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技術 無線送信機、無線受信機および無線送受信システム

出願人 サクサ株式会社
発明者 副島健治
出願日 2010年2月10日 (10年10ヶ月経過) 出願番号 2010-027136
公開日 2011年8月25日 (9年4ヶ月経過) 公開番号 2011-164951
状態 特許登録済
技術分野 温度及び熱量の測定 測定値信号、等のための伝送方式 送信機 受信機の回路一般
主要キーワード 温度送信 間歇動作 自励発振器 温度検出処理 温度カーブ PLL設定 空調管理 スキャニング処理
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2011年8月25日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (6)

課題

温度情報送受する場合の送信機受信機回路規模を大きくすることなく、精度良く安定に温度情報の送受を行えるようにする。

解決手段

送信機1は、周囲の温度と発振周波数とが1対1に対応する特性を有する基準発振器11により発振した発振信号に基づいて、PLL回路部12により送信用の信号を形成する。このPLL回路部12で形成した送信用の信号をそのまま(無変調のまま)、アンプ回路13、フィルタ回路14、送信アンテナ15を通じて送信する。受信側においては、受信した信号の周波数送信元の送信機1の基準発振器11の周波数温度特性とに基づいて、送信機近傍の温度を検出する。

概要

背景

例えば、室内空調機を適切に制御するために、室内の所定地点温度情報空調制御装置などの機器無線通信により通知することが行われている。この場合、温度情報の送信機温度センサなどで温度情報を収集し、自身のID(識別情報)とともに温度情報を電文情報ペイロード)として無線周波数に乗せて(変調して)送信する。一方、受信機は送信機からの信号を受信して、これを復調し、受信機のIDと電文情報とを抽出して、どの地点はどのような温度であるのかを把握する。このような方法が従来の一般的な方法である。

しかしながら、上述した従来の一般的な方法の場合、送信機側にはIDや電文情報を無線周波数の信号に変調する変調回路が必要である。また、受信機側には無線周波数の信号を復調する復調回路が必要である。このため、送信機、受信機の回路規模の大規模化や消費電力の増加を招くといった問題がある。また、回路増設による送信機、受信機のコストアップにもつながると言う問題もある。

このため、後に記す特許文献1には、温度検出部11により検出された温度に応じたチャンネル番号の搬送波送受することにより、変調、復調を行うことなく、温度情報を送受できるようにする温度送信装置、温度受信装置の発明が開示されている。この発明の場合、送受される搬送波の別により、温度情報を送受することができる。したがって、送信機には変調回路を設ける必要がなく、また、受信機には復調回路を設ける必要がないので、送信機と受信機との双方の回路構成単純化することができる。

概要

温度情報を送受する場合の送信機、受信機の回路規模を大きくすることなく、精度良く安定に温度情報の送受を行えるようにする。送信機1は、周囲の温度と発振周波数とが1対1に対応する特性を有する基準発振器11により発振した発振信号に基づいて、PLL回路部12により送信用の信号を形成する。このPLL回路部12で形成した送信用の信号をそのまま(無変調のまま)、アンプ回路13、フィルタ回路14、送信アンテナ15を通じて送信する。受信側においては、受信した信号の周波数送信元の送信機1の基準発振器11の周波数温度特性とに基づいて、送信機近傍の温度を検出する。

目的

また、VCOなどのいわゆる自励発振器は周囲の温度変化の影響を受けやすく、安定に目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

周囲の温度の変化に対応して発振周波数が変化し、周囲の温度と発振周波数とが1対1に対応する特性を有する発振手段と、前記発振手段で発振された周波数の信号に基づいて送信用の信号を形成する形成手段と、前記形成手段で形成された前記信号を無線送信する送信手段とを備えることを特徴とする無線送信機

請求項2

周囲の温度の変化に対応して発振周波数が変化し、周囲の温度と発振周波数とが1対1に対応する特性を有する発振手段で発振された周波数の信号に基づいて、送信用の信号を形成し、当該信号を無線送信する送信機からの前記信号を受信する受信手段と、前記受信手段で受信された前記信号の周波数を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記信号の周波数と前記送信機の前記発振手段の発振周波数と周囲の温度とに関する特性とに基づいて、前記送信機の周囲の温度を特定する特定手段とを備えることを特徴とする無線受信機

請求項3

請求項2に記載の無線受信機であって、前記検出手段は、基準発振手段からの基準信号に基づいて、目的とする周波数の信号を形成するPLL(Phase Lock Loop)回路部と、前記PLL回路部で形成する信号の周波数を、前記受信手段で受信する前記信号の周波数に対応して予め決められる所定範囲で変えるように制御する制御部と、前記受信手段で受信された前記信号と前記PLL回路部で形成された信号とを混合する混合回路部と、前記混合回路部で混合された信号の受信信号強度を検出する信号強度検出部と、前記信号強度検出部で検出された前記受信信号強度と当該受信信号強度の検出対象となった信号に前記混合回路部で混合された前記PLL回路部からの信号の周波数とを対応付けて管理し、前記受信信号強度が最も高いときの信号に混合された前記PLL回路部からの信号の周波数を、受信した信号の周波数として検出する検出部とからなることを特徴とする無線受信機。

請求項4

請求項2に記載の無線受信機であって、前記検出手段は、前記基準発振手段からの基準信号に基づいて、受信信号中間周波信号に変換するための信号を形成する信号形成部と、前記受信手段で受信された前記信号と前記信号形成部からの信号とを混合して、中間周波信号を形成する混合回路部と、前記混合回路部で混合された前記中間周波信号の周波数をカウントすることにより、当該中間周波信号の周波数を特定するカウント部と、前記カウント部で特定された前記中間周波信号の周波数に基づいて、前記受信手段で受信した信号の周波数を検出する検出部とからなることを特徴とする無線受信機。

請求項5

周囲の温度の変化に対応して発振周波数が変化し、周囲の温度と発振周波数とが1対1に対応する特性を有する発振手段と、前記発振手段で発振された周波数の信号に基づいて送信用の信号を形成する形成手段と、前記形成手段で形成された前記信号を無線送信する送信手段とを備える送信機と、前記送信機からの前記信号を受信する受信手段と、前記受信手段で受信された前記信号の周波数を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記信号の周波数と前記送信機の前記発振手段の発振周波数と周囲の温度とに関する特性とに基づいて、前記送信機の周囲の温度を特定する特定手段とを備える受信機とからなる無線送受信システム

