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技術 耐熱性に優れたフェライト系鋳鉄

出願人 株式会社富田鋳工所
発明者 小林武丸山徹富田康裕藤田麻起子
出願日 2010年3月29日 (10年1ヶ月経過) 出願番号 2010-076129
公開日 2011年10月20日 (8年6ヶ月経過) 公開番号 2011-208205
状態 特許登録済
技術分野
  • -
主要キーワード オーステンパ球状黒鉛鋳鉄 球状黒鉛鋳鉄品 鋳鉄素材 横切断 共析組織 成長現象 可鍛鋳鉄 共析温度
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この項目の情報は公開日時点(2011年10月20日)のものです。
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図面 (8)

課題

複雑な溶解材料の管理と溶湯処理をせずとも鋳物品質が安定し、優れた耐熱性を発揮するとともに、鋳造性にも優れ、金型用鋳物等の素材として有用なフェライト系鋳鉄を提供する。

解決手段

本発明のフェライト系鋳鉄は、C:2.5〜4%、Si:2〜3.6%およびMn:0.1〜1.0%を夫々含有すると共に、Al:0.4〜1.5%およびTi:0.15〜0.5%を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、且つ黒鉛粒子が分散したものである。

概要

背景

鋳鉄鋳造性機械的性質に優れていることから、従来から鋳物製品等の素材として広く使用されている。鋳鉄鋳物については、ねずみ鋳鉄品(JIS G5501)、球状黒鉛鋳鉄品(JIS G5502)、オーステンパ球状黒鉛鋳鉄品(JIS G5503)、オーステナイト鋳鉄品(JIS G5510)、ダクタイル鋳鉄管(JIS G5526)、ダクタイル鋳鉄異形管(JIS G5527)、可鍛鋳鉄品(JIS G5705)等に各種規定されており、工作機械産業機械自動車車両部品水道管金型、各種用途で使用されることが予定されている。

ところで、鋳造用金型には、ねずみ鋳鉄が使用されることがあるが、耐熱性に問題があることから、耐熱性が必要な金型にはCV(Compacted Vermicular)黒鉛鋳鉄がその素材として用いられている。CV黒鉛鋳鉄はJIS G5502に示されている形態(III)の片状と球状との中間型黒鉛を持った鋳鉄であり、機械的性質、鋳造性、耐熱性に優れていることが知られている(例えば、非特許文献1)。

しかしながら、CV黒鉛鋳鉄は製造方法が複雑で、特に溶湯処理と戻し材(再溶解材)に含まれる球状化阻害元素の管理を十分に行なわなければならない。このことがCV黒鉛鋳鉄の製造の難易度を高くし、鋳物品質バラツキを生じさせる要因となることが知られている(例えば、非特許文献2)。

こうしたことから、CV黒鉛鋳鉄を用いなくても優れた耐熱性、鋳造性を発揮する鋳鉄素材が安価で比較的容易に製造できることが望まれている。

概要

複雑な溶解材料の管理と溶湯処理をせずとも鋳物の品質が安定し、優れた耐熱性を発揮するとともに、鋳造性にも優れ、金型用鋳物等の素材として有用なフェライト系鋳鉄を提供する。本発明のフェライト系鋳鉄は、C:2.5〜4%、Si:2〜3.6%およびMn:0.1〜1.0%を夫々含有すると共に、Al:0.4〜1.5%およびTi:0.15〜0.5%を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、且つ黒鉛粒子が分散したものである。なし

目的

こうしたことから、CV黒鉛鋳鉄を用いなくても優れた耐熱性、鋳造性を発揮する鋳鉄素材が安価で比較的容易に製造できることが望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

C:2.5〜4%(「質量%」の意味。化学成分組成について以下同じ)、Si:2〜3.6%およびMn:0.1〜1.0%を夫々含有すると共に、Al:0.4〜1.5%およびTi:0.15〜0.5%を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、且つ黒鉛粒子が分散したものであることを特徴とする耐熱性に優れたフェライト系鋳鉄

請求項2

基地組織の80面積%以上がフェライトである請求項1に記載の耐熱性に優れたフェライト系鋳鉄。

請求項3

円相当直径が20μm以下の黒鉛粒子が、観察視野1mm2当り5000個以上である請求項1または2に記載の耐熱性に優れたフェライト系鋳鉄。

技術分野

0001

本発明は、耐熱性に優れた鋳鉄に関するものであり、殊に複雑な溶湯処理をせずとも優れた耐熱性を発揮すると共に、急速加熱と冷却の繰り返しに耐える強度を有する鋳鉄に関するものである。

