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技術 被検体の血液中の物質の濃度の非侵襲的測定のための装置および方法

出願人 グルコビスタ・インコーポレイテッド
発明者 ジョナサン・ガ-リッツ
出願日 2009年1月26日 (11年0ヶ月経過) 出願番号 2010-546814
公開日 2011年4月14日 (8年10ヶ月経過) 公開番号 2011-511695
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 予想測定 変動温度 測定データ点 逆反射光 基準比 測定透過率 電子回路図 豆ランプ
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重要な関連分野

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図面 (10)

課題・解決手段

ある方法が、被検体の血液中物質の濃度を決定する。この方法は、少なくとも1つの光ビームと、被検体の身体の一部との相互作用を測定するステップを含む。この方法はさらに、少なくとも1つの光ビームと、被検体の身体の一部における物質との相互作用を示す光学的に測定されたパラメータの値を計算するステップを含む。この方法はさらに、被検体の身体の一部の温度に対応する1つまたは複数の温度指標パラメータの値を測定するステップを含む。この方法はさらに、光学的に測定されたパラメータおよび1つまたは複数の温度指標パラメータの、血液中の物質の濃度に対する実証的相関関係アクセスするステップを含む。この方法はさらに、その実証的な相関関係を使用して、被検体の血液中の物質の濃度を得るステップを含む。その濃度は、光学的に測定されたパラメータの値と、1つまたは複数の温度指標パラメータの値とに対応する。

概要

背景

この数10年間に、多数のシステムが被検体の血液中物質(例えば、グルコース)のレベル非侵襲的に測定する問題を解決するために提案された。それらのシステム全ての主な欠点は、非常に低い信号対雑音比であり、それによって、非常に重いコンピューティングシステムが必要となり、一貫性のない再現不可能な結果がもたらされた。

加えて、血液中の物質(例えば、グルコース)の非侵襲的測定のための従来のシステムは、人間の細胞内のこのような測定に影響を及ぼす様々なパラメータを考慮に入れていない。例えば、眼から取られる測定値を使用する従来のシステムは、瞳孔の大きさ、眼の他の構成要素、眼球内部の光の吸収または散乱など、眼のパラメータの変化を考慮に入れていない。具体的には、特許文献1、および特許文献2は、元々、照射された光の輝度から、反射された光の輝度を差し引いて、この差し引かれた値をグルコース濃度相関させることを提案している。

概要

ある方法が、被検体の血液中の物質の濃度を決定する。この方法は、少なくとも1つの光ビームと、被検体の身体の一部との相互作用を測定するステップを含む。この方法はさらに、少なくとも1つの光ビームと、被検体の身体の一部における物質との相互作用を示す光学的に測定されたパラメータの値を計算するステップを含む。この方法はさらに、被検体の身体の一部の温度に対応する1つまたは複数の温度指標パラメータの値を測定するステップを含む。この方法はさらに、光学的に測定されたパラメータおよび1つまたは複数の温度指標パラメータの、血液中の物質の濃度に対する実証的相関関係アクセスするステップを含む。この方法はさらに、その実証的な相関関係を使用して、被検体の血液中の物質の濃度を得るステップを含む。その濃度は、光学的に測定されたパラメータの値と、1つまたは複数の温度指標パラメータの値とに対応する。

目的

本明細書に説明する特定の実施形態は、被検体の血液中の物質(例えば、グルコース)の濃度に相関可能な可測パラメータを分離する装置と、測定および計算方法とを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

検体の血液中物質の濃度を決定する方法において、少なくとも1つの光ビームと、前記被検体の身体の一部との相互作用を測定するステップと、前記少なくとも1つの光ビームと、前記被検体の身体の一部における物質との相互作用を示す光学的に測定されたパラメータの値を計算するステップと、前記被検体の身体の一部の温度に対応する1つまたは複数の温度指標パラメータの値を測定するステップと、前記光学的に測定されたパラメータおよび前記1つまたは複数の温度指標パラメータの値の、血液中の物質の濃度に対する経験的な相関関係アクセスするステップと、前記経験的な相関関係を使用して、前記被検体の血液中の物質の濃度を得るステップであって、該濃度が、前記光学的に測定されたパラメータの値と、前記1つまたは複数の温度指標パラメータの値とに対応する、ステップとを備える方法。

請求項2

前記少なくとも1つの光ビームの相互作用を測定するステップが、前記被検体の身体の一部による前記少なくとも1つの光ビームの吸収を測定するステップを備える、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記少なくとも1つの光ビームの相互作用を測定するステップが、前記被検体の身体の一部を介する前記少なくとも1つの光ビームの透過率を測定するステップを備える、請求項1に記載の方法。

請求項4

前記少なくとも1つの光ビームの相互作用を測定するステップが、前記被検体の身体の一部からの前記少なくとも1つの光ビームの反射を測定するステップを備える、請求項1に記載の方法。

請求項5

前記少なくとも1つの光ビームの相互作用を測定するステップが、前記被検体の身体の一部に対するラマン分光測定を実施するステップを備える、請求項1に記載の方法。

請求項6

前記1つまたは複数の温度指標パラメータが、前記被検体の体温および前記被検体の周囲温度のうちの少なくとも一方を備える、請求項1に記載の方法。

請求項7

前記1つまたは複数の温度指標パラメータが、前記被検体の体温および前記被検体の周囲温度の両方を備える、請求項6に記載の方法。

請求項8

前記経験的な相関関係が、人の血液中の前記物質の濃度を、前記光学的に測定されたパラメータの値と、前記1つまたは複数の温度指標パラメータの値とに関連付けるルックアップテーブルを備える、請求項1に記載の方法。

請求項9

前記経験的な相関関係が、人の血液中の前記物質の濃度を、前記光学的に測定されたパラメータの値と、前記1つまたは複数の温度指標パラメータの値とに関連付ける1つまたは複数の式を備える、請求項1に記載の方法。

請求項10

前記1つまたは複数の温度指標パラメータの値を測定するステップが、非侵襲的に実施される、請求項1に記載の方法。

請求項11

人の血液中の物質の濃度の、複数のパラメータとの相関関係を決定する方法において、複数の状態における複数の人の血液中の物質の濃度の値を侵襲的に測定するステップであって、前記複数の人が、より大集団の人を統計的に代表している、ステップと、前記複数の状態における複数の人からのパラメータの値を非侵襲的に光学的に測定するステップであって、人の身体の一部から測定される光学的に測定されたパラメータの値が、人の血液中の物質の濃度を示す、ステップと、前記複数の状態における複数の人についての1つまたは複数の温度指標パラメータの値を測定するステップであって、前記1つまたは複数の温度指標パラメータが、人の身体の一部の温度に対応する、ステップと、前記光学的に測定されたパラメータの測定値および前記1つまたは複数の温度指標パラメータの測定値を、前記複数の人の血液中の物質の濃度の測定値に対して相関させることによって相関関係を生じさせるステップとを備えた方法。

請求項12

前記血液中の物質の濃度の値を侵襲的に測定するステップが、前記複数の人から抽出された血液サンプルグルコースの濃度を測定するステップを備える、請求項11に記載の方法。

請求項13

前記人の身体の一部から測定される光学的に測定されたパラメータの値が、前記人の身体の一部による光の吸収、前記人の身体の一部を介する光の透過率、前記人の身体の一部からの光の反射、または、前記人の身体の一部と光のラマン相互作用を示す、請求項11に記載の方法。

請求項14

前記1つまたは複数の温度指標パラメータが、前記人の体温および前記人の周囲温度のうちの少なくとも一方を備える、請求項14に記載の方法。

請求項15

前記1つまたは複数の温度指標パラメータが、前記人の体温および前記人の周囲温度の両方を備える、請求項14に記載の方法。

請求項16

前記濃度が、平均的な個人を代表する、請求項11に記載の方法。

請求項17

記相関関係の少なくとも一部を備えたルックアップテーブルを作成するステップをさらに備えた請求項11に記載の方法。

請求項18

コンピュータ可読媒体に前記ルックアップテーブルを保存するステップをさらに備えた請求項17に記載の方法。

請求項19

前記相関関係の少なくとも一部を備えた1つ又は複数の式を作成するステップをさらに備えた請求項11に記載の方法。

請求項20

コンピュータ可読媒体に前記式を保存するステップをさらに備えた請求項19に記載の方法。

請求項21

前記1つ又は複数の温度指標パラメータの値を測定するステップが、非侵襲的に実施させる、請求項11に記載の方法。

請求項22

被検体の血液中の物質の濃度を決定する方法において、少なくとも1つの光ビームと、前記被検体の身体の一部における物質との相互作用を示す光学的に測定されたパラメータの値を計算するステップと、前記被検体の身体の一部の温度に対応する1つまたは複数の温度指標パラメータの値を受け取るステップと、前記光学的に測定されたパラメータおよび前記1つまたは複数の温度指標パラメータの、血液中の物質の濃度に対する経験的な相関関係にアクセスするステップと、前記経験的な相関関係を使用して、前記被検体の血液中の物質の濃度を得るステップであって、該濃度が、前記光学的に測定されたパラメータの値と、前記1つまたは複数の温度指標パラメータの値とに対応する、ステップとを備える方法。

