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技術 配線用電線導体、配線用電線導体の製造方法、配線用電線および銅合金素線

出願人 古河電気工業株式会社
発明者 高橋功平井雅信小田健作
出願日 2011年5月2日 (9年7ヶ月経過) 出願番号 2011-103154
公開日 2011年10月20日 (9年2ヶ月経過) 公開番号 2011-210730
状態 特許登録済
技術分野 非鉄金属または合金の熱処理 導電材料 非絶縁導体 絶縁導体(1) 電線ケーブルの製造(1)
主要キーワード 材料中心 圧縮工程前 歪線図 断面減少 電力用電線 電子機器用コネクタ 絶縁体被覆 圧着強度
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課題

例えば自動車内の電力用電線に使用できる程度の高い導電性を有し、強度および伸びが高く、さらに端子圧着強度衝撃破断強度および屈曲性に優れる配線用電線導体、ならびにその配線用電線導体の製造方法を提供する。

解決手段

Crを0.3〜1.5質量%、Zrを0.005〜0.4質量%含有し、残部がCuと不可避不純物からなる組成を有する銅合金線材複数本撚り合わせてなる配線用電線導体であって、引張強さが400MPa以上650MPa以下、破断時の伸びが7%以上、導電率が65%IACS以上、0.2%耐力と引張強さの比が0.7以上0.95以下であり、かつ加工硬化指数が0.03以上0.17以下であることを特徴とする、配線用電線導体。

概要

背景

従来、自動車ロボット電気電子機器等の配線用電線導体として、主にJIS C 3102に規定される電気用軟銅線、またはこれに錫めっき等を施しためっき線を撚り合わせて撚線とし、この撚線に塩化ビニル架橋ポリエチレン等の絶縁体被覆した電線被覆電線)が使用されてきた。

これらの電線を機器と接続する場合、通常、圧着端子と呼ばれる端子を電線と圧着接続し、電線に接続された圧着端子を機器と接続する。なお、圧着接続とは、端子材で電線を包み込み(または挟み込み)、かしめを行って接続する方法である。

圧着による接続状態を評価する方法として、JIS C 5402(電子機器用コネクタ試験方法)にある「圧着コンタクト引張強度」に基づいて試験する方法がある。これは、電線と圧着端子を接続後、それぞれの両端を掴んで引張試験を行い、破断が生じる時の強度を測定するものである。一般に圧着部はかしめにより導体の断面積がかしめ前より2〜3割小さくなっており(以下、かしめにより導体の断面積が減少した割合を「断面減少率」とする)、圧着部における導体の強度の絶対値は低下している。このため、破断は通常かしめ部分で生じる。

ところで、例えば自動車配線回路においては、制御等の電子化が進み、使用する電線の本数が増加し、これに伴い電線の総重量も増加してきた。一方、省エネルギ立場からは、自動車重量の軽減化が要求されるようになってきた。そして、その対策の一つとして、電線導体細径化による電線の総重量の軽減化が求められている。

しかしながら、従来の電線導体を構成する前述の軟銅線は、通電容量には十分余裕があるにもかかわらず、電線導体自体の機械的強度が弱いため細径化することは困難であった。軟銅線の圧着強度は、かしめにより導体の断面積が低下しても、導体自身が加工硬化する余地があるため、圧着部の強度が未圧着部の強度とほぼ同等であり圧着強度の安定性は高いが、軟銅であるため強度そのものが低いという問題が大きい。

そこで、圧着部の機械的強度の向上策として、たとえば銅合金硬質材の使用が検討されている(特許文献1参照)。また、耐屈曲性に優れ、圧着端子部における引張りによる断線を減少させる銅合金線として時効析出型の銅合金(Cu−Ni−Si系:いわゆるコルソン合金)の使用が検討されている(特許文献2参照)。さらに、時効析出型の銅合金線の特性向上の検討も進んでいる(特許文献3〜4参照)。

概要

例えば自動車内の電力用電線に使用できる程度の高い導電性を有し、強度および伸びが高く、さらに端子圧着強度衝撃破断強度および屈曲性に優れる配線用電線導体、ならびにその配線用電線導体の製造方法を提供する。Crを0.3〜1.5質量%、Zrを0.005〜0.4質量%含有し、残部がCuと不可避不純物からなる組成を有する銅合金線材複数本撚り合わせてなる配線用電線導体であって、引張強さが400MPa以上650MPa以下、破断時の伸びが7%以上、導電率が65%IACS以上、0.2%耐力と引張強さの比が0.7以上0.95以下であり、かつ加工硬化指数が0.03以上0.17以下であることを特徴とする、配線用電線導体。なし

目的

本発明は、例えば自動車内の電力用電線に使用できる程度の高い導電性を有し、強度および伸びが高く、さらに端子圧着強度、衝撃破断強度および屈曲性に優れる配線用電線導体、ならびにその配線用電線導体の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

