図面 (/)

技術 枠替時の上巻き部分の巻解け防止装置

出願人 日本製紙株式会社
発明者 中野朋秋
出願日 2010年2月23日 (10年4ヶ月経過) 出願番号 2010-036752
公開日 2011年9月8日 (8年9ヶ月経過) 公開番号 2011-173662
状態 特許登録済
技術分野 ウエブロールの交換
主要キーワード 空スプール 余剰長 周回部分 先行巻 カッタナイフ 固定パイプ 下巻き 噴射形状
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2011年9月8日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (5)

課題

抄紙機で製造された紙をリールスプールに巻き取らせて巻取を形成する枠替え時に、先行巻取の上巻き部分が巻き解けることを防止する枠替時の上巻き部分の巻解け防止装置を提供する。

解決手段

リールドラム3の下方であって完成された巻取Rの外周面を臨む位置に、シャワー水Wを該外周面に向けて噴射するノズル6を紙幅方向に沿って適宜個数配設したシャワーパイプ5を配設する。巻取Rが完成して枠替えが行われる際に、前記ノズル6からシャワー水Wを巻取Rの外周面に噴射すると、巻取Rの表面が湿らされ、重畳する紙が密着して空気が浸入しないから、上巻き部分の巻き解けが防止される。

概要

背景

製紙工場における抄紙機で製造される紙Pは、図4に示すように、カレンダーパート1から、抄紙機の最後尾に設置されたリールパート2のリールドラム3によって案内されてリールスプール4に巻き取られて巻取Rとして製造される。所望の長さまで巻き取られると巻取R(先行巻取)が完成し、次の巻取(後続巻取)を形成することになる。このとき、先行巻取Rから次の後続巻取を形成するためのスプールに紙を巻き付ける枠替えが行われる。すなわち、先行巻取Rが完成すると、それまでこの先行巻取Rに巻き付けられていた紙を後続巻取のスプール4aに巻き取らせ、先行巻取Rの終端(巻)と後続巻取の始端(巻頭)との間で紙を切断する。先行巻取Rは次工程へ搬送され、この先行巻取Rが設置されていた位置に後続巻取が徐々に移動しながら当該位置で巻取Rが完成されることになる。

この種の枠替え装置として、例えば、特許文献1(特開平7−81809)に開示されたリール枠替え装置や特許文献2(特開2001−88992)に開示された巻取機の枠替え装置等が提案されている。特許文献1には高圧エアを使用して誘導リボンを形成できるようにした枠替え装置が、特許文献2には紙等の被巻取物を切断した際、被巻取物の切断端部の皺の発生を低減し得る枠替え装置が、それぞれ開示されている。

すなわち、特許文献1に開示されたリール枠替え装置は、空スプール紙巻取りロールとの間に、全幅の紙を支持すると共に高圧エア噴き出し用スリットを有する固定パイプと、空スプールの上部に載設されるエアシュートと、テール紙継ぎ連携プレーが出来る位置まで持ち上げ、固定パイプより紙走行方向上流側で、紙走行方向と直交方向に、テール幅だけ切れ目を入れる回動ナイフとよりなるものである。また、特許文献2に開示された枠替え装置は、リールドラムと巻取完了位置のスプールとの間に枠替え用ロールが設けられ、上記枠替え用ロールは、リールドラムおよびスプールの軸心と同一方向の軸心を中心として遊転自在なロール本体と、ロール本体の外周面の外側に位置して被巻取物を切断するカッターとで構成され、上記枠替えロールは、移動手段によって、リールドラムから巻取完了位置のスプールへ送り出される被巻取物に対して退避する退避位置と、ロール本体が上記送り出される被巻取物の表裏いずれかの面に接触して回転する枠側位置とに移動自在に構成され、上記カッターを、ロール本体の周方向へ回動させて、被巻取物を切断する切断位置と被巻取物から離間する離間位置とに切換え切換手段が設けられたものである。

概要

抄紙機で製造された紙をリールスプールに巻き取らせて巻取を形成する枠替え時に、先行巻取の上巻き部分が巻き解けることを防止する枠替時の上巻き部分の巻解け防止装置を提供する。リールドラム3の下方であって完成された巻取Rの外周面を臨む位置に、シャワー水Wを該外周面に向けて噴射するノズル6を紙幅方向に沿って適宜個数配設したシャワーパイプ5を配設する。巻取Rが完成して枠替えが行われる際に、前記ノズル6からシャワー水Wを巻取Rの外周面に噴射すると、巻取Rの表面が湿らされ、重畳する紙が密着して空気が浸入しないから、上巻き部分の巻き解けが防止される。

