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技術 引張試験機用の把持具

出願人 東京電力ホールディングス株式会社
発明者 田中洋松永高雄鈴木貴雄
出願日 2010年6月10日 (10年8ヶ月経過) 出願番号 2010-132751
公開日 2011年12月22日 (9年2ヶ月経過) 公開番号 2011-257289
状態 未査定
技術分野 機械的応力負荷による材料の強さの調査
主要キーワード バラけた状態 反り返し チャック治具 半割形状 硬化性樹脂材 変位検出信号 荷重検出信号 半円柱
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2011年12月22日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (17)

課題

把持具を繰り返し使用することができると共に、電線試験片)を構成する各撚り線の先端部が引張方向と逆向きになっている反り返し部分を設け、この反り返し部分を樹脂で覆って固着することにより、大きな破断荷重を用いた電線(試験片)の引張試験を行う場合であっても、その破断荷重に充分に耐え得る引張試験機用の把持具を提供する。

解決手段

本発明は、内外複数層の撚り線を有して成る試験片の両端部を、チャック治具を介して引張試験機に取り付ける引張試験機用の把持具であって、試験片の端部において、複数の撚り線をバラけた状態にし、各撚り線の先端部が引張方向と逆向きになっている反り返し部分を設け、この反り返し部分全体を樹脂で覆って、試験片の端部に柱状の埋込凝固部を形成し、該埋込凝固部を、チャック治具に着脱可能に取り付けている。

概要

背景

従来において、送電線に使用されている撚り線等の試験片機械的性質である、例えば、引張強度の評価等を測定する場合、当該試験片の両端部に所定の把持具を配置し、この把持具を引張試験機に取り付けて、軸線方向に引張力を加える手法が執られている。

この様な引張試験において、正確な測定結果を得るためには、試験片が試料標点付近(試験片の中央)で切断されることが望ましい。

しかし、試験片に配置した把持具による試験片自体への把持力により、試験片の断面形状が変化して応力集中が発生することから、試験片は把持部付近で切断されてしまい、これにより正確な測定結果が得られないことがある。

このため、例えば、特許文献1に開示されているような、引張試験機用の把持具が利用されている。

この引張試験機用の把持具は、図16(a)に示すように、筒状の把持具100を鋼材により構成し、把持具100の内部に電線101(試験片)を挿入した状態で、把持具100の内部にエポキシ系の接着剤102を充填して固定している。

また、図16(b)に示すように、切断した電線101(試験片)の両端部を加工して、内外複数層芯線が互いにバラけるようにして露出させておき、筒状の把持具11の内側に、バラけた芯線を露出している電線101(試験片)を挿入した状態で、把持具100の内部にエポキシ系の接着剤102を充填して固定している。

そして、この把持具100を、JIS(日本工業規格)B7721に準じた引張試験機で把持して引っ張ることにより、測定が行われている。

概要

把持具を繰り返し使用することができると共に、電線(試験片)を構成する各撚り線の先端部が引張方向と逆向きになっている反り返し部分を設け、この反り返し部分を樹脂で覆って固着することにより、大きな破断荷重を用いた電線(試験片)の引張試験を行う場合であっても、その破断荷重に充分に耐え得る引張試験機用の把持具を提供する。本発明は、内外複数層の撚り線を有して成る試験片の両端部を、チャック治具を介して引張試験機に取り付ける引張試験機用の把持具であって、試験片の端部において、複数の撚り線をバラけた状態にし、各撚り線の先端部が引張方向と逆向きになっている反り返し部分を設け、この反り返し部分全体を樹脂で覆って、試験片の端部に柱状の埋込凝固部を形成し、該埋込凝固部を、チャック治具に着脱可能に取り付けている。

目的

本発明は、如上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、把持具を繰り返し使用することができると共に、電線(試験片)を構成する各撚り線の先端部が引張方向と逆向きになっている反り返し部分を設け、この反り返し部分を樹脂で覆って固着することにより、大きな破断荷重を用いた電線(試験片)の引張試験を行う場合であっても、その破断荷重に充分に耐え得る引張試験機用の把持具を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

内外複数層撚り線を有して成る試験片の両端部を、チャック治具を介して引張試験機に取り付ける引張試験機用の把持具であって、試験片の端部において、複数の撚り線をバラけた状態にし、各撚り線の先端部が引張方向と逆向きになっている反り返し部分を設け、この反り返し部分全体を樹脂で覆って、試験片の端部に柱状の埋込凝固部を形成し、該埋込凝固部を、チャック治具に着脱可能に取り付けていることを特徴とする引張試験機用の把持具。

