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技術 コーヒー焙煎豆由来の香気成分を含む液体組成物、固形物、飲食物及び液体組成物の製造方法

出願人 サントリー食品インターナショナル株式会社
発明者 横山明幸佐藤元西海俊宏渋谷勝司安東範之
出願日 2010年4月6日 (10年10ヶ月経過) 出願番号 2010-088087
公開日 2011年11月4日 (9年3ヶ月経過) 公開番号 2011-217636
状態 特許登録済
技術分野 茶・コーヒー
主要キーワード 空孔面積率 輸送面 密閉体 常圧水蒸気 溶存二酸化炭素濃度 気化処理 トータルイオン コンタクター
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2011年11月4日)のものです。
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図面 (3)

課題

コーヒー焙煎豆に由来する本来の香味を備え、尚且つ冷凍保存時の輸送性が良い液体組成物と、その液体組成物の製造方法を提供すること。

解決手段

コーヒー焙煎豆由来の香気成分として少なくとも2−メチルフランを含む液体組成物において、溶存二酸化炭素量を1000ppm以下とし、且つ、ヘッドスペース法において内部標準物質として10g/Lシクロヘキサノール水溶液を250μL使用して2−メチルフラン及びシクロヘキサノールのそれぞれのピーク面積を測定したとき、シクロヘキサノールに対する2−メチルフランのピーク面積比である2−メチルフラン/シクロヘキサノールの値を3.58以上とする。

概要

背景

コーヒー香料は、飲食品などに使用して香味を強調する、あるいは香味にバリエーションを設けるなどして、主にその飲食品の嗜好性を高めるために使用される。コーヒー香料としては、天然香料合成香料及びそれらを組み合わせた調合香料などがある。最近では消費者の飲食品に対する本物志向に伴い、使用されるコーヒー香料は、コーヒー焙煎豆由来香気成分を含む液体である、コーヒー天然香料が望まれる。

しかし、コーヒー天然香料には、化学的に不安定な含窒素化合物や、含硫化合物等の香気成分が混在しており、これらの香気成分は溶液中での保存安定性が低い。従来、コーヒー天然香料の香気成分の保存安定性を高めるため、あらゆる方法が講じられてきた。

例えば、コーヒー天然香料に安定剤を添加する方法が提案されている。安定剤としては、プロピレングリコールエタノール等の有機溶媒トレハロースビタミンC(特許文献1参照)、あるいはクマリン誘導体(特許文献2参照)などがある。

また、コーヒー天然香料の香気成分の保存安定性を高める別の方法としては、コーヒー天然香料を冷蔵保存あるいは冷凍保存する方法が挙げられる。しかし、コーヒー天然香料を冷凍保存すると、凍結したコーヒー天然香料から、コーヒー焙煎豆に由来する二酸化炭素遊離して密封体体積膨張させる問題があることから、冷凍前にpHを調整して密封体の体積膨張を抑制するという方法が提案されている(特許文献3参照)。

概要

コーヒー焙煎豆に由来する本来の香味を備え、尚且つ冷凍保存時の輸送性が良い液体組成物と、その液体組成物の製造方法を提供すること。コーヒー焙煎豆由来の香気成分として少なくとも2−メチルフランを含む液体組成物において、溶存二酸化炭素量を1000ppm以下とし、且つ、ヘッドスペース法において内部標準物質として10g/Lシクロヘキサノール水溶液を250μL使用して2−メチルフラン及びシクロヘキサノールのそれぞれのピーク面積を測定したとき、シクロヘキサノールに対する2−メチルフランのピーク面積比である2−メチルフラン/シクロヘキサノールの値を3.58以上とする。なし

目的

本発明の目的は、コーヒー焙煎豆に由来する天然香味成分変性なくそのままの状態で含み、尚且つ冷凍保存時の輸送性が良い液体組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

コーヒー焙煎豆由来香気成分を含む液体組成物であって、溶存二酸化炭素量が1000ppm以下であり、且つ、前記香気成分として2−メチルフランを含み、ヘッドスペース法において内部標準物質として10g/Lシクロヘキサノール水溶液を250μL使用して2−メチルフラン及びシクロヘキサノールのそれぞれのピーク面積を測定したとき、シクロヘキサノールに対する2−メチルフランのピーク面積比である2−メチルフラン/シクロヘキサノールの値が、3.58以上である液体組成物。