目的

この発明は、枠替え時に、先行巻取の上巻きの巻解けを阻止して、先行巻取の巻尻の切断端部が千切れて紙片飛散することがないようにする枠替時の上巻き部分の巻解け防止装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

抄造された紙をリールドラムで案内してスプールに巻き取らせて巻取を形成し、所望の長さの紙が巻き取られて巻取が完成した際に、新たな巻取を形成するために紙を切断して、切断端部を空のスプールに巻き取らせる枠替え時に、完成された巻取の空転による上巻き部分が巻き解けることを防止する枠替時の上巻き部分の巻解け防止装置において、前記リールドラムと前記スプールとの間に、紙の幅方向に沿ってノズルを配設したシャワーパイプを設けてなり、前記完成された巻取の外周面に向けて前記ノズルから清水噴射することを特徴とする枠替時の上巻き部分の巻解け防止装置。

請求項2

前記ノズルからの清水の噴射は、巻取を形成する紙が設定長さ巻き取られたことを検知する検出信号の受信後に所定時間が経過した後の所定時間で行うことを特徴とする請求項1に記載の枠替時の上巻き部分の巻解け防止装置。

請求項3

前記シャワーパイプの上流側のノズルの噴射量を下流側のノズルの噴射量よりも小さくすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の枠替時の上巻き部分の巻解け防止装置。

請求項4

前記シャワーパイプの上流側のノズルの噴角を下流側のノズルの噴角よりも小さくすることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の枠替時の上巻き部分の巻解け防止装置。

技術分野

0001

この発明は、抄紙機で製造された紙をスプールに巻き取って巻取を形成する際に、完成された巻取から次の巻取を形成するスプールに紙を巻き取らせる枠替え時に、完成された巻取の紙の終端から上巻き部分が巻解かれることを防止する巻解け防止装置に関する。

背景技術

0002

製紙工場における抄紙機で製造される紙Pは、図4に示すように、カレンダーパート1から、抄紙機の最後尾に設置されたリールパート2のリールドラム3によって案内されてリールスプール4に巻き取られて巻取Rとして製造される。所望の長さまで巻き取られると巻取R(先行巻取)が完成し、次の巻取(後続巻取)を形成することになる。このとき、先行巻取Rから次の後続巻取を形成するためのスプールに紙を巻き付ける枠替えが行われる。すなわち、先行巻取Rが完成すると、それまでこの先行巻取Rに巻き付けられていた紙を後続巻取のスプール4aに巻き取らせ、先行巻取Rの終端(巻)と後続巻取の始端(巻頭)との間で紙を切断する。先行巻取Rは次工程へ搬送され、この先行巻取Rが設置されていた位置に後続巻取が徐々に移動しながら当該位置で巻取Rが完成されることになる。

0003

この種の枠替え装置として、例えば、特許文献1(特開平7−81809)に開示されたリール枠替え装置や特許文献2(特開2001−88992)に開示された巻取機の枠替え装置等が提案されている。特許文献1には高圧エアを使用して誘導リボンを形成できるようにした枠替え装置が、特許文献2には紙等の被巻取物を切断した際、被巻取物の切断端部の皺の発生を低減し得る枠替え装置が、それぞれ開示されている。

0004

すなわち、特許文献1に開示されたリール枠替え装置は、空スプール紙巻取りロールとの間に、全幅の紙を支持すると共に高圧エア噴き出し用スリットを有する固定パイプと、空スプールの上部に載設されるエアシュートと、テール紙継ぎ連携プレーが出来る位置まで持ち上げ、固定パイプより紙走行方向上流側で、紙走行方向と直交方向に、テール幅だけ切れ目を入れる回動ナイフとよりなるものである。また、特許文献2に開示された枠替え装置は、リールドラムと巻取完了位置のスプールとの間に枠替え用ロールが設けられ、上記枠替え用ロールは、リールドラムおよびスプールの軸心と同一方向の軸心を中心として遊転自在なロール本体と、ロール本体の外周面の外側に位置して被巻取物を切断するカッターとで構成され、上記枠替えロールは、移動手段によって、リールドラムから巻取完了位置のスプールへ送り出される被巻取物に対して退避する退避位置と、ロール本体が上記送り出される被巻取物の表裏いずれかの面に接触して回転する枠側位置とに移動自在に構成され、上記カッターを、ロール本体の周方向へ回動させて、被巻取物を切断する切断位置と被巻取物から離間する離間位置とに切換え切換手段が設けられたものである。

