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技術 液体収容体、液体噴射装置、及び液体噴射システム

出願人 セイコーエプソン株式会社
発明者 間野隆志木村仁俊芳本忠幸
出願日 2010年2月22日 (11年3ヶ月経過) 出願番号 2010-035768
公開日 2011年9月1日 (9年9ヶ月経過) 公開番号 2011-167998
状態 未査定
技術分野 インクジェット(インク供給、その他)
主要キーワード 沈降方向 初期装着 装着向き 断面視矩形 空気供給チューブ 装置側端子 沈降作用 捺染印刷
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

ユーザーによって液体収容体が取り外された場合であっても、液体収容体に収容された液体を再分散させることができる液体収容体、液体噴射装置、及び液体噴射システムを提供する。

解決手段

インク噴射するプリンターカートリッジホルダー23に対して着脱されるインクカートリッジ24であって、インクを収容可能なインク室39と、インク室39の重力方向における姿勢に基づく接続履歴情報を取得する第1,第2の接続端子48,49と、第1,第2の接続端子48,49が取得した接続履歴情報を記憶する記憶素子47とを備え、第1,第2の接続端子48,49は、記憶素子47に記憶された接続履歴情報を出力する。

概要

背景

従来、液体噴射装置の一つとしてとして、インクジェット式プリンターが広く知られている。このプリンターでは、インクカートリッジ液体収容体)から供給されるインク液体)を記録ヘッド液体噴射ヘッド)に形成されたノズルから用紙(ターゲット)に噴射することにより印刷を施すようになっている。

そして、こうしたプリンターにおいて、近時は、例えば特許文献1に記載されるように、ノズルから噴射するインクとして、分散媒中に色素粒子である顔料分散質)を散在させた顔料インク(液体)を用いているものがある。ところで、このような顔料インクを用いたプリンターでは、時間の経過に伴って顔料がインクカートリッジ内で沈降してしまう。そのため、顔料が沈降した状態のインクカートリッジから供給されるインクを噴射して印刷を行うと、沈降が生じる前後で色目が変化して印刷品質を低下させてしまうという問題があった。

そこで、この特許文献1のプリンターにおいては、インクカートリッジの姿勢を変更することにより、インクカートリッジ内で沈降した顔料を再分散させるようにしている。

概要

ユーザーによって液体収容体が取り外された場合であっても、液体収容体に収容された液体を再分散させることができる液体収容体、液体噴射装置、及び液体噴射システムを提供する。インクを噴射するプリンターのカートリッジホルダー23に対して着脱されるインクカートリッジ24であって、インクを収容可能なインク室39と、インク室39の重力方向における姿勢に基づく接続履歴情報を取得する第1,第2の接続端子48,49と、第1,第2の接続端子48,49が取得した接続履歴情報を記憶する記憶素子47とを備え、第1,第2の接続端子48,49は、記憶素子47に記憶された接続履歴情報を出力する。

目的

本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザーによって液体収容体が液体噴射装置の装着部に対して着脱される場合であっても、液体収容体に収容された液体を再分散させることができる液体収容体、液体噴射装置、及び液体噴射システムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

液体噴射する液体噴射装置装着部に対して着脱される液体収容体であって、前記液体を収容可能な液体収容室と、該液体収容室の重力方向における姿勢情報を取得する取得手段と、該取得手段が取得した前記姿勢情報を記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶された前記姿勢情報を出力する出力手段とを備えることを特徴とする液体収容体。

請求項2

前記取得手段は、前記姿勢情報と共に前記液体収容室が現在の姿勢になってからの経過時間に関する時間情報を取得し、前記出力手段は、前記記憶手段に記憶された前記姿勢情報と前記時間情報とを出力することを特徴とする請求項1に記載の液体収容体。

請求項3

液体を噴射する液体噴射装置の装着部に対して着脱される液体収容体であって、前記液体を収容可能な液体収容室が内部に設けられた容器本体と、該容器本体の外面における前記液体を前記液体収容室内から前記容器本体の外部へ供給可能な液体供給口を中心とする周方向の異なる角度位置に各々設けられると共に、当該液体収容体が前記液体噴射装置の前記装着部に装着された場合に該装着部に設けられている装置側端子に対して情報通信可能に接続される複数の収容体側端子と、該複数の収容体側端子の各々が共に接続される記憶手段とを備え、前記記憶手段は、前記収容体側端子と前記装置側端子との接続に伴い通信される情報を記憶することを特徴とする液体収容体。

請求項4

前記複数の収容体側端子は、前記容器本体の外面における前記液体供給口を中心として点対称となる位置に設けられることを特徴とする請求項3に記載の液体収容体。

請求項5

液体を収容する液体収容体を第1の姿勢又は該第1の姿勢とは重力方向において逆姿勢となる第2の姿勢で装着可能な装着部と、前記装着部に装着された前記液体収容体から供給された前記液体をターゲットに対して噴射する液体噴射ヘッドと、前記装着部に装着された前記液体収容体の姿勢を検出する姿勢検出手段と、前記装着部に装着された前記液体収容体が有する記憶手段に記憶された前記液体収容体の姿勢情報を読み出す読み出し手段と、該読み出し手段が読み出した前記姿勢情報に基づく前記液体収容体の姿勢と前記姿勢検出手段が検出した前記液体収容体の姿勢が同一であるか否かを判断する判断手段と、該判断手段が前記液体収容体の姿勢を同一であると判断した場合に前記液体収容体の姿勢の変更を示唆する示唆手段とを備えることを特徴とする液体噴射装置。

請求項6

前記姿勢検出手段は、前記液体収容体が前記装着部に装着された場合に、前記液体収容体に設けられた前記記憶手段に対して各々接続された複数の収容体側端子のうち少なくとも1つの収容体側端子と情報通信可能に接続される装置側端子を含んで構成されていることを特徴とする請求項5に記載の液体噴射装置。

請求項7

前記装置側端子の数は、前記収容体側端子の数よりも少ないことを特徴とする請求項6に記載の液体噴射装置。

請求項8

前記判断手段は、前記液体収容体の姿勢が同一であると判断した場合に前記液体噴射ヘッドからの前記液体の噴射を停止させることを特徴とする請求項5〜請求項7のうち何れか一項に記載の液体噴射装置。

