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課題

疲労すると免疫力が低下することが考えられ、免疫力の低下の原因の1つとしてウイルス感染が挙げられている。ウイルス感染と疲労度との関係を明確にし、ウイルス感染を疲労度の指標として評価すると共に、抗疲労物質スクリーニング法を提供する。

解決手段

被験者体液採取し、体液中のヒトヘルペスウイルスの量を測定することにより、日常生活や疾患にともなう疲労度との関係を明確すると共に簡便かつ定量的に評価する。さらに、抗疲労物質及び抗疲労食品生体における抗疲労力を測定することで、抗疲労物質をスクリーニングする。

概要

背景

疲労は、日常生活において非常に身近な問題であり、ストレスの多い現代人の中では、さまざまな疲労に悩む人が多い。しかしながら、「疲労」に関する科学的・医学的研究は、断片的に行われていたに過ぎず、「疲労」という主観的症状をいかに定量的・客観的に表すかという決定的手段または定量尺度については、ほとんど研究されていない。

これまで「疲労」の代表的な例として、筋肉疲労運動疲労)が主に研究されており、その指標として、筋肉中の乳酸産生量の増加が注目されていた。しかし、本来乳酸は脳神経系にとって重要なエネルギー源であり、乳酸が筋肉活動阻害するという説は、現在では否定的に捉えられている。その他、筋肉疲労にともなって、体液中のピルビン酸の上昇、およびpHが低下する現象が知られている。これらは筋肉への負荷運動負荷)という一定のストレスを与えたときには確かにみられる現象であるが、「疲労」は局部的な筋肉疲労とは異なり、生体に現れるもっと幅広い大きな生理現象と考えられている。

特許文献1では、唾液における、副腎性ステロイドおよびその代謝物の濃度を指標とするストレスの定量法が開示されている。特許文献2および特許文献3では、血液中タウリンロイシンイソロイシンといったアミノ酸類を測定することにより、被験物質の抗精神疲労活性評価方法が開示されている。これらの特許文献では生体液中の生体因子を指標として、ストレスや疲労を評価する方法が開示されているが、ヒトの日常生活における疲労を定量化できるまでは至っていない。

ヒトが疲労すると、免疫力が低下することが考えられ、ヒトの免疫力の低下の一つの表現系として、ウイルス感染が挙げられる。しかし、ヒトの疲労とウイルス感染との関係は明らかにはなっていない。

一方、主としてヒトに感染するヘルペスウイルスは、現在8種類が同定されている。ヘルペスウイルスは大型のDNAウイルスで、主としてその進化系統樹に従って、α、β、γの3亜科分類され、亜科ごとに共通した生物的性質を持つ。例えば、α-ヘルペスウイルスは神経細胞潜伏感染、及び再活性化を生じる神経性ウイルスで、γ-ヘルペスウイルスは腫瘍原性をもつ。

すべてのヘルペスウイルスに共通する性質として、主として小児期に感染したウイルスが、体内に潜んで潜伏感染を成立し、このウイルスが何らかの刺激によって再び増殖を開始する(再活性化)ことがあげられる。

この再活性化を誘導する刺激として可能性が指摘されるのが、疲労、特に精神的疲労やストレスである。ヘルペスウイルスの中でも、口唇ヘルペスウイルスの原因となる単純ヘルペスウイルスI型の再活性化は、しばしば口唇ヘルペスとして観察されるが、この口唇ヘルペスは、ウイルス保持者が非常に疲労したときに出現することが多いと言われている。

しかし実際にはヘルペスウイルスの再活性化が、どのような刺激で誘導されるのかは、ほとんど明らかになっていない。ヘルペスウイルスの再活性化と疲労やストレスとの関係については、学術的な証明は行われておらず、上記した単純ヘルペスウイルスI型と疲労の関係も、民間伝承にすぎない。

上述のように、筋肉負荷(運動負荷)による筋肉疲労(運動疲労)の客観的な判定方法は提案されているが、日常生活における疲労症状は、先に述べたように、多くの現代人が感じているものであるにも関わらず、その客観的な評価方法について、ほとんど報告がなされていない。日常生活における疲労症状は、そのまま放置すると長時間過密の働きすぎによる突然死である過労死に直結するおそれもある。過労死の問題は医学的、経済的、社会的にも非常に重要であると認識されているにもかかわらず、その科学的メカニズムについてほとんど解明されていない。このため、近年、社会問題化している過労死を防止するためにも客観的な疲労度の評価方法が必要とされている。

さらに、市場氾濫する栄養ドリンクなどの医薬品または健康食品等の多くは、疲労を回復または抑制する機能性を売り物としたものであるため、その機能性に対する科学的な裏づけが消費者のみならず市場・社会全体において広く求められている。

以上のように、運動負荷による疲労についての知見はあるものの、運動負荷による疲労と日常生活における疲労とはまったく異なるものであり、日常生活における疲労の評価方法は開発されていない。このため、簡便かつ客観的にin vivoにおける日常生活における疲労についての評価方法およびその利用法の開発が強く求められている。

概要

疲労すると免疫力が低下することが考えられ、免疫力の低下の原因の1つとしてウイルス感染が挙げられている。ウイルス感染と疲労度との関係を明確にし、ウイルス感染を疲労度の指標として評価すると共に、抗疲労物質スクリーニング法を提供する。被験者の体液を採取し、体液中のヒトヘルペスウイルスの量を測定することにより、日常生活や疾患にともなう疲労度との関係を明確すると共に簡便かつ定量的に評価する。さらに、抗疲労物質及び抗疲労食品の生体における抗疲労力を測定することで、抗疲労物質をスクリーニングする。なし

