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技術 シール構造、ガスセンサ及びガス検出器

出願人 大阪瓦斯株式会社フィガロ技研株式会社
発明者 中島崇野中篤大西久男野中英正西村寛之中山敏郎井上智弘岡田正文加藤由起
出願日 2010年4月13日 (9年6ヶ月経過) 出願番号 2010-091902
公開日 2011年11月4日 (7年11ヶ月経過) 公開番号 2011-220905
状態 特許登録済
技術分野 電気化学的な材料の調査、分析 濃淡電池(酸素濃度の測定)
主要キーワード 最低硬度 弾性スペーサ 合成樹脂エラストマー ヒートサイクルテスト 拡散制御板 疎水性カーボン 応力割れ 金属板間
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2011年11月4日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (11)

構成

内周金属板を取り巻くように外周側金属板が配置され、金属板の間熱可塑性樹脂エラストマーもしくは合成ゴムからなるガスケットが配置されている。外周側金属板は内周側金属板へカシメ付けられ、ガスケットは変形して、内周側金属板と外周側金属板とを固定すると共に、金属板間電気的に絶縁しながら気密かつ液密シールする。

効果

高温を経験しても、ガスケットにクラック等が生じるおそれがない。また水タンクからの水の蒸散を防止する。

概要

背景

発明者らは、特許文献1(JP2004-226346A)に示されるようなガスセンサを開発してきた。このセンサは、活性炭等のフィルタ材充填した封孔体拡散制御板とを介して、被検出雰囲気検知極側へ供給する。またこれらの部材を水溜兼用の金属缶内にセットし、封孔体を金属缶にガスケットを介してカシメる。検知極は封孔体に電気的に接続され、対極は金属缶に接続され、封孔体と金属缶がガスセンサの端子となる。

特許文献1のガスセンサでは、封孔体の側面と底部とに孔があり、側面の孔から進入した被検出雰囲気は活性炭で処理されて底面の孔からMEA側へ出て行く。封孔体の底面の孔のサイズを正確に制御するのは難しいので、封孔体の底面とMEAとの間に、打ち抜きなどで一定サイズ拡散制御孔を開けた拡散制御板を配置する。これによって、MEAへ拡散する雰囲気の量をガスセンサ間で揃え、ガス感度を一定にする。

発明者は、上記のガスセンサの信頼性を調査し、ガスセンサの潜在的問題点を発見して解消することを検討した。その結果、ガスケットは硬質合成樹脂からなり、カシメ時の応力が残存するため、高温経験時等に損壊するおそれがあることが判明した。また上記の電気化学ガスセンサ電解質がドライアップするとガス感度が低下する。ドライアップを防止するため、金属缶内に水溜を設けるなどの対策を施すことができるが、電解質側からの水の蒸発量を小さくできれば、ガスセンサの寿命延ばすことができる。以上のように、長寿命で気密性液密性及び電気的絶縁に優れた新たなシール構造がガスセンサに必要である。そしてこのようなシール構造が得られれば、ガスセンサ以外にも応用できる。

概要

内周金属板を取り巻くように外周側金属板が配置され、金属板の間熱可塑性樹脂エラストマーもしくは合成ゴムからなるガスケットが配置されている。外周側金属板は内周側金属板へカシメ付けられ、ガスケットは変形して、内周側金属板と外周側金属板とを固定すると共に、金属板間を電気的に絶縁しながら気密かつ液密シールする。高温を経験しても、ガスケットにクラック等が生じるおそれがない。また水タンクからの水の蒸散を防止する。

目的

この発明の課題は、長寿命で、電気的な絶縁と気密性及び液密性を確保できるシール構造と、これを用いたガスセンサ、ガス検出器を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

