図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2011年12月1日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (10)

課題

走行車両により収集する情報に基づいて、橋梁用伸縮継手の異常を比較的高い精度で検知できる橋梁用伸縮継手の異常検出方法を提供すること。

解決手段

伸縮継手が設置された道路検査車両1で走行しながら、車内の走行音を車内マイク2で収集すると共に、車外の走行音を車外マイク3で収集して記録装置4に保存する。記録装置4に保存した音情報に基づいて、異常が判明している伸縮継手における走行音と、正常な伸縮継手との間で周波数分析を行って周波数帯を特定する。特定された周波数帯における車内走行音パーシャルオーバーオール値と、車外走行音のパーシャルオーバーオール値とを乗じて、全走行区間に関する判定値を算出する。判定値が閾値を超えた伸縮継手を、異常と判定する。

概要

背景

自動車道橋梁では、床版の相互の接続部や、床版と橋台の接続部に、接続される各々の部材の温度変化地震等に起因する変位許すため、部材の相互を隔てる遊間を設けている。橋梁の遊間を路面が交差する位置には、遊間が設けられた部材の変位に伴って伸縮可能な伸縮継手を配置し、この伸縮継手の上に車両や人を通行させている。

この種の伸縮継手は、伸縮可能な材質又は構造を有し、しかも、路面を通過する車両から荷重を繰り返して受けるため、橋梁の他の部材よりも劣化進行度合いが速い。伸縮継手の劣化は、車両の走行に伴う騒音を招き、また、車両の走行の安全性に影響を与えるので、伸縮継手を比較的高い頻度検査する必要がある。

従来、橋梁の伸縮継手の検査方法としては、検査員巡回車両に乗って道路を走行し、伸縮継手の上を通過する際に体感する音や振動に基づいて、伸縮継手の健全度を感覚的に判定している。体感した音や振動により、伸縮継手の異常が疑われると巡回車両を停止し、検査員が伸縮継手に接近し、目視ハンマー打音聴取によって異常を検出する接触検査を行っている。このような検査員が体感した音や振動に基づいて行う判定は、検査員の経験に基づく技量によるため、検査の安定性と効率が低下するおそれがある。また、新たな検査員に技量を伝承するための時間と手間がかかり、検査員の慢性的不足や、検査員の確保や教育のためのコストが嵩む問題がある。

このような検査作業の問題は、道路に関する他の構造物についても同様に存在する。例えば、舗装透水性を検査する場合、対象の路面上に検査員が赴いて現場透水試験を行うので作業効率が悪く、また、現場透水試験を行う間は車両の通行規制が必要であるので道路交通に影響が生じる。このような問題に対して、最近、検査車両で走行しながら舗装面に向けて検査音を発射し、この検査音の舗装面での反射音収録して、収録した反射音の検査音に対する減衰特性に基づいて、舗装の透水性を検知する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法によれば、検査対象である舗装の上を走行しながら舗装の透水性を検知できるため、検査の作業効率の向上が期待されている。

概要

走行車両により収集する情報に基づいて、橋梁用伸縮継手の異常を比較的高い精度で検知できる橋梁用伸縮継手の異常検出方法を提供すること。伸縮継手が設置された道路を検査車両1で走行しながら、車内の走行音を車内マイク2で収集すると共に、車外の走行音を車外マイク3で収集して記録装置4に保存する。記録装置4に保存した音情報に基づいて、異常が判明している伸縮継手における走行音と、正常な伸縮継手との間で周波数分析を行って周波数帯を特定する。特定された周波数帯における車内走行音パーシャルオーバーオール値と、車外走行音のパーシャルオーバーオール値とを乗じて、全走行区間に関する判定値を算出する。判定値が閾値を超えた伸縮継手を、異常と判定する。

目的

本発明の課題は、走行車両により収集する情報に基づいて、橋梁用伸縮継手の異常を比較的高い精度で検知でき、検査の作業効率の向上とコスト削減が可能な橋梁用伸縮継手の異常検出方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

走行車両橋梁用伸縮継手の設置位置を通過する際に、車内で採取される車内走行音と、車外で採取された車外走行音とを収録し、収録された車内走行音の音圧値と車外走行音の音圧値との積により得られる判定値に基づいて、上記橋梁用伸縮継手の異常を判定することを特徴とする橋梁用伸縮継手の異常検知方法。

請求項2

請求項1に記載の橋梁用伸縮継手の異常検知方法において、上記車内走行音の音圧値と、上記車外走行音の音圧値は、異常な橋梁用伸縮継手と正常な橋梁用伸縮継手とを走行して収録された車内走行音と車外走行音に基づいて夫々特定され、異常な橋梁用伸縮継手を走行したときと、正常な橋梁用伸縮継手を走行したときとの間で異なるスペクトルが表れる周波数帯の音圧値であることを特徴とする橋梁用伸縮継手の異常検知方法。