請求項2

前記溶存二酸化炭素量が500ppm以下である請求項1に記載の液体組成物。

請求項3

前記ピーク面積比が5.67以上である請求項1に記載の液体組成物。

請求項4

前記ピーク面積比が16.2以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体組成物。

請求項5

請求項1〜4のいずれかに記載の液体組成物を冷凍固化した固形物

請求項6

請求項1〜4に記載の液体組成物、及び請求項5に記載の固形物のうちの少なくともいずれか1つを含む飲食物

請求項7

焙煎食品素材由来の香気成分を含む液体組成物を製造する方法であって、香気成分を抽出する抽出工程と、脱気工程とを含む液体組成物の製造方法。

請求項8

前記焙煎食品素材がコーヒー焙煎豆であって、コーヒー焙煎豆から2−メチルフランを含む香気成分を抽出する前記抽出工程と、前記抽出工程で得た抽出液について、その溶存二酸化炭素量を1000ppm以下とし、且つ、ヘッドスペース法において内部標準物質として10g/Lのシクロヘキサノールを250μL使用して2−メチルフラン及びシクロヘキサノールのそれぞれのピーク面積を測定したとき、シクロヘキサノールに対する2−メチルフランのピーク面積比である2−メチルフラン/シクロヘキサノールの値を3.58以上とする前記脱気工程とを含む請求項7に記載の液体組成物の製造方法。

請求項9

前記脱気工程を気体分離膜処理法により行う請求項7又は8に記載の液体組成物の製造方法。

請求項10

前記抽出工程を気−液向流接触抽出法により行う請求項7〜9のいずれか1項に記載の液体組成物の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、コーヒー焙煎豆由来香気成分を含む液体組成物とその製造方法に関する。

背景技術

0002

コーヒー香料は、飲食品などに使用して香味を強調する、あるいは香味にバリエーションを設けるなどして、主にその飲食品の嗜好性を高めるために使用される。コーヒー香料としては、天然香料合成香料及びそれらを組み合わせた調合香料などがある。最近では消費者の飲食品に対する本物志向に伴い、使用されるコーヒー香料は、コーヒー焙煎豆由来の香気成分を含む液体である、コーヒー天然香料が望まれる。

0003

しかし、コーヒー天然香料には、化学的に不安定な含窒素化合物や、含硫化合物等の香気成分が混在しており、これらの香気成分は溶液中での保存安定性が低い。従来、コーヒー天然香料の香気成分の保存安定性を高めるため、あらゆる方法が講じられてきた。

0004

例えば、コーヒー天然香料に安定剤を添加する方法が提案されている。安定剤としては、プロピレングリコールエタノール等の有機溶媒トレハロースビタミンC(特許文献1参照)、あるいはクマリン誘導体(特許文献2参照)などがある。

0005

また、コーヒー天然香料の香気成分の保存安定性を高める別の方法としては、コーヒー天然香料を冷蔵保存あるいは冷凍保存する方法が挙げられる。しかし、コーヒー天然香料を冷凍保存すると、凍結したコーヒー天然香料から、コーヒー焙煎豆に由来する二酸化炭素遊離して密封体体積膨張させる問題があることから、冷凍前にpHを調整して密封体の体積膨張を抑制するという方法が提案されている(特許文献3参照)。

先行技術

0006

特開2001−292721号公報
特開2001−136931号公報
特願2006−548819号公報

発明が解決しようとする課題

0007

コーヒー天然香料に安定剤を添加する方法は、安定剤がコーヒー天然香料中の香気成分の性質を変えてしまう虞がある。そのため、コーヒー天然香料の本来の香味を損ない、本物志向の強い現代の消費者には好まれない傾向にある。

0008

そこで、安定剤を添加せずに香気成分の保存安定性を高める方法として、コーヒー天然香料をそのまま冷蔵や冷凍保存する方法がある。冷蔵保存は室温で保存する場合に比べて多少その保存安定性が向上する程度であり、実情は冷凍保存が望ましい。冷凍保存はかなり低い温度での保管であり、香気成分を安定化させて、コーヒー天然香料の長期間の保存を可能とする。

0009

しかしながら、コーヒー天然香料の冷凍保存は、冷凍したコーヒー天然香料から二酸化炭素が遊離して、密封体の体積を膨張させる問題がある。コーヒー焙煎豆から香気成分を抽出する際に、コーヒー焙煎豆に付着した二酸化炭素が抽出液に取り込まれて、凍結時にその二酸化炭素が溶解できずに気体として遊離してしまうためである。密閉体の体積が膨張すると、それだけ広い保管スペースを確保する必要があり、輸送効率が悪化して保管や輸送面などでコスト高となる。

0010

上述したように、冷凍保存時の二酸化炭素が遊離するという問題に対しては、コーヒー天然香料を冷凍する前にそのpHを調整して密封体の体積膨張を抑制するという方法が提案されている。pHを6〜10にすることで、コーヒー天然香料中に存在する二酸化炭素がイオン化し、凍結時に二酸化炭素が気体として遊離することを抑制するというものである。しかしながら、冷凍前にpHを調整するという方法は、香気成分の保存安定性の面で優れているものの、香味面では満足できるものとはいえない。香気成分の総量自体は変わらないが、その性質が変化して本来とは異なった特有の香味を生じさせてしまう虞がある。

0011

従って、本発明の目的は、コーヒー焙煎豆に由来する天然香味成分変性なくそのままの状態で含み、尚且つ冷凍保存時の輸送性が良い液体組成物を提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

