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図面 (4)

課題・解決手段

天然ヌクレアーゼを形成するためにDNA結合ドメインおよび切断ドメイン(または切断ハーフドメイン)を連結するための組成物が、本明細書中で開示される。これらのリンカーを含む組成物を製造し、使用する方法も記載される。

概要

背景

切断ドメインと操作可能的に連結されたDNA結合ドメインを含む人工ヌクレアーゼは、ゲノム配列の標的化変更のために用いられてきた。例えば、ジンクフィンガーヌクレアーゼは、外因性配列を挿入し、1つ以上の内因性遺伝子不活性化し、変更された遺伝子発現パターンを有する生物体(例えば作物)および細胞株を作製する等のために用いられてきた。例えば、米国特許出願公開第20050064474号;同第20060063231号;同第20070134796号;同第20080015164号および国際公開第2007/139982号を参照されたい。

一対のジンクフィンガーヌクレアーゼは、典型的には、ゲノム配列を切断するために用いられる。この対におけるそれぞれのメンバーは、一般的には、ヌクレアーゼの1つ以上の切断ドメイン(またはハーフドメイン)と連結される、改変された(非天然ジンクフィンガータンパク質を含む。ジンクフィンガータンパク質がそれらの標的部位と結合する場合、それらのジンクフィンガータンパク質と連結される切断ドメインは、二量体化およびその後のゲノムの切断が、ジンクフィンガーヌクレアーゼの対の間で一般的に起こり得るよう、配置される。

FN対の切断活性は、ジンクフィンガーおよび切断ドメインを連結するリンカー(「ZC」リンカー)の長さ、ならびに標的部位(結合部位)間の距離の両方に関連する、ということが示されている。例えば、Smith et al.(2000)Nucleic Acid Res.28:3361−3369;Bibikova et al.(2001)Mol.Cell.Biol.21:289−297を参照されたい。ジンクフィンガーヌクレアーゼ融合タンパク質(ZFN)の対を用いる場合、一般に利用可能なZCリンカーおよび切断ハーフドメインによる最適切断は、融合タンパク質に関する結合部位が(各結合部位の近い縁から測定して)5または6ヌクレオチド離れて位置する場合に得られている。例えば米国特許出願公開第20050064474号を参照されたい。

したがって、人工ヌクレアーゼが、5bpまたは6bp以外の結合部位分離で内因性ゲノム配列を切断し得る標的化修飾を可能にする方法および組成物に対する必要性が依然として存在する。異なる空間的配置を有する配列を標的にする能力は、切断され得るゲノム標的の数を増大する。異なる数の塩基対により分離される標的部位間の優先度の変更も、人工ヌクレアーゼをより大きな特異性で作用させる。

概要

非天然ヌクレアーゼを形成するためにDNA結合ドメインおよび切断ドメイン(または切断ハーフドメイン)を連結するための組成物が、本明細書中で開示される。これらのリンカーを含む組成物を製造し、使用する方法も記載される。

目的

本開示は、対象領域における細胞クロマチンの標的化切断、および/または細胞中の対象予定領域での相同組換えのためのこれらの融合タンパク質の使用方法、およびその組成物も提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

この技術が所属する分野

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請求項1

N末端およびC末端を有するDNA結合ドメイン;N末端およびC末端を有する切断ドメインであって、前記切断ドメインの前記N末端領域中のアミノ酸残基野生型と比較した場合に変更されているドメイン;DNA結合ドメインのC末端と切断ドメインのN末端との間のZCリンカー(配列番号2)を含む融合タンパク質

請求項2

前記切断ドメインの前記N末端領域の変更が、1つ以上のアミノ酸残基の付加、1つ以上のアミノ酸残基の置換野生型アミノ酸欠失、およびそれらの組合せからなる群から選択される請求項1記載の融合タンパク質。

請求項3

前記切断ドメインが前記野生型切断ドメインと比較して3または5個の付加的アミノ酸残基を含む請求項2記載の融合タンパク質。

請求項4

前記付加的アミノ酸残基がアミノ酸残基EXXXR(配列番号9)またはEXXXK(配列番号10)(Xはプロリンまたはグリシン以外の任意のアミノ酸残基である)を含む請求項3記載の融合タンパク質。

請求項5

前記DNA結合ドメインがジンクフィンガータンパク質である請求項1〜4のいずれか一項に記載の融合タンパク質。

請求項6

前記切断ドメインがTypeIIS制限酵素からの切断ドメインを含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の融合タンパク質。

請求項7

請求項1〜6のいずれか一項に記載の少なくとも1つの融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド

請求項8

請求項1〜6のいずれか一項に記載の融合タンパク質または請求項7記載のポリヌクレオチドを含む細胞

請求項9

細胞中の対象領域における細胞クロマチンの標的化切断のための方法であって、細胞クロマチンが対象領域で切断されるような条件下で細胞中の一対のヌクレアーゼ発現することを包含し、前記ヌクレアーゼが対象領域中の標的部位と結合し、さらに、少なくとも1つのヌクレアーゼが請求項1〜6のいずれか一項に記載の融合タンパク質を含む、方法。

請求項10

両ヌクレアーゼが請求項1〜6記載の融合タンパク質を含む請求項9記載の方法。

請求項11

前記ヌクレアーゼに関する標的部位が3〜9塩基対離れている請求項9記載の方法。

請求項12

(a)対象領域中の第一配列を選択すること;(b)前記第一配列と結合するために第一ジンクフィンガー結合ドメイン改変すること;(c)細胞中で第一融合タンパク質を発現すること(前記第一融合タンパク質は前記第一ジンクフィンガー結合ドメイン、切断ハーフドメインを含む);ならびに(d)細胞中で第二融合タンパク質を発現すること(前記第二融合タンパク質は第二ジンクフィンガー結合ドメインおよび第二切断ハーフドメインを含む)、を含む請求項9記載の方法であって、細胞クロマチンが対象領域で切断されるよう、前記第一または第二融合タンパク質のうちの少なくとも1つが請求項1〜6のいずれか一項に記載の融合タンパク質を含み、さらに、前記第一融合タンパク質が第一配列と結合し、第二融合タンパク質が前記第一配列から2〜50ヌクレオチドに位置する第二配列と結合する方法。

請求項13

両融合タンパク質が請求項1〜6のいずれか一項に記載の融合タンパク質を含む請求項12記載の方法。

請求項14

前記細胞中にドナーポリヌクレオチドを導入することをさらに含む請求項12または請求項13記載の方法であって、前記ドナーポリヌクレオチドの全部または一部が切断後に対象領域中に組み入れられる方法。

請求項15

ヌクレアーゼを産生するためのキットであって、1つ以上の容器中に含入される請求項1〜6のいずれか一項に記載の融合タンパク質または請求項7記載のポリヌクレオチド、任意のハードウェア、ならびにキットの使用のための使用説明書を包含するキット。

請求項16

ドナーポリヌクレオチドをさらに含む請求項16記載のキット。

技術分野

0001

連邦政府による資金提供を受けた研究開発記述
適用なし

0002

本発明の開示は、ゲノムおよびタンパク質工学の分野に関する。

背景技術

0003

切断ドメインと操作可能的に連結されたDNA結合ドメインを含む人工ヌクレアーゼは、ゲノム配列の標的化変更のために用いられてきた。例えば、ジンクフィンガーヌクレアーゼは、外因性配列を挿入し、1つ以上の内因性遺伝子不活性化し、変更された遺伝子発現パターンを有する生物体(例えば作物)および細胞株を作製する等のために用いられてきた。例えば、米国特許出願公開第20050064474号;同第20060063231号;同第20070134796号;同第20080015164号および国際公開第2007/139982号を参照されたい。

0004

一対のジンクフィンガーヌクレアーゼは、典型的には、ゲノム配列を切断するために用いられる。この対におけるそれぞれのメンバーは、一般的には、ヌクレアーゼの1つ以上の切断ドメイン(またはハーフドメイン)と連結される、改変された(非天然ジンクフィンガータンパク質を含む。ジンクフィンガータンパク質がそれらの標的部位と結合する場合、それらのジンクフィンガータンパク質と連結される切断ドメインは、二量体化およびその後のゲノムの切断が、ジンクフィンガーヌクレアーゼの対の間で一般的に起こり得るよう、配置される。

0005

FN対の切断活性は、ジンクフィンガーおよび切断ドメインを連結するリンカー(「ZC」リンカー)の長さ、ならびに標的部位(結合部位)間の距離の両方に関連する、ということが示されている。例えば、Smith et al.(2000)Nucleic Acid Res.28:3361−3369;Bibikova et al.(2001)Mol.Cell.Biol.21:289−297を参照されたい。ジンクフィンガーヌクレアーゼ融合タンパク質(ZFN)の対を用いる場合、一般に利用可能なZCリンカーおよび切断ハーフドメインによる最適切断は、融合タンパク質に関する結合部位が(各結合部位の近い縁から測定して)5または6ヌクレオチド離れて位置する場合に得られている。例えば米国特許出願公開第20050064474号を参照されたい。

0006

したがって、人工ヌクレアーゼが、5bpまたは6bp以外の結合部位分離で内因性ゲノム配列を切断し得る標的化修飾を可能にする方法および組成物に対する必要性が依然として存在する。異なる空間的配置を有する配列を標的にする能力は、切断され得るゲノム標的の数を増大する。異なる数の塩基対により分離される標的部位間の優先度の変更も、人工ヌクレアーゼをより大きな特異性で作用させる。

発明が解決しようとする課題

0007

ヌクレアーゼ、例えば従来のリンカーと比較して変更された標的部位分離(gap)優先度を有するヌクレアーゼを形成するためにDNA結合ドメインおよび切断ドメインを連結するための組成物が、本明細書中で開示される。本開示は、対象領域における細胞クロマチンの標的化切断、および/または細胞中の対象予定領域での相同組換えのためのこれらの融合タンパク質の使用方法、およびその組成物も提供する。