Crを0.3〜1.5質量%、Zrを0.005〜0.4質量%含有し、残部がCuと不可避不純物からなる組成を有する銅合金線材複数本撚り合わせてなる配線用電線導体であって、引張強さが400MPa以上650MPa以下、破断時の伸びが7%以上、導電率が65%IACS以上、0.2%耐力と引張強さの比が0.7以上0.95以下であり、かつ加工硬化指数が0.03以上0.17以下であることを特徴とする、配線用電線導体。

請求項2

前記銅合金線材の組成が、Snを0.1〜0.6質量%、Agを0.005〜0.3質量%、Mgを0.05〜0.4質量%、Inを0.1〜0.8質量%、およびSiを0.01〜0.15質量%からなる群から選ばれる少なくとも1種をさらに含有することを特徴とする、請求項1に記載の配線用電線導体。

請求項3

前記銅合金線材の組成が、前記Snを0.1〜0.6質量%、Agを0.005〜0.3質量%、Mgを0.05〜0.4質量%、Inを0.1〜0.8質量%、およびSiを0.01〜0.15質量%からなる群から選ばれる少なくとも1種をこれらの含有量の合計として0.005〜0.8質量%含有することを特徴とする、請求項2に記載の配線用電線導体。

請求項4

前記銅合金線材の組成が、さらにZnを0.1〜1.5質量%含有することを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の配線用電線導体。

請求項5

請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の配線用電線導体を製造する方法であって、前記組成を有する銅合金溶体化処理を施し、所定の線径伸線加工して得た銅合金線材を複数本撚り合わせ、さらに圧縮した後、300〜550℃で、1分〜5時間時効熱処理を行うことを特徴とする配線用電線導体の製造方法。

請求項6

前記伸線加工における伸線加工度ηを、前記溶体化直後の材料の断面積をA0、前記時効直前の材料の断面積をA1とし、η=ln(A0/A1)で表したとき、ηの値が5以上であることを特徴とする、請求項5記載の配線用電線導体の製造方法。

請求項7

請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の配線用電線導体に、絶縁被覆が施されていることを特徴とする、配線用電線

請求項8

請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の配線用電線導体の銅合金線材として用いられる銅合金素線であって、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の組成を有してなり、その電気抵抗率が完全に溶体化を行った時の電気抵抗率の70%以上であることを特徴とする、銅合金素線。

技術分野

0001

この発明は、電気電子機器等の配線用電線導体およびこれを用いた配線用電線に関する。

背景技術

0002

従来、自動車ロボット、電気・電子機器等の配線用電線の導体として、主にJIS C 3102に規定される電気用軟銅線、またはこれに錫めっき等を施しためっき線を撚り合わせて撚線とし、この撚線に塩化ビニル架橋ポリエチレン等の絶縁体被覆した電線被覆電線)が使用されてきた。

0003

これらの電線を機器と接続する場合、通常、圧着端子と呼ばれる端子を電線と圧着接続し、電線に接続された圧着端子を機器と接続する。なお、圧着接続とは、端子材で電線を包み込み(または挟み込み)、かしめを行って接続する方法である。

0004

圧着による接続状態を評価する方法として、JIS C 5402(電子機器用コネクタ試験方法)にある「圧着コンタクト引張強度」に基づいて試験する方法がある。これは、電線と圧着端子を接続後、それぞれの両端を掴んで引張試験を行い、破断が生じる時の強度を測定するものである。一般に圧着部はかしめにより導体の断面積がかしめ前より2〜3割小さくなっており(以下、かしめにより導体の断面積が減少した割合を「断面減少率」とする)、圧着部における導体の強度の絶対値は低下している。このため、破断は通常かしめ部分で生じる。

0005

ところで、例えば自動車配線回路においては、制御等の電子化が進み、使用する電線の本数が増加し、これに伴い電線の総重量も増加してきた。一方、省エネルギ立場からは、自動車重量の軽減化が要求されるようになってきた。そして、その対策の一つとして、電線導体細径化による電線の総重量の軽減化が求められている。

0006

しかしながら、従来の電線導体を構成する前述の軟銅線は、通電容量には十分余裕があるにもかかわらず、電線導体自体の機械的強度が弱いため細径化することは困難であった。軟銅線の圧着強度は、かしめにより導体の断面積が低下しても、導体自身が加工硬化する余地があるため、圧着部の強度が未圧着部の強度とほぼ同等であり圧着強度の安定性は高いが、軟銅であるため強度そのものが低いという問題が大きい。

0007

そこで、圧着部の機械的強度の向上策として、たとえば銅合金硬質材の使用が検討されている(特許文献1参照)。また、耐屈曲性に優れ、圧着端子部における引張りによる断線を減少させる銅合金線として時効析出型の銅合金(Cu−Ni−Si系:いわゆるコルソン合金)の使用が検討されている(特許文献2参照)。さらに、時効析出型の銅合金線の特性向上の検討も進んでいる(特許文献3〜4参照)。