目的

本発明の課題は、簡便かつ定量的に疲労度を評価する方法及び利用法、疲労度を評価するためのキット、ならびに抗疲労物質の抗疲労力測定方法を提供する

効果

実績

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請求項1

体液中のヒトヘルペスウイルスの量を指標として、被験者疲労度を評価することを特徴とする疲労度評価方法

請求項2

上記ヒトヘルペスウイルスの量が多ければ、疲労度が高いと評価することを特徴とする請求項1に記載の疲労度評価方法。

請求項3

ヒトヘルペスウイルス量を、ヒトヘルペスウイルス遺伝子の発現量として測定する、請求項2に記載の疲労度評価方法。

請求項4

上記ヒトヘルペスウイルス量が多ければ、被験者が日常生活で生じる中長期的急性疲労蓄積による過労状態にあると評価することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の疲労度評価方法。

請求項5

上記ヒトヘルペスウイルスのウイルス量が多ければ、被験者が疾患による慢性疲労の状態であると評価することを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の疲労度評価方法。

請求項6

上記疲労度が、日常生活で生じる中長期的疲労または疾患による疲労であって、精神疲労および/または複合的な疲労による疲労度であることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の疲労度評価方法。

請求項7

上記体液は、血液、唾液、脳骨髄液および尿から選ばれる少なくとも一種類であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の疲労度評価方法。

請求項8

上記ヘルペスウイルスは、ヒトヘルペスウイルス6、ヒトヘルペスウイルス7、ヒトサイトメガロウイルスおよびエプシュタイン・バーウイルスEBV)から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載の疲労度評価方法。

請求項9

上記請求項1ないし8のいずれか一項に記載の疲労度評価方法を実施するための疲労度評価キット

請求項10

採取した体液中のHHVの量を測定する手段を含むキットであって、体液中のヒトヘルペスウイルスの量を指標として被験者の疲労度を評価するために使用できることが表示されている、請求項9に記載のキット。

請求項11

(i)被験者が抗疲労物質の候補である物質を摂取する前に当該被験者の体液を採取し、体液中のHHVの量を測定する摂取前HHV量測定工程と、(ii)被験者が抗疲労物質の候補である物質を摂取した後に当該被験者の体液を採取し、体液中のHHVの量を測定する摂取後HHV量測定工程と、(iii)(i)の摂取前HHV量測定工程、及び(ii)の摂取後HHV量測定工程によって得られた、当該抗疲労物質の候補である物質の摂取前後におけるHHV量の変化の測定結果に基づき、当該抗疲労物質の候補である物質の摂取前後における体液中のHHV量の変化を算出するウイルス量変化算出工程と、(iv)(iii)のウイルス量変化算出工程によって得られた当該抗疲労物質の候補である物質の摂取前後における体液中のHHV量変化に基づき、当該抗疲労物質の候補である物質の生体における抗疲労力を測定する抗疲労力測定工程とを含む、抗疲労物質の候補である物質の抗疲労効果評価方法

請求項12

(i)抗疲労物質の候補である物質を摂取した被験者と、抗疲労物質の候補である物質を摂取しなかった被験者からそれぞれ体液を採取し、それぞれの体液中のHHVの量を測定するHHV量測定工程と、(ii)(i)のHHV量測定工程によって得られた、当該抗疲労物質の候補である物質の摂取の有無によるHHV量の変化の測定結果に基づき、当該抗疲労物質の候補である物質の摂取の有無による体液中のHHV量の変化を算出するウイルス量変化算出工程と、(iii)(ii)のウイルス量変化算出工程によって得られた当該抗疲労物質の候補である物質の摂取の有無による体液中のHHV量変化に基づき、当該抗疲労物質の候補である物質の生体における抗疲労力を測定する抗疲労力測定工程とを含む、抗疲労物質の候補である物質の抗疲労効果評価方法。

請求項13

上記請求項1ないし8のいずれか一項に記載の疲労度評価方法および請求項9または10のいずれか一項に記載の疲労度評価キットのいずれかを用いて、抗疲労物質の候補である物質の抗疲労効果を測定することを特徴とする、請求項11または12のいずれか一項に記載の抗疲労効果評価方法。

請求項14

抗疲労物質をスクリーニングするための、請求項11ないし13のいずれか一項に記載の抗疲労物質の候補である物質の抗疲労効果評価方法。

技術分野

0001

本発明は、ヒトの疲労度を評価する方法およびその利用法、疲労度を評価するためのキット、ならびに抗疲労物質の抗疲労力測定方法に関する。

背景技術

0002

疲労は、日常生活において非常に身近な問題であり、ストレスの多い現代人の中では、さまざまな疲労に悩む人が多い。しかしながら、「疲労」に関する科学的・医学的研究は、断片的に行われていたに過ぎず、「疲労」という主観的症状をいかに定量的・客観的に表すかという決定的手段または定量尺度については、ほとんど研究されていない。

0003

これまで「疲労」の代表的な例として、筋肉疲労運動疲労)が主に研究されており、その指標として、筋肉中の乳酸産生量の増加が注目されていた。しかし、本来乳酸は脳神経系にとって重要なエネルギー源であり、乳酸が筋肉活動阻害するという説は、現在では否定的に捉えられている。その他、筋肉疲労にともなって、体液中のピルビン酸の上昇、およびpHが低下する現象が知られている。これらは筋肉への負荷運動負荷)という一定のストレスを与えたときには確かにみられる現象であるが、「疲労」は局部的な筋肉疲労とは異なり、生体に現れるもっと幅広い大きな生理現象と考えられている。

