図面 (/)

技術 水素貯蔵材料の水素化方法

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 松永朋也河本隼
出願日 2010年1月19日 (10年1ヶ月経過) 出願番号 2010-009273
公開日 2011年8月4日 (8年6ヶ月経過) 公開番号 2011-148644
状態 特許登録済
技術分野 水素、水、水素化物
主要キーワード 出発原材料 水素放出後 低水素圧 歪測定 貯蔵状態 ボールミル容器 マス分析 錯体水素化物
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2011年8月4日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (5)

課題

LiHとMgB2とからより低い水素圧且つより低い温度で水素化して水素放出が可能な水素貯蔵材料を得る水素化方法を提供する。

解決手段

MgB2に回転による加速度が90G以上の高エネルギー密度ボールミルによる前処理を施す工程、および得られた前処理MgB2とLiHとを含む混合材料を水素化する工程を含む水素貯蔵材料の水素化方法。

概要

背景

従来から、化石燃料枯渇問題および排出された二酸化炭素による地球温暖化問題があり、化石燃料に替わる次世代のエネルギーとして、水素の利用が世界的に研究され一部では実証試験が始まっている。水素を燃料とする燃料電池排出物が水だけであり、大気汚染しないという利点がある。しかし、水素は爆発性が高く、取り扱いが困難な気体であり、水素貯蔵合金等を使用して高圧タンク等に貯蔵する方法が検討されている。
また、近年、錯体水素化物によって従来の水素貯蔵合金の2〜3倍の水素を貯蔵し得ることが見出されている。

これらの水素貯蔵合金や錯体水素化物による水素の貯蔵においては、これら水素貯蔵材料単位容量および/又は単位質量当たりの水素貯蔵量水素放出量の大きい材料の開発および水素放出後の混合物を再度水素化して水素放出が可能な水素貯蔵材料を得ることができる材料の開発が重要であり、多くの研究がなされている。
例えば、非特許文献1には、LiBH4を例えば水素圧1MPa、873K(600℃)の条件で加熱して分解し水素を放出させる脱水素化反応、およびBとLiHとを例えば水素圧35MPa、873Kの条件で加熱してLiBH4を生成させる水素化反応について記載されている。そして、前記の脱水素化反応とその逆反応である水素化反応として以下の反応式が示されそして脱水素化前と脱水素化後の粉末X線回折パーターンが図示されている。
LiBH4→LiH+B+(3/2)H2
LiH+B+(3/2)H2→LiBH4

また、非特許文献2には、LiBH4にMgH2を加えた水素化複合物は可逆的に反応することが知られていること、およびMgB2を用いた300℃、200バール(20MPa)で48時間、引き続いて400℃、350バール(35MPa)で24時間の水素化条件での水素化物の製造実験例および以下の反応式が示され、そして水素化生成物のX線回折パーターンが図示されている。
2LiH+MgB2+4H2→2LiBH4+MgH2
2NaH+MgB2+4H2→2NaBH4+MgH2
CaH2+MgB2+4H2→Ca(BH4)2+MgH2

さらに、特許文献1には、貯蔵状態及び非貯蔵状態の間をほぼ可逆に移行可能であり貯蔵状態で、第1水素化物成分と1つの水素を含まない成分及び/又は別の水素化成分であり得る第2成分とを含む水素貯蔵複合材料に関する発明が記載されている。そして、具体例としてLiHとMgB2を2:1のモル比にてアルゴン中で混合し、粉砕機内で粉砕した粉末を300バール(30MPa)の水素圧下で400℃の温度で24時間水素化する(2LiH+MgB2+3H2→2LiBH4+MgH2)と、12%の質量増加が確認され、約360℃の温度で非貯蔵状態へ移行すること、そして適切な触媒を使用することによって低い温度でも脱水素化が十分に速い速度となり、水素貯蔵容量が10重量%となることが示されている。しかし、水素化する際の水素圧および温度を数MPa以下、400℃未満に低減化し得るか不明である。