先行技術

0008

特開2008−016284号公報
特開平3−162539号公報
特開2008−266764号公報
特開2008−088549号公報

発明が解決しようとする課題

0009

ところで、特許文献1に記載された銅合金の硬質材による電線導体は、それ自身の加工硬化がほぼ飽和していると考えられる。この場合には、圧着端子を電線導体に接続する際のかしめによる断面積低下により電線導体の圧着部における絶対強度が低下するため、安定した圧着強度が得られないおそれがある。また、硬質であるため伸びが無く、衝撃力が付与された時に断線しやすい。さらに屈曲性について、振動等による低歪での疲労特性は優れるが、配索時等に付与される高歪の繰り返し曲げに対し破断するおそれがある。
特許文献2に記載された時効析出型銅合金(コルソン合金)の電線導体は、伸び率が高く圧着強度、衝撃強度に優れ、信号回路用の電線には使用できるが、ヒューズ回路を使用する様な電力用の電線に用いるには導電率が低いという問題がある。
また、特許文献3には、連続鋳造圧延法により銅合金の荒引線を得るに際して高温焼入れすることが記載され、特許文献4には銅合金線を時効熱処理することが記載されているが、電線導体のさらなる特性向上のためには、特許文献3〜4に記載された技術以外の技術事項についても詳細な検討が必要となっている。

0010

このような問題に鑑み、本発明はなされたものである。本発明は、例えば自動車内の電力用電線に使用できる程度の高い導電性を有し、強度および伸びが高く、さらに端子圧着強度衝撃破断強度および屈曲性に優れる配線用電線導体、ならびにその配線用電線導体の製造方法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明者らは鋭意検討した結果、特定の組成の時効析出型銅合金を用いて、前記課題を解決する銅合金線材を製造し得ることを見出し、さらにこれを撚り合わせた配線用電線導体として、0.2%耐力と引張強さとの比を0.7以上0.95以下、加工硬化指数を0.03以上0.17以下とし、また、溶体化後加工率を適切な条件としたうえで、最終工程で行う時効焼鈍熱処理)にて、上記配線用電線導体を再現性よく得ることができることを見出した。

0012

すなわち、本発明は、以下の手段を提供するものである。
(1)Crを0.3〜1.5質量%、Zrを0.005〜0.4質量%含有し、残部がCuと不可避不純物からなる組成を有する銅合金線材を複数本撚り合わせてなる配線用電線導体であって、引張強さが400MPa以上650MPa以下、破断時の伸びが7%以上、導電率が65%IACS以上、0.2%耐力と引張強さの比が0.7以上0.95以下であり、かつ加工硬化指数が0.03以上0.17以下であることを特徴とする、配線用電線導体。
(2)前記銅合金線材の組成が、Snを0.1〜0.6質量%、Agを0.005〜0.3質量%、Mgを0.05〜0.4質量%、Inを0.1〜0.8質量%、およびSiを0.01〜0.15質量%からなる群から選ばれる少なくとも1種をさらに含有することを特徴とする、前記(1)に記載の配線用電線導体。
(3)前記銅合金線材の組成が、前記Snを0.1〜0.6質量%、Agを0.005〜0.3質量%、Mgを0.05〜0.4質量%、Inを0.1〜0.8質量%、およびSiを0.01〜0.15質量%からなる群から選ばれる少なくとも1種をこれらの含有量の合計として0.005〜0.8質量%含有することを特徴とする、前記(2)に記載の配線用電線導体。
(4)前記銅合金線材の組成が、さらにZnを0.1〜1.5質量%含有することを特徴とする、前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の配線用電線導体。
(5)前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の配線用電線導体を製造する方法であって、前記組成を有する銅合金に溶体化処理を施し、所定の線径伸線加工して得た銅合金線材を複数本撚り合わせ、さらに圧縮した後、300〜550℃で、1分〜5時間時効熱処理を行うことを特徴とする配線用電線導体の製造方法。
(6)前記伸線加工における伸線加工度ηを、前記溶体化直後の材料の断面積をA0、前記時効直前の材料の断面積をA1とし、η=ln(A0/A1)で表したとき、ηの値が5以上であることを特徴とする、前記(5)記載の配線用電線導体の製造方法。
(7)前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の配線用電線導体に、絶縁被覆が施されてなることを特徴とする、配線用電線。
(8)前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の配線用電線導体の銅合金線材として用いられる銅合金素線であって、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の組成を有してなり、その電気抵抗率が完全に溶体化を行った時の電気抵抗率の70%以上であることを特徴とする、銅合金素線。

