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技術 μ−オピエート受容体ペプチドの有利な塩

出願人 サイトジェルファーマリミテッドライアビリティカンパニー
発明者 メオネセオドアイー.
出願日 2008年12月15日 (12年7ヶ月経過) 出願番号 2010-538227
公開日 2011年3月17日 (10年4ヶ月経過) 公開番号 2011-508727
状態 特許登録済
技術分野 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 ペプチド又は蛋白質 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード 酸化不純物 放射管 塩化物含有率 AN値 減衰全反射法 データプロット 熱的事象 熱データ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2011年3月17日)のものです。
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図面 (20)

課題・解決手段

本発明は、μ-オピエート受容体ペプチドの有利な新しい塩を提供する。これらの塩は、その結晶構造、安定性溶解性不純物が無い点で優れた特性を有すること、および/またはこれらの有利な特性を伴って、治療用組成物を生成するために十分な量で生成できることが発見されている。

概要

背景

関連技術の説明
オピエート受容体に結合することによってオピエート様活性を示す多くのペプチド発見されている。3種類のオピエート受容体デルタ(δ)、カッパ(κ)およびミュー(μ)が発見されている。オピエートの主な推定機能は、疼痛緩和における役割である。オピエートが治療において使用するのに適している他の領域は、胃腸障害統合失調症肥満血圧痙攣、および発作に関する状態である。δ受容体およびκ受容体もまた無痛を媒介し得るが、μ受容体の活性化は無痛誘導の主要かつ最も有効な手段であり、モルヒネが作用する主要な機構である。

モルヒネおよび臨床上の有用性のある他の化合物は主にμ受容体で働くので、この部位に対して高い親和性および選択性を有するペプチドを有する薬学的組成物は極めて重要である。簡単で、効率的で、かつ経済的なやり方で、これらのペプチド組成物を生成することが望ましいと考えられる。

概要

本発明は、μ-オピエート受容体ペプチドの有利な新しい塩を提供する。これらの塩は、その結晶構造、安定性溶解性不純物が無い点で優れた特性を有すること、および/またはこれらの有利な特性を伴って、治療用組成物を生成するために十分な量で生成できることが発見されている。

目的

本発明は、μ(モルヒネ)オピエート受容体に高い親和性および選択性で結合するペプチド塩;有効量のペプチド塩を含有する薬学的調製物;ならびに有効量のペプチド塩を含有する、無痛法下痢などの胃腸障害からの軽減、および薬物依存療法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

ペプチドが、SEQID NO:1〜26より選択される配列を有し、塩が、マレイン酸塩塩酸塩乳酸塩、およびアスパラギン酸塩からなる群より選択される、ペプチド塩

請求項2

ペプチドがSEQID NO:13である、請求項1記載のペプチド塩。

請求項3

塩が塩酸塩である、請求項2のペプチド塩。

請求項4

ペプチドが、SEQID NO:1〜16より選択される配列を有し、塩が、マレイン酸塩、塩酸塩、乳酸塩、およびアスパラギン酸塩からなる群より選択される、ペプチド塩を含む薬学的組成物

請求項5

ペプチドがSEQID N0:13である、請求項4記載の薬学的組成物。

請求項6

塩が塩酸塩である、請求項5記載の薬学的組成物。

請求項7

μ-オピエート受容体活性によって調節される状態を治療する方法であって、このような治療を必要とする患者に、ペプチドが、SEQID NO:1〜26より選択される配列を有し、塩が、マレイン酸塩、塩酸塩、乳酸塩、およびアスパラギン酸塩からなる群より選択される、ペプチド塩を投与する工程を含む方法。

請求項8

ペプチドがSEQID N0:13である、請求項7記載の方法。

請求項9

塩が塩酸塩である、請求項8記載の方法。

請求項10

無痛法を提供するために、または胃腸障害、炎症、および薬物依存からなる群より選択される状態を治療するために用いられる、請求項7記載の方法。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本願は、2007年12月13日に出願された米国特許仮出願第61/007,617号の恩典を請求する。この仮出願は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。

0002

発明の分野
本発明は、μ(モルヒネ)オピエート受容体に高い親和性および選択性で結合するペプチド塩;有効量のペプチド塩を含有する薬学的調製物;ならびに有効量のペプチド塩を含有する、無痛法下痢などの胃腸障害からの軽減、および薬物依存療法を提供する方法に関する。

背景技術

0003

関連技術の説明
オピエート受容体に結合することによってオピエート様活性を示す多くのペプチド発見されている。3種類のオピエート受容体デルタ(δ)、カッパ(κ)およびミュー(μ)が発見されている。オピエートの主な推定機能は、疼痛緩和における役割である。オピエートが治療において使用するのに適している他の領域は、胃腸障害、統合失調症肥満血圧痙攣、および発作に関する状態である。δ受容体およびκ受容体もまた無痛を媒介し得るが、μ受容体の活性化は無痛誘導の主要かつ最も有効な手段であり、モルヒネが作用する主要な機構である。

0004

モルヒネおよび臨床上の有用性のある他の化合物は主にμ受容体で働くので、この部位に対して高い親和性および選択性を有するペプチドを有する薬学的組成物は極めて重要である。簡単で、効率的で、かつ経済的なやり方で、これらのペプチド組成物を生成することが望ましいと考えられる。

0005

簡単な概要
本発明は、μ-オピエート受容体ペプチドの有利な新しい塩を提供する。これらの塩は、その結晶構造、安定性溶解性不純物が無い点で優れた特性を有すること、および/またはこれらの有利な特性を伴って、治療用組成物を製造するために十分な量で生成できることが見出されている。

0006

本明細書において具体的に例示されるものは、μ-オピエート受容体ペプチドのアスパラギン酸塩マレイン酸塩乳酸塩、および塩酸塩である。特に好ましい態様において、本発明は、エンドモルフィンペプチドの塩酸塩を提供する。

0007

本発明に従って使用することができるペプチドは、一般式Tyr-X1-X2-X3を有する。式中、X1は、Pro、D-Lys、またはD-Ornであり、X2は、Trp、Phe、またはN-アルキル-Pheであり、アルキルは1〜約6個の炭素原子を含有し、X3は、Phe、Phe-NH2、D-Phe、D-Phe-NH2、またはp-Y-Pheであり、Yは、NO2、F、Cl、またはBrである。

