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技術 マイクロホン装置

出願人 国立大学法人九州工業大学ホシデン株式会社
発明者 佐藤寧喜多村龍
出願日 2010年3月26日 (8年9ヶ月経過) 出願番号 2010-073660
公開日 2011年10月13日 (7年3ヶ月経過) 公開番号 2011-205598
状態 特許登録済
技術分野 可聴帯域変換器用回路 音声の分析・合成 可聴帯域変換器の回路等
主要キーワード 耐騒音性 包絡信号 防毒マスク 解析信号 突発性雑音 虚部信号 実部信号 サンプル後
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図面 (7)

課題

骨伝導を利用したマイクロホン装置において、利用者体内で発生する突発性雑音を除去する。

解決手段

マイクロホン装置10を、骨伝導マイクロホン1と、突発音抽出部4と、突発音除去部5とを備える構成とし、各部の機能を次のようにする。突発音抽出部4は、骨伝導マイクロホン1で検出された音声信号包絡線を算出し、該包絡線に基づいて音声信号に含まれる突発雑音の信号成分に対応する信号を抽出する。そして、突発音除去部5は、突発音抽出部4で抽出された突発雑音の信号成分に対応する信号に基づいて、音声信号から突発雑音の信号成分を除去する。

概要

背景

従来、人間が発話した際に声帯などの振動頭蓋骨伝わり直接聴覚神経に音が伝わる骨伝導という現象が知られている。この骨伝導により伝わる音声は、外部雑音の影響をほとんど受けないので、近年、骨伝導を利用した様々な音声処理装置が開発されており、その一つに、携帯電話等のヘッドセットがある。

骨伝導を利用したヘッドセット(マイクロホン装置)では、その内部に高感度骨伝導マイクロホン及び超小型マグネティックスピーカーが組み込まれており、次のような利点を有する。
(1)骨伝導マイクロホンを片方に装着するだけで双方向通信が可能になる。
(2)外部の騒音を拾い難いので、耐騒音性に優れた特性を有する。
(3)口元が完全にオープンとなるので、防毒マスク等の顔面を覆う呼吸装置を利用していても快適な通信が可能になる。

上述のように、骨伝導により伝わる音声は、原理上、外部雑音には強いが、骨伝導マイクロホンを用いたヘッドセット等を環境雑音ベルの高い状況で使用すると、外部雑音の影響を受けて通話音声品質劣化することがある。そこで、従来、そのような環境雑音レベルの高い状況において通話音声をより明瞭にするための様々な技術が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。

特許文献1では、骨伝導音声信号と、気導音声信号とを含むマルチチャンネル音声信号を取得し、その音声信号から、独立成分分析により雑音成分を除去する技術が提案されている。

また、特許文献2には、利用者が装着する骨伝導マイクロホンと、骨伝導マイクロホンからの信号によってトリガーされ、利用者の発話時間を識別するスイッチと、そのスイッチに接続された通常のマイクロホンと、スイッチの出力側に設けられた発話音声分析装置とを備えるコンビネーションマイクロホンシステムが提案されている。

この特許文献2のシステムでは、骨伝導マイクロホンからの信号によりスイッチを制御し、利用者の発話時間のみ、通常のマイクロホンで収集した音声信号が発話音声分析装置に入力される。そして、発話音声分析装置では、入力された音声信号から、利用者の発話音声他者の発話音声(雑音)とを分離している。

概要

骨伝導を利用したマイクロホン装置において、利用者の体内で発生する突発性雑音を除去する。マイクロホン装置10を、骨伝導マイクロホン1と、突発音抽出部4と、突発音除去部5とを備える構成とし、各部の機能を次のようにする。突発音抽出部4は、骨伝導マイクロホン1で検出された音声信号の包絡線を算出し、該包絡線に基づいて音声信号に含まれる突発雑音の信号成分に対応する信号を抽出する。そして、突発音除去部5は、突発音抽出部4で抽出された突発雑音の信号成分に対応する信号に基づいて、音声信号から突発雑音の信号成分を除去する。

目的

本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、骨伝導マイクロホンを用いた例えばヘッドセット等のマイクロホン装置において、上述のような利用者の体内で発生する突発雑音を除去することである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