技術分野

0001

この発明は、温度情報を送信するための無線送信機、温度情報を受信するための無線受信機、これらの機器からなるシステムに関する。

背景技術

0002

例えば、室内空調機を適切に制御するために、室内の所定地点の温度情報を空調制御装置などの機器に無線通信により通知することが行われている。この場合、温度情報の送信機温度センサなどで温度情報を収集し、自身のID(識別情報)とともに温度情報を電文情報ペイロード)として無線周波数に乗せて(変調して)送信する。一方、受信機は送信機からの信号を受信して、これを復調し、受信機のIDと電文情報とを抽出して、どの地点はどのような温度であるのかを把握する。このような方法が従来の一般的な方法である。

0003

しかしながら、上述した従来の一般的な方法の場合、送信機側にはIDや電文情報を無線周波数の信号に変調する変調回路が必要である。また、受信機側には無線周波数の信号を復調する復調回路が必要である。このため、送信機、受信機の回路規模の大規模化や消費電力の増加を招くといった問題がある。また、回路増設による送信機、受信機のコストアップにもつながると言う問題もある。

0004

このため、後に記す特許文献1には、温度検出部11により検出された温度に応じたチャンネル番号の搬送波送受することにより、変調、復調を行うことなく、温度情報を送受できるようにする温度送信装置、温度受信装置の発明が開示されている。この発明の場合、送受される搬送波の別により、温度情報を送受することができる。したがって、送信機には変調回路を設ける必要がなく、また、受信機には復調回路を設ける必要がないので、送信機と受信機との双方の回路構成単純化することができる。

先行技術

0005

特開平7−274263号公報

発明が解決しようとする課題

0006

ところで、上述した特許文献1に記載の技術の場合、送信機側には温度を検出するための例えばサーミスタなどを備えた温度検出部(温度センサ)が必要であるが、基本的に温度検出部の更なる簡略化は難しい。また、特許文献1に記載の技術の場合、送信機側には検出した温度に応じた周波数の搬送波を形成するために制御部やVCO(Voltage Controlled Oscillator)等の可変周波数発振器も必要になる。

0007

この場合の制御部は、温度検出部の検出結果に応じて、VCO等の可変周波数発振器を制御するものであり、その構成如何によっては回路規模の増大を招く可能性がある。また、VCOなどのいわゆる自励発振器は周囲の温度変化の影響を受けやすく、安定に目的とする周波数の信号を発振できない場合もあると考えられる。

0008

以上のことに鑑み、この発明は、送信機近傍の温度情報を検出して送信機が受信機に送信する場合において、送信機と受信機との双方の回路規模を大きくすることなく、精度良く安定に温度情報の送受を行えるようにすることを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の無線送信機は、
周囲の温度の変化に対応して発振周波数が変化し、周囲の温度と発振周波数とが1対1に対応する特性を有する発振手段と、
前記発振手段で発振された周波数の信号に基づいて送信用の信号を形成する形成手段と、
前記形成手段で形成された前記信号を無線送信する送信手段と
を備えることを特徴とする。

0010

この請求項1に記載の発明の無線送信機によれば、周囲の温度と発振周波数とが1対1に対応する特性を有する発振手段により発振された周波数の信号に基づいて、形成手段により送信用の信号が形成される。そして、形成手段で形成された送信用の信号がそのまま(無変調のまま)、送信手段を通じて無線送信される。

0011

これにより、無線送信機に温度検出のためだけに設けられる温度センサや送信信号を形成するための変調手段を設けることもなく、自機の周囲の温度を検出してこれを送信する信号の周波数により受信側に通知することができるようにされる。すなわち、回路規模を大きくすることなく、周囲の温度情報を検出して精度良く安定に送信することができる無線送信機を実現することができるようにされる。

0012

また、請求項2に記載の発明の無線受信機は、
周囲の温度の変化に対応して発振周波数が変化し、周囲の温度と発振周波数とが1対1に対応する特性を有する発振手段で発振された周波数の信号に基づいて、送信用の信号を形成し、当該信号を無線送信する送信機からの前記信号を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信された前記信号の周波数を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記信号の周波数と前記送信機の前記発振手段の発振周波数と周囲の温度とに関する特性とに基づいて、前記送信機の周囲の温度を特定する特定手段と
を備えることを特徴とする。

0013

この請求項2に記載の発明の無線受信機によれば、周囲の温度と発振周波数とが1対1に対応する特性を有する発振手段で発振された周波数の信号に基づいて形成されて、送信機から無変調のまま無線送信される信号が受信手段により受信される。そして、受信手段で受信された信号の周波数が検出手段により検出され、この検出された周波数と、当該信号を送信してきた送信機が有する発振手段の発振周波数と周囲の温度とに関する特性とに基づいて、当該送信機の周囲の温度が特定される。

0014

これにより、無線送信機からの温度情報を示す信号は無変調の信号であるので、受信機側に復調手段を設けること無く、無線送信機からの温度情報を受信して適切に温度情報を把握することができるようにされる。すなわち、回路規模を大きくすることなく、送信機側の温度情報を精度良く安定に受信することができる無線受信機を実現することができるようにされる。

発明の効果

0015

この発明によれば、送信機と受信機との双方の回路規模を大きくすることなく、送信機と受信機との間において、送信機近傍の温度情報を精度良く安定に無線により送受することができる。

図面の簡単な説明

0016

この発明の無線送信機の一実施形態が適用された無線送信機1を説明するためのブロック図である。
図1に示した無線送信機1の基準発振器11の発振周波数と周囲の温度とに関する特性を説明するための図である。
この発明の無線受信機の一実施形態が適用された無線受信機2を説明するためのブロック図である。
図1に示した無線送信機1から送信される信号と、図3に示した無線受信機2において行われる処理とを説明するための図である。
図3に示した無線受信機2において行われる処理を説明するためのフローチャートである。