請求項9

前記液体収容体が現在の姿勢になってからの経過時間に関する時間を計測する計時手段と、該計時手段が計時した時間情報と前記姿勢検出手段が検出した前記姿勢情報とを前記液体収容体の前記記憶手段へ書き込む書き込み手段とをさらに備え、前記読み出し手段は、前記記憶手段に記憶された前記時間情報と前記姿勢情報とを読み出すことを特徴とする請求項5〜請求項8のうち何れか一項に記載の液体噴射装置。

請求項10

液体を収容する液体収容体であって、請求項5〜請求項9のうち何れか一項に記載の液体噴射装置の前記装着部に着脱可能に装着されることを特徴とする液体収容体。

請求項11

請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の液体収容体と、請求項5〜請求項9のうち何れか一項に記載の液体噴射装置とを備えることを特徴とする液体噴射システム

技術分野

0001

本発明は、液体噴射する液体噴射装置着脱可能に装着される液体収容体、液体噴射装置、及び液体噴射システムに関する。

背景技術

0002

従来、液体噴射装置の一つとしてとして、インクジェット式プリンターが広く知られている。このプリンターでは、インクカートリッジ(液体収容体)から供給されるインク(液体)を記録ヘッド液体噴射ヘッド)に形成されたノズルから用紙(ターゲット)に噴射することにより印刷を施すようになっている。

0003

そして、こうしたプリンターにおいて、近時は、例えば特許文献1に記載されるように、ノズルから噴射するインクとして、分散媒中に色素粒子である顔料分散質)を散在させた顔料インク(液体)を用いているものがある。ところで、このような顔料インクを用いたプリンターでは、時間の経過に伴って顔料がインクカートリッジ内で沈降してしまう。そのため、顔料が沈降した状態のインクカートリッジから供給されるインクを噴射して印刷を行うと、沈降が生じる前後で色目が変化して印刷品質を低下させてしまうという問題があった。

0004

そこで、この特許文献1のプリンターにおいては、インクカートリッジの姿勢を変更することにより、インクカートリッジ内で沈降した顔料を再分散させるようにしている。

先行技術

0005

特開2005−262823号公報

発明が解決しようとする課題

0006

ところで、特許文献1のプリンターの場合は、挟持部材がインクカートリッジを挟持して反転させているため、機構が複雑になってしまう。そこで、近時は、ユーザーにインクカートリッジをプリンターから取り外させて上下方向の姿勢を変更させ、その後、姿勢変更されたインクカートリッジをプリンターに再装着させることが提案されている。

0007

しかしながら、ユーザーにインクカートリッジを取り外させて姿勢を変更させた後に再装着させる場合には、再装着されるインクカートリッジが入れ替わってしまう虞がある。そして、そのようにインクカートリッジが入れ替わってしまった場合には、顔料の沈降方向とプリンターが記憶しているインクカートリッジ(液体収容体)の姿勢とが相関せず、インクを再分散させることができないという問題があった。

0008

本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザーによって液体収容体が液体噴射装置の装着部に対して着脱される場合であっても、液体収容体に収容された液体を再分散させることができる液体収容体、液体噴射装置、及び液体噴射システムを提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

上記目的を達成するために、本発明の液体収容体は、液体を噴射する液体噴射装置の装着部に対して着脱される液体収容体であって、前記液体を収容可能な液体収容室と、該液体収容室の重力方向における姿勢情報を取得する取得手段と、該取得手段が取得した前記姿勢情報を記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶された前記姿勢情報を出力する出力手段とを備える。

0010

この構成によれば、液体収容体は、記憶手段に記憶された液体収容室の姿勢情報を出力することにより、液体収容体を液体噴射装置の装着部に着脱するユーザーに対して、その液体収容体における液体収容室内の液体に沈降が生じているか否かの判断材料を提供することが可能となる。したがって、ユーザーによって液体収容体が液体噴射装置の装着部に対して着脱される場合であっても、液体収容体に収容された液体を再分散させることができる。

0011

本発明の液体収容体において、前記取得手段は、前記姿勢情報と共に前記液体収容室が現在の姿勢になってからの経過時間に関する時間情報を取得し、前記出力手段は、前記記憶手段に記憶された前記姿勢情報と前記時間情報とを出力する。

0012

液体の沈降は時間と共に進行するため、沈降が生じた液体収容体の姿勢を短時間だけ変更して戻した場合には、液体を再分散させることができない。その点、この構成によれば、頻繁に液体収容体の姿勢が変更される場合であっても、姿勢情報と時間情報とに基づいて液体収容体内の液体を再分散させ得る姿勢を判断するための判断材料を提供することができる。

0013

本発明の液体収容体は、液体を噴射する液体噴射装置の装着部に対して着脱される液体収容体であって、前記液体を収容可能な液体収容室が内部に設けられた容器本体と、該容器本体の外面における前記液体を前記液体収容室内から前記容器本体の外部へ供給可能な液体供給口を中心とする周方向の異なる角度位置に各々設けられると共に、当該液体収容体が前記液体噴射装置の前記装着部に装着された場合に該装着部に設けられている装置側端子に対して情報通信可能に接続される複数の収容体側端子と、該複数の収容体側端子の各々が共に接続される記憶手段とを備え、前記記憶手段は、前記収容体側端子と前記装置側端子との接続に伴い通信される情報を記憶する。

0014

この構成によれば、複数の収容体側端子と装置側端子との接続に伴い通信される情報を記憶手段により記憶すると共に、そのように記憶手段に記憶されている情報を収容体側端子から装置側端子に通信することにより、液体収容体の姿勢を判断する判断材料を提供することができる。すなわち、例えば、収容体側端子が装置側端子と通信可能な状態に接続された場合に、複数の収容体側端子のうち何れの端子が装置側端子と接続しているかを接続時(つまり、液体収容体の装着時)の姿勢情報として記憶することにより、同じ端子同士が接続された場合には、液体収容体の姿勢を同じであると判断することができる。そのため、液体収容体は、姿勢を判断するためのセンサーなどを個別に設ける必要がなく、簡単な構成で液体収容体の姿勢を判断するための判断材料を提供することができる。したがって、ユーザーによって液体収容体が液体噴射装置の装着部に対して着脱される場合であっても、液体収容体に収容された液体を再分散させることができる。

