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技術 電子部品材料用Si粉末

出願人 山陽特殊製鋼株式会社
発明者 澤田俊之
出願日 2010年4月19日 (10年2ヶ月経過) 出願番号 2010-095630
公開日 2011年11月10日 (8年7ヶ月経過) 公開番号 2011-225391
状態 特許登録済
技術分野 珪素及び珪素化合物
主要キーワード 上円盤 銅製容器 ヒートシンク体 Fe不純物 供試粉末 電子部品材料用 電流遮断性 充填体
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2011年11月10日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

課題

粉末充填体としての電流遮断性熱伝導性が高く、かつ充填密度の高い安価な電子部品材料用Si粉末を提供する。

解決手段

Fe:0.01〜2質量%含み、残部Siおよび不可避的不純物からなり、内部に生成する膜状不純相の厚さが2μm以下である、球形状もしくは概ね球形状であることを特徴とした電子部品材料用Si粉末。

概要

背景

一般に、Siは半導体元素であり固有抵抗が高いことが大きな特徴であり、FeやNiなどの金属と比較すると、2〜5桁も大きい特徴を有しており、様々な電子部品に使用されている。しかしながら、Siの固有抵抗は不純物の影響を大きく受ける。特にFeはSiと化合物を生成し、固有抵抗を下げてしまう不純物的元素である。通常、電子部品などに使用するSi粉末は、母材として半導体太陽電池に使用されるSiウェハーなど、高純度バルク体粉砕して製造されることから、Feを主体とした不純物の量は低いが、製造コストはかなり高価である。これらのSiウェハーの純度は一般的に5N以上にもなる。

そこで発明者は、高純度Siの原料としては通常は使用されることのない、安価なSi原料である主に鉄鋼材料を製造する際に添加材として使用されるSi原料に着目したが、安価ではあるが純度が98〜99%程度と極めて低く、特に不純物としてFeを多く含有しているので、これを原料として粉砕したSi粉末では高い固有抵抗は期待できなかった。このように、安価なSi原料を使用して、高い固有抵抗を有するSi粉末を作製することは従来困難であった。

また、一般に市販されているSi粉末はSiウェハーなどのバルク体を粉砕したものであり不定形状である。そのため、充填密度が低い。Si粉末の充填体絶縁性ヒートシンク体として使用する場合、熱伝導性が重要になるが、この熱伝導性はSi粉末の充填密度の影響が大きい。これは、一定の体積中に熱を伝えるSi粉末を多く充填することにより、充填体の熱伝導性が良好になるものと推測される。しかしながら、バルク体の粉砕粉末では、タップ密度真密度のおよそ60%以下と低く、熱伝導性が低い。このように、安価なSi原料からなり、その充填体の電流遮断性と熱伝導性が高いSi粉末が望まれているが、十分な特性を有するSi粉末が実現されていないのが現状である。

このようなSi粉末は、例えば特開2005−60830号公報(特許文献1)に開示されいるように、軟磁性粉末表面に、Si粉末を被覆する電子部品などに使用される。
特開2005−60830号公報

概要

粉末充填体としての電流遮断性と熱伝導性が高く、かつ充填密度の高い安価な電子部品材料用Si粉末を提供する。 Fe:0.01〜2質量%含み、残部Siおよび不可避的不純物からなり、内部に生成する膜状不純相の厚さが2μm以下である、球形状もしくは概ね球形状であることを特徴とした電子部品材料用Si粉末。

目的

このように、安価なSi原料からなり、その充填体の電流遮断性と熱伝導性が高いSi粉末が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

Fe:0.01〜2質量%含み、残部Siおよび不可避的不純物からなり、内部に生成する膜状不純相の厚さが2μm以下である、球形状もしくは概ね球形状であることを特徴とした電子部品材料用Si粉末

技術分野

0001

本発明は、粉末充填体としての電流遮断性熱伝導性が高く、かつ充填密度の高い、安価な電子部品材料用Si粉末に関するものである。

背景技術

0002

一般に、Siは半導体元素であり固有抵抗が高いことが大きな特徴であり、FeやNiなどの金属と比較すると、2〜5桁も大きい特徴を有しており、様々な電子部品に使用されている。しかしながら、Siの固有抵抗は不純物の影響を大きく受ける。特にFeはSiと化合物を生成し、固有抵抗を下げてしまう不純物的元素である。通常、電子部品などに使用するSi粉末は、母材として半導体太陽電池に使用されるSiウェハーなど、高純度バルク体粉砕して製造されることから、Feを主体とした不純物の量は低いが、製造コストはかなり高価である。これらのSiウェハーの純度は一般的に5N以上にもなる。