0008

特定の有利な態様において、本発明は、環式エンドモルフィン-1ペプチド(本明細書ではCYT-1010と命名した)の塩酸塩を提供する。

0009

本発明は、これらの有利な塩を含む薬学的組成物をさらに提供する。

0010

本発明は、本明細書に記載の塩および組成物を利用する治療方法をさらに提供する。

0011

本発明は、本発明の塩を調製する方法をさらに提供する。

図面の簡単な説明

0012

CYT-1010遊離塩基ロットV05060N1のX線回折図を示す。
CYT-1010遊離塩基ロットV05060N1のDSC/TGAオーバーレイを示す。
CYT-1010遊離塩基ロットV05060N1のH-NMRスペクトルを示す。
CYT-1010遊離塩基ロットV05060N1のFTIRスペクトルを示す。
CYT-1010遊離塩基のDVS水分等温線(moisture isotherm)を示す。
一次スクリーニングアスパラギン酸塩のX線回折図を示す。
一次スクリーニングアスパラギン酸塩のDSC/TGAオーバーレイを示す。
一次スクリーニング塩酸塩のX線回折図を示す。
一次スクリーニング塩酸塩のDSC/TGAオーバーレイを示す。
一次スクリーニング乳酸塩のX線回折図を示す。
一次スクリーニング乳酸塩のDSC/TGAオーバーレイを示す。
一次スクリーニングマレイン酸塩のX線回折図を示す。
一次スクリーニングマレイン酸塩のDSC/TGAオーバーレイを示す。
アスパラギン酸塩:一次スクリーニング試料(青色トレース)、スケールアップ試料(黒色トレース)のX線回折図を示す。
スケールアップ試料アスパラギン酸塩のDSC/TGAサーモグラムを示す。
アスパラギン酸塩の一次スクリーニング試料(上トレース)およびスケールアップ試料(下トレース)のDSCオーバーレイを示す。
スケールアップ試料アスパラギン酸塩のH-NMRスペクトルを示す。
スケールアップしたアスパラギン酸塩のFTIRスペクトルを示す。
スケールアップしたアスパラギン酸塩のDVS水分等温線を示す。
塩酸塩:一次スクリーニング試料(黒色トレース)、スケールアップ試料(赤色トレース)のX線回折図を示す。
スケールアップ塩酸塩のDSC/TGAオーバーレイを示す。
塩酸塩の一次スクリーニング試料(下トレース)およびスケールアップ試料(上トレース)のDSCオーバーレイを示す。
スケールアップ試料塩酸塩のH-NMRスペクトルを示す。
スケールアップ塩酸塩のFTIRスペクトルを示す。
スケールアップ塩酸塩のDVS水分等温線を示す。
25℃/75%RH曝露の前後のCYT-1010 HClのTGAサーモグラム比較を示す。
CYT-1010 HCl(黒色)および水スラリー試料(青色トレース)のX線回折図を示す。
乳酸塩:一次スクリーニング試料(黒色トレース)、スケールアップ試料(赤色トレース)のX線回折図を示す。
乳酸塩スケールアップ試料のDSC/TGAオーバーレイを示す。
乳酸塩の一次スクリーニング試料(上トレース)およびスケールアップ試料(下トレース)のDSCオーバーレイを示す。
スケールアップした乳酸塩のH-NMRスペクトルを示す。
スケールアップした乳酸塩のFTIRスペクトルを示す。
スケールアップした乳酸塩のDVS水分等温線を示す。
マレイン酸塩:一次スクリーニング試料(黒色トレース)、スケールアップ試料(赤色トレース)のX線回折図を示す。
マレイン酸塩スケールアップ試料のDSC/TGAオーバーレイを示す。
マレイン酸塩の一次スクリーニング試料(上トレース)およびスケールアップ試料(下トレース)のDSCオーバーレイを示す。
マレイン酸塩のスケールアップ試料のH-NMRスペクトルを示す。
マレイン酸塩のスケールアップ試料のスペクトルを示す。
スケールアップしたマレイン酸塩のDVS水分等温線を示す。
4種類のスケールアップ塩の粒子形態を示す。
HCl塩のXRDデータを示す。
HCl塩のDSC/TGAデータを示す。
スケールアップ試料(上トレース)およびスモールスケール試料(下トレース)のDSC比較を示す。
アスパラギン酸塩のXRDデータを示す。
アスパラギン酸塩のDSC/TGAデータを示す。
DSCデータを示す。スケールアップしたアスパラギン酸(上トレース)、スモールスケール試料(下トレース)。

0013

配列の簡単な説明
SEQID NO:1は、本発明の有用なペプチドである。
SEQ ID NO:2は、本発明の有用なペプチドである。
SEQ ID NO:3は、本発明の有用なペプチドである。
SEQ ID NO:4は、本発明の有用なペプチドである。
SEQ ID NO:5は、本発明の有用なペプチドである。
SEQ ID NO:6は、本発明の有用なペプチドである。
SEQ ID NO:7は、本発明の有用なペプチドである。
SEQ ID NO:8は、本発明の有用なペプチドである。
SEQ ID NO:9は、本発明の有用なペプチドである。
SEQ ID NO:10は、本発明の有用なペプチドである。
SEQ ID NO:11は、本発明の有用なペプチドである。
SEQ ID NO:12は、本発明の有用なペプチドである。
SEQ ID NOS:13〜26は、本発明の有用なさらなるペプチドである。

0014

詳細な開示
本発明は、高い親和性、選択性、および効力でμ(モルヒネ)オピエート受容体に結合する有利なペプチド塩を提供する。

0015

有利なことに、本発明の塩は、結晶性、形態、熱特性化学量論吸湿性(hydroscopicity)、水溶性、および/または化学的安定性の点で優れた特性を有する。

0016

本発明はまた、有効量の1種類または複数の種類のペプチド塩を含有する薬学的調製物を提供する。本発明は、無痛法、下痢などの胃腸障害からの軽減、抗炎症治療、および薬物依存療法を提供する方法をさらに提供する。この方法は、このような治療を必要とする患者に、有効量の1種類または複数の種類の本発明のペプチド塩を含有する組成物を投与する工程を伴う。

