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技術 容器詰め果汁飲料及びその製造方法

出願人 サントリー食品インターナショナル株式会社
発明者 市村篤史榊原史子
出願日 2010年2月22日 (10年10ヶ月経過) 出願番号 2010-036680
公開日 2011年9月1日 (9年4ヶ月経過) 公開番号 2011-167170
状態 特許登録済
技術分野 非アルコール性飲料
主要キーワード 果汁風味 屈折計示度 果汁本来 クエン酸含量 調合液中 類物質 イモ臭 緩和作用
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2011年9月1日)のものです。
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課題

高果汁飲料において、殺菌時や保存時に発現する異風味を簡便に緩和し、かつ、果汁の自然なフレッシュ感が維持された風味豊かな果汁飲料を提供する。

解決手段

果汁率が30%以上70%以下となる果汁を含有する果汁飲料であって、リン酸を0.02g/100g以上含有する容器詰め果汁飲料とする。

概要

背景

果汁飲料、特にオレンジ果汁飲料に代表される柑橘類果汁を使用した飲料は、加熱殺菌後レトルト臭イモ臭と呼ばれる異風味発現することが知られ、この異風味は保存中に強くなり商品価値に影響を及ぼすこともある。そこで、果汁飲料の保存中に発生する異風味の抑制には、香料酸化防止剤窒素による溶存酸素の除去、及びヘッドスペース窒素置換などが用いられている。また、アスパルテームと、L−ヒスチジン又はその塩類をL−ヒスチジン換算で0.005〜0.5重量%になるように添加して加熱殺菌処理を行った果汁飲料が風味の良いことも報告されており、この実施例には、オレンジ果汁30%の果汁飲料がレトルト臭やイモ臭などの異風味の発現が抑制され、オレンジ風味フレッシュ感が維持されていたことが開示されている(特許文献1)。
一方、飲料の製造において、酸味料としてリン酸を用いることは知られている。しかし、大多数果実(例えば、アンズイチゴウメウンシュウミカンバレンシアレンジカキグレーフルーツオウトウセイヨウナシナツミカンニホンナシパイナップルバナナビワモモリンゴレモン)の主要な有機酸リンゴ酸クエン酸ブドウ酒石酸とリンゴ酸、キウイフルーツキナ酸とクエン酸)で、果皮の主要な有機酸がリンゴ酸とシュウ酸と知られている(非特許文献1、2)ように、果実を搾して得られる果汁中にはリン酸が含まれない又はごく少量しか含まれていない。従って、果汁飲料の製造においてフレッシュ感を創出するために酸味料を添加する場合、リン酸は使用されず、クエン酸やリンゴ酸を使用するのが一般的である。

概要

高果汁飲料において、殺菌時や保存時に発現する異風味を簡便に緩和し、かつ、果汁の自然なフレッシュ感が維持された風味豊かな果汁飲料を提供する。果汁率が30%以上70%以下となる果汁を含有する果汁飲料であって、リン酸を0.02g/100g以上含有する容器詰め果汁飲料とする。なし

目的

本発明の目的は、果汁(特に柑橘類果汁)を高濃度に含有する高果汁飲料において、殺菌時や保存時に発現する異風味を簡便に緩和し、かつ、果汁の自然なフレッシュ感が維持された風味豊かな果汁飲料を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
4件
牽制数
4件

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請求項1

果汁率が30%以上70%以下となる果汁を含有する果汁飲料であって、リン酸を0.02g/100g以上含有する容器詰め果汁飲料

請求項2

飲料全体に含まれる有機酸の総重量とリン酸の重量との合計(A)に対するリン酸の重量(B)の割合(B/A)が0.04以上である、請求項1に記載の果汁飲料。

請求項3

果汁が柑橘類果汁を含む、請求項1又は2に記載の果汁飲料。

請求項4

果汁率が30%以上70%以下となる果汁を含有する高果汁飲料の製造方法であって、殺菌処理前の果汁飲料の調合液に、そのpHを4.0未満のレベルまで低下させるのに十分な量のリン酸を配合する工程と、前記工程により得られるリン酸含有調合液を加熱殺菌する工程とを含む、方法。