請求項23

前記1つまたは複数の温度指標パラメータが、前記被検体の体温および前記被検体の周囲温度のうちの少なくとも一方を備える、請求項22に記載の方法。

請求項24

前記1つまたは複数の温度指標パラメータが、前記被検体の体温および前記被検体の周囲温度の両方を備える、請求項23に記載の方法。

請求項25

前記経験的な相関関係が、人の血液中の前記物質の濃度を、前記光学的に測定されたパラメータの値と、前記1つまたは複数の温度指標パラメータの値とに関連付けるルックアップテーブルを備える、請求項22に記載の方法。

請求項26

前記経験的な相関関係が、人の血液中の前記物質の濃度を、前記光学的に測定されたパラメータの値と、前記1つまたは複数の温度指標パラメータの値とに関連付ける1つまたは複数の式を備える、請求項22に記載の方法。

請求項27

被検体の血液中の物質の濃度を決定するためのコンピューティングシステムであって、少なくとも1つの光ビームと、前記被検体の身体の一部における物質との相互作用を示す光学的に測定されたパラメータの値を計算するための手段と、前記被検体の身体の一部の温度に対応する1つまたは複数の温度指標パラメータの値を受け取るための手段と、前記光学的に測定されたパラメータおよび前記1つまたは複数の温度指標パラメータの値の、血液中の物質の濃度に対する経験的な相関関係にアクセスし、前記経験的な相関関係を使用して、前記被検体の血液中の物質の濃度を得るための手段であって、該濃度が、前記光学的に測定されたパラメータの値と、1つまたは複数の温度指標パラメータの値とに対応する、手段とを備えるコンピューティングシステム。

請求項28

前記計算するための手段が、電気回路を備える、請求項27に記載のコンピューティングシステム。

請求項29

前記計算するための手段が、中央処理装置を備える、請求項27に記載のコンピューティングシステム。

請求項30

前記受け取るための手段が、前記1つまたは複数の温度指標パラメータの値を示す信号を受け取るように構成されている1つまたは複数の入力部を備える、請求項27に記載のコンピューティングシステム。

請求項31

前記アクセスするための手段が、前記経験的な相関関係が保存されているコンピュータ可読媒体を備える、請求項27に記載のコンピューティングシステム。

請求項32

前記経験的な相関関係が、ルックアップテーブルとして前記コンピュータ可読媒体中に保存されている、請求項30に記載のコンピューティングシステム。

請求項33

前記経験的な相関関係が、1つまたは複数の式として前記コンピュータ可読媒体中に保存されている、請求項30に記載のコンピューティングシステム。

技術分野

0001

本出願は、一般に、被検体の血液中物質の濃度を非侵襲的に測定するための装置および方法に関し、より詳細には、被検体の血液中のグルコースの濃度を非侵襲的に測定するための装置および方法に関する。

背景技術

0002

この数10年間に、多数のシステムが被検体の血液中の物質(例えば、グルコース)のレベルを非侵襲的に測定する問題を解決するために提案された。それらのシステム全ての主な欠点は、非常に低い信号対雑音比であり、それによって、非常に重いコンピューティングシステムが必要となり、一貫性のない再現不可能な結果がもたらされた。

0003

加えて、血液中の物質(例えば、グルコース)の非侵襲的測定のための従来のシステムは、人間の細胞内のこのような測定に影響を及ぼす様々なパラメータを考慮に入れていない。例えば、眼から取られる測定値を使用する従来のシステムは、瞳孔の大きさ、眼の他の構成要素、眼球内部の光の吸収または散乱など、眼のパラメータの変化を考慮に入れていない。具体的には、特許文献1、および特許文献2は、元々、照射された光の輝度から、反射された光の輝度を差し引いて、この差し引かれた値をグルコース濃度相関させることを提案している。

先行技術

0004

米国特許第6494576号明細書
米国特許第5820557号明細書

課題を解決するための手段

0005

特定の実施形態においては、ある方法が、被検体の血液中の物質の濃度を決定する。この方法は、第1の波長および第1のパワーを有する測定光ビームにより、被検体の眼を非侵襲的に照射するステップを含む。測定光ビームの少なくとも一部が、眼の網膜から逆反射され、それによって、第1の波長を有する測定逆反射光ビームをもたらす。この方法は、第2の波長および第2のパワーを有する基準光ビームにより、被検体の眼を非侵襲的に照射するステップをさらに含む。第2の波長は、第1の波長とは異なる。基準光ビームの少なくとも一部が、眼の網膜から逆反射され、それによって、第2の波長を有する基準逆反射光ビームをもたらす。この方法は、被検体の体温および被検体の周囲温度のうちの少なくとも一方を測定するステップをさらに含む。この方法は、測定逆反射光ビームのパワーを検出するステップをさらに含む。この方法は、基準逆反射光ビームのパワーを検出するステップをさらに含む。この方法は、測定逆反射光ビームの検出されたパワーと、第1のパワーとの測定比を計算するステップをさらに含む。この方法は、基準逆反射光ビームの検出されたパワーと、第2のパワーとの基準比を計算するステップをさらに含む。この方法は、測定比と基準比とによって決まるパラメータを計算するステップをさらに含む。方法は、計算されたパラメータと、体温および周囲温度のうちの少なくとも一方とに応答して、被検体の血液中の物質の濃度を決定するステップをさらに含む。

0006

特定の実施形態においては、ある装置が、被検体の血液中の物質の濃度を測定する。この装置は、第1の波長を有する光を生成し、第2の波長を有する光を生成する少なくとも1つの光源を備える。第2の波長は、第1の波長とは異なる。この装置は、第1の波長を有する光の少なくとも一部を、第1のパワーを有する測定光ビームとして、被検体の眼に向かって方向付け光学システムをさらに備える。測定光ビームの少なくとも一部が、被検体の網膜から逆反射される。光学システムは、第2の波長を有する光の少なくとも一部を、第2のパワーを有する基準光ビームとして、被検体の眼に向かって方向付ける。基準光ビームの少なくとも一部が、被検体の網膜から逆反射される。この装置は、測定光ビームの逆反射部分と、基準光ビームの逆反射部分とを受け取る検出器システムをさらに備える。検出器システムは、測定光ビームの受け取られた逆反射部分のパワーを示す第1の信号を生成することによって、測定光ビームの受け取られた逆反射部分に応答する。検出器システムは、基準光ビームの受け取られた逆反射部分のパワーを示す第2の信号を生成することによって、基準光ビームの受け取られた逆反射部分に応答する。この装置は、被検体の体温および被検体の周囲温度のうちの少なくとも一方を測定し、体温および周囲温度のうちの少なくとも一方を示す少なくとも1つの信号を生成する少なくとも1つの温度検出器をさらに備える。この装置は、第1の信号と、第2の信号と、少なくとも1つの信号とを受け取るコンピューティングシステムをさらに備える。コンピューティングシステムは、第1のパワーと、測定光ビームの受け取られた逆反射部分のパワーとの第1の比を計算する。コンピューティングシステムは、第2のパワーと、基準光ビームの受け取られた逆反射部分のパワーとの第2の比を計算する。コンピューティングシステムは、第1の比と第2の比とによって決まるパラメータを計算し、計算されたパラメータと、少なくとも1つの信号とに応答して、被検体の血液中の物質の濃度を決定する。

0007

特定の実施形態においては、あるコンピューティングシステムが、被検体の血液中の物質の濃度を測定する。このコンピューティングシステムは、被検体の眼に入射する測定光ビームの第1のパワーを示す第1の信号と、被検体の眼に入射する基準光ビームの第2のパワーを示す第2の信号と、被検体の網膜から逆反射される測定光ビームの一部の第3のパワーを示す第3の信号と、被検体の網膜から逆反射される基準光ビームの一部の第4のパワーを示す第4の信号と、被検体の体温および被検体の周囲温度のうちの少なくとも一方を示す少なくとも1つの信号とを受け取るように構成されている1つまたは複数の入力部を備える。測定光ビームは、第1の波長を含み、基準光ビームは、第1の波長とは異なる第2の波長を有する。このコンピューティングシステムは、第1のパワーと第3のパワーとの第1の比を計算するように構成されている電気回路をさらに備える。電気回路はさらに、第2のパワーと第4のパワーとの第2の比を計算するように構成されている。電気回路はさらに、第1の比と第2の比とによって決まるパラメータを計算するように構成されている。電気回路はさらに、計算されたパラメータと、被検体の体温および被検体の周囲温度のうちの少なくとも一方とに応答して、被検体の血液中の物質の濃度を決定するように構成されている。

