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技術 ワイヤハーネスの短絡部の製造方法、及びワイヤハーネスの短絡部

出願人 株式会社オートネットワーク技術研究所住友電装株式会社住友電気工業株式会社
発明者 大森康雄平井宏樹田中徹児
出願日 2010年2月5日 (10年10ヶ月経過) 出願番号 2010-024091
公開日 2011年8月25日 (9年3ヶ月経過) 公開番号 2011-165376
状態 未査定
技術分野 中間接続器 コネクタハウジング及び接触部材の保持 絶縁導体(1) 絶縁導体(3) 電線ケーブルの製造(1)
主要キーワード 可視光線硬化樹脂 防水蓋 中空角筒状 ドブ漬け 短絡用導体 各仕切り壁 コネクタ側端子 各分岐電線
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

コストの著しい上昇を伴うことなく、防水の必要な領域での使用が可能であるワイヤハーネス短絡部を製造するための方法、及びこのワイヤハーネスの短絡部を提供することを課題とする。

解決手段

本発明は、各分岐電線14同士を短絡させる短絡部材30と内部で短絡部材30に電線側端子20が接続されるように当該短絡部材30を保持するハウジング40とを備えるコネクタJCを準備し、このコネクタJCに複数の分岐電線14を接続して分岐電線14同士をそれぞれ短絡させ、ハウジング40の内部に、流動性を有し且つ水分の浸入を防ぐための電気接点保護剤Gを充填し、ハウジング40の開口部を覆うように流動性を有する状態の硬化性樹脂を付着させ、硬化性樹脂を硬化させて電気接点保護剤Gが開口部から流出するのを防ぐ流出防止層55を形成することを特徴とする。

概要

背景

従来、車両に用いられるワイヤハーネスとして、複数の電線束ねてなる幹線と、この幹線に含まれる電線のうち当該幹線から引き出された特定の複数の電線(分岐電線)同士を短絡回路により短絡させた短絡部とを備えたものが知られている。この短絡部において、前記短絡回路を形成する手段としてジョイントコネクタが用いられていた。

このような短絡部を含むワイヤハーネスが防水の必要な領域(防水エリア)で使用される場合には、内部に水分が浸入して端子の錆や漏電等の問題が生じないようにジョイントコネクタとして防水コネクタが用いられた。

この防水コネクタとしては、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。この防水コネクタは、図9及び図10に示されるように、電線220の端末に設けられた電線側端子221が接続される複数のコネクタ側端子201と、このコネクタ側端子を保持する絶縁ハウジング202と、絶縁ハウジング202内への水分の浸入を防止する防水蓋210と、防水蓋210を絶縁ハウジング202に固定するためのホルダー203とを備える。絶縁ハウジング202は、コネクタ側端子201に接続させるために各電線側端子221を挿入可能な形状の複数の端子収容室204を各コネクタ側端子201に対応する位置に有している。

このような防水コネクタ200では、電線側端子221が端子収容室204内に挿入されコネクタ側端子201に接続された状態で各端子収容室204の開口部204aを防水蓋210により塞ぎ、この防水蓋210をホルダー203によって絶縁ハウジング202に固定することにより絶縁ハウジング202(即ち、防水コネクタ200)内への水分の浸入が阻止され(図10参照)、当該浸入による端子の錆や漏電等が防がれる。

概要

コストの著しい上昇を伴うことなく、防水の必要な領域での使用が可能であるワイヤハーネスの短絡部を製造するための方法、及びこのワイヤハーネスの短絡部を提供することを課題とする。本発明は、各分岐電線14同士を短絡させる短絡部材30と内部で短絡部材30に電線側端子20が接続されるように当該短絡部材30を保持するハウジング40とを備えるコネクタJCを準備し、このコネクタJCに複数の分岐電線14を接続して分岐電線14同士をそれぞれ短絡させ、ハウジング40の内部に、流動性を有し且つ水分の浸入を防ぐための電気接点保護剤Gを充填し、ハウジング40の開口部を覆うように流動性を有する状態の硬化性樹脂を付着させ、硬化性樹脂を硬化させて電気接点保護剤Gが開口部から流出するのを防ぐ流出防止層55を形成することを特徴とする。