0008

したがって、一態様において、本明細書中に記載されるリンカーは、従来のZCリンカーを含み、さらに、切断ドメインのN末端領域を変更する配列を包含する。ある実施形態では、変更は、例えば、安定的なαらせん立体配座を採用し、および/または野生型切断ドメインのα立体配座を伸張するN末端配列を形成するために、N末端領域における付加または置換を包含する。したがって、N末端領域の変更は、野生型残基の付加、置換および/または欠失、例えばFokI切断ハーフドメインのN末端領域における野生型残基の欠失、ならびに付加的残基の挿入を包含し得る。ある実施形態では、切断ドメインは、野生型と比較して切断ドメイン中に3または5つの付加的アミノ酸残基を、例えばEXXXR(配列番号9)またはEXXXK(配列番号10)(ここで、Xはプロリンまたはグリシン以外の任意のアミノ酸残基である)を含む切断ドメインN末端領域を包含する。ある実施形態では、切断ドメインのN末端に対する変更は、図2または3に示されるものである。ある実施形態では、N末端領域に対する変更は、αらせんが切断ドメインのN末端領域中に形成されるようなものである。5または6塩基対分離されたDNA配列を切断するために二量体化するZFNに組み入れられる以前に開示された切断ドメインと違って、本発明の開示の切断ドメインは、ZFNの対の標的部位が5または6塩基対離れていない場合、標的化切断を可能にする。

0009

N末端領域を変更することにより切断ドメインが生成される実施形態のいずれかにおいて、切断ドメインの野生型αらせん領域は変更され得ない。さらに、変更されたN末端領域は、野生型切断ドメイン中のN末端の大部分のらせんを伸張し得る(例えば、野生型FokI切断ドメインのELEEKKSELRHK配列へのEXXXR(配列番号9)またはEXXXK(配列番号10)N末端の付加)らせんを形成するよう意図され得る。

0010

別の態様では、ジンクフィンガー結合ドメイン(例えば、改変されたジンクフィンガー結合ドメイン)、切断ハーフドメインおよび本明細書中に記載されるようなリンカーを含む融合ポリペプチドが提供される。

0011

別の態様では、本明細書中に記載されるようなリンカーまたは融合タンパク質のいずれかをコードするポリヌクレオチドが提供される。

0012

さらに別の態様では、ポリペプチド(例えば、融合ポリペプチド)および/または本明細書中に記載されるようなポリヌクレオチドも提供される。一実施形態では、細胞は、各々が本明細書中に開示されるような切断ドメインを含む一対の融合ポリペプチドを含む。

0013

さらに別の態様では、対象領域における細胞クロマチンの標的化切断のための方法;相同組換えを細胞中で起こさせる方法;感染を治療する方法;および/または疾患を治療する方法が提供される。方法は、そのうちの少なくとも1つが本明細書中に記載されるようなリンカー(例えば、ZCリンカーおよび変更された切断ドメイン)を含む一対の融合ポリペプチドを発現するために細胞中の対象予定領域で細胞クロマチンを切断することを包含する。ある実施形態では、一融合ポリペプチドは、本明細書中に記載されるようなリンカー(例えば、ZCリンカー、および切断ドメインの変更されたN末端領域)を含み、そして他の実施形態では、両融合ポリペプチドは、本明細書中に記載されるようなリンカー(例えば、ZCリンカー、および切断ドメインの変更されたN末端領域)を含む。さらに、本明細書中に記載される方法のいずれかにおいて、ジンクフィンガーヌクレアーゼに関する結合部位が3、4、5、6、7、8、9またはそれより多くの塩基対離れている場合、融合ポリペプチド対は標的化領域を切断する。

0014

本明細書中に記載されるようなリンカーを含むポリペプチドは、対象領域における細胞クロマチンの標的化切断、および/または細胞中の対象予定領域での相同組換えのための方法に用いられ得る。細胞としては、培養細胞、生物体中の細胞、ならびに細胞および/またはそれらの子孫が治療後に生物体に戻される症例における治療のために生物体から取り出された細胞が挙げられる。細胞クロマチン中の対象領域は、例えばゲノム配列またはその一部であり得る。

0015

融合タンパク質は、例えば、細胞に融合タンパク質を送達することにより、または細胞に融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを送達することにより、細胞中で発現され得るが、この場合、ポリヌクレオチドは、DNAである場合、転写され、細胞に送達されるRNA分子または細胞に送達されるDNA分子転写物翻訳されて、融合タンパク質を精製する。細胞へのポリヌクレオチドおよびポリペプチド送達のための方法は、本開示中の他の箇所で示される。

0016

したがって、別の態様では、対象領域中の細胞クロマチンを切断するための方法は、(a)対象領域中の第一配列を選択すること;(b)第一配列と結合するために第一ジンクフィンガー結合ドメインを改変すること;(c)細胞中で第一融合タンパク質を発現すること(前記第一融合タンパク質は前記第一ジンクフィンガー結合ドメイン、切断ハーフドメインを含む);ならびに(d)細胞中で第二融合タンパク質を発現すること(前記第二融合タンパク質は第二ジンクフィンガー結合ドメインおよび第二切断ハーフドメインを含む)を包含し、この場合、細胞クロマチンが対象領域で切断されるよう、融合タンパク質のうちの少なくとも1つが本明細書中に記載されるようなリンカー(例えば、ZCリンカーおよび切断ドメインの変更されたN末端領域)を含み、さらに、第一融合タンパク質が第一配列と結合し、第二融合タンパク質が第一配列から2〜50ヌクレオチドに位置する第二配列と結合する。

0017

他の実施形態では、開示は、(a)対象領域中の第一および第二配列を選択すること(ここで、第一および第二配列は2〜50ヌクレオチド離れて存在する);(b)第一配列と結合するために第一ジンクフィンガー結合ドメインを改変すること;(c)第二配列と結合するために第二ジンクフィンガー結合ドメインを改変すること;(d)細胞中で第一融合タンパク質を発現すること(本明細書中に記載されるように、第一融合タンパク質は第一改変ジンクフィンガー結合ドメイン、第一ZCリンカーおよび第一切断ハーフドメインを含む);(e)細胞中で第二融合タンパク質を発現すること(第二融合タンパク質は第二改変ジンクフィンガー結合ドメイン、第二ZCリンカーおよび第二切断ハーフドメインを含む)による細胞クロマチンの切断方法であって、第一融合タンパク質が第一配列と結合し、第二融合タンパク質が第二配列と結合して、それにより、対象領域中の細胞クロマチンを切断する方法を提供する。ある実施形態では、第二融合タンパク質は、本明細書中に記載されるように、切断ハーフドメインも含む。

0018

さらなる実施形態では、対象領域中の細胞クロマチンの切断方法は、(a)対象領域を選択すること;(b)対象領域中の第一配列と結合するために第一ジンクフィンガー結合ドメインを改変すること;(c)対象領域中の第二配列と結合する第二ジンクフィンガー結合ドメインを提供すること(ここで、第二配列は、第一配列から2〜50ヌクレオチドに位置する);(d)細胞中で第一融合タンパク質を発現すること(本明細書中に記載されるように、第一融合タンパク質は第一ジンクフィンガー結合ドメイン、第一ZCリンカーおよび第一切断ハーフドメインを含む);ならびに(e)細胞中で第二融合タンパク質を発現すること(第二融合タンパク質は第二ジンクフィンガー結合ドメイン、第二ZCリンカーおよび第二切断ハーフドメインを含む)を包含し、この場合、第一融合タンパク質が第一配列と結合し、第二融合タンパク質が第二配列と結合して、それにより、対象領域中の細胞クロマチンを切断する。ある実施形態では、第二融合タンパク質は、本明細書中に記載されるように、切断ハーフドメインも含む。

0019

例えば、標的化突然変異を導入するために、細胞クロマチンの領域を変更する方法も提供される。ある実施形態では、細胞クロマチンを変更する方法は、予定部位での細胞クロマチン中に二本鎖切断を作製するために1つ以上の標的化ヌクレアーゼを、ならびに切断の領域中の細胞クロマチンのヌクレオチド配列との相同性を有するドナーポリヌクレオチドを細胞中に導入することを包含する。細胞DNA修復工程は二本鎖切断の存在により活性化され、ドナーポリヌクレオチドは、切断の修復のための鋳型として用いられて、細胞クロマチン中へのドナーのヌクレオチド配列の全部または一部の導入を生じる。したがって、細胞クロマチン中の配列は変更され得るし、ある実施形態では、ドナーポリヌクレオチド中に存在する配列に転換され得る。

0020

標的化変更としては、点突然変異(すなわち、単一塩基対の、異なる塩基対への変換)、置換(すなわち、複数の塩基対の、同一長の異なる配列への変換)、1つ以上の塩基対の挿入、1つ以上の塩基対の欠失、ならびに前記配列変更の任意の組合せが挙げられるが、これらに限定されない。

0021

ドナーポリヌクレオチドは、DNAまたはRNAであり、線状または環状であり、ならびに一本鎖または二本鎖であり得る。それは、核酸として、1つ以上の送達作因(例えば、リポソームポロキサマー)との複合体として、細胞に送達され得るし、ウイルス送達ビヒクル、例えばアデノウイルスまたはアデノ関連ウイルス(AAV)中に含入され得る。ドナー配列は、10〜1,000ヌクレオチド(またはその間の任意の整数値のヌクレオチド)長の範囲であり得るし、またはそれより長い。

0022

ある実施形態では、相同組換えの頻度は、細胞周期G2期に細胞を休止することにより、および/または相同組換えに関与する1つ以上の分子タンパク質、RNA)の発現を活性化することにより、および/または非相同末端結合に関与するタンパク質の発現または活性を抑制することにより、増強され得る。

0023

本明細書中に記載される方法のいずれかにおいて、融合タンパク質の第一および第二ジンクフィンガータンパク質は、2、3、4、5、6、7、8または9塩基対離れた標的部位と結合し得る。さらに、方法のいずれかにおいて、第二ジンクフィンガー結合ドメインは、第二配列と結合するよう改変され得る。

0024

さらに、本明細書中に記載される方法のいずれかにおいて、融合タンパク質は、単一ポリヌクレオチドによりコードされ得る。前記方法のいずれかに関して、細胞クロマチンは、染色体エピソームまたは細胞小器官ゲノム中に存在し得る。細胞クロマチンは、任意の種類の細胞中に、例えば原核生物細胞および真核生物細胞真菌細胞植物細胞動物細胞哺乳類細胞霊長類細胞およびヒト細胞(これらに限定されない)中に存在し得る。