内周金属板を取り巻くように外周側金属板が配置され、前記金属板の間熱可塑性樹脂エラストマーもしくは合成ゴムからなるガスケットが配置され、外周側金属板は内周側金属板へカシメ付けられ、前記ガスケットは変形して、内周側金属板と外周側金属板とを固定すると共に、金属板間電気的に絶縁しながら気密かつ液密シールするシール構造

請求項2

前記ガスケットはショア硬度が40〜55であることを特徴とする、請求の範囲1のシール構造。

請求項3

前記ガスケットが熱可塑性樹脂のエラストマーから成ることを特徴とする、請求の範囲1または2のシール構造。

請求項4

前記熱可塑性樹脂のエラストマーがポリオレフィンのエラストマーから成ることを特徴とする、請求の範囲3のシール構造。

請求項5

開口部を備えた容器で、開口部のみ選択的にガスを透過させるため、その他の部分をシールすることを特徴とする、請求の範囲1〜4のいずれかのシール構造。

請求項6

請求項1〜5のいずれかのシール構造を備えたことを特徴とするガスセンサ

請求項7

請求項1〜5のいずれかのシール構造を備えたことを特徴とするガス検出器

技術分野

0001

この発明はガスセンサ等に用いるシール構造に関する。

背景技術

0002

発明者らは、特許文献1(JP2004-226346A)に示されるようなガスセンサを開発してきた。このセンサは、活性炭等のフィルタ材充填した封孔体拡散制御板とを介して、被検出雰囲気検知極側へ供給する。またこれらの部材を水溜兼用の金属缶内にセットし、封孔体を金属缶にガスケットを介してカシメる。検知極は封孔体に電気的に接続され、対極は金属缶に接続され、封孔体と金属缶がガスセンサの端子となる。

0003

特許文献1のガスセンサでは、封孔体の側面と底部とに孔があり、側面の孔から進入した被検出雰囲気は活性炭で処理されて底面の孔からMEA側へ出て行く。封孔体の底面の孔のサイズを正確に制御するのは難しいので、封孔体の底面とMEAとの間に、打ち抜きなどで一定サイズ拡散制御孔を開けた拡散制御板を配置する。これによって、MEAへ拡散する雰囲気の量をガスセンサ間で揃え、ガス感度を一定にする。

0004

発明者は、上記のガスセンサの信頼性を調査し、ガスセンサの潜在的問題点を発見して解消することを検討した。その結果、ガスケットは硬質合成樹脂からなり、カシメ時の応力が残存するため、高温経験時等に損壊するおそれがあることが判明した。また上記の電気化学ガスセンサ電解質がドライアップするとガス感度が低下する。ドライアップを防止するため、金属缶内に水溜を設けるなどの対策を施すことができるが、電解質側からの水の蒸発量を小さくできれば、ガスセンサの寿命延ばすことができる。以上のように、長寿命で気密性液密性及び電気的絶縁に優れた新たなシール構造がガスセンサに必要である。そしてこのようなシール構造が得られれば、ガスセンサ以外にも応用できる。

先行技術

0005

JP2004-226346A

発明が解決しようとする課題

0006

この発明の課題は、長寿命で、電気的な絶縁と気密性及び液密性を確保できるシール構造と、これを用いたガスセンサ、ガス検出器を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

この発明のガスセンサは、液体電解質を保持したセパレータあるいは固体電解質膜の一面に検知極を、他面に対極を接続したガスセンサ本体を、開口面を一面のみ備えた金属缶に収納して、前記対極を金属缶に電気的に接続すると共に、前記開口面側に金属板を配置して、金属板を前記検知極に電気的に接続し、さらに金属缶と前記金属板との間にガスケットを設けたガスセンサにおいて、前記ガスケットが熱可塑性樹脂エラストマーもしくは合成ゴムからなることを特徴とする。ガスケットは好ましくは熱可塑性樹脂のエラストマーからなる。なお金属板は実施例での封孔体に対応するが、封孔体以外の単なる金属板でも良い。