目的

本発明は、このような事情に鑑み、コストの著しい上昇を伴うことなく、防水の必要な領域での使用が可能であるワイヤハーネスの短絡部を製造するための方法、及びこのワイヤハーネスの短絡部を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
3件

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請求項1

複数の電線束ねられてなる幹線から引き出された特定の複数の分岐電線同士を短絡させるワイヤハーネスの短絡部の製造方法であって、前記複数の分岐電線の端末にそれぞれ設けられた電線側端子が接続されることにより前記各分岐電線同士を短絡させる短絡部材とその内部で前記短絡部材に前記電線側端子が接続されるように当該短絡部材を保持する絶縁ハウジングとを備えるジョイントコネクタを準備し、そのジョイントコネクタの短絡部材に前記複数の分岐電線の各電線側端子を接続することで分岐電線同士をそれぞれ短絡させる接続工程と、前記絶縁ハウジングの内部に、前記各電線側端子と前記短絡部とを接続させた状態でこれらを封止するように、流動性を有し且つ水分の浸入を防ぐための電気接点保護剤充填する充填工程と、前記絶縁ハウジングのうちその内部に充填された電気接点保護剤が外部に流出可能な開口部を覆うように流動性を有する状態の硬化性樹脂を付着させる付着工程と、前記硬化性樹脂を硬化させることにより、前記開口部から前記充填工程で充填された電気接点保護剤が外部に流出するのを防ぐ流出防止層を形成する硬化工程と、を備えることを特徴とするワイヤハーネスの短絡部の製造方法。

請求項2

請求項1に記載のワイヤハーネスの短絡部の製造方法において、前記硬化性樹脂は、光が照射されることにより硬化する光硬化性樹脂であり、前記硬化工程では、前記付着工程により絶縁ハウジングに付着した光硬化性樹脂に光を照射して当該光硬化性樹脂を硬化させることを特徴とするワイヤハーネスの短絡部の製造方法。

請求項3

ワイヤハーネスの短絡部であって、複数の電線が束ねられてなる幹線から引き出され、各端末に電線側接点がそれぞれ設けられた複数の分岐電線と、前記各電線側端子がそれぞれ接続されてこれら分岐電線同士を短絡させる短絡部材とその内部で前記電線側端子が前記短絡部材に接続するように当該短絡部材を保持する絶縁ハウジングとを有するジョイントコネクタと、前記各電線側端子と前記短絡部材とが接続した状態でこれらを封止するように前記絶縁ハウジングの内部に充填され、流動性を有し且つ水分の進入を防ぐための電気接点保護剤と、前記絶縁ハウジングのうちその内部に充填された電気接点保護剤が外部に流出可能な開口部を覆ってこの開口部から前記充填されている電気接点保護剤が外部に流出するのを防ぐための流出防止層とを備えることを特徴とするワイヤハーネスの短絡部。

技術分野

0001

本発明は、複数の電線束ねられてなり、自動車等の車両に設けられるワイヤハーネスにおいて、前記束ねられた複数の電線から引き出された特定の電線同士を短絡させる短絡部の製造方法、及びこの短絡部に関するものであって、特に、防水が必要な領域で使用可能なワイヤハーネスの短絡部の製造方法及びワイヤハーネスの短絡部に関する。

背景技術

0002

従来、車両に用いられるワイヤハーネスとして、複数の電線を束ねてなる幹線と、この幹線に含まれる電線のうち当該幹線から引き出された特定の複数の電線(分岐電線)同士を短絡回路により短絡させた短絡部とを備えたものが知られている。この短絡部において、前記短絡回路を形成する手段としてジョイントコネクタが用いられていた。

0003

このような短絡部を含むワイヤハーネスが防水の必要な領域(防水エリア)で使用される場合には、内部に水分が浸入して端子の錆や漏電等の問題が生じないようにジョイントコネクタとして防水コネクタが用いられた。