0004

特許文献1では、唾液における、副腎性ステロイドおよびその代謝物の濃度を指標とするストレスの定量法が開示されている。特許文献2および特許文献3では、血液中タウリンロイシンイソロイシンといったアミノ酸類を測定することにより、被験物質の抗精神疲労活性評価方法が開示されている。これらの特許文献では生体液中の生体因子を指標として、ストレスや疲労を評価する方法が開示されているが、ヒトの日常生活における疲労を定量化できるまでは至っていない。

0005

ヒトが疲労すると、免疫力が低下することが考えられ、ヒトの免疫力の低下の一つの表現系として、ウイルス感染が挙げられる。しかし、ヒトの疲労とウイルス感染との関係は明らかにはなっていない。

0006

一方、主としてヒトに感染するヘルペスウイルスは、現在8種類が同定されている。ヘルペスウイルスは大型のDNAウイルスで、主としてその進化系統樹に従って、α、β、γの3亜科分類され、亜科ごとに共通した生物的性質を持つ。例えば、α-ヘルペスウイルスは神経細胞潜伏感染、及び再活性化を生じる神経性ウイルスで、γ-ヘルペスウイルスは腫瘍原性をもつ。

0007

すべてのヘルペスウイルスに共通する性質として、主として小児期に感染したウイルスが、体内に潜んで潜伏感染を成立し、このウイルスが何らかの刺激によって再び増殖を開始する(再活性化)ことがあげられる。

0008

この再活性化を誘導する刺激として可能性が指摘されるのが、疲労、特に精神的疲労やストレスである。ヘルペスウイルスの中でも、口唇ヘルペスウイルスの原因となる単純ヘルペスウイルスI型の再活性化は、しばしば口唇ヘルペスとして観察されるが、この口唇ヘルペスは、ウイルス保持者が非常に疲労したときに出現することが多いと言われている。

0009

しかし実際にはヘルペスウイルスの再活性化が、どのような刺激で誘導されるのかは、ほとんど明らかになっていない。ヘルペスウイルスの再活性化と疲労やストレスとの関係については、学術的な証明は行われておらず、上記した単純ヘルペスウイルスI型と疲労の関係も、民間伝承にすぎない。

0010

上述のように、筋肉負荷(運動負荷)による筋肉疲労(運動疲労)の客観的な判定方法は提案されているが、日常生活における疲労症状は、先に述べたように、多くの現代人が感じているものであるにも関わらず、その客観的な評価方法について、ほとんど報告がなされていない。日常生活における疲労症状は、そのまま放置すると長時間過密の働きすぎによる突然死である過労死に直結するおそれもある。過労死の問題は医学的、経済的、社会的にも非常に重要であると認識されているにもかかわらず、その科学的メカニズムについてほとんど解明されていない。このため、近年、社会問題化している過労死を防止するためにも客観的な疲労度の評価方法が必要とされている。

0011

さらに、市場氾濫する栄養ドリンクなどの医薬品または健康食品等の多くは、疲労を回復または抑制する機能性を売り物としたものであるため、その機能性に対する科学的な裏づけが消費者のみならず市場・社会全体において広く求められている。

0012

以上のように、運動負荷による疲労についての知見はあるものの、運動負荷による疲労と日常生活における疲労とはまったく異なるものであり、日常生活における疲労の評価方法は開発されていない。このため、簡便かつ客観的にin vivoにおける日常生活における疲労についての評価方法およびその利用法の開発が強く求められている。

先行技術

0013

特開平11-038004号公報
特開平11-304792号公報
特開平11-304793号公報

発明が解決しようとする課題

0014

本発明の課題は、簡便かつ定量的に疲労度を評価する方法及び利用法、疲労度を評価するためのキット、ならびに抗疲労物質の抗疲労力測定方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0015

本発明者は、上記の課題に鑑み鋭意検討した結果、体液中のヒトヘルペスウイルスHHV)の量を測定・評価することにより、日常生活の疲労に対する疲労度を定量的に評価できることを独自に見出し、この実験系を利用して日常生活における疲労度を測定することができる本発明を完成させるに至った。

0016

すなわち、本発明にかかる疲労度評価方法は、上記の課題を解決するために、体液中の少なくとも1種のHHVの量を指標として疲労度を評価することを特徴とする。上記の方法では簡便かつ客観的にヒトの疲労度を評価でき、疲労回復又は抑制効果を持つ医薬品をはじめ、栄養ドリンクや健康食品といった栄養補助食品効果効能を定量的に求めることも可能である。さらに、長時間の労働などで引き起こされやすい過労状態を簡便かつ客観的に発見することも可能である。

0017

本発明にかかる疲労度評価キットは、上記の課題を解決するために、上述の疲労度評価方法を実施するためのものであることを特徴としている。

0018

本発明にかかる抗疲労物質の抗疲労力測定方法は、上記の課題を解決するために、上述の疲労度評価方法および疲労度評価キットのいずれかを用いて、抗疲労物質の抗疲労力を測定することを特徴としている。

