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技術 磁気記録再生装置の制御方法、磁気記録再生装置、磁気記録媒体の検査方法および磁気記録媒体の製造方法

出願人 昭和電工株式会社
発明者 藤井淳田村晋太郎
出願日 2010年6月9日 (10年6ヶ月経過) 出願番号 2010-132248
公開日 2011年12月22日 (9年0ヶ月経過) 公開番号 2011-258273
状態 特許登録済
技術分野 磁気記録媒体の製造
主要キーワード 微小突起物 検査媒体 ドーナッツ形状 残留磁場 データ情報領域 同軸中心 シャドウ効果 特定位
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (13)

課題

磁気記録再生装置信頼性を著しく高める磁気記録再生装置の制御方法、その制御方法を採用した信頼性の高い磁気記録再生装置、磁気記録媒体サーティファイ検査に好適に使用される検査方法を提供する。

解決手段

磁気記録再生トラック高周波信号書き込みを行い、その後DCイレーズまたはACイレーズした後のエキストラパルス再生信号の検出によって、または、当該磁気記録再生トラックにおける高周波信号書き込み後ミッシングパルススパイク・パルスの併発再生信号によって、特定の磁気記録再生トラックでの情報の読み書きを回避する磁気ヘッド移動制御方法を採用する。

概要

背景

ハードディスクドライブに代表される磁気記録装置は、コンピュータなどの情報処理装置外部記憶装置として広く用いられており、近年は動画像録画装置等としても使用されている。

ハードディスクドライブは、通常、中央に開口部のある円盤状(ドーナッツ形状)の磁気記録媒体を1枚或いは複数枚積層して同軸中心で回転させる(複数枚の場合は、同期回転させる)シャフトと、該シャフトにベアリングを介して接合され、磁気記録媒体を回転させるモータと、磁気記録媒体の両面において記録及び/又は再生に用いる磁気ヘッドと、該ヘッドが取り付けられた複数本支持アームと、前記複数本の支持アームを同期して可動させ磁気ヘッドを磁気記録媒体上の任意の位置に移動させるヘッドスタックアセンブリとを備えている。また、磁気記録再生用の磁気ヘッドは、通常浮上型のヘッドであり、磁気記録媒体上を一定の浮上量で移動される。

一般に、ハードディスクドライブに搭載される磁気記録媒体には、半径方向にはトラック、トラックの延在方向にはセクタと呼ばれる記録領域が形成されている。通常、磁気記録媒体における情報の読み書きは、トラックおよびセクタ単位で行われる。

一般に、磁気記録媒体は、次の工程により製造される。アルミニウム合金ガラス基板等からなる基板の表面に、スパッタ法等を用いて、下地層磁性層、保護層、潤滑層などを順次形成することにより作製される。その後、得られた磁気記録媒体に対して、グライド検査サーティファイ検査とが順次行われる。

グライド検査とは、磁気記録媒体の表面に突起物が無いかどうかの検査である。すなわち、磁気ヘッドを用いて磁気記録媒体を記録再生する際に、磁気記録媒体の表面に浮上量(媒体と磁気ヘッドの間隔)以上の高さの突起があると、磁気ヘッドが突起にぶつかって磁気ヘッドが損傷したり、磁気記録媒体に欠陥が発生したりする原因となる。グライド検査では、そのような高い突起の有無を検査する(例えば、特許文献1参照)。

グライド検査をパスした磁気記録媒体には、サーティファイ検査が実施される。サーティファイ検査とは、通常のハードディスクドライブの記録再生と同様に、磁気記録媒体に対して磁気ヘッドで所定の信号を記録した後、その信号を再生し、得られた再生信号によって磁気記録媒体の記録不能を検出することにより、磁気記録媒体の電気特性や欠陥の有無など媒体の品質を確かめるものである(例えば、特許文献2参照)。

またサーティファイ検査として、感熱素子を有する検査ヘッドからのサーマルアスペリティに起因する信号を用いた方法が用いられている(例えば、特許文献3参照。)。

サーティファイ検査をパスした磁気記録媒体は、サーボライターと呼ばれる装置を用いてサーボ情報を書き込んだ後、ハードディスクドライブに内蔵される。ハードディスクドライブに用いられる磁気ヘッドとしては、磁気抵抗効果型ヘッドMRヘッド)が提案されている。そして、磁気記録媒体の高密度化に伴って、MRヘッドの磁気記録媒体からの浮上量は小さくなってきている。