本発明に係る液体組成物の第1特徴構成は、コーヒー焙煎豆由来の香気成分を含む液体組成物であって、溶存二酸化炭素量が1000ppm以下であり、且つ、前記香気成分として2−メチルフランを含み、ヘッドスペース法において内部標準物質として10g/Lシクロヘキサノール水溶液を250μL使用して2−メチルフラン及びシクロヘキサノールのそれぞれのピーク面積を測定したとき、シクロヘキサノールに対する2−メチルフランのピーク面積比である2−メチルフラン/シクロヘキサノールの値が、3.58以上である点にある。
〔作用及び効果〕
本構成によれば、密封して冷凍保存した際、そのpHを調整しなくとも、溶存二酸化炭素の遊離による体積膨張を抑制することができる。そのため、輸送時の省スペース化が図れて、輸送効率を向上させることができると共に、pHを調整する必要がないので、香気成分を変性させる虞もない。
さらに、本構成の液体組成物は、2−メチルフランに代表されるコーヒー焙煎豆由来の香気成分を十分に含むため、本構成の液体組成物を添加することで、コーヒー焙煎豆に由来する天然の香味を容易に付与することができる。

0013

本発明に係る液体組成物の第2特徴構成は、前記溶存二酸化炭素量が500ppm以下である点にある。
〔作用及び効果〕
本構成によれば、密封して冷凍保存した際の体積膨張をより一層抑制することができるため、輸送効率をさらに向上させることができる。

0014

本発明に係る液体組成物の第3特徴構成は、前記ピーク面積比が5.67以上である点にある。
〔作用及び効果〕
本構成の液体組成物は、より多くのコーヒー焙煎豆由来の香気成分を含むため、本構成の液体組成物を添加することで、より良好な香味を付与することができる。

0015

本発明に係る液体組成物の第4特徴構成は、前記ピーク面積比が16.2以下である点にある。
〔作用及び効果〕
本構成の液体組成物は、他成分による雑味が入らない適切な範囲のコーヒー焙煎豆由来の香気成分を含むため、本構成の液体組成物を添加することで、より良好な香味を付与することができる。

0016

本発明に係る固形物の特徴構成は、上記第1〜第4特徴構成のいずれかに記載の液体組成物を冷凍固化した点にある。
〔作用及び効果〕
本構成の固形物は、密封して冷凍保存した際の体積膨張が生じ難く輸送性が良い。

0017

本発明に係る飲食物の特徴構成は、上記第1〜第4特徴構成のいずれかに記載の液体組成物、及び上記固形物のうちの少なくともいずれか1つを含む点にある。
〔作用及び効果〕
本構成の飲食物は、コーヒー焙煎豆に由来する天然の香味を呈する。

0018

本発明に係る液体組成物の製造方法の第1特徴構成は、焙煎食品素材由来の香気成分を含む液体組成物を製造する方法であって、香気成分を抽出する抽出工程と、脱気工程とを含む点にある。
〔作用及び効果〕
本構成によれば、焙煎食品素材に由来する天然の香味成分を変性なくそのままの状態で含み、尚且つ密封して冷凍保存する際の溶存二酸化炭素の遊離による体積膨張が抑制されて、輸送性の良い液体組成物を製造することができる。

0019

本発明に係る液体組成物の製造方法の第2特徴構成は、コーヒー焙煎豆から2−メチルフランを含む香気成分を抽出する前記抽出工程と、前記抽出工程で得た抽出液について、その溶存二酸化炭素量を1000ppm以下とし、尚且つ、ヘッドスペース法において内部標準物質として10g/Lシクロヘキサノール水溶液を250μL使用して2−メチルフラン及びシクロヘキサノールのそれぞれのピーク面積を測定したとき、シクロヘキサノールに対する2−メチルフランのピーク面積比である2−メチルフラン/シクロヘキサノールの値を3.58以上とする前記脱気工程とを含む点にある。
〔作用及び効果〕
本構成によれば、コーヒー焙煎豆に由来する天然の香味成分を変性なくそのままの状態で含み、尚且つ密封して冷凍保存する際の溶存二酸化炭素の遊離による体積膨張が抑制されて、輸送性の良い液体組成物を製造することができる。

0020

本発明に係る液体組成物の製造方法の第3特徴構成は、前記脱気工程を気体分離膜処理法により行う点にある。
〔作用及び効果〕
脱気工程を気体分離膜処理法により行うことによって、香気成分を損なわずに、溶存二酸化炭素を選択的に除去することができる。

0021

本発明に係る液体組成物の製造方法の第4特徴構成は、前記抽出工程を気−液向流接触抽出法により行う点にある。

0022

〔作用及び効果〕
抽出工程を気−液向流接触抽出法により行うことによって、コーヒー焙煎豆由来の香気成分をより効率的に抽出することができる。

図面の簡単な説明

0023

抽出液の溶存二酸化炭素量と体膨張率との関係を示す図
脱気処理と残存する香気成分(2−メチルフラン)との関係を示す図
気体分離膜処理法における抽出液の液温の影響を示す図

