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技術 電動機駆動装置、これを用いた電動パワーステアリング装置、及び、プログラム

出願人 株式会社デンソー
発明者 向井靖彦瓜生信彦
出願日 2010年1月7日 (10年10ヶ月経過) 出願番号 2010-002062
公開日 2011年7月21日 (9年4ヶ月経過) 公開番号 2011-142744
状態 特許登録済
技術分野 パワーステアリング装置 パワーステアリング機構 走行状態に応じる操向制御 交流電動機の制御一般
主要キーワード 電源ライン電圧 駆動開始時期 チャージポンプ式 直列処理 故障検出処理 電圧印可 駆動機器 ショート故障
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

電動機の駆動開始直後であっても電動機を適切に制御可能な電動機駆動装置を提供する。

解決手段

電動機駆動装置1は第1電動機駆動部11及び第2電動機駆動部12によってモータ10を駆動する。第1電動機駆動部11は、モータ10を駆動する第1巻線組87へ電流を供給する第1インバータ部20を有している。同様に、第2電動機駆動部12は、モータ10を駆動する第2巻線組88へ電流を供給する第2インバータ部30を有している。電動機駆動装置1の制御を司る判定制御部50は、第1電動機駆動部11及び第2電動機駆動部12において共に全ての故障検出処理の終了を待って、第1電動機駆動部11における巻線組87への電流供給と第2電動機駆動部12における巻線組88への電流供給とをほぼ同時に開始する。

概要

背景

従来、電動機を駆動する電動機駆動部を複数備えた電動機駆動装置が知られている。例えば、特許文献1に開示される電気モータ駆動機器では、モータドライバ巻線とが電動機駆動部に相当し、当該電動機駆動部が2つ設けられており、いずれの電動機駆動部の巻線を通電しても電動機に駆動力を与えることができるようになっている。

概要

電動機の駆動開始直後であっても電動機を適切に制御可能な電動機駆動装置を提供する。電動機駆動装置1は第1電動機駆動部11及び第2電動機駆動部12によってモータ10を駆動する。第1電動機駆動部11は、モータ10を駆動する第1巻線組87へ電流を供給する第1インバータ部20を有している。同様に、第2電動機駆動部12は、モータ10を駆動する第2巻線組88へ電流を供給する第2インバータ部30を有している。電動機駆動装置1の制御を司る判定制御部50は、第1電動機駆動部11及び第2電動機駆動部12において共に全ての故障検出処理の終了を待って、第1電動機駆動部11における巻線組87への電流供給と第2電動機駆動部12における巻線組88への電流供給とをほぼ同時に開始する。

目的

本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、電動機の駆動開始直後であっても電動機を適切に制御可能な電動機駆動装置、これを用いた電動パワーステアリング装置、及びプログラムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
4件

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請求項1

複数の相に対応し電動機を駆動する巻線及び前記巻線へ電流を供給するインバータ部を有する第1から第n(nは2以上の自然数)までの複数の電動機駆動部と、前記第1から第nまでの各電動機駆動部において異常が生じているか否かを判定し、前記電動機駆動部の前記インバータ部を介した前記巻線への電流供給を制御する判定制御部と、を備える電動機駆動装置であって、前記判定制御部は、前記第1から第nまでの各電動機駆動部においてm(mは自然数)個の一連故障検出処理を実行可能であり、前記第1から第nまでの各電動機駆動部において実行されるm個の前記故障検出処理の全ての終了を待って、前記第1から第nまでの電動機駆動部の各巻線へ電流供給を開始することを特徴とする電動機駆動装置。

請求項2

前記判定制御部は、前記第1から第nまでの電動機駆動部において、第i番目(iは1から(m−1)の自然数)の前記故障検出処理の終了を待って、第(i+1)番目の前記故障検出処理を開始することを特徴とする請求項1に記載の電動機駆動装置。

請求項3

前記判定制御部は、前記故障検出処理を、前記第1から第nまでの電動機駆動部において並列に実行する並列処理が可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の電動機駆動装置。

請求項4

前記判定制御部は、第j(jは1からmの自然数)番目の前記故障検出処理について前記並列処理を行うことを特徴とする請求項3に記載の電動機駆動装置。

請求項5

前記判定制御部は、前記故障検出処理を、前記第1から第nまでの電動機駆動部において順次実行する直列処理が可能であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電動機駆動装置。

請求項6

前記判定制御部は、第k(kは1からmの自然数)番目の前記故障検出処理について前記直列処理を行うことを特徴とする請求項5に記載の電動機駆動装置。

請求項7

請求項1から6のいずれか一項に記載の電動機駆動装置を用いた電動パワーステアリング装置

請求項8

請求項1から6のいずれか一項に記載の電動機駆動装置の前記判定制御部として機能するプログラム

技術分野

0001

本発明は、電動機駆動装置における駆動制御技術に関する。

背景技術

0002

従来、電動機を駆動する電動機駆動部を複数備えた電動機駆動装置が知られている。例えば、特許文献1に開示される電気モータ駆動機器では、モータドライバ巻線とが電動機駆動部に相当し、当該電動機駆動部が2つ設けられており、いずれの電動機駆動部の巻線を通電しても電動機に駆動力を与えることができるようになっている。

先行技術

0003

特開平7−33033号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、電動機駆動部を複数備える電動機駆動装置の中には、複数の電動機駆動部を並行に用い大きな回転トルクを得ようとするものがある。このとき、電動機を駆動するための回転トルクの値は、全ての電動機駆動部による回転トルクを合わせたトルク値として設計されている。

