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技術 3波の干渉パターンと単一アームの干渉計とを使用した、短い導波路の波長分散を決定するためのシステムと方法

出願人 イノメトリクスインク.
発明者 ガレ,マイケルムハンマド,ウォレードチエン,リー
出願日 2007年10月15日 (11年9ヶ月経過) 出願番号 2010-529200
公開日 2011年1月6日 (8年6ヶ月経過) 公開番号 2011-501137
状態 拒絶査定
技術分野 光学装置、光ファイバーの試験
主要キーワード 電荷雲 MPS法 商用装置 物質パラメータ 達成精度 ナイキスト理論 模擬計算 余弦項
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図面 (17)

課題・解決手段

本発明は、3波の干渉現象単一アーム干渉計を利用した、短い導波路における波長分散を測定するシステムと方法に関する。特に本発明は、入射波反射波とを分離する手段に接続され、光を放射する光源と、導波路の第一の終端部に隣接した出力アームとを備えた入射波と反射波とを分離する手段と、入射波と反射波とを分離する手段に接続された検出器と、導波路の第二の終端部に位置するコリメータ手段と、コリメータ手段から平衡化された距離に位置し、光源からの試験的な放射光反射し、コリメータ手段と、導波路と、入射波と反射波とを分離する手段とを通過させて戻し、検出器にて記録される干渉パターンを生成させる反射手段とを含んでいることを特徴とする。

概要

背景

発明の背景
光デバイス光素子フォトニックデバイス)の主要な構成要素のうちの一つに、光伝達のために、光透過損失が低い媒体として利用される導波路または光ファイバがある。光ファイバのような導波路の重要な特徴の一つが、導波路の内部を伝搬する時の光の分散である。分散は、周波数の異なる光を、異なる速度で伝搬させる現象である。分散の現象は、一般的には、プリズムによって光を広げて分光させることで、観察される。広範な周波数スペクトルを含む白色光がプリズムに入ると、各周波数は異なる屈折率を示すことから、異なる波長は異なる角度で曲げられる。この現象は、17世紀ニュートンによって、最初に定量化された。ファイバの内部で、周波数に対する屈折率の違いが、速度の周波数依存を引き起こすこととなる。

分散現象のより現代的な例は、分散の現象が通信ステムで使用される光デバイスの性能に与える影響である。これらのシステムにおいては、分散、更に具体的には二次分散は、デジタル通信システムの1または0を意味するために用いられるパルス広がり拡幅現象)を導く。パルスの広がりは、隣接するビットに重なり合って、符号間干渉を招く。符号間干渉は、パルスが隣接するビットと重なり合い始める程度まで、その割当られたビット・スロットの向こうで広がるときに発生する。そして、特定されたビットが1を含むのか0を含むのかをどうか決定することがもはやできなくなる。

符号間干渉の結果、割当られたビット・スロットは拡張が必要となる。そしてこれは、特定の時間間隔の中で伝送することができるビット数を著しく少なくしてしまい、システムの帯域幅を減じてしまう。その結果、最新の通信システムは、分散の影響を緩和するための方法を発展させてきた。

光ファイバにおいて、分散の影響に対処する現在の方法は、分散を補償する装置、例えばチャープファイバーブラッググレーティングおよび分散補償ファイバ(DCF)を使用することである。効果的にこれらの技術を使用するためには、補償の対象となる分散の正確な大きさを知っていることが、重要である。その結果、伝送システムと分散補償システムの両方における分散についての知識が、通信システム全体を設計するために重要である。

導波路の分散の知見は、非線形な波の相互作用現象に基づくファイバの研究のために重要でもある。光ソリトンは、それがファイバに沿って伝播するときに恒常的な形状(幅)を維持する(一次ソリトン)パルスか、または伝搬するに従って周期的に変化する形状を有する(より高次なソリトン)パルスである。これは、分散と自己位相変調(SPM)との効果が平衡状態であるという事実に起因する。SPMは、与えられたパルスの位相が、光自身の強度プロファイルにより変化することの結果である。光ファイバの分散についての知識は、光ソリトンの形成のために必要な強度の決定を可能にする。SPMのこの効果はソリトン効果パルス圧縮の領域で利用されてきた。この分野では、SPMのチャーピングの影響と、引き続く負の分散の分配された圧縮効果との組み合わせが、光のパルスの圧縮に利用されている。分散の知識は、二次の高調波発生、3波の混合および4波の混合のような非線形の効果の研究にとっても重要である。なぜなら、その知識は、種々な波長間での干渉(相互作用)の長さを決定するからである。分散は、擬似的な位相整合QPMデバイスでのように、この干渉の長さを延ばすことを目的とする技術においては特に重要である。

導波路の波長分散理論
分散は、物体の屈折率が、その物体を通過する光線放射線)の周波数あるいは波長と共に変動する現象である。用語“波長分散”はこの波長への依存を強調するために頻繁に使用される。導波路または光ファイバ内での全分散は、物質組成物質分散)と導波路の形状(導波路分散)との両方の相関要因関数)である。この章では、物質と導波路の分散の両方の関与概説し、それらの物理発生源を特定し、その説明のために数学技術用語を利用する。

導波路での分散
光が導波路または光ファイバ内に閉じ込められると、屈折率は導波路の物質と導波路の形状の両方が関与する特性となる。導波路の形状は導波路の構造による光の閉じ込めを介して屈折率を変動させる。従って屈折率は物質分散と導波路分散の両方の関数となる。この理由で、光ファイバまたは導波路内では屈折率は実効屈折率として知られている。

実効屈折率の二次導関数(微分)が、波長に伴ってどのように変動するかを解説するため、二次分散を表わす分散パラメータDは以下の式によって得られる。



この分散パラメータは重要である。なぜなら、分散パラメータはパルス拡幅に関係しており、通信システムのビットレート(速度)を大幅に制限するからである。

光ファイバのような導波路の分散パラメータは、物質と導波路の両方の寄与による総分散によって与えられる。この総分散は、物質分散と導波路分散の両方の組み合わせである。従って、導波路の分散パラメータは次の式で与えられる。



以下の2つの章では物質分散と導波路分散の両方の総分散に対する個別の関与を説明する。

物質分散
物質分散は、物質の原子分子電磁波に対する周波数または波長依存反応から生じる。あらゆる媒体は分散型であり、唯一非分散媒体は真空である。物質分散源は、物質の原子特性およびその特性の周波数依存性の理解により考察できる。共振周波数と呼ばれる特徴的な周波数に周波数が接近すると、原子が電磁波をさらに効果的に吸収し、再放射する理由によって物質分散が発生する。

適用された電界が原子に影響を及ぼすとき、原子は、その原子を取り囲む電荷雲を歪め、電界周波数と原子の共振周波数との相対差反比例する偏光誘起する。従って、電磁線の周波数が原子共振周波数に近いほど、誘起された偏光の程度は大きくなり、負の電荷雲と正の原子核との間の変位は大きくなる。

続いて、波長に対する物質の群屈折率導関数を求めるか、等価的に、波長に対する絶対屈折率の二次導関数を求めることで物質分散が決定される。

導波路分散
導波路形状が異なる周波数の光の速度に対して様々な影響を及ぼすために、導波路分散は発生する。さらに技術的に解説すれば、導波路分散は光学モードでの光の閉じ込めによる屈折率の変動によって引き起こされる。導波路分散は、標準化されたコア(芯部)と標準化されたクラッド被膜部)の屈折率の差△=(ncore−ncladding)/ncoreのような導波路の物質パラメータと、コアのサイズ(a)のような幾何学的なパラメータとの関数である。閉じ込められた媒体内での伝搬によって引き起こされる屈折率の変動部分のために、導波路内の屈折率は実効屈折率Neffと呼ばれる。

閉じ込めはVパラメータとして知られる数値によって説明できる。これは導波路の物質と形状の両方の関数である。Vパラメータは以下の式4で提供される。

導波路内の伝搬は標準化された伝搬定数(b)として知られる数値によって説明される。伝搬定数も導波路の物質と形状の両方の関数である。この数値(量)は式5により提供される。

分散パラメータに対する導波路の関与は導波路内の光の閉じ込めと伝搬に依存する。よってその寄与程度はVパラメータと標準化伝搬定数(b)の両方の関数である。導波路分散は式6を介してVとbを知ることで計算できる。

ほとんどの場合には、標準的なシングルモード光ファイバ内での導波路分散の主な効果(現象)は、バルク(塊体)内の分散と較べて分散が減少することである。物質分散と較べて、導波路分散の寄与程度は非常に小さく、ほとんどの標準的なシングルモード光ファイバ内では、ゼロ分散波長を1276nmから1310nmに移すだけである。

要約すれば、導波路内または光ファイバ内での分散は、物質によるばかりではなく、導波路内の閉じ込めと伝搬の効果(現象)によっても引き起こされる。従って、導波路内の分散の正確な知識は物質分散の単純な知識のみによっては得られず、導波路の効果(影響)の知識が含まれなければならない。その結果、導波路の寸法を非常に正確に知って導波路分散を計算できるようにする(製造工程が完璧ではないため簡単ではない)か、分散を経験的に測定しなければならない。(総)分散パラメータDの正確な測定はフォトニックシステムの構成には重要である。

偏光モード分散
前述に加えて、光導波路は偏光モード分散(PMD)によって悪影響を受ける。PMDは非対称コアを備えた光ファイバ内に存在する。光ファイバ内では、2本の偏光軸のうちの1本に沿って伝搬する光は、他方の偏光軸に沿って伝搬する光に対しては直角に伝搬する。非対称光ファイバでは、光は2軸に沿って異なる速度で伝搬する。このことによってパルスが拡幅され、その検出器では検出できなくなる。

従来の測定技術
3種の分散の測定技術が存在する。すなわち、飛行時間法タイムオブフライト法、TOF法)、変調移相シフト法(MPS)および干渉法である。TOFとMPSは最も広く利用されている商業的な分散の測定技術である。干渉法の技術は商業的にはさほど広く利用されていない技術であるが、研究所において分散の測定のために利用されてきた。干渉法の技術には2つの形態が存在する。すなわち時間干渉法とスペクトル干渉法である。それらの技術は、測定精度とファイバの長さの要件という点で相違点がある。

飛行時間法(TOF法)の技術
TOF法の技術においては、二次分散パラメータのD(以下に於いては、単に“分散パラメータ”とも言う)は、異なる波長でのパルス間の相対的時間遅延を測定するか、パルス拡幅値自体を測定することで決定できる。異なる波長でのパルス間の相対的時間遅延が測定されて、群速度が決定される。この値は以下の式7を使用した分散パラメータの決定に利用できる。

もし、△tが測定されたパルスの拡幅値であり、△λがパルスの波長の帯域幅であれば、上記式は、パルス拡幅値自体からの分散パラメータの決定にも利用できる。TOF法の技術により達成可能な測定精度は、1ps/nmの桁数程度である。

TOF法の技術の主な問題点の1つは、異なる波長の測定可能時間差蓄積するには、一般的に数キロにわたる光ファイバを必要とすることである。パルス拡幅値を直接的に測定するときのTOF法の技術の別な問題点は、分散パラメータの測定値誤差を招くパルス形状の変化によってパルス幅が影響を受けることである。その結果、1ps/nm−km近辺の精度で分散パラメータを測定するためには数キロの光ファイバが必要となる。

変調移相シフト法(MPS法)の技術
MPS法の技術は長い光ファイバが必要される、別なる分散の特徴づけを行う技術である。MPS法の技術では、連続的な波型光信号は、RF信号によって変調された振幅を有しており、分散パラメータは、異なる波長での光学キャリア(信号)が経験するRF位相遅延の測定によって決定される。

RF位相遅延情報はこの技術によって引き出され、この位相情報の二次導関数を計算することで分散パラメータは決定できる。MPS法の技術により達成可能な測定精度の桁数は0.07ps/nm程度である。このような高精度のため、MPSは光ファイバの分散の測定の工業標準となっている。しかし、MPSは幾つかの弱点を有する。まず、RF分析器および調節可能なレーザのような必要とされる機器が高価であるため利用費用が高額となることである。別な弱点は、その精度がRF信号の安定性不安定性の両方によって限定されることである。

MPSは、特徴を特定することが可能なデバイスの長さの最小値について、いくつかの限定的な要因を有する。MPS法では、変調された信号幅が、特徴の特定が可能なデバイスの長さの最小値を制限する。典型的には、この方法はまた、1ps/nm−kmよりも優れた精度を得るためには何十メートル以上にわたる光ファイバの長さを必要とする。従って、長い光ファイバが高価であるとか、入手不能であるような特殊ファイバ並びに利得ファイバの特徴づけには望ましくない。また、光ファイバ均質性が長さ方向に沿って変動するとき、長い光ファイバでの分散は、光ファイバの短い部分の分散を正確に表すために利用することができない。このような場合、短い光ファイバのサンプルに対して直接的に実行される高精度な測定が望ましい。よって、短い光ファイバの分散の測定技術が望まれている。