0025

別の態様では、本明細書中に記載されるようなリンカー(例えば、ZCリンカーおよび切断ドメインの変更されたN末端領域)、または本明細書中に記載されるようなリンカー(例えば、ZCリンカーおよび切断ドメインの変更されたN末端領域)をコードするポリヌクレオチド;補助試薬;ならびに任意に使用説明書および適切な容器を包含するキットが、本明細書中に記載される。キットは、1つ以上のヌクレアーゼまたはこのようなヌクレアーゼをコードするポリヌクレオチドも包含し得る。

0026

本明細書中に記載されるタンパク質、方法およびキットのいずれかにおいて、切断ドメイン(または切断ハーフドメイン)は、TypeIIS切断ドメイン、例えばFokIからの切断ハーフドメインを含み得る。

0027

これらのおよび他の態様は、全体としての開示を考慮して、当業者に容易に明らかになるであろう。

図面の簡単な説明

0028

CCR5(配列番号1)中の標的部位と結合する例示的ジンクフィンガーヌクレアーゼの配列を示す。ジンクフィンガードメインに、二重下線を付している。全FokI切断ドメインに下線を付し、N末端領域には下線を付し且つ太字で示す。「ZC」リンカー(LRGS;配列番号2)を、ジンクフィンガーと切断ドメインとの間の通常文字で示す。
「L6a」と呼ばれるリンカーなどの本明細書中に記載されるような例示的ジンクフィンガーヌクレアーゼの配列を示す(配列番号3)。ジンクフィンガードメインに、二重下線を付している。全FokI切断ドメインに下線を付し、野生型と比較した場合に変更を含むN末端領域には下線を付し且つ太字で示す。野生型と異なるアミノ酸を、イタリック体で示す(EAAAR;配列番号5)。「ZC」リンカー(LRGS;配列番号2)を、ジンクフィンガーと切断ドメインとの間の通常文字で示す。
「L7a」と呼ばれるリンカーなどの本明細書中に記載されるような別の例示的ジンクフィンガーヌクレアーゼの配列を示す(配列番号4)。ジンクフィンガードメインに、二重下線を付している。全FokI切断ドメインに下線を付し、野生型と比較した場合に変更を含むN末端領域には下線を付し且つ太字で示す。野生型と異なるアミノ酸を、イタリック体で示す(KSEAAAR;配列番号6)。「ZC」リンカー(LRGS;配列番号2)を、ジンクフィンガーと切断ドメインとの間のプレーンテキストで示す。

0029

人工ヌクレアーゼを形成するためにDNA結合ドメインおよび切断ドメインを連結するための組成物、ならびに、例えば、標的化切断と、その後の非相同末端連結による;標的化切断と、その後の外因性ポリヌクレオチド(細胞ヌクレオチド配列と相同性を有する1つ以上の領域を含む)およびゲノム配列間の相同組換えにより;1つ以上の内因性遺伝子の標的化不活性化による、これらのヌクレアーゼの使用方法が、本明細書中で開示される。

0030

図2および3に示されるような例示的リンカーは、切断ドメインのN末端領域に対する変更を含む。変更は、ZFN標的部位が5または6塩基対より大きく(または少なく)離れている場合に切断する一対のZFNの能力を増大する。したがって、本明細書中に記載されるあるリンカーは、ジンクフィンガー標的部位が5または6塩基対まで分離されない場合に切断活性を増大することにより、標的化ゲノム変更を実施する能力を有意に増大する。

0031

概説
本明細書中に開示される方法の実行ならびに組成物の調製および使用は、別記しない限り、当業者の理解の範囲内である分子生物学生化学クロマチン構造および分析コンピューター化学細胞培養組換えDNAおよび関連分野における従来技術を用いる。これらの技法は、文献で詳細に説明されている。例えば、Sambrook et al.,MOLECULAR CLONING:A LABORATORYMANUAL,Second edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989 and Third edition,2001;Ausubel et al.,CURRNTPROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY,John Wiley & Sons,New York,1987および定期的改訂版;the series METHODS IN ENZYMOLOGY,Academic Press,San Diego;Wolffe,CHROMATIN STRUCTURE AND FUNCTION,Third edition,Academic Press,San Diego,1998;METHODS IN ENZYMOLOGY,Vol.304,“Chromatin”(P.M.Wassarman and A.P.Wolffe,eds.),Academic Press,San Diego,1999;ならびにMETHODS IN MOLECULAR BIOLOGY,Vol.119,”Chromatin Protocols”(P.B.Becker,ed.)Humana Press,Totowa,1999を参照されたい。

0032

定義
「核酸」、「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」という用語は互換的に用いられ、線状または環状立体配座の、一本鎖または二本鎖形態の、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドポリマーを指す。本発明の開示の目的のために、これらの用語は、ポリマーの長さに関して限定されるよう意図されるべきでない。本用語は、天然ヌクレオチド既知類似体、ならびに塩基、糖および/またはリン酸部分で修飾されるヌクレオチド(例えば、ホスホロチオエート主鎖)を包含し得る。概して、特定ヌクレオチドの類似体は同一塩基対合特性を有し、すなわち、Aの類似体はTと塩基対合する。

0033

「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」という用語は互換的に用いられ、アミノ酸残基のポリマーを指す。本用語は、1つ以上のアミノ酸が対応する天然アミノ酸化学的類似体または修飾誘導体であるアミノ酸ポリマーにも当てはまる

0034

「結合」は、高分子間(例えば、タンパク質および核酸間)の配列特異的非共有的相互作用を指す。相互作用が全体として配列特異的である限り、結合相互作用の全ての構成成分が配列特異的である必要はない(例えば、DNA主鎖中のリン酸残基と接触する)。このような相互作用は、一般的に、10-6M—1またはそれより低い解離定数(Kd)を特徴とする。「親和性」は、結合の強度を指す:結合親和性増大は、低Kdと相関する。

0035

結合タンパク質」は、別の分子と非共有的に結合し得るタンパク質である。結合タンパク質は、例えばDNA分子(DNA結合タンパク質)、RNA分子(RNA結合タンパク質)および/またはタンパク質分子タンパク質結合タンパク質)と結合し得る。タンパク質結合タンパク質の場合、それは、それ自体と結合し(ホモ二量体ホモ三量体等を形成する)、および/または、それは、異なるタンパク質の1つ以上の分子と結合し得る。結合タンパク質は、1つより多くの種類の結合活性を有し得る。例えば、ジンクフィンガータンパク質は、DNA結合、RNA結合およびタンパク質結合活性を有する。

0036

「ジンクフィンガーDNA結合タンパク質」(または結合ドメイン)は、その結合が亜鉛イオン配位により安定化される結合ドメイン内のアミノ酸配列の領域である1つ以上のジンクフィンガーにより配列特異的方法でDNAを結合するタンパク質または大型タンパク質内のドメインである。ジンクフィンガーDNA結合タンパク質という用語は、しばしば、ジンクフィンガータンパク質またはZFPと略される。

0037

ジンクフィンガー結合ドメインは、予定ヌクレオチド配列と結合するよう「改変」され得る。ジンクフィンガータンパク質を改変するための方法の非限定例は、設計および選択である。設計されるジンクフィンガータンパク質は、その設計/組成が合理的判定基準から主に生じる天然でないタンパク質である。設計のための合理的判定基準としては、置換規則の適用、現行のZFP設計および結合データデータベース分類情報における情報処理のためのコンピューターアルゴリズムが挙げられる。例えば、米国特許第6,140,081号;同第6,453,242号および同第6,534,261号を参照されたい。WO98/53058号;WO98/53059号;WO98/53060号;WO02/016536号およびWO03/016496号も参照のこと。

0038

「選択される」ジンクフィンガータンパク質は、その産生が主に経験的プロセス、例えばファージ表示、相互作用トラップまたはハイブリッド選択から生じる天然に見出されないタンパク質である。例えば米国特許第5,789,538号;米国特許第5,925,523号;米国特許第6,007,988号;米国特許第6,013,453号;米国特許第6,200,759号;WO95/19431号;WO96/06166号;WO98/53057号;WO98/54311号;WO00/27878号;WO01/60970号;WO01/88197号およびWO02/099084号を参照されたい。

0039

「配列」という用語は、DNAまたはRNAであり得る;線状、環状または分枝鎖であり得る、そして一本鎖または二本鎖であり得る、任意長のヌクレオチド配列を指す。「ドナー配列」という用語は、ゲノム中に挿入されるヌクレオチド配列を指す。ドナー配列は、任意長、例えば2〜10,000ヌクレオチド長(またはその間のまたはそれより大きい任意の整数値)、好ましくは約100〜1,000ヌクレオチド長(またはその間の任意の整数)、さらに好ましくは約200〜500ヌクレオチド長を有し得る。

0040

相同、非同一配列」は、第二配列と配列同一性度を共有するが、その配列が第二配列と同一ではない第一配列を指す。例えば、突然変異体遺伝子の野生型配列を含むポリヌクレオチドは、突然変異体遺伝子の配列と相同且つ非同一である。ある実施形態では、2つの配列の相同性の程度は、正常細胞機序を利用して、その間の相同組換えを可能にするのに十分である。2つの相同非同一配列は任意長であり得るし、それらの非相同度は、単一ヌクレオチドと同じくらい小さい(例えば、標的化相同組換えによるゲノム点突然変異の補正に関して)か、あるいは10キロ塩基またはそれ以上という大きさ(例えば、染色体中の予定異所性部位での遺伝子の挿入に関して)であり得る。相同非同一配列を含む2つのポリヌクレオチドは、同一長である必要はない。例えば、20〜10,000ヌクレオチドの外因性ポリヌクレオチド(すなわち、ドナーポリヌクレオチド)またはヌクレオチド対が用いられ得る。

0041

核酸およびアミノ酸配列同一性確定するための技法は、当該技術分野で既知である。典型的には、このような技法は、遺伝子に関するmRNAのヌクレオチド配列を確定すること、および/またはそれによりコードされるアミノ酸配列を確定すること、そしてこれらの配列を第二ヌクレオチドまたはアミノ酸配列と比較することを包含する。ゲノム配列も、この様式で確定され、比較され得る。概して、同一性は、2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の、それぞれ、精確なヌクレオチド対ヌクレオチドまたはアミノ酸対アミノ酸対応を指す。2つ以上の配列(ポリヌクレオチドまたはアミノ酸)は、それらの同一性%を確定することにより比較され得る。2つの配列の同一性%は、核酸配列であれ、アミノ酸配列であれ、2つの整列配列間の精確な整合数を短い方の配列の長さで割って、100を掛けた値である。本明細書中に記載される配列に関して、所望の配列同一度の範囲は、約80%〜100%、そしてその間の任意の整数値である。典型的には、配列間の同一性%は、少なくとも70〜75%、好ましくは80〜82%、さらに好ましくは85〜90%、さらに好ましくは92%、さらに好ましくは95%、最も好ましくは98%配列同一性である。