骨伝導マイクロホンと、前記骨伝導マイクロホンで検出された音声信号包絡線を算出し、該包絡線に基づいて該音声信号に含まれる突発雑音の信号成分に対応する信号を抽出する突発音抽出部と、前記突発音抽出部で抽出された前記突発雑音の信号成分に対応する信号に基づいて、前記音声信号から前記突発雑音の信号成分を除去する突発音除去部とを備えるマイクロホン装置

請求項2

前記突発音抽出部が、前記音声信号の包絡線を算出する包絡線算出部と、前記包絡線から所定周波数以上の信号を抽出し、該抽出した信号を前記突発雑音の信号成分に対応する信号として出力するフィルタ回路部とを有する請求項1に記載のマイクロホン装置。

請求項3

前記包絡線算出部が、連続する3つのサンプリング時刻における前記音声信号の3つの振幅値高低を比較して、前記音声信号の包絡線を算出する請求項2に記載のマイクロホン装置。

請求項4

前記包絡線算出部が、前記音声信号をヒルベルト変換して前記音声信号の解析信号を算出し、該解析信号の実部及び虚部に基づいて前記音声信号の包絡線を算出する請求項2に記載のマイクロホン装置。

請求項5

前記突発音抽出部が、前記音声信号を所定周波数以上の処理周波数でヒルベルト変換して前記音声信号の解析信号を算出し、該解析信号の実部及び虚部に基づいて前記音声信号の包絡線を算出し、且つ、該包絡線を前記突発雑音の信号成分に対応する信号として出力する包絡線算出部を有する請求項1に記載のマイクロホン装置。

技術分野

0001

本発明は、マイクロホン装置に関し、より詳細には、骨伝導を利用したマイクロホン装置に関する。

背景技術

0002

従来、人間が発話した際に声帯などの振動頭蓋骨伝わり直接聴覚神経に音が伝わる骨伝導という現象が知られている。この骨伝導により伝わる音声は、外部雑音の影響をほとんど受けないので、近年、骨伝導を利用した様々な音声処理装置が開発されており、その一つに、携帯電話等のヘッドセットがある。

0003

骨伝導を利用したヘッドセット(マイクロホン装置)では、その内部に高感度骨伝導マイクロホン及び超小型マグネティックスピーカーが組み込まれており、次のような利点を有する。
(1)骨伝導マイクロホンを片方に装着するだけで双方向通信が可能になる。
(2)外部の騒音を拾い難いので、耐騒音性に優れた特性を有する。
(3)口元が完全にオープンとなるので、防毒マスク等の顔面を覆う呼吸装置を利用していても快適な通信が可能になる。

0004

上述のように、骨伝導により伝わる音声は、原理上、外部雑音には強いが、骨伝導マイクロホンを用いたヘッドセット等を環境雑音ベルの高い状況で使用すると、外部雑音の影響を受けて通話音声品質劣化することがある。そこで、従来、そのような環境雑音レベルの高い状況において通話音声をより明瞭にするための様々な技術が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。

0005

特許文献1では、骨伝導音声信号と、気導音声信号とを含むマルチチャンネル音声信号を取得し、その音声信号から、独立成分分析により雑音成分を除去する技術が提案されている。

0006

また、特許文献2には、利用者が装着する骨伝導マイクロホンと、骨伝導マイクロホンからの信号によってトリガーされ、利用者の発話時間を識別するスイッチと、そのスイッチに接続された通常のマイクロホンと、スイッチの出力側に設けられた発話音声分析装置とを備えるコンビネーションマイクロホンシステムが提案されている。

0007

この特許文献2のシステムでは、骨伝導マイクロホンからの信号によりスイッチを制御し、利用者の発話時間のみ、通常のマイクロホンで収集した音声信号が発話音声分析装置に入力される。そして、発話音声分析装置では、入力された音声信号から、利用者の発話音声他者の発話音声(雑音)とを分離している。

先行技術

0008

特開2007−3702号公報
特開2007−267331号公報

発明が解決しようとする課題

0009

上述のように、従来、骨伝導マイクロホンを用いた音声処理装置(以下、単に骨伝導マイクロホン装置という)では、外部雑音への様々な対策が提案されている。しかしながら
、骨伝導により伝わる音声の品質は、外部雑音だけでなく、利用者の体内で発生する種々の雑音の影響によっても劣化する。