0024

以下に、本発明の実施の形態について説明する。
(液体組成物)
本発明に係る液体組成物は、水を主な溶媒とする液体状の組成物であって、コーヒー焙煎豆由来の香気成分を含む。コーヒー焙煎豆に由来する香気成分は約800種類あるといわれており、コーヒーの呈味香気の向上に関与する成分は数多く知られている。例えばコーヒーの香気成分としては、アルデヒド類エステル類フラン類ケトン類アルコール類ピラジン類ピロール類ピリジン類硫黄化合物等が知られており、2−メチルフラン(2−methylfran)は、コーヒー焙煎豆に由来する香気成分の中でも特に代表的な香気成分である。

0025

本発明に係る液体組成物は、ヘッドスペース法において内部標準物質として10g/Lシクロヘキサノール水溶液を250μL使用して2−メチルフラン及びシクロヘキサノールのそれぞれのピーク面積を測定したとき、シクロヘキサノールに対する2−メチルフランのピーク面積比である2−メチルフラン/シクロヘキサノールの値(A)が、3.58以上、より好ましくは5.67以上となる量の2−メチルフランを含む。
尚、前記ピーク面積比の値(A)は、好ましくは3.58≦(A)≦16.2であり、より好ましくは5.67≦(A)≦16.2である。

0026

尚、本発明に係る液体組成物は、2−メチルフラン以外の種々の香気成分を含むものである。即ち、2−メチルフランは、本発明に係る液体組成物に含まれる香気成分の指標成分としての意味を持ち、2−メチルフランの量が多ければ多いほど、香気成分の含有量も高いと判断される。

0027

ヘッドスペース法による2−メチルフランの測定方法について、その具体例を以下に示す。
20mLのヘッドスペースバイアル瓶に、試料2.5mL、及び0.17Mリン酸水素二ナトリウムナカライテスク社製)−4.0M塩化ナトリウム(ナカライテスク社製)水溶液7.25mLをとり、内部標準物質として、10g/Lシクロヘキサノール(ナカライテスク社製)水溶液を250μL添加して密栓後、40℃で10分間保持し、ガスクロマトグラフィーヘッドスペースサンプラーを用いて試料導入を行う。詳細条件は次の通りである。

0028

サンプリング装置:ヘッドスペースサンプラー(Agilent社製:2.5mL容量シリンジ
分析装置:ガスクロマトグラフィー(Agilent社製:GC:6890/5973 GC−MSD)
カラム:ULTRA2(Agilent社製:50m(長さ)×0.32mm(内径)×0.52μm(膜厚))
温度条件:40℃(5分保持)、40℃−60℃(4℃/min)、60℃−200℃(10℃/min)
試料前処理条件:40℃、10分間、500rpm
試料導入条件注入口温度200℃、スプリット25:1
試料導入量:500μL
ガス流量ヘリウム2.0mL/min
質量範囲:30〜600(トータルイオン
スキャン速度:2.58/sec
イオン化電圧:69.9
MSイオン源230℃四重極150℃

0029

また、本発明に係る液体組成物は、その溶存二酸化炭素量が1000ppm以下であり、より好ましくは、500ppm以下である。

0030

溶存二酸化炭素量の測定方法の具体例を以下に示す。
試料のpHを水酸化ナトリウム溶液で11に調整し、溶存二酸化炭素をNa2CO3及びNaHCO3をH2CO3に変換する。次いで、高速液体クロマトグラフィーを使用して、試料中に含まれるH2CO3量を測定する。つまり、H2CO3量を測定することによって、試料中に含まれる溶存二酸化炭素量を間接的に定量する。
高速液体クロマトグラフィーの条件を下記に示す。尚、定量は、炭酸水素ナトリウム水溶液溶存二酸化炭素濃度として1000ppm)を用いて予め作成した検量線を用いて行う。
使用機材:有機酸分析ステム島津製作所社製)
使用カラム親水性化合物分析用カラム製品名(島津製作所社製:SPR−H)
カラム温度:40℃
分析時間:18分
移動相:4mMのp−トルエンスルホン酸(ナカライテスク社製)水溶液
緩衝液:4mMのp−トルエンスルホン酸水溶液(ナカライテスク社製)と78μMのEDTA和光純薬社製)を含む16mMのBis−Tris(ナカライテスク社製)水溶液との混合溶液
移動相流速:0.8mL/分
緩衝液流速:0.8mL/分
検出器電気伝導度測定器(島津製作所社製)

0031

(液体組成物の製造方法)
上記液体組成物の製造方法は、コーヒー焙煎豆から2−メチルフランを含む香気成分を抽出する抽出工程と、抽出工程で得た抽出液を脱気せしめて、溶存二酸化炭素量を1000ppm以下とし、尚且つ、ヘッドスペース法によって内部標準物質のシクロヘキサノール、及び2−メチルフランのそれぞれのピーク面積を測定したとき、シクロヘキサノールに対する2−メチルフランのピーク面積比である2−メチルフラン/シクロヘキサノールの値を3.58以上に保持する脱気工程とを含む。