0008

特定の実施形態においては、ある方法が、被検体の血液中の物質の濃度を決定する。この方法は、少なくとも1つの光ビームと、被検体の身体の一部との相互作用を測定するステップを含む。この方法は、少なくとも1つの光ビームと、被検体の身体の一部における物質との相互作用を示す光学的に測定されたパラメータの値を計算するステップをさらに含む。この方法は、被検体の身体の一部の温度に対応する1つまたは複数の温度指標パラメータの値を測定するステップをさらに含む。この方法は、光学的に測定されたパラメータおよび1つまたは複数の温度指標パラメータの、血液中の物質の濃度に対する実証的相関関係アクセスするステップをさらに含む。この方法は、実証的な相関関係を使用して、被検体の血液中の物質の濃度を得るステップをさらに含む。その濃度は、光学的に測定されたパラメータの値と、1つまたは複数の温度指標パラメータの値とに対応する。

0009

特定の実施形態においては、ある方法が、人の血液中の物質の濃度の、複数のパラメータとの相関関係を決定する。この方法は、複数の状態における複数の人の血液中の物質の濃度値侵襲的に測定するステップを含む。それらの複数の人は、より大集団の人を統計的に示す。この方法は、複数の状態における複数の人からのパラメータの値を非侵襲的に光学的に測定するステップをさらに含む。人の身体の一部から測定される光学的に測定されたパラメータの値は、人の血液中の物質の濃度を示す。この方法は、複数の状態における複数の人についての1つまたは複数の温度指標パラメータの値を測定するステップをさらに含む。1つまたは複数の温度指標パラメータは、人の身体の一部の温度に対応する。この方法は、光学的に測定されたパラメータの測定値および1つまたは複数の温度指標パラメータの測定値を、複数の人の血液中の物質の濃度の測定値に対して相関させることによって相関関係をもたらすステップをさらに含む。

図面の簡単な説明

0010

本明細書に説明する特定の実施形態による装置の例示的な構成を概略的に示す図である。
本明細書に説明する特定の実施形態による可動要素に結合される第1の光源および第2の光源を有する装置の例示的な構成を概略的に示す図である。
本明細書に説明する特定の実施形態による互いから間隔をおいた第1の光源および第2の光源を有する装置の例示的な構成を概略的に示す図である。
本明細書に説明する特定の実施形態による単一の広帯域光源を有する装置の例示的な構成を概略的に示す図である。
本明細書に説明する特定の実施形態による2つの光検出器を有する装置の例示的な構成を概略的に示す図である。
本明細書に説明する特定の実施形態による例示的な電子回路を概略的に示す図である。
水について、および水/グルコースの混合物についての透過測定温度依存性の例示的なグラフである。
本明細書に説明する特定の実施形態による装置の別の例示的な構成を概略的に示す図である。
本明細書に説明する特定の実施形態による例示的なマルチパラメータのルックアップテーブルを概略的に示す図である。

実施例

0011

より十分に後述するように、従来技術の従来のシステムにおいて使用される単純な減算スキームは、被検体の身体の中の物質の濃度測定に影響を及ぼす他のパラメータについて明らかにできない。したがって、これらの単純な減算スキームは、被検体の血液の物質濃度尺度として信頼性をもって使用することができない。

0012

本明細書に説明する特定の実施形態は、被検体の血液中の物質(例えば、グルコース)の濃度に相関可能な可測パラメータを分離する装置と、測定および計算方法とを提供する。より十分に後述するように、特定の実施形態においては、方法は、(i)使用されている光の波長、およびその波長間の関係と、(ii)測定に影響を及ぼす可能性はあるが、測定される物質(例えば、グルコース)の実際の濃度に関係していない様々なパラメータを消去するため、またはそうでなければ、それらのパラメータについて明らかにするために、これらの波長による測定に基づく計算の方法とに対する制約を含む。

0013

特定の実施形態は、グルコース濃度を測定する文脈において本明細書には説明するが、本明細書に説明する特定の実施形態により測定可能な他の物質の濃度は、コレステロールを含むが、それに限定されない。特定の実施形態は、赤外線または近赤外線光学吸収測定の文脈において本明細書には説明するが、本明細書に説明する特定の実施形態により改良可能な他の近赤外線光学測定は、透過測定、反射測定散乱測定偏光測定、およびラマン測定を含むが、それらに限定されない。特定の実施形態は、被検体の眼から取られる非侵襲的な光学測定の文脈において本明細書には説明するが、本明細書に説明する特定の実施形態により改良可能な他の非侵襲的光学測定は、皮膚、耳たぶ、指(皮膜、もしくは表皮)、、またはを含むが、それらに限定されない被検体の身体の他の部分から取られる。

0014

本明細書に説明する特定の実施形態は、有利には、優れた信号対雑音比を有する非侵襲的グルコース計測器を提供し、したがって、測定を安定的な、繰返し可能な、かつ信頼できるものにする。本明細書に説明する特定の実施形態は、有利には、非侵襲的グルコース測定のためのこのような装置を提供し、それは、ユーザによって取扱いが容易であり、簡単であり、小さな大きさであり、安価である。本明細書に説明する特定の実施形態は、有利には、様々な環境、屋内、および屋外において使用可能な非侵襲的グルコース計測器を提供する。

0015

本明細書に説明する特定の実施形態は、光学装置として、眼の特性を利用する。焦点手段および焦点面を備えている全ての光学装置は逆反射の現象を示し、装置は、入射光ビームの少なくとも一部を、それが生じた同じ方向で逆向きに反射することを意味する。本明細書に説明する特定の実施形態は、眼の液体硝子体)中および/または血液中のグルコースあるいは別の物質の濃度を決定するために、眼の逆反射の特徴を使用する電子光学装置を提供する。

0016

図1は、本明細書に説明する特定の実施形態による例示的な装置10を概略的に示している。装置10は、第1の波長を有する光を生成する少なくとも1つの光源20を備える。少なくとも1つの光源20はさらに、第2の波長を有する光を生成する。装置10はさらに、第1の波長を有する光の少なくとも一部を、第1のパワーを有する測定光ビーム32として、被検体の眼40に向かって方向付ける光学システム30を備え、測定光ビーム32の少なくとも一部は、被検体の網膜42から逆反射する。光学システム30はまた、第2の波長を有する光の少なくとも一部を、第2のパワーを有する基準光ビーム34として、被検体の眼40に向かって方向付け、基準光ビーム34の少なくとも一部は、被検体の網膜42から逆反射する。装置10はさらに、測定光ビーム32の逆反射部分と、基準光ビーム34の逆反射部分とを受け取る検出器システム50を備える。検出器システム50は、測定光ビーム32の受け取られた逆反射部分のパワーを示す第1の信号を生成することによって、測定光ビーム32の受け取られた逆反射部分に応答する。検出器システム50は、基準光ビーム34の受け取られた逆反射部分のパワーを示す第2の信号を生成することによって、基準光ビーム34の受け取られた逆反射部分に応答する。装置10はさらに、検出器システム50から第1の信号と、第2の信号とを受け取るコンピューティングシステム60を備える。コンピューティングシステム60は、第1のパワーと、測定光ビーム32の受け取られた逆反射部分のパワーとの第1の比を計算する。コンピューティングシステム60はさらに、第2のパワーと、基準光ビーム34の受け取られた逆反射部分のパワーとの第2の比を計算する。コンピューティングシステム60はさらに、第1の比と第2の比とによって決まるパラメータ(例えば、第1の比と第2の比との差、または第1の比の対数と第2の比の対数との間の差)を計算し、計算されたパラメータに応答して、被検体の血液中の物質の濃度を決定する。

0017

特定の実施形態においては、装置10は、ユーザ(例えば、医療関係者、または被検体自身)によって持運び可能な、かつ容易に保持可能な大きさである。より十分に後述するように、装置10は、内部電源(例えば、電池、または燃料電池)を備えることが可能であり、コンピューティングシステム60から濃度値を示す信号を受け取り、濃度値(例えば、濃度値それ自体、または濃度値が所定値を上回るか、もしくは下回る指標)に関する情報をユーザに示すディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ)を備えることが可能である。装置10はまた、コンピューティングシステム60からの濃度値に関する情報を示す信号を受け取るように、かつ後に使用するための、またはユーザに表示するための情報を保存するように構成されているメモリシステム(例えば、フラッシュメモリダイナミックランダムアクセスメモリ)を備えることが可能である。特定の実施形態においては、コンピュータシステム60は、ディスプレイおよび/またはメモリシステムを備えることが可能である。