0010

そのような体内雑音の一つに、例えば利用者が発話した際の歯の衝突音の関節音等により突発的に発生する雑音(以下、突発雑音という)がある。これは、十人に一人程度の割合で発生する体内雑音である。

0011

ここで、図6(a)及び(b)に、突発雑音が発生しないときに骨伝導マイクロホンで検出される音声信号の波形、及び、突発雑音が発生したときに骨伝導マイクロホンで検出される音声信号の波形をそれぞれ示す。なお、図6(a)及び(b)中の横軸は時間であり、縦軸は信号の振幅である。発話中に突発雑音200aが混ざると、音声信号200において、突発雑音200aの発生時に、図6(b)に示すように、インパルス状に振幅が増大する。

0012

本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、骨伝導マイクロホンを用いた例えばヘッドセット等のマイクロホン装置において、上述のような利用者の体内で発生する突発雑音を除去することである。

課題を解決するための手段

0013

上記課題を解決するために、本発明のマイクロホン装置は、骨伝導マイクロホンと、突発音抽出部と、突発音除去部とを備える構成とし、各部の機能を次のようにする。突発音抽出部は、骨伝導マイクロホンで検出された音声信号の包絡線を算出し、該包絡線に基づいて該音声信号に含まれる突発雑音の信号成分に対応する信号を抽出する。そして、突発音除去部は、突発音抽出部で抽出された突発雑音の信号成分に対応する信号に基づいて、音声信号から突発雑音の信号成分を除去する。

発明の効果

0014

上述のように、本発明のマイクロホン装置では、まず、突発音抽出部において、骨伝導マイクロホンで検出した音声信号の包絡線から突発雑音の成分信号を抽出する。そして、突発音除去部において、抽出された突発雑音の信号成分に対応する信号に基づいて、音声信号から突発雑音の信号成分を除去する。それゆえ、本発明のマイクロホン装置によれば、骨伝導マイクロホンで検出した音声信号から、上述のような利用者の体内で発生する突発雑音を除去することができる。

図面の簡単な説明

0015

本発明の一実施形態に係る骨伝導マイクロホン装置の概略ブロック構成図である。
突発音抽出部及び突発音除去部の内部構成の一例を示す図である。
包絡信号の一波形例を示す図である。
サンプリング値高低比較により音声信号から包絡信号を算出する際の原理を説明するための図である。
本発明の一実施形態に係る骨伝導マイクロホン装置の一動作例を示す図である。
突発雑音が発生した際の音声信号の変化を説明するための図である。

実施例

0016

以下に、本発明の一実施形態に係る骨伝導マイクロホン装置の一構成例を、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す例では、骨伝導マイクロホン装置が例えば携帯電話等で用いるヘッドセットである場合を説明する。

0017

また、以下に示す例では、利用者が発話した際の歯の衝突音や顎の関節音等により発生する突発雑音を除去する例を説明する。なお、このような突発雑音の周波数は、通常、約4kHz以上(パルス幅が約0.25msec以下)となる。また、突発雑音が発生した場合、図6(b)で示すように、音声信号の振幅がインパルス状に増大するが、その振幅をAとし、同時刻に突発雑音が発生しないときの振幅をBとすると、振幅AとBとの差(A−B)は、振幅Bの約2倍以上となる。

0018

[1.骨伝導マイクロホン装置の構成]
図1に、本発明の一実施形態に係る骨伝導マイクロホン装置の概略構成を示す。なお、図1には、上述した突発雑音の除去処理に必要な構成部分のみを示す。また、図1に示す構成部分以外の構成は、従来の例えばヘッドセット等の骨伝導マイクロホン装置と同様に構成することができる。

0019

骨伝導マイクロホン装置10(マイクロホン装置)は、骨伝導マイクロホン1と、アナログデジタル変換器2と、信号処理モジュール3とを備える。骨伝導マイクロホン1、アナログデジタル変換器2及び信号処理モジュール3は、音声の検出側からこの順で電気的に接続される。

0020

骨伝導マイクロホン1は、従来の例えばヘッドセット等の骨伝導マイクロホン装置で用いる骨伝導マイクロホンと同様のものを用いることができる。骨伝導マイクロホン1は、利用者の例えば耳の中、具体的には、外耳道内に挿入して使用される。そして、骨伝導マイクロホン1は、利用者が発声した際に、骨に伝わる声帯の振動、いわゆる「骨導音」と呼ばれる振動を外耳道からピックアップして音声信号に変換し、その音声信号を出力する。