0015

本発明の液体収容体において、前記複数の収容体側端子は、前記容器本体の外面における前記液体供給口を中心として点対称となる位置に設けられる。
この構成によれば、液体収容体に設けられた記憶手段は、液体収容体が液体供給口の軸線を中心に180度回転して反転した場合にも、収容体側端子を介して装置側端子と通信可能な状態となる。また、液体の沈降は、重力方向の下方に向かって生じるため、反転した場合に最も効率よく再分散される。すなわち、液体収容体を反転させた場合には、液体収容体を180度未満回転させた場合と比べて再分散が完了するまでの時間が短くなる。したがって、点対称に設けられた収容体側端子を介して接続時の姿勢情報を出力することにより、液体の再分散に要する時間を判断するための判断材料を簡単に提供することができる。

0016

本発明の液体噴射装置は、液体を収容する液体収容体を第1の姿勢又は該第1の姿勢とは重力方向において逆姿勢となる第2の姿勢で装着可能な装着部と、前記装着部に装着された前記液体収容体から供給された前記液体をターゲットに対して噴射する液体噴射ヘッドと、前記装着部に装着された前記液体収容体の姿勢を検出する姿勢検出手段と、前記装着部に装着された前記液体収容体が有する記憶手段に記憶された前記液体収容体の姿勢情報を読み出す読み出し手段と、該読み出し手段が読み出した前記姿勢情報に基づく前記液体収容体の姿勢と前記姿勢検出手段が検出した前記液体収容体の姿勢が同一であるか否かを判断する判断手段と、該判断手段が前記液体収容体の姿勢を同一であると判断した場合に前記液体収容体の姿勢の変更を示唆する示唆手段とを備える。

0017

例えば、粒子を含有する液体を収容した液体収容体を同一姿勢で長時間放置すると、粒子が沈降して液体収容体に収容された液体の濃度に偏りが生じる。すなわち、液体収容体から供給される液体の濃度にばらつきが生じるため、液体噴射ヘッドから噴射される液体にもばらつきが生じてしまう。その点、この構成によれば、液体収容体が個々に記憶する姿勢情報に基づいて液体収容体の姿勢変更を示唆することができる。すなわち、例えば、液体収容体が着脱される際に入れ替わってしまった場合であっても、新たに装着された液体収容体の姿勢情報に基づいて姿勢の変更を示唆することができる。したがって、ユーザーによって液体収容体が液体噴射装置の装着部に対して着脱される場合であっても、液体収容体に収容された液体を再分散させることができる。

0018

本発明の液体噴射装置において、前記姿勢検出手段は、前記液体収容体が前記装着部に装着された場合に、前記液体収容体に設けられた前記記憶手段に対して各々接続された複数の収容体側端子のうち少なくとも1つの収容体側端子と情報通信可能に接続される装置側端子を含んで構成されている。

0019

この構成によれば、液体噴射装置の装着部から取り外された液体収容体が姿勢を変更して装着されると、液体収容体に設けられた複数の収容体側端子と、液体噴射装置に設けられた装置側端子との接触状態が変化する。したがって、接続状態に基づいて簡単な構成で液体収容体の姿勢を検出することができる。

0020

本発明の液体噴射装置において、前記装置側端子の数は、前記収容体側端子の数よりも少ない。
この構成によれば、装置側端子の数を収容体側端子の数よりも少なくしても、複数ある収容体側端子のうち何れの収容体側端子に接続しているかによって装着部に装着された液体収容体の姿勢を判断することができる。したがって、部品点数を減らして液体収容体の姿勢を検出することができる。

0021

本発明の液体噴射装置において、前記判断手段は、前記液体収容体の姿勢が同一であると判断した場合に前記液体噴射ヘッドからの前記液体の噴射を停止させる。
この構成によれば、装着部から取り外された液体収容体が、同一姿勢で再び装着された場合には、判断手段が液体噴射ヘッドからの液体の噴射を停止させる。したがって、液体に濃度分布が生じた状態での液体を噴射することによって液体が無駄に消費されてしまう虞を低減することができる。

0022

本発明の液体噴射装置は、前記液体収容体が現在の姿勢になってからの経過時間に関する時間を計測する計時手段と、該計時手段が計時した時間情報と前記姿勢検出手段が検出した前記姿勢情報とを前記液体収容体の前記記憶手段へ書き込む書き込み手段とをさらに備え、前記読み出し手段は、前記記憶手段に記憶された前記時間情報と前記姿勢情報とを読み出す。

0023

この構成によれば、頻繁に液体収容体の姿勢が変更される場合であっても、姿勢情報と時間情報とに基づいて液体収容体内の液体を再分散させ得る姿勢を判断することができる。

0024

本発明の液体収容体は、液体を収容する液体収容体であって、上記構成の液体噴射装置の前記装着部に着脱可能に装着される。
この構成によれば、液体収容体は、記憶手段に記憶された情報を液体噴射装置に出力することにより、液体収容室内の液体に沈降が生じているか否かの判断材料を液体噴射装置に提供することができる。

0025

本発明の液体噴射システムは、上記構成の液体収容体と、上記構成の液体噴射装置とを備える。
この構成によれば、上記液体噴射装置に係る発明と同様の作用効果を奏し得る。

図面の簡単な説明

0026

実施形態のプリンターの模式図。
カートリッジホルダーに装着されるインクカートリッジの断面模式図
インクカートリッジの斜視図。
インクカートリッジの反転を示唆するフローチャート
インクカートリッジの反転を示唆するフローチャート。

