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概要
背景
概要
部品実装機で使用する画像処理用部品データを作成する技術において、信頼性の高い画像処理用部品データを自動的に作成できるようにする。部品のCADデータから抽出した第1の部品形状データと、部品をカメラ12で撮像して得られた撮像画像から計測した第2の部品形状データとに基づいて画像処理用部品データを作成する。具体的には、部品実装機の稼働中(生産中)に、カメラ12で部品を撮像する毎にその撮像画像から第2の部品形状データを計測して画像処理用部品データを調整する処理を繰り返す。この際、画像処理用部品データの初期値をCADデータに基づいて作成し、CADデータから抽出した第1の部品形状データと撮像画像から計測した第2の部品形状データとを比較して両者の偏差が所定値以内である第2の部品形状データを用いて画像処理用部品データを作成する。
目的
本発明が解決しようとする課題は、信頼性の高い画像処理用部品データを自動的に作成できる画像処理用部品データ作成方法及び画像処理用部品データ作成装置を提供する
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 1件
- 牽制数
- 2件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
部品実装機で実装する部品を画像認識する際に使用する画像処理用部品データを作成する画像処理用部品データ作成方法において、部品のCADデータから第1の部品形状データを抽出する処理と、前記部品をカメラで撮像して得られた撮像画像から第2の部品形状データを計測する処理と、前記第1の部品形状データと前記第2の部品形状データとに基づいて前記画像処理用部品データを作成する処理とを含むことを特徴とする画像処理用部品データ作成方法。
請求項2
前記第1の部品形状データと前記第2の部品形状データとを比較して両者の偏差が所定値以内である該第2の部品形状データを用いて前記画像処理用部品データを作成することを特徴とする請求項1に記載の画像処理用部品データ作成方法。
請求項3
複数の撮像画像から複数の部品形状データを計測し、前記複数の部品形状データを用いて前記画像処理用部品データを作成することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理用部品データ作成方法。
請求項4
請求項5
前記部品実装機の稼働中に前記カメラで部品を撮像する毎にその撮像画像から前記第2の部品形状データを計測して前記画像処理用部品データを調整する処理を繰り返すことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像処理用部品データ作成方法。
請求項6
前記画像処理用部品データの初期値は、前記CADデータに基づいて作成することを特徴とする請求項5に記載の画像処理用部品データ作成方法。
請求項7
部品実装機で実装する部品を画像認識する際に使用する画像処理用部品データを作成する画像処理用部品データ作成装置において、部品のCADデータから第1の部品形状データを抽出する手段と、前記部品をカメラで撮像して得られた撮像画像から第2の部品形状データを計測する手段と、前記第1の部品形状データと前記第2の部品形状データとに基づいて前記画像処理用部品データを作成する手段とを含むことを特徴とする画像処理用部品データ作成装置。
技術分野
0001
本発明は、部品実装機で実装する部品を画像認識する際に使用する画像処理用部品データを作成する画像処理用部品データ作成方法及び画像処理用部品データ作成装置に関する発明である。
背景技術
0002
従来の画像処理用部品データの作成方法は、特許文献1(特開平9−167237号公報)等に記載されているように、電子部品のカタログ等に記載された寸法、リード本数等の製品仕様やCADデータ(スペックデータ)を参照して、作業者が手入力で画像処理用部品データを作成したり、或は、部品をカメラで撮像して画像処理して画像処理用部品データを自動的に作成するようにしたものがある。
先行技術
0003
特開平9−167237号公報
発明が解決しようとする課題
0004
ところで、実際にカメラで撮像した画像は、部品の色、照明光の照射方向、部品の公差等の影響を受けて、撮像された画像上の電子部品の寸法が変化するため、製品仕様やCADデータを参照して作業者が手入力で作成した画像処理用部品データを用いる場合は、生産中に実際の部品の撮像画像から計測した部品寸法データと画像処理用部品データとのずれが大きくなってサイズエラーとなることがある。