0005

大きな回転トルクを得る場合は電動機に大電流を流す必要があり、電動機駆動装置においても大電流を制御することになる。このとき、何らかの原因により電動機駆動装置に異常が生じていると意図しない大電流が流れる虞があるため、電動機駆動装置は、各電動機駆動部の異常検出を行ってから、電動機の駆動を開始することが一般的である。

0006

しかしながら、上述のように、電動機駆動装置が各電動機駆動部において異常検出を行ってから電動機を駆動する場合、各電動機駆動部によって異常検出の終了時期が異なり、各電動機駆動部によって電動機の駆動開始時期がずれることが考えられる。各電動機駆動部による電動機の駆動開始時期がずれると、駆動開始直後にあっては、駆動力の得られない電動機駆動部が生じる。結果として、電動機によって生じる回転トルクは、最初に設計した各電動機駆動部の駆動力を合わせたトルク値とならない期間が生じる。つまり、電動機の駆動開始直後にあっては、電動機は、設計どおりのトルク値によって駆動されず、適切に制御されない虞がある。

0007

本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、電動機の駆動開始直後であっても電動機を適切に制御可能な電動機駆動装置、これを用いた電動パワーステアリング装置、及びプログラムを提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

請求項1に記載の電動機駆動装置は、第1から第nまでの複数の電動機駆動部と、判定制御部とを備えている。ここで、nは2以上の自然数である。各電動機駆動部は、複数の相に対応し電動機を駆動する巻線、及び巻線へ電流を供給するインバータ部を有している。判定制御部は、第1から第nまでの各電動機駆動部において異常が生じているか否かを判定し、電動機駆動部のインバータ部を介した巻線への電流供給を制御する。

0009

判定制御部は、第1から第nまでの各電動機駆動部においてm個一連故障検出処理を実行可能である。
本発明では特に、この判定制御部が、第1から第nまでの各電動機駆動部において実行されるm個の故障検出処理の全ての終了を待って、第1から第nまでの電動機駆動部の各巻線への電流供給を開始する。なお、mは自然数である。

0010

ここで、nが「2」、mが「5」であるとして、具体的に説明する。この場合、判定制御部は、第1電動機駆動部及び第2電動機駆動部において共に、5個全ての故障検出処理の終了を待って、第1電動機駆動部における巻線への電流供給と第2電動機駆動部における巻線への電流供給とをほぼ同時に開始することになる。
つまり、各電動機駆動部において実行されるm個の故障検出処理の全ての終了を待つという上記構成によれば、各電動機駆動部における巻線への電流供給がほぼ同時に開始されるため、電動機の駆動開始直後であっても電動機を適切に制御することができる。

0011

ところで、判定制御部において複数の電動機駆動部の複数の故障検出処理を実行する場合、故障検出処理を実行するプログラムは、プログラムの実行時間の短縮等の理由から簡素に構成することが望ましい。
そこで、請求項2に記載の判定制御部は、第1から第nまでの電動機駆動部において、第i番目(iは1からm−1の自然数)の故障検出処理の終了を待って、第i+1番目の故障検出処理を開始する。なお、iは任意に設定される自然数であり、mは2以上の自然数である。

0012

ここで、nが「2」、mが「5」であるとして、具体的に説明する。このとき例えばiが「3」であれば、第1及び第2電動機駆動部において共に3番目の故障検出処理の終了を待って、4番目の故障検出処理を開始するという具合である。

0013

つまり、m番目の故障検出処理の終了を待つという上記構成に加え、途中のi番目の故障検出処理についてもその終了を待つのである。このようにすれば、ある電動機駆動部でi番目の故障検出処理が終了していないうちに、別の電動機駆動部でi+1番目以降の故障検出処理が先行して実行されることがない。上述した例で言えば、一方の電動機駆動部で3番目の故障検出処理が終了していないうちに、他方の電動機駆動部で4番目以降の故障検出処理が先行して実行されることがない。

0014

これにより、プログラムを簡素に構成することができる。結果として、プログラムの実行時間が短縮される。また、プログラムの信頼性が向上する。さらにまた、複雑な演算量が減少するため、判定制御部は安価なマイコンによって構成可能となる。

0015

なお、上述した例で「1」、「3」という具合に複数個のiを設定してもよい。この場合、1番目及び3番目の故障検出処理の終了を待つことになる。また、iを1から4の全ての自然数として設定してもよい。この場合、1から4番目の各故障検出処理の終了を待つことになる。特に後者のように各故障検出処理の終了を待つ構成を採用すれば、プログラムを簡素に構成することができ、上記効果が際立つ。

0016

また、判定制御部は、請求項3に記載のように、上述の故障検出処理を、第1から第nまでの電動機駆動部において並列に実行する並列処理が可能である。なお、mは自然数である。ここで、nが「2」の場合でいえば、第1電動機駆動部と第2電動機駆動部とにおいて、故障検出処理が並行して行われる。
このように各電動機駆動部において故障検出処理を並列に実行するという構成によれば、故障検出処理に要する時間が短縮されるため、電動機の駆動が速やかに開始される。

0017

なお、各電動機駆動部において故障検出処理を並列に実行するという上記構成において、判定制御部は、具体的には請求項4に記載のように、第j(jは1からmの自然数)番目の故障検出処理について並列処理を行うことが例示される。