0042

代替的には、ポリヌクレオチド間の配列類似性の程度は、相同領域間の安定二重鎖の形成とその後の一本鎖特異的ヌクレアーゼ単数または複数)による消化、ならびに消化断片の確定を可能にする条件下で、ポリヌクレオチドのハイブリダイゼーションにより確定され得る。上記の方法を用いて確定されるように、分子の限定長全体で、配列が少なくとも70〜75%、好ましくは80〜82%、さらに好ましくは85〜90%、さらに好ましくは92%、さらに好ましくは95%、最も好ましくは98%の配列同一性を示す場合、2つの核酸、または2つのポリペプチド配列は、実質的には互いに相同である。本明細書中で用いる場合、実質的に相同であるとは、特定DNAまたはポリペプチド配列との完全同一性を示す配列も指す。実質的に相同であるDNA配列は、特定の系に関して定義されるように、例えば緊縮条件下でサザンハイブリダイゼーション実験において同定され得る。適切なハイブリダイゼーション条件の定義は、当業者の理解の範囲内である。例えば、Sambrook et al.(上記);Nucleic Acid Hybridization:A Practical Approach,editors B.D.Hames and S.J.Higgins,(1985)Oxford;Washington,DC;IRL Pressを参照されたい。

0043

2つの核酸断片の選択的ハイブリダイゼーションは、以下のように確定され得る。2つの核酸分子間の配列同一性の程度は、このような分子間のハイブリダイゼーション事象の効率および強度に影響を及ぼす。部分的に同一の核酸配列は、標的分子との完全同一配列のハイブリダイゼーションを少なくとも部分的に抑制する。完全同一配列のハイブリダイゼーションの抑制は、当該技術分野でよく知られたハイブリダイゼーション検定を用いて査定され得る(例えば、サザン(DNA)ブロットノーザン(RNA)ブロット、溶液ハイブリダイゼーション等)(Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Second Edition,(1989)Cold Spring Harbor,N.Y.参照)。このような検定は、種々の程度の選択性を用いて、例えば、低緊縮から高緊縮に変わる条件を用いて、実行され得る。低緊縮条件が用いられる場合、非特異的結合非存在は、非特異的結合事象の非存在下で、第二プローブが標的とハイブリダイズしないよう、部分的程度の配列同一性をさえ欠く第二プローブ(例えば、標的分子と約30%未満の配列同一性を有するプローブ)を用いて査定され得る。

0044

ハイブリダイゼーションベース検定系を利用する場合、参照核酸配列相補的である核酸プローブが選択され、次いで、適切な条件を選択することにより、プローブおよび参照配列は、選択的に互いとハイブリダイズするかまたは結合して、二重鎖分子を形成する。中等度緊縮ハイブリダイゼーション条件下で参照配列と選択的にハイブリダイズし得る核酸分子は、典型的には、選択核酸プローブの配列と少なくとも約70%の配列同一性を有する少なくとも約10〜14ヌクレオチド長の標的核酸配列の欠失を可能にする条件下でハイブリダイズする。緊縮ハイブリダイゼーション条件は、典型的には、選択核酸プローブの配列と約90〜95%以上の配列同一性を有する少なくとも約10〜14ヌクレオチド長の標的核酸配列の欠失を可能にする。プローブおよび参照配列が特定程度の配列同一性を有するプローブ/参照配列ハイブリダイゼーションに有用なハイブリダイゼーション条件は、当該技術分野で既知であるように確定され得る(例えば、Nucleic Acid Hybridization:A Practical Approach,editors B.D.Hames and S.J.Higgins,(1985)Oxford;Washington,DC;IRL Press参照)。

0045

ハイブリダイゼーションの条件は、当業者によく知られている。ハイブリダイゼーション緊縮性は、ハイブリダイゼーション条件が不整合ヌクレオチドを含有するハイブリッドの形成を退ける程度を指し、より高い緊縮性は不整合ハイブリッドに対するより低い耐容性と相関した。ハイブリダイゼーションの緊縮性に影響を及ぼす因子は当業者に周知であり、例としては、温度、pH、イオン強度および有機溶媒、例えばホルムアミドおよびジメチルスルホキシドの濃度が挙げられるが、これらに限定されない。当業者に既知であるように、ハイブリダイゼーション緊縮性は、温度が高いほど、イオン強度が低いほど、および溶媒濃度が低いほど増大する。

0046

ハイブリダイゼーションのための緊縮条件に関して、例えば、以下の因子:配列の長さおよび性質、種々の配列の塩基組成、塩および他のハイブリダイゼーション溶液構成成分の濃度、ハイブリダイゼーション溶液中の遮断剤(例えば、硫酸デキストランおよびポリエチレングリコール)の存在または非存在、ハイブリダイゼーション反応温度およびパラメーター、ならびに種々の洗浄条件を変更することにより、特定の緊縮性を確立するために多数の等価の条件が用いられ得る、ということは当該技術分野で周知である。特定組のハイブリダイゼーション条件の選択は、当該技術分野における標準方法に従って選択される(例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Second Edition,(1989)Cold Spring Harbor,N.Y.参照)。

0047

組換え」は、2つのポリヌクレオチド間の遺伝情報交換のプロセスを指す。本開示の目的のために、「相同組換え(HR)」は、例えば、細胞における二本鎖切断の修復中に起こるこのような交換の特殊化形態を指す。このプロセスは、ドナーから標的に遺伝情報を移動させるため、ヌクレオチド配列相同性を要し、「標的」分子(すなわち、二本鎖切断を経たもの)の鋳型修復のために「ドナー」分子を使用し、そして「非交差遺伝子変換」または「ショートトラクト遺伝子変換」として種々に知られている。如何なる特定の理論にも縛られるものではないが、このような移動は、切断標的およびドナー間に生じるヘテロ二重鎖DNAの不整合補正、および/または「合成依存性アニーリング」を包含し得るが、この場合、ドナーは、標的および/または関連プロセスの一部となる遺伝情報を再合成するために用いられる。このような特殊化HRはしばしば、ドナーポリヌクレオチドの配列の一部または全部が標的ポリヌクレオチド中に組み入れられるよう、標的分子の配列の変更を生じる。

0048

「切断」は、DNA分子の共有結合主鎖の破損を指す。切断は、種々の方法、例えば、ホスホジエステル結合酵素的または化学的加水分解(これらに限定されない)により開始され得る。1本鎖切断および二本鎖切断はともに可能であり、二本鎖切断は2つの別個一本鎖切断事象の結果として起こり得る。DNA切断は、平滑末端または付着末端を生じ得る。ある実施形態では、融合ポリペプチドは、標的化二本鎖DNA切断のために用いられる。

0049

「切断ハーフドメイン」は、第二ポリペプチド(同一であるかまたは異なる)と協力して、切断活性(好ましくは、二本鎖切断活性)を有する複合体を形成するポリペプチド配列である。「第一および第二切断ハーフドメイン」、「+および−切断ハーフドメイン」ならびに「右および左切断ハーフドメイン」という用語は、互換的に用いられて、二量体化する切断ハーフドメインの対を指す。

0050

「改変切断ハーフドメイン」は、別の切断ハーフドメイン(例えば、別の改変切断ハーフドメイン)と絶対的へテロ二量体を形成するよう修飾された切断ハーフドメインである。米国特許出願公開第20050064474号およびWO2007/13989号(これらの記載内容は参照により本明細書に組み込まれる)も参照されたい。

0051

クロマチン」は、細胞ゲノムを含む核タンパク質構造物である。細胞クロマチンは、核酸、主にDNA、ならびにタンパク質、例えばヒストンおよび非ヒストン染色体タンパク質を含む。真核生物細胞クロマチンの大部分はヌクレオソームの形態で存在し、この場合、ヌクレオソームコアは、ヒストンH2A、H2B、H3およびH4のうちの各々2つを含む八量体会合された約150塩基対のDNAを含み;リンカーDNA(生物体によって種々の長さを有する)がヌクレオソームコア間伸びる。ヒストンH1の分子は、一般的に、リンカーDNAと会合される。本発明の開示の目的のために、「クロマチン」という用語は、原核生物および真核生物の両方の、全種類の細胞核タンパク質を包含するよう意図される。細胞クロマチンは、染色体およびエピソームクロマチンの両方を含む。

0052

「染色体」は、細胞のゲノムの全部または一部を含むクロマチン複合体である。細胞のゲノムは、しばしば、細胞のゲノムを含む全染色体収集物であるその核型を特徴とする。細胞のゲノムは、1つ以上の染色体を含み得る。

0053

「エピソーム」は、複製核酸、核タンパク質複合体、または細胞の染色体核型の一部でない核酸を含む他の構造物である。エピソームの例としては、プラスミドおよびある種のウイルスゲノムが挙げられる。

0054

「接近可能領域」は、核酸中に存在する標的部位が、標的部位を認識する外因性分子により結合され得る細胞クロマチン中の部位である。如何なる特定の理論にも縛られるものではないが、接近可能領域は、ヌクレオソーム構造中にパッケージされないものである。異なる構造の接近可能領域は、しばしば、化学的および酵素的プローブ、例えばヌクレアーゼに対するその感受性により検出され得る。

0055

「標的部位」または「標的配列」は、結合のための十分な条件が存在するという条件で、結合分子が結合する核酸の部分を限定する核酸配列である。例えば、配列5’−GAATTC−3’は、EcoRI制限エンドヌクレアーゼのための標的部位である。

0056

外因性」分子は、細胞中に常態では存在しないが、1つ以上の遺伝的、生化学的または他の方法により細胞中に導入され得る分子である。「細胞中の正常な存在」は、細胞の特定の発生段階および環境条件に関して確定される。したがって、例えば、筋肉胚発生中にのみ存在する分子は、成体筋肉細胞に関して外因性分子である。同様に、熱ショックにより誘導される分子は、非熱ショック細胞に関して外因性分子である。外因性分子は、例えば機能バージョン機能障害性内因性分子、機能障害バージョンの正常機能内因性分子またはオルソログ(異なる種からの機能バージョンの内因性分子)を含み得る。

