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技術 改良された強靭性および引っかき抵抗性を有するガラス

出願人 コーニングインコーポレイテッド
発明者 デジュネカ,マシュージョンエリソン,アダムジェイゴメス,シヌエモレナ,ロバートエム
出願日 2008年11月20日 (12年1ヶ月経過) 出願番号 2010-535965
公開日 2011年2月24日 (9年10ヶ月経過) 公開番号 2011-505323
状態 拒絶査定
技術分野 ガラス組成物(第三版)
主要キーワード 有毒性物質 熱膨張度 アルカリ金属酸化物含有量 橄欖石 ケイ酸塩ガラス組成 キロポアズ アルカリアルミノケイ酸塩ガラス 太陽集光器
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (2)

課題・解決手段

強靭で引っかき抵抗性ケイ酸塩ガラス。強靭性は、ガラス中の非架橋酸素原子の数を最小にすることにより増加される。ある実施の形態において、ケイ酸塩ガラスは、アルミノホウケイ酸塩ガラスであり、−15モル%≦(R2O+R’O−Al2O3−ZrO2)−B2O3≦4モル%であり、RはLi、Na、K、RbおよびCsの1つであり、R’はMg、Ca、SrおよびBaの1つである。

概要

背景

ガラスは、脆弱であるという欠点を有する。脆弱性は通常、ガラスの硬度破壊靭性の比として理解される。そのような脆弱性は、破損、欠陥、および端面欠けを生じ、これらは全て、携帯電子装置のためのカバープレートタッチスクリーン腕時計のガラス、太陽集光器(solar concentrator)、窓、スクリーン容器等のような用途において特に問題である。より高い強靭性を有するガラス組成は、脆弱性がより少なく、亀裂生長耐性であり、端面欠けのような他の種類の損傷がより少ない傾向がある。より柔らかい(すなわち硬度のより小さい)ガラスは、脆弱性が少ないが引っかき抵抗性が少ない。

概要

強靭で引っかき抵抗性のケイ酸塩ガラス。強靭性は、ガラス中の非架橋酸素原子の数を最小にすることにより増加される。ある実施の形態において、ケイ酸塩ガラスは、アルミノホウケイ酸塩ガラスであり、−15モル%≦(R2O+R’O−Al2O3−ZrO2)−B2O3≦4モル%であり、RはLi、Na、K、RbおよびCsの1つであり、R’はMg、Ca、SrおよびBaの1つである。

目的

本発明は、引っかきおよび端面欠けに対して改良された抵抗性を有するケイ酸塩ガラスを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
4件
牽制数
13件

この技術が所属する分野

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請求項1

ケイ酸塩ガラスであって、a.アルミナおよび酸化ホウ素の少なくとも一方;およびb.アルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物の少なくとも1つ、を含み、−15モル%≦(R2O+R’O−Al2O3−ZrO2)−B2O3≦4モル%であり、RはLi、Na、K、RbおよびCsの1つであり、R’はMg、Ca、SrおよびBaの1つである、ことを特徴とするケイ酸塩ガラス。

請求項2

前記ケイ酸塩ガラスが、約0.7MPam0.5から約1.2MPam0.5までの範囲の強靭性、および約8.5μm−0.5未満の脆弱性を有することを特徴とする請求項1記載のケイ酸塩ガラス。

請求項3

前記ケイ酸塩ガラスが、アルミナおよび酸化ホウ素をいずれも含むことを特徴とする請求項1または2記載のケイ酸塩ガラス。

請求項4

前記ケイ酸塩ガラスが、少なくとも1つのアルカリ金属酸化物を含み、イオン交換性であることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載のケイ酸塩ガラス。

請求項5

前記ケイ酸塩ガラスが、ナトリウムイオン銀イオンカリウムイオンセシウムイオン、およびルビジウムイオンの少なくとも1つでイオン交換されて、少なくとも約200MPaの表面圧縮応力、および少なくとも約30μmの深さを有する表面圧縮層を有することを特徴とする請求項4記載のケイ酸塩ガラス。

請求項6

前記ケイ酸塩ガラスが、少なくとも100キロポアズ(10KPa・s)の液相粘度を有することを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載のケイ酸塩ガラス。