0018

ここで、jは、前述したiと同様に、1個のjを設定してもよいし、複数個のjを設定してもよい。上述した具体例でいえば、例えばjが「3」であれば、第1及び第2電動機駆動部において共に3番目の故障検出処理が並行して行われる。また、jが「1」、「3」であれば、第1及び第2電動機駆動部において共に1番目の故障検出処理と3番目の故障検出処理とが並行して行われる。また、jが1から5の全ての自然数であれば、第1及び第2電動機駆動部において共に1から5番目までの全ての故障検出処理が並行に行われる。特に後者のように各電動機駆動部において全ての故障検出処理を並列処理する構成を採用すれば、故障検出処理に要する時間が短縮されるという上記効果が際立つ。

0019

また、判定制御部は、請求項1から4に記載の構成に加えて、請求項5に記載のように、上述の故障検出処理を第1から第nまでの電動機駆動部において順次実行する直列処理を行うことが例示される。なお、mは自然数である。具体的には、判定制御部は、請求項6に記載のように、第k(kは1からmの自然数)番目の故障検出処理について直列処理を行うことが例示される。

0020

ここで、kは、前述したi、jと同様に、1個のkを設定してもよいし、複数個のkを設定してもよい。上述した具体例でいえば、例えばkが「3」であれば、一方の電動機駆動部において3番目の故障検出処理を実行し、この後に他方の電動機駆動部において3番目の故障検出処理を実行するという具合である。また、kが「1」、「3」であれば、1番目の故障検出処理と3番目の故障検出処理については、一方の電動機駆動部において故障検出処理を実行し、この後に他方の電動機駆動部において故障検出処理を実行する。

0021

つまり、各電動機駆動部におけるk番目の故障検出処理を順次実行するという上記構成では、同時期に各電動機駆動部における故障検出処理が重なって行われることがない。これによると、故障検出処理に要する時間は上述の並列処理に比べて幾分長くなるものの、故障検出処理を実行するプログラムを簡素に構成することができる。結果として、プログラムの信頼性が向上する。

0022

請求項7に記載の発明は、上述の電動機駆動装置を用いた電動パワーステアリング装置である。
電動パワーステアリング装置に用いられる電動機駆動装置においても、一般に、電動機駆動装置が各電動機駆動部において異常検出を行ってから電動機を駆動する場合、各電動機駆動部による電動機の駆動開始時期がずれると、駆動開始直後にあっては、駆動力が得られない電動機駆動部が生じる。つまり、電動機の駆動開始直後にあっては、電動機は、最初に設計した各電動機駆動部の駆動力を合わせたトルク値によって駆動されず、適切に制御されない虞がある。

0023

これによると、パワーステアリング装置による電動機の駆動開始直後にあっては、ハンドル操作運転者にとって重く感じられ、その後急に軽く感じられるようになるため、運転者によるハンドル操作が不安定になることが懸念される。
この点、本発明の電動パワーステアリング装置によれば、上述の装置と同様の効果が奏される。結果として、運転者によるハンドル操作の安定性が向上し、安全性の向上に寄与する。

0024

請求項8に記載の発明は、上述の電動機駆動装置の判定制御部として機能するプログラムである。本発明のプログラムを実行すれば、上述の装置と同様の効果が奏される。

図面の簡単な説明

0025

本発明の一実施形態による電動パワーステアリング装置を説明する模式図である。
本発明の一実施形態による電動機駆動装置の回路構成を説明する模式図である。
本発明の一実施形態による第1番目故障検出処理を説明するフローチャートである。
本発明の一実施形態による第2番目故障検出処理を説明するフローチャートである。
本発明の一実施形態による故障検出処理を説明する説明図である。
本発明の他の実施形態による故障検出処理を説明する説明図である。
本発明の他の実施形態による故障検出処理を説明する説明図である。
本発明の他の実施形態による故障検出処理を説明する説明図である。
本発明の他の実施形態による故障検出処理を説明する説明図である。

実施例

0026

以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
なお以下では、車両のステアリング操作アシストするための電動パワーステアリング装置に本発明を適用した実施形態を説明する。

0027

(一実施形態)
図1は、本発明の一実施形態おける電動パワーステアリング装置を備えたステアリングシステムの全体構成を示す図である。
ステアリングシステム90に備えられるステアリングホイール91に接続されたステアリングシャフト92には、ステアリングセンサ94およびトルクセンサ95が設けられている。ステアリングセンサ94は、ステアリングシャフト92の回転角を検出する。トルクセンサ95は、ステアリングホイール91に加えられた操舵トルクを検出する。ステアリングシャフト92の先端は、ギア96を介してラック軸97に連結されている。ラック軸97の両端には、タイロッド等を介して一対のタイヤ98がそれぞれ連結されている。

0028

これにより、運転者がステアリングホイール91を回転させると、ステアリングホイール91に接続されたステアリングシャフト92が回転し、ステアリングシャフト92の回転運動は、ギア96によってラック軸97の直線運動に変換され、ラック軸97の直線運動変位に応じた角度分、一対のタイヤ98が転舵される。

0029

電動パワーステアリング装置100は、補助操舵トルクを発生するモータ10(図2参照)、モータ10の駆動に係る電動機駆動装置1、モータ10の回転角度を検出する図示しない回転角センサ、及びモータ10の回転を減速してステアリングシャフト92に伝達するギア89を備える。これにより、電動パワーステアリング装置100は、モータ10によってギア89を正逆回転させ、ステアリングホイール91の操舵方向および操舵トルクに応じた操舵補助トルクをステアリングシャフト92に伝達する。

