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技術 盛土の補強構造

出願人 新日鐵住金株式会社
発明者 永尾直也乙志和孝田中宏征亀山彰久西山輝樹喜田浩岡本政信
出願日 2010年3月31日 (10年7ヶ月経過) 出願番号 2010-081275
公開日 2011年10月27日 (9年0ヶ月経過) 公開番号 2011-214248
状態 特許登録済
技術分野 根切り,山留め,盛土,斜面の安定 基礎工事に適用される隔壁 護岸
主要キーワード 外力条件 所定個数毎 鉄道盛土 パイプ継手 面状部材 継手鋼管 引抜抵抗 面状補強材
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図面 (9)

課題

二重の鋼製壁体盛土補強する際に、鋼製壁体の変形を防止しつつ、地震後洪水後に盛土の天端の車両の通行を可能とする盛土の補強構造を提供する。

解決手段

連続する盛土1の略天端1cの範囲内に盛土1の連続方向に沿って二列地中鋼製壁体2が設けられている。地中鋼製壁体2には、それぞれ、地中に配置されるとともに可撓性を有する面状補強材7が接続される。面状補強材7は、それぞれ、地中鋼製壁体2間に架け渡されることなく、地中鋼製壁体2のいずれか一つだけに接続されている。面状補強材7は、二列の地中鋼製壁体2の間に配置され、二列の地中鋼製壁体2がそれぞれ外側に変形するのを防止する。面状補強材7が二列の地中鋼製壁体2の間に架け渡されないので、作業性を向上できる。地震時の液状化により天端が沈下しても、可撓性を有する面状補強材7が上側に突出せず、沈下後も天端上を緊急車両が走行可能となる。

概要

背景

従来、河川等の堤防盛土に対する補強として、盛土の法面に透水性の低い材料や不透水性の材料を被覆することや、盛土の法面の下端側となる法尻部分に盛土の延在方向(長さ方向)に沿って地中鋼矢板壁構築することが知られている。

しかし、法面の被覆では、盛土自体の強度の補強にならず、地震洪水の際に、大きな外力が盛土に作用した場合の盛土(堤体)の破壊を防止することができない。また、地震時の液状化現象などによる基礎地盤軟化や変形により盛土が不安定となることも防止できない。さらに、河川の堤防において、盛土からなる堤体下部の透水性の高い層を通じての堤体内部側への漏水を防止できない。したがって、前記基礎地盤の安定化を図り、前記漏水を防止する上では、上述のように法尻部分に鋼矢板壁を配置する必要があるが、この鋼矢板壁を用いた場合に、盛土の基礎部分の補強が行われても盛土部分の補強が行われず、例えば、洪水時に越水した場合に盛土部分が崩壊するのを防止することができない。

そこで、盛土構造物の左右(堤防の場合に表裏もしくは外内)の法面の上端部となる法肩同士の間や、これら法肩の間の天端(盛土の頂部)部分に、たとえば、支持層から盛土の略天端の高さに至る鋼矢板壁を盛土の長さ方向に沿って構築することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、この特許文献1では、表裏(外内)の両法肩の近傍にそれぞれ鋼矢板壁を構築することにより、盛土構造物の中央部に二列に鋼矢板壁を設けるとともに、盛土中の二列の鋼矢板壁の上端部同士を例えばタイロッド等の連結部材で接続することが提案されている。

このように盛土の法肩から天端部分に二列に鋼矢板壁を構築することで、盛土内二重鋼矢板締切り部が構成され、構造的に堅固な芯を形成し、盛土を補強することができる。これにより、洪水時や地震時の様々な外力条件に対応可能となる。例えば、洪水時の浸透、洗屈、越水や、地震時の慣性力や基礎地盤の液状化に対応可能となる。
すなわち、河川の堤防として用いた場合に、洪水や地震の際に、二列の鋼矢板壁により盛土の天端高さを維持することができるので、河川の氾濫を防止し、河川の氾濫により盛土が崩壊するのを防止することができる。道路鉄道の盛土として使用した場合も、二列の鋼矢板壁の間部分を道路や線路として使用することで、道路や線路の崩壊を防止し、復旧作業を容易なものとすることが可能となる。

概要

二重の鋼製壁体で盛土を補強する際に、鋼製壁体の変形を防止しつつ、地震後や洪水後に盛土の天端の車両の通行を可能とする盛土の補強構造を提供する。連続する盛土1の略天端1cの範囲内に盛土1の連続方向に沿って二列に地中鋼製壁体2が設けられている。地中鋼製壁体2には、それぞれ、地中に配置されるとともに可撓性を有する面状補強材7が接続される。面状補強材7は、それぞれ、地中鋼製壁体2間に架け渡されることなく、地中鋼製壁体2のいずれか一つだけに接続されている。面状補強材7は、二列の地中鋼製壁体2の間に配置され、二列の地中鋼製壁体2がそれぞれ外側に変形するのを防止する。面状補強材7が二列の地中鋼製壁体2の間に架け渡されないので、作業性を向上できる。地震時の液状化により天端が沈下しても、可撓性を有する面状補強材7が上側に突出せず、沈下後も天端上を緊急車両が走行可能となる。

目的

本発明は、二重の鋼矢板壁等の地中鋼製壁体で盛土を補強する際に、地中鋼製壁体の変形を防止しつつ、地震後や洪水後に盛土の天端の車両の通行を可能とするとともに、補強作業の簡便化と工期の短縮を図ることができる盛土の補強構造を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