実施例

0027

以下、本発明を液体噴射装置の一種であるインクジェット式プリンター及びそのプリンターにおけるインク噴射ステム(液体噴射システム)に具体化した一実施形態を図1図5に従って説明する。なお、以下の説明において、「前後方向」、「左右方向」をいう場合は、図1に矢印で示した方向を基準として示すものとする。また、「上下方向」をいう場合は、重力方向における上下方向であって、図1において紙面に直交する方向であると共に、図2に矢印で示した方向を示すものとする。

0028

図1に示すように、流体噴射装置としてのプリンター11は、平面視矩形状をなすフレーム12を備えている。フレーム12内には、プラテン13が左右方向に延びるように設けられていると共に、該プラテン13上には、図示しない紙送り機構によりターゲットとしての用紙Pが給送されるようになっている。また、フレーム12内におけるプラテン13の上方には、該プラテン13の長手方向(左右方向)に沿って、ガイド軸14が架設されている。

0029

このガイド軸14には、キャリッジ15が、該ガイド軸14の軸線方向(左右方向)に往復移動可能に支持されている。さらに、キャリッジ15は、フレーム12内の後面に設けられた一対のプーリー16間に張設された無端状のタイミングベルト17を介して、フレーム12の背面に設けられたキャリッジモーター18に駆動連結されている。そして、キャリッジ15は、キャリッジモーター18の駆動により、ガイド軸14に沿って往復移動されるようになっている。

0030

キャリッジ15におけるプラテン13と対向する面には、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド19が搭載されている。キャリッジ15上には、液体としてのインクを一時貯留すると共に該インクの圧力を調整して記録ヘッド19に供給するバルブユニット20が、プリンター11に使用されるインクの色(種類)に対応して複数個(本実施形態では4個)備えられている。そして、記録ヘッド19の下面には、図示しないノズルが設けられていると共に、該ノズルからプラテン13上に給送された用紙Pにインクが噴射されて印刷が行われるようになっている。

0031

そして、図1におけるフレーム12内の右端部寄り位置であって、キャリッジ15のホームポジション領域には、記録ヘッド19のクリーニング等を行うためのメンテナンスユニット21が配設されている。

0032

さらに、図1におけるホームポジション領域よりも右側となるフレーム12の右端部には、装着部としてのカートリッジホルダー23が設けられている。このカートリッジホルダー23には、互いに異なる色のインクを収容した複数個(本実施形態では4個)の液体収容体としてのインクカートリッジ24が着脱可能に装着されるようになっている。

0033

そして、各インクカートリッジ24がカートリッジホルダー23にそれぞれ装着されている状態では、各インクカートリッジ24と各バルブユニット20とが、インク供給チューブ25を介してそれぞれ接続されるようになっている。そして、印刷などによる記録ヘッド19からのインクの消費により、各インクカートリッジ24内のインクが各インク供給チューブ25及び各バルブユニット20を介して記録ヘッド19に供給されるようになっている。

0034

また、カートリッジホルダー23の上方には、各インクカートリッジ24に加圧空気を供給するための加圧ポンプ26が載置されている。この加圧ポンプ26には、カートリッジホルダー23に装着可能なインクカートリッジ24と同数(本実施形態では4本)の空気供給チューブ27の上流端が接続されていると共に、各空気供給チューブ27の下流端は、カートリッジホルダー23に接続されている。

0035

但し、各インクカートリッジ24及びインクカートリッジ24を装着するためのカートリッジホルダー23の構成は同じであるため、図2には1つのインクカートリッジ24をカートリッジホルダー23に装着した状態を図示している。そして、以下においては、この図2に示す1つのインクカートリッジ24をカートリッジホルダー23に対して装着する場合を例にして説明する。

0036

図2に示すように、カートリッジホルダー23は、前方が開口した断面視矩形箱状をなしている。そして、カートリッジホルダー23の後壁23aにおける上下方向の中央位置には、前後方向に延びる中空インク供給針29が後壁23aを貫通するように設けられている。また、カートリッジホルダー23においてインク供給針29が形成された位置よりも上方位置には、剛性を有する空気導入管30が後壁23aを貫通するように設けられている。そして、インク供給針29の後端側には、インク供給チューブ25が接続されていると共に、空気導入管30の後端側には、空気供給チューブ27が接続されている。

0037

さらに、カートリッジホルダー23の上壁23bには、装置側端子としての固定端子31が上壁23bから下方に突出するように設けられている。そして、固定端子31には、プリンター11の駆動を制御する制御部33が接続されている。また、制御部33には、プリンター11の電源遮断されている間にも図示しない電源から電力が供給されて計時可能な計時手段としての時計部34が接続されている。そして、制御部33は、固定端子31を介して取得した情報及び時計部34から取得した情報に基づいて加圧ポンプ26及び示唆手段としての表示部35の表示を制御する。

0038

また、図2及び図3に示すように、インクカートリッジ24は、略直方体状の容器本体としてのケース37と、このケース37内に収容されたインクパック38とを有している。このインクパック38は、袋状に形成された可撓性フィルムにより形成されている。そして、インクパック38内がインクを収容可能な液体収容室としてのインク室39となっていると共に、ケース37とインクパック38との間は、空気室40となっている。

0039

さらに、インクパック38には、インク室39内に収容されたインクをケース37外へ供給する液体供給口としてのインク供給口41が設けられている。そして、ケース37においてインク供給口41が貫通形成された供給壁37aには、空気室40と空気導入管30とを連通させて加圧空気を導入する複数(本実施形態では2つ)の第1,第2の導入孔42,43が形成されている。この第1,第2の導入孔42,43は、インク供給口41を中心として点対称となる位置に形成され、図示しないばねによって閉弁方向に付勢された第1,第2の弁体44、45によってそれぞれ閉塞されている。

0040

また、インクカートリッジ24には、1つの記憶手段としての記憶素子47と、複数(本実施形態では2つ)の収容体側端子としての第1,第2の接続端子48,49とが、接続線50によって通信可能に接続された状態で取り付けられている。なお、第1,第2の接続端子48,49は、ケース37の外面においてインク供給口41を中心とする周方向R(図3参照)の異なる角度位置に、点対称となるように設けられている。すなわち、第1の接続端子48は、供給壁37aと垂直な第1の側壁37bに設けられていると共に、第2の接続端子49は、第1の側壁37bと平行な第2の側壁37cに設けられている。