0004

この防水コネクタとしては、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。この防水コネクタは、図9及び図10に示されるように、電線220の端末に設けられた電線側端子221が接続される複数のコネクタ側端子201と、このコネクタ側端子を保持する絶縁ハウジング202と、絶縁ハウジング202内への水分の浸入を防止する防水蓋210と、防水蓋210を絶縁ハウジング202に固定するためのホルダー203とを備える。絶縁ハウジング202は、コネクタ側端子201に接続させるために各電線側端子221を挿入可能な形状の複数の端子収容室204を各コネクタ側端子201に対応する位置に有している。

0005

このような防水コネクタ200では、電線側端子221が端子収容室204内に挿入されコネクタ側端子201に接続された状態で各端子収容室204の開口部204aを防水蓋210により塞ぎ、この防水蓋210をホルダー203によって絶縁ハウジング202に固定することにより絶縁ハウジング202(即ち、防水コネクタ200)内への水分の浸入が阻止され(図10参照)、当該浸入による端子の錆や漏電等が防がれる。

先行技術

0006

特開2009−43444号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかし、上記のような防水コネクタ200は、一般的な非防水のジョイントコネクタに比べて構造が複雑で部品点数も多くなり高価であるため、その使用は著しいコストの増大を招く。

0008

本発明は、このような事情に鑑み、コストの著しい上昇を伴うことなく、防水の必要な領域での使用が可能であるワイヤハーネスの短絡部を製造するための方法、及びこのワイヤハーネスの短絡部を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0009

そこで、上記課題を解消すべく、本発明は、複数の電線が束ねられてなる幹線から引き出された特定の複数の分岐電線同士を短絡させるワイヤハーネスの短絡部の製造方法であって、前記複数の分岐電線の端末にそれぞれ設けられた電線側端子が接続されることにより前記各分岐電線同士を短絡させる短絡部材とその内部で前記短絡部材に前記電線側端子が接続されるように当該短絡部材を保持する絶縁ハウジングとを備えるジョイントコネクタを準備し、そのジョイントコネクタの短絡部材に前記複数の分岐電線の各電線側端子を接続することで分岐電線同士をそれぞれ短絡させる接続工程と、前記絶縁ハウジングの内部に、前記各電線側端子と前記短絡部とを接続させた状態でこれらを封止するように、流動性を有し且つ水分の浸入を防ぐための電気接点保護剤充填する充填工程と、前記絶縁ハウジングのうちその内部に充填された電気接点保護剤が外部に流出可能な開口部を覆うように流動性を有する状態の硬化性樹脂を付着させる付着工程と、前記硬化性樹脂を硬化させることにより、前記開口部から前記充填工程で充填された電気接点保護剤が外部に流出するのを防ぐ流出防止層を形成する硬化工程と、を備えることを特徴とする。

0010

かかる構成によれば、防水の必要な領域で使用可能なワイヤハーネスの短絡部を製造するのに、防水コネクタに比べて安価な非防水のジョイントコネクタを短絡回路を形成するための手段として用いることができる。そのため、ワイヤハーネスの短絡部の製造コストの著しい上昇を抑えることができる。即ち、各分岐電線が接続された後の非防水のジョイントコネクタに対して充填工程、付着工程及び硬化工程とにより確実な防水処理を施すことができる。

0011

具体的に、充填工程では、各電線側端子と短絡部材との接続により各電線側端子同士が短絡された状態にある絶縁ハウジングの内部に流動状態の電気接点保護剤を充填するだけの簡単な作業により、絶縁ハウジングの内部への水分の浸入が防がれ、各電線側端子及び短絡部材が水分から保護される状態が形成される。この状態で、さらに、付着工程で絶縁ハウジング表面の適所に流動性を有する硬化性樹脂を付着させ、その後はこれを硬化させるという簡単な作業で、電気接点保護剤を絶縁ハウジング内閉じ込めてその流出を防ぐ流出防止層を形成できる。従って、ゴム等からなるシール材及びこれを保持するための特殊な構造を用いることなく簡素な工程で防水ができる。

0012

本発明に係るワイヤハーネスの短絡部の製造方法においては、前記硬化性樹脂は、光が照射されることにより硬化する光硬化性樹脂であり、前記硬化工程では、前記付着工程により絶縁ハウジングに付着した光硬化性樹脂に光を照射して当該光硬化性樹脂を硬化させることが、好ましい。