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請求項1

連続する盛土の略天端の範囲内に盛土の連続方向に沿って少なくとも二列地中鋼製壁体が設けられ、前記地中鋼製壁体にはそれぞれ、可撓性を有し、地中に配置される面状補強材が接続され、前記面状補強材はそれぞれ、隣り合う前記地中鋼製壁体間に架け渡されることなく、前記地中鋼製壁体のいずれか一つだけに接続されていることを特徴とする盛土の補強構造

請求項2

前記地中鋼製壁体のそれぞれには、前記面状補強材が隣り合う前記地中鋼製壁体の間となる側に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の盛土の補強構造。

請求項3

隣り合う前記地中鋼製壁体のそれぞれに接続された面状補強材が深さ方向に重なって配置されるか、または重ならずに水平方向に離れて配置されていることを特徴とする請求項2に記載の盛土の補強構造。

請求項4

複数の面状補強材が前記地中鋼製壁体の連続方向に沿って互いに間隔をあけて並んで配置されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の盛土の補強構造。

請求項5

前記面状補強材が前記地中鋼製壁体の深さ方向に複数段に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の盛土の補強構造。

請求項6

前記地中鋼製壁体の前記面状補強材が取り付けられる側に上下方向に沿う係止溝が前記地中鋼製壁体の長さ方向に並んで設けられ、前記面状補強材が帯状に形成されるとともに、一方の端部に棒状部材が設けられ、前記棒状部材の両端部がそれぞれ前記係止溝に上下方向に移動自在に係止され、ロール状に巻かれた状態の前記面状部材展開して敷設していることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の盛土の補強構造。

技術分野

0001

本発明は、河川等の堤防道路鉄道盛土等の河川、道路、鉄道等に沿って長く延在する盛土補強構造に関する。

背景技術

0002

従来、河川等の堤防の盛土に対する補強として、盛土の法面に透水性の低い材料や不透水性の材料を被覆することや、盛土の法面の下端側となる法尻部分に盛土の延在方向(長さ方向)に沿って地中鋼矢板壁構築することが知られている。

0003

しかし、法面の被覆では、盛土自体の強度の補強にならず、地震洪水の際に、大きな外力が盛土に作用した場合の盛土(堤体)の破壊を防止することができない。また、地震時の液状化現象などによる基礎地盤軟化や変形により盛土が不安定となることも防止できない。さらに、河川の堤防において、盛土からなる堤体下部の透水性の高い層を通じての堤体内部側への漏水を防止できない。したがって、前記基礎地盤の安定化を図り、前記漏水を防止する上では、上述のように法尻部分に鋼矢板壁を配置する必要があるが、この鋼矢板壁を用いた場合に、盛土の基礎部分の補強が行われても盛土部分の補強が行われず、例えば、洪水時に越水した場合に盛土部分が崩壊するのを防止することができない。

0004

そこで、盛土構造物の左右(堤防の場合に表裏もしくは外内)の法面の上端部となる法肩同士の間や、これら法肩の間の天端(盛土の頂部)部分に、たとえば、支持層から盛土の略天端の高さに至る鋼矢板壁を盛土の長さ方向に沿って構築することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、この特許文献1では、表裏(外内)の両法肩の近傍にそれぞれ鋼矢板壁を構築することにより、盛土構造物の中央部に二列に鋼矢板壁を設けるとともに、盛土中の二列の鋼矢板壁の上端部同士を例えばタイロッド等の連結部材で接続することが提案されている。

0005

このように盛土の法肩から天端部分に二列に鋼矢板壁を構築することで、盛土内二重鋼矢板締切り部が構成され、構造的に堅固な芯を形成し、盛土を補強することができる。これにより、洪水時や地震時の様々な外力条件に対応可能となる。例えば、洪水時の浸透、洗屈、越水や、地震時の慣性力や基礎地盤の液状化に対応可能となる。
すなわち、河川の堤防として用いた場合に、洪水や地震の際に、二列の鋼矢板壁により盛土の天端高さを維持することができるので、河川の氾濫を防止し、河川の氾濫により盛土が崩壊するのを防止することができる。道路や鉄道の盛土として使用した場合も、二列の鋼矢板壁の間部分を道路や線路として使用することで、道路や線路の崩壊を防止し、復旧作業を容易なものとすることが可能となる。

先行技術

0006

特開2003−13451号公報

発明が解決しようとする課題

0007

ところで、上述のようにタイロッド等の連結部材で二重の鋼矢板壁同士を連結するのは、鋼矢板壁に外力が作用した場合に、鋼矢板壁上部の大きな変形を防止するためである。しかし、タイロッドが盛土の天端近くに配置される構造であるため、地震時の液状化現象や洪水時の越水などにより、盛土天端の二重の鋼矢板同士の間の地盤面が少し沈下したり、少し削り取られたりした場合に、天端の上面近くにあるタイロッドが露出することになる。タイロッドは、盛土の長さ方向に略等間隔で配置されているため、盛土の天端を道路として使用している場合に、露出したタイロッドが障害物となり、盛土の天端上を車両で通行することが困難になってしまう。なお、道路用の盛土だけではなく、河川の堤防用の盛土においても、天端部分が道路として使用される場合があるとともに、定常的に車両用の道路として使用されていなくても緊急車両用の通路として用いられる場合があり、地震後や洪水後に堤防となる盛土の天端部分を全く車両が通行できない状態となると混乱を生じることになる。