短距離での分散の測定
干渉測定技術は、1m以下のファイバの長さにおける分散の特徴を特定することができる。短いファイバの分散の測定を行うための干渉測定技術には2つの種類が存在する。時間干渉法およびスペクトル干渉法である。

時間干渉法(フーリエ変換分光法
複式アームの時間干渉計は、試験用の光ファイバを通過する固定経路と変更可能な大気経路との間で経時的なインターフェログラム合成波形)を作成するために、広帯域光源と変更可能な光路可変光路)とを利用する。この測定には、干渉計の1本のアームを定速で移動させることと、干渉パターン遅延長(時間)の関数としてグラフ化することが関与する。続いてスペクトル振幅と位相が時間インターフェログラムのフーリエ変換によって決定される。

経時的なインターフェログラムは時間の関数として位相変動を示す。フーリエ変換を適用すると、スペクトル位相変動が時間インターフェログラムから導かれる。スペクトル位相は、スペクトル位相の二次導関数を求めることで間接的に得られる分散情報を含む。時間干渉計側法を利用し、0.814m長のフォトニック結晶ファイバに対して測定した0.0015ps/nmの精度が最近になって報告されている。時間干渉計側法の主な弱点は、変換の不正確性および変更可能な経路オプティック光学素子)の振動の両方によるノイズに影響を受けることである。典型的には、遅延する経路の長さのキャリブレーションには追尾レーザが必要である。この技術のさらに別な問題点は、分散パラメータを得るには位相情報の二次導関数を求めなければならないことである。すなわち、直接的に分散パラメータを得る方法よりも精度が落ちることである。

スペクトル干渉法
時間干渉法と同様に、スペクトル干渉法は、短い光ファイバ(1m以下)の分散を特徴を特定することができる。スペクトル干渉法においては、アームの1本の長さをステップ処理する代わりに、スペクトルのインターフェログラムを作成するために波長領域の走査処理が実行される。スペクトル干渉法は一般的には時間干渉法よりも安定している。なぜなら、干渉計のアームが静止状態に保たれるからである。よって、追尾レーザが不要であるため、それは時間干渉法よりも単純である。

2種類のスペクトル干渉法が存在する。1つは一般的なものであり、平衡化処理を必要としない。もう1つは特殊な場合であり、平衡化処理が行われる。平衡化処理がなされている場合にはインターフェログラムから直接的に分散パラメータを測定することができる。これで時間干渉法よりもさらに正確に測定できる。この理由によってスペクトル干渉法を分散の測定技術として説明する。

一般的なスペクトル干渉法では、分散パラメータは、非平衡状態である複式アームの干渉計(デュアルアームの干渉計)の2つの時間遅延光パルスビーム)によって生成された干渉スペクトルから得られる。干渉計の2本のアームからの2つのパルス(ビーム)はスペクトロメータにおいて干渉するように設定され、スペクトルインターフェログラムが作成される。所定時間または位相遅延のために作成された干渉パターンは以下の式で得られる。



上記の式8の最後の2項はcos(△φ(ω)+ωτ)項を介してスペクトル干渉パターンとなる。

余弦項から位相情報を導くいくつかの方法が存在するが、最も一般的な方法は、スペクトル干渉パターンの逆フーリエ変換を計算することである。すなわち、

は、スペクトル位相差△φ(ω)の全ての位相情報を含んでいる。従って、もしf(ω)が干渉パターンから導けるなら、位相差情報は知られる。スペクトル干渉の逆フーリエ変換が干渉パターンに対して実行されると以下の式が得られる。




もし、f(t−τ)項以外の全ての項がバンドパスフィルタによってフィルタ処理されると、位相情報はf(t−τ)に対するフーリエ変換により導かれる。

その後、位相情報は、フーリエ変換をフィルタ処理された項f(t−τ)に対して適用し、それをスペクトル領域に戻すことで導かれる。よって複素振幅

となる。この複素振幅の位相から遅延による直線部分(ωτ)を差し引くと、ωの関数として2つのパルス間のスペクトル位相差が求められる。これは、2つのパルス間の遅延とは無関係である。このように、2つのパルス間の位相差が得られる。

もしパルスの1つが、空気のような非分散媒体を通過し、残りのパルスが光ファイバのような分散媒体を通過するなら、位相差スペクトルは光ファイバ内での分散と直接的に関係する。従って、分散パラメータのグラフは波長に関して位相差スペクトルの二次導関数を計算することで決定できる。

しかしながら、この形態のスペクトル干渉計側法の主な問題点は、分散パラメータが直接的ではなく、波長に関する位相情報の二次導関数を介して決定されることである。従って、時間干渉計側法の場合と同様に、スペクトル干渉法のこの一般的な非平衡法は、本発明の直接的に分散パラメータを測定できる平衡化された方法(平衡状態が保たれた方法)ほどには正確ではない。

平衡化されたスペクトル干渉法においては、干渉計のアーム長は一定に保たれ、中央波長と呼ばれる所定の波長に対して平衡化する処理が行われ、両アームにおける群遅延が同一にされる。これでインターフェログラムの大きな線形分散項の影響の排除が可能になる。平衡干渉法は、分散パラメータDを、一群の遅延が両アームにおいて同一となる波長にて測定する。以降、この波長を中央波長と呼ぶ。この場合の分散パラメータは、その位相を微分することなく、スペクトルインターフェログラムの位相情報から直接的に決定できる。この理由で、この方法は平衡が取られない一般的なスペクトル干渉計側法および時間干渉計側法よりもさらに正確である。その結果、平衡化されたスペクトル干渉計側法はしばしば、短距離の導波路と短い光ファイバにおいて正確な分散の測定値を入手するために利用される。

スペクトル干渉法の両形態はノイズに影響を受ける確率が低いと考えられている。なぜなら、干渉計のアームは静止状態に保たれ、動作部分が存在しないからである。この理由で、一般的にスペクトル干渉計側法は時間干渉計側法よりも正確であると考えられている。よって、ペクトル干渉計側法は、フォトニック成分の分散と、スペクトル深度解像されている光学画像を測定するための選択技術であると考えられている。スペクトル干渉計側法の知られている1つの重要な技術は光干渉断層撮影法OCT)である。

平衡化された複式アームのスペクトル干渉計は、典型的にはマイケルソン干渉計またはマッハツェンダー干渉計の形態として見出される。この形態では、経路長は分散が測定される所定の波長で均等化される。しかし、最も頻度が高く利用される形態はマイケルソン干渉計であり、以下の説明はマイケルソン干渉計に関するものである。平衡化されたマイケルソン干渉計においては、分散は、試験対象ファイバを通過するものと、空気経路を通過するものとの2光波間の干渉から測定される。空気経路の長さを光ファイバと平衡な状態にすることで、干渉パターンにおける光ファイバの群屈折率の影響が排除される。これで、干渉パターンから直接的に波長に関する実効屈折率の二次導関数測定が可能になる。

マイケルソン干渉計における主な不都合な点は、2種類の経路の平衡処理を、同時進行的に実行しなければならないことである。一つめの種類の光路を平衡状態とする方法は、カプラアーム平衡化法である。ここではカプラアームは正確に平衡状態を保つ必要がある。さもなければ、余分な一対の干渉縞が、図1で示すようにカプラアームの2つの終端面での反射光線から生成される。

他方の種類の経路の平衡化処理とは、試験光ファイバと空気経路平衡化処理であり、所定の経路の長さのために、空気経路の中の光経路の長さを光ファイバの経路の長さと正確に一致させる。これで、干渉パターンの中央波長がOSAの可視帯域幅内に存在することが確実になる。

マイケルソン干渉計を利用する際の主な問題点は、カプラアームを正確に平衡な状態として配置することができないことであり、その結果、カプラ結合器)の切子面で発生する別なる一群の反射光の影響が除去できないことである。

分散の測定技術の比較
光ファイバの波長分散の測定のために開発された幾種類かの技術が存在する。特に重要な技術は、短い光ファイバの測定のために開発されたものである。短い光ファイバの特徴を特定する技術が重要である理由は、特殊なファイバの構成と製造における近年の進歩に関係する。

ツインホールファイバ(一対の孔が設けられているファイバ、THF)(図14)とフォトニック結晶ファイバ(PCF)のような特殊ファイバは、それらが高コストである理由により短いファイバの特徴を特定する技術を望ましいものにした。この理由により、これら種類のファイバの特徴を特定するには、TOF法の技術およびMPS法の技術は経済的ではない。短いファイバの特徴の特定についての更なる動機付けは、多くの特殊なファイバの形状が不均一なことである。この不均一な特性の結果、これらファイバの中の分散の程度は、その位置によって異なる。従って、このようなファイバについて長い距離に亘って分散を測定することは、同一ファイバを短い部分ついて測定した測定値とは異なるものとなるであろう。

以上の説明に基づき、分散の測定のために選択される技術は平衡化処理がなされたスペクトル干渉法となる。なぜなら、スペクトル干渉法は最も正確な測定値を提供するからである。よって、本発明の新技術は平衡化されたスペクトル干渉法を採用する。

分散の測定技術を比較する際の2つの重要なパラメータは、特徴の特定が可能なデバイスの最小の長さと、特徴の特定の達成精度とである。一般的には、高精度にて、可能な限り短いファイバの特徴を特定できることが望まれる。また、最も単純な方法によって測定を実施できることが望ましい。

従って、必要とされているものは、必要以上の干渉縞の排除を一切必要としない分散の測定のための新規な方法である。加えて必要とされるものは、光ファイバの短い部分において分散パラメータを測定する方法である。短い光ファイバの特徴化のための当初の必要性は、THF、PCFまたは利得ファイバのような特殊ファイバの分散を測定する必要性から発している。この必要性は、ファイバが高価であること、ファイバにおける非線形波干渉現象、並びにファイバに沿った不均一な分散現象によるものである。

発明の概要
本発明により、3波の干渉パターンと単一アームの干渉計を利用した導波路の短い部分における波長分散を決定するシステムおよび方法が開発された。

第一の実施態様においては、本発明は、導波路の波長分散の測定値を入手するための干渉計側システムに関する。このシステムは、入射波反射波とを分離する手段に接続された放射光線を放出する放射光源と、導波路の第一の終端部に隣接した出力アームを有する入射波と反射波とを分離する手段とを備えている。この入射波と反射波とを分離する手段はさらに検出器に接続されている。加えてこのシステムは、導波路の第二の終端部に位置するコリメータ手段と、このコリメータ手段から平衡状態となる距離に位置し、コリメータ手段、導波路および入射波と反射波とを分離する手段を通って戻る放射光源からの試験放射光反射させる反射手段とをさらに備えており、検出器で記録される干渉パターンを発生させる。

本発明の第二の実施態様においては、この干渉パターンは3波で成る。第一の波は導波路の切子面からの試験発光の反射光であり、第二の波は導波路の第二の切子面からの試験放射光の反射光であり、第三の波は反射手段からの試験発光の反射光である。

別の実施態様においては、本発明は導波路の波長分散の測定値を得るための干渉計側法に関し、以下のステップを含む。

a:放射光源を、入射波と反射波とを分離する手段に接続するステップであって、前記分離手段は、コネクタに至る出力アームを有しているステップと;
b:コネクタに隣接させて導波路の第一切子面を配置するステップと;
c:入射波と反射波とを分離する手段を検出器に接続するステップと;
d:導波路の第二切子面にコリメータレンズを配置するステップと;
e:コリメータレンズから平衡状態となる距離に反射手段を配置するステップと;
f:放射光源から放射光線を発生させるステップと;
g:検出器により3波で成るインターフェログラムを記録するステップであって、3波とは、第一の波が導波路の第一切子面からの放射光線の反射光であり、第二の波が導波路の第二切子面からの放射光線の反射光であり、第三の波が反射手段からの放射光線の反射光であるステップと;および
h:記録されたインターフェログラムから分散パラメータを測定するステップ。

本発明のさらに別なる実施の態様は、その波長分散が干渉計を利用して測定される導波路の最大長を増加させる方法に関し、以下のステップを含む。

a:一群の波長のそれぞれの波長にて放射光線の強度をサンプリングする工程を含む、インターフェログラムを生成するステップであって、それぞれの波長は調節可能なレーザの一段階ごとのサイズ(刻み幅)で分離されているステップと;
b:波長範囲の一群を選択するステップであって、それぞれの波長範囲は一又は二以上の波長に対応するインターフェログラムの一部を含んでおり、この一群の波長は、インターフェログラム全体を網羅するが、インターフェログラムのいかなる部分でも重なり合わないステップと;
c:波長範囲のそれぞれで測定される最大放射光強度を選択するステップと;および
d:波長包絡線を形成するために、それぞれの波長範囲の光の強度の最大値を連結させるステップ。