0041

そして、図2に示すように、第1の側壁37bが上側に位置する第1の姿勢でインクカートリッジ24がカートリッジホルダー23に装着された場合には、第1の接続端子48と固定端子31とが接続し、制御部33と記憶素子47とが通信可能な状態となる。また、インク供給口41には、インク供給針29が貫挿されると共に、空気導入管30は、第1の弁体44と当接して該第1の弁体44を空気室40内側へ移動させることにより空気室40と連通する。すなわち、第1の弁体44は、空気室40と空気導入管30とを連通させる開弁位置に移動するのに対し、第2の弁体45は、閉弁位置に位置して第2の導入孔43を閉塞しているため、空気室40内は密閉状態に維持されている。

0042

したがって、加圧ポンプ26が駆動されて空気室40へ加圧空気が供給されると、空気室40の室圧が高まってインクパック38が押しつぶされる。すると、インク室39内のインクがインク供給針29及びインク供給チューブ25を介してバルブユニット20側へ供給される。

0043

一方、第1の姿勢とは重力方向において逆方向になる第2の姿勢(図示略)でインクカートリッジ24がカートリッジホルダー23に装着されると、第2の接続端子49と固定端子31とが接続し、制御部33と記憶素子47とが通信可能な状態となる。また、インク供給口41には、インク供給針29が貫挿されると共に、空気導入管30は、第2の弁体45と当接して該第2の弁体45を空気室40内側へ移動させることにより空気室40と連通する。すなわち、第1の弁体44は、閉弁位置に位置して第1の導入孔42を閉塞しているのに対し、第2の弁体45は、空気室40と空気導入管30とを連通させる開弁位置に移動する。したがって、空気室40内は、密閉状態に維持された状態で空気導入管30と連通している。

0044

このように、カートリッジホルダー23には、インクカートリッジ24をインク供給口41の軸線を中心に180度回転して反転させた第1の姿勢と第2の姿勢で装着可能となっている。なお、インクカートリッジ24の姿勢とは、インクカートリッジ24において何れの面が重力方向の下側に位置しているかというものである。すなわち、第1の姿勢とは、第1の側壁37bが上側に位置すると共に、第1の側壁37bよりも第2の側壁37cが下側に位置する姿勢である。一方、第2の姿勢とは、第1の側壁37bが下側に位置すると共に、第1の側壁37bよりも第2の側壁37cが上側に位置する姿勢である。

0045

ところで、分散質である顔料(色素粒子)を分散媒中に散在させた顔料インクをインク室39内に収容したインクカートリッジ24では、同一姿勢を長時間維持することにより顔料が沈降してしまう。

0046

すなわち、インクカートリッジ24を第1の姿勢で維持した場合には、下側となる第2の側壁37c側に顔料が沈降する。一方、インクカートリッジ24を第2の姿勢で維持した場合には、第2の姿勢時に下側となる第1の側壁37b側に顔料が沈降する。したがって、第1の姿勢において生じた顔料の沈降は、インクカートリッジ24の姿勢を反転させて第2の姿勢で維持することにより再分散させることができる。

0047

ただし、顔料の沈降作用により再分散させる場合には、インクカートリッジ24の反転時間が短いとインクを十分に再分散させることはできない。そのため、本実施形態では、インクを十分に再分散させ得る時間を第1の閾値時間T1とし、インクカートリッジ24が第1の閾値時間T1以上反転姿勢を維持した場合に、インクカートリッジ24の姿勢が変更されたものとする。すなわち、インクカートリッジ24を第1の閾値時間T1未満だけ反転させて再び元の姿勢に戻した場合には、インクカートリッジ24は同一姿勢を維持しているものとみなす。さらに、分散した顔料が沈降して印刷に影響を与える虞のある程度に濃度分布が生じる時間を第2の閾値時間T2とする。ただし、第2の閾値時間T2は、第1の閾値時間T1よりも長く設定されると共に(T1<T2)、各閾値時間T1,T2は、インク室39の形や大きさ、顔料の量や粘度の違いによって変化し、インクカートリッジ24毎に設定される。

0048

次に、上記のように構成されたプリンター11の作用を、図4及び図5に示すフローチャートに従って説明する。なお、このフローチャートは、プリンター11の電源がオンされた場合に行われ、インクカートリッジ24の姿勢変更を示唆する処理を示すフローチャートである。

0049

さて、プリンター11の電源がオンされると、制御部33は、固定端子31と接続端子48,49との接続を検出することにより、カートリッジホルダー23にインクカートリッジ24が装着されているか否かを判断する(ステップS101)。なお、カートリッジホルダー23にインクカートリッジ24が装着されておらず、インクカートリッジ24の装着を検出できない場合は、インクカートリッジ24が装着されるまで待機する(ステップS101:NO)。

0050

そして、制御部33は、インクカートリッジ24の装着を検出すると(ステップS101:YES)、ステップS102において、時計部34から現在時間tnを取得する。さらに、制御部33は、ステップS103において、記憶素子47に記憶された姿勢情報としての接続履歴情報Icと、時間情報Itとを、固定端子31及び接続端子48,49を介して取得する。したがって、プリンター11における固定端子31は、読み出し手段として機能している。また、インクカートリッジ24において、接続端子48,49は、記憶素子47に記憶された接続履歴情報Ic及び時間情報Itとを出力する出力手段として機能している。

0051

続いて、制御部33は、ステップS103において接続履歴情報Icを取得することができたか否かを判断する(ステップS104)。ところで、記憶素子47には、インクカートリッジ24がカートリッジホルダー23に装着された状態で接続履歴情報Ic及び時間情報Itが更新されるようになっている。そのため、新品のインクカートリッジ24を始めてカートリッジホルダー23に装着した場合には、記憶素子47に接続履歴情報Icが記憶されていない。したがって、制御部33が接続履歴情報Icを取得することができなかった場合には、インクカートリッジ24の初期装着であると判断することができる。