概要

磁気記録再生装置信頼性を著しく高める磁気記録再生装置の制御方法、その制御方法を採用した信頼性の高い磁気記録再生装置、磁気記録媒体のサーティファイ検査に好適に使用される検査方法を提供する。磁気記録再生トラック高周波信号書き込みを行い、その後DCイレーズまたはACイレーズした後のエキストラパルス再生信号の検出によって、または、当該磁気記録再生トラックにおける高周波信号書き込み後ミッシングパルススパイク・パルスの併発再生信号によって、特定の磁気記録再生トラックでの情報の読み書きを回避する磁気ヘッドの移動制御方法を採用する。

目的

本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、磁気記録再生装置の信頼性を著しく高める磁気記録再生装置の制御方法、その制御方法を採用した信頼性の高い磁気記録再生装置、磁気記録再生装置に用いられる磁気記録媒体のサーティファイ検査に好適に使用される検査方法、この検査方法を用いた磁気記録媒体の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

円盤状の磁気記録媒体円周方向に複数の磁気記録再生トラックを有し、前記磁気記録媒体を回転さながら磁気ヘッド移動制御して情報を読み書きする磁気記録再生装置における磁気ヘッドの移動制御方法であって、前記磁気ヘッドの移動制御方法は、あらかじめ登録された特定の磁気記録再生トラックでの情報の読み書きを回避するものであり、前記回避する磁気記録再生トラックは、当該磁気記録再生トラックに高周波信号書き込みを行い、その後DCイレーズまたはACイレーズした後のエキストラパルス再生信号の検出によって、または、当該磁気記録再生トラックにおける高周波信号書き込み後ミッシングパルススパイク・パルスの併発再生信号によって決定することを特徴とする磁気記録再生装置における磁気ヘッドの移動制御方法。

請求項2

請求項1に記載の磁気記録再生装置における磁気ヘッドの移動制御方法を用いた磁気記録再生装置。

請求項3

所定の信号が記録された円盤状の磁気記録媒体を回転させながら磁気ヘッドを用いて前記信号を再生し、得られた再生信号によって磁気記録媒体を検査する磁気記録媒体の検査方法であって、前記検査方法は、高周波信号書き込みを行った後にDCイレーズまたはACイレーズした磁気記録媒体から出力されるエキストラ・パルス再生信号の検出によって、または、高周波信号を書き込んだ磁気記録媒体から出力されるミッシング・パルスとスパイク・パルスの併発再生信号によって欠陥箇所を検出することを特徴とする磁気記録媒体の検査方法。

請求項4

請求項3に記載の磁気記録媒体の検査方法を含む磁気記録媒体の製造方法。

請求項5

請求項4に記載の磁気記録媒体の製造方法で製造した磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体の記録再生を行う磁気ヘッドと、を備えることを特徴とする磁気記録再生装置。

技術分野

0001

本発明は、磁気記録再生装置ハードディスクドライブ)の制御方法、磁気記録再生装置、磁気記録再生装置に用いられる磁気記録媒体サーティファイ検査に好適に使用される検査方法、この検査方法を用いた磁気記録媒体の製造方法に関する。

背景技術

0002

ハードディスクドライブに代表される磁気記録装置は、コンピュータなどの情報処理装置外部記憶装置として広く用いられており、近年は動画像録画装置等としても使用されている。

0003

ハードディスクドライブは、通常、中央に開口部のある円盤状(ドーナッツ形状)の磁気記録媒体を1枚或いは複数枚積層して同軸中心で回転させる(複数枚の場合は、同期回転させる)シャフトと、該シャフトにベアリングを介して接合され、磁気記録媒体を回転させるモータと、磁気記録媒体の両面において記録及び/又は再生に用いる磁気ヘッドと、該ヘッドが取り付けられた複数本支持アームと、前記複数本の支持アームを同期して可動させ磁気ヘッドを磁気記録媒体上の任意の位置に移動させるヘッドスタックアセンブリとを備えている。また、磁気記録再生用の磁気ヘッドは、通常浮上型のヘッドであり、磁気記録媒体上を一定の浮上量で移動される。