請求項5

加熱殺菌に伴う異風味緩和するための、果汁飲料の製造におけるリン酸の使用。

技術分野

0001

本発明は、高濃度果汁を含有する高果汁飲料に関し、より詳細には、加熱殺菌され容器充填される容器詰め高果汁飲料で、加熱殺菌工程及び保存時に発生するレトルト臭イモ臭などの異風味緩和された、フレッシュ果汁感のある風味豊かな果汁飲料の製造方法に関する。

背景技術

0002

果汁飲料、特にオレンジ果汁飲料に代表される柑橘類果汁を使用した飲料は、加熱殺菌後にレトルト臭やイモ臭と呼ばれる異風味を発現することが知られ、この異風味は保存中に強くなり商品価値に影響を及ぼすこともある。そこで、果汁飲料の保存中に発生する異風味の抑制には、香料酸化防止剤窒素による溶存酸素の除去、及びヘッドスペース窒素置換などが用いられている。また、アスパルテームと、L−ヒスチジン又はその塩類をL−ヒスチジン換算で0.005〜0.5重量%になるように添加して加熱殺菌処理を行った果汁飲料が風味の良いことも報告されており、この実施例には、オレンジ果汁30%の果汁飲料がレトルト臭やイモ臭などの異風味の発現が抑制され、オレンジ風味フレッシュ感が維持されていたことが開示されている(特許文献1)。
一方、飲料の製造において、酸味料としてリン酸を用いることは知られている。しかし、大多数果実(例えば、アンズイチゴウメウンシュウミカンバレンシアレンジカキグレーフルーツオウトウセイヨウナシナツミカンニホンナシパイナップルバナナビワモモリンゴレモン)の主要な有機酸リンゴ酸クエン酸ブドウ酒石酸とリンゴ酸、キウイフルーツキナ酸とクエン酸)で、果皮の主要な有機酸がリンゴ酸とシュウ酸と知られている(非特許文献1、2)ように、果実を搾して得られる果汁中にはリン酸が含まれない又はごく少量しか含まれていない。従って、果汁飲料の製造においてフレッシュ感を創出するために酸味料を添加する場合、リン酸は使用されず、クエン酸やリンゴ酸を使用するのが一般的である。

先行技術

0003

特開2005−278605号公報
果実の科学 伊三郎編集書店(1991)
香川大農学部学術報告36 (1). pp. 21-24 (1984)

発明が解決しようとする課題

0004

加熱殺菌に伴う異風味の発現が顕著となる果汁を高濃度に含有する高果汁飲料では、従来の技術では十分に異風味を緩和できず、商品価値を著しく損なうことから製品化に至っておらず、したがって異風味のマスキング技術が強く望まれていた。
本発明の目的は、果汁(特に柑橘類果汁)を高濃度に含有する高果汁飲料において、殺菌時や保存時に発現する異風味を簡便に緩和し、かつ、果汁の自然なフレッシュ感が維持された風味豊かな果汁飲料を提供することである。

課題を解決するための手段

0005

本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、容器詰め果汁飲料の製造に際して、果汁飲料の調合液のpHをリン酸で調整し、これを殺菌処理することにより、加熱殺菌に伴う異風味が緩和された果汁飲料を得た。そこで、本発明者らは検討を重ねた結果、果汁率が30%以上70%以下となるような高濃度の果汁を含有する高果汁飲料において、特定量のリン酸を配合した条件下で殺菌処理することにより、高果汁飲料特有の異風味の発現を抑制し、又は発現した異風味をマスキングすることができ、風味の改善された高果汁の容器詰め果汁飲料が得られることを見出した。また、配合するリン酸が、果汁飲料中の有機酸及びリン酸の合計に対して特定の割合にあると、果汁の自然なフレッシュ感も維持できるという驚くべき知見を見出し、本発明を完成するに至った。