0018

特定の実施形態においては、装置10は、動作中(例えば、測定光ビーム32および基準光ビーム34が、被検体の網膜42に向かって方向付けられる間)、被検体の眼から少なくとも100ミリメートルの距離に位置決めされるように構成されている。特定の他の実施形態においては、装置10は、被検体の眼40から検出器システム50までの測定光ビーム32の逆反射部分および基準光ビーム34の逆反射部分の光路長が、少なくとも100ミリメートルになるように、位置決めされるように構成されている。特定の実施形態についての被検体の眼40から検出器システム50の光路長は、十分に長く、それにより、検出器システム50は、測定光ビーム32および基準光ビーム34の逆反射部分を主に受け取り、有利には、装置10が雑音であると解釈する可能性がある(例えば、被検体の角膜からの)他の反射を受け取らないようになる。

0019

少なくとも1つの光源20は、第1の波長を有する光を光学システム30に出力し、第2の波長を有する光を光学システム30に出力するように構成されている。特定の実施形態においては、少なくとも1つの光源20は、2つの異なる波長帯域内で光を放出する少なくとも2つ赤外線(IR)エミッタを備える。例えば、図2は、本明細書に説明する特定の実施形態による第1の光源21および第2の光源22を有する例示的な装置10を概略的に示している。本明細書に説明する特定の実施形態と適合する光源の例は、バンドパスフィルタを有する電球レーザダイオード、および高出力赤外線発光ダイオードを含むが、それらに限定されない。

0020

図2によって概略的に示される装置10においては、第1の光源21および第2の光源22は、光を光学システム30に透過するように、第1の光源21または第2の光源22のいずれかを位置決めするために作動可能な可動要素23(例えば、モータ)に結合される。したがって、特定のこのような実施形態においては、測定光ビーム32および基準光ビーム34は、順次に、連続して、被検体の眼40に向かって方向付けられる。特定の実施形態においては、第1の波長を有する光、および第2の波長を有する光は、図2に概略的に示すように、互いと同じ経路に沿って、光学システム30に向かって伝播する。特定の実施形態においては、少なくとも1つの光源20は、光を少なくとも1つの光源20から光学システム30に向かって方向付ける少なくとも1つの光学要素24(例えば、レンズ)を備える。

0021

図3によって概略的に示される装置10においては、第1の光源21および第2の光源22は、互いから間隔をおいているが、それぞれは、光を光学システム30に透過するように位置決めされる。したがって、特定のこのような実施形態においては、測定光ビーム32および基準光ビーム34は、互いと同時に被検体の眼40に向かって方向付けられる。特定の実施形態においては、第1の波長を有する光および第2の波長を有する光は、互いに平行であっても、または平行でなくてもよい異なる経路に沿って、光学システム30に向かって伝播する。例えば、第1の光源21と、対応する光学要素24(例えば、レンズ)とは、光学システム30のある側に位置決めされ、第2の光源22と、対応する光学要素25とは、光学システム30の別の側に位置決めされる。少なくとも1つの光源20の第1の光源21、第2の光源22、光学要素の他の構成もまた、本明細書に説明する特定の実施形態と適合する。

0022

特定の実施形態においては、図4によって概略的に示されるように、少なくとも1つの光源20は、広い波長帯域で光を放出する単一の広帯域光源26(例えば、豆ランプ)と、光学要素27(例えば、レンズ)と、広帯域光源26からの光を2つの異なる波長帯域にフィルタリングする2つ以上の狭帯域フィルタを備えるフィルタホイール28とを備える。特定のこのような実施形態は、有利には、3つ以上の波長を提供して、グルコースまたは他の物質の濃度を分析するために使用される。特定の実施形態においては、フィルタホイール28は、広帯域光源26からの光の経路内にフィルタホイール28の選択されたフィルタを位置決めするために作動可能なモータを備え、それによって、少なくとも1つの光源20によって放出される光から選択される波長をフィルタ除去する。図4は、光学要素27が、広帯域光源26と、フィルタホイール28との間にある実施形態を概略的に示しているが、特定の他の実施形態においては、フィルタホイール28が、広帯域光源26と、光学要素27との間にある。

0023

特定の実施形態においては、第1の波長を有する少なくとも1つの光源20によって放出される光は、光学システム30が、測定光ビーム32として、被検体の眼40に向かって方向付ける光ビーム(例えば、ほぼ平行な、実質的には平行な、またはコリメートされた光ビーム)を含み、第2の波長を有する少なくとも1つの光源20によって放出される光は、光学システム30が、基準光ビーム34として、被検体の眼40に向かって方向付ける光ビーム(例えば、ほぼ平行な、実質的には平行な、またはコリメートされた光ビーム)を含む。特定の他の実施形態においては、少なくとも1つの光源20によって放出される光は、平行でない、またはコリメートされていない光ビームを含むが、光学システム30は、第1の波長を有する光を受け取るように、およびほぼ平行な、実質的には平行な、またはコリメートされた測定光ビーム32を生成するように、ならびに第2波長を有する光を受け取るように、およびほぼ平行な、実質的には平行な、またはコリメートされた基準光ビーム34を生成するように構成されている。特定の様々な実施形態においては、測定光ビーム32は、5度未満もしくはそれに等しい、3度未満もしくはそれに等しい、または1度未満もしくはそれに等しいビーム広がりを有する。特定の様々な実施形態においては、基準光ビーム34は、5度未満もしくはそれに等しい、3度未満もしくはそれに等しい、または1度未満もしくはそれに等しいビーム広がりを有する。特定の実施形態においては、測定光ビーム32および基準光ビーム34は、実質的には、互いに平行である。特定の実施形態においては、測定光ビーム32および基準光ビーム34は、2つのビーム間の角度が、0.1度未満またはそれに等しくなるように、互いに平行である。特定の実施形態においては、測定光ビーム32および基準光ビーム34は、実質的には、互いに同一直線上にある。例えば、特定の実施形態の測定光ビーム32および基準光ビーム34は、互いに平行であり、0.2ミリメートル未満だけ互いから間隔をおいている。

0024

特定の実施形態においては、第1の波長は、測定すべき物質(例えば、グルコース)が、高い吸収係数を有する波長の領域にあり、第2の波長は、測定すべき物質が、低い吸収係数を有する波長の領域にある。特定の実施形態においては、第1の波長は、波長の赤外線(IR)または近赤外線(近IR)領域にあり、第2の波長は、波長の赤外線(IR)または近赤外線(近IR)領域にある。グルコースが測定される特定の様々な実施形態においては、第1の波長は、略920ナノメートルと略980ナノメートルとの間(例えば、950ナノメートル)の領域に、略1130ナノメートルと略1190ナノメートルとの間(例えば、1160ナノメートル)の領域に、または略1.3マイクロメートルと略1.5マイクロメートルとの間(例えば、1460ナノメートル)の領域にあるように選択可能である。グルコースが測定される特定の様々な実施形態においては、第2の波長は、第1の波長に近づくように選択されるが、グルコースのため、実質的には吸収性を含まない。例えば、第1の波長が、略920ナノメートルと略980ナノメートルとの間の領域にある特定の実施形態においては、第2の波長は、略800ナノメートルと略905ナノメートルとの間(例えば、870ナノメートル、または880ナノメートル)の領域にあることが可能である。別の例では、特定の実施形態においては、第1の波長は、略1160ナノメートルであり、第2の波長は、略1120ナノメートルである。被検体の眼の液体および/または血液の中の他の物質の濃度を測定するために、有利には、他の波長が使用される。特定の実施形態においては、基準光ビーム34は、瞳孔および/または虹彩の変化を補償するために使用可能な基準ビームとして使用され、したがって、装置10を様々な光条件で使用することを可能にする。