0017

最初に、評価のために、環式エンドモルフィン-1ペプチド類似体の16種類の塩が選択された。これらは、15種類の一塩(monosalt)および1種類の半塩(hemisalt)を含んだ。これらの塩を50mgスケール特徴付けることによって、特に有利な4種類の塩:アスパラギン酸塩、塩酸塩、マレイン酸塩、および乳酸塩が特定された。

0018

塩酸塩は良好な結晶性を示した。イオンクロマトグラフィーに基づく塩酸塩の化学量論は理論値に近かった。この一塩は、5%を超えるRHで、安定した一水和物を形成するように見える。化学的安定性も優れているように見える。従って、特に好ましい態様において、本発明は、エンドモルフィン-1(およびその類似体)の塩酸塩ならびにこの塩を含有する薬学的組成物を提供する。

0019

ペプチド
本発明に従って使用することができるペプチドは、一般式Tyr-X1-X2-X3を有する。式中、X1は、Pro、D-Lys、またはD-Ornであり、X2は、Trp、Phe、またはN-アルキル-Pheであり、アルキルは1〜約6個の炭素原子を含有し、X3は、Phe、Phe-NH2、D-Phe、D-Phe-NH2、またはp-Y-Pheであり、Yは、NO2、F、Cl、またはBrである。本発明の好ましいペプチドの一部は、以下である。

0020

列挙した最後の14個のペプチドは、直線の一次アミノ酸配列がSEQID NO:13〜SEQ ID NO:26に示されている環式ペプチドである。こういった意味合いで、出願人は、米国特許第6.303,578号の全体を参照により本明細書に組み入れる。

0021

SEQID NO:1のペプチドは、μオピエート受容体に対して高度に選択的であり、かつ非常に抗力があり、δ受容体に対する結合は4000倍弱く、κ受容体に対する結合は15,000倍弱く、このために、副作用の可能性は小さい。

0022

本発明のペプチドは、適切な保護基およびカップリング剤を用いる従来の溶相法(Bodansky, M., Peptide Chemistry: A Practical Textbook, 2nd Edition, Springer-Verlag, New York (1993)または固相法(Stewart, J.M.; Young. J.D. Solid Phase Peptide Synthesis, 2nd edition, Pierce Chemical Company, 1984)によって調製することができる。次いで、特定の保護基または全ての保護基を除去するために、固相合成が適用された場合の樹脂の分離を含めて、適切な脱保護法を使用することができる。

0023

直鎖ペプチド環化は、例えば、ペプチドの位置2にあるProを適切なジアミノカルボン酸置換し、2位置側鎖アミノとC末端カルボキシ官能基環化反応することによって行うことができる。環化反応は、ジフェニルホスホリルアジド法を用いて行うことができる(Schmidt, R.. Neuhert, K., Int. J. Pept. Protein Res. 37:502-507, 1991)。

0024

固相合成を用いて合成したペプチドは、適切な酸化防止剤およびスカベンジャーの存在下で、液体フッ化水素(HF)を用いて樹脂から分離することができる。

0025

この反応において用いられる反応物の量、ならびに反応を促進し、効率的に完了させるのに必要な条件は、反応条件の違いおよび反応物の特性に応じて大きく異なる場合がある。

0026

望ましい生成物は、結晶化、電気泳動、抽出、クロマトグラフィー、または他の手段によって反応混合物から単離することができる。しかしながら、好ましい単離方法HPLCである。粗ペプチドは全て調製用HPLCによって精製することができ、ペプチドの純度分析用HPLCによってチェックすることができる。HPLCを用いて、95%超の純度の合成された化合物を得ることができる。

0027

本明細書において具体的に例示される好ましい態様において、ペプチドは、SEQID NO:13(環式エンドモルフィン-1ペプチド)として示し、以下の構造:

を有するペプチドである。

0028

薬学的組成物
本発明はまた、薬学的に有効な量の本発明のペプチド塩および薬学的に許容される担体または佐剤を含有する薬学的調製物を提供する。担体は、外用経腸用途、または非経口用途に適した、有機担体でも無機担体でもよい。

0029

本発明のペプチド塩は、例えば、錠剤ペレットカプセルリポソーム坐剤鼻腔スプレー溶剤エマルジョン懸濁剤エアゾール剤、標的化学送達系のための通常の、無毒の、薬学的に許容される担体(Prokai-Tatrai. K.; Prokai, L; Bodor, N., J. Med. Chem. 39:4775-4782, 1991)、および使用に適した他の任意の形態と共に調合することができる。使用することができる担体は、水、グルコースラクトースアラビアゴムゼラチンマンニトールデンプンのり、三ケイ酸マグネシウムタルクトウモロコシデンプンケラチンコロイドシリカバレイショデンプン尿素、および固体半固体、液体、またはエアゾールの形をした、調製物の製造において使用するのに適した他の任意の担体であり、さらに、補助剤安定化剤増粘剤および着色剤、ならびに香料が用いられてもよい。

0030

治療方法
本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物などの患者において、無痛法、下痢などの胃腸障害からの軽減、および薬物依存療法を提供する方法を提供する。この方法は、有効量の本発明のペプチドまたはその塩を患者に投与する工程を含む。下痢は、感染症コレラ、または癌療法に用いられる薬物もしくは療法を含む、様々な薬物もしくは療法の作用もしくは副作用などの多数の原因によって引き起こされ得る。本発明のペプチド塩をヒトに適用するために、非経口投与または経腸投与によって本発明のペプチド塩を投与することが好ましい。

0031

本発明のペプチド塩はまた、抗炎症治療を提供するのに使用することもできる。こういった意味合いで、出願人は、U.S.2004/0266805の全体を参照により本明細書に組み入れる。

0032

有効量のペプチドの投与は、治療しようとする患者一人一人年齢および状態によって異なり、また、これらに依存する。しかしながら、適切な単位投与量は約0.01〜約100mgであり得る。例えば、単位用量は約0.2mg〜約50mgであり得る。このような単位用量は、1日に複数回、例えば、1日2回または1日3回投与されてもよい。