0004

一般に、ハードディスクドライブに搭載される磁気記録媒体には、半径方向にはトラック、トラックの延在方向にはセクタと呼ばれる記録領域が形成されている。通常、磁気記録媒体における情報の読み書きは、トラックおよびセクタ単位で行われる。

0005

一般に、磁気記録媒体は、次の工程により製造される。アルミニウム合金ガラス基板等からなる基板の表面に、スパッタ法等を用いて、下地層磁性層、保護層、潤滑層などを順次形成することにより作製される。その後、得られた磁気記録媒体に対して、グライド検査とサーティファイ検査とが順次行われる。

0006

グライド検査とは、磁気記録媒体の表面に突起物が無いかどうかの検査である。すなわち、磁気ヘッドを用いて磁気記録媒体を記録再生する際に、磁気記録媒体の表面に浮上量(媒体と磁気ヘッドの間隔)以上の高さの突起があると、磁気ヘッドが突起にぶつかって磁気ヘッドが損傷したり、磁気記録媒体に欠陥が発生したりする原因となる。グライド検査では、そのような高い突起の有無を検査する(例えば、特許文献1参照)。

0007

グライド検査をパスした磁気記録媒体には、サーティファイ検査が実施される。サーティファイ検査とは、通常のハードディスクドライブの記録再生と同様に、磁気記録媒体に対して磁気ヘッドで所定の信号を記録した後、その信号を再生し、得られた再生信号によって磁気記録媒体の記録不能を検出することにより、磁気記録媒体の電気特性や欠陥の有無など媒体の品質を確かめるものである(例えば、特許文献2参照)。

0008

またサーティファイ検査として、感熱素子を有する検査ヘッドからのサーマルアスペリティに起因する信号を用いた方法が用いられている(例えば、特許文献3参照。)。

0009

サーティファイ検査をパスした磁気記録媒体は、サーボライターと呼ばれる装置を用いてサーボ情報を書き込んだ後、ハードディスクドライブに内蔵される。ハードディスクドライブに用いられる磁気ヘッドとしては、磁気抵抗効果型ヘッドMRヘッド)が提案されている。そして、磁気記録媒体の高密度化に伴って、MRヘッドの磁気記録媒体からの浮上量は小さくなってきている。

先行技術

0010

特開平11-260014号公報
特開2003−257016号公報
特開平10−105908号公報

発明が解決しようとする課題

0011

磁気記録媒体の高密度化に伴って、MRヘッドの磁気記録媒体からの浮上量は小さくなってきている。このため、MRヘッドが磁気記録媒体上に不可避的に存在する欠陥である微小突起物衝突してMRヘッド素子部の摩耗が促進され、出力低下や特性劣化などのヘッド劣化障害が発生している。これら原因となる欠陥のサイズは微小であるため磁気記録媒体製造における品質改善に時間を要する場合が多く、新機種市場出荷計画遅延を来たす場合も少なくない。またこのような微小突起物に起因する障害はハードディスクドライブの信頼性の低下にもつながる。

0012

本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、磁気記録再生装置の信頼性を著しく高める磁気記録再生装置の制御方法、その制御方法を採用した信頼性の高い磁気記録再生装置、磁気記録再生装置に用いられる磁気記録媒体のサーティファイ検査に好適に使用される検査方法、この検査方法を用いた磁気記録媒体の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0013

本願発明者は、上記課題を解決すべく鋭意努力検討した結果、従来のグライド検査やサーティファイ検査では検出が困難であったレベルの微小突起物、具体的には高さ15nm以下、幅500nm以下の突起物を有する磁気記録媒体が磁気記録再生装置の長期使用におけるMRヘッド摩耗の原因となっていることを解明した。そしてこの微小突起物は、MRヘッドから出力される信号を解析することでその存在を把握可能であることを見いだし本願発明を完成させた。すなわち本願発明の以下に関する。

