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技術 酵母を形質転換するための方法

出願人 アッヴィ・インコーポレイテッド
発明者 シエ,チヨンミンベルク,ジヨナサン・ピーペレス,ジエニフアー・エムベナトウイル,ロレンゾ
出願日 2009年3月3日 (10年11ヶ月経過) 出願番号 2010-549653
公開日 2011年4月28日 (8年9ヶ月経過) 公開番号 2011-512841
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード シグナル発生装置 最適化目的 減衰パラメータ パルス形 電場パルス 電気浸透効果 パルスコントローラ 設計合成
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (4)

課題・解決手段

本発明は、結果として、組み換え産物を発現する安定して形質転換された酵母宿主細胞が得られる、エレクトロポレーションによる酵母及びその突然変異体の形質転換に関する。本発明はまた、形質転換された酵母細胞及びライブラリにも関する。

概要

背景

(発明の背景
インビボでの動物免疫付与を用いるか又はインビトロでの組み換え抗体ディスプレイ技術により作製される治療用抗体は、臨床で成果を収めており、それ自体、有効な薬物探索技術としてこれらの技術を実証してきた。一般に動物免疫付与由来モノクローナル抗体は、治療効果を達成するために十分に高い親和性を有することが予想される一方で、動物免疫付与からの治療用抗体の開発には、非ヒト抗体ヒト化又はヒト抗体発現するトランスジェニック動物入手の何れかが必要である。インビトロディスプレイ技術により予め確立された抗体ライブラリからの完全ヒト抗体の直接選択(ファージ、細菌、酵母哺乳動物細胞及びリボソーム性ディスプレイ)(Chao、G.ら(2006)Nat.Protoc.1:755−68;Gai、S.A.及びWittrup、K.D.(2007)Curr.Opin.Struct.Biol.17:467−73;Griffiths、A.D.ら(1994)EMBO J.13:3245−60;He、M.及びKhan、F.(2005)Expert Rev.Proteomics 2:421−30;Hoogenboom、H.R.(2002)MethodsMol.Biol.178:1−37;Hoogenboom、H.R.(2005)Nat.Biotechnol.23:1105−16)によって、有益な同様のアプローチがもたらされており、これは、標的抗原がインビボで生産性の高い免疫反応を誘発できない場合、最良代替法となり得る。

ヒト抗体ライブラリは、全長抗体又はFab、scFv及びdAbなどの様々な抗体断片をディスプレイするために改変されてきた。ライブラリは、一般に、合成的多様性をさらに導入するか又は導入せずに、B細胞レパートリーからの抗体多様性を捕捉し、ライブラリに移すことによるか(Hoet、R.M.ら(2005)Nat.Biotechnol.23:344−8)又は限定されたヒト抗体フレームワークにおいてCDR残基を合成により無作為化することによるか(Rothe、C.ら(2008)J Mol Biol.376:1182−200)の何れかで、構築される。抗体重及び軽鎖は個別に増幅され、ライブラリディスプレイ形式に再設定されるので、VHとVLとの間の新しい対形成がこのプロセス中に形成される。このVH−VLシャッフリングにより、新規抗原結合部位が生成されるようになる一方で、これによってまた、理論的ライブラリ多様性も非常に顕著に向上する。ライブラリを有効にサンプリングするために必要とされる理論的なライブラリ多様性及び実際のライブラリのサイズを低下させることにより、より良好でより生産性の高い抗体ライブラリを操作するためにいくつかのストラテジーが開発されてきた。これらのストラテジーには、知的設計合成又は半合成ライブラリ(Rothe、C.ら(2008)J Mol Biol.376:1182−200)及び、多様性がより低いがより反応性が高い可能性があるB細胞レパートリーから作製された、免疫(Hoet、R.M.ら(2005)Nat.Biotechnol.23:344−8)又は免疫(pseudoimmune)(Lee、H.W.ら(2006)Biochem.Biophys.Res.Commun.346:896−903)ライブラリが含まれる。これらのアプローチは、いくつか又は実に多くのログにより理論的ライブラリ多様性を顕著に低下させることにおいて有効であり得るが、それらの稀少性に関係なく、抗体ヒットを同定する機会を増加させるための大きなライブラリサイズ及びそれらを作製するための方法に対する必要性によって、必ず、ライブラリ設計は完全なものになるであろう。

酵母などの真核系における、核酸ライブラリ及びそれにより産生される組み換え産物(医薬用タンパク質など)の作製のための手段が利用可能であれば、E.コリなどの原核系の使用と比較して、顕著な長所がもたらされる。酵母は、一般に、細菌よりも高い細胞密度で増殖させることができ、連続発酵処理に容易に適応する。しかし、組み換え産物及びライブラリの生成のための宿主ベクター系としての酵母種の開発において、形質転換条件及び外来核酸酵母宿主細胞に安定して導入するための適切な手段に関する知識の欠如が大きな障害となっている。

細胞電気的形質転換を促進する様々な電気的及び生物学的パラメータの中でも特に挙げられるのは、細胞表面に対するDNAの吸着である。低強度の交流電場もまた、おそらく、DNA透過酵素電気的刺激によって、E.コリ細菌へのDNA転移を促進する。高分子電解質DNAの電気穿孔性遺伝子移動における主要な電気拡散的又は電気泳動的効果に対する証拠蓄積されてきた。エレクトロポレーションにより促進される電気浸透効果及び膜陥入もまた報告された。

酵母細胞膜を横切る電場の適用の結果、エレクトロポレーションプロセスに対して非常に重要である一時的な孔が生じる。エレクトロポレータシグナル生成装置は、電極間ギャップ(cm)を横切って動く電圧(kV)を与える。この電位差は、E=kV/cmである電場強度と呼ばれるものと定義される。各細胞は、最適のエレクトロポレーションに対するそれ自身の臨界電場強度を有する。これは、細胞の大きさ、膜の構造及び細胞壁それ自身の個々の特徴による。例えば、哺乳動物細胞は、通常、細胞死及び/又はエレクトロポレーションが起こる前、0.5から5.0kV/cmの間である必要がある。一般に、必要とされる電場強度は、細胞の大きさとは逆に変化する。

形質転換の方法
1.エレクトロポレーションによる形質転換
Beckerら(Methodsin Enzymology 194:182−187(1991))は、酵母サッカロミセスセレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)(S.セレビシエ)の形質転換の方法を開示する。Beckerはまた、スフェロプラスト形質転換も開示する。

Faberら(Curr.Genet.25:305−310(1994))は、メチロトローフ酵母ハンセヌラポリモルファ(Hansenula polymorpha)の形質転換のための方法を開示する。Faberはまた、この方法をピキアメタノリカ(Pichia methanolica)にも適用した。

Helmuthら(Analytical Biochem.293:149−152(2001))は、LiAc及びDTT前処理の両方を組み合わせることによる、酵母形質転換効率の向上を開示する。

Kasutskeら(Yeast 8:691−697(1992))は、様々な相同ベクタープラスミドによる無傷カンジダマルトーサ(Candida maltosa)細胞のエレクトロパルス形転換を開示する。

Meilhocら(Bio/Technology 8:223−227(1990))は、無傷のS.セレビシエ酵母細胞及び電場パルスを用いた形質転換系を開示する。

Neumannら(1996)Biophys.J.(1996)71:868−877は、エレクトロポレーション及びカルシウム介在DNA吸着による、酵母細胞形質転換の動力学を開示する。

Pireddaら(Yeast 10:1601−1612(1994))は、酵母、ヤマダザイマ(ピキア)オーメリ(Yamadazyma(Pichia)ohmeri)に対する形質転換系を開示する。

Scorerら(Bio/Technology 12:181−184(1994))は、エレクトロポレーション及びスフェロプラスト形質転換系の両方を用いた、ピキア・パストリスでの発現のための稀少な高コピー数形質転換体の迅速なG418選択を可能にするP.パストリスベクターを開示する。

Shermanら(Laboratory Course Manual for Methodsin Yeast Genetics、p.91 102、Cold Spring Harbor Laboratory(1986))は、酵母突然変異体LEU2及びHIS3の形質転換を開示する。

Suga及びHatakeyama(Curr.Genet.43:206−211(2003))は、カルシウムの添加によるエレクトロポレーション前にコンピーテント細胞を作製するための凍結法を開示する。

Thompsonら(Yeast 14:565−571(1998))は、エレクトロポレーションによる形質転換のための、S.セレビシエ及びカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)などの酵母細胞の調製を開示する。

Yangら(Applied and Environmental Microbiology 60(12):4245−4254(1994))は、そのURA3遺伝子及び相同自己複製配列ARS2に基づく、ピキア・スチピチス(Pichia stipitis)のエレクトロポレーションを開示する。

Raymondに対する米国特許第5,716,808号は、エレクトロポレーションを用いた外来DNAコンストラクトを含有するピキア・メタノリカ(Pichia methanolica)細胞を調製するための方法及びピキア・メタノリカ細胞において外来ペプチドを産生させるための方法を開示する。

Abbasに対する米国特許第7,009,045号は、エレクトロポレーションによる及びスフェロプラスト形質転換による、フラビン生成酵母、ピキア・ギリエルモンディ(Pichia guilliermondii)及びカンジダ・ファマータ(Candida famata)の形質転換を開示する。

2.スフェロプラスト形成による形質転換
Beckerら(Methodsin Enzymology 194:182−187(1991))は、酵母S.セレビシエならびにスフェロプラスト形質転換の形質転換の方法を開示する。

Scorerら(Bio/Technology 12:181−184(1994))は、エレクトロポレーション及びスフェロプラスト形質転換系の両方を用いた、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)での発現のための稀少な高コピー数形質転換体のG418選択を可能にするP.パストリスベクターを開示する。

Stromanらに対する米国特許第4,808,537号は、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)からのメタノール誘導性遺伝子及び、スフェロプラスト形質転換を用いた異種遺伝子のメタノール制御発現に有用な制御領域を、単離しクローニングするための方法を開示する。

Creggに対する米国特許第4,837,148号は、ピキアの宿主株において染色体外エレメントとしてプラスミドを維持することが可能な自己複製配列を開示する。この特許は、DNA配列を含むコンストラクトならびにスフェロプラスト形成により生成される形質転換生物をさらに開示し、本発明のDNA配列及びコンストラクトを作製するためのプロセスならびに何らかの源から配列を単離するための方法を提供する。

Stromanらに対する米国特許第4,855,231号は、メタノールの存在、異化代謝産物抑制性炭素源及び炭素源欠乏に反応性があるDNA配列を開示する。'231特許は、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)のスフェロプラスト形質転換を明らかにする。

Stromanらに対する米国特許第4,879,231号は、ピキア・パストリスなどの酵母に対するスフェロプラスト形質転換法を開示する。

Creggらに対する米国特許第4,882,279号は、ピキア属の酵母、例えばピキア・パストリスに対するスフェロプラスト形質転換技術を開示する。

Creggに対する米国特許第5,135,868号は、ピキア属の酵母の部位特異的ゲノム修飾のための方法に関する。'868特許は、スフェロプラスト形質転換法を使用する。

Buckholzに対する米国特許第5,268,273号は、ピキア・パストリスのスフェロプラスト形質転換の方法に関する。

Raymondに対する米国特許第5,736,383号は、ピキア属の酵母株、特にピキア・メタノリカ(Pichia methanolica)の形質転換の方法に関する。'383特許は、ピキア属の酵母のスフェロプラスト形質転換の方法ならびにエレクトロポレーションによる形質転換の方法にさらに関する。

3.その他の形質転換系
Kunzeら(Current Genetics 9(3):205−209(1985))は、プラスミドpYe(ARG4)411を用いた、S.セレビシエ、カンジダ・マルトーサ(Candida maltosa)及びピキア・ギリエルモンディ(Pichia guilliermondii)G266の形質転換の方法を開示し、これは、pBR322に挿入されたS.セレビシエARG4遺伝子を含有する。Kunzeは、形質転換の方法においてCaCl2を使用した。