0021

アナログデジタル変換器2は、その入力端子が骨伝導マイクロホン1に接続され、骨伝導マイクロホン1から出力されたアナログの音声信号をデジタルの音声信号に変換する。

0022

信号処理モジュール3は、音声信号から突発雑音の信号成分を抽出する突発音抽出部4と、音声信号から突発雑音の信号成分を除去する突発音除去部5とを備える。なお、信号処理モジュール3は、図1に示す突発雑音の除去処理に関連する回路部以外にも、従来の骨伝導マイクロホン装置と同様にアナログデジタル変換器2から入力された音声信号に対して様々な処理を施すための回路部を備える。

0023

ここで、図2に、突発音抽出部4及び突発音除去部5の内部構成を示す。突発音抽出部4は、エンベロープ算出部11(包絡線算出部)と、ハイパスフィルタ12(フィルタ回路部)とを有する。

0024

エンベロープ算出部11は、アナログデジタル変換器2から入力される音声信号100に対してピーク検波を行い、音声信号100の包絡線(以下、包絡信号という)を算出する。なお、エンベロープ算出部11は、例えばDSP(Digital Signal Processor)等で構成することができ、ソフトウェア上で音声信号100の包絡信号を算出することができる。

0025

図3に、エンベロープ算出部11で算出される包絡信号の一波形例を示す。図3中の破線で示す波形がアナログデジタル変換器2から入力される音声信号100の波形であり、実線で示す波形がエンベロープ算出部11で算出される包絡信号101の波形である。エンベロープ算出部11で算出された包絡信号101では、図3に示すように、突発雑音100aが発生する時刻で包絡信号101の振幅が急激に増大する。なお、エンベロープ算出部11における包絡信号の算出手法については、後で詳述する。

0026

ハイパスフィルタ12は、エンベロープ算出部11から入力される包絡信号101から、所定周波数以上の高周波成分を抽出する。ハイパスフィルタ12は、例えばFIR(Finite Impulse Response)等のデジタルフィルタで構成される。

0027

なお、通常、骨伝導マイクロホン1で検出される発話音最大周波数は約2〜4kHz程度であり、また、例えば発話した際の歯の衝突音や顎の関節音等により発生する突発雑音の周波数は、上述のように、約4kHz以上である。それゆえ、このような突発雑音を抽出する場合には、ハイパスフィルタ12を、その通過帯域が約4kHz以上となるように構成する。

0028

上記構成のハイパスフィルタ12にエンベロープ算出部11で算出された包絡信号101を通過させると、ハイパスフィルタ12からは、図2中の右上に示す信号波形のように、主に、突発雑音100aが発生した時刻おいてのみ、振幅がパルス状に増大する信号102(突発雑音の信号成分に対応する信号:以下、抽出信号という)が出力される。

0029

また、突発音除去部5は、遅延回路13と、積算器14とで構成される。

0030

遅延回路13は、その入力端子がアナログデジタル変換器2の出力端子に接続され、アナログデジタル変換器2から入力される音声信号100を所定時間遅延する。なお、遅延回路13では、遅延回路13の出力信号(音声信号)とハイパスフィルタ12の出力信号(抽出信号)との位相を揃えるために、ハイパスフィルタ12における信号の遅延量に対応する分だけ音声信号100を遅延する。

0031

積算器14は、その2つの入力端子がそれぞれ遅延回路13及びハイパスフィルタ12の出力端子に接続されており、遅延回路13から入力される音声信号100と、ハイパスフィルタ12から入力される突発雑音の抽出信号102とを積算する。

0032

ただし、この際、突発雑音の抽出信号102の逆数を音声信号100と積算する。すなわち、本実施形態では、積算器14では、実質的には、音声信号100を突発雑音の抽出信号102で除算する。この場合、突発雑音が発生する時刻において、抽出信号102の突発雑音成分102aの振幅aの逆数1/aが音声信号100に積算され、音声信号100の振幅が低減(抑制)される。これにより、積算器14からは、突発雑音が除去された音声信号が出力される。