0014

(1)円盤状の磁気記録媒体の円周方向に複数の磁気記録再生トラックを有し、前記磁気記録媒体を回転さながら磁気ヘッドを移動制御して情報を読み書きする磁気記録再生装置における磁気ヘッドの移動制御方法であって、前記磁気ヘッドの移動制御方法は、あらかじめ登録された特定の磁気記録再生トラックでの情報の読み書きを回避するものであり、前記回避する磁気記録再生トラックは、当該磁気記録再生トラックに高周波信号書き込みを行い、その後DCイレーズまたはACイレーズした後のエキストラパルス再生信号の検出によって、または、当該磁気記録再生トラックにおける高周波信号書き込み後ミッシングパルススパイク・パルスの併発再生信号によって決定することを特徴とする磁気記録再生装置における磁気ヘッドの移動制御方法。
(2)(1)に記載の磁気記録再生装置における磁気ヘッドの移動制御方法を用いた磁気記録再生装置。
(3)所定の信号が記録された円盤状の磁気記録媒体を回転させながら磁気ヘッドを用いて前記信号を再生し、得られた再生信号によって磁気記録媒体を検査する磁気記録媒体の検査方法であって、前記検査方法は、高周波信号書き込みを行った後にDCイレーズまたはACイレーズされた磁気記録媒体から出力されるエキストラ・パルス再生信号の検出によって、または、高周波信号を書き込んだ磁気記録媒体から出力されるミッシング・パルスとスパイク・パルスの併発再生信号によって欠陥箇所を検出することを特徴とする磁気記録媒体の検査方法。
(4)(3)に記載の磁気記録媒体の検査方法を含む磁気記録媒体の製造方法。
(5)(4)に記載の磁気記録媒体の製造方法で製造した磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体の記録再生を行う磁気ヘッドと、を備えることを特徴とする磁気記録再生装置。

発明の効果

0015

本願発明の磁気記録再生装置における磁気ヘッドの移動制御方法は、磁気ヘッドが磁気記録媒体上に存在する微小突起物に衝突してヘッド素子部が摩耗し、また出力が低下する等の特性劣化を防ぐ効果を有する。

0016

本願発明の磁気ヘッドの移動制御方法を採用した磁気記録再生装置は、磁気ヘッド素子部の摩耗や、出力低下等の特性劣化が少なく、製品寿命が長く、信頼性が高い効果を有する。

0017

本願発明の磁気記録媒体の検査方法は、従来のグライド検査やサーティファイ検査では検出できなかった、または検出が困難であった微小突起物を検出可能とし、従来以上に信頼性の高い磁気記録媒体の検査方法を提供可能とする効果を有する。
本願発明の磁気記録媒体の製造方法は、従来以上に信頼性の高い磁気記録媒体を生産可能とする効果を有する。

0018

本願発明の磁気記録媒体の製造方法による磁気記録媒体を採用した磁気記録再生装置は、磁気ヘッド素子部の摩耗や、出力低下等の特性劣化が少なく、製品寿命が長く、信頼性が高い効果を有する。

図面の簡単な説明

0019

本願発明の磁気記録再生装置を示す斜視図である。
本願発明のミッシング・パルス再生信号(1)、スパイク・パルス再生信号(2)、エキストラ・パルス再生信号(3)を説明する模式図である。
本願発明のDCイレーズした後のエキストラ・パルス再生信号を示す図である。
本願発明のACイレーズした後のエキストラ・パルス再生信号を示す図である。
本願発明の高周波信号書き込み後のミッシング・パルスとスパイク・パルスの併発再生信号を示す図である。
低周波書き込み後のミッシング・パルス再生信号を示す図である。
本願発明で検出可能とする微小突起欠陥の一例を示す断面TEM写真である。
本発明で用いる磁気記録媒体の一例を示す断面図である。
本発明に係る磁気記録媒体の検査方法において用いる検査装置の一例を示した斜視図である。
本実施形態において用いられるサーボパターンを説明するための図であって、図10(a)は全体を示した平面図であり、図10(b)は図10(a)の一部を拡大して示した拡大平面図である。
本願発明の実施例における磁気ヘッド素子部の摩耗状態を示す写真である。
本願発明の比較例における磁気ヘッド素子部の摩耗状態を示す写真である。

0020

以下、本発明について詳細に説明する。
本願発明は、ハードディスクドライブに代表される磁気記録再生装置の磁気ヘッドの移動制御方法に関する。

0021

図1は本願発明の磁気記録再生装置の一例である。磁気記録再生装置は磁気記録媒体50と、磁気記録媒体50を回転駆動させる媒体駆動部51と、磁気記録媒体50に情報を記録再生する磁気ヘッド52と、この磁気ヘッド52を磁気記録媒体50に対して相対運動させるヘッド駆動部53と、記録再生信号処理系54とを備えている。記録再生信号処理系54は、外部から入力されたデータを処理して記録信号を磁気ヘッド52に送り、磁気ヘッド52からの再生信号を処理してデータを外部に送ることが可能となっている。なお、磁気ヘッド52は、1mm角程度のヘッドスライダの一部に設けられた20μm角程度の部位である。