0033

実験方法
形態
偏光可視光源を備えるZeiss Universal顕微鏡を用いて、試料の光学的特性を評価した。典型的には、標本顕微鏡スライドの上に乗せた。倍率は典型的には125Xであった。粒子/結晶のサイズおよび形状の観察を記録した。複屈折の存在も書き留めた。

0034

化学量論
1H-NMR。試料は、3〜7mgを、0.05%(v/v)テトラメチルシラン(TMS)を含むジメチルスルホキシド(DMSO)-d6に溶解することによって調製した。スペクトルは、Varian Gemini 300MHz FT-NMR分光計によって周囲温度収集した。

0035

化学量論
イオンクロマトグラフィー。標準溶液は、一般的に5〜50μg/mLの範囲で調製した。試料を溶解し、アスパラギン酸分析の場合には、AminiPac PA 10カラムマレイン酸塩酸、および乳酸の場合には、AS4A-SC/AG4A-SCカラムを備えるDionex DX-600イオンクロマトグラフ伝導率検出器を用いて分析した。

0036

溶解性
選択された一次スクリーニング塩の溶解性は、視覚による技法によって、周囲温度で、pH7の水性緩衝液に溶解して求めた。スケールアップ塩の溶解性は、pH4.7および10の水性緩衝液に溶解して、視覚による技法と、同じクロマトグラフィー条件(HPLC分析セクションを参照されたい)と安定性試料を用いたHPLC分析によって視覚的に求めた。

0037

示差走査熱量測定(DSC)による熱特性
DSCデータは、TA Instruments 2910 DSCによって収集した。一般的に、質量が1〜10mgの試料をアルミニウム試料容器圧着し、50mL/minの窒素パージを用いて、10℃/minuteで25℃〜融解温度を過ぎるまでスキャンした。

0038

熱重量分析(TGA)による熱特性
TGAデータは、TA Instruments 2950 TGAによって収集した。一般的に、質量が5〜15mgの試料を、蓋のない、予め風袋を量った白金試料容器に入れ、窒素パージを用いて、10℃/minuteで25℃〜約300℃でスキャンした。

0039

ホットステージ顕微鏡(HSM)による光学
偏光可視光源およびMettlerホットステージアクセサリーを備えるZeiss Universal顕微鏡を用いて、CYT-1010遊離塩基を分析した。試料を顕微鏡スライドの上に乗せ、浸漬油を滴下し、カバーガラスを被せた。倍率は400Xであった。試料を、3℃/minuteまたは10℃/minuteで、25℃〜約300℃まで加熱した。相変化再結晶、泡の発生などの観察を記録した。

0040

X線粉末回折(XRD)による結晶性
回折パターンは、XYZステージ位置決め用レーザービデオ顕微鏡、およびHiStar面検出器(area detector)を備えるBruker D8 Discovery回折計を用いて収集した。収集時間は室温で120秒であった。Cu Kα 1.5406Å放射管(radiation tube)を40kVおよび40mAで操作した。X線光学装置は、0.5mmのピンホールコリメータと連結したGobel mirrorからなる。シータシータ連続スキャンを、d 15cmの試料-検出器距離で用いた。これにより、4〜40°の有効20範囲が得られる。試料を、低バックグラウンド石英プレート(直径9mm、深さ0.2mmの空洞)にはめ込んだ。

0041

赤外線分光法(FTIR)
赤外線スペクトルは、Harrick Splitpera(商標)減衰全反射法(attenuated total reflectance)装置を備えるNicolet 510 M-Oフーリエ変換赤外分光計を用いて得た。4000〜400cm-1から、4cm-1の分解能でスペクトルを入手し、それぞれの分析について128のスキャンを収集した。

0042

溶液安定性
4種類の最終塩候補を(全く同じものを2つ)、溶媒1mlあたり0.3mg(遊離塩基ベース)の濃度で、0.1%TFAを含むアセトニトリル:水:(90:10)に溶解した。シンチレーションバイアル密封した。それぞれの塩溶液の1つのバイアルを、2週間にわたって、40(商標)Cに入れた。それぞれの塩溶液のもう1つのバイアルを25℃で2週間保管した。これらの溶液(および「時間0」溶液)のCYT-1010をHPLCによって分析した。

0043

固体状態安定性
4種類の最終塩候補の粉末試料をシンチレーションバイアルに移し(全く同じものを2つ)、密封した。それぞれの塩の1つのバイアルを、2週間、60℃に入れた。それぞれの塩のもう1つのバイアルを25℃で2週間保管した。これらの試料(および「時間0」溶液)のCYT-1010をHPLCによって分析した。

0044

光安定性
4種類の最終塩候補の試料を結晶皿に移し(全く同じものを2つ)、サラン(登録商標)ラップで密封した。それぞれの塩の1つの皿には、(暗所対照として)アルミニウム箔も覆った。それぞれの塩のもう1つの皿には、(光曝露試料として)アルミニウム箔を覆わなかった。約25℃での光に対する安定性を調べるために、試料を、ICHに準拠したオプションである2つのUV源に曝露した。比較のために、暗所対照および時間0試料も分析した。試料のCYT-1010をHPLCによって分析した。

0045

酸化安定性
25℃での酸化に対する安定性を調べるために、4種類の最終塩候補の試料を純酸素雰囲気に2週間、曝露した。HPLCによる不純物プロファイルトータルエリアノーマリゼーション(total area normalization)によって、試料のCYT-1010を分析した。

0046

HPLC分析
塩候補をトータルエリアノーマリゼーション(TAN)によって分析した。試料を、0.3mg/mLの遊離塩基濃度で、0.1%TFAを含むアセトニトリル:水(90:10)に溶解した。

0047

HPLC条件
HPLCカラム: YMC-PackODS-A 150mm、4.6mm、5ミクロン
ガードカラム(任意) なし
カラム温度: 25±1℃
試料温度:周囲温度
オートサンプラーフラッシュ: 1:1の水:CAN
流速: 1.5mL/min
注入体積: 7μL
UV検出: 215nm
実行時間: 32分
分析時間: 32分
移動相: A-0.1%TFAを含む水
B-0.1%TFAを含むCAN
Gradient Puymプログラム*:

