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技術 細胞死を検出しイメージングするための薬剤

出願人 ケンブリッジエンタープライズリミテッド
発明者 ブリンドル,ケビンニーブス,アンドレデバッカー,マアイケアラム,イスラット
出願日 2009年4月29日 (10年9ヶ月経過) 出願番号 2011-506768
公開日 2011年7月7日 (8年7ヶ月経過) 公開番号 2011-519367
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 時間経過データ 混濁状 共役材料 シクロヘキシレンジニトリロ 蛍光反射 内側膜 ハイパースペクトル チップフロー
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重要な関連分野

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図面 (19)

課題・解決手段

本発明は、S78C変異シナプトタグミンI C2Aドメインを含む分子造影剤に関する。これらの薬剤は、例えば、癌治療後腫瘍におけるin vitroおよびin vivoでの細胞死の検出または評価に有用であろう。

概要

背景

治療後の腫瘍における細胞死発現および広がりの速度は、治療結果の良好な予後指標と考えられる。従って、in vivoでの細胞死の発現および範囲を検出することが可能な、例えば、核磁気共鳴画像法(MRI)用の標的造影剤は、例えば、癌治療の効果を評価するのに有用である。in vivoでの細胞死の発現および範囲の検出は、心筋梗塞心臓プラーク、炎症、または感染症などの他の病的状態にも有用であろう。

死につつある細胞の表面上に外面化したフォスファチジルセリン(PS)に結合するアネキシンVは、in vivoでの細胞死を検出するために造影剤に使用されている。しかしながら、アネキシンVは、サイズが大きい(36kDa)、GMP産生プロセスが複雑である、in vivoでの腎クリアランスが遅いなどのいくつかの制限があり、造影剤としての臨床用途が制限されている(Hanら、(2008),Nat Med 14(3);343;van de Wieleら、(2003),J Clin Oncol 21:3483;Belhocineら、(2002),Clin Cancer Res 8:2766)。

フォスファチジルセリン(PS)にも結合するシナプトタグミンIのC2Aドメインは、酸化鉄ナノ粒子で標識されて、in vivoでの細胞死の検出に使用されている[Zhao Mら、Nat Med.7(11):1241,2001]。しかしながら、このアプローチ有用性は、これらの構築物のサイズが比較的大きい(〜25nm)ことによって、血管系からの構築物の溢出、および腫瘍からの非結合材料クリアランス両方とも制限し、それ故に組織コントラストの生成を制限していた。

ガドリニウム(Gd3+)−キレートMRI造影剤は、陽性コントラストを与え、腫瘍にしばしば見られる空間的および一時的に不均一なコントラストの検出を容易にする。Gd3+−キレート系造影剤は、in vitro[Jung HIら、Bioconjug Chem.15(5):983,2004]およびin vivo[Krishan Aら、Radiology,246(3):854,2008]で使用されており、腫瘍治療の効果を上手く検出している。

(Gd3+)−標識アビジンに結合された2つのビオチニル化された野生型C2Aドメインに基づいた造影剤は、in vitroで試験されている[Nevesら、Nano Lett.7(5):1419,2007]。

C2A−GST融合タンパク質は、99mTcで標識されており、治療後における腫瘍の細胞死を検出するためにSPECT一緒に使用されている[Wangら、Nucl.Med.Biol.35(3):359−364,2008]。

上記の薬剤は全て、いくつかの本質的な限界を有している。野生型C2Aのリジンイプシロンアミノ基を修飾することは、活性を部分的に喪失させる。さらに、リジン残基の修飾により、フォスファチジルセリンに対する種々の結合親和性をもつ複数のC2A種が生成される。ビオチニル化により、野生型C2Aを1〜3個のビオチン分子で標識することが示されている。複数種を生成することに加えて、野生型C2Aの分子1個当たりに2個以上のビオチン分子が存在することで、複数のアビジン分子の分子間反応が促進され、高分子量複合体が生成される。これは、造影剤を使用する前に取り除く必要がある。

本発明者らは、修飾されたシナプトタグミンI C2Aドメインに基づいた改良型分子造影剤を開発した。これらの薬剤は、例えば、癌治療後の腫瘍におけるin vivoでの細胞死の評価に有用であろう。

概要

本発明は、S78C変異シナプトタグミンI C2Aドメインを含む分子造影剤に関する。これらの薬剤は、例えば、癌治療後の腫瘍におけるin vitroおよびin vivoでの細胞死の検出または評価に有用であろう。

目的

本発明は、配列番号1の78番目に対応する位置でシステイン残基を有するシナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドと;システイン残基に結合した検出可能標識とを含む造影剤を提供する

効果

実績

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請求項1

列番号1の78番目に対応する位置でシステイン残基を有するシナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドと;前記システイン残基に結合した検出可能標識と、を含む造影剤

請求項2

前記シナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドが、フォスファチジルセリン(PS)に結合する請求項1に記載の造影剤。

請求項3

前記シナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドが、配列番号1のアミノ酸配列を含む請求項1または請求項2に記載の造影剤。

請求項4

前記検出可能標識が蛍光検出可能標識である請求項1〜3のいずれか1項に記載の造影剤。

請求項5

前記検出可能標識が核磁気共鳴画像法の検出可能標識である請求項1〜3のいずれか1項に記載の造影剤。

請求項6

前記核磁気共鳴画像法の検出可能標識が常磁性イオンまたは超常磁性イオンである請求項5に記載の造影剤。

請求項7

前記標識がガドリニウム(Gd3+)イオンである請求項6に記載の造影剤。

請求項8

前記検出可能標識がシンチグラフィ検出可能標識である請求項1〜3のいずれか1項に記載の造影剤。

請求項9

前記シンチグラフィ検出可能標識が陽電子放出放射性同位元素である請求項8に記載の造影剤。

請求項10

前記シンチグラフィ検出可能標識がガンマ放出放射同位元素である請求項8に記載の造影剤。

請求項11

前記ガンマ放出放射性同位元素がテクネチウム99mまたはインジウム111である請求項10に記載の造影剤。

請求項12

前記検出可能標識が、前記シナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドの前記システイン残基に結合するチオール反応基を含む請求項1〜11のいずれか1項に記載の造影剤。

請求項13

前記シナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドの前記システイン残基に結合するチオール反応基と、前記検出可能標識に結合する結合部分とを含む二機能性リンカーをさらに含む請求項1〜11のいずれか1項に記載の造影剤。

請求項14

前記検出可能標識が金属イオンであり、前記結合部分が前記金属イオンと錯体化するキレートである請求項13に記載の造影剤。

請求項15

前記キレートがDOTAまたはDTPAである請求項14に記載の造影剤。

請求項16

前記チオール反応基がマレイミド基である請求項12〜15のいずれか1項に記載の造影剤。

請求項17

体内細胞死イメージング方法であって、請求項1〜17のいずれか1項に記載の造影剤を個体に投与する工程と、前記個体内における前記造影剤の分布の1枚以上の画像を生成する工程と、を含む方法。

請求項18

前記個体のある部位での前記造影剤の結合が、前記部位での細胞死の量または範囲を示す請求項17に記載の方法。

請求項19

前記個体が1つ以上の部位の細胞死の存在によって特徴付けられる病状を有しており、前記1枚以上の画像が前記1つ以上の部位での前記造影剤の分布を示す請求項18に記載の方法。

請求項20

前記個体が腫瘍を有しており、前記1枚以上の画像が前記腫瘍の部位での前記造影剤の分布を示す請求項18に記載の方法。

請求項21

個体において腫瘍を治療する癌治療の効果を決定する方法であって、癌治療前、癌治療中、または癌治療後に請求項1〜16のいずれか1項に記載の造影剤を個体に投与する工程と、前記個体内の前記腫瘍の部位で前記造影剤の分布の1枚以上の画像を生成する工程と、を含み、前記治療前に対して前記治療中または前記治療後に前記腫瘍の部位での前記造影剤の結合が増加することは、前記治療が前記個体に有効であることを示す方法。

請求項22

前記癌治療が放射線治療または化学療法である請求項21に記載の方法。

請求項23

個体内の1つ以上の部位の細胞死によって特徴付けられる病状に対する治療の効果を決定する方法であって、治療前、治療中、または治療後に請求項1〜16のいずれか1項に記載の造影剤を個体に投与する工程と、前記個体内の細胞死の前記1つ以上の部位で前記造影剤の分布の1枚以上の画像を生成する工程と、を含み、前記治療前に対して前記治療中または前記治療後に細胞死の1つ以上の部位での前記造影剤の結合が減少することは、前記治療が前記個体に有効であることを示す方法。

請求項24

個体に対する治療計画の効果を決定する方法であって、(a)初期の治療計画を前記個体に施す工程と、(b)前記個体内の死細胞または死につつある細胞に本明細書に記載の造影剤が結合する量または範囲を決定する工程と、を含み、前記計画に応じて前記結合の量または範囲が変化することは、前記計画が前記個体に有効であることを示す方法。

請求項25

(c)前記治療計画を変更し、前記変更された計画を前記個体に施す工程と、(d)前記個体内の死細胞または死につつある細胞に本明細書に記載の造影剤が結合する量または範囲を決定する工程と、(e)前記造影剤が結合する量または範囲に変化が観察されるまで、工程c)および工程d)を繰り返す工程と、をさらに含む請求項24に記載の方法であって、前記計画に応じて結合の量または範囲が変化することは、前記計画が前記個体に有効であることを示す方法。

請求項26

前記個体が癌状態を有しており、前記計画に応じて腫瘍組織に前記造影剤が結合する量または範囲が増大することは、前記計画が前記個体に有効であることを示す請求項23または請求項24に記載の方法。

請求項27

前記個体が1つ以上の部位の細胞死の存在によって特徴付けられる病状を有しており、前記計画に応じて前記個体内の1つ以上の疾患部位に前記造影剤が結合する量または範囲が減少することは、前記計画が前記個体に有効であることを示す請求項23または請求項24に記載の方法。

請求項28

前記病状が、心筋梗塞心臓プラーク形成、炎症、または感染症からなる群から選択される請求項27に記載の方法。

請求項29

個体内の細胞死のイメージングに用いる医薬組成物調製方法であって、請求項1〜16のいずれか1項に記載の造影剤を提供する工程と、前記造影剤を医薬的に許容される賦形剤と混合する工程と、を含む方法。

請求項30

請求項1〜16のいずれか1項に記載の造影剤を含む第1の容器と、医薬的に許容される希釈剤を含む第2の容器と、を含む細胞死をイメージングするためのキット

技術分野

0001

本発明は、分子イメージングに用いる造影剤に関し、特に、in vivoでの細胞死発現および範囲を検出するための造影剤に関する。

背景技術

0002

治療後の腫瘍における細胞死の発現および広がりの速度は、治療結果の良好な予後指標と考えられる。従って、in vivoでの細胞死の発現および範囲を検出することが可能な、例えば、核磁気共鳴画像法(MRI)用の標的造影剤は、例えば、癌治療の効果を評価するのに有用である。in vivoでの細胞死の発現および範囲の検出は、心筋梗塞心臓プラーク、炎症、または感染症などの他の病的状態にも有用であろう。

0003

死につつある細胞の表面上に外面化したフォスファチジルセリン(PS)に結合するアネキシンVは、in vivoでの細胞死を検出するために造影剤に使用されている。しかしながら、アネキシンVは、サイズが大きい(36kDa)、GMP産生プロセスが複雑である、in vivoでの腎クリアランスが遅いなどのいくつかの制限があり、造影剤としての臨床用途が制限されている(Hanら、(2008),Nat Med 14(3);343;van de Wieleら、(2003),J Clin Oncol 21:3483;Belhocineら、(2002),Clin Cancer Res 8:2766)。

0004

フォスファチジルセリン(PS)にも結合するシナプトタグミンIのC2Aドメインは、酸化鉄ナノ粒子で標識されて、in vivoでの細胞死の検出に使用されている[Zhao Mら、Nat Med.7(11):1241,2001]。しかしながら、このアプローチ有用性は、これらの構築物のサイズが比較的大きい(〜25nm)ことによって、血管系からの構築物の溢出、および腫瘍からの非結合材料クリアランス両方とも制限し、それ故に組織コントラストの生成を制限していた。

0005

ガドリニウム(Gd3+)−キレートMRI造影剤は、陽性コントラストを与え、腫瘍にしばしば見られる空間的および一時的に不均一なコントラストの検出を容易にする。Gd3+−キレート系造影剤は、in vitro[Jung HIら、Bioconjug Chem.15(5):983,2004]およびin vivo[Krishan Aら、Radiology,246(3):854,2008]で使用されており、腫瘍治療の効果を上手く検出している。

0006

(Gd3+)−標識アビジンに結合された2つのビオチニル化された野生型C2Aドメインに基づいた造影剤は、in vitroで試験されている[Nevesら、Nano Lett.7(5):1419,2007]。

0007

C2A−GST融合タンパク質は、99mTcで標識されており、治療後における腫瘍の細胞死を検出するためにSPECT一緒に使用されている[Wangら、Nucl.Med.Biol.35(3):359−364,2008]。