0025

特定の実施形態においては、光学システム30は、少なくとも1つの光源20から光を受け取り、測定光ビーム32および基準光ビーム34を被検体の眼40に向かって方向付ける。特定の実施形態においては、光学システム30は、装置10の中央に配置される。図2および図3は、本明細書に説明する特定の実施形態による例示的な光学システム30を概略的に示している。図2および図3の光学システム30は、2色性コーティング層36、光学ガラス層37、ホログラフィックビームスプリッタ層38、およびカバーガラス層39を備える。4層のこの組合せは、光学結合器として、特定の実施形態において動作する。特定の実施形態の2色性コーティング層36は、光学ガラス層37の少なくとも一方の表面上に貼り付けられる。特定の実施形態においては、2色性コーティング層36は、第1の光源21の波長に対応するか、または第2の光源22の波長に対応する中心波長を有する。特定の実施形態の2色性コーティング層36は、少なくとも1つの光源20からIR光の50〜60%は被検体の眼40の中を通過し、少なくとも1つの光源20からのIR光の40〜50%はその眼に向かって90°の角度で反射されることを可能にする。

0026

特定の実施形態においては、ホログラフィックビームスプリッタ層38は、光学ガラス層37の他方の表面上にあり、カバーガラス層39によってカバーされる。特定の実施形態のホログラフィックビームスプリッタ層38は、第1の光源21または第2の光源22の波長に対応する中心波長を有する。特定の実施形態においては、ホログラフィックビームスプリッタ層38は、中心波長を有する少なくとも1つの光源20からの光の50〜60%は被検体の眼40の中を通過し、中心波長を有する少なくとも1つの光源20からの光の40〜50%はその眼に向かって270°の角度で反射されることを可能にする。

0027

特定の実施形態においては、光学システム30は、単一の2色性コーティング層36のみを含む。例えば、特定のこのような実施形態においては、第1の光源21および第2の光源22は、(例えば、図2に示す可動要素またはモータ23を作動して、第1の光源21および第2の光源22を移動させることによって、)間欠的に光学システム30に向かって光を放出するために、位置を変える。特定のこのような実施形態の2色性コーティング層36は、第1の光源21および第2の光源22の両方の波長のための広帯域コーティングである。

0028

特定の実施形態においては、少なくとも1つの光源20は、光学要素(例えば、レンズ24、25)を備え、それにより、測定光ビーム32は、ほぼ平行な、実質的には平行な、またはコリメートされたビームになり、基準光ビーム34は、ほぼ平行な、実質的には平行な、またはコリメートされたビームになる。特定の他の実施形態においては、光学システム30は、光学要素(例えば、レンズ)を備え、それにより、測定光ビーム32は、ほぼ平行な、実質的には平行な、またはコリメートされたビームになり、基準光ビーム34は、ほぼ平行な、実質的には平行な、またはコリメートされたビームになる。特定の実施形態においては、測定光ビーム32および基準光ビーム34は、互いと同じ光学経路上にある。特定の実施形態においては、測定光ビーム32および基準光ビーム34はそれぞれ、略2ミリメートルの直径(例えば、半値全幅の直径)を有する。特定の実施形態においては、測定光ビーム32および基準光ビーム34はそれぞれ、概して、ガウスビーム強度プロファイルを有し、実質的には円形の、または実質的には楕円形ビームスポット形状を有する。特定の実施形態においては、測定光ビーム32および基準光ビーム34は、連続波ビームであり、特定の他の実施形態においては、測定光ビーム32および基準光ビーム34は、パルス光ビームである。

0029

測定光ビーム32および基準光ビーム34は、被検体の眼40に向かって方向付けられ、角膜、瞳孔、および/または虹彩、眼のレンズ、および眼の液体を通過することによって、その眼に入る。2つの光ビーム32、34は、焦点44において網膜42上でほぼ焦点が合わせられる。測定光ビーム32の一部が、網膜42から反射され、この反射された光の逆反射部分が、同じ焦点44から、入射測定光ビーム32の正確な光学経路に沿って、しかし反対方向に、被検体の眼40から外に出る。測定光ビーム32のこの逆反射部分は、装置10に向かって伝播し、その装置によって受け取られる。同様に、基準光ビーム34の一部が、網膜42から反射され、この反射された光の逆反射部分が、同じ焦点44から、入射基準光ビーム34の正確な光学経路に沿って、しかし反対方向に、被検体の眼40から外に出る。基準光ビーム34のこの逆反射部分は、装置10に向かって伝播し、その装置によって受け取られる。

0030

特定の実施形態における測定光ビーム32の逆反射部分と、基準光ビーム34の逆反射部分とのそれぞれは、眼40の中を2回通過し、まず角膜、眼のレンズ、および液体(硝子体)を通り、次いで、網膜42に焦点を合わせ、続いて、光学システム30に向かって、眼の液体、レンズ、および角膜を通って逆向きに反射される。

0031

特定の実施形態においては、測定光ビーム32の逆反射部分と、基準光ビーム34の逆反射部分とは、眼40から直接、検出器システム50によって受け取られる。特定の他の実施形態においては、光学システム30は、眼40から直接、測定光ビーム32の逆反射部分と、基準光ビーム34の逆反射部分とを受け取り、これらの逆反射部分を検出器システム50に透過する。図2図3、および図4によって概略的に示されるように、検出器システム50は、測定光ビーム32および基準光ビーム34として、同じ光学経路上に配置され、それにより、測定光ビーム32の逆反射部分と、基準光ビーム34の逆反射部分とは、光学システム30の構成要素を(例えば、ビームスプリッタ層38を)検出器システム50へと通過する。例えば、特定の実施形態においては、測定光ビーム32および基準光ビーム34の逆反射部分の50〜60%は、ビームスプリッタ層38を検出器システム50へと通過することが可能である。

0032

特定の実施形態においては、検出器システム50は、少なくとも1つの光学要素52(例えば、レンズ)、および少なくとも1つの光検出器54を備える。図2図3、および図4によって概略的に示されるように、特定の実施形態の少なくとも1つの光学要素52は、逆反射光を受け取り、少なくとも1つの光検出器54上に、逆反射光の焦点を合わせる。特定の実施形態の少なくとも1つの光検出器54は、測定光ビーム32の受け取られた逆反射部分のパワーを示す第1の信号を生成するように構成され、基準光ビーム34の受け取られた逆反射部分のパワーを示す第2の信号を生成するように構成されている。本明細書に説明する特定の実施形態と適合する光検出器の例は、シリコン検出器、PbS検出器、または当技術分野で知られている任意の他の種類のIR検出器を含むが、これらに限定されない。

0033

図5は、本明細書に説明する特定の実施形態による2つの光学要素52、56と、2つの光検出器54、58とを有する装置の例示的な構成を概略的に示している。光学要素52および光検出器54は、2つの逆反射光ビームを受け取り、光検出器54は、それらの逆反射光ビームのパワーに対応する信号を生成するように構成されている。光学要素56および光検出器58は、少なくとも1つの光源20によって生成される光の一部を受け取り、光検出器58は、被検体の眼40に入射する測定光ビーム32および基準光ビーム34のパワーに対応する信号を生成するように構成されている。特定のこのような実施形態は、入射光ビームのパワーの測定をもたらして、逆反射光ビームのパワーに比較する。少なくとも1つの光源20、光学システム30、および検出システム50の他の構成もまた、本明細書に説明する特定の実施形態と適合する。

0034

図6は、本明細書に説明する特定の実施形態による例示的な装置10の電子回路図を概略的に示している。特定の実施形態においては、コンピューティングシステム60は、中央処理装置(CPU)61(例えば、日本のEpsonによって製造されたEpson6200)を備える。特定の実施形態のCPU61は、少なくとも1つの光源20、光学システム30、および検出器システム50のうちの1つまたは複数に電気的に結合されて、装置10の動作を制御する。

0035

特定の実施形態においては、少なくとも1つの光源20は、図6によって概略的に示されるように、第1の光源21と、第2の光源22と、第1の光源21に電気的に結合された第1の増幅器62と、第2の光源22に電気的に結合された第2の増幅器63とを備える。第1の増幅器62および第2の増幅器63は、コンピューティングシステム60から信号を受け取り、それに応答して、第1の光源21および第2の光源22を(例えば、順次に、または同時に)アクティブにする。特定の実施形態においては、少なくとも1つの光源20はさらに、図6に概略的に示すように、可動要素23(例えば、モータ)と、可動要素23に電気的に結合された第3の増幅器64とを備える。第3の増幅器64は、コンピューティングシステム60から信号を受け取り、それに応答して、第1の光源21および第2の光源22を位置決めするために、可動要素23をアクティブにして、光を光学システム30に透過する。

