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技術 プライバシーフィルム及び液晶表示装置

出願人 日本ゼオン株式会社
発明者 大石仁志
出願日 2010年4月30日 (9年7ヶ月経過) 出願番号 2010-105246
公開日 2011年11月17日 (8年1ヶ月経過) 公開番号 2011-232681
状態 未査定
技術分野 偏光要素 液晶4(光学部材との組合せ)
主要キーワード 樹脂モールド部品 裏フレーム 複数回交互 配向調整 プライバシーフィルム 格子点状 付加反応型シリコーン粘着剤 広帯域化処理
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

簡単な層構成で安価に製造可能なプライバシーフィルムを提供する。

解決手段

表示装置用のプライバシーフィルム20に表示装置10から出射する所定の反射帯域偏光A1,A2を反射する反射型偏光分離素子21を備えさせ、反射型偏光分離素子21の法線方向に入射する偏光A1に対する反射帯域の短波長エッジを550nm〜800nmにする。

概要

背景

携帯電話パーソナルコンピュータ等の表示装置への覗き見防止のためのフィルム(覗き見防止フィルム)として、プライバシーフィルムが知られている。通常、プライバシーフィルムは表示装置の画面に貼り付けて使用される。一般に、携帯電話等の使用者は正面から画面を見ることが想定され、覗き見をする他人は斜めから画面を見ることが想定されていて、プライバシーフィルムは正面から見た場合の画面の視認性を維持しながら、斜めから見た場合の画面の視認性を低下させるようになっている。これにより、画面に表示される画像を本人のみが視認できるようになるので、個人情報の保護等を達成できるようになっている。なお、ここで画像とは、絵だけでなく、文字記号模様などを含む。このようなプライバシーフィルムについては、例えば特許文献1〜4において検討がなされている。

概要

簡単な層構成で安価に製造可能なプライバシーフィルムを提供する。表示装置用のプライバシーフィルム20に表示装置10から出射する所定の反射帯域偏光A1,A2を反射する反射型偏光分離素子21を備えさせ、反射型偏光分離素子21の法線方向に入射する偏光A1に対する反射帯域の短波長エッジを550nm〜800nmにする。

目的

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡単な層構成で安価に製造可能なプライバシーフィルムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

表示装置用プライバシーフィルムであって、前記表示装置から出射する所定の反射帯域の光を反射する反射型偏光分離素子を備え、前記反射型偏光分離素子の法線方向から前記反射型偏光分離素子に入射する前記光に対する前記反射帯域の短波長エッジが550nm〜800nmにある、プライバシーフィルム。

請求項2

前記反射型偏光分離素子の前記反射帯域の帯域幅が100nm以上である、請求項1記載のプライバシーフィルム。

請求項3

前記反射型偏光分離素子が1/4波長板コレステリック規則性を有する樹脂層とを備える、請求項1又は2に記載のプライバシーフィルム。

請求項4

前記プライバシーフィルムの視認側から順に、前記コレステリック規則性を有する樹脂層及び前記1/4波長板を備える、請求項3記載のプライバシーフィルム。

請求項5

前記プライバシーフィルムの視認側とは反対側の表面にシリコーン粘着層を備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプライバシーフィルム。

請求項6

請求項1〜5のいずれか一項に記載のプライバシーフィルムを備える、液晶表示装置

請求項7

前記液晶表示装置が出射側偏光板を備える液晶セルを備え、前記出射側偏光板と前記プライバシーフィルムとの間に空気層を有する、請求項6記載の液晶表示装置。

技術分野

0001

本発明は、プライバシーフィルム及びそのプライバシーフィルムを備える液晶表示装置に関する。

背景技術

0002

携帯電話パーソナルコンピュータ等の表示装置への覗き見防止のためのフィルム(覗き見防止フィルム)として、プライバシーフィルムが知られている。通常、プライバシーフィルムは表示装置の画面に貼り付けて使用される。一般に、携帯電話等の使用者は正面から画面を見ることが想定され、覗き見をする他人は斜めから画面を見ることが想定されていて、プライバシーフィルムは正面から見た場合の画面の視認性を維持しながら、斜めから見た場合の画面の視認性を低下させるようになっている。これにより、画面に表示される画像を本人のみが視認できるようになるので、個人情報の保護等を達成できるようになっている。なお、ここで画像とは、絵だけでなく、文字記号模様などを含む。このようなプライバシーフィルムについては、例えば特許文献1〜4において検討がなされている。

先行技術

0003

米国特許第4764410号明細書
特開2005−128212号公報
特開2005−173571号公報
米国特許第6239853号明細書

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、従来のプライバシーフィルムは層構成が複雑であったり製造が困難であったりするので高価であった。例えば、特許文献1には格子状の遮光層を2層、格子が直交するように配置したプライバシーフィルムが記載されている。特許文献1記載のプライバシーフィルムは斜め方向の光を高効率に遮断できるので覗き見を安定して防止できるが、遮光層が光を吸収するので正面輝度の低下を招きやすく、また、製造が難しく高価であった。

0005

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡単な層構成で安価に製造可能なプライバシーフィルムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明者は、上述した課題を解決するべく鋭意検討した結果、反射型偏光分離素子に対する入射光入射角度が大きくなると反射帯域ブルーシフト短波長側へのシフト)を生じることに着目し、前記のブルーシフトを利用すれば、シンプルな層構成で安価に製造できるプライバシーフィルムを実現できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の〔1〕〜〔7〕を要旨とする。

0007

〔1〕表示装置用のプライバシーフィルムであって、
前記表示装置から出射する所定の反射帯域の光を反射する反射型偏光分離素子を備え、
前記反射型偏光分離素子の法線方向から前記反射型偏光分離素子に入射する前記光に対する前記反射帯域の短波長エッジが550nm〜800nmにある、プライバシーフィルム。
〔2〕 前記反射型偏光分離素子の前記反射帯域の帯域幅が100nm以上である、〔1〕記載のプライバシーフィルム。
〔3〕 前記反射型偏光分離素子が1/4波長板コレステリック規則性を有する樹脂層とを備える、〔1〕又は〔2〕に記載のプライバシーフィルム。
〔4〕 前記プライバシーフィルムの視認側から順に、前記コレステリック規則性を有する樹脂層及び前記1/4波長板を備える、〔3〕記載のプライバシーフィルム。
〔5〕 前記プライバシーフィルムの視認側とは反対側の表面にシリコーン粘着層を備える、〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載のプライバシーフィルム。
〔6〕 〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載のプライバシーフィルムを備える、液晶表示装置。
〔7〕 前記液晶表示装置が出射側偏光板を備える液晶セルを備え、
前記出射側偏光板と前記プライバシーフィルムとの間に空気層を有する、〔6〕記載の液晶表示装置。

発明の効果

0008

本発明によれば、正面から見た場合の画面の視認性を維持しながら斜め方向から見た場合の画面の視認性を低下させるプライバシーフィルムを、シンプルな層構成で安価に提供できる。
また、本発明の液晶表示装置によれば、本発明のプライバシーフィルムを用いて覗き見を防止できる。

図面の簡単な説明

0009

図1は、本発明のプライバシーフィルムの使用形態を説明するため、プライバシーフィルムを法線方向に平行に切断した断面の例を模式的に示す図である。
図2は、本発明の第一実施形態としての液晶表示装置を法線方向に平行に切断した断面を模式的に示す断面図である。
図3は、n1=1.0、n2=3.0である場合について式(C)及び式(D)の関係を示す図である。
図4は、本発明の第二実施形態としての液晶表示装置を法線方向に平行に切断した断面を模式的に示す断面図である。
図5は、本発明の第三実施形態としての液晶表示装置を法線方向に平行に切断した断面を模式的に示す断面図である。
図6は、本発明の第四実施形態としての有機EL表示装置を法線方向に平行に切断した断面を模式的に示す断面図である。
図7は、本発明の第五実施形態としての有機EL表示装置を法線方向に平行に切断した断面を模式的に示す断面図である。

0010

以下、実施形態及び例示物等を示して本発明について詳細に説明するが、本発明は以下に示す実施形態及び例示物等に限定されるものではなく、本発明の要旨及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施できる。

0011

〔プライバシーフィルム〕
本発明のプライバシーフィルムは、表示装置用のプライバシーフィルムであって、反射型偏光分離素子を備える。反射型偏光分離素子とは、当該反射型偏光分離素子に入射した所定の反射帯域の光のうち、所定の偏光(以下、適宜「反射偏光」という。)を反射し、別の偏光(以下、適宜「透過偏光」という。)を透過させる偏光分離素子のことをいう。反射型偏光分離素子の例としては、その電場振動方向(以下、適宜「直線偏光の向き」という。)が直交する直線偏光のうち一方を透過し他方を反射する反射型直線偏光分離素子右円偏光及び左円偏光のうち一方を透過し他方を反射する反射型円偏光分離素子などが挙げられる。

0012

本発明に係る反射型偏光分離素子は、当該反射型偏光分離素子の法線方向から当該反射型偏光分離素子に入射する光に対する反射帯域の短波長エッジが550nm〜800nmにある。
ここで、反射型偏光分離素子の法線方向とは、反射型偏光分離素子の主面(おもて面又は裏面)の法線方向を指す。本発明のプライバシーフィルムを表示装置に設ける場合には、通常、反射型偏光分離素子の主面と表示装置の画面とは平行になるため、反射型偏光分離素子の法線方向は表示装置の画面の法線方向に一致する。また、表示装置が液晶表示装置である場合、その液晶表示装置の液晶セルの出射側偏光板の主面は通常は液晶表示装置の画面に平行になるため、本発明のプライバシーフィルムを液晶表示装置に設ける場合には、反射型偏光分離素子の法線方向は、通常、出射側偏光板の主面の法線方向にも一致する。なお、以下の説明において「法線方向」という場合、特に断らない限り、反射型偏光分離素子の法線方向のことを言う。

0013

また、反射型偏光分離素子の反射帯域とは、当該反射型偏光分離素子に入射した反射偏光が反射されることにより、当該反射偏光が反射型偏光分離素子を実質的に透過しない帯域をいう。ここで実質的に透過しないとは、本発明のプライバシーフィルムを表示装置に設けた場合に、画面に表示された画像を視認できない程度に反射型偏光分離素子を透過する反射偏光の割合が低いことをいう。前記の反射帯域における光の透過の具体的な程度は一概には規定できないが、自然光(非偏光)に対する透過率で規定すると、通常65%以下、好ましくは62%以下、より好ましくは60%以下である。なお、前記の透過率の下限は理想的には50%であるが、現実的には55%以上である。他方、前記の反射帯域から外れ波長の光は、例え反射偏光であっても反射型偏光分離素子を透過するので、反射帯域から外れた波長での透過率は通常は前記の範囲を上回ることになる。

0014

さらに、反射型偏光分離素子の反射帯域の短波長エッジとは、前記の反射帯域の短波長側の末端波長のことを指す。したがって、反射型偏光分離素子に法線方向から入射した反射偏光のうち、前記の短波長エッジ以上に長波長の波長成分は反射型偏光分離素子で反射されて透過率が前記のように小さくなるが、前記の短波長エッジよりも短波長の波長成分は反射型偏光分離素子を透過して透過率が大きく損なわれることが無いようになっている。

0015

本発明に係る反射型偏光分離素子の反射偏光は、本発明のプライバシーフィルムを設ける表示装置において画像を表示する光に合わせて設定される。具体的には、本発明のプライバシーフィルムを設ける表示装置から出射する光に含まれる偏光を反射することにより、表示装置から出射する光を反射できる反射型偏光分離素子を、本発明に係る反射型偏光分離素子として採用する。

0016

例えば、本発明のプライバシーフィルムを液晶表示装置に設ける場合、液晶表示装置は通常は偏光板(液晶セルの出射側偏光板等)を備え、偏光板を透過した直線偏光によって画像を表示するようになっている。この際、画像を表示する直線偏光を、反射型偏光分離素子が反射偏光として反射できるようにする。したがって、液晶表示装置にプライバシーフィルムを設ける場合には、本発明に係る反射型偏光分離素子としては、通常、画像表示用の直線偏光を反射し、画像表示用の直線偏光と直交する直線偏光を透過させる反射型偏光分離素子を用いる。この場合、液晶表示装置の偏光板を透過した直線偏光が法線方向から反射型偏光分離素子に入射すると、その直線偏光のうち反射帯域の波長成分は反射型偏光分離素子で反射し、反射型偏光分離素子を実質的に透過しない。

