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技術 直噴過給式の多シリンダ内燃エンジンの残留燃焼気体の掃気方法

出願人 イエフペエネルジヌヴェル
発明者 ギョームブレション
出願日 2011年1月18日 (8年7ヶ月経過) 出願番号 2011-007676
公開日 2011年8月4日 (8年0ヶ月経過) 公開番号 2011-149429
状態 特許登録済
技術分野 機関出力の制御及び特殊形式機関の制御
主要キーワード 連結解除装置 開閉シーケンス 排気気体 一リフト 空圧アクチュエータ 掃気動作 圧縮部分 燃焼気体
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2011年8月4日)のものです。
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図面 (4)

課題

燃焼室の形状を悪化させずに燃焼室への過給空気充填を増加させつつ、ほとんど全ての残留燃焼気体を排出可能にする単純な構成の掃気方法を提供する。

解決手段

本発明は、燃焼気体掃気段階が、エンジン排気行程(E)中に少なくとも1つの排気弁(18)を開閉するシーケンスと、排気弁の開閉シーケンス中に少なくとも1つの吸気弁(28)を開閉する少なくとも1つのシーケンスと、によって実施される、上死点(PMH)と下死点(PMB)との間を往復運動するピストンを有する直噴式多シリンダ内燃エンジン(10)、特にディーゼル形式のエンジンの残留燃焼気体を掃気する方法に関する。本発明の方法は、排気行程の下死点(PMBe)後のあるクランク角度(e1)で排気弁(18)を開閉するシーケンスを開始することと、当該シーケンスを遅くとも次の上死点(PAHe)で終了することを含む。

概要

背景

公知のように、内燃エンジンによって得られる出力は、エンジン燃焼室に供給される空気の量に依存しており、この空気の量自体は空気の密度に比例する。

したがって、この空気の量は、一般に、高出力が必要な場合に燃焼室内に供給される前の外部の空気の圧縮によって増加する。過給と呼ばれるこの動作は、ターボ圧縮機や、スクリュー圧縮機のような駆動圧縮機などの任意の手段を使用して実施することができる。

さらに、シリンダの燃焼室内の空気の量を増加させるために、元々燃焼室の排除容積(dead volume)内に含まれている残留燃焼気体が、ピストン上死点の位置で排出され、過給空気と置き換えられる。この段階を、より一般的には燃焼気体掃気と呼び、一般にはエンジンの排気行程の終了前に実施される。

フランス特許出願公開第2,886,342号(以下、特許文献1と呼ぶ。)で知られるように、この掃気は、シリンダの排気弁吸気弁とをオーバーラップさせることによって、エンジンの排気行程の終了時、かつ吸気行程の開始時に実施される。このオーバーラップは、これらの吸気弁と排気弁とを、数度から数十度のクランク回転角度の間に同時に開くことによって実現される。

したがって、吸入気体は、燃焼室に含まれている排気気体を追い出し、排気行程の終了前に燃焼室に供給される。したがって、この排気気体は、排気弁を通して排出されて、吸入気体と置き換えられる。

この種類のエンジンは、満足な結果をもたらすが、決して些細とは言えない欠点がある。

実際に、そのような掃気はピストンに深い凹部を必要とし、その結果、燃焼室の形状や燃料混合気燃焼の経過が悪化する。さらに、この種類のエンジンは、排気弁の開く角度と吸気弁の閉じる角度とを共に修正することが必要である。

本出願人によって出願されているフランス特許出願公開第2,926,850号(以下、特許文献2と呼ぶ。)は、別の残留燃焼気体の掃気方法を開示している。この掃気方法では、排気弁の開閉シーケンスはエンジンの排気行程中に実施され、この排気弁の開閉シーケンス中に、残留燃焼気体の掃気を実現するように吸気弁の開閉シーケンスが実施される。