請求項2

試験片の端部に、複数の反り返し部分を設けている請求項1に記載の引張試験機用の把持具。

請求項3

複数の反り返し部分は、内側に位置している反り返し部分の撚り線を、長くしている請求項2に記載の引張試験機用の把持具。

請求項4

チャック治具は、埋込凝固部を両側から挟み込んで保持する挟持部と、挟持部を挿入して保持するホルダと、挟持部にねじ込んで装着する引張金具から構成され、挟持部は、外周面が試験片の引張方向に向けて窄まる一対の挟持片によって形成され、一対の挟持片の内部には、試験片の埋込凝固部を保持する収容凹部が設けられていると共に、一対の挟持片の先端側部分にネジ孔を備え、ホルダは、挟持部の外形状に合致するよう、中空部が試験片の引張方向に向けて窄まる内周壁を形成し、引張金具は、太い棒状に形成され、端部に、挟持部のネジ孔にねじ込むネジ部を設けている請求項1に記載の引張試験機用の把持具。

請求項5

埋設凝固部は、硬化性樹脂が容易に脱型可能な型容器で形成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の引張試験機用の把持具。

技術分野

0001

本発明は、例えば、送電線に使用される各種撚り線等の試験片の両端部を、引張試験機に取り付けて様々な引張試験を行う際に使用される、引張試験機用の把持具に関するものである。

背景技術

0002

従来において、送電線に使用されている撚り線等の試験片の機械的性質である、例えば、引張強度の評価等を測定する場合、当該試験片の両端部に所定の把持具を配置し、この把持具を引張試験機に取り付けて、軸線方向に引張力を加える手法が執られている。

0003

この様な引張試験において、正確な測定結果を得るためには、試験片が試料標点付近(試験片の中央)で切断されることが望ましい。

0004

しかし、試験片に配置した把持具による試験片自体への把持力により、試験片の断面形状が変化して応力集中が発生することから、試験片は把持部付近で切断されてしまい、これにより正確な測定結果が得られないことがある。

0005

このため、例えば、特許文献1に開示されているような、引張試験機用の把持具が利用されている。

0006

この引張試験機用の把持具は、図16(a)に示すように、筒状の把持具100を鋼材により構成し、把持具100の内部に電線101(試験片)を挿入した状態で、把持具100の内部にエポキシ系の接着剤102を充填して固定している。

0007

また、図16(b)に示すように、切断した電線101(試験片)の両端部を加工して、内外複数層芯線が互いにバラけるようにして露出させておき、筒状の把持具11の内側に、バラけた芯線を露出している電線101(試験片)を挿入した状態で、把持具100の内部にエポキシ系の接着剤102を充填して固定している。

0008

そして、この把持具100を、JIS(日本工業規格)B7721に準じた引張試験機で把持して引っ張ることにより、測定が行われている。

先行技術

0009

特開2006−30123号公報

発明が解決しようとする課題

0010

しかしながら、特許文献1に示す引張試験機用の把持具においては、図16(a)に示すように、切断した電線101(試験片)の端部が、筒状の把持具100の内側に挿入した状態で接着剤102により固定されて、電線101(試験片)の端部が把持具100と一体的になってしまうことから、把持具100自体の再利用が困難である。

0011

即ち、引張試験を終えた後に、把持具100から電線101(試験片)の端部を引き抜いて、他の電線101(試験片)を挿入して再度試験を行うことができず、電線101(試験片)の引張試験を終えたときは、電線101(試験片)と共に把持具100を廃棄していた。

0012

その為、他の電線101(試験片)の引張試験を行うときは、その都度、未使用の把持具100を用意しなければならないため、引張試験の費用が高くなる要因となっていた。

0013

また、特許文献1に示す引張試験機用の把持具においては、図16(b)に示すように、内外複数層の芯線を互いにバラけるようにして露出させてから把持具100の内側で接着剤102により固定しているものの、このバラけた芯線は、電線101(試験片)の引張方向に向けて拡散したような状態となっている。

0014

その為、図16(b)の矢印で示す方向に把持具100を強く引っ張ったときに、バラけて拡散している芯線がその拡散状態を維持できず、直線状に窄まるような状態になり易い。