0008

また、互いに間隔をあけて二重に配置された鋼矢板壁同士をタイロッドで連結する作業には、手間がかかるとともに、作業時間が必要となる。二重の鋼矢板壁による盛土の補強においては、盛土上で鋼矢板を順次打設して鋼矢板壁を構築するのに必要な工期が比較的短いが、二重の鋼矢板壁をタイロッドで繋ぐ作業が工期短縮障害となる。

0009

本発明は、二重の鋼矢板壁等の地中鋼製壁体で盛土を補強する際に、地中鋼製壁体の変形を防止しつつ、地震後や洪水後に盛土の天端の車両の通行を可能とするとともに、補強作業の簡便化と工期の短縮を図ることができる盛土の補強構造を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

前記課題を解決するために、請求項1に記載の盛土の補強構造は、連続する盛土の略天端の範囲内に盛土の連続方向に沿って少なくとも二列に地中鋼製壁体が設けられ、
前記地中鋼製壁体にはそれぞれ、可撓性を有し、地中に配置される面状補強材が接続され、
前記面状補強材はそれぞれ、隣り合う前記地中鋼製壁体間に架け渡されることなく、前記地中鋼製壁体のいずれか一つだけに接続されていることを特徴とする。

0011

請求項1に記載の発明においては、地中鋼製壁体にそれぞれ地中の面状補強材が接続されているので、地中鋼製壁体に外力が作用して面状補強材の反対側に変形する場合に、面状補強材を引っ張ることになるが、この際に面状補強材に土砂摩擦抵抗等が作用し、地中鋼製壁体の変形を防止する。

0012

したがって、従来のように二列の鋼矢板壁からなる地中鋼製壁体をタイロッド等の連結部材で連結しなくても鋼矢板壁が変形するのを防止することが可能となる。
この場合に、二列の鋼矢板壁を連結部材で連結する作業より、各鋼矢板壁に面状補強材を取り付ける作業の方が簡便であり、作業量の軽減と工期の短縮を図ることができる。

0013

また、地震や洪水等により、盛土の天端部分の土砂が沈下したり、削り取られたりするようなことがあっても、面状補強材が可撓性を有するとともに隣り合う地中鋼製壁体間に架け渡されておらず片持ち状態なので、土砂中で土砂の沈下とともに撓んで土砂上に露出しないか、露出しても土砂の上面に沿って撓むことで、盛土の天端の車両の走行をタイロッドのように邪魔する可能性が低く、地震後や洪水後に直ぐに盛土の天端上に緊急車両を通行させることが可能となる。

0014

ここで、地中鋼製壁体と面状補強材との接続とは、係止、連結、固定等の様々な接続構造を含むものである。但し、地中鋼製壁体と面状補強材との接続構造においては、地中鋼製壁体が面状補強材から離れる方向に変位した際に面状補強材を引っ張る構造なっている必要がある。また、地中鋼製壁体と面状補強材との間に別部材を介在させて接続させてもよい。

0015

請求項2に記載の盛土の補強構造は、請求鋼1に記載の発明において、前記地中鋼製壁体のそれぞれには、前記面状補強材が隣り合う前記地中鋼製壁体の間となる側に接続されていることを特徴とする。

0016

請求項2に記載の盛土の補強構造においては、二列に配置される地中鋼製壁体の内側に補強部材が接続されることになり、二列の地中鋼製壁体がそれぞれ離れる方向に変形するのを防止することができる。
すなわち、二列の地中鋼製壁体をタイロッドで連結した場合と同様の作用効果を得ることができる。

0017

請求項3に記載の盛土の補強構造は、請求項2に記載の発明において、隣り合う前記地中鋼製壁体のそれぞれに接続された面状補強材が深さ方向に重なって配置されるか、または重ならずに水平方向に離れて配置されていることを特徴とする。

0018

請求項3に記載の盛土の補強構造においては、隣り合う地中鋼製壁体のそれぞれ面状補強材を深さ方向に重ねて配置することで、各地中鋼製壁体に接続される面状補強材の面積をより大きくするとともに、地中鋼製壁体の直交する方向に沿った長さを長くすることができ、地中鋼製壁体の変形に対する抵抗力を大きくすることができる。
また、隣り合う地中鋼製壁体のそれぞれの面状補強材を深さ方向に重ねずに水平方向に離した状態とすることにより、面状補強材の配置位置を浅くすることができる。

0019

各地中鋼製壁体の面状補強材を上述のように深さ方向に重ねた場合に、互いに重なった面状補強材の間に、各面状補強材を現状位置に維持するように土砂の摩擦抵抗(引抜抵抗)を作用させるために、重なる面状補強材どうしの間に深さ方向にある程度の厚みで土砂を配置することが必要となる。これにより、隣り合う地中鋼製壁体にそれぞれ深さ方向に同じ段数で面状補強材を接続した場合に、隣り合う地中鋼製壁体それぞれの面状補強材を深さ方向に重ねないようにした方が、深さ方向に重ねた場合より、最も下となる面状補強材の深さが浅くなり、面状補強材の設置作業が楽になる。ここで、面状補強材を設置する際には、二列の地中鋼製壁体2の間を面状補強材の設置位置まで掘削する必要があり、面状補強材の設置位置を浅くすることで、掘削にかかる作業量を低減することができる。