0008

上記の薬剤は全て、いくつかの本質的な限界を有している。野生型C2Aのリジンイプシロンアミノ基を修飾することは、活性を部分的に喪失させる。さらに、リジン残基の修飾により、フォスファチジルセリンに対する種々の結合親和性をもつ複数のC2A種が生成される。ビオチニル化により、野生型C2Aを1〜3個のビオチン分子で標識することが示されている。複数種を生成することに加えて、野生型C2Aの分子1個当たりに2個以上のビオチン分子が存在することで、複数のアビジン分子の分子間反応が促進され、高分子量複合体が生成される。これは、造影剤を使用する前に取り除く必要がある。

0009

本発明者らは、修飾されたシナプトタグミンI C2Aドメインに基づいた改良型分子造影剤を開発した。これらの薬剤は、例えば、癌治療後の腫瘍におけるin vivoでの細胞死の評価に有用であろう。

0010

一態様において、本発明は、配列番号1の78番目に対応する位置でシステイン残基を有するシナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドと;システイン残基に結合した検出可能標識とを含む造影剤を提供する。

0011

造影剤は、シナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドを介してフォスファチジルセリン(PS)に結合する。その後、検出可能標識により、個体においてin vivoで結合した薬剤の画像を生成することができる。死につつある細胞は、フォスファチジルセリン(PS)を細胞表面上に外面化するか、または、フォスファチジルセリン(PS)を細胞膜内側膜(inner leaflet)上に露出するため、得られた画像において結合造影剤の濃度が増加することは、個体内の組織または領域で細胞死が起きていることを示すものである。換言すれば、ある部位でアポトーシス細胞または壊死細胞が存在することは、個体において、他の部位に対して前記部位での造影剤の量が増すことによって示される。

0012

シナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドは、哺乳動物シナプトタグミンIのC2Aドメインまたはその変異体アミノ酸配列を含んでもよく、修飾されたアミノ酸配列は、配列番号1の78番目に対応する位置でシステイン残基を含む。配列番号1の78番目に対応する位置のシステイン残基は、シナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドにおける唯一のシステイン残基であることが好ましい。

0013

配列番号1の78番目に対応する位置でシステイン残基を有するシナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドは、本明細書では「C2Am」と呼ぶ。

0014

検出可能標識がC2Aドメインのシステイン基に結合することで、フォスファチジルセリンに対して単一の結合親和性をもつ一様な形式(即ち、単一の分子種)の造影剤を生成することができる。

0015

例えば、シナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドは、配列番号1の78番目に対応する位置でシステイン残基を保持する配列番号1のアミノ酸配列、または、配列番号1のアミノ酸配列の変異体を含んでもよい。

0016

哺乳動物シナプトタグミンIのC2Aドメインの変異体は、参照する哺乳動物シナプトタグミンIのC2Aドメインの配列と少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有してもよい。

0017

適当な参照哺乳動物シナプトタグミンI配列としては、ヒトシプトグミンIのC2Aドメインのアミノ酸配列(SYT1:GeneID:6857;核酸配列NM_005639.1GI:5032138;アミノ酸配列NP_005630.1 GI:5032139)または、ドブネズミなどの別の哺乳類種からのホモログ(Syt1:GeneID:25716;アミノ酸配列P21707.3 GI:94730428またはNP_001028852.2 GI:148356226;ヌクレオチド配列NM_001033680.2 GI:148356225)が挙げられる。シナプトタグミンIのC2Aドメインの78番目(配列番号1)は、完全長ドブネズミシナプトタグミンIの217番目および完全長ヒトシナプトタグミンIの218番目に一致する。

0018

適当な参照配列としては、配列番号1に示すシナプトタグミンIのS78C変異C2Aドメインが挙げられる。配列番号1は、ラットおよびヒトのC2Aドメインアミノ酸配列(両方とも同一)に対応する。

0019

アミノ酸配列同一性は、一般に、アルゴリズムAPGCG Wisconsin Package(商標)、アクセルリス社、カリフォルニアサンディエゴ)を参照して定義される。GAPは、Needleman−Wunschアルゴリズム(J.Mol.Biol.(48):444−453(1970))を用いて、マッチ数最大化し、かつ、ギャップ数を最小化する2つの全配列を整列させる。一般に、ギャップ創製ペナルティ=12およびギャップ伸長ペナルティ=4のデフォルトパラメータを用いる。GAPを使用することが好ましいが、他のアルゴリズム、例えば、BLASTもしくはTBLASTN(Altschulら、(1990)J.Mol.Biol.215:405−410の方法を用いる)、FASTA(Pearson and Lipman(1988)PNAS USA 85:2444−2448の方法を用いる)、またはSmith−Watermanアルゴリズム(Smith and Waterman(1981)J.Mol.Biol.147:195−197)を用いてもよく、これらは、一般に、デフォルトパラメータを用いる。

0020

具体的なアミノ酸配列変異体は、1個のアミノ酸、2、3、4、5〜10、10〜20、または20〜30個のアミノ酸を挿入、付加、置換、または欠失することによって、所与の配列のものとは異なり得る。

0021

C2Aドメインにおける配列番号1のシナプトタグミンIのC2Aドメインの78番目に対応する位置は、ルーチン配列分析技術を用いて、シナプトタグミンポリペプチド配列において容易に決定することができる。この位置のアミノ酸は、ルーチンの部位特異的変異導入技術を用いて、システイン残基に置き換えてもよい(例えば、Molecular Cloning:a Laboratory Manual:第3版、Russellら、(2001)Cold Spring Harbor Laboratory Pressを参照されたい)。

0022

1つ以上の異種アミノ酸(例えば、異種ペプチドまたは異種ポリペプチド配列)は、本明細書に記載のC2Aドメイン配列に結合または融合してもよい。例えば、シナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドは、1つ以上の異種アミノ酸に結合または融合した上述のC2Aドメインポリペプチドを含んでもよい。1つ以上の異種アミノ酸は、シナプトタグミンIタンパク質以外のソースからの配列を含んでもよい。

0023

いくつかの実施形態において、分子造影剤は、複数のC2Aドメインを含んでもよい。例えば、造影剤は、上述の変異型C2Aドメインに加えて、1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のC2Aドメインを含んでもよい。これらの追加C2Aドメインは、薬剤中に追加の検出可能標識を組み込むために、シナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドの親和性を増す1つ以上の野生型C2Aドメインと、上述の1つ以上の追加S78C C2Aドメイン変異体とを含んでもよい。

0024

いくつかの実施形態において、造影剤に使用されるシナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドは、例えば、トロンビンまたは第Xa因子などの部位特異的プロテアーゼを用いて、シナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドを含む融合タンパク質を開裂することによって作ることができる。このようにして作られたシナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドは、部位特異的プロテアーゼ認識配列の全部または一部を形成するNまたはC末端で1つ以上の異種アミノ酸を含んでもよい。融合タンパク質は、精製後に部位特異的プロテアーゼによって除去される精製タグを含んでもよい。適当な精製タグとしては、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(日本住血吸蟲から)が挙げられる。シナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドの作製については、以下により詳細に説明する。

0025

いくつかの実施形態において、本明細書に記載の分子造影剤は、40kDa未満、30kDa未満、または20kDa未満の分子量を有する。

0026

本発明の別の態様は、
配列番号1の78番目に対応する位置でシステイン残基を有するシナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドと;
前記システイン残基が結合するのに適当な検出可能標識と
を含む、細胞死を検出するための造影剤に使用される単離結合部分を提供する。

0027

シナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドは、上記でより詳細に説明している。

0028

シナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドは、化学合成によって全体的または部分的に生成してもよい。例えば、ポリペプチドは、液相もしくは固相合成法を用いて;溶液中で;または、固相、液相、および溶液化学のいずれかの組み合わせによって合成することができる。例えば、最初に各々のペプチド部分を完成させ、次に、所望かつ適切ならば存在する任意の保護基を除去後、各々の炭酸もしくはスルホン酸またはそれらの反応性誘導体の反応によって残基Xを導入することによる。

0029

ポリペプチドの化学合成は、当該技術分野で周知である(J.M.Stewart and J.D.Young,Solid Phase Peptide Synthesis,第2版、Pierce Chemical Company,Rockford,Illinois(1984);M.Bodanzsky and A.Bodanzsky,The Practice of Peptide Synthesis,Springer Verlag,New York(1984);J.H.Jones,The Chemical Synthesis of Peptides.Oxford University Press,Oxford 1991;in Applied Biosystems 430A Users Manual,ABIInc.,FosterCity,California;G.A.Grant,(Ed.)Synthetic Peptides,A User’s Guide.W.H.Freeman & Co.,New York 1992,E.Atherton and R.C.Sheppard,Solid Phase Peptide Synthesis,A Practical Approach.IRL Press 1989 and in G.B.Fields,(Ed.)Solid−Phase Peptide Synthesis(Methods in Enzymology Vol.289).Academic Press,New York and London 1997)。

0030

シナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドは、組み換え技術によって全体的または部分的に生成してもよい。例えば、シナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドでコード化した核酸は、宿主細胞で発現され、発現されたポリペプチドは、細胞培養から単離、および/または、精製してもよい。

0031

上述の核酸配列および構築物は、発現ベクター内に含まれてもよい。適当なベクターは、プロモーター配列終結フラグメントポリアデニル化配列エンハンサー配列マーカー遺伝子、および必要に応じて他の配列を含む適切な調節配列を含んで選択または構築することができる。ベクターは、宿主細胞内の核酸の発現を駆動するための適切な調節配列を含むのが好ましい。発現系における異種核酸コード配列の発現を駆動するための適当な調節配列は、当該技術分野で周知であり、構成的プロモーター(例えば、CMVまたはSV40などのウイルスプロモーター)、および誘導性プロモーター(例えば、Tet−on制御プロモーター)が挙げられる。ベクターは、大腸菌などの細菌宿主、および/または、真核細胞内で選択、複製、および発現することが可能な、複製起点および選択マーカーなどの配列も含んでよい。

0032

ベクターは、プラスミド、ウイルス(例えば、ファージ)、または必要に応じてファージミドでもよい。さらなる詳細については、例えば、Molecular Cloning:a Laboratory Manual:第3版、Russellら.、2001,Cold Spring Harbor Laboratory Pressを参照されたい。細胞培養中の組み換えポリペプチドの発現、その後の単離および精製の多くの公知技術およびプロトコルは当該技術分野で周知である(例えば、Protocols in Molecular Biology,第2版、Ausubelら.eds.John Wiley & Sons,1992;Recombinant Gene Expression Protocols Ed RS Tuan(Mar 1997)Humana Press Incを参照されたい)。

0033

いくつかの実施形態において、シナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドは、精製タグを備えた融合タンパク質として発現されてもよい。融合タンパク質は、シナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドと精製タグの間にプロテアーゼ認識部位を含むのが好ましい。発現後、融合タンパク質は、精製タグに結合する固定化された化学物質を用いて、アフィニティクロマトグラフィーによって単離することができる。単離後、融合タンパク質は、例えば、トロンビンまたは第Xa因子を用いてタンパク質分解によって開裂して、シナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドを生成することができる。

0034

精製タグは、特異的結合対の一メンバーを形成する異種アミノ酸配列である。精製タグを含むポリペプチドは、特異的結合対の他のメンバーがポリペプチドに結合することで検出され、単離され、および/または、精製されてもよい。いくつかの好適な実施形態において、タグ配列は、抗体分子によって結合されるエピトープを形成してもよい。

0035

種々の適当な精製タグは、当該技術分野で周知であり、例えば、MRGS(H)6、DYKDDDDK(FLAG(商標))、T7−、S−(KETAAAKFERQHMDS)、ポリ−Arg(R5−6)、ポリ−His(H2−10)、ポリ−Cys(C4)、ポリ−Phe(F11)、ポリ−Asp(D5−16)、ストレプト−タグII(WSHPQFEK)、c−myc(EQKLISEEDL)、インフルエンザHAタグ(Murray,P.J.ら(1995)Anal Biochem 229,170−9)、Glu−Glu−Pheタグ(Stammers,D.K.ら(1991)FEBSLett 283,298−302)、タグ100(Qiagen;哺乳類MAPキナーゼ由来の12aaタグ)、Cruzタグ09(商標)(MKAERRESDR、Santa Cruz Biotechnology Inc.)、およびCruzタグ22(商標)(MRDALDRLDRLA、Santa Cruz Biotechnology Inc.)が挙げられる。公知のタグ配列は、Terpe(2003)Appl.Microbiol.Biotechnol.60 523−533で概説されている。

0036

いくつかの好適な実施形態において、精製タグは、グルタチオン−S−トランスフェラーゼである。発現後、シナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドとグルタチオン−S−トランスフェラーゼとを含む融合タンパク質は、固定化グルタチオンを用いてアフィニティクロマトグラフィーによって単離することができる。グルタチオン−S−トランスフェラーゼ融合タンパク質の精製は、当該技術分野で周知である。単離後、融合タンパク質をタンパク質分解によって開裂し、シナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドを生成することができる。