0022

磁気記録再生装置においては、磁気ヘッド52を磁気記録媒体50表面の特定位置に移動制御する方式として、セクターサーボ方式インデックスサーボ方式などが用いられている。すなわち、磁気記録媒体50の円周方向に複数の磁気記録再生トラックを設け、さらにこの磁気記録再生トラック上に1周当たり整数個ずつのサーボ信号を記録しておき、磁気ヘッド52でこのサーボ信号を再生し、記録再生信号処理系54でトラックずれ信号を作成し、この信号に基づいてヘッド駆動部53によりトラックサーボを行なうという手法が採られている。

0023

本願発明は、磁気記録再生装置における磁気ヘッド52の移動制御方法において、磁気ヘッド52の摩耗の原因となり、従来のグライド検査やサーティファイ検査では検出が困難であった高さ15nm以下、幅500nm以下の微小突起物を含む特定の磁気記録再生トラックを、あらかじめ記録再生信号処理系54に登録し、この登録情報に基づいて磁気ヘッド52の移動制御を行うことで、磁気ヘッド52と微小突起物との衝突を極力防止し、磁気ヘッド52に設けられた素子部の摩耗や、磁気ヘッド52からの出力信号の低下等の特性劣化を低減することを趣旨とする。

0024

磁気記録媒体50は毎分数千回転から1万数千回転の高速で回転する。そのため、その表面に存在する突起物が仮に微小なサイズであっても磁気ヘッド52とオントラック直撃すればそのダメージは甚大なものとなる。これに対し本願発明の磁気ヘッド52の移動制御方法を用いることで、磁気ヘッド52への微小突起部の直撃が回避され、磁気ヘッド52へのダメージが格段に低減される。

0025

本願発明では、前述のあらかじめ登録する磁気記録再生トラックを、当該磁気記録再生トラックにおいて高周波信号書き込みを行った後にDCイレーズまたはACイレーズを行い、その磁気記録再生トッラックから出力されるエキストラ・パルス再生信号の検出によって、または、当該磁気記録再生トラックにおける高周波信号書き込み後のミッシング・パルスとスパイク・パルスの併発再生信号によって決定する。これについて詳細に説明する。

0026

本願発明で、微小突起部を含む磁気記録再生トラックを検出するのに用いる磁気ヘッド52からの再生信号を図2に示す。図2において(1)はミッシング・パルス再生信号、(2)はスパイク・パルス再生信号、(3)はエキストラ・パルス再生信号であり、(1)と(2)の信号がつながった状態で連続するのがミッシング・パルスとスパイク・パルスの併発再生信号である。ここで、ミッシング・パルスとスパイク・パルスの併発再生信号は、ミッシング・パルスに続いてスパイク・パルスが生ずる場合、スパイク・パルスに続いてミッシング・パルスが生ずる場合、ミッシング・パルスの内部にスパイク・パルスが生ずる場合、スパイク・パルスの内部にミッシング・パルスが生ずる場合がある。なお、最後の2つの併発再生信号は、ミッシング・パルス、スパイク・パルス、ミッシング・パルスの連続信号、スパイク・パルス、ミッシング・パルス、スパイク・パルスの連続信号とも定義することが可能で、何れも本願発明の併発再生信号に含まれる。

0027

本願発明では、磁気記録再生トラックにDCイレーズまたはACイレーズした後、その磁気記録再生トラックを磁気ヘッド52により再生したとき、本来出力される低振幅のDCイレーズ信号、またはACイレーズ信号に加えて、(3)に示した大きな振幅の未消去信号であるエキストラ・パルス信号が生ずる磁気記録再生トラックをあらかじめ登録し、このトラックを回避して磁気記録再生装置における磁気ヘッドの移動制御を行う。なお、図3に本来出力される低振幅のDCイレーズ信号に大きな振幅の未消去信号であるエキストラ・パルス信号が生じた一例、図4に本来出力される低振幅のACイレーズ信号に大きな振幅の未消去信号であるエキストラ・パルス信号が生じた一例を示す。