実施例

0017

以下、図を参照しながら、この発明による無線送信機、無線受信機、無線送受信システムの一実施形態について説明する。

0018

[無線送信機1の構成]
まず、この実施形態の無線送信機1について説明する。図1は、この実施形態の無線送信機(以下、単に送信機という。)1の構成例を説明するためのブロック図である。この実施形態の送信機1は、図1に示すように、基準発振器11、PLL回路部12、アンプ回路増幅回路)13、フィルタ回路14、送信アンテナ15を備えている。PLL回路部12は、図1に示したように、位相比較器121、LPF(Low Pass Filter)122、VCO(Voltage Controlled Oscillator)123、分周器124からなるものである。なお、分周器124において、「1/N」との記載は分周比を示すものである。

0019

そして、この実施形態の図1に示した送信機1において、基準発振器11が重要な特徴を有するものである。すなわち、基準発振器11は、周囲の温度変化に対応して、温度が上昇すれば発振周波数も単調増加し、周囲の温度と発振周波数の関係において変曲点を形成しないという性質を有するものである。換言すれば、基準発振器11は、周囲の温度と発振周波数とが1対1に対応するという特性(周波数温度特性)を有するものである。

0020

図2は、発振器の周波数温度特性について説明するための図である。図2において、横軸は温度を示し、縦軸は発振周波数を示している。そして、図2において実線グラフAは、図1に示した送信機1の基準発振器11の特性を示している。また、図2において点線のグラフBは、基準発振器11以外の発振器の特性の一例を示している。

0021

図2において点線のグラフBで示した特性を有する発振器の場合、例えば、周波数F1のときの周囲の温度はT1の場合とT1´の場合との2つが存在する。このように、点線のグラフBで示した特性を有する発振器の場合には、図2において周波数F2から周波数F1の間においては、同じ周波数に対して少なくとも2つ以上の異なる温度が対応する可能性のある特性となっている。

0022

これに対して、図2において実線のグラフAで示した特性を有する送信機1の基準発振器11の場合には、周囲の温度変化に対して発振周波数が単調増加し、変曲点は無く、必ず周囲の温度と発振周波数とが1対1に対応している。このように、実線のグラフAで示した特性を有する送信機1の基準発振器11の場合には、基準発振器11の発振周波数が分かれば、基準発振器11(送信機1)の近傍の温度を一意に特定することができるようになっている。

0023

このため、この実施形態の送信機1においては、基準発振器11において発生させた発振周波数の信号に基づいて送信用の信号を形成し、この形成した信号を変調することなく、そのまま送信するようにしている。しかし、複数の場所にこの実施形態の送信機1を配置して、それぞれの場所の温度を受信側に通知するようにしたい場合もある。この場合、それぞれの場所に設置されるそれぞれの送信機1が同じ周波数の送信信号を用いたのでは、受信側でそれぞれの場所の温度情報を個別に把握することができない。そこで、この実施形態の送信機1においては、PLL回路部12の機能により、異なる場所に設置される送信機毎に、分周器124の分周比を変えることにより用いる送信信号の周波数帯域を異ならせるようにしている。

0024

ここで、PLL回路部12を含めた送信機1の動作について説明する。基準発振器11からの発振周波数の信号aはPLL回路部12の位相比較器121に供給される。また、位相比較器121には、VCO123からの出力信号cの周波数が分周器124において1/N(N分の1)に分周された信号bも供給される。位相比較器121は、基準発振器11からの信号aと分周器124からの信号bとの位相を比較し、両方の位相が一致するように(両方の周波数が同じになるように)、VCO123を制御するための電圧制御信号を形成し、これをLPF122を通じてVCO123に供給する。

0025

LPF122は位相比較器121からの電圧制御信号の不要な高域成分を除去するものである。これにより、VCO123は、位相比較器121からの電圧制御信号により制御され、基準発振器11からの発振周波数の信号aに基づくと共に、分周器124の分周比に応じて形成される目的とする周波数の送信用の信号を発生させる。そして、VCO123からの発振信号(送信用の信号)は、アンプ回路13において所定のレベルにまで増幅された後に、目的とする帯域の周波数成分のみを通過させるフィルタ回路14を通じて送信アンテナ15に供給され、この送信アンテナ15を通じて放射(送信)される。

0026

これにより、図2において実線のグラフAで示したような周囲の温度と発振周波数とが1対1に対応する基準発振器11からの発振信号に基づいてPLL回路部12で形成さえる送信用の信号が、後述する受信機に向けて送信するようにされる。この場合、基準発振器11は、周囲の温度と発振周波数とが1対1に対応する特性を有しているので、周囲の温度情報を通知する情報を含んだものとなっている。以上が、この実施形態の送信機1の基本的な動作である。

0027

そして、上述もしたように、図1に示したように構成される送信機1を複数の場所に設置し、それぞれの場所の温度を受信機側に通知するようにしたい場合もある。そこで、設置場所の異なる送信機1毎にPLL回路部12の分周器124の分周比を異ならせることにより、基準発振器11からの発振信号に基づいて形成される送信用の信号であっても、その周波数を異ならせるようにする。このようにすることによって、受信側において受信した信号が、どの送信機からの信号であるかを区別することができるようにしている。

0028

そして、図1に示したように構成される送信機1A、1Bを用意し、送信機1AはX地点に、送信機1BはX地点から離れたY地点に設置する場合を考える。そして、同様に構成される送信機1A、1Bに搭載されている基準発振器11が、図2において実線のグラフAで示した特性を有し、例えば、周囲の温度が25℃(セ氏25度)のときに発振周波数が100kHzの信号を発生させるものであったする。この場合、X地点に設置する送信機1Aの分周器124における分周比を1/1001(N=1001)にすると、VCO123から出力される信号の周波数は、100.1MHzになる。また、Y地点に設置する送信機1Bの分周器124における分周比を1/1002(N=1002)にすると、VCO123から出力される信号の周波数は、100.2MHzになる。

0029

このように設置される場所に応じて送信機1の分周器124における分周比を異ならせることにより、設置される場所の異なる送信機1毎に送信用の信号の取り得る周波数範囲(周波数帯域)が重なり合うことが無いように、周波数範囲をシフトさせるようにして送信用の信号を形成することができる。そして、形成される送信用の信号は、基準発振器11からの発振信号に応じたものであり、基準発振器11の周波数温度特性を変化させること無く、当該周波数温度特性に応じたものとなる。したがって、受信側においては、当該送信信号の周波数に基づいて、送信元である送信機1の近傍の温度を精度良く認識することができるようにされる。