0030

図2に示すように、モータ10は、本形態ではブラシレスモータであり、ロータ側に磁極を有し、ステータ側3相系統の巻線として、U1コイル81、V1コイル82、W1コイル83、及びU2コイル84、V2コイル85、W2コイル86を有している。U1コイル81、V1コイル82、及び、W1コイル83は、第1巻線組87を構成し、U2コイル84、V2コイル85、及び、W2コイル86は、第2巻線組88を構成している。本形態では、第1巻線組87及び第2巻線組88はそれぞれデルタ結線されている。

0031

電動機駆動装置1は、第1電動機駆動部11、第2電動機駆動部12、及び判定制御部50等を備えている。
電動機駆動装置1の電力は、バッテリ55から供給される。バッテリ55から供給された電力は、チョークコイル56及び平滑用コンデンサ57によって構成されるフィルタ回路と第1電源リレー61を介して第1電源リレー後電源ライン71に供給される。第1電源リレー後電源ライン71には第1電動機駆動部11が接続されている。また、バッテリ55から供給された電力は、上記フィルタ回路と第2電源リレー62を介して第2電源リレー後電源ライン72に供給される。第2電源リレー後電源ライン72には第2電動機駆動部12が接続されている。なお、以下では簡単のため、第1電源リレー後電源ラインを「第1リレー後電源ライン」、第2電源リレー後電源ラインを「第2リレー後電源ライン」と記載する。

0032

このように、電動機駆動装置1は、2つの電動機駆動部、すなわち、第1リレー後電源ライン71に接続されている第1電動機駆動部11、及び第2リレー後電源ライン72に接続されている第2電動機駆動部12によってモータ10を駆動している。

0033

第1電動機駆動部11及び第2電動機駆動部12は、入力側に接続される電源ラインと、出力側に接続されるモータ10の巻線組が異なる他は、同様の構成となっているため、ここでは、第1電動機駆動部11の構成を図2に基づいて説明する。

0034

第1電動機駆動部11は、第1インバータ部20、第1巻線組87、第1電圧印加部65等を備えている。第1インバータ部20には、第1リレー後電源ライン71によってバッテリ55からの電力が供給される。

0035

第1インバータ部20は、3相インバータであり、第1巻線組87のU1コイル81、V1コイル82、W1コイル83のそれぞれへの通電を切り替えるべく、6つのスイッチング素子21〜26を有している。スイッチング素子21〜26は、本形態においては、MOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)素子である。以下、スイッチング素子21〜26を、MOS21〜26という。

0036

3つのMOS21〜23は、ドレイン端子が第1リレー後電源ライン71に接続され、ソース端子がそれぞれMOS24〜26のドレイン端子に接続されている。MOS24〜26のソース端子は、それぞれ、U1コイル81、V1コイル82、及びW1コイル83に流れる電流値を検出するための電流検出部48を介して接地されている。本形態では、電流検出部48はシャント抵抗として構成されている。MOS21〜23及びMOS24〜26の各ドレイン端子とソース端子との間には、それぞれ保護用ダイオードが接続されている。コンデンサ49は、本形態ではアルミ電解コンデンサであり、電荷を蓄えることにより、MOS21〜26への電力供給補助するとともに、サージ電流などのノイズ成分を除去する。

0037

対になっているMOS21及びMOS24において、MOS21のソース端子とMOS24のドレイン端子とはU1端子27に接続されており、U1端子27はU1コイル81の一端に接続されている。また、対になっているMOS22及びMOS25において、MOS22のソース端子とMOS25のドレイン端子とはV1端子28に接続されており、V1端子28はV1コイル82の一端に接続されている。さらにまた、対になっているMOS23及びMOS26において、MOS23のソース端子とMOS26のドレイン端子とはW1端子29に接続されており、W1端子29はW1コイル83の一端に接続されている。

0038

第1電圧印加部65は、第1インバータ部20を経由せず、第1巻線組88に電圧印加するための構成である。本形態では、第1電圧印加部65は、プルアップ抵抗によって構成されている。第1電圧印可部65の一端は第1リレー後電源ライン71に接続されており、他端は、第1巻線組88を介して、U1端子27、V1端子28、及びW1端子29に接続されている。さらに、U1端子27、V1端子28及びW1端子29は、それぞれインタフェース回路部75を介して判定制御部50の図示しないAD変換部に接続されている。本形態では、プルアップ抵抗である第1電圧印可部65の値は、インタフェース回路部75においてU1端子27、V1端子28、及びW1端子29の各端子に接続されている2つの分圧抵抗の和に等しい。

0039

これにより、U1端子27とグランド間の電圧であるU1端子電圧VU1、V1端子28とグランド間の電圧であるV1端子電圧MVV1、及びW1端子29とグランド間の電圧であるW1端子電圧MVW1は、インタフェース回路部75を介して、判定制御部50によって検出可能となっている。

0040

なお、以下では、第1リレー後電源ライン71に接続されているMOS21〜23を「上MOS」といい、接地されているMOS24〜26を「下MOS」という。また必要に応じて、「U1相上MOS21」という具合に、対応する巻線の相を併せて記載する。

0041

上述のように、電動機駆動装置1において、電力はバッテリ55から供給される。バッテリ55の正極は、チョークコイル56及び平滑用コンデンサ57によって構成されたフィルタ回路と第1電源リレー61とを介して第1リレー後電源ライン71に接続されており、第1リレー後電源ライン71には第1電動機駆動部11が接続されている。また、バッテリ55の正極は、前記フィルタ回路と第2電源リレー62とを介して第2リレー後電源ライン72に接続されており、第2リレー後電源ライン72には第2電動機駆動部12が接続されている。また、バッテリ55の正極は、イグニッションスイッチ58を介して電源ライン70に接続されており、バッテリ55の負極は接地されている。