0048

動的水蒸気吸着測定装置(Dynamic Vapor Sorption) (DVS)(Surface Measurement Systems Ltd., Allentown. PAにより実施)
試料を、0〜95%相対湿度の自動動的水蒸気吸着分析器に入れて流し、5%RH段階で25℃で0%の相対湿度に戻した。分析の前に、試料を、(一定の質量になるまで)乾燥窒素流の下で予め乾燥させた。重量は湿度関数として変化し、水分等温線および水の吸着および脱離のキネティックプロットを作成するために、時間を記録した。試料の質量は一般的に1〜5mgであった。

0049

本明細書において言及または引用された全ての特許、特許出願、仮出願、および刊行物は、本明細書の明白な開示と一致しない程度まで、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。

0050

以下は、本発明を実施するための手順を例示する実施例である。これらの実施例は限定するものと解釈してはならない。特別の定めのない限り、全てのパーセント重量パーセントであり、全ての溶媒混合物比は体積比である。

0051

実施例1-初回評価
詳細な選択のために、15種類の酸を選択した。本研究に用いられる酸を表1に示した。

0052

(表1)

0053

最初に、塩を約50mgスケールで調製した。遊離塩基をメタノールに懸濁した。アスパラギン酸および粘液酸を除く全ての酸が水に溶解した。遊離塩基および酸溶液等モル部分を混合して、一塩を形成した。モル部分の遊離塩基および半モルの酸溶液を混合して、半塩を形成した。アスパラギン酸および粘液酸は水不溶性であるので、乾燥粉末として添加した。塩酸、硫酸、マレイン酸、リン酸酒石酸、およびクエン酸を添加した後に、遊離塩基懸濁液は透明になり、次いで、これを周囲温度でマグネチックスターラー(stirplate)上で攪拌しながら蒸発させた。蓋をして、残っている濁った塩調製物を約2日間、反応が起こるように攪拌し、次いで、周囲温度でマグネチックスターラー上で攪拌しながら同じように蒸発させた。塩を40℃で真空乾燥させた。

0054

遊離塩基の15種類の塩を調製し、熱特性および結晶性について評価した。様々な塩形態を表2に示した。

0055

(表2)評価した塩形態

0056

実施例2-遊離塩基の特徴付け
図1に示したように、XRD分析から遊離塩基は結晶性であることが分かった。DSCおよびTGAサーモグラムのオーバーレイは図2に見られる。DSCサーモグラムは複数の熱的事象を示した:開始温度256.2℃およびエンタルピー(entalphy)値ΔH=20J/gで、小さな吸熱があり、その直後に、小さな発熱があった。第2の吸熱ピークは、開始温度286.3℃およびエンタルピー値95.7J/gの鋭いピークであった。TGAサーモグラムは、2.9wt%の揮発性物質のために重量減少(25℃〜150℃)を示した。

0057

ホットステージ顕微鏡分析から、遊離塩基の粒子は不規則な形をしており、板状であり、複屈折しているように見えないことが分かった。試料の融解は約288℃までに完了した。他の熱的事象は認められなかった。

0058

遊離塩基のH-MHRおよびFTIRスペクトルを、それぞれ、図3および図4に示した。

0059

遊離塩基のDVS分析から、90%RHまでに、1.7wt%まで非化学量論的に水が取り込まれたことが分かった(図5)。

0060

遊離塩基の安定性データは、熱、光、または酸素への曝露によってHPLC-TAN値の大きな変化を示さなかった(表6〜9)。

0061

実施例3-一次塩の特徴付け
15種類の一塩および1種類の半塩を調製し、粉末X線回折によって分析した。DSC分析およびTGA分析を用いて、一次塩の熱的挙動を研究した。分析結果を表3にまとめた。表から分かるように、結晶性の塩もあれば、低次元または不定形の塩もあった。一部の塩の結晶性は、水に溶解して約1週間スラリーにすることによって改善した。一部の塩の熱的挙動は複雑であり、複数の熱的事象が加熱の際に観察された。一部の塩については、脱水および/または脱溶媒和による吸熱も認められた。

0062

(表3)選択された塩の結晶性および熱データ

0063

溶解性
一次スクリーニングから選択された塩の溶解性を確かめた。溶解性は、周囲温度でpH7.0の水性緩衝液に溶解して測定した。溶解性の測定結果を表4に示した。全ての塩について、0.05mg/mlの濃度でさえ、溶液は依然として濁っていた。このことは、全ての塩の溶解性は<0.05mg/mLであることを示している。乳酸塩、マレイン酸塩(malate)、およびアスパラギン酸塩の溶液は、他の溶液より曇り/濁りが少ないように見えた。このことは、これらの溶解性は他の形態よりわずかに大きい可能性があることを示唆している。

0064

(表4)pH7.0の水性緩衝液での一次塩の視覚による溶解性

0065

一次塩の評価を表5にまとめた。この評価によって、さらなる評価のために4種類の塩:アスパラギン酸塩、塩酸塩、乳酸塩、およびマレイン酸塩を選択することが可能になった。

0066

(表5)一次塩のスクリーニングの塩形態のまとめ

0067

塩スクリーニングのスケールアップ
一次塩スクリーニングの結果に基づいて、400mgスケールにスケールアップするために、4種類の一塩:アスパラギン酸塩、塩酸塩、乳酸塩、およびマレイン酸塩を選択した。スケールアップのために、一次塩の評価と同じ調製手順を使用した。

0068

4種類の最も有望な塩形態の特徴を以下で説明する。

0069

アスパラギン酸塩
この物質は白色の結晶性固体であった。バッチのX線回折パターンを図6に示した。DSCサーモグラムは、約270℃の外挿された開始温度で融解吸熱を示した。これは、分解と共に融解するように見える。TGAによる総揮発性物質は、25〜150℃の温度範囲で1.4wt%であった。DSC/TGAオーバーレイプロットを図7に示した。

0070

塩酸塩
単離された塩酸塩は白色の結晶性固体であった。バッチのX線回折パターンを図8に示した。この物質は、開始温度230℃の小さな(8J/g)吸熱および開始282.7℃の主な吸熱を示した(DSC/TGAオーバーレイを図9に示した)。150℃でTGAを用いて観察された重量減少は2.9wt%であった。