0033

なお、本実施形態では、積算器14の代わりに、突発雑音の抽出信号102の振幅が増大するとゲインが低下するようにゲイン制御が可能な増幅器を用いてもよい。

0034

[2.包絡信号の算出手法]
次に、エンベロープ算出部11における包絡信号の算出手法の一例を説明する。包絡信号の算出手法としては、音声信号に対してピーク検波が可能な手法であれば任意の手法を用いることができる。ここでは、ヒルベルト変換を用いて包絡信号を算出する手法と、連続する3つのサンプリング時刻における音声信号の3つの振幅値(以下、サンプリング値という)を高低比較して包絡信号を算出する手法について説明する。

0035

(1)ヒルベルト変換を用いる手法
この手法では、まず、エンベロープ算出部11に入力された音声信号S(t)をヒルベルト変換して、実部信号Re(t)と虚部信号Im(t)からなる解析信号(=Re(t)+jIm(t))を生成する。次いで、実部信号Re(t)及び虚部信号Im(t)をそれぞれ2乗する。

0036

次いで、2乗された実部信号Re(t)及び虚部信号Im(t)の和(Re(t)2+Im(t)2)を算出する。そして、算出された和信号平方根を算出することにより包絡信号Em(t)(=[Re(t)2+Im(t)2]1/2)を算出する。

0037

(2)サンプリング値の高低比較を用いる手法
図4に、連続する3つのサンプリング時刻における音声信号の3つのサンプリング値を高低比較して包絡信号Em(t)を算出する際の原理概要を示す。この手法では、まず、エンベロープ算出部11に入力された音声信号S(t)の絶対値信号100b(|S(t)|)を算出する。

0038

次いで、連続する3つのサンプリング時刻における絶対値信号100bの3つのサンプリング値の大小比較を行う。具体的には、図4に示すように、所定のサンプリング時刻tnのサンプリング値|An|と、その1サンプル前の時刻tn−1のサンプリング値|An−1|と、1サンプル後の時刻tn+1のサンプリング値|An+1|との大小を比較する。

0039

この際、図4に示すように、|An−1|<|An|且つ|An+1|<|An|の条件が成立するとき、サンプリング時刻tnにおける包絡信号Em(tn)=|An|とする。一方、3つのサンプリング値|An−1|、|An|及び|An+1|の間に、上記条件が成立しない場合には、サンプリング時刻tnにおける包絡信号Em(tn)を、サンプリング時刻tn—1で算出した包絡信号Em(tn−1)とする(Em(tn)=Em(tn−1))。この算出工程を各サンプリング時刻で繰り返し行うことにより、音声信号S(t)の包絡信号Em(t)を算出することができる。

0040

ここで、上述した2つの算出手法(1)及び(2)を比較すると、精度の観点では算出手法(1)の方が有利であるが、処理量(処理時間)や装置の小型化等の観点では算出手法(2)の方が有利である。それゆえ、包絡信号Em(t)の算出精度が求められる用途では、上記算出手法(1)を用い、高速処理及び/または小型化が求められる用途では、上記算出手法(2)を用いることが好ましい。

0041

なお、本実施形態のようにエンベロープ算出部11をDSPで構成した場合には、上述した包絡信号Em(t)の算出処理はソフトウェア上で実現することができるが、本発明は、これに限定されない。上述した包絡信号Em(t)の各算出工程の処理回路ハードウェアで構成してもよい。

0042

[3.骨伝導マイクロホン装置の動作]
次に、本実施形態の骨伝導マイクロホン装置10の動作例を、図5(a)及び(b)を参照しながら説明する。なお、図5(a)は、骨伝導マイクロホン装置10の各部から出力される信号の波形図であり、図5(b)は、骨伝導マイクロホン装置10の概略構成図である。

0043

まず、利用者の片方の耳内に装着された骨伝導マイクロホン1は、利用者が発話した際の音声信号(アナログ信号)を検出し、その音声信号をアナログデジタル変換器2に出力する。次いで、アナログデジタル変換器2は、入力されたアナログの音声信号をデジタルの音声信号に変換し、そのデジタルの音声信号を信号処理モジュール3内の突発音抽出部4及び突発音除去部5に出力する。