0042

第1電源リレー61及び第2電源リレー62は、判定制御部50からプリドライバ52を介して出力される制御信号によって開閉制御される。また、イグニッションスイッチ58は、本形態ではイグニッションキーの操作によってオンまたはオフされるスイッチである。オンされるとイグニッションスイッチ58は閉状態となり、判定制御部50によって、各電動機駆動部において異常が生じているか否かの判定が可能となり、各電動機駆動部への電力供給の制御が可能となる。

0043

これにより、イグニッションスイッチ58がオンされた後、第1電源リレー61及び第2電源リレー62が判定制御部50によって閉状態に制御されると、第1リレー後電源ライン71及び第2リレー後電源ライン72へバッテリ55から電力が供給され、第1電動機駆動部11及び第2電動機駆動部12へ電力が供給されることになる。

0044

なお、第1電源リレー61及び第2電源リレー62は、第1電動機駆動部11、及び第2電動機駆動部12に何らかの故障が発生した場合、判定制御部50によって速やかに開状態に制御され、バッテリ55から第1電動機駆動部11及び第2電動機駆動部12への電力供給を遮断する。また、イグニッションキーの操作によってイグニッションスイッチ58がオフされる際に、通常、第1電源リレー61及び第2電源リレー62は、判定制御部50によって、ともに開状態に制御される。

0045

前述のチョークコイル56及び平滑用コンデンサ57によって構成されたフィルタ回路は、第1電動機駆動部11及び第2電動機駆動部12の駆動によって生じるノイズが同一のバッテリ55から電力が供給されている他の機器へ伝達されることを抑制するためのフィルタである。

0046

ここで、電源ライン70はインタフェース回路部73を介して判定制御部50の図示しないAD変換部に接続されている。これにより、電源ライン電圧VIGは、インタフェース回路部73を介して判定制御部50によって検出可能となっている。

0047

また、第1リレー後電源ライン71、第2リレー後電源ライン72は、インタフェース回路部74を介して判定制御部50のAD変換部に接続されている。これにより、第1リレー電源電圧VPIG1、及び第2リレー後電源電圧VPIG2は、インタフェース回路部74を介して判定制御部50によって検出可能となっている。

0048

判定制御部50は、電動機駆動装置1全体の制御を司るものであり、図示しない一般的なマイクロコンピュータにより構成されている。

0049

判定制御部50は、プリドライバ52を介して、第1電源駆動部11の第1インバータ部20のMOS21〜26のゲート端子、第2電源駆動部12の第2インバータ部30のMOS31〜36のゲート端子に接続されている。また、判定制御部50は、プリドライバ52を介して、第1電源リレー61、及び第2電源リレー62のゲート端子に接続されている。なお、図2において、判定制御部50からプリドライバ52を介して各MOS21〜26、31〜36、及び各電源リレー61、62へ制御信号を伝達する信号線は、煩雑になることを避けるため省略した。本形態におけるプリドライバ52は、チャージポンプ式回路によって構成されている。

0050

これにより、判定制御部50は、回転角センサによって検出されたロータの回転位置、及び各電流検出部48により検出された検出値に基づき、プリドライバ52を介して、第1電源駆動部11のMOS21〜26、第2電源駆動部12のMOS31〜36のオン及びオフを制御することにより、コイル81〜86への電流供給を制御している。つまり、判定制御部50は、コイル81〜86への電流供給を制御することにより、モータ10の回転を制御している。

0051

また、判定制御部50は、上述のように、電源ライン電圧VIG、第1リレー後電源電圧VPIG1及び第2リレー後電源電圧VPIG2を各インタフェース回路を介して検出可能となっている。また、判定制御部50は、上述のように、U1端子電圧MVU1、V1端子電圧MVV1、及びW1端子電圧MVW1を、インタフェース回路部75を介して検出可能となっている。同様に、判定制御部50は、U2端子電圧MVU2、V2端子電圧MVV2、及びW2端子電圧MVW2を、インタフェース回路部76を介して検出可能となっている。

0052

これにより、判定制御部50は、各インタフェース回路を介して検出される検出値に基づき、第1電動機駆動部11、及び第2電動機駆動部12において異常が生じているか否かを判定する。
ここで、本形態では、判定制御部50は、各電動機駆動部において異常が生じているか否かを判定する際、第1番目故障検出処理と第2番目故障検出処理の2個の故障検出処理を実行可能である。なお、第1電動機駆動部11における故障検出処理と、第2電動機駆動部12における故障検出処理とは、同様の処理が行われるため、ここでは第1電動機駆動部11における故障検出処理について説明する。

0053

まず第1番目故障検出処理について説明する。第1番目故障検出処理では、第1電源リレー61に、リレー接点溶着によるショート故障が生じていないことを確認した後に、第1電源リレー61を閉状態にし、各電動機駆動部に電力供給を行う。

0054

ここで、判定制御部50による第1番目故障検出処理を、図3に示すフローチャートに基づいて説明する。本処理は、運転者がイグニッションキーを回動させることをきっかけとして、イグニッションスイッチ58が判定制御部50によって閉状態に制御され、電動機駆動装置1が始動される際に行われる処理である。なお、通常、電動機駆動装置1の始動の際、第1電源リレー61は開状態に制御されている。