0028

また本願発明では、磁気記録再生トラックに高周波信号書き込み後、その磁気記録再生トラックを磁気ヘッド52により再生したとき、本来出力される高周波信号内にミッシング・パルスとスパイク・パルスの併発再生信号が生ずる磁気記録再生トラックをあらかじめ登録し、このトラックを回避して磁気記録再生装置における磁気ヘッドの移動制御を行う。図5に、本来出力される高周波信号内にミッシング・パルスとスパイク・パルスの併発再生信号が生じた一例を示す。なお、図6は、図5と同一の磁気記録再生トラックにおいて低周波信号書き込み後、その磁気記録再生トラックを磁気ヘッドにより再生した場合の再生信号をしめす。図6の場合、低周波信号内にミッシング・パルスは生ずるもののスパイク・パルスは併発しない。

0029

なお、本願発明のACイレーズとは、周波数1000kFCI(0.025μm/ビット)〜3000kFCI(0.008μm/ビット)の範囲内のイレーズを指し、好ましくは2000kFCI(0.013μm/ビット)でイレーズを指す。また本願発明の高周波信号書き込みは、周波数600kFCI(0.042μm/ビット)〜1000kFCI(0.025μm/ビット)の範囲内の信号の書き込みを指し、好ましくは800kFCI(0.032μm/ビット)の信号を書き込む。また低周波信号書き込みは、周波数100kFCI(0.254μm/ビット)〜300kFCI(0.085μm/ビット)の範囲内の信号の書き込みを指し、好ましくは200kFCI(0.127μm/ビット)の信号を書き込む。

0030

図7は従来のグライド検査やサーティファイ検査では検出が困難であった微小突起を含む欠陥部の断面TEM像である。この欠陥部の形成過程は、発明者は次の通りと考えている。

0031

先ず、基板表面(矢印2)への磁性薄膜成膜前、あるいは成膜途中に表面に付着した微小な異物(矢印3〜5の範囲内)を核として薄膜堆積し、タンコブ状に突起物が形成される。またタンコブ状突起物と正常部分との境界は、核となる異物による成膜中シャドウ効果により、クレーター状の谷(矢印8)が形成される。成膜後のタンコブ状突起物の高さはもとの核粒子の大きさに相応するが、その後のバーニッシュ工程で頂上部は除去される。こうして出来上がった欠陥(矢印9)は高さ15nm以下と低いためグライド検査やサーティファイ検査では検出が困難であり、一方で、幅が最大で500nmもあるため、磁気ヘッドと衝突した際のダメージが大きい。本願発明では、このような突起部の検出に、スパイク・パルス再生信号、エキストラ・パルス再生信号を用いるが、これらの信号は、クレーターの斜面、あるいはタンコブ状突起物における磁性膜構造の乱れが発生される残留磁場の影響によることを発明者は解明した。なお、ミッシング・パルス再生信号は、タンコブ状突起物の頂上がバーニッシュにより除去、つまりは磁性膜が摩耗することに起因する。

0032

また本願発明は、所定の信号が記録された円盤状の磁気記録媒体を回転させながら磁気ヘッドを用いて前記信号を再生し、得られた再生信号によって磁気記録媒体を検査する、いわゆるサーティファイ検査において、磁気記録媒体に高周波信号書き込みを行った後に、DCイレーズまたはACイレーズされた磁気記録媒体から出力されるエキストラ・パルス再生信号の検出によって、または、高周波信号を書き込んだ磁気記録媒体から出力されるミッシング・パルスとスパイク・パルスの併発再生信号によって欠陥箇所を検出することを特徴とする。

0033

図8は、本発明の磁気記録媒体の検査方法を用いてサーティファイ検査される磁気記録媒体の一例を示す断面図である。図1に示す磁気記録媒体は、非磁性基板1の上下両面に、非磁性下地層2、磁性層3、保護層4、液体潤滑層5を順次積層してなる円盤状のものである。本発明において検査される磁気記録媒体としては、図1に示す両面タイプのものの他、非磁性基板の一方の面にのみ非磁性下地層、磁性層、保護層、液体潤滑層が順次積層されてなる片面タイプのものであってもよい。