Kunzeら(J.Basic Microbiol.25(2):141−144(1985))は、CaCl2を用いた、産業的に重要な酵母カンジダ・マルトーサ(Candida maltosa)及びピキア・ギリエルモンディ(Pichia guilliermondii)G266の形質転換の方法を開示する。

Kunzeら(Acta Biotechnol.6(1):28(1986))は、産業的に重要な酵母カンジダ・マルトーサ(Candida maltosa)及びピキア・ギリエルモンディ(Pichia guilliermondii)の形質転換を開示する。

Neistatら(Mol.Ge.Mikrobiol.Virusol.12:19−23(1986))(要約のみ)は、S.セレビシエのADE2遺伝子を担うプラスミドによる、ハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、ピキア・ギリエルモンディ(Pichia guilliermondii)、ウィリオプシス・サツルヌス(Williopsis saturnus)酵母の形質転換を開示する。形質転換の方法は開示されていない。

Creggらに対する米国特許第4,929,555号は、DNAによる形質転換に対して妥当であるピキア属のメチロトロフィー種の全細胞を作製するための方法及びこのような種、特にピキア・パストリスの全細胞をDNAで形質転換するための方法を開示する。

Heefnerらに対する米国特許第5,231,007号は、6日間に対して1Lあたり約7.0から7.5gのリボフラビン量を産生するカンジダ・ファマータ(Candida famata)の高フラビン生成株の作製及び単離の方法を開示する。この方法は、親株及びスクリーニングプロトコールに従い各段階後に選択される子孫株において行われる反復突然変異誘発段階及びプロトプラスト融合段階の組み合わせを含む。

4.ベクター、ARSエレメント及び遺伝子ライブラリ
Clyne、R.K.ら(EMBO J.14(24):6348−6357(1995))は、ARS1、分裂酵母、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)のARSエレメントの微小構造分析に関する。一連ネスト化欠失突然変異の特徴から、重要なARS活性を保持した650bp以下の断片はなかったので、ARS1を包含するDNAの最小断片が大きいことが示される。

Liauta−Teglivets、O.ら(Yeast 11(10):945−952(1995))は、ピキア・ギリエルモンディ(Pichia guilliermondii)ゲノムライブラリからのリボフラビン生合成に含まれるGTPシクロヒドロラーゼ構造遺伝子のクローニングを開示する。

Cannon、R.D.ら(Mol.Gen.Genet.221(2):210−218(1990))は、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)及びS.セレビシエで機能的である自己複製配列(ARS)エレメントの単離及びヌクレオチド配列を開示する。

Takagi、M.ら(J.Bacteriol.167(2):551−555(1986))は、そのゲノムから単離されたARS部位を使用することによる、カンジダ・マルトーサ(Candida maltosa)における宿主−ベクター系の構築を開示する。

Pla、J.ら(Gene 165(1):115−120(1995))は、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)及びS.セレビシエの両方の非組み込み型(non integrative)遺伝子形質転換を促進することが示されている、自己複製活性のあるARS2及びARS3カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)DNA断片に関する。

Fournierらに対する米国特許第5,212,087号は、ヤロウィアリポリチカ(Yarrowia lipolytica)において有効であるARS配列ならびにこれらの配列を担うプラスミドを開示する。

Hagensonらに対する米国特許第5,665,600号は、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)線状プラスミド及びARS配列を含有するそのDNA断片を開示する。'600特許は、米国特許第4,929,555号のCreggらに記載のようなスフェロプラスト形質転換系を使用した。

Creggらに対する米国特許第4,837,148号は、ピキアの宿主株において染色体外エレメントとしてプラスミドを維持することが可能な自己複製配列を開示する。'148特許は、このDNA配列を含むコンストラクトならびにそれにより形質転換された生物にさらに関する。この特許は、本発明のDNA配列及びコンストラクトを作製するためのプロセスならびに何らかの源からその配列を単離するための方法をさらに提供する。

Chaoら(Nature Protocols、1(2):755−768(2006))は、エレクトロポレーションにより酵母細胞を形質転換し、5μg挿入物及び1μgベクターDNAにより最大5x107ライブラリサイズを達成するためのプロトコールを開示する。

上記方法及び開示は、次第により高い形質転換効率を達成してはいるが、以前として困難であり、106から107サイズ範囲の複数の小さなライブラリから108から109サイズ範囲のより大きな複合したライブラリサイズを蓄積するために、長い時間を要し、繰り返し実行することが必要である。

酵母ライブラリは、ファージライブラリにより達成されているサイズ又は効率を達成していない。2005年にHoogenboom(Nature Biotech.、23(9):1105−1116)により概説されているように、典型的な最大ファージライブラリのサイズは1010から1011であり、一方、典型的な酵母ライブラリは107のサイズであるが(その他のディスプレイ技術(Hoogenboom、H.R.(2002)MethodsMol.Biol.178:1−37;Hoogenboom、H.R.(2005)Nat.Biotechnol.23:1105−16により達成されるものよりも顕著に小さい。)、109の範囲のライブラリサイズが既に報告されている(Hoet、R.M.ら(2005)Nat.Biotechnol.23:344−8;Lipovsek、D.ら(2007)J Mol Biol.368:1024−41;Segal、L.ら(2007)Bioinformatics 23:1440−9)。Feldhausら(Nature Biotech.、21:163−170(2003)は、努力を要して形質転換を繰り返し、次いで形質転換されたライブラリを組み合わせることによって、1.5x109ライブラリを構築できることを示した。エレクトロポレーションプロトコールにおける最近の進展(Chao、Nature Protocols 1(2):755−768(2006)参照)により、1回の形質転換で最大5x107酵母ライブラリサイズを達成可能になったが、発明者らは、Chaoのプロトコールが酵母を形質転換する形質転換効率が、一般に、顕著により低いことを見出した。今まで達成された酵母ライブラリサイズが、依然として、1010から1011サイズのファージディスプレイライブラリにより日常的に達成可能であるものよりも顕著に低いことは今なお相違ない。

磁性ビーズ及び蛍光標示細胞分類の両方を用いた酵母ディスプレイライブラリ選択により、特に蛍光活性化細胞分類FACS)とのその適合性によって、標的抗原に対する特異的結合物濃縮するための有効で感度の高い方法が得られる。しかし、酵母細胞の形質転換効率が低いために、典型的な酵母ディスプレイライブラリのサイズに限界があることによって、この選択能力の長所が損なわれる。酵母ディスプレイ選択技術が、ファージディスプレイ(約1010の大きさ)に対して作製されるものと同様の大きな抗体ライブラリと組み合わせられ得る場合、酵母ディスプレイ技術により、非常に有効な抗体探索ツールがもたらされる。

概要

本発明は、結果として、組み換え産物を発現する安定して形質転換された酵母宿主細胞が得られる、エレクトロポレーションによる酵母及びその突然変異体の形質転換に関する。本発明はまた、形質転換された酵母細胞及びライブラリにも関する。

目的

本発明のDNA配列及びコンストラクトを作製するためのプロセスならびに何らかの源から配列を単離するための方法を提供する

効果

実績

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牽制数
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請求項1

核酸ベクター酵母細胞ソルビトール及びCaCl2又はMgCl2を含む縣濁液を提供する段階、および約10から約50μFの静電容量で、0.5kV/cmから12.5kV/cm超にて縣濁液をエレクトロポレーション処理し、それにより少なくとも1x109のライブラリサイズを得る段階、を含む、酵母細胞のエレクトロポレーションにより酵母ライブラリを調製する方法。

請求項2

縣濁液が1Mソルビトール及び1mMCaCl2を含む、請求項1の方法。

請求項3

縣濁液が、1Mソルビトール及び1mMMgCl2を含む、請求項1の方法。

請求項4

酵母細胞が、冷0.1MLiAc及び10mMDTTを含む体積中で温置される、請求項1の方法。

請求項5

縣濁液が、約25μFの静電容量で、2.5kV/cmでエレクトロポレーション処理される、請求項1の方法。

請求項6

エレクトロポレーション段階が0.2cmギャップキュベット中で行われる、請求項1の方法。

請求項7

ベクターDNA1μgから8μgが使用される、請求項1の方法。

請求項8

ベクターDNA4μgが使用される、請求項1の方法。

請求項9

ベクターが線状である、請求項1の方法。

請求項10

縣濁液が1.6x109個の酵母細胞/mLの400μLを含む、請求項1の方法。

請求項11

ベクターDNA:挿入DNAの比が1:0.5から1:10の範囲である、請求項1の方法。

請求項12

ベクターDNA:挿入DNAの比が1:3である、請求項1の方法。

請求項13

約1.0から約2のOD600になるまで酵母細胞を一晩培養する段階;水中で酵母細胞を洗浄する段階;ソルビトール及びCaCl2を含む溶液中で酵母細胞を洗浄する段階;LiAc及びDTTを含む溶液中で酵母細胞を温置する段階;ソルビトール及びCaCl2を含む溶液中で酵母細胞を洗浄する段階;酵母細胞エレクトロポレーション縣濁液を形成させるために、ソルビトール及びCaCl2を含む溶液中で酵母細胞を再縣濁する段階;酵母細胞−DNAエレクトロポレーション縣濁液を形成させるために、エレクトロポレーション細胞縣濁液の体積をベクターDNA及び挿入DNAに添加する段階;および0.2cmギャップキュベット中で約2.5kV/cmから約12.5kV/cmの間の電圧で酵母細胞−DNAエレクトロポレーション縣濁液をエレクトロポレーション処理する段階、を含む、ライブラリを調製するためにDNAで酵母形質転換するための方法。

技術分野

0001

(関連出願に対する相互参照
本願は、2008年3月3日提出の米国特許仮出願第61/067、910号に対する優先権及びその利益を主張する。

0002

(発明の分野)
本発明は、酵母形質転換及びそれにより形質転換された酵母細胞及び酵母細胞ライブラリ及びそれ由来組み換え産物の産生の分野に関する。とりわけ、本発明は、エレクトロポレーションによる酵母の形質転換に関する。

背景技術

0003

(発明の背景
インビボでの動物免疫付与を用いるか又はインビトロでの組み換え抗体ディスプレイ技術により作製される治療用抗体は、臨床で成果を収めており、それ自体、有効な薬物探索技術としてこれらの技術を実証してきた。一般に動物免疫付与由来のモノクローナル抗体は、治療効果を達成するために十分に高い親和性を有することが予想される一方で、動物免疫付与からの治療用抗体の開発には、非ヒト抗体ヒト化又はヒト抗体発現するトランスジェニック動物入手の何れかが必要である。インビトロディスプレイ技術により予め確立された抗体ライブラリからの完全ヒト抗体の直接選択(ファージ、細菌、酵母、哺乳動物細胞及びリボソーム性ディスプレイ)(Chao、G.ら(2006)Nat.Protoc.1:755−68;Gai、S.A.及びWittrup、K.D.(2007)Curr.Opin.Struct.Biol.17:467−73;Griffiths、A.D.ら(1994)EMBO J.13:3245−60;He、M.及びKhan、F.(2005)Expert Rev.Proteomics 2:421−30;Hoogenboom、H.R.(2002)MethodsMol.Biol.178:1−37;Hoogenboom、H.R.(2005)Nat.Biotechnol.23:1105−16)によって、有益な同様のアプローチがもたらされており、これは、標的抗原がインビボで生産性の高い免疫反応を誘発できない場合、最良代替法となり得る。