請求項3

請求項2に記載の橋梁用伸縮継手の異常検知方法において、上記音圧値は、上記車外走行音及び車内走行音の上記周波数帯におけるパーシャルオーバーオール値であり、上記車外走行音の音圧値と上記車内走行音の音圧値の積が所定の閾値を越える場合に、上記橋梁用伸縮継手が異常であると判定することを特徴とする橋梁用伸縮継手の異常検知方法。

請求項4

請求項1に記載の橋梁用伸縮継手の異常検知方法において、上記橋梁用伸縮継手の異常は、この橋梁用伸縮継手を構成する構成部品の破損、構成部品の固定具の破損、及び、構成部品の固定状態の緩みのうちの少なくとも一つであることを特徴とする橋梁用伸縮継手の異常検知方法。

技術分野

0001

本発明は、例えば自動車道橋梁に設置された橋梁用伸縮継手異常検出方法に関する。

背景技術

0002

自動車道の橋梁では、床版の相互の接続部や、床版と橋台の接続部に、接続される各々の部材の温度変化地震等に起因する変位許すため、部材の相互を隔てる遊間を設けている。橋梁の遊間を路面が交差する位置には、遊間が設けられた部材の変位に伴って伸縮可能な伸縮継手を配置し、この伸縮継手の上に車両や人を通行させている。

0003

この種の伸縮継手は、伸縮可能な材質又は構造を有し、しかも、路面を通過する車両から荷重を繰り返して受けるため、橋梁の他の部材よりも劣化進行度合いが速い。伸縮継手の劣化は、車両の走行に伴う騒音を招き、また、車両の走行の安全性に影響を与えるので、伸縮継手を比較的高い頻度検査する必要がある。

0004

従来、橋梁の伸縮継手の検査方法としては、検査員巡回車両に乗って道路を走行し、伸縮継手の上を通過する際に体感する音や振動に基づいて、伸縮継手の健全度を感覚的に判定している。体感した音や振動により、伸縮継手の異常が疑われると巡回車両を停止し、検査員が伸縮継手に接近し、目視ハンマー打音聴取によって異常を検出する接触検査を行っている。このような検査員が体感した音や振動に基づいて行う判定は、検査員の経験に基づく技量によるため、検査の安定性と効率が低下するおそれがある。また、新たな検査員に技量を伝承するための時間と手間がかかり、検査員の慢性的不足や、検査員の確保や教育のためのコストが嵩む問題がある。

0005

このような検査作業の問題は、道路に関する他の構造物についても同様に存在する。例えば、舗装透水性を検査する場合、対象の路面上に検査員が赴いて現場透水試験を行うので作業効率が悪く、また、現場透水試験を行う間は車両の通行規制が必要であるので道路交通に影響が生じる。このような問題に対して、最近、検査車両で走行しながら舗装面に向けて検査音を発射し、この検査音の舗装面での反射音収録して、収録した反射音の検査音に対する減衰特性に基づいて、舗装の透水性を検知する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法によれば、検査対象である舗装の上を走行しながら舗装の透水性を検知できるため、検査の作業効率の向上が期待されている。

先行技術

0006

特開平6−138103

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、橋梁用伸縮継手の異常については、検査音と反射音との間の減衰特性に基づいて検知することはできない。

0008

そこで、本発明の課題は、走行車両により収集する情報に基づいて、橋梁用伸縮継手の異常を比較的高い精度で検知でき、検査の作業効率の向上とコスト削減が可能な橋梁用伸縮継手の異常検出方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

上記課題を解決するため、本発明の橋梁用伸縮継手の異常検出方法は、走行車両が橋梁用伸縮継手の設置位置を通過する際に、車内で採取される車内走行音と、車外で採取された車外走行音とを収録し、収録された車内走行音の音圧値と車外走行音の音圧値との積により得られる判定値に基づいて、上記橋梁用伸縮継手の異常を判定することを特徴としている。

0010

本発明は、検査員が巡回車両で橋梁用伸縮継手を通過する際の音や振動に基づいて行う判定を、定量的な方法によって再現することを目的とし、車両で正常な橋梁用伸縮継手と異常な橋梁用伸縮継手とを走行しながら検査員の判定を行うと共に、車内走行音と車外走行音を収録した。収録したデータを種々の方法で解析して検査員による判定と照らし合わせた結果、車内走行音の音圧値と車外走行音の音圧値との積により得られる判定値を用いれば、検査員による判定と同等程度の精度で、橋梁用伸縮継手の異常を判定できることを見出した。本発明は、このような見知に基づいてなされたものである。