0052

そこで、記憶素子47に接続履歴情報Icが記憶されていない場合には(ステップS104:YES)、制御部33は、ステップS105へ移行し、ステップS102にて取得した現在時間tnを装着開始時間tsとして記憶素子47に書き込む。すなわち、制御部33は、現在時間tnにより時間情報Itを更新する。したがって、時間情報Itは、インクカートリッジ24が現在の姿勢になってからの経過時間に関する情報であって、本実施形態では、インクカートリッジ24が装着された装着開始時間tsを含んでいる。さらに、制御部33は、ステップS106において、第1,第2の接続端子48,49のうち、どちらの接続端子と固定端子31が接続しているかを記憶素子47に書き込むことにより接続履歴情報Icを更新する。

0053

すなわち、図2に示すように、インクカートリッジ24が第1の姿勢で装着される場合には、固定端子31と第1の接続端子48とが接続する。そのため、制御部33は、第1の接続端子48と固定端子31とが接続する旨の接続履歴情報Icと時間情報Itを固定端子31、第1の接続端子48を介して記憶素子47に書き込む。また、インクカートリッジ24が第2の姿勢で装着される場合には、固定端子31と第2の接続端子49とが接続する。そのため、制御部33は、第2の接続端子49と固定端子31とが接続する旨の接続履歴情報Icと時間情報Itを固定端子31、第2の接続端子49を介して記憶素子47に書き込む。

0054

したがって、プリンター11における制御部33は、固定端子31と接続端子48,49との接続状態に基づいてインクカートリッジ24の姿勢を取得することができる。したがって、固定端子31は、姿勢検出手段として機能していると共に、制御部33が検出した接続履歴情報Icと時間情報Itとを書き込む書き込み手段として機能している。また、インクカートリッジ24において、接続端子48,49は、接続履歴情報Ic及び時間情報Itを取得する取得手段として機能している。

0055

続くステップS107において、制御部33は、加圧ポンプ26を駆動して空気室40へ加圧空気を流入させ、記録ヘッド19側へインクを供給する。そして、記録ヘッド19がインクカートリッジ24から供給されたインクを用紙Pへ噴射して印刷処理を実行する。

0056

印刷処理が終了すると、制御部33は、ステップS108において、プリンター11の電源がオフされたか否かを判断し、電源がオフされた場合には(ステップS108:YES)、制御ルーチンを終了してプリンター11の電源をオフする。一方、電源がオフされない場合には(ステップS108:NO)、制御部33は時計部34から現在時間tnを取得する(ステップS109)。

0057

また、ステップS103において、記憶素子47から接続履歴情報Icを取得できた場合には(ステップS104:NO)、制御部33は、インクカートリッジ24が一旦カートリッジホルダー23から取り外されて再装着されたと判断する。

0058

そこで、図5に示すように、制御部33は、インクカートリッジ24を取り外す前にインク室39内のインクが十分に分散しているか否かを判断する。すなわち、ステップS103にて取得した時間情報Itに基づく装着開始時間tsと現在時間tnとの差(経過時間)が第1の閾値T1以上(tn−ts≧T1)である場合には(ステップS111:YES)、インクは十分に再分散されていたと推測できる。そこで、続くステップS112において、制御部33は、インクカートリッジ24の姿勢が反転されているか否かを判断する。

0059

すなわち、制御部33は、取得した現在の姿勢と、ステップS103にて取得した接続履歴情報Icに基づく姿勢とを比較することにより、インクカートリッジ24が反転されているかを判断する(ステップS112)。したがって、制御部33は、判断手段として機能している。

0060

そして、インクカートリッジ24の姿勢が反転している場合には(ステップS112:YES)、制御部33は、現在時間tnを装着開始時間tsとして記憶素子47に書き込むことにより時間情報Itを更新する(ステップS113)。さらに、制御部33は、検出した姿勢に関する接続履歴情報Icを記憶素子47に書き込むことにより接続履歴情報Icを更新する(ステップS114)。

0061

続いて、制御部33は、ステップS115において、現在時間tnと装着開始時間tsとの差(経過時間)が第2の閾値時間T2をよりも小さい(tn−ts<T2)場合には(ステップS115:YES)、ステップS107へ移行して印刷処理を実行する。一方、現在時間tnと装着開始時間tsとの差(経過時間)が第2の閾値時間T2以上(tn−ts≧T2)である場合には(ステップS115:NO)、制御部33はインクが沈降している虞があると判断する。そのため、制御部33は、ステップS116において表示部35を制御し、インクカートリッジ24の装着向きの変更を示唆する。すなわち、表示部35には、ユーザーに対してインクカートリッジ24の向きを反転させる旨のメッセージが表示される。したがって、表示部35は、示唆手段として機能している。

0062

ところで、ステップS111において、現在時間tnと装着開始時間tsとの差(経過時間)が第1の閾値時間T1未満(tn−ts<T1)である場合には(ステップS111:NO)、制御部33は、前回の装着時においてインクが十分に分散しないうちにインクカートリッジ24が取り外された虞があると判断する。

0063

そこで、制御部33は、ステップS117へ移行し、記憶素子47に記憶された前回のインクカートリッジ24の姿勢と、今回の装着時における姿勢が同一である場合には(ステップS117:YES)、制御部33は、ステップS115へ移行する。したがって、制御部33は、時間情報Itの更新は行わず、前回の装着開始時間tsから経過時間に基づいてインクの沈降判定を行う。

0064

一方、ステップS117において、姿勢が変更されていると判断した場合には(ステップS117:NO)、制御部33は、ステップS116へ移行し、表示部35にインクカートリッジ24の向きを反転させる旨のメッセージを表示する。また、ステップS112において姿勢が反転されていないと判断した場合(ステップS112:NO)も同様にステップS116へ移行する。

0065

さて、ステップS116において、制御部33は、表示部35を制御してユーザーにインクカートリッジ24の反転を示唆すると、続くステップS118において、インクカートリッジ24の装着状態を検出する。すなわち、制御部33は、固定端子31と接続端子48,49との遮断を検出することにより、カートリッジホルダー23からのインクカートリッジ24の取り外しを検出することが可能である。そして、インクカートリッジ24が取り外された場合には(ステップS118:YES)、ステップS101へ移行してインクカートリッジ24が再びカートリッジホルダー23に装着されるまで待機する。