0005
また、撮像画像から自動作成した画像処理用部品データを用いる場合は、部品の色、照明光の照射方向、部品の公差等の影響を受けて、画像認識する部品寸法が変化するため、撮像画像から自動作成する画像処理用部品データの信頼性が低いという欠点がある。
0006
そこで、本発明が解決しようとする課題は、信頼性の高い画像処理用部品データを自動的に作成できる画像処理用部品データ作成方法及び画像処理用部品データ作成装置を提供することである。
課題を解決するための手段
0007
上記課題を解決するために、請求項1,7に係る発明は、部品実装機で実装する部品を画像認識する際に使用する画像処理用部品データを作成する画像処理用部品データ作成方法及び画像処理用部品データ作成装置において、部品のCADデータから第1の部品形状データを抽出すると共に、部品をカメラで撮像して得られた撮像画像から第2の部品形状データを計測し、前記第1の部品形状データと前記第2の部品形状データとに基づいて前記画像処理用部品データを作成するようにしたものである。このように、部品のCADデータと撮像画像の両方を用いて画像処理用部品データを作成するようにすれば、従来よりも信頼性の高い画像処理用部品データを自動的に作成できる。
0008
具体的には、請求項2のように、第1の部品形状データと第2の部品形状データとを比較して両者の偏差が所定値以内である第2の部品形状データを用いて画像処理用部品データを作成するようにしても良い。このようにすれば、撮像画像から計測した第2の部品形状データにばらつきがあっても、許容ばらつき範囲を越える第2の部品形状データを用いて画像処理用部品データを作成することを未然に防止でき、画像処理用部品データの信頼性を更に向上させることができる。
0009
また、請求項3のように、複数の撮像画像から複数の部品形状データを計測し、前記複数の部品形状データを用いて画像処理用部品データを作成するようにしても良い。このようにすれば、画像処理用部品データの信頼性を更に向上させることができる。
0010
また、請求項4のように、複数の部品形状データを統計処理してその統計処理値に基づいて許容ばらつき範囲(信頼区間)を調整するようにしても良い。このようにすれば、許容ばらつき範囲(信頼区間)の精度を高めることができる。
0011
また、請求項5のように、部品実装機の稼働中(生産中)に、カメラで部品を撮像する毎にその撮像画像から第2の部品形状データを計測して画像処理用部品データを調整する処理を繰り返すようにしても良い。このようにすれば、部品実装機の稼働中に画像処理用部品データの精度を高めることができる。
0012
また、請求項6のように、画像処理用部品データの初期値は、CADデータに基づいて作成するようにしても良い。このようにすれば、画像処理用部品データの初期値を簡単に作成することができる。
図面の簡単な説明
0013
図1は本発明の一実施例の画像処理用部品データ作成装置の構成を示すブロック図である。
図2は部品のCADデータの一例を説明するものであり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
図3は部品形状データの一例を説明する図である。
図4は許容ばらつき範囲(信頼区間)の幅に相当する許容値の決定方法を説明する図である。
図5は画像処理用部品データ作成プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
実施例
0014
以下、本発明を実施するための形態を具体化した一実施例を説明する。
図1に示すように、画像処理用部品データ作成装置は、パーソナルコンピュータ等のコンピュータ11と、部品の撮像画像を取り込むためのカメラ12と、キーボード、マウス等の入力装置13と、液晶ディスプレイ、CRT等の表示装置14と、後述する画像処理用部品データ作成プログラムや各種のデータ等を記憶する記憶装置15とを備えた構成となっている。
0015
画像処理用部品データ作成装置は、部品実装機の制御システムを利用して構成しても良いし、或は、部品実装機の制御システムとは別に構成した専用の画像処理用部品データ作成装置(例えば卓上撮像装置とパーソナルコンピュータとの組み合わせ)を用いても良い。部品実装機の制御システムを利用して画像処理用部品データ作成装置を構成する場合には、カメラ12は、部品実装機の吸着ノズルに吸着した部品をその下方から撮像するカメラ(いわゆるパーツカメラ)を使用すれば良い。