0011

上記構成によれば、走行車両が橋梁用伸縮継手の設置位置を通過する際に、車内走行音及び車外走行音を収録し、収録された車内走行音の音圧値と車外走行音の音圧値との積により判定値を得る。この判定値に基づいて橋梁用伸縮継手の異常を判定するので、検査員の経験に基づく判定よりも、安定かつ効率的に橋梁用伸縮継手の異常を検出できる。

0012

一実施形態の橋梁用伸縮継手の異常検出方法は、上記車内走行音の音圧値と、上記車外走行音の音圧値は、異常な橋梁用伸縮継手と正常な橋梁用伸縮継手とを走行して収録された車内走行音と車外走行音に基づいて夫々特定され、異常な橋梁用伸縮継手を走行したときと、正常な橋梁用伸縮継手を走行したときとの間で異なるスペクトルが表れる周波数帯の音圧値である。

0013

上記実施形態によれば、予め、異常な橋梁用伸縮継手と正常な橋梁用伸縮継手とを走行して車内走行音と車外走行音を収録する。これらの車内走行音及び車外走行音に基づいて、異常な橋梁用伸縮継手を走行したときと、正常な橋梁用伸縮継手を走行したときとの間で異なるスペクトルが表れる周波数帯を特定しておく。この特定された周波数帯に関して、車内走行音の音圧値と車外走行音の音圧値との積により得た判定値により、橋梁用伸縮継手の異常を判定することができる。

0014

一実施形態の橋梁用伸縮継手の異常検出方法は、上記音圧値は、上記車外走行音及び車内走行音の上記周波数帯におけるパーシャルオーバーオール値であり、
上記車外走行音の音圧値と上記車内走行音の音圧値の積が所定の閾値を越える場合に、上記橋梁用伸縮継手が異常であると判定する。

0015

上記実施形態によれば、車外走行音及び車内走行音の上記周波数帯におけるパーシャルオーバーオール値を求め、これら車外走行音と車内走行音のパーシャルオーバーオール値の積が所定の閾値を越える場合に、この閾値を超えた走行音に対応する橋梁用伸縮継手が異常であると判定できる。

0016

一実施形態の橋梁用伸縮継手の異常検出方法は、上記橋梁用伸縮継手の異常は、この橋梁用伸縮継手を構成する構成部品の破損、構成部品の固定具の破損、及び、構成部品の固定状態の緩みのうちの少なくとも一つである。

0017

上記実施形態によれば、走行車両が橋梁用伸縮継手の設置位置を通過する際に採取される車内走行音と車外走行音に基づいて、橋梁用伸縮継手を構成する構成部品の破損、構成部品の固定具の破損、及び、構成部品の固定状態の緩みのうちの少なくとも一つを判定できる。

図面の簡単な説明

0018

本発明の実施形態としての橋梁用伸縮継手の異常検知方法で用いられる検査車両を示す図である。
実施形態の異常検知方法が適用される橋梁用伸縮継手の例を示す平面図である。
図2Aの橋梁用伸縮継手の断面図である。
他の橋梁用伸縮継手の例を示す平面図である。
図3Aの橋梁用伸縮継手の断面図である。
異常基準継手と正常基準継手における車内走行音の周波数分析の結果を重ねて示した図である。
特定された周波数帯に対応する車内走行音の音圧値の変動を示す図である。
特定された周波数帯に対応する車外走行音の音圧値の変動を示す図である。
車内走行音と車外走行音の音圧値の積の変動を示す図である。

実施例

0019

以下、本発明の橋梁用伸縮継手の異常検知方法の実施形態を、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。

0020

図1は、本実施形態において、車内走行音と車外走行音を収録するために走行車両として用いる検査車両を示す図である。この検査車両1は、原動機を有する四輪駆動型の車両本体に、車内の走行音を収集する車内マイク2と、車外の走行音を収集する車外マイク3と、車内マイク2及び車外マイク3が収集した音を保存する記録装置4を搭載して構成されている。記録装置4は、車内マイク2及び車外マイク3が収集した音に、収集時刻を関連付けて保存する。なお、記録装置4は、走行音の収録時刻のほか、GPS(Global Positioning System)等で検出した収録位置を関連付けて保存してもよい。

