプルのスペクトルIs1(λ)、Is2(λ)、Is3(λ)、・・・と、被測定成分の濃度がゼロである場合のバックグラウンドサンプルのスペクトルIb1(λ))、Ib2(λ)、Ib3(λ)、・・・とを測定するステップ、(2)各被測定サンプルと、対応するバックグラウンドサンプルの光強度とに対して差分処理を行うことによって、濃度の異なるサンプルの差分スペクトル、即ち被測定成分の濃度情報が含まれた特徴スペクトル信号A濃度1(λ)、A濃度2(λ)、A濃度3(λ)、・・・を取得するステップ;(3)被測定成分の差分スペクトルの特徴を解析し、各差分スペクトル曲線がゼロの値と交差する波長を被測定成分の基準波長とするステップとが含まれることを特徴とする。

0017

本発明は、二成分実験(ブドウ糖+水)、三成分実験(アルブミン+ブドウ糖+水)と、四成分実験(ヘモグロビン+アルブミン+ブドウ糖+水)などの一連のサンプルをそれぞれ用いて、簡単なものから複雑なものへ実験を行うことによって、基準波長の存在特性を検証した。実験結果は、それぞれ図4図5及び図6に示されている。各回の実験から得られた差分吸光度の曲線は、波長1525nmにおいてゼロの値で交差している。即ち、純吸収水溶液サンプル中におけるブドウ糖の基準波長は1525nmである。

0018

また、本発明は、二成分ブドウ糖水溶液を用いて、実験により基準波長の位置の温度特性を解析した。ここで、それぞれ、30度、34度と38℃のサンプル温度での差分吸光度の曲線特性を解析した。図7に示すように、異なる温度下での差分吸光度は、いずれも波長1525nmの所でゼロの値に交差している。即ち、ブドウ糖の基準波長の位置は、温度の変化に従ってシフトせず、固定の1525nmとなっている。

0019

(基準波長法に基づいて被測定成分の特異性信号の抽出)
人体の成分に対して、微細な損傷かまたは損傷させずに検出を行う際、異なる時間における測定スペクトル間には、機器システムのドリフト、その他の人体成分の変化および人体の生理状態の変化などのバックグラウンドノイズが存在するので、被測定成分の測定精度に影響を与える。本発明は、基準波長法を用いて、スペクトルのデータに対して前処理を行うことにより、これらのノイズによる干渉を有効的に排除することができる。基準波長法を用いてデータ処理を行う方法の核心となる内容は、測定過程において、基準波長において得られる光強度値または吸光度値変動パラメーターとし、このパラメーターの値が、サンプル中に被測定成分以外その他の原因によるノイズの干渉を反映したが被測定成分の濃度変化とは無関係であるということである。基準波長における信号に基づいて、その他の波長におけるスペクトル信号に対して差分処理を行うことにより、各種のノイズの干渉を排除することができ、被測定成分から信号をピックアップする特異性が増強される。

0020

純吸収サンプル条件下での出射光の強度は、完全にランベルトベール法則(Lambert‐Beer law)に従うことになっている。ここで、被測定成分濃度の変化をΔcとする時、光源のドリフト及び測定環境ランダムな干渉からの影響によって、サンプル測定時の入射光強度が、バックグラウンド物質の測定時の入射光強度に対し、一定の比例ずれηが存在し、且つ、バックグラウンドとサンプルのスペクトル測定時にその他の成分濃度の変化も存在している。よって、バックグラウンドおよびサンプルの受光強度は、それぞれ、以下の式(12)、(13)で示される。

0021

式(12)、(13)において、Is、Ibは、それぞれ、サンプル及びバックグラウンドの受光強度を示しており、I0(tb,λ)は、バックグラウンド測定時の入射光強度であり、μaはバックグラウンド溶液の吸収係数を示したものであり、Δμa_Δcは、被測定成分濃度変化がΔcである時に引き起こされたサンプル吸収係数の変化を示したものであり、Δμa_Δotherは、その他の干渉成分の変化によって引き起こされた吸収係数の変化を示したものであり、lは、測定した光路長を示している。

0022

また、測定対象成分の濃度特異性信号は、下記の式(14)で示すことができる。



なお、式(14)において、AG(λ)=Δμa_Δc(λ)・l,AΔother(λ)=Δμa_Δother(λ)・lである。

0023

基準波長λrにおいて、受光強度は被測定成分の濃度変化に対してインセンシティブである。そのため、基準波長λrにおいて生じた光強度の変化が、完全にバックグラウンドノイズによるものだと考えられる。したがって、被測定成分の濃度変化による溶液の吸光度の変化は、ゼロとなる。即ち、
AG(λ)=0 ・・・(15)
式(14)および式(15)によって、基準波長におけるバックグラウンドノイズは、下記の式(16)で示される。

0024

サンプルとバックグラウンドとの間で、その他の成分の濃度変化が比較的小さい時、AΔother(λ)≒AΔother(λr)に近似することができる。さらに、純吸収サンプルに対して、基準波長に基づいて被測定成分の特異性の信号を抽出する式は、下記の式(17)で示される。

0025

人体の組織等の複雑な散乱サンプルに対しては、吸収効果および散乱効果による影響を同時に考慮しなければならない。補正されたランベルト・ベール法則に基づき、サンプルに入射される入射光の強度の変動を考慮した場合に、ある濃度におけるバックグラウンド及びサンプルからの出射光の強度は、波長λにおいてそれぞれ下記の式(18)、(19)で示される。