0036

特定の実施形態においては、検出器システム50は、図6に概略的に示すように、少なくとも1つの光検出器54、増幅器65、フィルタ66、およびアナログデジタル(A/D)変換器67を備える。例えば、特定の実施形態においては、A/D変換器67は、高速12ビット変換器を備える。測定光ビーム32および基準光ビーム34の逆反射部分の検出されたパワーに対応する少なくとも1つの光検出器54からのアナログ信号は、増幅され、フィルタリングされ、デジタル信号に変換され、コンピューティングシステム60に伝送される。検出器システム50が、(例えば、図5によって概略的に示されるように、)第2の光検出器58を備える特定の実施形態においては、入射光ビームのパワーに対応する第2の光検出器58からの信号は、同様なやり方で、増幅され、フィルタリングされ、デジタル信号に変換される。これらのデジタル信号は、次いで、本明細書にさらに説明するコンピューティングシステム60によって使用可能である。

0037

特定の実施形態においては、装置10は、電源69(例えば、リチウム電池)を回路に接続するスイッチ68によってオンにされる。セルフチェック後、特定の実施形態のCPU61は、ディスプレイユニット70(例えば、液晶ディスプレイ(LCD))上に「Ready」を表示する。特定の実施形態においては、測定を行うために、スイッチ71がアクティブになり、それに応じて、CPU61が測定手順を開始する。特定の実施形態においては、CPU61は、第1の増幅器62を通じて第1の光源21を、および第2の増幅器63を通じて第2の光源22を順々にアクティブにし、可動要素23が使用される特定の実施形態においては、第3の増幅器64を通じてこのような可動要素23をアクティブにする。眼40から検出される測定光ビーム32および基準光ビーム34の逆反射部分は、少なくとも1つの光検出器54(例えば、IR検出器)によってアナログ電圧信号に変えられ、それは、増幅器65によって増幅され、フィルタ66によってフィルタリングされる。このアナログ信号は、A/D変換器67によってデジタル形態に変換され、CPU61によって受け取られ、(例えば、メモリ72内に)保存される。2つの波長に対応する測定データを受け取った後、CPU61は、メモリ72(例えば、電気的消去可能プログラム可能読取り専用メモリ、またはE2PROM)内に保存された較正パラメータを使用して計算される吸収レベルにより、物質(例えば、グルコース)の濃度を計算する。特定の実施形態のCPU61はまた、計算の結果をユーザに利用可能にするように、信号をディスプレイ70に伝送する。

0038

眼40内の物質が測定光ビーム32または基準光ビーム34の波長において無視できない吸収係数αλを有するという理由から、光ビーム32、34の吸収は、(αλχ)の指数関数に相関し、ただし、χは、眼40内の光路長である。したがって、吸収の大きさは、

0039

0040

に比例し、ただし、χは、吸収媒体を通る光路長であり、αλは、波長λにおいて測定されることになる物質(例えば、グルコース)の吸収係数である。

0041

特定の実施形態においては、眼40内の光路長が長いために、測定される物質(例えば、グルコース)が低い濃度であっても、吸収は大きいことがあり得る。光ビームが眼40を2回通過するという理由から、吸収媒体内の光学経路は長く、(αλχ)の指数関数に相関する吸収信号は、光ビームの逆反射部分を主に使用しない従来のシステムにおいてよりも、はるかに強いことになる。吸収媒体における長い光学経路を通って進む眼からの逆反射光を使用することによって、本明細書に説明する特定の実施形態は、有利には、以前に提案されたシステム全ての主な欠点を克服し、本質的には、優れた信号対雑音比を有する。特定の実施形態の装置10は、本明細書に説明するように、非常に単純であり、優れた信号対雑音比の理由から、信号の処理もまた、単純であり、安価である。

0042

本明細書に説明する特定の実施形態は、有利には、物質(例えば、グルコース)の濃度の測定に影響をもたらす可能性がある他のパラメータ(例えば、温度)の測定とともに、非侵襲的光学測定を使用して、被検体の血液中の物質の濃度の定量向上をもたらす。特定の実施形態においては、被検体の血液中の物質の濃度を決定する方法が、少なくとも1つの光ビームと、被検体の身体の一部との相互作用を測定するステップ、および少なくとも1つの光ビームと、被検体の身体の一部との相互作用を示す光学的に測定されたパラメータの値を計算するステップを含む。特定の実施形態の方法はさらに、被検体の身体の一部の温度に対応する1つまたは複数の温度指標パラメータの値を非侵襲的に測定するステップを含む。特定の実施形態の方法はさらに、光学的に測定されたパラメータおよび1つまたは複数の温度指標パラメータの、血液中の物質の濃度に対する実証的な相関関係にアクセスするステップを含む。特定の実施形態の方法はさらに、実証的な相関関係から血液中の物質の濃度を得るステップを含む。濃度は、光学的に測定されたパラメータの値と、1つまたは複数の温度指標パラメータの値とに対応する。

0043

図7は、水について、および水/グルコースの混合物についての透過測定の温度依存性のグラフである。図7の測定値は、様々な温度における(四角データ点として示す)蒸留水、または(丸いデータ点として示す)グルコースの知られている濃度(蒸留水1デシリットル中250ミリグラム)を有する蒸留水のいずれかを含む経路長略25ミリメートルのキュベットを通る波長1,160ナノメートルの光を透過することによって取られたものである。

0044

図7によって示されるように、測定される近赤外線透過率は、液体の変動温度により著しく変化する。蒸留水について、および水/グルコースの混合物についての測定データ点はともに、概して、線形関数と一致可能であり、実線図7に示している。これらの線形関数は、概して、摂氏略2度の温度によって、互いからオフセットされる。例えば、摂氏30度の温度における蒸留水による測定透過率は、摂氏32度の温度における水/グルコースの混合物による測定透過率とほぼ等しい。したがって、測定された近赤外線透過率だけでは、プローブされる素材のグルコース濃度を決定するには情報が十分でない。具体的には、10ミリグラム/デシリットルまたはそれを上回る公差に対して血液中のグルコース濃度を測定するために、温度は、有利には、摂氏0.05度またはそれを上回る精度で測定される。このような結果は、近赤外線光学測定(例えば、吸収、透過)を使用する際に、光によってプローブされる素材の温度について正確に明らかにすることの重要性を明確にして、素材中の物質(例えば、グルコース)の濃度を正確に決定する。

0045

被検体の身体の一部がプローブされる特定の実施形態においては、プローブされる部分の温度は、温度検出器(例えば、サーモカップルサーミスタ赤外線検出器(例えば、サーモパイル)、または、当業者に知られている任意の他のタイプの温度計)を使用して(例えば、非侵襲的、または侵襲的のいずれかで)直接的に測定される。特定の他の実施形態においては、プローブされる部分の温度は測定されないが、その代わり、プローブされる部分の温度を示すと思われる他のパラメータ(例えば、他の温度)の測定値が使用される。例えば、被検体の眼から行われた光学測定では、被検体の眼の温度は、所望の精度でグルコース濃度を決定するために有用であることが可能である。しかし、被検体の眼の温度の測定値を得るには現実的でない場合の特定の実施形態においては、代わりに被検体の体温および周囲温度が測定可能であり、光学測定の温度依存性について明らかにするために使用可能である。

0046

図8は、本明細書に説明する特定の実施形態による別の例示的な装置10を概略的に示している。この例示的な装置10は、被検体の眼から行われた光学的吸収測定とともに説明されるが、当業者は、本明細書に説明する特定の実施形態は、さらに、被検体の身体の他の部分から取られる他のタイプの近赤外線光学測定とともに使用可能であることを認識する。例えば、本明細書に説明する特定の実施形態により改良可能な他の近赤外線光学測定は、透過測定、反射測定、散乱測定、偏光測定、およびラマン測定を含むが、それらに限定されない。特定の実施形態においては、これらの測定は、眼の他に、皮膚、耳たぶ、指(皮膜、もしくは表皮)、唇、または頬を含むが、それらに限定されない被検体の身体の他の部分から取られる。

0047

特定の実施形態においては、装置10は、少なくとも1つの光源20、光学システム30、検出器システム50、少なくとも1つの温度検出器80、およびコンピューティングシステム60を備える。特定の実施形態の少なくとも1つの光源20(例えば、第1の光源21および第2の光源22)は、第1の波長を有する光と、第1の波長とは異なる第2の波長を有する光とを生成するように構成されている。本明細書に説明する少なくとも1つの光源20の様々な構成は、図8の例示的な装置10と適合する。

0048

特定の実施形態においては、光学システム30は、被検体の身体の一部に向かって、少なくとも1つの光ビームを方向付けるように構成されている。例えば、特定の実施形態の光学システム30は、第1の波長を有する光の少なくとも一部を、第1のパワーを有する測定光ビーム32として、被検体の眼40に向かって方向付けるように構成されており、測定光ビーム32の少なくとも一部は、被検体の網膜42から逆反射する。特定の実施形態の光学システム30はさらに、第2の波長を有する光の少なくとも一部を、第2のパワーを有する基準光ビーム34として、被検体の眼40に向かって方向付けるように構成されており、基準光ビーム34の少なくとも一部は、被検体の網膜42から逆反射する。特定の実施形態においては、測定光ビーム32は、ほぼ平行なビームであり、基準光ビーム34は、ほぼ平行なビームである。本明細書に説明する光学システム30の様々な構成は、図8の例示的な装置10と適合する。