0017

また、例えば、本発明のプライバシーフィルムを有機エレクトロルミネッセンス有機EL)表示装置等に設ける場合、有機EL表示装置は通常は非偏光によって画像を表示するようになっている。非偏光は任意の偏光を含むため、これらの任意の偏光を反射型偏光分離素子が反射偏光として反射できるようにする。したがって、本発明に係る反射型偏光分離素子としては、例えば、直交する直線偏光のうち一方を透過し他方を反射する反射型直線偏光分離素子と、前記の直交する直線偏光のうち他方を透過し一方を反射する反射型直線偏光分離素子との組み合わせ;右円偏光を透過し左円偏光を反射する反射型円偏光分離素子と、左円偏光を透過し右円偏光を反射する反射型円偏光分離素子との組み合わせ;などを用いればよい。この場合、有機EL表示装置から出射した光が法線方向から反射型偏光分離素子に入射すると、その光に含まれる偏光のうち反射帯域の波長成分は反射型偏光分離素子で反射し、反射型偏光分離素子を実質的に透過しない。

0018

本発明に係る反射型偏光分離素子の反射帯域の帯域幅は、好ましくは100nm以上、より好ましくは150nm以上、特に好ましくは200nm以上である。このように反射帯域の帯域幅が広いことにより、斜め方向から見た場合の画面の視認性を安定して低下させることができる。また、波長ごとに別の反射型偏光分離素子を用意する必要が無くなり薄型化に貢献できる。反射帯域の帯域幅の上限に制限は無いが、帯域幅を広げることは反射型偏光分離素子の厚膜化及び高コストを招く傾向があることから、通常500nm以下、好ましくは450nm以下、より好ましくは400nm以下である。なお、入射角度に応じて反射型偏光分離素子の反射帯域の帯域幅が変化する場合、法線方向から入射する光に対する帯域幅が前記の範囲に収まることが好ましい。

0019

本発明に係る反射型偏光分離素子の例を挙げると、コレステリック規則性を有する樹脂層(以下、適宜「コレステリック樹脂層」という。)を1層又は2層以上備える反射型偏光分離素子、一軸方向に関して互いに屈折率が異なる樹脂を交互に数百層重ね合わせた反射型偏光分離素子等が挙げられる。また、コレステリック樹脂層を備える反射型偏光分離素子においては、コレステリック樹脂層に、1/4波長板等の位相差層を組み合わせてもよい。さらに、反射型偏光分離素子は、粘着層等のその他の層を備えていてもよい。

0020

〔コレステリック規則性を有する樹脂層〕
コレステリック樹脂層は、コレステリック規則性を有する樹脂層であり、通常、コレステリック液晶組成物の膜を硬化させて得られる。前記のコレステリック規則性とは、一平面上では分子軸が一定の方向に並んでいるが、次の平面では分子軸の方向が少し角度をなしてずれ、さらに次の平面ではさらに角度がずれるという具合に、分子が一定方向に配列している平面を進むに従って分子軸の角度がずれて(ねじれて)いく構造のことをいう。このように分子軸の方向がねじれてゆく構造は光学的にカイラルな構造となる。前記の平面の法線(カイラル軸)はコレステリック樹脂層の厚み方向に略平行になっていることが好ましい。

0021

コレステリック樹脂層は、円偏光分離機能を有する。すなわち、ある反射帯域の左回転若しくは右回転の円偏光を反射し、それ以外の円偏光を透過する機能を有する。このため、コレステリック樹脂層は反射型円偏光分離素子として機能する。

0022

円偏光分離機能を発揮する波長は、通常、コレステリック樹脂層におけるカイラル構造螺旋ピッチに依存する。カイラル構造の螺旋ピッチとは、カイラル構造において分子軸の方向が平面を進むに従って少しずつ角度がずれていき、そして再びもとの分子軸方向に戻るまでの平面法線方向の距離のことである。このカイラル構造の螺旋ピッチの大きさを変えることによって、円偏光分離機能を発揮する波長を変えることができる。

0023

コレステリック樹脂層の膜厚は、コレステリック樹脂層の組成等に応じて設定すればよいが、好ましくは3.0μm以上、より好ましくは3.5μm以上であり、好ましくは10.0μm以下、より好ましくは8μm以下である。コレステリック樹脂層の膜厚が3.0μmより薄いと反射率が低下する傾向がある。なお、前記膜厚は、反射型偏光分離素子が備えるコレステリック樹脂層が2以上の層である場合は各層の膜厚の合計を指し、1層である場合にはその膜厚を指す。

0024

コレステリック樹脂層は、非液晶性の樹脂層であることが好ましい。非液晶性の樹脂層であると、周囲の温度や電界などによってコレステリック規則性が変化しないからである。非液晶性のコレステリック樹脂層は、例えば、液晶性を有し且つ重合性を有する化合物を含む組成物の層において、かかる化合物をコレステリック液晶相配向させてから重合させることにより得ることができる。

0025

好適なコレステリック樹脂層としては、例えば、(i)カイラル構造の螺旋ピッチの大きさを段階的に変化させたコレステリック樹脂層、(ii)カイラル構造の螺旋ピッチの大きさを連続的に変化させたコレステリック樹脂層等が挙げられる。

0026

(i)カイラル構造の螺旋ピッチを段階的に変化させたコレステリック樹脂層は、例えば、異なる大きさのカイラル構造の螺旋ピッチを有し異なる波長帯域の光で円偏光分離機能を発揮する複数のコレステリック樹脂層を積層することによって得ることができる。また、反射される円偏光の中心波長が異なるコレステリック樹脂層をそれぞれ作製し、これらのコレステリック樹脂層を任意に選択し、反射光の中心波長の順序で3〜7層積層することによって得ることができる。カイラル構造の螺旋ピッチの大きさが異なるコレステリック樹脂層を積層する場合には、各コレステリック樹脂層で反射する円偏光の回転方向が同じであることが好ましい。また、カイラル構造の螺旋ピッチの大きさが異なるコレステリック樹脂層の積層順序は、カイラル構造の螺旋ピッチの大きさで、昇順又は降順になるようにすることが、視野角の広い液晶表示装置を得るために好ましい。これらコレステリック樹脂層の積層は、単に重ね置いただけでもよいし、粘着剤接着剤を介して固着させてもよい。

0027

(ii)カイラル構造の螺旋ピッチの大きさを連続的に変化させたコレステリック樹脂層は、その製法によって特に制限されない。コレステリック樹脂層の製法の好ましい例としては、コレステリック樹脂層を形成するための重合性液晶化合物を含有するコレステリック液晶組成物を他の層(通常は支持基材)上に塗布して液晶層を得、次いで1回以上の、光照射及び/又は加温処理により当該液晶層を硬化する方法が挙げられる。当該コレステリック液晶組成物の好ましい態様は、重合性液晶化合物及び重合開始剤、並びに、必要に応じて界面活性剤カイラル剤及び配向調整剤等を溶剤に溶解させた組成物である。

0028

(重合性液晶化合物)
重合性液晶化合物としては、例えば、特開平11−130729号公報、特開平8−104870号公報、特開2005−309255号公報、特開2005−263789号公報、特表2001−519317号公報、特表2002−533742号公報、特開2002−308832号公報、特開2002−265421号公報、特開昭62−070406号公報、特開平11−100575号公報、特開2008−291218号公報、特開2008−242349号公報、国際公開第2009/133290号、特願2008−170835号等に記載のものを用いることができる。

0029

これらの中でも、下記式(1)で表される棒状液晶化合物が好ましい。

0030

0031

式(1)中、R1は、水素原子フッ素原子塩素原子臭素原子等のハロゲン原子メチル基エチル基、n−プロピル基イソプロピル基n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−へキシル基、n−へプチル基等の炭素数1〜10のアルキル基;−OR3;−O−C(=O)−R3;および−C(=O)−OR3;からなる群より選ばれるいずれかを表す。

0032

ここで、R3は、水素原子;又は置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基を表す。R3が置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基である場合、炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−へキシル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。

0033

R3が置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基である場合、アルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−へキシルオキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;等が挙げられる。なお、前記のアルキル基が有する置換基の数は1個でも2個以上でもよく、また、前記のアルキル基が有する置換基の種類は1種類でも2種類以上でもよい。

0034

また、R3がアルキル基である場合、当該アルキル基には、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR4−C(=O)−、−C(=O)−NR4−、−NR4−、および−C(=O)−からなる群より選ばれるいずれかが介在していてもよい(ただし、−O−および−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く。)。

0035

R4は、水素原子;または、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−へキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基;を表す。
また、nはそれぞれ独立に2〜12の整数を表し、6であるのが好ましい。

0036

なかでも、R1は、−C(=O)−OR2で表される基であるのが好ましい。ここで、R2は、炭素数1〜10のアルキル基を表し、当該アルキル基には、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−が介在していてもよい(ただし、−O−および−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く。)。中でもR2としては、メチル基が好ましい。
上より、前記式(1)で表される化合物は、下記式(2)で表される化合物であることが好ましい。なお、下記式(2)においてR2は式(1)と同様である。

0037

0038

なお、重合性液晶化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
前記式(1)で表される棒状液晶化合物は、有機合成化学における公知の方法を組み合わせることによって、例えば、特開2008−291218号公報に記載の方法により製造することができる。

0039

重合性液晶化合物は、その屈折率異方性Δnが、通常0.18以上、好ましくは0.20以上、より好ましくは0.22以上である。屈折率異方性Δnが0.30以上の液晶化合物を用いると、紫外線吸収スペクトルの長波長側の吸収端可視帯域に及ぶ場合があるが、そのスペクトルの吸収端が可視帯域に及んでも所望の光学的性能に悪影響を及ぼさない限り、使用可能である。このような高い屈折率異方性Δnを有することにより、高い光学的性能(例えば、円偏光分離特性)を有するコレステリック樹脂層を実現でき、例えば厚みが薄くても広い反射帯域を有するコレステリック樹脂層を実現できる。ただし、屈折率異方性Δnが過度に大きい場合には反射型偏光分離素子の反射帯域のブルーシフトの程度が小さくなる傾向があるため、屈折率異方性Δnは0.30以下が好ましく、0.25以下がより好ましく、0.23以下が特に好ましい。

0040

ここで、重合性液晶化合物の屈折率異方性Δnと反射帯域のブルーシフトとの関係について説明する。カイラル構造において分子軸がねじれる時の回転軸を表す螺旋軸と、コレステリック樹脂層の法線とが平行である場合を想定する。この場合、カイラル構造の螺旋ピッチの長さ(ピッチ長)pと、反射される円偏光の波長λとは、下記の式(A)および式(B)の関係を有する。

0041

式(A):λc=n×p×cosθ
式(B):no×p×cosθ≦λ≦ne×p×cosθ

0042

式(A)及び式(B)中、λcは反射帯域の中心波長を表し、noは重合性液晶化合物の短軸方向の屈折率を表し、neは重合性液晶化合物の長軸方向の屈折率を表し、nは(ne+no)/2を表し、pはカイラル構造のピッチ長を表し、θは光の入射角(面の法線からの角度)を表す。
これらの式(A)及び式(B)から分かるように、重合性液晶化合物の屈折率異方性Δn(すなわち、ne−no)が大きいほど、必然的にneは大きくなる。このため、波長λを一定として考えた場合、屈折率neが大きいほど、ピッチ長pは小さくなり、入射角θに対する波長λの変化は小さくなる。

0043

(他の共重合可能単量体
通常は、コレステリック液晶組成物により液晶層を形成し、その液晶層に含まれる重合性液晶化合物を重合させ、そうして得られる重合体を含む樹脂の層としてコレステリック樹脂層を形成する。重合性液晶化合物を重合して得られる重合体としては、重合性液晶化合物を単独重合させた単独重合体、2種類以上の重合性液晶化合物の共重合体、重合性液晶化合物と他の共重合可能な単量体との共重合体などが挙げられる。したがって、コレステリック液晶組成物は、他の共重合可能な単量体を含んでいてもよい。なお、他の共重合可能な単量体としては、一個繰り返し単位に相当するモノマーだけでなく、二個以上の繰り返し単位に相当するオリゴマーも含む。