先行技術

0005

特開平7−81809号公報
特開2001−88992号公報

発明が解決しようとする課題

0006

特許文献1と特許文献2とのいずれに記載された枠替え装置も、従来の枠替え装置では紙の切断端部が直線的にならずに綺麗でないため、この切断端部を直線的なものにしようとするものである。

0007

ところで、枠替え時には先行巻取の巻尻が切断された後にも、先行巻取は回転が継続される。抄紙機の走行速度が大きい場合には、この先行巻取の回転速度も大きく、巻取が完成すると先行巻取の回転が減速され、このとき巻尻から巻取が巻解かれることになる。巻解かれた部分の紙は、シワ折り目が発生したりして欠陥部となるため、製品として不都合なものとなってしまう。このため、枠替えが完了して先行巻取の回転が停止した後に、巻取の上層の上巻き部分を剥がして、欠陥部を除去するようにしている。除去する部分としては、例えば直径約3mの巻取の場合に、約20枚(20周分)の上巻き部分を剥がして除去することが行われている。

0008

また、紙の切断端部が綺麗でない場合には、先行巻取の巻尻が回転によって千切れ、千切れた紙片飛散する場合がある。飛散した紙片が後続巻取の下巻きに達してしまうと後続巻取に巻き込まれてしまい、後続巻取の巻き状態が不正なものとなって、いわゆる枠替え失敗となる。

0009

前記特許文献2に開示された枠替え装置は、巻き替え時に紙をカッターで切断するため、先行巻取の巻尻の切断端部が直線的に綺麗なものとなるから、紙が千切れてしまうことが極力防止されて紙片の飛散を防止できるので好ましい。しかし、切り残しを発生させずに紙を切断するために、前記カッターの長さを紙幅より長く形成する必要があり、カッター装置が大型化してしまい、これを駆動させる駆動機構が大型化する。また、特許文献1に開示された枠替え装置では、走行中の全幅の紙に誘導リボンの幅をカッタナイフ装置により切れ目を入れ、高圧エアを吹き付けることによって誘導リボンを形成し、切断幅を徐々に拡張させるようにしたもので大型のカッター装置を必要としない。しかし、先行巻取の上巻き部分が巻解かれることを防止できない。なお、特許文献2に開示された枠替え装置であっても、先行巻取の巻解けを阻止することはできない。

0010

そこで、この発明は、枠替え時に、先行巻取の上巻きの巻解けを阻止して、先行巻取の巻尻の切断端部が千切れて紙片が飛散することがないようにする枠替時の上巻き部分の巻解け防止装置を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0011

前記目的を達成するための技術的手段として、この発明に係る枠替時の上巻き部分の巻解け防止装置は、抄造された紙をリールドラムで案内してスプールに巻き取らせて巻取を形成し、所望の長さの紙が巻き取られて巻取が完成した際に、新たな巻取を形成するために紙を切断して、切断端部を空のスプールに巻き取らせる枠替え時に、完成された巻取の空転による上巻き部分が巻き解けることを防止する枠替時の上巻き部分の巻解け防止装置において、前記リールドラムと前記スプールとの間に、紙の幅方向に沿ってノズルを配設したシャワーパイプを設けてなり、前記完成された巻取の外周面に向けて前記ノズルから清水噴射することを特徴としている。

0012

巻取が完成すると、枠替え装置に搭載されたカッター装置により紙が切断される。切断部を境に上流側は形成された巻取の巻尻となって上巻きを形成し、下流側は新たに形成される巻取の巻頭となって下巻きを形成する。前記上巻きを形成する部分に、前記ノズルから清水を噴射すると、上巻き部分が湿らされ、接触する内側の紙の周回部分密着する。このため、接触している紙同士の間への空気の浸入が阻止されるから、上側の周回部分の紙が下側の周回部分の紙から離隔することがなく、したがって巻解かれることが防止される。

0013

また、請求項2の発明に係る枠替時の上巻き部分の巻解け防止装置は、前記ノズルからの清水の噴射は、巻取を形成する紙が設定長さ巻き取られたことを検知する検出信号の受信後に所定時間が経過した後の所定時間で行うことを特徴としている。