0020

請求項4に記載の盛土の補強構造は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の発明において、複数の面状補強材が前記地中鋼製壁体の連続方向に沿って互いに間隔をあけて並んで配置されていることを特徴とする。

0021

請求項4に記載の発明においては、地中鋼製壁体が、基本的に長く連続することになるので、面状補強材のサイズが限定される場合に、複数枚の面状補強材を継ぎ足して地中鋼製壁体に接続することになるが、このような場合に、各面状補強材を地中鋼製壁体の連続方向(盛土の連続方向)に間隔をあけて配置してもよい。
この際に、隣り合う地中鋼製壁体で互い違いになるように面状補強材を交互に配置することも可能となり、このような配置とすれば、隣り合う地中鋼製壁体それぞれに接続された面状補強材が深さ方向に重ならないので、面状補強材が配置される深さを浅くすることができ、補強作業の簡便化と工期の短縮を図ることができる。また、二列の地中鋼製壁体のそれぞれに接続された面状補強材を長くしても、各面状補強材が深さ方向に重ならないので、これら面状補強材の地中鋼製壁体に直交する長さを長くし、地中鋼製壁体の長さ方向に間隔あけることで減少した面状補強材の面積を補うことができる。

0022

請求項5に記載の盛土の補強構造は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の発明において、前記面状補強材が地中鋼製壁体の深さ方向に複数段に設けられていることを特徴とする。

0023

請求項5に記載の盛土の補強構造においては、地中鋼製壁体に接続される面状補強材の一枚の面積だけではなく、深さ方向に沿って配置される段数(枚数)によっても変形を防止するための強度を調整することができる。すなわち、面状補強材の深さ方向の段数により地中鋼製壁体の変形に対する面状補強材の抵抗力を調整することができる。したがって、隣り合う地中鋼製壁体の間隔が狭く、これら地中鋼製壁体の間に、広い面積の面状補強材を配置できなくても、地中鋼製壁体の変形を防止することができる。

0024

請求項6に記載の盛土の補強構造は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の発明において、前記地中鋼製壁体の前記面状補強材が取り付けられる側に上下方向に沿う係止溝が前記地中鋼製壁体の長さ方向に並んで設けられ、
前記面状補強材が帯状に形成されるとともに、一方の端部に棒状部材が設けられ、
前記棒状部材の両端部がそれぞれ前記係止溝に上下方向に移動自在に係止され、
ロール状に巻かれた状態の前記面状部材展開して敷設していることを特徴とする。

0025

請求項6に記載の発明においては、盛土の補強構造を施工する場合の作業としては、二列に例えば鋼矢板を連続的に打設することで、二列に地中鋼製壁体を設け、これら二列の地中鋼製壁体の間の部分を最も下側となる面状補強材の設置位置まで掘削し、掘削された部分に面状補強材を敷設するとともに、面状補強材を二列の地中鋼製壁体のうちの一方に接続する。ここで、ロール状に巻かれた状態の面状補強材の一端部側に設けられた棒状部材を地中鋼製壁体に設けられた係止溝内に挿入するとともに、下側に落とし込む(吊り下げる)ことで、面状補強材が掘削された部分の地面上に配置される。この状態で巻かれた面状補強材を展開することで、面状補強材が配置されることになる。また、面状補強材は係止溝に係止された棒状部材を介して地中鋼製壁体に接続された状態となる。
これにより、面状補強材の掘削された地面上への敷設および地中鋼製壁体のへ接続の作業性が向上するとともに、それによって工期の短縮を図ることができる。

発明の効果

0026

本発明によれば、盛土を二列の地中鋼製壁体で補強する場合に、二列の地中鋼製壁体をタイロッド等で連結する必要がなくなり、各地中鋼製壁体に面状方教材を取り付ければよいので、作業性を向上することができる。
また、面状補強材が可撓性を有し、かつ、隣り合う地中鋼製壁体に架け渡されてないので、天端部分が少し沈下したり、少し洗掘されるようなことがあっても、面状補強材が突出せずに撓んで地中もしくは地面上に配置されるので、緊急車両等の車両の通行を可能とすることができる。

図面の簡単な説明

0027

本発明の実施形態に係る盛土の補強構造を示す概略断面図である。
前記盛土の補強構造の変形例を示す概略断面図である。
(a)は前記盛土の補強構造の別の変形例を示す盛土を除いた概略平面図であり、(b)は前記盛土の補強構造の別の変形例を示す概略断面図である。
(a)は前記盛土の補強構造に別の変形例を示す盛土を除いた概略平面図であり、(b)は前記盛土の補強構造の別の変形例を示す概略断面図である。
盛土の補強構造の別の変形例を示す盛土を除いた要部平面図である。
盛土の補強構造の別の変形例を示す盛土を除いた要部平面図である。
盛土の補強構造の別の変形例を示す盛土を除いた要部平面図である。
図7に示す変形例の施工途中の状態を示す要部斜視図である。