本発明は以下の図面を参照することでさらに詳細に理解されよう。
添付の図面は、本明細書に組み込まれており、明細書の一部を構成して、本発明の種々なシステムおよび方法を例として示しているが、図面の内容で明細書の範囲を限定することは意図されていない。

概要

本発明は、3波の干渉現象と単一アームの干渉計を利用した、短い導波路における波長分散を測定するシステムと方法に関する。特に本発明は、入射波と反射波とを分離する手段に接続され、光を放射する光源と、導波路の第一の終端部に隣接した出力アームとを備えた入射波と反射波とを分離する手段と、入射波と反射波とを分離する手段に接続された検出器と、導波路の第二の終端部に位置するコリメータ手段と、コリメータ手段から平衡化された距離に位置し、光源からの試験的な放射光を反射し、コリメータ手段と、導波路と、入射波と反射波とを分離する手段とを通過させて戻し、検出器にて記録される干渉パターンを生成させる反射手段とを含んでいることを特徴とする。

目的

光ファイバにおいて、分散の影響に対処する現在の方法は、分散を補償する装置、例えばチャープファイバーブラッググレーティングおよび分散補償ファイバ(DCF)を使用することである

効果

実績

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請求項1

導波路波長分散測定値を得るための干渉計システムであって、a)入射波反射波とを分離する手段に接続された光線放射する光源と、b)導波路の第一の終端部に隣接した、出力アームを有する、入射波と反射波とを分離する前記手段と、c)更に検出器に接続された入射波と反射波とを分離する前記手段と、d)前記導波路の第二の終端部に配置されるコリメータ手段と、e)前記コリメータ手段から平衡状態となる距離に位置しており、前記光源からの試験的な放射光反射して、前記コリメータ手段と、前記導波路と、入射波と反射波とを分離する前記手段とを通過させて戻し、前記検出器にて記録される干渉パターンを生成させる反射手段と、を含んでいることを特徴とする干渉計システム。

請求項2

干渉パターンが3つの波で構成されており、、第一の波は導波路の第一の切子面からの試験的に放射される光の反射光であり、第二の波は前記導波路の第二の切子面からの試験的に放射される光の反射光であり、第三の波は前記反射手段からの試験的に放射される光の反射光であることを特徴とする請求項1記載の干渉計システム。

請求項3

入射波と反射波とを分離する前記手段は、サーキュレータであることを特徴とする請求項1記載の干渉計システム。

請求項4

入射波と反射波とを分離する前記手段は、2対1カプラであることを特徴とする請求項1記載の干渉計システム。

請求項5

前記干渉計は、単一アームの干渉計であることを特徴とする請求項1記載の干渉計システム。

請求項6

前記光源は、調節可能なレーザであることを特徴とする請求項1記載の干渉計システム。

請求項7

前記検出器は、光スペクトル分析器であることを特徴とする請求項1記載の干渉計システム。

請求項8

入射波と反射波とを分離する前記手段の前記出力アームは、斜め研磨されたコネクタ終端となるローンチ導波路で構成されていることを特徴とする請求項1記載の干渉計システム。

請求項9

接続がなされる前記導波路の終端は、平坦研磨されたコネクタであることを特徴とする請求項1記載の干渉計システム。

請求項10

前記コリメータ手段は、コリメータレンズであることを特徴とする請求項1記載の干渉計システム。

請求項11

前記反射手段は、ミラーであることを特徴とする請求項1記載の干渉計システム。

請求項12

前記斜め研磨されたコネクタの終端は、前記サーキュレータへの戻る反射を最小とする角度が形成されていることを特徴とする請求項8記載の干渉計システム。

請求項13

前記斜め研磨されたコネクタは、固定手段を利用して前記導波路との位置が整合されていることを特徴とする請求項8記載の干渉計システム。

請求項14

前記固定手段は、導波路との接触を最小化することによって、斜め研磨されたコネクタの損傷を防いでいることを特徴とする請求項13記載の干渉計システム。

請求項15

前記固定手段は、光ファイバ接続ピンであることを特徴とする請求項13記載の干渉計システム。

請求項16

前記導波路は、光ファイバフォトニック結晶ファイバナノワイヤナノファイバおよびエッチングされた導波路から選択されたものであることを特徴とする請求項1記載の干渉計システム。

請求項17

前記導波路は、シングルモードファイバであることを特徴とする請求項16記載の干渉計システム。

請求項18

前記導波路は、ツインホールファイバであることを特徴とする請求項16記載の干渉計システム。

請求項19

前記導波路は、分散補償ファイバであることを特徴とする請求項16記載の干渉計システム。

請求項20

前記導波路は、利得ファイバであることを特徴とする請求項16記載の干渉計システム。

請求項21

測定値を得ることが可能な導波路の長さの最小値が、前記光源の帯域幅によって規制されることを特徴とする請求項1記載の干渉計システム。

請求項22

前記光源の帯域幅は、その桁数が百ナノメートルであり、前記導波路の長さの最小値は、その桁数が十センチであることを特徴とする請求項21記載の干渉計システム。

請求項23

測定値を得ることが可能な導波路の長さの最大値が、調節可能なレーザの最小ステップ幅によって規制されることを特徴とする請求項6記載の干渉計システム。

請求項24

前記干渉計はモジュール式であり、広帯域の光源に対して挿入されることを特徴とする請求項1記載の干渉計システム。

請求項25

前記干渉計はモジュール式であり、光波の測定システムに接続されていることを特徴とする請求項1記載の干渉計システム。

請求項26

導波路の偏光モード分散の測定値を得るための操作が可能であって、3つのコイルを形成しており、この各コイルが360°の回転を含んでいる操作可能なローンチ導波路で構成されていることを特徴とする請求項8記載の干渉計システム。

請求項27

導波路の偏光モード分散の測定値を得るための操作が可能であって、前記コリメータ手段と前記反射手段との間に直線状の偏光子が配置されており、前記直線状の偏光子は試験的な光の通路に対して0°から90°の間の角度となるように方向付けられていることを特徴とする請求項1記載の干渉計システム。

請求項28

導波路の波長分散の測定値を得るための干渉法であって、a)入射波と反射波とを分離する手段に、光源を接続するステップであって、前記光源は、コネクタが終端となっており、出力アームを備えているところのステップと、b)前記コネクタに隣接させて、導波路の第一の切子面を配置するステップと、c)入射波と反射波とを分離する前記手段を、検出器に接続するステップと、d)前記導波路の第二の切子面に、コリメータレンズを配置するステップと、e)前記コリメータレンズと平衡状態となる距離に、反射手段を配置するステップと、f)前記光源から光を放射させるステップと、g)前記検出器によって、3つの波で成るインターフェログラムを記録するステップであって、この3つの波は、第一の波が前記導波路の前記第一の切子面から放射される光の反射光であり、第二の波が前記導波路の前記第二の切子面から放射される光の反射光であり、第三の波が前記反射手段から放射される光の反射光であるステップと、h)記録された前記インターフェログラムから分散パラメータを測定するステップと、を含んでいることを特徴とする干渉法。

請求項29

前記干渉計は単一アームの干渉計であることを特徴とする請求項28記載の干渉法。

請求項30

モジュール化された干渉計によって外部の導波路の波長分散の測定値を得るための干渉法であって、a)以下(1)〜(3)の要素を含んだモジュール式干渉計を準備するステップであってその要素とは、(1)外部の光源を、入射波と反射波とを分離する内部手段に接続するように操作可能な第一の入力部と、(2)外部の検出器を、入射波と反射波とを分離する前記内部手段に接続するように操作可能な第二の入力部と、(3)前記導波路の第一の切子面を、入射波と反射波とを分離する前記内部手段に接続するように操作可能な第三の入力部と、前記導波路の第二の切子面を、内部の一定の距離に反射手段が配置されたコリメータ手段に、近接して配置するように操作可能な第四の入力部とを含む2系統の入力部であり、b)前記第三の入力部に前記導波路の第一の切子面を接続するステップと、c)前記第四の入力部に前記導波路の第二の切子面を接続するステップと、d)前記外部の光源から放射する光を発生させるステップと、e)前記外部の検出器によって、3つの波のインターフェログラムを記録するステップであって、この3つの波は、第一の波が前記導波路の前記第一の切子面から放射される光の反射光であり、第二の波が前記導波路の前記第二の切子面から放射される光の反射光であり、第三の波が前記反射手段から放射される光の反射光であるステップと、f)記録された前記インターフェログラムから分散パラメータを測定するステップと、を備えていることを特徴とする干渉法。

請求項31

干渉計を用いて波長分散を測定することのできる導波路の最大長を増大させる方法であって、a)一組の波長のそれぞれについて、放射される光の強度をサンプリングすることを含むインターフェログラムを生成するステップであって、それぞれの波長が調節可能なレーザのステップ幅により分離されているステップと、b)1またはそれ以上の前記波長に対応するインターフェログラムの一部を含み、インターフェログラム全体を網羅するが、前記インターフェログラムのいかなる部分でも重なり合わない波長範囲の組を選択するステップと、c)前記波長範囲のそれぞれで測定される光の強度の最大値を選択するステップと、d)波長包絡線を形成するために、それぞれの前記波長範囲の前記光の強度の最大値を連結するステップと、を備えていることを特徴とする方法。

請求項32

長い導波路を対象とし、ステップ幅の高い標準偏差を有する調節可能なレーザを選択するステップを備えており、それぞれの波長範囲で測定される光の強さの最大値が入手できる確率を安定させることを特徴とする請求項31記載の方法。

技術分野

0001

発明の分野
本発明は、3波の干渉パターン単一アーム干渉計を使用して、短い導波路における波長分散を測定するためのシステムと方法に関する。

背景技術

0002

発明の背景
光デバイス光素子フォトニックデバイス)の主要な構成要素のうちの一つに、光伝達のために、光透過損失が低い媒体として利用される導波路または光ファイバがある。光ファイバのような導波路の重要な特徴の一つが、導波路の内部を伝搬する時の光の分散である。分散は、周波数の異なる光を、異なる速度で伝搬させる現象である。分散の現象は、一般的には、プリズムによって光を広げて分光させることで、観察される。広範な周波数スペクトルを含む白色光がプリズムに入ると、各周波数は異なる屈折率を示すことから、異なる波長は異なる角度で曲げられる。この現象は、17世紀ニュートンによって、最初に定量化された。ファイバの内部で、周波数に対する屈折率の違いが、速度の周波数依存を引き起こすこととなる。

0003

分散現象のより現代的な例は、分散の現象が通信システムで使用される光デバイスの性能に与える影響である。これらのシステムにおいては、分散、更に具体的には二次分散は、デジタル通信システムの1または0を意味するために用いられるパルス広がり拡幅現象)を導く。パルスの広がりは、隣接するビットに重なり合って、符号間干渉を招く。符号間干渉は、パルスが隣接するビットと重なり合い始める程度まで、その割当られたビット・スロットの向こうで広がるときに発生する。そして、特定されたビットが1を含むのか0を含むのかをどうか決定することがもはやできなくなる。

0004

符号間干渉の結果、割当られたビット・スロットは拡張が必要となる。そしてこれは、特定の時間間隔の中で伝送することができるビット数を著しく少なくしてしまい、システムの帯域幅を減じてしまう。その結果、最新の通信システムは、分散の影響を緩和するための方法を発展させてきた。

0005

光ファイバにおいて、分散の影響に対処する現在の方法は、分散を補償する装置、例えばチャープファイバーブラッググレーティングおよび分散補償ファイバ(DCF)を使用することである。効果的にこれらの技術を使用するためには、補償の対象となる分散の正確な大きさを知っていることが、重要である。その結果、伝送システムと分散補償システムの両方における分散についての知識が、通信システム全体を設計するために重要である。

0006

導波路の分散の知見は、非線形な波の相互作用現象に基づくファイバの研究のために重要でもある。光ソリトンは、それがファイバに沿って伝播するときに恒常的な形状(幅)を維持する(一次ソリトン)パルスか、または伝搬するに従って周期的に変化する形状を有する(より高次なソリトン)パルスである。これは、分散と自己位相変調(SPM)との効果が平衡状態であるという事実に起因する。SPMは、与えられたパルスの位相が、光自身の強度プロファイルにより変化することの結果である。光ファイバの分散についての知識は、光ソリトンの形成のために必要な強度の決定を可能にする。SPMのこの効果はソリトン効果パルス圧縮の領域で利用されてきた。この分野では、SPMのチャーピングの影響と、引き続く負の分散の分配された圧縮効果との組み合わせが、光のパルスの圧縮に利用されている。分散の知識は、二次の高調波発生、3波の混合および4波の混合のような非線形の効果の研究にとっても重要である。なぜなら、その知識は、種々な波長間での干渉(相互作用)の長さを決定するからである。分散は、擬似的な位相整合QPMデバイスでのように、この干渉の長さを延ばすことを目的とする技術においては特に重要である。