請求項7

前記ケイ酸塩ガラスが、リチウムを実質的に含まないことを特徴とする請求項6記載のケイ酸塩ガラス。

請求項8

前記ケイ酸塩ガラスが、アンチモンヒ素酸化物を実質的に含まないことを特徴とする請求項1から7いずれか1項記載のケイ酸塩ガラス。

請求項9

前記ケイ酸塩ガラスが、62−70モル%SiO2;0−18モル%Al2O3;0−10モル%B2O3;0−15モル%Li2O;0−20モル%Na2O;0−18モル%K2O;0−17モル%MgO;0−18モル%CaO;および0−5モル%ZrO2を含むことを特徴とする請求項1から8いずれか1項記載のケイ酸塩ガラス。

請求項10

前記ケイ酸塩ガラスが、64−66重量%SiO2;8−12重量%Al2O3;1−11重量%B2O3;0−5重量%Li2O;6−12重量%Na2O;1−4重量%K2O;0−4重量%MgO;0−6モル%CaO;および0−2重量%ZrO2を含み、20モル%≦R2O+R'O≦24モル%であり、16モル%≦Al2O3+B2O3+ZrO2≦29モル%であることを特徴とする請求項13記載のケイ酸塩ガラス。

関連出願の相互参照

0001

本出願は、2007年11月29日に出願された米国仮特許出願第61/004677号に米国特許法第119条(e)の下で優先権を主張する。

技術分野

0002

本発明は、ケイ酸塩ガラスに関する。より詳細には、本発明は、ガラス中の非架橋酸素原子含有量が最小化されたケイ酸塩ガラスに関する。さらにより詳細には、本発明は、引っかき抵抗性であり端面欠けをより受けにくいケイ酸塩ガラスに関する。

背景技術

0003

ガラスは、脆弱であるという欠点を有する。脆弱性は通常、ガラスの硬度破壊靭性の比として理解される。そのような脆弱性は、破損、欠陥、および端面欠けを生じ、これらは全て、携帯電子装置のためのカバープレートタッチスクリーン腕時計のガラス、太陽集光器(solar concentrator)、窓、スクリーン容器等のような用途において特に問題である。より高い強靭性を有するガラス組成は、脆弱性がより少なく、亀裂生長耐性であり、端面欠けのような他の種類の損傷がより少ない傾向がある。より柔らかい(すなわち硬度のより小さい)ガラスは、脆弱性が少ないが引っかき抵抗性が少ない。

発明が解決しようとする課題

0004

本発明は、引っかきおよび端面欠けに対して改良された抵抗性を有するケイ酸塩ガラスを提供する。本発明のガラスは、強靭性を最大化するだけではなく、脆弱性に影響を与えずに硬度の最大化を可能とする。さらに、本発明のガラスは、イオン交換性でありダウンドロー可能である。本発明のガラスは、携帯電子装置のためのカバーガラス、タッチスクリーン、腕時計のガラス、太陽集光器、窓、スクリーン、容器、並びに強く強靭なガラスを必要とする他の用途に使用してもよい。

発明を解決するための手段

0005

したがって、本発明の1つの態様は、ケイ酸塩ガラスを提供することである。ケイ酸塩ガラスは、アルミナおよび酸化ホウ素の少なくとも一方、およびアルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物の少なくとも1つを含み、−15モル%≦(R2O+R’O−Al2O3−ZrO2)−B2O3≦4モル%であり、RはLi、Na、K、RbおよびCsの1つであり、R’はMg、Ca、SrおよびBaの1つである。

0006

本発明の第2の態様は、アルミノホウケイ酸塩ガラスを提供することである。アルミノケイ酸塩ガラスは、約0.7MPam0.5から約1.2MPam0.5までの範囲の強靭性および約8.5μm−0.5未満の脆弱性を有する。