概要

LiHとMgB2とからより低い水素圧且つより低い温度で水素化して水素放出が可能な水素貯蔵材料を得る水素化方法を提供する。MgB2に回転による加速度が90G以上の高エネルギー密度ボールミルによる前処理を施す工程、および得られた前処理MgB2とLiHとを含む混合材料を水素化する工程を含む水素貯蔵材料の水素化方法。なし

目的

本発明の目的は、LiHとMgB2とからより低い水素圧且つより低い温度で水素化して水素を放出可能な水素貯蔵材料を得る水素化方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

MgB2に回転による加速度が90G以上の高エネルギー密度ボールミルによる前処理を施す工程、および得られた前処理MgB2とLiHとを含む混合材料水素化する工程を含む水素貯蔵材料水素化方法

請求項2

前記処理を窒素、Ar、He、Neおよびそれらの組み合わせから選ばれる1つのガス雰囲気下に0.1時間以上施す請求項1に記載の方法。

請求項3

前記前処理を外部から加熱することなく施す請求項1又は2に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、水素貯蔵材料水素化方法に関し、さらに詳しくはLiHとMgB2とを含む混合材料水素化する際にMgB2に特定の前処理を施すことによって水素化するときの水素圧および温度を低減し得る水素貯蔵材料の水素化方法に関するものである。

背景技術

0002

従来から、化石燃料枯渇問題および排出された二酸化炭素による地球温暖化問題があり、化石燃料に替わる次世代のエネルギーとして、水素の利用が世界的に研究され一部では実証試験が始まっている。水素を燃料とする燃料電池排出物が水だけであり、大気汚染しないという利点がある。しかし、水素は爆発性が高く、取り扱いが困難な気体であり、水素貯蔵合金等を使用して高圧タンク等に貯蔵する方法が検討されている。
また、近年、錯体水素化物によって従来の水素貯蔵合金の2〜3倍の水素を貯蔵し得ることが見出されている。

0003

これらの水素貯蔵合金や錯体水素化物による水素の貯蔵においては、これら水素貯蔵材料の単位容量および/又は単位質量当たりの水素貯蔵量水素放出量の大きい材料の開発および水素放出後の混合物を再度水素化して水素放出が可能な水素貯蔵材料を得ることができる材料の開発が重要であり、多くの研究がなされている。
例えば、非特許文献1には、LiBH4を例えば水素圧1MPa、873K(600℃)の条件で加熱して分解し水素を放出させる脱水素化反応、およびBとLiHとを例えば水素圧35MPa、873Kの条件で加熱してLiBH4を生成させる水素化反応について記載されている。そして、前記の脱水素化反応とその逆反応である水素化反応として以下の反応式が示されそして脱水素化前と脱水素化後の粉末X線回折パーターンが図示されている。
LiBH4→LiH+B+(3/2)H2
LiH+B+(3/2)H2→LiBH4

0004

また、非特許文献2には、LiBH4にMgH2を加えた水素化複合物は可逆的に反応することが知られていること、およびMgB2を用いた300℃、200バール(20MPa)で48時間、引き続いて400℃、350バール(35MPa)で24時間の水素化条件での水素化物の製造実験例および以下の反応式が示され、そして水素化生成物のX線回折パーターンが図示されている。
2LiH+MgB2+4H2→2LiBH4+MgH2
2NaH+MgB2+4H2→2NaBH4+MgH2
CaH2+MgB2+4H2→Ca(BH4)2+MgH2