0044

ここで、図5(a)中の左図に、アナログデジタル変換器2から突発音抽出部4に入力される音声信号200の波形を示す。この例では、音声信号200中に2回、突発雑音2
00aが発生する場合を示す。

0045

次いで、突発音抽出部4内のエンベロープ算出部11は、例えば上述した算出手法(1)や(2)等の手法を用いて、入力された音声信号200からその包絡信号を算出し、その包絡信号をハイパスフィルタ12に出力する。次いで、ハイパスフィルタ12は、入力された包絡信号から、それに含まれる所定周波数(例えば約4kHz)以上の高周波成分、すなわち、突発雑音200aの成分(図5(a)中央図の突発雑音成分202a)を抽出する。そして、ハイパスフィルタ12は、生成した突発雑音の抽出信号を突発音除去部5に出力する。

0046

ここで、図5(a)中の中央図に、突発音抽出部4から突発音除去部5に入力される突発雑音の抽出信号202の波形を示す。この例では、突発雑音200aの2つの発生時刻において、振幅がパルス状に急激に増大した抽出信号202が、突発音抽出部4から出力される。

0047

次いで、突発音除去部5は、その内部に設けられた遅延回路13により所定時間だけ遅延された音声信号200と、突発音抽出部4から入力された突発雑音の抽出信号202とに基づいて、音声信号200から突発雑音成分を除去する。本実施形態では、音声信号200に突発雑音の抽出信号202の逆数を積算する。これにより、突発雑音200aの2つの発生時刻において、音声信号200の振幅が抑制され、突発雑音成分を除去することができる。

0048

ここで、図5(a)中の右図に、突発音除去部5から出力される音声信号の波形を示す。突発音除去部5から出力される音声信号では、突発雑音200aの2つの発生時刻の振幅が抑制され、突発雑音200aが除去された波形となる。本実施形態の骨伝導マイクロホン装置10では、上述のようにして、骨伝導マイクロホン1で検出した音声信号200から突発雑音200aを除去する。

0049

上述のように、本実施形態の骨伝導マイクロホン装置10では、簡易な構造で且つ容易に音声信号から体内で発生する突発雑音の影響を除去することができる。それゆえ、本実施形態では、構造が簡易であり、より高品質で且つより快適な通話が可能な骨伝導マイクロホン装置を提供することができる。

0050

なお、上記実施形態の骨伝導マイクロホン装置10では、突発音抽出部4をエンベロープ算出部11及びハイパスフィルタ12で構成する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、エンベロープ算出部11でヒルベルト変換を利用して音声信号の包絡信号(包絡線)を算出する際に、その処理周波数を所定周波数以上(例えば4kHz以上)に設定した場合には、ハイパスフィルタ12を用いなくてもよい。

0051

より具体的に説明すると、エンベロープ算出部11で音声信号をヒルベルト変換する際の処理周波数を例えば4kHz以上に設定すると、ヒルベルト変換により突発雑音の信号成分に対応する解析信号が得られる。この場合、エンベロープ算出部11で、解析信号の実部及び虚部を用いて包絡信号を算出することにより、直接、突発雑音の信号成分に対応する抽出信号(図2中の抽出信号102)を得ることができる。

0052

すなわち、この場合には、エンベロープ算出部11で、包絡信号の算出機能と突発雑音の信号成分の抽出機能ハイパスフィルタ機能)とを兼ね備えることができる。それゆえ、この場合には、図2に示すハイパスフィルタ12が不要となり、突発音抽出部4の構成をより簡易にすることができる。

0053

また、上記実施形態では、骨伝導マイクロホン装置として、例えば携帯電話等で用いるヘッドセットを例に挙げ説明したが、本発明はこれに限定されない。骨伝導マイクロホンを用い、且つ、発話音より高い周波数の体内雑音が骨伝導マイクロホンで検出されるような用途では、任意の装置に本発明を適用することができ、同様の効果が得られる。

0054

1…骨伝導マイクロホン、2…アナログデジタル変換器、3…信号処理モジュール、4…突発音抽出部、5…突発音除去部、10…骨伝導マイクロホン装置、11…エンベロープ算出部、12…ハイパスフィルタ、13…遅延回路、14…積算器、100,200…音声信号、100a,200a…突発雑音、101…包絡信号、102,202…抽出信号、102a,202a…突発雑音成分

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