0034

図8に示す磁気記録媒体にサーティファイ検査を行なう前には、以下に示すように、グライド検査を行なうことが好ましい。グライド検査では、回転させた磁気記録媒体上に検査ヘッドを浮上させ、検査ヘッドにより磁気記録媒体表面走査させることにより、磁気記録媒体の表面の突起物の有無を検査ヘッドからの信号で検査する。グライド検査工程を、サーティファイ検査の前に行なうことにより、サーティファイ検査での検査ヘッドの破損を防ぐことができる。

0035

グライド検査に使用できる検査ヘッドとしては、感熱素子を有するヘッド、AEセンサーピエゾセンサーを用いたヘッドが例示できる。感熱素子を有するヘッドを用いた場合、高速で回転している磁気記録媒体上に存在する突起物に検査ヘッドが接触すると、瞬間的に検査ヘッドで熱が発生し、その熱を感熱素子が検知して信号を出力することにより、グライド検査が実施可能となる。なお、グライド検査における検査ヘッドの浮上量は、ハードディスクドライブにおいて通常用いられる磁気記録再生ヘッドの浮上量よりも、低い浮上量で行うのが好ましい。

0036

次に、図9図10を用いて磁気記録媒体のサーティファイ検査方法を説明する。図9は、本発明に係る磁気記録媒体のサーティファイ検査方法において用いられるサーティファイ検査装置の一例を示した斜視図である。本実施形態では、図8に示す磁気記録媒体である3枚の被検査媒体に対して連続してサーティファイ検査を行う場合を例に挙げて説明する。

0037

図9において符号21、符号22は被検査媒体を示している。本実施形態では、被検査媒体として3枚の被検査媒体21、22a、22bが設置されている。なお、本実施形態では、被検査媒体21、22a、22bの検査を連続的に行うため、以下の説明は主に被検査媒体21のみについて行う。

0038

被検査媒体21,22a、22bは、円盤状の形状を有するものであり、図8に示す磁気記録媒体からなるものである。被検査媒体21,22a、22bとは、平面視で重なる位置に設置されており、図9に示すように、スピンドルモータを備える回転機構23によって同軸中心で同期回転されるようになっている。

0039

図10は、本実施形態において用いられる被検査媒体のトラック、セクタを説明するための図であって、図10(a)は全体を示した平面図であり、図10(b)は図10(a)の一部を拡大して示した拡大平面図である。図10において、符号Tはトラックを示し、符号Sはセクタを示している。図10に示すように、被検査媒体21には、サーボライターまたは磁気転写工程による書き込みで、中心から放射状に連続して複数のサーボ情報領域21aが備えられており、隣接するサーボ情報領域21a間がデータ情報領域21bとされている。サーボ情報領域21aは、トラック位置情報およびセクタ位置情報からなるサーボ情報がそれぞれの位置に対応する記録領域に記録されてなるものである。

0040

図9のサーティファイ検査装置では、被検査媒体21、22a、22bのサーティファイ検査が終了した後、検査済み検査媒体21、22a、22bと次にサーティファイ検査される被検査媒体とを交換することができる。そして、図9に示す検査装置には、被検査媒体21、22a、22bの交換時にヘッドスタックアセンブリ31を構成する磁気ヘッド25aを退避させておくための退避エリア29が設けられている。したがって、被検査媒体21、22a、22bの交換時に、磁気ヘッド25aを退避エリア29に移動させておくことで、ヘッドスタックアセンブリ31を構成する支持アーム32、33が被検査媒体の交換の邪魔になることを防止できる。

0041

本願発明では、図9に例示するサーティファイ検査装置を用いて、被検査媒体21に磁気ヘッドを用いて高周波信号書き込みを行った後に、DCイレーズまたはACイレーズを行い、その後、磁気記録媒体から出力されるエキストラ・パルス再生信号の検出によって、または、高周波信号を書き込んだ磁気記録媒体から出力されるミッシング・パルスとスパイク・パルスの併発再生信号によって、被検査媒体21の表面の欠陥箇所を検出することを特徴とする。その具体的な検出の方法については前述の通りである。本願発明の磁気記録媒体の検査方法では、従来のグライド検査、サーティファイ検査では検出が困難であった微小欠陥を含むセクタ、トラックを検出可能であり、その検査結果に基づいて、被検査媒体の良品不良品判別が可能であり、また不良品の被検査媒体に対してバーニッシュ工程等で再加工を施し、再度の検査工程に送付することが可能となる。また被検査媒体の不良セクタ、トラック情報を被検査媒体ごとに登録することで、その被検査媒体を組み込んだ磁気記録再生装置において、その不良箇所の待避処理が可能となる。
なお、本実施形態においては、被検査媒体が3枚の場合の例を挙げて説明したが、本発明の磁気記録媒体の検査方法は、上記の例に限定されるものではない。