0007

導波路の波長分散理論
分散は、物体の屈折率が、その物体を通過する光線放射線)の周波数あるいは波長と共に変動する現象である。用語“波長分散”はこの波長への依存を強調するために頻繁に使用される。導波路または光ファイバ内での全分散は、物質組成物質分散)と導波路の形状(導波路分散)との両方の相関要因関数)である。この章では、物質と導波路の分散の両方の関与概説し、それらの物理発生源を特定し、その説明のために数学技術用語を利用する。

0008

導波路での分散
光が導波路または光ファイバ内に閉じ込められると、屈折率は導波路の物質と導波路の形状の両方が関与する特性となる。導波路の形状は導波路の構造による光の閉じ込めを介して屈折率を変動させる。従って屈折率は物質分散と導波路分散の両方の関数となる。この理由で、光ファイバまたは導波路内では屈折率は実効屈折率として知られている。

0009

実効屈折率の二次導関数(微分)が、波長に伴ってどのように変動するかを解説するため、二次分散を表わす分散パラメータDは以下の式によって得られる。



この分散パラメータは重要である。なぜなら、分散パラメータはパルス拡幅に関係しており、通信システムのビットレート(速度)を大幅に制限するからである。

0010

光ファイバのような導波路の分散パラメータは、物質と導波路の両方の寄与による総分散によって与えられる。この総分散は、物質分散と導波路分散の両方の組み合わせである。従って、導波路の分散パラメータは次の式で与えられる。



以下の2つの章では物質分散と導波路分散の両方の総分散に対する個別の関与を説明する。

0011

物質分散
物質分散は、物質の原子分子電磁波に対する周波数または波長依存反応から生じる。あらゆる媒体は分散型であり、唯一非分散媒体は真空である。物質分散源は、物質の原子特性およびその特性の周波数依存性の理解により考察できる。共振周波数と呼ばれる特徴的な周波数に周波数が接近すると、原子が電磁波をさらに効果的に吸収し、再放射する理由によって物質分散が発生する。

0012

適用された電界が原子に影響を及ぼすとき、原子は、その原子を取り囲む電荷雲を歪め、電界周波数と原子の共振周波数との相対差反比例する偏光誘起する。従って、電磁線の周波数が原子共振周波数に近いほど、誘起された偏光の程度は大きくなり、負の電荷雲と正の原子核との間の変位は大きくなる。

0013

続いて、波長に対する物質の群屈折率導関数を求めるか、等価的に、波長に対する絶対屈折率の二次導関数を求めることで物質分散が決定される。

0014

導波路分散
導波路形状が異なる周波数の光の速度に対して様々な影響を及ぼすために、導波路分散は発生する。さらに技術的に解説すれば、導波路分散は光学モードでの光の閉じ込めによる屈折率の変動によって引き起こされる。導波路分散は、標準化されたコア(芯部)と標準化されたクラッド被膜部)の屈折率の差△=(ncore−ncladding)/ncoreのような導波路の物質パラメータと、コアのサイズ(a)のような幾何学的なパラメータとの関数である。閉じ込められた媒体内での伝搬によって引き起こされる屈折率の変動部分のために、導波路内の屈折率は実効屈折率Neffと呼ばれる。

0015

閉じ込めはVパラメータとして知られる数値によって説明できる。これは導波路の物質と形状の両方の関数である。Vパラメータは以下の式4で提供される。

0016

導波路内の伝搬は標準化された伝搬定数(b)として知られる数値によって説明される。伝搬定数も導波路の物質と形状の両方の関数である。この数値(量)は式5により提供される。

0017

分散パラメータに対する導波路の関与は導波路内の光の閉じ込めと伝搬に依存する。よってその寄与程度はVパラメータと標準化伝搬定数(b)の両方の関数である。導波路分散は式6を介してVとbを知ることで計算できる。

0018

ほとんどの場合には、標準的なシングルモード光ファイバ内での導波路分散の主な効果(現象)は、バルク(塊体)内の分散と較べて分散が減少することである。物質分散と較べて、導波路分散の寄与程度は非常に小さく、ほとんどの標準的なシングルモード光ファイバ内では、ゼロ分散波長を1276nmから1310nmに移すだけである。

0019

要約すれば、導波路内または光ファイバ内での分散は、物質によるばかりではなく、導波路内の閉じ込めと伝搬の効果(現象)によっても引き起こされる。従って、導波路内の分散の正確な知識は物質分散の単純な知識のみによっては得られず、導波路の効果(影響)の知識が含まれなければならない。その結果、導波路の寸法を非常に正確に知って導波路分散を計算できるようにする(製造工程が完璧ではないため簡単ではない)か、分散を経験的に測定しなければならない。(総)分散パラメータDの正確な測定はフォトニックシステムの構成には重要である。

0020

偏光モード分散
前述に加えて、光導波路は偏光モード分散(PMD)によって悪影響を受ける。PMDは非対称コアを備えた光ファイバ内に存在する。光ファイバ内では、2本の偏光軸のうちの1本に沿って伝搬する光は、他方の偏光軸に沿って伝搬する光に対しては直角に伝搬する。非対称光ファイバでは、光は2軸に沿って異なる速度で伝搬する。このことによってパルスが拡幅され、その検出器では検出できなくなる。

0021

従来の測定技術
3種の分散の測定技術が存在する。すなわち、飛行時間法タイムオブフライト法、TOF法)、変調移相シフト法(MPS)および干渉法である。TOFとMPSは最も広く利用されている商業的な分散の測定技術である。干渉法の技術は商業的にはさほど広く利用されていない技術であるが、研究所において分散の測定のために利用されてきた。干渉法の技術には2つの形態が存在する。すなわち時間干渉法とスペクトル干渉法である。それらの技術は、測定精度とファイバの長さの要件という点で相違点がある。

0022

飛行時間法(TOF法)の技術
TOF法の技術においては、二次分散パラメータのD(以下に於いては、単に“分散パラメータ”とも言う)は、異なる波長でのパルス間の相対的時間遅延を測定するか、パルス拡幅値自体を測定することで決定できる。異なる波長でのパルス間の相対的時間遅延が測定されて、群速度が決定される。この値は以下の式7を使用した分散パラメータの決定に利用できる。

0023

もし、△tが測定されたパルスの拡幅値であり、△λがパルスの波長の帯域幅であれば、上記式は、パルス拡幅値自体からの分散パラメータの決定にも利用できる。TOF法の技術により達成可能な測定精度は、1ps/nmの桁数程度である。

0024

TOF法の技術の主な問題点の1つは、異なる波長の測定可能時間差蓄積するには、一般的に数キロにわたる光ファイバを必要とすることである。パルス拡幅値を直接的に測定するときのTOF法の技術の別な問題点は、分散パラメータの測定値誤差を招くパルス形状の変化によってパルス幅が影響を受けることである。その結果、1ps/nm−km近辺の精度で分散パラメータを測定するためには数キロの光ファイバが必要となる。

0025

変調移相シフト法(MPS法)の技術
MPS法の技術は長い光ファイバが必要される、別なる分散の特徴づけを行う技術である。MPS法の技術では、連続的な波型光信号は、RF信号によって変調された振幅を有しており、分散パラメータは、異なる波長での光学キャリア(信号)が経験するRF位相遅延の測定によって決定される。

0026

RF位相遅延情報はこの技術によって引き出され、この位相情報の二次導関数を計算することで分散パラメータは決定できる。MPS法の技術により達成可能な測定精度の桁数は0.07ps/nm程度である。このような高精度のため、MPSは光ファイバの分散の測定の工業標準となっている。しかし、MPSは幾つかの弱点を有する。まず、RF分析器および調節可能なレーザのような必要とされる機器が高価であるため利用費用が高額となることである。別な弱点は、その精度がRF信号の安定性不安定性の両方によって限定されることである。

0027

MPSは、特徴を特定することが可能なデバイスの長さの最小値について、いくつかの限定的な要因を有する。MPS法では、変調された信号幅が、特徴の特定が可能なデバイスの長さの最小値を制限する。典型的には、この方法はまた、1ps/nm−kmよりも優れた精度を得るためには何十メートル以上にわたる光ファイバの長さを必要とする。従って、長い光ファイバが高価であるとか、入手不能であるような特殊ファイバ並びに利得ファイバの特徴づけには望ましくない。また、光ファイバ均質性が長さ方向に沿って変動するとき、長い光ファイバでの分散は、光ファイバの短い部分の分散を正確に表すために利用することができない。このような場合、短い光ファイバのサンプルに対して直接的に実行される高精度な測定が望ましい。よって、短い光ファイバの分散の測定技術が望まれている。

0028

短距離での分散の測定
干渉測定技術は、1m以下のファイバの長さにおける分散の特徴を特定することができる。短いファイバの分散の測定を行うための干渉測定技術には2つの種類が存在する。時間干渉法およびスペクトル干渉法である。

0029

時間干渉法(フーリエ変換分光法
複式アームの時間干渉計は、試験用の光ファイバを通過する固定経路と変更可能な大気経路との間で経時的なインターフェログラム合成波形)を作成するために、広帯域光源と変更可能な光路可変光路)とを利用する。この測定には、干渉計の1本のアームを定速で移動させることと、干渉パターンを遅延長(時間)の関数としてグラフ化することが関与する。続いてスペクトル振幅と位相が時間インターフェログラムのフーリエ変換によって決定される。

0030

経時的なインターフェログラムは時間の関数として位相変動を示す。フーリエ変換を適用すると、スペクトル位相変動が時間インターフェログラムから導かれる。スペクトル位相は、スペクトル位相の二次導関数を求めることで間接的に得られる分散情報を含む。時間干渉計側法を利用し、0.814m長のフォトニック結晶ファイバに対して測定した0.0015ps/nmの精度が最近になって報告されている。時間干渉計側法の主な弱点は、変換の不正確性および変更可能な経路オプティック光学素子)の振動の両方によるノイズに影響を受けることである。典型的には、遅延する経路の長さのキャリブレーションには追尾レーザが必要である。この技術のさらに別な問題点は、分散パラメータを得るには位相情報の二次導関数を求めなければならないことである。すなわち、直接的に分散パラメータを得る方法よりも精度が落ちることである。

0031

スペクトル干渉法
時間干渉法と同様に、スペクトル干渉法は、短い光ファイバ(1m以下)の分散を特徴を特定することができる。スペクトル干渉法においては、アームの1本の長さをステップ処理する代わりに、スペクトルのインターフェログラムを作成するために波長領域の走査処理が実行される。スペクトル干渉法は一般的には時間干渉法よりも安定している。なぜなら、干渉計のアームが静止状態に保たれるからである。よって、追尾レーザが不要であるため、それは時間干渉法よりも単純である。

0032

2種類のスペクトル干渉法が存在する。1つは一般的なものであり、平衡化処理を必要としない。もう1つは特殊な場合であり、平衡化処理が行われる。平衡化処理がなされている場合にはインターフェログラムから直接的に分散パラメータを測定することができる。これで時間干渉法よりもさらに正確に測定できる。この理由によってスペクトル干渉法を分散の測定技術として説明する。

0033

一般的なスペクトル干渉法では、分散パラメータは、非平衡状態である複式アームの干渉計(デュアルアームの干渉計)の2つの時間遅延光パルスビーム)によって生成された干渉スペクトルから得られる。干渉計の2本のアームからの2つのパルス(ビーム)はスペクトロメータにおいて干渉するように設定され、スペクトルインターフェログラムが作成される。所定時間または位相遅延のために作成された干渉パターンは以下の式で得られる。



上記の式8の最後の2項はcos(△φ(ω)+ωτ)項を介してスペクトル干渉パターンとなる。

0034

余弦項から位相情報を導くいくつかの方法が存在するが、最も一般的な方法は、スペクトル干渉パターンの逆フーリエ変換を計算することである。すなわち、

は、スペクトル位相差△φ(ω)の全ての位相情報を含んでいる。従って、もしf(ω)が干渉パターンから導けるなら、位相差情報は知られる。スペクトル干渉の逆フーリエ変換が干渉パターンに対して実行されると以下の式が得られる。




もし、f(t−τ)項以外の全ての項がバンドパスフィルタによってフィルタ処理されると、位相情報はf(t−τ)に対するフーリエ変換により導かれる。

0035

その後、位相情報は、フーリエ変換をフィルタ処理された項f(t−τ)に対して適用し、それをスペクトル領域に戻すことで導かれる。よって複素振幅

となる。この複素振幅の位相から遅延による直線部分(ωτ)を差し引くと、ωの関数として2つのパルス間のスペクトル位相差が求められる。これは、2つのパルス間の遅延とは無関係である。このように、2つのパルス間の位相差が得られる。