0044

前記の他の共重合可能な単量体としては、例えば、4−(2−メタクリロイルオキシエチルオキシ安息香酸−4’−メトキシフェニル、4−(6−メタクリロイルオキシヘキシルオキシ)安息香酸ビフェニル、4−(2−アクリロイルオキシエチルオキシ)安息香酸−4’−シアノビフェニル、4−(2−メタクリリルオキシエチルオキシ)安息香酸−4’−シアノビフェニル、4−(2−メタクリロリルオキシエチルオキシ)安息香酸−3’,4’−ジフルオロフェニル、4−(2−メタクリロイルオキシエチルオキシ)安息香酸ナフチル、4−アクリロイルオキシ−4’−デシルビフェニル、4−アクリロイルオキシ−4’−シアノビフェニル、4−(2−アクリロイルオキシエチルオキシ)−4’−シアノビフェニル、4−(2−メタクリロイルオキシエチルオキシ)−4’−メトキシビフェニル、4−(2−メタクリロイルオキシエチルオキシ)−4’−(4”−フルオロベンジルオキシ)−ビフェニル、4−アクリロイルオキシ−4’−プロピルシクロヘキシルフェニル、4−メタクリロイル−4’−ブチルビシクロヘキシル、4−アクリロイル−4’−アミルトラン、4−アクリロイル−4’−(3,4−ジフルオロフェニル)ビシクロヘキシル、4−(2−アクリロイルオキシエチル)安息香酸(4−アミルフェニル)、4−(2−アクリロイルオキシエチル)安息香酸(4−(4’−プロピルシクロヘキシル)フェニル)等が挙げられる。なお、他の共重合可能な単量体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。

0045

コレステリック液晶組成物が含む他の共重合可能な単量体の含有量は、全重合性単量体(すなわち、重合性液晶化合物と他の共重合可能な単量体との合計)の50重量%以下が好ましく、30重量%以下がより好ましい。かかる範囲にあると、重合後に、ガラス転移温度(Tg)が高く、高い膜硬度を実現できる重合体を得ることができる。
また、他の共重合可能な単量体の分子量は600未満であることが好ましく、重合性液晶化合物の分子量が600以上であることが好ましい。他の共重合可能な単量体の分子量が600未満であることにより、それよりも分子量の大きい重合性液晶化合物の隙間に入り込むことができ、配向均一性を向上させることができる。

0046

架橋剤)
コレステリック液晶組成物は、硬化後の膜強度向上や耐久性向上のために、任意に架橋剤を含有していてもよい。当該架橋剤としては、液晶組成物を塗布して得られる液晶層の硬化時に同時に反応したり、硬化後に熱処理を行って反応を促進したり、湿気により自然に反応が進行したりして、液晶層の架橋密度を高めることができ、かつ配向均一性を悪化させないものを適宜選択し用いればよい。また架橋剤は、例えば紫外線、熱、湿気等で硬化するものが好適に使用できる。

0047

前記架橋剤の配合割合は、コレステリック液晶組成物を硬化して得られる硬化膜中における架橋剤の濃度が0.1重量%〜15重量%となるようにすることが好ましい。架橋剤の配合割合が0.1重量%より少ないと架橋密度向上の効果が得られない可能性があり、逆に15重量%より多いと液晶層の安定性を低下させる可能性がある。

0048

(重合開始剤)
コレステリック液晶組成物に含有させる重合開始剤としては、熱重合開始剤光重合開始剤のいずれを用いてもよい。中でも、より容易且つ効率よくコレステリック樹脂層が得られることから、光重合開始剤が好ましい。

0049

光重合開始剤としては、例えば、多核キノン化合物(米国特許第3046127号明細書、米国特許第2951758号明細書)、オキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書)、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号明細書、米国特許第2367670号明細書)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書)などが挙げられる。
なお、重合開始剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。

0050

コレステリック液晶組成物が含む重合開始剤の量は、全重合性単量体100重量部に対して、通常1重量部以上であり、通常10重量部以下、好ましくは5重量部以下である。

0051

光重合開始剤を用いる場合、重合反応を開始させるには光を照射することになるが、この際の照射光としては紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、好ましくは0.01mJ/cm2以上であり、好ましくは50J/cm2以下、より好ましくは800mJ/cm2以下である。紫外線の照射方法は特に制限されない。また、紫外線照射エネルギーは重合性液晶化合物の種類によって適宜選択される。

0052

(界面活性剤)
コレステリック液晶組成物は、任意に界面活性剤を含有していてもよい。当該界面活性剤としては、配向を阻害しないものを適宜選択して使用することができる。当該界面活性剤の例を挙げると、疎水基部分にシロキサン又はフッ化アルキル基を含有するノニオン系界面活性剤等が好適に使用できる。中でも、1分子中に2個以上の疎水基部分を持つオリゴマーが特に好適である。これらの界面活性剤としては、例えば、OMNOVA社PolyFoxのPF−151N、PF−636、PF−6320、PF−656、PF−6520、PF−3320、PF−651、PF−652;ネオス社フタジェントのFTX−209F、FTX−208G、FTX−204D;セイケミカルサーフロンのKH−40等を用いることができる。なお、界面活性剤は1種類を用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。

0053

コレステリック液晶組成物が含む界面活性剤の量は、液晶化合物である重合性液晶化合物100重量部に対して、通常0.01重量部以上、好ましくは0.03重量部以上、より好ましくは0.05重量部以上であり、通常10重量部以下、好ましくは5重量部以下、より好ましくは1重量部以下である。界面活性剤の量を前記の範囲にすることにより、配向欠陥のないコレステリック規則性を有する液晶層を形成できる。

0054

(カイラル剤)
コレステリック液晶組成物は、任意にカイラル剤を含有していてもよい。前記カイラル剤の具体例としては、特開2005−289881号公報、特開2004−115414号公報、特開2003−66214号公報、特開2003−313187号公報、特開2003−342219号公報、特開2000−290315号公報、特開平6−072962号公報、米国特許第6468444号公報、国際公開第98/00428号、特開2007−176870号公報、等に掲載されるものが挙げられる。その具体例を挙げると、例えばBASF社パリオカラーのLC756が挙げられる。なおカイラル剤は1種類を用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。

0055

コレステリック液晶組成物が含むカイラル剤の量は、液晶化合物である重合性液晶化合物100重量部に対して、通常0.01重量部以上、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.5重量部以上であり、通常35重量部以下、好ましくは25重量部以下、より好ましくは15重量部以下である。カイラル剤の量を前記の範囲にすることにより、液晶性を低下させることなくコレステリック規則性を有する液晶層を形成できる。

0056

コレステリック液晶組成物は、必要に応じてさらに他の任意成分を含有していてもよい。当該他の任意成分としては、溶媒ポットライフ向上のための重合禁止剤、耐久性向上のための酸化防止剤紫外線吸収剤光安定化剤等が挙げられる。なお、これらの任意成分は、1種類を用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
これらの任意成分は、所望する光学的性能を低下させない範囲で含有させればよい。

0057

コレステリック液晶組成物の製造方法は、特に限定されず、上記各成分を混合することにより製造することができる。

0058

コレステリック樹脂層は、例えば、コレステリック液晶組成物を、支持基材等の他の層上に塗布して液晶層を得、次いで1回以上の、光照射及び/又は加温処理により当該液晶層を硬化することにより、硬化膜として製造することができる。

0059

支持基材としては通常はフィルム状またはシート状の部材を用いる。支持基材は、コレステリック樹脂層と共に反射型偏光分離素子の一部として用いてもよいが、薄膜化等の観点から、コレステリック樹脂層の製造後に剥がしてもよい。したがって、支持基材はコレステリック樹脂層と剥離可能であることが好ましい。

0060

支持基材としては、通常は透明樹脂基材を用いる。透明とは、例えば1mm厚で全光線透過率が80%以上であることをいう。透明樹脂基材の具体例を挙げると、脂環式オレフィンポリマーポリエチレンポリプロピレンなどの鎖状オレフィンポリマートリアセチルセルロースポリビニルアルコールポリイミドポリアリレートポリエステルポリカーボネートポリスルホンポリエーテルスルホン変性アクリルポリマーエポキシ樹脂ポリスチレンアクリル樹脂等の合成樹脂からなる単層又は積層のフィルム等が挙げられる。これらの中でも、脂環式オレフィンポリマー又は鎖状オレフィンポリマーからなるものが好ましく、透明性、低吸湿性、寸法安定性、軽量性などの観点から、脂環式オレフィンポリマーからなるものが特に好ましい。なお、透明樹脂基材の材料は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。

0061

必要に応じて、支持基材は配向膜を有していてもよい。配向膜は支持基材のコレステリック液晶組成物を塗布する面に設けられる膜である。配向膜を備えることにより、コレステリック樹脂層の製造時に液晶化合物分子を所望の方向に確実に配向させることができる。配向膜は、支持基材の表面上に、必要に応じてコロナ放電処理等を施した後、配向膜の材料を水又は溶媒に溶解させた溶液等を、例えばリバースグラビアコーティング、ダイレクトグラビアコーティング、ダイコーティング、バーコーティング等の公知の方法を用いて塗布し、乾燥させ、その後乾燥塗膜ラビング処理を施すことにより形成することができる。前記配向膜の材料としては、例えば、セルロースシランカップリング剤、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール、エポキシアクリレートシラノールオリゴマー、ポリアクリロニトリルフェノール樹脂ポリオキサゾール環化ポリイソプレンなどが挙げられるが、変性ポリアミドが特に好ましい。なお、配向膜の材料は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。

0062

前記変性ポリアミドとしては、例えば、芳香族ポリアミド又は脂肪族ポリアミドに変性を加えたものが挙げられる。中でも、脂肪族ポリアミドに変性を加えたものが好ましい。具体例を挙げると、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−12、3元ないし4元共重合ナイロン脂肪酸系ポリアミド、又は脂肪酸系ブロック共重合体(例えばポリエーテルエステルアミドポリエステルアミド)に変性を加えたもの等が挙げられる。当該変性としては、例えば、末端アミノ変性、カルボキシル変性ヒドロキシル変性などの変性、並びにアミド基の一部をアルキルアミノ化又はN−アルコキシアルキル化する変性が挙げられる。N−アルコキシアルキル化変性ポリアミドとしては、例えば、ナイロン−6、ナイロン−66、又はナイロン−12等の共重合ナイロンのアミド基の一部をN−メトキシメチル化したものが挙げられる。前記変性ポリアミドの重量平均分子量は、好ましくは5000以上、より好ましくは10000以上であり、好ましくは500000以下、より好ましくは200000以下である。

0063

また、配向膜の厚みは、液晶層に所望の配向均一性が得られる厚みであればよく、具体的には、0.001μm以上が好ましく、0.01μm以上がより好ましく、5μm以下が好ましく、2μm以下がより好ましい。

0064

支持基材の厚みは、製造装置でのハンドリング性、材料のコスト、薄型化及び軽量化の観点から、好ましくは30μm以上、より好ましくは60μm以上であり、好ましくは300μm以下、より好ましくは200μm以下である。

0065

コレステリック液晶組成物の塗布は、公知の方法、例えば押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、バーコーティング法等により実施すればよい。なお、配向膜を用いずコレステリック液晶組成物を支持基材の表面に直接塗布する場合、コレステリック液晶組成物の塗布前に予め支持基材の表面にラビング処理を施しておくことが好ましい。

0066

前記塗布により得られた液晶層を硬化する前に、必要に応じて、配向処理を施す工程と、液晶層に光を照射しコレステリック液晶組成物を重合させる工程と、前記液晶層のコレステリック規則性の周期を変化させる工程を施してもよい。
配向処理は、例えば液晶層を50℃〜150℃で0.5〜10分間加温することにより行えばよい。当該配向処理を施すことにより、液晶層を良好に配向させることができる。

0067

液晶層に光を照射しコレステリック液晶組成物を重合させる工程において、前記の光照射に用いる光とは、可視光のみならず紫外線及びその他の電磁波をも含む。具体的には、300nm以上400nm未満の波長のみを有する紫外線を用いることが好ましい。光照射時の温度は、通常20〜40℃とする。また、照射する光の積算光量は、通常、0.5mJ/cm2以上50mJ/cm2未満にする。なお積算光量は、基材面において、紫外線の波長にピーク感度を持つ(具体的には、例えば360nmにピーク感度を持つ)照度計を使用して測定する。
前記の液晶層が光重合開始剤を含有するコレステリック液晶組成物を用いて形成された光重合性の液晶層である場合、紫外線の照射により液晶層内で重合反応ないし架橋反応が進行する。

0068

前記液晶層のコレステリック規則性の周期を変化させる工程では、液晶層を液晶相を示す温度以上で加熱処理を行う方法が、広帯域化の効果と共に生産性を考慮すると、特に好ましい。処理温度及び処理時間は、通常50〜115℃の温度で0.001〜20分間、好ましくは65〜115℃の温度で0.001〜10分間、より好ましくは65〜115℃の温度で0.01〜5分間である。