0007

本発明の第3の態様は、ケイ酸塩ガラスを提供することである。ケイ酸塩ガラスは、アルミナおよび酸化ホウ素の少なくとも一方、およびアルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物の少なくとも1つを含み、−15モル%≦(R2O+R’O−Al2O3−ZrO2)−B2O3≦4モル%であり、RはLi、Na、K、RbおよびCsの1つであり、R’はMg、Ca、SrおよびBaの1つであり、ケイ酸塩ガラスは、約0.7MPam0.5から約1.2MPam0.5までの範囲の強靭性および約8.5μm−0.5未満の脆弱性を有する。

0008

本発明の第4の態様は、電子装置のためのカバープレートを提供することである。カバープレートは、ケイ酸塩ガラスを含む。ケイ酸塩ガラスは、アルミナおよび酸化ホウ素の少なくとも一方、およびアルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物の少なくとも1つを含み、−15モル%≦(R2O+R’O−Al2O3−ZrO2)−B2O3≦4モル%であり、RはLi、Na、K、RbおよびCsの1つであり、R’はMg、Ca、SrおよびBaの1つである。

0009

本発明の第5の態様は、アルミノホウケイ酸塩ガラスを提供することである。アルミノホウケイ酸塩ガラスは、複数の非架橋酸素原子(NBO)を含み、複数の非架橋酸素原子NBOは、NBO=R2O+R’O−Al2O3−ZrO2により与えられ、ここで、R2O、R’O、Al2O3、およびZrO2はモル%で示され、RはLi、Na、K、RbおよびCsの1つであり、R’はMg、Ca、SrおよびBaの1つであり、−15モル%≦NBO−B2O3≦3モル%である。

0010

本発明のこれらのおよび他の態様、利点、および特徴は、以下の詳細な説明、添付の図面、および添付の請求項から明らかとなるであろう。

図面の簡単な説明

0011

過剰改質剤(excess modifier)R2O(R=Li、Na、K、Rb、Cs)およびR’O(R’=Mg、Ca、Sr、Ba)、および酸化ホウ素(B2O3)の濃度および含有量における相違関数としてのガラス組成物の硬度、強靭性および脆弱性のプロット

実施例

0012

以下の説明では、図面中に示されるいくつかの視点を通して、同様の参照文字は同様のまたは対応するパーツを示す。他に明示されない限り、「頂」、「底」、「外側」、「内側」等の用語は、便宜のための単語であり、制限的な用語として解釈されるべきでないことも理解される。さらに、ある群が一群の要素およびその組合せの少なくとも1つを含むものとして記載される場合は常に、その群は、個々にまたは互いに組み合わせて、記載されるそれらの要素の任意の数を含んでもよいことが理解される。同様に、ある群が一群の要素またはその組合せの少なくとも1つから成ると記載される場合は常に、その群は個々にまたは互いに組み合わせて、それらの要素の任意の数から構成されてもよいことが理解される。他に明示しない限り、記載される場合は、数値の範囲はその範囲の上限および下限の両方を含む。

0013

図1を参照して、説明は本発明の特定の実施の形態を示す目的を意図されたものであり、本発明をこれに限定することを意図しないことが理解されるであろう。

0014

ガラスは、脆弱であるという欠点を有する。脆弱性は通常、破損、欠陥、および端面欠けを生じる。物質の脆弱性はしばしば、当該技術において、物質の硬度対破壊靭性の比として称される。より高い程度の強靭性を有するガラスは、したがって脆弱性がより小さく、亀裂生長および引っかきに対する抵抗性がより大きい。

0015

本発明は、高い強靭性およびより低い脆弱性を有するケイ酸塩ガラスを提供する。ケイ酸塩ガラスは、アルミナ(Al2O3)および酸化ホウ素(B2O3)の少なくとも一方を含み、ある実施の形態において、アルミナおよび酸化ホウ素の両方を含む。さらに、ケイ酸塩ガラスは、一般式R2Oを有するアルカリ金属酸化物(ここで「アルカリ酸化物」とも称される)および一般式R'Oを有するアルカリ土類金属酸化物(ここで「アルカリ土類酸化物」とも称される)の少なくとも1つを含み、−15モル%≦(R2O+R’O−Al2O3−ZrO2)−B2O3≦4モル%であり、R2O、R’O、Al2O3、およびZrO2は、モル%で示される各酸化物の量または濃度を示す。ある実施の形態において、−5モル%≦(R2O+R’O−Al2O3−ZrO2)−B2O3≦4モル%である。他に明示されない限り、「アルカリ金属」という用語は、IA族金属リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、およびセシウム(Cs)を称し、「アルカリ土類金属」という用語は、IIA族金属マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、およびバリウム(Ba)を称する。他に明示されない限り、ガラスの成分の濃度は、モルパーセント(モル%)で示される。