概要

燃焼室の形状を悪化させずに燃焼室への過給空気の充填を増加させつつ、ほとんど全ての残留燃焼気体を排出可能にする単純な構成の掃気方法を提供する。本発明は、燃焼気体の掃気段階が、エンジンの排気行程(E)中に少なくとも1つの排気弁(18)を開閉するシーケンスと、排気弁の開閉シーケンス中に少なくとも1つの吸気弁(28)を開閉する少なくとも1つのシーケンスと、によって実施される、上死点(PMH)と下死点(PMB)との間を往復運動するピストンを有する直噴式多シリンダ内燃エンジン(10)、特にディーゼル形式のエンジンの残留燃焼気体を掃気する方法に関する。本発明の方法は、排気行程の下死点(PMBe)後のあるクランク角度(e1)で排気弁(18)を開閉するシーケンスを開始することと、当該シーケンスを遅くとも次の上死点(PAHe)で終了することを含む。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
1件

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請求項1

燃焼気体掃気段階が、エンジン排気行程(E)中に少なくとも1つの排気弁(18)を開閉するシーケンスと、前記排気弁の開閉シーケンス中に少なくとも1つの吸気弁(28)を開閉する少なくとも1つのシーケンスと、によって実施される、上死点(PMH)と下死点(PMB)との間を往復運動するピストンを有する直噴式多シリンダ内燃エンジン(10)、特にディーゼル形式のエンジンの残留燃焼気体掃気する方法において、前記排気行程の下死点(PMBe)後のあるクランク角度(e1)で前記排気弁(18)を開閉するシーケンスを開始することと、該シーケンスを遅くとも次の上死点(PAHe)で終了することと、を含むことを特徴とする方法。

請求項2

前記排気弁(18)の開閉シーケンスを開始する前記クランク角度(e1)で、前記吸気弁(28)の開閉のシーケンスを開始することを特徴とする、請求項1に記載のエンジンの残留燃焼気体を掃気する方法。

請求項3

前記排気弁(18)の開閉シーケンスを開始する前記クランク角度(e1)後のあるクランク角度(a1)で、前記吸気弁(281)の開閉シーケンスを開始することを特徴とする、請求項1に記載のエンジンの残留燃焼気体を掃気する方法。

請求項4

遅くとも前記排気行程(E)の終了時に前記吸気弁(28)を閉じることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のエンジンの残留燃焼気体を掃気する方法。

請求項5

吸気圧力(Pa)と排気圧力(Pe)の圧力差が最も大きくなる前記排気行程の領域(a1−PMHa)で、前記吸気弁(28)の少なくとも1つの開閉シーケンスを実施することを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載のエンジンの残留燃焼気体を掃気する方法。

請求項6

前記排気弁のリフトの高さよりも低くなるように前記排気行程中に前記吸気弁(281)のリフトの高さを減少させることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載のエンジンの残留燃焼気体を掃気する方法。

技術分野

0001

本発明は、直噴過給式の内燃エンジン残留燃焼気体掃気する方法に関する。

背景技術

0002

公知のように、内燃エンジンによって得られる出力は、エンジン燃焼室に供給される空気の量に依存しており、この空気の量自体は空気の密度に比例する。

0003

したがって、この空気の量は、一般に、高出力が必要な場合に燃焼室内に供給される前の外部の空気の圧縮によって増加する。過給と呼ばれるこの動作は、ターボ圧縮機や、スクリュー圧縮機のような駆動圧縮機などの任意の手段を使用して実施することができる。

0004

さらに、シリンダの燃焼室内の空気の量を増加させるために、元々燃焼室の排除容積(dead volume)内に含まれている残留燃焼気体が、ピストン上死点の位置で排出され、過給空気と置き換えられる。この段階を、より一般的には燃焼気体の掃気と呼び、一般にはエンジンの排気行程の終了前に実施される。

0005

フランス特許出願公開第2,886,342号(以下、特許文献1と呼ぶ。)で知られるように、この掃気は、シリンダの排気弁吸気弁とをオーバーラップさせることによって、エンジンの排気行程の終了時、かつ吸気行程の開始時に実施される。このオーバーラップは、これらの吸気弁と排気弁とを、数度から数十度のクランク回転角度の間に同時に開くことによって実現される。

0006

したがって、吸入気体は、燃焼室に含まれている排気気体を追い出し、排気行程の終了前に燃焼室に供給される。したがって、この排気気体は、排気弁を通して排出されて、吸入気体と置き換えられる。