発明の効果

0013

本発明の配線用電線導体は、Crを0.3〜1.5質量%、Zrを0.005〜0.4質量%含有する組成の銅合金線材が複数本撚り合わされてなり、引張強さが400MPa以上650MPa以下、破断時の伸びが7%以上、導電率が65%IACS以上、0.2%耐力と引張強さの比が0.7以上0.95以下であり、かつ加工硬化指数が0.03以上0.17以下であるため、線材の細径化が可能であるとともに導電性に優れ、さらに端子圧着強度、衝撃破断強度および屈曲性に優れる。
また、本発明の配線用電線導体の製造方法によれば、上述の優れた物性を有する配線用電線導体を製造できる。
本発明の配線用電線は、導体の細径化により電線重量を低減することができ、自動車およびロボット用その他の電線として好適である。

0014

本発明の配線用電線導体に用いられる銅(Cu)合金線材の好ましい実施の態様について、詳細に説明する。まず、各合金元素作用効果とその含有量の範囲について説明する。

0015

クロム(Cr)は、マトリクス中に析出物を形成することで銅合金の強度を向上させるために含有する元素である。Crの含有量は0.3〜1.5質量%であり、0.5〜1.4質量%であることが好ましい。Cr量が少なすぎるとその析出硬化量が小さく強度が不足する。多すぎても効果が飽和するため強度向上は望めない。

0016

ジルコニウム(Zr)は、クロム(Cr)と同様、マトリクス中に析出物を形成することで銅合金の強度を向上させるために含有する元素である。Zrの含有量は0.005〜0.4質量%であり、0.01〜0.3質量%であることが好ましい。Zr量が少なすぎるとその析出硬化量が小さく、強度向上への寄与が見られない。多すぎても効果が飽和するためそれ以上の強度向上は望めない。

0017

また、本実施態様の配線用電線導体に用いられる銅合金線材は、スズ(Sn)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、インジウム(In)、ケイ素(Si)の少なくとも1種をそれぞれ前記含有量で含有することが好ましい。これらの元素は強度を向上させるという点で類似の機能を有しているものである。含有させる場合には、Sn、Ag、Mg、In、Siの中から選ばれる少なくとも1種を、合計量として0.005〜0.8質量%含有させることが好ましく、0.01〜0.7質量%含有させることがより好ましい。

0018

Snは銅に固溶し、格子を歪ませることで強度を向上させることができる。ただし、Snの含有量が多すぎると導電率が低下する。よって、Snを添加する場合の好ましい含有範囲は0.1〜0.6質量%であり、0.2〜0.5質量%であることがさらに好ましい。
Agは強度を向上させる。Ag含有量が少なすぎるとその効果が充分に得られず、多すぎると特性上に悪影響はないもののその効果が飽和し、コスト高になる。これらの観点から、Agを含有させる場合の含有量は0.005質量%〜0.3質量%とすることが好ましく、0.01〜0.2質量%とすることがより好ましい。
Mgは銅に固溶し、格子を歪ませることで強度を向上させることができ、また加熱時の脆化を防ぎ熱間加工性を改善する効果もある。Mgを添加する場合の好ましい含有範囲は0.05〜0.4質量%であり、0.1〜0.3質量%であることがさらに好ましい。
Inは銅に固溶し、格子を歪ませることで強度を向上させることができる。ただし、Inの含有量が多すぎると導電率が低下する。よって、Inを添加する場合の好ましい含有範囲は0.1〜0.8質量%であり、0.2〜0.7質量%であることがさらに好ましい。
Siは銅に固溶し、格子を歪ませることで強度を向上させることができる。ただし、Siの含有量が多すぎると導電率が低下し、さらにCrと化合物を形成し析出硬化に寄与するCr量が減少する。よって、Siを添加する場合の好ましい含有範囲は0.01〜0.15質量%であり、0.05〜0.1質量%であることがさらに好ましい。

0019

さらに、本実施態様の配線用電線導体に用いられる銅合金線材においては、亜鉛(Zn)を含有することが好ましい。Znは、加熱による銅合金線材と半田との密着力低下を防止する効果を有する。本発明において、Znを含有させることにより、銅合金線材を他の導体等と半田接合した際の界面の脆化を著しく改善する。本発明におけるZnの含有量は、0.1〜1.5質量%が好ましく、0.2〜1.3質量%であることがさらに好ましい。Zn含有量が少なすぎると前記効果が見られず、含有量が多すぎると導電率が低下する場合がある。

0020

ここで、本実施態様の配線用電線導体に用いられる銅合金線材の機械的特性について述べる。

0021

本実施態様の配線用電線導体に用いられる銅合金線材は時効析出型の合金で構成される。銅合金線材は例えば以下のようにして得られる。まず、合金原料溶解鋳造して鋳塊またはビレット等を形成し、この鋳塊またはビレット等を熱間加工して(または合金原料を連続鋳造圧延して)銅合金素線を得る。次に、この銅合金素線に冷間加工を施し、溶体化を行った後に所定の直径(線径)に伸線加工して銅合金線材とし、得られた銅合金線材を複数本撚り合わせ、必要により所定の撚線径まで圧縮した後で、時効熱処理を行う。
すなわち、本明細書において、銅合金線材とは伸線加工後の状態を指し、銅合金素線とは伸線加工前の状態を指す。銅合金素線の直径は、1mm〜20mmとすることが好ましい。なお、溶体化は、熱間加工または連続鋳造圧延と同時に行い、工程を省略することもできる。また、冷間加工は省略することもできる。