0008

この発明は、内周側金属板を取り巻くように外周側金属板が配置され、前記金属板の間に熱可塑性樹脂のエラストマーもしくは合成ゴムからなるガスケットが配置され、外周側金属板は内周側金属板へカシメ付けられ、前記ガスケットは変形して、内周側金属板と外周側金属板とを固定すると共に、金属板間を電気的に絶縁しながら気密かつ液密シールするシール構造にある。ガスケットは好ましくは熱可塑性樹脂のエラストマーからなる。合成ゴムを用いる場合、過酸化架橋硫化物架橋でない合成ゴム、例えば過酸化基
-O-O- を介して架橋したエチレンプロピレンゴムなどが好ましい。過酸化基架橋の合成ゴムは何らかの理由により溶解しても、有害な硫化物を発生させない。

0009

この発明のシール構造では、熱可塑性樹脂のエラストマーもしくは合成ゴムから成るガスケットが内外の金属板間に存在し、外周側金属板側からカシメ付けることにより、ガスケットが変形し、内外の金属板を固定すると共に、両者間を電気的に絶縁し、かつ気密及び液密に保つことができる。特に熱可塑性樹脂のエラストマーは塑性変形し易いため、カシメ時の変形が永久歪みとして残留しない。従ってガスケットの強度が低下せず、応力が集中する箇所がないので、経年疲労、熱衝撃塩素あるいはオゾン等のガスアタック等に対する耐久性が増す。熱可塑性樹脂のエラストマーは優れた電気的絶縁体で、永久歪みが蓄積されないためクラック等が生じず、従ってクラック中の吸着水等による絶縁破壊が生じない。また熱可塑性樹脂のエラストマーは容易に塑性変形して、金属板間の隙間を塞ぎ、高い気密性と液密性が得られる。以上のように信頼性のあるシール構造が得られ、ガスセンサあるいはリチウムイオン等の電池のシールに用いると、端子としての金属板間の電気的絶縁、内部の液体の蒸発の防止、外気から内部を遮断する等の効果が得られる。

0010

熱可塑性樹脂のエラストマーは、多数の長鎖状の分子が部分的に互いに整列して配向し、配向した部分で分子が互いに拘束され、他の部分では分子がランダムな形状を保って、応力により自由に変形する材料である。なお以下、熱可塑性樹脂のエラストマーを単にエラストマーと言うことがある。エラストマーは合成ゴムに類似した物質であるが、ゴムでは分子が互いに架橋されて結合されているため、変形時の応力は基本的に解消しない。しかしエラストマーでは、分子が配向箇所で互いに拘束されているに過ぎないため、長時間経過すると変形時の応力が解消する性質がある。またエラストマーに類似の物質として、高分子粘弾性体があるが、粘弾性体は高温を経験すると変形することがあり、好ましくない。

0011

エラストマーをガスケットにすると、金属板と金属缶をカシメ付ける際の応力が永久歪みとして残らない。従って、高温を経験する、急激な温度変化等の熱衝撃を経験する、あるいはガスケットに強い力が加わるなどの際に、応力によりガスケットにクラックが生じるおそれがない。このためガスセンサでの金属板と金属缶のカシメ付けの信頼性が増す。

0012

合成樹脂のエラストマーは、例えばポリオレフィン系、ポリスチレン系ポリ塩化ビニル系とし、好ましくはエラストマーとする。即ち合成樹脂エラストマーの中で、ポリオレフィン系のエラストマーは軟化温度が高いので、高温を経験しても、弾性を失うことや、老化により割れやすくなること、あるいは硬度が増すことがない。従って、ガスセンサの耐熱性を増すことができる。

0013

好ましくは、ポリオレフィンエラストマーからなるガスケットのショア硬度を40以上55以下とする。発明者は、この硬度範囲で電解質側からの水の損失が少なく、かつガス感度も高くなることを確認した。ショア硬度が40未満では、塑性変形能が高すぎるため、カシメ時に塑性変形したまま、元の形状に戻ろうとする復元力不足する。従ってシールが不完全になることがある。またショア硬度が55を越えると、永久歪みが蓄積し、ガスケットの耐久性に問題が生じることがある。