0069

広帯域化処理として、例えば0.01mJ/cm2〜50mJ/cm2の微弱紫外線照射と加温とを複数回交互に繰り返すようにしてもよい。このような広帯域化処理を行うことにより、コレステリック樹脂層の反射帯域を広帯域化できる。上記の微弱な紫外線照射等による反射帯域の拡張を行った後に、例えば50mJ/cm2〜10,000mJ/cm2の比較的強い紫外線を照射し、液晶化合物を完全に重合させ、コレステリック樹脂層とすることができる。上記の反射帯域の広帯域化処理及び強い紫外線の照射は、空気下で行ってもよく、又はその工程の一部又は全部を、酸素濃度を制御した雰囲気(例えば、窒素雰囲気下)中で行ってもよい。

0070

前記の他の層上へのコレステリック液晶組成物の塗布及び硬化の工程は、1回に限られず、塗布及び硬化を複数回繰り返し2層以上のコレステリック樹脂層を形成することもできる。ただし、1回のみのコレステリック液晶組成物の塗布及び硬化によっても、良好に配向した前記の重合性液晶化合物の重合体を含み、かつ5μm以上といった厚みのコレステリック樹脂層を容易に形成することはできる。

0071

〔位相差層〕
位相差層は、例えば、1/4波長板、1/2波長板等を用いることができる。特に1/4波長板とコレステリック樹脂層とを組み合わせれば、液晶表示装置等において使用される直線偏光を反射する反射型偏光分離素子を簡単な構成で実現できる。

0072

延伸フィルム
1/4波長板としては、例えば、フィルム状のポリマーを延伸してなる延伸フィルムを用いることができる。ポリマーとしては、透明樹脂を好ましく用いることができる。例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、アモルファスポリエチレン、トリアセチルセルロース、脂環式構造を有する樹脂などが挙げられる。なお、これらは1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。好ましい例としては、スチレン系樹脂層を含む樹脂フィルムを延伸してなる1/4波長板、脂環式構造を有する樹脂フィルムを延伸してなる1/4波長板などが挙げられる。

0073

1/4波長板の正面方向のリターデーションRe(以下、適宜「Re」ということがある。)は透過光の略1/4波長である。ここで、透過光の波長範囲は、本発明に係る反射型偏光分離素子の反射帯域とすればよい。また、正面方向のリターデーションReが透過光の略1/4波長であるとは、Re値が、透過光の波長範囲の中心値において、中心値の1/4の値から±65nm、好ましくは±30nm、より好ましくは±10nmの範囲であることをいう。このようなリターデーション値を有することにより偏光変換機能を発揮できるため、表示装置から出射した直線偏光を1/4波長板により円偏光に変換できる。

0074

1/4波長板の厚み方向のリターデーションRth(以下、適宜「Rth」ということがある。)は、透過光の波長範囲の中心値において、好ましくは−300nm以上、より好ましくは−200nm以上、特に好ましくは−150nm以上であり、通常200nm以下、好ましくは180nm以下、特に好ましくは160nm以下である。1/4波長板の厚み方向のリターデーションRthを小さくすることにより、斜め方向に進行する直線偏光を安定して円偏光に変換できるようになるため、斜め方向から見た場合の画面の視認性を効果的に低下させることができる。なお、厚み方向のリターデーションRthを負の側に小さくすることは製造上非常に困難であり、材料も限定されるため、製造適正上困難である。

0075

ここで、正面方向のリターデーションReは、式I:Re=(nx−ny)×d(式中、nxは厚み方向に垂直な方向(面内方向)であって最大の屈折率を与える方向の屈折率を表し、nyは厚み方向に垂直な方向(面内方向)であってnxの方向に直交する方向の屈折率を表し、dは膜厚を表す。)で表される値であり、厚み方向のリターデーションRthは、式II:Rth={(nx+ny)/2−nz}×d(式中、nxは厚み方向に垂直な方向(面内方向)であって最大の屈折率を与える方向の屈折率を表し、nyは厚み方向に垂直な方向(面内方向)であってnxの方向に直交する方向の屈折率であり、nzは厚み方向の屈折率を表し、dは膜厚を表す。)で表される値である。
なお、前記正面方向のリターデーションRe及び厚み方向のリターデーションRthは、市販の位相差測定装置を用いて、1/4波長板を長手方向及び幅方向に100mm間隔(長手方向又は横方向の長さが200mmに満たない場合は、その方向へは等間隔に3点指定する)で、全面にわたり、格子点状に測定を行い、その平均値とする。

0076

1/4波長板はスチレン系樹脂からなる層を有することが好ましい。ここでスチレン系樹脂とは、スチレン構造を繰り返し単位の一部又は全部として有するポリマー樹脂であり、ポリスチレン又はスチレンと無水マレイン酸との共重合体を好適に用いることができる。なお、スチレン系樹脂は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。

0077

1/4波長板に用いるスチレン系樹脂の分子量は使用目的に応じて適宜選定されるが、溶媒としてシクロヘキサンを用いたゲル・パーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリイソプレンの重量平均分子量(Mw)で、通常10,000以上、好ましくは15,000以上、より好ましくは20,000以上であり、通常300,000以下、好ましくは250,000以下、より好ましくは200,000以下である。

0078

1/4波長板は、好ましくは、前記スチレン系樹脂からなる層と、他の熱可塑性樹脂を含む層との積層構造を有する。このような積層構造を有することにより、スチレン系樹脂による光学的特性と、他の熱可塑性樹脂による機械的強度とを兼ね備えた素子とすることができる。他の熱可塑性樹脂としては、脂環式構造を有する樹脂やメタクリル樹脂を好適に用いることができる。なお、他の熱可塑性樹脂は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。

0079

脂環式構造を有する樹脂としては、例えば脂環式オレフィンポリマーが挙げられる。脂環式オレフィンポリマーは、主鎖及び/または側鎖にシクロアルカン構造又はシクロアルケン構造を有する非晶性オレフィンポリマーである。

0080

メタクリル樹脂は、メタクリル酸エステルを主成分とする重合体であり、例えばメタクリル酸エステルの単独重合体や、メタクリル酸エステルとその他の単量体との共重合体が挙げられる。メタクリル酸エステルとしては、通常、メタクリル酸アルキルが用いられる。共重合体とする場合は、メタクリル酸エステルと共重合するその他の単量体としては、アクリル酸エステルや、芳香族ビニル化合物ビニルシアン化合物などが用いられる。

0081

1/4波長板の好ましい具体的態様として、スチレン系樹脂からなるフィルム(a層)の両面に、他の熱可塑性樹脂からなるフィルム(b層)を積層してなる複層フィルムを延伸してなる延伸複層フィルムが挙げられる。

0082

a層の材料である前記スチレン系樹脂及びb層の材料である前記他の熱可塑性樹脂を積層して、複層フィルムに成形する方法は、特に限定されないが、共押出Tダイ法、共押出インフレーション法、共押出ラミネーション法等の共押出による成形方法ドライラミネーション等のフィルムラミネーション成形方法、及びコーティング成形方法などの公知の方法が適宜利用され得る。中でも、製造効率や、フィルム中に溶剤などの揮発性成分残留させないという観点から、共押出による成形方法が好ましい。押出し温度は、使用する前記スチレン系樹脂、及び前記他の熱可塑性樹脂の種類に応じて適宜選択され得る。

0083

複層フィルムは、前記a層の両面に、前記b層を積層してなる。a層とb層の間には、粘着層を設けてもよいが、a層とb層とを直接に積層させる(つまり、b層/a層/b層の3層構成の積層体とする)ことが好ましい。また、複層フィルムにおいて、前記a層及びその両面に積層されたb層の厚みは特に制限はないが、好ましくはそれぞれ10〜300μm及び10〜400μmである。

0084

前記延伸複層フィルムは、前記複層フィルムを延伸してなる。当該延伸は、好ましくは一軸延伸又は斜め延伸により行うことができ、さらに好ましくはテンターによる一軸延伸又は斜め延伸により行うことができる。

0085

ネマチック樹脂層
また、位相差層としては、ネマチック樹脂層を用いてもよい。ネマチック樹脂層は、ネマチック液晶組成物の膜を硬化させて得られる樹脂層である。ネマチック樹脂層は位相差発現するので、1/4波長板等の位相差層として用いることができる。ネマチック樹脂層は延伸フィルムと比べて厚みを薄くできる点で有利である。

0086

ネマチック樹脂層は、通常、反応性基を有する棒状液晶化合物を含有するネマチック液晶組成物を支持基材、コレステリック樹脂層等の表面に塗布して、適宜加温することでネマチック液晶層を得、次いで1回以上の、光照射及び/又は加温処理により当該ネマチック液晶層を硬化することにより製造する。
前記支持基材、コレステリック樹脂層等の表面は適宜ラビング処理を施してもよい。

0087

棒状液晶化合物としては、例えば、前記コレステリック液晶組成物に含有される棒状液晶化合物が挙げられる。また、特開2002−030042号公報、特開2004−204190号公報、特開2005−263789号公報、特開2007−119415号公報、特開2007−186430号公報などに記載された反応性基を有する棒状液晶化合物も挙げられる。なお、棒状液晶化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。

0088

ただし、ネマチック液晶組成物中の液晶化合物(棒状液晶化合物等)は、屈折率異方性Δnが小さいことが好ましい。これにより、ネマチック樹脂層の位相差層としての膜厚の制御幅を大きくすることができるため、ネマチック樹脂層で発現する位相差の大きさ及び遅相軸の方向の制御が容易となる。ネマチック液晶組成物に含まれる棒状液晶化合物の具体的な屈折率異方性Δnの範囲を挙げると、通常0.01以上、より好ましくは0.08以上であり、通常0.20以下である。

0089

ネマチック液晶組成物は、硬化後の膜強度向上や耐久性向上のために、架橋剤及び光重合開始剤を含んでいてもよい。架橋剤と光重合開始剤としては、コレステリック液晶組成物に用いたものと同様なものを、同様な用法にて用いることができる。なお、架橋剤及び光重合開始剤は、それぞれ、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。

0090

ネマチック液晶組成物は、界面活性剤を含んでいてもよい。界面活性剤としては、コレステリック液晶組成物に用いたものと同様なものを、同様な用法にて用いることができる。なお、界面活性剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。

0091

ネマチック液晶組成物は、必要に応じてさらに他の任意成分を含んでいてもよい。当該他の任意成分としては、溶媒、ポットライフ向上のための重合禁止剤、耐久性向上のための酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤等が挙げられる。なお、これらの他の任意成分は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。これらの任意成分は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で含有させればよい。

0092

ネマチック液晶組成物の製造方法は、特に限定されず、上記各成分を混合することにより製造することができる。

0093

用意したネマチック液晶組成物を、支持基材、コレステリック樹脂層等の表面に塗布してネマチック液晶層を得、次いで1回以上の、光照射及び/又は加温処理により当該液晶層を硬化させることにより、ネマチック樹脂層を得ることができる。塗布は、例えば押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、バーコーティング法等により実施すればよい。

0094

前記塗布により得られたネマチック液晶層を硬化する前に、必要に応じて、配向処理を施す。配向処理は、例えばネマチック液晶層を50℃〜150℃で0.5分〜10分間加温することにより行えばよい。当該配向処理を施すことにより、ネマチック液晶層を良好に配向させることができる。

0095

前記硬化の工程は、1回以上の光照射、加温処理又はこれらの組み合わせにより行うことができる。加温条件は、例えば、温度が通常40℃以上、好ましくは50℃以上で、通常200℃以下、好ましくは140℃以下において、通常1秒以上、好ましくは5秒以上、通常3分以下、好ましくは120秒以下の時間で行う。

0096

1/4波長板等の位相差層の厚みは、好ましくは100μm以下であり、より好ましくは50μm以下、特に好ましくは40μm以下である。

0097

〔粘着層〕
本発明のプライバシーフィルムは、プライバシーフィルムの視認側とは反対側の表面に、粘着層を備えることが好ましい。プライバシーフィルムを表示装置に装着する場合に、プライバシーフィルムを表示装置に安定して固定するためである。

0098

粘着層は粘着剤の層であるが、粘着剤としては、例えば、アクリル系重合体シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルエーテル酢酸ビニル塩化ビニルコポリマー変性ポリオレフィンエポキシ系ポリマーフッ素系ポリマー天然ゴム及び合成ゴム等のゴム系ポリマーなどのポリマーをベースポリマーとする粘着剤が挙げられる。なお、これらは1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。中でも粘着層は、シリコーン系ポリマーをベースポリマーとする粘着剤からなるシリコーン粘着層が好ましい。プライバシーフィルムの着脱が容易となるため、および、粘着層の硬度を硬くできるためである。