0057

外因性分子は、とりわけ、小分子(例えば組合せ化学プロセスにより生成される)、または高分子(例えば、タンパク質、核酸、炭水化物、脂質、糖タンパク質リポタンパク質多糖、上記分子の任意の修飾誘導体、または1つ以上の上記分子を含む任意の複合体)であり得る。核酸としてはDNAおよびRNAが挙げられ、一本鎖または二本鎖であり得るし;線状、分枝鎖または環状であり得るし;任意の長さを有し得る。核酸は、二重鎖を形成し得るもの、ならびに三重鎖形成核酸を含む。例えば米国特許第5,176,996号および同第5,422,251号を参照されたい。タンパク質としては、DNA結合タンパク質、転写因子、クロマチンリモデリング因子、メチル化DNA結合タンパク質、ポリメラーゼメチラーゼデメチラーゼアセチラーゼデアセチラーゼキナーゼホスファターゼインテグラーゼリコンビナーゼリガーゼトポイソメラーゼギラーゼおよびヘリカーゼが挙げられるが、これらに限定されない。

0058

外因性分子は、内因性分子と同一型の分子、例えば外因性タンパク質または核酸であり得る。例えば、外因性核酸は、感染性ウイルスゲノム、細胞中に導入されるプラスミドまたはエピソーム、あるいは細胞中に常態では存在しない染色体を含み得る。細胞中に外因性分子を導入するための方法は当業者に既知であり、脂質媒介性移入(すなわち、リポソーム、例えば中性および陽イオン性脂質)、電気穿孔直接注入細胞融合微粒子銃リン酸カルシウム共沈殿DEAEデキストラン媒介性移入およびウイルスベクター媒介性移入が挙げられるが、これらに限定されない。

0059

それに対して、「内因性」分子は、特定の環境条件下で特定発生段階で特定細胞中に常態で存在するものである。例えば、内因性核酸は、染色体、ミトコンドリアのゲノム、葉緑体または他の細胞小器官、あるいは天然エピソーム核酸を含み得る。付加的内因性分子は、タンパク質、例えば転写因子および酵素を包含し得る。

0060

「融合」分子は、2つ以上のサブユニット分子が、好ましくは共有的に、連結される分子である。サブユニット分子は、同一化学型の分子であり得るし、または異なる化学我他の分子であり得る。第一の型の融合分子の例としては、融合タンパク質(例えばZFPDNA結合ドメインと切断ドメインとの間の融合)、および融合核酸(例えば、上記の融合タンパク質をコードする核酸)が挙げられるが、これらに限定されない。第二型の融合分子の例としては、三重鎖形成核酸とポリペプチドとの間の融合、および小溝結合物質と核酸との間の融合が挙げられるが、これらに限定されない。

0061

細胞中の融合タンパク質の発現は、細胞への融合タンパク質の送達に起因し得るし、あるいは細胞への融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドの送達に起因し得るが、この場合、ポリヌクレオチドは転写され、転写物は翻訳されて、融合タンパク質を生成する。トランススプライシング、ポリペプチド切断およびポリペプチド結紮も、細胞中のタンパク質の発現に関与し得る。細胞へのポリヌクレオチドおよびポリペプチド送達のための方法は、本開示の他の箇所に示されている。

0062

本発明の開示の目的のための「遺伝子」としては、遺伝子産物(下記参照)をコードするDNA領域、ならびに遺伝子産物の産生を調節する全てのDNA領域(このような調節配列がコードおよび/または転写配列に隣接するか否かにかかわらず)が挙げられる。したがって、遺伝子は、プロモーター配列ターミネーター翻訳調節配列、例えばリボソーム結合部位および内部リボソーム進入部位エンハンサーサイレンサーインシュレーター境界領域、複製の起点、マトリックス付着部位および遺伝子座制御領域を包含するが、これらに限定されない。

0063

遺伝子発現」は、遺伝子中に含有される情報の、遺伝子産物中への転換を指す。遺伝子産物は、遺伝子の直接転写産物(例えば、mRNA、tRNArRNAアンチセンスRNAリボザイム、構造RNAまたは任意の他の型のRNA)、あるいはmRNAの翻訳により産生されるタンパク質であり得る。遺伝子産物は、キャッピングポリアデニル化、メチル化および編集のようなプロセスにより修飾されるRNA、ならびに例えばメチル化、アセチル化リン酸化ユビキチン化ADPリボシル化ミリスチン化およびグリコシル化により修飾されるタンパク質も包含する。

0064

遺伝子発現の「調整」は、遺伝子の活性における変化を指す。発現の調整としては、遺伝子活性化および遺伝子抑圧が挙げられるが、これらに限定されない。遺伝子不活性化は、本明細書中に記載されるようなZFPを含まない細胞と比較した場合の、遺伝子発現の任意の低減を指す。したがって、遺伝子不活性化は、部分的または完全であり得る。

0065

「真核生物」細胞としては、真菌細胞(例えば酵母)、植物細胞、動物細胞、哺乳類細胞およびヒト細胞(例えば、T細胞)が挙げられるが、これらに限定されない。

0066

「対象領域」は、細胞クロマチンの任意の領域、例えば遺伝子、あるいは遺伝子内または遺伝子に隣接する非コード配列であり、ここは、外因性分子を結合するのが望ましい。結合は、標的化DNA切断および/または標的化組換えの目的のためであり得る。対象領域は、例えば、染色体、エピソーム、細胞小器官ゲノム(例えば、ミトコンドリア、葉緑体)、または感染性ウイルスゲノム中に存在し得る。対象領域は、遺伝子のコード領域内、転写非コード領域、例えばリーダー配列トレーラー配列またはイントロン内、あるいはコード領域の上流または下流の非転写領域内であり得る。対象領域は、単一ヌクレオチド対と同じくらい小さいか、または2,000ヌクレオチド対長まで、または任意の整数値のヌクレオチド対であり得る。

0067

操作的連結」および「操作的に連結される」(または「操作可能的に連結される」)という用語は、2つ以上の構成成分(例えば、配列素子)の近位に関して、互換的に用いられるが、この場合、構成成分は、両構成成分が正常に機能し、そして構成成分のうちの少なくとも一つが、他の構成成分の少なくとも1つで発揮される機能を媒介し得る可能性を許すよう、整列される。例証として、転写調節配列が1つ以上の転写調節因子の存在または非存在に応答してコード配列の転写のレベルを制御する場合、転写調節配列、例えばプロモーターはコード配列と操作的に連結される。転写調節配列は、一般的に、コード配列とシスで操作的に連結されるが、それと直接隣接する必要はない。例えば、エンハンサーは、それらが連続的でなくても、コード配列と操作的に連結される転写調節配列である。

0068

融合ポリペプチドに関して、「操作的に連結される」という用語は、構成成分の各々が、そのように連結されなかった場合に成すのと同じ機能を、他の構成成分との連結において遂行する、という事実を指す。例えば、ZFPDNA結合ドメインが切断ドメインと融合される融合ポリペプチドに関して、融合ポリペプチドにおいて、ZFP DNA結合ドメイン部分がその標的部位および/またはその結合部位を結合し得るが、一方、切断ドメインは標的部位に近接してDNAを切断し得る場合、ZFP DNA結合ドメインおよび切断ドメインは操作的転結で存在する。

0069

タンパク質、ポリペプチドまたは核酸の「機能的断片」は、その配列が全長タンパク質、ポリペプチドまたは核酸と同一でないが、未だ全長タンパク質、ポリペプチドまたは核酸と同一機能を保持するタンパク質、ポリペプチドまたは核酸である。機能的断片は、対応する未変性分子より多い、少ない、または同数の残基を保有し得るし、および/または1つ以上のアミノ酸またはヌクレオチド置換を含有し得る。核酸の機能(例えばコード機能、別の核酸とハイブリダイズする能力)を確定するための方法は、当該技術分野で周知である。同様に、タンパク質機能を確定するための方法は周知である。例えば、ポリペプチドのDNA結合機能は、例えば、フィルター結合、電気泳動移動度シフトまたは免疫沈降検定により確定され得る。DNA切断は、ゲル電気泳動により検定され得る(Ausubel et al.上記、参照)。別のタンパク質と相互作用するタンパク質の能力は、例えば共免疫沈降、2−ハイブリッド検定または相補性(遺伝的および生化学的の両方)により確定され得る。例えば、Fieldset al.(1989)Nature 340:245−246;米国特許第5,585,245号およびPCT WO98/44350号を参照されたい。

0070

リンカー
DNA結合ドメイン(例えば、ジンクフィンガータンパク質)およびヌクレアーゼ(例えば、切断ドメインまたは切断ハーフドメイン)を融合(連結)するアミノ酸配列が、本明細書中に記載される。

0071

一般に、一対のジンクフィンガーヌクレアーゼを用いてゲノム配列を切断する場合、最適切断は、5〜6塩基対隔たれた標的部位と、ジンクフィンガータンパク質が結合すると得られ、グリシンとセリン豊富可動性「ZC」リンカーを用いて、その対の各ジンクフィンガーを切断ドメインと結びつける。特に、今日までに用いられた「ZC」リンカーは、ジンクフィンガー結合ドメインのC末端と切断ドメインのN末端残基(FokIの場合、Q残基である)との間のアミノ酸配列LRGS(配列番号2)からなる。例えば米国特許出願公開第20050064474号およびWO07/139898号を参照されたい。

0072

本明細書中に記載されるリンカーは、従来用いられているリンカーより剛直であり、一対のジンクフィンガーヌクレアーゼの標的部位が5〜6塩基対離れていない場合、切断を可能にする。リンカー配列は、「ZC」リンカーに付加的残基を付加することにより、例えば、アミノ酸残基(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれより多く)を、切断ドメインの最初の残基(Q)に対するリンカー配列N末端に付加することにより、作製され得る。ジンクフィンガーおよび切断ドメイン間に付加される残基の数は、ある程度、切断ドメインに対してなされるアミノ酸変更によっている、ということは明らかである。例えば、残基が切断ドメインのN末端領域から欠失される場合、付加的残基がジンクフィンガーおよび切断ドメイン間に付加され得る。代替的には、残基が切断ドメインのN末端領域内に付加される場合(例えば、FolI切断ドメインの最初の残基(Q)に対してC末端)、ZCリンカー(または他の4残基配列)はジンクフィンガータンパク質および切断ドメイン間に用いられ得る。