0037

検出可能標識は、分子イメージングモダリティによってin vivoで検出可能な任意の分子、原子イオン、または基であってよい。適当な検出可能標識としては、金属、放射性同位元素および放射線不透過性剤(例えば、ガリウムテクネチウムインジウムストロンチウムヨウ素、バリウム臭素、およびリンを含有する化合物)、放射線透過性剤、造影剤、および蛍光染料が挙げられる。

0038

検出可能標識の選択は、使用される分子イメージングモダリティによる。使用される分子イメージングモダリティとしては、X線撮影蛍光透視法蛍光イメージング高解像度超音波イメージング生物発光イメージング、核磁気共鳴画像法(MRI)、および核イメージング、例えば、ポジトロン断層法(PET)および単一光子放射断層撮影法(SPECT)などのシンチグラフィ技術が挙げられる。

0039

Invivo蛍光イメージング技術は、使用された特定の蛍光検出可能標識に適当な発光および吸光スペクトルを用いた画像の生成を伴う。画像は、従来技術によって視覚化することができ、蛍光イメージング技術としては、蛍光反射イメージング(FRI)、蛍光分子トモグラフィーFMT)、ハイパースペクトル3D蛍光イメージング(Guido Zavattiniら.Phys.Med.Biol.51:2029,2006)、および拡散光分光法(Luker & Luker.J Nucl Med.49(1):1,2008)が挙げられる。

0040

適当な蛍光検出可能標識としては、フルオレセインフィコエリトリンユーロピウムトルレッドアロフィコシアニンAPC)、PerCP、リサミンローダミン、B X−ローダミン、TRITC、BODIPY−FL、FluorX、Red613、R−フィコエリトリン(PE)、NBD、ルシファーイエローカスケードブルーメトキシクマリン、アミノクマリンテキサスレッドヒドロキシクマリン、アレクサフルオル(商標)染料分子プローブ)(例えば、アレクサフルオル(商標)350、アレクサフルオル(商標)488、アレクサフルオル(商標)546、アレクサフルオル(商標)568、アレクサフルオル(商標)633、アレクサフルオル(商標)647、アレクサフルオル(商標)660、およびアレクサフルオル(商標)700)、スルホネートシアニン染料(APBiotech)(例えば、Cy2、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、およびCy7)、IRD41、IRD700(Li−Cor,Inc.)、NIR−I(Dejindom,Japan)、ラジョラブルー(Diatron)、DyLight(商標)405、488、549、633、649、680、および800反応性染料(Pierce/Thermo Fisher Scientific Inc)、またはLI−COR(商標)染料(例えば、IRDye(商標)(LI−COR(商標)Biosciences)が挙げられる。

0041

他の適当な蛍光検出可能標識としては、テルビウムおよびユーロピウムなどのランタニドイオンが挙げられる。ランタニドイオンは、本明細書のどこかで説明するように、キレートによってシナプトタグミンポリペプチドに結合することができる。

0042

他の適当な蛍光検出可能標識としては、量子ドット(例えば、Qdot(商標)、Invitrogen)が挙げられる。タンパク質を量子ドットで標識する技術は、当該技術分野で周知である(Michalet,X.ら.Science 307:538,2005;Alivisatos,P.Nat Biotechnol 22:47−52,2004)。

0043

核磁気共鳴画像法ベースの技術は、特異な化学環境における水プロトンの相対緩和率(relative relaxation rate)に基づいて画像を生成する。適当なMRI技術は、Gadian,D.「NMRand its applications to living systems」.Oxford Univ.Press,1995,第2版により詳細に説明されている。核磁気共鳴画像法としては、従来の核磁気共鳴画像法(MRI)、磁化移動コントラストイメージング(MTI)、磁気共鳴スペクトロスコピー(MRS)、拡散強調画像法(DWI)、および機能的磁気共鳴画像法(fMRI)(Rovarisら.(2001)JNeurol Sci 186 Suppl 1:S3−9;Pomper & Port(2000)Magn Reson Imaging Clin N Am 8:691−713;Kean & Smith,(1986)Magnetic Resonance Imaging:Principles and Applications,Williams and Wilkins,Baltimore,Md)が挙げられる。

0044

核磁気共鳴画像法(MRI)の標識として使用するのに適当な標識としては、常磁性イオンまたは超常磁性イオン、酸化鉄粒子、および水溶性造影剤が挙げられる。超常磁性イオンおよび常磁性イオンとしては、遷移元素ランタニド元素、およびアクチニド元素(例えば、鉄、銅、マンガンクロムエルビウム、ユーロピウム、ジスプロシウムホルミウム、およびガドリニウムなど)が挙げられる。好適な常磁性検出可能標識としては、ガドリニウムが挙げられる。

0045

いくつかの実施形態において、標識は、シンチグラフィ検出可能標識であってもよい。適当なシンチグラフィ検出可能標識としては、放射性同位元素(例えば、陽電子放出放射性同位元素およびガンマ放出放射同位元素)が挙げられる。

0046

シンチグラフィ画像法としては、SPECT(単一光子放射断層撮影法)、PET(ポジトロン断層法)、ガンマカメラ画像法、および直線走査法が挙げられる。シンチグラフィ画像法は、単一面における放射能を検出するためにガンマカメラまたは直線スキャナの使用を含んでもよい。SPECTイメージングシステムは、解析対象を中心にして回転する1台以上のガンマカメラの使用に基づいてもよいため、放射能を2次元以上に統合することができる。PETイメージングシステムは、複数次元で放射能を検出する、リング型検出器アレイを含んでもよい。

0047

陽電子放出放射性同位元素を含むシンチグラフィ検出可能標識は、例えば、ポジトロン断層法(PET)に有用であろう。適当な放射性同位体としては、炭素−11、窒素−13、酸素−15、フッ素−18、ガリウム−68、および銅−64が挙げられる。

0048

ガンマ放出放射性同位元素を含むシンチグラフィ検出可能標識は、例えば、単一光子放射断層撮影法(SPECT)に有用であろう。適当な放射性同位体としては、テクネチウム−99m、インジウム−111、インジウム−123、ガリウム−67、タリウム−201、キセノン−124が挙げられる。

0049

上述のin vivo用途に加えて、本明細書に記載の造影剤は、in vitro法、例えば、フローサイトメトリーおよび組織化学アッセイにも有用であろう。

0050

本明細書に記載の造影剤の生成方法は、
配列番号1の217番目に対応する位置でCysを有するシナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドを提供する工程と;
検出可能標識をCys残基に結合させる工程と、
を含んでもよい。

0051

シナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドが検出可能標識に結合するモードは、一部は、検出可能標識の化学的性質によって変化する。標準的な範囲の結合技術を用いることができる(例えば、Hermanson,G.,「Bioconjugate techniques」、Academic Press、サンディエゴ、米国、1996を参照されたい)。

0052

検出可能標識は、シナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドに直接結合してもよいし、または、1つ以上のリンカー分子を介して間接的に結合してもよい。

0053

いくつかの好適な実施形態において、検出可能標識は、1つ以上の共有結合を介してシナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドに結合してもよい。例えば、検出可能標識は、システイン残基のチオール基と反応してチオエーテルリンケージなどの共有結合を形成する反応基によって、システイン残基に結合してもよい。

0054

適当なチオール反応基としては、ハロアセチルおよびハロゲン化アルキル誘導体ヨードアセトアミドマレイミドアジリジンアクリロイル誘導体アリール化剤、およびチオール−ジスルフィド交換試薬が挙げられる。いくつかの実施形態において、フェニル水銀基が用いられる。

0055

反応基はマレイミド基であるのが好ましい。

0056

チオール基と反応する反応基は、検出可能標識の一部であってもよいし(即ち、検出可能標識は反応基を含んでもよい)、または、検出可能標識およびシナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドに結合する二機能性試薬もしくはリンカーの一部であってもよい(即ち、検出可能標識およびシナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドは、反応基を含む二機能性試薬またはリンカー経由で結合してもよい)。二機能性試薬は、分子間結合を形成するための2つの別個結合基を含む。二機能性試薬は、同種官能性または異種官能性であってもよい(即ち、結合基は同じであっても異なっていてもよい)。

0057

二機能性試薬は、シナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドおよび検出可能標識に直接結合してもよい。例えば、二機能性試薬は、シナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドと共有結合を形成するチオール反応基と、検出可能標識に結合する第2の結合基とを含んでもよい。第2の結合基は、共有または非共有結合を介して検出可能標識に結合することができる。例えば、二機能性試薬は、シナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドのシステイン残基に共有結合する反応基と、金属イオン標識錯体を形成するキレート基とを含む二機能性キレートであってもよい。

0058

適当な反応基としては、上述のマレイミド基などのチオール反応基が挙げられる。

0059

適当なキレート基は、当該技術分野で周知であり、例えば、DTPA(ジエチレントリアミン−5酢酸)、置換DTPA、DOTA(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸)、置換DOTA、EDTAエチレンジアミン四酢酸)、置換EDTA、CDTA(トランス−1,2−シクロヘキシレンジニトリロ四酢酸)、置換CDTA、H4−TETA(1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン−1,4,8,11−四酢酸)、およびNOTA(1,4,7−トリアザシクロノナン−1,4,7−三酢酸)からなる群から選択される。

0060

いくつかの実施形態において、検出可能標識は、キレート化ペプチドを用いて、シナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドにキレート化してもよい。適当なキレート化ペプチド配列は、当該技術分野で周知である(例えば、国際公開第2006/107794号;米国特許第5594115号;国際公開第1993/023425号;Smithら J.Biol.Chem.(1988)263 15 7211;Tianら J.Nucl.Med.45 12 2070−2082;Kievensら Biophysical Journal 64:919−924(1993)を参照されたい)。

0061

好適な二機能性キレートとしては、マレイミド−モノアミド−DOTAが挙げられる。

0062

二機能性キレートは、任意の便利な技術によって、検出可能標識およびシナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドと反応することができる。例えば、二機能性キレートのキレート基は、二機能性キレートの反応基がシナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドと反応する前、後、または該反応と同時に、金属イオン標識とキレート化して、金属キレート錯体を形成してもよい。

0063

金属イオン標識がキレートに結合する手順は、使用する二機能性キレートおよび金属イオンのみならず、用途に要する比活性および量にもよる。適当な方法は、当該技術分野で周知であり、例えば、Sosabowski,J.& Mather,S.(2006)Nat Protoc 1(2):972−6およびCooper M.ら(2006)Nat Protoc 1(1):314−7に記載されている。例えば、111Inなどの三価金属イオンのDOTAによるキレート化において、シナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドをわずかに酸性緩衝液に移す。三価金属同位体を加え、37℃で1時間インキュベートし、標識反応を起こさせて、EDTAでクエンチする。標識効率は、薄層クロマトグラフィーによって監視する。標識効率は、>95%であるのが好ましい。未結合金属からの標識種をさらに精製することは、例えば、サイズ排除高速液体クロマトグラフィーHPLC)によって達成される。

0064

いくつかの好適な造影剤は、
配列番号1の78番目に対応する位置でシステイン残基を有するシナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドと、
システイン残基に結合した検出可能標識とを含み、
ここで、検出可能標識はガドリニウムイオンである。

0065

ガドリニウムイオンは、金属キレート錯体中のDTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)またはDOTA(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸)などのキレートに結合してもよい。

0066

ガドリニウム−キレート錯体は、チオエーテル結合によってシステイン残基に結合してもよい。例えば、キレートは、システイン残基と反応してチオエーテル結合を形成するマレイミド基(即ち、二機能性試薬中で)をさらに含んでもよい。

0067

いくつかの実施形態において、二機能性試薬は、シナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドと、検出可能標識に結合する第2のリンカーとに結合してもよい。例えば、第2のリンカーは、PET同位体(例えば、フッ素−18)で標識された化学基を含んでもよい。

0068

いくつかの実施形態において、クリックケミストリーを用いることができる。クリックケミストリーは、トリアゾール環を形成するために2成分(一方はアジド基、他方は末端アセチレン基を含む)間のCuI触媒カップリングを伴う。アジド基およびアルキン基は他のカップリング手順の条件に不活性であり、かつ、ペプチド内に見られる他の官能基はクリックケミストリー条件に不活性であるため、クリックケミストリーによって、ほとんどいずれのリンカーも穏やかな条件下でシナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドに制御的に結合することができる。

0069

例えば、シナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドのシステイン残基は、一端でチオール−特異性反応基(例えば、ヨードアセトアミド、マレイミド、またはフェニルチオスルホネート)、他端でアジドまたはアセチレンを含む二機能性試薬と反応することができる。標識基は、クリックケミストリーを用いて末端アジドまたはアセチレンに結合することができる。例えば、リンカーの一端にアセチレンまたはアジド基、他端にキレート(金属同位体用)または脱離基ハロゲン標識用)を備えた第2のリンカー(Baskin,J.(2007)PNAS 104(43)16793−97)を用いることができる。