0003

そこで発明者は、高純度Siの原料としては通常は使用されることのない、安価なSi原料である主に鉄鋼材料を製造する際に添加材として使用されるSi原料に着目したが、安価ではあるが純度が98〜99%程度と極めて低く、特に不純物としてFeを多く含有しているので、これを原料として粉砕したSi粉末では高い固有抵抗は期待できなかった。このように、安価なSi原料を使用して、高い固有抵抗を有するSi粉末を作製することは従来困難であった。

0004

また、一般に市販されているSi粉末はSiウェハーなどのバルク体を粉砕したものであり不定形状である。そのため、充填密度が低い。Si粉末の充填体絶縁性ヒートシンク体として使用する場合、熱伝導性が重要になるが、この熱伝導性はSi粉末の充填密度の影響が大きい。これは、一定の体積中に熱を伝えるSi粉末を多く充填することにより、充填体の熱伝導性が良好になるものと推測される。しかしながら、バルク体の粉砕粉末では、タップ密度真密度のおよそ60%以下と低く、熱伝導性が低い。このように、安価なSi原料からなり、その充填体の電流遮断性と熱伝導性が高いSi粉末が望まれているが、十分な特性を有するSi粉末が実現されていないのが現状である。

0005

このようなSi粉末は、例えば特開2005−60830号公報(特許文献1)に開示されいるように、軟磁性粉末表面に、Si粉末を被覆する電子部品などに使用される。
特開2005−60830号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、上記した特許文献1に記載されているような絶縁に用いるSi粉末や、ヒートシンク体として用いるSi粉末として、電流遮断性と熱伝導性について十分な特性には至っていない。

課題を解決するための手段

0007

上述したような問題を解消するために、発明者は鋭意開発を進めた結果、粉末充填体としての電流遮断性と熱伝導性が高く、かつ充填密度の高い安価なSi粉末を提供するものである。その発明の要旨とするところは、
Fe:0.01〜2質量%含み、残部Siおよび不可避的不純物からなり、内部に生成する膜状不純相の厚さが2μm以下である、球形状もしくは概ね球形状であることを特徴とした電子部品材料用Si粉末にある。

発明の効果

0008

上述したように、本発明により、粉末充填体としての電流遮断性と熱伝導性が高く、かつ充填密度の高い安価なSi粉末を提供できる。

0009

以下、本発明について詳細に説明する。
発明者らはまず、充填密度の高い粉末として、市販されている不定形状の粉砕粉末ではなく、概ね球形状の粉末が作製されるガスアトマイズ法に着目した。実際、ガスアトマイズ法で作製したSi粉末は、概ね球状をしており、後述する実施例の通り充填密度に優れた。これは一般的なFeやNiなどのガスアトマイズ粉末の特徴と同様である。

0010

しかしながら、ガスアトマイズ法で作製したSi粉末は、さらに、Siならではの下記の特徴を有していることを見出した。ガスアトマイズ法によるSi粉末と粉砕法によるSi粉末を詳細に調査した結果、ガスアトマイズSi粉末は同程度のFeを不純物として含んでいるバルク体粉砕粉末と比較し、電流遮断性に優れていることがわかった。

0011

この現象について詳細な要因は不明であるが、次のことが推測される。Feは単にSiとの化合物の固有抵抗が低いだけでなく、Si−Fe系2元状態図からわかるように、Si固体相中に全く固溶しないため、わずかなFe量を不純物として含んでいるだけでも、Siの溶湯凝固させる際、まず、Feを残湯部に排出しながらSiの結晶固体として晶出し、FeがSiの結晶間濃縮され、Si結晶間に厚く膜状に化合物を生成してしまう。

0012

このようにSi中のFeは、不純物としての量だけでなく化合物が膜状に生成しやすいことも固有抵抗に影響を及ぼしやすい要因になっていると考えられる。ここで、ガスアトマイズ粉末は噴霧ガスにより急冷凝固されているため、同程度のFeを不純物として含み、したがって、同程度の量の膜状化合物を生成したとしても、比較的膜厚が薄く、分散されていることにより、高い固有抵抗を示すと推測される。

発明を実施するための最良の形態

0013

以下、本発明に係る規制した理由について説明する。
Feを0.01〜2質量%とした理由は、本発明においては、Feは不純物的な悪影響を与える元素(以下、Fe不純物という)であることから、そのFe量が0.01%未満のSi原料は高価であり、また、2%を超えると電流遮断性が悪くなることから、0.01〜2質量%とした。好ましくは0.01〜1.0質量%とする。