0099

また、粘着剤には、ベースポリマーに応じた架橋剤を含ませてもよい。架橋剤の具体例としては、多官能エポキシ多官能イソシアネート白金触媒有機過酸化物などを挙げることができる。

0100

粘着剤は、通常、ベースポリマーまたはその組成物を溶剤に溶解又は分散させた固形分濃度が10〜50重量%程度の粘着剤溶液として用いられる。溶剤としては、トルエン酢酸エチル等の有機溶剤や水等の、粘着剤の種類に応じたものを適宜に選択して用いることができる。なお、溶剤は1種類を用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。

0101

粘着層の厚みは、通常20μm以上、好ましくは30μm以上、より好ましくは50μm以上であり、通常500μm以下、好ましくは300μm以下、より好ましくは200μm以下である。

0102

〔その他の層〕
本発明のプライバシーフィルムは、更に別の層を備えていてもよい。例えば、コレステリック樹脂層又はネマチック樹脂層の製造に使用した支持基材を備えていてもよい。また、例えば、プライバシーフィルムに防汚性、傷つき防止性等の機能を付与する保護フィルム;プライバシーフィルムを構成する各層を貼り合わせる粘着層及び接着層;ハードコート層アンチブロッキング層等が挙げられる。

0103

使用方法
図1は、本発明のプライバシーフィルムの使用形態を説明するため、プライバシーフィルムを法線方向に平行に切断した断面の例を模式的に示す図である。図1に示すように、表示装置10は画面11から偏光A1,A2を出射することにより画像を表示するようになっている。したがって、視認側(図1では図中上側)から画面11を見る使用者は、画面11から出射した偏光A1,A2を視覚で認識することによって、画面11に表示される画像を視認するようになっている。

0104

プライバシーフィルム20の使用時には、通常、表示装置10の画面11にプライバシーフィルム20を貼り付ける。これにより、画面11から出射した偏光A1,A2は、プライバシーフィルム20に入射し、プライバシーフィルム20を透過してから外部に出射することになる。

0105

プライバシーフィルム20は反射型偏光分離素子21を備える。このため、画面11から出射した偏光A1,A2のうち、法線方向に出射した偏光A1は、プライバシーフィルム20に法線方向から入射し、ひいてはプライバシーフィルム20が備える反射型偏光分離素子21に対しても法線方向から入射することになる。法線方向から反射型偏光分離素子21に入射した偏光A1は、反射型偏光分離素子21の反射帯域において反射型偏光分離素子21によって反射されるが、反射型偏光分離素子21の反射帯域から外れる波長帯域においては反射型偏光分離素子21を透過する。この際、法線方向から入射する偏光A1に対する反射型偏光分離素子21の反射帯域の短波長エッジが550nm〜800nmにあるので、偏光A1に含まれる可視帯域(可視光線の波長帯域。通常、400nm〜750nm)の全て又は大部分の波長成分が反射型偏光分離素子21を透過することになる。したがって、法線方向に出射した偏光A1は高い輝度で使用者に認識されるため、正面から見た使用者は画面11に表示された画像を明瞭に視認できる。

0106

他方、画面11から出射した偏光A1,A2のうち、法線方向から角度θだけ傾いた斜め方向に出射した偏光A2は、プライバシーフィルム20に対して斜め方向から入射角θで入射し、ひいてはプライバシーフィルム20が備える反射型偏光分離素子21に対しても斜め方向から入射角θで入射することになる。斜め方向から反射型偏光分離素子21に入射した偏光A2も、反射型偏光分離素子21の反射帯域において反射型偏光分離素子21によって反射されることになる。

0107

ここで、反射型偏光分離素子21の反射帯域は、斜め方向から入射する偏光A2に対しては短波長側に移動する。この現象は、反射帯域のブルーシフトと呼ばれる。通常、反射帯域のブルーシフトは、反射型偏光分離素子21への偏光A2の入射角が角度θだけ変化することにより生じる。例えば反射型偏光分離素子21がコレステリック樹脂層である場合、コレステリック樹脂層のカイラル構造における螺旋軸と、コレステリック樹脂層の法線方向とが平行であれば、反射帯域は前記の式(B)で表されることになる。したがって、斜め方向から入射する偏光A2は入射角θの分だけ、法線方向から入射する偏光(即ち、入射角がゼロである偏光)A1よりも反射帯域が短波長側へ移動するのである。

0108

前記のように反射帯域のブルーシフトが起こるので、斜め方向から入射する偏光A2は、偏光A1に対する短波長エッジ(550nm〜800nm)よりも短波長の波長帯域において反射型偏光分離素子21で反射される。このため、偏光A2に含まれる可視帯域の全て又は大部分の波長成分は矢印A3で示すように反射されて反射型偏光分離素子21を透過しないので、反射型偏光分離素子21を透過できる偏光A2の量は少なくなる。したがって、画面から斜め方向に出射した偏光A2は低い輝度で使用者に認識されるため、斜めから覗き込んだ他人は画面11に表示された画像を視認し難くなる。

0109

さらに、外光A4の作用によっても、斜めから覗き込んだ他人の視認性は低下することになる。外光A4は自然光であるので非偏光である。そのため、外光A4に含まれる偏光のうち偏光A1,A2と同じ種類の偏光A5は反射型偏光分離素子21によって反射されることになる。この際、前記のように反射帯域のブルーシフトが起こるので、偏光A5は、画面11から斜め方向に出射する偏光A2と同様に、可視帯域の全て又は大部分の波長成分が反射することになる。これにより、斜めから覗き込んだ他人は、偏光A2に加えて、前記の偏光A5も見ることになる。したがって、偏光A5が反射型偏光分離素子21で反射することにより生じる写りこみが、偏光A2により表示される画像を視認し難くすることになるため、斜めから覗き込んだ他人の視認性を更に低下させることができる。

0110

なお、反射型偏光分離素子21に法線方向から入射する外光は、偏光A1と同様に、その可視帯域の全て又は大部分の波長成分が反射型偏光分離素子21で反射されないため、正面から画面11を見た使用者の視認性が大きく損なわれることはない。

0111

以上のように、プライバシーフィルム20によれば、正面から見た場合の画面11の視認性を低下させること無く、画面11から斜め方向へ出光する偏光A2の強度を低下させたり、斜め方向から入射する外光A4を積極的に反射させたりして、斜めから覗き込んだ場合の視認性を低下させることができるようになっている。このようなプライバシーフィルム20は、遮光層を用いた特許文献1記載の技術とは異なり正面から見た使用者が見る偏光A1の吸収が無く、正面輝度の低下が小さい。

0112

また、プライバシーフィルム20は、特殊な遮光層を形成する必要が無く、反射型偏光分離素子21を適用すれば足りるため、その製造に特殊な設備が不要である。また、反射型偏光分離素子21の中でも薄膜化が可能なコレステリック樹脂層等を用いれば、プライバシーフィルム20の厚みを薄くできるため、原料の量を少なくできる。さらに、格子状の遮光層を設ける場合などと異なり、面方向の位置ごとにフィルムの構造に変化をもたせる必要が無いので、層構成をシンプルにできる。したがって、プライバシーフィルム20は、安価に製造することが可能である。

0113

〔実施形態〕
以下、図面を用いて本発明の実施形態について具体的に説明する。

0114

〔第一実施形態〕
図2は、本発明の第一実施形態としての液晶表示装置101を法線方向に平行に切断した断面を模式的に示す断面図である。図2に示すように、液晶表示装置101は筐体110を備え、筐体110には、光源であるバックライト120及び液晶セル130が収納されている。液晶セル130は、液晶層131と、この液晶層131を挟み込むように設けられた入射側偏光板132及び出射側偏光板133とを備え、入射側偏光板132と出射側偏光板133とはクロスニコルに配置されている。また、筐体110には、画像表示用の窓部として機能する開口111が形成され、開口111は透明のカバー部材140により蓋をされている。このカバー部材140の表面が、液晶表示装置101の画面141となる。さらに、液晶セル130とカバー部材140とは離れて設けられているので、液晶セル130とカバー部材140との間には空気層150が存在するようになっている。したがって、この液晶表示装置101は、視認側(図中上側)とは反対側(図中下側。バックライト側)から順に、バックライト120、入射側偏光板132、液晶層131、出射側偏光板133、空気層150及びカバー部材140を備える。そして、バックライト120から出射した光が、入射側偏光板132、液晶層131及び出射側偏光板133を透過して直線偏光となり、この直線偏光が空気層150を通ってカバー部材140から出射することにより、画面141に画像が表示されるようになっている。

0115

他方、プライバシーフィルム200は、その法線方向から入射する円偏光に対する反射帯域の短波長エッジが550nm〜800nmにあるコレステリック樹脂層211と1/4波長板212とを備える反射型偏光分離素子210、並びに、粘着層220を備える。粘着層220は1/4波長板212のコレステリック樹脂層211とは反対側に設けられているので、プライバシーフィルム200は、視認側から順に、コレステリック樹脂層211、1/4波長板212及び粘着層220を備えることになる。

0116

プライバシーフィルム200は粘着層220を貼り付けることで画面141に固定されている。この際、1/4波長板212の遅相軸の方向は、出射側偏光板133を通って画面141から出射する直線偏光が、1/4波長板212によって、コレステリック樹脂層211で反射可能な円偏光に変換されるような方向に設定する。具体的には、出射側偏光板133の透過軸の方向と、1/4波長板212の遅相軸の方向とを、コレステリック樹脂層211が反射する円偏光の回転方向と画面141から出射した直線偏光が1/4波長板212によって変換される円偏光の回転方向とが一致する向きに、略45°(通常は45°±5°)ずらせるようにすればよい。これにより、反射型偏光分離素子210は、画面141から出射する直線偏光を1/4波長板212で円偏光に変換し、変換された円偏光のうち所定の反射帯域の円偏光を反射できるようになるため、法線方向から反射型偏光分離素子210に入射する直線偏光は所定の反射帯域において反射型偏光分離素子210を実質的に透過しないようになっている。

0117

本発明の第一実施形態としての液晶表示装置101は以上のように構成されているので、使用時にはバックライト120を点灯させる。バックライト120から出射した光は液晶セル130において直線偏光に変換され、空気層150及びカバー部材140をこの順に通って画面141から出射する。

0118

画面141から法線方向に出射した偏光A11は、直線偏光の状態でプライバシーフィルム200に入射する。プライバシーフィルム200では、前記の偏光A11は粘着層220を通って法線方向から反射型偏光分離素子210に入射し、1/4波長板212で円偏光に変換されてからコレステリック樹脂層211に入射する。コレステリック樹脂層211に入射した偏光A11は、短波長エッジ以上に長波長の反射帯域において反射されるが、短波長エッジよりも短波長の波長帯域においてはコレステリック樹脂層211を透過する。ここで、法線方向から入射する光に対するコレステリック樹脂層211の反射帯域の短波長エッジが550nm〜800nmにあるため、可視帯域の全て又は大部分の波長成分はコレステリック樹脂層211を透過することになる。したがって、法線方向に出射した偏光A11は円偏光となって高い輝度で使用者に認識されるため、正面から見た使用者は画面141に表示された画像を明瞭に視認できる。

0119

他方、画面141から斜め方向に出射した偏光A12は、直線偏光の状態で粘着層220を通って反射型偏光分離素子210に入射し、1/4波長板212で円偏光に変換されてからコレステリック樹脂層211に入射する点では法線方向に出射した偏光A11と同様である。しかし、斜め方向に出射した偏光A12は斜め方向からコレステリック樹脂層211に入射するので、コレステリック樹脂層211の反射帯域のブルーシフトが生じる。このため、斜め方向に出射した偏光A12は、偏光A11に対する短波長エッジ(550nm〜800nm)よりも短波長の波長帯域においてコレステリック樹脂層211で反射されるので、可視帯域の全て又は大部分の波長成分は矢印A13で示すように反射されてコレステリック樹脂層211を透過できないことになる。したがって、斜め方向に出射した偏光A12は低い輝度で使用者に認識されるため、斜めから覗き込んだ他人は画面141に表示された画像を視認し難い。

0120

さらに、外光A14に含まれる偏光のうち、ブルーシフトした反射帯域にかかる波長帯域の偏光A15がコレステリック樹脂層211において反射する。したがって、反射した偏光A15による写りこみの作用によって、斜めから覗き込んだ他人は画面141に表示された画像を更に視認し難くなる。