0070

本発明の別の態様は、
上述の造影剤を個体に投与する工程と、
個体内における造影剤の分布の1枚以上の画像を生成する工程と、
を含む個体内の細胞死のイメージング方法を提供する。

0071

画像は、例えば、薬剤の投与後、一定期間にわたって(即ち、一定間隔で)作製してもよい。

0072

個体のある部位での造影剤の量は、その部位での細胞死の量を示す。例えば、他の部位に対して標的部位での造影剤の量が増すことは、標的部位での細胞死が増したことを示す。

0073

関連態様は、in vivoでの細胞死のイメージング方法に使用される造影剤と、in vivoでの細胞死のイメージング方法に使用される製剤の製造における造影剤の用途を提供する。

0074

造影剤を個体に投与することについては、以下により詳細に説明する。

0075

個体内における造影剤の分布の1枚以上の画像は、分子イメージング技術を用いて生成することができる。造影剤の検出可能標識を検出する任意の分子イメージング技術を用いることができる。例えば、MRIを用いて、MRI検出可能標識を含む造影剤を検出することができる。種々の適当な分子イメージング技術は、当該技術分野で周知である。

0076

フォスファチジルセリン(PS)は、細胞死が起こっている細胞の表面に外面化する。投与後、造影剤のシナプトタグミンC2Aドメインポリペプチドは、細胞上に露出するフォスファチジルセリン(PS)、例えば、細胞膜表面の内側膜上に外面化または露出したPSに結合することで、細胞死が起こっているまたは起こった細胞を標識する。

0077

適切な分子イメージング技術を用いて、薬剤の投与後の一定期間にわたる個体の全部または一部内の検出可能標識の分布を示す1枚以上の画像を生成することができる。身体の組織または領域における検出可能標識の量または濃度は、組織または領域における細胞死の量を示す。身体の組織または領域において検出可能標識の濃度が増すことは、組織または領域における細胞に起こっている細胞死が身体の他の組織または領域に対して増加していることを示す。例えば、身体の腫瘍または他の癌組織で検出可能標識の濃度が増すことは、腫瘍または他の癌組織における細胞に起こっている細胞死が身体の他の組織または領域に対して増加していることを示す。従って、本発明の造影剤は、治療後の腫瘍における細胞死のイメージングに有用であろう。

0078

本発明の別の態様は、
腫瘍を有する個体に上述の造影剤を投与する工程と、
個体内の腫瘍部位で造影剤の分布の1枚以上の画像を生成する工程と、
を含む個体内の腫瘍のイメージング方法を提供する。

0079

いくつかの実施形態において、癌治療後の腫瘍における細胞死の発現および広がりの速度は、イメージングにより決定することができる。これは、例えば、癌治療の結果を予測するのに有用であろう(Brindle,K.(2008)Nat Rev Cancer 8(2):94−107;Neves,A.A.& Brindle,K.M.(2006)Biochim Biophys Acta 1766(2):242−61)。

0080

個体内の腫瘍の治療における癌治療の効果を決定する方法は、
癌治療中または癌治療後に、個体に上述の造影剤を投与する工程と、
個体内の腫瘍部位での造影剤の分布の1枚以上の画像を生成する工程と、
を含んでもよい。

0081

癌治療中または癌治療後に、個体内の腫瘍部位での造影剤の分布の1枚以上の画像を生成することができる。

0082

造影剤は癌治療前に個体に投与してもよいし、個体内の腫瘍部位での造影剤の分布の1枚以上の画像を癌治療前に生成してもよい。

0083

腫瘍部位での造影剤の分布の画像を用いて、造影剤が腫瘍に結合している量または範囲を決定してもよい。従来の化学療法および放射線療法は、うまくいった場合、通常は腫瘍の広範な局所的細胞死を誘導する。この細胞死は、造影剤によって画像にすることができる。癌治療後に造影剤の腫瘍への結合が増すことにより、癌治療が腫瘍の治療に有効であることを示す。

0084

結合の増加は、癌治療前の腫瘍への結合、または、非腫瘍組織への結合と比較して決定される。

0085

例えば、治療中または治療後の腫瘍部位での造影剤の分布は、治療前の分布と比較される。治療前に対して治療中または治療後に造影剤の密度または分布が増すことは、癌治療が腫瘍の治療に有効であることを示す。

0086

適当な癌治療は、当該技術分野で周知であり、放射線治療および化学療法が挙げられる。

0087

身体の組織または部位で検出可能標識の濃度が増すことは、例えば、炎症、感染症、心筋梗塞、または心臓プラーク形成などの、細胞死によって特徴付けられる病状の結果として、組織または部位の細胞に起こっている細胞死が、身体の他の組織または部位に対して増していることを示す。従って、本発明の造影剤は、かかる病状の治療後の細胞死のイメージングに有用であろう。

0088

本発明の別の態様は、
個体に上述の造影剤を投与する工程と、
個体内の造影剤の分布の1枚以上の画像を生成する工程と、
を含む、個体内の細胞死の増加によって特徴付けられる病状の評価方法を提供する。

0089

いくつかの実施形態において、細胞死の発現および広がりの速度は、イメージングを用いて決定することができる。これは、例えば、病状の評価、例えば、病状の程度もしくは重症度、予後、および/または、治療への反応性を決定するのに有用であろう。

0090

個体内の細胞死の増加によって特徴付けられる病状の治療における治療効果を決定する方法は、
治療中または治療後に個体に上述の造影剤を投与する工程と、
個体内の造影剤の分布の1枚以上の画像を生成する工程と、
を含む。

0091

造影剤の分布の画像を用いて、個体内の死細胞または死につつある細胞に造影剤が結合している量または範囲を決定することができる。結合の減少、または、治療後に結合が増した部位の数が減少することは、治療が細胞死の量を減らすことに有効であり、それによって病状を治療していることを示す。

0092

結合の増減は、対照に対して決定される。適当な対照実験は、当業者には明らかであり、例えば、治療前の結合、または、必要に応じて健常組織に対する結合が挙げられる。

0093

本明細書に記載の造影剤を用いて、早期の臨床試験およびその後の診療薬効を評価することができる。ここで、該造影剤は、治療を誘導するのに用いることができる。無効な治療は早期に断念することで、より効果的な薬剤を選択することができる(例えば、Brindle,K.(2008)Nat Rev Cancer 8(2):94−107を参照されたい)。

0094

個体に対する治療計画の効果を決定する方法は、
(a)個体に初期の治療計画を施す工程と、
(b)個体内の死細胞または死につつある細胞に本明細書に記載の造影剤が結合している量または範囲を決定する工程と、
を含み、
ここで計画に応じて結合の量または範囲が変化することは、計画が個体に有効であることを示す。

0095

初期の治療計画が、造影剤が結合する量または範囲を変化させるのに不十分である場合、個体内に造影剤が結合する量または範囲が変化するまで計画を変更または調整することができる。従って、方法は、
(c)治療計画を変更し、変更された計画を個体に施す工程と、
(d)個体内の死細胞または死につつある細胞に本明細書に記載の造影剤が結合する量または範囲を決定する工程と、
(e)造影剤が結合する量または範囲に変化が観察されるまで、工程c)およびd)を繰り返す工程と、
をさらに含み、
ここで計画に応じて造影剤が結合する量または範囲が変化することは、計画が個体に有効であることを示す。

0096

いくつかの実施形態において、造影剤が結合する量または範囲が所定の値を超えて変化するまで、工程(e)は、工程c)およびd)を繰り返してもよく、
造影剤が結合する量または範囲が所定の値を超えて変化することは、計画が個体に有効であることを示す。

0097

個体は、癌状態を有することがあり、治療は、放射線治療または化学療法などの癌治療である。計画に応じて腫瘍組織に造影剤が結合する量または範囲が増大することは、計画が腫瘍組織の細胞死を引き起こし、個体に有効であることを示す。

0098

個体は、細胞死によって特徴付けられる病状を有することがある。計画に応じて個体内の1つ以上の疾患部位に造影剤が結合する量または範囲が減少することは、計画がその部位での細胞死を改善し、個体に有効であることを示す。

0099

関連態様は、上記方法のいずれかに使用される本明細書に記載の造影剤と、上記方法のいずれかに使用される製剤の製造における本明細書に記載の造影剤の用途とを提供する。

0100

造影剤を単独で投与することは可能であるが、それを1種以上の医薬的に許容される担体アジュバント賦形剤希釈剤充填剤緩衝剤、安定剤、保存剤潤滑剤、もしくは当業者には公知の他の物質および適宜他の治療薬または予防薬とともに、上記で定義した造影剤を含む医薬組成物(例えば、製剤)として提供することが好ましい。

0101

1種以上の医薬的に許容される担体、賦形剤、緩衝剤、アジュバント、安定剤または他の物質とともに混合または製剤化された本明細書に記載の造影剤を含む医薬組成物を本明細書に記載の方法で用いてもよい。

0102

本発明の別の態様は、
上述の造影剤を提供する工程と、
造影剤を医薬的に許容される賦形剤と混合する工程と、
を含む医薬組成物の調製方法を提供する。

0103

本明細書で使用される「医薬的に許容される」という用語は、妥当医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激アレルギー反応、もしくは他の問題または合併症を起こさず、妥当な利益/リスク比が得られて、対象(例:ヒト)の組織との接触における使用に適した化合物、物質、組成物、および/または、剤形に関係するものである。各担体、賦形剤なども、製剤の他の成分と適合性であるという意味において「許容される」ものでなければならない。

0104

適切な担体、賦形剤などは標準的な医薬テキストに記載されている。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第18版、Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1990を参照されたい。

0105

製剤は、単位剤形で提供することが便利であり、製薬分野で公知の任意の方法によって製造することができる。かかる方法は、1種以上の副成分を構成する担体と造影剤を組み合わせる工程を含む。一般に、製剤は、液体担体もしくは微粉砕固体担体またはその両方を活性化合物と均一かつ十分に組み合わせ、次に必要に応じて生成物成形することにより製造される。

0107

造影剤、または、造影剤を含む医薬組成物は、対象に、任意の都合のよい投与経路で、限定的ではないが、経口(例えば、摂取);局所(例えば、経皮鼻腔内、眼内、口腔、および下);肺内(例えば、エーロゾル剤を用いて、口またはを経由した吸入または注入療法による);直腸内;腟内非経口(例えば、皮下、皮内、筋肉内、静脈内、動脈内、心臓内髄腔内、脊椎内嚢内被覆下眼窩内腹腔内、気管内、表皮下、関節内、クモ膜下、および胸骨内への注入);皮下または筋肉内へのデポー剤の埋め込みを含めて、全身的/末梢的に、または所望の作用部位に投与することができる。

0108

好適な実施形態において、造影剤、または、造影剤を含む医薬組成物は、静脈内または眼内注射によって対象に投与される。

0109

経口投与(例えば摂取による)に適当な製剤は、それぞれが既定量の活性化合物を含有するカプセル剤、カシェ剤、もしくは錠剤などの個別の単位として;粉末もしくは顆粒として;水性もしくは非水性の液体中の溶液もしくは懸濁液として;水中油型液体エマルジョンもしくは油中水型液体エマルジョンとして;ボーラスとして;舐剤として;または、ペーストとして、提供することができる。

0110

非経口投与(例えば、皮膚、皮下、筋肉内、静脈内および皮内を含む注射によるもの)に適当な製剤としては、抗酸化剤、緩衝剤、防腐剤、安定剤、静菌剤、および製剤を対象とする受容者の血液と等張にする溶質を含み得る、水性および非水性の等張で、発熱物質フリー無菌注射液懸濁剤および増粘剤を含み得る水性および非水性の無菌懸濁液;ならびに、化合物が血液成分または1つ以上の器官を標的とするように設計されるリポソームまたは他の微粒子系が挙げられる。かかる製剤に使用される適当な等張性ビヒクルの例としては、塩化ナトリウム注射液、リンガー溶液、または乳加リンガー液が挙げられる。典型的には、溶液中の活性化合物の濃度は、約1ng/ml〜約10μg/ml、例えば、約10ng/ml〜約1μg/mlである。製剤は、単回投与量または複数回投与量密閉した容器、例えば、アンプルおよびバイアルで提供するものであってもよく、使用直前に無菌の液体担体、例えば、注射用水の添加のみを必要とするフリーズドライ凍結乾燥)状態で保存されていてもよい。

0111

造影剤、および造影剤を含有する組成物の適切な投与量が患者によって異なり得ることは理解されるであろう。最適な投与量の決定は、一般に、投与における何らかのリスクまたは有害な副作用に対する治療効果のレベルバランスが関係するであろう。選択される投与量のレベルは、限定するものではないが、投与経路、投与時間、造影剤の排出速度、必要な造影剤の量、併用される他の薬物、化合物、および/または物質、患者の年齢性別、体重、症状、全身の健康状態既往歴を含む、様々な要因に依存するであろう。造影剤の量および投与経路は、最終的には医師の裁量となるが、一般的には、投与量は、部位(例えば、腫瘍、対象組織、または全身)で、実質的に有害または有毒な副作用を引き起こさずに造影することが可能な造影剤の濃度を達成し得るものであろう。