0021

図2Aは、本実施形態の異常検知方法によって異常が判定される伸縮継手の例を示す平面図であり、図2B図2Aの伸縮継手の断面図である。この伸縮継手10は、鋼で形成された状のフェースプレート11が、遊間Bをおいて設置された2つの床版7,7の端部に固定されて設置されている。フェースプレート11は、板状の鋼材を、板状部11Aと歯状部11Bとを有する櫛状に成形してなり、板状部11Aが床版7の端部にボルト13,13,・・・で固定されている。2つの床版7,7に固定された2つのフェースプレート11は、互いの歯状部11Bが係合している。フェースプレート11の下側には、2つの床版7,7の遊間Bを埋めるように、止水を行う樹脂製のシール部材14と、衝撃を緩和する樹脂製の弾性部材15と、下方に凸状に撓んだ状態で取り付けられて止水を行うゴム製の止水部材16とが配置されている。この伸縮継手10は、2つのフェースプレート11の歯状部11Bの係合状態が保たれる範囲内で、各床版7の温度変化や地震に伴う変位を許しながら、床版7,7上の路面を走行する車両を通行可能にしている。なお、この伸縮継手10は2つの床版7,7の間を接続するが、床版と橋台を接続する伸縮継手であってもよい。また、この伸縮継手10は、止水及び衝撃緩和のため、シール部材14、弾性部材15及び止水部材16を有するが、他の材質や部材による種々の止水又は衝撃緩和の構造が適用されたものであってもよい。

0022

本実施形態の異常検出方法によれば、他の構造の伸縮継手についても走行音に基づいて異常を検知することができる。他の構造の伸縮継手としては、図3Aの平面図と図3Bの断面図に示すようなものがある。この伸縮継手20は、ゴムで形成された断面略矩形の継手本体21が、遊間Bをおいて設置された2つの床版7,7の端部に固定されている。

0023

この伸縮継手20は、継手本体21の両端部の底面に設けられた鋼製取り付け板22が、床版7の端部に形成された切り欠き部の底面に接する状態で配置される。この伸縮継手20は、継手本体21の表面から挿通されて取り付け板22を貫通するボルト23により、床版7に固定される。伸縮継手20の継手本体21の表面部分には、車両が走行する際の荷重に耐えるため、鋼板からなる芯材24が埋設されている。この伸縮継手20で床版7,7を接続することにより、各床版7の温度変化や地震に伴う変位を許しながら、床版7,7上の路面を走行する車両を通行可能にしている。なお、この伸縮継手20は2つの床版7,7の間を接続するが、床版と橋台を接続する伸縮継手であってもよい。また、伸縮継手20は、ゴム製の継手本体21が鋼製の取り付け版22を介してボルト23で床版7に固定されたが、他の材質や構造が適用されたものであってもよい。

0024

(走行音の収録)
検査対象の伸縮継手が存在する道路を検査車両1が走行し、検査車両1の走行に伴う音を、車内マイク2と車外マイク3とで収集する。車内マイク2及び車外マイク3が収集した音を、収集時刻を関連付けて記録装置4に保存する。車内マイク2及び車外マイク3により収集された音には、複数の伸縮継手を通過する際に、検査車両1の車輪が伸縮継手を乗り越えるに伴って生じた音が含まれる。

0025

(周波数分析)
検査車両1の走行に伴って収集した音のうち、異常が判明している伸縮継手に関する音と、正常な伸縮継手に関する音について、周波数分析を行う。詳しくは、まず、検査車両1が走行した道路に存在する伸縮継手のうち、異常が判明している伸縮継手(以下、異常基準継手という)と、正常な伸縮継手(正常基準継手)とを特定する。ここで、上記伸縮継手10の異常とは、フェースプレート11や継手本体21や芯材24の破損、フェースプレート11や継手本体21を床版7に固定するボルト13の破損、緩み及び脱落のうちの少なくとも1つである。

0026

続いて、上記特定された異常基準継手における走行音の周波数分析と、正常基準継手における走行音の周波数分析を、記録装置4に保存された音の情報に基づいて行う。

0027

図4は、異常基準継手と正常基準継手における車内走行音の周波数分析の結果を重ねて示した図である。図4において、横軸周波数(Hz)であり、縦軸音圧(Pa)である。図4には、J1からJ10までの10個の伸縮継手のうち、J6の伸縮継手が異常基準継手であり、それ以外の9箇所の伸縮継手が正常基準継手である。図4から分かるように、異常基準継手における周波数スペクトルが、500Hz以上800Hz以下の範囲で、正常基準継手における周波数スペクトルと明らかに異なる。これにより、異なるスペクトルが表れる500Hz以上800Hz以下を、車内走行音の音圧値を求める周波数帯として特定する。