背景技術

0002

鋳鉄は鋳造性機械的性質に優れていることから、従来から鋳物製品等の素材として広く使用されている。鋳鉄鋳物については、ねずみ鋳鉄品(JIS G5501)、球状黒鉛鋳鉄品(JIS G5502)、オーステンパ球状黒鉛鋳鉄品(JIS G5503)、オーステナイト鋳鉄品(JIS G5510)、ダクタイル鋳鉄管(JIS G5526)、ダクタイル鋳鉄異形管(JIS G5527)、可鍛鋳鉄品(JIS G5705)等に各種規定されており、工作機械産業機械自動車車両部品水道管金型、各種用途で使用されることが予定されている。

0003

ところで、鋳造用金型には、ねずみ鋳鉄が使用されることがあるが、耐熱性に問題があることから、耐熱性が必要な金型にはCV(Compacted Vermicular)黒鉛鋳鉄がその素材として用いられている。CV黒鉛鋳鉄はJIS G5502に示されている形態(III)の片状と球状との中間型黒鉛を持った鋳鉄であり、機械的性質、鋳造性、耐熱性に優れていることが知られている(例えば、非特許文献1)。

0004

しかしながら、CV黒鉛鋳鉄は製造方法が複雑で、特に溶湯処理と戻し材(再溶解材)に含まれる球状化阻害元素の管理を十分に行なわなければならない。このことがCV黒鉛鋳鉄の製造の難易度を高くし、鋳物品質バラツキを生じさせる要因となることが知られている(例えば、非特許文献2)。

0005

こうしたことから、CV黒鉛鋳鉄を用いなくても優れた耐熱性、鋳造性を発揮する鋳鉄素材が安価で比較的容易に製造できることが望まれている。

先行技術

0006

鋳造工学便覧」、2004.1月、丸善(株)発行、第240〜第241頁
「鋳鉄の生産技術」、1993.1月、(財)素形材センター発行、第282〜第292頁

発明が解決しようとする課題

0007

本発明はこうした状況の下になされたものであって、その目的は、複雑な溶解材料の管理と溶湯処理をせずとも鋳物の品質が安定し、優れた耐熱性を発揮すると共に、鋳造性にも優れ、金型用鋳物等の素材として有用なフェライト系鋳鉄を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

上記目的を達成し得た本発明のフェライト系鋳鉄とは、C:2.5〜4.0%(「質量%」の意味。化学成分組成について以下同じ)、Si:2〜3.6%およびMn:0.1〜1.0%を夫々含有すると共に、Al:0.4〜1.5%およびTi:0.15〜0.5%を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、且つ黒鉛粒子が分散したものである点に要旨を有するものである。本発明は、基本的に基地組織の80面積%以上がフェライトである鋳鉄を想定したものである。上記「基地組織」とは、黒鉛粒子を除いた組織を意味する。また、「黒鉛粒子が分散した」とは、各黒鉛粒子が繋がることなく独立して存在している状態を意味する。

0009

本発明のフェライト系鋳鉄においては、円相当直径が20μm以下の黒鉛粒子が、観察視野1mm2当り5000個以上であることが好ましい。尚、本発明において「円相当直径」とは、黒鉛粒子の大きさに注目し、同一面積の円に換算したときの直径を意味する。

発明の効果

0010

本発明によれば、C、Si、Mnと共にAl、Tiを含有させることによって基地組織のフェライト割合を効果的に高め、黒鉛組織を効果的に微細分散させることができ、CV黒鉛鋳鉄の製造のような複雑な溶解材料の管理と溶湯処理をせずとも優れた耐熱性を発揮すると共に、鋳造性にも優れた鋳鉄が実現できた。この鋳鉄は耐熱性の要求される鋳造用金型等の素材として有用である。

図面の簡単な説明

0011

基地組織のフェライト割合と耐熱性の関係を示したグラフである。
黒鉛粒子個数と耐熱性の関係を示したグラフである。
Al含有量とフェライト割合の関係を示したグラフである。
Al含有量と黒鉛粒子個数の関係を示したグラフである。
Ti含有量とフェライト割合の関係を示したグラフである。
Ti含有量と黒鉛粒子個数の関係を示したグラフである。
Mn含有量とフェライト割合の関係を示したグラフである。
Mn含有量と黒鉛粒子個数の関係を示したグラフである。

0012

本発明者らは、CV黒鉛鋳鉄を用いなくても優れた耐熱性を発揮する鋳鉄を実現するべく、様々な角度から検討した。その結果、鋳鉄にアルミニウム(Al)およびチタン(Ti)を必須成分として含有させると共に、基本的な成分であるC、Si、Mn等の含有量を適切な範囲に調整すれば、金属基地組織中のフェライト割合が高められると共に、黒鉛粒子が微細(特に、円相当直径で20μm以下)に分散した鋳鉄が得られ、上記の目的に適うものとなることを見出し、本発明を完成した。