実施例

0028

以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1に示すように、この例の盛土の補強構造は、例えば、河川の堤防、道路・鉄道盛土等の盛土を補強するためのものである。盛土1の左右には法面1aが形成されている。
この盛土1の補強構造においては、盛土1の略天端1cの範囲内に鋼矢板3(鋼管矢板を含む:図5図8に各種鋼矢板3a〜3cを図示)を連結した鋼矢板壁からなる地中鋼製壁体2が設置されている。なお、略天端1cの範囲内には、天端1cより少し外側となる法面1aの上端部である法肩1b部分も含まれる。

0029

地中鋼製壁体2を構成する鋼矢板3は盛土1と、その直下の基礎地盤を貫通し、支持地盤根入れされる深さを持ち、盛土1の連続方向(長さ方向)に沿って連続的に設置されている。地中鋼製壁体2の頭部(上端部)は、盛土1の天端1cの高さ付近となる高さに位置している。この盛土1の補強構造においては、盛土1中に、二列に設けられた地中鋼製壁体2,2で締め切られた地盤からなる構造骨格部5が形成されている。

0030

この盛土の補強構造において、洪水や地震等により大きな外力が作用した場合に、二列の地中鋼製壁体2,2の上部が変形する虞があり、特に、二列の地中鋼製壁体2,2が外側、すなわち、近い方の法面1a側に変形する虞がある。そこで、この例では、地中鋼製壁体2,2の変形を防止するために、地中に広げて配置されるとともに地中鋼製壁体2,2の上端部に接続される面状補強材7が設けられている。
面状補強材7は、二列以上の地中鋼製壁体2において、これら隣り合う地中鋼製壁体2の間となる側、すなわち内側に配置される。

0031

この面状補強材7は、隣り合う二列の地中鋼製壁体2の両方に架け渡された状態に接続されることがなく、各面状補強材7は、二列の地中鋼製壁体2,2の何れか一方だけに接続されている。
すなわち、各地中鋼製壁体2は、それぞれ面状補強材7が接続されているが、これら面状補強材7は、それぞれ一つの地中鋼製壁体2だけに接続されており、面状補強材7が隣り合う地中鋼製壁体2を連結した状態とはなっていない。
また、面状補強材7は、地中鋼製壁体2の長さ方向に沿って連続的に配置されるが、例えば、所定形状の面状補強材7を地中鋼製壁体2の長さ方向に複数つなげて配置するような場合に、各地中鋼製壁体2同士の間に間隔が空いていてもよく、面状補強材7が地中鋼製壁体2の長さ方向に完全に連続して配置されている必要はない。

0032

面状補強材7は、例えば合成樹脂材シート状に形成し、土中に敷設して盛土や地盤を補強するものであり、一般にジオシンセティクスあるいはジオテキスタイルなどと呼ばれるものが種々開発されており、可撓性を有し、かつ必要な引張強度を有するものが望ましい。この例では、ジオテキスタイルと呼ばれるもののうちのさらにジオグリッドと呼ばれるグリッド状格子状)のものを用いている。

0033

ジオグリッドとしては、合成樹脂からなる格子状の製品としては、高密度ポリエチレンポリプロピレンなどを用いることができ、化学繊維からなる網状の製品としては、ポリエステル繊維アラミド繊維を用いることができる。なお、可撓性を有するとともに引張特性クリープ特性に優れ、さらに土砂との間に大きな摩擦抵抗を生じるものならば、特に上述の材料や網目状やグリッド状の形状に限定されるものではない。但し、水を通過させる構造となっていることが好ましい。

0034

このような面状補強材7は、引張抵抗性に乏しい土粒子をジオグリッドの網目に強く拘束して基本的に盛土等の土砂を引張補強するものであり、さらに、軟弱地盤上の構造物荷重を分散し、盛土の不等沈下を防止するものであるが、この例では、地中の面状補強材7が土砂に対して高い摩擦抵抗を有し、引抜抵抗が高いことから、地中鋼製壁体2に地中の面状補強材7を接続することにより、地中鋼製壁体2の変形を防止するために使用している。この面状補強材7により、二列の地中鋼製壁体2を例えば、所定間隔毎にタイロッドで接続するような構成としなくても、十分に地中鋼製壁体2の変形を防止することができる。

0035

なお、地中鋼製壁体2に面状補強材7を取り付けた際の面状補強材7の配置には様々なものが考えられ、図1に示す例では、隣り合う各地中鋼製壁体2のそれぞれに、深さ方向(上下方向)に複数段(図1では2段)の面状補強材7が配置されている。
また、面状補強材7の地中鋼製壁体2に直交する長さが二列の地中鋼製壁体2の間の距離の1/2よりも長くなっており、一方の地中鋼製壁体2に接続された面状補強材7と、他方の地中鋼製壁体2に接続された面状補強材7とが深さ方向に重ねて配置されている。

0036

上述のように地中鋼製壁体2に深さ方向に複数段の面状補強材7を配置することで、地中鋼製壁体2の変形に対する抵抗力を高めることができる。したがって、地中鋼製壁体2の変形を防止するのに必要な抵抗力に対応して面状補強材7の枚数を決定することができる。すなわち、深さ方向に一段の面状補強材7で十分に地中鋼製壁体2の変形が防止できるならば、深さ方向に一段だけ面状補強材7を配置する構成としてもよいし、一段では十分に地中鋼製壁体2の変形が防止できない場合には、二段とすればよく、さらに3段以上としてもよい。