0030

すなわち、図1を用いて説明したように構成される複数の送信機1を用いて、多数箇所温度測定を行うようにする場合には、複数の送信機1のそれぞれの送信信号の周波数を基準発振器11の温度偏差以上に離すようにすることで、複数の送信機1からのそれぞれの温度情報を把握することができるようにされる。

0031

なお、基準発振器11の温度偏差は、基準発振器11が認識可能な温度(母集団)に属する各温度と、基準発振器11が認識可能な温度(母集団)の平均値との差を意味する。したがって、当該差(温度偏差)以上に、複数のそれぞれの送信機1の送信信号の周波数を異なるようにしておくことにより、それぞれの送信機からの送信信号のそれぞれを受信機側で認識することができるようにされる。また、単純に、温度の測定場所の過去の最低温度最高温度に基づいて、これらを含む範囲で周波数を異ならせるように、複数の送信機1のそれぞれの分周器124の分周比を異ならせるなど、種々の方法を用いて、複数の送信機1毎に送信信号の周波数を異ならせる範囲を決めることが可能である。

0032

[無線受信機2の構成]
次に、この実施形態の無線受信機2について説明する。図3は、この実施形態の無線受信機(以下、単に受信機という。)2の構成例を説明するためのブロック図である。この実施形態の受信機2は、図2に示すように、受信アンテナ21、アンプ回路22、25、フィルタ回路23、26、ミキサー回路24、A/D(analog/digital)変換器27、制御部28、基準発振器29、PLL回路部30を備えている。

0033

制御部28は、図3に示すように、CPU(central Processing Unit)281、ROM(Read only Memory)282、不揮発性メモリ283、図示しない時計回路等がCPUバスを通じて接続されて構成されたいわゆるマイクロコンピュータである。ここで、CPU281は、ROM282に記憶されているプログラム読み出して実行することにより、分周器34の分周比を所定時間間隔切り換えるようにする分周比切換制御信号を形成して分周器34に供給したり、詳しくは後述もするが、A/D変換器27からのRSSI(受信信号強度)と送信機1の基準発振器11の周波数温度特性とから受信した送信機1からの送信用の信号の周波数を特定したりするなどの処理を行うものである。

0034

また、ROM282は、CPU281によって実行される各種のプログラムや処理に必要になるデータ等が予め記録されたものである。また、不揮発性メモリ283は、例えばEEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等の電源非供給時においても記憶を保持することができると共に、記憶情報書き換えが可能なものである。そして、この実施形態において受信機2の不揮発性メモリ283には、例えば図2において実線で示したグラフAを用いて説明したような送信機1の基準発振器11の周波数温度特性(周波数温度カーブ情報)が予め記憶保持するようにされている。

0035

また、受信機2の基準発振器29は、上述した送信機1の基準発振器11とは異なり、十分に温度補償されたものである。具体的に基準発振器29は、温度補償型水晶発振器(TCXO:temperature-compensated crystal oscillator)や恒温槽付水晶発振器(OCXO:oven-controlled crystal oscillator)等が用いられる。もちろん、これらは一例であり、十分に温度補償されたものであれば、種々の発振器を用いることが可能である。また、受信機2のPLL回路部30は、送信機1のPLL回路部12と同様の構成を有するものであり、図3に示すように、位相比較器31、LPF32、VCO33、分周器34からなるものである。なお、分周器30において、「1/N」との記載は分周比を示すものである。

0036

そして、この実施形態の受信機2は、上述した送信機1から送信された無変調の送信用の信号を受信して、これを詳細に分析することにより、当該送信用の信号の周波数を特定する。そして、受信機2は、特定した周波数に基づいて、当該送信用の信号を送信した送信機1の周囲の温度(送信機1の近傍の温度)を把握する。ここで、受信機2の動作の概要を示せば次のようになる。受信機2においては受信した信号(送信機1からの送信用の信号)に対して、PLL回路部30において一定時間間隔で一定周波数分ずつずらすように形成する信号を混合する。そして、混合後の信号の受信信号強度(RSSI:Received Signal Strength Indication)を検出するようにし、最も強いRSSI値を探索することにより、受信した送信機1からの信号の周波数を特定する。

0037

この場合、受信機2は、図2において実線のグラフAに示したような送信機1の基準発振器11の周波数温度特性(周波数温度カーブ情報)を予め保持しており、当該特性情報と特定した送信機1からの信号の周波数とを付け合せることにより、受信した信号を送信してきた送信機1の近傍の温度を把握する。

0038

次に、この実施形態の受信機2の動作についてより詳細に説明する。送信機1から送信された送信用の信号は、受信機2の受信アンテナ21を通じて受信される。受信された信号は、アンプ回路22において所定のレベルにまで増幅された後、フィルタ回路23において帯域制限されて余分な周波数帯域の信号が取り除かれた後にミキサー回路24に供給される。ミキサー回路24には、PLL回路部30からの信号も供給される。そして、ミキサー回路24は、受信した信号に対してPLL回路部30からの信号を混合して出力する。

0039

PLL回路部30の基本的な構成及び動作は、図1に示した送信機1のPLL回路部12と同様である。しかし、送信機1のPLL回路部12の分周器124の分周比は予め決められたものであるのに対して、受信機2のPLL回路30の分周器34の分周比は、制御部28の制御により一定時間間隔で一定量ずつ変えられるようにされる。

0040

ここで、制御部28により制御されるPLL回路部30の動作について具体例を示して説明する。送信機1からの送信信号は、基準発振器11が有する図2の実線のグラフAで示した周波数温度特性に対応し、例えば、25℃で100.1MHzの周波数の信号であるとする。この場合、受信機2の基準発振器29は、送信機1の基準発振器11と同様に100kHzの周波数の信号を発振させるものであるが、送信機1の基準発振器11とは異なり、上述もしたように十分に温度補償されたものである。

0041

そして、受信機2の制御部28は、予め決められる周波数範囲である例えば、100.090MHz〜100.110MHzまで、1msec(ミリ秒)毎に0.001MHz(1kHz)分ずつ周波数を変えるように、PLL回路部30の分周器34の分周比を制御する。したがって、分周器34の分周比は、1/1000.9から1/1001.1までの間において、1msec(ミリ秒)毎に0.01ずつ値を変えるように制御されることになる。