0036

もしパルスの1つが、空気のような非分散媒体を通過し、残りのパルスが光ファイバのような分散媒体を通過するなら、位相差スペクトルは光ファイバ内での分散と直接的に関係する。従って、分散パラメータのグラフは波長に関して位相差スペクトルの二次導関数を計算することで決定できる。

0037

しかしながら、この形態のスペクトル干渉計側法の主な問題点は、分散パラメータが直接的ではなく、波長に関する位相情報の二次導関数を介して決定されることである。従って、時間干渉計側法の場合と同様に、スペクトル干渉法のこの一般的な非平衡法は、本発明の直接的に分散パラメータを測定できる平衡化された方法(平衡状態が保たれた方法)ほどには正確ではない。

0038

平衡化されたスペクトル干渉法においては、干渉計のアーム長は一定に保たれ、中央波長と呼ばれる所定の波長に対して平衡化する処理が行われ、両アームにおける群遅延が同一にされる。これでインターフェログラムの大きな線形分散項の影響の排除が可能になる。平衡干渉法は、分散パラメータDを、一群の遅延が両アームにおいて同一となる波長にて測定する。以降、この波長を中央波長と呼ぶ。この場合の分散パラメータは、その位相を微分することなく、スペクトルインターフェログラムの位相情報から直接的に決定できる。この理由で、この方法は平衡が取られない一般的なスペクトル干渉計側法および時間干渉計側法よりもさらに正確である。その結果、平衡化されたスペクトル干渉計側法はしばしば、短距離の導波路と短い光ファイバにおいて正確な分散の測定値を入手するために利用される。

0039

スペクトル干渉法の両形態はノイズに影響を受ける確率が低いと考えられている。なぜなら、干渉計のアームは静止状態に保たれ、動作部分が存在しないからである。この理由で、一般的にスペクトル干渉計側法は時間干渉計側法よりも正確であると考えられている。よって、ペクトル干渉計側法は、フォトニック成分の分散と、スペクトル深度解像されている光学画像を測定するための選択技術であると考えられている。スペクトル干渉計側法の知られている1つの重要な技術は光干渉断層撮影法OCT)である。

0040

平衡化された複式アームのスペクトル干渉計は、典型的にはマイケルソン干渉計またはマッハツェンダー干渉計の形態として見出される。この形態では、経路長は分散が測定される所定の波長で均等化される。しかし、最も頻度が高く利用される形態はマイケルソン干渉計であり、以下の説明はマイケルソン干渉計に関するものである。平衡化されたマイケルソン干渉計においては、分散は、試験対象ファイバを通過するものと、空気経路を通過するものとの2光波間の干渉から測定される。空気経路の長さを光ファイバと平衡な状態にすることで、干渉パターンにおける光ファイバの群屈折率の影響が排除される。これで、干渉パターンから直接的に波長に関する実効屈折率の二次導関数測定が可能になる。

0041

マイケルソン干渉計における主な不都合な点は、2種類の経路の平衡処理を、同時進行的に実行しなければならないことである。一つめの種類の光路を平衡状態とする方法は、カプラアーム平衡化法である。ここではカプラアームは正確に平衡状態を保つ必要がある。さもなければ、余分な一対の干渉縞が、図1で示すようにカプラアームの2つの終端面での反射光線から生成される。

0042

他方の種類の経路の平衡化処理とは、試験光ファイバと空気経路平衡化処理であり、所定の経路の長さのために、空気経路の中の光経路の長さを光ファイバの経路の長さと正確に一致させる。これで、干渉パターンの中央波長がOSAの可視帯域幅内に存在することが確実になる。

0043

マイケルソン干渉計を利用する際の主な問題点は、カプラアームを正確に平衡な状態として配置することができないことであり、その結果、カプラ結合器)の切子面で発生する別なる一群の反射光の影響が除去できないことである。

0044

分散の測定技術の比較
光ファイバの波長分散の測定のために開発された幾種類かの技術が存在する。特に重要な技術は、短い光ファイバの測定のために開発されたものである。短い光ファイバの特徴を特定する技術が重要である理由は、特殊なファイバの構成と製造における近年の進歩に関係する。

0045

ツインホールファイバ(一対の孔が設けられているファイバ、THF)(図14)とフォトニック結晶ファイバ(PCF)のような特殊ファイバは、それらが高コストである理由により短いファイバの特徴を特定する技術を望ましいものにした。この理由により、これら種類のファイバの特徴を特定するには、TOF法の技術およびMPS法の技術は経済的ではない。短いファイバの特徴の特定についての更なる動機付けは、多くの特殊なファイバの形状が不均一なことである。この不均一な特性の結果、これらファイバの中の分散の程度は、その位置によって異なる。従って、このようなファイバについて長い距離に亘って分散を測定することは、同一ファイバを短い部分ついて測定した測定値とは異なるものとなるであろう。

0046

以上の説明に基づき、分散の測定のために選択される技術は平衡化処理がなされたスペクトル干渉法となる。なぜなら、スペクトル干渉法は最も正確な測定値を提供するからである。よって、本発明の新技術は平衡化されたスペクトル干渉法を採用する。

0047

分散の測定技術を比較する際の2つの重要なパラメータは、特徴の特定が可能なデバイスの最小の長さと、特徴の特定の達成精度とである。一般的には、高精度にて、可能な限り短いファイバの特徴を特定できることが望まれる。また、最も単純な方法によって測定を実施できることが望ましい。

0048

従って、必要とされているものは、必要以上の干渉縞の排除を一切必要としない分散の測定のための新規な方法である。加えて必要とされるものは、光ファイバの短い部分において分散パラメータを測定する方法である。短い光ファイバの特徴化のための当初の必要性は、THF、PCFまたは利得ファイバのような特殊ファイバの分散を測定する必要性から発している。この必要性は、ファイバが高価であること、ファイバにおける非線形波干渉現象、並びにファイバに沿った不均一な分散現象によるものである。

0049

発明の概要
本発明により、3波の干渉パターンと単一アームの干渉計を利用した導波路の短い部分における波長分散を決定するシステムおよび方法が開発された。

0050

第一の実施態様においては、本発明は、導波路の波長分散の測定値を入手するための干渉計側システムに関する。このシステムは、入射波反射波とを分離する手段に接続された放射光線を放出する放射光源と、導波路の第一の終端部に隣接した出力アームを有する入射波と反射波とを分離する手段とを備えている。この入射波と反射波とを分離する手段はさらに検出器に接続されている。加えてこのシステムは、導波路の第二の終端部に位置するコリメータ手段と、このコリメータ手段から平衡状態となる距離に位置し、コリメータ手段、導波路および入射波と反射波とを分離する手段を通って戻る放射光源からの試験放射光反射させる反射手段とをさらに備えており、検出器で記録される干渉パターンを発生させる。

0051

本発明の第二の実施態様においては、この干渉パターンは3波で成る。第一の波は導波路の切子面からの試験発光の反射光であり、第二の波は導波路の第二の切子面からの試験放射光の反射光であり、第三の波は反射手段からの試験発光の反射光である。

0052

別の実施態様においては、本発明は導波路の波長分散の測定値を得るための干渉計側法に関し、以下のステップを含む。

a:放射光源を、入射波と反射波とを分離する手段に接続するステップであって、前記分離手段は、コネクタに至る出力アームを有しているステップと;
b:コネクタに隣接させて導波路の第一切子面を配置するステップと;
c:入射波と反射波とを分離する手段を検出器に接続するステップと;
d:導波路の第二切子面にコリメータレンズを配置するステップと;
e:コリメータレンズから平衡状態となる距離に反射手段を配置するステップと;
f:放射光源から放射光線を発生させるステップと;
g:検出器により3波で成るインターフェログラムを記録するステップであって、3波とは、第一の波が導波路の第一切子面からの放射光線の反射光であり、第二の波が導波路の第二切子面からの放射光線の反射光であり、第三の波が反射手段からの放射光線の反射光であるステップと;および
h:記録されたインターフェログラムから分散パラメータを測定するステップ。

0053

本発明のさらに別なる実施の態様は、その波長分散が干渉計を利用して測定される導波路の最大長を増加させる方法に関し、以下のステップを含む。

a:一群の波長のそれぞれの波長にて放射光線の強度をサンプリングする工程を含む、インターフェログラムを生成するステップであって、それぞれの波長は調節可能なレーザの一段階ごとのサイズ(刻み幅)で分離されているステップと;
b:波長範囲の一群を選択するステップであって、それぞれの波長範囲は一又は二以上の波長に対応するインターフェログラムの一部を含んでおり、この一群の波長は、インターフェログラム全体を網羅するが、インターフェログラムのいかなる部分でも重なり合わないステップと;
c:波長範囲のそれぞれで測定される最大放射光強度を選択するステップと;および
d:波長包絡線を形成するために、それぞれの波長範囲の光の強度の最大値を連結させるステップ。

0054

本発明は以下の図面を参照することでさらに詳細に理解されよう。
添付の図面は、本明細書に組み込まれており、明細書の一部を構成して、本発明の種々なシステムおよび方法を例として示しているが、図面の内容で明細書の範囲を限定することは意図されていない。

図面の簡単な説明

0055

図1は、マイケルソン干渉計のためのカプラム反射光によって生成される干渉を説明する図である。
図2は、3波のインターフェログラムを生成させる単一アームの干渉計を説明する図である。
図3は、インターフェログラムを含んだ3波の光源を説明する図である。
図4は、例示的な光ファイバを利用して3つの干渉波から生成されたインターフェログラムの例を説明する図である。
図5は、インターフェログラムから分散情報を導くのに必要とされる最低限必要な光源の帯域幅とトラフ(谷部)の位置を説明する図である。
図6は、所定の光源の帯域幅に対して分散情報を導き出すのに必要とされる最小のファイバの長さを説明する図である。
図7は、波長範囲のウィンドウとしての区切り処理の方法を説明する図である。
図8は、測定された確率密度関数と、例示的な調節可能なレーザの刻み幅のためのガウスフィッティングとを説明する図である。
図9は、所定の波長範囲においてピーク部分ヒットする確率を決定するための、刻み幅およびキャリアの確率密度関数を説明する図である。
図10は、少なくとも1つのピークが、所定の波長範囲でサンプリングされる確率とファイバの長さとの間の関係を説明する図である。
図11は、単一アームの干渉計と、調節可能なレーザ光源と、検出器とを含んだシステムとを説明する図である。
図12は、単一アームの干渉計を利用して分散の特徴を特定した実験結果を説明する図である。
図13は、単一アームの干渉計を利用して分散の特徴を特定した実験結果を説明する図である。
図14は、典型的なツインホールファイバの断面図である。
図15は、単一アームの干渉計を利用して分散の特徴を特定した実験結果を説明する図である。
図16は、調節可能なレーザシステムのための分散の測定モジュールの一実施例を説明する図である。

実施例

0056

発明の詳細な説明
システム運用
1.単一アームの干渉法の開発
単一アームの干渉計(SAI)は、マイケルソン干渉計(図1)の2本のアームを共に折り曲げて1本の経路を形成し、試験ファイバの背後にミラーを設置することにより製造できる。この構成の形態は、複式アームの干渉計に必要とされるキャリブレーションの工程を排除するように構成されており、カプラは、カプラと試験ファイバ/カプラと空気経路の切子面からの追加の反射光の影響を排除するために、長さが非平衡状態となるように製造されている。校正(キャリブレーション)が不要であるため、単一アームの干渉計の技術は、複式アームの干渉計の技術よりもさらに正確である。

0057

1.1 新たな概念
平衡化がなされた単一アームの干渉計(SAI)は、短いファイバの分散を直接的に測定できる。平衡化されたSAIの1例は図2で図示されている。光源(11)(以下、線源あるいは放射線源ともいう)は、入射波と反射波とを分離できる装置に入力される光信号を発生する。この装置は、サーキュレータ(13)、カプラまたはその他の光波分離手段でよい。続いてこの光信号はローンチファイバ(15)を通過し、ローンチファイバ(15)の端部の切子面における反射を最小化するように動作する斜め研磨されたコネクタ(25)(特定の研磨角度研磨された連結手段)を経由して、隣接配置された試験ファイバ(17)にまで伝搬する。この光信号は試験ファイバ(17)を通って伝搬し、図1で示すようにコリメート手段(平行手段)(19)を通過する。最後に、平行とされた信号はミラー(鏡)(21)で反射し、コリメート手段(19)、試験ファイバ(17)、ローンチファイバ(15)および光波分離手段を通って戻る。光波分離手段は、反射光信号を検出器(23)に送るように動作する。検出器(23)は、試験ファイバ(17)の第一の切子面からの第一の反射光U0および第二の切子面からの第二の反射光U1およびミラー(21)からの反射光U2とによって生成される干渉パターンを記録する。