0004

ヒト抗体ライブラリは、全長抗体又はFab、scFv及びdAbなどの様々な抗体断片をディスプレイするために改変されてきた。ライブラリは、一般に、合成的多様性をさらに導入するか又は導入せずに、B細胞レパートリーからの抗体多様性を捕捉し、ライブラリに移すことによるか(Hoet、R.M.ら(2005)Nat.Biotechnol.23:344−8)又は限定されたヒト抗体フレームワークにおいてCDR残基を合成により無作為化することによるか(Rothe、C.ら(2008)J Mol Biol.376:1182−200)の何れかで、構築される。抗体重及び軽鎖は個別に増幅され、ライブラリディスプレイ形式に再設定されるので、VHとVLとの間の新しい対形成がこのプロセス中に形成される。このVH−VLシャッフリングにより、新規抗原結合部位が生成されるようになる一方で、これによってまた、理論的ライブラリ多様性も非常に顕著に向上する。ライブラリを有効にサンプリングするために必要とされる理論的なライブラリ多様性及び実際のライブラリのサイズを低下させることにより、より良好でより生産性の高い抗体ライブラリを操作するためにいくつかのストラテジーが開発されてきた。これらのストラテジーには、知的設計合成又は半合成ライブラリ(Rothe、C.ら(2008)J Mol Biol.376:1182−200)及び、多様性がより低いがより反応性が高い可能性があるB細胞レパートリーから作製された、免疫(Hoet、R.M.ら(2005)Nat.Biotechnol.23:344−8)又は免疫(pseudoimmune)(Lee、H.W.ら(2006)Biochem.Biophys.Res.Commun.346:896−903)ライブラリが含まれる。これらのアプローチは、いくつか又は実に多くのログにより理論的ライブラリ多様性を顕著に低下させることにおいて有効であり得るが、それらの稀少性に関係なく、抗体ヒットを同定する機会を増加させるための大きなライブラリサイズ及びそれらを作製するための方法に対する必要性によって、必ず、ライブラリ設計は完全なものになるであろう。

0005

酵母などの真核系における、核酸ライブラリ及びそれにより産生される組み換え産物(医薬用タンパク質など)の作製のための手段が利用可能であれば、E.コリなどの原核系の使用と比較して、顕著な長所がもたらされる。酵母は、一般に、細菌よりも高い細胞密度で増殖させることができ、連続発酵処理に容易に適応する。しかし、組み換え産物及びライブラリの生成のための宿主ベクター系としての酵母種の開発において、形質転換条件及び外来核酸酵母宿主細胞に安定して導入するための適切な手段に関する知識の欠如が大きな障害となっている。

0006

細胞電気的形質転換を促進する様々な電気的及び生物学的パラメータの中でも特に挙げられるのは、細胞表面に対するDNAの吸着である。低強度の交流電場もまた、おそらく、DNA透過酵素電気的刺激によって、E.コリ細菌へのDNA転移を促進する。高分子電解質DNAの電気穿孔性遺伝子移動における主要な電気拡散的又は電気泳動的効果に対する証拠蓄積されてきた。エレクトロポレーションにより促進される電気浸透効果及び膜陥入もまた報告された。

0007

酵母細胞膜を横切る電場の適用の結果、エレクトロポレーションプロセスに対して非常に重要である一時的な孔が生じる。エレクトロポレータシグナル生成装置は、電極間ギャップ(cm)を横切って動く電圧(kV)を与える。この電位差は、E=kV/cmである電場強度と呼ばれるものと定義される。各細胞は、最適のエレクトロポレーションに対するそれ自身の臨界電場強度を有する。これは、細胞の大きさ、膜の構造及び細胞壁それ自身の個々の特徴による。例えば、哺乳動物細胞は、通常、細胞死及び/又はエレクトロポレーションが起こる前、0.5から5.0kV/cmの間である必要がある。一般に、必要とされる電場強度は、細胞の大きさとは逆に変化する。

0008

形質転換の方法
1.エレクトロポレーションによる形質転換
Beckerら(Methodsin Enzymology 194:182−187(1991))は、酵母サッカロミセスセレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)(S.セレビシエ)の形質転換の方法を開示する。Beckerはまた、スフェロプラスト形質転換も開示する。

0009

Faberら(Curr.Genet.25:305−310(1994))は、メチロトローフ酵母ハンセヌラポリモルファ(Hansenula polymorpha)の形質転換のための方法を開示する。Faberはまた、この方法をピキアメタノリカ(Pichia methanolica)にも適用した。

0010

Helmuthら(Analytical Biochem.293:149−152(2001))は、LiAc及びDTT前処理の両方を組み合わせることによる、酵母形質転換効率の向上を開示する。

0011

Kasutskeら(Yeast 8:691−697(1992))は、様々な相同ベクタープラスミドによる無傷カンジダマルトーサ(Candida maltosa)細胞のエレクトロパルス形転換を開示する。

0012

Meilhocら(Bio/Technology 8:223−227(1990))は、無傷のS.セレビシエ酵母細胞及び電場パルスを用いた形質転換系を開示する。

0013

Neumannら(1996)Biophys.J.(1996)71:868−877は、エレクトロポレーション及びカルシウム介在DNA吸着による、酵母細胞形質転換の動力学を開示する。

0014

Pireddaら(Yeast 10:1601−1612(1994))は、酵母、ヤマダザイマ(ピキア)オーメリ(Yamadazyma(Pichia)ohmeri)に対する形質転換系を開示する。

0015

Scorerら(Bio/Technology 12:181−184(1994))は、エレクトロポレーション及びスフェロプラスト形質転換系の両方を用いた、ピキア・パストリスでの発現のための稀少な高コピー数形質転換体の迅速なG418選択を可能にするP.パストリスベクターを開示する。

0016

Shermanら(Laboratory Course Manual for Methodsin Yeast Genetics、p.91 102、Cold Spring Harbor Laboratory(1986))は、酵母突然変異体LEU2及びHIS3の形質転換を開示する。

0017

Suga及びHatakeyama(Curr.Genet.43:206−211(2003))は、カルシウムの添加によるエレクトロポレーション前にコンピーテント細胞を作製するための凍結法を開示する。

0018

Thompsonら(Yeast 14:565−571(1998))は、エレクトロポレーションによる形質転換のための、S.セレビシエ及びカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)などの酵母細胞の調製を開示する。

0019

Yangら(Applied and Environmental Microbiology 60(12):4245−4254(1994))は、そのURA3遺伝子及び相同自己複製配列ARS2に基づく、ピキア・スチピチス(Pichia stipitis)のエレクトロポレーションを開示する。

0020

Raymondに対する米国特許第5,716,808号は、エレクトロポレーションを用いた外来DNAコンストラクトを含有するピキア・メタノリカ(Pichia methanolica)細胞を調製するための方法及びピキア・メタノリカ細胞において外来ペプチドを産生させるための方法を開示する。

0021

Abbasに対する米国特許第7,009,045号は、エレクトロポレーションによる及びスフェロプラスト形質転換による、フラビン生成酵母、ピキア・ギリエルモンディ(Pichia guilliermondii)及びカンジダ・ファマータ(Candida famata)の形質転換を開示する。

0022

2.スフェロプラスト形成による形質転換
Beckerら(Methodsin Enzymology 194:182−187(1991))は、酵母S.セレビシエならびにスフェロプラスト形質転換の形質転換の方法を開示する。

0023

Scorerら(Bio/Technology 12:181−184(1994))は、エレクトロポレーション及びスフェロプラスト形質転換系の両方を用いた、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)での発現のための稀少な高コピー数形質転換体のG418選択を可能にするP.パストリスベクターを開示する。

0024

Stromanらに対する米国特許第4,808,537号は、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)からのメタノール誘導性遺伝子及び、スフェロプラスト形質転換を用いた異種遺伝子のメタノール制御発現に有用な制御領域を、単離しクローニングするための方法を開示する。

0025

Creggに対する米国特許第4,837,148号は、ピキアの宿主株において染色体外エレメントとしてプラスミドを維持することが可能な自己複製配列を開示する。この特許は、DNA配列を含むコンストラクトならびにスフェロプラスト形成により生成される形質転換生物をさらに開示し、本発明のDNA配列及びコンストラクトを作製するためのプロセスならびに何らかの源から配列を単離するための方法を提供する。

0026

Stromanらに対する米国特許第4,855,231号は、メタノールの存在、異化代謝産物抑制性炭素源及び炭素源欠乏に反応性があるDNA配列を開示する。'231特許は、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)のスフェロプラスト形質転換を明らかにする。

0027

Stromanらに対する米国特許第4,879,231号は、ピキア・パストリスなどの酵母に対するスフェロプラスト形質転換法を開示する。

0028

Creggらに対する米国特許第4,882,279号は、ピキア属の酵母、例えばピキア・パストリスに対するスフェロプラスト形質転換技術を開示する。

0029

Creggに対する米国特許第5,135,868号は、ピキア属の酵母の部位特異的ゲノム修飾のための方法に関する。'868特許は、スフェロプラスト形質転換法を使用する。

0030

Buckholzに対する米国特許第5,268,273号は、ピキア・パストリスのスフェロプラスト形質転換の方法に関する。

0031

Raymondに対する米国特許第5,736,383号は、ピキア属の酵母株、特にピキア・メタノリカ(Pichia methanolica)の形質転換の方法に関する。'383特許は、ピキア属の酵母のスフェロプラスト形質転換の方法ならびにエレクトロポレーションによる形質転換の方法にさらに関する。

0032

3.その他の形質転換系
Kunzeら(Current Genetics 9(3):205−209(1985))は、プラスミドpYe(ARG4)411を用いた、S.セレビシエ、カンジダ・マルトーサ(Candida maltosa)及びピキア・ギリエルモンディ(Pichia guilliermondii)G266の形質転換の方法を開示し、これは、pBR322に挿入されたS.セレビシエARG4遺伝子を含有する。Kunzeは、形質転換の方法においてCaCl2を使用した。

0033

Kunzeら(J.Basic Microbiol.25(2):141−144(1985))は、CaCl2を用いた、産業的に重要な酵母カンジダ・マルトーサ(Candida maltosa)及びピキア・ギリエルモンディ(Pichia guilliermondii)G266の形質転換の方法を開示する。

0034

Kunzeら(Acta Biotechnol.6(1):28(1986))は、産業的に重要な酵母カンジダ・マルトーサ(Candida maltosa)及びピキア・ギリエルモンディ(Pichia guilliermondii)の形質転換を開示する。

0035

Neistatら(Mol.Ge.Mikrobiol.Virusol.12:19−23(1986))(要約のみ)は、S.セレビシエのADE2遺伝子を担うプラスミドによる、ハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、ピキア・ギリエルモンディ(Pichia guilliermondii)、ウィリオプシス・サツルヌス(Williopsis saturnus)酵母の形質転換を開示する。形質転換の方法は開示されていない。

0036

Creggらに対する米国特許第4,929,555号は、DNAによる形質転換に対して妥当であるピキア属のメチロトロフィー種の全細胞を作製するための方法及びこのような種、特にピキア・パストリスの全細胞をDNAで形質転換するための方法を開示する。

0037

Heefnerらに対する米国特許第5,231,007号は、6日間に対して1Lあたり約7.0から7.5gのリボフラビン量を産生するカンジダ・ファマータ(Candida famata)の高フラビン生成株の作製及び単離の方法を開示する。この方法は、親株及びスクリーニングプロトコールに従い各段階後に選択される子孫株において行われる反復突然変異誘発段階及びプロトプラスト融合段階の組み合わせを含む。

0038

4.ベクター、ARSエレメント及び遺伝子ライブラリ
Clyne、R.K.ら(EMBO J.14(24):6348−6357(1995))は、ARS1、分裂酵母、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)のARSエレメントの微小構造分析に関する。一連ネスト化欠失突然変異の特徴から、重要なARS活性を保持した650bp以下の断片はなかったので、ARS1を包含するDNAの最小断片が大きいことが示される。

0039

Liauta−Teglivets、O.ら(Yeast 11(10):945−952(1995))は、ピキア・ギリエルモンディ(Pichia guilliermondii)ゲノムライブラリからのリボフラビン生合成に含まれるGTPシクロヒドロラーゼ構造遺伝子のクローニングを開示する。

0040

Cannon、R.D.ら(Mol.Gen.Genet.221(2):210−218(1990))は、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)及びS.セレビシエで機能的である自己複製配列(ARS)エレメントの単離及びヌクレオチド配列を開示する。