0006

すなわち、本発明は、以下に関する。
1.果汁率が30%以上70%以下となる果汁を含有する果汁飲料であって、リン酸を0.02g/100g以上含有する容器詰め果汁飲料。
2.飲料全体に含まれる有機酸の総重量とリン酸の重量との合計(A)に対するリン酸の重量(B)の割合(B/A)が0.04以上である、1に記載の果汁飲料。
3.果汁が柑橘類果汁を含む、1又は2に記載の果汁飲料。
4.果汁率が30%以上70%以下となる果汁を含有する高果汁飲料の製造方法であって、殺菌処理前の果汁飲料の調合液に、そのpHを4.0未満のレベルまで低下させるのに十分な量のリン酸を配合する工程と、前記工程により得られるリン酸含有調合液を加熱殺菌する工程とを含む、方法。
5.加熱殺菌に伴う異風味を緩和するための、果汁飲料の製造におけるリン酸の使用。
6.加熱殺菌前の果汁飲料の調合液にそのpHを4.0未満のレベルまで低下させるのに十分な量のリン酸を配合させることを含む、果汁飲料の加熱殺菌工程に伴う異風味を緩和するための方法。

発明の効果

0007

本発明によると、高果汁飲料の加熱殺菌に伴う異風味を緩和して、自然でフレッシュ感の維持された風味豊かな果汁飲料を簡便に製造することができる。

0008

リン酸
本明細書でいうリン酸(燐酸、phosphoric acid)とは、オルトリン酸(orthophosphoric acid)をいい、リン酸骨格をもつ他の類似化合物群(ポリリン酸ピロリン酸など)であるリン酸類リン酸塩は含まない。

0009

オルトリン酸(以下、単に「リン酸」と表記する)を高果汁飲料に添加することにより、果汁(特に柑橘類果汁)の加熱殺菌時及び保存中におけるレトルト臭やイモ臭などの異風味の発現を抑制又は緩和し、フレッシュな風味を維持することができる。具体的には、飲用時の後味知覚される異風味やこの異風味に付帯する重たい味を緩和し、すっきりした軽い後味に改善することができる。この高果汁飲料の異風味のマスキング作用(後味の改善作用)は、リン酸特有のものであり、他の酸味料(例えば、リンゴ酸やクエン酸)では得られず、さらにリンゴ酸やクエン酸の添加が果汁飲料自体の風味に影響を及ぼすこともある。

0010

リン酸は、果実及び/又は果皮にはほとんど含まれていない成分であることから、果汁飲料の調合液に添加して使用する。添加量は、果汁飲料の調合液のpHを4.0未満(好ましくは3.8未満、より好ましくは3.4〜3.6)のレベルまで低下させるのに十分な量のリン酸を配合すればよく、通常、高果汁飲料の場合、その添加量は、飲料全体に対して0.02g/100g以上、好ましくは0.04g/100g以上、より好ましくは0.05g/100gである。配合するリン酸の量が多いほど異風味の緩和効果が得られることから、リン酸の配合量に実質的な上限はないが、風味の観点から、通常、0.5g/100g以下程度である。さらに、果汁飲料に含まれる有機酸の総重量とリン酸の重量との合計(A)に対する、リン酸の重量(B)の割合(B/A)が0.04以上(好ましくは0.05以上、より好ましくは0.06以上、特に好ましくは0.07以上)程度となるようにリン酸を配合すると、加熱殺菌時等における異風味の緩和だけでなく、果汁本来の有する自然なフレッシュ感を向上させることができるので、異風味がマスキングされ、かつ自然でフレッシュな果汁風味豊かな高果汁飲料を製造することができる。有機酸とリン酸との合計に対するリン酸の割合(重量基準)の上限値は、果汁飲料としての風味の観点から、通常0.1以下程度である。なお、果汁飲料中の有機酸及びリン酸の量は、公知の方法(例えば、HPLC法)により、測定することができる。ここで、本明細書でいう有機酸とは、飲料に含まれるクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸フマル酸グルコン酸乳酸をいう。