0055

最初のステップS101(以下、「ステップ」を省略し、単に記号「S」で示す。)では、第1リレー後電源電圧VPIG1を取得する(図2参照)。
続くS102では、S101によって取得されたVPIG1が0Vであるか否かを判断する。なお、本ステップでは、VPIG1が厳密に0Vであるか否かを判断するのではなく、おおよそ0Vであるか否かを判断するものとする。ここで、VPIG1が0Vであると判断された場合(S102:YES)、S103へ移行する。一方、VPIG1が0Vでないと判断された場合(S102:NO)、S111へ移行する。

0056

VPIG1が0Vであると判断されたときに移行するS103では、異常カウンタリセットし、S104に移行する。続くS104では、電源リレー溶着フラグをリセットし、第1電源リレー61の接点が溶着する故障が生じていないことを特定し、S105に移行する。次にS105では、第1電源リレー62を閉状態に制御することによって第1電動機駆動部11に電力を供給し、その後第1番目故障検出処理を終了する。

0057

VPIG1が0Vでないと判断されたときに移行するS111では、異常カウンタをインクリメントし、S112に移行する。

0058

続くS112では、異常カウンタが所定回数N1以上であるか否かを判断する。ここで、異常カウンタが所定回数N1以上でないと判断された場合(S112:NO)、S101へ戻る。つまり、VPIG1が0Vでないと判断された場合、VPIG1を改めて取得し、VPIGが0Vであるか否かを判断する処理が最大でN1回繰り返して行われる。これにより、VPIGが0Vでないと誤検出されることを抑制可能である。一方、異常カウンタが所定回数N1以上であると判断された場合(S112:YES)、S113へ移行する。

0059

異常カウンタが所定回数N1以上であると判断されたときに移行するS113では、電源リレー溶着フラグをセットし、第1電源リレー61の接点が溶着する故障が生じていることを特定し、その後第1番目故障検出処理を終了する。

0060

つまり、前述のように、第1電源リレー61は開状態になっているため、第1電源リレー61が正常であれば、第1リレー後電源電圧VPIG1は0Vとなる。一方、第1電源リレー61にリレー接点の溶着によりショート故障が生じていれば、第1リレー後電源電圧VPIG1は電源ライン電圧VIGと同等の値となる。上述のフローにおけるS102の処理は、この第1リレー後電源電圧VPIG1の検出値の違いによって、第1電源リレー61の接点が溶着する故障が生じているか否かを判定しているのである。

0061

次に、第2番目故障検出処理について説明する。第2故障検出処理は、第1インバータ部20、及び第1巻線組87にショート故障が生じていないことを確認する。
判定制御部50による第2番目故障検出処理を、図4に示すフローチャートに基づいて説明する。本処理は、各電動機駆動部において、第1番目故障検出処理が実行された後に実行される処理である。

0062

最初のステップS201では、第1電動機駆動部11におけるU相、V相、W相の端子電圧である、U1端子電圧MVU1、V1端子電圧MVV1、W1端子電圧MVW1を取得する(図2参照)。
続くS202では、S201によって取得された各端子電圧が0Vであるか否か、またはVPIG1と同等の値であるか否かを判断する。ここで、各端子電圧が0Vではなく、またVPIG1と同等の値ではないと判断された場合(S202:NO)、S203へ移行する。一方、各端子電圧が0Vである、またはVPIG1と同等の値であると判断された場合(S202:YES)、S211へ移行する。

0063

各端子電圧が0Vではなく、またVPIG1と同等の値ではないと判断されたときに移行するS203では、異常カウンタをリセットし、S204に移行する。続くS204では、インバータ、巻線異常フラグをリセットし、第1インバータ部20及び巻線に異常が生じていないことを特定し、その後第2番目故障検出処理を終了する。

0064

各端子電圧が0Vである、またはVPIG1と同等の値と判断されたときに移行するS211では、異常カウンタをインクリメントし、S212に移行する。

0065

次に、S212では、異常カウンタが所定回数N2以上であるか否かを判断する。ここで、異常カウンタが所定回数N2以上でないと判断された場合(S212:NO)、S201へ戻る。つまり、各端子電圧が0Vである、またはVPIG1と同等の値であると判断された場合、各端子電圧を改めて取得するとともに、0Vであるか否か、またはVPIG1と同等の値であるか否かを判断する処理は最大N2回繰り返して行われる。これにより、各端子電圧の誤検出を抑制可能である。一方、異常カウンタが所定回数N2以上であると判断された場合(S212:YES)、S213へ移行する。

0066

異常カウンタが所定回数N1以上であると判断されたときに移行するS213では、インバータ、巻線異常フラグを1にセットし、第1インバータ部20及び巻線に異常が生じていることを特定し、その後第2番目故障検出処理を終了する。

0067

つまり、例えば第1電動機駆動部11のU相についてみると、U1コイル81がグランド側短絡、あるいはU1相下MOS24がショート故障している場合、U1端子電圧MVU1は0Vとなる。一方、U1コイル81が第1リレー後電源ライン71側に短絡、あるいはU1相上MOS21がショート故障している場合、U1端子電圧MVU1は第1リレー後電源電圧VPIG1と同等の値となる。V相、W相についても同様である。上述のフローにおけるS202の処理は、このような各端子電圧の検出値の違いによって、第1インバータ部20、及びコイル81〜83にショート故障が生じていないことを確認するものである。