0022

銅合金線材の線径は、前述の諸特性(導電性、強度、伸び、端子圧着強度、衝撃破断強度および屈曲性等)を満足しやすくする観点で、0.05〜0.3mmとすることが好ましく、0.1〜0.2mmとすることがより好ましい。
本発明の配線用電線導体は、銅合金線材を複数本撚り合わせた撚線であるが、撚り合わされる銅合金線材の本数には特に制限はなく、通常、3〜50本の銅合金線材を撚り合わせる
時効熱処理では、Cr、Zrによる析出が生じ、強度の向上および導電率の向上が見られるが、同時に伸線加工で導入された歪の開放が生じるために引張強さ(T)に対する0.2%耐力(Y)の割合(これをY/T比と呼ぶ)が低下する。なお、Y/T比が低下する時効熱処理条件は伸線加工度により異なる。例えば、300〜550℃で1分〜5時間保持することで、Y/T比が適切な値の銅合金線材が得られる。
本発明において時効熱処理は、走間加熱での短時間での時効熱処理(例えば、1分〜30分、400℃〜550℃)で行なってもよい。あるいは、バッチ式の時効熱処理(例えば、1時間〜5時間、300℃〜500℃)で行なってもよい。いずれの場合でも、前記所定のY/T比を達成するように時効熱処理条件を調整すればよい。

0023

このY/T比が0.7未満となるような時効熱処理条件では、過時効により強度が低下しており、電線として使用するのに適さない。Y/T比が0.7〜0.95、好ましくは0.72〜0.93では、端子圧着時の導体自身の加工硬化が大きいために、圧着部の強度低下が少ない。また、Y/T比が0.95を超える条件では歪の解放が不十分であるため圧着時の導体自身の加工硬化が小さく、時効熱処理上がりの強度が低くなるような成分や製造工程となった場合に圧着部の強度低下が大きくなる。

0024

次に、配線用電線導体としての特性について述べる。圧着時の断面減少率については、大きすぎるとY/T比にかかわらず絶対強度の低下が大きくなる傾向があるため、好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下である。また、小さすぎると端子のかしめ部より導体部が抜けやすく、本来の目的である電気的な接合が不十分となるため、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上である。

0025

本実施態様の配線用電線導体は、材料(銅合金素線)を伸線加工後、撚線工程を経たものが基本的な態様であるが、時効熱処理は撚線工程の前後のいずれで実施しても良い。また、撚線工程後に圧縮工程を追加しても良い。この場合時効熱処理は圧縮工程の前後のいずれで実施しても良いが、圧縮工程前に実施した場合には、圧着の断面減少率は圧縮における断面減少も含めて40%以下となるようにすれば良い。

0026

また、加工硬化指数(以下、n値と呼ぶ)は加工性を表す値であり、降伏点以上の塑性域における応力σとひずみεとの関係(曲線)をσ=Cεn(Cは係数)で近似させた時の指数nのことである。このn値が大きい方が歪の分布が平均化されやすい。本発明では、鋭意検討の結果、本合金系においては、上記Y/T比が0.7〜0.95の範囲を満たし、n値が0.03〜0.17の時に優れた圧着強度が得られることがわかった。

0027

また、溶体化された材料(銅合金素線)を伸線加工して時効熱処理するまでの条件として、伸線加工における伸線加工度ηを、前記溶体化直後の材料の断面積をA0、前記時効直前の材料の断面積をA1とし、η=ln(A0/A1)で表したとき、ηの値が5以上であることが好ましい。より好ましくは、ηの値が6以上11以下である。なお、ηの値が3以下になると、導電率、伸びおよび衝撃破断荷重が低下する傾向がある。

0028

また、材料(銅合金素線)の溶体化は十分に行う必要があるが、一般に完全に溶体化を行うのに必要な温度は材料(銅合金素線)の融点に近いため、工業的に完全に行うのは困難である。また、溶体化熱処理を行う際の材料(銅合金素線)の線径が太い場合には、溶体化後の冷却時に材料中心部の冷却が遅れることで析出が生じ、溶体化が不完全になる。そこで、本発明では溶体化の度合いについては、以下の様にすれば良い。

0029

すなわち、溶体化後の電気抵抗率をρ、完全に溶体化を行った時の電気抵抗率をρFULLとした時、ρ/ρFULL(これを溶体化率と呼ぶ)の値を0.7以上、好ましくは0.75以上とする。溶体化率が小さすぎると、後で行う時効熱処理で析出が十分に生じず、強度が得られない。なお、溶体化を行った時の電気抵抗率は、その後上記の伸線加工を行ってもほとんど変化しない。