0019

すなわち、上記の課題を解決するために、より具体的には下記の発明が提供される。
[1]
体液中のヒトヘルペスウイルスの量を指標として、被験者の疲労度を評価することを特徴とする疲労度評価方法。
[2]
上記ヒトヘルペスウイルスの量が多ければ、疲労度が高いと評価することを特徴とする[1]に記載の疲労度評価方法。
[3]
ヒトヘルペスウイルス量を、ヒトヘルペスウイルス遺伝子の発現量として測定する、[2]に記載の疲労度評価方法。
[4]
上記ヒトヘルペスウイルス量が多ければ、被験者が日常生活で生じる中長期的急性疲労蓄積による過労状態にあると評価することを特徴とする[1]ないし[3]のいずれか一項に記載の疲労度評価方法。
[5]
上記ヒトヘルペスウイルスのウイルス量が多ければ、被験者が疾患による慢性疲労の状態であると評価することを特徴とする、[1]ないし[3]のいずれか一項に記載の疲労度評価方法。
[6]
上記疲労度が、日常生活で生じる中長期的疲労または疾患による疲労であって、精神疲労および/または複合的な疲労による疲労度であることを特徴とする、[1]ないし[5]のいずれか一項に記載の疲労度評価方法。
[7]
上記体液は、血液、唾液、脳骨髄液および尿から選ばれる少なくとも一種類であることを特徴とする[1]ないし[6]のいずれか一項に記載の疲労度評価方法。
[8]
上記ヘルペスウイルスは、ヒトヘルペスウイルス6、ヒトヘルペスウイルス7、ヒトサイトメガロウイルスおよびエプシュタイン・バーウイルス(EBV)から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする[1]ないし[7]のいずれか一項に記載の疲労度評価方法。
[9]
上記[1]ないし[8]のいずれか一項に記載の疲労度評価方法を実施するための疲労度評価キット。
[10]
採取した体液中のHHVの量を測定する手段を含むキットであって、体液中のヒトヘルペスウイルスの量を指標として被験者の疲労度を評価するために使用できることが表示されている、[9]に記載のキット。
[11]
(i)被験者が抗疲労物質の候補である物質を摂取する前に当該被験者の体液を採取し、体液中のHHVの量を測定する摂取前HHV量測定工程と、
(ii)被験者が抗疲労物質の候補である物質を摂取した後に当該被験者の体液を採取し、体液中のHHVの量を測定する摂取後HHV量測定工程と、
(iii)(i)の摂取前HHV量測定工程、及び(ii)の摂取後HHV量測定工程によって得られた、当該抗疲労物質の候補である物質の摂取前後におけるHHV量の変化の測定結果に基づき、当該抗疲労物質の候補である物質の摂取前後における体液中のHHV量の変化を算出するウイルス量変化算出工程と、
(iv)(iii)のウイルス量変化算出工程によって得られた当該抗疲労物質の候補である物質の摂取前後における体液中のHHV量変化に基づき、当該抗疲労物質の候補である物質の生体における抗疲労力を測定する抗疲労力測定工程
とを含む、抗疲労物質の候補である物質の抗疲労効果評価方法。
[12]
(i)抗疲労物質の候補である物質を摂取した被験者と、抗疲労物質の候補である物質を摂取しなかった被験者からそれぞれ体液を採取し、それぞれの体液中のHHVの量を測定するHHV量測定工程と、
(ii)(i)のHHV量測定工程によって得られた、当該抗疲労物質の候補である物質の摂取の有無によるHHV量の変化の測定結果に基づき、当該抗疲労物質の候補である物質の摂取の有無による体液中のHHV量の変化を算出するウイルス量変化算出工程と、
(iii)(ii)のウイルス量変化算出工程によって得られた当該抗疲労物質の候補である物質の摂取の有無による体液中のHHV量変化に基づき、当該抗疲労物質の候補である物質の生体における抗疲労力を測定する抗疲労力測定工程
とを含む、抗疲労物質の候補である物質の抗疲労効果評価方法。
[13]
上記[1]ないし[8]のいずれか一項に記載の疲労度評価方法および[9]または[10]のいずれか一項に記載の疲労度評価キットのいずれかを用いて、抗疲労物質の候補である物質の抗疲労効果を測定することを特徴とする、[11]または[12]のいずれか一項に記載の抗疲労効果評価方法。
[14]
抗疲労物質をスクリーニングするための、[11]ないし[13]のいずれか一項に記載の抗疲労物質の候補である物質の抗疲労効果評価方法。

発明の効果

0020

本発明にかかる疲労度評価方法、疲労度評価キット、その利用方法、及び抗疲労物質の抗疲労力測定方法によれば、被験者の体液を採取することにより、被験者の当該疲労度が定量的に評価できるという効果を奏する。さらに、かかる方法及びキットは、いずれも簡便であるだけでなく、長時間にわたる拘束も必要としないため、被験者にとっては苦痛やわずらわしさを感じさせることがない。また、方法等も実施者にとっても簡便であり、被験者及び実施者の両者にとって非常に取り扱いやすいものであるという効果を奏する。それゆえ、抗疲労物質のスクリーニング方法や、抗疲労能を謳った食品等のin vivo評価に利用することができ、非常に有用な技術である。

0021

本発明にかかる疲労度評価キットによれば、例えば、被験者から体液を採取し、体液中のHHVの量を測定し、その量を算出することで、疲労抑制又は回復効果がある医薬品及び食品の効果効能を評価できる。すなわち、疲労抑制又は回復効果がある医薬品又は食品の生体における効果効能を簡便かつ定量的に求めることができる。

0022

本発明の方法によれば、ヒトの疲労症状に対して、抗疲労物質がどの程度改善効果を有するのか、すなわち、抗疲労物質の有する抗疲労力について、簡便かつ確実、さらに定量的に、測定することができる。