0016

ここに記載されるケイ酸塩ガラスは、非架橋酸素原子(NBO)が、ガラスの強靭性を増加するよう最小化されたガラスである。NBOの数は、方程式NBO=R2O+R’O−Al2O3−ZrO2によりおよそ示すことができ、R2O、R’O、Al2O3、およびZrO2の量または濃度は、モルパーセント(モル%)で示され、Rはアルカリ金属(Li、Na、K、Rb、Cs)であり、R’はアルカリ土類金属(Mg、Ca、Sr、Ba)である。NBOがより多く存在することにより、ガラスの溶融温度が減少し、したがって、特にAs2O3およびSb2O3のような毒性清澄剤を使用せずに、溶融が促進される。そのような改質剤の豊富な(modifier-rich)ガラス(すなわち、比較的高濃度のR2OおよびR’Oを有するガラス)もまた、低い強靭性および高い硬度を有し、したがって非常に脆弱である。

0017

ある実施の形態において、ケイ酸塩ガラスは、B2O3を含まず(すなわち、B2O3=0モル%)、−15モル%≦(R2O+R’O−Al2O3−ZrO2)≦4モル%である。別の実施の形態において、−5モル%≦(R2O+R’O−Al2O3−ZrO2)≦4モル%である。これらの例において、NBOの数−または濃度−は、アルカリおよびアルカリ土類酸化物をアルミナおよびジルコニアのみでバランスを取ることにより最小化される。

0018

別の実施の形態において、これらの重合調製剤の豊富なガラスにB2O3を加えることは、NBOをB3+イオンと関連させる−または「結び付ける(tie up)」。NBOは、BO44面体(tetrahedra)の形成を介して架橋酸素原子に変換され、より強靭であり依然として溶融しやすいガラスを生じる。したがって、NBOレベルを最小にするために、ガラス中に存在すべきB2O3の最適量は、ガラス中の過剰改質剤の濃度とおよそ等しく成るべきである、すなわち、B2O3=過剰改質剤=R2O+R’O−Al2O3−ZrO2。

0019

過剰改質剤の増加と共に硬度が直線的に増加する一方で、強靭性は0に近い最大を達成し、これは、過剰改質剤含有量がB2O3含有量と等しく、NBOがBO4四面体消費される点である。強靭性は、(R2O+R’O−Al2O3−ZrO2)−B2O3=0の近くで最大であるので、脆弱性は好ましく最小化される。そのようなガラスは、より高い程度の脆弱性を有するガラスよりも、破損、引っかき、および端面欠けに対する耐性がずっと大きい。

0020

付加的なB2O3を有するガラスは、4面体BO4群よりも三角形BO3群を生じる。図1において、硬度(図1中の線(1)、GPaで示される)、強靭性(図1中の線(2)、MPam0.5で示される)、および脆弱性(図1中の線(3)、μm−0.5で示される)は、過剰改質剤マイナスB2O3(すなわち、(R2O+R’O−Al2O3−ZrO2)−B2O3)の関数としてプロットされる。図1に示されるように、過剰改質剤の増加と共に硬度が直線的に増加する一方で、強靭性は0に近い最大を達成し、これは、過剰改質剤含有量がB2O3含有量と等しく、NBOがBO4四面体で消費される点である。強靭性は、(R2O+R’O−Al2O3−ZrO2)−B2O3=0の近くで最大であるので、脆弱性は好ましく最小化され、損傷および端面欠けに対してずっと夫であるガラスを生じる。過剰B2O3の存在(すなわち、(R2O+R’O−Al2O3−ZrO2)−B2O3<0モル%)−およびしたがって低いNBOレベル−により、より高いレベルの強靭性を有するガラスが生じる。その一方、過剰改質剤の存在(すなわち、(R2O+R’O−Al2O3−ZrO2)−B2O3>0モル%)により、アルカリおよびアルカリ土類金属酸化物により形成されるNBOがより多いために、より低いレベルの強靭性を有するガラスが生じる。さらに、より高レベルの改質剤を有するガラスはより大きい硬度を有する。高NBOガラスのより低い強靭性およびより高い硬度の組合せにより、所望でない高脆弱性値が生じる。