0028

また、図示しないが、車外走行音に関しても、異常基準継手と正常基準継手における周波数分析を行い、異なるスペクトルが表れる周波数帯域を特定し、車外走行音の音圧値を求める周波数帯とする。本実施形態では、1.5kHz以上5.0kHz以下が、車外走行音の音圧値を求める周波数帯として特定された。

0029

続いて、検査車両1が収録した全区間の車内走行音と車外走行音について、特定された周波数帯に関する音圧値を求める。音圧値としては、上記周波数帯に含まれる音圧のパーシャルオーバーオール値を用いる。

0030

図5は、車内走行音の500Hz以上800Hz以下の周波数帯に対応する音圧値が変動する様子を、一部の区間について示した図である。図5において、横軸は時刻(時、分、秒)であり、縦軸は音圧値(Pa)である。図4時間軸において、12時37分52秒は、検査車両1が異常基準継手を通過した時刻である。

0031

図6は、車外走行音の1.5kHz以上5.0kHz以下の周波数帯に対応する音圧値が変動する様子を、一部の区間について示した図である。図6において、横軸は時刻(時、分、秒)であり、縦軸は音圧値(Pa)である。図6の時間軸において、12時37分52秒は、検査車両1が異常基準継手を通過した時刻である。

0032

(判定)
車内走行音及び車外走行音の夫々について、上記周波数帯のパーシャルオーバーオール値による音圧値が求められると、車内走行音の音圧値と、車外走行音の音圧値との積を求める。図7は、車内走行音の音圧値と、車外走行音の音圧値との乗算により得られた判定値を、時間軸に沿って示した図である。図7において、横軸は時刻(時、分、秒)であり、縦軸は判定値(Pa2)である。図7の時間軸において、12時37分52秒は、検査車両1が異常基準継手を通過した時刻である。

0033

図7から明らかなように、車内走行音の音圧値と、車外走行音の音圧値との積である判定値が、閾値としての0.015(Pa2)を越える場合、この車内走行音と車外走行音が収録された伸縮継手は、異常であると判断できる。この判定値を、検査車両1の記録装置4に音が保存された全ての区間について求め、伸縮継手に対応する判定値が閾値を越えるか否かを判定することにより、上記区間に含まれる伸縮継手の異常を、効率的に検出することができる。

0034

本実施形態において、検査車両1で車内走行音と車外走行音を収録すると共に、この検査車両1に検査員が乗車して伸縮継手の異常の判定を行い、検査員の判定と、上記判定値に基づく判定とを比較する実験を行った。

0035

この実験を、検査車両1で異常基準継手を4回通過して行ったところ、3回の通過において、判定値が閾値を超えたと共に、検査員の判定結果が異常となった。したがって、本実施形態の判定値による異常の判定方法は、検査員の経験に基づく判定と同程度の精度の判定を、定量的に行うことができるといえる。

0036

上記実施形態によれば、検査員の経験に基づく技量による判定と同程度の精度の判定を、定量的に行うことができるので、伸縮継手の検査効率を従来よりも高めることができ、その結果、検査のコストを削減することができる。

0037

上記実施形態において、車内走行音と車外走行音のパーシャルオーバーオール値を求める周波数帯を、車内走行音は500Hz以上800Hz以下とし、車外走行音は1.5kHz以上5.0kHz以下としたが、他の周波数帯に基づくパーシャルオーバーオール値を用いてもよい。

0038

上記実施形態において、車内走行音のパーシャルオーバーオール値で表された音圧値と、車外走行音のパーシャルオーバーオール値で表された音圧値との積である判定値の閾値を0.015(Pa2)に設定したが、閾値は、検出すべき伸縮継手の異常の形態に応じて他の値を設定してもよい。

0039

また、上記実施形態において、検査対象の伸縮継手は、鋼製のフェースプレート11を有する伸縮継手10や、ゴム製の継手本体21を有する伸縮継手20であったが、他の構造の伸縮継手についても走行音に基づいて異常を検知することができる。

0040

また、上記実施形態において、車内及び車外で収録された走行音と共に、車内及び車外で測定された加速度を併せて収集し、伸縮継手の異常判定に用いてもよい。

0041

また、検査車両1は、原動機を有する四輪駆動型の車両本体に車内マイク2と車外マイク3と記録装置4を搭載して構成されたが、原動機を有しないで牽引されて走行する車両に、車内マイク2と車外マイク3を搭載したものでもよい。

0042

また、上記実施形態では、自動車道の橋梁の伸縮継手の異常を検出する例について説明したが、本発明の異常検出方法は、他の橋梁の伸縮継手についても適用できる。

0043

1検査車両
2 車内マイク
3車外マイク
4 記録装置

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