0023

本発明は、日常生活における疲労度を簡便かつ定量的に測定・評価するための方法、キット及びその利用法を提供するものである。このため、本発明によれば、日常生活において、疲労度を客観的に知ることができ、疲労が知らず知らずのうちに蓄積して引き起こされる種々の疾患の発生を回避できる。さらに、疲労を意識せずに働き続けることにより発生する過労死の発生率を低下させることもできる。

0024

さらに、本発明によれば、市場に数多く供給される、疲労回復、滋養強壮栄養補給を謳う医薬品や食品がどの程度生体において抗疲労力を発揮するのか、といった情報を消費者及び社会に提供することができる。これらの情報は、消費者にとって、過労の予防や、滋養強壮に有効な抗疲労食品や医薬品を選択する際の一つの目安として利用することができるものであり、これらの点において、本発明は非常に有用かつ社会的インパクトの強い発明である。

図面の簡単な説明

0025

実施例1におけるHHVの発現量を測定するための試験日程表である。
実施例1におけるHHVの発現量の測定結果であって、被験者におけるHHV-6の発現率(被験者全体における、HHV-6のDNAを発現した被験者の割合(%))の変化を示すグラフである。第一検査日労作時)及び第二検査日(休暇直後)それぞれの発現率を示す。
実施例2におけるHHVのDNAの発現量及び発現頻度の測定結果であって、CSF患者及び健常者におけるHHV-7のDNAの発現量及び発現頻度の変化を示すグラフである。HHV-7のDNAの発現量を縦軸とし、発現が認められた各被験者をそれぞれのカラムとして示している。

0026

以下、本発明にかかる疲労度評価方法、キット、及び利用法について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。

0027

本明細書における「疲労」とは、身体的あるいは精神的負荷を連続して与えられたときにみられる一時的な身体的・精神的機能および体力の質的あるいは量的な低下現象で、生理的疲労と病的疲労に分類される。本明細書における「生理的疲労」とは、健康な人が、身体的あるいは精神的負荷を連続して与えられたときにみられる一時的な身体的および精神的作業能力の質的あるいは量的な低下現象を意味し、「病的疲労」とは、慢性疲労症候群精神疾患心臓病肝炎貧血、各種感染症悪性腫瘍などの疾患にともなう疲労を意味する。

0028

「生理的疲労」はさらに、「急性疲労」と「慢性疲労」に分類される。本明細書における「急性疲労」とは、適切な休息によって回復する一過性の疲労を意味する。また、「慢性疲労」とは、日々の回復が不完全なために,疲労が蓄積して長期間にわたる疲労を意味する。本明細書における中長期的疲労とは、上記慢性疲労に至る前の急性疲労を意味する。

0029

「急性疲労」、及び「慢性疲労」はそれぞれ、「精神疲労」と「肉体疲労」に分類される。本明細書における「精神疲労」とは、複雑な計算や記憶、または思考などの心理活動ばかりでなく、我慢や緊張または時間に追われて作業をすることの焦操感など、感情意思の活動が過度に要求された場合に生じる、眼精疲労、心的ストレスを含む疲労を意味する。また、本明細書における「肉体疲労」とは、肉体的作業の遂行電磁波の影響によって起こる疲労を意味する。さらに、本明細書における「精神疲労負荷」とは、上記精神的疲労を与えることを意味する。

0030

本明細書における「遷延性疲労」とは、何らかの誘因によってもたらされた疲労が長時間回復せずに継続する状態を意味する。

0031

本明細書における「複合的な疲労」とは、上記した各種の疲労の組み合わせからなる疲労を意味する。

0032

本明細書における「疲労度」とは、上記に挙げた各種の「疲労」の結果生じた、過度の肉体的、精神的な活動または、疾患の影響により生じた独特の病的不快感休養を求める欲求を伴う身体・精神機能および体力の減弱状態の度合いをいう。ここで「身体あるいは精神機能の減弱状態」とは、身体および精神作業能力の質的あるいは量的な低下を意味する。

0033

本明細書における「過労状態」とは、上記生理的疲労であって、慢性疲労である状態が持続した結果、生体リズム崩壊し、生命を維持する機能に致命的破綻をきたした状態であって、病的疲労に至る状態を意味する。

0034

本発明は、上記に挙げた各種の「疲労」の全てを対象とするものであるが、なかでも、生理的疲労の中でも急性疲労であって、中長期的疲労であることが好ましい。本発明はさらに、中長期的疲労のうちの、精神疲労負荷に対する疲労であることが好ましい。また、本発明の対象は、遷延性疲労および慢性疲労症候群(CFS)、癌、心臓病、生活習慣病といった疾患に伴う疲労(病的疲労)が好ましい。

0035

本発明を実施するために最適なウイルスの条件としては、ほとんどのヒトに潜伏感染しており、多くのヒトを被験対象にすることができること、および再活性化したウイルスを測定することが簡単に行えることが挙げられる。

0036

上記条件を満たすウイルスとしては、ヒトヘルペスウイルス(HHV)が挙げられる。上記したように、HHVには3つの亜科があるが、たとえばヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)、ヒトヘルペスウイルス7(HHV-7)、及びヒトサイトメガロウイルス(別名ヒトヘルペスウイルス5)は、β亜科に属し、エプシュタイン・バーウイルスEBVはγ亜科に属している。上記ウイルスは、日本人成人では、9割以上のヒトが既感染で、体内に潜伏感染ウイルスを保有している。特に、HHV-6は2以上で、HHV-7は5歳以上ですべての人が感染するウイルスであるので、すべての成人が体内に潜伏感染ウイルスを保有していると考えられる。したがって、本発明には、HHV-6、HHV-7、サイトメガロウイルス、及びエプシュタイン・バーウイルス(EBV)が好適であると考えられる。