0021

ある実施の形態において、ケイ酸塩ガラスは、約0.7MPam0.5から約1.2MPam0.5までの範囲の強靭性を有する。別の実施の形態において、強靭性は、約0.8MPam0.5から約1.0MPam0.5までの範囲である。

0022

ある実施の形態において、ケイ酸塩ガラスは、約6GPaから約8GPaまでの範囲の硬度を有する。前述のように、脆弱性は、硬度に対する強靭性の比で定められる。ある実施の形態において、ケイ酸塩ガラスは、約8.5μm−0.5未満の脆弱性を有する。別の実施の形態において、ケイ酸塩ガラスは、約7μm−0.5未満の脆弱性を有する。

0023

B2O3=NBO=R2O+R’O−Al2O3−ZrO2であるガラスは、非常に低い液相温度で作製され(表1)、非常に高い液相粘度を有してもよい。ここで用いたように、「液相粘度」という用語は、液相温度で溶融したガラスの粘度を称し、液相温度とは、室温から温度が増加されるにつれて一番最後の結晶融解する温度を称する。これらの特性によって、これらのケイ酸塩ガラスはダウンドロー可能になる;すなわち、例えば、だがこれに限定されない、当業者に知られるフュージョンドローおよびスロットドロー法のようなダウンドロー法を使用して、ガラスをシートに形成できる。そのようなダウンドロー処理は、イオン交換性板ガラスの大規模製造に使用される。ある実施の形態において、液相粘度は、少なくとも100キロポアズ(kpoise)(10KPa・s)である。別の実施の形態において、液相粘度は少なくとも160キロポアズ(16KPa・s)であり、第3の実施の形態において、液相粘度は少なくとも220キロポアズ(22KPa・s)である。

0024

フュージョンドロー工程は、溶融ガラス原材料を受け取るチャネルを有するドロータンクを使用する。チャネルは、チャネルの両側にチャネルの長さに沿って頂部で開いた(weir)を有する。チャネルが溶融材料充填されると、溶融ガラスは堰から溢れる。重力により、溶融ガラスはドロータンクの外表面を流れ落ちる。これらの外表面は、下方および内側に伸長し、ドロータンクの下の先端で連結する。2つの流動ガラス表面はこの先端で連結し、融合して単一の流動シートを形成する。フュージョンドロー法は、チャネルを超えて流れる2つのガラスフィルムが融合するので、生じるガラスシートのいずれの外表面も装置の任意の部分と接触しないという利点を提供する。したがって、ガラスシートの表面特性は、そのような接触により影響を受けない。

0025

スロットドロー法は、フュージョンドロー法と全く違う。ここでは、溶融した原材料ガラスがドロータンクに提供される。ドロータンクの底は、スロットの長さを伸ばすノズルを備えた開いたスロットを有する。溶融ガラスは、スロット/ノズルを通って流れ、それを通じて連続的なシートとして下方におよびアニーリング領域に引かれる。フュージョンドロー工程と比較して、スロットドロー工程は、フュージョンダウンドロー工程におけるように2つのシートが融合されるのではなく、単一のシートがスロットを通して引かれるので、より薄いシートを提供する。

