図面 (/)
課題
解決手段
概要
背景
処理基板(例えば、ガラス、樹脂、金属、シリコンなど)に特定の微細パターンを形成したパターン形成体が広範に用いられている。例えば、半導体デバイス、光学素子、配線回路、記録デバイス(ハードディスクやDVDなど)、医療検査用チップ(DNA分析用途など)、ディスプレイパネル、マイクロ流路などが挙げられる。
このようなパターン形成体を形成する方法として、フォトリソグラフィや電子線リソグラフィによって、レジストパターンを形成し、該レジストパターンをエッチングマスクとして、露出された部分の処理基板をドライエッチングすることが提案されている(特許文献1参照)。
ドライエッチングは、真空引きされたチャンバ内にガスを導入し、一定圧力に保持して、チャンバ内に設けられた電極にRF電力を印加することでプラズマを発生させ、生じた活性種であるイオン・ラジカル等の作用により基板の表面をエッチングするものである。
概要
ローディング効果を抑制することの出来るエッチング装置を提供することを目的とする。本発明のエッチング装置は、障害物が、前記陽極側電極側に複数の開口部を有し、前記処理基板の全面を覆っており、前記陽極側電極側に対向する面が面内の一点を頂点とし周辺部位に向けて傾斜していることにより、処理基板面内中心部のプラズマ密度を低減させることが出来る。このため、処理基板において、中心部と外周部のプラズマ密度の偏りを抑制することが出来ることから、ローディング効果を抑制することが出来る。
目的
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、ローディング効果を抑制することの出来るエッチング装置を提供する
効果
実績
- 技術文献被引用数
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この技術が所属する分野
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請求項1
陽極側電極に対向して設けた陰極側電極上に処理基板を載せて、該処理基板をエッチング処理するエッチング装置において、前記処理基板と前記陽極側電極との間に障害物を設け、前記障害物は前記陽極側電極側に複数の開口部を有し、前記障害物は前記処理基板の全面を覆っており、前記障害物は前記陽極側電極側に対向する面が面内の一点を頂点とし周辺部位に向けて傾斜していることを特徴とするエッチング装置。
請求項2
前記障害物は、メッシュ構造の部材からなることを特徴とする請求項1に記載のエッチング装置。
請求項3
前記障害物は、前記処理基板側に対向する面が平面であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のエッチング装置。
請求項4
前記障害物は、前記処理基板側に対向する面が前記陽極側電極側に対向する面に沿って傾斜していることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のエッチング装置。
請求項5
前記障害物は、前記陽極側電極側に対向する面が面内の一点から周辺部位に向けて直線で結ばれた円錐形状であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のエッチング装置。
請求項6
技術分野
0001
本発明は、エッチング装置に関する。
背景技術
0002
処理基板(例えば、ガラス、樹脂、金属、シリコンなど)に特定の微細パターンを形成したパターン形成体が広範に用いられている。例えば、半導体デバイス、光学素子、配線回路、記録デバイス(ハードディスクやDVDなど)、医療検査用チップ(DNA分析用途など)、ディスプレイパネル、マイクロ流路などが挙げられる。
0003
このようなパターン形成体を形成する方法として、フォトリソグラフィや電子線リソグラフィによって、レジストパターンを形成し、該レジストパターンをエッチングマスクとして、露出された部分の処理基板をドライエッチングすることが提案されている(特許文献1参照)。
0004
ドライエッチングは、真空引きされたチャンバ内にガスを導入し、一定圧力に保持して、チャンバ内に設けられた電極にRF電力を印加することでプラズマを発生させ、生じた活性種であるイオン・ラジカル等の作用により基板の表面をエッチングするものである。