0015

その結果、大きな破断荷重を用いた電線101(試験片)の引張試験を行うと、把持具100の内部に接着剤102を残したまま、電線101(試験片)の端部が、固定している接着剤102から抜けてしまう事態が生じていたのである。

0016

そこで、本発明は、如上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、把持具を繰り返し使用することができると共に、電線(試験片)を構成する各撚り線の先端部が引張方向と逆向きになっている反り返し部分を設け、この反り返し部分を樹脂で覆って固着することにより、大きな破断荷重を用いた電線(試験片)の引張試験を行う場合であっても、その破断荷重に充分に耐え得る引張試験機用の把持具を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0017

本発明は、内外複数層の撚り線を有して成る試験片の両端部を、チャック治具を介して引張試験機に取り付ける引張試験機用の把持具であって、試験片の端部において、複数の撚り線をバラけた状態にし、各撚り線の先端部が引張方向と逆向きになっている反り返し部分を設け、この反り返し部分全体を樹脂で覆って、試験片の端部に柱状の埋込凝固部を形成し、該埋込凝固部を、チャック治具に着脱可能に取り付けていることで、上述した課題を解決した。

0018

また、試験片の端部に、複数の反り返し部分を設けていることで、同じく上述した課題を解決した。

0019

さらに、複数の反り返し部分は、内側に位置している反り返し部分の撚り線を、長くしていることで、同じく上述した課題を解決した。

0020

また、チャック治具は、埋込凝固部を両側から挟み込んで保持する挟持部と、挟持部を挿入して保持するホルダと、挟持部にねじ込んで装着する引張金具から構成され、挟持部は、外周面が試験片の引張方向に向けて窄まる一対の挟持片によって形成され、一対の挟持片の内部には、試験片の埋込凝固部を保持する収容凹部が設けられていると共に、一対の挟持片の先端側部分にネジ孔を備え、ホルダは、挟持部の外形状に合致するよう、中空部が試験片の引張方向に向けて窄まる内周壁を形成し、引張金具は、太い棒状に形成され、端部に、挟持部のネジ孔にねじ込むネジ部を設けていることで、同じく上述した課題を解決した。

0021

また、埋設凝固部は、硬化性樹脂が容易に脱型可能な型容器で形成されることで、同じく上述した課題を解決した。

発明の効果

0022

本発明は、内外複数層の撚り線を有して成る試験片の両端部を、チャック治具を介して引張試験機に取り付ける引張試験機用の把持具であって、試験片の端部において、複数の撚り線をバラけた状態にし、各撚り線の先端部が引張方向と逆向きになっている反り返し部分を設け、この反り返し部分全体を樹脂で覆って、試験片の端部に柱状の埋込凝固部を形成していることから、埋込凝固部の内部において、引張方向と逆向きになっている状態で拡散している反り返し部分が、強固にその状態を維持しようとする。

0023

即ち、埋込凝固部の内部において、各撚り線の先端部が引張方向と逆向きになっている反り返し部分が存在することから、試験片に強い引張力が作用した場合であっても、引張方向と逆向きになっている反り返し部分は、そのまま引張方向と逆向きの反り返し状態を維持する。

0024

その為、試験片に強い引張力が作用した場合であっても、埋込凝固部の内部において、引張方向と逆向きになっている撚り線の反り返し部分が、引張方向と同じ方向を向くように、強制的に変形させられてしまうことが無い。

0025

この様に、埋込凝固部の内部において、引張方向と逆向きになっている撚り線の反り返し部分が、そのままの反り返し状態を維持することから、埋込凝固部による試験片の保持力飛躍的に向上する。

0026

その結果、大きな破断荷重を用いた試験片の引張試験を行った場合であっても、埋込凝固部から試験片が抜けてしまう事態の発生を阻止して、大きな破断荷重に充分に耐え得る引張試験機用の把持具を提供できるのである。

0027

また、試験片の端部に柱状の埋込凝固部を型容器を用いて予め形成しておき、この埋込凝固部を、チャック治具に着脱可能に取り付けていることから、チャック治具の再利用が可能となっている。

0028

さらに、試験片の端部に、複数の反り返し部分を設けているときには、埋込凝固部の内部において、引張方向と逆向きになっている状態で拡散している反り返し部分が、より強固にその状態を維持しようとする。