0013

鋳造用金型の分野においては、CV黒鉛鋳鉄がその素材として優れていることが知られている。しかしながら、CV黒鉛鋳鉄を製造するためには、不純物元素の管理、溶湯の温度と保持時間の制御を狭い範囲で十分に行わなくてはならず、簡単な処理方法でも鋳物の品質を安定させることは困難である。

0014

一方、ねずみ鋳鉄やCV黒鉛鋳鉄に加熱・冷却を繰り返すと、パーライト組織の分解と黒鉛の生成、黒鉛・基地酸化等が原因となる成長現象が生じ、これが原因となり、鋳鉄が割れることが耐熱性の低下させる要因となっていたのである。

0015

本発明者らは、鋳鉄の成長現象を抑制することができれば良好な耐熱性が実現できるのではないかとの着想の下で更に検討した。その結果、所定量のAlとTiを含有させた状態では基地組織中のフェライト割合(以下、単に「フェライト割合」と呼ぶことがある)を増加させ、且つ黒鉛を微細分散できることが判明したのである。また、フェライト割合が高く、黒鉛が微細に分散した鋳鉄では、繰り返しの加熱・冷却による割れの発生が抑制され、良好な耐熱性が発揮されたのである。

0016

本発明の鋳鉄によって、上記のような効果が得られる理由についてはその全て解明した得た訳ではないが、おそらく次の様に考えることができた。

0017

ねずみ鋳鉄を共析温度以上に加熱すると共析組織が分解しオーステナイトとなり、それが冷却されると黒鉛が成長する場合があることは知られている。これは加熱・分解によりセメンタイトや小さな黒鉛粒子は消滅して、冷却・析出により大きな黒鉛がより大きく成長するためであると考えられている。本発明では、C、Si、Mnと共にAlとTiを含有させることにより、加熱による共析組織の分解と冷却による共析組織の生成が抑制されたことにより、鋳鉄の成長現象が抑制され、耐熱性が向上するものと考えられた。

0018

本発明の鋳鉄は、C、Si、Mn等の鋳鉄としての基本成分を所定量含むと共に、AlおよびTiを必須成分として含有させることによって、上記の効果が発揮されるものであるが、まず特徴的な成分であるAlおよびTiにおける範囲限定理由は下記の通りである。

0019

[Al:0.4〜1.5%]
Alは、基地組織中のフェライト割合を増加させ、耐熱性を向上させるのに有効な元素である。こうした効果を発揮させる為には、Al含有量は少なくとも0.4%以上とする必要があるが、1.5%を超えて過剰に含有されると溶湯の流動性が低下するので1.5%以下とすべきである。尚、Al含有量の好ましい下限は0.6%であり、この含有量では後述するMn含有量が比較的多い場合でも、良好な耐熱性を確保できる。また、Al含有量の好ましい上限は1.2%程度であり、この含有量では溶湯の流動性が良好であり、比較的複雑形状の鋳物の製造も可能である。但し、それほど複雑な形状でない鋳物に適応する場合には、Alの含有量が1.2%超〜1.5%程度であっても良い。

0020

[Ti:0.15〜0.5%]
Tiは、黒鉛粒子を微細にし、耐熱性を向上させるのに有効な元素である。こうした効果を発揮させる為には、Ti含有量は少なくとも0.15%以上とする必要があるが、0.5%を超えて過剰に含有されるとフェライト割合が低下することにより耐熱性が低下するので0.5%以下とするべきである。尚、Ti含有量の好ましい下限は0.2%であり、この含有量では、C含有量が比較的多い場合でも、良好な耐熱性を確保できる。また、Ti含有量の好ましい上限は0.4%程度であり、この含有量では後述するMn含有量が比較的多い場合でも、良好な耐熱性を確保できる。

0021

鋳鉄としての基本成分であるC、SiおよびMnにおける範囲限定理由は下記の通りである。

0022

[C:2.5〜4%]
Cは、黒鉛粒子を晶出させ、鋳造性を向上させるのに有効な元素である。こうした効果を発揮させる為には、C含有量は少なくとも2.5%以上とする必要があるが、4%を超えて過剰に含有させると、黒鉛粒子が粗大になり耐熱性が低下する。尚、C含有量の好ましい下限は2.8%であり、より好ましくは3.0%以上とするのが良い。また、C含有量の好ましい上限は3.7%であり、より好ましくは3.5%以下とするのが良い。