0042

以下、実施例を示して、本発明を具体的に説明するが本発明はこれに限定されるものではない。

0043

(実施例1)
外径2.5インチ図8に示す磁気記録媒体を製造し、磁気記録媒体に対してグライド検査およびサーティファイ検査を行った。

0044

「グライド検査」
グライド検査では、検査ヘッドと磁気記録媒体表面の間の機械的なスペーシングを、0.25マイクロインチに設定し、検査ヘッドから、磁気記録媒体表面の突起物との衝突に起因するシグナルが出力された場合は、その磁気記録媒体は不良品と判断し、それ以外は良品と判断した。

0045

「サーボ情報の書き込み工程」
グライド検査をパスした磁気記録媒体に対してサーボライターを用いてサーボ情報を書き込んだ。サーボパターンは、磁気記録媒体の中心から放射状とし、トラックピッチを0.1μmとして片面あたり100,000本のトラックを設け、トラック一周あたりのサーボセクタ数を256とした。

0046

「サーティファイ検査」
図9に示す装置を用いてサーティファイ検査を行った。なお、磁気ヘッドとしては、2.5“ 120Gバイト(1枚)対応のハードディスクドライブに用いられるTuMRヘッドを用いた。また、ヘッドスタックアセンブリとして、ハードディスクドライブに使用されている汎用のヘッドスタックアセンブリを使用した。

0047

サーティファイ検査では、3枚の被検査媒体を同軸中心で同期させて3600rpmで回転させながら、磁気ヘッドを用いて1枚ずつ検査を行った。検査は、先ず被検査媒体の全トラック、セクタに、800kFCIの高周波信号を書き込み、その後、被検査媒体の全トラック、セクタからの出力信号を解析し、周方向の幅で0.5μm以下に対応するミッシング・パルスと、書き込んだ高周波信号の平均振幅に対して1.4倍以上のスパイク・パルスの併発再生信号を検出し、この併発再生信号が検出されたトラックを待避トラックとして記録した。

0048

「磁気記録再生装置の製造」
サーティファイ検査を経た磁気記録媒体とTuMRヘッドを用いたヘッドスタックアセンブリ等を組み合わせた磁気記録再生装置を製造した。磁気記録再生装置に組み込む磁気記録媒体は1枚とした。

0049

(実施例2)
製造した磁気記録再生装置についてシークテストを100時間行った。シークテストでは、サーティファイ検査で登録された待避トラックとそのトラックを中心とする半径方向の幅で±25μmの範囲のトラックを待避トラックとして磁気ヘッドをシークさせなかった。シークテスト後の磁気ヘッド素子部の写真を図11に示す。図11で上側の白い部分は書き込み素子、下側の白い部分は読み込み素子であるが、実施例2の磁気ヘッド素子部では摩耗は観察されなかった。

実施例

0050

(比較例)
実施例2と同様に製造した磁気記録再生装置についてシークテストを100時間行った。シークテストでは、サーティファイ検査で登録された待避トラックのみをシークさせた。シークテスト後の磁気ヘッド素子部の写真を図12に示す。図11の写真と対比すると、磁気ヘッド素子部の書き込み素子と読み込み素子との間の炭素保護膜が摩耗し、その下のアルミナセラミックス部分が露出していることが観察された。

0051

1…非磁性基板、2…非磁性下地層、3…磁性層、4…保護層、5…液体潤滑層、21a…サーボ情報領域、21b…データ情報領域、21、22、22a、22b…被検査媒体、23…回転機構、25a…磁気ヘッド、26…フレキシブルプリント基板、27…信号処理回路、28…ヘッド駆動装置、29…退避エリア、32、33、33a、33b…支持アーム、36…ピボット、T…トラック、S…セクタ。

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