0112

in vivoでの投与は、単回投与で、連続的または断続的に(例えば、適当な間隔をおいた分割用量で)実施することができる。最も効果的な投与手段および投与量の決定方法は、当業者に周知であり、治療に用いる製剤、治療の目的、治療される標的細胞、および治療される対象によって異なるであろう。単回または複数回投与は、医師によって選択される投与レベルおよびパターンで実施することができる。

0113

上述のように、造影剤、および造影剤を含む組成物は、治療の効果を評価するために、癌治療前、癌治療と併用して、または癌治療後に投与してもよい。個体の治療、例えば、癌治療の効果を評価するための適当な投与計画は、治療する医師が選択することができる。

0114

本発明の別の態様は、本明細書に記載の細胞死をイメージングするためのキットを提供する。キットは、(a)第1のバイアルが凍結乾燥された造影剤を含み、(b)第2のバイアルが医薬的に許容される希釈剤を含む、本明細書に記載の凍結乾燥された造影剤と水性希釈剤との二室バイアルシステムを含んでもよい。

0115

キットは、例えば、in vivoでの細胞死のイメージング方法で造影剤を用いる取扱説明書を含んでもよい。

0116

本発明の種々のさらなる態様および実施形態は、本開示から当業者には明らかになるであろう。本明細書で引用した全ての文献は、その内容全体を参照によって組み込んだものとする。

0117

本明細書で使用される「および/または」は、他のものを含むかまたは含まない、2つの特定の特徴または成分の各々の具体的な開示として理解すべきである。例えば「Aおよび/またはB」は、各々が個別に記載されるかのように、(i)A、(ii)B、(iii)AおよびB、の各々の具体的な開示であると理解されたい。

0118

特に明記しない限り、上述した特徴の説明および定義は、本発明の任意の具体的な態様または実施形態に限定するものではなく、記載される全ての態様および実施形態に等しく適用される。

0119

以下の図および表を参照しながら本発明のある態様および実施形態について一例として示す。

図面の簡単な説明

0120

発現ベクター(pGEX−2T、GE Healthcare)中のプラスミド制限部位(A)を示し、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)ドメイン(シアン色)を示し、かつ、リンカー(濃緑色)およびC2Am(黄色)を挿入したベクターマップを示す。

0121

3つの元の候補となる突然変異の配置を左から右(Gln154、Ser217、およびAsn248)に示すシナプトタグミンIのC2Aドメイン(ドブネズミ由来)構造の概略図を示す。

0122

IPTGによる誘導前後の、3つの元の候補GST−C2A変異体(S217C、N248C、およびQ154C)のSDS−PAGEゲルを示す。ゲルは、全ての形質転換菌変異タンパク質をある程度過剰発現するが、S217Cをより過剰に発現することをはっきりと示している。

0123

過剰発現が異なる誘導OD(0.6、0.8、1.0)で起こることを示す、3つの元の候補GST−C2A変異体(変異体1つ当たり2つのクローン)のSDS−PAGEゲルを示す。

0124

GST−C2A精製のSDS PAGEを示す。レーン(A):GSTカラム上の溶解細胞非結合画分、(B):GST−C2Aのトロンビン開裂後のGSTおよびC2A、(C):HiTrapセファロースカラムの非結合画分、(D)HiTrapセファロースカラムからの溶出C2Am、(E)野生型C2A。

0125

C2Am−AlxF(第1カラム)またはアネキシンV−AlxF(AnxV−AlxF)(第2カラム)(AlxF=アレクサフルオル488、Invitrogen)で標識したEL4細胞の二重散布図を示す。(A)SYTOX(商標)赤色蛍光細胞死マーカー;Exc、λ=633nm;Em、λ=670nm)対C2Am−AlxFまたはAnxV−AlxF(Exc、λ=488nm;Em、λ=519nm)のプロット。(B)SYTOX(商標)赤色蛍光対UV自己蛍光プロット(アポトーシス細胞集団(黄色)は、UV自己蛍光が低いことを表し;この現象は、細胞におけるNAD(H)プールのポリ(ADPリボースポリメラーゼ(PARP)−介在欠乏の結果であり得る)。C2Am−AlxFおよびAnxV−AlxFは0.2μMで用いた。R1(緑色)=生存細胞;R2(黄色)=初期アポトーシス細胞;R3(橙色)=後期アポトーシス細胞;R4(赤色)=壊死細胞。

0126

C2Am−AIxFで標識したEL4細胞の二重散布図を示す。(A)SYTOX(商標)赤色蛍光(細胞死マーカー;Exc、λ=633nm;Em、λ=670nm)対C2Am−AlxF(Exc、λ=488nm;Em、λ=519nm)のプロット。(B)SYTOX(商標)赤色蛍光対UV自己蛍光のプロット。C2Am−AIxFは、0.2、0.5、または2μMで用いた。R1(緑色)=生存細胞;R2(黄色)=初期アポトーシス細胞;R3(橙色)=後期アポトーシス細胞;R4(赤色)=壊死細胞。

0127

野生型C2A(A)およびC2Am(B)のフォスファチジルセリン被覆チップとの相互作用表面プラズモン共鳴(SPR)センサーグラムを示す。SPRは任意単位応答。時間は秒である。二重曲線一連タンパク質濃度:95、80、70、60、50、40、30、20、15、10、5nM。野生型C2A(A)およびC2Am(B)のフォスファチジルセリンへの結合に対するSPRセンサーグラムに由来する熱平衡データを用いた。SPRは任意単位で応答。線は、一対一ラングミュア結合モデルへのフィッティングに対応する。得られた対応する解離定数(KD)は、48.5±3.5nM(C2A野生型)および49.4±4.9nM(C2Am)であった。各濃度のデータは二重である。

0128

C2A野生型(図9)、C2Am(図10)、C2Am−アレクサフルオル488(図11)、およびC2Am−DOTA(図12)の質量分析ESI)を示す。

0129

C2A野生型(図9)、C2Am(図10)、C2Am−アレクサフルオル488(図11)、およびC2Am−DOTA(図12)の質量分析(ESI)を示す。

0130

C2A野生型(図9)、C2Am(図10)、C2Am−アレクサフルオル488(図11)、およびC2Am−DOTA(図12)の質量分析(ESI)を示す。

0131

C2A野生型(図9)、C2Am(図10)、C2Am−アレクサフルオル488(図11)、およびC2Am−DOTA(図12)の質量分析(ESI)を示す。

0132

死につつある細胞のC2Am−AF647またはAnxV−AF647標識を示す。C2Am(A)またはAnxV(B)標識(アレクサフルオル(登録商標)647チャネル;Exc、λ=647;Em、λ=670nm、x軸)の関数としての細胞生存度(Sytox(登録商標)Green核染色、細胞死マーカー;Exc、λ=504;Em、λ=523nm、y軸)の二重散布図である。代表的なプロットは、エトポシド(5μM)で16時間処理したEL4細胞で得た。(A)および(B)の象限赤十字)は、壊死細胞(n)、アポトーシス細胞(a)、および生存細胞(v)を示す。NADH自己蛍光(Exc、λ=350;Em、λ=475nm、x軸)の関数としてのSytox(登録商標)Green(y軸)の二重散布図も、薬物療法(16時間)後の同一時点の(C)で示す。C2Am(D)またはAnxV(E)を用いたEL4細胞死検出の経時変化を示す。試料を2時間ごとに回収し、フローサイトメトリーによって分析した。各タンパク質によって表示された集団分離に基づいた4象限ゲートを用いて、生存細胞、アポトーシス細胞、および壊死細胞の画分割合を算出した。実験を3回行い、示したデータは、代表的なデータセット(各時点で三重)に対応する。示したデータは、各時点の平均±SEM(n=3重、誤差棒は、見えない場合にはマーク内にある)である。[C2Am]=0.2μM、[AnxV]=4nM。各象限の出隅数字は、細胞画分の各割合を示す。

0133

C2Am(A)またはAnxV(B)を用いたEL4細胞の蛍光標識の経時変化を示す。C2Am(黒三角)およびAnxV(黒四角)で標識した、生存細胞(A)、壊死細胞(B)、およびアポトーシス細胞(C)の平均蛍光強度MFI)である。データは図13と同様にゲートした。実験を3回行い、示したデータは、代表的なデータセット(各時点で三重)に対応する。示したデータは、各時点の平均±SEM(n=3重、誤差棒は、見えない場合にはマーク内にある)である。[C2Am]=0.2μM、[AnxV]=4nM。+P<0.0001で、生存細胞は常に、壊死細胞はt≦6時間で、アポトーシス細胞はt=4、6、10、12、16〜24時間、*P<0.001で、アポトーシス細胞はt=14時間である。任意単位の平均蛍光強度(MFI)は、各チャネルの自己蛍光レベル標準化した。C2Am(D)またはAnxV(E)を用いた死につつあるEL4細胞対生存細胞の選択的標識の経時変化を示す。データは、壊死細胞/生存細胞(D)およびアポトーシス細胞/生存細胞(E)のMFI比として示す。実験を3回行い、示したデータは、代表的なデータセット(各時点で三重)に対応する。示したデータは、各時点の平均±SEM(n=3重、誤差棒は、見えない場合にはマーク内にある)である。[C2Am]=0.2μM、[AnxV]=4nM。+P<0.0001で、壊死細胞/生存細胞比はt>10時間で、アポトーシス細胞/生存細胞比はt=0、4〜20時間であり、**P<0.001で、アポトーシス細胞/生存細胞比は22時間で、壊死細胞/生存細胞比は6〜8時間であり、*P<0.05で、壊死細胞/生存細胞比は0時間で、アポトーシス細胞/生存細胞比は2時間である。

0134

未処理細胞およびエトポシドで16時間処理したEL4細胞における、C2Am(A)またはAnxV(B)標識(アレクサフルオル(登録商標)647;Exc、λ=647;Em、λ=670nm、x軸)の関数としての活性カスパーゼ標識(ポリカスパーゼFLICA(登録商標)カルボキシフルオレセイン;Exc、λ=490;Em、λ=530nm、y軸)の二重散布図を示す。未処理コホートまたは処理コホートのいずれかにおけるアポトーシス細胞および壊死細胞を、それぞれ、最大2倍および16倍以上にFLICAで染色し、生存細胞と比較した。(A)および(B)の象限(赤十字)は、壊死細胞(n)、アポトーシス細胞(a)、および生存細胞(v)を示す。各象限の出隅の数字は、細胞画分の各割合を示す。

0135

EL4細胞を示し、これは、死につつある細胞(B)にはC2m−AF647結合しているが、生存細胞(A)にはC2m−AF647結合していないことを示す。対応するEL4細胞の明視野画像左側パネル、チャネルCh2の下)および蛍光画像EL4細胞(右側パネル、チャネルCh6の下)を得た。C2Amで染色されなかった細胞(A)の画像は、対応する明視野画像において、丸い正常な形態で生存可能であると示された。C2Amでポジティブ染色された細胞(B)は、異常な形態をもち、対応する明視野画像において、細胞死を起こしていることを示した。

0136

C2Am(黒三角)またはAnxV(黒四角)を用いたEL4細胞の標識におけるプローブ濃度の効果を示す。試験した濃度範囲は、C2AmおよびAnxVに対して、それぞれ、0.05〜1.0μMおよび1〜20nMであった。C2AmおよびAnxVで標識したEL4細胞の生存細胞(a)、壊死細胞(b)、およびアポトーシス細胞(c)の平均蛍光強度(MFI)データを示す。任意単位の平均蛍光強度(MFI)は、各チャネルの自己蛍光レベルに標準化した。データは、壊死細胞/生存細胞(d)およびアポトーシス細胞/生存細胞(e)のMFI比としても表される。データは、図13Cと同様にして、NAD(H)自己蛍光レベルを用いてゲートした。実験を3回行い、示したデータは、全実験からの平均結果に対応する(一連の各濃度は二重に行った)。データは、各濃度の平均±SEM(n=3重、誤差棒は、見えない場合にはマーク内にある)として示す。*P<0.05。

0137

2つのプローブがEL4細胞のアポトーシス細胞および壊死細胞に結合するカルシウム依存性の研究を示す。カルシウムの存在下(白色棒)または非存在下(10mMEDTA;灰色棒)におけるアポトーシス細胞/生存細胞および壊死細胞/生存細胞のMFI比を示す。カルシウムの非存在下で得られた比率は、カルシウムの存在下で得られた比率(棒の上の縦軸ラベル)のa%としても示す。

0138

C2Am(C)またはAnxV(B)を用いたMDA−MB−231細胞の蛍光標識の経時変化を示す。データは、生存細胞(青色)、アポトーシス細胞(黄色)、および壊死細胞(赤色)のNAD(H)自己蛍光プロファイル(A)に基づいて、図13と同様にしてゲートした。示したデータは、代表的なデータセットである。[C2Am]=0.2μM、[AnxV]=4nM。アポトーシス細胞/生存細胞(D)および壊死細胞/生存細胞(E)のMFI比を示す。