0014

内部に生成する膜状不純相の厚さが2μm以下とした理由は、内部に生成する膜状不純相(主としてFe不純物を含有する相)の厚さが2μmを超えると、電流遮断性が悪くなることから、その上限を2μmとした。また、球形状もしくは概ね球形状とした理由は、バルク体からの粉砕粉のような不定形状の粉末では熱伝導性が悪くなることから、球形状もしくは概ね球形状とした。このような粉末はガスアトマイズ法や回転ディスクアトマイズ法などの方法で得られる。

0015

以下、本発明について実施例によって具体的に説明する。
表1に示す供試粉末の製造として、内部に生成する膜状不純相の厚さが異なる数種類のSi粉末を作製するために、Fe含有量の異なるSi原料を黒鉛坩堝で溶解し、Si粉末をガスアトマイズ法により作製し、異なる粒度分級した。また、比較として、Fe含有量の異なるSi原料を同様に溶解し、そのまま凝固させたインゴットを、粉砕、分級し、異なる粒度に分級した。粉砕は、金属製ハンマーで約5mm以下に粗粉砕した後、更にこれを乳鉢を用いて微粉砕した。これらの供試粉末について、以下の評価を行なった。その結果を表1に示す。すなわち、供試粉末の製造工程、内部の膜状不純相の厚さ、充填体の電流遮断性、充填体の熱伝導性、充填密度の評価結果を示す。また、表1では、例えば150μm以下の粒度を−150μmと記す。

0016

Si粉末の外観としては、SEM観察により評価し、球状もしくは概ね球状のものを○、不定形状のものを×とした。また、Si粉末の内部の膜状不純相の厚さについては、供試粉末を樹脂埋め研磨し、ランダムに選んだ10粒の粉末のCompo像を撮影し、各粉末における膜状不純相の最大厚さを測定し、この平均が2μm以下であるものを○、2μmを超えるものを×とした。このように撮影したCompo像の例を図1に示す。すなわち、図1は、Si粉末の断面Compo像を示す顕微鏡写真で、図1(a)は低倍率図1(b)は高倍率のものである。

0017

充填体の電流遮断性については、直径30mm、厚さ2mmの銅製の円盤を2枚用意し、上下に配置したこの円盤の間に0.5gの各供試粉末を挟み込み、上円盤に100gのおもりを載せた。この状態で上下の銅円盤に端子を接続し、10Vの電圧掛けたときの電流値が1μA未満であったものを○、1μA以上であったものを×として評価した。

0018

充填体の熱伝導性については、外径60mm、内径50mm、高さ50mmの銅製容器に供試粉末を振動充填し、これを100℃に加熱したホットプレートの上に置いた。さらに、Si粉末充填部中央に温度計を挿入し温度を測定し、昇温速度の早さで充填体の熱伝導性を評価した。粉末充填体中に挿入した温度計が70℃になるまでの時間が表1のNo.1の供試粉末より遅い粉末を×、No.1と同等もしくは早い粉末を○とした。

0019

充填密度の評価としては、供試粉末のタップ密度をSiの真密度である2.33Mg/m3で割り、100を掛けた相対密度(%)が65%以上のものを○、65%未満のものを×とした。

0020

表1に示すように、No.1〜9は本発明例であり、No.10〜20は比較例である。

0021

比較例No.10〜18はいずれも鋳造方法にて製造されたインゴットを、粉砕、分級し、異なる粒度に分級したもので、比較例No.10〜13は、形状が不定形状で、内部の膜状不純相の厚さが厚いために、電流遮断性、熱伝導性および充填密度が劣る。比較例No.14は、形状が不定形状のために、熱伝導性および充填密度が劣る。

0022

比較例No.15は、比較例No.14と同様に、形状が不定形状のために、熱伝導性および充填密度が劣る。比較例No.16、17、18は、形状が不定形状で、内部の膜状不純相の厚さが厚いために、電流遮断性、熱伝導性および充填密度が劣る。比較例No.19は、内部の膜状不純相の厚さが厚いために、電流遮断性が劣る。比較例No.20は、Fe含有量が多く、内部の膜状不純相の厚さが厚いために、電流遮断性が劣る。

0023

以上のように、本発明による原料のFe含有量を0.01〜2質量%に規制すると共に、アトマイズ法により、球形状もしくは概球形状としたSi粉末とすることにより、充填密度の高い、安価なSi原料でも固有抵抗を高くすることができ、また、Si粉末内部のFeを主体とした不純相の膜厚を2μm以下とすることで、固有抵抗を高くすることができる、電子部品に使用する絶縁性ヒートシンク材などに用いるSi粉末を提供することができる。

図面の簡単な説明

0024

Si粉末の断面Compo像を示す写真である。

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