0029

その結果、より大きな破断荷重を用いた試験片の引張試験を行った場合であっても、埋込凝固部から試験片が抜けてしまう事態の発生を阻止できるのである。

0030

また、複数の反り返し部分は、内側に位置している反り返し部分の撚り線を、長くしていることから、この長い撚り線は、試験片に強い引張力が作用した場合であっても、埋込凝固部の内部において、引張方向と逆向きになっている撚り線の反り返し部分が、引張方向と同じ方向を向くように、強制的に変形され難くなっている。

0031

この他、チャック治具は、埋込凝固部を両側から挟み込んで保持する挟持部と、挟持部を挿入して保持するホルダと、挟持部にねじ込んで装着する引張金具から構成され、挟持部は、外周面が試験片の引張方向に向けて窄まる一対の挟持片によって形成され、ホルダは、挟持部の外形状に合致するよう、中空部が試験片の引張方向に向けて窄まる内周壁を形成し、ホルダに保持している挟持部に引張金具を装着することから、この引張金具を介して、挟持部とホルダに強い引張力を作用させることができる。

0032

そして、一対の挟持片の内部には、試験片の埋込凝固部を保持する収容凹部が設けられていることから、この収容凹部に試験片の埋込凝固部を保持させて、試験片に強い引張力を作用させることができる。

0033

具体的には、挟持部は、試験片の引張方向に向けて窄まるように形成される一方、ホルダは、試験片の引張方向に向けて窄まるように形成しているので、ホルダ内に挟持部がしっかりと保持される。

0034

そして、引っ張る力が大きくなるほど、挟持部の略円錐状に窄まる外周面が、ホルダの引張方向に向けて窄まる内周壁に沿って移動する方向に作用して、挟持部を形成している一対の挟持片が互いに強く接合する。

0035

その為、試験片の端部に設けた反り返し部分の全体を樹脂で覆って柱状に形成している埋込凝固部を、一対の挟持片によりしっかりと保持できるのである。

0036

この様に、本発明に係る引張試験機用の把持具は、大きな破断荷重に耐え得るものとなる。

0037

具体的には、従来の把持具を利用した場合の試験片の破断荷重が、平均で約22kNであって、把持具自体はこの荷重までの耐久性しか得られていないのに対して、本発明による引張試験機用の把持具では、約50〜100kNという、約2倍以上の破断荷重の測定にも十分に耐え得るのである。

0038

さらに、埋設凝固部は、硬化性樹脂が容易に脱型可能な型容器で形成されることから、狭持部の繰り返し利用が容易となる。

0039

具体的には、埋込凝結部の硬化性樹脂材が付着しにくい材質を用いて型容器が形成され、型容器から埋込凝結部が脱型容易となっている。そして、予め型容器で埋込凝結部を形成しておくことで、狭持部へ硬化性樹脂を直接流し込んだ場合と比較して、狭持部への硬化性樹脂の付着を防止できる。よって、狭持部の硬化性樹脂の除去作業が不要となり、狭持部の繰り返し利用が容易となる。

図面の簡単な説明

0040

試験片の加工形態を示すもので、(a)は当初の試験片の側面図、(b)は結束バンドを取り付けた試験片の側面図、(c)は試験片の外層側の撚り線を工具を使って引き剥がし、撚り線を反り返すように折り曲げている状態の側面図である。
試験片の加工形態を示すもので、(a)は外層側の撚り線全体を反り返すように折り曲げている状態の側面図、(b)は中間層の撚り線に第2の結束バンドを取り付けた状態の側面図、(c)は中間層の撚り線全体を反り返すように折り曲げている状態の側面図である。
試験片の加工形態を示すもので、(a)は内層側の撚り線に第3の結束バンドを取り付けた状態の側面図、(b)は内層側の撚り線全体を反り返すように折り曲げている状態の側面図、(c)は試験片の端部に設けた3個の反り返し部分の全体を、埋込凝固部により覆っている状態の側面図である。
型容器と蓋体を用いて試験片の端部に埋込凝結部を形成する経過を示すもので、(a)は3個の反り返し部分を有する試験片の端部を、型容器の内部に収容する状態を示す分解斜視図、(b)は試験片の端部を型容器の内部に収容し、硬化性樹脂材を流し込んでいる状態を示す斜視図、(c)は型容器内部を硬化性樹脂材により満たしている状態で、型容器の開口部に蓋体を形成する一対の挟持片を載置する状態を示す分解斜視図である。
型容器と蓋体を用いて試験片の端部に埋込凝結部を形成する経過を示すもので、(a)は型容器の開口部に載置した蓋体において、一対の挟持片の切り欠き内で硬化性樹脂材が上方に押し上げられ、第2凝固部を形成している状態を示す斜視図、(b)は型容器の開口部から一対の挟持片を外して、第1凝固部に連設している第2凝固部を露出している状態を示す分解斜視図、(c)は埋込凝結部の全体を型容器内から引き上げている状態を示す分解斜視図である。
試験片の上部に配置されるチャック治具の構成を示す分解斜視図である。
試験片の上部に配置されるチャック治具の構成を示す分解斜視図である。
試験片の上部に配置されるチャック治具の構成を示す分解斜視図である。
試験片の上部に配置されるチャック治具の構成を示す斜視図である。
試験片の下部に配置されるチャック治具の構成を示す分解斜視図である。
試験片の下部に配置されるチャック治具の構成を示す分解斜視図である。
試験片の下部に配置されるチャック治具の構成を示す分解斜視図である。
試験片の下部に配置されるチャック治具の構成を示す斜視図である。
試験片の上部と下部に、それぞれチャック治具を配置した状態を示す斜視図である。
上部と下部にそれぞれチャック治具を配置した試験片を、引張試験機に取り付けた状態を示す側面図である。
従来の引張試験機用の把持具の構成を示すもので、(a)は筒状の把持具の内部に電線(試験片)を挿入した状態で、把持具の内部に接着剤を充填して固定している状態の断面図、(b)は筒状の把持具の内側に、バラけた芯線を露出している電線(試験片)を挿入した状態で、把持具の内部に接着剤を充填して固定している状態の断面図である。