0042

すなわち、図3に示した受信機2のPLL回路部30においては、基準発振器29からの発振信号aが位相比較器31に供給される。また、位相比較器31には、VCO33からの出力信号が分周器34において1/N(N分の1)に分周されて形成された信号bが供給される。位相比較器31は、基準発振器29からの信号aと分周器34からの信号bとの位相を比較し、両方の位相が一致するように(両方の周波数が同じになるように)、VCO33を制御するための電圧制御信号を形成し、これをLPF32を通じてVCO33に供給する。

0043

ここで、LPF32は位相比較器31からの電圧制御信号の不要な高域成分を除去するものである。これにより、VCO33は、位相比較器31からの電圧制御信号により制御され、基準発振器29からの発振信号aに基づくと共に、分周器34の分周比に応じて形成される目的とする周波数の出力信号を発生させる。そして、上述したように、分周器34の分周比は一定時間間隔毎(1msec毎)に所定値分ずつ(0.01ずつ)変えられるように制御されるので、VCO33からの出力信号は、所定時間間隔毎に異なる周波数の信号となるようにされる。

0044

これにより、受信機2において受信アンテナ21を通じて受信され、アンプ回路22、フィルタ回路23を通じてミキサー回路24に供給された信号は、ミキサー回路24において、PLL回路部30からの一定時間毎に周波数が所定量分ずつ変えられる信号と混合される。ここで混合処理された信号は、アンプ回路25において増幅された後、フィルタ回路26を通じてA/D変換器27に供給される。

0045

フィルタ回路26は、送信機1から送信される信号の周波数帯域に対応して、十分に狭い所定帯域の信号のみを通過させるものである。このように、フィルタ回路26の通過帯域を十分に狭くすることによって、周波数分解能を上げることができる。ここで、周波数分解能は、デジタル制御において設定できる周波数の最小単位を意味する。したがって、フィルタ回路26で絞り込んだ周波数帯域の信号のみを通過させることにより、信号の周波数を精度良く検出することができるようにされる。

0046

そして、フィルタ回路26からの信号は、A/D変換器27に供給され、ここでアナログ信号からデジタル信号に変換され、当該デジタル信号が制御部28に供給される。したがって、制御部28には、一定時間毎(上述の例では1msec毎)に異なるデジタル信号が供給される。制御部28は、PLL回路30の分周器34の分周比を一定時間毎に制御しているので、A/D変換器27からの信号が、どの分周比の時のものか対応付けて管理することができる。

0047

換言すれば、制御部28は、A/D変換器27からのデジタル信号が、ミキサー回路24において混合されたPLL回路部30からの信号の周波数がどの周波数のときのものかを対応付けて管理することができる。これにより、制御部28においては、A/D変換器27からのデジタル信号の内、最も値が大きいデジタル信号に対応するPLL回路部30からの出力信号の周波数を、送信機1から送信された送信信号の周波数として特定することができる。

0048

すなわち、上述もしたように、ミキサー回路24においては、受信アンテナ21を通じて受信され、アンプ回路22、フィルタ回路23を通じて供給された送信機1からの送信信号と、PLL回路部30からの信号とが混合される。この場合、同調率が高ければ、ミキサー回路24からの出力信号の信号レベルは高くなり、逆に同調率が低ければミキサー回路24からの出力信号の信号レベルは低くなる。そして、送信機1からの送信信号は、無変調信号であるので、PLL回路部30からの信号と混合した後にA/D変換することにより、受信信号強度に応じた信号レベルを示すデジタル信号に変換される。したがって、制御部28において、最も受信信号強度が強い信号を受信したときのPLL回路部30からの出力信号の周波数を、送信機1からの送信信号の周波数として特定することができるのである。

0049

なお、ここでは説明を簡単にするため、送信機1からの送信信号が、25℃で100.1MHzの周波数の信号である場合を例にして説明した。しかし、複数の送信機1を用いて複数個所の温度を検出する場合であっても、複数の送信機1毎に混合する信号の周波数範囲を適切に制御することによって、複数の送信機1毎に、その近傍の温度を適切に検出することができる。すなわち、複数の送信機1を用いる場合であっても、各送信機1毎に、いわゆるサーチ処理スキャニング処理)する周波数範囲を異ならせるだけで、送信機1毎に特別に異なる処理を行う必要は無い。

0050

[複数個所の温度を検出する場合の具体例]
次に、図1を用いて説明した構成を有する複数の送信機1と、図3を用いて説明した構成を有する受信機2とにより構成される無線送受信システムにおいて行われる複数個所の温度情報の検出処理について具体的に説明する。ここでは、図1に示した構成を有する送信機1A、1B、…のそれぞれを異なる箇所(場所)に設置し、そのそれぞれからの無変調信号を受信機2が受信して、送信機1A、1B、…のそれぞれの近傍の温度を把握する場合の例について説明する。

0051

図4は、この例の送信機1A、1B、…から送信される送信信号と、受信機2における処理の内容を説明するための図である。この例の場合、送信機1A、1B、…のそれぞれから送信される送信信号は、いわゆる430MHz帯近傍の信号とされる。

0052

そして、この例の場合、図4(A)に示すように、送信機1Aは25℃で429.5MHzの送信用の信号を送信するように分周器134の分周比が設定されたものとする。したがって、分かりやすく説明すれば、送信機1Aの基準発振器11が、例えば100kHzの発振周波数のものであるとすると、分周器134の分周比は1/4295となる。そして、この例では、送信機1Aは、429.508MHzの送信用の信号を形成して送信しているものとする。

0053

また、図4(A)に示すように、送信機1Bは25℃で429.4MHzの送信用の信号を送信するように分周器134の分周比が設定されたものである。したがって、分かりやすく説明すれば、送信機1Aの基準発振器11が、例えば100kHzの発振周波数のものであるとすると、分周器134の分周比は1/4294となる。そして、この例では、送信機1Bは、429.403MHzの送信用の信号を形成して送信しているものとする。なお、この例において、送信機1A、1B、…のそれぞれは、−25℃〜+65℃の温度変化に対応して、発振周波数は±0.01MHzの範囲内で変化するものである。

0054

これに対して、受信機2においては、後述もするように初期導入時において、各送信機のそれぞれ毎に送信信号の受信処理を行うことによって、送信機毎の送信信号の周波数範囲や分周比などの周波数情報を把握するようにする周波数情報把握処理を行っている。これにより、受信機2は、複数の送信機のそれぞれ毎に、用いられる送信信号の周波数範囲や分周比を予め把握し、これを管理することができるようにしている。