0121

また、液晶表示装置101においては、出射側偏光板133とプライバシーフィルム200との間に空気層150を有するため、出射側偏光板133よりも視認側に形成される空気界面(ここでは、カバー部材140の視認側とは反対側の表面)142での反射により、斜めから覗き込んだ他人の視認性を更に低下させることができる。斜め方向に進行する光の一部は空気界面142で反射するため、斜めから覗き込んだ他人が見る偏光A12の輝度が低下するからである。なお、法線方向に進行する光も空気界面142で反射するため、偏光A11の輝度も低下するが、偏光A12の輝度の低下に比べると小さいため、大きな問題にはならない。

0122

ここで、法線方向に出射した偏光A11と斜め方向に出射した偏光A12との反射率の違いについて、フレネルの式を用いて説明する。
p波(TM波E波垂直偏波、平行偏波)の振幅反射率をrpとする。他方、s波(TE波H波水平偏波直交偏波)の振幅反射率をrsとする。このとき、下記の式(C)及び式(D)が成立する。

0123

0124

なお、前記の式(C)及び式(D)において、αは入射角を表し、βは屈折角を表し、n1は入射元の物質絶対屈折率を表し、n2は入射先の物質の絶対屈折率を表す。
例えばn1=1.0、n2=3.0である場合について前記式(C)及び式(D)の関係を図示すると、図3のようになる。ここで、円偏光はs波及びp波の合成成分と見なすことができるので、図3から、入射角が大きいほど反射率が高くなることが示唆される。

0125

なお、上述した第一実施形態としての液晶表示装置101は、更に変更して実施してもよい。
例えば、バックライト120、液晶セル130及びカバー部材140以外の構成要素を設けてもよい。その例を挙げると、輝度向上フィルム光拡散フィルム光学補償フィルムプリズムシートなどが挙げられる。
また、例えば、プライバシーフィルム200の設置位置は出射側偏光板133よりも視認側であれば制限は無く、例えばカバー部材140よりもバックライト120に近い位置に設けてもよい。

0126

〔第二実施形態〕
図4は、本発明の第二実施形態としての液晶表示装置102を法線方向に平行に切断した断面を模式的に示す断面図である。本発明の第二実施形態としての液晶表示装置102は、プライバシーフィルム200の替わりにプライバシーフィルム300を備えること以外は、第一実施形態に係る液晶表示装置101と同様である。

0127

図4に示すように、プライバシーフィルム300は反射型偏光分離素子として第一のコレステリック樹脂層311及び第二のコレステリック樹脂層312を備える偏光分離素子積層体310、並びに、粘着層320を備える。第一のコレステリック樹脂層311及び第二のコレステリック樹脂層312は、いずれも、その法線方向から入射する円偏光に対する反射帯域の短波長エッジが550nm〜800nmにある。ただし、第一のコレステリック樹脂層311及び第二のコレステリック樹脂層312のうち、一方は右円偏光を反射し、他方は左円偏光を反射するようになっている。また、プライバシーフィルム300における各層の順番は、視認側から順に、第二のコレステリック樹脂層312、第一のコレステリック樹脂層311及び粘着層320となっているものとする。プライバシーフィルム300は粘着層320を貼り付けることで画面141に固定されている。

0128

本発明の第二実施形態としての液晶表示装置102は以上のように構成されているので、使用時にはバックライト120を点灯させる。バックライト120から出射した光は液晶セル130において直線偏光に変換され、空気層150及びカバー部材140をこの順に通って画面141から出射する。

0129

画面141から法線方向に出射した偏光A21は、直線偏光の状態でプライバシーフィルム300に入射する。プライバシーフィルム300では、前記の偏光A21は粘着層320を通って法線方向から偏光分離素子積層体310に入射する。ここで、直線偏光は回転方向が逆の2つの円偏光を合成した光とみなせる。このため、偏光分離素子積層体310に入射した偏光A21は、第一のコレステリック樹脂層311及び第二のコレステリック樹脂層312それぞれの反射帯域において、第一のコレステリック樹脂層311でその右円偏光及び左円偏光の一方が反射され、第二のコレステリック樹脂層312でその右円偏光及び左円偏光の他方が反射される。しかし、法線方向から入射する光に対する第一のコレステリック樹脂層311及び第二のコレステリック樹脂層312の反射帯域の短波長エッジが550nm〜800nmにあるため、可視帯域の全て又は大部分の波長成分は第一のコレステリック樹脂層311及び第二のコレステリック樹脂層312を透過することになる。したがって、法線方向に出射した偏光A21は直線偏光のまま高い輝度で使用者に認識されるため、正面から見た使用者は画面141に表示された画像を明瞭に視認できる。

0130

他方、画面141から斜め方向に出射した偏光A22は、直線偏光の状態で粘着層320を通って偏光分離素子積層体310に入射する点では法線方向に出射した偏光A21と同様である。しかし、斜め方向に出射した偏光A22は斜め方向から第一のコレステリック樹脂層311及び第二のコレステリック樹脂層312に入射するので、第一のコレステリック樹脂層311及び第二のコレステリック樹脂層312それぞれの反射帯域のブルーシフトが生じる。このため、斜め方向に出射した偏光A22は、偏光A21に対する短波長エッジ(550nm〜800nm)よりも短波長の波長帯域において、第一のコレステリック樹脂層311によってその右円偏光及び左円偏光の一方A23が反射され、第二のコレステリック樹脂層312によってその右円偏光及び左円偏光の他方A24が反射されるので、可視帯域の全て又は大部分の波長成分は偏光分離素子積層体310を透過できないことになる。したがって、斜め方向に出射した偏光A22は低い輝度で使用者に認識されるため、斜めから覗き込んだ他人は画面141に表示された画像を視認し難い。

0131

さらに、外光A25に含まれる偏光のうち、ブルーシフトした反射帯域にかかる波長帯域の円偏光A26及び円偏光A27が第一のコレステリック樹脂層311及び第二のコレステリック樹脂層312において反射する。したがって、反射した円偏光A26及び円偏光A27による写りこみの作用によって、斜めから覗き込んだ他人は画面141に表示された画像を更に視認し難くなる。

0132

また、第二実施形態としての液晶表示装置102では、第一実施形態としての液晶表示装置101と同様の利点を得ることができる。
なお、第二実施形態としての液晶表示装置102は、第一実施形態としての液晶表示装置101と同様に、更に変更して実施してもよい。

0133

〔第三実施形態〕
図5は、本発明の第三実施形態としての液晶表示装置103を法線方向に平行に切断した断面を模式的に示す断面図である。本発明の第三実施形態としての液晶表示装置103は、プライバシーフィルム200の替わりにプライバシーフィルム400を備えること以外は、第一実施形態に係る液晶表示装置101と同様である。

0134

図5に示すように、プライバシーフィルム400は、反射型偏光分離素子である第一のコレステリック樹脂層411、1/2波長板412、及び反射型偏光分離素子である第二のコレステリック樹脂層413を備える偏光分離素子積層体410、並びに、粘着層420を備える。第一のコレステリック樹脂層411及び第二のコレステリック樹脂層413は、いずれも、その法線方向から入射する円偏光に対する反射帯域の短波長エッジが550nm〜800nmにある。ただし、第一のコレステリック樹脂層411及び第二のコレステリック樹脂層413は両方とも右円偏光及び左円偏光のうち一方を反射するようになっている。また、プライバシーフィルム400における各層の順番は、視認側から順に、第二のコレステリック樹脂層413、1/2波長板412、第一のコレステリック樹脂層411及び粘着層420となっているものとする。プライバシーフィルム400は粘着層420を貼り付けることで画面141に固定されている。

0135

本発明の第三実施形態としての液晶表示装置103は以上のように構成されているので、使用時にはバックライト120を点灯させる。バックライト120から出射した光は液晶セル130において直線偏光に変換され、空気層150及びカバー部材140をこの順に通って画面141から出射する。

0136

画面141から法線方向に出射した偏光A31は、直線偏光の状態でプライバシーフィルム400に入射する。プライバシーフィルム400では、前記の偏光A31は粘着層420を通って法線方向から偏光分離素子積層体410に入射する。前記のように、直線偏光は回転方向が逆の2つの円偏光を合成した光とみなせる。このため、偏光分離素子積層体410に入射した偏光A31は、第一のコレステリック樹脂層411の反射帯域において、第一のコレステリック樹脂層411でその右円偏光及び左円偏光の一方が反射される。その後、1/2波長板412で透過光(ここでは偏光A31)の1/2波長の位相差が与えられた後で第二のコレステリック樹脂層413に入射し、その右円偏光及び左円偏光の他方が第二のコレステリック樹脂層413で反射される。しかし、法線方向から入射する光に対する第一のコレステリック樹脂層411及び第二のコレステリック樹脂層413の反射帯域の短波長エッジが550nm〜800nmにあるため、可視帯域の全て又は大部分の波長成分は第一のコレステリック樹脂層411及び第二のコレステリック樹脂層413を透過することになる。したがって、法線方向に出射した偏光A31は直線偏光のまま高い輝度で使用者に認識されるため、正面から見た使用者は画面141に表示された画像を明瞭に視認できる。

0137

他方、画面141から斜め方向に出射した偏光A32は、直線偏光の状態で粘着層420を通って偏光分離素子積層体410に入射する点では法線方向に出射した偏光A31と同様である。しかし、斜め方向に出射した偏光A32は斜め方向から第一のコレステリック樹脂層411及び第二のコレステリック樹脂層413に入射するので、第一のコレステリック樹脂層411及び第二のコレステリック樹脂層413それぞれの反射帯域のブルーシフトが生じる。このため、斜め方向に出射した偏光A32は、偏光A31に対する短波長エッジ(550nm〜800nm)よりも短波長の波長帯域において、第一のコレステリック樹脂層411によってその右円偏光及び左円偏光の一方A33が反射され、第二のコレステリック樹脂層413によってその右円偏光及び左円偏光の他方A34が反射されるので、可視帯域の全て又は大部分の波長成分は偏光分離素子積層体410を透過できないことになる。したがって、斜め方向に出射した偏光A32は低い輝度で使用者に認識されるため、斜めから覗き込んだ他人は画面141に表示された画像を視認し難い。

0138

さらに、外光A35に含まれる偏光のうち、ブルーシフトした反射帯域にかかる波長帯域の円偏光A36及び円偏光A37が第一のコレステリック樹脂層411及び第二のコレステリック樹脂層413において反射する。したがって、反射した円偏光A36及び円偏光A37による写りこみの作用によって、斜めから覗き込んだ他人は画面141に表示された画像を更に視認し難くなる。

0139

また、第三実施形態としての液晶表示装置103では、第一実施形態及び第二実施形態としての液晶表示装置101,102と同様の利点を得ることができる。
なお、第三実施形態としての液晶表示装置103は、第一実施形態及び第二実施形態としての液晶表示装置101,102と同様に、更に変更して実施してもよい。

0140

〔第四実施形態〕
図6は、本発明の第四実施形態としての有機EL表示装置104を法線方向に平行に切断した断面を模式的に示す断面図である。図6に示すように、有機EL表示装置104は前フレーム510及び裏フレーム520を備え、前フレーム510及び裏フレーム520に囲まれた室内に他の部材(後述するTFT基板530、有機EL素子540、封止部材550及び光学フィルム570等)が収納されている。また、前フレーム510には窓部として機能する開口511が形成されている。
裏フレーム520の表面521には、各画素アクティブ素子で駆動するアクティブマトリクス基板として、TFT(薄膜トランジスタ基板530が設けられている。TFT基板530は画素に対応してマトリクス状に配列されていて、各TFT基板530上に、有機EL素子540が設けられている。有機EL素子540は透明電極反射電極正孔注入層正孔輸送層電子阻止層発光層正孔素子層電子輸送層電子注入層などの層(いずれも図示せず。)を備えて構成される素子であり、TFT基板530による駆動によって、図中上側の表面(発光面)541から面発光するようになっている。
また、裏フレーム520上には、TFT基板530及び有機EL素子540を覆う封止部材550が設けられ、封止部材550の内側の気密が保たれるようになっている。さらに、有機EL素子540と封止部材550との間には空隙560が設けられている。通常、この空隙560には窒素ガス等の不活性ガス充填される。
封止部材550の外側表面には光学フィルム570が設けられている。この光学フィルム570は、視野角の補償等の目的で設けられるフィルムであり、通常は位相差層、保護層、静電防止層等を備える複層フィルムである。