0073

本明細書中に記載されるリンカーは、選択切断ドメインのN末端領域を変更することによっても生成され得る。変更は、切断ドメインの1つ以上のN末端残基の置換、付加および/または欠失を包含し得る。ある実施形態では、切断ドメインはFokIから得られ、野生型FokI N末端領域の1つ以上のアミノ酸が取り替えられて、付加的アミノ酸がこの領域に付加される。例えば、図2に示されるように、野生型FokI切断ドメインのアミノ酸残基4および5(すなわち、残基KおよびS)は、それぞれ残基EおよびAに取り替えられ、残基AARは第二置換残基に対してC末端に付加される。別の例示的実施形態(図3)は、FokI切断ドメインのN末端領域における7つの残基挿入(KSEAAAR;配列番号6)を包含する。

0074

DNA結合ドメインおよび切断ドメインをつなぐ配列は、ゲノム配列を二量体化するかおよび/または切断するためにその標的部位または切断ドメインと結合するDNA結合ドメインの能力を実質的に妨げない任意のアミノ酸配列を含み得る。野生型FokIでは、切断ドメインのN末端領域は、残基389〜400(ELEEKKSELRHK;配列番号7)から伸びるαらせん領域を包含する(例えば、Wah et al.(1997)Nature 388:97−100参照)。したがって、ある実施形態では、例えば、野生型FokI切断ドメインのELEEKKSELRHKに3〜5アミノ配列N末端を挿入することにより、この構造モチーフ伸長するかまたは保存するよう、リンカー配列は設計される。

0075

したがって、リンカーは、EXXXR(配列番号9)またはEXXXK(配列番号10)のような配列を含み得るが、ここで、X残基はα螺旋を形成する任意の残基、すなわち、安定α螺旋リンカーを形成するために、野生型α螺旋領域に隣接するプロリンまたはグリシン以外の任意の残基(例えば、EAAAR(配列番号8))である。例えば、Yan et al.(2007)Biochemistry 46:8517−24およびMerutka and Stellwagen(1991)Biochemistry 30:4245−8を参照されたい。ELEEKKSELRHKペプチドに隣接して(またはその近くに)EXXXR(配列番号9)またはEXXXK(配列番号10)ペプチドを配置することは、FokI切断ドメイン中にこのα螺旋を伸長するために設計される。これは、ZFPおよびFokI切断ドメイン間により剛直なリンカーを作製し、このことが、長い可動性リンカーがZFPおよびFokIドメイン間に用いられる場合に観察され得る活性および特異性を損失することなく、半部位間に6bp以上を有して標的を結果的に生じるZFN対に切断させる(Bibikova etal.(2001)Molecular and Cellular Biology 21:289−297)。さらに、本明細書中に記載されるリンカーは、一般的ZFNと比較して、5bp間隔を上回る6bp間隔に対するより大きな選択を示す。

0076

典型的には、本発明のリンカーは、リンカー、およびリンカーアミノ酸配列を介して融合されるDNA結合ドメインをコードする組換え核酸を作製することにより作製される。任意に、リンカーは、ペプチド合成を用いても作製され、次いで、ポリペプチドDNA結合ドメインに連結され得る。

0077

ヌクレアーゼ
本明細書中に記載されるリンカー配列は、DNA結合ドメイン、例えばジンクフィンガータンパク質をヌクレアーゼ切断ドメインまたはハーフドメインに連結して、特異的標的化非天然ヌクレアーゼを形成するために有益に用いられる。

0078

A.DNA結合ドメイン
任意のDNA結合ドメインが、本明細書中に開示される方法に用いられ得る。ある実施形態では、DNA結合ドメインは、ジンクフィンガータンパク質を含む。好ましくは、ジンクフィンガータンパク質は、選り抜きの標的部位と結合するよう改変されるという点で、非天然である。例えば、Beerli et al.(2002)Nature Biotechnol.20:135−141;Pabo et al.(2001)Ann.Rev.Biochem.70:313−340;Isalan et al.(2001)Nature Biotechnol.19:656−660;Segal et al.(2001)Curr.Opin.Biotechnol.12:632−637;Choo et al.(2000)Curr.Opin.Struct.Biol.10:411−416を参照されたい。改変ジンクフィンガー結合ドメインは、天然ジンクフィンガータンパク質と比較して、新規の結合特異性を有し得る。改変方法としては、合理的設計および種々の型の選択が挙げられるが、これらに限定されない。合理的設計としては、例えば、三重鎖(四重鎖)ヌクレオチド配列および個々のジンクフィンガーアミノ酸配列を含むデータベースの使用が挙げられるが、この場合、各三重鎖または四重鎖ヌクレオチド配列は、特定の三重鎖または四重鎖配列を結合するジンクフィンガーの1つ以上のアミノ酸配列と会合される。例えば、共有米国特許第6,453,242号および同第6,534,261号を参照(この記載内容は参照により本明細書に組み込まれる)。

0079

例示的選択方法、例えばファージ表示および2−ハイブリッド系は、米国特許第5,789,538号;米国特許第5,925,523号;同第6,007,988号;同第6,013,453号;同第6.410,248号;同第6,140,466号;同第6,200,759号および同第6,242,568号;ならびにWO98/37186号;WO98/53057号;WO00/27878号;WO01/88197号およびGB2,338,237号に開示されている。さらに、ジンクフィンガー結合ドメインに関する結合特異性の増強は、例えば共有WO02/077227号に記載されている。

0080

標的部位;ZFPの選択、ならびに融合タンパク質(およびそれをコードするポリヌクレオチド)の設計および構築のための方法は当業者に既知であり、米国特許出願公開第20050064474号および2006018898号(これらの記載内容は参照により本明細書に組み込まれる)に詳細に記載されている。

0081

さらに、これらのおよび他の参考文献中に開示されるように、ジンクフィンガードメインおよび/または多指化ジンクフィンガータンパク質は、任意の適切なリンカー配列、例えば5以上のアミノ酸長のリンカーを用いて、一緒に連結され得る。6以上のアミノ酸長の例示的リンカー配列に関しては、米国特許第6,479、626号;同第6,903,185号および同第7,153,949号も参照されたい。本明細書中に記載されるタンパク質は、タンパク質の個々のジンクフィンガー間の適切なリンカーの任意の組合せを包含し得る。

0082

代替的には、DNA結合ドメインは、ヌクレアーゼに由来し得る。例えばI−SceI、I−CeuI、PI−PspI、PI−Sce、I−SceIV、I−CsmI、I−PanI、I−SceII、I−PpoI、I−SceIII、I−CreI、I−TevI、I−TevIIおよびI−TevIIIのようなホーミングエンドヌクレアーゼおよびメガヌクレアーゼ認識配列が既知である。米国特許第5,420,032号;米国特許第6,833,252号;Belfort et al.(1997)Nucleic AcidsRes.25:3379−3388;Dujon et al.(1989)Gene 82:115−118;Perler et al.(1994)Nucleic Acids Res.22,1125−1127;Jasin(1996)Trends Genet.12:224−228;Gimble et al.(1996)J.Mol.Biol.263:163−180;Argast et al.(1998)J.Mol.Biol.280:345−353;およびNew England Biolabsカタログも参照されたい。さらに、ホーミングエンドヌクレアーゼおよびメガヌクレアーゼのDNA結合特異性は、非天然標的部位を結合するよう改変され得る。例えば、Chevalier et al.(2002)Molec.Cell 10:895−905;Epinatet al.(2003)Nucleic Acids Res.31: 2952−2962;Ashworth et al.(2006)Nature 441:656−659;Paques et al.(2007)Current Gene Therapy 7:49−66;米国特許出願公開第20070117128号を参照されたい。

0083

B.切断ドメイン
本明細書中に記載されるヌクレアーゼ(例えば、ZFN)は、ヌクレアーゼ(切断ドメイン、切断ハーフドメイン)も含む。本明細書中に開示される融合タンパク質の切断ドメイン部分は、任意のエンドヌクレアーゼまたはエキソヌクレアーゼから得られる。切断ドメインが由来し得る例示的エンドヌクレアーゼとしては、制限エンドヌクレアーゼおよびホーミングエンドヌクレアーゼが挙げられるが、これらに限定されない。例えば2002−2003カタログ(New England Biolabs,Beverly,MA);およびBelfort et al.(1997)Nucleic AcidsRes.25: 3379−3388を参照されたい。DNAを切断する付加的酵素が知られている(例えばS1ヌクレアーゼ緑豆ヌクレアーゼ;膵臓DNアーゼI;小球菌ヌクレアーゼ;酵母HOエンドヌクレアーゼ;Linn et al.(eds.)Nucleases,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1993も参照されたい)。1つ以上のこれらの酵素(またはその機能的断片)は、切断ドメインおよび切断ハーフドメインの供給源として用いられ得る。

0084

同様に、切断ハーフドメインは、切断活性のために二量体化を要する、上記のような任意のヌクレアーゼまたはその部分に由来し得る。概して、融合タンパク質が切断ハーフドメインを含む場合、2つの融合タンパク質が切断のために必要とされる。代替的には、2つの切断ハーフドメインを含む単一タンパク質が用いられ得る。2つの切断ハーフドメインは、同一エンドヌクレアーゼ(またはその機能的断片)に由来し、あるいは各切断ハーフドメインは異なるエンドヌクレアーゼ(またはその機能的断片)に由来し得る。

0085

さらに、それらのそれぞれの標的部位との2つの融合タンパク質の結合が、例えば二量体化により、切断ハーフドメインに機能的切断ドメインを形成させる互いに対する空間的配向で切断ハーフドメインを配置するよう、2つの融合タンパク質のための標的部位は、好ましくは互いに関して配置される。したがって、ある実施形態では、標的部位の近縁は、5〜8ヌクレオチドまたは15〜18ヌクレオチド分離される。しかしながら、任意整数のヌクレオチドまたはヌクレオチド対が、2つの標的部位間に介入され得る(例えば2〜50ヌクレオチド対以上)。概して、切断の部位は、標的部位間にある。