0005

さらに、特許文献1には、貯蔵状態及び非貯蔵状態の間をほぼ可逆に移行可能であり貯蔵状態で、第1水素化物成分と1つの水素を含まない成分及び/又は別の水素化成分であり得る第2成分とを含む水素貯蔵複合材料に関する発明が記載されている。そして、具体例としてLiHとMgB2を2:1のモル比にてアルゴン中で混合し、粉砕機内で粉砕した粉末を300バール(30MPa)の水素圧下で400℃の温度で24時間水素化する(2LiH+MgB2+3H2→2LiBH4+MgH2)と、12%の質量増加が確認され、約360℃の温度で非貯蔵状態へ移行すること、そして適切な触媒を使用することによって低い温度でも脱水素化が十分に速い速度となり、水素貯蔵容量が10重量%となることが示されている。しかし、水素化する際の水素圧および温度を数MPa以下、400℃未満に低減化し得るか不明である。

0006

特表2008−522933号公報

先行技術

0007

ジャーナルオブアロイズ・アンドコンパウンド(Journal of Alloys and Compounds)404−406(2005)427−430頁
ジャーナル・オブ・アロイズ・アンド・コンパウンド(Journal of Alloys and Compounds)440(2005)L18−L21

発明が解決しようとする課題

0008

このように、従来公知文献に記載の方法によれば、水素放出後の混合物を再度水素化して水素放出が可能な水素貯蔵材料となし得る出発原材料のLiHとMgB2とから水素化して水素貯蔵材料を得るためには、30〜35MPaの高い水素圧、400℃の温度での加熱を必要としており、LiHとMgB2とからより低い水素圧、より低い温度で水素化して水素を放出可能な水素貯蔵材料を得る水素化方法が求められている。
従って、本発明の目的は、LiHとMgB2とからより低い水素圧且つより低い温度で水素化して水素を放出可能な水素貯蔵材料を得る水素化方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0009

本発明は、MgB2に回転による加速度が90G以上の高エネルギー密度ボールミルによる前処理を施す工程、および得られた前処理MgB2とLiHとを含む混合材料を水素化する工程を含む水素貯蔵材料の水素化方法に関する。
本発明において、水素化工程における水素圧は加熱前の室温(25℃)における圧力を意味する。

発明の効果

0010

本発明によれば、LiHとMgB2とから前記の従来技術に比べてより低い水素圧且つより低い温度で水素化して水素放出可能な水素貯蔵材料を得ることができる。

図面の簡単な説明

0011

図1は、実施例および比較例で得られた水素貯蔵材料のXRD分析結果を示すグラフである。
図2は、実施例および比較例における処理条件による水素化率への影響を示すグラフである。
図3は、実施例および比較例で得られた水素貯蔵材料の水素放出試験結果を示すグラフである。
図4は、実施例および比較例における水素化前のMgB2の結晶子サイズと水素貯蔵材料の水素放出量との関係を示すグラフである。
図5は、実施例および比較例における水素化前のMgB2の歪(%)と水素貯蔵材料の水素放出量との関係を示すグラフである。

0012

本発明の1つの実施態様によれば、LiHとMgB2とを出発原材料として用いて水素化により、LiBH4およびMgH2を含む水素貯蔵材料を生成させる方法において、MgB2に回転による加速度が90G以上の高エネルギー密度のボールミルによる前処理を施す工程、および得られた前処理MgB2とLiHとを含む混合材料を水素化する工程を含む水素貯蔵材料の水素化方法によって、前記の従来技術に比べてより低い水素圧且つより低い温度で水素化して水素貯蔵材料を得ることが可能となる。

0013

本発明においては、出発原材料におけるMgB2に対して、回転による加速度が90G以上の高エネルギー密度のボールミルによる前処理を施す工程を含むことが必要である。
前記の前処理においては、例えば窒素、Ar、He、Neおよびそれらの組み合わせから選ばれる1つのガス雰囲気下に、通常大気圧にて0.1時間以上、例えば0.1〜24時間の範囲、例えば1〜12時間の範囲の時間ボールミルによる回転加速度が90G以上の高エネルギー密度のボールミルによる粉砕を施し得る。また、前記の前処理は、外部から加熱することなく、ボールミル、例えば遊星型ボールミルを用いて、ボールミル内にMgB2とステンレスボール又はセラミックボールなどの高剛性ボールを入れて回転による加速度が90G以上、例えば90〜200Gの高エネルギー密度のボールミルによる粉砕前処理を好適に施し得る。