0032

(1)抽出工程
抽出工程に適用可能な処理方法としては、例えば、水蒸気蒸留法、気−液向流接触抽出法といった公知の方法を適用することができる。

0033

水蒸気蒸留法は、原料水蒸気通気し、水蒸気に伴われて留出してくる香気成分を水蒸気とともに凝縮させる方法である。必要に応じて、加圧水蒸気蒸留常圧水蒸気蒸留・減圧水蒸気蒸留のいずれかの蒸留手法を採用できる。具体的には、例えば、コーヒー焙煎豆を仕込んだ水蒸気蒸留釜の底部から水蒸気を吹き込み、上部の留出側に接続した冷却器留出蒸気を冷却する。これにより、凝縮物として揮発性香気成分を含有する抽出液が捕集される。必要に応じて、香気成分の捕集装置の先に、冷媒を用いたコールドトラップを接続すると、より低沸点の揮発性香気成分を確実に捕集できる。

0034

気−液向流接触抽出法は公知の各種の方法で実施することができる。例えば、特公昭61−274705号公報に記載の装置を用いて抽出する方法を採用することができる。この装置を用いて香気成分を回収する手段を具体的に説明する。まず、回転円錐と固定円錐が交互に組み合わせられた構造を有する気−液向流接触抽出装置の回転円錐上に、コーヒー焙煎豆と水とを混合した液状またはペースト状の材料を上部から流下させる。そして、下部から蒸気を上昇させると、コーヒー焙煎豆由来の香気成分を回収することができる。この気−液向流接触抽出装置の操作条件は任意に選択できるが、具体例を以下に示す。

0035

原料供給速度:300〜700L/Hr
蒸気流量:5〜50Kg/Hr
蒸発量:3〜35Kg/Hr
カラム底部温度:40〜100℃
カラム上部温度:40〜100℃
真空度大気圧〜−100Kpa

0036

コーヒー焙煎豆は、そのまま用いることもできるが、粉砕などの前処理を施した後、抽出工程に供することにより、香気成分の留出が一層促進され効果的である。

0037

(2)脱気工程
脱気工程に適用可能な処理方法としては、例えば、気体分離膜処理法、加温処理法、減圧処理法、透過気化膜処理法空気吹き込み法といった公知の方法を適用することができる。

0038

気体分離膜処理法は、気体分離膜を介して、ある特定の気体を選択的に透過分離する方法である。本実施形態では、上記抽出工程で得た抽出液を気体分離膜に供し、香気成分を残しつつ二酸化炭素を選択的に除去する。

0039

本発明に適用可能な気体分離膜は、二酸化炭素を選択的に透過分離できるものであれば膜素材に制限はなく、一般的に知られる脱気膜を使用してもよい。脱気膜とは一般的には気体を通すが液体は通さない膜と定義されるが、本発明に関しては、ある一定の脱気条件であれば二酸化炭素を通し易いが、香気成分や液体を通し難い膜と定義する。膜としては、非多孔質膜多孔質膜のものがあるが、原理からすれば、水中に溶存するガスが、膜の内外間のガス濃度ドライビングフォースとして除去されるため同じものである。

0040

多孔質膜は、表面張力が高い液体の場合に、膜の疎水性の性質を利用して液体が気相側に入り込むことを防ぐ特徴を持つ。二酸化炭素を分離できれば、孔径の大きさは特に限定されるものではないが、気体分離膜の孔径は、好ましくは0.03μm〜0.04μmである。

0041

非多孔質膜は、空孔がないため、気液接触が少し低くはなるが、表面張力が低い液体の場合において溶液が気相側に入り込む問題がなくなるという点でメリットがある。いずれにせよ、上述する膜は必要に応じて適宜選択すればよい。

0042

気体分離膜の膜面積空孔面積率(非多孔質膜の場合は、膜全体面積に対する気−液交換が起こりうる膜面積の割合で表される)、液流量は、気液接触効率に関わり、脱気程度に影響する。一般的には、気液接触効率は、膜面積に空孔面積率を乗じたものを液流量で割った値で表す。この関係式からもわかるように、流量が一定の条件で、膜面積や空孔面積率が大きくなると、気液交換が起こりやすくなり、逆に、膜面積や空孔面積率が一定の条件では、液流量が大きくなると気液交換が起こりにくくなる。このため、本発明は、上述したそれぞれの因子制約があるわけではなく、膜面積、空孔面積率、液流量のいずれかを変えて気液接触効率を調整する。