0058

このSAIシステムは、いくつかの異なる実施態様にて動作する。光源(11)と検出器(23)のペアは、光スペクトル分析器(OSA)と共に動作するブロードバンド光源であってもよい。あるいは光源(11)と検出器(23)のペアは検出器(23)システムと共に動作する調節可能なレーザ(31)であってもよい。

0059

光ファイバ(17)は導波路である。前述したように、導波路は多様な物質で製造され、その例には、光ファイバ、フォトニック結晶ファイバ、ナノワイヤナノファイバ、ツインホールファイバおよびエッチング加工された導波路、等々が含まれる。

0060

この構造は複式アームの干渉計と較べて大幅に単純化されているだけでなく、図11で詳細を示す実験のセッテイングによってさらに詳しく図解されているように、システムのキャリブレーションの必要性を最低化している(コリメータレンズ(19)により誘起される分散は無視できる程度であり、空気経路Lairが安定していると仮定している)。その、より単純化された構造は、その偏光および位相の不安定化に対する抵抗性を増大させている。

0061

このSAIは平衡状態の保たれた干渉計である。なぜなら、試験ファイバ(17)の中のグループの遅延は、空気経路(27)の中のグループの遅延と同じであるからである。各経路(17、27)のグループの遅延の平衡化が、分散パラメータを干渉パターンから直接的に測定させることは数学的に証明されている。SAIと複式アームの干渉計との概念的な相違とは、SAIにおいては、干渉パターンが3つの波、即ち試験ファイバ(17)の切子面での反射光(U0、U1)からの2つの波と、試験ファイバの背後に置かれたミラー(21)からの1つの波(U2)、(図2図3のU0、U1およびU2で示される波)によって生成されることである。試験ファイバ(17)によって生成される干渉縞と、空気経路(27)によって生成される干渉縞との間のビートビーティング拍動)は1つの包絡線(エンベロープ)を生成する。この包絡線は、複式アームの干渉計の2つの波(図2図3のU1とU2)によって生成される干渉パターンに等しい。

0062

この包絡線の位相情報から、分散パラメータが抽出される。複式アームの平衡化された干渉計と単一アームの平衡化された干渉計の両方が、分散パラメータを干渉パターンから直接的に測定する能力を共に有する。

0063

選択的には、ローンチファイバ(15)(発射ファイバ(15))は、偏光制御器として構成されることが可能である。このことは、ローンチファイバ(15)を3つのコイル状の状態にループ処理するといった類の、専門家には従来から知られている幾つかの方法によって、達成できる。あるいは、空気経路(27)内に直線状の偏光子を配置することで偏光制御器が利用できる。偏光制御器を利用することで、SAIはPMDの測定に利用できる。

0064

このようなSAIの構成は、一般光路コヒーレンス断層撮影法(CP−OCT)において深度画像化のためにしばしば利用される一般的な光路干渉計と類似しているように見える。しかしながら、SAIは、基本的にCP−OCTとは異なる。なぜなら、SAIは3つの反射光(U0、U1、U2)を利用し、分散パラメータを干渉パターンの包絡線から直接的に導くからである。マイケルソン干渉計、CP−OCTおよび平衡化された単一アームの干渉計側装置の相違点は以下の表1に提供されている。

0065

0066

1.2数学的な説明
1.2.1.1 等しい振幅の場合
分散の測定は、図2図3で図示する3つの波U0、U1およびU2によって生成される干渉パターンの包絡線からの波長に関して、効果的な屈折率の二次導関数を求めることにより、単一アームの干渉計を利用して実施できる。

0067

ローンチファイバ(15)からの必要以上の反射は、図2図3で示すような斜め研磨されたコネクタ(25)を使用して最小化され、さらに図11で図示する実験の設定によって対処される。この斜め研磨されたコネクタ(25)は試験ファイバ(17)との接合部にて使用される。この方法は斜め研磨されたコネクタ(25)によって導入される損失に対しては鈍感である。なぜなら、分散情報は3反射波(U0、U1、U2)の位相内に含まれているからである。空気経路Lairの光通路長は、中央波長λ0にて試験ファイバ(17)の線状実効群屈折率項が排除されるように提供される。反射光線U0とU1の振幅は、試験ファイバ(17)の端切子面での反射光振幅と同一であると想定されている。反射光U2の振幅は試験ファイバ(17)にカップリングされて戻る光量に依存する。このカップリング効率はミラー(21)の整合状態を変動させて、反射光U2が反射光U0およびU1と同じ振幅を有するように調整できる。すなわち、以下の関係となる。

0068

上記の式10において、LfとLairはそれぞれ試験ファイバ(17)と空気経路(27)の長さである。βとk0はそれぞれファイバの基本モードの伝搬定数と自由空間の伝搬定数である。干渉パターンは3つの反射光(U0、U1、U2)の干渉によって生成され、式11で表される。

0069

式11は位相を有した2つの高速な期間φ1=(βLf+k0Lair)とφ2=2(βLf+k0Lair)とを含んでいる。高速な期間φ1は高速な期間φ2よりも速度が遅いため、高速な期間を振幅変調することができる。その結果、「キャリア」の期間は、高速な期間の中で最も速度が遅い部分の周期となることができる(φcarrier=φ1)。その後、このキャリア自体は低速な期間φenvelope=(βLf−k0Lair)によって振幅変調され、干渉パターンの「包絡線」を生成する。この包絡線はマイケルソン干渉計によって生成される干渉パターンと同一であり、以下のようになる。

0070

39.5cmのSMF28(登録商標)試験ファイバのための設定によって生成される、計算された干渉パターンが図4に図示されている。図4は、実際のキャリアの包絡線を高度に近似した包絡線である、包絡線関数を図示している。

0071

テイラー展開を速度の遅い包絡線の位相に適用し、βを2πneff/λで置換すると、但しここで、neffはファイバの実効屈折率であるが、式13の位相関係が得られる。

0072

上記の式13の第一項(角括弧の中)は、Lairがλ0、即ち平衡化された波長の時に、試験ファイバ(17)の一群の遅延を平衡化する調整がなされると消滅する。2つの別々の波長λ1とλ2との間の位相間の差を求めることで、以下の式が得られる。

0073

ここで、mはこれら2つの波長の間の干渉縞の数である。異なるペアの極大値極小値ピーク値トラフ値、すなわちλ3とλ4)を使用してこの位相差が求められたら、その結果は、

が直接的に得られる式となる。干渉パターン内の最小値はさらに鋭利に形状化されているため、式14で使用される波長と同様に包絡線の最小値の波長位置の選択はさらに正確となる。

0074

しかし、三次分散を無視すれば、二次分散の計算には2つの波長(例:λ1とλ2)のみが必要となることを知っておくべきである。しかしながら、これは精度を落とすことになる。この分散パラメータDは以下の通りとなる。

0075

1.2.1.2振幅が等しくない場合
実際には、図2図3で示すように、干渉計の3つの切子面からの反射光(U0、U1、U2)は等しい振幅を有していない。その結果、これら反射光(U0、U1、U2)によって生成される干渉パターンは前述のようには単純ではない。この事実にも拘わらず、前述の結果は有効である。なぜなら、分散の情報を得るのに使用される包絡線の最小値(トラフ)の位置は、干渉縞のコントラストが変動しようとも同一のままだからである。

0076

一般的に、図3で示す試験ファイバ(17)の各切子面からの反射光(U0、U1)と、ミラーからの反射光(U2)は同じ振幅を有していない。第一の反射光(U0)の項の反射光の振幅は次の式で表すことができる。

0077

式16におけるLfとLairはそれぞれ試験ファイバ(17)と空気経路(27)の長さである。βとk0は、それぞれ、ファイバの基本モードの伝搬定数と、自由空間の伝搬定数である。「a」は、第一の切子面の項に対する第二の切子面からの反射光の振幅の比率であり、「b」は第一の切子面からの反射光の比率に換算した、ミラー(21)からの反射光の振幅の比率である。スペクトルインターフェログラムの干渉パターンは以下の式となる。

0078

式17は図4で示すような、上方および下方の速度の遅い変動する包絡線によって変調される高速で変動する「キャリア」(周波数または波長に関する)として処理できる。図4は、試験ファイバとして、39.5cmのSMF28ファイバを有した3波のSAIによって生成された、模擬計算によるスペクトルインターフェログラムを図示する。厳密に検証すると(図4の右下)「キャリア」は純粋な正弦関数曲線ではない。なぜなら、式17には、3つの高速で変動する位相、2(βLf+k0Lair)、(βLf+k0Lair)および2k0Lairが存在するからである。これら全てはβLf−k0Lairである包絡線(Φenvelope)の位相よりもはるかに高速に変動する。bが大きいとき(0.5以上)であるとき、上方の包絡線は以下の式で近似される。

0079

干渉パターンの振幅は、b≠1である場合の包絡線と同じではないが、2つの場合の極大値と極小値の位置は正確に一致していることが示されている。その結果、インターフェログラムの位相情報は保存され、分散情報はそのインターフェログラムから導かれる。a=b=1の関係は、さらに一般的であるこの検証の特殊な場合であって、前述されている。

0080

上方の包絡線Φenvelopeの位相(および分散情報)は切子面の反射光(U0、U1)およびミラーの反射光(U2)の振幅によっては影響を受けないため、図13から図15にかけて表されている分散パラメータの決定方法は一般的な場合であっても有効である。従って、分散パラメータは常に1つのSAIから得られる。

0081

前述したように、SAIによって生成される干渉縞と、複式アームの干渉計によって生成される干渉縞との間の主たる相違点は、要求される包絡線によってゆっくり変調される高速のキャリア(式17)の存在である。このキャリアの存在は、以下の項で説明するが、追加的な操作上の制約を設定する。

0082

1.3 システムの変数(パラメータ)
本発明の分散の測定に関しては4つの注意すべき要因が存在する。これら要因は分散の測定結果の出力の質と範囲とを決定する。注意すべき第一の要因は、測定の波長の解像度分解能)であり、第二の要因は、光源に要求される最小の帯域幅であり、第三の要因は、分散曲線の測定可能な帯域幅であり、第四の要因は試験ファイバの長さである。これらの要因のそれぞれが分散の測定結果の出力にいかなる影響を及ぼすかを以下で説明する。

0083

1.3.1分散測定の波長の解像度
分散パラメータのグラフ上の点である波長の解像度は、変換段階変換ステージ)の最小のステップの幅(刻み幅)によって決定される。変換段階のステップ増分がさらに小さくなると、分散パラメータと波長のグラフにもさらに小さなステップ増分が存在することになる。これは、空気経路(27)の変動が、空気経路(27)と試験ファイバ(17)とが平衡となっているところの波長を変更し、それを利用して分散パラメータが決定できる新規なインターフェログラムを作成するからである。式13の検討によって、空気経路(27)の一群の遅延が、中央波長であるλ0のための試験ファイバ経路の一群の遅延と等しい場合には、第一項が排除できることが示された。(λ0は、試験ファイバ(17)と空気経路(27)の間の一群の遅延が、平衡となっている中央波長である。)中央波長λ0での空気経路の長さ(Lair)とファイバの長さ(Lf)との間の関係は式19により与えられる。

0084

λ0に関してLairの導関数を求め、式15で与えられる定義を利用して以下の式が得られる。

0085

従って、Lairの変化に関してλ0の変化は以下の関係となる。

0086

よって、中央波長(平衡化された波長)の変化と空気経路の長さ(Lair)の変化との関係は以下の式で表される。

0087

空気経路(27)を変化させる最小値は、インターフェログラムの中央波長の最小増分の集合を変更することができる。この量は光源の帯域幅の数分の1でなければならない。よって、空気経路(27)の最小のステップの幅は、測定された分散曲線の波長の解像度を設定する。波長の解像度が試験ファイバ(17)の分散と長さの積に反比例することを知っておく必要がある。

0088

分散と長さの積に対する波長の解像度の依存性を説明する。50cmのSMF28(登録商標)試験ファイバを想定すると、0.1μmのステップの幅に対する数値例として、波長の解像度は0.1nmとなる。この解像度は、ほとんどの場合に十分なものである。グラフの例として、波長の解像度は、標準的なSMF28(登録商標)のファイバの分散と長さの積に対してグラフ化される。

0089

1.3.2 必要とされる最小の光源の帯域幅
分散の正確な測定のためには、最低数の包絡線のための縞模様が要求される。光源の帯域幅Bsource(図5)の中に、平衡化された波長λ0と、包絡線の縞模様の極大値(または極小値)に対応する4つの他の波長が補足されていれば、分散D(λ0)の決定には十分である。実際には、さらに正確な測定には、図5のBminで示されるように、λ0の両側で2つの極大値(または極小値)を選択することが必要である。