0041

Takagi、M.ら(J.Bacteriol.167(2):551−555(1986))は、そのゲノムから単離されたARS部位を使用することによる、カンジダ・マルトーサ(Candida maltosa)における宿主−ベクター系の構築を開示する。

0042

Pla、J.ら(Gene 165(1):115−120(1995))は、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)及びS.セレビシエの両方の非組み込み型(non integrative)遺伝子形質転換を促進することが示されている、自己複製活性のあるARS2及びARS3カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)DNA断片に関する。

0043

Fournierらに対する米国特許第5,212,087号は、ヤロウィアリポリチカ(Yarrowia lipolytica)において有効であるARS配列ならびにこれらの配列を担うプラスミドを開示する。

0044

Hagensonらに対する米国特許第5,665,600号は、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)線状プラスミド及びARS配列を含有するそのDNA断片を開示する。'600特許は、米国特許第4,929,555号のCreggらに記載のようなスフェロプラスト形質転換系を使用した。

0045

Creggらに対する米国特許第4,837,148号は、ピキアの宿主株において染色体外エレメントとしてプラスミドを維持することが可能な自己複製配列を開示する。'148特許は、このDNA配列を含むコンストラクトならびにそれにより形質転換された生物にさらに関する。この特許は、本発明のDNA配列及びコンストラクトを作製するためのプロセスならびに何らかの源からその配列を単離するための方法をさらに提供する。

0046

Chaoら(Nature Protocols、1(2):755−768(2006))は、エレクトロポレーションにより酵母細胞を形質転換し、5μg挿入物及び1μgベクターDNAにより最大5x107ライブラリサイズを達成するためのプロトコールを開示する。

0047

上記方法及び開示は、次第により高い形質転換効率を達成してはいるが、以前として困難であり、106から107サイズ範囲の複数の小さなライブラリから108から109サイズ範囲のより大きな複合したライブラリサイズを蓄積するために、長い時間を要し、繰り返し実行することが必要である。

0048

酵母ライブラリは、ファージライブラリにより達成されているサイズ又は効率を達成していない。2005年にHoogenboom(Nature Biotech.、23(9):1105−1116)により概説されているように、典型的な最大ファージライブラリのサイズは1010から1011であり、一方、典型的な酵母ライブラリは107のサイズであるが(その他のディスプレイ技術(Hoogenboom、H.R.(2002)MethodsMol.Biol.178:1−37;Hoogenboom、H.R.(2005)Nat.Biotechnol.23:1105−16により達成されるものよりも顕著に小さい。)、109の範囲のライブラリサイズが既に報告されている(Hoet、R.M.ら(2005)Nat.Biotechnol.23:344−8;Lipovsek、D.ら(2007)J Mol Biol.368:1024−41;Segal、L.ら(2007)Bioinformatics 23:1440−9)。Feldhausら(Nature Biotech.、21:163−170(2003)は、努力を要して形質転換を繰り返し、次いで形質転換されたライブラリを組み合わせることによって、1.5x109ライブラリを構築できることを示した。エレクトロポレーションプロトコールにおける最近の進展(Chao、Nature Protocols 1(2):755−768(2006)参照)により、1回の形質転換で最大5x107酵母ライブラリサイズを達成可能になったが、発明者らは、Chaoのプロトコールが酵母を形質転換する形質転換効率が、一般に、顕著により低いことを見出した。今まで達成された酵母ライブラリサイズが、依然として、1010から1011サイズのファージディスプレイライブラリにより日常的に達成可能であるものよりも顕著に低いことは今なお相違ない。

0049

磁性ビーズ及び蛍光標示細胞分類の両方を用いた酵母ディスプレイライブラリ選択により、特に蛍光活性化細胞分類FACS)とのその適合性によって、標的抗原に対する特異的結合物濃縮するための有効で感度の高い方法が得られる。しかし、酵母細胞の形質転換効率が低いために、典型的な酵母ディスプレイライブラリのサイズに限界があることによって、この選択能力の長所が損なわれる。酵母ディスプレイ選択技術が、ファージディスプレイ(約1010の大きさ)に対して作製されるものと同様の大きな抗体ライブラリと組み合わせられ得る場合、酵母ディスプレイ技術により、非常に有効な抗体探索ツールがもたらされる。

0050

米国特許第5,716,808号明細書
米国特許第7,009,045号明細書
米国特許第4,808,537号明細書
米国特許第4,837,148号明細書
米国特許第4,855,231号明細書
米国特許第4,879,231号明細書
米国特許第4,882,279号明細書
米国特許第5,135,868号明細書
米国特許第5,268,273号明細書
米国特許第5,736,383号明細書
米国特許第4,929,555号明細書
米国特許第5,231,007号明細書
米国特許第5,212,087号明細書
米国特許第5,665,600号明細書

先行技術

0051

Chao、G.他、Nat.Protoc.1、2006年、p.755−768
Gai、S.A.及びWittrup、K.D.、Curr.Opin.Struct.Biol.17、2007年、p.467−73
Griffiths、A.D.他、EMBO J.13、1994年、p.3245−3260
He、M.及びKhan、F.、Expert Rev.Proteomics 2、2005年、p.421−430
Hoogenboom、H.R.、MethodsMol.Biol.178、2002年、p.1−37
Hoogenboom、H.R.、Nat.Biotechnol.23、2005年、p.1105−1116
Hoet、R.M.他、Nat.Biotechnol.23、2005年、p.344−348
Rothe、C.他、J Mol Biol.376、2008年、p.1182−1200
Lee、H.W.他、Biochem.Biophys.Res.Commun.346、2006年、p.896−903
Becker他、Methods in Enzymology 194、1991年、p.182−187
Faber他、Curr.Genet.25、1994年、p.305−310
Helmuth他、Analytical Biochem.293、2001年、p.149−152
Kasutske他、Yeast 8、1992年、p.691−697
Meilhoc他、Bio/Technology 8、1990年、p.223−227
Neumann他、Biophys.J.71、1996年、p.868−877
Piredda他、Yeast 10、1994年、p.1601−1612
Scorer他、Bio/Technology 12、1994年、p.181−184
Sherman他、Laboratory Course Manual for Methods in Yeast Genetics、1986年、p.91 102、Cold Spring Harbor Laboratory
Suga及びHatakeyama、Curr.Genet.43、2003年、p.206−211
Thompson他、Yeast 14、1998年、p.565−571
Yang他、Applied and Environmental Microbiology 60(12)、1994年、p.4245−4254
Becker他、Methods in Enzymology 194、1991年、p.182−187
Kunze他、Current Genetics 9(3)、1985年、p.205−209
Kunze他、J.Basic Microbiol.25(2)、1985年、p.141−144
Kunze他、Acta Biotechnol.6(1)、1986年、p.28
Neistat他、Mol.Ge.Mikrobiol.Virusol.12、1986年、p.19−23
Clyne、R.K.他、EMBO J.14(24)、1995年、p.6348−6357
Liauta−Teglivets、O.他、Yeast 11(10)、1995年、p.945−952
Cannon、R.D.他、Mol.Gen.Genet.221(2)、1990年、p.210−218
Takagi、M.他、J.Bacteriol.167(2)、1986年、p.551−555
Pla、J.他、Gene 165(1)、1995年、p.115−120
Lipovsek、D.他、J Mol Biol.368、2007年、p.1024−1041
Segal、L.他、Bioinformatics 23、2007年、p.1440−1449
Feldhaus他、Nature Biotech.、21、2003年、p.163−170

発明が解決しようとする課題

0052

従って、酵母を用いた、例えば抗体ライブラリなどのタンパク質ライブラリを作製するための有効な方法が必要とされている。

課題を解決するための手段

0053

(発明の要旨)
本発明は、例えば最大2x1010のサイズの酵母細胞ライブラリの作製のための、酵母細胞を形質転換する高効率で迅速な方法を提供する。本発明の方法により、ファージライブラリの規模収率を達成することが可能になる。本発明の方法は、以前に未探索のより大きい抗体多様性スペースに到達するための実際的なツールとして、酵母ディスプレイ技術を適用する際の重大な問題を排除し、このライブラリサイズは、現在、実験室で増殖させ得る酵母培養物のサイズによってのみ制限される。

0054

最良の組み合わせを明らかにするために、CaCl2、MgCl2、スクロースソルビトール酢酸リチウムジチオスレイトール、エレクトロポレーション電圧、DNA投入量及び細胞体積の使用を含む複数の成分及び条件を試験するか又は滴定した。この新しく開発されたプロトコールを適用することによって、1−1.5x108個の形質転換体/mgベクターDNAの典型的な形質転換効率で、基本的に1日でヒト脾臓RNAから、2x1010抗体ライブラリを構築した。配列分析により、この非免疫ヒト脾臓抗体ライブラリ内の抗体生殖細胞系列配列の多様な表示が確認された。試験的なライブラリ選択を行うことによって、発明者らは、低ナノモル親和性のTNF−α及びIL−18に対するヒト抗体を同定し、このことから、このライブラリの生産性が明らかになった。

0055

ある態様において、本発明は、(a)核酸ベクター、酵母細胞、ソルビトール及びCaCl2を含む縣濁液を提供し、(b)約10から約50μFの静電容量で、0.5kV/cmから12.5kV/cm超で縣濁液をエレクトロポレーション処理する段階を含む、酵母細胞のエレクトロポレーションにより酵母ライブラリを調製する方法を提供する。ある実施形態において、本発明は、(a)約1.0から約2のOD600になるまで酵母細胞を培養し;(b)冷水体積中で酵母細胞を洗浄し;(c)冷1Mソルビトール/1mMCaCl2の体積中で酵母細胞を洗浄し;(d)30℃の0.1M LiAc/10mM DTTの体積中で酵母細胞を温置し;(e)第二の多量の冷1Mソルビトール/1mM CaCl2の体積中で酵母細胞を洗浄し;(f)酵母細胞エレクトロポレーション縣濁液を形成させるために、第三の冷1Mソルビトール/1mM CaCl2の体積中で酵母細胞を再縣濁し;(g)酵母細胞−DNAエレクトロポレーション縣濁液を形成させるために、エレクトロポレーション細胞縣濁液の体積をベクターDNA及び挿入DNAに添加し;(h)0.2cmギャップキュベット中で約2.5kV/cmから約12.5kV/cmの間の電圧で酵母細胞−DNAエレクトロポレーション縣濁液をエレクトロポレーション処理する段階を含む、ライブラリを調製するためにDNAで酵母を形質転換するための方法を提供する。

0056

ベクターDNA:挿入DNAの比は、約1:0.5から約1:10、例えば、1:0.5、1:1;1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9又は1:10の範囲である。ある実施形態において、ベクターDNA約1μg及び挿入DNA約1μgを反応に使用する。別の実施形態において、ベクターDNA約1μg及び挿入DNA約2μgを沈殿させる。別の実施形態において、ベクターDNA約1μg及び挿入DNA約3μgを沈殿させる。さらに別の実施形態において、ベクターDNA約1μg及び挿入DNA約4μgを沈殿させる。さらに別の実施形態において、ベクターDNA約1μg及び挿入DNA約5μgを沈殿させる。

0057

ある実施形態において、細胞縣濁液は、酵母細胞約50から約400μL、例えば、酵母細胞約50、100、150、200、250、300、350、400μLを含む。

0058

ある実施形態において、酵母細胞縣濁液は、約1から約10x109個の酵母細胞/mL、例えば、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9又は約10x109個の酵母細胞/mLである。

0059

ある実施形態において、酵母細胞をエレクトロポレーション処理するために使用される電場強度は、約0.5kV/cmから約12.5kV/cm、例えば、約0.5、約1.0、約2.0、約2.5、約3.0、約3.5、約4.0、約4.5、約5.0、約5.5、約6.0、約6.5、約7.0、約7.5、約8.0、約8.5、約9.0、約9.5、約10.0、約10.5、約11.0、約11.5、約12.0、約12.5、約13.0、約13.5、約14.0、約14.5、又は約15.0kV/cmであった。