0026

ケイ酸塩ガラスは、62−70モル%SiO2;0−18モル%Al2O3;0−10モル%B2O3;0−15モル%Li2O;0−20モル%Na2O;0−18モル%K2O;0−17モル%MgO;0−18モル%CaO;および0−5モル%ZrO2を含み、ここで、14モル%≦R2O+R'O≦25モル%であり、RはLi、Na、K、Cs、またはRbであり、R’はMg、Ca、Ba、またはSrであり;10モル%≦Al2O3+B2O3+ZrO2≦30モル%であり;および−15モル%≦(R2O+R’O−Al2O3−ZrO2)−B2O3≦4モル%である。例えば、だがこれに限定されない、ZnO、SnO2、Sb2O3、As2O3、La2O3、Y2O3、Fe2O3等のような他の酸化物もまた、5モル%未満の量でガラスに個々に加えてもよい。ある実施の形態において、ケイ酸塩ガラスは、アルミノホウケイ酸塩ガラスである:すなわち、ガラスは、アルミナおよび酸化ホウ素を両方含む。ある実施の形態において、アルミノホウケイ酸塩ガラスは、以下を含む:64−66重量%SiO2;8−12重量%Al2O3;1−11重量%B2O3;0−5重量%Li2O;6−12重量%Na2O;1−4重量%K2O;0−4重量%MgO;0−6モル%CaO;および0−2重量%ZrO2を含み、ここで、20モル%≦R2O+R'O≦24モル%であり;および16モル%≦Al2O3+B2O3+ZrO2≦29モル%である。表1は、本発明のケイ酸塩ガラス組成およびその特性の非制限的な例を記載する。

0027

各ガラス成分の役割についての詳細を説明する。最小レベルまたは濃度のNBOを有するケイ酸塩ガラスは、最大の強靭性を示し、B2O3=NBO=R2O+R’O−Al2O3−ZrO2においてまたはその近くの組成で生じる。

0028

アルカリアルミノケイ酸塩ガラスの最大の単一成分はSiO2であり、これはガラスのマトリクスを形成し、約62モル%から約70モル%までを含む範囲の濃度で本発明のガラス中に存在する。SiO2は成形性を補助する粘度エンハンサーとして作用し、ガラスに化学的耐久性を与える。上記の範囲よりも高い濃度において、SiO2は溶融温度を非常に上昇させるが、ガラス耐久性は上記の範囲より下の濃度で害される。さらに、より低いSiO2濃度により、高アルカリまたはアルカリ土類酸化物濃度を有するガラスにおいて液相温度が実質的に上昇し得る。

0029

より多くのアルカリ金属酸化物含有量により、溶融が促進され、ガラスが柔らかくなり、イオン交換が可能となり、溶融抵抗(melt resistivity)が減少し、熱膨張を増加し耐久性を減少させるガラス網状構造破壊される。アルカリ金属酸化物の混合物は、液相温度を低下させる助けをし、その上イオン交換を増強し得る。LiO2は、素早いイオン交換、低密度、および高モジュラスを提供するが、同時に非常に高価である。Na2Oは化学強化のためにK+イオンとのイオン交換に非常に好ましく、失透に関して安定なガラスを作製する。Na2Oに比較して少量のK2Oは、K+のNa+へのイオン交換の割合を増加し液相を減少する助けを実際にするが、同時にガラスの熱膨張度も増加させる。

0030

アルミナ(Al2O3)および、より少ない程度で、ジルコニア(ZrO2)は、アルカリ金属酸化物の反対の効果を有する。さらに、Al2O3は、NBOを集め、ガラスを熱的により硬くしながらAlO44面体を形成する。アルミナおよびジルコニアはまた、より低い膨張およびより大きい耐久性を提供するが、高濃度では、ガラスの溶融をより困難にする。R2O=Al2O3のガラスはB2O3が存在しなければ溶融が非常に困難であるので、多くのイオン交換性ガラスにおいては、R2O>Al2O3である。

0031

アルカリ性土類酸化物は、ガラスについてより急な粘度曲線を生じる助けをする。アルカリ金属酸化物をアルカリ性土類金属酸化物置換することにより、通常は、ガラスのアニールおよび歪み点が上昇し、高品質のガラスの作製に必要な溶融温度が低下する。MgOおよびCaOは、SrOおよびBaOよりも高価ではなく、より重い酸化物ほど密度を増加させない。BaOはまた、有害性または毒性物質であると考えられ、したがってその存在は所望でない。したがって、ある実施の形態において、ガラスは実質的にバリウムを含まない。酸化物はナトリウムアルミノケイ酸塩ガラス中で低いMgO濃度苦土橄欖石(forsterite)(Mg2SiO4)を形成する傾向があるので、大量のMgOは液相温度を増加させる傾向がある。