0013

かかる構成によれば、熱硬化性樹脂(又は熱硬化樹脂)のように樹脂を硬化させる際に熱を加える必要がないため、熱に強くない材質の絶縁ハウジングを用いることができる。また、光硬化性樹脂は、自然乾燥や空気中の湿度を利用して硬化させる樹脂に比べて光を照射することにより短時間で樹脂を硬化させることができ、これにより製造時間を短縮することができる。

0014

また、上記課題を解消すべく、本発明は、ワイヤハーネスの短絡部であって、複数の電線が束ねられてなる幹線から引き出され、各端末に電線側接点がそれぞれ設けられた複数の分岐電線と、前記各電線側端子がそれぞれ接続されてこれら分岐電線同士を短絡させる短絡部材とその内部で前記電線側端子が前記短絡部材に接続するように当該短絡部材を保持する絶縁ハウジングとを有するジョイントコネクタと、前記各電線側端子と前記短絡部材とが接続した状態でこれらを封止するように前記絶縁ハウジングの内部に充填され、流動性を有し且つ水分の進入を防ぐための電気接点保護剤と、前記絶縁ハウジングのうちその内部に充填された電気接点保護剤が外部に流出可能な開口部を覆ってこの開口部から前記充填されている電気接点保護剤が外部に流出するのを防ぐための流出防止層とを備えることを特徴とする。

0015

このワイヤハーネスの短絡部によれば、製造コストの著しい上昇を抑えるために短絡回路を形成するための手段として防水コネクタに比べて安価な非防水のジョイントコネクタを用いても、防水の必要な領域で使用することができる。

0016

具体的に、上記の短絡部では、充填された電気接点保護剤が絶縁ハウジングの内部への水分の浸入を防いでこの水分から各電線側端子及び短絡部材を保護する。そして、絶縁ハウジングの適所を覆う流出防止層が流動性を有する電気接点保護剤の絶縁ハウジングの外部への流出を防いで各電線側端子及び短絡部材の電気接点保護剤による保護状態を維持する。

発明の効果

0017

上より、本発明によれば、コストの著しい上昇を伴うことなく、防水の必要な領域での使用が可能であるワイヤハーネスの短絡部を製造するための方法、及びワイヤハーネスの短絡部を提供することができる。

図面の簡単な説明

0018

本実施形態に係るワイヤハーネスの短絡部の製造過程において複数の分岐電線の端末に共通のジョイントコネクタが接続された状態を示す斜視図である。
前記短絡部が幹線用テープを用いて幹線上に固定された状態を示す斜視図である。
前記短絡部に含まれるジョイントコネクタであって、(A)は背面図であり、(B)は図3(A)のIIIB−IIIB縦断面図である。
前記ジョイントコネクタの断面底面図である。
(A)はIIIB−IIIB縦断面図に分岐電線が接続された状態を示し、(B)は分岐電線が接続された状態のジョイントコネクタの斜視図である。
(A)は図5(A)の絶縁ハウジングの内部に電気接点保護剤が充填された状態を示し、(B)は図5(A)の絶縁ハウジングの内部に電気接点保護剤が充填された状態を示す。
(A)は図6(A)の絶縁ハウジングの表面に流出防止層が形成された状態を示し、(B)は図6(B)の絶縁ハウジングの表面に流出防止層が形成された状態を示す。
図6(A)の絶縁ハウジングにおける開口部のみに流出防止層が形成された状態を示す。
従来の防水コネクタを分解した状態の縦断面図である。
前記防水コネクタの縦断面図である。

実施例

0019

以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。

0020

図1乃至図7(B)は、この実施形態に係るワイヤハーネス100の短絡部110を製造するための工程を示す。ワイヤハーネス100は、図1及び図2に示されるように、複数の電線10が束ねられてなる幹線12と、幹線12を構成する電線10のうちの複数本の電線10が分岐電線14として幹線12から引き出され、これら分岐電線同士を短絡させる短絡部110と、複数の電線10の結束状態を保持するために幹線12の周囲に巻付けられる幹線用テープ18とを含む。短絡部110では、各分岐電線同士を短絡させるための短絡回路を形成する手段としてジョイントコネクタJCが用いられる。