0014

前記設定長さに紙が巻き取られると、この時点で製品として必要な長さの紙で巻取が形成されたことになる。枠替えのための紙の切断は、この設定長さを巻き取られた後に行われる。すなわち、巻取の上巻き部分には欠陥部が形成される場合があるから、この欠陥部を除去しても製品として成立するように、除去する部分を余分に巻き取らせる。前記ノズルからの噴射が製品となる部分を湿らせては不都合が生じるおそれがあるから、設定長さを巻き取られた後に適宜時間を遅らせて開始させ、また、巻尻の端部が巻き取られた後には噴射する必要がないから、所定時間の経過により噴射を停止するようにしたものである。このとき、噴射を遅らせる時間は、清水を噴射して紙を湿らせた場合でも製品となる部分に影響を与えることのない時間とする。

0015

また、請求項3の発明に係る枠替時の上巻き部分の巻解け防止装置は、前記シャワーパイプの上流側のノズルの噴射量を下流側のノズルの噴射量よりも小さくすることを特徴としている。

0016

巻取の全幅に渡って清水を噴射する必要があり、前記シャワーパイプは巻取の全幅に臨ませて配されるから、該シャワーパイプの内圧は上流側と下流側とで異なり、下流側では圧力の損失がある。このため、ノズルの噴射量を上流側と下流側とで異ならせることにより、噴射量が均一になるようにする調整するものである。

0017

また、請求項4の発明に係る枠替時の上巻き部分の巻解け防止装置は、前記シャワーパイプの上流側のノズルの噴角を下流側のノズルの噴角よりも小さくすることを特徴としている。

0018

前記清水は、所望の箇所に所望の範囲に渡って前記ノズルから噴射されることが好ましく、前述したようにシャワーパイプを流れる清水は圧力の損失が生じるから、高圧となる上流側よりも低圧となる下流側のノズルの噴角を大きくして、噴射範囲の均一化を図るようにしたものである。

発明の効果

0019

この発明に係る枠替時の上巻き部分の巻解け防止装置によれば、巻取の上巻き部分が前記ノズルから噴射される清水によって湿らされるから、上巻き部分で重畳している紙同士が密着して、この間に空気が浸入することがない。このため、上巻きの巻解けが生じることがなく、また、巻尻部分から紙片が飛散することが防止される。

図面の簡単な説明

0020

この発明に係る枠替時の上巻き部分の巻解け防止装置の構成を説明する側面図である。
この発明に係る枠替時の上巻き部分の巻解け防止装置の正面図であり、枠替え装置に実装した場合の清水の噴射状態を説明する図である。
枠替え時に清水を噴射する状況を説明するタイムチャートである。
抄紙機の最後部を示す概略の側面図である。

実施例

0021

以下、図示した好ましい実施の形態に基づいて、この発明に係る枠替時の上巻き部分の巻解け防止装置を具体的に説明する。

0022

図1は、この発明に係る上巻き部分の巻解け防止装置を具備したリールドラム3とリールスプール4に巻き取られた紙によって形成された巻取Rとの状態を示す側面図である。すなわち、図示しない抄紙機から排出された紙はリールドラム3からリールスプール4に案内されて巻取Rが形成されることになる。図1には完成された、あるいは完成間近の巻取Rが示されており、リールドラム3の回転軸と巻取Rの回転軸とを通る直線が水平に近い状態にあり、この巻取Rを先行巻取Rとする。完成された先行巻取Rは図1に示す位置から搬出されて次工程へ搬送される。先行巻取Rが搬出される際にも紙が供給され続けているため、先行巻取Rの巻尻で切断された紙は別のリールスプール4に巻き取られなければならないから、次の巻取(後続巻取)3を形成するためのリールスプール4aが予め待機している。この待機しているリールスプール4aは、リールドラム3の上部に接触して配されており、切断された紙の先端部は巻頭となってこのリールスプール4aに巻き取られて、枠替えが行われることになる。そして、巻き取りが開始されると、図示しない駆動機構によって、このリールスプール4aがリールドラム3の回転軸を中心として旋回させられて、巻取Rの径が大きくなるに応じて前記先行巻取Rの位置に徐々に位置付けられる。