0007

この種類のエンジンは、満足な結果をもたらすが、決して些細とは言えない欠点がある。

0008

実際に、そのような掃気はピストンに深い凹部を必要とし、その結果、燃焼室の形状や燃料混合気燃焼の経過が悪化する。さらに、この種類のエンジンは、排気弁の開く角度と吸気弁の閉じる角度とを共に修正することが必要である。

0009

本出願人によって出願されているフランス特許出願公開第2,926,850号(以下、特許文献2と呼ぶ。)は、別の残留燃焼気体の掃気方法を開示している。この掃気方法では、排気弁の開閉シーケンスはエンジンの排気行程中に実施され、この排気弁の開閉シーケンス中に、残留燃焼気体の掃気を実現するように吸気弁の開閉シーケンスが実施される。

先行技術

0010

フランス特許出願公開第2,886,342号
フランス特許出願公開第2,926,850号

発明が解決しようとする課題

0011

上記のような掃気方法には、排気圧力掃気行程の終了のはるか前に吸気圧力よりも高くなることがあるという欠点が伴う。

0012

これは、一般的に、隣接するシリンダからの排気気体の圧力波(pressure wave)が、一般的には排気マニフォールドを通して、掃気中のシリンダの排気弁に到達し、その結果シリンダの排気圧力を増加させるためである。

0013

シリンダの高い排気圧力によって燃焼気体の排気部への排出が妨げられ、それによって、過給されている吸入気体が燃焼室に供給されることを妨げる。そのため、燃焼室に含まれる過給空気の量は、所望のエンジン出力を得るために十分ではなくなる。

0014

本発明は、燃焼室の形状を悪化させずに燃焼室への過給空気の充填を増加させつつ、ほとんど全ての残留燃焼気体を排出可能にする単純な構成の掃気方法によって、前述の欠点を克服することを目的としている。

課題を解決するための手段

0015

本発明は、燃焼気体の掃気段階が、エンジンの排気行程中に少なくとも1つの排気弁を開閉するシーケンスと、排気弁の開閉シーケンス中に少なくとも1つの吸気弁を開閉する少なくとも1つのシーケンスと、によって実施される、上死点と下死点との間を往復運動するピストンを有する直噴式多シリンダ内燃エンジン、特にディーゼル形式のエンジンの残留燃焼気体を掃気する方法において、排気行程の下死点後のあるクランク角度で排気弁を開閉するシーケンスを開始することと、当該シーケンスを遅くとも次の上死点で終了することと、を含むことを特徴とする方法に関する。

0016

本方法は、排気弁の開閉シーケンスを開始するクランク角度で、吸気弁の開閉のシーケンスを開始することを含んでいて良い。

0017

本方法は、排気弁の開閉シーケンスを開始するクランク角度後のあるクランク角度で、吸気弁の開閉シーケンスを開始することを含んでいて良い。

0018

本方法は、遅くとも排気行程の終了時に吸気弁を閉じることを含んでいて良い。

0019

本方法は、吸気圧力と排気圧力の圧力差が最も大きくなる排気行程の領域で、吸気弁の少なくとも1つの開閉シーケンスを実施することを含んでいても良い。

0020

本方法は、排気弁のリフトの高さよりも低くなるように排気行程中に吸気弁のリフトの高さを減少させることを含んでいても良い。

0021

本発明のその他の特徴や利点は、添付の図面を参照して、非限定的な例による以降の説明を読むことで明らかになろう。

図面の簡単な説明

0022

本発明の方法を使用する過給内燃エンジンの模式図である。
掃気中のシリンダの吸気弁および排気弁の様々なリフト規則(L)を示す曲線を、本発明の方法を使用するエンジンのクランク回転(クランク角度°Vで表されている)の関数として示す図である。
シリンダの吸気(Pa)と排気(Pe)の位置での圧力(P:バールで示されている)を、クランク回転(クランク角度°Vで表されている)の関数として示す曲線を表わすグラフである。

実施例

0023

以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。

0024

図1に示されている内燃エンジンは、自己着火形式の過給内燃エンジン、特にディーゼルエンジンであり、吸気行程A、圧縮行程C、膨張行程Dおよび排気行程Eを有する4ストロークモードで動作する。