0071

乳酸塩
乳酸塩のXRDパターンを図10に示した。乳酸塩はアスパラギン酸塩または塩酸塩より結晶性が低かった。乳酸塩は白色の固体であった。DSCサーモグラムから、開始温度234℃およびエンタルピー値116J/gのたった一つの融解吸熱しか明らかにならなかった。図11に示したように、この試料はTGAにより150℃で約2.9wt%を失った。

0072

マレイン酸塩
マレイン酸塩は、わずかに他色をおびた白色の結晶性固体であった。XRDパターンを図12に示した。DSCサーモグラムには、開始温度236.7℃および融解熱93.9J/gの吸熱があった。TGAサーモグラムは150℃で2.3wt%の重量減少を示したが、試料は、約150℃で質量を失い始めた。DSC/TGAサーモグラムオーバーレイプロットを図13に示した。

0073

実施例4-スケールアップ塩の特徴付け
初回評価の後に、さらなる評価のために、さらなる量の4種類の塩(アスパラギン酸塩、塩酸塩、乳酸塩、およびマレイン酸塩)を調製した。さらなる試験を容易にし、固体の特徴に再現性があるかどうか確かめるために、これらの塩を約400mgまでスケールアップした。スケールアップ分析の結果を以下にまとめた。

0074

アスパラギン酸塩
スケールアップバッチにおいて生成された物質を、XRD、DSC、TGA、H-NMR、およびFTIRによって分析した。

0075

スケールアップしたアスパラギン酸塩(黒色トレース)とスモールスケールバッチ(青色)のXRDオーバーレイを図14に示した。スケールアップしたアスパラギン酸塩のDSC/TGAデータを図15に示した。図16は、スモールスケール試料とスケールアップ試料のDSCオーバーレイプロットを示す。スケールアップ試料は、結晶性を改善するために水中でさらに熟成したにもかかわらず、スモールスケール試料より結晶性が低いように見える。DSCサーモグラムは、スモールスケール試料より早く融解が開始してたった一つの融解を示す。これは、おそらく、結晶性が小さいためである。試料には1.7wt%の揮発性物質があった。

0076

イオンクロマトグラフィーによって求められたアスパラギン酸塩の含有率は約13.5wt%であり、一塩の理論値(17.6wt%)よりいくらか少なかった。これは、試料の小さな結晶性の一因となった可能性がある。

0077

アスパラギン酸塩のプロトンFT-NRMスペクトルを収集し、図17に示した。アスパラギン酸塩(aspirate)の脂肪族ピークはCYT-1010脂肪族ピークと重複し、その結果、NMRによってモル比を求めることができなかった。

0078

スケールアップしたアスパラギン酸塩のFTIRスペクトルを図18に示した。

0079

スケールアップしたアスパラギン酸塩のDVS分析を行った。アスパラギン酸塩は半水和物を形成し、次いで、さらに高い湿度で一水和物を形成し得る。水分吸着等温線およびキネティックデータプロットを図19に示した。等温線プロットの形状から、水和物が形成するかどうかをはっきり言うのは難しい。

0080

pH4、pH7、pH10での水溶性の結果を表10に示した。

0081

塩酸塩
塩酸塩のスケールアップ試料は、初回評価と同じXRDパターンを示した(図20にある2つの試料のXRDプロットオーバーレイを参照されたい)。両バッチの熱的挙動も似ていた。スケールアップ試料のDSC/TGAサーモグラムは図21にあり、一次試料およびスケールアップ試料のDSCサーモグラムの比較は図22にある。この物質は、開始温度231.3℃の小さな(10.2J/g)吸熱および開始285.9℃の主な吸熱を示した。試料は、150℃で2.6wt%の揮発性物質を失った。

0082

塩酸塩のホットステージ顕微鏡は、約280℃で観察された融解まで粒子形態の変化を明らかにしなかった。泡の発生が108℃で認められ、230℃で再度認められた。

0083

プロトン(promoton)NMRスペクトル(図23)から、塩の化学量論は約1:1であることが示唆される。スケールアップ塩酸塩のFTIRスペクトルを図24に示した。

0084

ICを用いて、スケールアップ塩の塩化物含有率を評価した。ICから、塩化物含有率は5.2wt%であることが分かった(理論値5.5wt%)。

0085

DVS分析から、5%RHで可逆的に水和物が形成することが示唆された(図25)。約2.5wt%の水取り込みを考慮すると、これは一水和物形態を意味している(理論値2.7wt%水)。

0086

HCl試料を25℃および75%RHで1週間、保管し、次いで、再量した。重量増加は観察されなかった。試料を湿度に曝露した後に、熱プロファイルをチェックするために、曝露された試料をTGAによって分析した。これは、水分による、さらなる重量減少を全く示さなかった。湿度曝露前後のTGAサーモグラムの比較を図26に示した。

0087

過剰なHCl塩を水に溶解して攪拌プレート上で約1週間攪拌することによって、塩酸塩を水に溶解してスラリーにした。構造変化をチェックするために、スラリーを濾過し、湿ったケークをXRDによって分析した。スラリー前後の試料のXRDパターンは本質的に同じであった(図27)。このことから、XRDパターンは、おそらく、この物質の一水和物形態を示していることが示唆される。

0088

塩酸塩の安定性データは以下で説明する。

0089

pH4、pH7、およびpH10での水溶性の結果を表10に示した。

0090

乳酸塩
乳酸塩のスケールアップ試料は結晶性であり、初回評価と同じXRDパターンを有した。熱プロファイルも似ていた(図28にある2つの試料のXRDプロットオーバーレイおよび図29にあるスケールアップ試料のDSC/TGAデータを参照されたい)。スケールアップ試料のDSCサーモグラムには、開始温度約237.5℃およびエンタルピー値143J/gの融解吸熱があった。TGAによる総揮発性物質は、150℃で1.7wt%であった。一次試料およびスケールアップ試料のDSCサーモグラムの比較を図30に示した。