0037

また、隣り合う地中鋼製壁体2にそれぞれ接続された面状補強材7を深さ方向に重ねる構成とすることで、面状補強材7を水平に配置する場合に、面状補強材7の長さを最大二列の地中鋼製壁体2間の距離とすることが可能となり、一段の面状補強材7による地中鋼製壁体2の変形の抵抗力を大きくすることができる。

0038

但し、この場合に、二列の地中鋼製壁体2に接続された全ての面状補強材7が深さ方向に重なった状態となるとともに、各面状補強材7の間に土砂を十分な厚さで配置する必要があることから、最も下側の面状補強材7の配置深さが深くなり、面状補強材7を配置するために二列の地中鋼製壁体2の間を掘削する際に必要な掘削深さが深くなる。
なお、最も上側となる面状補強材7は、上側に最低限必要な深さとなる土砂が配置されることになり、天端1cより少し低い位置に配置される。
また、面状補強材7だけでは、十分な地中鋼製壁体2の変形を十分に防止できない場合には、面状補強材7が配置される二列の地中鋼製壁体2の間の部分の上端部において、面状補強材7を配置するとともに土砂を埋め戻す際に、埋め戻す土砂にセメント系固化材地盤改良用セメント)を混ぜ合わせて地盤改良した状態としてもよい。これにより、面状補強材7の引抜抵抗を大きくすることができ、地中鋼製壁体2の変形を抑制する力を大きくすることができる。

0039

このような盛土の補強構造の施工方法は、例えば、既設の盛土に対して補強を行う場合に、盛土に二列に鋼矢板を連結しながら打ち込むことにより鋼矢板壁からなる地中鋼製壁体2を構築する。また、地中鋼製壁体2を構築した後にこれらの間の土砂を掘削する。この際に、最も下に配置される面状補強材7の配置位置まで掘削し、掘削部分の底部に面状補強材7を広げて配置するとともに、この面状補強材7を一方の地中鋼製壁体2に接続する。接続に際しては、面状補強材7を引っ張った際に抜けない状態に地中鋼製壁体2に係止されるか、連結されていればよい。

0040

次に、下から二番目となる面状補強材7の配置位置まで土砂を埋め戻し、埋め戻された土砂の上に面状補強材7を広げ、この面状補強材7を他方の地中鋼製壁体2に接続する。これらの作業を繰り返すことにより、全ての面状補強材7を地盤中に配置するとともに、地中鋼製壁体2に接続する。

0041

この盛土の補強構造にあっては、盛土1を二列の地中鋼製壁体2で補強することにより、例えば、天端1cの幅に相当する距離を隔てて対向する地中鋼製壁体2によって構造骨格部5が締め切られ、拘束されることで高い安定性を確保することから、大規模地震時等に大きな慣性力が作用したり、基礎地盤が液状化等により軟化することがあっても、形態を維持する能力を持つため、少なくとも盛土1の天端部分の崩壊が防止される。また、河川の堤防として用いた場合には、地震時に液状化があっても、また、洪水時に越水があっても盛土高さが維持され、盛土の崩壊(河川の決壊)を防止することができる。

0042

また、地中鋼製壁体2の変形を隣り合う地中鋼製壁体2を所定距離毎にタイロッド等の連結部材で連結するのではなく、各地中鋼製壁体2に面状補強材7を接続する構成なので、作業の簡便化と工期の短縮を図ることができる。なお、面状補強材7の接続は、例えば、地中鋼製壁体2と面状補強材7とのそれぞれに予め係止部材(連結部材)を取り付けておき、これら係止部材(連結部材)同士を係合(連結)する構成とすればよく、簡単な構造で地中鋼製壁体2に面状補強材7を接続することができる。

0043

また、地震時の液状化による沈下や、洪水時の越水による洗掘等により、天端部分の土砂が沈下したり、無くなったりしても、タイロッドが露出するようなことがなく、可撓性を有し、片側だけが地中鋼製壁体2に接続された面状補強材7が土砂と一緒に沈下したり、土砂面に沿った状態で配置されることになる。
ここで、二列の地中鋼製壁体2の間の部分が少し低くなっても、例えば、緊急車両の通行が可能となる確率が高く、地震後や洪水後の緊急車両用通路として、盛土の天端部分を使用可能であるが、天端の直下にタイロッドがある構成だと、タイロッドが露出して低下した天端1c上にハードル状に配置され、車両の通行が不可能となる。

0044

それに対して、上述のように面状補強材7を地中鋼製壁体2の補強に用いることで、緊急車両の通行が可能となる確率が高くなる。これにより、災害時の緊急車両の機動性を確保することができる。
また、面状補強材7を地中鋼製壁体2の上端部に接続する構造とすることで、上述のように面状補強材7を敷設するために、二列の地中鋼製壁体2間を掘削する際の深さが浅くなり、盛土の補強の作業性を向上するとともに工期の短縮を図ることができる。

0045

以下に、地中鋼製壁体2に接続される面状補強材7の配置の変形例を図2から図4を参照して説明する。
なお、以下の変形例においては、面状補強材7の配置が異なるだけで、その他の構成については、上述の例と同様の構成となっている。
図2に示す変形例においては、二列の地中鋼製壁体2のそれぞれに深さ方向に複数段(2段)に面状補強材7が配置されている。また、面状補強材7の地中鋼製壁体2に直交する方向に沿った長さは、隣り合う地中鋼製壁体2の間の距離の1/2以下となっている。これにより、一方の地中鋼製壁体2に接続された面状補強材7と、他方の地中鋼製壁体2に接続された面状補強材7とが深さ方向に重ならない配置となっている。