0043

膜内外間にガス濃度の差を生じさせるには、膜を隔てた一方の空間に、脱気除去したい気体(二酸化炭素)をできるだけ含まない気体を通過させることや気相側を真空状態にする方法が有効である。本発明においては、必要に応じて、膜内外間に二酸化炭素の濃度差をつけられる程度に、気体の種類(空気、窒素アルゴン、ヘリウムなど)、気体の流量、真空程度を適宜調整すればよい。また、気液接触効率を変化させた場合、膜内外間にガス濃度の差を変化させることでも同じ品質のものがえられることから、気液接触効率と膜内外間にガス濃度の差それぞれが固定値を持つのではなく、それぞれのバランスを調整することが必要である。
尚、上記液体組成物を調製できれば、気液接触効率、気液流量比等の条件に制限はないが、好ましくは、気液接触効率を0.001m/minとし、気液流量比を0.2〜5.0とする。試料溶液の温度が低い場合においては、溶存二酸化炭素の溶解度が高くなり、脱気強度が低下することがあるが、この際は気液流量比を高くすればよい。

0044

加温処理法は、試料溶液を加温して脱気処理する方法であり、ストリッピング操作の一つである蒸気吹き込みと原理が同じもので、試料溶液の温度によって気体の溶解度が異なることを利用したものである。本実施形態では、上記抽出液を適宜攪拌しながら加温して、溶存二酸化炭素を脱気する。尚、上記液体組成物を調製できれば、使用する装置、温度,撹拌速度等の条件に制限はないが、好ましくは、温度を50℃として、処理時間を15分間とする。

0045

減圧処理法は、試料液体減圧下におくことによって脱気処理する方法である。本実施形態では、上記抽出液に対し、真空ポンプを用いて減圧する真空脱気を行う。尚、上記液体組成物を調製できれば、真空度、装置、温度、撹拌速度等の条件に制限はないが、好ましくは、真空度を100hpa〜800hpaとし、処理温度を10℃とし、攪拌速度を130rpmとする。

0046

透過気化膜処理法とは、パーベーパレーションとしても呼ばれているもので、膜を通して液体を蒸発させる方法である。本実施形態では、上記抽出液を、孔のない高分子膜、又は分子レベル微細孔を持つ無機膜に供して、抽出液から溶存二酸化炭素を分離する。尚、上記液体組成物を調製できる条件であれば、特に制限はないが、好ましい操作条件としては、真空度を0hpaとし、処理液温を55℃〜60℃の条件にして、膜の透過側を真空で引くことである。処理量によって、透過気化膜の膜面積や処理時間を変化させることが好ましい。

0047

空気吹き込み法とは、ストリッピング操作のうちの一つであり、試料液体に適当な気体を通気させて脱気処理する方法である(例えば、脱酸素を行なう際の窒素を用いたエアーレーションなどと原理は同じである)。本実施形態では、上記抽出液に所定の気体を通気させて溶存二酸化炭素を脱気する。上記液体組成物を調整できる条件であれば、通気する気体の種類や流量、装置や温度等の条件に特に制限はないが、好ましい条件としては、10℃付近のなるべく低い温度下で、空気供給量を5L/minに調整することである。

0048

以下に、本発明に係る液体組成物の用途等について説明する。
液体組成物の保存温度は、保存期間などから適宜設定すればよいが、−50℃から−10℃で冷凍固化して保存することが望ましい。当該温度で保存することで、原料の安定供給の観点から飲料生産に支障を及ぼさない十分な保存期間である10ヶ月程度の安定性を確保できる。

0049

本発明に係る液体組成物は、バグインボックスや、アルミ袋など密閉性のある容器内で保存する。その際、充填前に加熱すると微生物繁殖を抑制するには好ましいが、一方で、香気成分の飛散に繋がるため注意を要する。

0050

本発明に係る液体組成物は、適当な飲食物に添加して使用することができる。例えば、本発明に係る液体組成物を、通常の容器入り飲料に添加することができる。これにより天然風味が豊かな飲料を提供することができる。また、本発明に係る液体組成物を冷凍固化して固形物として保存しておき、使用する直前解凍して、飲料やその他の食品に添加するようにしても良い。

0051

本発明に係る液体組成物に対して、香気成分の性質を変えない程度において、エタノール・プロピレングリコール・トレハロース・ビタミンC・クマリン誘導体といった公知の安定剤を適宜加えることにより、香気成分の安定性を高めるようにしても良い。

0052

〔別実施形態〕
前述の実施形態における液体組成物の製造方法を、コーヒー焙煎豆の他にも、例えば、ハト麦大麦玄米ゴマ等の焙煎食品素材に適用しても良い。

0053

実験1)溶存二酸化炭素と冷凍時の体積膨張率の関係
コーヒー焙煎豆を気−液向流接触抽出法に供して香気成分を含む抽出液を得た。そして、当該抽出液の溶存二酸化炭素量と凍結時の体積膨張率との関係を評価した。
減圧操作によって完全に脱気した抽出液と、未脱気処理の抽出液とをそれぞれ所定の配合比率で混合して、溶存二酸化炭素濃度の異なる複数の試料を調製した。各試料を、ガス透過性が低いアルミパウチの袋に100mLずつとりわけ、空気が入らないように密閉して凍結させた。凍結前後の各試料の全体積は、水を張ったメスシリンダーに、アルミパウチ袋を投入して、上昇した水量分を全体の体積として測定した。ここで定義する全体積とは、試料自体が凍結して膨張した分と溶液が放出した気体量すべてを合算した値である。