0086

制限エンドヌクレアーゼ(制限酵素)は多数の種において存在し、DNAとの配列特異的結合(制限部位での)、ならびに結合部位またはその近くでのDNAの切断を可能にする。ある制限酵素(例えば、IIS型)は、認識部位から除去された部位でDNAを切断し、分離可能な結合および切断ドメインを有する。例えば、IIS型酵素FokIは、一方の鎖上のその認識部位から9ヌクレオチド、他方の鎖の上のその認識部位から13ヌクレオチドで、DNAの二本鎖切断を触媒する。例えば米国特許第5,356,802号;同第5,436,150号および同第5,487,994号;ならびにLi et al.(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:4275−4279;Li et al.(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:2764−2768;Kim et al.(1994a)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:883−887;Kim et al.(1994b)J.Biol.Chem.269:31,978−31,982を参照されたい。したがって、一実施形態では、融合タンパク質は、少なくとも1つのIIS型制限酵素からの切断ドメイン(または切断ハーフドメイン)、ならびに改変されることもされないこともある1つ以上のジンクフィンガードメインを含む。

0087

その切断ドメインが結合ドメインから分離可能な例示的IIS型制限酵素は、FokIである。この特定の酵素は、二量体として活性である(Bitinaite et al.(1998)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:10,570−10,575)。したがって、本発明の開示の目的のために、開示された融合タンパク質に用いられるFokI酵素の部分は、切断ハーフドメインとみなされる。したがって、ジンクフィンガー−FokI融合物細胞性配列の標的化二本鎖切断および/または標的化置換のために、各々がFokI切断ハーフドメインを含む2つの融合タンパク質は、触媒的に活性名切断ドメインを再構成するために用いられ得る。代替的には、ジンクフィンガー結合ドメインおよび2つのFokI切断ハーフドメインを含有する単一ポリペプチド分子も用いられ得る。ジンクフィンガー−FokI融合物を用いる標的化切断および標的化配列変更に関するパラメーターは、この開示中の他の箇所で提供される。

0088

切断ドメインまたは切断ハーフドメインは、切断活性を保持するか、または多量体化(例えば二量体化)して機能的切断ドメインを形成する能力を保持するタンパク質の任意の部分であり得る。

0089

例示的IIS型制限酵素は、国際公開番号WO07/014275号(この記載内容は参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。付加的制限酵素も分離可能な結合および切断ドメインを含有し、これらは、本発明の開示により意図される(例えば、Roberts et al.(2003)Nucleic AcidsRes.31:418−420参照)。

0090

ある実施形態では、切断ドメインは、例えば米国特許出願公開第20050064474および20060188987に、ならびに米国特許出願第11/805,850号(2007年5月23日出願)(これらの記載内容は参照により本明細書に組み込まれる)に開示されているように、ホモ二量体化を最小限にするかまたは防止する1つ以上の改変切断ハーフドメイン(二量体化ドメイン突然変異体とも呼ばれる)を含む。FokIの位置446、447、479、483、484、486、487、490、491、496、498、499、500、531、534、537および538FokI切断ハーフドメインの二量体化に影響を及ぼすための全ての標的である。

0091

絶対的へテロ二量体を形成するFokIの例示的改変切断ハーフドメインとしては、第一切断ハーフドメインがFokIの位置490および538のアミノ酸残基での突然変異を含み、第二切断ハーフドメインがアミノ酸残基486および4999での突然変異を含む対が挙げられる。

0092

したがって、一実施形態では、490での突然変異は、Glu(E)をLys(K)
に置き換え;538での突然変異は、Iso(I)をLys(K)に置き換え;486での突然変異はGln(Q)をGlu(E)に置き換え;そして499での突然変異はIso(I)をLys(K)に置き換える。具体的には、一切断ハーフドメインにおける位置490(E→K)および538(I→K)を突然変異化して改変切断ハーフドメインを産生することにより(「E490K:I538K」と呼ばれる)、そして別の切断ハーフドメインにおける位置486(Q→E)および499(I→L)を突然変異化して改変切断ハーフドメインを産生することにより(「Q486E:I499L」と呼ばれる)、本明細書中に記載される改変切断ハーフドメインは調製された。本明細書中に記載される改変切断ハーフドメインは、異所性切断が最小限にされるかまたは廃止される絶対的へテロ二量体突然変異体である(例えばWO07/139898号の実施例1参照)。

0093

本明細書中に記載される改変切断ハーフドメインは、例えば米国特許出願公開第20050064474号(例えば、実施例5参照)およびWO07/139898号に記載されたような野生型切断ハーフドメイン(FokI)の部位特異的突然変異誘発により、任意の適切な方法を用いて調製され得る。

0094

代替的には、ヌクレアーゼは、いわゆる「スプリット酵素」技法を用いて、核酸標的部位でin vivoで集合され得る(例えば米国特許出願公開第20090068164号参照)。このようなスプリット酵素の構成成分は、別個の発現構築物で発現され得るし、あるいは個々の構成成分が、例えば自己切断2AペプチドまたはIRES配列により分離される1つのオープンリーディングフレーム中で連結され得る。構成成分は、個々のジンクフィンガー結合ドメインまたはメガヌクレアーゼ核酸結合ドメインのうちのドメインであり得る。

0095

キット
本明細書中に記載されるリンカーのいずれかを含み、および/または上記方法のいずれかを実施するためのキットも提供される。キットは、典型的には、本明細書中に記載されるようなリンカー配列(または本明細書中に記載されるようなリンカーをコードするポリヌクレオチド)を含有する。キットは、リンカー単独を供給し得るし、またはDNA結合ドメインおよび/または選りすぐりのヌクレアーゼが容易に挿入されるベクターを提供し得る。キットは、細胞、細胞の形質転換のための緩衝液、細胞のための培地、および/または検定を実施するための緩衝液も含有し得る。典型的には、キットは、キットの他の構成成分に添付されるかそうでなければ添えられる使用説明書、包装または広告用チラシのような任意の構成要素を包含するラベルも含有する。

0096

用途
開示されるリンカーは、例えば、切断のために用いられる一対のジンクフィンガータンパク質の標的部位が5または6塩基対離れていない場合、DNAを切断するためにジンクフィンガータンパク質と組合せて用いられるのが有益である。切断は、細胞クロマチン中の対象領域で(例えば、ゲノム中の、例えば遺伝子(突然変異体または野生型)中の所望のまたは予定の部位で)なされて;ゲノム配列(例えば、細胞クロマチン中の対象領域)を相同非同一配列に置き換え(すなわち、標的化組換え);ゲノム中の1つ以上の部位でDNAを切断し、次いで、切断部位が非騒動末端連結(NHEJ)により連結されることによりゲノム配列を欠失し;相同組換えを促す細胞因子に関してスクリーニングし;および/または野生型配列を突然変異体配列に置き換えるか、あるいはある対立遺伝子を異なる対立遺伝子に変換し得る。このような方法は、例えば、米国特許出願公開第20050064474号;国際特許公開番号WO07/014275号(これらの記載内容は参照により本明細書に組み込まれる)に詳細に記載されている。

0097

したがって、開示されるリンカーは、具体的には標的化切断が望ましい任意の方法のために、および/または任意のゲノム配列を相同非同一配列に置き換えるために、任意のZFN中で用いられ得る。例えば、突然変異体ゲノム配列は、その野生型対応物により置き換えられ、それにより、例えば遺伝子疾患遺伝性障害、癌および自己免疫疾患の治療のための方法を提供し得る。同様にして、本明細書中に開示される方法および組成物を用いて、遺伝子の一方の対立遺伝子は異なる対立遺伝子に置き換えられ得る。実際、特定のゲノム配列に依っている任意の病態は、任意の方式で、本明細書中に開示される方法および組成物を用いて矯正されるかまたは軽減され得る。

0098

例示的遺伝子疾患としては、軟骨形成不全、赤緑色覚異常酸性マルターゼ欠損症アデノシンデアミナーゼ欠損症(OMIM No.102700)、副腎白質萎縮症エカルディ症候群アルファ−1アンチトリプシン欠損症、アルファ地中海貧血アンドロゲン不応症候群、アペール症候群不整脈性右心室異形成毛細管拡張性運動失調バル症候群ベータ地中海貧血、青色ゴムまり様母斑症候群、キャナヴァン病慢性肉芽腫性疾患(CGD)、ネコ泣き症候群、嚢胞性繊維症ダーカム病外胚葉性異形成ファンコーニ症候群進行性骨化性繊維形成異常症脆弱X染色体症候群ガラクトース血症ゴーシェ病全身性ガングリオシドーシス(例えばGM1)、血色素症ベータグロビンの第6コドンにおけるヘモグロビンC突然変異(HbC)、血友病ハンチントン病フルラー症候群低ホスファターゼ血症クラインフェルター症候群クラッベ病ランガー・ギーディオン症候群、白血球粘着不全症(LAD、OMIM No.116920)、白質ジストロフィー、QT延長症候群、マルファン症候群、メービウス症候群、ムコ多糖沈着症(MPS)、爪膝蓋骨症候群、原発性尿崩症神経繊維症、ニーマンピック病骨形成不全ポルフィリン症プラダーウィリー症候群、早老症プロテウス症候群、網膜芽細胞腫レット症候群、ルビンシュタインテイビ症候群、サンフィリッポ症候群、重症複合免疫不全症SDID)、シュバッハマン症候群、鎌状赤血球病鎌状赤血球貧血症)、スミス・マジェニス症候群、スティックラー症候群、テイ・ザックス病、血小板減少性橈骨欠損(TAR)症候群、トリーチャーコリンズ症候群、トリソミー結節硬化症ターナー症候群尿素回路障害、フォンヒッペルリンドウ病、ワーデンブルグ症候群、ウィリアム症候群、ウィルソン病ウィスコット・アルドリッヒ症候群、X連鎖リンパ球増殖症候群(XLP、OMIM No.308240)が挙げられるが、これらに限定されない。

0099

標的化DNA切断および/または相同組換えにより治療され得る付加的疾患の例としては、後天性免疫不全症リソソーム蓄積病(例えば、ゴーシェ病、GM1、ファブリー病およびテイ・ザックス病)、ムコ多糖沈着症(ハンター病、フルラー病)、ヘモグロビン症(例えば、鎌状赤血球病、HbC、α−地中海貧血、β−地中海貧血)ならびに血友病が挙げられる。