0139

表1は、図14で示したデータからNAD(H)UV自己蛍光を測定することで決定された、C2AmまたはAnxVによって特定されたEL4細胞死の程度の比較を示す。xおよびyは、それぞれ、NAD(H)自己蛍光の測定から決定された、各タンパク質で検出された細胞画分のベストフィットライン勾配および切片を表し;1未満の勾配(x)の値は、所与の細胞画分の過小評価値を示す。R2は、分析範囲におけるベストフィット相関係数である(%細胞)。

0140

表2は、非修飾タンパク質C2Amおよび修飾後のタンパク質(C2Am−AlxAF647)に対するSPRデータの親和性および動態解析から得られた解離定数(Kd)を示す。C2Am(二重注入)に対する親和性分析により、Kdはおよそ55±3.5nMと示された。動態解析は、非常に似た値であった。修飾タンパク質C2Am−AlxAF647は、親和性分析によれば71±6.9nM、動態解析によれば87.9nMと僅かに高いKdを示した。動態および親和性の分析は似た値であった。分析により、タンパク質の活性は化学修飾後に多く保たれることが示唆された。

0141

配列番号1は、Ser78Cys変異型C2Aドメインのアミノ酸配列を示す。

0142

配列番号2は、Ser78Cys変異型C2Aドメイン(C2Am)でコードされたヌクレオチド配列を示す。

0143

配列番号3は、GST/C2Aドメイン融合が挿入されたpGEX−2Tベクターのヌクレオチド配列を示す。pGEX−2T配列、ヌクレオチド1〜257および1374〜6379;GSTドメイン:ヌクレオチド258〜917;リンカー:ヌクレオチド918〜970;C2ドメイン:ヌクレオチド971〜1364(変異:1213〜1214);アーチファクト:ヌクレオチド1365〜1373;GST lacプロモーター:−10:ヌクレオチド205〜211;−35:ヌクレオチド183〜188;lacオペレーター=ヌクレオチド217〜237;リボゾーム結合部位=244開始コドン=258。

0144

実験
材料および方法
全ての組織培養用試薬、SYTOX(登録商標)Green死細胞染色、アネキシンV−アレクサフルオル647(商標)(AnxV−AlxF647)は、Invitrogen(Paisley、Renfrewshire、UK)から入手した。グリーンポリカスパーゼFLICA(登録商標)キットは、Immunochemistry technologiesLLC(Bloomington、MN、USA)から入手した。SDS−PAGEによるAnxV−AlxF647調製物の分析は、37kDaよりも僅かに小さな質量をもつバンドを示した。これは、633nmの光を照射した際に蛍光を発した唯一のバンドであった。クマシー染色ゲルのデンシトメトリーにより、このバンドは、Non−Interfering Protein Assay(登録商標)(Merck Chemicals Ltd、Nottingham、UK)により16μg/mlまたは〜460nMのAnxV−AlxF647を含有すると示されたゲルにおいて全タンパク質質量の〜2%を表すことを示した。全ての化学物質は、他に指定しない限り、Sigma−Aldrich Co.Ltd(Poole、Dorset、UK)が提供する分析グレードであった。エトポシド(EPOSIN)は、PCH Pharmachemie(Haarlem、Netherlands)から入手した。マウスリンパ腫(EL−4)細胞およびヒト乳癌細胞(MDA−MB−175細胞)は、American Type Culture Collection(Teddington、UK)から入手した。

0145

部位特異的変異
ドブネズミシナプトタグミン配列は、NCBI Genbankサービス(配列同一性NM_001033680;NM_001033680.2)を用いて取得し、この配列からC2Aドメインを選択した。3つの候補のシステイン変異体には、Ser217、Gln154、Asn248を選択した(図2を参照)。変異誘発に適切なプライマーは、Quikchange Primer Designソフトウェアを用いて設計した。C2A含有pGEX−2Tベクター(GE Healthcare、Chalfont St Giles、UK)をBL21大腸菌細胞から単離し、二重制限消化を行い、その同一性を確認した。Stratagene QuikChange部位特異性変異誘発キットによって変異誘発を行った。大腸菌DH5αコンピテント細胞熱ショックによって変異プラスミドで形質転換し、増幅ベクターを単離し、シーケンシングを行った。最後に、大腸菌BL21細胞をエレクトロポレーションによってベクターで形質転換した。

0146

タンパク質過剰発現の試験
3つの変異体のタンパク質の過剰発現量を評価するために、変異型C2Aベクターを含有する大腸菌BL21(各変異体に2つのクローン)を、2L型三角フラスコ中のLB培地(Merck Biosciences)で増殖させた。変異体の発現を、対照として野生型GST−C2A−発現細菌と比較した。細胞培養は、光学密度(600nmでのOD)が0.6、0.8、および1.0であった場合に、IPTG(イソプロピル−β−D−1−チオガラクトピラノシド、GE Healthcare)によって誘導を行った。誘導前、および、誘導後一時間ごとに試料を回収し、その後、細胞溶解を行った。SDS−PAGEゲルは、3つの変異体全て(図3)に対して42kDaの期待分子量(GST−C2Am)のバンドを示し、3つの誘導時間での発現量に著しい違いはないことを示した。

0147

異なる変異体の相対発現量を比較するために、変異体1つ当たり1つのクローンで実験を繰り返し、0.7〜0.8のODで誘導を行い、3時間増殖させた。細胞ペレットを溶解させ、最終体積を均一にした。これらの細胞溶解物のSDS−PAGEの結果を図3に示す。

0148

変異Ser217Cysの選択
C2Aの最もよく発現した部位特異性変異体としてS217C(C2Aドメインの78番目;完全長シナプトタグミンIの217番目)変異体(C2Am)を選択した。

0149

C2Amタンパク質は、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)との融合タンパク質として発現した。GST−C2Aの精製は参照文献2に記載されている。簡潔に言えば、GST−アフィニティクロマトグラフィー(GSTprepカラム、GE Healthcare)によってGST−C2Amを溶解細胞から抽出し、トロンビンと共にインキュベートし、HiTrapセファロースカラム(GE Healthcare)上で精製した。図5は、これらの精製工程のSDS PAGEゲルを示す。レーンAは、GSTカラム上の溶解細胞の非結合(「フロースルー」)画分を示す。レーンBは、C2Aドメインを表す16kDaバンドと、GSTドメインの26kDaバンドとを示す。これは、GST−C2Amのトロンビン開裂の結果である。レーンCは、HiTrapセファロースカラムのフロースルーを示し、レーンDは、溶出C2Amドメインを表す。最後に、レーンDおよびEは、C2AmおよびC2Aの分子量が同じであることを示す。

0150

変異C2Aの精製
C2Amタンパク質は、IPTGによる誘導の後、42kDaのGSTタグ融合タンパク質として発現し、S78C変異体は、アフィニティクロマトグラフィーを用いて精製した。50μg/mLアンピシリンを含有するLB培地(Gibco、Invitrogen、Grand_Island、NY)中で細胞を37℃で培養した。GST−C2Amの発現は、ca.1〜1.2 O.D.単位の光学密度(600nm)で、0.1mMのイソプロピル−β−D−チオガラクトシド(IPTG、Amersham、Piscataway、NJ)によって誘導された。誘導を5時間進行させた後、遠心分離(15000g、30分、4℃)によって細胞を採取し、凍結ペレットとして−20℃で24時間保持した。2mMの4−(2−アミノエチルベンジルスルホニルフルオリド(AEBSF、Melford Laboratories、Chelsworth、Ipswich、UK)とプロテアーゼ阻害剤カクテル(Roche Diagnostics Ltd.、Lewes、East Sussex、UK)とを含有するリン酸緩衝生理食塩水PBS、Oxoid USA、Columbia、MD)中で細胞ペレットを再懸濁させた。水冷EmulsiFlex−C5ホモジナイザー(Avestin、Ottawa、Ontario、Canada)によって、1,000バールでの3フローサイクルを用いて細胞を壊した後、DNAse I(ca.250μg)(Sigma、St.Louis、MO)およびオクチルフェノールエトキシレートトリトンX−100(商標)、最終濃度0.1%)を穏やかに攪拌しながら加えた(15分、4℃)。遠心分離(40000g、30分、4℃)によって細胞の破片を除去し、0.22μmの低タンパク質結合フィルター(Millipore、Bedford、MA、USA)を通して残りの上清濾過し、クロマトグラフィーで精製した。添加液および溶出緩衝液として、それぞれ、PBS、および、pH8.0の50mMのトリス(ヒドロキシメチルアミノメタン緩衝液(Trizma(商標)塩基、Sigma)中の25mMグルタチオン(Melford)を用いて、GSTPrep(商標)FFカラム(GE Healthcare、Piscataway、NJ、USA)でFPLCによって初期精製を行った。添加液および溶出緩衝液として、それぞれ、2mMのCaCl2、または10mMのエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA)のいずれかを含有するHEPES(N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸)−緩衝生理食塩水(HBS、20mM HEPES、150mM NaCl、pH7.4)を用いて、第2のタンパク質精製をHiPrep(商標)SP FFカラム(GE Healthcare)上で行った。最後に、10kDa濃縮器(Vivaspin(商標)、Vivascience、Edgewood、NY、USA)を用いて精製タンパク質(GST−C2Am)を濃縮し、緩衝液をHBSに交換した。この細菌発現システムにより、1Lの培地当たり約60〜80mgの組換えGST−C2Amを一貫して得た。GST−C2Am1mg当たり2NIH単位のトロンビン(GE Healthcare)をもつHBS中で22℃にて16時間インキュベーションすることによって、GSTタグを融合タンパク質(およそ10mg/mLのタンパク質濃度)から除去した。酵素消化物を0.22μmの低タンパク質結合フィルターを通して濾過し、C2Amに特異的に結合するHiPrep(商標)SP FFカラム(GE Healthcare)を用いて開裂GSTタグを除去した。Pre−cast NUPAGE(商標)4〜12%勾配ゲル試料緩衝液分子量マーカー、およびInvitrogen(Grand Island、NY、USA)からのNovex(商標)ゲルタンクを用いて、精製の程度をSDS−PAGEによって分析した。

0151

タンパク質濃度の推定
Non−Interfering Protein Assay(商標)キット(NIPA)(Merck Chemicals Ltd)を用いて、非修飾および修飾タンパク質の濃度を推定した。これは、銅イオンがペプチドバックボーンに特異的に結合することに基づいている。市販のアネキシンV−アレクサフルオル647(商標)(0.1%BSAも含有)中のアネキシンVの濃度を測定するために、試料をSDS−PAGEで分析した。励起波長633nmによるTyphoon蛍光ゲルスキャナー(GE Healthcare)を用いて、対応ゲルの蛍光についてもチェックした。SDS−PAGE上のアネキシンVの分子量に対応するタンパク質バンドは、蛍光した唯一のバンドとして確認された。デンシトメトリーを用いてバンドを定量化した。これにより、光学密度を測定することによって、他の全てのバンドにおける割合として対象のバンドの強さが得られる。全タンパク質濃度を示した、試料のデンシトメトリーおよびNIPAアッセイを用いて、アネキシンVのおおよその濃度を算出した。

0152

蛍光標識タンパク質の生成
変異タンパク質(C2Am)は、システイン−78残基とアレクサフルオル647 C2マレイミド(Invitrogen)のマレイミド基との反応を介して、蛍光色素アレクサフルオル647(AlxAF647)と共有結合的に標識した。簡潔に言えば、10mMのDTTを用いて、タンパク質を30分間室温還元した。その後、HNE緩衝液(20mMHEPES、100mM NaCl、5mMEDTA、pH7.4)中の5KDaビバスピン濃縮器(Sartorius、Epsom、UK)でタンパク質を洗浄した。これにより、共役反応を妨害する任意の残渣DTTを除去した。タンパク質を50〜100μMの濃度範囲に保持し、およそ10倍のモル過剰の蛍光マレイミド色素を加えた。マグネチックスターラー上で4℃にて一晩反応を進行させた。ゲル濾過を用いて、修飾タンパク質を未反応色素から分離した。エレクトロスプレーイオン化(ESI)質量分析を用いて、タンパク質の修飾がうまくいったことを確認した。これにより、およそ17204Daの単一種(C2Am−AlxAF647)が得られた。アネキシンV−アレクサフルオル647(商標)のESI質量分析も行った。簡潔に言えば、ミリポアジップチップmC18を用いて試料を脱塩し、50%MeCN/0.2%ギ酸で溶出した。移動相として70%MeOH/0.2%ギ酸を用いて、1.7ml/分の流量でWaters QtofMicroに直接注入することによって試料を分析した。標準設定キャピラリー3000V、コーン90V、キャピラリー温度80℃、脱溶媒温度150℃、ミオグロビンおよび/またはトリプシノーゲンによる較正)は同一ファイルに後で収集した。Waters MassLynx MaxEnt 1ソフトウェア(Waters Ltd、Manchester、UK)を用いてデコンボリューションを行った。

0153

フローサイトメトリーを用いたアポトーシス細胞結合の実証
変異タンパク質(C2Am)は、上述の蛍光標識アポトーシス検出プローブ(C2Am−AlxF)を作製するために、システイン−217残基を介して蛍光色素アレクサフルオル488−マレイミド(AlxF、Invitrogen)で標識した。