ここで、μeffは、バックグラウンドサンプルの有効減衰係数を示しており、Δμeff-Δcは、被測定成分濃度のΔcの増加によるサンプルの有効減衰係数の変化を示しており、leffは、光が散乱サンプルを通過する際の有効光路長を示しており、KΔcは、散乱サンプルにおける被測定成分濃度のΔcの増加による光路長の変化のパーセントを示している。

0026

式(18)と式(19)から、下記の式(20)で示された被測定成分の濃度特異性信号を得ることができる。



基準波長が存在するという条件によって、基準波長λrにおいてはAG(λr)=0である。即ち、



である。

0027

式(21)を式(20)に代入すると、人体の組織等の複雑な散乱サンプルから基準波長に基づいて、被測定成分の特異性信号を抽出する下記の式(22)が求められる。

0028

本発明に提案された基準波長のデータ処理方法によって、基準波長と測定波長におけるサンプルおよびバックグラウンドのそれぞれのスペクトル信号を測定した上で、式(17)又は(22)によって被測定成分の特異性信号を求めることができるので、システムのドリフト及び各種のバックグラウンド変化による干渉を有効的に排除でき、被測定成分の測定精度を向上させることができる。この方法は、血糖濃度などの人の体内にある微弱な成分の検出に適用できる。

0029

(スペクトルの温度補正方法
近赤外スペクトル法を用いて成分濃度を検出する時に、測定されるスペクトルはサンプル温度の変動によって顕著なずれが生じるので、成分濃度の測定精度への影響が生じてしまう。本発明は、基準波長の特性に基づいて、サンプルのスペクトルに対するリアルタイム温度補正を行う方法を提案した。

0030

ブドウ糖の測定を例として説明する。ここで、ブドウ糖と蒸留水との体積置換係数をkと定義する。即ち、



また、ブドウ糖水溶液の置換吸光係数は、下記の式(24)のように示されている。



式(2)及び式(24)において、αw、αg、cw及びkのうちのいずれの値も温度に関連している。

0031

異なる温度下で、ブドウ糖水溶液と、相応する蒸留水とのスペクトルを測定して、異なる温度下でのブドウ糖水溶液の吸光係数αTtotal(λ)を算出する。図8に示すように、αTtotal(λ)は温度の変化に従って変更しないことである。

0032

バックグラウンド溶液の純水温度をT1とし、ブドウ糖水溶液の温度をT2とすると、二者間における吸光度の差は下記の式(25)のように示される。



ここで、



と定義する。

0033

異なる温度下でのサンプルの吸光度の差は、温度の変化による吸光度差と、糖濃度の変化による吸光度差との和として示すことができる。即ち、



ここで、ΔAG(λ)は、測定中に抽出すべきブドウ糖の特性信号であり、ΔAT(λ)は、温度変化によって引き起こされた干渉信号を示している。

0034

基準波長の定義によれば、基準波長においてΔAG(λr)=0、従って、
ΔA(λr)=ΔAT(λr) ・・・(27)
となる。

0035

このため、基準波長における吸光度の変化は、完全に蒸留水の吸収係数が温度につれて変化することによるものである。故に、基準波長における吸光度の差の値によれば、ブドウ糖溶液サンプルの測定時の温度と、純水のバックグラウンドの測定時の温度との実際温度の差を算出することができる。

0036

実験を行うことにより、異なる温度の下での蒸留水の吸光係数及び質量濃度を確定することができる。このため、基準波長解析法を用いてブドウ糖溶液サンプルと純水バックグラウンドとの測定温度を取得した場合には、対応するΔAT(λ)の値を算出することができる。従って、式(26)に基づいて、温度の干渉が排除された後のブドウ糖の特徴信号を以下のように取得できる。
ΔAG(λ)=ΔA(λ)−ΔAT(λ)・・・(28)
ここで、上述スペクトルに対する温度補正方法について、実験により検証を行った。具体的には、30℃の温度下で、純水バックグラウンドのスペクトルを測定し、その後、30℃、34℃及び38℃の温度下で、30mg/dLのブドウ糖溶液サンプルのスペクトルを測定した。そして、式(25)に基づいて、直接的にサンプルとバックグラウンドとの吸光度の差を算出した。

0037

図9に示された通り、サンプルの温度変化の影響により、同一のブドウ糖濃度を有するサンプルが、異なる温度下での吸光度差の値の情報には明らかな違いが見られる。このようなスペクトルを用いるモデルの解析を行うと、必ず温度変化の干渉が存在するため、ブドウ糖濃度の測定精度に影響されることになる。これに対して、基準波長を用いたスペクトル温度補正方法に基づいて、上述したスペクトルを数学的な処理を行うことによって、ブドウ糖の特徴的なスペクトル信号を取得した。図10に示された通り、異なる温度下でのスペクトル信号は完全に重なり合っている。従って、本発明に提案された、基準波長の技術に基づいてスペクトルの温度補正を行う方法によれば、スペクトルに対する温度による干渉を効率良く排除することができるため、近赤外スペクトル成分の濃度検出技術の測定精度を高めることができる。

0038

以上で述べられた内容は、本発明の実施例に限られるものであり、本発明によって提案されたシステム又は方法に対する限定ではない。本発明の保護される範囲は、添付した請求の範囲及びその等価物により限定されるべきものである。当業者は、本発明の範囲および主旨を逸脱することなしに本発明に種々の補正、切り替え及び変更を行うことが可能であることを理解できる。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

この 技術と関連性が強い技術

該当するデータがありません

この 技術と関連性が強い法人

該当するデータがありません

この 技術と関連性が強い人物

該当するデータがありません

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