0046

このような面状補強材7の配置では、上記例に対して、面状補強材7の面積が小さくなるとともに地中鋼製壁体2からの長さが短くなり、面状補強材7で生じる摩擦抵抗が小さくなるが、上下に重なる面状補強材7の枚数が少なくなり、面状補強材7を浅い位置に配置することが可能となる。これにより、面状補強材7を配置する際に、隣り合う地中鋼製壁体2の間を掘削する際の掘削深さを浅くすることが可能となり、面状補強材7を設置する作業の作業性の向上と工期の短縮を図ることができる。したがって、面状補強材7に必要とされる摩擦抵抗力に応じて、図1の面状補強材7の配置と図2の面状補強材7の配置とのいずれかを選択するものとしてもよい。

0047

図3(a)、(b)に示す変形例においては、面状補強材7が地中鋼製壁体2の長さ方向に沿って面状補強材7が連続して配置されておらず、矩形状の面状補強材7が地中鋼製壁体2の長手方向に間隔をあけて一列に配置された状態となっている。また、この例では、面状補強材7の深さ方向の段数が一段とされている。
この例において、矩形状の面状補強材7の地中鋼製壁体2の長さ方向に沿った幅と、面状補強材7の地中鋼製壁体2の長さ方向に沿った間隔との関係は、面状補強材7の前記幅より、前記間隔の方が少し長くなっている。

0048

また、隣り合う二列の地中鋼製壁体2において、一方の地中鋼製壁体2の面状補強材7の形状および配置と、他方の地中鋼製壁体2の面状補強材7の形状および配置とは、同様となっているが、面状補強材7が一方の地中鋼製壁体2と他方の地中鋼製壁体2とで互い違いになるように面状補強材7がずれて配置されており、一方の地中鋼製壁体2の面状補強材7同士の間となる前記間隔に、他方の地中鋼製壁体2の面状補強材7が配置されるようになっている。

0049

これにより、一方の地中鋼製壁体2に接続された面状補強材7と、他方の地中鋼製壁体2に接続された面状補強材7の地中鋼製壁体2に直交する方向の長さが隣り合う地中鋼製壁体2間の距離の1/2以上であっても、面状補強材7どうしが重なることない。
これにより、土砂との摩擦抵抗を大きくするように地中鋼製壁体2に直交する方向に長い面状補強材7を使うものとしても、面状補強材7が重なるのを防止して、面状補強材7を敷設する際の掘削深さを浅くでき、作業性の向上と、工期の短縮を図ることができる。

0050

図4(a)、(b)に示す変形例においては、図3に示す変形例と同様に面状補強材7が地中鋼製壁体2の長さ方向に沿って面状補強材7が連続して配置されておらず、矩形状の面状補強材7が地中鋼製壁体2の長手方向に間隔をあけて一列に配置された状態となっている。また、矩形状の面状補強材7の地中鋼製壁体2の長さ方向に沿った幅と、面状補強材7の地中鋼製壁体2の長さ方向に沿った間隔との関係は、面状補強材7の前記幅より、前記間隔の方が少し長くなっている。

0051

また、隣り合う二列の地中鋼製壁体2において、一方の地中鋼製壁体2の面状補強材7の形状および配置と、他方の地中鋼製壁体2の面状補強材7の形状および配置とは、同様となっているが、面状補強材7の配置が一方の地中鋼製壁体2と他方の地中鋼製壁体2とで互い違いになるように面状補強材7がずれて配置されており、一方の地中鋼製壁体2の面状補強材7同士の間となる前記間隔に、他方の地中鋼製壁体2の面状補強材7が配置されるようになっている。

0052

また、図3に示す例においては、深さ方向に面状補強材7が一段だけ配置されていたのに対して、図4に示す例においては、深さ方向に上下二段に面状補強材7が配置されている。さらに、面状補強材7が、地中鋼製壁体2に接続された基端部から先端部に向うにつれて下に向うように斜めに配置されている。
この例においては、面状補強材7を斜めに配置することで、二列の地中鋼製壁体2の限られた間隔に対して、設置可能な面状補強材7の地中鋼製壁体2に直交する長さを長くできるようにし、これにより面状補強材7の摩擦抵抗を大きくし、地中鋼製壁体2の変形を抑制する力を大きくしている。

0053

以下の図5から図8に示す変形例は、地中鋼製壁体2を構成する鋼矢板3(鋼管矢板を含む)の詳細な例と、地中鋼製壁体2への面状補強材7の係止方法の詳細な例を示し、かつ、施工方法の詳細な例を示すものである。なお、これら図5から図8に示す例において、面状補強材7の配置等は、図1に示す上記例や、図2から図4に示す変形例と同様とすることができる。
図5に示す変形例では、地中鋼製壁体2を構成する鋼矢板壁として、U形鋼矢板3aからなる鋼矢板壁が用いられており、地中鋼製壁体2がU形鋼矢板3aを連結することにより構成されている。
この変形例では、地中鋼製壁体2の隣り合う地中鋼製壁体2に対向する側面側で、山状に突出するU形鋼矢板3aのうちの所定個数毎のU形鋼矢板3aのウェブ部分カットT形鋼21(H形鋼ウェブで1/2にカットすることで形成されたT形鋼)のウェブ部分が溶接されている。U形鋼矢板3aとT形鋼21は、それぞれの軸方向が平行に配置されている。U形鋼矢板3aのウェブとこのウェブに溶接されたカットT形鋼21のフランジとの間に係止溝22が形成されている。係止溝22は、U形鋼矢板3aの軸方向、すなわち上下方向に沿って形成されていることになる。