先行技術
0005
特表平7−503815号公報
発明が解決しようとする課題
0006
しかしながら、従来のドライエッチング装置では、プラズマ密度は処理基板中心部が高く、外周部が低い特性があり、処理基板中心部と外周部とではエッチング速度に差が生じる(ローディング効果)。前記ローディング効果により、処理基板中心部と外周部とで微細パターンにおいて線幅にばらつきが生じ、微細パターンの面内均一性が損なわれ、寸法精度が低下する。
0007
最終的に所望するパターン形成体はドライエッチング処理により形成されるため、パターン形成体の寸法精度の向上を目指すには、ドライエッチング処理において、基材の処理面側のプラズマ密度の偏りを抑制することが望ましい。
0008
そこで、本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、ローディング効果を抑制することの出来るエッチング装置を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
0009
本発明の一実施形態は、陽極側電極に対向して設けた陰極側電極上に処理基板を載せて、該処理基板をエッチング処理するエッチング装置において、前記処理基板と前記陽極側電極との間に障害物を設け、前記障害物は前記陽極側電極側に複数の開口部を有し、前記障害物は前記処理基板の全面を覆っており、前記障害物は前記陽極側電極側に対向する面が面内の一点を頂点とし周辺部位に向けて傾斜していることを特徴とするエッチング装置である。
0010
また、前記障害物は、メッシュ構造の部材であってもよい。
0011
また、前記障害物は、前記処理基板側に対向する面が平面であってもよい。
0012
また、前記障害物は、前記処理基板側に対向する面が前記陽極側電極側に対向する面に沿って傾斜していてもよい。
0013
また、前記障害物は、前記陽極側電極側に対向する面が面内の一点から周辺部位に向けて直線で結ばれた円錐形状であってもよい。
発明の効果
0015
本発明のエッチング装置は、障害物が、前記陽極側電極側に複数の開口部を有し、前記処理基板の全面を覆っており、前記陽極側電極側に対向する面が面内の一点を頂点とし周辺部位に向けて傾斜していることにより、処理基板面内中心部のプラズマ密度を低減させることが出来る。このため、処理基板において、中心部と外周部のプラズマ密度の偏りを抑制することが出来ることから、ローディング効果を抑制することが出来る。
図面の簡単な説明
0016
本発明のエッチング装置の一例を示す概略図である。
本発明のエッチング装置の処理基板近傍の部位を拡大した概略図である。
本発明のエッチング装置における障害物の一例を示す概略図である。
本発明のエッチング装置における障害物の一例を示す概略図である。
0017
以下、本発明のエッチング装置について具体的に説明を行なう。
0018
図1に、本発明のエッチング装置の一例を示す概略図を示す。
図1のエッチング装置では、真空チャンバ1の内部に、陰極側電極3、ステージ7上に配置した処理基板11、処理基板11を覆う障害物9、陽極側電極5の順に配置し、真空チャンバ1内にガスを導入するガス導入口13、真空チャンバ1内からガスを排出するガス排気口15、陰極側電極3に印加するRF電源17を設置している。
ガス導入口13からエッチングガスを導入するとともに、RF電源17でプラズマを発生させ、イオンやラジカルなど反応種を励起活性化し、陰極側電極3の上部に載せられた処理基板11をエッチングする。
0019
図2に、本発明のエッチング装置の処理基板近傍の部位を拡大した概略図を示す。
図2において、陰極側電極23上のステージ21に処理基板25を設置し、処理基板25の全面を覆うように、障害物19を設置する。障害物19には、開口部が形成されており、該開口部でガスおよびプラズマを透過させる。
障害物19は、陽極側電極側に対向する面が面内の一点を頂点とし周辺部位に向けて傾斜していることから、処理基板25にガスおよびプラズマが到達するにあたり、処理基板25の中心部ほどガスおよびプラズマが到達するための抵抗がおおきく、処理基板面内中心部のプラズマ密度は低減する。このため、中心部と外周部のプラズマ密度の偏りを抑制することが出来、ローディング効果を抑制することが出来る。