0014

本発明においては、前記の前処理を施したMgB2とLiHとを含む混合材料を水素化する工程を含む。
前記の水素化は、例えば前記の前処理を施したMgB2とLiHとを1:2のモル比で任意の混合処理、例えばボールミル中で例えば窒素、Ar、He、Neおよびそれらの組み合わせから選ばれる1つのガス雰囲気下に、通常大気圧にて0.1時間以上、例えば0.1〜24時間の範囲の時間混合処理を行った後、混合物を任意の容器中、例えば耐圧容器中で0.1〜5MPaの範囲、例えば1〜3MPa、特に1〜1.5MPaの範囲の水素圧、400℃未満の温度、例えば300〜375℃の範囲の温度で好適に行い得る。

0015

前記の水素化する工程において、MgB2とLiHとは少なくともその一部が反応して次の反応によりLiBH4とMgH2とを生成すると考えられる。
2LiH+MgB2+4H2→2LiBH4+MgH2
この水素化による工程でMgH2およびLiBH4が生成していることは、後述の実施例の欄に詳述される水素化による生成物についてのXRD分析結果を示すグラフにおいて、MgH2に基く2θ=28(deg)に明確なピークおよびLiBH4に基くピークが見られることによって確認され得る。

0016

本発明の方法において、MgB2に前記の前処理を施すことによって従来技術による水素化に比べてより低水素圧およびより低温で水素化が可能となる理論的根拠解明されていないが、前記のMgB2の前処理によって、後述の実施例の欄に詳述する測定法により求められるMgB2の結晶子サイズの低減および/又はMgB2の結晶子に歪が生じ、前処理MgB2とLiHとを水素の存在下に加熱することによって、反応:2LiH+MgB2→2LiBH4+MgH2が進みやすくなることによると考えられる。
そして、本発明においてLiHとともに混合して水素化に用いるMgB2の結晶子は、サイズが20nm以下、例えば1〜20nmであり、歪が0.25%以上、例えば0.25〜1.5%であり得る。

0017

前記の水素化工程において、前記の前処理を施したMgB2およびLiHに触媒を加えてもよい。
前記の触媒としては、Mn、Fe、Co、Ni、Pt、Pd、Rh、Li、Na、Mg、K、Ir、Nd、La、Ca、V、Ti、Cr、Cu、Zn、Al、Si、Ru、Mo、W、Ta、Zr、Hf、Agから選ばれた1種もしくは2種以上の金属またはその化合物、例えばハロゲン化物、特に塩化物であることが好ましい。触媒は単独で用いてもよく又は担体担持させて用いてもよい。前記触媒をMgB2およびLiHに加えることによって水素化反応および/又は脱水素反応を促進させ得る。前記触媒の量は水素貯蔵材料中のLiおよびMgの合計および/又は両成分のいずれかに対して0.01〜10モル%、特に0.1〜10モル%であることが好ましい。

0018

このように、従来公知の材料であるMgB2およびLiHを用いて、MgB2について特定の前処理を加えることによって若しくはMgB2を特定の状態にすることによって、LiHとの混合物の水素化時の水素圧および温度の低減化が可能となり、MgB2およびLiHを出発材料とする水素貯蔵材料から、容易に多くの水素を放出させることが可能となり得る。

0019

以下に、実施例を用いて本発明を説明する。これらの実施例は単に説明のためのものであり、本発明を限定するものではない。

0020

以下の各例において、材料としてLiBH4(Fluka社製、95%)、MgH2(ALDRICH社製、98%)、LiH(AlfaAesar社製、98%)、MgB2(ALDRICH社製、96%)、TiCl3(ALDRICH社製、99.999%)を用いた。