0021

具体的に、この実施の形態に係るワイヤハーネス100の短絡部110は次の手順にて製造される。

0022

<1>電線10の配索
複数本の電線10が束ねられることにより幹線12が形成されると共に、その電線10のうちの複数本(この実施の形態では4本)の電線が分岐電線14として幹線12から引き出される。各電線10には、いわゆる被覆電線が用いられ、当該電線10は導体とこれを被覆する絶縁被覆とをそれぞれ有する。

0023

尚、本実施形態では、各分岐電線14を共通のジョイントコネクタJCに接続するために、予め各分岐電線14の端末に図5(A)に示すような電線側端子20が装着されている。この電線側端子20は、雌型電気接触部22と電線圧着部24とを前後に有する。電気接触部22は、中空角筒状に形成されている。この電気接触部22の底壁からは、ジョイントコネクタJCに係止されるための被係止片28が外向きに突出している。

0024

各分岐電線14の端末には、予め、その絶縁被覆を除去して導体を露出させる処理が施されており、電線圧着部24は、導体の端末及びその近傍の絶縁被覆をそれぞれ抱き込むように曲げ加工されることにより、分岐電線14の端末に圧着され、その導体に電気的に接続されている。

0025

<2>ジョイントコネクタJCへの分岐電線14の接続
各分岐電線14に装着されている電線側端子20が図3(A)乃至図4に示されるようなジョイントコネクタJCに接続されることにより、当該電線側端子20同士の短絡が行われる。

0026

本実施形態にかかるジョイントコネクタJCは、単一の短絡用導体(短絡部材)30と、この短絡用導体30を保持するための絶縁ハウジング40とを備える。短絡用導体30は、導電材料からなり、各電線側端子20に共通して接続されることによりこれらの電線側端子20同士を短絡させる。絶縁ハウジング40は、合成樹脂等の絶縁材料により全体が一体に成型され、短絡用導体30を内部(端子収容室47)に格納した状態で保持することが可能な形状、具体的には当該短絡用導体30の厚み方向に幅広な形状を有する。

0027

この実施の形態に係る短絡用導体30は、単一の金属板を適当な形状に打ち抜くことにより形成された短絡用金属板からなり、複数の電気接触部32と、短絡部34とを一体に有する。各電気接触部32は、各電線側端子20の雌型の電気接触部22に嵌入可能な雄型タブ)の嵌合部であり、これらの電気接触部32がその幅方向と平行な方向に配列されている。短絡部34は、電気接触部32の配列方向に延び、この短絡部34に各電気接触部32の基端がつながっている。

0028

絶縁ハウジング40は、平板状の天壁41と、この天壁41と所定の間隔をおいて対向する底壁42と、両壁41,42の幅方向両端部同士(すなわち左側端部同士及び右側端部同士)をそれぞれつなぐ一対の側壁44とを一体に有する。これらの壁41,42,44は絶縁ハウジング40の外壁を構成する。天壁41と底壁42とは、平面視において同一の輪郭形状を有し、後端部が前方側の部位に比べて幅広に形成されている(図4参照)。

0029

外壁の後端側(図3(B)では右端側)は、導体保持部43A及び保護剤注入部43Bを構成する。これら導体保持部43A及び保護剤注入部43Bは、図3(A)に示すように絶縁ハウジング40において上下に並んでいる。導体保持部43A内に絶縁ハウジング40の後端に設けられた開口部43aから短絡用導体30の短絡部34が圧入されることにより、当該短絡部34が当該導体保持部43Aに保持される。また、保護剤注入部43B内に絶縁ハウジング40の後端に設けられた開口部43bから流動性を有する電気接点保護剤Gが注入されることにより、絶縁ハウジング40の内部が電気接点保護剤Gによって満たされる。

0030

導体保持部43Aは、短絡用導体30の短絡部34を保持する形状を有する。具体的には、短絡部34よりも一回り大きく、保護剤注入部43Bの上側で短絡用導体30の電気接触部32の配列方向に延びている部位である。また、導体保持部43Aは、短絡部34が後方図3(B)では右方)から挿入可能な短絡用金属板挿入口43aを有する。この挿入口43aから短絡部34が各電気接触部32を前方に向けた姿勢で導体保持部43A内に圧入される。より詳しくは、当該短絡部34の幅方向両端部に図4に示すような突起34aが形成されており、これらの突起34aが導体保持部43Aの内側面に食い込むことで導体保持部43Aに短絡部34が固定されている。