実施例

0041

以下に、図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。

0042

本発明に係る引張試験機P用の把持具は、図14図15に示すように、試験片1の両端部を、チャック治具Qを介して引張試験機Pに取り付けるものである。

0043

試験片1は、内外複数層の撚り線Lを有している。尚、図1(a)に示す所定の試験片について、例えば、外層側の撚り線L1,中間層側の撚り線L2,内層側の撚り線L3を備えているものとして説明する。

0044

この試験片1の端部においては、図1乃至図3に示すように、複数の撚り線L(L1,L2,L3)をバラけた状態にし、各撚り線L(L1,L2,L3)の先端部が、引張試験機Pによる引張方向と逆向きになっている反り返し部分Aを複数設けている。

0045

そして、図3(c)・図6に示すように、試験片1の反り返し部分A全体を樹脂で覆って、試験片1の端部に柱状の埋込凝固部2を形成し、該埋込凝固部2を、チャック治具Qに着脱可能に取り付けている。

0046

試験片1における反り返し部分Aの作製は、まず、図1(b)に示すように、試験片1の端部近傍の所定の位置において、試験片1に第1の結束バンド6aを装着する。

0047

次に、図1(c)に示すように、試験片1の切断端において、外層側の撚り線L1をペンチ等の工具を使って1本ずつ引き剥がし、第1の結束バンド6aの位置を折曲部として、第1の結束バンド6aを超えるように、外層側の撚り線L1を反り返すように折り曲げる。そして、図2(a)に示すように、複数の外層側の撚り線L1を折り曲げて、撚り線L1による反り返し部分Aを作製する。

0048

次に、図2(b)に示すように、第1の結束バンド6aの近傍において露出している中間層側の撚り線L2に、第2の結束バンド6bを装着する。そして、試験片1の切断端において、中間層側の撚り線L2をペンチ等の工具を使って1本ずつ引き剥がし、第2の結束バンド6bの位置を折曲部として、第2の結束バンド6bを超えるように、中間層側の撚り線L2を反り返すように折り曲げる。そして、図2(c)に示すように、複数の外層側の撚り線L1を折り曲げて、撚り線L2による反り返し部分Aを作製する。

0049

次に、図3(a)に示すように、第2の結束バンド6bの近傍において露出している内層側の撚り線L3に、第3の結束バンド6cを装着する。そして、試験片1の切断端において、内層側の撚り線L3をペンチ等の工具を使って1本ずつ引き剥がし、第3の結束バンド6cの位置を折曲部として、第3の結束バンド6cを超えるように、内層側の撚り線L3を反り返すように折り曲げる。そして、図3(b)に示すように、複数の内層側の撚り線L3を折り曲げて、撚り線L3よる反り返し部分Aを作製する。