0090

与えられた試験ファイバに対して、分散と長さの積は固定値である。従って、包絡線のための縞模様の数を制限する唯一の要因は光源の帯域幅Bsourceである。試験ファイバ(17)が長いほど、または分散が大きいほど、包絡線の縞模様は密集した状態となり、必要とされる帯域幅は小さくなる。Bminを定量的に決定するために、図5で示すように波長間隔(λ2−λ0)の極大値を決定することが必要になる。式13から三次の項を無視することで、第一の極小値がλ1で発生するため、上限πを有する包絡線の位相差

が得られる。

0091

式15に分散の定義を適用すると、波長間隔(λ1−λ0)の上限値は次のようになる。

0092

続いて、λ1とλ2との間の波長間隔が検討される。式4と式5から、三次の項を無視して式15を適用すると以下となる。

0093

式24と式25とを組み合わせると、波長間隔λ2−λ0の上限は次のようになる。

0094

必要とされる最小の光源の帯域幅Bminは2(λ2−λ0)の上限以下となるべきではない。よって次の式となる。

0095

試験ファイバ(17)の分散と長さの積は、この必要とされる最小の光源の帯域幅にも影響を及ぼすことが明らかである。類似した数値例では、50cmのSMF試験ファイバと、平衡状態の波長1550nmとを想定すると、必要とされる最小の光源の帯域幅は85nmとなる。

0096

1.3.3分散曲線の測定帯域幅Mmea
分散と波長の関係を得るために、各スペクトルのインターフェログラムは、平衡化された波長λ0で1つの分散値を提供するので、いくつかのインターフェログラムが、適した空気経路長(27)を設定することによって様々な平衡化された波長によって記録される。各インターフェログラムは、少なくともBminの帯域幅に対して作成されるべきであるため、図5から、分散曲線の測定可能な帯域幅は、利用できる光源の帯域幅Bsourceと必要とされる最小の光源の帯域幅Bminとの差であることが判明する。

0097

代替的には、2つの極小値がλ0の両側に必要とされなければ、測定可能な帯域幅Mmeaをさらに大きくすることができる。正確にλ0を求めるためには、中央の図5のλ−1からλ1まで)は測定されるスペクトル範囲内で完全に可視であることを要する。

0098

式28または式29のいずれかが、測定可能な帯域幅の下限を与える。この帯域幅の下限は、可能なかぎり最も広い中央縞であると想定される。実際には、Φenvelope(λ0)は制御不能であるため、中央縞の帯域幅は、0から式29の限界値の2倍の間に制限される。従って、Bmeaは、場合によっては、Bsourceと同じ大きさとなることができる。

0099

式28と式29の検討により、試験ファイバ(17)の分散と長さの積の値の増加が、Mmeaを増加させることが示された。与えられた測定システムにおいては、Bsourceは固定値であり、よってMmeaを広げるために利用できる唯一のパラメータはLfである。分散と長さの積の結果は、実際にはシステムパラメータの決定における、主要で独立な変数である。

0100

分散と長さの積の結果は、測定可能な帯域幅と最小の帯域幅とを決定する上での主要で独立な変数であることが示された。しかし、このパラメータの範囲は、使用光源によって自身が影響を受ける。光源の帯域幅は、この技術を利用して特徴を特定することができる最小のファイバの長さを決定でき、光源の最小の波長ステップは、特徴の特定が可能な最大のファイバの長さを導き出す。以下においては、SAI技術を利用して測定できるファイバの長さ範囲に、光源の帯域幅と最小波長のステップの幅がいかに影響を及ぼすかが解説されている。

0101

1.3.4 最小ファイバの長さ
光源の帯域幅はSAIを利用して特徴化できる最小(最短)のファイバの長さを決定する。さらに、ファイバが短い場合には、式27で決定される、さらに幅広いスペクトルインターフェログラムが作成される。従って、SAIを使用して所定のファイバの長さの特徴を特定するためには、作成されたインターフェログラムは光源の帯域幅の中に適合しければならない。従って、要件は次のようになる。




式27を利用すると以下のようになる。

0102

さらに長いファイバに対しては、さらに大きな測定帯域幅(式28または式29による)と、さらに高い波長の解像度(式22)が存在することを知っておく必要がある。数値例として、130nmの光源の帯域幅に対しては、SMF28ファイバの最小長は0.23mである。図6において、光源の帯域幅の関数として、その最小のファイバの長さがグラフ化されている。

0103

1.3.5 最大ファイバの長さ
SAI法は、分散を得るために速度が遅く変動する包絡線関数を利用する。「キャリア」の縞模様は検討対象ではないが、それでも測定時に解決されなければならない。さもないと、包絡線の形状を保存することができない。キャリアの縞模様の間隔は、試験における試験ファイバの長さLfによって直接的に影響を受ける。さらに長いファイバであれば、さらに狭いキャリアの縞模様が導かれるであろう。

0104

しかしながら、調節可能なレーザの最小刻み幅は、エイリアジング(折り返しエラー)によって、検出されることが可能な最小キャリアの縞模様の周期に制限を設定する。さらに、より長いファイバ長はより高い周波数キャリアを有するので、この検出可能な最小の縞模様の周期は、ファイバ長の長さの最大値に制限を設定する。キャリアの縞模様の周期とは、急速に変動する位相を2πだけ移動させる波長差である。平衡な空気経路のための式11の急速位相項Lair=Ng(λ0)Lfは以下のようになる。



neffとNgの一次近似を利用すると以下の式となる。



nがコアの屈折率である場合には、位相の項は以下のようになる。



縞模様の周期Δλは2πの位相シフトに対応する。



よって以下の式が得られる。

0105

1つの縞模様を正確に検出するために、少なくも2つのサンプル点が1つの縞模様に含まれなければならない場合には、ナイキスト規準が適用される。これでファイバの長さに対して次の制約条件が設定される。



ここでΔλは調節可能なレーザの波長の最小のステップ幅である。

0106

もしもファイバの長さの限界値を超えた場合には、エイリアジングが発生する。

0107

上記の分析では、インターフェログラムの包絡線を正確にグラフ化する目的で、インターフェログラムの全てのピークを確実にサンプリングさせるにはエイリアジングを回避することが必要であると想定している。式37で与えられるファイバの長さに上限を設定する理由は、この想定のためである。しかし、この上限は、インターフェログラムを複数の小さな窓状の範囲に分割して、各包絡線の1点を選択し、包絡線にグラフ化させることで超えることができる。この技術の理論は、波長範囲処理と呼ばれており、以下において詳細に解説する。

0108

1.4波長範囲(波長ウインドウ)処理の効果
式37で許容されるものより長いファイバを測定する際の問題点は、キャリアの周期がファイバの長さの増加に連れて短くなることである。ナイキスト理論によれば、調節可能なレーザの平均のステップ幅によって決定されるサンプリング期間は、エイリアジングを回避するために、キャリアの期間を半分以下としなければならない。これで、全てのサンプリングされたキャリアピークが干渉パターンの真の包絡線に一致することが保証される。

0109

エイリアジングとは、キャリアの全ピークがサンプリングさせない現象であるが、必ずしもあらゆる波長範囲の一部のピークがサンプリングされないことを意味するわけではない。インターフェログラムは、図7で示すように、それぞれ多数のサンプリングされた点を含んだ小さな複数の窓部分に分割できる。よって、エイリアジングが発生しない時には、サンプル点の少なくとも1つが各波長の範囲内でインターフェログラムのピーク上に配置される可能性が存在する(その範囲の中で包絡線に速度の遅い変動を仮定している)。従って、インターフェログラムの包絡線は、各波長の範囲の中の最大値をとり、且つ図7で示すようにそれらを接続することによって、エイリアジングが確実に発生する条件下で、グラフ化をすることができる。

0110

詳細な統計的分析(以下の項にて説明される)は、少なくとも1つのピークが、波長範囲の中でサンプリングされる確率がどのように決定されるかを示す。この技術は、式37の上限値が、波長範囲の処理によって多く折り畳まれることにより、超えられることを示す。

0111

1.5モデルの開発
この技法は、インターフェログラムのピークをサンプリングするために調節可能なレーザ(31)のシステムを利用する。しかし、実際の調節可能なレーザ(31)のシステムは、波長を等間隔のステップ幅で刻むことはなく、そのステップ幅に一定の標準偏差を有している。実際のプロセスの正確なモデルを作成するために、調節可能なレーザ(31)のステップ幅におけるこの変動は、モデルによって考慮されなければならない。実験に使用される調節可能なレーザ(31)のシステムは、アジレント8164A(登録商標)であった。アジレント8164Aは、平均のステップ幅が1pmであり、図8ヒストグラムガウス確率密度関数(PDF)による計算によって決定された標準偏差は0.17pmであった。

0112

所定の波長範囲の中でキャリアの少なくとも1つのピークに一致するサンプル点の確率をモデルに正確に決定させるためには、特定のパラメータが決定されなければならない。開発されるであろうモデルは、ファイバの長さ、波長範囲の幅、調節可能なレーザの平均のステップ幅、このステップ幅の標準偏差、およびキャリア周期の割合としてピークを検出する際の許容度の知識を必要とする。

0113

このモデルでは、ファイバの長さをLf、ピークを検出することを目的とする波長範囲をW、調節可能なレーザの平均のステップ幅をμ、調節可能なレーザのステップ幅の標準偏差をσ、およびキャリア周期の割合としてのピークの検出における許容誤差をεと指定する。もしλ0が図9で示すように第一キャリアピークと第一ステップの最大サンプル確率密度との間の差であるなら、次の最大サンプル確率の波長位置はλ0+μで生じ、続く波長位置はλ0+2μで生じ、以下はこれに準ずる。図9では、キャリア関数と共に確率密度関数が図示されている。

0114

図9は、インターフェログラムの全ピークが必ずしもサンプリングされない場合であっても、エイリアジングが存在している状態で、インターフェログラムの少なくとも1つのピークが、任意の波長範囲に対してサンプリングされる可能性がなお存在するという事実を示す。なぜなら、キャリアピークの周期は調節可能なレーザの波長ステップの周期とは異なるからである。よって、範囲の任意な大きさに対して、いくつかのキャリアピークが存在するであろう。

0115

図9で示すように、第一のキャリアピークの位置がλ1であるなら、第一のピークが調節可能なレーザの第一ステップでサンプリングされる確率は以下となる。



従って、第一ステップによって第一ピークがサンプリングされる確率は次のようになる。



ここで、図9で示すεは、キャリア周期の幅の一部であり、この測定値はピーク振幅の測定値の許容誤差に変換される。

0116

Nが、与えられた大きさの範囲での調節可能なレーザのステップ数である場合、N回のステップで第一のピークをサンプリングしない確率は次のようになる。

0117

Mが、与えられた大きさの範囲でのキャリアのピークの数である場合、N回のステップでM回のピークの全てを全くサンプリングしない確率は次の式で表される。

0118

λmが波長範囲のm番目のピークの位置であり、mλ1で表される場合には、Λ+とΛ−は以下の式で与えられる正規化された波長パラメータとなる。

0119

本モデルは、第一のキャリアのピークと確率密度関数の最大値との間の固定された関係を仮定している。このため、この確率は、一つのキャリア波の周期に亘って変動するλ0で平均化されるべきである。これにより、キャリアのピークと確率密度関数の最大値との間で、ランダム整合のために、与えられた範囲でサンプリングされるキャリアピークは、存在しなくなる。結果は次の式で表される。

0120

よって、少なくとも1つのピークが、与えられた大きさの範囲のためにサンプリングされる確率は次の式で決定される。

0121

1.6模擬計算(シミュレーション)の結果
1.6.1 「確率」対「ファイバの長さ」
少なくとも1つのピークが、与えられた範囲の大きさWでサンプリングされる確率は、図10においてファイバの長さLfの関数として示されている。この模擬計算のために一定に保たれるパラメータは、調節可能なレーザ(31)の平均ステップ幅(μ=1pm)、範囲の大きさ(W=0.25nm)および許容誤差(ε=0.02xキャリアの周期の平均値)である。この確率は、図10に、3種の標準偏差の異なる条件での結果としてグラフ化されている。条件は、σ=0.05pmと、σ=0.17pmと、σ=1pmである。σ=0.05pmの場合は、σ=0の場合に限りなく近い(すなわち固定されたステップ幅の場合)。なぜなら、σ=0は、式42のΛm+=1/0(未定義)から導かれるからである。

0122

図10は、標準偏差が小さい(σ=0.05pmおよびσ=0.17pm)場合に、確率がゼロに降下するいくつかの特異的な降下を示す。標準偏差が高くなると(σ=1pm)、これらの降下は消滅する。図10は、さらに、標準偏差が高い場合には、確率曲線漸近値にまでさらに急激に降下することを示している。よって、調節可能なレーザ(31)のステップ幅のさらに低い標準偏差は、さらに高い当初の確率を備えた曲線を生成するが、確率が0に降下するところでは確率曲線に大きな降下を発生させる。ステップ幅のさらに高い偏差は、さらに低い当初の確率を備えた曲線を生成するが、確率が0に降下するところでは降下を排除する。従って、確率のこのような降下を排除するには、調節可能なレーザ(31)のステップ幅にいくらかの変化を持たせることが有効である。