図面の簡単な説明

0014

実施例の電気化学ガスセンサの断面図
実施例での拡散制御孔とその周囲の拡大断面図
最適実施例の電気化学ガスセンサでの封孔体とガスケットの組み付け工程を示す図
最適実施例の電気化学ガスセンサの封孔体とガスケット付近の透過X線写真
最適硬度のガスケットを用いた電気化学ガスセンサの特性図で、CO30〜3000ppmへの応答波形を示す
硬度が中間のガスケットを用いた電気化学ガスセンサの特性図で、CO30〜3000ppmへの応答波形を示す
最低硬度のガスケットを用いた電気化学ガスセンサの特性図で、CO30〜3000ppmへの応答波形を示す
ドライアップ試験での、最適実施例の電気化学ガスセンサの水溜の水量変化を示す特性図
ドライアップ試験での、従来例の電気化学ガスセンサの水溜の水量変化を示す特性図
実施例のガス検知器ブロック図

0015

以下に本発明を実施するための最適実施例を示す。

0016

図1図5を参照して、実施例の電気化学ガスセンサ2を説明する。図1に電気化学ガスセンサ2の全体構成を示し、図2に電気化学ガスセンサ2の各部の構成を示す。なお以下では、電気化学ガスセンサ2を単にガスセンサ2と言うことがある。各図において、4はステンレスチタン等の金属缶で、その内部を水溜として水6を封入してある。8は封孔体で、平面視で円形で、2枚の円形の金属板を円周部で接合し、かつ金属板の間にスペースを設けたものである。上側の金属板の側面数カ所に孔10があり、下側の金属板8bの例えば中央部に孔12がある。封孔体8の内部に例えば2層の活性炭シート14が収容され、活性炭シート14が底部の孔12に密着するように、弾性スペーサ16で押圧する。

0017

18はガスケットで、金属缶4の頂部をカシメることにより封孔体8を金属缶4の頂部に固定すると共に、これらの間を絶縁し、かつ金属缶4と封孔体8の間を気密に保つ。通常のガスケットは硬質の樹脂が用いられ、カシメ時の応力がガスケット内に残留して、カシメの効果を永久的に保持するものとされている。しかしながら硬質の樹脂を用いると、ガスケットに永久歪みが残り、急激な温度変化などを受けた際に、クラックが発生する恐れがある。特に急激な温度変化に、高湿雰囲気などの雰囲気が組み合わさると、クラックが発生する可能性が増す。実施例ではガスケット18に、熱可塑性エラストマーもしくは合成ゴムを用い、熱可塑性エラストマーの材料はポリ塩化ビニル系、ポリスチレン系、ポリオレフィン系のいずれでもよい。またポリオレフィン系のエラストマーという場合、不純物濃度以上のスチレン基あるいは塩化ビニル基を含まないものをいう。また合成ゴムは好ましくは過酸化基で架橋したものであり、例えば過酸化基で架橋したエチレンプロピレンゴムを用いる。

0018

熱可塑性エラストマーの中でも、ポリオレフィン系のエラストマーは、軟化温度が高く、高温を経験しても老化しないので、ガスセンサの耐熱性が増す。例えばポリオレフィン系のエラストマーは、80℃程度の温度では軟化せず、80℃程度の温度を経験しても弾性を失わず、かつ圧縮永久歪みも蓄積されず、さらに硬度も増さない。これに対してポリスチレン系のエラストマーでは軟化温度は一般に80℃以下で、ポリ塩化ビニル系のエラストマーでは60℃以上の温度を経験すると圧縮永久歪みが残り、老化により硬度が増すことがある。実施例ではガスケット18に、ポリプロピレン結晶相中にエチレンプロピレンゴム相を分散させたポリオレフィン系エラストマーを用いるが、これに限るものではない。