0023

リールドラム3の斜め下方であって、前記先行巻取Rの外周面を臨む位置には、シャワーパイプ5が配されている。なお、このシャワーパイプ5は定位置に固定された状態にあるため、リールドラム3の回転軸を中心とした前記リールスプール4の旋回域に存しない位置であればよい。このシャワーパイプ5には、先行巻取Rの周面に対して清水によるシャワー水Wを噴射するノズル6が、図2に示すように、このシャワーパイプ5の長手方向に沿って適宜間隔で配されている。なお、後述するように、所望の効果を得られる位置であれば、一定間隔に配する必要はない。

0024

前記シャワーパイプ5には、図2に示すよう、バルブ7が介在させてあり、該バルブ7を開閉することによりノズル6からのシャワー水Wの噴射をオンオフすると共に、開度を変更することにより噴射量を調整できるようにしてある。

0025

以上により構成されたこの発明に係る枠替時の上巻き部分の巻解け防止装置の作用を、以下に説明する。

0026

先行巻取Rが完成間近となった時点で、前記バルブ7を開放すると、前記ノズル6からシャワー水Wが噴射される。前記ノズル6は先行巻取Rの周面を臨ませてあるから、該シャワー水Wは先行巻取Rの周面に噴射され、先行巻取Rの周面が湿らされる。表面が湿った状態で紙が巻き取られると、上層に巻き取られた紙が密着することになるから、紙の層の間に間隙が形成されることがなく、空気が浸入することがない。また、巻取Rの径方向で隣接した紙が密着した状態は、紙が巻尻で切断されて巻取Rの回転速度が減じても維持されることになるから、巻き解けが防止される。したがって、巻き剥がして除去する部分が減じられることになる。

0027

ところで、前述したように、巻取Rには製品として必要な設定長さが巻き取られた後、損紙となる余剰長さを見込んだ長さとなる位置で、枠替えのための切断がなされる。このため、前記シャワー水Wが噴射される部分としては、前記余剰長さとなる部分とすることが好ましい。そして、枠替えは前記設定長さが巻き取られてその旨の検出信号が発せられた後に紙が切断される。したがって、設定長さが巻き取られたことを検出した検出信号が発せられた後で所定時間が経過した後に、前記バルブ7を開放してシャワー水Wの噴射を開始する。そして、紙が切断される前にシャワー水Wの噴射を停止するために前記バルブ7を閉止する。すなわち、巻取Rの最外周に巻き取られる部分の内側の外周面が湿っていることを要するもので、この部分までシャワー水Wが噴射されれば十分である。すなわち、図3のタイムチャートに示すように、設定長さが巻き取られたことの検出信号(E信号)が発せられた(t0)ならば、図示しないカッター装置が作動して紙を切断する。これにより枠替え処理が開始される。次いで、t0から適宜時間が遅れたの時点(t1)で前記バルブ7を開放してシャワー水Wを噴射する。さらに、所定時間が経過した時点(t2)でバルブ7を閉止してシャワー水Wの噴射を停止する。

0028

次に、図2を参照してシャワー水Wの噴射パターンを説明する。なお、同図に示すシャワーパイプ5は、抄紙幅8mの抄紙機に設置し、ピッチ200mmで43個のノズル6が設けられている。

0029

図2(a)は、全てのノズル6からシャワー水Wを噴射させた場合を示しており、この場合にはバルブ7の開度を変更しても、噴射量が多すぎて床面が濡れて諸作業に支障を生じかねず、しかも、巻取Rの上巻き部分における吸湿量が多くなってしまい、湿った紙が破損した小紙片が大量に発生してしまった。

0030

そこで、図2(b)のように、紙幅方向の両端部で巻尻を巻き取らせることを考慮して、シャワーパイプ5の主として両端部に位置しているノズル6からシャワー水Wを噴射するようにした。しかし、両端部での噴射量が多くなって、ノズル6の部分で紙の走行方向に紙が縦裂けしてしまい、大紙片が発生してしまった。しかも、バルブ7が配された側とは反対側の端部に配されているノズル6からのシャワー水Wの噴射が不十分であり、バルブ7側の端部のノズル6から多量のシャワー水Wが噴射されることになってしまった。