0068

このような構成により、判定制御部50は、次のようにモータ10の駆動を開始する。すなわち、判定制御部50は、第1電動機駆動部11において、第1番目故障検出処理及び第2番目故障検出処理を実行する。各故障検出処理の実行が終了した後、判定制御部50は、第1インバータ部20の各MOS21〜26のゲート端子に制御信号を出力し、第1インバータ部20による第1巻線組87への電流供給を開始することによって、モータ10の駆動を開始する。また、第2電動機駆動部12においても同様に、2個の故障検出処理を実行し終了した後、第2インバータ部30の各MOS31〜36のゲート端子に制御信号を出力し、第2インバータ部30による第2巻線組88への電流供給を開始することによって、モータ10の駆動を開始する。
これにより、第1電動機駆動部11及び第2電動機駆動部12の2つの電動機駆動部によって、モータ10の駆動が開始される。

0069

さらに、本形態では特に、判定制御部50は、第1電動機駆動部11及び第2電動機駆動部12において実行される2個の故障検出処理の全ての終了を待って、第1巻線組87、及び第2巻線組88への電流供給を同時に開始する処理を行う。本処理を図5に基づいて説明する。なお、以下では、第1番目故障検出処理を「処理A」、第2番目故障検出処理を「処理B」という。また、第1電動機駆動部11における処理Aを「処理1A」という具合に略して記載する。同様に、第1電動機駆動部11における処理Bを「処理1B」、第2電動機駆動部12における処理Aを「処理2A」、第2電動機駆動部12における処理Bを「処理2B」という様に記載する。

0070

判定制御部50は、図5に示すように、処理時刻t0において、処理1Aと処理2Aとを同時に開始する。ここで、処理2Aは時刻t1に終了し、処理1Aは時刻t2に終了する。判定制御部50は、処理1Aの終了を待って、時刻t2において、処理1Bと処理2Bとを同時に開始する。ここで、処理1Bは時刻t3に終了し、処理2Bは時刻t4に終了する。

0071

判定制御部50は、処理2Bの終了を待って、時刻t4において、第1巻線組87、及び第2巻線組88への電流供給を同時に開始する。つまり、判定制御部は、時刻t4において、第1インバータ部20及び第2インバータ部30の各MOSのゲート端子に制御信号を出力し、第1巻線組87及び第2巻線組88への電流供給を開始することによって、モータ10の駆動を開始する。
なお、判定制御部50による上述の処理は、請求項1〜4を具現化したものである。すなわち、請求項1〜4において、n=2、m=2とし、i=1、j=1、2を採用すれば、上述の処理となる。

0072

なお、本形態の電動機駆動装置1において、モータ10が特許請求の範囲における「電動機」に相当し、第1巻線組87及び第2巻線組88が特許請求の範囲における「巻線」に相当し、第1インバータ部20及び第2インバータ部30が特許請求の範囲における「インバータ部」に相当する。

0073

以上詳述したように、本形態の電動機駆動装置1では、判定制御部50は、第1電動機駆動部11及び第2電動機駆動部12において共に2個全ての故障検出処理の終了を待って、第1電動機駆動部11における第1巻線組87への電流供給と第2電動機駆動部12における第2巻線組88への電流供給とをほぼ同時に開始する。これにより、電動機駆動装置1は、各電動機駆動部における巻線組への電流供給をほぼ同時に開始するため、モータ10の駆動開始直後であってもモータ10を適切に制御することができる。

0074

また、本形態では、2個全ての故障検出処理の終了を待つという上記構成に加え、第1番目故障検出処理についてもその終了を待って、第2番目故障検出処理を開始する。このようにすれば、一方の電動機駆動部で第1番目故障検出処理が終了していないうちに、他方の電動機駆動部で第2番目故障検出処理が先行して実行されることがない。これにより、電動機駆動装置1では、プログラムを簡素に構成することができる。結果として、本形態では、プログラムの実行時間が短縮される。また、プログラムの信頼性が向上する。さらにまた、複雑な演算量が減少するため、判定制御部は安価なマイコンによって構成可能となる。

0075

さらにまた、本形態では、第1電動機駆動部11と第2電動機駆動部12とにおいて、2個の故障検出処理が並行して行われる。これにより、故障検出処理に要する時間が短縮されるため、電動機駆動装置1は、モータ10の駆動が速やかに開始される。

0076

また、本形態では、第1電動機駆動部11と第2電動機駆動部12とにおいて、第1番目故障検出処置と第2番目故障検出処置の両方が並行に行われる。このように、各電動機駆動部において全ての故障検出処理を並列処理する構成を採用しているため、電動機駆動装置1では故障検出処理に要する時間が短縮されるという上記効果が際立つ。

0077

さらにまた、本形態では、上述のような効果を奏する電動機駆動装置1を電動パワーステアリング装置100に適用している。これによれば、電動パワーステアリング装置100によるモータ10の駆動開始直後であっても、操舵補助トルクは第1電動機駆動部11と第2電動機駆動部12とによるトルクを合わせたトルク値となるため、運転者によるハンドル操作の安定性が向上し、安全性の向上に寄与する。

0078

以上、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々なる形態で実施可能である。
(イ)上記形態では、各電動機駆動部において第1番目、第2番目故障検出処理の両方を並行に行う並列処理が行われていたが、図6に示すように、各電動機駆動部における2個の故障検出処理を順次実行する直列処理が行われてもよい。