0037

また、これらのウイルスは再活性化した場合、唾液中にウイルスDNAが放出されることが知られているので、唾液中のウイルスDNAを測定すれば、ウイルスの再活性化を簡便に測定することができる。

0038

以下に、本発明の概要を簡単に説明する。ここで述べる方法の概要は、後述するキット及び利用方法にも共通する部分が多分に存在する。

0039

(1)疲労度評価方法
本発明者は、被験者の体液を採取し、体液中のHHVの量を測定することにより、ヒトの疲労度を簡便かつ定量的に測定することができることを見出した。この方法は、大掛かりな装置が必要ないだけでなく、体液の採取時間が短いことから、被験者にとって時間的拘束が少なく、また、方法の実施者にとっても非常に簡便な方法である。

0040

本発明の対象となるウイルスは、ヒトヘルペスウイルス(HHV)に属すウイルスであればよいが、HHV-6、HHV-7、サイトメガロウイルス、エプシュタイン・バーウイルス(EBV)が好適である。さらに、HHV-6、及びHHV-7がより好適である。

0041

本発明の対象となる体液は血液、唾液、脳脊髄液及び尿から選ばれる少なくとも一種以上であればよいが、唾液が好適である。

0042

唾液の採取方法は、咽頭部の粘性液綿棒で拭い取る方法、唾液を採取管に直接吐き出す方法、唾液採取器具、例えばサリベット等を用いる方法から選ばれる少なくとも一種以上であればよいが、サリベットを用いた方法が好適である。

0043

また、唾液を採取する前の口腔内処理は、例えば、長時間食事をせずに安静にする方法や唾液採取直前に水で口腔内をゆすぐ方法があげられるが、唾液採取直前に水で口腔内をゆすぐ方法が好適である。

0044

体液中のHHVの量の測定は従来公知の方法であればよく、具体的な手法、条件などは、当業者であれば適宜設定可能である。ウイルス量を測定する方法としては、ウイルス核酸の量を測定する方法、ウイルスタンパクの量を測定する方法などがある。

0045

ウイルス核酸の量を測定する方法としては、例えば、唾液からDNAを精製し、それぞれのヒトヘルペスウイルスに特異的なPCRプライマーを用いて、ウイルスDNA量PCR法により測定する方法(参考文献:Journal of Medical Virology 32:139-142(1990)「Detection of Human Herpesvirus 6 DNA in Throat Swabs by Polymerase Chain Reaction」)、ダブルネステッドPCR法 (Double−NestedPCR)により測定する方法(参考文献:Journal of Infectious Diseases 1993, 167:1197-1200.「Association ofHHV-6 Infection of the central nervous system with recurrence of febrile convulsions.」)等が挙げられる。本発明においては、ダブルネステッドPCR法(Double−Nested PCR)およびリアルタイムPCR法(Real-time PCR) が好適である。

0046

ウイルスタンパクの量を測定する方法としては、例えば、ウイルスタンパクに対する抗体を用いた免疫測定法イムノアッセイ法)がある。代表的な免疫測定法として、例えばサンドイッチELISA法などが挙げられる(参考文献:J. Clin. Microbiol. 1983 May;17 (5): 942-4.「Typingof herpes simplex virus isolates by enzyme-linked immunosorbent assay: comparison between indirect and double-antibody sandwich techniques.」Gerna G, Battaglia M, Revello MG, GernaMT.)。

0047

また、本発明に係る疲労度測定方法においては、上記体液中のHHVの量がより高ければ、被験者の疲労度がより高いと評価することが好適である。これは、後述する実施例に示すように、被験者の疲労度が高まれば、それに応じて被験者のHHVの体液中の発現量が上昇することから導かれる。

0048

さらに、本発明にかかる疲労度評価方法の一部あるいは全部をコンピュータ等の従来公知の演算装置情報処理装置)を利用して行うことも可能であることは、当業者には明らかである。例えば、本発明にかかる疲労度評価方法は、体液中のHHVの量を測定する測定工程と、体液中のHHVの量の測定結果に応じて被験者の疲労度を評価する評価工程とを含むと換言できるが、この中でも、特に評価工程に演算装置を利用することができる。

0049

(2)疲労度評価キット
次に、本発明にかかる疲労度評価キットについて説明する。本発明にかかる疲労度評価キットは、ヒトにおける疲労度を評価するキットである。すなわち、上記(1)欄で説明した本発明にかかる疲労度評価方法を実施するためのキットであればよい。詳細には、被験者の体液中のHHVの量を測定する手段を含むキットであればよい。本発明における体液中のHHVの量を測定する手段としては、従来公知の測定方法を実施するために必要な手段であればよい。従来公知の測定方法を実施するために必要な手段とは、具体的には、例えば、上記(1)欄で説明した体液中のHHVの量を測定する方法を実施するために必要な試薬器具、装置、触媒その他のものをいう。本発明にかかる疲労度評価キットは、被験者の体液を採取するための手段を含んでいてもよい。また、その包装材に付されたラベル又は添付された文書に、体液中のヒトヘルペスウイルス(HHV)の量を指標として被験者の疲労度を評価するために使用できることが表示されていてもよい。