0049

特定の実施形態においては、装置10はさらに、少なくとも1つの光ビームが、被検体の身体の部分と相互作用した後、少なくとも1つの光ビームの少なくとも一部を受け取るように、および少なくとも1つの対応する信号を生成するように構成されている検出器システム50を備える。例えば、特定の実施形態においては、検出器システム50は、測定光ビーム32の逆反射部分、および基準光ビーム34の逆反射部分を受け取るように構成されている。特定の実施形態の検出器システム50は、測定光ビーム32の受け取られた逆反射部分のパワーを示す第1の信号を生成することによって、測定光ビーム32の受け取られた逆反射部分に応答するように構成されている。特定の実施形態の検出器システム50は、基準光ビーム34の受け取られた逆反射部分のパワーを示す第2の信号を生成することによって、基準光ビーム34の受け取られた逆反射部分に応答するように構成されている。本明細書に説明する検出器システム50の様々な構成は、図8の例示的な装置10と適合する。

0050

特定の実施形態においては、装置10はさらに、被検体の身体の部分の温度に対応する1つまたは複数の温度指標パラメータの少なくとも1つの検出器を備え、その1つまたは複数の温度指標パラメータの測定値に対応する少なくとも1つの信号を生成するように構成されている。例えば、特定の実施形態においては、装置10は、被検体の体温および被検体の周囲温度のうちの少なくとも一方を測定するように構成されている少なくとも1つの温度検出器80を備える。少なくとも1つの温度検出器80はさらに、被検体の体温および被検体の周囲温度のうちの少なくとも一方を示す少なくとも1つの信号を生成するように構成されている。特定の実施形態においては、少なくとも1つの温度検出器80は、サーモカップル、サーミスタ、赤外線検出器(例えば、サーモパイル)、または、当業者に知られている別のタイプの温度計を備えることが可能である。特定の実施形態においては、少なくとも1つの温度検出器80は、摂氏0.05度またはそれを上回る精度で温度を測定する。

0051

特定の実施形態においては、少なくとも1つの温度検出器80は、被検体の体温および被検体の周囲温度の両方を測定するように構成されている。特定の実施形態においては、体温および周囲温度のうちの少なくとも一方の測定は、測定光ビーム32の逆反射部分のパワーを検出すること、または基準光ビーム34の逆反射部分を検出することと同時に行われる。特定の実施形態においては、体温および周囲温度のうちの少なくとも一方の測定は、測定光ビーム32の逆反射部分のパワーを検出すること、および基準光ビーム34の逆反射部分を検出することの両方と同時に行われる。

0052

本明細書に使用する限り、用語「体温」は、被検体の身体の少なくとも一部の温度を含むが、それに限定されないその最も広い合理的な意味を有する。例えば、特定の実施形態においては、体温は、被検体の口腔温度であっても、側頭動脈もしくは前額部の温度であっても、鼓膜温度であっても、耳たぶ温度であっても、指温度であっても、皮膚温度であっても、または腋窩温{えきかおん}度であってもよい。特定の実施形態においては、体温は、光学測定が行われる被検体の身体の同じ部分から測定される。特定の実施形態においては、体温は、光学測定が行われる被検体の身体の一部から間隔をおいた被検体の身体の部分から測定される。本明細書に使用する限り、用語「周囲温度」は、被検体に近接する、または概して被検体を囲む領域の温度を含むが、それに限定されないその最も広い合理的な意味を有する。例えば、特定の実施形態においては、周囲温度は、被検体が位置する部屋の室温であっても、装置10および被検体を含む領域内の温度であっても、または被検体の2メートルの範囲内の温度であってもよい。特定の実施形態の体温および周囲温度は、光学測定が行われている被検体の身体の部分の温度を示すパラメータである。したがって、特定の実施形態においては、体温および周囲温度は、光学測定が行われている被検体の身体(例えば、被検体の眼)の部分の温度についての代用として使用される。

0053

特定の実施形態においては、装置10はさらに、第1の信号、第2の信号、および少なくとも1つの信号を受け取るように構成されているコンピューティングシステム60を備える。例えば、コンピューティングシステム60は、第1の信号、第2の信号、および少なくとも1つの信号を受け取るように構成されている1つまたは複数の入力部を備える。特定の実施形態においては、コンピューティングシステム60の1つまたは複数の入力部はまた、被検体の眼40に入射する測定光ビーム32のパワーを示す信号を受け取るように、および被検体の眼40に入射する基準光ビーム34のパワーを示す信号を受け取るように構成されている。

0054

特定の実施形態のコンピューティングシステム60は、少なくとも1つの光ビームと、被検体の身体の部分との相互作用を示す光学的に測定されるパラメータの値を計算するように構成されている。例えば、特定の実施形態においては、コンピューティングシステム60は、第1のパワーと、測定光ビーム32の逆反射部分のパワーとの第1の比を計算するように、第2のパワーと、基準光ビーム34の逆反射部分のパワーとの第2の比を計算するように、第1の比と第2の比とによって決まるパラメータ(例えば、第1の比と第2の比との間の差、または第1の比の対数と第2の比の対数との間の差)を計算するように、および計算されたパラメータおよび少なくとも1つの信号に応答して、被検体の血液中の物質の濃度を決定するように構成されている電気回路を備える。本明細書に説明するコンピューティングシステム60の様々な構成は、図6の例示的な装置10と適合する。

0055

近赤外線波長を使用して、眼の中の物質の濃度を測定する場合、水、さらに場合によっては他の物質による吸収は、測定に影響をもたらす可能性がある。所望の濃度を決定するために、本明細書に説明する特定の実施形態は、有利には、他の素材、主には水による吸収から、対象の物質による吸収を分離する。本明細書に説明する特定の実施形態は、主には水、および対象の物質(例えば、グルコース)によって吸収される1つまたは複数の波長を有する光を使用する。本明細書に説明する特定の実施形態は、第2の物質が、対象の物質によって吸収される波長の領域に近い、またはその領域と同じ波長の領域内に吸収を有することになることを考慮に入れている。

0056

特定の実施形態においては、IO(λ)は、(例えば、検出器システム50によって測定される)被検体の眼40に入射する波長λを有する光ビームのパワーとして定義され、IR(λ)は、(例えば、検出器システム50よって測定される)被検体の眼から受け取られる波長λを有する逆反射光ビームのパワーとして定義される。逆反射パワーIR(λ)は、



と表されることが可能であり、ただし、Rは、測定時に逆反射パワーに影響を及ぼすパラメータ(例えば、波長λにおける網膜の反射率、瞳孔の大きさなど)を含む光学係数であり、α(λ,c)は、波長λおよび濃度cの関数としての物質(例えば、グルコース)の吸収係数であり、χは、物質を含む素材を通る光路長である。この関係を使用して、透過率Tλを

0057

0058

と表すことが可能である。

0059

物質(例えば、グルコース)の濃度に相関することになるパラメータを求めるために、水による吸収は、全吸収から分離される。波長λ1は、物質および水の両方によって吸収される光の波長として定義され、波長λ2は、水によって吸収されるが、物質によって吸収されない光の波長と定義される。これらの2つの波長における透過率は、

0060

0061

と表すことが可能であり、βは、水の吸収係数である。当業者は、他のベース(例えば、ベース10)の対数もまた、本明細書に説明する特定の実施形態と適合することを認識するであろう。

0062

パラメータTfは、方程式(3)および(4)の2つの波長における透過率間の差と定義され、

0063

0064

と表すことが可能であり、ただし、Δβ(λ1,λ2)=β(λ1)−λ(λ2)であり、それは一定である。

0065

方程式(5)を導き出す際に、パラメータln(R)は、波長λ1における透過率から、波長λ2における透過率を減算することによって消去された。この減算は、有利には、パラメータln(R)が、λ1およびλ2が互いに近い(例えば、0.2マイクロメートル未満だけ異なる)場合など、λ1からλ2の波長領域において安定している場合に行われる。特定の実施形態においては、値Δβ(λ1,λ2)は、少量の雑音を測定に有するために、(例えば、2つの波長を選択して、同様の水吸収係数を有することによって)小さくなるように選択される。