0011

高果汁飲料
本発明は、加熱殺菌等による異風味の発現が顕著な高果汁飲料において、上記リン酸を配合することにより風味を改善することを特徴とする。高果汁飲料とは、高濃度の果汁を含有する果汁飲料をいい、具体的には、果汁率が30%以上、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上含有する果汁飲料をいう。ここで「果汁率」とは、果実を搾汁して得られるストレート果汁を100%としたときの相対濃度であり、JAS規格果実飲料日本農林規格)に示される糖用屈折計示度の基準(°Bx)(下記表1)又は酸度の基準(%)(下記表2)に基づいて換算できる。

0012

0013

0014

具体的には、100mLの高果汁飲料中に配合される果汁の量(g)と、表1又は2に基づいて求められる果汁の濃縮度とを用いて、下記換算式によって計算することができる。
果汁率(%)=<果汁配合量(g)>×<濃縮倍率>/100mL×100

0015

例えば、オレンジ果汁はJAS規格がBx11°であるから、Bx55°の濃縮オレンジ果汁を飲料中6.0重量%配合した場合、果汁率は30%となる。なお、果汁の果汁率をJAS規格の糖用屈折計示度に基づいて換算する際には、果汁に加えられた糖類、はちみつ等の糖用屈折計示度を除くものとする。

0016

本発明の高果汁飲料に使用する果汁の種類は、特に限定されないが、例えば、柑橘類果汁(オレンジ果汁、ミカン果汁、グレープフルーツ果汁レモン果汁ライム果汁、等)、リンゴ果汁ブドウ果汁、モモ果汁、熱帯果実果汁(パイナップル、グァバ、バナナ、マンゴーアセロラパパイヤパッションフルーツ、等)、その他果実の果汁(ウメ果汁ナシ果汁、アンズ果汁スモモ果汁、ベリー果汁、キウイフルーツ果汁、等)、トマト果汁ニンジン果汁、イチゴ果汁、メロン果汁などが挙げられる。クエン酸を主要な酸(具体的には60%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上)とする果実が、加熱殺菌等による異風味の発現が顕著であることが判明したことから、本発明の高果汁飲料に用いられる好適な果汁として、クエン酸を多く含む果汁、例えばイチゴ(クエン酸70%以上)、ウメ(クエン酸40〜80%)、ウンシュウミカン(クエン酸90%)、バレンシアオレンジ(クエン酸90%)、グレープフルーツ(クエン酸90%)、ナツミカン(クエン酸60%以上)、パイナップル(クエン酸85%)、レモン(クエン酸90%以上)などが挙げられ、特にクエン酸含量の高いバレンシアオレンジ、ウンシュウミカン、グレープフルーツ等の柑橘類果汁が好適な態様として挙げられる。本発明において、果汁は単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。

0017

果汁は、ストレート果汁、濃縮果汁等、製造方法によらず使用することができるが、ハンドリングの良さから濃縮果汁を用いるのがよい。濃縮果汁は、加熱濃縮法と冷凍濃縮法が知られており、加熱濃縮法によれば糖度が80度(Bx80°)になるまで濃縮することができるが、加熱によって果汁の品質、特に風味が損なわれ、不快臭を伴うことがあることが知られている。本発明のリン酸による果汁飲料の異風味の改善作用は、加熱濃縮果汁の製造時における異風味(不快臭)も改善することができるので、本発明の果汁飲料では、ハンドリングの良さから加熱濃縮果汁が好適に用いられる。風味の良くないとされる加熱濃縮果汁を用いても、異風味が緩和され、フレッシュ感のある果汁飲料となることは、本発明の特徴の一つである。

0018

その他の成分
本発明の飲料においては、上記のリン酸及び果汁の他にも、上記の性質を損なわない限り、通常の果汁飲料に配合するような、甘味料(糖類)、酸味料、香料、ビタミン色素類、酸化防止剤、乳化剤保存料調味料エキス類pH調整剤、品質安定剤等を配合することができる。