0123

2:実験結果
2.1 実験工程(実験プロセス)
実験の第一のステップは、単一アームの干渉計をセットし、制御とデータ収集ハードウェア(29)を組み立てることである。実験の第二のステップは、分散曲線が既知の試験ファイバ(17)の分散を測定するか、従来の方法で分散が簡単に測定できる試験ファイバ(17)の分散を測定するために、その技術を使用して技術試験をすることである。これを行うため、シングルモードファイバ(SMF28(登録商標))と分散補償ファイバ(DCF)の測定が行われた。SMF28(登録商標)とDCFでの実験の結果を十分に分析した後、過去には特徴が特定されていなかった試験ファイバ(17)(ツインホールファイバ)の分散を測定するために、新規な技術が測定のために使用された。このプロジェクトの全ての実験工程は、図11において概略的に図示されている。

0124

2.2実験装置及び特異的な限界
実験上の構成は、図11に図示されている。使用される調節可能なレーザ光源(41)と検出器(23)はアジレント8164A光波測定システム(登録商標)のプラグインモジュールである。調節可能なレーザ光源(41)は、1550nmを中心とした130nmの帯域幅と、最小平均波長ステップ1pm(標準偏差σ=0.17pm)を有している。この装置は、検出器(23)の読取値と、波長の読取値とを、調節可能なレーザ光源(41)波長が走査されているときに記録する。続いて、スペクトル干渉パターンが分析される。この切子面から反射光を排除するために、斜め研磨されたコネクタ(25)が図11で示すようにローンチファイバ(15)で使用される。コリメータレンズ(19)の表面からの反射光は、反射防止コーティングされたレンズを使用して抑制される。レンズ(19)の分散は無視することができる。ミラー(21)の傾斜は最大縞視度を得るために調整される。ミラー(21)の傾斜は手動で調節され、その最小刻み幅は約5μmである。

0125

随意的には、ローンチファイバ(15)は偏光制御器として構成されることが可能である。この構成は、当業者には従来から知られているいくつかの手段によって達成できる。例えば、ローンチファイバ(15)を3つのコイルのなかに巻き上げることで達成することができる。代替的には、偏光制御器は、空気経路(27)の中に線状の偏光子を設置することで実現することが可能である。偏光制御器を利用することで、偏光モード分散を測定するようにSAIを運用することもできる。

0126

2.3実験
2.3.1シングルモードファイバ
SMF28(登録商標)の分散特性は、良く知られており、このため、単一アームの干渉計の理論の検証に利用された。この実験では、39.5±0.1cmの1本のSMF28(登録商標)のファイバ片が、分散の特徴を特定するためにSAIにて使用された。図12は、実験的に得られた分散パラメータのポイントと、SMF28(登録商標)の模擬計算における分散との両方についてのグラフを示す。この図から、測定された分散のポイントの傾斜は、模擬計算上の分散曲線とほぼ一致していることが認められる。SMF28(登録商標)の模擬計算による分散曲線は、以下の分散式を利用して計算されている。



ここで、λ0=1313nm、S0=0.086ps/nm−kmであるとき、D(λ)はps/nm−kmで測定される。

0127

式22で決定される、測定された分散曲線の波長の解像度は、2.4nmである。式29によれば、測定可能な帯域幅は30nmであり、これは図12で示すように実際に使用される帯域幅である。測定された分散の標準偏差は、測定点線形近似(一次回帰)との差を測定し、その後にこの差から標準偏差を計算することで計算される。標準偏差は0.28ps/nm−km(これは1.6%の相対誤差に相当する)である。この標準偏差が、ファイバの長さに乗じられると、この値は標準偏差0.0001ps/nmに変換される。

0128

模擬計算による干渉パターンは、図17を利用して生成され、その干渉パターンの包絡線は図18を利用して生成される。この模擬計算で、実験条件に合うように試験ファイバ(17)の長さは0.395mが想定された。ファイバの実効群屈折率の計算を介して決定された空気経路(27)の通路長は、式46により中央波長λ0で1.472469と決定された。




ここで、

0129

aはファイバのコアの寸法であり、JとKは第一種および第二種のベッセル関数である。式46の平衡状態の位置は、κ(λ)とγ(λ)の値およびファイバのモードを決定する。これらモードの最初のものは、ファイバの基本モードと呼ばれる。ncore(λ)とncladding(λ)は、コア(芯)とクラッド(被膜)の組成を備えた塊のガラスのそれぞれの屈折率である。SMF28(登録商標)ファイバの波長の関数としての実効群指数は、模擬計算を利用して決定される。

0130

2.3.2分散補償ファイバ
第二の検証方法として、その分散値がSMF28(登録商標)のものよりほぼ一桁程度大きく、反対符号を有するDCFの短い試験片に対して分散が測定された。A15.5±0.1cmのDCFファイバ片が使用された。測定結果は、図13に示されている。測定精度を検証するため、MSP技術を利用する商業用の分散の測定システム(アジレント83427A(登録商標))を利用して、同一の100±0.5mであるDCFに対しても分散が測定された。これはMPS法の技術を利用する。使用された試験ファイバ(17)の長さは、1000分の1程度に短くなったが、測定された分散値は、この商用装置で測定されたものとよく一致した。

0131

測定された分散値の標準偏差は、測定点と線形近似値との間の差を求め、その差の標準偏差を決定することで計算できる。測定データの標準偏差は0.99ps/nm−kmであり、相対誤差0.9%に相当する。試験ファイバ(17)の長さを乗算すると、0.00015ps/nmの標準偏差に変換される。

0132

DCFは負の分散値を有しているため、分散の符号を決定する方法が開発された。便宜上、式22の検討を以下で反復する。

0133

分散の符号が負である場合には、空気経路(27)の通路の長さが増加すると、中央の波長が減少する。これは分散の符号を決定するすばやい方法である。

0134

2.3.3ツインホールファイバ
ツインホールファイバ(THF)は、ファイバ内にパラメトリック発振を促すためのファイバの支持体や、ファイバを利用した電子工学的切替装置の製造に使用されてきた。このような非線形の用途では、ファイバの分散は決定すべき重要なパラメータである。しかし、THFの分散特性はこれまで報告されていない。その理由の一端は、THFの長さ方向に沿って、径の中で均等性欠けているからである。ファイバは、3μm径のコアおよびSMF28(登録商標)の開口数よりも大きな開口数を有している。典型的なTHFの断面を、図14に示す。

0135

このコアはゲルマニウムドープされたシリカであり、SMF28(登録商標)の屈折率に近い屈折率を有している。従って、THFの分散はSMF28(登録商標)の分散よりも少々低い程度であることが予想される。THFの分散の規模が分らなければ、測定のために必要とされる最小帯域幅には、調節可能なレーザ光源の利用が可能な帯域幅にフィットする確率を高めるように利用できる、最大の長さのTHFを選択することが最良である。利用可能なTHFの最大長は、45±0.1cmであった。このファイバの長さは式37が処理可能な長さよりも少々長いが、前記の章4.5.1から4.5.3にかけて説明した波長範囲処理技術が利用されているので、この実験において包絡線を測定することは可能であった。

0136

THFの実験から得られた測定結果を図15に示す。測定された分散の標準偏差は、測定点と線形近似の値との間の差をとり、その差からの標準偏差を求めることで計算できる。測定データの標準偏差は0.375ps/nm−km(相対誤差2.9%に相当)である。ファイバの長さを乗算すると、この標準偏差は0.00017ps/nmの精度に変換される。SMFとDCFの測定値の標準偏差に匹敵するこのわずかに増大した標準偏差は、SMFとTHFとの間のファイバの結合にて高くなった損失、すなわち、THF測定時の、さらに低くさらにノイズが高い信号レベルによるものである。

0137

前述の3章の重要な特徴は、分散パラメータのグラフに存在する各点の測定値と関連する誤差である。続く章では、分散パラメータの測定と関連する誤差の発生源と誤差の規模とを解説する。

0138

結果として、単一アームの干渉計の測定結果は、本発明の精度を確認したものである。実験結果は、分散パラメータが、平衡化されたSAIで、3波の干渉によって、生成される干渉縞パターンの包絡線から計算できることを示している。シングルモードファイバ(SMF28(登録商標))と分散補償ファイバ(DCF)に対する実験はこの技術の理論を検証するために利用された。この技術の有効性が確認された後に、この技術はTHFの未知な分散パラメータのグラフを測定するために利用された。この実験に使用されたツインホールファイバの長さは、式37の有効長よりも長く、章4.5.1から4.5.3で解説されている波長の範囲の処理の技術が利用されねばならなかった。この技術は、理論的および近似的に解説されており、この技術により特徴が特定できるファイバの最大長を伸ばすことができた。究極的には、特徴の特定が可能なファイバの最大長は、実験で造りだすことが可能な最大の空気経路(27)とレーザの光線幅とによって規制される。

0139

前述のように、平衡化されたスペクトル干渉計の解像度は、特に、広帯域の光源と、光スペクトル分析器との組み合わせを、調節可能なレーザ(31)と検出器のシステムとで置換することにより改善できる。現行の調節可能なレーザ技術は、130nmの帯域幅と1pmの解像度を提供する。これで、この技術を利用して測定できるファイバの長さの範囲が広がる。また注目すべきは、分散の測定のための調節可能なレーザの使用が、調節可能なレーザがさらに安価になるに従って一層広まることである。

0140

3.有効性
3.1 研究の重要性
単一アームの干渉計は、分散パラメータの干渉の計側のためのマイケルソン干渉計またはマッハ・ツェンダー干渉計の構成の形態に代わるものである。この干渉計は、短いファイバの分散パラメータの測定に非常に有効である。この技術は、複式アームの干渉計では必要とされるアームの平衡化の必要性を排除するために利用できる。また、その排除によって、干渉分散の測定技術の利用性が大きく改善される。

0141

この新規な干渉計は、研究者にとって非常に有益である。なぜなら、マイケルソン干渉計、マッハ・ツェンダー干渉計およびファブリペロット干渉計のような初期の干渉計と共に使用したり、研究に用いることが可能だからである。この新規な干渉計は、研究者に対して、特殊なファイバの開発に有用な、短いファイバおよび短距離の導波路における分散を研究する新規な手段を提供する。これら特殊なファイバは、単純で精度の高い、短い長さでの特徴の特定を必要とする。なぜなら、一般的にはそれら特殊なファイバは非常に少量で生産されるからであり、それらの形状はファイバの軸方向に沿った位置の関数として変動する傾向にあるからである。

0142

3.2産業に対する重要性
この新規な干渉計は、産業において重要である。なぜなら、この干渉計は、カプラの必要性を完全に排除することで、不都合な反射を補償する必要性を最小限に留めるからである。その結果、この干渉計は、短い光ファイバの分散の特徴を特定することができる、より単純(安価)な構造である干渉分散の測定装置となる。その結果、現在の市場で入手できる従来の変調位相変位(MPS)を利用した装置に対する強力な商業的ライバルとなる。しかしながら、この新規な干渉計はMPS系の装置に対しては優位である。なぜなら、それは短いファイバの分散を高精度で測定できるからである。

0143

また、短いファイバを測定できるために、別種の測定も同様に可能である。分散とは、ファイバの物質的な特性および寸法的な(導波路)特性の両方の関数であるが、もし寸法、特にファイバの直径が変動する場合、分散は変動する。もし、いくつかの小さな部分が長いファイバの様々な箇所で切断され、分散がそれぞれの部分で測定されたなら、分散の変動はファイバの位置の関数としてグラフ化できる。これはファイバの直径の変動に直接的に関連付けられる。ここで重要なことは、分散の測定を経てファイバの直径を間接的に測定することで、ファイバの直径の測定において非常に高い精度が達成されることである。この技術は、ファイバの製造業者品質管理を実行させるうえでの便利な手段となるであろう。

0144

この装置のさらに大きな商業的目的は、さらに短いファイバでの分散を測定可能にすることである。なぜなら、さらに大きな帯域幅の調節可能なレーザが開発されるからである。また、調節可能なレーザと走査工程の処理速度の進歩は測定をさらに迅速化するであろう。

0145

3.3モジュール化
単一アームの干渉計の最も重要な特徴の1つは、その製造の容易性である。この製造の容易性は、分散を測定する調節可能なレーザシステムのための追加のモジュールのような分散の測定装置の経済的な商業生産に非常に大きく貢献する。このようなモジュールの基本構成図16に図示する。

0146

13サーキュレータ
15ローンチファイバ(光源側ファイバ)
17試験ファイバ
19コリメータレンズ
21ミラー
23検出器
25コネクタ
27空気経路
41 レーザ光源

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