0050

この様にして作製した3個の反り返し部分Aの反り返し方向は、いずれも、引張試験機Pによる引張方向と逆向きになっている。

0051

また、3個の反り返し部分Aを作製するときに、結束バンド6a・6b・6cの装着する位置が、試験片1の切断端側に移動することから、反り返し部分Aを形成する外層側の撚り線L1,中間層側の撚り線L2,内層側の撚り線L3は、次第に短くなり、試験片1の切断端から離れる内側に位置している反り返し部分Aほど、撚り線を長くしている。

0052

さらに、結束バンド6a・6b・6cとしては、ナイロンフッ素樹脂ポリプロピレンポリアセタールポリエチレン等の素材を用いたバンドを使用する。

0053

そして、試験片1に設けた3個の反り返し部分Aにおいては、図3(c)・図6に示すように、これら3個の反り返し部分Aの全体を樹脂で覆って、試験片1の端部に、柱状の埋込凝固部2を形成している。

0054

この柱状の埋込凝固部2は、図3(c)・図6に示すように、試験片1の端部に設けている3個の反り返し部分Aの全体を覆う大径円柱状の第1凝固部2aと、試験片1の一部を覆う小径円柱状の第2凝固部を連設して形成している。そして、柱状の埋込凝固部2を形成する第1凝固部2aは、引張試験機Pによる引張方向に配置されている。

0055

3個の反り返し部分Aの全体を樹脂で覆う柱状の埋込凝固部2において、大径円柱状の第1凝固部2aは、図4(c)に示すように、所定の型容器10を用いて形成される。また、小径円柱状の第2凝固部は、図5(a)に示すように、型容器10の開口部に載置する蓋体11を用いて形成される。

0056

型容器10は、図4(a)に示すように、底部を有する円筒状に形成されている。この型容器10は、埋込凝固部2(第1凝固部2a)の硬化性樹脂材が付着しにくいプラスチック製の材質が用いられ、型容器10から埋込凝結部2(第1凝固部2a)が脱型容易となっている。

0057

この様に、予め型容器10で埋込凝結部2を形成しておくことで、狭持部3へ硬化性樹脂を直接流し込んだ場合と比較して、狭持部3への硬化性樹脂の付着を防止できる。よって、狭持部3の硬化性樹脂の除去作業が不要となり、狭持部3の繰り返し利用が容易となる。

0058

試験片1の端部に埋込凝固部2(第1凝固部2a)を形成するときは、まず、図4(a)に示すように、3個の反り返し部分Aを有する試験片1の端部を、型容器10の内部に収容する。

0059

次に、図4(b)に示すように、所定のパイプ20を介して、型容器10の内部に硬化性樹脂材を流し込む

0060

そして、図4(c)に示すように、型容器10の内部を、硬化性樹脂材により満たす。

0061

次に、図4(c)・図5(a)に示すように、型容器10の開口部に蓋体11を載置する。この蓋体11は、試験片1を挟み込むように配置される一対の挟持片11A・11Bにより構成されている。それぞれの挟持片11A・11Bは、所定の厚みを有する略半円状に形成されている。

0062

一方の挟持片11Aは、図4(c)に示すように、中心部に半円状の切り欠き11aが設けられている。また、切り欠き11aの近傍に、空気孔13が設けられている。さらに、挟持片11Aの下面の周囲に半環状の突片を設け、この半環状の突片内に、型容器10の開口部を収容する凹部を形成している。

0063

他方の挟持片11Bも、図4(c)に示すように、中心部に半円状の切り欠き11bが設けられている。また、挟持片11Bの下面の周囲に半環状の突片を設け、この半環状の突片内に、型容器10の開口部を収容する凹部を形成している。

0064

そして、図4(c)・図5(a)に示すように、挟持片11A・11Bの切り欠き11a・11bにより試験片1を挟み込むようにして、一対の挟持片11A・11Bを型容器10の開口部に載置する。このとき、型容器10の開口部全体を、
挟持片11A・11Bにおける半環状の突片内の凹部に収容した状態とする。

0065

すると、図5(a)に示すように、硬化性樹脂材が硬化する過程膨張し、挟持片11A・11Bの切り欠き11a・11b内において上方に押し上げられ、所定の高さで試験片1を囲繞した状態となる。この切り欠き11a・11b内において上方に押し上げられた硬化性樹脂材が、小径円柱状の第2凝固部を形成するのである。

0066

そして、硬化性樹脂材の全体が固まってから、図5(b)に示すように、型容器10の開口部から一対の挟持片11A・11Bを外して、大径円柱状の第1凝固部2aに連設している小径円柱状の第2凝固部を露出させる。