0054

(結果および考察)
図1の結果から、溶存二酸化炭素濃度量が増加すると、凍結時の体積膨張率も増加するという比例関係が明らかとなった。凍結時の体積膨張率は、輸送時の省スペース化の観点から、1.5倍以下であると好ましく、さらに大幅なコストダウンが可能となるのは1.3倍以下であるということを考慮すると、溶存二酸化炭素量を1000ppm以下、より好ましくは500ppm以下とすることが望ましいことがわかった。

0055

(実験2)脱気処理と香気成分残存の関係
抽出液中の溶存二酸化炭素量を削減する方法として、脱気処理が考えられる。脱気処理をすることにより、溶存二酸化炭素だけではなく液中に含まれる香気成分も減少する可能性があるため、あらゆる脱気手段を比較し、溶存二酸化炭素の削減量と香気成分残存との関係を明らかにする。
サンプル調整〕
コーヒー焙煎豆および純水を1:9で混ぜながら、粒径1mm程度まで粉砕した。この液を、気−液向流接触抽出装置としてフレーバーテック社のSCC(Spining Corn Column)を用い以下の条件で運転し、揮発成分を水蒸気と共に回収した。得られた揮発成分は直ちに20℃以下に冷却し、抽出液を得た。

0056

原料供給速度:350L/Hr
蒸気流量:17.5Kg/Hr
蒸発量:17.5Kg/Hr
カラム底部温度:98℃
カラム上部温度:98℃
真空度:大気圧

0057

上記で得られた抽出液を、脱気の目的で、それぞれ気体分離膜処理法、空気吹き込み法、加温処理法、減圧処理法、透過気化膜処理法、および超音波処理法に供した。詳細な条件は、以下に記載する。脱気処理後の抽出液は、溶存二酸化炭素測定用官能評価用、及び成分定量用に試料を取り分け、4℃と−20℃で各々保管した。

0058

〔気体分離膜処理〕
気体分離膜として分離膜コンタクターセルガード社製:リキセル2.5×8インチ)を用いて、以下の条件で処理を行なった。気液接触効率とは、原料供給流量を膜面積と空孔面積率で乗じたもので割ったものと定義し、気液流量比は、空気供給流量を原料供給流量で割ったものと定義する。
膜面積:1.4m2
空孔面積率:40%
空孔径:0.04μm
膜素材:ポリプロピレン
液通側体積:0.40L
気通過側体積:0.15L
原料供給流量:0.56L/min〜1.12L/min
空気供給流量:0.10L/min〜5.6L/min
処理温度:5〜20℃
真空度:常圧
気液接触効率:0.001m/min
気液流量比:0.20〜10.0

0059

〔空気吹き込み処理〕
空気吹き込む装置としてガラスフィルター(孔径JiS規格No.3)を用い、以下の条件で処理を行なった。
空気供給流量:5L/min
原料液量:300mL
処理温度:10℃
処理時間:10秒〜15分間

0060

〔加温処理〕
各温度条件に設定した恒温槽にて、以下の条件で処理を行なった。
原料液量:300mL
処理時間:15分間
処理温度:50〜90℃
スターラー撹拌速度:強度2(石井理科機器製作所社製:型番MS−2)

0061

〔減圧処理〕
減圧装置としてロータリーエバポレータービュッヒ社製:形式R−205、V−805)を用いて、以下の条件で処理を行なった。
原料液量:300mL(1Lナスフラスコ
処理時間:3〜30分間
真空度:25〜800hpa
処理温度:10℃
回転速度:130rpm

0062

〔透過気化膜処理〕
透過気化膜としてゼオライト(三井造船社製:Aタイプ100mm SUSパイプ付)を用いて、以下の条件で処理を行なった。
原料液量:350mL(350mL密閉容器
処理時間:30分〜3時間
真空度:0hpa
処理温度:55℃〜60℃
スターラー撹拌速度:強度2(石井理科機器製作所製:型式MS−2)

0063

超音波処理
超音波発生装置として超音波洗浄機(アズワン社製)を用いて、以下の条件で処理を行なった。
原料液量:300mL
処理時間:15分〜1時間
超音波強度:28Hz
処理温度:10℃
スターラー撹拌速度:強度2(石井理科機器製作所製:型式MS−2)

0064

〔溶存二酸化炭素濃度の測定〕
上記各脱気処理を行った抽出液、及び脱気処理を行っていない抽出液の溶存二酸化炭素濃度を以下の分析方法で測定した。結果を以下の表1〜7、及び図2に示す。