0079

判定制御部50は、図6に示すように、処理時刻t0において、処理1Aを開始する。そして、処理1Aの終了後に処理2Aを開始し、処理2Aの終了後に処理1Bを開始し、処理1Bの終了後に処理2Bを開始する。処理2Bは時刻t5に終了する。判定制御部50は、処理2Bの終了を待って、時刻t5において、第1巻線組87、及び第2巻線組88への電流供給を同時に開始することによって、モータ10の駆動を開始する。

0080

なお、本形態の判定制御部50による処理は、請求項1、5、6を具現化したものである。すなわち、請求個1、5、6において、n=2、m=2とし、k=1、2を採用すれば、本形態の処理となる。
本形態は、処理に要する時間は幾分長くなるものの、各電動機駆動部の2個の故障検出処理の全ての終了を待つという点では上記構成と同様である。また、本形態によると、故障検出処理を実行するプログラムを簡素に構成することができるため、結果として、プログラムの信頼性が向上する。

0081

(ロ)上記形態では、第1番目故障検出処理についても各電動機駆動部においてその終了を待ち、第2番目故障検出処理を各電動機駆動部において同時に開始するという処理が行われていたが、第1番目故障検出処理の終了を待たず、最後の処理である第2番目故障検出処理の終了だけを待つという処理が行われてもよい。
判定制御部50は、図7に示すように、処理時刻t0において、処理1Aと処理2Aとを並行に同時に開始する。ここで、判定制御部50は、処理1Aの終了後、引き続き処理1Bを開始する。処理1Bは時刻t6に終了する。また、判定制御部50は、処理2Aの終了後、引き続き処理2Bを開始する。処理2Bは時刻t7に終了する。

0082

判定制御部50は、処理2Bの終了を待って、時刻t7において、第1巻線組87、及び第2巻線組88への電流供給を同時に開始することによって、モータ10の駆動を開始する。なお、判定制御部50による上述の処理は、請求項1、3、4を具現化したものである。すなわち、請求項1、3、4において、n=2、m=2とし、j=1、2を採用すれば、上述の処理となる。
本形態は、各電動機駆動部の2個の故障検出処理の全ての終了を待つという点では上記構成と同様である。本形態によると、全ての故障検出処理を並行に行っているため、故障検出処理に要する時間が短縮されるという効果が際立つ。

0083

(ハ)上記形態では、各電動機駆動部の2個の故障検出処理の両方が並行して行われていたが、一方の故障検出処理については直列処理が行われ、他方の故障検出処理については並列処理が行われてもよい。
例えば、判定制御部50は、図8に示すように、処理時刻t0において、処理1Aを開始し、処理1Aの終了後に処理2Aを開始する。処理2Aは時刻t8に終了する。ここで、判定制御部50は、時刻t8において、処理1Bと処理2Bとを同時に開始する。処理1Bは時刻t9に終了し、処理2Bは時刻t10に終了する。判定制御部50は、処理2Bの終了を待って、時刻t10において、第1巻線組87、及び第2巻線組88への電流供給を同時に開始することによって、モータ10の駆動を開始する。

0084

なお、判定制御部50による上述の処理は、請求項1〜6を具現化したものである。すなわち、請求項1〜6において、n=2、m=2とし、i=1、j=2、k=1を採用すれば、上述の処理となる。

0085

また例えば、判定制御部50は、図9に示すように、処理時刻t0において、処理1Aと処理2Aとを同時に開始する。処理2Aは時刻t11に終了し、処理1Aは時刻t12に終了する。ここで、判定制御部50は、処理1Aの終了を待って、時刻t12において、処理1Bを開始し、処理1Bの終了後、引き続き処理2Bを開始する。処理2Bは時刻t13に終了する。判定制御部50は、処理2Bの終了を待って、時刻t13において、第1巻線組87、及び第2巻線組88への電流供給を同時に開始することによって、モータ10の駆動を開始する。

0086

なお、判定制御部50による上述の処理は、請求項1〜6を具現化したものである。すなわち、請求項1〜6において、n=2、m=2とし、i=1、j=1、k=2を採用すれば、上述の処理となる。
いずれにおいても、各電動機駆動部の2個の故障検出処理の全ての終了を待つという点では上記構成と同様である。

0087

(ニ)上記実施形態では、2つの電動機駆動部を備え5個の故障検出処理が実行される電動機駆動装置1を対象としていたが、n個の電動機駆動部を備え、m個の故障検出処理が実行される電動機駆動装置であっても、上記構成と同様の効果を奏する。

0088

1:電動機駆動装置、10:モータ(電動機)、11:第1電動機駆動部、12:第2電動機駆動部、20:第1インバータ部、21〜26:MOS、スイッチング素子、27〜29:端子、30:第2インバータ部、31〜36:MOS、スイッチング素子、37〜39:端子、48:シャント抵抗、49:コンデンサ、50:判定制御部、52:プリドライバ、55:バッテリ、56:チョークコイル、57:平滑用コンデンサ、58:イグニッションスイッチ、61:第1電源リレー、62:第2電源リレー、65:第1電圧印可部、66:第2電圧印加部、70:電源ライン、71:第1電源リレー後電源ライン、第1リレー後電源ライン、72:第2電源リレー後電源ライン、第2リレー後電源ライン、73〜76:インタフェース回路、81〜86:コイル、87:第1巻線組(巻線)、88:第2巻線組(巻線)、89:ギア、90:ステアリングシステム、91:ステアリングホイール、92:ステアリングシャフト、94:ステアリングセンサ、95:トルクセンサ、96:ギア、97:ラック軸、98:タイヤ、100:電動パワーステアリングシステム

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