0054

これらの係止溝22のうちの隣り合うカットT形鋼21の対向する二つの係止溝22に、帯状(長い矩形状)の面状補強材7の一端部が固定された棒状部材71の左右両端部がそれぞれ上下に移動自在に係止される。係止溝22を介して地中鋼製壁体2に係合している棒状部材71に一端部が固定された面状補強材7が、地中鋼製壁体2から隣の地中鋼製壁体2側に広げられて配置されている。
図6に示す変形例は、図5に示す変形例において地中鋼製壁体2を構成する鋼矢板をU形鋼矢板3aではなく、ハット形鋼矢板3bとし、かつ、係止溝22を構成する形鋼を、カットT形鋼21から、H形鋼23に二つのL形鋼アングル材)24を溶接した構造としたものである。

0055

この例では、所定個数毎のハット形鋼矢板3b毎にウェブの山側にH形鋼23のフランジを溶接している。また、H形鋼23のハット形鋼矢板3bに溶接されていない側のフランジとの間に棒状部材の径より少し広い間隔をあけて、H形鋼23のウェブの両側面にそれぞれL形鋼24が溶接されている。このL形鋼24とH形鋼23のフランジとの間が前記係止溝22となっており、この係止溝22に図5に示す変形例と同様に棒状部材71の端部が上下に移動自在に係止されている。
図6に示す変形例では、図5に示す変形例と同様に、棒状部材71を介して地中鋼製壁体2に係止された面状補強材7が隣り合う地中鋼製壁体2に向って広げられた状態となっている。

0056

図7に示す変形例では、図5に示す変形例のU形鋼矢板3aに代えて地中鋼製壁体2を構成する鋼矢板として鋼管矢板3cが用いられている。
鋼管矢板3cには、対向する位置(180度離れた位置)に、パイプ継手3dと、T形継手3eが溶接されており、いわゆるPT継手鋼管矢板となっている。この例においては、さらに各継手3d、3eから90度離れた位置に、T形継手3eと同形状のカットT形鋼3fが溶接され、このカットT形鋼3fと鋼管矢板3cの外周面により、係止溝22が形成され、図5に示す変形例と同様の棒状部材71の端部が係止されている。
図7に示す変形例では、図5に示す変形例と同様に、棒状部材71を介して地中鋼製壁体2に係止された面状補強材7が隣り合う地中鋼製壁体2に向って広げられた状態となっている。

0057

上述の図5から図7に示す変形例における盛土の補強構造の施工方法を、図7及び図8に示す鋼管矢板3cの場合を例に取って説明する。
図7および図8に示すように、鋼管矢板3c(鋼矢板3)を盛土1に二列に打設する際に、前記係止溝22を構成するカットT形鋼3f等の形鋼を予め鋼管矢板3c(鋼矢板3)に溶接しておき、形鋼が溶接された鋼管矢板3cを盛土1に打設し、二列の地中鋼製壁体2を構築する。

0058

次に、盛土1の二列の地中鋼製壁体2の間の土砂を、最も下段となる面状補強材7が配置される深さまで掘削する。
次に、一側縁部側に棒状部材71が固定され、他側縁部側を中心に巻かれてロール状となった面状補強材7を地中鋼製壁体2に係止する。この面状補強材7は、工場等で棒状部材71が固定されるとともに、ロール状に巻かれて現場に搬送される。また、面状補強材の他側縁部には、芯材72を固定し、芯材72を中心軸として、面状補強材7をロール状に巻いてもよい。

0059

このロール状の面状補強材7が固定された棒状部材71の両端部を地中鋼製癖体2の上端側から係止溝22内に挿入し、棒状部材71およびロール状の面状補強材7を掘削された部分の底となる部分まで吊り下ろす。
次に、ロール状の面状補強材7を展開する。すなわち、面状補強材7を平面状に広げる。この際には、例えば、重機等により芯材72を引っ張ることにより、面状補強材7を展開することができる。

0060

この広げられた面状補強材7の上に土砂を埋め戻す。この際に深さ方向に複数段の面状補強材7を配置する場合には、面状補強材7を配置する高さ位置まで土砂を埋め戻した後に、上述のように面状補強材7を地中鋼製癖体2に係止するとともに展開する。これを面状補強材7の深さ方向の配置段数だけ繰り返すことになる。
このような盛土の補強構造の施工方法によれば、面状補強材7の地中鋼製癖体2への係止と、面状補強材7の敷設が容易なものとなる。

0061

なお、面状補強材7は、上述のジオグリッドを含むジオシンセティクスあるいはジオテキスタイルと呼ばれるものから適宜選択して用いることができる。また、地中鋼製壁体2に用いられる鋼矢板3は、U形鋼矢板3a、ハット形鋼矢板3b、鋼管矢板3c以外に、Z形鋼矢板等を用いることができる。

0062

1盛土
1c天端
2地中鋼製壁体
7面状補強材
22係止溝
71 棒状部材

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