0016
コンピュータ11は、後述する図5の画像処理用部品データ作成プログラムを実行することで、部品のCADデータ(スペックデータ)から第1の部品形状データを抽出すると共に、部品をカメラ12で撮像して得られた撮像画像から第2の部品形状データを計測し、前記第1の部品形状データと前記第2の部品形状データとに基づいて画像処理用部品データを作成する。
0017
ここで、部品のCADデータの一例を図2を用いて説明する。
図2に示すCADデータは、リード型のIC部品のCADデータである。図2のCADデータには、部品の外形形状のデータが含まれると共に、部品のボディのX方向長さ及びY方向長さ、リード間のピッチ、リード幅、リード長さ、リードのX方向の位置、部品の高さ等、部品寸法に関する様々なデータが含まれる。
0018
一方、CADデータや撮像画像から計測した部品形状データには、例えば、次の(1) 〜(14)に示すデータが含まれる(図3参照)。
0019
(1) 「Body Length X」 :部品のボディのX方向の長さ[A]
(2) 「Body Width Y」 :部品のボディのY方向の長さ[B]
(3) 「Length Tolerance X」:部品のボディのX方向の長さの許容値
(4) 「Length Tolerance Y」:部品のボディのY方向の長さの許容値
(5) 「Lead Position X」 :リードのX方向の位置
(6) 「Lead Position Y」 :リードのY方向の位置
(7) 「Lead Quantity 」 :対象サイドのリード本数
(8) 「Lead Pitch」 :対象サイドのリード間のピッチ[C]
(9) 「Lead Width」 :対象サイドのリード幅[D]
(10)「Lead Length 」 :対象サイドのリード長さ[E]
(11)「Pitch Tolerance 」 :リード間のピッチの許容値
(12)「Width Tolerance 」 :リード幅の許容値
(13)「Length Tolerance 」 :リード長さの許容値
(14)「Center Tolerance 」 :リード曲がりの許容値
0021
また、画像処理用部品データの作成に使用する撮像画像の枚数が多い場合(例えば生産中)は、計測したデータを平均化したり、P,PI制御により、部品形状データ(部品寸法)を随時修正しても良い。この場合は、後述する許容値も合わせて修正するようにしても良い。
0022
次に、図4を用いて、許容ばらつき範囲(信頼区間)の幅に相当する許容値の決定方法を説明する。
図4は、撮像画像上で計測した部品寸法データの分布と許容値との関係を示している。撮像画像上の部品寸法の平均値とCADデータ上の部品寸法との偏差を許容値aとしても良いし、また、撮像画像上の部品寸法の所定割合、例えば90%が含まれる範囲(90%信頼区間)を許容値bとしても良い。
0023
或は、複数の撮像画像から計測した複数の部品寸法データを統計処理してその統計処理値である例えば標準偏差に応じて許容値(信頼区間)を調整するようにしても良い。例えば、標準偏差が大きい場合は、許容値(信頼区間)を大きくし、標準偏差が小さい場合は、許容値(信頼区間)を小さくしても良い。
0025
本実施例では、CADデータから抽出した第1の部品形状データと、部品をカメラ12で撮像して得られた撮像画像から計測した第2の部品形状データとに基づいて画像処理用部品データを作成する技術において、部品実装機の稼働中(生産中)に、カメラ12で部品を撮像する毎にその撮像画像から第2の部品形状データを計測して画像処理用部品データを調整する処理を繰り返して画像処理用部品データの精度を高める。この際、画像処理用部品データの初期値をCADデータに基づいて作成するとともに、CADデータから抽出した第1の部品形状データと撮像画像から計測した第2の部品形状データとを比較して両者の偏差が所定値以内である第2の部品形状データを用いて画像処理用部品データを作成する。
0027
図5の画像処理用部品データ作成プログラムは、部品実装機の稼働中(生産中)に実行される。本プログラムが起動されると、まずステップ101で、上位のホストコンピュータから生産に使用する(撮像対象となる)部品のCADデータを取得する。尚、CADデータは、部品実装機を制御するコンピュータ11の記憶装置15に記憶しておいても良い。