0060

ある実施形態において、酵母細胞は、約10から約50μF、例えば、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45又は約50の静電容量でエレクトロポレーション処理される。

0061

ある実施形態において、酵母細胞は、約0.1から約10Mソルビトール及び約0.1から約10mM CaCl2もしくはMgCl2、例えば、約0.1、約0.25、約0.5、約0.75、約1.0、約2.0、約3.0、約4.0、約5.0、約6.0、約7.0、約8.0、約9.0もしくは約10.0Mソルビトール又は例えば、約0.1、約0.25、約0.5、約0.75、約1.0、約2.0、約3.0、約4.0、約5.0、約6.0、約7.0、約8.0、約9.0もしくは約10.0mM CaCl2又はMgCl2中で縣濁している。

0062

ある実施形態において、酵母細胞は、約0.01から約1.0M LiAc、例えば、約0.01、約0.02、約0.03、約0.04、約0.05、約0.06、約0.07、約0.08、約0.09、約0.1、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9又は約1.0M LiAc及び/又は約1から約100mM DTT、例えば、約1、約10、約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90又は約100mM DTT中で温置する。

0063

特定の実施形態において、本発明は、(a)約1.0から約2のOD600になるまで酵母細胞を一晩培養し;(b)水中で酵母細胞を洗浄し;(c)ソルビトール及びCaCl2を含む溶液中で酵母細胞を洗浄し;(d)LiAc及びDTTを含む溶液中で酵母細胞を温置し;(e)ソルビトール及びCaCl2を含む溶液中で酵母細胞を洗浄し;(f)酵母細胞エレクトロポレーション縣濁液を形成させるために、ソルビトール及びCaCl2を含む溶液の体積中で酵母細胞を再縣濁し;(g)酵母細胞−DNAエレクトロポレーション縣濁液を形成させるために、エレクトロポレーション細胞縣濁液の体積をベクターDNA及び挿入DNAに添加し;(h)0.2cmギャップキュベット中で約2.5kV/cmから約12.5kV/cmの間の電圧で酵母細胞−DNAエレクトロポレーション縣濁液をエレクトロポレーション処理する段階の2以上を含む、ライブラリを作製するためにDNAで酵母を形質転換するための方法を提供する。

0064

別の特定の実施形態において、本発明は、(a)DNAをペレットになるように沈殿させ、続いて最小体積中で再懸濁することにより、約1:0.5から約1:10の比のベクター及び挿入DNAの体積を最小化し;(b)(i)培養プレートからの酵母コロニー入り培地の第一の体積又は増殖中の酵母培養物の一部を接種し;(ii)30℃で一晩酵母細胞を増殖させ;(iii)段階(ii)からの細胞入りの培地の第二の体積を接種し、約1.3から約1.6のOD600に到達するまで細胞を30℃で増殖させることによって、適切な増殖状態になるまでコロニーからの酵母細胞を培養し;(c)遠心によって酵母細胞をペレット化し;(d)冷水で酵母細胞を洗浄し;(e)冷1Mソルビトール/1mMCaCl2で酵母細胞を洗浄し;(f)0.1M LiAc/10mM DTT中で酵母細胞を再懸濁し;(g)30℃にて250rpmで30分間、酵母細胞を温置し;(h)1Mソルビトール/1mM CaCl2で酵母細胞を洗浄し;(i)酵母細胞エレクトロポレーション縣濁液を形成させるために、1Mソルビトール/1mM CaCl2中で酵母細胞を再縣濁し;(j)酵母細胞−DNAエレクトロポレーション縣濁液を形成させるために、酵母細胞エレクトロポレーション細胞縣濁液の一部をDNAペレットに添加し;(k)約0.5kVから約2.5kVの範囲及び25μFの静電容量で、酵母細胞−DNAエレクトロポレーション縣濁液をエレクトロポレーション処理し、(l)エレクトロポレーション処理される酵母細胞−DNAエレクトロポレーション縣濁液に1Mソルビトール/YPD(最終濃度:0.5Mソルビトール、0.5xYPD)の1:1混合物を添加し、30℃で1時間温置し;(m)酵母細胞をペレット化し、10mL 1Mソルビトール中で再懸濁する段階の2以上を含む、DNAで酵母を形質転換するための方法を提供する。

0065

添付の図面とともに読む場合、好ましい実施形態の次の記述から、本発明の前述及びその他の目的、特性及び長所ならびに本発明そのものがより詳細に理解されよう。

図面の簡単な説明

0066

図1は、ベクター:挿入物及び電圧2.5kV/cmから12.5kV/cmの関数としてのコロニー数を示す、表1のデータのグラフ表示を示す。
図2は、ベクター:挿入物及び電圧2.5kV/cmから12.5kV/cmの関数としてのコロニー数を示す、表3のデータのグラフ表示を示す。
図3は、キュベットあたりの体積を増加させることによって、エレクトロポレーション効率が顕著に向上することを示す。
図4は、(ベクター:挿入物比ではなく)DNA投入量増加及び高電圧が最大形転換効率に重要であることを示す。

0067

(発明の詳細な記述)
いくつかの既に明らかにされた条件を試験し、組み合わせることによって、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)に対する高効率エレクトロポレーションプロトコールが確立された(Chao、G.ら(2006)Nat.Protoc.1:755−68;Becker、D.M.及びGuarente、L.(1991)MethodsEnzymol.194:182−7;Helmuth、M.ら(2001)Anal.Biochem.293:149−52;Neumann、E.ら(1996)Biophys.J.71:868−77;Simon、J.R.(1993)Methods Enzymol.217:478−83;Suga、M.及びHatakeyama、T.(2003)Curr.Genet.43:206−11;Thompson、J.R.ら(1998)Yeast 14:565−71)。これらには、エレクトロポレーション緩衝液中での、細胞調節剤としての酢酸リチウム(LiAc)及びジチオスレイトール(DTT)の組み合わせ(これらの両者とも酵母形質転換の頻度を促進するために使用されてきた。)(Helmuth、M.ら(2001)Anal.Biochem.293:149−52;Thompson、J.R.ら(1998)Yeast 14:565−71;Gietz、R.D.ら(1995)Yeast 11:355−60)及びソルビトール及び塩化カルシウムの包含(Becker、D.M.及びGuarente、L.(1991)Methods Enzymol.194:182−7;Helmuth、M.ら(2001)Anal.Biochem.293:149−52;Neumann、E.ら(1996)Biophys.J.71:868−77)が含まれる。

0068

定義:
発現ベクター」という用語は、自己増殖部位(ARS)、転写開始部位及び、宿主生物中で発現させようとするタンパク質をコードする少なくとも1つの構造遺伝子を含むDNAコンストラクトを意味する。複製部位(site of replication)又は複製起点は、クローニング及び発現ベクターの複製を調節する何らかのDNA配列である。発現ベクターはまた、通常、宿主酵母におけるタンパク質の発現を調節する、1以上のエンハンサー及び/又はプロモーターサプレッサー及び/又はサイレンサー及び終結因子などの適切な調節領域も含有する。本発明による発現ベクターはまた、本明細書中に記載のような必須遺伝子を含む選択マーカーも含有し得る。本発現ベクターはまた、場合によっては、広く利用可能であり、当業者にとって周知であるその他の選択可能マーカーも含有する。発現ベクターは、ベクターの一種である。ベクターは、場合によっては、1以上の酵母株由来の1以上のARS配列(エレメント)を含み得る。

0069

「操作可能に連結される」という用語は、DNAセグメントがその意図する目的に呼応して機能するように、DNAセグメントが配置されることを意味する(例えば、転写がプロモーターで開始し、コードセグメントを通じて転写終結因子まで進行する。)。

0070

「形質転換」という用語は、遺伝子型を変化させるレシピエント酵母宿主細胞へのDNA又はその他の核酸の導入を意味する。

0071

「形質転換体」又は「形質転換(された)細胞」という用語は、形質転換を受けた、レシピエント酵母宿主細胞及びその子孫を意味する。

0072

本発明のエレクトロポレーション法に有用なベクターには、pYDベクター、酵母細胞により増殖させられ得る、何らかのその他のベクター及びそれらの派生コンストラクト又は一般に核酸が含まれる。本発明の発現ベクターは、そのベクターが宿主酵母細胞を形質転換するか、それに遺伝子移入するか又は形質導入し得る限り、ベクターのあらゆる型に基づき得る。好ましい実施形態において、本発現ベクターは、酵母プラスミド、特にS.セレビシエ由来のものに基づく。酵母細胞の形質転換後、ライブラリ配列をコードする外来性DNAがその細胞により取り込まれ、次に形質転換された細胞により発現される。

0073

より好ましくは、本発現ベクターは、E.コリ又は酵母の何れかにおいて増殖させられ得る酵母−細菌シャトルベクターであり得る(Struhlら(1979)Proc.Natl.Acad.Sci.76:1035−1039)。pBR322などのE.コリプラスミドDNA配列の包含により、E.コリでのベクターDNAの定量的調製が容易になり、従って酵母の効率的な形質転換が容易になる。

0074

シャトルとして作用し得る酵母プラスミドベクターの型は、複製ベクター又は統合ベクターであり得る。複製ベクターは、機能的なDNA複製起点の存在に基づいて、酵母の染色体DNAとは独立して、それ自身の維持を媒介可能な酵母ベクターである。統合ベクターは、複製及び従って宿主細胞での組み換えDNAの継続的な維持を容易にするための、染色体DNAでの組み換えに依存する。複製ベクターは、DNA複製起点が内在性の2ミクロンプラスミド酵母由来である、2ミクロンベースのプラスミドベクターであり得る。あるいは、この複製ベクターは、自己複製(ARS)ベクターであり得、この場合、「見かけの」複製起点は、酵母の染色体DNA由来である。場合によっては、複製ベクターは、上記のDNA複製起点の1つに加えて、セントロメアを有することが知られている酵母染色体DNAの配列を有する、セントロメア(CEN)プラスミドであり得る。

0075

本ベクターは、閉環型又は線状形態で酵母細胞に形質転換され得る。ベクターを組み込むことによる酵母の形質転換は、遺伝性の安定性があるにもかかわらず、ベクターが閉環形態である場合、効率的でない可能性がある(例えば、収率が僅か約1−10個の形質転換体/μgDNA)。酵母染色体DNAと相同であるDNA配列に自由端がある線状化ベクターは、高効率で酵母を形質転換し(100−1000倍)、この形質転換DNAは、一般に切断部位と相同な配列に組み込まれることが分かっている。従って、適切な制限エンドヌクレアーゼでベクターDNAを切断することによって、形質転換効率を上昇させ、染色体組み込みの部位を標的化することが可能である。統合的な形質転換は、形質転換の効率が十分に高く、組み込みに対する標的DNA配列が、宿主細胞の代謝に必須の遺伝子を破壊しない領域内であるならば、醸造酵母遺伝子組み換えに適用可能であり得る。

0076

高コピー数(およそ20−50コピー/細胞)を有するARSプラスミドは、最も不安定である傾向があり、世代あたり10%を超える頻度で失われる。しかし、ARSプラスミドの安定性は、セントロメアの接着により向上させることができ;セントロメアプラスミドは、細胞1個あたり1又は2コピー存在し、1世代あたりの喪失は僅かおよそ1%である。関心のある何らかの遺伝子を含む本発明のエレクトロポレーション法を用いた酵母宿主細胞による発現のためのタンパク質の非限定例には、抗体及び抗体断片、ホルモンサイトカイン及びリンホカイン受容体接着分子及び酵素が含まれる。

0077

本発明のエレクトロポレーション法により形質転換され得る酵母株には、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)などのサッカロミセス属及びシゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces Pombe)などのシゾサッカロミセス属の酵母種が含まれる。ある実施形態において、本酵母細胞は2倍体酵母細胞である。あるいは、本酵母細胞は、酵母半数体細胞の「a」及び「α」株などの半数体細胞である。