0154

マウスリンパ腫EL4細胞を化学療法剤(エトポシド、15μM)で14時間処理し、アポトーシスを誘導させた。氷冷細胞標識緩衝液100μL(20mMHEPES、150mM NaCl、2mM CaCl2、pH7.4)中で再懸濁した、試料1つ当たり106個の細胞を、SYTOX(商標)Red(Invitrogen;試料1つ当たり1.5μL)およびC2Am−Alx(0.2、0.5、もしくは2μM)またはアネキシンV−アレクサフルオル488(AnxV−AlxF;0.1もしくは0.2μM)のいずれかで室温にて15分間インキュベートした。試料を細胞標識緩衝液で1000μLに希釈した。結果を図6に示す。488nmでの蛍光強度の増加が、初期アポトーシス細胞(黄色)、後期アポトーシス細胞(橙色)、および壊死細胞(赤色)で観察された。このシフトは、同一濃度(0.2μM)でAnxV−AlxFよりもC2Am−AlxFを用いることでより顕著であった(図6Aを参照)。

0155

488nmでの蛍光強度の増加は、プローブ濃度が増加するにつれて観察された(図7)。この増加した標識は、初期および後期のアポトーシス細胞および壊死細胞で主に見られた。

0156

一連の濃度試験において、細胞ペレット(106個の細胞)を1%ウシ胎仔血清を有する氷冷HEPES−緩衝生理食塩水(10mM HEPES、140mM NaCl、2.5mM CaCl2、pH7.4)で洗浄し、C2m−AF647またはアネキシンV−アレクサフルオル647(商標)(Invitrogen)を含有する同じ緩衝液100μL(SYTOX(登録商標)Green(Invitrogen;50nM)と組み合わせて、0.05〜1.0μMの全タンパク質濃度範囲において用いた)で再懸濁し、37℃で15分間インキュベートした。得られた混合物を2回洗浄し、上に短時間保持した後、LSRII細胞計(BD Biosciences、Rockville、MD USA)で分析した。1回当たり20,000個の細胞がカウントされた。時間経過データにおいて、処理誘導時点から2時間ごとにEL4細胞を回収し、処理し、上で略述したプロトコルに従って分析した。タンパク質は、各時点でC2AmおよびAnxVを、それぞれ、0.2μMおよび4nMの固定濃度で用いた。試料は三重に分析した。プローブへの結合のカルシウム依存性を試験するため、タンパク質は、HEPES緩衝生理食塩水中でC2mおよびAnxVを、それぞれ、0.1μMおよび2nMの固定濃度で用いた。いくつかの実験において、緩衝液中のCa2+は10mMEDTAで置き換えた。インキュベーション後に、同じ緩衝液で洗浄も行った。

0157

活性カスパーゼを検出するため、処理EL4細胞および未処理EL4細胞を洗浄した後、グリーンポリカスパーゼFLICA(登録商標)で37℃にて30分間インキュベートした(300倍に希釈したストック)。別の洗浄工程を行い、C2AmおよびAnxVでインキュベートした。他の全てのフローサイトメトリー試験と同様に、同じ洗浄工程を適用した。

0158

ヒト乳癌細胞(MDA−MB−175)を化学療法剤(ドキソルビシン、1μg/mL)で96時間処理し、アポトーシスを誘導させた。6ウェルプレート(0.25%トリプシン、1mMEDTA)からトリプシン処理した、試料1つ当たり106個の細胞を、SYTOX(商標)Green(Invitrogen;50nM)およびC2Am−AF647(0.2μM)またはAnxV−AF647(0.004μM)のいずれかを含有する100μLの氷冷した細胞標識緩衝液(20mMHEPES、150mM NaCl、2mM CaCl2、pH7.4)中に再懸濁させ、37℃にて20分間インキュベートした。試料を細胞標識緩衝液で1000μLに希釈し、フローサイトメトリー分析を行った。結果を図19に示す。647nmでの蛍光強度の増加が、C2Am−AF647(図19C)を用いて、アポトーシス細胞(黄色)および壊死細胞(赤色)対生存細胞(青色)で観察された。AnxV−AF647も生存細胞よりもアポトーシス細胞および壊死細胞でより標識されたが、薬物療法の96時間後には、AnxV−AF647で染色したアポトーシス細胞および生存細胞のMFIに違いはほとんどなかった(図19B)。

0159

表面プラズモン共鳴分析
大きな多層膜ベシクル(LMV)は、3種類のリン脂質(フォスファチジルセリン、PS;ホスファチジルエタノールアミン、PE、およびホスファチジルコリン、PC、アバンテポーラーリピッド、Alabaster、AL、USA)を用いて調製した。2.6μmolのリン脂質(クロロホルム中のPS:PE:PC混合物;モル比35:50:15)の試料に窒素を穏やかに30分間吹きつけて乾燥させ、強い渦混合によって、2.6mLのC2A結合緩衝液(HBS=20mMHEPES、150mM NaCl、pH7.4、2mM CaCl2を含有)中に再懸濁させた。これにより、LMVの混濁状の懸濁液が形成された。これを完全に清澄するまで氷上で超音波破砕し(Misonix Inc、Farmingdale、NY、USAからのUltrasonic Processor XL Sonicatorで3サイクル、30秒パルスパルス間10秒間隔、低出力)、小さな単層ベシクル(SUV)の形成が示唆された。

0160

表面プラズモン共鳴(SPR)分析は、Biacore T100システム(Biacore、GE Healthcare)を用いて、L1センサーチップ上で行った。

0161

いくつかの実験において、チップフローセルイソプロパノール/NaOH50mMの混合物(2:3体積)2分パルスで5μL/分で洗浄し、その1つを1mMのリン脂質を含有するSMVの懸濁液5μLで被覆し(1μL/分)、約2,000RU(相対単位)の平均相対応答を得た。水酸化ナトリウム(50mM、20μL/分)の20秒再生パルスを3回印加することによって、未結合の多層材料をSMV注入後にチップから除去した。

0162

他の実験において、チップフローセルを20mMの3−[(3−コラミドプロピルジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホネートCHAPS、30μL/分)の2回の30秒パルスで洗浄し、リン脂質1mM(5μL/分)を含有する試験SMV(PS:PE:PC)の懸濁液で1つのフローセル(試験)を被覆し、約5,000RU(相対単位)の平均相対応答に達した。水酸化ナトリウム(50mM、30μL/分)の30秒パルスを2回印加することによって、未結合の多層材料をSMV注入後に脂質二重層から除去した。

0163

別のフローセルは対照パスとして被覆しないでおいた。いくつかの実験において、リン脂質1mM(5μL/分)を含有する対照SMV(PE:PC)の懸濁液で別のフローセル(対照)を被覆し、約5,000RU(相対単位)の平均相対応答を得た。PEおよびPC(モル比77:23)を用いて対照SMVを調製し、非結合材料を上述のように除去した。

0164

安定なベースラインが達成された後、30μL/分で2分間(会合相)および1分間(解離相)、または、40μL/分で37℃にて60秒間(会合相)、タンパク質を2つの対象フローセルのチップ表面と順次相互作用させた。各個体に注入後、40μL/分で10mM NaEDTAを含有するHBSまたは(HBS、20mm EDTA、pH7.4)の15秒または20秒パルスを用いてリン脂質二重層再生した。

0165

タンパク質溶液は、自動混合の画分調合液を用いて、0〜100nMまたは5nM〜75nMに濃度を変えるシステムで自動的に調製し、全注入は、30μL/分の流量かつ37℃でC2A結合緩衝液において二重に行った。全濃度は二重に分析した。対応する相互作用センサーグラムの会合相が終わる前に応答値(4秒)から得られた熱平衡親和性の解離定数(KD)を推定することによって、PSのタンパク質親和性を評価した(図8)。二重参照分析、およびBiacore T100評価ソフトウェアバージョン1.1.1)(BIAcore AB、GE Healthcare)を用いた。

0166

細胞培養
EL4マウスリンパ腫およびMDA−MB−175ヒト乳癌細胞を、10%ウシ胎仔血清および2mM L−グルタミンを添加したRPMI1640培地で増殖させた。5%CO2を含有する湿気のある環境で37℃にて細胞を継代培養した。トリパンブルー色素染色を用いて細胞の数および生存度モニタリングした。5μMのエトポシドを16時間加えることでEL4細胞死を誘発させ、1μg/mLのドキソルビシンを最長で96時間まで加えることでMDA−MB−175細胞死を誘発させた。

0167

蛍光造影用のC2Amベースプローブ
蛍光標識アポトーシス検出プローブ(C2Am−AlxF)を作製するために、変異タンパク質(C2Am)をシステイン217残基を介して蛍光色素アレクサフルオル488−マレイミド(AlxF、Invitrogen)で標識した。同様のプロトコルを用いて市販のアネキシンVも比較用に標識した。質量分析(エレクトロスプレーイオン化法、またはESI)を用いてC2AmおよびC2Am−AlxFを特徴付けた。

0168

簡潔に言えば、両方のタンパク質を1〜100μMの濃度で保持し、蛍光マレイミド色素を1〜10mMの濃度で保持した。0.25mgのアレクサフルオルマレイミド488nm(Invitrogen)を50μLのミリQ水に溶解した。20μgのAnx−Vを500μLのHBS(HEPES緩衝生理食塩水:20mM HEPES=4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸、150mM NaCl、1mM CaCl2、pH7.4)(1μM)に溶解した。0.56mgのC2Amを500uLのHBS(69μM)に溶解した。DTTの0.5M原液をミリQ水で作製した。10mMのDTTをタンパク質に加え、マグネチックスターラー上に室温で30分間置いた。タンパク質をHNE緩衝液(20mM HEPES、100mM NaCl、5mMEDTA、pH7.4)中で3回、5KDaビバスピン濃縮器で洗浄した。これにより、共役反応を妨害する残渣DTTを除去する。0.5mlに沈降させると、タンパク質を7mLのビジューフラスコに移した。およそ10倍モル過剰の色素をタンパク質に加えた(Anx−Vには2.9ul、C2Amには47.1μlの色素ストック)。両方のビジューを暗闇で保持した。マグネチックスターラー上で4℃にて一晩反応を進行させた。タンパク質を5KDaビバスピン中のHBSで4回十分に洗浄した。最終希釈標準溶液は、C2Am−AlxFには28μM(1.1ml)、AnxV−AlxFには0.83μM(0.6mL)であった。

0169

質量分析結果図9乃至図12に示す。

0170

PETおよびSPECT用のC2Amベースプローブ
SPECTイメージングに使用される111インジウム標識アポトーシス検出プローブ(C2Am−DOTA−111In)を作製するために、システイン217残基を介してC2Amを二機能性キレート(BFC)マレイミド−モノ−アミド−DOTA(Macrocyclics)で修飾した。

0171

簡潔に言えば、5mgのC2Amを2mLのHBS(154μM)に溶解した。DTTの0.5M原液をミリQ水で作製した。10mM DTTをタンパク質に加え、マグネチックスターラー上に室温で30分間置いた。HNE緩衝液を用いて、タンパク質を5KDaビバスピン濃縮器で3回洗浄し、残渣DTT(ジチオスレイトール)を除去した。沈降させた後に、タンパク質を1800μLのHNE緩衝液中に再懸濁させ、7mlのビジューフラスコに移した。10倍モル過剰のBFCを200μLDMSOに溶解し、タンパク質に加えた。マグネチックスターラー上で、pH7.4で4℃にて一晩反応を進行させた。5KDaビバスピン中のHBSでタンパク質を十分に洗浄し、残渣BFCを除去した。試料をエレクトロスプレーイオン化質量分析で分析し、共役がうまくいったかを確認した。質量分析によって試料の均一性を確認した(ESI;図11を参照)。

0172

得られた共役材料を111Inで放射標識し、適当な腫瘍モデルにおいてin vitro(細胞結合アッセイ)およびin vivoで確認してもよい。処理EL4腫瘍および未処理EL4腫瘍に結合したC2Am−DOTA−111InのSPECTイメージングを比較してもよい。

0173

同様のアプローチの後、細胞死のPETイメージングのために、C2AmをBFCで修飾し、陽電子放出放射性同位元素で放射標識してもよい。

0174

結果
C2(S78C)の調製
部位特異性変異誘発を用いて、シナプトタグミンIのC2Aドメインの78番目(シナプトタグミンIの217番目)のセリン残基をシステイン残基に置換した。3つの候補アミノ酸残基を置換用に選択した:Ser217、Gln154、Asn248。3つのGST−C2A変異体(S217C、N248C、およびQ154C)のSDS PAGEを用いて、IPTG誘導前後の発現レベルを評価した。全てのベクター形質転換菌は変異タンパク質をある程度発現したが、はるかに高い過剰発現がS217Cで得られた。単離したC2ドメイン[C2(S78C)]を上述のように調製した。