0023

[Si:2〜3.6%]
Siは黒鉛化を促進させ、鋳造性を向上させるのに有効な元素である。こうした効果を発揮させる為には、Si含有量は少なくとも2%以上とする必要があるが、3.6%を超えて過剰に含有させると、Siの優先酸化と黒鉛粒子粗大化により耐熱性が低下することになる。尚、Si含有量の好ましい下限は2.4%であり、より好ましくは2.8%以上とするのが良い。また、Si含有の好ましい上限は3.4%であり、より好ましくは3.2%以下とするのが良い。

0024

[Mn:0.1〜1.0%]
Mnは、鋳鉄の機械的性質を向上させるのに有効な元素である。こうした効果を発揮させる為には、Mn含有量は少なくとも0.1%以上とする必要があるが、1.0%を超えて、過剰に含有させると、フェライト割合が低下するので、1.0%以下とするべきである。尚、Mn含有量の好ましい上限は0.7%であり、この含有量ではAl含有量が比較的少ない場合でもフェライト割合が大きく、耐熱性を確保できる。但し、Alが十分に含有されている場合は0.7%超〜1.0%程度であっても良好な耐熱性を確保できる。

0025

本発明の鋳鉄における基本的な化学成分組成は上記の通りであり、残部は実質的に鉄(Fe)からなるものである。実質的に鉄とは、本発明の鋳鉄にはFe以外にその特性を阻害しない程度の微量元素を含み得るものであり、こうした微量元素とは、例えばP、S等の不可避的不純物が挙げられる。

0026

本発明のフェライト系鋳鉄は、フェライト割合が80面積%以上の組織を想定したものであり、こうした組織に黒鉛粒子が微細に分散することによって、上記の効果を発揮するものである。こうした組織はAl、Ti、C、Si、Mnの含有量を適切に調整して溶解・凝固させることによって必然的に形成されることになる。黒鉛粒子が微細に分散した状態の目安は、円相当直径が20μm以下の黒鉛粒子が、観察視野1mm2当り5000個以上であるが、黒鉛粒子が粗大化するにつれて、この黒鉛粒子個数も少ないものとなる。フェライト以外の組織については、実質的にセメンタイトである。

0027

尚、本発明の鋳鉄を用いて鋳物を製造するに当たっては、砂型鋳造金型鋳造遠心鋳造精密鋳造等、これまで一般的に行われている方法を採用することができる。

0028

以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。

0029

[実施例1]
下記表1に化学成分組成を示す本発明の鋳鉄(No.1)、CV黒鉛鋳鉄(No.2)およびねずみ鋳鉄(No.3)を、常法に従って溶解・鋳造した。得られた鋳鉄鋳物について、フェライト割合(基地組織中のフェライト割合)と耐熱性について調査した。このときの耐熱性(熱衝撃試験)の条件は下記の通りである。そして、この熱衝撃試験を繰り返し、5回毎に試験片の割れの発生および試験片表面剥離の有無を調べ、「割れ・剥離が発生する熱衝撃回数」によって耐熱性を評価した。フェライト割合は、熱衝撃試験と同じ形状寸法の試験片中央を横切断し、その断面を研磨腐食後、光学顕微鏡で観察したときの基地組織中の白色部の面積割合から求めた。尚、表1には、下記(1)式から求められる炭素当量CE(鋳鉄としての炭素当量)に同時に示した。
炭素当量CE=[C]+1/3[Si] …(1)
但し、[C]および[Si]は、夫々鋳鉄中のCおよびSiの含有量(質量%)を示す。

0030

[熱衝撃試験条件]
昇温速度:15℃/分
最高加熱温度:850℃
最高加熱温度保持時間:10分
冷却条件:水中焼き入れ
試験片形状:φ20×25(mm)

0031

その結果を、下記表2に示す。また、この結果に基づいて、「フェライト割合」と「割れ・剥離が発生する熱衝撃回数」の関係を図1に示す。

0032

0033

0034

これらの結果から明らかなように、フェライト割合が増加するにつれて、耐熱性が向上する傾向を示していることが分かる。特にフェライト割合が80面積%を超えると、CV黒鉛鋳鉄(No.2)よりも優れた耐熱性を示していることが分かる。これは、黒鉛粒子の成長の要因となるセメンタイト量が減少(フェライト量が増加)したという理由によるものと考えられる。

0035

[実施例2]
上記表1に示した鋳鉄について黒鉛粒子個数と耐熱性について調査した。黒鉛粒子個数は、実施例1の熱衝撃試験と同じ形状寸法の試験片中央を横切断し、その断面を研磨後、腐食を行なわずに光学顕微鏡で観察したときの黒色部の粒子単位面積当たり個数から求めた。このとき画像解析ソフト(「IP−1000」商品名 旭化成株式会社製)によって画像解析し、夫々の場合の円相当直径についても求めた。