0030

従って、本発明の材料が、例えば、直径5mm、2.6mm、1mmなどの銅合金素線である場合には、銅合金素線の電気抵抗率が完全に溶体化を行った時の電気抵抗率の0.7倍以上であれば、銅合金素線を所定の直径の銅合金線材となるように伸線加工した後に時効熱処理を行うことで、前述の特性が得られる。

0031

なお、溶体化後の素線に複数回の伸線加工を行って銅合金線材を得る場合には、複数回の伸線加工の加工度の合計が5以上となるようにすればよい。また、複数回の伸線加工は続けて行う必要はなく、例えば出荷元で伸線加工した後に出荷し、出荷先でさらに伸線加工して銅合金線材を得て、これを時効熱処理するようにしてもよい。

0032

本発明において、素材の製造方法に制約は無い。例えば、ビレットの熱間押出、鋳塊の熱間鍛造、あるいは連続鋳造などの製造方法のいずれでも本発明の配線用電線導体を製造することが可能である。

0033

本発明の配線用電線導体は、電線導体として適しているだけでなく、これに絶縁被覆が設けられた配線用電線としても好適なものとなる。絶縁被覆の材料としては、ポリエチレンポリプロピレン等のオレフィン系樹脂またはポリ塩化ビニルPVC)樹脂等が好ましい。また、オレフィン系樹脂に関しては、これらに難燃剤架橋剤等を添加して難燃性機械強度等を高めたものとしてもよい。

0034

以下に、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。

0035

(実施例1)
表1の合金成分で示される組成の合金を高周波溶解炉にて溶解し、直径200mmの各ビレットを鋳造した。次に、溶体化処理を兼ねる熱間加工を施すため、前記ビレットを950℃で熱間押出して、直ちに水中焼入れを行い、直径20mmの銅合金素線を得た。次いで前記銅合金素線を冷間にて伸線し、直径0.175mmの銅合金線材を得た。前記線材を7本撚り合わせ、さらに圧縮して断面積0.13mm2の撚線(配線用の電線導体)とした。前記撚線を400〜450℃で2時間時効熱処理を行い、さらに絶縁体(ポリエチレン)で被覆し、長さ1kmの配線用電線を製造した。

0036

このようにして得られた各々の配線用電線について、時効熱処理後で絶縁被覆前の撚線(電線導体)の状態で[1]引張強さ、[2]0.2%耐力、[3]伸び、[4]導電率、[5]n値の5項目を測定し、被覆後に電線となった状態で、[6]屈曲性(繰返し曲げ破断回数)、[7]衝撃破断強度、[8]端子圧着強度の3項目を測定した。結果を表1に示す。なお、上記8項目の測定方法は以下の通りである。

0037

(電線導体としての評価)
[1]引張強度
JIS Z 2241に準じて、各3本測定し、その平均値(MPa)を示した。
[2]0.2%耐力
JIS Z 2241に記載のオフセット法に準じ、0.2%の永久伸びが生じる時の応力を求めた。3本測定し、その平均値(MPa)を示した。
[3]伸び
JIS Z 2241に準じて3本測定し、その平均値(%)を示した。
[4]導電率
四端子法を用いて、20℃(±1℃)に管理された恒温槽中で、各試料について2本ずつ測定し、その平均値(%IACS)を示した。
[5]n値
上記の引張試験で得られた応力−歪線図真応力−真歪線図に変換し、その傾きからn値を読み取った。

0038

(電線としての評価)
[6]屈曲性(繰返し曲げ破断回数)
屈曲性評価は、電線をマンドレルではさみ、線のたわみを抑えるために下端部におもりを吊るして荷重掛け、この状態で左右に90度ずつ折り曲げて破断するまでの折り曲げ回数をそれぞれの試料について測定した。なお、回数は90度の曲げ戻しを一回と数えた。おもりは400g、マンドレルの直径はφ25mm(低歪付与用)およびφ5mm(高歪付与用)の2種類を用い、屈曲性を評価した。なお低歪付与において、屈曲回数が3000回を超えても破断しなかった場合は試験を中止し、結果を破断無しとした。また、高歪付与においては屈曲回数が300回を超えても破断しなかった場合は試験を中止し、結果を破断無しとした。いずれも、各試料について3回ずつ測定を行い、その最小値を記録した。
[7]衝撃破断強度
1mの電線の片端を固定、もう片端におもりを取り付け、固定端の位置からおもりを落下させて破断が生じる時のおもりの重量(N)を求めることで衝撃破断強度の比較を行った。試験は破断が生じた時のおもりの重量にて3回繰り返し、いずれも破断する時の荷重を求めた。なお、実用上は、破断荷重が4N未満であると、配索中に断線する恐れがある。
[8]端子圧着強度
電線を圧着端子に接続し、それぞれの両端を掴んで引張試験を行い、破断が生じた時の強度を求めた。圧着の断面減少率は20%とした。なお、実用上、圧着強度が50N未満であると、配線時または配線後に断線が生じる可能性が高くなる。