0019

特に、以下の態様(甘味料及び/又は香料を配合する)の場合、本発明の効果である異風味の緩和及びフレッシュ感の向上を相加的及び/又は相乗的に高めることができるので、好ましい。

0020

甘味料(糖類)を配合する場合、ショ糖果糖及びブドウ糖を併用することが好ましい。これら糖類の配合割合は、特に制限されないが、ショ糖:果糖:ブドウ糖の重量比が1:0.1〜2:0.1〜2、好ましくは1:0.3〜1:0.3〜1程度とするのが良い。

0021

香料(フレーバー)を配合する場合、最終製品、すなわち加熱殺菌され容器に充填された容器詰め飲料の形態で、その内容液香気成分が、(a)酪酸メチル(methyl butyrate)、酪酸エチル(ethyl butyrate)、2−メチル酪酸エチル(ethyl 2-methyl butyrate)、ヘキサン酸エチル(ethyl hexanoate)、ヘキサン酸アリル(allyl hexanoate)、3−ヒドロキシヘキサン酸エチル(ethyl 3-hydroxy hexanoate)からなる群より選ばれる1種以上のエステル類物質、及び(b)α−ピネン(α-pinene)、β−ピネン(β-pinene)、ミルセン(myrcene)、α−フェランドレン(α-phellandrene)、リモネン(limonene)、γ−テルピネン(γ-terpinene)、テルピノレン(terpinolene)からなる群より選ばれる1種以上のテルペン系炭化水素類物質を含有し、エステル類物質の合計量(重量基準)とテルペン系炭化水素類物質の合計量(重量基準)との比率((b)/(a))が20以下となるように配合するとよい。(b)/(a)を20以下とすることで、柑橘類の特徴香と新鮮感に富み、コクや果汁感に満足しうる高果汁飲料が得られる。最終製品中におけるエステル類物質(a)及びテルペン系炭化水素類物質(b)の配合量は、(a)エステル類物質の合計量が重量基準で1000ppb以上、好ましくは1100ppb以上、より好ましくは1200ppb以上、特に好ましくは1300ppb以上であり、上限値は5000ppb、好ましくは4000ppb程度であり、(b)テルペン系炭化水素類物質の合計量が重量基準で30000ppb以下、好ましくは27500ppb以下、より好ましくは25000ppb以下、特に好ましくは22500ppb以下であり、下限値は5000ppb以上、好ましくは8000ppb以上である。

0022

また、高果汁飲料におけるリモネン(limonene)、リナロール(linalool)、及びゲラニオール(geraniol)からなる脂肪族高級アルコール類物質の存在は、高果汁飲料における加熱や保存に伴う異風味を増強して知覚させる。したがって、最終製品の内容液中、リモネン、リナロール及びゲラニオールを含む場合には、リナロール≦1000ppb(重量基準)(好ましくは950ppb以下)(下限値は好ましくは500ppb以上)、ゲラニオール≦100ppb(重量基準)(好ましくは80ppb以下、より好ましくは50ppb以下)(下限値は0又は1ppb)、リモネン≦30000ppb(重量基準)(好ましくは28000ppb以下、より好ましくは25000ppb以下)(下限値は5000ppb以上)となるように調節する。

0023

製造方法
本発明の高果汁飲料は、以下の(1)〜(3)を含む方法により、製造される。
(1)最終製品である果汁飲料中の果汁率が30〜70%となるのに十分な量の果汁と必要に応じて糖類や水等を配合し、さらにリン酸を添加してpHを4.0未満に調整して調合液を得る工程1、
(2)調合液を加熱殺菌する工程2、
(3)容器に充填する工程3。

0024

上記工程1において、pHを4.0未満に調整するのに要するリン酸の割合は、調合液全体に対して0.02g/100g以上、好ましくは0.04g/100g以上、より好ましくは0.05g/100g程度である。

0025

工程1において、リン酸は加熱殺菌前に当該調合液中に含まれていればよく、調合液に添加するタイミングは限定されない。従って、本発明において、調合液にリン酸を配合することは、調合液にリン酸を添加した後に他の成分を添加してもよいし、全ての他の成分が添加されてからリン酸を添加してもよいことを意味する。