0019

図1に示すように、ポリオレフィン系エラストマーからなるガスケット18は、金属缶4の内面との間、及び封孔体8との間をシールすると共に、電気的に絶縁する。ポリオレフィン系エラストマーからなるガスケット18は、シールの気密性が高いので、ガスセンサ本体24から水蒸気がシールの隙間を介して逃げ出す量を小さくでき、水溜6から失われる水の量を小さくできる。

0020

図2において、20はステンレスの薄板などから成る拡散制御板で、封孔体8の底面の孔12と連通する、即ち平面視で重なる、拡散制御孔22を備えている。24はガスセンサ本体で、例えば液体電解質を保持した多孔質のセパレータと、その表裏の検知極及び対極、並びに検知極と対極にガスを分配する疎水性カーボンシートとから成る。25は金属のワッシャで、孔26を備え、金属缶4の内部からの水蒸気と空気とを対極側に供給する。28は金属缶4に設けたくぼみで、ワッシャ25を支持する。

0021

拡散制御孔22とガスセンサ本体24との配置を、図2を参照して説明する。例えば封孔体8に設けた孔12は直径が1mm程度、金属板の厚さは1mm程度である。これに対して拡散制御板20は厚さ0.1mm程度の薄い金属板で、拡散制御孔22は直径0.1mm程度の小孔である。ガスセンサ本体24は例えば中央の多孔質セパレータと、その表裏の検知極31,対極32,及び検知極31,対極32の外側の疎水性カーボンシート33,34から成る。なお疎水性カーボンシート33,34はなくても良い。多孔質セパレータ30は電解質の水溶液を保持し、液体電解質に代えてプロトン導電体膜を用いる場合、セパレータ30は不要である。検知極31,対極32は例えばカーボン粉体などの担体にPtあるいはPt-Ruなどの電極触媒を支持させたもので、セパレータ30の表裏に付着させても良く、あるいは疎水性カーボンシート33,34に付着させることにより、セパレータ30に接触させても良い。

0022

疎水性カーボンシート33,34は多孔質でかつ疎水化されたカーボンのシートである。拡散制御孔22側の疎水性カーボンシート33は、被検出雰囲気を検知極31に均一に分配すると共に、検知極31と拡散制御板20とを電気的に接続する。疎水性カーボンシート34は金属缶4の内部からの水蒸気と空気とを対極32に均一に分配すると共に、金属缶4の内部の液体の水が孔26から対極32側に溢れ出すことを防止し、さらに対極32をワッシャ25に電気的に接続する。

0023

ここでガスセンサ2の電気的接続を説明する。検知極31は疎水性カーボンシート33,拡散制御板20,封孔体8の順に接続され、封孔体8がその外部端子となる。対極32は疎水性カーボンシート34,ワッシャ25,金属缶4の順に接続され、金属缶4が外部端子となる。そして封孔体8と金属缶4はガスケット18で絶縁されている。

0024

ポリオレフィン系エラストマーからなるガスケット18を用いたガスセンサ2を1個ずつ100個ポリエチレン袋密封し、60℃の湿潤雰囲気に1ヶ月保存した後に、袋から取り出して室温に戻し、1日待って特性を測定した。ガスセンサ2の特性に高温放置前との差は見られず、このことはガスケット18から、ガスセンサ本体24を被毒するガスが放出されていないことを示している。またガスセンサ2を分解し、ガスケット18の外観検査すると共に弾性率を測定したが、高温経験による変化は見られなかった。