0021

また、以下の各例において、生成物の分析はXRD(X線回折分析)によって行い、MgB2および水素貯蔵材料の測定および評価は、以下に示す方法および装置によって行った。なお、以下に示す測定方法乃至は評価方法は例示であって、これに限定されず同等の方法によって行い得る。
1.水素放出量(%)
測定法:マス分析により真空中で加熱することにより水素を脱離させ、その発生量を測定した。
水素放出量は、水素貯蔵材料に対する放出された水素発生量の割合(質量%)を示す。
2.水素化率(%)
LiBH4、MgH2およびTiCl3(2:1:0.03、モル比)からなる水素貯蔵材料の水素放出量に対する割合(%)を示す。
3.反応容器
試験に使用した反応容器は、ステンレス製円筒型耐圧容器(21mL)である。
4.MgB2結晶子サイズの測定
結晶子サイズ測定法:シェラーの式により算出
シェラーの式 ε=Kλ/βcosθに代入することで算出
ε:結晶子サイズ、K:シェラー定数、λ:波長、β:XRDピーク半値幅、θ:回折角
測定装置粉末X線回折(XRD)RIGAKU社製RINT−TTR
5.MgB2結晶子の歪(%)の測定
歪測定法:ホールの式により算出
ホールの式 βcosθ=2ηsinθ+λ/εに代入することで算出
η:歪、ε:結晶子サイズ、β:XRDピークの半値幅
θ:回折角、λ:波長
測定装置:粉末X線回折(XRD)RIGAKU社製RINT−TTR3

0022

参考例1
LiBH4およびMgH2と触媒TiCl3とを組成比2:1:0.03(モル比)で混合して水素貯蔵材料を調製し、水素放出量を測定した。
その結果、水素放出量は4.24wt%であった。
以下の各例において、水素化の割合とは、この4.24wt%に対する割合(%)を意味する。

0023

実施例1
Ar雰囲気グローブボックス中(O2濃度:1ppm以下)にてMgB2を0.5g量した。ボールミル容器へ秤量したMgB2と直径3.96mmステンレスボールを20個充填した。遊星型ボールミル粉砕機(フリッチュ社製:premium line P−7型)を使用し、Ar雰囲気中、回転数1000rpm(90G)にて1時間MgB2の前処理を行った。
前処理したMgB2とLiHとTiCl3(触媒)とを、2:1:0.03の割合(モル比)で合計0.5gとなるように秤量した。ボールミル容器へ秤量した試料と直径3.96mmステンレスボール20個を充填した。Ar雰囲気中、回転数400rpm(40G)にて1時間ボールミル混合処理を行った。
混合後の試料をステンレス製円筒型耐圧容器に0.2g充填し、1MPa水素中、363℃にて100時間水素化処理を行った。
得られた水素貯蔵材料について、XRD分析にて水素化確認のための生成物同定およびTPD−MS分析により水素放出量を求めた。
その結果、水素放出量は2.53wt%であり、水素化率は59%であった。
得られた結果を他の結果とまとめて図1図5に示す。

0024

実施例2
前処理の時間を1時間から3時間に変えた他は実施例1と同様にして、MgB2の前処理を行った。
この前処理MgB2を用いた他は実施例1と同様にして、水素化処理を行った。
得られた水素貯蔵材料について測定を行ったところ、水素放出量は3.24wt%であり、水素化率は76%であった。
XRD分析結果、水素化率および水素放出量を他の結果とまとめて図1図5に示す。

0025

実施例3
前処理の時間を1時間から6時間に変えた他は実施例1と同様にして、MgB2の前処理を行った。
この前処理MgB2を用いた他は実施例1と同様にして、水素化処理を行った。
得られた水素貯蔵材料について測定を行ったところ、水素放出量は3.42wt%であり、水素化の割合は80%であった。
XRD分析結果、水素化率および水素放出量を他の結果とまとめて図1図5に示す。