0032

B2O3を、ガラスを柔らかくし、溶融し易くする融剤(flux)として使用してもよい。B2O3はまた、改質剤の量または濃度がAl2O3のものを超える場合に生じる、非架橋酸素原子(NBO)を集める助けをする。B2O3は、BO44面体の形成を介してNBOを架橋酸素原子に変換し、これは不十分なNBOの数を最小化することによりガラスの強靭性を増加させる。B2O3はまた、ガラスの硬度を低下させ、これは、より高い強靭性と結び付くと、脆弱性を減少し、これにより機械的に耐久性のガラスが生じる。

0033

ある実施の形態において、ここに記載されるアルカリアルミノケイ酸塩ガラスは実質的にリチウムを含まない。ここで用いたように、「実質的にリチウムを含まない」とは、アルカリアルミノケイ酸塩ガラスの形成までの任意の処理工程中にガラスまたはガラス原材料にリチウムを意図的に加えないことを意味する。リチウムを実質的に含まないアルカリアルミノケイ酸塩ガラスまたはアルカリアルミノケイ酸塩ガラス物品は、混成により少量のリチウムを故意でなく含んでもよい。リチウムの不存在により、イオン交換槽被毒が減少し、したがってガラスを化学強化するために必要な塩の供給を補充する必要が減少する。さらに、リチウムの不存在により、ガラスは、上記のダウンドロー法のような連続単位(CU)溶融技術およびそこで使用される物質であって、溶解ジルコニアおよびアルミナ耐火性物質(refractory)並びにジルコニアおよびアルミナアイソパイプ(isopipe)を含む物質に適合する。

0034

ある実施の形態において、ケイ酸塩ガラスは、少なくとも1つのアルカリ金属酸化物を含み、イオン交換性である。ここで用いたように、「イオン交換性」という用語は、当業者に知られるイオン交換法によりガラスを強化できることを意味すると理解される。そのようなイオン交換法には、加熱したアルカリアルミノケイ酸塩ガラスを、ガラス表面に存在するイオンよりも大きいイオン半径を有するイオンを含有する加熱溶液で処理し、より小さいイオンをより大きいイオンに交換することを含んでもよいが、これに限定されない。例えば、カリウムイオンが、ガラス中でナトリウムイオンを交換してもよい。あるいは、ルビジウムまたはセシウムのような、より大きい原子半径を有する他のアルカリ金属イオンが、ガラス中のより小さいアルカリ金属イオンを交換してもよい。あるいは、より小さいアルカリ金属イオンを、Ag+イオンで交換してもよい。同様に、硫酸塩、ハロゲン化物等のような、だがこれに限定されない他のアルカリ金属塩イオン交換処理に使用してもよい。ある実施の形態において、ダウンドローされたガラスは、KNO3を含む溶融塩槽に所定時間配置してイオン交換を行うことにより、化学強化される。ある実施の形態において、溶融塩槽の温度は約430℃であり、所定時間は約8時間である。

0035

ダウンドロー法は、比較的初期の(pristine)表面を生じる。ガラス表面の強度は表面欠陥の量およびサイズにより支配されるので、最小の接触を受けた初期の表面はより高い初期強度を有する。この高強度ガラスが次に化学強化されると、生じる強度はラップ仕上げされ研磨された表面よりも高くなる。化学強化またはイオン交換による焼き戻し(tempering)もまた操作による欠陥形成に対するガラスの耐久性を増加させる。ダウンドローされたガラスは、約2mm未満の厚さにドローされてもよい。さらに、ダウンドローされたガラスは、非常に平らで滑らかな表面を有し、高価な研削および研磨をせずに最終用途に使用できる。ある実施の形態において、ダウンドロー可能なガラスは、少なくとも100キロポアズ(10KPa・s)の液相粘度を有する。別の実施の形態において、液相粘度は少なくとも160キロポアズ(16KPa・s)であり、第3の実施の形態において、液相粘度は少なくとも220キロポアズ(22KPa・s)である。