0025

図3図9に最適実施例とその特性を、従来例との比較を交えて示す。図3は最適実施例でのガスケット50を示す。ガスケット50はポリオレフィンのエラストマーから成り、全体に筒状で、軸方向一端リング部51と、軸方向他端のリング部52とから成り、リング部51,52は全体でL字状で、リング部51,52間の段差に受け面53を設ける。またリング部52の肉厚は例えば0.5〜1mm程度である。そして54はリング部52の開口で、実装時に新たな封孔体9の底部に密着する。また封孔体9では、上下の金属板をかしめた部分が平坦フランジ9aを形成し、その1面を受け面53で支持する。他の点では図1のガスセンサ2と同様である。図3のガスセンサをガスセンサ60と呼ぶ。

0026

図4はガスセンサ60の透過X線写真を示し、黒い部分は金属で、金属缶と封孔体との間にガスケットが見えている。断面L字状のガスケットは封孔体のフランジを上下から挟み込むように変形し、金属缶の内面と封孔体のフランジ、及び封孔体の左右の側面に密着している。なお封孔体の底部に見える金属板は拡散制御板である。このように実施例のガスケット50は金属缶と封孔体との間を気密にシールし、またエラストマーなので応力割れなどのおそれが無い。そして気密にシールできることは、水蒸気の漏れが少なく、また対極側へ雰囲気が回り込みことも無いことを示している。

0027

発明者は、ガスケット50の最適硬度を調べるため、ショア硬度(JIS K 6253D)で47の最適実施例と、ショア硬度が30の中間硬度の実施例、ショア硬度が18の最低硬度の実施例の3種のガスセンサをテストした。ガスケットの材質、ガスセンサの構造等は、図1の実施例と同様である。

0028

図5(最適実施例)、図6(中間硬度)、図7(最低硬度)は、CO30ppm,100ppm,300ppm,1000ppm,3000ppmの順にCO濃度増し、空気中へ戻した際の、ガスセンサ60の出力波形を示す。測定条件は室温で相対湿度は60%程度である。空気中での出力1Vは測定回路バイアス電位で、1Vからの電圧の増加がガス感度を示し、CO3000ppmで、最適実施例では出力が3V強、中間硬度で出力は3V、最低硬度で出力は3V弱で、最適硬度で最大のガス感度が得られた。そして図示しない他のテストで、ガス感度を高めるためのショア硬度の範囲は40以上55以下であることを確認した。

0029

図8(最適実施例),図9(従来例)は、−10℃と60℃の乾燥雰囲気の間で、30分毎に雰囲気を切り替えヒートサイクルテストでの、水溜の水量の変化を示している。なお水量はガスセンサの重量から測定し、水量の初期値は5gである。合成樹脂ガスケットの従来例に比べ、ポリオレフィンエラストマーの最適実施例では、水の蒸発が遅い。このことはガスセンサの寿命が長くなることを意味する。

0030

実施例ではガスセンサへのシール構造の応用を示したが、電池等にも用いることができる。また配管等のシールにも適用でき、内管外管を電気的に絶縁しながら、両者を気密かつ液密に固定するために用いることができる。

実施例

0031

図10は実施例のガス検知器を示し、ガスセンサ2の両電極間を流れる電流を、金属缶4とフィルタ8間の電流として、高増幅率電流測定手段70で取り出す。この電流は検出対象ガスであるCOの濃度等に比例し、ガス検出判定手段72で所定の閾値と比較し、検出結果を表示手段74で表示する。実施例のガスケット18は、電気絶縁性と気密性と液密性が高いので、水6の蒸散を防止し、検出対象ガスが対極32側へ回り込むことを防止し、また出力が短絡することを防止できる。このため安定したガスの検出が行える。

0032

2電気化学ガスセンサ
4金属缶
6 水
8,9封孔体
9aフランジ
10,12 孔
14活性炭シート
16弾性スペーサ
18ガスケット
20拡散制御板
22拡散制御孔
24ガスセンサ本体
25ワッシャ
26 孔
28くぼみ
30多孔質セパレータ
31検知極
32対極
33,34疎水性カーボンシート
50 ガスケット
51,52リング部
53 受け面
54 開口

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