0025

このエンジンは、少なくとも2つのシリンダ10、ここでは4つのシリンダ101〜104を有している。シリンダの内部では、燃料混合気の燃焼が行われる燃焼室12を区切ることによって、ピストン(不図示)が上死点(PMH)と下死点(PMB)との間の直線的な往復運動でスライドしている。

0026

公知のように、この燃料混合気は、再循環排気気体EGR)と混合された過給空気と燃料との混合気か、過給空気と燃料との混合気である。

0027

シリンダ10は、排気弁18のような遮断手段に連結された排気管16を有する少なくとも1つ、本例では2つの燃焼気体排出手段14を有している。

0028

排気管16は、排気マニフォールド20内で終端しており、燃焼気体を燃焼室12から排出できるようにしている。排気マニフォールド20は、排気ライン22に接続されている。

0029

このシリンダ10は、吸気弁28のような遮断手段によって制御された吸気管26を有する少なくとも1つ、ここでは2つの吸気手段24を有している。

0030

通常、吸気マニフォールド30は、複数の吸気管26に接続されており、新気(通常過給されており、再循環排気気体と混合されていたりされていなかったりする)を複数の燃焼室12に分配できるようにしている。

0031

吸気マニフォールドは、ターボ圧縮機36の圧縮部分34の出口ライン32によって接続されているのに対して、排気マニフォールド20は、ターボ圧縮機36のタービン38の入口にライン22によって接続されている。

0032

吸気弁28の開閉は、これらの弁のリフト規則を変化させることができる任意の公知の手段によって制御することができる。これらの手段は、より具体的には、高出力が必要なエンジンの動作条件、特に低いエンジン回転数でのこれらの弁の2段リフト、または中間および高いエンジン回転数での通常の動作条件下における単一リフトを達成できるようにする。

0033

そのため、これらの弁の2つのリフト規則を実現できるようにするVVA(可変弁作動)カムシャフト形式の制御手段40が使用される。第1の規則によって、エンジンの排気行程E中に吸気弁28を開閉する少なくとも1つのシーケンスを実行し、これに続き、吸気行程A中にこれらの弁を開閉する従来のシーケンスを実行することができる。別のリフト規則によって、エンジンの吸気行程A中に吸気弁28を開閉するシーケンスだけを実行することができる。

0034

非限定的な例として、このカムシャフトは、エンジンの排気行程Eおよび吸気行程A中にこれらの吸気弁28に対して2段のリフト規則を実現できるようにする、第2のカム連動するカムだけでなく、エンジンの吸気行程A中に吸気弁28の単一のリフトを実現するように、複数のカムのうちの1つ、たとえば第2のカムを動作不能にする連結解除装置を有する。

0035

排気弁18の開閉は、これらの弁のリフト規則を変化させることができる制御手段42によって制御することができる。これらの手段も、排気行程E中に排気弁を閉じるクランク角度の修正と共にまたは修正なしに、これらの排気弁が開き始めるクランク角度の変化を実現できるようにするVVA(可変弁作動)カムシャフト形式である。

0036

もちろん、本発明の範囲から逸脱することなく、これらの制御手段40,42は、弁棒直接作用する電磁アクチュエータ電気空圧アクチュエータまたはその他の、各弁用の具体的な制御手段であって良い。

0037

「リフト」という用語は、パイプオリフィスを開き始める瞬間からオリフィスが完全に開いた位置まで、そしてこのオリフィスが閉じ終わる瞬間までの弁の動きを(2つの軸線に沿った)グラフ的に表現したものに対応する。

0038

このエンジンは、吸気マニフォールド30内の吸気圧力Paおよび排気マニフォールド20内の排気圧力Pe、エンジン回転数またはエンジンの負荷などのような、データ線46によって送信された複数のエンジンパラメータの値に基づいて、車両のドライバの要求を満たすようにエンジンが発生すべき出力を評価することを可能にする、マップまたはデータチャートを収容するエンジン計算機と呼ばれる処理ユニット44も有している。

0039

より正確には、この計算機44によって、これらの値に従って、吸気弁28の単一または2段のリフトを実現するように、制御手段40に作用している制御線48を通して吸気弁28のリフト規則を制御することができる。この計算機44は、開および/または閉に対するクランク角度を修正できるように、制御手段42に作用する制御線50を通して排気弁18のリフト規則を制御できるようにすることもできる。