0091

一塩の化学量論を、イオンクロマトグラフィー(IC)を用いて評価した。試料は、予想された理論結果(12.6wt%)より少ない約9.8wt%の乳酸を含有していた。乳酸が少なかった理由を確かめるために、塩の調製に使用した乳酸溶液(Fisher,アッセイ88.3%)をICによって分析した。88.3wt%のラベル表示とは対照的に、アッセイ値は76.8wt%しかないことが確かめられた。

0092

スケールアップした乳酸塩のMNRおよびFTIRスペクトルは、それぞれ、図31および図32にある。約4.0ppmのメチンピークは1.23に積分された。これは、モル比が約1:1(一塩)であることを示している。

0093

DVS分析から、0〜70%RHの範囲で、非化学量論的に1〜3wt%の水が取り込まれ、90%RHまでに6wt%までの水が取り込まれたことが分かった(図33)。曲線の形状が平らなために、この取り込みが水和物形成を表しているのかどうかを推論することができなかった。

0094

pH4、pH7、およびpH10での水溶性の結果を表10に示した。

0095

マレイン酸塩
マレイン酸塩のスケールアップ試料は結晶性であった。一次スクリーニングおよびスケールアップマレイン酸塩のXRDパターンは、図34に見られるように非常に似ていた。

0096

DSCサーモグラムは初回評価と同じ熱的挙動を示した。125℃で観察された重量減少は約2wt%であった。さらに乾燥させた後の、揮発物質含有率は1.5wt%であった。スケールアップしたマレイン酸塩のDSC/TGAオーバーレイプロットを図35に示した。一次試料およびスケールアップ試料のDSCサーモグラムの比較を図36に示した。サーモグラムは良好な同時再現性を示す。

0097

一塩の化学量論を、イオンクロマトグラフィー(IC)を用いて評価した。試料は、15.7wt%の理論値に近い約14.0wt%のマレイン酸を含有していた。

0098

マレイン酸塩のH-NMRスペクトルを図37に示した。スケールアップしたマレイン酸塩のFTIRスペクトルは図38にある。

0099

DVS分析(図39)から、0〜95%RHの範囲にわたって、非化学量論的に約3.5wt%の水が取り込まれたことが分かった。水和物が形成したかどうかは、このデータからは全く推論することができなかった。

0100

pH4、pH7、およびpH10での水溶性の結果を表10に示した。

0101

実施例5-スケールアップ塩の安定性
不純物プロファイルを確かめるために、スケールアップしたアスパラギン酸塩、塩酸塩、乳酸塩、およびマレイン酸塩を遊離塩基と一緒に、全く同じものを2回、トータルエリアノーマリゼーション(TAN)によって分析した。これらの塩形態が異なる化学的安定性の特徴を示すかどうか確かめるために、熱、光、および純酸素雰囲気を用いて、固体状態でストレスを加えた。溶解状態でも熱を用いて塩にストレスを加えた。

0102

0.3mg/mLの遊離塩基濃度で試料を調製した。全ての試料調製物の希釈剤は、0.1%TFAを含む90:10アセトニトリル(acetronitrile):水であった。分析前に少なくとも5分間、全ての溶液を超音波処理した。分析は4日にわたって行った。以下の表に示したように、遊離塩基の不純物プロファイルは、この期間にわたって一致していた。

1不純物プロファイルは、WI遊離塩基注入の最初の3回の注入の平均である。

0103

溶液安定性
溶液安定性の特徴は、密封バイアルの中に、2週間、約25℃および40℃で保管した溶液のHPLCデータを収集することによって評価した。保管溶液は、HPLCアッセイの希釈剤である、0.1%TFAを含む90:10アセトニトリル:水からなった。表6は、これらの実験のHPLC分析結果をまとめたものである。

0104

(表6)溶液安定性の結果

0105

遊離塩基および4種類の塩のうちの3つ、L-アスパラギン酸塩、乳酸塩、および塩酸塩の溶液安定性データは、25℃で、0.6〜0.7の面積%減少を示した。これらの化合物は、40℃で、ほぼ同じ面積パーセント減少を示した。この挙動は、これらの化合物の変化が希釈剤への曝露によるものであり、熱によるものではないことを示唆している。他方で、マレイン酸塩は25℃で0.5面積%の増加を示し、40℃では、さらに0.5面積%の増加を示した。

0106

固体状態安定性
固体状態安定性の特徴は、密封バイアルの中に、2週間、約25℃および60℃で保管した塩試料のHPLCデータを収集することによって評価した。HPLC分析の結果を表7にまとめた。

0107

(表7)固体状態安定性の結果

0108

L-アスパラギン酸塩(asparate)およびマレイン酸塩の熱安定性データは、25℃で曝露されても大きなアッセイ値変化を示さなかった。乳酸塩および塩酸塩のみが0.2面積%の減少と、わずかに減少したのに対して、遊離塩基は25℃で0.4面積%減少した。60℃では、塩酸塩の面積%はこれ以上減少しなかった。25℃データと比較して、60℃では遊離塩基の面積%はわずかに減少し、乳酸塩は0.5面積%減少した。マレイン酸塩は7.1面積%と大幅に減少した。

0109

光安定性
約25℃での光に対する安定性を調べるために、4種類の塩候補の試料を、ICHに準拠したオプションである2つのUV源に曝露した。比較のために、暗所対照も分析した。表8は、光安定性試料に対するHPLCデータの結果をまとめたものである。

0110

(表8)光安定性ストレスの結果

0111

4種類の塩のうち2種類の光安定性データは、曝露によってアッセイ値の大きな変化を示さなかった。乳酸塩の面積%は、時間0から曝露まで0.6面積%の減少と最大の変化を示したのに対して、遊離塩基およびL-アスパラギン酸塩は両方とも時間0から曝露まで0.3面積%の減少を示した。

0112

酸化安定性
25℃での酸化に対する安定性を調べるために、4種類の塩の試料を純酸素雰囲気に曝露した。表9は、光安定性に対するHPLCデータの結果をまとめたものである。