0141

このように、有機EL表示装置104は、視認側(図中上側)とは反対側(図中下側。光源側)から順に、有機EL素子540、空隙560、封止部材550及び光学フィルム570を備える。そして、TFT基板530の駆動により有機EL素子540の発光面541から出射した光が、空隙560、封止部材550及び光学フィルム570を通って光学フィルム570の外面である画面571から出射することにより、画面571に画像が表示されるようになっている。

0142

他方、プライバシーフィルム300は第二実施形態で説明したものと同様である。本実施形態では、プライバシーフィルム300は粘着層320を貼り付けることで画面571に固定されている。

0143

本発明の第四実施形態としての有機EL表示装置104は以上のように構成されているので、使用時には有機EL素子540を発光させる。有機EL素子540から出射した光は非偏光であり、非偏光のまま画面571から出射する。

0144

画面571から法線方向に出射した非偏光A41はプライバシーフィルム300に入射する。プライバシーフィルム300では、前記の非偏光A41は粘着層320を通って法線方向から偏光分離素子積層体310に入射する。偏光分離素子積層体310に入射した非偏光A41は、第一のコレステリック樹脂層311及び第二のコレステリック樹脂層312それぞれの反射帯域において、第一のコレステリック樹脂層311でその右円偏光及び左円偏光の一方が反射され、第二のコレステリック樹脂層312でその右円偏光及び左円偏光の他方が反射される。しかし、法線方向から入射する光に対する第一のコレステリック樹脂層311及び第二のコレステリック樹脂層312の反射帯域の短波長エッジが550nm〜800nmにあるため、可視帯域の全て又は大部分の波長成分は第一のコレステリック樹脂層311及び第二のコレステリック樹脂層312を透過することになる。したがって、法線方向に出射した非偏光A41は高い輝度で使用者に認識されるため、正面から見た使用者は画面571に表示された画像を明瞭に視認できる。

0145

他方、画面571から斜め方向に出射した非偏光A42は粘着層320を通って偏光分離素子積層体310に入射する点では法線方向に出射した非偏光A41と同様である。しかし、斜め方向に出射した非偏光A42は斜め方向から第一のコレステリック樹脂層311及び第二のコレステリック樹脂層312に入射するので、第一のコレステリック樹脂層311及び第二のコレステリック樹脂層312それぞれの反射帯域のブルーシフトが生じる。このため、斜め方向に出射した非偏光A42は、非偏光A41に対する短波長エッジ(550nm〜800nm)よりも短波長の波長帯域において、第一のコレステリック樹脂層311によってその右円偏光及び左円偏光の一方A43が反射され、第二のコレステリック樹脂層312によってその右円偏光及び左円偏光の他方A44が反射されるので、可視帯域の全て又は大部分の波長成分は偏光分離素子積層体310を透過できないことになる。したがって、斜め方向に出射した非偏光A42は低い輝度で使用者に認識されるため、斜めから覗き込んだ他人は画面571に表示された画像を視認し難い。

0146

さらに、外光A45に含まれる偏光のうち、ブルーシフトした反射帯域にかかる波長帯域の円偏光A46及び円偏光A47が第一のコレステリック樹脂層311及び第二のコレステリック樹脂層312において反射する。したがって、反射した円偏光A46及び円偏光A47による写りこみの作用によって、斜めから覗き込んだ他人は画面571に表示された画像を更に視認し難くなる。

0147

また、有機EL表示装置104においては、有機EL素子540の発光面541と画面571との間に空隙560を有するため、第一〜第三実施形態における空気界面142での反射と同様、発光面541よりも視認側に形成される気相固相界面(ここでは、封止部材550の視認側とは反対側の表面)551での反射により、斜めから覗き込んだ他人の視認性を更に低下させることができる。

0148

有機EL表示装置は、(i)バックライトが不要な自己発光素子である有機EL素子を備えており、(ii)応答速度が速く動画静止画の区別無く高品位表示が可能であり、(iii)直流低電圧駆動が可能である、等の利点を有する。また、(iv)有機EL表示装置はバックライトが不要であるので、バックライト構造支え樹脂モールド部品も不要であり、薄型や軽量化、低コスト化等の製品優位性を有する。このように有機EL表示装置は優れた利点を多数有するが、視野角が広いため、他者に容易に覗き見される傾向がある。これに対し、有機EL表示装置に本発明に係るプライバシーフィルム300を用いれば、液晶表示装置に適用した場合と同様、正面から見た場合の画面の視認性を維持しながら斜め方向から見た場合の画面の視認性を低下させることができる。

0149

なお、上述した第四実施形態としての有機EL表示装置104は、更に変更して実施してもよい。
例えば、前フレーム510、裏フレーム520、TFT基板530、有機EL素子540、封止部材550及び光学フィルム570以外の構成要素を設けてもよい。
また、例えば、プライバシーフィルム300の設置位置は発光面541よりも視認側であれば制限は無く、例えば封止部材550又は光学フィルム570よりも有機EL素子540に近い位置に設けてもよい。

0150

〔第五実施形態〕
図7は、本発明の第五実施形態としての有機EL表示装置105を法線方向に平行に切断した断面を模式的に示す断面図である。本発明の第五実施形態としての有機EL表示装置105は、プライバシーフィルム300の替わりにプライバシーフィルム400を備えること以外は、第四実施形態に係る有機EL表示装置104と同様である。

0151

本発明の第五実施形態としての有機EL表示装置105は以上のように構成されているので、使用時には有機EL素子540を発光させる。有機EL素子540から出射した光は非偏光であり、非偏光のまま画面571から出射する。

0152

画面571から法線方向に出射した非偏光A51はプライバシーフィルム400に入射する。プライバシーフィルム400では、前記の非偏光A51は粘着層420を通って法線方向から偏光分離素子積層体410に入射する。偏光分離素子積層体410に入射した非偏光51は、第一のコレステリック樹脂層411の反射帯域において、第一のコレステリック樹脂層411でその右円偏光及び左円偏光の一方が反射される。その後、1/2波長板412で透過光(ここでは、非偏光A51)の1/2波長の位相差が与えられた後で第二のコレステリック樹脂層413に入射し、その右円偏光及び左円偏光の他方が第二のコレステリック樹脂層413で反射される。しかし、法線方向から入射する光に対する第一のコレステリック樹脂層411及び第二のコレステリック樹脂層413の反射帯域の短波長エッジが550nm〜800nmにあるため、可視帯域の全て又は大部分の波長成分は第一のコレステリック樹脂層411及び第二のコレステリック樹脂層413を透過することになる。したがって、法線方向に出射した非偏光A51は高い輝度で使用者に認識されるため、正面から見た使用者は画面571に表示された画像を明瞭に視認できる。

0153

他方、画面571から斜め方向に出射した非偏光A52は粘着層420を通って偏光分離素子積層体410に入射する点では法線方向に出射した非偏光A51と同様である。しかし、斜め方向に出射した非偏光A52は斜め方向から第一のコレステリック樹脂層411及び第二のコレステリック樹脂層413に入射するので、第一のコレステリック樹脂層411及び第二のコレステリック樹脂層413それぞれの反射帯域のブルーシフトが生じる。このため、斜め方向に出射した非偏光A52は、非偏光A51に対する短波長エッジ(550nm〜800nm)よりも短波長の波長帯域において、第一のコレステリック樹脂層411によってその右円偏光及び左円偏光の一方A53が反射され、第二のコレステリック樹脂層413によってその右円偏光及び左円偏光の他方A54が反射されるので、可視帯域の全て又は大部分の波長成分は偏光分離素子積層体410を透過できないことになる。したがって、斜め方向に出射した非偏光A52は低い輝度で使用者に認識されるため、斜めから覗き込んだ他人は画面571に表示された画像を視認し難い。

0154

さらに、外光A55に含まれる偏光のうち、ブルーシフトした反射帯域にかかる波長帯域の円偏光A56及び円偏光A57が第一のコレステリック樹脂層411及び第二のコレステリック樹脂層413において反射する。したがって、反射した円偏光A56及び円偏光A57による写りこみの作用によって、斜めから覗き込んだ他人は画面571に表示された画像を更に視認し難くなる。

0155

また、第五実施形態としての有機EL表示装置105では、第四実施形態としての有機EL表示装置104と同様の利点を得ることができる。
なお、第五実施形態としての有機EL表示装置105は、第四実施形態としての有機EL表示装置104と同様に、更に変更して実施してもよい。

0156

以下、実施例を示して本発明について更に具体的に説明するが、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施できる。なお、以下の説明において量を表す「部」は、特に断らない限り「重量部」を表す。

0157

評価方法
(1.反射帯域の短波長エッジ及び帯域幅の測定)
分光光度計(日本分光社製、品名V−570)を用いて反射型偏光分離素子の透過スペクトルを測定した。測定された透過スペクトルにおいて、透過率が65%となる波長帯域を反射帯域として特定し、その反射帯域の最も短波長の波長(短波長エッジ)と帯域幅を求めた。

0158

(2.覗き見防止性の評価)
プライバシーフィルムを貼り付けた携帯電話の画面を目視にて観察した。画面の正面(法線方向。極角0°)から斜めに傾けて見た場合に、画面上の文字が視認できる極角の範囲を測定し、以下の要領で評価した。なお、極角とは、画面の法線方向に対して観察方向がなす角度を指す。
1:極角0°〜70°で画面上の文字の視認可。
2:極角0°〜60°で画面上の文字の視認可。
3:極角0°〜50°で画面上の文字の視認可。
4:極角0°〜40°で画面上の文字の視認可。
5:極角0°〜30°で画面上の文字の視認可。

0159

(3.正面輝度の測定方法
プライバシーフィルムを貼り付けた携帯電話の画面を、autronic−MELHERS社製 CONOSCOPEにて測定し、正面輝度を測定した。

0160

(4.リワーク性の評価)
プライバシーフィルムを携帯電話の画面に一回貼り付け、その後、プライバシーフィルムを携帯電話の画面から剥がした。剥がした後の画面を観察し、画面に糊残りがなくベタツキ間が全くないものを「良」とし、糊残りが見られるものを「不良」とした。

0161

〔実施例1〕
(1.基材の用意)
シート状基材商品名「ゼオノアZF14−100」、日本ゼオン株式会社製)の片面に、濡れ指数が56mN/mになるようにコロナ放電処理を施した。このコロナ放電処理面に、ポリビニルアルコール(商品名「ポバールPVA203」、株式会社クラレ製)を#2バーコーターにて塗布し、120℃で5分間乾燥し、膜厚0.2μmの乾膜を製造した。該乾膜を一方向にラビング処理することで、配向膜を有する基材を得た。

0162

(2.基材−コレステリック樹脂層の積層体の作製)
重合性液晶化合物である下記化合物1(屈折率異方性Δn=0.22)を94.00重量部と、液晶性を有さない下記化合物2を23.50重量部と、カイラル剤(BASF社製、商品名「LC756」)を6.00重量部と、光重合開始剤(チバスシャリティ・ケミカルズ社製、商品名「OXE02」)を3.82重量部と、界面活性剤フタージェント209F(ネオス社製)を0.13重量部と、2−ブタノン(溶媒)を191.17重量部とを混合し、コレステリック液晶組成物を調製した。なお、化合物1においてEtはエチル基を表す。

0163

0164

0165

調製したコレステリック液晶組成物を、配向膜を有する基材の配向膜を有する面にバー#20にて塗布した。塗膜を100℃で5分間配向処理し、当該塗膜に対して0.1mJ/cm2〜45mJ/cm2の微弱な紫外線の照射処理と、それに続く100℃で1分間の加温処理からなるプロセスを2回繰り返した後、窒素雰囲気下で800mJ/cm2の紫外線を照射して、乾燥膜厚10μmのコレステリック樹脂層を形成した。これにより、基材−コレステリック樹脂層の層構成を有する積層体を得た。得られた積層体を用いて、上述した要領でコレステリック樹脂層の反射帯域の短波長エッジ及び帯域幅を測定した。結果を表2に示す。

0166

(3.1/4波長板の作製)
透明な熱可塑性樹脂として脂環式構造を有する樹脂ペレット(日本ゼオン社製、ZEONOR1420、ガラス転移温度136℃)を100℃にて5時間乾燥し、押し出し成形機に供給し、リップ開度を調整したダイから冷却ロール上にシート状に押し出し、冷却ロール上にて冷却して、平均厚みが100μmの長尺延伸前フィルムを得た。