0031

保護剤注入部43Bは、開口部43bから注入された電気接点保護剤Gを端子収容室47に案内する形状を有する。具体的には、保護剤注入部43Bは、導体保持部43Aの下側でこの導体保持部43Aと共に短絡用導体30の電気接触部32の配列方向に延びている部位である。この保護剤注入部43Bは、端子収容室47に通じている注入用通路50を短絡用導体30の下方側に有する。この注入用通路50は、保護剤注入部43Bの後端で開口する注入用開口43bを介して絶縁ハウジング40の外部空間と通じている。この注入用通路50を通じて、注入用開口43bから保護剤注入部43Bに注入された電気接点保護剤Gが各端子収容室47に流入可能となっている。

0032

導体保持部43Aよりも前側の部分には、両側壁44と略平行な複数(図では3つ)の仕切り壁45がコネクタ幅方向に配列される。各仕切り壁45は、これに隣接する他の仕切り壁45または側壁44との間に端子収容室47を画定する。各端子収容室47は、前方に開口し、かつ、その開口から電線側端子20が挿入可能な形状を有する。また、各端子収容室47は、後方側の下部で注入用通路50と通じている。各端子収容室47内にはそれぞれ後方から短絡用導体30の各電気接触部32が突出しており、当該端子収容室47に挿入された電線側端子20の電気接触部22が電気接触部32と嵌合することにより当該電線側端子20と短絡用導体30とが電気的に導通する。

0033

底壁42は、保護剤注入部43Bに対応する位置がその前方の部位よりも下方に一段下がった段差形状を有し(図3(B)参照)、段差部42aの各端子収容室47に対応する位置にランス(端子係止部)46を有する。各ランス46は、段差部42aから後方に向って注入用通路50と端子収容室47との境界位置に沿って突出しており、底壁42の厚み方向に撓み変形することが可能な自由端部を有し、その自由端部に爪状の係止部46aが形成されている。この係止部46aは、挿入される電線側端子20と接触することにより撓み変形して下方に下がって当該電線側端子20の通過を許容し、その通過後に正規の位置に弾性的に復帰することにより前記電線側端子20の被係止片28を後方から拘束する(図5(A)参照)。つまり、ランス46は、電線側端子20をこの電線側端子20が電気接触部32と嵌合する位置に係止する。

0034

このように前記のジョイントコネクタJCでは、その端子収容室47内に各分岐電線14の端末の電線側端子20が挿入されて短絡用導体30の電気接触部32に嵌合されることにより、当該短絡用導体30を媒体とした電線側端子20同士の短絡が達成される(図5(A)及び図5(B)参照)。

0035

本実施形態では非防水のジョイントコネクタJCを用いているため、前記のように単にジョイントコネクタJCに分岐電線14が接続されただけの状態では絶縁ハウジング40の内部に水分が浸入する可能性がある。そこで、防水エリアでも使用可能とすべく、各分岐電線14が接続されたジョイントコネクタJCに、以下で説明する流動性を有する電気接点保護剤G及び硬化性樹脂を用いた防水処理が施される。これにより、簡素な作業であるにも関わらず効果的な防水処理が施され、防水エリアで使用可能なワイヤハーネス100の短絡部110が形成される。

0036

<3>ジョイントコネクタJCへの電気接点保護剤Gの充填
図6(A)及び図6(B)に示されるように、ジョイントコネクタJCに各分岐電線14が接続されて短絡部110が形成された状態(即ち、短絡用導体30の各電気接触部22と電線側端子20とがそれぞれ嵌合した状態)で絶縁ハウジング40の内部に流動性を有する電気接点保護剤Gが充填されることにより、各電線側端子20と短絡用導体30との封止が行われる。