0113

(表9)酸化安定性の結果

0114

遊離塩基の酸化安定性データは、1.5面積%の減少で最大変化した。4種類の塩は0.3〜0.4面積%の減少を示した。

0115

実施例6-スケールアップ塩の溶解性
溶解性を、pH4緩衝液(フタル酸水素カリウム緩衝液0.05モル濃度)、pH7緩衝液(リン酸二水素カリウム-水酸化ナトリウム緩衝液0.05モル濃度)、およびpH10緩衝液(炭酸カリウム-水酸化カリウム緩衝液0.05モル濃度)に溶解して、周囲温度で測定した。2つのアプローチを試みた。視覚による技法およびHPLC分析を用いて、溶解性を確かめた。

0116

視覚による技法によって、4種類全ての塩および遊離塩基をpH4、pH7、およびpH10の緩衝液に溶解した溶解性は、0.05mg/ml未満であった。

0117

HPLCによって溶解性を確かめた結果を表10に示した。密封バイアルの中に、約1週間、25℃、pH4、pH7、およびpH10で保管した溶液について、HPLCデータを収集した。HPLC分析の前に、Teflon 0.45マイクロフィルターを用いて、これらの溶液の一部を濾過した。0.12〜0.003mg/mlの6点較正曲線を用いて、結果を較正した。注入体積が10μLに増えた以外は以前に列挙したように、同じHPLC条件を使用した。

0118

(表10)水性緩衝液中での塩の溶解性

0119

pHが高くなると溶解性が大きくなる点で、5種類全ての化合物の溶解挙動は類似していた。

0120

実施例7-HPLC不純物プロファイル
時間0
観察の中には、遊離塩基および塩試料のHPLC不純物プロファイルに関するものもあった。最初に、遊離塩基および4種類全ての塩の時間0試料調製物において、0.89、0.92、1.02、および1.03RRT(相対保持時間)で不純物が検出された。これらの4種類の不純物のうち最も大きいものは、5種類全ての化合物において、0.4〜0.5面積%の1.02 RRT不純物である。マレイン酸塩には、時間0の1.14 RRTにも比較的大きな不純物ピーク(2.7面積%)がある。従って、マレイン酸塩の面積%純度は96面積%と比較的小さい。時間0不純物プロファイルデータを表11に示した。

0121

(表11)時間0での不純物プロファイル

0122

実施例8-安定性
溶液安定性
遊離塩基および4種類の塩のうちの3種類、L-アスパラギン酸塩、乳酸塩、および塩酸塩の溶液安定性データは、25℃および60℃で、0.6〜0.7面積%の減少を示した。マレイン酸塩を含む全ての安定性溶液において、大きさが0.5〜0.6面積%の新たな不純物ピークが0.21RRTで現れる。このピークは溶液安定性試料に特有のものである。もう1つの違いがマレイン酸塩で見られる。1.14 RRTのピークは、時間0値の2.7面積%から25℃溶解状態の1.7面積%および40℃溶解状態の1.1面積%に減少する。これは、60℃固体状態マレイン酸塩試料において10面積%に増加する同じ不純物ピークである。溶液安定性不純物プロファイルデータを表12および表13に示した。

0123

(表12)溶液安定性25℃不純物プロファイル

0124

(表13)溶液安定性40℃不純物プロファイル

0125

固体状態での安定性
固体状態の安定性試料について、以下の表に示したように、25℃の遊離塩基および60℃のマレイン酸塩が最大の不純物プロファイル変化を示した。25℃の遊離塩基について、0.89RRTおよび0.92 RRT不純物は、時間0データと比較して最大の増加を示した。60℃のマレイン酸塩について、1.14 RRTピークは2.7から10面積%に増加したのに対して、1.02 RRTの不純物は0.5面積%から検出不可能なレベルまで減少した。

0126

光安定性
光安定性試料について、乳酸塩が最大の不純物プロファイル変化を示した。暗所対照では、時間0データと比較して0.89RRTおよび0.92 RRT不純物は増加したのに対して、光が曝露された場合、0.92 RRTおよび0.95 RRT不純物が大幅に増加した。

0127

酸化安定性
酸化試料について、表14に示したように、遊離塩基が最大の不純物プロファイル変化を示した。0.89RRTおよび0.92 RRT不純物が時間0データと比較して最大の増加を示した。全ての塩についても、これらの2つの不純物は増加した。

0128

(表14)酸化不純物プロファイル

12つの試料調製物の異なる不純物プロファイル

0129

スケールアップ塩の形態
4種類のスケールアップ塩の粒子形態を評価した。アスパラギン酸塩、塩酸塩、およびマレイン酸塩の粒子は不規則な形をしており、板状であり、複屈折していないように見えた。乳酸塩粒子はより大きな外観をしており、他の塩ほど薄くなかった(図40を参照されたい)。

0130

実施例9-スケールアップ塩の特性
●4種類の塩:アスパラギン酸塩、マレイン酸塩、乳酸塩、および塩酸塩のスケールアップ(300mgスケール)を行った。HCl塩およびアスパラギン酸塩を、XRD、DSC、TGAによって分析した。

0131

●スケールアップ塩(赤色)とスモールスケールバッチ(黒色)のXRDオーバーレイは、図41にある。スケールアップしたHClのDSC/TGAデータは、図42にある。図43は、スモールスケール試料とのDSCオーバーレイを示す。XRDデータおよびDSCデータは両方ともスモールスケール試料とよく一致していた。この塩は比較的乾燥していた。HClについて検出された揮発性物質の量は2.6%であった。

0132

●スケールアップ塩(黒色)とスモールスケールバッチ(青色)のXRDオーバーレイは、図44にある。スケールアップしたアスパラギン酸塩のDSC/TGAデータは、図45にある。図46は、スモールスケール試料とのDSCオーバーレイを示す。スケールアップ試料は、結晶性を改善するために水中でさらに熟成したにもかかわらず、スモールスケール試料より結晶性が小さいように見える。DSCから、スモールスケール試料より早く融解が開始する、たった一つの融解しか示されなかった。これは、おそらく、結晶性が小さいためである。試料には1.7wt%の揮発性物質があった。

0133

本明細書において言及または引用された全ての特許、特許出願、仮出願、および刊行物は、本明細書の明白な開示と一致しない程度まで、全ての図面および表を含めて、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。

実施例

0134

本明細書に記載の実施例および態様は例示にすぎず、これを考慮して様々な変更または変化が当業者に示唆され、本願の精神および範囲の中に含まれることが理解されるはずである。

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