0055

そして、受信機2においては、複数の送信機のそれぞれ毎に、複数の送信機のそれぞれに応じた周波数範囲においてRSSI(受信信号強度)のサーチ処理を行うことによって、送信機毎に送信信号の周波数を特定する。この特定した送信信号の周波数と、送信機の基準発振器11の周波数温度特性とに基づいて、送信機毎に、各送信機近傍の温度を検出するようにしている。以下に説明する例において受信機2は、各送信機における周囲の温度が25℃における送信信号の周波数を中心にして、前後に0.001MHz単位に10ステップずつの範囲でサーチ処理を行うものとする。

0056

具体的には、図4(B)に示すように、受信機2は、まず送信機1Aの周囲の温度を検出する処理を行なう。図4(A)を用いて上述したように、送信機1Aは、25℃において429.5MHzの送信信号を送信するものである。このため、受信機2は、429.490MHzから0.001MHzずつ429.510MHzまで、PLL回路部30からの出力信号cの周波数を0.1msec毎に変化させて、RSSIを測定するようにし、当該0.1msec間におけるRSSIの平均値を順次に求め、制御部28のRAM283に一時記憶する。

0057

この場合、各0.1msec間におけるRSSIの平均値は、その時のPLL回路部30からの出力信号の周波数と対応付けて管理される。そして、最もRSSIの平均値(RSSI値)が大きいときの、PLL回路部30からの出力信号の周波数(PLL設定周波数)が、送信機1Aの送信信号の周波数として特定される。そして、上述もしたように、送信機1Aの特定した送信信号の周波数と、制御部28の不揮発性メモリ283に記憶保持されている送信機1Aの基準発振器11の周波数温度特性とに基づいて、送信機1A近傍の温度を特定する。この例の場合には、特定した送信信号の周波数と送信機の基準発振器11の周波数温度特性とに基づいて、送信機1A近傍の温度は例えば55℃であると検出することができる。

0058

なお、不揮発性メモリ283に記憶保持されている送信機1Aの基準発振器11の周波数温度特性が、基準発振器11における周波数レベル(kHzレベル)の特性である場合には、制御部28は、特定した送信機1の送信信号の周波数に分周比を掛け算する。すなわち、特定した送信信号の周波数×(1/4295)なる演算を行うことにより、特定した周波数を基準発振器11における周波数レベルのものに変換し、これと不揮発性メモリ283に保持している基準発振器11の周波数温度特性とを付け合せることにより、送信機1近傍の温度を求めることができる。

0059

もちろん、不揮発性メモリ283に記憶保持されている送信機1Aの基準発振器11の周波数温度特性が、送信信号の周波数レベル(MHzレベル)の特性である場合には、特定した周波数をそのまま用いて、当該周波数温度特性を参照することにより、送信機1A近傍の温度を検知することができる。しかしこの場合、周波数温度特性は、複数の送信機のそれぞれ毎に、送信信号の周波数レベル(MHzレベル)の周波数温度特性を示す情報を不揮発性メモリ283に用意しておく必要がある。

0060

そして、受信機2は、上述したようにして、送信機1A近傍の温度を検出した後、次の送信機1Bの周囲の温度を検出する処理を行なう。図4(A)を用いて上述したように、送信機1Bは、25℃において429.4MHzの送信信号を送信するものである。このため、受信機2は、429.390MHzから0.001MHzずつ429.410MHzまで、PLL回路部30からの出力信号cの周波数を0.1msec毎に変化させて、RSSIを測定するようにし、当該0.1msec間におけるRSSIの平均値を順次に求め、上述もしたように制御部28のRAM283に一時記憶する。

0061

すなわち、各0.1msec間におけるRSSIの平均値は、その時のPLL回路部30からの出力信号の周波数と対応付けて管理される。そして、上述した送信機1A近傍の温度を検出場合と同様に、最もRSSIの平均値(RSSI値)が大きいときの、PLL回路部30からの出力信号の周波数(PLL設定周波数)が、送信機1Bの送信信号の周波数として特定される。そして、送信機1Bの特定した送信信号の周波数と、制御部28の不揮発性メモリ283に記憶保持されている送信機1Bの基準発振器11の周波数温度特性とに基づいて、送信機1B近傍の温度を特定することができる。この例の場合には、特定した送信信号の周波数と送信機の基準発振器11の周波数温度特性とに基づいて、送信機1B近傍の温度は例えば37℃であると検出することができる。

0062

更に、他の送信機1C、1D、…等が存在する場合には、上述した送信機1A、1Bに対して行ったように、PLL回路部30において形成する出力信号cの周波数範囲を各送信機に応じて変えながら、RSSI値を検出するためのいわゆるサーチ処理を行うことにより、他の送信機1C、1D、…のそれぞれの近傍の温度を検出することができる。

0063

[受信機2の動作のまとめ]
上述したように、送信機1は、図2において実線のグラフAで示したような周波数温度特性を有する基準発振器11からの発振信号に基づいて形成される送信用の信号を形成し、これを変調などすることなくそのまま送信するものである。これに対して、受信機2は、図4(B)を用いて説明したように、複数の送信機毎に周波数範囲を変えながら、受信した信号のRSSI値のサーチ処理(スキャニング処理)を行う。そこで、この実施形態の受信機2の動作をより明確なものとするため、図6のフローチャートを参照しながら、受信機2において行われる送信機近傍の温度の検出処理についてまとめる。

0064

ここでは、説明を簡単にするため、異なる場所に設置される複数の送信機1のそれぞれは、図1には図示しなかったが時計回路やカウンタ回路の機能により、所定の時間間隔毎に一定時間動作して送信信号を送信し、当該一定時間の動作後においては送信動作休止して、次の動作時間を待つものとする。すなわち、複数の送信機1のそれぞれは、周期的に間歇動作するものであり、当該周期も各送信機間においてほぼ同一周期となっているものとする。このため、受信機2においては、常時、送信機1からの送信信号を受信するようにしており、送信機からの送信用の信号を受信した場合に、各送信機の近傍の温度検出処理を実行するものとする。また、以下においては、説明を簡単にするため、複数の送信機1のそれぞれを、送信機TXiとし、変数iにより異なる送信機を示すものとする。