0037

本実施形態のジョイントコネクタJCでは、保護剤注入部43Bの注入用開口43bから電気接点保護剤Gが注入される。電気接点保護剤Gは、流動性を有するため、注入用開口43bから圧入されることで注入用通路50を経て各端子収容室47に流入する。電気接点保護剤Gは、絶縁ハウジング40の内部が当該電気接点保護剤Gによって隙間なく満たされるまで注入される。具体的には、絶縁ハウジング40の後端の注入用開口43bから注入した電気接点保護剤Gが絶縁ハウジング40の前端における各端子収容室47の前方側の開口からそれぞれ出てくるまで電気接点保護剤Gが注入される。

0038

このように、各電線側端子20と短絡用導体30との接続により各電線側端子同士(即ち、分岐電線同士)が短絡された状態にある絶縁ハウジング40の内部に電気接点保護剤Gを充填するだけの簡単な作業により、絶縁ハウジング40の内部への水分の浸入がこの充填された電気接点保護剤Gにより防がれ、各電線側端子20及び短絡用導体30が水分から保護される状態が形成される。

0039

尚、本実施形態では、絶縁ハウジング40の内部に充填される電気接点保護剤Gとしてグリスが用いられているが、これに限定されない。即ち、電気接点保護剤Gは、絶縁ハウジング40の内部を満たすことで当該内部への水分の浸入を防いでこの水分から各電線側端子20及び短絡用導体30を保護でき、且つ、電線側端子20、短絡用導体30及び絶縁ハウジング40に接触しても化学反応を起こさないものであればよい。また、電気接点保護剤Gは、ジョイントコネクタJCに各分岐電線14が接続された後に絶縁ハウジング40の内部に注入してその内部を隙間なく満たすことができるように所定の流動性も必要である。但し、電気接点保護剤Gは、絶縁ハウジング40の内部に充填されたあと、後述する流出防止層55を形成するまでの間、絶縁ハウジング40の内部に留まることができる程度の粘度を有するものが好ましい。

0040

<4>ジョイントコネクタJCを覆う流出防止層55の形成
前記のように絶縁ハウジング40の内部に電気接点保護剤Gが充填されると、図7(A)及び図7(B)に示されるように、絶縁ハウジング40を覆う流出防止層55が形成されることにより、充填された電気接点保護剤Gが絶縁ハウジング40の内部に閉じ込められてその流出が防がれる。この流出防止層55は、硬化性樹脂により構成される。

0041

流出防止層55を形成するために、電気接点保護剤Gが充填された状態の絶縁ハウジング40を覆うように流動性を有する状態の硬化性樹脂を付着させる工程と、この付着させた硬化性樹脂を硬化させる工程とが行われる。

0042

硬化性樹脂を付着させる工程では、容器等に溜められた流動性を有する状態(硬化前の状態)の硬化性樹脂の中に分岐電線14が接続された状態のジョイントコネクタJCが浸けられる。その後、このジョイントコネクタJCが貯留された硬化性樹脂内から引き上げられると、絶縁ハウジング40の表面全体に硬化性樹脂が付着した状態となっている。即ち、貯留された流動性を有する硬化性樹脂の中に分岐電線14が接続されたジョイントコネクタJCをその全体が浸かるように沈めたあと引き上げるだけの簡単な作業によって、流動状態の硬化性樹脂により絶縁ハウジング40が隙間なく覆われた状態となる。

0043

次に、硬化性樹脂を硬化させる工程では、所定の方法によりジョイントコネクタJCを覆っている硬化性樹脂を硬化させる。例えば、本実施形態では、硬化性樹脂としてUV硬化樹脂紫外線硬化樹脂)が用いられ、この場合には紫外線が照射される。尚、硬化性樹脂として熱硬化樹脂が用いられる場合には熱が加えられ、可視光線硬化樹脂では可視光線が照射される。

0044

硬化性樹脂の硬化によって絶縁ハウジング40を覆う流出防止層55が形成される。この流出防止層55は、絶縁ハウジング40のうちその内部に充填された電気接点保護剤Gが外部に流出可能な開口部を含む絶縁ハウジング40の全体を覆うことで、電気接点保護剤Gを絶縁ハウジング40の内部に閉じ込めて外部への流出を防ぐ。