0039

0040

表1の本発明例1〜16及び参考例1〜32は、いずれも、引張強さ、伸び、導電率を満足し、Y/T比は0.7以上0.95以下、n値は0.03以上0.17以下であって、屈曲性、衝撃破断強度および圧着強度のいずれも実用上差し支えない値が得られている。

0041

(実施例2)
表1の参考例5、本発明例6、参考例11、参考例14、参考例20および本発明例15について、圧着の断面減少率を10、20、30、40%とした時の圧着強度を表2に示す。

0042

0043

表2によれば、参考例5、参考例5A−1〜5A−3、本発明例6、本発明例6A−1〜6A−3、参考例11、参考例11A−1〜11A−3、参考例14、参考例14A−1〜14A−3、参考例20、参考例20A−1〜20A−3、本発明例15、本発明例15A−1〜15A−3のとおり、圧着の断面減少率が増加するにつれ、圧着強度の低下が見られるが、いずれも圧着強度として実用上差し支えない50N以上の値が得られている。

0044

(実施例3)
表1の本発明例6、参考例14、参考例25、本発明例15および参考例31について、溶体化を実施する材料の寸法(銅合金素線の直径)を変えることで、加工度ηを1、3、5、7、9、11と変化させて断面積0.13mm2の電線を製造した。溶体化を実施する材料の寸法を変化させた以外は、実施例1と同様とした。得られた電線の特性を表3に示す。

0045

0046

表3によれば、ηの値を5、7、9、11としたとき(本発明例6、本発明例6B−1〜6B−3、参考例14、参考例14B−1〜14B−3、参考例25、参考例25B−1〜25B−3、本発明例15、本発明例15B−1〜15B−3、参考例31、参考例31B−1〜31B−3)には、いずれの特性も満足しているが、ηの値を1としたとき、および3としたとき(比較例X1〜X10)には、導電率、伸び、繰返し曲げ破断回数および衝撃破断荷重が低くなる傾向があり、これらが劣ることがわかった。

0047

(実施例4)
表1の本発明例6、参考例11、参考例14、参考例20および本発明例15について、直径10mmの素線を750〜950℃で溶体化熱処理を実施することで、溶体化率ρ/ρFULLを0.5〜0.9に変化させて断面積0.13mm2の電線を製造した。溶体化率を変化させた以外は、実施例1と同様とした。得られた電線の特性を表4に示す。

0048

0049

表4によれば、溶体化率が0.7以上(本発明例6C−1〜6C−4、参考例11C−1〜11C−4、参考例14C−1〜14C−4、参考例20C−1〜20C−4、本発明例15C−1〜15C−4)ではいずれの特性も満足しているが、溶体化率が0.7未満の時(比較例Y1〜Y10)は引張強さ、衝撃破断荷重などの強度や繰返し曲げ破断回数、さらに電線圧着後の端子圧着強度が低下して劣っている。

0050

(比較例1、参考例A〜H)
表5に比較例、参考例A〜Hを示す。各比較例、参考例A〜Hの構成は、以下のとおりである。
比較例1〜7は、合金組成が本発明の範囲外の例である。
比較例8〜15は、表1の参考例5および本発明例6について、撚線加工後の時効熱処理条件を温度500℃で30秒間保持に変えることにより、Y/T比を本発明の範囲より大きい0.96に、n値を本発明の範囲より小さい0.02にし、圧着時の断面減少率を10、20、30、40%とした時の例である。
比較例16〜23は、表1の参考例11および参考例20について、撚線加工後の時効熱処理条件を温度570℃で8時間保持に変えることにより、Y/T比をそれぞれ本発明の範囲より小さい0.69、0.65とし、n値をそれぞれ本発明の範囲より大きい0.19、0.21として、圧着の断面減少率を10、20、30、40%とした時の例である。
参考例A〜Hは表1の参考例5、本発明例6、参考例11および参考例20について、圧着の断面減少率を50%、60%と大きくしたときの例である。

0051

0052

表5によれば、各比較例、参考例A〜Hの評価結果は以下のとおりとなった。
比較例1〜7は、合金組成が本発明の範囲外であり、評価したいずれかの点で満足な特性が得られていない。
比較例8〜15は、参考例5および本発明例6と比較し、伸び、繰返し曲げ破断回数、衝撃破断荷重が劣り、端子圧着強度は断面減少率40%において50Nを下回っている。
比較例16〜23は、参考例11および参考例20と比較し、引張強さ、繰返し曲げ破断回数、端子圧着強度が劣っている。
参考例A〜Hは、参考例5、本発明例6、参考例11および参考例20と比較し、いずれも端子圧着強度が劣り、50Nを下回っている。