0065

図5は、受信機2において行われる送信機近傍の温度の検出処理を説明するためのフローチャートである。上述したように、受信機2の制御部28は、常時、送信機1からの送信信号を受信するようにしており、送信機からの送信用の信号を受信した場合に、図5に示したフローチャートの処理を実行する。実際には、目的とする周波数帯域の信号を受信した場合に、図5に示す処理を実行することになる。

0066

そして、受信機2の制御部28は、まず、複数の送信機TXiを特定するための変数iに、値「1」を設定し、最初の送信機TX1を処理の対象とするようにする(ステップS101)。次に、制御部28は、PLL回路部30の分周器34を制御し、送信機TXiの初期周波数の信号をVCO33から出力するように設定する(ステップS102)。そして、制御部28は、所定時間(例えば、0.1msec)の間において受信信号強度(RSSI)を測定し、その平均値を不揮発性メモリ283に保持する(ステップS103)。この場合、測定したRSSIの平均値は、その時のPLL回路部30からの出力信号の周波数と対応付けて保持される。

0067

次に、制御部28は、PLL回路部30の分周器34を制御し、サーチの単位周波数(例えば、0.001MHz)だけ、PLL回路部30の設定周波数を変化させる(ステップS104)。この後、制御部28は、所定時間(例えば、0.1msec)の間において受信信号強度(RSSI)を測定し、その平均値を不揮発性メモリ283に保持する(ステップS105)。この場合にも、測定したRSSIの平均値は、その時のPLL回路部30からの出力信号の周波数と対応付けて保持される。

0068

そして、制御部28は、送信機TXiに対する所定の周波数範囲(サーチ範囲)においての、RSSIの測定を終了したか否かを判断する(ステップS106)。このステップS106の判断処理は、図4(B)を用いて説明した送信機1Aの例の場合であれば、429.490MHz〜429.510MHzまでの間において、RSSIの測定処理が完了したか否かを判断する処理である。ステップS106の判断処理において、送信機TXiに対する所定の周波数範囲(サーチ範囲)においての、RSSIの測定を終了していないと判断したときには、ステップS104からの処理を繰り返すようにする。

0069

ステップS106の判断処理において、送信機TXiに対する所定の周波数範囲(サーチ範囲)においての、RSSIの測定を終了したと判断したときには、最もRSSIの平均値の大きかったPLL設定周波数を検出する(ステップS107)。このステップS107の処理は、当該サーチ範囲において測定したRSSIの平均値の内、最も大きなRSSIの平均値に対応付けられたPLL回路部30からの出力信号の周波数を、送信機TXiの送信信号の周波数として検出する処理である。

0070

そして、制御部28は、ステップS107において検出した送信機TXiの送信信号の周波数と、不揮発性メモリ283に保持している送信機の基準発振器11の周波数温度特性とに基づいて、送信機TXi近傍の温度を算出(特定)する(ステップS108)。この後、制御部28は、全ての送信機について送信機近傍の温度を算出し終えたか否かを判断する(ステップS109)。すなわち、受信機2の制御部28は、いくつの送信機からの信号を受信すべきかを予め把握しているので、その把握している台数分の送信機についての処理を終了したか否かを確認するための処理が、ステップS109の判断処理である。

0071

ステップS109の判断処理において、全ての送信機について送信機近傍の温度を算出し終えていないと判断したときには、送信機を特定するための変数iに値「1」を加算して(ステップS110)、ステップS102からの処理を繰り返すようにする。ステップS109の判断処理において、全ての送信機について送信機近傍の温度を算出し終えたと判断したときには、制御部28は、この図5に示す処理を終了する。

0072

このように、受信機2は、送信機TXiからの送信信号を受信した場合に、図5に示した処理を実行することにより、各送信機TXiの近傍の温度を検知することができるようにされる。

0073

なお、ここでは、複数の送信機1のそれぞれは、周期的に間歇動作するものであり、当該周期も複数の送信機間でほぼ同一周期となっているものとして説明した。しかし、これに限るものではない。複数の送信機1のそれぞれから常時、基準発振器11の発振信号に応じて形成される送信信号を送信する。そして、受信機2においては、受信機2が必要とする場合において能動的に図5に示した処理を実行し、複数の送信機1のそれぞれの近傍の温度を検出するようにすることも可能である。

0074

[変形例]
[送信機1の変形例]
上述した実施形態においては、送信機1A、1B、…というように、複数の送信機1を用いる場合、各送信機の構成は同じであるものとしたので、それぞれの送信機の基準発振器11も同じ周波数温度特性を有するものとして説明した。しかし、これに限るものではない。例えば、異なる場所に設置される送信機毎に、基準発振器を図2の実線のグラフAで示した特性を有するが、発振周波数の異なる基準発振器を用いるようにすることもできる。この場合には、各送信機の基準発振器の発振周波数が温度によって変化する周波数範囲が重なり合わない基準発振器を用いるようにすることによって、PLL回路部12の分周比を送信機毎に変えなくてもよいようにすることができる。

0075

なお、各送信機で用いられる基準発振器11の周波数温度特性は、温度と周波数とが1対1に対応する種々の特性のものを用いることができることは言うまでもない。

0076

[受信機2の変形例]
上述した実施形態の受信機2においては、受信信号強度(RSSI)の所定時間当たりの平均値を用いることにより、送信機1からの送信信号の周波数を特定するようにした。しかし、これに限るものではない。例えば、PLL回路部30で形成される信号とのミキサー回路24での混合処理(ミキシング処理)により受信した信号をダウンコンバートしてIF(Intermediate Frequency)信号を形成するようにする。そして、この形成したIF信号低周波の信号)の周波数をカウントすることにより得た情報に基づいて、送信機からの送信信号の周波数を特定することも可能である。

0077

この場合、受信機2のPLL回路部30は、受信した信号をIF信号に変換するための混合用信号を形成するものとなる。また、この場合、図3に示した受信機2におけるA/D変換器27に替えて、IF信号の周波数をカウントしてIF信号の周波数を検出し、これをデジタル信号に変化して制御部28に供給するカウント部を設けることになる。

0078

そして、制御部28においては、当該カウント部からのIF信号の周波数に基づいて、受信した送信機1からの送信信号の周波数を検出することになる。したがって、この場合、制御部28の不揮発性メモリ283には、IF信号と、ダウンコンバート前の受信した信号の周波数とを対応付けたテーブルを予め用意しておくことになる。