0036

その結果を、下記表3に示す。またこの結果に基づいて、「黒鉛粒子個数」と「割れ・剥離が発生する熱衝撃回数」の関係を図2に示す。

0037

0038

これらの結果から明らかなように、黒鉛粒子個数が増加する(黒鉛が微細になる)につれて、耐熱性が向上する傾向を示していることが分かる。特に黒鉛粒子個数が5000個/mm2を超えると、CV黒鉛鋳鉄よりも優れた耐熱性を示していることが分かる。尚、本発明の鋳鉄(No.1)のものについて熱衝撃試験後の試験片断面を光学顕微鏡によって観察したところ、他の試験片(No.2、3)と比較して酸化による黒鉛消失量が少ないことが確認できた。

0039

[実施例3]
下記表4に化学成分組成を示す鋳鉄を、常法に従って溶解・鋳造した。得られた鋳鉄鋳物について、耐熱性の評価するために基地組織中のフェライト割合を実施例1と同様の方法で調査した。

0040

0041

その結果を、下記表5に示す。またこの結果に基づいて、「Al含有量」と「フェライト割合」の関係を図3に示す。

0042

0043

これらの結果から、Al含有量が0.4%以上にすればフェライト割合を80面積%以上になることが分かる。これは、Alのフェライト安定化効果によるものと考えることができる。

0044

[実施例4]
上記表4に示した鋳鉄について、実施例3と同様にして試験片を作製し、実施例2と同様にして黒鉛組織について調査した。その結果を、下記表6に示す。またこの結果に基づいて、「Al含有量」と「黒鉛粒子個数」の関係を図4に示す。

0045

0046

これらの結果から次のように考察できる。まず。Al含有量が増加するにつれて黒鉛粒子個数は減少するが、Al含有量が1.0%を超えると黒鉛粒子個数は一定になることが分かる。これは、Alを多量に含有させても黒鉛粒子の粗大化による耐熱性の低下は起こらないことを示している。また、Al含有量の最も多い試料(No.9)では溶湯の湯流性がやや低下することが、鋳造時の目視観察により認められた。

0047

[実施例5]
下記表7に化学成分組成を示す鋳鉄を、常法に従って溶解・鋳造した。得られた鋳鉄鋳物について、耐熱性の評価するために基地組織中のフェライト割合を実施例1と同様の方法で調査した。

0048

0049

その結果を、下記表8に示す。またこの結果に基づいて、「Ti含有量」と「フェライト割合の関係」を図5に示す。

0050

0051

これらの結果から次の様に考察できる。Ti含有量が増加するにつれてフェライト割合が減少するが、Ti含有量が0.50%であってもフェライト割合は85面積%を超えていることが分かる。しかし、図5中の実線の傾きより、0.50%を超えるとフェライト割合が80面積%以下になることが予想される。

0052

[実施例6]
上記表7に示した鋳鉄について、実施例5と同様にして試験片を作製し、実施例2と同様にして黒鉛組織について調査した。

0053

その結果を、下記表9に示す。またこの結果に基づいて、「Ti含有量」と「黒鉛粒子個数」の関係を図6に示す。

0054

0055

これらの結果から明らかなように、Ti含有量が増加するにつれて黒鉛粒子個数は増加する傾向を示していることが分かる。

0056

[実施例7]
下記表10に化学成分組成を示す鋳鉄を、常法に従って溶解・鋳造した。得られた鋳鉄鋳物について、耐熱性の評価するために基地組織中のフェライト割合を実施例1と同様な方法で調査した。

0057

0058

その結果を、下記表11に示す。またこの結果に基づいて、「Mn含有量」と「フェライト割合」の関係を図7に示す。

0059

0060

これらの結果から明らかなように、Mn含有量が増すにつれて、フェライト割合が減少する傾向を示すことが分かる。特にMn含有量が1.0%を超えるとフェライト割合は80面積%以下となり、耐熱性が低下する傾向を示している。

0061

[実施例8]
上記表10に示した鋳鉄について、実施例7と同様にして試験片を作製し、実施例2と同様にして黒鉛粒子個数について調査した。その結果を、下記表12に示す。またこの結果に基づいて、「Mn含有量」と「黒鉛粒子個数」の関係を図8に示す。この結果から明らかなように、Mn含有量が増すにつれて、黒鉛粒子個数は増加する傾向を示していることが分かる。

実施例

0062

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