0031

ところで、枠替え時では紙の切断は紙幅方向の中央部に切断用紙切りーナイフが差し込まれて行われ、切断端が直線的にならず、この切断端からの破損による紙片の飛散が多い。そこで、紙切りナイフが差し込まれる中央部に重点的にシャワー水Wが噴射されるように、図2(c)に示す状態でノズル6からシャワー水Wを噴射するようにした。この噴射形態では、図2(a)、(b)の噴射形態とした場合に比べて、吸湿過多による吸湿シワが発生せず、紙片の飛散も抑制された。

0032

しかし、図2(c)の噴射形態とした場合であっても、バルブ7側の端部と反対側の端部とのそれぞれに配されたノズル6からの噴射にムラが生じていることから、ノズル6の仕様について検討を行った。

0033

ノズル6から噴射されるシャワー水Wの噴射形状として、空円錐形扇形、充円錐形とについて、図2(c)の噴射形態でシャワー水Wの噴射を実施したところ、充円錐形のものが最も良好な結果を得られた。

0034

また、ノズル6の噴射量についても図2(c)の噴射形態で噴射を実施して検討を行った。
(1) 噴射量0.36l/min、噴角56°のノズルでは、噴射の勢いが弱く、十分な噴射状態とならず、不適当であった。
(2) 噴射量0.73l/min、噴角63°のノズルでも、噴射の勢いが弱く、
十分な噴射状態とならず、不適当であった。
(3) 噴射量3.63l/min、噴角76°のノズルでは、比較的良好な噴射状態が得られたが、勢いが強く、小紙片の飛散が生じた。
(4) 噴射量2.18l/min、噴角64°のノズルとした場合に最も良好な噴射状態が得られ、紙片の飛散も見られなかった。

0035

さらに、バルブ7の側と反対側とに配されているノズル6の仕様を変更することにより、シャワーパイプ5の全域にわたってノズル6から噴射されるシャワー水Wの紙に対する作用が良好になるように検討した結果、図2(c)に示す噴射形態であって、同図のA1で示す範囲にあるノズル6に噴射量2.18l/min、噴角75°のものを、同じくA2で示す範囲にあるノズル6に噴射量1.45l/min、噴角64°のものを用いることにより良好な結果が得られた。

0036

そして、この巻解け防止装置を実装させた場合に、坪量が35〜55g/m2で、抄速が1600m/分の場合では、t0から0.8秒遅れてシャワー水Wの噴射を開始し(t1)、1.4秒間シャワー水Wを噴射する(t2)ことで、巻取Rの上巻き部分が巻解かれず、巻尻が気流で煽られて破損することがなくて紙片の飛散がなくなった。このため、上巻き剥がしによるロスが従来には約20枚であったものが8枚となって歩留まりが向上した。

0037

以上に説明したノズル6の仕様や噴射形態等は、抄造される紙の性質や抄速等に応じて、紙片を飛散させずに上巻き部分の巻き解けを良好に防止できる条件を選定すればよい。

0038

この発明に係る枠替時の上巻き部分の巻解け防止装置によれば、既設の抄紙機に容易に装備させることができ、完成された巻取の枠替時に該巻取の上巻き部分からの巻き解きの発生を防止できることにより、上巻き部分の剥がし枚数を減じて、製品の歩留まりを向上に寄与する。

0039

2リールパート
3リールドラム
4リールスプール
5シャワーパイプ
6ノズル
7バルブ
R巻取
W シャワー水

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 日本ゼオン株式会社の「 ウェブロール製造装置及びウェブロールの製造方法」が 公開されました。( 2020/04/30)

    【課題】ウェブに生じる傷の発生を抑制する。【解決手段】回転軸を中心として駆動されるターレットと、少なくとも2本の巻き取り芯と、少なくとも前記巻き取り芯と同数のウェブガイドと、空気圧送機とを含み、前記巻... 詳細

  • 株式会社ヒラノテクシードの「 ウエブの巻出し装置」が 公開されました。( 2020/04/23)

    【課題】新ウエブに設けられた接続テープの位置が、旧ウエブを押圧する位置に簡単に位置合わせできるウエブの巻出し装置を提供する。【解決手段】第1センサ42が検出した第1タイミング板36の境目と、第1自転軸... 詳細

  • 株式会社ヒラノテクシードの「 貼り付け装置」が 公開されました。( 2020/04/23)

    【課題】旧ウエブと新ウエブの継目の表面側にのみテープが貼り付けられている場合に、その継目の裏面側にテープを貼り付ける貼り付け装置を提供する。【解決手段】センサ38が表側テープ52を検出したときから所定... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