0079

[送信機1と受信機2に共通する変形例]
上述した実施形態において、送信機1のPLL回路部12は分周器124を備え、受信機2のPLL回路部30は分周器34を備えるものとして説明した。しかし、これに限るものではない。考え方として、分周器に替えていわゆる逓倍器を用いて、目的とする周波数の出力信号を形成するPLL回路を構成することもできる。すなわち、VCOからの出力信号の周波数を逓倍(N倍)して、基準発振器の発振周波数よりも低い周波数の信号をPLL回路部によって形成することも可能である。

0080

例えば、送信機1において、基準発振器11が十分に高い周波数の信号を発振させるものである場合には、PLL回路部12において、VCO123からの信号を逓倍することにより、目的とする周波数の出力信号を形成するようにすることも可能である。同様に、受信機2において、基準発振器29が十分に高い周波数の信号を発振させるものである場合には、PLL回路部30において、VCO33からの信号を逓倍することにより、目的とする周波数の出力信号を形成するようにすることも可能である。

0081

[実施形態の効果]
上述した実施形態から分かるように、送信機1においては変調を必要とせず、このため受信機2においては復調を必要としないので、送信機1、受信機2の回路構成を簡略化することができる。また、送信機1には温度センサや電文生成回路を搭載しなくても済むので、小面積省スペース)、低消費電力低コストのいずれをも達成することができる。また、送信機1、受信機2ともその回路構成を単純化することができるので、送信機1側の温度情報を精度良く安定に送受することができる。そして、上述した実施形態から分かるように、この発明は、多数箇所の温度を計測して空調管理を行うようなシステムに対して特に有効である。

0082

[この発明のシステムと方法]
なお、上述した実施形態の説明からも分かるように、上述した実施形態の少なくとも1台以上の送信機1と受信機2とからなるシステムが、この発明による無線送受信システムに対応するものである。そして、上述した実施形態の少なくとも1台以上の送信機1と受信機2とからなるシステムにおいて行われる送信機近傍の温度の検出方法が、この発明のシステムで用いられる温度情報送受信方法となる。

0083

具体的には、この発明のシステムで用いられる温度情報送受信方法は、送信機1から、周囲の温度の変化に対応して発振周波数が変化し、周囲の温度と発振周波数とが1対1に対応する特性を有する基準発振器11で発振された周波数の信号に基づいて形成される信号を送信し、受信機2において送信機1からの送信信号を受信し、この受信した信号の周波数を検出し、この検出した周波数と送信側の基準発振器11の周波数温度特性とに基づいて、送信側の周囲の温度を特定するものとなる。

0084

[その他]
そして、上述した実施形態においては、送信機1において、基準発振器11が無線送信機における発振手段としての機能を実現している。また、送信機1のPLL回路部12が形成手段としての機能を実現している。また、主に送信アンテナ15が無線送信機における送信手段としての機能を実現している。

0085

また、上述した受信機2において、主に受信アンテナ21が無線受信機における受信手段としての機能を実現している。また、受信機2において、PLL回路部30とミキサー回路24とA/D変換器27と制御部28とからなる部分が無線受信機における検出手段としての機能を実現している。また、受信機2において、制御部28が無線受信機における特定手段としての機能を実現している。

0086

そして、受信信号強度(RSSI)を用いて受信した信号の周波数を検出する検出手段を構成する部分として、受信機2のPLL回路部30がPLL回路部の機能を実現している。また、受信機2のミキサー回路24が混合回路部としての機能を実現している。また、受信機2のA/D変換器27が信号強度検出部としての機能を実現している。また、受信機2の制御部28が制御部および検出部の機能を実現している。

0087

また、受信機2の変形例として説明したように、ダウンコンバートして形成するIF信号の周波数をカウントすることにより得た情報に基づいて、送信機からの送信信号の周波数を検出する検出手段を構成することもできる。この場合の検出手段を構成する部分として、受信機2のPLL回路部30が信号形成部の機能を実現することになる。また、受信機2のミキサー回路24が混合回路部としての機能を実現することになる。また、受信機2のA/D変換器27に替えて設けられるカウント部がカウント部としての機能を実現することになる。また、受信機2の制御部28が検出部の機能を実現することになる。

0088

なお、上述もしたように、少なくとも1台以上の送信機1と受信機2とからなるシステムの初期導入時(システムの始動時)には、受信機2に対して、1以上の送信機1のそれぞれの送信信号の周波数情報(例えば、周波数範囲など)を認識させる必要がある。このため、初期導入時において、1以上の送信機1のそれぞれ毎に、受信機2において送信信号の受信処理を行うようにし、1以上の送信機1毎の周波数情報を特定すると共に、当該1以上の送信機1毎の周波数情報と設置位置とを対応付ける周波数情報把握処理を行う。

0089

しかし、従来のIDにより個別認識を用いる場合であっても、いわゆる縁組作業(互いのIDを交換し、通信設定を行う作業)が必要であり、この発明のシステムにおいて、初期導入時に行う周波数情報把握処理は、従来システムにおける縁組作業に相当するものであり、この発明のシステムにおいて、従来のシステムに比べて特別に必要な処理が増えるものではない。

0090

また、上述した実施形態では、基準発振器11、29の発振周波数や、分周器124、34の分周比、送信機1からの送信用の信号の周波数、受信機2におけるRSSIのサーチ範囲(周波数範囲)等について具体例を示して説明した。しかし、示した具体例はあくまでも一例であり、想定される使用環境等に応じて、上述した基準発振器の発振周波数、分周器の分周比、送信用の信号の周波数、RSSIのサーチ範囲等は、適宜のものとすることができる。また、図1図3に示した分周器124、分周器34で用いる分周比は整数であってもよいし、非整数であってもよい。

0091

1…送信機、11…基準発振器、12…PLL回路部、121…位相比較器、122…LPF、123…VCO、124…分周器、13…アンプ回路、14…フィルタ回路、15…送信アンテナ、2…受信機、21…受信アンテナ、22…アンプ回路、23…フィルタ回路、24…ミキサー回路、25…アンプ回路、26…フィルタ回路、27…A/D変換器、28…CPU、29…基準発振器、30…PLL回路、31…位相比較回路、32…LPF、33…VCO、34…分周器

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