0021
また、障害物19は、メッシュ構造の部材を用いても良い。メッシュ構造の部材を用いた場合、陽極側電極側の開口部を面内で均質に設置することが出来、メッシュの厚みを制御することで好適に処理基板25の中心部に到達するガスおよびプラズマの抵抗を制御することが出来る。
0022
図3に、本発明のエッチング装置における障害物の一例を示す。
図3(a)は障害物の上面図であり、図3(b)は図3(a)に示すA−A´における障害物の断面図である。図3に示す障害物27は、開口部29、31を備える。図3では、障害物27は前記陽極側電極側に対向する面が面内の一点から周辺部位に向けて直線で結ばれた円錐形状である。また、障害物27は、前記処理基板側に対向する面が前記陽極側電極側に対向する面に沿って傾斜している。
0023
図4の左側に、本発明のエッチング装置における障害物の一例を示す。
図4の左上の図は障害物の上面図であり、図4の左下の図は図4左上に示すA−A´における障害物の断面図である。図4に示す障害物33は、開口部35、37を備える。図4左の図では、障害物33は前記陽極側電極側に対向する面が面内の一点から周辺部位に向けて直線で結ばれた円錐形状である。また、障害物27は、処理基板側に対向する面が平面である。
0024
図4の右側に、本発明のエッチング装置における障害物の一例を示す。
図4の右上は障害物の上面図であり、図4の右下は、図4右上(a)に示すA−A´における障害物の断面図である。図4右図に示す障害物39は、開口部41,43を備える。図4右図では、障害物は、前記陽極側電極側に対向する面が面内の一点から周辺部位に向けて曲線で結ばれたドーム形状である。また、障害物39は、前記処理基板側に対向する面が前記陽極側電極側に対向する面に沿って傾斜している。
0025
本発明のエッチング装置によれば、ローディング効果を抑制することが出来ることから、微細パターンを形成したとき寸法精度の面内均一性を高めることが出来る。特にフォトマスクを製造するにあたり、微細パターンの面内均一性が求められることから、本発明のエッチング装置は、フォトマスクの製造に好適に用いることが出来る。一般的にフォトマスクは、ガラス、モリブデン、クロム、タンタル、タングステン、シリコンからなる群から選ばれた一つ以上の材料を含む処理基板をエッチングすることにより製造される。
0028
次に、前記レジストパターンをマスクとして遮光膜のエッチングを行い、遮光膜のパターニングを行なった。このとき、フォトマスク基板を覆うように以下のような障害物を設置した。
障害物半径: 15cm
障害物高さ : 10cm
開口部ピッチ: 隣り合う開口部が3mmピッチで配置
開口部半径 :円錐頂点より外周にかけて半径5cmの範囲では開口部半径0.3mm
それ以降は開口部半径0.5mm
0029
<参考例1>
実施例1と同様に遮光膜のパターニングを行なった。ただし、遮光膜のエッチングに際し、障害物を設置しなかった。
実施例
0030
<評価>
実施例1では、パターン線幅の面内分布が前記障害物を用いることで、レンジが4.8nm、3σが3.2nmになった。
また、参考例1では、レンジが7.3nm、3σが4.5nmであった。
したがって、障害物を設置することにより面内均一性の改善が見られた。
0031
本発明のエッチング装置は微細加工が求められる種々の分野に応用が期待出来る。例えば、インプリントモールド、フォトマスク、半導体デバイス、光学素子(反射防止膜、偏光板)、配線回路(光導波路、デュアルダマシン構造の配線回路など)、パターンドメディア(ハードディスクや光学メディアなど)、医療検査用チップ(DNA分析用途など)、ディスプレイ(拡散板、導光板など)、バイオチップ、細胞培養シート、マイクロ流路などの製造工程において好適に利用することが期待出来る。
0032
1・・・真空チャンバ
3、23・・・陰極側電極
5・・・陽極側電極
7、21・・・ステージ
9、19・・・障害物
11、25・・・処理基板
13・・・ガス導入口
15・・・ガス排気口
17・・・RF電源
100・・・開口部