0078

本発明は、1以上の核酸コンストラクトとともに酵母を含有する細胞縣濁液をエレクトロポレーション処理することを含む、酵母細胞の形質転換のための方法を提供する。酵母細胞の形質転換の結果、単一クローンから、(a)酵母表面タンパク質に連結されるか又は、酵母細胞表面タンパク質もしくはその他の成分との特異的な共有結合もしくは非共有結合相互作用を介した会合により酵母細胞の表面で提示される、ペプチド又はタンパク質;(b)細胞内で発現されるペプチド又はタンパク質;又は(c)培地などの細胞外空間分泌されるか又は固体表面に沈積するペプチド又はタンパク質に対してスクリーニングを行うために使用することができる酵母細胞集団(即ち、酵母ライブラリ又はライブラリ)まで、得ることができる。このような酵母ライブラリは、都合よく、複数回の適用、酵母細胞中に導入され得るかもしくは外来性に添加され得る、別のタンパク質、ペプチド、DNA、RNA又はその他の化学物質に対する、ペプチドもしくはタンパク質間の相互作用について、スクリーニング又は特性分析を行いやすい可能性がある。具体例は、酵母ディスプレイ、酵母2ハイブリッド、酵母3ハイブリッドなどで見られるものである。

0079

本発明は、酵母細胞を形質転換することに十分である、抵抗、電場強度及びパルス持続時間の1以上を用いて、1以上の制御配列及び1以上の遺伝子又は遺伝子セグメントを含む1以上の核酸コンストラクトとともに酵母を含有する細胞縣濁液をエレクトロポレーション処理することを含む、酵母細胞の形質転換に対する方法を提供する。

0080

ある実施形態において、電場強度は、約2.5kV/cmから約12.5kV/cmである。ある種の実施形態において、電場強度は、約0.5kV/cm、約1.0kV/cm、約1.5kV/cm、約2.0kV/cm又は約2.5kV/cmである。これらの値は、エレクトロポレーションキュベットが0.2cmのギャップを有することを考慮している。より高い電場強度が可能であるが、しかしそれらの実用性は、より強いパルスを送ることができる装置の開発に大きく依存する。

0081

ある実施形態において、パルス持続時間は、約3ミリ秒から約10ミリ秒である。特定の実施形態において、パルス持続時間は約4.8ミリ秒である。

0082

本発明のエレクトロポレーション法による細胞の処理は、電極対の間で酵母細胞縣濁液に電場をかけることにより行われる。この電場強度は、細胞のエレクトロポレーションが、細胞に対して損傷なく又は最小限の損傷で行われるように、合理的に、的確に調整しなければならない。電極間の距離を測定することができ、式E=V/dに従う適切な電圧を電極にかけることができる(E=電場強度(V/cm;V=電圧(ボルト)及びd=距離(cm))。

0083

本明細書中に記載の手順を行うためのパルス発生装置は、長年にわたり市販されてきた。ある適切なシグナル発生装置は、Gene PulserII(Bio−Rad Laboratories、Inc.、Hercules、CA)である。典型的な設定は、静電容量エクスペンダープラス(expender plus)及びパルスコントローラープラスモジュール(pulse controller pluse module)に連結されるGene PulserIIからなる。

0084

市販されているさらなるエレクトロポレーションモデルには、Gene Pulser MXcellシステム又はGene Pulser X cell eukaryotic system(Bio−Rad)、Cellject Pro Electroporator(Thermo Scientific)、Multiporator Electroporation System及びその他のEppendorf(R)エレクトロポレーションシステム(Eppendorf、North America)、ECMエレクトロポレーションジェネレーター及びBTX(R)HT96ウェルエレクトロポレーションシステム(BTX、Harvard apparatus)が含まれ、これらは全て、本明細書中で開示される条件を用いて酵母細胞をエレクトロポレーション処理するのに適切な装置である。

0085

酵母細胞へのDNAの導入を促進するために、本発明内でエレクトロポレーションを使用する。エレクトロポレーションは、細胞膜一過性透過性にして、細胞内にDNAなどの巨大分子を通すことができるようにするための、パルス状電場を使用するプロセスである。しかし、DNAが細胞に移される実際の機構はよく理解されていない。カンジダ・ファマータ(Candida famata)の形質転換に対して、例えば、約10から約13kV/cmの電場強度及び約R5(129オーム)の抵抗値及び約45msの時定数を有する実験減衰パルス状電場に細胞が曝露される場合、驚くべきことにエレクトロポレーションが有効である。通常、抵抗及び静電容量は、選択されたエレクトロポレーション装置に依存して、既存であるか又は使用者により選択され得るかの何れかである。何れにしても、この装置は、必要に応じて電場強度及び減衰パラメータを与えるために、製造者説明書に従い、設定される。

0086

本発明は、何らかの1以上の所望の内在性(即ちその酵母細胞内に天然に存在する)又は異種遺伝子の高レベル発現を可能にする、酵母の形質転換の高効率法にさらに関する。本発明の方法は、例えば抗体又はキメラ又はその断片を発現するライブラリを調製するための方法にさらに関する。

0087

ある場合において、関心のある遺伝子を担う発現ベクターは、単一クローン又は、細胞内タンパク質(例えば、核又は細胞質タンパク質)、膜タンパク質(例えば、膜貫通タンパク質又は膜結合タンパク質)又は分泌タンパク質を発現する多くの形質転換細胞からなるライブラリを作製するために、エレクトロポレーションにより酵母宿主細胞に形質転換され得る。タンパク質を精製し、タンパク質機能を調べ、タンパク質−タンパク質相互作用を同定するために又は新規タンパク質結合物もしくは相互作用パートナーを同定するために、形質転換細胞又はライブラリを使用することができる。抗体及び抗体断片を提示するか又は発現する非常に大きな酵母ライブラリを作製する能力は重要な点である。選択抗原に結合する抗体を同定するために、このライブラリを標的抗原による選択に供することができる。

0088

形質転換酵母は、人工的に構築されたプラスミドを喪失する傾向があるので、それらにおいて正の選択圧を与えるように培地を使用することは有利である。その株が主要代謝産物に対して栄養要求性変異株である場合及び使用されるベクタープラスミドが株原栄養性回復することができるマーカー遺伝子を含む場合(例えば上述のLEU2遺伝子)、培地からの代謝産物を除外することによってこの選択圧が働き得る。同じ結果を得るためにその他の手段が存在し、本発明を実施するためにも使用され得る。

0089

関心のある構造遺伝子の性質に依存して、産物又は発現産物は、酵母宿主細胞の細胞質に留まり得るか又は分泌され得る。細胞中に留まるタンパク質だけでなく、分泌されるタンパク質も可溶性であることが分かっている。産物又は発現産物が酵母宿主細胞中に留まるべきものである場合、これは、形質転換体が高密度に到達するまで、所望産物の発現又は産生が殆ど又は全くないように、誘導性転写開始領域を有することが一般には望ましいものであり得る。産物又は発現産物が発現されるのに十分な時間後、従来の手段、例えば遠心、溶解及び関心のある産物の単離によって、その細胞を単離し得る。産物の性質及び使用に依存して、溶解物を、クロマトグラフィー電気泳動溶媒抽出結晶化、透析限外ろ過などの様々な精製法に供し得る。クロマトグラフィーの方法には、以下に限定されないが、ガスクロマトグラフィーHPLCカラムクロマトグラフィーイオン交換クロマトグラフィー及び当業者にとって公知のクロマトグラフィーのその他の方法が含まれる。精製度は、約50%から90%以上、好ましくは約100%まで、変動し得る。

0090

あるいは、関心のある発現産物又は産物は、培地中に分泌され得、継続的に産生され、培地を一部採取した場合、所望の産物を例えばカラム又はアフィニティークロマトグラフィー、限外ろ過、沈殿などにより抽出し、使用した培地を廃棄するか又は必須成分を戻すことにより再循環させる。限外ろ過からの産物を含有する透過液は、さらなる蒸発により、さらに濃縮に供され、続いて結晶化又はアルコール及び/又はpH調整を用いた沈殿に供され得る。当業者は、多くのプロセスの選択肢を知っている。産物が分泌されるべきものである場合、非構成領域が使用され得るが、通常、構成的転写開始領域が使用される。

0091

別段の断りがない限り、本明細書中で新しく記載される全てのヌクレオチド配列は、自動DNA配列決定装置(例えば、PE Applied Biosystems、Inc.からのモデル377など)を用いて決定した。従って、当技術分野で公知のように、この自動化法により決定された何らかのDNA配列に対して、本明細書中で決定された何れのヌクレオチド配列もある程度のエラーを含有し得る。自動化法により決定されたヌクレオチド配列は、配列決定されたDNA分子の実際のヌクレオチド配列と、通常、少なくとも約90%同一、より一般的には少なくとも約95%から少なくとも約99.9%同一である。実際の配列は、当技術分野で周知の手動式DNA配列決定法を含むその他の方法によって、より正確に決定され得る。

0092

例示

0093

ベクターDNAの調製
scFv+300bpDNA断片での組み換えでの使用に対して、制限酵素SfiI及びNotIによりpYDsTevベクターを消化した。効率を向上させ、非切断ベクターが形質転換されないようにするために、SfiI/NotI消化ベクターをBglII及びHpaI(両者ともスタッファー内で切断)でさらに消化した。

0094

Bioline(Randolph、MA)からのSurecleanを用いて、消化DNAを精製した。簡潔に述べると、Surecleanの等体積と制限消化物を混合した。試料を室温で10分間、温置した。次に、13.2k rpmで15分間、試料を遠心した。上清を廃棄し、70%エタノール2.5x試料体積でペレットを洗浄した。次に、13.2k rpmで15分間、試料を遠心した。上清を除去し、ペレットを風乾した。5−10μL TE pH8中でペレットを再懸濁した。

0095

挿入DNAの調製
相同組み換えを効率的に行うために、挿入物に十分なベクター配列5’及び3’(例えば約300塩基対)を付加して関心のある挿入物を増幅するためにPCRを用いて、挿入DNAを調製する。

0096

ファーストストランド(1st Strand)cDNA合成のために免疫グロブリンIgM及びIgG(IgM/G cDNAに対して)又はIgK(IgK cDNA)とハイブリッド形成する免疫グロブリン定常領域プライマーを消化した(表2)。具体的には、IgM/G cDNAに対して、プライマーFcgRev1、2及び3及びFcmRev1、2及び3を使用した。IgKファーストストランド(1st Strand)cDNA合成に対して、CkRev1、2及び3を使用した。

0097

上記のプライマーを使用し、Invitrogen 1stStrand Synthesisキットを用いて、cDNA合成反応を行った。

0098

0099

0100

合成の段階2:
マスターミックス45μL(80μLRT緩衝液(10x)、160μL MgCl2、80μL 0.1M DTT、40μL RNAse Outを含む調製済み保存液)を各冷50μL反応液に添加し、試験管を42℃で2分間置いた。Superscript IIリバーストランスクリプターゼ5μLを各反応試験管に添加し、42℃で50分間温置し、70℃に15分間移し、次いで4℃に移した。RNAseH5μLを各反応に添加し、次いで37℃で20分間温置した。4回のIgG/M反応を貯え、2回のIgK反応物を貯えた。

0101

ヒト脾臓IgG/M VH及びIgK VL DNAの作製
Sblattero及びBradbury(1998)Immunotechnology 3:271−278により定められたオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、ヒトVH及びVK免疫グロブリンの様々な種類を増幅した。

0102

8x100μL試料VH反応液

80μL 10xPCR反応緩衝液
8μL dNTPs(10mM)
32μL MgSO4(50mM)
8μL VHバックプライマー(20μM)
8μL (各5μM/20μM 3’プライマートータル)に対する、VH1/2、VH4/5、VH3及びVH6の当モル混合液
16μLIgM/GcDNA
8μL Platinum Taq HiFi
640μL dd水
100μL/rxn