0050

さらに本発明にかかる疲労度評価キットは、コンピュータなどの従来公知の演算装置を用いてなるキットとなっていてもよい。

0051

(3)疲労度評価方法及び疲労度評価キットの利用法
以上のように、本発明にかかる疲労度評価方法、疲労度評価キットによれば、被験者が抗疲労物質を摂取する前後において、被験者の体液中のHHVの量を測定することで、当該抗疲労物質の被験者生体内における抗疲労力を定量的に測定・評価することができる。さらに、かかる方法、キットはいずれも簡便であるだけでなく、大掛かりな装置や長時間における拘束が必要ないため、被験者及び実施者の両者にとって非常に取り扱いやすいものであるという利点がある。

0052

このため、本発明にかかる疲労度評価方法、疲労度評価キットのいずれかを用いて、抗疲労物質の抗疲労力を測定する方法も本発明に含まれる。かかる抗疲労物質の抗疲労力測定方法は、例えば、
(i)被験者が抗疲労物質の候補である物質を摂取する前に当該被験者の体液を採取し、体液中のHHVの量を測定する摂取前HHV量測定工程と、
(ii) 被験者が抗疲労物質の候補である物質を摂取した後に当該被験者の体液を採取し、体液中のHHV量を測定する摂取後HHV量測定工程と、
(iii) (i)の摂取前HHV量測定工程、及び(ii)の摂取後HHV量測定工程によって得られた、当該抗疲労物質の候補である物質の摂取前後におけるHHV量の変化の測定結果に基づき、当該抗疲労物質の候補である物質の摂取前後における体液中のHHV量の変化を算出するウイルス量変化算出工程と、
(iv) (iii)のウイルス量変化算出工程によって得られた当該抗疲労物質の候補である物質の摂取前後における体液中のHHV量変化に基づき、当該抗疲労物質の候補である物質の生体における抗疲労力を測定する抗疲労力測定工程
とを含む方法と換言することもできる。

0053

本発明の抗疲労物質の候補である物質の抗疲労力を測定する方法においては、さらに、かかる抗疲労物質の候補である物質を投与した被験者(投与群)と、当該物質を投与しなかった被験者(非投与群)において、上記抗疲労力測定方法を実施する方法とすることもできる。

0054

被験者における抗疲労物質の候補である物質の摂取方法は、当業者であれば適宜設定可能である。本明細書における「摂取」とは、被験者における当該物質の飲食品としての摂取のみならず、当該物質の経口投与、及び非経口投与のいずれをも意味する。

0055

本明細書における「抗疲労」とは、疲労の回復、抑制、または予防効果を意味する。「抗疲労物質」とは、疲労を回復、抑制または予防する効果を有する物質、及び生体機能補完物質を含む。「生体機能補完物質」とは、生体のバランスを整える物質を意味し、免疫機能を高める機能を有する物質等を含む。

0056

また、本発明にかかる疲労度評価方法、疲労度評価キットは、例えば、抗疲労物質のスクリーニング方法に利用することができる。すなわち、本発明にかかる抗疲労物質のスクリーニング方法は、上記疲労度評価方法、疲労度評価キットのいずれかを利用して、抗疲労物質をスクリーニングする方法であればよく、その具体的な方法、条件などは限定されるものではない。

0057

上記スクリーニング方法によれば、例えば、抗疲労食品として利用可能と思われる食品を被験者に経口摂取させて、実際にin vivoで優れた抗疲労能を示す食品を簡便かつ客観的に選択することができる。したがって、上記スクリーニング方法により得られた抗疲労物質や抗疲労食品は、生体における効果が証明されたものであり、市場において高い評価を獲得することができる。

0058

本発明にかかる新規抗疲労物質は、上記スクリーニング方法により取得されたものであればよく、上記のスクリーニング方法により取得された抗疲労物質も本発明に含まれる。

0059

また、疲労が社会問題化されるにつれて、抗疲労機能を謳った抗疲労物質、抗疲労食品が種類、数量とともに増加してきており、これらの食品の抗疲労力を適切に評価する方法の開発も強く求められているが、本発明にかかる疲労度評価方法、疲労度評価キットおよびその利用法によれば、この要求にも応えることができる。

0060

以下、添付した図面に沿って実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。

0061

本発明は文部科学省科学技術振興調整費生活者ニーズ対応研究「疲労および疲労感分子・神経メカニズムとその防御に関する研究」の成果である。
なお本明細書において引用された全ての先行技術文献は、参照として本明細書に組み入れられる。

0062

健常者を対象とし、労作時、及び休暇前後における被験者の唾液中のHHV-6のDNAの発現を測定した。対象被験者は20人(うち男性11人、女性9人)であり、平均年齢は34.45±8.92歳であった。本実施例は、インフォームドコンセントの条件を満たした上で、本研究に参加した被験者から得られた試料を用いて実施したものである。

0063

(1)疲労度の測定
(1−1)試験日程
被験者は、図1に示す試験日程に従って、唾液採取をおこなった。休暇期間中、被験者は一切の労作は行わず、また過度の運動は避けている。

0064

(1−2)唾液採取方法
検査当日は、前日の夜9時より絶食とした。被験者は、唾液採取の直前に蒸留水で口腔内を2度ゆすいだ後、2分間、サリベット(SARSTED社製)の中綿を口腔内に含み、唾液を採取した。

0065

(1−3)サンプ保存方法
採取した唾液は、即日、凍結保存(-80℃)した。

0066

(1−4)DNA精製
市販のDNA精製キット(QIAamp MinElute Virus Spin Kit、QIAGEN社製)を使用し、採取した唾液サンプルより、キャリアーRNA存在下でDNA精製を行った。