0026

上記工程3は、レトルト殺菌の場合のように工程2の前に行なってもよいし、工程2の後に行なってもよい。

0027

以下、実施例をもって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
表3に示す処方で果汁率が30%のオレンジジュース3種(No.1〜3)、果汁率が50%のオレンジジュース3種(No.4〜6)、果汁率が70%のオレンジジュース3種(No.7〜9)の9種類の容器詰めオレンジジュースを製造した。すなわち、果汁に糖類(果糖、ぶどう糖)、L−アスコルビン酸、香料及び水(適量)を混合して全量を1000Lとした後、このpH(25℃)が3.6〜3.9となるように酸味料(クエン酸及び/又はリン酸)を添加した。これを加熱殺菌(93℃、30秒)した後、500mLずつをペットボトルに充填して容器詰め飲料とした。

0028

得られたオレンジジュースの糖度、酸度、pH及び酸組成は表1のとおりである。専門パネラーにより、各種オレンジジュースの異風味の強さについて5段階(5点:強く感じる、4点:やや強く感じる、3点:感じる、2点:弱いが感じる、1点:感じない)で評価した(評価はパネラー3名の合議により決定した)。

0029

結果を表3に示す。果汁率30%のオレンジジュースで比較すると、リン酸でpHを調整したNo.3では、加熱殺菌に伴う異風味が感じられなかったのに対し、リン酸とクエン酸を併用してpHを調整したNo.2では若干の異風味が感じられ、クエン酸(リン酸不使用)でpHを調整したNo.1ではやや強く異風味が感じられた。このリン酸による異風味の緩和作用は、果汁率50%のオレンジジュース(No.4〜6)及び果汁率70%のオレンジジュース(No.7〜9)でも同様に確認できた。

0030

高果汁飲料の加熱に伴う異風味の抑制作用は、飲料全体に対してリン酸が0.02g/100g以上(好ましくは、0.04g/100g以上、より好ましくは0.05g/100g)以上で得られることが判明した。また、飲料全体の全有機酸重量とリン酸重量との合計(A)に対するリン酸重量(B)の割合(A/B)が0.04以上、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.06以上、特に好ましくは0.07以上あると、果汁本来の有する自然なフレッシュ感を向上させることができることも判明した。

0031

No.6のオレンジジュースを45℃で7日間保存した後、官能評価を行った。評価は、No.6のオレンジジュースを5℃で冷蔵保管したものを対象として比較した。パネラー全員が、対象と比較して、保存後のオレンジジュースも異風味が強くなっておらず、自然でフレッシュな果汁風味豊かな高果汁飲料であると評価した。

0032

0033

実施例2
実施例1で製造したNo.6の飲料について、さらにオレンジ香料の検討を行った。その結果、殺菌後の容器詰めオレンジジュースにおいて、GCMS法による測定の結果、(a)エステル類;酪酸メチル(methyl butyrate)、酪酸エチル(ethyl butyrate)、2−メチル酪酸エチル(ethyl 2-methyl butyrate)、ヘキサン酸エチル(ethyl hexanoate)、ヘキサン酸アリル(allyl hexanoate)、3−ヒドロキシヘキサン酸エチル(ethyl 3-hydroxy hexanoate)の合計量と、(b)テルペン系炭化水素類物質;α−ピネン(α-pinene)、β−ピネン(β-pinene)、ミルセン(myrcene)、α−フェランドレン(α-phellandrene)、リモネン(limonene)、γ−テルピネン(γ-terpinene)、テルピノレン(terpinolene)の合計量の比率((b)/(a))が、20以下であると、有意に異風味の発現が抑制されることが判明した。具体的には、以下の香気成分を持つ実施例1のNo.6の処方の飲料は、高果汁飲料特有の異風味が感じられず、かつ、果汁の自然なフレッシュ感が維持され、コク・果汁感も付与された、風味豊かな果汁飲料であった。

実施例

0034

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