8x100μL試料VK反応液

80μL 10xPCR反応緩衝液
8μL dNTPs(10mM)
32μL MgSO4(50mM)
8μL VKバックプライマー(20μM)
8μL VK1、VK2/4、VK3及びVK5の当モル混合液(各5μM/20μM 3’プライマートータル)
16μLIgK cDNA
8μL Platinum Taq HiFi
640μL dd水
100μL/rxn

PCRプログラム

1.94℃で2分間
2.94℃で30秒間
3.55℃で30秒間
4.68℃で30秒間
5.段階2に戻って39回繰り返し
6.68℃5分間
7.4℃で維持。

0103

1%GTアガロースゲル上で反応物を精製した。Qiaquick Gel Extractionキットを用いて、適切なサイズ、約400bpのバンドを精製した。スピンカラム1本あたりアガロースを含有するDNA0.4mgを使用した。55℃に予め温めたEB50μLで試料を溶出した。類似試料を貯え、Nanodrop分光光度計(Nanodrop Technologies、Wilmington、Delaware)を用いてA260/28Oを測定した。

0104

VH/VK scFvの作製
重複伸長(SOE)PCRにより重ね継ぐことによって、VH/VK scFvを作製した。VH For及びVK Backプライマーは、scFv分子を作製するためにVH及びVL領域を連結する(Gly4Ser)3リンカーを生成させる相同性を有している。反応を次のように設定した。

0105

100μL/rxn(例としてVH10/VKアセンブリ)で24rxn

240μL 10xPlat Taq HiFi緩衝液
24μL dNTPs(10mM)
96μL MgSO4(50mM)
24μL scFv Rev(20μM)
24μL scFv For(20μM)
141μL VH10バック(VH 24pmol/100μL rxnあたり1pmol)
72μL 当モル混合液VK1、2、9及び12DNA(24pmolトータル/100μL rxnあたり、各0.25pmol VK)
24μL Platinum Taq HiFi
1755μL dd水
100μL/rxn

PCRプログラム

1.94℃で2分間
2.94℃で30秒間
3.55℃で30秒間
4.68℃で1分間
5.段階2に戻り39x
6.68℃で5分間
7.4℃で維持。

0106

VH又はVKゲル断片に対して、上述したように、scFvバンド(約800bp)をゲル精製した。

0107

pYD5’300bp断片とのSOEPCRでの使用のために、同様の試料を溜めた。

0108

形質転換効率を確実に向上させるために、発明者らは、pYDベクターにおけるscFv挿入部位(SfiI)の相同5’の約300bpを有する挿入DNA断片を操作した。ヒト脾臓scFvにこのホモロジーを付加するために、pYD1sTev SfiI部位のすぐ上流の領域に相補的であるプライマーを設計した(pYD5prev)。SOEPCRにより既存の脾臓scFvへ添加しようとする約300bp断片を作製するために、pYD1 5’プライマー(5107)と組み合わせてこのプライマーを使用した。

0109

5107/pYD5prevPCR

1μL pYDsTev(10ng/μL)
10μL 10xPlat Taq HiFi緩衝液
4μL MgSO4(50mM)
1μL dNTPs(10mM)
1μL 5107(20μM)
1μL pYD5prev(20μM)
1μL Platinum Taq HiFi
80μL dd水
100μL/rxn

PCRプログラム

1.94℃で2分間
2.94℃で30秒間
3.55℃で30秒間
4.68℃で30秒間
5.段階2に戻り39x
6.68℃で5分間
7.4℃で維持。

0110

VH又はVKゲル断片に対して、上述したように、5107/pYD5prevバンド(約300bp)をゲル精製した。脾臓scFvとのSOEPCRでの使用のために、同様の試料を貯えた。

0111

scFv+300PCR(16x100μL rxn混合液)

162μL 10xPlat Taq HiFi緩衝液
16.2μL dNTPs(10mM)
64.8μL MgSO4(50mM)
16.2μL 5107(20μM)
16.2μL scFv For(20μM)
32.4μL VH/VK scFv DNA
16.2μL 5107/pYDprev5 DNA
16.2μL Platinum Taq HiFi
1279.8μL dd水
100μL/rxn

0112

上記のscFv反応に対するものと同様にPCR反応を行った。VH又はVKゲル断片に対して上記で述べたように、ScFv+300bp(約1100bp)をゲル精製した。エレクトロポレーション反応での使用のために、同様の試料を貯えた。

0113

先行技術の酵母ライブラリ形質転換プロトコール
次のものは、先行技術の酵母形質転換プロトコールである。5mL YPD培地にEBY100コロニーを接種し(YPDプレート上に新たに画線接種)、30℃で一晩増殖させる。一晩培養物を用いて、600nmで0.1の吸収まで50mL培養物をYPD培地中に接種し、30℃で、600nmで約1.3から1.5の吸収になるまで約6時間、増殖させた。細胞は対数増殖期初期から中期でなければならない。後期対数又は静止期の細胞を用いると、形質転換効率が実質的に低下する。細胞が増殖している間、製造者のプロトコールに従い、PelletPaintを用いて形質転換のためのDNAを沈殿させる。通常、約5x107個のライブラリを作製するために、挿入物5mg及びカットベクター1mgをそれぞれ含む、4個のエレクトロポレーションキュベットに入れるべきDNAを使用する。骨格のみの対照もまた調製する。DNAはペレット形態のままにしておく。挿入物:骨格比は、キュベット1個あたり少なくとも1mgを用いて、5:1から1:1で変動し得る。

0114

600nmで約1.3−1.5の吸収に細胞が到達したら、500μL Tris−DTT緩衝液を培養物に添加し、30℃で15分間振盪器で温置する。形質転換効率は、10−20分のDTT温置時間に対して比較的一定であるが、20分を超える温置の場合はかなり低下する。4℃にて2500gで3分間、細胞をペレット化し、25mL氷冷E緩衝液(10mM Tris pH7.5、270mMスクロース、1mM MgCl2)で洗浄する(例えば、すすぎ、再びペレット化し、上清を吸引)。1mL氷冷E緩衝液で細胞を再び洗浄し、300μLの総体積になるようにしてE緩衝液中で再懸濁する。細胞縣濁液(キュベット1個あたり50μL)の適切な体積中でDNA対照ペレットを再懸濁する。細胞を上で維持する。再懸濁細胞−DNA混合物50μLを予め冷却したエレクトロポレーションキュベットに対して等分し、パルスをかけるまで、エレクトロポレーションキュベットを氷上に置いておく。

0115

キュベットをジーンパルサーに搭載し、パルスコントローラーなしで0.54kV及び25μFでエレクトロポレーション処理する。温(30℃)YPD培地1mLをすぐにキュベットに添加する。エレクトロポレーションに対する典型的な時定数は、形質転換効率に大きな影響を与えず、約15msから40msの範囲である。

0116

パルスを受けたキュベットから15mL Falconチューブに細胞を移す。キュベットから残存細胞回収するために、各キュベットをさらなるYPD培地1mLで洗浄する。30℃で1時間細胞を振盪する。2500gで5分間、細胞をペレット化し、上清を除去し、10mL SDCAA培地で再懸濁する。形質転換効率を調べるために、連続希釈液をSDCAAプレート上にプレーティングする。骨格のみの対照は、骨格+挿入物形質転換の1%未満の効率であるはずである。細胞縣濁液を100−1000mL SDCAA培地+pen−strep(1:100希釈)入りのフラスコに移し、30℃で24から48時間、温置する。8x107ライブラリを作製するためにこの方法を使用し、この方法は、表3に記載の処理7に相当し、本発明の最適化プロトコール(実施例6参照)と比較して、0.4%の効率である。

0117

本発明の方法2の酵母ライブラリ形質転換プロトコール
本発明は、例えば最大で2x1010のサイズの酵母細胞ライブラリ作製のための、酵母細胞を形質転換する、高効率で及び迅速な方法を提供する。最適な条件を同定するために、CaCl2、MgCl2、スクロース、ソルビトール、酢酸リチウム、ジチオスレイトール(DTT)の使用、エレクトロポレーション電圧、DNA投入量及び細胞体積を含む複数成分及び条件を試験し、滴定した。

0118

本発明のエレクトロポレーションプロトコールは、Suga及びHatakeyama(2003)Curr.Genet.43:206−211;Neumannら(1996)Biophys.J.(1996)71:868−877;Thompsonら(1998)Yeast 14:565−571;Becker及びGuarente(1991)MethodsEnzymol.194、182−187;Melihonら(1990)Biotechnology 8:223−227;Helmuthら(2001)Analytical Biochem.293:149−152のプロトコール;及び実施例5で提供されるプロトコールにおける改法である。

0119

酵母細胞の調製:静止期までS.セレビシエを一晩増殖させた。約0.3のOD600に到達するまで、培養物のアリコートをYPD培地100mLに接種した。遠心により回収する前に、OD600が約1.6に到達するまで細胞を増殖させた。細胞をペレット化し、冷水で2回、50mLエレクトロポレーション緩衝液(1Mソルビトール/1mM CaCl2)で1回洗浄し、30℃にて30分間、0.1M LiAc/10mM DTT 20mL中で温置した。50mLエレクトロポレーション緩衝液で再び細胞を洗浄し、次いで1mL体積に到達するまでエレクトロポレーション緩衝液100−200μL中で縣濁した。これは、およそ1から10x109個の細胞/mLに相当する。

0120

エレクトロポレーション:細胞縣濁液100、200、300又は400μLを1個のキュベットあたりのエレクトロポレーション処理に対して使用し、対応する3、6、9又は12μgDNA挿入物とともに1、2、3又は4μgの線状化ベクター(ベクター:挿入物比=1:3)を使用した。BioRad Gene Pulserキュベット(0.2cm電極ギャップ)中、2.5kV及び25μFで細胞をエレクトロポレーション処理した。典型的なエレクトロポレーション時定数は、3.0から4.5ミリ秒の範囲であった。エレクトロポレーション後、1Mソルビトール:YPD培地の1:1混合液10mL中で細胞を縣濁し、30℃で1時間温置した。次に、細胞を回収し、20g/Lグルコース、6.7g/L酵母窒素塩基アミノ酸なし)、5.4g/L Na2HPO4、8.6g/L NaH2PO4・H2O及び5g/Lカザミノ酸を含有したSD−UT培地(−ura、−trp)中で培養した。選択SD−UTプレート上に形質転換細胞の10倍連続希釈物をプレーティングすることによって形質転換体の数を調べた。図3を参照して、72時間後、コロニーを計数し、形質転換効率(A)を形質転換体の数/μgベクターDNAの平均±標準偏差として表し;収率(B)は、キュベット1個あたりの形質転換体の総数の平均±標準偏差として表した。

0121

LiAc、DTT、CaCl2及びソルビトールの組み合わせの結果、常に、形質転換効率は、1.6x10個の細胞/mLの密度で、1μgベクターDNA及び100μL酵母細胞から、3±1x107個の形質転換体/μg(ベクターDNA)(600nmの光学密度により決定される場合、1OD=107個の細胞と仮定)となった(図3)。このことから、酵母細胞のおおよそ2%が首尾よく形質転換され、1個のエレクトロポレーションキュベットから3±1x107個のライブラリサイズが予想され得ることが示唆された。さらにより大きいライブラリを作製するために、個々のキュベットあたりの最適細胞体積を評価した。驚くべきことに、キュベット1個あたり100μLから200μLに細胞体積を増加させた場合、形質転換効率が、1x108個の形質転換体/μgベクターDNAへと顕著に向上した。0.2cmギャップキュベット中の最大400μL細胞体積で、同じ密度及び細胞対DNA比を用いて、1個のキュベットから、5x108という規模のライブラリサイズを容易に作製することができた(図3)。

0122

このエレクトロポレーション法は、様々な操作者によって及び2種類の異なるエレクトロポレーター(BioRad Gene PulserTMモデル#1652076及びGene Pulser(R)IIモデル#1652108)において、同様の形質転換効率が得られたので、再現性が高い。