0040

したがって、エンジンが高出力の要求に対応する条件下で動作しなければならないときには、この計算機は、吸気マニフォールド24内で記録された圧力Paが排気マニフォールド内での圧力Peよりも高い場合、燃焼室12に存在している残留燃焼気体を掃気するようにエンジンを制御する。

0041

この図に示している例では、エンジンは行程(cycle)1、3、4、2で動作する。ここで、燃焼行程中のクランク軸が所定の回転角度の時に、シリンダ101は排気行程Eの最後かつ吸気行程Aの最初であって、吸気弁と排気弁とが同時に開くことによって燃焼室に存在している燃焼気体を掃気する段階にあり、次のシリンダ102は排気弁および吸気弁が閉じた位置にある圧縮行程にあり、シリンダ103は排気弁が開いている排気行程Eにあり、最後のシリンダ(シリンダ104)は排気弁および吸気弁が閉じている膨張行程にある。

0042

掃気されるシリンダの燃焼気体を掃気する段階中に、排気行程Eにあるシリンダから来て排気マニフォールド20内を循環する排気気体の圧力波が排気気体の排出を妨げないようにするために、排気されるシリンダ10の排気弁の開き始めのクランク角度が修正される。そのため、排気弁が閉じるまで、排気圧力よりも吸気圧力の方がより高くなるように、この圧力波のピークが対象のシリンダの掃気段階の最後またはその後に来るようにすることが可能である。

0043

図2は、開いている位置(O)と閉じている位置(F)との間の掃気中のシリンダ10の吸気弁28および排気弁18のさまざまなリフト規則を表わす複数の曲線を、クランク回転角度(°V)の関数として示している。

0044

この図は、これらのクランク角度における吸気圧力Paと排気圧力Peとの複数の曲線を示している図3と関連している。

0045

燃焼気体掃気される技術を有する特許文献2に記載のエンジンについては、細い曲線で示しているように、排気弁Seは、(エンジンの排気行程Eの間は)燃焼室内に含まれている排気気体を排気マニフォールド20に向けて排出するように、ピストンの排気下死点(PMBe)と吸気上死点(PMHa)との間は従来の開閉シーケンスに従う。

0046

排気弁Seのこの開閉シーケンスの間に、残留燃焼気体の掃気を実現するために吸気弁28の開閉シーケンスが実行される。

0047

図3からわかるように、この従来技術の排気圧力曲線Peaaは、下死点PMBeの後に位置している吸気圧力曲線Paとの交点P1を有しており、この交点P1以降では排気圧力が吸気圧力よりも低くなっている。この曲線Peaaは、吸気上死点PMHaの前に、吸気圧力曲線Paとの別の交点P2を有しており、この交点P2以降では排気圧力が吸気圧力よりも高くなっている。曲線Peaaは、隣接するシリンダ10からの排気圧力波との組み合わせに起因する圧力ピーク領域Pemaxまで連続しており、それから圧縮下死点PMBcの周辺まで減少する。

0048

この構成においては、排気圧力の方がより高くなるような圧力差により、燃焼気体は点P2からもはや掃気されないのに対し、排気弁18と吸気弁28とは開いている位置のままである。この点P2から排気弁18がPMHaで閉じるまで、燃焼室12に既に存在している過給空気が吸気弁28を通して排出されつつ、燃焼ガスが燃焼室12へ再導入されるという不必要な期間が発生する。

0049

これを防止するために、排気弁18の開閉シーケンスの開始のクランク角度e1は、PMBeに一致していてはならず、図3太線で示しているように、右側に変位した排気圧力曲線Peが得られるように、このPMBeの後に位置していなければならない。

0050

この角度e1の値は、排気下死点PMBe後の0°から50°の間の範囲にあることが好ましい。

0051

排気弁の開き始めを変位させることによって、曲線Paとの交点P’1が実質的にクランク角度a1に位置し、曲線Paとの交点P’2が吸気上死点PMHaの十分後に位置するようにできる。