0167

次いで、延伸前フィルムを縦一軸延伸機に連続的に供給し、延伸温度150℃、延伸倍率1.3倍の縦一軸延伸を行い、平均膜厚87μmの縦一軸延伸フィルムを得た。
さらに、縦一軸延伸フィルムを斜め延伸機連続供給して、斜め延伸を行い、平均厚みは32μm、平均配向角は45°の1/4波長板を得た。1/4波長板は、幅1350mmの長尺の形状とした。
得られた1/4波長板の波長550nmにおけるリターデーション値は、厚み方向のリターデーションRthは158nm、正面方向のリターデーションReは140nmであった。

0168

(4.基材−コレステリック樹脂層−接着層の積層体の作製)
ウレタンアクリレート(商品名「UV−7000B」、日本合成化学(株)社製)54.5部、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(商品名「DA141」、ナガセケミテック社製)36.4部、4−ヒドロキシブチルアクリレート9.1部、メチルエチルケトン17.8部、及び、光重合開始剤(商品名「IRGACURE184」、チバ・スペシャリティケミカルズ社製)0.9部を混合溶解させて接着剤液を用意した。

0169

他方、(2.基材−コレステリック樹脂層の積層体の作製)で製造した積層体のコレステリック樹脂層の表面にコロナ放電処理(処理条件:150W・min/m2)を行い、コロナ放電処理面を形成した。このコロナ放電処理面に、#28バーを用いて前記の接着剤液を塗布し、60℃にて3分間乾燥し、膜厚20μmの接着層を形成した。これにより、基材−コレステリック樹脂層−接着層の積層体を製造した。

0170

(5:基材−コレステリック樹脂層−接着層−1/4波長板の積層体の作製)
前記(3.1/4波長板の作製)で得た1/4波長板の片面にコロナ放電処理(処理条件:150W・min/m2)を施し、コロナ放電処理面を形成した。この1/4波長板のコロナ放電処理面と、前記(4.基材−コレステリック樹脂層−接着層の積層体の作製)で得た積層体の接着層側の表面とを重ねて、速度0.5m/min、狭圧0.3MPa〜0.4MPaでラミネーターにて貼り合わせた。得られた積層体の1/4波長板側から紫外線(UV)の照射を行い、接着層を硬化させた。なお、紫外線の照射は、日本電池社製大型UV照射装置メタルハライドランプ、照射時間12秒、積層光量1200J/cm2)を用いて行った。

0171

(6.基材−コレステリック樹脂層−接着層−1/4波長板−粘着層の積層体の作製)
粘着剤として、東レ・ダウコーニング社製の架橋剤を含有する付加反応型シリコーン粘着剤[SD−4560PSA]100質量部と、東レ・ダウコーニング社製の白金触媒[SRX−212]0.9質量部とからなる混合液を、トルエン100質量部で希釈した溶液(粘着剤溶液)を用意した。

0172

PET基材として、東レ(株)製のポリエチレンテレフタレートフィルム「PET25T70」を用意した。剥離剤であるフッ素樹脂を厚さ0.3μmになるようにコーティングした剥離材として厚さ38μmのリンテック(株)製ポリエチレンテレフタレートフィルム「SP−PET38YSD」を用意した。上記PET基材の片面に上記粘着剤溶液を乾燥後の厚さが30μmとなるようにブレードを用いて塗布し、130℃で5分間乾燥させて粘着剤層を形成させた。この粘着剤層を上記剥離材のフッ素樹脂コーティング面と貼り合わせることにより、PET基材−粘着剤層−剥離材の層構成を有する粘着シートを作製した。

0173

前記の(5:基材−コレステリック樹脂層−接着層−1/4波長板の積層体の作製)で得た積層体の1/4波長板の表面をコロナ処理(処理条件:150W・min/m2)した。次に、上記の粘着シートから剥離材を剥離した後、粘着シートの粘着材層を1/4波長板の表面に貼り合わせた。その後、PET基材を剥離することにより、基材−コレステリック樹脂層−接着層−1/4波長板−粘着層の積層体を、プライバシーフィルムとして得た。

0174

(7.液晶表示装置への貼り付け)
シャープ社製携帯電話SH−251iを用意した。なお、用意した携帯電話は、その液晶表示装置の液晶セルの出射側偏光板と、画面のカバー部材(窓材)との間に空気層を有する。この携帯電話の液晶表示装置の画面に、前記のプライバシーフィルムの粘着層を貼り付けて、プライバシーフィルムを取り付けた。
取り付ける際、液晶表示装置の液晶セルの出射側偏光板の透過軸と、プライバシーフィルムの1/4波長板の遅相軸とが+45°の角度をなすようにした。これにより、液晶セルの出射側偏光板から出射した直線偏光は、1/4波長板によって円偏光に変換され、その円偏光はコレステリック樹脂層により反射帯域において反射されることになる。なお、出射側偏光板の透過軸と1/4波長板の遅相軸とがなす角度は、視認側から見た場合に出射偏光板の透過軸を基準として1/4波長板の遅相軸がなす角度を指し、時計回りの角度を正、反時計回りの角度を負の値とする。

0175

プライバシーフィルムを取り付けた携帯電話の液晶表示装置を白表示させて上述した要領で評価した。結果を表2に示す。

0176

〔実施例2〕
前記(2.基材−コレステリック樹脂層の積層体の作製)において、下記の(i)及び(ii)のような変更を行ったこと以外は実施例1と同様にして、プライバシーフィルムを製造して携帯電話に取り付け、評価した。結果を表2に示す。
(i)コレステリック液晶組成物に含まれる成分の配合を、化合物1を93.82重量部、化合物2を23.46重量部、カイラル剤を6.18重量部、光重合開始剤を3.82重量部、界面活性剤を0.13重量部、及び、2−ブタノンを191.2重量部に変更した。
(ii)コレステリック液晶組成物の塗膜に対する0.1mJ/cm2〜45mJ/cm2の微弱な紫外線の照射処理と、それに続く100℃で1分間の加温処理からなるプロセスを2回繰り返す操作を実施しなかった。

0177

〔実施例3〕
前記(2.基材−コレステリック樹脂層の積層体の作製)において、コレステリック液晶組成物に含まれる成分の配合を、化合物1を93.54重量部、化合物2を23.38重量部、カイラル剤を6.46重量部、光重合開始剤を3.82重量部、界面活性剤を0.13重量部、及び、2−ブタノンを191.2重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、プライバシーフィルムを製造して携帯電話に取り付け、評価した。結果を表2に示す。

0178

〔実施例4〕
前記(2.基材−コレステリック樹脂層の積層体の作製)において、コレステリック液晶組成物に含まれる成分の配合を、化合物1を94.75重量部、化合物2を23.69重量部、カイラル剤を5.25重量部、光重合開始剤を3.82重量部、界面活性剤を0.13重量部、及び、2−ブタノンを191.2重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、プライバシーフィルムを製造して携帯電話に取り付け、評価した。結果を表2に示す。

0179

〔実施例5〕
前記(6.基材−コレステリック樹脂層−接着層−1/4波長板−粘着層の積層体の作製)において、粘着剤溶液として、アクリル系の粘着剤(綜研化学社製、SKダイン2094)をトルエン100質量部で希釈した溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、プライバシーフィルムを製造して携帯電話に取り付け、評価した。結果を表2に示す。

0180

〔実施例6〕
前記(7.液晶表示装置への貼り付け)において、携帯電話の液晶表示装置の画面にプライバシーフィルムを取り付ける代わりに、携帯電話を分解して画面の窓材を取り外し、液晶セルの出射側偏光板の視認側表面にプライバシーフィルムを直接貼り付けるようにしたこと以外は実施例1と同様にして、プライバシーフィルムを製造して携帯電話に取り付けた。これにより、液晶セルの出射側偏光板とプライバシーフィルムとの間には空気層は存在しなくなった。用意した携帯電話を上述した要領で評価した。結果を表2に示す。

0181

〔比較例1〕
前記(2.基材−コレステリック樹脂層の積層体の作製)において、コレステリック液晶組成物に含まれる成分の配合を、化合物1を93.00重量部、化合物2を23.25重量部、カイラル剤を7.00重量部、光重合開始剤を3.82重量部、界面活性剤を0.13重量部、及び、2−ブタノンを191.2重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、プライバシーフィルムを製造して携帯電話に取り付け、評価した。結果を表2に示す。

0182

〔比較例2〕
前記(2.基材−コレステリック樹脂層の積層体の作製)において、コレステリック液晶組成物に含まれる成分の配合を、化合物1を95.33重量部、化合物2を23.83重量部、カイラル剤を4.67重量部、光重合開始剤を3.82重量部、界面活性剤を0.13重量部、及び、2−ブタノンを191.2重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、プライバシーフィルムを製造して携帯電話に取り付け、評価した。結果を表2に示す。

0183

〔比較例3〕
前記(7.液晶表示装置への貼り付け)において、液晶表示装置の液晶セルの出射側偏光板の透過軸と、プライバシーフィルムの1/4波長板の遅相軸とが−45°の角度をなすようにしたこと以外は実施例1と同様にして、プライバシーフィルムを製造して携帯電話に取り付けた。これにより、液晶セルの出射側偏光板から出射した直線偏光は、1/4波長板によって円偏光に変換されるが、その円偏光はコレステリック樹脂層により反射されないことになる。用意した携帯電話を上述した要領で評価した。結果を表2に示す。

0184

0185

0186

〔検討〕
表2から、実施例1〜実施例6のプライバシーフィルムを用いれば、正面輝度を高く維持しながら、覗き見を防止できることが分かる。他方、比較例1では正面輝度が低くなっているが、これは、短波長エッジが過度に短波長であるためにコレステリック樹脂層の反射帯域が可視帯域に大きくかかり、画面から法線方向に出射する可視光がコレステリック樹脂層で大量に反射されたためと考えられる。また、比較例2では覗き見防止性が低いが、これは、短波長エッジが過度に長波長であるためにブルーシフトが生じてもコレステリック樹脂層の反射帯域が可視帯域にほとんど及ばず、画面から斜め方向に出射する可視光が反射され難くなったためと考えられる。さらに、比較例3でも覗き見防止性が低いが、これは、液晶セルの出射側偏光板の透過軸と1/4波長板の透過軸とがなす角度を不適切に設定したため、画面から出射する直線偏光を1/4波長板で変換した円偏光の回転方向と、コレステリック樹脂層が反射できる円偏光の回転方向とが逆方向になり、画面から出射する可視光が反射され難くなったためと考えられる。

実施例

0187

また、実施例1と実施例2との対比から、コレステリック樹脂層の反射帯域の帯域幅が広いほうが、画面から斜め方向に出射する可視光を効率的に反射させることができるため、覗き見防止性を高められることが分かる。
また、実施例1と実施例3との対比から、短波長エッジを短波長にするとコレステリック樹脂層の反射帯域が可視光に大きくかかるために正面輝度が低下する傾向があることが分かる。さらに、実施例1と実施例4との対比から、短波長エッジを長波長にすると画面から斜め方向に出射する可視光が反射され難くなって覗き見防止性が低下する傾向があることが分かる。したがって、正面輝度と覗き見防止性とを両立させる観点からは、短波長エッジには好適な範囲が存在することが理解できる。
また、実施例1と実施例5との対比から、粘着層をシリコーン粘着層とすることにより、リワーク性を向上させられることが分かる。
さらに、実施例1と実施例6との対比から、液晶セルの出射側偏光板とプライバシーフィルムとの間に空気層を介在させることにより、覗き見防止性を高められることが分かる。

0188

以上のように、本発明に係るプライバシーフィルムは表示装置の覗き見防止に有用であり、特に、液晶表示装置に用いて好適である。

0189

10表示装置
11画面
20プライバシーフィルム
21反射型偏光分離素子
101,102,103液晶表示装置
104,105有機EL表示装置
110筐体
120バックライト
130液晶セル
131液晶層
132入射側偏光板
133出射側偏光板
140カバー部材
141 画面
142 カバー部材140の視認側とは反対側の表面
150空気層
200 プライバシーフィルム
210 反射型偏光分離素子
211コレステリック樹脂層
212 1/4波長板
220粘着層
300 プライバシーフィルム
310偏光分離素子積層体
311 第一のコレステリック樹脂層
312 第二のコレステリック樹脂層
320 粘着層
400 プライバシーフィルム
410 偏光分離素子積層体
411 第一のコレステリック樹脂層
412 1/2波長板
413 第二のコレステリック樹脂層
420 粘着層
510 前フレーム
520裏フレーム
530TFT基板
540有機EL素子
541発光面
550封止部材
560 空隙
570光学フィルム
571 画面

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