0123

LiAc、DTT、ソルビトール及びCaCl2の使用を比較することによる、S.セレビシエのエレクトロポレーション効率の上昇
表3は、実施例7の方法ならびにその方法における改法に対する、エレクトロポレーション効率、キュベット1個あたりの収率、%効率及び最大ライブラリサイズを示す。

0124

0125

組み合わせプロトコールは、ベクター4μg及びDNA挿入物12μgとの酵母縣濁液(1.6x109/mL)400μLのエレクトロポレーションの、実施例7に記載のものである。その他の処理に対して、組み合わせプロトコールは、次の変更点を除き、実施例7に従った:(2)DTTのみで細胞を前処理し、(3)LiAcのみで細胞を前処理し、(4)CaCl2の代わりにMgCl2を使用した。(5)エレクトロポレーション緩衝液からCaCl2を除き、(6)1Mソルビトールの代わりに270mMスクロースを使用し、(7)エレクトロポレーション緩衝液として270mMスクロース/1mM MgCl2を使用した。

0126

表2で示されるように、DTT又はLiAc前処理を除外した結果、それぞれ93.3%及び85.7%、効率が低下した。同様に、ソルビトールを除外するか又はこれをスクロースで置き換えることにより、96%を超える効率低下が起こった(表2及びデータを示さず。)。これは、浸透圧を安定させ、エレクトロポレーション後の酵母膜の完全性支えるソルビトールの能力が、少なくとも部分的に、高形質転換効率を達成することに関与するという以前の知見と矛盾しない(Becker、D.M.及びGuarente、L.(1991)MethodsEnzymol.194:182−7;Weaver、J.C.ら(1988)FEBSLett.229:30−4)。おそらく細胞膜へのDNAの結合を促進するために、エレクトロポレーション中にCaCl2が存在すること(Neumann、E.ら(1996)Biophys.J.71:868−77)は、それを除外した場合に形質転換効率が30%とあまり低下せず、MgCl2でそれを置き換えても11%しか低下しなかったので、あまり重要なパラメーターではないと思われる。

0127

エレクトロポレーション効率における電圧の影響
エレクトロポレーション効率における電圧の影響を調べるために及び最良のベクター:挿入物比を決定するために、実験を行った。実験を2回行った。0.5−2.5kVの範囲のいくつかの電圧を使用し、1:1から1:10(w/w)の範囲のいくつかのベクター:挿入物比(ベクターDNA量は1μgに一定に維持した。)で、実施例2のプロトコールを行った。上述のように、全ての反応物を濃縮し、SureCleanを用いて沈殿させ、dd水中でDNAペレットを再懸濁し、その後、細胞縣濁液を添加した。

0128

各実験において、上述のように酵母細胞を調製した。5回の反応に対して、ベクター/挿入物の体積を11.6μLに固定した。

0129

実験#1

0130

0131

0132

結果:1.5から2.5の電圧範囲で1:1のベクター:挿入物比;1.0から2.5の電圧範囲で1:2のベクター:挿入物比;1.0から2.5の電圧範囲で1:3のベクター:挿入物比;0.5から2.5の電圧範囲で1:4のベクター:挿入物比;1.0から2.5の電圧範囲で1:5のベクター:挿入物比;及び1.0から2.5の電圧範囲で1:10のベクター:挿入物比で、形質転換を検出した。全てのベクター:挿入物比に対して、2.0kVの電圧を用いて、ピークコロニー数が達成された。最適条件は、1:4のベクター:挿入物比及び2.0kVの電圧であると考えられる(3.62x108の遺伝子移入効率が達成された。)。

0133

実験#2

0134

0135

0136

結果:1.0から2.5の電圧範囲で1:1のベクター:挿入物比;1.5から2.5の電圧範囲で1:2のベクター:挿入物比;1.0から2.5の電圧範囲で1:3のベクター:挿入物比;0.5から2.5の電圧範囲で1:4のベクター:挿入物比;1.0から2.5の電圧範囲で1:5のベクター:挿入物比;及び1.0から2.5の電圧範囲で1:10挿入物比で、形質転換を検出した(1.5kVではコロニーなし)。ベクター:挿入物比1:1に対して、2.0kVの電圧を用いてピークコロニー数が達成された。全てのその他のベクター:挿入物比に対して、2.5kV電圧が最適であった。最適条件は、1:10のベクター:挿入物比及び2.5kVの電圧であると考えられる。この実験の結果から、最適電圧は2−2.5kVであり、ベクターに対する挿入物の量を増加させても、1:2の比を凌ぐ顕著な利点は得られないことが示される。

0137

実験#3:DNA投入量増加及び高電圧は最大形質転換効率に重要である(しかし、ベクター:挿入物比は重要ではない。)。

0138

同じ1:3のベクター:挿入物比に維持しながら、ベクターDNA1、2、3、4又は8μgとともに400μL酵母縣濁液をエレクトロポレーション処理することによって、形質転換効率におけるDNA量の影響を調べた。実施例7に記載のようにS.セレビシエを処理した。1キュベットあたり1、2、3又は4μgベクターを用いて、400μL酵母細胞縣濁液(1.6x109個の細胞/mL)をエレクトロポレーション処理した(ベクター:挿入物比=1:3に維持)。図4を参照して、72時間後、コロニー数を調べ、(A)形質転換効率(ベクターDNA1μgあたりの平均形質転換体±標準偏差)及び(B)形質転換収率(1個のキュベットあたりの形質転換体の総数±標準偏差)として表した。さらに、(C)2又は2.5kV及び様々なベクター:挿入DNA比で400μL酵母縣濁液をエレクトロポレーション処理した。ベクターDNA1μgあたりの平均形質転換体として形質転換効率を表す。

0139

興味深いことに、各形質転換に対して4μgベクターDNA以下を使用した場合、形質転換効率は顕著に変化せず、8μgベクターDNA投入量では僅かに低下した(図4A)。予想されるように、形質転換ライブラリサイズの収率は、DNA投入量の増加に対応して向上した(図4B)。全体として、4μg線状化ベクターの使用は、最も都合よく効率的な条件であることが分かった。(1:3のベクター:挿入物比を達成するための)12μgDNA挿入物を減少させることができるか否かを調べるために、様々なベクター:挿入物比を試験した。結果から、形質転換効率に悪影響を与えることなく、この比を1:1.5という低い値にすることができることが示される(図4C)。しかし、ベクター:挿入物比が1:1より小さいか又は1:5より大きい場合、形質転換効率の低下が観察された(データ示さず。)。さらに、エレクトロポレーション電圧設定は、2.5kVから2kV以下にエレクトロポレーション電圧を低下させると形質転換効率が顕著に低下するので、重要であることが分かった(図4C及びデータ示さず。)。

0140

イーブヒト脾臓抗体ライブラリの多様性及び生産性
大きなヒト抗体ライブラリを作製するために、本発明のエレクトロポレーションプロトコールを使用した。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)及び既に報告されているプライマー(Sblattero、D.及びBradbury、A.(1998)Immunotechnology 3:271−8)を使用して、市販の脾臓ポリARNAからヒトVH及びVκcDNA断片を個別に増幅した。各生殖細胞系列ファミリーがライブラリにおいて等しく示されるように、Vκ断片を均等に一緒に貯えた。重複PCRにより、VH及び貯えたVκ断片からScFv断片を個別に調製した。線状ベクターDNAと混合されたこれらのscFv断片から、エレクトロポレーションにより複数の酵母ライブラリを作製し、全てのVH生殖細胞系列配列の均等な表示を維持するために、均等に一緒に貯えた。scFv生殖細胞系列組成物を分析するために、多数の酵母コロニーの配列決定を行い、その結果から多様性が高いことが確認された。稀少なVH7生殖細胞系列遺伝子を除き、全てのその他の生殖細胞系列遺伝子ファミリーが同定され、それらの表示は、発明者らのライブラリでのそれらの生殖細胞系列遺伝子数とおおよそ比例していた(表8参照)。同一のVH配列は同定されなかったので、ライブラリ多様性は、Vκに対しては104の最大理論的多様性及びVHに対しては108の最大理論的多様性(約108個のドナーB細胞)と仮定すれば、1012の規模である可能性は95%であると推定される(これはライブラリサイズによってのみ制限される。)。この高効率酵母エレクトロポレーションプロトコールを用いることにより、典型的なファージライブラリのサイズに匹敵するサイズの酵母ライブラリを構築することが現在可能である(Hoogenboom、H.R.(2002)MethodsMol.Biol.178:1−37;Sblattero、D.及びBradbury、A.(2000)Nat.Biotechnol.18:75−80)。実際に、単純に20個のキュベットにエレクトロポレーションの規模を大きくすることにより、2x1010酵母ライブラリを作製ために要する時間は僅か1日となり、109酵母ライブラリは現在、親和性成熟又はその他の最適化目的のために日常的に作製されている。

0141

0142

構築されたライブラリが適度に優れた親和性を有する抗体を産生することを明らかにするために、最初にライブラリサイズを約107個細胞縮小するために磁気活性化細胞ソーティングを行い、次いで基本的に既に記載のようにFACSを複数回行うことにより、ヒト腫瘍壊死因子α(TNFα)に対してヒト脾臓抗体ライブラリを選択した(Chao、G.ら(2006)Nat.Protoc.1:755−68;Feldhaus、M.J.ら(2003)Nat.Biotechnol.21:163−70)。TNFαに対する複数の結合物が同定され、それらのVHは、VH1、VH3及びVH4由来であり、VκはVκ1及びVκ2ヒト生殖細胞系列配列由来であり、このことから、このライブラリは、実際に、多様な抗体プールから抗原結合物を生み出したことが示される。scFvのうち1つは、TNFαに対して、4nMの親和性を示し、別のものは40nMの親和性を示した。IgG転換時に、4nM結合物は同様の結合親和性を維持し(ELISAにより1.5nM)、一方、40nM結合物は親和性の顕著な向上を示した(ELISAにより0.3nM)。この見かけの親和性の上昇は、同じホモ三量体TNFαタンパク質で2つのTNFαと相互作用する変換IgGの親和力によるものであり得る。さらなるライブラリ選択により、このライブラリからヒトIL−18に対する低ナノモル親和性抗体も同定された(データは示さず。)。

0143

最適のエレクトロポレーション条件を使用することによって、日常的に1x108酵母形質転換体/μgベクターDNAの酵母形質転換効率を達成することができる。この形質転換効率は最小の細胞体積(100μL)で達成されるので、自動及びマルチウェルエレクトロポレーション装置に非常に受け入れられ易い。例えば、96−ウェルエレクトロポレーションプレートにおいてエレクトロポレーションを設定することによって、9.6x109のライブラリサイズを達成することができることを構想し得る。このマルチウェルエレクトロポレーションが手動又は自動操作により10から11回繰り返される場合、1日で1011個の形質転換体より大きい酵母ライブラリを容易に構築することができる。構築されたライブラリのこの効率及び可能なサイズは、典型的なファージライブラリにほぼ等しく、酵母抗体ディスプレイ及び酵母ツーハイブリッド相互作用スクリーニングなど、本ライブラリに適用し得る様々な適用に対して、構築された酵母ライブラリの使用の成功率最大化することにおいて非常に望ましい。

0144

0145

参照による組み込み
本願を通して引用され得る、全ての引用参照物(参考文献、特許、特許出願及びウェブサイトを含む。)の内容は、本明細書により、参照により明確に組み込まれる。本発明の実施は、別段の断りがない限り、当技術分野で周知である、細胞エレクトロポレーション及び酵母細胞生物学の従来技術を使用する。

実施例

0146

同等性
本発明は、本発明の精神又は不可欠な特徴から逸脱することなく、その他の具体的な形態で実施され得る。従って、先行する実施形態は、全ての点で、本明細書中に記載される本発明の制限ではなく、例示的なものであるとみなされるものである。このように、本発明の範囲は、先行する記述ではなく添付の特許請求の範囲により示され、従って、本特許請求の範囲の同等性の意義及び範囲内で行われる変更は全て、本発明に包含されるものとする。

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