0028
この後、ステップ102に進み、取得したCADデータを参照して、対応する第1の部品形状データ(ボディサイズやリードサイズ等)をセットすると共に、許容値の初期値をCADデータに基づいて作成する。この際、許容値の初期値をCADデータの所定割合、例えば±10%の値にセットする。
0029
そして、ステップ103に進み、部品実装機の吸着ノズルに吸着した部品をカメラ12で撮像して部品の撮像画像を取得し、この撮像画像を画像処理して部品寸法を算出する。この後、ステップ104に進み、撮像画像から計測した部品寸法とCADデータから抽出した部品寸法とを比較して両者の偏差が所定の閾値以内であるか否かで今回取得した撮像画像の適否を判定し、当該偏差が所定の閾値を越えれば、今回取得した撮像画像が不適当と判断してステップ103に戻り、次の部品の撮像画像を取得して部品寸法を算出する処理を繰り返す。
0030
これに対し、上記ステップ104で、偏差が所定の閾値以内であれば、今回取得した撮像画像が適当と判断して、ステップ105に進み、今回取得した撮像画像から計測した部品寸法に基づいて第2の部品形状データ(部品寸法)を調整する。この調整は、平均化処理や、P,PI制御により行う。
0031
この後、ステップ106に進み、上記ステップ105で調整された第2の部品形状データに基づいて部品寸法の偏差、標準偏差、信頼区間を算出する。この後、ステップ107に進み、標準偏差に応じて第2の部品形状データの信頼区間(許容値)を調整する。
0032
そして、次のステップ108で、撮像(実装)する部品が変更されたか否かを判定し、撮像する部品が変更されていないと判定されれば、上述したステップ103〜107の処理を繰り返し、次の部品の撮像画像を取得して部品寸法を算出して第2の部品形状データの信頼区間(許容値)を調整する処理を繰り返す。
0033
その後、ステップ108で、撮像(実装)する部品が変更されたと判定されれば、本プログラムを終了する。この後、再度、本プログラムを起動して、変更された部品について、上述した処理を繰り返す。
0034
以上説明した本実施例によれば、CADデータから抽出した第1の部品形状データと、部品をカメラ12で撮像して得られた撮像画像から計測した第2の部品形状データとに基づいて画像処理用部品データを作成するため、従来よりも信頼性の高い画像処理用部品データを自動的に作成できる。
0035
しかも、本実施例では、撮像画像から計測した第2の部品形状データ(部品寸法)とCADデータから抽出した第1の部品形状データ(部品寸法)とを比較して両者の偏差が所定の閾値以内であるか否かで撮像画像の適否を判定するようにしたので、撮像画像から計測した第2の部品形状データにばらつきがあっても、所定の閾値を越える第2の部品形状データを用いて画像処理用部品データを作成することを未然に防止でき、画像処理用部品データの信頼性を更に向上させることができる。
0036
更に、本実施例では、部品実装機の稼働中に、カメラ12で部品を撮像する毎にその撮像画像から第2の部品形状データを計測して画像処理用部品データを調整する処理を繰り返すようにしたので、画像処理用部品データの信頼性を更に向上させることができる。
0037
尚、画像処理用部品データの自動作成は、少なくとも部品の画像処理前に実行されていなければならないが、生産当初は、CADデータから自動作成した画像処理用部品データを使用して画像処理を行い、生産しながら画像処理用部品データを自動チューニングしても良い。この際、所定数の部品を撮像した後、自動チューニングを終了するようにしても良い。
0038
一般に、部品の撮像画像は、各部品実装機の照明光源やカメラ12の調整の影響を受けるため、撮像画像上の部品寸法が変化する場合がある。従って、部品実装機で自動作成した画像処理用部品データは、当該部品実装機で使用する場合には適しているが、他の部品実装機で使用する場合は適していない可能性がある。
0039
そこで、上位のホストコンピュータでCADデータ上の部品寸法のみを記憶し、部品実装機では、撮像画像上の部品寸法とCADデータ上の部品寸法との偏差と許容値を記憶するようにしても良い。
0040
その他、本発明の画像処理用部品データ作成装置は、部品実装機に限定されず、部品実装機とは別に構成した専用の画像処理用部品データ作成装置(例えば卓上撮像装置とパーソナルコンピュータとの組み合わせ)を用いても良い。
0041
11…コンピュータ、12…カメラ、13…入力装置、14…表示装置、15…記憶装置