0066

一方、インクカートリッジ24の取り外しが未検出であると共に(ステップS118:NO)、図示しない操作部をユーザーが操作し、印刷継続操作が入力された場合には(ステップS119:YES)、制御部33はステップS107へ移行して印刷処理を実行する。そして、印刷の継続操作が行われない場合には(ステップS119:NO)、記録ヘッド19からのインクの噴射を停止させて印刷処理を中断する。

0067

ただし、印刷処理が中断されている間であっても、ステップS120においてクリーニングが実行された場合には(ステップS120:YES)、制御部33はクリーニング処理を実行する(ステップS121)。そして、制御部33は、クリーニングが実行されなかった場合(ステップS120:NO)も、クリーニング処理を実行した場合(ステップS121)も同様にステップS116へ移行し、ユーザーに対してインクカートリッジ24の向きを反転させる旨のメッセージを表示部35に継続して表示する。

0068

上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)インクカートリッジ24は、記憶素子47に記憶されたインク室39の姿勢に基づく接続履歴情報Icを出力することにより、インクカートリッジ24をプリンター11のカートリッジホルダー23に着脱するユーザーに対して、そのインクカートリッジ24におけるインク室39内のインクに沈降が生じているか否かの判断材料を提供することが可能となる。したがって、ユーザーによってインクカートリッジ24がプリンター11のカートリッジホルダー23に対して着脱される場合であっても、インクカートリッジ24に収容されたインクを再分散させることができる。

0069

(2)インクの沈降は時間と共に進行するため、沈降が生じたインクカートリッジ24の姿勢を短時間だけ変更して戻した場合には、インクを再分散させることができない。その点、頻繁にインクカートリッジ24の姿勢が変更される場合であっても、接続履歴情報Icと時間情報Itとに基づいてインクカートリッジ24内のインクを再分散させ得る姿勢を判断するための判断材料を提供することができる。

0070

(3)複数の接続端子48,49と固定端子31との接続に伴い通信される接続履歴情報Icを記憶素子47により記憶すると共に、そのように記憶素子47に記憶されている接続履歴情報Icを接続端子48,49から固定端子31に通信することにより、インクカートリッジ24の姿勢を判断する判断材料を提供することができる。すなわち、例えば、接続端子48,49が固定端子31と通信可能な状態に接続された場合に、複数の接続端子48,49のうち何れの接続端子48,49が固定端子31と接続しているかを接続時(つまり、インクカートリッジ24の装着時)の接続履歴情報Icとして記憶することにより、同じ端子同士が接続された場合には、インクカートリッジ24の姿勢を同じであると判断することができる。そのため、インクカートリッジ24は、姿勢を判断するためのセンサーなどを個別に設ける必要がなく、簡単な構成でインクカートリッジ24の姿勢を判断するための判断材料を提供することができる。したがって、ユーザーによってインクカートリッジ24がプリンター11のカートリッジホルダー23に対して着脱される場合であっても、インクカートリッジ24に収容されたインクを再分散させることができる。

0071

(4)インクカートリッジ24に設けられた記憶素子47は、インクカートリッジ24がインク供給口41の軸線を中心に180度回転して反転した場合にも、接続端子48,49を介して固定端子31と通信可能な状態となる。また、インクの沈降は、重力方向の下方に向かって生じるため、反転した場合に最も効率よく再分散される。すなわち、インクカートリッジ24を反転させた場合には、インクカートリッジ24を180度未満回転させた場合と比べて再分散が完了するまでの時間が短くなる。したがって、点対称に設けられた接続端子48,49を介して接続履歴情報Icを出力することにより、インクの再分散に要する時間を判断するための判断材料を簡単に提供することができる。

0072

(5)例えば、粒子を含有するインクを収容したインクカートリッジ24を同一姿勢で長時間放置すると、粒子が沈降してインクカートリッジ24に収容されたインクの濃度に偏りが生じる。すなわち、インクカートリッジ24から供給されるインクの濃度にばらつきが生じるため、記録ヘッド19から噴射されるインクにもばらつきが生じてしまう。その点、インクカートリッジ24が個々に記憶する接続履歴情報Icに基づいてインクカートリッジ24の姿勢変更を示唆することができる。すなわち、例えば、インクカートリッジ24が着脱される際に入れ替わってしまった場合であっても、新たに装着されたインクカートリッジ24の接続履歴情報Icに基づいて姿勢の変更を示唆することができる。したがって、ユーザーによってインクカートリッジ24がプリンター11のカートリッジホルダー23に対して着脱される場合であっても、インクカートリッジ24に収容されたインクを再分散させることができる。

0073

(6)プリンター11のカートリッジホルダー23から取り外されたインクカートリッジ24が姿勢を変更して装着されると、インクカートリッジ24に設けられた複数の接続端子48,49と、プリンター11に設けられた固定端子31との接触状態が変化する。したがって、接続状態に基づいて簡単な構成でインクカートリッジ24の姿勢を検出することができる。

0074

(7)固定端子31の数を接続端子48,49の数よりも少なくしても、複数ある接続端子48,49のうち何れの接続端子48,49に接続しているかによってカートリッジホルダー23に装着されたインクカートリッジ24の姿勢を判断することができる。したがって、部品点数を減らしてインクカートリッジ24の姿勢を検出することができる。

0075

(8)カートリッジホルダー23から取り外されたインクカートリッジ24が、同一姿勢で再び装着された場合には、制御部33が記録ヘッド19からのインクの噴射を停止させる。したがって、インクに濃度分布が生じた状態でのインクを噴射することによってインクが無駄に消費されてしまう虞を低減することができる。

0076

(9)頻繁にインクカートリッジ24の姿勢が変更される場合であっても、接続履歴情報Icと時間情報Itとに基づいてインクカートリッジ24内のインクを再分散させ得る姿勢を判断することができる。

0077

(10)インクカートリッジ24は、記憶素子47に記憶された情報をプリンター11に出力することにより、インク室39内のインクに沈降が生じているか否かの判断材料をプリンター11に提供することができる。