0045

以上のように非防水のジョイントコネクタJCに防水処理が施されることで、このジョイントコネクタJCを含む短絡部110が防水エリアに配設されても、絶縁ハウジング40内への水分の浸入が防がれ、これにより短絡部110における端子20、30等の錆や漏電等が防がれる。

0046

尚、このようにして形成された短絡部110は、幹線12上に配設され、当該幹線12を構成する電線10の周囲に、その結束状態を保持するように幹線用テープ18が螺旋状に巻付けられる(図2参照)。これにより防水エリアで使用可能な短絡部110を含むハーネス100が完成する。

0047

以上のように短絡部110が製造されることで、防水エリアで使用可能なワイヤハーネス100の短絡部110を製造するのに、防水コネクタに比べて安価な非防水のジョイントコネクタJCを短絡回路を形成するための手段として用いることができる。そのため、ワイヤハーネス100の短絡部110の製造コストの著しい上昇を抑えることができる。即ち、各分岐電線14が接続された後の非防水のジョイントコネクタJCの絶縁ハウジング40に対して電気接点保護剤Gを充填する工程とUV硬化樹脂を付着させこれを硬化して流出防止層55を形成する工程とにより確実な防水処理を施すことができる。

0048

具体的に、電気接点保護剤Gを充填する工程では、各電線側端子20と短絡用導体30との接続により各電線側端子同士が短絡された状態にある絶縁ハウジング40の内部に流動状態の電気接点保護剤Gを充填するだけの簡単な作業により、絶縁ハウジング40の内部への水分の浸入が防がれ、各電線側端子20及び短絡用導体30が水分から保護される状態が形成される。この状態で、さらに、絶縁ハウジング40表面に流動性を有する状態の硬化性樹脂を付着させ、その後はこれを硬化させるという簡単な作業で、電気接点保護剤Gを絶縁ハウジング40内に閉じ込めてその流出を防ぐ流出防止層55を形成できる。従って、ゴム等からなるシール材及びこれを保持するための特殊な構造を用いることなく簡素な工程で防水ができる。

0049

また、本実施形態のように硬化性樹脂としてUV硬化樹脂を用いた場合には、熱硬化性樹脂(又は熱硬化樹脂)のように樹脂を硬化させる際に熱を加える必要がないため、熱に強くない材質の絶縁ハウジング40を用いることができる。また、UV硬化樹脂は、自然乾燥や空気中の湿度を利用して硬化させる樹脂に比べて紫外線を照射することにより短時間で樹脂を硬化させることができ、これにより製造時間を短縮することができる。

0050

尚、本発明のワイヤハーネスの短絡部の製造方法及びワイヤハーネスの短絡部は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。

0051

例えば、上記実施形態では、絶縁ハウジング40の全体を覆うように流出防止層55が形成されているが、これに限定されない。即ち、図8に示されるように、流出防止層は、絶縁ハウジング40のうちその内部に充填された電気接点保護剤G(電気接点保護剤)が外部に流出可能な開口部のみを覆うように形成されてもよい。かかる開口部を流出防止層によって覆うことで、絶縁ハウジング40の他の部位を覆わなくても絶縁ハウジング40の内部に充填された電気接点保護剤Gの外部への流出を防ぐことができる。

0052

硬化性樹脂は、UV硬化樹脂や熱硬化樹脂、可視光線硬化樹脂に限定されない。硬化性樹脂は、自然乾燥や空気中の水分によって硬化する樹脂でもよい。即ち、硬化性樹脂は、絶縁ハウジング40に付着させるときに流動性を有し、その後で所定の方法(光線の照射や加熱、乾燥等)により硬化させることができる樹脂であればよい。

0053

また、硬化性樹脂を絶縁ハウジング40に付着させるときに、容器等に溜められた硬化性樹脂に絶縁ハウジングを浸けた後に引き上げる、いわゆるドブ漬けに限定されず、例えば、流動状態の硬化性樹脂を噴き付ける等の方法によって付着させてもよい。

0054

10電線
12幹線
14分岐電線
30短絡用導体(短絡部材)
40絶縁ハウジング
55流出防止層
100ワイヤハーネス
110短絡部
G電気接点保護剤
JC ジョイントコネクタ

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