0175

C2(S78C)−アレクサフルオル(登録商標)647の合成
上述のように、C2(S78C)をアレクサフルオル(登録商標)647のマレイミド誘導体と反応させた。修飾タンパク質(以下、「C2Am」という)は、エレクトロスプレーイオン化質量分析で単一ピークが得られ、修飾タンパク質の期待質量は17204Daであった。SDS−PAGEは、共役に期待されるものと同様の質量をもつ単一バンドも示した。タンパク質修飾はPSの親和性にはほとんど影響しなかった。表面プラズモン共鳴(SPR)測定を用いた親和性分析により、PSの2つのタンパク質で同様の解離定数(Kd)が得られ、非修飾種および修飾種に対して、それぞれ、55.4±3.5nMおよび71.0±6.9nMであった。これらの解離定数は、SPRデータの動態解析によって確認された(表2)。

0176

フローサイトメトリーおよびC2Amを用いた細胞死の検出
フローサイトメトリーを用いて薬剤処理したマウスリンパ腫細胞株(EL4)中の細胞死をC2Amが検出する能力を、同じ蛍光体(以下、「AnxV」という)で標識した市販のアネキシンV製剤を用いた検出と比較した。エトポシドによる処理によって細胞死を誘導し、薬物療法後24時間の間でフローサイトメトリー分析を2時間ごとに行った。Sytox(登録商標)Green(細胞壊死マーカー)で標識した細胞対C2AmまたはAnxVで標識した細胞の、薬物療法16時間後の代表的な散布図を図13に示す。両方の薬剤は、3つ異質細胞集団図13Aおよび図13B):壊死細胞(n、xおよびy軸正方向)、アポトーシス細胞(a、x軸正方向、およびy軸負方向)、および生存細胞(v、x軸およびy軸負方向)を示した。時間経過を通して各々がこれら3つのグループ分類する細胞集団の割合をC2Am(図13D)およびAnxV(図13E)に対して示す。薬物療法後24時間を通じてC2AmおよびAnxVによって特定された細胞画分間には良好な相関があった(生存細胞、R2=0.9956、アポトーシス細胞、R2=0.9758、壊死細胞、R2=0.9957;n=13)。

0177

エトポシドなどのDNA傷害剤による細胞処理は、ポリADP−リボースポリメラーゼ(PARP)の活性化をもたらし、かつ、NAD+はPARPの基質であるため、細胞NAD(H)プールの枯渇をもたらす13。その結果、NADH自己蛍光はエトポシドを用いた細胞死の誘導時にかなり減少し、EL4細胞では薬物療法後の比較的早期にこの減少が起こる14。従って、NADH UV自己蛍光の変化によって特定されたものとC2AmおよびAnxVを用いて特定した細胞集団を相関させることによって、C2AmおよびAnxVを用いて特定した細胞集団を確認した(図13C)。これらの相関を表1に示す。C2AmまたはAnxV蛍光によって特定された細胞集団対NADH自己蛍光によって特定された細胞集団のプロットにおいて、両方のタンパク質によって特定された生存細胞集団と高いNADH自己蛍光によって特定された生存細胞集団との間の線形相関(AnxVおよびC2Amに対して、それぞれ、R2=0.996およびR2=0.999)と、両方のタンパク質によって特定された壊死細胞集団と低いNADH自己蛍光によって特定された壊死細胞集団との間の線形相関(AnxVおよびC2Amに対して、それぞれ、R2=0.998およびR2=0.999)は良好であった。しかしながら、AnxVは、生存細胞の画分を僅かに低く算定し(C2Amの勾配=0.994に対して勾配=0.942)、アポトーシス細胞の画分は明らかに低く算定した(C2Amの勾配=0.884に対して勾配=0.727)。しかしながら、NAD(H)レベルによる相関はC2Amよりも僅かに良好であった(AnxVおよびC2Amに対して、それぞれ、R2=0.994およびR2=0.975)。

0178

2つのタンパク質による各細胞集団の標識の程度についても分析した(図14)。ここで、これらの細胞集団は、高いNADH自己蛍光(生存細胞)、低いNADH自己蛍光(アポトーシス細胞)、低いNADH自己蛍光、および高いSytox(登録商標)Green結合(壊死細胞)から独立して特定されている。生存細胞(図14A)は、50倍低い濃度(4nM AnxVおよび200nM C2Am)を用いたにも拘らず、C2Amと比較して、AnxV(〜4倍;P<0.0001)で一貫して高い染色を示した。壊死細胞(図14B)も、薬物療法後の最初の6時間ではAnxVでより有意に標識されることを示したが(P<0.0001)、それ以後はそうではなく、C2Amによるアポトーシス細胞の標識は、ほとんどの時間経過で高かった(図14C、P<0.001)。壊死細胞の染色レベルは、薬物療法後、ほとんどの時間経過にわたって両方のタンパク質で同様であり、生存細胞のものよりもかなり高かった(〜10倍)。

0179

死につつある細胞対生存細胞の薬剤特異性の測定として、壊死細胞/生存細胞(図14D)およびアポトーシス細胞/生存細胞(図14E)比も薬物療法後の時間経過を通して算出した。C2Amは、アポトーシス細胞に対してより大きな特異性を示した(P<0.01)。比率は〜5倍高かった。壊死細胞(P<0.01)に対して、比率はAnxVよりも〜3倍高かった。

0180

フローサイトメトリーを用いて、薬剤処理されたヒト乳癌細胞株(MDA−MB−231)における細胞死を検出するC2Amの能力についても評価し、AnxVを用いた検出と比較した。細胞死はドキソルビシンによる処理で誘導され、フローサイトメトリー分析は、薬物療法後、96時間にわたって24時間ごとに行った。Sytox(登録商標)green(細胞壊死のマーカー)で標識した細胞対C2Am(C)またはAnxV(B)で標識した細胞の、薬物療法の48、72、96時間後の代表的な散布図を図19に示す。両方の薬剤とも3つの異なる細胞集団を示した。これは、Sytox Green対NAD(H)自己蛍光の二重散布図(図19A)において:壊死細胞(赤色)、アポトーシス細胞(黄色)、および生存細胞(青色)と特定されている。C2Amは、治療の時間経過を通して、3つの細胞集団(生存細胞、アポトーシス細胞、および壊死細胞)の明確な分離をもたらした(図19C)。C2Amとは異なり、AnxVが3つの集団を区別する能力は低かった(図19C)。これは、処理誘導後72時間で特に明白であった。死につつあるMDA細胞対生存MDA細胞の薬剤特異性の測定として、アポトーシス細胞/生存細胞(図19D)および壊死細胞/生存細胞(図19E)比も薬物療法後の時間経過を通して算出した。C2Amは、アポトーシス細胞に対してより大きな特異性を示した。比率は〜2倍高かった。壊死細胞に対して、比率はAnxVよりも〜6倍高かった。

0181

C2AおよびAnxVで標識した細胞とカスパーゼ活性化との比較
細胞死の別の独立した測定として、緑色(カルボキシフルオレセイン)蛍光体に結合するカスパーゼ阻害剤に基づく、ポリカスパーゼFLICA(登録商標)(カスパーゼの蛍光標識阻害剤)キットを用いてカスパーゼ活性化を評価した。FLICAは、細胞浸透性であり、細胞内の活性カスパーゼにのみ結合する。カスパーゼ活性化は、この細胞株内のエトポシド誘導細胞死における比較的早期のイベントである14。FLICAおよびC2AmまたはAnxVのいずれかで染色した処理細胞および未処理細胞の二重散布図を図15に示す。未処理細胞または処理細胞のいずれかにおけるアポトーシス細胞および壊死細胞を、生存細胞と比較した際に、それぞれ、FLICAで最大2倍までと16倍以上で染色した。これらのプロットにより、C2AmおよびAnxVの両方とも生存細胞への結合レベルは低いが(FLICA陰性)、これらの細胞へのAnxV結合はC2Amのものよりも高いことが確認される。

0182

C2Amで染色した死につつある細胞のイメージング
C2Amの結合レベルに従って分類された薬剤処理細胞から画像を取得した。明視野画像および対応する蛍光画像を図16に示す。C2Am(A)で染色されず、その結果、蛍光を示さなかった細胞は、明視野画像で生存の円形形態および無傷膜を有していた。一方、C2Am(B)で染色され、その結果、蛍光を発した細胞は、対応する明視野画像で不規則かつブレブ形成の細胞膜であった。

0183

選択性および特異性におけるプローブ濃度の効果
試験した濃度範囲は、C2AmおよびAnxVで、それぞれ、0.05〜1.0μMおよび1〜20nMであった。プローブ濃度は変化していたため、NAD(H)自己蛍光を用いて3つの細胞集団をゲートした。AnxVで染色された生存細胞の平均蛍光強度(MFI)は、C2Amで染色したものよりもかなり高かった(図17A)。AnxV染色レベルは、全ての細胞集団において、C2Amよりも一貫して高かった(図17A乃至図17C)。しかしながら、アポトーシス細胞/生存細胞(図17E)および壊死細胞/生存細胞(図17D)の細胞染色比は、C2Amでより高く、アポトーシス細胞(P<0.05;[C2Am]≦0.5μM、[AnxV]≦0.01nM)および壊死細胞(P<0.05、[C2Am]=0.1μM、[AnxV]=2nM)の両方のより特異的な標識を示した。

0184

死につつある細胞へのC2AmおよびAnxV結合のCa2+依存性
死につつある細胞上に露出したPSへのC2AmおよびAnxVの結合は、カルシウム依存性である。しかしながら、両方のタンパク質は、Ca2+非依存的に他の細胞膜リン脂質に結合することも知られている15。薬剤処理細胞をCa2+(2mM)またはEDTA(10mM)の存在下でインキュベートし、C2AmおよびAnxVの結合をフローサイトメトリーで評価した。アポトーシス細胞対生存細胞および壊死細胞対生存細胞への結合に対する平均蛍光強度比を図18に示す。アポトーシス細胞への結合は、両方のタンパク質に対して大きくCa2+依存的であった。Ca2+の非存在下での残留結合レベルは、C2AmおよびAnxVに対して、それぞれ、4.4%および12.4%であった。しかしながら、C2Amは、壊死細胞にCa2+非依存的に結合することがより顕著に示された(AnxVの16.1%に対して52.4%)。

0185

上記の試験により、AnxV16と比較して、シナプトタグミンI7、19のC2Aドメインに基づいて細胞死を検出するための新規の分子プローブを評価する。これは、in vitroおよびin vivoでアポトーシス細胞死を検出するための一般に使用されているプローブである11、18。単一のシステイン残基C2(S78C)を含有するC2Aの部位特異性変異体は、単一の化学種(C2Am)を得るために、化学量論的に蛍光体で標識した。C2Amは、アポトーシスマウスリンパ腫細胞および壊死マウスリンパ腫細胞上のPSを検出することを示す。同様に標識したAnxV誘導体よりも感度は低かったが、C2Amは、生存細胞への結合が弱いことを示した。その結果、アポトーシスおよび壊死の検出に対してはより良い特異性を示した。

0186

臨床的に用いられる化学療法剤(エトポシド、2型トポイソメラーゼ阻害剤)によるマウスリンパ腫細胞株(EL4)の処理によって、アポトーシスの誘導をもたらした。C2AmおよびAnxVによって検出された生存リンパ腫細胞、アポトーシスリンパ腫細胞、および壊死リンパ腫細胞のレベルは同様であり、NAD(H)自己蛍光によって測定された同じ細胞集団と良い相関を示した。しかしながら、アポトーシス細胞および壊死細胞に対する特異性は、アポトーシス細胞/生存細胞および壊死細胞/生存細胞の比率によってそれぞれ定義されるように、AnxVよりもC2Amに対してより高かった。これは、AnxVが生存細胞集団により強く結合することによるところが大きかった(図14および図17を参照)。ヒト乳接着細胞株(MDA−MB−231)に対しても同様の結果が得られた。生存細胞へのAnxVの明らかな結合をさらに調べるために、活性カスパーゼの蛍光標識した一般的阻害剤(FLICA(商標)、Immunochemistry Technologies、LLC)を用いて、この細胞集団が本当に生存細胞であり、アポトーシス細胞経路にすでに入っていたかもしれない細胞を含有していなかったことを確認した。カスパーゼ活性化は、これらの細胞におけるアポトーシス誘導後の比較的早期のイベントである14。この細胞集団は、アポトーシス細胞および壊死細胞と比較して、それぞれ、FLICA(商標)での標識は2倍および16倍低かったため、これは本当に生存細胞集団であることが確認された。これにも拘わらず、この細胞集団は、C2AmよりもAnxVではるかに高い標識(〜5倍)を示した。

0187

本明細書に記載のシナプトタグミンI(S78C)のC2Aドメインの部位特異性変異体の化学的に明確に規定され標識された誘導体は、同様に標識されたアネキシンV誘導体よりも生存細胞への結合は弱かったことを示したため、細胞死を検出するのにより良い特異性を有している。生存細胞への結合の弱さは、PSに対するC2Aの親和性が低いことによるのであろう。これは、アネキシンVの放射性核種標識誘導体で観察された非特異的な組織内蓄積を減らし得るため、このタンパク質の放射性核種誘導体を用いてin vivoでの細胞死を検出する場合には、特に有用であろう。

0188

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