0052

そのため、排気圧力Peは排気弁が閉じるまで常に吸気圧力よりも低いままであり、これにより、排気気体の掃気に有利な領域を増加させることができる。曲線Peは、隣接するシリンダの排気からの排気圧力波との組み合わせの結果として生じる圧力ピーク領域Pe’maxまで連続する。

0053

これは、排気弁の開く角度とそのため圧力波の位置によって排気圧力の位相設定が即座に決まり、これが、排気弁を遅く開くことによってPeがPeaaに対して変位する原因である。

0054

したがって、高出力の要求に相当するエンジンの動作状態に対しては、排気弁18は、排気行程Eの間、排気下死点PMBe後の点e1と吸気上死点PMHaとの間に開閉シーケンスを行うように、制御手段42によって制御される。

0055

この排気弁の開閉シーケンスと共に、排気行程E中かつ排気弁の開閉シーケンス中に吸気弁28の少なくとも1つの開閉シーケンスを実現するように、制御手段40は計算機44によって制御される。

0056

このシーケンスは、より具体的には、吸気弁28のレベルで検知された圧力Paが排気弁18のレベルで検知された圧力Peよりも高いという情報を計算機44が受信したときに実施される。

0057

より具体的には、これらの吸気弁は、排気弁が開く角度e1後のある角度a1(またはこの角度e1)で開き、燃焼室12に過給空気を供給して吸気上死点PMHaで閉じる。

0058

角度a1とPMHaとの間で、吸気圧力Paと排気圧力Peとの間の圧力差に関して吸気圧力の方がより高いため、燃焼室12に含まれている排気気体は、排気弁18を通して排気マニフォールド20に向けて排出される。したがって、この排気気体は、エンジンの吸気行程Aの最後に燃焼室12に存在する空気の量を全体的に増加させる過給空気によって置き換えられる。

0059

排気行程Eに続くこのエンジン吸気行程A中に、計算機44は、従来のようにPMHaの近傍で再び開いて圧縮下死点PMBcの近傍で閉じるように、これらの吸気弁28の制御手段40を制御する。

0060

角度a1とPMHaとの間の吸気弁28のリフトは、対象としている排気行程Eについて、吸気圧力Paと排気圧力Peとの間の圧力差が全体的に最大になるのに対して吸気圧力については正になるような排気行程の領域に相当している(図3を参照)。

0061

吸気弁のリフトの高さは排気弁のリフトの高さに実質的に等しいことが有利である。しかし、吸気弁のリフトの高さは、図2パターン混合線(一点二短鎖線)によって示しているように、残留燃焼気体の排出を制御できるように、たとえば完全に開いている位置Oと3分の1だけ開いている位置O/3との間で変えてもよい。

0062

同様に、開閉シーケンスを、角度a1で開始してPMHaの前のクランク角度で終了させるように、排気行程中の吸気弁リフトの範囲を変えることができる。

0063

排気行程中のこれらの吸気弁の最大リフトおよび最大範囲は、排気弁の最大リフトおよび最大範囲よりも小さいことが好ましい。

0064

このようにして、吸気弁の第2のリフトの間、吸気行程Aの最後の空気の量がより多くなるように、掃気動作後に燃焼室12内に既に存在している過給空気に対してさらに過給空気が追加される。

0065

燃焼気体の掃気の無い従来のエンジン動作状態において、計算機44は、排気行程E中に吸気弁28の従来の開閉シーケンスを実現するように制御手段42を制御する。また、この計算機は、排気行程E中に吸気弁28の開閉シーケンスを実施しないように制御手段40を制御する。

0066

この排気行程には、吸気弁がPMHaとPMBcとの間で従来の開閉シーケンスに従う吸気行程Aが続く。

0067

本発明は、排気行程中に排気弁のリフト規則に作用して掃気パラメータ(排出される燃焼気体の量、燃焼気体の排出の時間など)を調整可能で、排気ガスが掃気されるエンジン動作状態から、従来のエンジン動作状態への変更、およびその逆の変更を、容易に行うことができる。さらに、吸気規則のモジュール化によって、吸気圧力と排気圧力との圧力差に従って残留燃焼気体の掃気を管理することができる。

0068

本発明は、前述の例に限定されるものでは無く、あらゆる変形例または等価な例を含む。

0069

12燃焼室
18排気弁
28 吸気弁

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