0067

(1−5)HHVウイルスDNA量の測定
ヘルペスウイルスDNA量の測定は、HHV-6、HHV-7、ヒトサイトメガロウイルス、及びエプシュタイン・バーウイルス(EBV)の4種に関し、それぞれ特異的なPCRプライマーを用いて、ダブルネステッドPCR法を用いて測定した。なお、HHV-6に特異的なPCRプライマー配列であって、1stPCRプライマー配列を配列番号:1および配列番号:2、および2ndPCRプライマー配列を配列番号:3および配列番号:4に、HHV-7に特異的なPCRプライマー配列であって、1stPCRプライマー配列を配列番号:5および配列番号:6、および2ndPCRプライマー配列を配列番号:7および配列番号:8に、ヒトサイトメガロウイルスに特異的なPCRプライマー配列であって、1stPCRプライマー配列を配列番号:9および配列番号:10、および2ndPCRプライマー配列を配列番号:11および配列番号:12に、ならびにエプシュタイン・バーウイルス(EBV)に特異的なPCRプライマー配列であって、1stPCRおよび2ndPCRプライマー配列を配列番号:13および配列番号:14に記載する。なお、エプシュタイン・バーウイルス(EBV)は、1stPCRおよび2ndPCRにおいて同じプライマー配列を用いた。

0068

HHV-6のDNA量測定に関する参考文献
Journal of Virol. 2002, 76(8): 4145-4151, K. Kondo他、”Identification of human herpesvirus 6 latency-associated transcripts.”
ヒトサイトメガロウイルスのDNA量測定に関する参考文献
Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1996, 93: 11137-11142, K. Kondo他、”Human cytomegalovirus latent gene expression in granulocyte-macrophage progenitors in culture and in healthy seropositive individuals.”

0069

(2)結果
上記4種のウイルスのうち、HHV-6及びHHV-7が健康な成人の唾液から高頻度に検出されることが見出された。一方、ヒトサイトメガロウイルスおよびエプシュタイン・バーウイルスの検出率は、HHV-6及びHHV-7と比べて低いものであった。

0070

HHV-6のDNA量の測定結果を図2に示す。唾液20μlを一回の測定に用いた。勤務時間延長などによるやや過度の労作時(第一検査日)においては、被験者のうち88%において、HHV-6のDNAが検出された。これに対し休暇直後(第二検査日)では、HHV-6のDNAが検出されたのは、被験者のうち23.8%であった。これは、労作時にはHHV-6が有意に再活性化していることを示している。この結果より、HHV-6の再活性化によって唾液中に発現するHHV-6のDNAは、疲労によって変動する疲労バイオマーカー生体指標因子)であることが見出された。したがって、HHV-6の再活性化によって唾液中に放出されるHHV-6のDNAを検出することによって、簡便に疲労度を評価できる客観的な疲労度評価方法が開発された。

0071

(3)慢性疲労症候群(CFS)患者におけるHHV-7の発現量
(3−1)試験方法
慢性疲労症候群(CFS)患者24名および実施例1の健常者20名を対象とした。患者は、大阪大医学部附属病院のCFS外来受診したCFS患者で、厚生労働省診断基準を満たす患者を対象とした。 本実施例は、インフォームド・コンセントの条件を満たした上で、本研究に参加した被験者から得られた試料を用いて実施したものである。

0072

(3−2)唾液採取方法
被験者は、唾液採取の直前に蒸留水で口腔内を2度ゆすいだ後、2分間、サリベット(SARSTED社製)の中綿を口腔内に含み、唾液を採取した。

0073

(3−3)検出方法
実施例1における項目(1−3)から(1−5)と同様に、HHVの検出及び測定を行なった。

0074

(4)結果
上記4種のウイルスのうち、特にHHV-7が患者の唾液から高頻度、かつ大量に検出されることが見出された。一方、HHV-7に比べ、ヒトサイトメガロウイルス、HHV-6、およびエプシュタイン・バーウイルスの検出頻度及び検出量は、低レベルであった。

実施例

0075

HHV-7の測定結果を図3に示す。唾液20μlを段階的に希釈した後、ダブルネステッドPCR法を用いてHHV-7 DNAを半定量的に測定した。被験者のうち、CSF患者の92%においてHHV-7 DNAが検出された。これに対し、健常者においては、就労中において50%、休息時においては30%の被験者においてのみ、HHV-7 DNAが検出された。また、半数のCSF患者のHHV-7DNA量は、健常人で平均的に検出される量の10倍から100倍に達していた。これは、疾患にともなう慢性疲労では、HHV-7が有意に再活性化していることを示している。この結果より、HHV-7の再活性化によって唾液中に発現するHHV-7のDNAは、疾患などによる慢性疲労によって変動する疲労バイオマーカー(生体指標因子)であることが見出された。したがって、HHV-7の再活性化によって唾液中に放出されるHHV-7のDNAを検出することによって、簡便に慢性疲労による体力の低下を評価できる客観的な疲労度評価方法が開発された。

0076

本発明にかかる疲労度評価方法は、ストレスや疲労メカニズムの解明に利用することができ、ストレス解消方法の開発、疲労の程度評価、疾患にともなう体力低下の評価をすることができる。また、本発明を利用することにより、市場に出回る抗疲労を謳う健康食品、特定保健用食品、栄養ドリンクおよび生体機能補完物質などの効果の定量化(評価)が可能になる。よって本発明は、医療業、製薬業、健康食品産業、健康機器産業等の広範な分野に利用が可能である。

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