0065

上記各抽出液のpHを水酸化ナトリウム溶液で11に調整し、溶存二酸化炭素をNa2CO3及びNaHCO3をH2CO3に変換する。次いで、高速液体クロマトグラフィーを使用して、試料中に含まれるH2CO3量を測定する。つまり、H2CO3量を測定することによって、試料中に含まれる溶存二酸化炭素量を間接的に定量する。
高速液体クロマトグラフィーの条件を下記に示す。尚、定量は、炭酸水素ナトリウム水溶液(溶存二酸化炭素濃度として1000ppm)を用いて予め作成した検量線を用いて行った。
使用機材:有機酸分析システム(島津製作所社製)
使用カラム:親水性化合物分析用カラム製品名(島津製作所社製:SPR−H)
カラム温度:40℃
分析時間:18分
移動相:4mMのp−トルエンスルホン酸(ナカライテスク社製)水溶液
緩衝液:4mMのp−トルエンスルホン酸水溶液(ナカライテスク社製)と78μMのEDTA(和光純薬社製)を含む16mMのBis−Tris(ナカライテスク社製)水溶液との混合溶液
移動相流速:0.8mL/分
緩衝液流速:0.8mL/分
検出器:電気伝導度測定器(島津製作所社製)

0066

〔官能評価〕
上記各抽出液を純水で50倍に希釈し、専門パネラー2名によって、香り立ち・呈味の総合評価をおこなった。なお、評価は未脱気処理の抽出液を基準として、良好:○、可:△、不満×の3段階で表した。結果を以下の表1〜7に示す。

0067

〔香気成分の定量〕
上記各抽出液について、ヘッドスペース法により2−メチルフラン量を測定した。結果を以下の表1〜7、及び図2に示す。尚、2−メチルフランの定量は内部標準法を用いた。内部標準物質の10g/Lシクロヘキサノール(cyclohexanol)水溶液250μL、及び2−メチルフランのそれぞれのピーク面積を測定し、シクロヘキサノールに対する2−メチルフランのピーク面積比である2−メチルフラン/シクロヘキサノールの値(A)を2−メチルフラン量とした。

0068

ヘッドスペース法の詳細は以下の通りである。
20mLのヘッドスペース用バイアル瓶に、試料2.5mL、及び0.17Mリン酸水素二ナトリウム(ナカライテスク社製)−4.0M塩化ナトリウム(ナカライテスク社製)水溶液7.25mLをとり、内部標準物質として、10g/Lシクロヘキサノール(ナカライテスク社製)水溶液を250μL添加して密栓後、40℃で10分間保持し、ガスクロマトグラフィーにヘッドスペースサンプラーを用いて試料導入を行った。詳細条件は次の通りである。

0069

サンプリング装置:ヘッドスペースサンプラー(Agilent社製:2.5mL容量シリンジ)
分析装置:ガスクロマトグラフィー(Agilent社製:GC:6890/5973 GC−MSD)
カラム:ULTRA2(Agilent社製:50m(長さ)×0.32mm(内径)×0.52μm(膜厚))
温度条件:40℃(5分保持)、40℃−60℃(4℃/min)、60℃−200℃(10℃/min)
試料導入条件:注入口温度200℃、スプリット25:1
試料導入量:500μL
ガス流量:ヘリウム2.0mL/min
質量範囲:30〜600(トータルイオン)
スキャン速度:2.58/sec
イオン化電圧:69.9
MSイオン源230℃四重極150℃

0070

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(結果及び考察)
香気成分量と官能評価の関係
表1〜7、及び図2の結果より、2−メチルフラン量が3.58(試料No.24)以上であれば、官能評価が許容範囲であることがわかる。好ましくは5.67(試料No.9)以上であれば良好であり、未処理品(試料No.1)にひけをとらない香味を維持することがわかった。この結果に実験1の結果を照らすと、2−メチルフラン量が3.58以上であり、溶存二酸化炭素量が1000ppm以下である試料であれば、溶存二酸化炭素による凍結時の膨張が抑制されつつも、香味が許容範囲のコーヒー抽出液であることがわかった。この結果は、気体分離膜処理法、空気吹き込み処理法、加温処理法、減圧処理法及び透過気化処理法のうちいずれの膜脱気手段によっても達成可能であるが、超音波処理法においては、望ましい結果が得られないことがわかった。一方で気体分離膜処理法においては、他の手段と比べ、溶存二酸化炭素が削減された場合、より香気成分が減少し難いことがわかる。

0078

(実験3)次に、気体分離膜処理法における液温の影響を検討した。
気体分離膜の処理条件を表2と一致させ、液温が5℃及び20℃の場合の溶存二酸化炭素量、2−メチルフラン量の測定、及び官能評価を行った。結果を表8、表9に示す。

0079

0080

実施例

0081

(結果および考察)
表2、8、9及び図3の結果から、気体分離膜処理では、溶存二酸化炭素量、2−メチルフラン量、及び官能評価の結果のいずれも挙動に大差ないため、香りを残しつつも、溶存二酸化炭素を除くためには、温度は無関係であることがわかった。

0082

本発明は、コーヒー焙煎豆由来の香気成分の抽出液を保存・搬送するための技術として有用であり、コーヒー飲料製品の製造分野に利用することができる。

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