0036

表面圧縮応力とは、ガラス表面層に含有されるアルカリ金属イオンの化学強化中の、より大きいイオン半径を有する別のアルカリ金属イオンによる置換により生じる応力を称する。ある実施の形態において、ここに記載されるガラスの表面層中で、カリウムイオンはナトリウムイオンに置換される。ガラスは、少なくとも約200MPaの表面圧縮応力を有する。ある実施の形態において、表面圧縮応力は少なくとも600MPaである。アルカリアミノケイ酸塩ガラスは、少なくとも約30μmの深さを有する圧縮応力層を有し、別の実施の形態において、圧縮応力層の深さは少なくとも約40μmである。

0037

ガラス網状構造が緩み得る温度よりも低い温度で、より大きいイオンによってより小さいイオンを交換することにより、ガラスの表面に亘ってイオンの分布和らぎ、応力特性が生じる。入ってくるイオンの量が多いと、表面上で圧縮応力(CS)が生じ、ガラスの中心(CT)で張力が生じる。圧縮応力は、以下の関係により中心張力関係づけられる:
CS=CT×(t−2DOL)/ DOL;
ここで、tはガラスの厚さであり、DOLは交換の深さであり、層の深さとも称される。

0038

上記の要素に加えて、他の要素および化合物を加えて、ガラス内の欠陥を除去または減少してもよい。本発明のガラスは、約1500℃から1675℃の間で、比較的高い200ポアズ(20Pa・s)の粘度を示す傾向がある。そのような粘度は、産業用溶融工程で標準的であり、時としてそのような温度における溶融は、低レベル異物を有するガラスを得るために必要かもしれない。気体の異物の除去を助けるために、化学清澄剤を加えることが有用かもしれない。そのような清澄剤は、初期段階の泡を気体で充填し、したがって溶融中の上昇速度を増加する。標準的な清澄剤は、以下を含むがこれに限定されない:ヒ素アンチモン、スズおよびセリウムの酸化物;金属ハロゲン化物フッ化物塩化物および臭化物);硫酸化金属;等。酸化ヒ素は、溶融段階で非常にゆっくりと酸素を放出するので、特に有効な清澄剤である。しかしながら、ヒ素およびアンチモンは通常は有毒性物質とみなされる。したがって、ある実施の形態において、ガラスは実質的にヒ素およびアンチモンを含まず、これらの成分の酸化物をそれぞれ約0.05重量%未満または約0.05モル%含む。したがって、特定の用途において、ヒ素またはアンチモンの使用を完全に避け、スズの酸化物、ハロゲン化物または硫酸塩のような非毒性成分を使用して清澄効果を生じることが好都合かもしれない。酸化スズ(IV)(SnO2)、並びに酸化スズ(IV)とセリウム(IV)の酸化物およびハロゲン化物の少なくとも1つとの組合せは、本発明における清澄剤として特に有用である。

0039

本発明のガラスは、従来技術を参照して予期できない特性を有する。脆弱性の減少したソーダ石灰シリカガラスが以前に記載されたが、そのようなガラスは、融合形成可能でも20μmの層の深さにイオン交換可能でもない。さらに、従来技術のガラスは、ここに記載されるガラスのように硬くない。

0040

強靭性の最大化に加えて、ここに記載されるケイ酸塩ガラスはまた、脆弱性を増加せずに硬度を最大化することを可能とする。高レベルの硬度は、より大きい引っかき耐性を提供する。しかしながら、より高い硬度は、強靭性がそれに対応して増加されなければ脆弱性を増加させる。したがって、高レベルの硬度が増加した強靭性を伴うと、生じるガラスは増加した引っかき抵抗性と低い脆弱性を両方有する。ケイ酸塩ガラスは、欠けおよび引っかきの両方に耐性であり、これは、カバープレート、タッチスクリーン、腕時計のガラス、太陽集光器、窓、スクリーン、容器、および良好な引っかき抵抗性と共に強いおよび強靭なガラスを必要とする他の用途における使用に適する。

0041

説明のために代表的な実施の形態が示されてきたが、上記の記載は発明の範囲を制限するものとみなされるべきではない。したがって、本発明の原理および範囲から逸脱せずに、様々の変更、適応、および代案が当業者に思い浮かぶであろう。

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