0067

最後に、図5(c)に示すように、大径円柱状の第1凝固部2aを型容器10内から引き上げて、試験片1の端部に埋込凝固部2を形成するのである。

0068

埋込凝固部2を形成する硬化性樹脂材は、例えば、樹脂剤硬化剤を、14:1の割合で混合して撹拌したものを使用する。また、耐圧縮性の2液混合エポキシ系接着剤を使用しても良い。この硬化性樹脂材は、主剤エポキシ樹脂を主成分とし、硬化剤が脂肪族ポリアミンを主成分としている。

0069

尚、硬化性樹脂材は、上記したものに限定されることはなく、例えば、工業用エポキシ系接着剤や、セメダインエポキシ樹脂系弾性接着剤等を用いることも可能である。

0070

試験片1の端部に設けた柱状の埋込凝固部2を着脱可能に取り付けるチャック治具Qは、試験片1の両端部に設けた埋込凝固部2に取り付けるために、図14図15に示すように、縦型の引張試験機Pに取り付けられる試験片1において、試験片1の上部に配置されるものと、試験片1の下部に配置されるものが存在する。

0071

試験片1の上部に配置されるチャック治具Qと、試験片1の下部に配置されるチャック治具Qは、図14に示すように、いずれも同一の構成・形状を有するものである。

0072

そして、試験片1の上部に配置されるチャック治具Qの構成は、図6乃至図9に示し、試験片1の下部に配置されるチャック治具Qの構成は、図10乃至図13に示しているが、上部に配置されるチャック治具Qの構成を詳細に説明し、同一の構成には同一の符号を付すことで、下部に配置されるチャック治具Qの説明を省略する。

0073

試験片1の上部に配置されるチャック治具Qは、図6に示すように、試験片1の上端部に設けられている埋込凝固部2に取り付けられるものである。

0074

このチャック治具Qは、埋込凝固部2を両側から挟み込んで保持する挟持部3と、挟持部3を挿入して保持するホルダ4と、挟持部3にねじ込んで装着する引張金具5から構成されている。

0075

埋込凝固部2を両側から挟み込んで保持する挟持部3は、図6に示すように、一対の挟持片30a,30bによって形成されている。

0076

この一対の挟持片30a,30bは、図6図7に示すように、互いに合致した状態で、埋込凝固部2における第1凝固部2aを保持する収容凹部3aが内部に設けられている。また、一対の挟持片30a,30bは、その基端側部分に、収容凹部3aに連なる様にして、埋込凝固部2の第2凝固部2bを保持する開口部3bが設けられている。

0077

一方の挟持片30bを例にすると、図6に示すように、埋込凝固部2の第1凝固部2aの側方における半分を保持する幅広半円柱状凹部(3a)を備えている。また、半円柱状凹部に連なる様にして、埋込凝固部2の第2凝固部2bの側方における半分を保持する半円柱状の孔(3b)を備えている。

0078

また、一対の挟持片30a,30bは、その先端側部分に、収容凹部3aに連なる様にして、ネジ孔3cが設けられている。このネジ孔3cは、引張金具5を装着する部分である。この引張金具5は、全体が太い棒状に形成され、一端部にネジ部5aを設けている。また、引張金具5は、他端部に所定の頭部を備えている。

0079

引張金具5を装着するネジ孔3cとしては、一方の挟持片30bを例にすると、図6に示すように、引張金具5のネジ部5aの側方における半分を螺合させる半円柱状ネジ孔(3c)を備えている。

0080

この様に、半割形状の挟持片30a,30bのそれぞれは、図6に示すように、その基端側部分・中央部分・先端側部分にかけて、半円柱状の孔(3b)・半円柱状凹部(3a)・半円柱状ネジ孔(3c)を備えており、図7に示すように、互いに合致した状態で、中央部分に埋込凝固部2の第1凝固部2aを保持し、基端側部分に第2凝固部2bを保持する。

0081

この様に、試験片1の埋込凝固部2を両側から挟み込んで保持する挟持部3は、一対の挟持片30a,30bによって形成されているが、挟持部3全体の外周面は、図7に示すように、試験片1の引張方向に向けて窄まる略円錐台状に形成されている。

0082

この引張方向に向けて窄まる略円錐台状に形成されている挟持部3を挿入して保持するホルダ4は、全体が中空円柱状に形成されている。このホルダ4の内部に存在する中空部4aは、図7に示すように、挟持部3の外周面の形状に合致するよう、試験片1の引張方向に向けて窄まる内周壁を形成している。