0078

なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、インクカートリッジ24の回転角度を180度未満としてもよい。なお、このとき供給壁37aは、正多角形もしくは円形とするのが好ましい。さらに、インクカートリッジ24には、各姿勢において固定端子31と接続可能となるように接続端子が複数設けられているのが好ましい。すなわち、例えば供給壁37aを正方形とすると共に、供給壁37aの重心にインク供給口41を設け、90度ずつ回転させてもよい。このときインクカートリッジには、供給壁37aと垂直な各側壁に接続端子を設けることにより、各姿勢において何れかの接続端子と固定端子31とを接続させることができる。したがって、回転角度に応じて接続端子が設けられていればいいため、接続端子の設け方はインク供給口41を中心として点対称でなくてもよい。

0079

・上記実施形態において、時計部34を設けずにインクカートリッジ24の姿勢にのみ基づいてインクカートリッジ24の反転を示唆するようにしてもよい。
・上記実施形態において、固定端子31の数を接続端子48,49の数よりも少なくしたが、固定端子31は、接続端子48,49と同数もしくは接続端子48,49よりも多く設けるようにしてもよい。また、複数の固定端子31を設ける場合には、インクカートリッジ24に設ける接続端子の数を1つとしてもよい。そして、接続端子が何れの固定端子31と接続するかによってインクカートリッジ24の姿勢を検出するようにしてもよい。

0080

・上記実施形態において、インクカートリッジ24を撮影することによりインクカートリッジ24の姿勢を検出する撮影手段(姿勢検出手段)をプリンター11に設けてもよい。すなわち、例えばインクカートリッジ24にマークを形成しておき、マークの向きによってインクカートリッジ24の姿勢を検出するようにしてもよい。また、例えばインクカートリッジ24に反射鏡透過窓を設け光照射部及び受光部とからなる光センサー磁気センサー接触センサーなどを姿勢検出手段として設け、各センサーの検出結果に基づいてインクカートリッジ24の姿勢を検出してもよい。

0081

・上記実施形態において、インクカートリッジ24は、ケース37内にインクパック38を設けない構成としてもよい。すなわち、ケース37によってインク室を構成するタイプのインクカートリッジにも適用することができる。

0082

・上記実施形態において、インクカートリッジ24には1つの導入孔を形成すると共に、カートリッジホルダー23には複数の空気導入管30を設けてもよい。また、インクカートリッジ24とバルブユニット20との間の流路にインク室39内のインクを吸引可能なポンプを設ける場合には、空気導入管30及び導入孔42,43を設けない構成としてもよい。

0083

・上記実施形態において、第1の閾値時間T1及び第2の閾値時間T2は、インクカートリッジ24毎に設定されるため、記憶素子47に各閾値時間T1,T2を記憶させておいてもよい。すなわち、閾値時間T1,T2を記憶素子47に記憶させておくことにより、同一色で反転タイミングの異なるインクカートリッジ24(例えば、フォトブラックマットブラック)を選択して装着する場合でも、インクカートリッジ24の反転タイミングに関する判断材料を簡単に提供することができる。

0084

・上記実施形態において、インクカートリッジ24に設ける取得手段及び出力手段は、外部との通信手段であれば任意に採用することができる。また、プリンター11に設けられる書込み手段及び読み込み手段も同様に、インクカートリッジ24に設けられる通信手段と通信可能な手段であれば任意に採用することができる。すなわち、例えば、有線通信に限らず、電波赤外線通信などの無線通信としてもよい。

0085

・上記実施形態において、時計部34は、カウンターによる計時に限らず、電波時計に用いられる標準電波を受信することにより、受信した時間を制御部33へ出力するようにしてもよい。また、時計部34は、インクカートリッジ24の装着後に計時をスタートし、インクカートリッジ24の反転に伴って計時した時間をリセットするようにしてもよい。すなわち、時計部34は、インクカートリッジ24が現在の姿勢になってからの経過時間に関する時間を計測するようにしてもよい。

0086

・上記実施形態では、インクを噴射して印刷を行うプリンター11のインクカートリッジ24に具体化したが、本発明はそれ以外の装置で使用される液体を貯留する液体収容体にも適用することができる。すなわち、例えば記録ヘッド19からのインクの噴射によらずに孔版印刷捺染印刷等の他の印刷処理によりターゲットに液体を付着させて印刷処理を行うプリンターに装着させて液体を供給するようにしてもよい。

0087

・上記実施形態において、インクカートリッジ24は、複数の装置間において着脱させるようにしてもよい。また、このとき装置ごとに固定端子31の配置を異ならせておいてもよい。すなわち、同一の装置もしくは同一の端子配列を有する装置にインクカートリッジ24を着脱する場合には、固定端子31と接続端子48,49の接続履歴情報に応じてインクカートリッジ24の姿勢を判断することができる。一方、異なる端子配列を有する複数の装置間においてインクカートリッジ24を着脱する場合には、インクカートリッジ24が装着された装置を判断する判断材料を提供することができる。

0088

・上記実施形態では、液体噴射システムが備える液体噴射装置をインクジェット式プリンター11に具体化したが、この限りではなく、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置に具体化することもできる。微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体ゾルゲル水、その他の無機溶剤有機溶剤溶液液状樹脂液状金属金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンスディスプレイ面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材色材などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置マイクロディスペンサ等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械ピンポイント潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用してもよい。そして、これらのうちいずれか一種の液体噴射装置に本発明を適用することができる。

0089

11…プリンター(液体噴射装置)、19…記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、23…カートリッジホルダー(装着部)、24…インクカートリッジ(液体収容体)、31…固定端子(装置側端子、読み出し手段、書き込み手段、姿勢検出手段)、33…制御部(判断手段)、34…時計部(計時手段)、35…表示部(示唆手段)、37…ケース(容器本体)、39…インク室(液体収容室)、41…インク供給口(液体供給口)、47…記憶素子(記憶手段)、48,49…第1,第2の接続端子(取得手段、出力手段、収容体側端子)、Ic…接続履歴情報(姿勢情報)、It…時間情報、P…用紙(ターゲット)、R…周方向。

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