0066

特定の実施形態においては、パラメータTfは、入射光ビームと、逆反射光ビームとの測定されたパワーから、コンピューティングシステム60によって計算され、差Tf、および他の非侵襲的に測定されたパラメータ(例えば、体温、周囲温度)の、臨床的に認められた侵襲的測定に対する以前に得た相関関係にアクセスし、その相関関係を参照することによって、物質(例えば、グルコース)の濃度に相関している。特定の実施形態においては、被検体の血液中の物質の濃度の結果的に生じる決定値は、メモリ内に保存されるか、ディスプレイ上に表示されるか、またはその両方である。

0067

特定の実施形態においては、コンピューティングシステム60はさらに、光学的に測定されたパラメータおよび1つまたは複数の温度指標パラメータの、血液中の物質の濃度に対する実証的な相関関係にアクセスするように構成されている。例えば、特定の実施形態においては、コンピューティングシステム60は、人の身体(例えば、眼)から取られる同様の吸収測定値の、人の血液中の物質(例えば、グルコース)の濃度の実証的または臨床的な侵襲的測定値との1つまたは複数の以前に決定された(例えば、メモリ内に保存された)相関関係にアクセスする。

0068

特定の実施形態においては、コンピューティングシステム60はさらに、実証的な相関関係を使用して、被検体の血液中の物質の濃度を得るように構成されている。得られた濃度は、光学的に測定されたパラメータの値と、1つまたは複数の温度指標パラメータの値とに対応する。例えば、特定の実施形態においては、コンピューティングシステム60は、以前に決定された相関関係を使用して、被検体の身体(例えば、眼)から取られる吸収測定値を、被検体の血液中の対象の物質の濃度と同一なものと見なすか、または相関させる。特定のこのような実施形態においては、これらの計算はまた、他の非侵襲的に測定されたパラメータ(例えば、体温、周囲温度)の、実証的または臨床的な侵襲的測定値との以前に決定された相関関係を含み、被検体の身体から取られる吸収測定値とともに、これらの他の測定されたパラメータを使用して、被検体の血液中の対象の物質の濃度を決定する。本明細書に説明する特定の実施形態において使用可能な非侵襲的に測定される温度指標パラメータの他の例は、光学測定が行われている被検体の身体(例えば、眼)の部分に近い領域内の周囲湿度および空気流を含むが、それらに限定されない。

0069

特定の実施形態においては、相関関係の少なくとも一部が、人の血液中の物質の濃度を、光学的に測定されたパラメータ(例えば、差Tf)と、他の非侵襲的に測定されたパラメータ(例えば、体温、周囲温度)とに関連付けるルックアップテーブルの形態で、装置10のメモリ内に保存される。図9は、本明細書に説明する特定の実施形態による例示的な複数のパラメータのルックアップテーブルを概略的に示している。測定された体温、測定された周囲温度、および光学的に測定されたパラメータは、ルックアップテーブルによって示される3次元パラメータ空間内の位置に3つの座標をもたらす。この位置は、これらの3つの座標の値に対応する物質(例えば、グルコース)の濃度の以前に実証的に導き出された値を含む。図9は、3次元パラメータ空間を概略的に示しているが、特定の他の実施形態は、4次元以上のパラメータ空間を使用する。例えば、空気流は、特定の実施形態においては、測定された体温、測定された周囲温度、測定された空気流、および光学的に測定されたパラメータの値に対応する物質の濃度の値を含むパラメータ空間内の位置を特定するために使用される4つの座標として、使用可能である。

0070

特定の実施形態においては、相関関係の少なくとも一部が、人の血液中の物質の濃度を、差Tfと、他の非侵襲的に測定されたパラメータ(例えば、体温、周囲温度)との値に関連付ける1つまたは複数の式の形態で、装置10のメモリ内に保存される。例えば、特定の実施形態においては、相関関係は、物質の濃度の推定値をもたらす非侵襲的に測定されたパラメータの実証的値間に補間する複数の線形の式として保存可能である。

0071

特定の実施形態においては、相関関係は、研究グループメンバの血液中の物質の濃度の侵襲的測定値の、差Tfの非侵襲的な測定値および他の非侵襲的に測定されたパラメータ(例えば、体温、周囲温度)との以前に行われた研究の結果である実証的な相関関係である。例えば、侵襲的測定値は、研究グループのメンバから抽出された血液サンプルグルコース濃度測定値を含むことが可能であり、これらの侵襲的測定値は、差Tfの実質的に同時の非侵襲的な測定値と、研究グループのメンバから取られた他の非侵襲的に測定されたパラメータ(例えば、体温、周囲温度)と相関可能である。特定の実施形態においては、実証的研究は、濃度測定が行われることになる大集団の人を示すために選択される統計的に示すグループの人からの測定値を含む。特定の実施形態におけるそのグループの人は、様々な年齢、体重、および様々な身体状態の人(例えば、糖尿病の人、または糖尿病でない人)をともに含むことが可能である。特定の実施形態においては、実証的研究は、多種多様の状態の下、これらの人から行われる測定を含む。例えば、光学的に測定されたパラメータ、温度指標パラメータ(例えば、体温および周囲温度)、ならびに侵襲的に測定された濃度は、システムが使用されることが予測される周囲温度の領域(例えば、摂氏16度から摂氏36度)にわたって測定される。特定の実施形態においては、光学的に測定されたパラメータ、温度指標パラメータ、および侵襲的に測定された濃度は、侵襲的に測定された濃度の、光学的に測定された温度および温度指標パラメータとの相関関係が信頼性をもって得ることが可能な大きいデータベースをもたらすために、他の変数(例えば、一日の時間、食前および食後の間隔)の領域にわたって測定される。したがって、研究は、人の血液中の物質の、物質の濃度を示す光学的に測定されたパラメータ(例えば、差Tf)および他の非侵襲的に測定されたパラメータ(例えば、体温、周囲温度)の値との相関関係をもたらすために使用可能である。特定の実施形態においては、結果として生じた相関関係の少なくとも一部を含むルックアップテーブルが、コンピュータ可読媒体(例えば、読取り専用メモリ、ダイナミックランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブコンパクトディスクデジタルビデオディスク)内に保存可能である。特定の実施形態においては、結果として生じた相関関係の少なくとも一部を含む1つまたは複数の式は、コンピュータ可読媒体内に保存可能である。

0072

特定の実施形態におけるこれらの測定の結果は、平均的な個人を示す相関関係をもたらすように平均化される。特定の実施形態においては、グループからの値の確率分布は、十分に大きい標準偏差を有することが可能であり、個人によって著しい違いがあることを示す。特定のこのような実施形態においては、装置は、特定の被検体に個人的に較正可能であり、その人から、物質の濃度の光学的測定が行われることになる。例えば、特定の実施形態においては、被検体からの侵襲的な測定(例えば、血液飛沫グルコース測定)を使用して、物質の濃度の後続の非侵襲的な光学決定を較正する。特定の被検体からのこのような侵襲的な測定を使用して、(例えば、正規化係数を式に与えることによって、)被検体から得られた結果を平均的な相関関係に正規化することが可能である。例えば、平均的な個人から行われる予想測定が100mg/dlになるための条件の下で、被検体から行われたグルコース濃度の測定が120mg/dlの場合、係数1.2を使用して、被検体のグルコース濃度の後続の決定を正規化することが可能である。このようにして、特定の実施形態は、有利には、濃度の周期的な非侵襲的測定をもたらし、普通なら必要になる侵襲的な測定の数を抑える。

0073

特定の実施形態においては、使用される波長での吸収を有する追加の物質は、追加の波長での追加の測定を使用することによって、明らかにされ得る。これらの測定は、次いで、知られていない値を決定するために、前述したものと類似する追加の方程式とともに使用される。

0074

本発明を特定の実施形態に関して説明してきたが、当業者には明らかな他の実施形態もまた本発明の範囲内にあり、それらは、本明細書に記載した特徴および利点を全て提供しているとは限らない実施形態を含む。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって定められる。

0075

10 装置
20光源
21 光源
22 光源
23可動要素
24光学要素
25 光学要素
26広帯域光源
27 光学要素
28フィルタホイール
30光学システム
32測定光ビーム
34基準光ビーム
362色性コーティング層
37光学ガラス層
38ホログラフィックビームスプリッタ層
39カバーガラス層
40 被検体の眼
42 被検体の網膜
44焦点
50検出器システム
52 光学要素
54光検出器
56 光学要素
58 光検出器
60コンピューティングシステム
61 CPU
62増幅器
63 増幅器
64 増幅器
65 増幅器
66フィルタ
67 A/D変換器
68 スイッチ
69電源
70ディスプレイ
71 スイッチ
72メモリ
80 温度検出器

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