0083

また、ホルダ4においては、最も窄まっている内周壁が存在している開口端側において、その外周面に、一対の切欠部4bが設けられている。この切欠部4bは、ホルダ4自体を、引張試験機Pに回転不能な状態で取り付けるためのものである。

0084

そして、図7図8に示すように、埋込凝固部2を両側から挟み込んでいる挟持部3を、ホルダ4の中空部4aに挿入する。この様に、挟持部3をホルダ4内に保持した状態で、図8図9に示すように、挟持部3のネジ孔3cに引張金具5のネジ部5aをねじ込んで、挟持部3に引張金具5を装着する。

0085

尚、試験片1の他端側においても、同様の手順により挟持部3を取り付けて、挟持部3をホルダ4内に保持した状態で、挟持部3のネジ孔3cに引張金具5のネジ部5aをねじ込んで、挟持部3に引張金具5を装着する(図10乃至図13参照)。

0086

そして、図14に示すように、試験片1の両端部(上部と下部)に、チャック治具Qを取り付けるのである。

0087

この様に、試験片1の両端部(上部と下部)にチャック治具Qを取り付けた状態で、試験片1は、図15に示すように、引張試験機Pに取り付けられる。

0088

引張試験機Pは、図15に示すように、テーブルT内に設置されているモータにより歯車を介して回転駆動する左右一対ネジ棒Sに横架しているクロスヘッドを有する荷重負荷部P1と、荷重負荷部P1に配設している荷重センサを用いた荷重検出部P2と、テーブルTの上部に配設されている、例えば、エンコーダ等の変位センサを備えた変位検出ベース部P3と、荷重センサ・変位センサからの荷重検出信号変位検出信号計測データに変換する不図示の計測装置等から構成されている。

0089

そして、図15に示すように、荷重負荷部P1と、テーブルT上部の変位検出ベース部P3に、試験片1のチャック治具Qを取り付けて、試験片1の破断荷重が測定される。

0090

このとき、試験片1のチャック治具Qが備えている引張金具5は、引張試験機Pにより、例えば、図14図15の矢印方向に向けて強く引っ張られる。

0091

すると、試験片1の埋込凝固部2を両側から挟み込んでいる挟持部3が、ホルダ4の中空部4a内に強い力で引き込まれる(図7図9参照)。

0092

このとき、挟持部3は、試験片1の引張方向に向けて窄まる略円錐台状に形成される一方、ホルダ4は、試験片1の引張方向に向けて窄まる内周壁を形成しているので、ホルダ4内に挟持部3がしっかりと保持される。

0093

また、引っ張る力が大きくなるほど、挟持部3の略円錐台状の外周面が、ホルダ4の引張方向に向けて窄まる内周壁に沿って移動する方向に作用して、挟持部3を形成している一対の挟持片30a,30bが互いに強く接合する。

0094

その為、試験片1の端部に設けた3個の反り返し部分Aの全体を樹脂で覆って柱状に形成している埋込凝固部2を、一対の挟持片30a,30bによりしっかりと保持できるのである。

0095

また、埋込凝固部2の内部においては、引張方向と逆向きになっている状態で拡散している反り返し部分Aが、強固にその状態を維持して、埋込凝固部2による試験片1の保持力が飛躍的に向上している。

0096

本発明に係る引張試験機用の把持具は、送電線に使用される各種撚り線等の試験片の引張試験を行うことの他に、圧縮試験機剪断荷重測定・捻り測定等に幅広く利用することができる。

0097

P…引張試験機
Q…チャック治具
T…テーブル
S…ネジ棒
P1…荷重負荷部
P2…荷重検出部
P3…変位検出ベース部
L…撚り線
L1…外層側の撚り線
L2…中間層側の撚り線
L3…内層側の撚り線
1…試験片
2…埋込凝固部
2a…第1凝固部
2b…第2凝固部
3…挟持部
30a…挟持片
30b…挟持片
3a…収容凹部
3b…開口部
3c…ネジ孔
4…ホルダ
4a…中空部
4b…切欠部
5…引張金具
5a…ネジ部
6a…第1の結束バンド
6b…第2の結束バンド
6c…第3の結束バンド
10…型容器
11…蓋体
11A…挟持片
11B…挟持片
11a…切り欠き
11b…切り欠き
13…空気孔
20…パイプ

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