0100

感染または組込みウイルスゲノムの標的化切断を用いて、宿主におけるウイルス感染を治療し得る。さらに、ウイルスに対する受容体をコードする遺伝子の標的化切断を用いてこのような受容体の発現を遮断し、それにより、宿主生物体中のウイルス感染および/またはウイルス蔓延を防止し得る。ウイルス受容体(例えば、HIVに関するCCR5およびCXCR4)をコードする遺伝子の標的化突然変異誘発を用いて受容体をウイルスと結合できないようにさせて、それにより新規の感染を防止し、存在する感染の蔓延を遮断し得る(国際特許公開番号WO2007/139982号参照)。標的化され得るウイルスまたはウイルス受容体の非限定例としては、単純ヘルペスウイルス(HSV)、例えばHSV−1およびHSV2、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、エプスタイン・バーウイルス(EBV)およびサイトメガロウイルス(CMV)、HHV6およびHHV7が挙げられる。肝炎ファミリーのウイルスとしては、A型肝炎ウイルスHAV)、B型肝炎ウイルスHBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、デルタ肝炎ウイルス(HDV)、E型肝炎ウイルス(HEV)およびG型肝炎ウイルス(HGV)が挙げられる。その他のウイルスまたはそれらの受容体が標的化され、例としては、ピコルナウイルス科(例えばポリオウイルス等);カリシウイルス科トガウイルス科(例えば、風疹ウイルスデング熱ウイルス等);フラビウイルス科コロナウイルス科レオウイルス科ビルナウイルス科;ラボドウイルス科(例えば、狂犬病ウイルス等);フィロウイルス科パラミクソウイルス科(例えば、流行性耳下腺炎ウイルス麻疹ウイルス呼吸器合胞体ウイルス等);オルトミクソウイルス科(例えば、A、BおよびC型インフルエンザウイルス等);ブニヤウイルス科アレナウイルス科レトロウイルス科レンチウイルス科(例えば、HTLV−I;HTLV−II;HIV−I(HTLV−III、LAV、ARV、hTLR等としても既知)、HIV−II);サル免疫不全ウイルス(SIV)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、インフルエンザウイルスおよびダニ媒介性脳炎ウイルスが挙げられるが、これらに限定されない。これらのおよびその他のウイルスの説明に関しては、例えば、Virology,3rd Edition(W.K.Joklik ed.1988);Fundamental Virology,2nd Edition(B.N.Fieldsand D.M.Knipe,eds.1991)を参照されたい。HIVに対する受容体としては、例えばCCR−5およびCXCR−4が挙げられる。

0101

開示されたリンカーを含有するZFNは、1つ以上のゲノム配列の(部分的または完全な)不活性化のためにも用いられ得る。不活性化は、例えば、単一切断事象により、切断とその後の相同末端連結により、2つの部位での切断と、その後の、2つの切断部位間の配列を欠失するための連結により、コード領域へのミスセンスまたはナンセンスコドンの標的化組換えにより、遺伝子または調節領域を分断するための、遺伝子またはその調節領域への無関連配列(すなわち、「スタッファー」配列)の標的化組換えにより、あるいは転写物のミススプライシングを引き起こすためのイントロンへのスプライス受容体配列の標的化組換えにより達成され得る。

0102

内因性遺伝子のZFN媒介性不活性化(例えば、ノックアウト)は、例えば、アポトーシスまたはタンパク質産生(例えば、フコシル化のような翻訳後修飾)に関与する遺伝子を欠く細胞株を生成するために用いられ得る。ZFN媒介性不活性化は、トランスジェニック生物(例えば、植物、齧歯類およびウサギ)を生成するためにも用いられ得る。

0103

さらに、ZFNは2つの半部位間のDNAに対する特異性を有するとは思われないため、結果的に生じる一本鎖オーバーハングが任意の所望の配列を有するようDNAを切断するために、本明細書中に記載されるようなリンカーを有するZFNが設計され得る。特に、本明細書中に記載されるようなリンカーは、開始配列に関してこれらの一本鎖オーバーハングのサイズおよび位置の両方に影響を及ぼすよう設計され得る。したがって、ZFN中に組み入れられる場合、本明細書中に記載されるようなリンカーは、切断後により均一な末端を生じ得る。したがって、本明細書中に記載されるリンカーは、ZFNを用いてDNAをより効率的にクローン化するためにも用いられ、これは、バイオテクノロジーおよび基礎科学の多数の領域に広範に適用可能である。

0104

したがって、本明細書中に記載されるリンカーは、遺伝子修飾用途におけるZFN媒介性切断を改善するための広範な有用性を提供する。本明細書中に記載されるようなリンカーは、標準クローニング、合成生物学のための大型ゲノムの構築、大型配列新型FLP分析における多数の用途に用いられるべき部位特異的突然変異誘発または標準クローニングにより、任意の現存ZFN中に容易に組み入れられ得るし、あるいは非常に大きなDNA配列を包含する新型のクローニングを可能にさえする。剛直リンカーを有するZFNの潜在的特質も、DNA計算のような用途において理想的であり得る。

0105

実施例1:剛直リンカーを有するZFNの設計および構築
ヒトCCR5遺伝子座に対して標的化されるジンクフィンガーヌクレアーゼ構築物を、WO2007/139982号に開示されたように調製した。野生型構築物は、「ZC」リンカーを包含した。「L6a」と呼ばれる剛直リンカーを有するZFN構築物を、図2に示す。「L7a」と呼ばれる剛直リンカーを有する構築物を、図3に示す。

0106

さらに、MELAS(ミトコンドリア筋疾患脳疾患乳酸アシドーシスおよび卒中)を引き起こす突然変異を含有するヒトミトコンドリア中の配列に対して標的化されるZFNの対も、L7aを含むよう調製した。

0107

実施例2:ZFN活性
A.CCR5標的化ZFN
WO2009/042163号に記載された酵母Mel−I受容体系で、CCR5標的化ZFNSBS#8266をコードする構築物を最初に試験した。特に、3、4、5、6、7または8bp離されたSBS#8266標的部位の逆方向反復を有する酵母菌株を用いて、構築物を特性化した。

0108

野生型ZFN(標準LRGSQLVKSELEEKKSリンカーを有する)は、5bpおよび6bp半部位間隔で強力な活性を示した。さらに、L6aリンカー配列を有する構築物(図2)は6bp間隔で活性を示し、L7aリンカー配列(図3)は7bpおよび8bp間隔で有意の活性を示した。

0109

MELAS標的化ZFNのin vitroDNA結合および切断活性も検定し、剛直L7aリンカーを含むZFNの対はそれらの標的を切断した。

0110

最後に、半部位間に種々の数の塩基対を含有する細胞株中の内因性ヒトCCR5遺伝子座でのNHEJ活性に関して、L7aリンカーを含むCCR5 ZFNを試験した。結果を、表1に示す。

0111

予測どおり、野生型ZFNのみが、5また6bp離された半部位で高い活性を示した。しかしながら、剛直L7aリンカーを含むCCR5標的化ZFNは、7bp間隔で高い活性を、8bp間隔で顕著な活性を示した。7bp間隔でのL7a構築物の効率は、5bp間隔での野生型ZFN(野生型細胞株または半部位間に5bpの異なる配列を有する細胞株で)の効率と非常に類似する、ということに留意すべきである。

0112

さらに、リンカーの組合せも、CCR5標的化ZFN対で試験した。要するに、CCR5 ZFN結合部位間に4〜8塩基対(bp)のギャップを有するよう、K562細胞を改変した。異なるリンカー組合せ(Wt/L7a)を有する2つのCCR5 ZFNを、AmaxaシャトルによりこれらのK562細胞中にトランスフェクトした。トランスフェクションの3日後に試料採取して、CEL1−I検定分析に付した。CEL1−Iミスマッチ検定を、本質的にメーカーの使用説明書(Trangenomic SURVEYOR(商標))に従って実施した。

0113

Wt/WtリンカーZFNは5bpギャップ標的配列で最高活性を有する;L7a/L7aリンカーZFNは7bpギャップ配列で最高活性を有した;Wt/L7aまたはL7a/Wtリンカー組合せを有するZFNは、6bpギャップ配列で最高活性を有した、ということを、結果は示している。

0114

B.ROSA標的化ZFN
6bpギャップを有する標的部位を用いて、Amaxaシャトルにより、Neuro2A細胞を、mROSA標的化ZFNの組合せ(例えば米国特許出願公開第2007/0134796号参照)でトランスフェクトした。対の一方のZFNは野生型リンカー(「ZC」)を含み、他方は、野生型または本明細書中に記載されるようなL7aリンカーを包含した。上記ならびに米国特許出願公開第2007/0134796号に記載されたように、試料をトランスフェクション後3日目に採取し、CEL−I分析に付した。

0115

以下の表2に示すように、一対のZFN中の野生型(WT)/L7aリンカーは、6bpギャップで活性である。

0116

C.ラットIgM
6bpギャップを有する標的部位を用いて、Amaxaシャトルにより、ラットC6細胞を、ラットIgM標的化ZFNの組合せ(例えば米国特許出願第61/205,970号参照)でトランスフェクトした。対の一方のZFNは野生型リンカー(「ZC」)を含み、他方は、野生型または本明細書中に記載されるようなL7aリンカーを包含した。上記ならびに米国特許出願公開第2007/0134796号に記載されたように、試料をトランスフェクション後9日目に採取し、CEL−I分析に付した。

0117

L7aリンカーを含むZFNの対を含有する細胞は、ZCリンカーを含む一対のZFNを含有する細胞(1.93%NHEジェイを示す)と比較して、2.43%NHEジェイを示した。さらに、L7a含有リンカーZFN対を用いてラットES細胞に注射し(米国特許出願第61/205,970号に記載)、これらのES細胞は、ホモ接合型IgM遺伝子ノックアウトラット子孫を首尾よく産生した。

0118

本明細書中に記述した特許、特許出願および出版物は全て、その記載内容が参照により本明細書に組み込まれる。

実施例

0119

理解を明快にするという目的のために図および実施例により多少詳細に開示を提供してきたが、本発明の開示の精神または範囲を逸脱しない限り、種々の変更および修正がなされ得るということは、当業者には明らかである。したがって、前記の説明および実施例は、本発明を限定するものではない。

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