0026

比較例1
前処理を行わないでMgB2とLiHとTiCl3とを同じ回転数(400rpm、40G)でボールミル混合処理を1時間行った後、水素化処理を行った他は実施例1と同様にして、水素貯蔵材料を得た。
得られた水素貯蔵材料について測定を行ったところ、水素放出量は1.25wt%であり、水素化の割合は29%であった。
得られた結果を他の結果とまとめて図1図5に示す。

0027

比較例2
前処理を行わないでMgB2とLiHとTiCl3とを同じ回転数(400rpm、40G)でボールミル混合処理を24時間行った後、水素化処理を行った他は実施例1と同様にして、水素貯蔵材料を得た。
得られた水素貯蔵材料について測定を行ったところ、水素放出量は0.92wt%であり、水素化率は21%であった。
得られた結果を他の結果とまとめて図2図5に示す。

0028

比較例3
前処理を行わないでMgB2およびLiHのみを同じ回転数(400rpm、40G)でボールミル混合処理を1時間行った後、水素化処理を行った他は実施例1と同様にして、水素貯蔵材料を得た。
得られた水素貯蔵材料について測定を行ったところ、水素放出量は1.10wt%であり、水素化率は26%であった。
得られた結果を他の結果とまとめて図2図4および図5に示す。

0029

比較例4
LiBH4の水素放出(条件:2℃/分にて室温から450℃まで昇温)した後の反応:LiBH4→LiH+B+3/2H2の生成物(LiH+B)を1時間同じ回転数(400rpm、40G)でボールミル混合処理を行った後、水素化処理を行った他は実施例1と同様にして水素貯蔵材料を得た。得られた水素貯蔵材料について測定を行ったところ、水素放出量は0wt%であり、水素化率は0%であった。

0030

比較例5
LiBH4とMgH2との2:1の混合物(触媒なし)から水素放出(条件:2℃/分にて室温から450℃まで昇温)した後の反応:2LiBH4+MgH2+→2LiH+Mg+B+4H2の生成物(2LiH+Mg+2B)を1時間同じ回転数(400rpm、40G)でボールミル混合処理を行った後、水素化処理を行った他は実施例1と同様にして水素貯蔵材料を得た。得られた水素貯蔵材料について測定を行ったところ、水素放出量は0wt%であり、水素化率は0%であった。

0031

図1および図3から、比較例1のようにMgB2の前処理なしではLiHとの混合物を水素化処理しても、2LiH+MgB2→2LiBH4+MgH2に基く水素化反応は進行せず、水素化反応前の原料のまま残存しているが、実施例1〜3のように特定の条件で前処理したMgB2を用いてLiHとの混合物を水素化処理すると低い水素圧および低い温度でも水素化反応が進行していることがわかる。そして、ボールミルによる処理の程度が進む(処理時間:1時間⇒3時間⇒6時間)ほど、水素化反応が進行していることがわかる。
また、図2から、ボールミルによる処理の程度に関して、ボールミル加速度が40Gではボールミル処理による効果が得られていないが、90Gでは効果が得られていることがわかる。

実施例

0032

また、図4から、MgB2を前処理することによってMgB2の結晶子サイズが20mm以下に到達すると水素放出量が大幅に増加するが、MgB2の結晶子サイズが20mmより大であると水素化処理しても水素放出量は増加しないことが理解される。
さらに、図5から、各比較例において水素化に用いたMgB2の結晶子には歪がみ入っていないことがわかる。つまり、MgB2の結晶子に歪が入ることによりLiHとの混合物を水素化後の水素貯蔵材料の水素放出量が増加していることがわかる。

0033

本発明の方法によれば、水素化時の水素圧および温度の低減が可能となり、MgB2およびLiHを出発原材料とする水素貯蔵材料から、容易に多くの水素を放出させることが可能となる。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