0053

(従来例)
表6に従来例を示す。従来例は以下の工程で製造した。すなわち、表6の合金成分で示される組成の合金について、前出の特許文献1の段落0032に記載された方法により連続鋳造圧延装置にて直径20mmの荒引き線(銅合金素線に相当)を製造し、次いで冷間にて伸線し、直径0.175mmの素線を得た。前記素線を7本撚り合わせ、さらに圧縮して断面積0.13mm2の撚線を得て、さらに絶縁体(ポリエチレン)で被覆して配線用電線とした。前記撚線を通電加熱装置焼鈍到達温度700℃、到達時間0.5秒の熱処理)したものを従来例1および3、焼鈍していないものを従来例2および4とした。各特性の測定は、前述の[1]〜[8]と同じ方法とした。

0054

0055

表6によれば、各従来例の評価結果は以下のとおりとなった。
従来例1〜4では、引張強さ、伸び、屈曲性、衝撃破断強度、端子圧着強度のうち、少なくとも1つが劣り、実用的ではないことがわかった。

0056

(実施例5)
前出の特許文献3の表5および表6に記載のNo.66、70、79の銅合金について、それぞれ特許文献3の段落0045、0048に記載の実施例5および実施例6の方法で製造し、直径φ6mmの銅合金素線を得た。次いで前記銅合金素線を冷間にて伸線し、直径0.175mmの銅合金線材を得た。前記線材を7本撚り合わせ、さらに圧縮して断面積0.13mm2の撚線とした。なお、この時の伸線加工度ηは7である。前記撚線を400〜450℃で2時間時効熱処理を行い、Y/T比およびn値を本発明で規定する範囲内となる様な配線用電線導体を得た。また、前記撚線を500℃で30秒間または570℃で8時間の時効熱処理を行うことで、Y/T比およびn値が本発明で規定する範囲外となる様な配線用電線導体を得た。
また、前記直径φ6mmの銅合金素線について、直径0.07、0.5または1.3mmに伸線後、それぞれ7本を撚り合わせて撚線とし、上記と同様に時効熱処理を行うことで、伸線加工度ηの値を9、5および3と変化させた配線用電線導体を得た。
得られた電線導体について、本明細書に記載の前記実施例1と同様に絶縁体被覆を行って配線用電線とし、特性を評価した。結果を表7に示す。表7の試料番号括弧書きで併記した番号は、特許文献3の実施例に記載の合金No.である。例えば、参考例33(66)とは、参考例33と同一の合金組成であって、かつ、特許文献3の合金番号66とも同一の合金組成を有することを意味する。なお、ηが9、5および3の例は、線径が伸線加工度7の例とは異なるため、繰返し曲げ破断回数、衝撃破断荷重、端子圧着強度は直接比較対象とすることができない。よって表7にはこれらの結果は記載していない。

0057

0058

表7から以下のことがわかる。特許文献3に記載の方法に従って製造した素線を用いた場合、本発明で規定するY/T比、n値、時効前加工度としたとき(参考例33、参考例33D−1、参考例33D−2、参考例34、参考例34D−1、参考例34D−2、本発明例17、本発明例17D−1、本発明例17D−2)には、各特性に優れた結果を示したが、一方で、Y/T比およびn値を本発明で規定する範囲外としたとき(比較例Z1、Z2、Z4、Z5、Z7、Z8)には、引張強さ、伸び、繰返し曲げ破断回数、衝撃破断強度、端子圧着強度の何れかが劣っている。また、ηの値を本発明で規定する範囲外としたとき(比較例Z3、Z6、Z9)には、伸びが劣っている。これらのことから、特許文献3に記載の素線の製造方法のみでは、配線用電線導体および配線用電線として満足な特性が得られないことがわかる。

0059

(比較例2)
次に別の比較例を示す。前出の特許文献4の表1に記載のNo.19、23の銅合金について、それぞれ特許文献4の請求項3に記載の方法に従い、350℃で30秒間または600℃で1200秒間(20分間)の走間加熱による時効処理を行った。なお、時効処理に供する導体は、本明細書に記載の前記実施例1と同様の工程で製造した断面積0.13mm2の撚線とした。結果を表8に示す。表8の試料番号に括弧書きで併記した番号は、特許文献4の表1に記載の合金No.である。例えば、比較例24(19)とは、特許文献4の合金番号19と同一の合金組成を有することを意味する。

0060

実施例

0061

表8によれば、上記のように特許文献4に記載の時効熱処理方法としたとき(比較例24〜27)には、Y/T比やn値が本発明で規定する範囲外となり、それにより、引張強さ、伸び、繰返し曲げ破断回数、衝撃破断強度、端子圧着強度の何れかが劣った結果となったことがわかる。

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